JPWO2018123722A1 - 表示部材 - Google Patents

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Abstract

新しい表示部材の提供を課題とする。第1の偏光板と、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致するパターン領域が設けられた第1のパターン位相差膜とを備える第1の積層体、第2の偏光板と、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致するパターン領域が設けられた第2のパターン位相差膜とを備える第2の積層体を有し、第1のパターン位相差膜のパターン領域の形状と、第2のパターン位相差膜のパターン領域の形状とが、互いに異なることにより、課題を解決する。

Description

本発明は、絵柄および文字等の画像を表示する新規な表示部材に関する。
装飾、意匠性の向上、娯楽性の向上、宣伝、告知、広告、および、各種の情報の提供等を目的として、透明なドア、透明な窓、透明な壁、および、透明な間仕切り等の表面に、透明あるいは不透明なインクおよびフィルム等を用いて、絵柄および文字等の画像を表示する表示部材が、各種、提案されている。
例えば、特許文献1には、透明ガラス板の片面に、任意の形状の半透明あるいは不透明の有色または無色のパターン膜を形成し、他方の面にはパターン膜に対面して、より広い範囲に半透明反射膜を形成した装飾ガラス板が記載されている。
この装飾ガラス板によれば、透明ガラスの一面に形成したパターンを他の面に陰影として投射することで、立体感に富んだ表示を行うことができる。
特許文献2には、シート素材の所定部に、光の透過を規制する所定パターンの遮光部を設け、この遮光部の所定域に、透明または打ち抜きによる所定パターンの光透過部を形成した表示シートが記載されている。
この表示シートは、例えば地下鉄の窓ガラスに利用した際に、光が車窓を通過する毎に遮光部の中の光透過部のパターンが表示されるので、人目を引き易い画像表示を行うことができる。
実開平3−45932号公報 特開平6−12017号公報
これらの特許文献に記載される表示部材を初めとして、表示部材は、通常、インクおよび着色されたフィルムなど、染料および顔料等の色材を用いて画像を表示している。
本発明の目的は、染料および顔料等の色材を用いずに画像を表示する、新しい表示部材を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の表示部材は、第1の偏光板と、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第1のパターン位相差膜と、を備える第1の積層体、および、
第2の偏光板と、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第2のパターン位相差膜と、を備える第2の積層体、を有し、
第1の積層体の第1のパターン位相差膜のパターン領域の形状と、第2の積層体の第2のパターン位相差膜のパターン領域の形状とが、互いに異なることを特徴とする表示部材を提供する。
このような本発明の表示部材において、第1の積層体と第2の積層体とを積層した状態において、第1の積層体の第1のパターン位相差膜のパターン領域と第2の積層体の第2のパターン位相差膜のパターン領域とが重複して形成される複数の重複領域を有し、かつ、重複領域は、互いにレタデーション値が異なる複数種を有する、のが好ましい。
また、重複領域として、550nmにおけるレタデーション値が0nm±10nmとなる重複領域を有するのが好ましい。
また、重複領域として、550nmにおけるレタデーション値が260nm±40nmとなる重複領域を有するのが好ましい。
また、重複領域として、550nmにおけるレタデーション値が400nm以上となる重複領域を有するのが好ましい。
また、第1の積層体と第2の積層体とを積層した状態において、第1の積層体の第1のパターン位相差膜のパターン領域の境界と、第2の積層体の第2のパターン位相差膜のパターン領域の境界とが、複数箇所、交差するのが好ましい。
また、第1の積層体と第2の積層体とが、1mm以上の間隔を有して積層されるのが好ましい。
また、第1の積層体と第2の積層体とを、面方向に相対的に移動する移動手段を有するのが好ましい。
また、第1の積層体の第1のパターン位相差膜が、2種のパターン領域を有し、かつ、2種のパターン領域の遅相軸が直交し、第2の積層体の第2のパターン位相差膜が、2種のパターン領域を有し、かつ、2種のパターン領域の遅相軸が直交するのが好ましい。
また、第1の積層体が、第1のパターン位相差膜の第1の偏光板とは逆側の面に、第1の透明支持体を備え、第2の積層体が、第2のパターン位相差膜の第2の偏光板とは逆側の面に、第2の透明支持体を備えるのが好ましい。
また、第1の積層体の第1の透明支持体、および、第2の積層体の第2の透明支持体が、面内に位相差を有し、第1の積層体と第2の積層体とを積層した状態において、第1の積層体の第1の透明支持体の遅相軸と第2の積層体の第2の透明支持体の遅相軸とが直交するのが好ましい。
また、第1の積層体の第1の偏光板の透過軸と第2の積層体の第2の偏光板の透過軸とを直交した状態で、第1の積層体と第2の積層体とが積層されるのが好ましい。
また、第1の積層体の第1の偏光板の透過軸と第2の積層体の第2の偏光板の透過軸とが平行な状態で、第1の積層体と第2の積層体とが積層されるのが好ましい。
また、第1の積層体が、第1のパターン位相差膜と共に第1の偏光板を挟む位置に、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第3のパターン位相差膜を有し、第2の積層体が、第2のパターン位相差膜と共に第2の偏光板を挟む位置に、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第4のパターン位相差膜を有し、第1の積層体の第3のパターン位相差膜のパターン領域の形状と、第2の積層体の第4のパターン位相差膜のパターン領域の形状とが、互いに異なるのが好ましい。
さらに、第1の積層体における、第1のパターン位相差膜のパターン領域の形状と第3のパターン位相差膜のパターン領域の形状とが互いに異なる構成、および、第2の積層体における、第2のパターン位相差膜のパターン領域の形状と第4のパターン位相差膜のパターン領域の形状とが互いに異なる構成の、少なくとも一方の構成を有するのが好ましい。
本発明によれば、染料および顔料等の色材を用いずに画像を表示する、新しい表示部材が提供される。
図1は、本発明の表示部材の一例の概略側面図である。 図2は、図1に示す表示部材を概念的に示す分解斜視図である。 図3は、図1に示す表示部材のパターン領域を説明するための概念図である。 図4は、図1に示す表示部材が表示する画像を概念的に示す図である。 図5は、図1に示す表示部材が表示する画像を説明するための概念図である。 図6は、図1に示す表示部材が表示する画像を説明するための概念図である。 図7は、図1に示す表示部材が表示する画像を説明するための概念図である。 図8は、本発明の表示部材の別の例の概略側面図である。 図9は、図8に示す表示部材を概念的に示す分解斜視図である。 図10は、図8に示す表示部材が表示する画像を概念的に示す図である。 図11は、図8に示す表示部材が表示する画像を説明するための概念図である。 図12は、本発明の表示部材の作製に用いるマスクを概念的に示す図である。 図13は、本発明の表示部材の作製に用いるマスクを概念的に示す図である。
以下、本発明の表示部材について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「45°」、「平行」、「垂直」および「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5°未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4°未満であるのが好ましく、3°未満であるのがより好ましい。
また、「同一」とは、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、「全部」、「いずれも」または「全面」等は、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば、99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
本明細書において「遅相軸」とは、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。
本明細書において、Re(λ)は、波長λにおける面内のレタデーションを表す。なお、面内レタデーションの値Reおよび屈折率について特に測定波長が付記されていない場合は、測定波長は550nmである。
本明細書において、Re(λ)は、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)において、波長λで測定した値である、
AxoScanにて平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))とを入力することにより、
遅相軸方向(°)、および、Re(λ)=R0(λ)
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率Nx、Ny、Nzは、アッベ屈折計(アタゴ社製、NAR−4T)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ社製)にて、干渉フィルタとの組合せで測定できる。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値も使用できる。
主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
本明細書において、透明とは、具体的には波長380〜780nmの非偏光透過率(全方位透過率)が50%以上であればよく、70%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましい。
本発明の特徴は、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸の方向が一致する領域で形成された、表示する画像(絵柄および文字等)に応じたパターン領域が設けられたパターン位相差膜を、複数枚、用い、かつ、各パターン位相差膜のパターン領域の形状が異なる点が挙げられる。
図1に、本発明の表示部材の概略側面図を、図2に、図1に示す表示部材を分解した状態の概略斜視図を示す。なお、本発明において、側面とは、本発明の表示部材を、偏光板およびパターン位相差膜あるいはさらに支持体の主面の面方向から見た面であり、正面とは、同主面と直交する方向から見た面である。
主面とは、シート状物(フィルム状物、板状物)の最大面である。
図1および図2に示すように、本発明の表示部材10は、第1積層体12と、第2積層体14とを有する。
第1積層体12は、矩形の板状物であって、第1支持体18と、第1パターン位相差膜20と、第1偏光板24とを有する。他方、第2積層体14は、第1積層体12と同じ矩形の板状物で、第2支持体28と、第2パターン位相差膜30と、第2偏光板32とを有する。
表示部材10において、第1積層体12は本発明における第1の積層体に、第2積層体14は本発明における第2の積層体に、第1支持体18は本発明における第1の透明支持体に、第1パターン位相差膜20は本発明における第1のパターン位相差膜に、第1偏光板24は本発明における第1の偏光板に、第2支持体28は本発明における第2の透明支持体に、第2パターン位相差膜30は本発明における第2のパターン位相差膜に、第2偏光板32は本発明における第2の偏光板に、それぞれ、相当する。
第1積層体12において、第1支持体18の一方の表面には、第1パターン位相差膜20が積層され、第1パターン位相差膜20の表面には、第1偏光板24が積層される。すなわち、第1積層体12は、第1パターン位相差膜20の一方の面に第1偏光板24が設けられ、第1パターン位相差膜20の第1偏光板24が設けられた面とは逆側の面に第1支持体18が設けられた、第1支持体18と第1偏光板24とで、第1パターン位相差膜20を挟持した構成を有する。
他方、第2積層体14において、第2支持体28の一方の表面には、第2パターン位相差膜30が積層され、第2パターン位相差膜30の表面には、第2偏光板32が積層される。すなわち、第2積層体14は、第2パターン位相差膜30の一方の面に第2偏光板32が設けられ、第2パターン位相差膜30の第2偏光板32が設けられた面とは逆側の面に第2支持体28が設けられた、第2支持体28と第2偏光板32とで、第2パターン位相差膜30を挟持した構成を有する。
以下の説明では、便宜的に、図1および図2における上下方向をy方向(90°)とする。第1積層体12および第2積層体14(支持体、位相差膜、偏光板)の面方向と一致し、かつ、y方向と直交する方向をx方向(0°)とする。さらに、x方向およびy方向と直交する方向をz方向とする。すなわち、図1において、x方向は紙面に垂直な方向で、z方向は図中横方向である。
従って、第1積層体12の第1支持体18、第1パターン位相差膜20および第1偏光板24、ならびに、第2積層体14の第2支持体28、第2パターン位相差膜30および第2偏光板32は、共に、z方向に積層される。また、第1積層体12および第2積層体14も、偏光板を外面として、z方向に積層される。
以上の点に関しては、後述する第2の態様の表示装置80も同様である。
表示部材10において、第1積層体12および第2積層体14は、互いの偏光板を外側にして、接触または離間して、積層(z方向から見た際に重複)される。すなわち、表示部材10においては、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30が、第1偏光板24と第2偏光板32との間に位置するように、第1積層体12と第2積層体14とが積層される。
また、第1積層体12および第2積層体14は、完成した画像(担持する画像(最終的に目的とする画像))を表示する際には、面方向(x−y方向)にズレることなく、面方向の外周を一致して積層される。以下の説明では、この状態を『完全に重複して積層』とも言う。
第1積層体12の第1支持体18は、第1パターン位相差膜20および第1偏光板24を支持するために、好ましい態様として用いられるものである。また、第2積層体14の第2支持体28は、第2パターン位相差膜30および第2偏光板32を支持するために、好ましい態様として用いられるものであり、光学的な作用は有さないのが好ましい。
なお、図2において、第1支持体18および第2支持体28に示される破線は、第1支持体18および第2支持体28の遅相軸である。第1支持体18および第2支持体28は、例えばトリアセチルセルロース(TAC)等を延伸して形成される透明な樹脂フィルムであり、若干ではあるが、面内位相差を有する。
そのため、図2に示すように、第1支持体18および第2支持体28は、互いの位相差を相殺するように、遅相軸を直交して配置するのが好ましい。これにより、支持体が有する位相差に起因して、表示部材10が表示する画像に色味が生じる等の不都合が生じることを防止できる。
図2に示すように、第1積層体12の第1偏光板24は、x方向(y方向)に対して45°の透過軸(偏光軸)を有する(矢印t1)。以下、便宜的に、第1偏光板24の透過軸の方向を−45°とも言う。
第2積層体14の第2偏光板32も、x方向(y方向)に対して45°の遅相軸を有する(矢印t2)。ここで、矢印t1および矢印t2に示すように、第1偏光板24の透過軸と第2偏光板の透過軸とは、互いに直交する。すなわち、第1偏光板24と第2偏光板とは、互いの透過軸の方向が90°異なる。以下、便宜的に、第2偏光板32の透過軸の方向を+45°とも言う。
第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30は、共にλ/4板である。
前述のように、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30は、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸の方向が一致する領域で形成された、表示する絵柄および文字等の画像に応じたパターン領域が設けられている。後述するが、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30に設けられるパターン領域は、パターン領域20x−1〜20x−3、20y−1〜20y−3、30x−1および30y−1〜30y−3である。
また、第1パターン位相差膜20と第2パターン位相差膜30とでは、パターン領域の形状が互いに異なる。
第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30のパターン領域は、遅相軸の向きによらず、いずれの領域も、λ/4位相差領域である。
偏光板を透過した光に対するλ/4位相差領域とは、制御波長域内の波長、好ましくは制御波長域の中心波長の1/4の長さ、または、「中心波長×n±中心波長の1/4(nは0または1以上の整数)」の面内レタデーションを有する領域を意図する。例えば、制御波長域の中心波長が1000nmであれば、250nm、750nm、1250nm、1750nm等の位相差の位相差板をλ/4位相差板として用いることができる。
なお、位相差板(位相差膜)に用いられる複屈折材料には、それぞれ固有の波長分散特性があり、通常の順波長分散材料を用いた場合、特定の波長においてλ/4位相差となるようにすると、その波長より短波長側では、位相差はλ/4以上となり、長波長側では、λ/4以下となる。よって、ある波長域において、平均的にλ/4位相差の効果を発現させるためには、光源の波長と、人間の視感度とを加味した値に設定する必要がある。また、敢えて波長分散特性を利用することで、特定の波長の光のみを遮光し、透過光の色味を変化させることも可能となる。一方、色味の変化を抑制したい場合には、逆波長分散性の位相差材料を用いるのが好ましい。
より具体的には、例えば、偏光板を透過した光が可視光領域の光である場合、測定波長550nmで測定したパターン領域の面内レタデーションの値であるRe(550)は、100nm≦Re(550)≦160nmが好ましく、110nm≦Re(550)≦150nmがより好ましく、115nm≦Re(550)≦145nmがさらに好ましい。
第1積層体12の第1パターン位相差膜20のパターン領域による画像は、球を平面視した画像である。
具体的には、第1パターン位相差膜20のパターン領域による画像は、図3の左側に概念的に示すように、球を、球の中心を通る図中y方向に平行な平面によって、x方向の複数箇所で切断したような画像である。
第1パターン位相差膜20には、x方向に遅相軸(矢印a1x)を有するパターン領域20x−1〜20x−3と、y方向に遅相軸(矢印a1y)を有するパターン領域20y−1〜20y−3とが形成される。すなわち、パターン領域20x−1〜20x−3とパターン領域20y−1〜20y−3とは、遅相軸が互いに直交している。言い換えれば、パターン領域20x−1〜20x−3とパターン領域20y−1〜20y−3とは、遅相軸の方向が90°異なる。また、第1パターン位相差膜20において、隣接するパターン領域は、遅相軸が互いに直交している。
第2積層体14の第2パターン位相差膜30のパターン領域による画像も、球を平面視した画像である。
具体的には、第2パターン位相差膜30のパターン領域による画像は、図3の右側に概念的に示すように、球を、図中x方向に平行な平面によって、y方向の複数箇所で切断したような画像である。
第2パターン位相差膜30には、x軸方向に遅相軸(矢印a2x)を有するパターン領域30x−1と、y方向に遅相軸(矢印a1y)を有するパターン領域20y−1〜20y−3とが形成される。図2に示すように、第2パターン位相差膜30においては、パターン領域20y−1〜20y−3以外の領域が、全て、パターン領域30x−1となっている。すなわち、パターン領域30x−1とパターン領域30y−1〜30y−3とは、遅相軸が互いに直交している。また、第2パターン位相差膜30も、隣接するパターン領域は、遅相軸が互いに直交している。
表示部材10においては、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30における2種のパターン領域の遅相軸が互いに直交しているが、本発明は、これに限定はされない。すなわち、本発明においては、パターン位相差膜は、同一面内において複数の遅相軸方向を有し、かつ、遅相軸の方向が一致するパターン領域を複数種有するものであれば、異なるパターン領域の遅相軸が成す角度は、各種の角度が利用可能である。
なお、本発明において、図示例の第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30のように、遅相軸の方向が異なるパターン領域を、2種類、有する場合には、両パターン領域の遅相軸が成す角度は、70〜110°が好ましく、80〜100°がより好ましく、90°、すなわち、直交するのがさらに好ましい。
ここで、前述のように、第1偏光板24および第2偏光板32は、x方向(y方向)に対して45°(−45°および+45°)の透過軸(矢印t1およびt2)を有するものであり、第1偏光板24の透過軸と第2偏光板32の透過軸とは、直交する。
また、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30は、共にλ/4板である。第1パターン位相差膜20は、x方向に遅相軸を有するパターン領域20x−1〜20x−3とy方向に遅相軸を有するパターン領域20y−1〜20y−3とを有する。他方、第2パターン位相差膜30は、x方向に遅相軸を有するパターン領域30x−1とパターン領域30y−1〜30y−3とを有する。図3に示すように、第1パターン位相差膜20と第2パターン位相差膜30とでは、パターン領域の形状が異なる。
さらに、第1積層体12と第2積層体14とを積層した状態では、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30は、第1偏光板24および第2偏光板32に挟まれている。言い換えれば、積層体である表示部材10において、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30は、第1偏光板24および第2偏光板32の内側に位置する。
そのため、第1積層体12と第2積層体とを積層(重複)した状態で表示部材10を観察すると、光は、透過した領域に応じて遮光あるいは透過され、これにより、様々な画像が表示される。また、第1積層体12と第2積層体14とを完全に重複して積層した状態で表示部材10を観察すると、図4に概念的に示す、市松模様の球が表示される。
なお、前述のように、積層とはz方向からみた際に重複すなわち重なっている状態であり、すなわち、重複しているとは、z方向から見た際に重複している状態を示す。
例えば、第1積層体12と第2積層体14とを完全に重複して積層した状態で表示部材10を観察すると、光は、第1偏光板24を透過して−45°の直線偏光となる。
この−45°の直線偏光の一部は、例えば、第1パターン位相差膜20のパターン領域20y−1と第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−1とが重複する重複領域に入射する。前述のように、パターン領域20y−1およびパターン領域30y−1は、共に、λ/4位相差領域で、かつ、遅相軸(矢印a1yおよびa2y)が、共に、y方向である。従って、重複領域(重複したパターン領域)は『λ/4位相差領域+λ/4位相差領域』で、−45°の直線偏光は、結果的に、λ/2位相差領域(λ/2板)を通過した場合と同様になり、偏光方向が90°回転して、+45°の直線偏光となる。
第1パターン位相差膜20のパターン領域20y−1および第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−1を透過した+45°の直線偏光は、次いで、第2偏光板32に入射する。ここで、第2偏光板32は、第1偏光板24の透過軸(矢印t1(−45°))と直交する透過軸(矢印t2(+45°))を有する偏光板である。従って、第2偏光板32に入射した+45°の直線偏光は、第2偏光板32を透過して、図4に示すように、この部分は透明の表示となる。
一方、−45°の直線偏光の別の一部は、第1偏光板24を透過した後、例えば、第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−3と第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−1とが重複する重複領域に入射する。前述のように、パターン領域20x−3とパターン領域30y−1とは、共に、λ/4位相差領域であるが、遅相軸(矢印a1xおよびa2y)が、互いに直交する。従って、重複領域(重複したパターン領域)は、『λ/4位相差領域+(−λ/4位相差領域)』で、−45°の直線偏光は、光学的には何も無い領域を透過した場合と同様になる。すなわち、パターン領域20x−3およびパターン領域30y−1を透過した光は、第1偏光板24(透過軸−45°(矢印t1))を透過した直線偏光と同じ、−45°の直線偏光である。
第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−3および第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−1を透過した−45°の直線偏光も、次いで、第2偏光板32に入射する。前述のように、第2偏光板32は、第1偏光板24の透過軸(矢印t1(−45°))と直交する透過軸(矢印t2(+45°))を有する偏光板である。従って、第2偏光板32に入射した−45°の直線偏光は、第2偏光板32で遮光され、図4に示すように、この部分は黒の表示となる。
同様に、例えば、第1パターン位相差膜20のパターン領域20y−2と第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−2とが重複する領域に入射した−45°の直線偏光は、2枚のλ/4位相差領域からなるλ/2位相差領域を通過して、偏光方向が第1偏光板24の透過軸(−45°)に対して90°回転した+45°の直線偏光となり、透過軸が+45°である第2偏光板32を透過して、図4に示すように、透明の表示となる。
また、例えば、第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−2と第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−2とが重複する領域に入射した−45°の直線偏光は、両パターン領域を透過しても−45°の直線偏光であり、従って、透過軸が+45°である第2偏光板32によって遮光されて、図4に示すように、黒の表示となる。
これにより、第1積層体12と第2積層体14とを完全に重複して積層することで、図4に示すような市松模様状の球体の画像が表示される。
すなわち、本発明によれば、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸の方向が一致する領域で形成された、表示する画像に応じたパターン領域が設けられ、かつ、パターン領域の形状が互いに異なるパターン位相差膜を、複数枚、用いることにより、様々な画像を表示できる、全く新しい表示部材を提供できる。
好ましくは、図1〜3に示されるように、第1積層体12と第2積層体14とを重複することで、第1パターン位相差膜20のパターン領域と第2パターン位相差膜30のパターン領域とが重複した重複領域が、複数形成され、かつ、重複領域として、互いにレタデーション値が異なる、複数種の重複領域を形成する。
なお、本発明において、重複領域とは、すなわち、第1パターン位相差膜20の1つのパターン領域と、第2パターン位相差膜30の1つのパターン領域とが、z方向に重複してなる領域である。z方向に重複してなる領域とは、言い換えれば、z方向から見た際に重複してなる領域である。
また、重複領域のレタデーション値とは、z方向に重複する、第1パターン位相差膜20の1つのパターン領域と、第2パターン位相差膜30の1つのパターン領域とを、1つの位相差膜としてみなした際のレタデーション値を意図する。
具体的には、第1積層体12と第2積層体14とを重複した際に、重複した第1パターン位相差膜20のパターン領域と第2パターン位相差膜30のパターン領域とで、遅相軸の方向が同方向の領域と、遅相軸の方向が異なる重複領域とを形成することで、絵柄および文字等の画像を表示する。
より好ましくは、第1パターン位相差膜20のパターン領域と第2パターン位相差膜30のパターン領域とが重複した重複領域として、レタデーション値が0nm±10nmとなる重複領域、および、260nm±40nmとなる重複領域の少なくとも一方を形成する。
具体的には、第1積層体12と第2積層体14とを重複することで形成される重複領域として、第1パターン位相差膜20における遅相軸がx方向(矢印a1x)のパターン領域と、第2パターン位相差膜30における遅相軸がy方向(矢印a2y)のパターン領域とが重複した場合、および、第1パターン位相差膜20における遅相軸がy方向(矢印a1y)のパターン領域と、第2パターン位相差膜30における遅相軸がx方向(矢印a2x)のパターン領域とが重複した場合に、レタデーション値が0nm±10nmとなる重複領域を形成する。この重複領域が、前述の遮光されて黒くなる領域である。
また、第1積層体12と第2積層体14とを重複することで形成される別の重複領域として、第1パターン位相差膜20における遅相軸がx方向(矢印a1x)のパターン領域と、第2パターン位相差膜30における遅相軸がx方向(矢印a2x)のパターン領域とが重複した場合、および、第1パターン位相差膜20における遅相軸がy方向(矢印a1y)のパターン領域と、第2パターン位相差膜30における遅相軸がy方向(矢印a2y)のパターン領域とが重複した場合に、レタデーション値が260nm±40nmとなる重複領域を形成する。この重複領域が、前述の透明となる領域である。
このような構成を有することにより、光の遮光および透過を好適に行い、高画質な画像を表示することが可能になる。
さらに、第1積層体12と第2積層体14とを重複することで形成される別の重複領域として、第1パターン位相差膜20における遅相軸がx方向(矢印a1x)のパターン領域と、第2パターン位相差膜30における遅相軸がx方向(矢印a2x)のパターン領域とが重複した場合、および、第1パターン位相差膜20における遅相軸がy方向(矢印a1y)のパターン領域と、第2パターン位相差膜30における遅相軸がy方向(矢印a2y)のパターン領域とが重複した場合に、レタデーション値が400nm以上となる重複領域を形成してもよい。
第1積層体12と第2積層体14とを重複した際に、このようなレタデーション値を有する重複領域を形成することで、表示する画像に色味を付けることができ、カラー画像を表示することも可能になる。
第1積層体12と第2積層体14とを重複した状態で、レタデーション値の異なる複数種の重複領域を形成するとは、より好ましくは、第1パターン位相差膜20のパターン領域と第2パターン位相差膜30のパターン領域とで、パターン領域の境界を複数箇所で交差して、パターン領域の境界の交点の回りに、2種以上の重複領域、より詳細には4種以上の重複領域を形成することである。
一例として、図4における、第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−2および20x−3の境界と、第2パターン位相差膜30のパターン領域30x−1および30y−2の境界との交点nを参照すると、この交点nの回りには、
遅相軸の方向が共にx方向(矢印a1xおよびa2x(0°))である、第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−2と第2パターン位相差膜30のパターン領域30x−1とが重複した、透明となる重複領域(x方向−x方向(0°−0°));
遅相軸の方向がy方向(矢印a1yおよびa2y(90°))である、第1パターン位相差膜20のパターン領域20y−2と、遅相軸の方向がx方向である第2パターン位相差膜30のパターン領域30x−1とが重複した、遮光される重複領域(y方向−x方向(90°−0°));
遅相軸の方向がx方向である第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−2と、遅相軸の方向がy方向である第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−2とが重複した、遮光される重複領域(x方向−y方向(0°−90°));および、
遅相軸の方向が共にy方向である、第1パターン位相差膜20のパターン領域20y−2と第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−2とが重複した、透明となる重複領域(y方向−y方向(90°−90°));の、レタデーション値としては2種、遅相軸の組み合わせとしては4種の重複領域が形成され、これにより、図4に示すような、市松模様状の球体が表示される。
本発明の表示部材10は、第1積層体12の第1パターン位相差膜20の位置と、第2積層体14の第2パターン位相差膜30の位置とが、z方向にズレている。すなわち、第1パターン位相差膜20のパターン領域による画像と、第2パターン位相差膜30のパターン領域による画像とが、z方向にズレている。
そのため、表示部材10を斜め方向すなわちz方向に対して角度を有して観察すると、第1パターン位相差膜20のパターン領域による画像と、第2パターン位相差膜30のパターン領域による画像との間に視差が生じ、立体感(奥行き感)のある画像の表示、および、正面からの観察に対して変形しているような視覚効果を得ることができる。
前述のように、本発明の表示部材10において、第1積層体12と第2積層体14とは、密着した状態で積層してもよく、間隔を開けて積層してもよい。
ここで、画像の立体感および画像の変形の視覚効果は、第1積層体12と第2積層体14との間隙が大きいほど、効果が大きくなる。そのため、画像の立体感および画像の変形等の効果を得るために、第1積層体12と第2積層体14とを間隔を開けて積層する場合には、両者の間隔は1mm以上とするのが好ましい。なお、第1積層体12と第2積層体14との間隙とは、すなわち、第1積層体12と第2積層体14とのz方向の距離である。
但し、第1積層体12と第2積層体14との間隙が大きすぎると、視差が大きくなりすぎて、観察される画像が不適正になってしまう可能性もある。そのため、表示する画像および表示部材10の大きさ等に応じて、第1積層体12と第2積層体14との間隙は、表示する画像が適正に観察できる範囲に留めるのが好ましい。
また、第1積層体12と第2積層体14との間に間隙を設ける場合には、例えば、水槽の一面に第1積層体12を貼着し、水槽の第1積層体12を貼着した面と逆側の面に第2積層体14を貼着することで、画像の間を魚が泳いでいるような視覚効果を演出できる。
さらに、本発明の表示部材10では、第1積層体12と第2積層体14とを面方向に相対的に移動する移動手段を有してもよい。
第1積層体12と第2積層体14とを面方向に相対的に移動することにより、第1パターン位相差膜20のパターン領域と第2パターン位相差膜30のパターン領域との重複位置および境界の交点が変動して、それに応じて、画像が変化する。
そのため、第1積層体12と第2積層体14とが重複せずに完全に離間した何も表示しない状態から、第1積層体12と第2積層体14とを相対的に移動させて両者を重複させ、徐々に、第1積層体12と第2積層体14との重複量を増加していき、最終的に、完全に重複して積層することで、表示画像を変化させつつ、画像を完成させることもできる。この構成によれば、第1積層体12と第2積層体14とが完全に重複して積層するまで表示画像が変化するので、観察者は、最終的にどのような画像が表示されるか分からず、画像表示の娯楽性等を向上できる。
逆に、第1積層体12と第2積層体14とが完全に重複して積層した、画像が完成している状態から、徐々に、第1積層体12と第2積層体14との重複量を減少していき、両者を完全に離間することで、画像を変化させつつ、最終的に何も表示されてない状態にすることもできる。
例えば、図5に概念的に示すように、表示部材10の第1積層体12と第2積層体14とが面方向に完全に離間している状態では、第1積層体12および第2積層体に入射した光は、両者を透過するたけで、何も目視されない。
この状態から、第1積層体12と第2積層体14とを面方向に相対的に移動して、両者を重複させると画像が表示され、さらに重複量の増加に応じて第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30のパターン領域の重複位置およびパターン領域の境界の交点が徐々に変化して、画像が変化する。
例えば、第1積層体12と第2積層体14とが1/4重複した時点では、第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−1の一部と、第2パターン位相差膜30のパターン領域30y−1およびパターン領域30y−2の一部とが重複し、また、第1パターン位相差膜20のパターン領域20y−3の一部と、第2パターン位相差膜30のパターン領域30x−1の一部とが重複して、図6に概念的に示すような画像が表示される。
さらに第1積層体12と第2積層体14とを面方向に相対的に移動して、第1積層体12と第2積層体14との重複量が増加すると、同様に、重複量の増加に応じて、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30のパターン領域の重複位置および境界の交点等が徐々に変化して、すなわち重複領域が変動して、画像が変化する。
例えば、第1積層体12と第2積層体14とが3/4重複した状態では、第1パターン位相差膜20のパターン領域20x−1、20y−3、20x−3、20y−2、20x−2および20y−1の一部と、第2パターン位相差膜30のパターン領域30x−1、30y−1、30y−2および30y−3の一部とが重複し、図7に概念的に示すような画像が表示される。
さらに第1積層体12と第2積層体14とを面方向に相対的に移動して、第1積層体12と第2積層体14との重複量が増加すると、重複量の増加に応じて、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30のパターン領域との重複位置およびパターン領域の境界の交点等が徐々に変化して、画像が変化し、図4に示すように、第1積層体12と第2積層体14とが、完全に重複して積層されると、市松模様状の球を表示する、完成した状態の画像が表示される。
また、図4に示す完成した画像を表示している状態から、第1積層体12と第2積層体14とを面方向に相対的に移動して、両積層体の重複量を、徐々に、減らすことで、図4に示す完成した画像を表示している状態から、重複領域が変動して、画像が変化して、図7に示す3/4重複した状態、図6に示す1/4重複した状態を経て、図5に示すように、何も見えない状態となる。
このような第1積層体12と第2積層体14との相対的な移動は、第2積層体14を固定して第1積層体12を移動して行ってもよく、あるいは、第1積層体12を固定して第2積層体14を移動して行ってもよく、あるいは、第1積層体12および第2積層体14の両者を移動して行ってもよい。
また、第1積層体12および/または第2積層体14の移動手段にも、限定はなく、公知のシート状物(フィルム状物、板状物)の移動手段が、各種、利用可能である。
第1積層体12および/または第2積層体14を移動させる場合には、例えば、戸袋が透明な自動ドアにおいて、戸袋に第1積層体12を貼着し、扉に第2積層体14を貼着して、扉が全開になった状態で、第1積層体12と第2積層体14とが完全に重複して積層した状態になるようにしてもよい。
これにより、自動ドアが完全に閉まった状態から自動ドアを開けることで、何も表示されない状態から、何らかの画像が観察できる状態になって、徐々に画像が変化して、自動ドアが完全に開いた状態で画像が完成し、逆に、自動ドアが完全に開いた状態から、自動ドアが閉まることで、完成していた画像が、徐々に変化していき、自動ドアが閉まった状態では、何も見えない状態に戻るような、視覚的な演出を行うことができる。
なお、この構成は、自動ドアではなく、手動のドアでも利用できる。
また、本発明の表示部材は、第1積層体12と第2積層体14とを完全に重複して積層した状態ではなく、第1積層体12と第2積層体14とがズレて積層された状態で、完成した画像を表示するように、第1パターン位相差膜20のパターン領域および第2パターン位相差膜30のパターン領域を形成してもよい。
図8および図9に、本発明の表示部材の別の態様を概念的に示す。図8は、図1と同様の側面図であり、図9は、図2と同様の分解斜視図である。
なお、図9に示す表示部材50においても、第1積層体52と第2積層体54とは、離間して積層されても、接触して積層されてもよい。
図9に示す表示部材50は、図1および図2に示す表示部材10と同じ部材を多用しているので、同じ部材には同じ符号を付し、以下の説明は異なる部位を主に行う。
この表示部材50は、前述の第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30に加え、第3パターン位相差膜(第3のパターン位相差膜)58および第4パターン位相差膜(第4のパターン位相差膜)60を有する。
表示部材50は、さらに2枚のパターン位相差膜を有することで、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30による画像と、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60による画像とを、切り換えて表示することができる。
表示部材50の第1積層体52において、第1支持体18の一方の表面には、第1パターン位相差膜20が積層され、第1パターン位相差膜20の表面には、第1偏光板24が積層され、第2偏光板32の表面には第3パターン位相差膜58が積層され、第3パターン位相差膜58の表面には、2枚目の第1支持体18が形成される。
すなわち、第1積層体52は、第1偏光板24を第1パターン位相差膜20と第3パターン位相差膜58とで挟持し、その両面を第1支持体18で挟持した構成を有する。
他方、第2積層体54において、第2支持体28の一方の表面には、第2パターン位相差膜30が積層され、第2パターン位相差膜30の表面には、第2偏光板32が積層され、第2偏光板32の表面には第4パターン位相差膜60が積層され、第4パターン位相差膜60の表面には、2枚目の第2支持体28が積層される。
すなわち、第2積層体54は、第2偏光板32を第2パターン位相差膜30と第4パターン位相差膜60とで挟持し、その両面を第2支持体28で挟持した構成を有する。
なお、第1積層体52の第1支持体18に示す破線の矢印、および、第2積層体54の第2支持体28に示す破線の矢印は、先の例と同様、支持体の遅相軸である。
前述の表示部材10と同様、第1積層体52においては、2枚の第1支持体18の遅相軸を直交して配置することにより、第2積層体54においては、2枚の第2支持体28の遅相軸を直交して配置することにより、支持体が有する位相差を相殺して、高画質な画像の表示を可能にしている。
第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60は、前述の第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30と同様のλ/4板である。
従って、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60は、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸の方向が一致する領域で形成された、表示する画像に応じたパターン領域(後述するパターン領域58x−1、58y−1〜58y−3、60x−1および60y−1〜60y−3)が設けられている。また、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60とでは、パターン領域の形状が互いに異なる。
後に示すが、表示装置80の第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60が表示する画像(担持する画像)は、円筒を平面視した画像である。
第1積層体52の第3パターン位相差膜58のパターン領域による画像は、円筒を、x方向に平行な平面(底面に平行な平面)で、y方向(高さ方向)の複数箇所で切断したような画像である。
第3パターン位相差膜58には、y方向に遅相軸(矢印a3y)を有するパターン領域58y−1〜58y−3と、それ以外の領域である、x方向に遅相軸(矢印a3x)を有するパターン領域58x−1とが形成される。すなわち、パターン領域58x−1とパターン領域58y−1〜58y−3とは、遅相軸が互いに直交している。また、第3パターン位相差膜58において、隣接するパターン領域は、遅相軸が互いに直交している。
他方、第2積層体54の第4パターン位相差膜60のパターン領域による画像は、円筒をy方向に平行な平面で、x方向の複数箇所で切断したような平面である。
第4パターン位相差膜60には、y方向に遅相軸(矢印a4y)を有するパターン領域60y−1〜60y−3と、それ以外の領域である、x方向に遅相軸(矢印a4x)を有するパターン領域60x−1とが形成される。すなわち、パターン領域60x−1とパターン領域60y−1〜60y−3とは、遅相軸が互いに直交している。また、第4パターン位相差膜60においても、隣接するパターン領域は、遅相軸が互いに直交している。
先の例と同様、第1偏光板24および第2偏光板32は、x方向(y方向)に対して45°(−45°および+45°)の透過軸(矢印t1およびt2)を有するものであり、第1偏光板24の透過軸と第2偏光板32の透過軸とは、直交する。
また、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60は、共に、λ/4板であり、x方向に遅相軸を有するパターン領域と、y方向に遅相軸を有するパターン領域とを有し、かつ、両位相差膜のパターン領域の形状は、異なる。
従って、図9に示す表示部材50は、第1積層体52と第2積層体54とを完全に重複して、積層した状態で観察すると、光は、透過した領域に応じて遮光あるいは透過され、前述の第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30を用いる画像表示と同様の作用で、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60のパターン領域による図10に概念的に示す画像が表示される。
例えば、第1積層体52と第2積層体54とを完全に重複して積層した状態の表示部材50を観察する。
この際において、第2支持体28を透過した光は、第2パターン位相差膜30に入射するが、この光は偏光では無いので、第2パターン位相差膜30では、殆ど影響を受けずに透過して、第2偏光板32に入射する。
第2偏光板32に入射して透過した光は、+45°の直線偏光になる。
この+45°の直線偏光は、次いで、第4パターン位相差膜60、第2支持体28、第1支持体18および第3パターン位相差膜58の順番に入射して、透過する。
この+45°の直線偏光の一部は、例えば、第4パターン位相差膜60のパターン領域60y−1と第3パターン位相差膜58のパターン領域58y−1とが重複する重複領域に入射する。前述のように、パターン領域60y−1およびパターン領域58y−1は、共に、λ/4位相差領域で、かつ、遅相軸(矢印a4yおよびa3y)がy方向である。従って、重複領域(重複したパターン領域)は、『λ/4位相差領域+λ/4位相差領域』で、+45°の直線偏光は、結果的に、λ/2位相差領域(λ/2板)を通過した場合と同様になり、偏光方向が90°回転して、−45°の直線偏光となる。
第4パターン位相差膜60のパターン領域60y−1および第3パターン位相差膜58のパターン領域30y−1を透過した−45°の直線偏光は、次いで、第1偏光板24に入射する。第1偏光板24は、前述のように、−45°の透過軸(矢印t1)を有する偏光板である。従って、第1偏光板24に入射した−45°の直線偏光は、第1偏光板24を透過する。
第1偏光板24を透過した−45°の直線偏光は、次いで、第1パターン位相差膜20に入射する。
第1パターン位相差膜20は、λ/4板であるので、−45°の直線偏光は、円偏光に変化する。しかしながら、視覚的には、なんの影響を受けることは無いので、光は、第1パターン位相差膜20を透過して、次いで、第1支持体18を透過するので、図10に示すように、この部分は透明の表示となる。
一方、第2支持体28および第2パターン位相差膜30を透過して、第2偏光板32を透過した+45°の直線偏光の別の一部は、例えば、第4パターン位相差膜60のパターン領域60y−1と第3パターン位相差膜58のパターン領域58x−1とが重複する重複領域に入射する。前述のように、パターン領域60y−1およびパターン領域58x−1は、共に、λ/4位相差領域であるが、遅相軸(矢印a4yおよびa3x)が、互いに直交する。従って、重複領域(重複したパターン領域)は、『λ/4位相差領域+(−λ/4位相差領域)』で、+45°の直線偏光は、結果的に、何も無い領域を透過した場合と同様になる。すなわち、パターン領域60y−1およびパターン領域58x−1を透過した光は、第2偏光板32の透過軸(矢印t1)と同方向の+45°の直線偏光のままである。
第4パターン位相差膜60のパターン領域60y−1および第3パターン位相差膜58のパターン領域58x−1を透過した+45°の直線偏光は、次いで、第1偏光板24に入射する。第1偏光板24は、前述のように、−45°の透過軸(矢印t1)を有する偏光板である。従って、第1偏光板24に入射した+45°の直線偏光は、第1偏光板24によって遮光される。その結果、図10に示すように、この部分は黒の表示となる。
このような作用により、第1積層体52と第2積層体54とを完全に重複して積層することで、図10に示すような市松模様状の円筒の画像が表示される。
また、前述の表示部材10と同様、表示部材50も、第1積層体52と第2積層体54とを、面方向に相対的に移動することにより、第1積層体52と第2積層体54とが離間した何も表示しない状態から、例えば図11に示す第1積層体52と第2積層体54とが2/3重複した状態等を経て、第1積層体52と第2積層体54とを完全に重複して積層することで、画像を変化させつつ、図10に示すような完成した市松模様状の円筒の画像を表示することもできる。
また、表示部材10と同様、第1積層体52と第2積層体54とが完全に重複した状態から、両積層体の重複量を、徐々に少なくすることで、完成した市松模様状の画像から、画像を変化させつつ、第1積層体52と第2積層体54とが完全に離間した、何も表示しない状態にすることも可能である。
前述のように、表示部材50では、第1積層体52と第2積層体54とを積層した状態において、第1偏光板24および第2偏光板32の外側に位置するパターン位相差膜は、画像表示には全く作用せず、第1偏光板24および第2偏光板32の内側に位置するパターン位相差膜のみが、画像の表示に作用する。
すなわち、図9に示す状態では、第1偏光板24および第2偏光板32の内側に位置する第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60のみが画像の表示に作用し、両偏光板の外側に位置する第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30は、画像の表示には、作用しない。
従って、例えは、第1積層体52と第2積層体54とをz方向に入れ換えて、または、第1積層体52および第2積層体54を表裏反転して、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30を第1偏光板24および第2偏光板32の内側に位置し、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60を両偏光板の外側に位置させることにより、第1偏光板24および第2偏光板32の内側に位置する第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30のみを画像の表示に作用させて、先と同様にして、図4に示す市松模様の球を表示することができる。
すなわち、図9に示す、積層体が偏光板を挟んで2枚のパターン位相差膜を有する構成では、第1積層体および第2積層体のいずれかを表裏反転することで、あるいは、第1積層体および第2積層体の両者を表裏反転することで、2種以上の画像を表示することが可能である。
前述の表示部材10と同様、表示部材50も、第1積層体52と第2積層体54とを完全に重複して積層した状態ではなく、第1積層体52と第2積層体54とがズレて積層した状態で、完成した画像を表示するようにしてもよい。
また、表示部材50では、一方の画像は、第1積層体52と第2積層体54とを完全に重複して積層した状態で完成した画像を表示し、他方の画像は、第1積層体52と第2積層体54とがズレて積層した状態で、完成した画像を表示するようにしてもよい。
以上の表示部材10および表示部材50は、第1偏光板24と第2偏光板32との透過軸が直交していたが、本発明は、これに限定はされない。
例えば、第1偏光板24と第2偏光板32との透過軸が平行であってもよい。この場合には、例えば、表示部材10では遮光されて黒の表示となった領域が透明の表示となり、表示部材10では透明となった領域が遮光されて黒の表示となる。
前述のように、第1積層体および第2積層体は、支持体(透明支持体)、パターン位相差膜、および、偏光板を有して構成される。
<支持体>
支持体(第1支持体18、第2支持体28)は、パターン位相差膜および偏光板を支持するものである。支持体は、好ましい態様として設けられるものであり、支持体を有することで、第1積層体および第2積層体の機械的強度を向上できる。
支持体の形成材料は、特に制限はされず、透明な支持体を形成可能なものであれば、各種の材料が利用可能である。
具体的には、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系ポリマー、ポリスチレンおよびアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンおよび芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリ交差領域ルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、ならびに、エポキシ系ポリマーなどが挙げられる。
また、支持体の形成材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることができる。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン社製のゼオネックス、ゼオノア、JSR社製のアートン等が挙げられる。
また、支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)に代表される、セルロース系ポリマーも好ましく用いることができる。
支持体の厚さは特に制限されないが、第1積層体および第2積層体を薄くできる点で、15〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましく、40〜60μmが特に好ましい。
また、支持体は、面内位相差が小さい方が好ましい。具体的には、支持体は、レタデーション値(Re値)が20nm以下であるのが好ましく、10nm以下であるのがより好ましい。
<パターン位相差膜>
パターン位相差膜(第1パターン位相差膜20、第2パターン位相差膜30、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60)を形成する材料は、上述した特性を示す材料であれば、特に制限されず、公知の各種の材料が利用可能である。
パターン位相差膜の形成材料としては、例えば、液晶性化合物が挙げられる。より具体的には、低分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋および熱架橋等によって固定化して得られる位相差膜(光学異方性層)、高分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって配向を固定化して得られる位相差膜(光学異方性層)を用いることもできる。
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶性化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶性化合物)に分類できる。さらにそれぞれ低分子タイプと高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできる。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上のディスコティック液晶性化合物、または、棒状液晶性化合物とディスコティック液晶性化合物との混合物を用いてもよい。
なお、棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1および特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]等に記載のものを好ましく用いることができる。ディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]および特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]等に記載のものを好ましく用いることができる。なお、本発明において、液晶性化合物は、これらに限定されない。
また、色味を抑制する観点からは、逆波長分散性の液晶性化合物を用いるのが好ましく、例えば、特開2016−81035号公報に記載の化合物を用いるのも好ましい。
パターン位相差膜は、温度変化および/または湿度変化を小さくできることから、重合性基を有する液晶性化合物(棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物)を用いて形成することがより好ましい。液晶性化合物は2種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の重合性基を有していることが好ましい。
つまり、パターン位相差膜は、重合性基を有する棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物が重合等によって固定されて形成された層であることが好ましく、この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
ディスコティック液晶性化合物および棒状液晶性化合物に含まれる重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
なお、パターン位相差膜は、単層膜でも、複数層を積層した積層膜でもよい。
パターン位相差膜の形成方法は、特に制限されないが、例えば、液晶性化合物を用いてパターン位相差膜を形成する際には、液晶性化合物の分子を所望の配向状態にするための配向膜を利用する技術が一般的である。
配向膜としては、ポリマー等の有機化合物からなるラビング処理膜、無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチルの如き有機化合物のラングミュア・ブロジェット法によるLB(ラングミュア・ブロジェット)膜を累積させた膜など、公知の各種のものが利用可能である。配向膜に使用するポリマーの種類は、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等が例示される。
本発明においては、配向膜は、光配向性の素材(光配向材料)を含む膜(光配向膜形成用膜)に光(例えば、偏光または非偏光)を照射して配向膜とした、いわゆる光配向膜を用いるのが好ましい。
例えば、支持体上に、光配向材料を塗布して、マスクを介して所定の照射処理を施して、光配向膜を作製してもよい。偏光の照射は、光配向膜形成用膜に対して、垂直方向または斜め方向から行うことができ、非偏光の照射は、光配向膜形成用膜に対して、斜め方向から行うことができる。
本発明に利用可能な光配向材料としては、多数の文献等に記載がある。例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号公報、特許第4151746号公報に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号公報、特許第4205198号公報に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号公報に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、またはエステル、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報、WO2010/150748号公報、特開2013−177561号公報、特開2014−12823号公報に記載の光二量化可能な化合物、特にシンナメート化合物、カルコン化合物、クマリン化合物が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、エステル、シンナメート化合物、カルコン化合物である。
配向膜の厚さは、配向機能を提供できればよく、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
パターン位相差膜は、公知の方法で形成すればよい。
一例として、第1パターン位相差膜20を、光配向膜を利用して形成する場合には、まず、第1支持体18、および、光配向材料を含有する光配向膜となる塗布液(光配向膜用塗布液)を用意する。一例として、第1支持体18は、僅かな位相差を有する。
第1支持体18の一面に、光配向膜用塗布液を塗布、乾燥することで、光配向膜用塗布液の塗膜を形成する。光配向膜用塗布液の塗布は、バーコート法およびスピンコート法等の公知の方法で行えばよい。
次いで、光配向膜用塗布液の塗膜に、第1支持体18の遅相軸をy方向として、遅相軸と平行な直線偏光を照射して、塗膜の全面をy方向に配向する。直線偏光の照射は、光源とワイヤーグリッド偏光板を用いる方法等、公知の方法で行えばよい。
次いで、パターン領域に応じて予め作成した図12の左側に示すマスク64(黒で示す領域が遮光領域)を、マスク64におけるy方向(上下方向)と、第1支持体18の遅相軸とを一致して、設置する。この状態で、マスク64を介して、先に照射した直線偏光と直交する直線偏光すなわちx方向の直線偏光を、塗膜に照射する。
これにより、第1支持体18の上に、パターン領域20x−1〜20x−3に対応する領域をx方向に配向し、パターン領域20y−1〜20y−3に対応する領域をy方向に配向した、光配向膜を形成する。
一方で、重合性液晶性化合物等を含有する、第1パターン位相差膜20を形成するための位相差膜用塗布液を調製する。
その後、先に形成した光配向膜の表面に、位相差膜用塗布液を塗布する。位相差膜用塗布液の塗布も、先と同様、公知の方法で行えばよい。
さらに、必要に応じて塗布した位相差膜用塗布液を乾燥し、位相差膜用塗布液の塗膜に紫外線を照射して、位相差膜用塗布液を硬化する。これにより、x方向に遅相軸を有するパターン領域20x−1〜20x−3、および、y方向に遅相軸を有するパターン領域20y−1〜20y−3が形成された、図2に示すような、第1支持体18に支持された第1パターン位相差膜20を形成できる。
また、光配向膜を用いないパターン位相差膜の作製方法として、特開2012−32661号公報および/または特開2012−150428号公報に記載される方法を用いることも可能である。
<偏光板>
偏光板(第1偏光板24および第2偏光板32)としては、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有するいわゆる直線偏光板が用いられる。
一例として、吸収型の直線偏光板が例示される。
吸収型の直線偏光板の種類は特に制限はなく、公知の吸収型偏光板を用いることができ、例えば、ヨウ素系偏光膜、二色性染料(二色性有機染料)を利用した染料系偏光膜、および、ポリエン系偏光膜のいずれも用いることができる。ヨウ素系偏光膜、および、染料系偏光膜は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
また、偏光板は、吸収型の直線偏光板以外にも、反射型の直線偏光板を用いてもよい。
反射型の直線偏光板としては、公知のものを使用することができ、例えば、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光板、および、ワイヤーグリッド型偏光板等が使用される。複屈折の異なる薄膜を積層した偏光板としては、例えば、特表平9−506837号公報等に記載されたもの、および、3M社製の商品名:DBEF等の市販品が例示される。ワイヤーグリッド型偏光板としては、例えば、エドモンドオプティクス社製のワイヤーグリッド偏光フィルター50×50、NT46−636等の市販品が例示される。
なお、反射型の直線偏光板とは、入射光のうち、第1の方向の偏光成分を透過し、第1の方向と直交する方向の偏光成分を反射する性質を持つ。つまり、偏光板の片側から非偏光が入射された時、他方側から直線偏光が得られる。
本発明の表示部材において、偏光板は、基本的に、可視光を透過または反射する。さらに、必要に応じて、紫外線および/または赤外線を透過または反射してもよい。
なお、赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波である。近赤外線とは一般的に750nm超2500nm以下の波長域の電磁波である。可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380〜750nmの波長域の光を示す。紫外線(紫外光)は、可視光線より短くX線より長い波長域電磁波である。紫外線は可視光線およびX線と区別される波長域の光であればよく、例えば、波長10nm以上380nm未満の範囲の光である。
このような偏光板は、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明両面テープ、紫外線硬化型樹脂等、光学装置および光学素子でシート状物の貼り合わせに用いられる公知の貼着剤を用いて、パターン位相差膜に貼着すればよい。
すなわち、第1積層体および第2積層体は、一例として、前述のように支持体の一面にパターン位相差膜を形成した後、貼着剤によってパターン位相差膜に偏光板を貼着することで、作成できる。
以上、本発明の表示部材について詳細に説明したが、本発明は、上述の構成に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および偏光等を行ってもよいのは、もちろんである。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
以下の支持体、光配向膜用塗布液、位相差膜用塗布液、および、偏光板を用意した。
<支持体>
第1支持体18および第2支持体28として、市販のTACフィルム(富士フイルム社製、TD80UL)を用意した。
<光配向膜用塗布液>
特開2012−155308号公報の実施例3の記載を参考に、光配向膜用塗布液を調製した。
<位相差膜用塗布液>
以下の組成を有する位相差膜用塗布液を調製した。
位相差膜用塗布液
・下記の重合性液晶1 80.0質量部
・下記の重合性液晶2 20.0質量部
・重合開始剤(IRGACURE 819、BASF社製) 4.0質量部
・下記の空気界面配向剤1 0.1質量部
・メチルエチルケトン 416.4質量部
<偏光板>
第1偏光板24および第2偏光板32として、サンリツ社製の偏光板HCL2−5618を用意した。
[実施例1]
[第1積層体12の作製]
<パターン化光配向膜Aの形成>
第1支持体18の一面に、光配向膜用塗布液をバーコート法で塗布し、光配向膜用塗布液の塗膜を形成した。
形成した塗膜の全面に、第1支持体18の遅相軸(破線)と平行な直線偏光(y方向の直線偏光)を100mJ/cm2(313nm換算)、照射した(1回目の露光)。
次いで、予め作製した図12の左側に概念的に示すマスク64を、マスクの上下方向(y方向)と第1支持体18の遅相軸とを平行にして設置した。マスク64は、図中に黒で示す領域が遮光される領域である。この点に関しては、他のマスクも同様である。
その後、塗膜に、マスク64を介して、1回目の露光と直交する直線偏光すなわちx方向の直線偏光を、500mJ/cm2(313nm換算)、照射(2回目の露光)して、パターン化光配向膜Aを形成した。
なお、直線偏光の照射は、750Wの超高圧水銀ランプ、および、偏光子としてワイヤーグリッド偏光板を用いて行った。この直線偏光の照射に関しては、他のパターン化光配向膜の形成においても、同様である。
<第1パターン位相差膜20の形成>
形成したパターン化光配向膜Aの表面に、ワイヤーバー(#3)を用いて、調製した位相差膜用塗布液を塗布し、塗膜を形成した。塗膜を有する第1支持体18を90℃で1分、乾燥した後に、750Wの超高圧水銀ランプを用いて、窒素下、60℃で、300mJ/cm2(313nm換算)の光を形成した塗膜に照射して、図2に示すような第1パターン位相差膜20を形成した。
第1パターン位相差膜20の各パターン領域のRe(550)を測定した。その結果、パターン化光配向膜Aの作製において、1回目の露光のみ光を照射されたパターン領域20y−1〜20y−3(2回目の露光ではマスク64で遮光された領域)のRe(550)は123nmで、1回目および2回目の露光共に光を照射されたパターン領域20x−1〜20x−3(2回目の露光でマスク64で遮光されなかった領域)のRe(550)は123nmであった。
また、パターン領域20y−1〜20y−3の遅相軸はy方向(矢印a1x)、パターン領域20x−1〜20x−3の遅相軸はx方向(矢印a1y)で、両領域の遅相軸は直交していた。
<第1積層体12の作製>
第1偏光板に対して、第1パターン位相差膜20が内側になるように、粘着剤(美舘イメージング社製、MCS70)を用いて、第1偏光板24と、第1パターン位相差膜20を形成した第1支持体18とを貼着して、図1および図2に示すような第1積層体12を作製した。
なお、この際において、第1偏光板24側から見た第1パターン位相差膜20の1回目の露光のみ行われたパターン領域20y−1〜20y−3の遅相軸が、第1偏光板24の透過軸(矢印t1)に対して時計回りに45°傾くように貼着を行い、第1積層体12を作製した(すなわち、第1偏光板24の透過軸は−45°)。
[第2積層体14の作製]
<パターン化光配向膜Bの形成>
第2支持体28の一面に、パターン化光配向膜Aの形成と同様に、光配向膜用塗布液の塗膜を形成した。
形成した塗膜の全面に、第2支持体28の遅相軸(破線(x方向))と直交する直線偏光(y方向の直線偏光)を100mJ/cm2(313nm換算)、照射した(1回目の露光)。
次いで、予め作製した図12の右側に概念的に示すマスク68を、マスク68の上下方向(y方向)と第1支持体18の遅相軸とが直交するように設置した。その後、塗膜に、マスク68を介して、1回目の露光と直交する直線偏光(x方向)の直線偏光を、500mJ/cm2(313nm換算)、照射(2回目の露光)して、パターン化光配向膜Bを形成した。
<第2パターン位相差膜30の形成および第2積層体14の作製>
パターン化光配向膜Bを形成した第2支持体28を用いた以外は、第1パターン位相差膜20と同様に位相差膜を形成することにより、図2に示すような第2パターン位相差膜30を形成した。
第2パターン位相差膜30の各パターン領域のRe(550)を測定した。その結果、パターン化光配向膜Bの作製において、1回目の露光のみ光を照射されたパターン領域30y−1〜30y−3(2回目の露光ではマスク68で遮光された領域)のRe(550)は123nmで、1回目および2回目の露光共に光を照射されたパターン領域30x−1(2回目の露光でマスク68で遮光されなかった領域)のRe(550)は123nmであった。
また、パターン領域30y−1〜30y−3の遅相軸(矢印a2y)はy方向、パターン領域30x−1の遅相軸はx方向(矢印a2x)で、両領域の遅相軸は直交していた。
この第2パターン位相差膜30に対して、第1積層体12と同様に、第2偏光板32を貼着することにより、図2に示すような第2積層体14を作製した(第2偏光板32の透過軸は+45°)。
[表示部材10の作製]
第1積層体12の第1偏光板24面を、先と同様の粘着剤を用いてガラス板に貼着して、第1積層体12をガラス板に貼着した第1ガラス部材を作製した。他方、第2積層体14の第2偏光板32面を、先と同様の粘着剤を用いてガラス板に貼着して、第2積層体14をガラス板に貼着した第2ガラス部材を作製した。
第1ガラス部材と第2ガラス部材とを、互いの偏光板の透過軸(矢印t1およびt2)が直交するようにして、1cmの間隔(z方向)を開けて設置することで、ガラス板を有さない以外は、図1および図2に示すような表示部材10を作製した。
第1積層体12と第2積層体14とが重複していない状態(図5)から、第1ガラス部材と第2ガラス部材とを面方向に相対的に移動して、徐々に、第1ガラス部材と第2ガラス部材とを重複させて行った。
第1ガラス部材側から観察した結果、当初は、何も表示されてなかったが、第1積層体12と第2積層体14との重複に応じて画像が表示され、重複量の増加に応じて図6〜図7に示すように表示する画像が変化していき、第1積層体12と第2積層体14とが完全に重複した時点で、図4に示されるような、市松模様の球体の画像が表示された。また、斜め方向から観察した際には、視差による奥行き感のような視覚効果が生じていた。
[実施例2]
[第1積層体52の作製]
<パターン化光配向膜Cの形成>
2枚目の第1支持体18の一面に、パターン化光配向膜Aの形成と同様に、光配向膜用塗布液の塗膜を形成した。
マスクを、予め作製した図13の右側に概念的に示すマスク72に変更した以外は、パターン化光配向膜Aと同様にして、パターン化光配向膜Cを形成した。この際において、マスク72の上下方向(y方向)は、2枚目の第1支持体18の遅相軸(破線)と直交するようにした。
<第3パターン位相差膜58の形成>
このパターン化光配向膜Cを用いた以外は、第1パターン位相差膜20と同様に位相差膜を形成することにより、図9に示すような第3パターン位相差膜58を形成した。
第3パターン位相差膜58の各パターン領域のRe(550)を測定した。その結果、パターン化光配向膜Cの作製において、1回目の露光のみ光を照射されたパターン領域58y−1〜58y−3(2回目の露光ではマスク72で遮光された領域)のRe(550)は123nm、1回目および2回目の露光共に光を照射されたパターン領域58x−1(2回目の露光でマスク72で遮光されなかった領域)のRe(550)は123nmであった。
また、パターン領域58y−1〜58y−3の遅相軸(矢印a3y)はy方向、パターン領域58x−1の遅相軸はx方向(矢印a3x)で、両領域の遅相軸は直交していた。
<第1積層体52の作製>
実施例1と同様の第1積層体12の第1偏光板24に対して、第3パターン位相差膜58が内側になるように、先と同じ粘着剤を用いて、第1積層体12と、第3パターン位相差膜58を形成した2枚目の第1支持体18とを貼着して、図9に示すような第1積層体52を作製した。
この際において、1枚目の第1支持体18の遅相軸(破線)と、2枚目の第1支持体18の遅相軸(破線)とが直交するように、貼着を行った。
[第2積層体54の作製]
<パターン化光配向膜Dの形成>
2枚目の第2支持体28の一面に、パターン化光配向膜Aの形成と同様に、光配向膜用塗布液の塗膜を形成した。
マスクを、予め作製した図13の左側に概念的に示すマスク70に変更した以外は、パターン化光配向膜Aと同様にして、パターン化光配向膜Cを形成した。この際において、マスク70の上下方向(y方向)は、2枚目の第2支持体28の遅相軸(破線)と平行になるようにした。
<第4パターン位相差膜60の形成>
このパターン化光配向膜Dを用いた以外は、第1パターン位相差膜20と同様に位相差膜を形成することにより、図9に示すような第4パターン位相差膜60を形成した。
第4パターン位相差膜60の各パターン領域のRe(550)を測定した。その結果、パターン化光配向膜Dの作製において、1回目の露光のみ光を照射されたパターン領域60y−1〜60y−3(2回目の露光ではマスク70で遮光された領域)のRe(550)は123nm、1回目および2回目の露光共に光を照射されたパターン領域60x−1(2回目の露光でマスク70で遮光されなかった領域)のRe(550)は123nmであった。
また、パターン領域60y−1〜60y−3の遅相軸(矢印a4y)はy方向、パターン領域60x−1の遅相軸はx方向(矢印a4x)で、両領域の遅相軸は直交していた。
<第2積層体54の作製>
実施例1と同様の第2積層体14の第2偏光板32に対して、第4パターン位相差膜60が内側になるように、先と同じ粘着剤を用いて、第2積層体14と、第4パターン位相差膜60を形成した2枚目の第2支持体28とを貼着して、図9に示すような第2積層体54を作製した。
この際において、1枚目の第1支持体18の遅相軸(破線)と、2枚目の第1支持体18の遅相軸(破線)とが直交するように、貼着を行った。
[表示部材50の作製]
第1パターン位相差膜20および第3パターン位相差膜58を有する第1積層体52と、第2パターン位相差膜30および第4パターン位相差膜60を有する第2積層体54とを、1cmの間隔(z方向)を開けて設置することで、図8および図9に示すような表示部材50を作製した。
この際において、第1積層体52および第2積層体54は、図9に示すように、第3パターン位相差膜58および第4パターン位相差膜60が、第1偏光板24と第2偏光板32との間に位置し、かつ、第1偏光板24の透過軸(矢印t1)と第2偏光板32の透過軸(矢印t2)とが直交するように配置した。
第1積層体52と第2積層体54とが重複していない状態(図5参照)から、第1積層体52と第2積層体54とを面方向に相対的に移動して、徐々に、重複させて行った。
第1積層体52側から観察した結果、当初は、何も表示されてなかったが、第1積層体52と第2積層体54との重複に応じて画像が表示され、画像が変化しつつ、図11に示す両積層体が2/3重複した状態を経て、第1積層体52と第2積層体54とが完全に重複した時点で、図10に示されるような、市松模様の円筒の画像が表示された。また、斜め方向から観察した際には、視差による奥行き感のような視覚効果が生じていた。
また、第1積層体52と第2積層体54とを積層方向(z方向)に入れ換えて、第1パターン位相差膜20および第2パターン位相差膜30が、第1偏光板24と第2偏光板32との間に位置するようにした。この状態で、同様に、両積層体を離間した状態から完全に重複する状態まで移動した。その結果、実施例1の表示部材10と同様に、何も表示されない図5に示すような状態から、図6〜図7に示すように表示する画像が変化していき、第1積層体52と第2積層体54とが完全に重複した時点で、図4に示されるような、市松模様の球体の画像が表示された。これにより、表示部材50によれば、異なる2種の画像が表示できることが確認できた。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10,50 表示部材
12,52 第1積層体
14,54 第2積層体
18 第1支持体
20 第1パターン位相差膜
24 第1偏光板
28 第2支持体
30 第2パターン位相差膜
32 第2偏光板
58 第3パターン位相差膜
60 第4パターン位相差膜
64,68,70,72 マスク
20x−1〜20x−3,20y−1〜20y−3,30x−1,30y−1〜30y−3,58x−1,58y−1〜58y−3,60x−1,60y−1〜60y−3 パターン領域
a1x,a1y,a2x,a2y,a3x,a3y,a4x,a4y,t1,t1 矢印

Claims (15)

  1. 第1の偏光板と、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第1のパターン位相差膜と、を備える第1の積層体、および、
    第2の偏光板と、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第2のパターン位相差膜と、を備える第2の積層体、を有し、
    前記第1の積層体の前記第1のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状と、前記第2の積層体の前記第2のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状とが、互いに異なることを特徴とする表示部材。
  2. 前記第1の積層体と前記第2の積層体とを積層した状態において、
    前記第1の積層体の前記第1のパターン位相差膜の前記パターン領域と前記第2の積層体の前記第2のパターン位相差膜の前記パターン領域とが重複して形成される複数の重複領域を有し、かつ、前記重複領域は、互いにレタデーション値が異なる複数種を有する、請求項1に記載の表示部材。
  3. 前記重複領域として、550nmにおけるレタデーション値が0nm±10nmとなる前記重複領域を有する請求項2に記載の表示部材。
  4. 前記重複領域として、550nmにおけるレタデーション値が260nm±40nmとなる前記重複領域を有する請求項2または3に記載の表示部材。
  5. 前記重複領域として、550nmにおけるレタデーション値が400nm以上となる前記重複領域を有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示部材。
  6. 前記第1の積層体と前記第2の積層体とを積層した状態において、
    前記第1の積層体の前記第1のパターン位相差膜の前記パターン領域の境界と、前記第2の積層体の前記第2のパターン位相差膜の前記パターン領域の境界とが、複数箇所、交差する請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示部材。
  7. 前記第1の積層体と前記第2の積層体とが、1mm以上の間隔を有して積層される請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示部材。
  8. 前記第1の積層体と前記第2の積層体とを、面方向に相対的に移動する移動手段を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示部材。
  9. 前記第1の積層体の前記第1のパターン位相差膜が、2種の前記パターン領域を有し、かつ、前記2種のパターン領域の遅相軸が直交し、
    前記第2の積層体の前記第2のパターン位相差膜が、2種の前記パターン領域を有し、かつ、前記2種のパターン領域の遅相軸が直交する請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示部材。
  10. 前記第1の積層体が、前記第1のパターン位相差膜の前記第1の偏光板とは逆側の面に、第1の透明支持体を備え、
    前記第2の積層体が、前記第2のパターン位相差膜の前記第2の偏光板とは逆側の面に、第2の透明支持体を備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示部材。
  11. 前記第1の積層体の前記第1の透明支持体、および、前記第2の積層体の前記第2の透明支持体が、面内に位相差を有し、
    前記第1の積層体と前記第2の積層体とを積層した状態において、前記第1の積層体の前記第1の透明支持体の遅相軸と前記第2の積層体の前記第2の透明支持体の遅相軸とが直交する請求項10に記載の表示部材。
  12. 前記第1の積層体の前記第1の偏光板の透過軸と前記第2の積層体の前記第2の偏光板の透過軸とを直交した状態で、前記第1の積層体と前記第2の積層体とが積層される請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示部材。
  13. 前記第1の積層体の前記第1の偏光板の透過軸と前記第2の積層体の前記第2の偏光板の透過軸とが平行な状態で、前記第1の積層体と前記第2の積層体とが積層される請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示部材。
  14. 前記第1の積層体が、前記第1のパターン位相差膜と共に前記第1の偏光板を挟む位置に、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第3のパターン位相差膜を有し、
    前記第2の積層体が、前記第2のパターン位相差膜と共に前記第2の偏光板を挟む位置に、同一面内に複数の遅相軸方向を有し、遅相軸方向が一致する領域で形成されたパターン領域が設けられた第4のパターン位相差膜を有し、
    前記第1の積層体の前記第3のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状と、前記第2の積層体の前記第4のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状とが、互いに異なる請求項1〜13のいずれか1項に記載の表示部材。
  15. 前記第1の積層体における、前記第1のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状と前記第3のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状とが互いに異なる構成、および、
    前記第2の積層体における、前記第2のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状と前記第4のパターン位相差膜の前記パターン領域の形状とが互いに異なる構成の、少なくとも一方の構成を有する請求項14に記載の表示部材。
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