以下に、本発明の実施の形態に係る点灯装置及び照明器具を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る点灯装置及び照明器具の構成図である。照明器具200は、交流電源1に接続され、交流電源1から出力される交流電流を平滑化する入力フィルタ2を介して交流電源1から供給される電力を光源8に入力可能な直流電流に変換して出力する点灯装置100と、点灯装置100から供給される電力により点灯する光源8と、光源8の点灯、消灯又は調光を行うための調光信号を出力する調光器10とを備える。光源8は、複数のLEDを直接に接続したLED群で構成される。LED群の一端は正極側直流母線Pに接続され、LED群の他端は負極側直流母線Nに接続される。
点灯装置100は、入力フィルタ2と、入力フィルタ2に接続される整流回路3と、整流回路3に並列接続されるコンデンサ4と、直流変換回路30と、光源8に流れる電流を検出する電流検出部11と、PFC回路5及び電流制御部7を制御するための制御部9とを備える。
直流変換回路30は、交流電源1から入力される電流の高調波を抑制して力率を改善すると共に、整流回路3から出力される電力を直流電力に変換して光源8に供給する機能を有する。直流変換回路30は、交流電源1から入力される電流の高調波を抑制して力率を改善するためのPFC回路5と、PFC回路5の出力電圧を平滑する平滑コンデンサ6と、光源8に出力する電流の大きさを制御する電流制御部7とを備える。
交流電源1と整流回路3との間に配置される入力フィルタ2は、コイル21及びコンデンサ22を有し、交流電源1から出力される電流に重畳している高周波ノイズを低減する。コイル21は交流電源1に直列接続される。コイル21の一端は交流電源1の一端に接続され、コイル21の他端はコンデンサ22及び整流回路3に接続される。コンデンサ22の他端は、交流電源1及び整流回路3に接続される。
整流回路3は、入力フィルタ2とPFC回路5との間に配置され、交流電源1から供給される交流電力を直流電力に変換する。整流回路3は4つのダイオードを組み合わせたダイオードブリッジで構成されている。なお整流回路3の構成はこれに限定されるものではなく、単方向導通素子であるMOSFETを組み合わせて構成したものでもよい。
コンデンサ4は整流回路3の出力に並列接続されており、整流回路3の出力電圧を平滑する。コンデンサ4の一端は正極側直流母線Pに接続され、コンデンサ4の他端は負極側直流母線Nに接続される。
PFC回路5は、整流回路3と電流制御部7との間に配置される。PFC回路5は、スイッチング素子であるMOSFET51と、コイル52と、ダイオード53とを有する。PFC回路5は、制御部9によってMOSFET51がオンオフ制御されることにより、整流回路3の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を平滑コンデンサ6に出力する。またPFC回路5は、後述する制御により、入力電流の高調波を抑制し、力率改善する機能を持つ。実施の形態1では、PFC回路5を昇圧チョッパ回路で構成した例を説明する。なおPFC回路5は、昇圧チョッパ回路の他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成してもよい。
コイル52は、正極側直流母線Pにおいて、コンデンサ4とMOSFET51との間に配置される。不図示のコアに絶縁性ワイヤを巻くことにより、コイル52には1次巻線52a及び2次巻線52bが形成される。1次巻線52aの一端はコンデンサ4の一端に接続される。1次巻線52aの他端はダイオード53のアノードに接続される。2次巻線52bの一端は制御部9に接続され、2次巻線52bの他端は負極側直流母線Nに接続される。1次巻線52aには、MOSFET51のオンオフ動作に伴い、極性が異なる電圧が印加される。2次巻線52bに発生する電圧は、1次巻線52aの印加電圧と巻数比nとに応じた電圧に等しい。
MOSFET51のドレインは、正極側直流母線Pにおいて、1次巻線52aとダイオード53のアノードとに接続される。MOSFET51のソースは、負極側直流母線Nにおいて、コンデンサ4の他端と、2次巻線52bの他端と平滑コンデンサ6の他端とに接続される。MOSFET51のゲートは制御部9に接続される。MOSFET51のゲートには、制御部9から出力される制御信号が入力される。制御信号が入力されることによりMOSFET51のオンオフ制御が行われる。
ダイオード53は、正極側直流母線Pにおいて、MOSFET51と平滑コンデンサ6との間に配置される。ダイオード53のアノードはコイル52及びMOSFET51に接続され、ダイオード53のカソードは平滑コンデンサ6に接続される。
平滑コンデンサ6は、PFC回路5と電流制御部7との間に配置される。平滑コンデンサ6の一端は正極側直流母線Pに接続され、平滑コンデンサ6の他端は負極側直流母線Nに接続される。
電流検出部11は、光源8に流れる電流を検出し、検出された電流値に対応した電流情報を制御部9に出力する。電流検出部11としては、シャント抵抗又はホールセンサを用いて電流を検出する構成を例示できる。
制御部9は、目標値出力部91、ゼロ電流検出部92、スイッチング制御部93、電流入力部94及び電圧検出部95を備える。
目標値出力部91には調光器10が接続され、目標値出力部91は、調光器10から出力される調光信号の種類に対応した出力電流目標値を決定し、決定した出力電流目標値をスイッチング制御部93に出力する。出力電流目標値は、点灯装置100が光源8に出力する電流目標値を指定する信号である。
電圧検出部95は、平滑コンデンサ6の電圧を検出し、検出した電圧の値に対応した電圧情報をスイッチング制御部93に出力する。電圧検出部95としては分圧回路を例示できる。当該分圧回路は、2つの抵抗を直列接続した直列抵抗体の一端が正極側直流母線Pに接続されると共に、当該直列抵抗体の他端が負極側直流母線Nに接続されることで、平滑コンデンサ6に印加される電圧を分圧する回路である。
スイッチング制御部93は、目標値出力部91から出力された出力電流目標値と、電流入力部94に入力された電流情報とに基づき、電流制御部7を制御するための制御信号を出力する。またスイッチング制御部93は、PFC回路5の出力電圧目標値を予め記憶しており、少なくとも、電圧検出部95から出力された電圧情報と、記憶された出力電圧目標値とに基づき、PFC回路5を制御するための制御信号を出力する。
電流制御部7は、スイッチング制御部93から出力された制御信号に基づき、PFC回路5から出力された直流電圧を光源8に入力可能な直流電流に変換する。
図2は図1に示す電流制御部の構成を示す図である。図2に示す電流制御部7は、降圧チョッパ回路で構成されているが、降圧チョッパ回路の他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、SEPIC、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成されたものでもよい。
電流制御部7は、MOSFET71、コイル72、ダイオード73及びコンデンサ74により構成される。MOSFET71は正極側直流母線Pに配置される。MOSFET71のドレインは、図1に示す平滑コンデンサ6の一端とダイオード53のカソードとに接続される。MOSFET71のソースは、ダイオード73のカソードとコイル72の一端とに接続される。MOSFET71のゲートはスイッチング制御部93に接続される。MOSFET71のゲートには、スイッチング制御部93から出力される制御信号が入力される。当該制御信号はMOSFET71をオンオフ制御するための信号である。
コイル72の一端は、MOSFET71のソースとダイオード73のカソードとに接続される。コイル72の他端は、コンデンサ74の一端と図1に示す光源8の一端とに接続される。ダイオード73のカソードは、MOSFET71のソースとコイル72の一端とに接続される。ダイオード73のアノードは、図1に示す平滑コンデンサ6の他端とコンデンサ74の他端と図1に示す光源8の他端とに接続される。
図3は光源に流れる電流とコイルに流れる電流とMOSFETの制御信号との関係を示すタイミングチャートである。図3には上から順に、光源8に流れる電流と、コイル72に流れる電流と、MOSFET71の制御信号とが示される。横軸は時間を表す。
スイッチング周期Tswは、MOSFET71の制御信号がオフからオンに変化した時点から、再びMOSFET71の制御信号がオフからオンに変化するまでの時間に等しい。スイッチング周期Tswは、予めスイッチング制御部93に設定されている。オン時間Tonは、MOSFET71の制御信号がオフからオンに変化した時点から、オンからオフに変化するまでの時間に等しい。
MOSFET71の制御信号がオフからオンの状態に変化すると、MOSFET71がオン状態になるため、平滑コンデンサ6、MOSFET71、コイル72及びコンデンサ74に電流が流れる電流経路が形成され、図3に示すようにコイル72に流れる電流が増加する。
MOSFET71の制御信号がオンからオフの状態に変化すると、MOSFET71がオフ状態になるため、コイル72、コンデンサ74及びダイオード73に電流が流れる電流経路が形成され、図3に示すコイル72に流れる電流がゼロまで減少する。スイッチング周期Tswが経過した時点で、MOSFET71の制御信号がオフからオンに変化する。これによりMOSFET71が再びオン状態になる。
このときコイル72に流れる電流は三角波状の波形になるが、光源8に出力される電流は、コンデンサ74により平滑化され、コイル72に流れる電流の平均値が電流制御部7から出力される。
光源8を調光するために光源8に流れる電流を制御する場合、スイッチング制御部93は、MOSFET71をターンオンするスイッチング周期Tswを一定とし、出力電流の目標値によってオン時間Tonを変化させる。このようにオン時間Tonを調整することにより特定の出力を得る制御方法は、スイッチング周期Tswに対するオン時間Tonの割合をデューティーと呼ぶことから、デューティー制御と呼ばれる。
スイッチング素子であるMOSFET51,71は、シリコン系材料で構成される。但し、MOSFET51,71の素材は、シリコン系材料に限定されず、MOSFET51,71は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドといったワイドバンドギャップ半導体で構成してもよい。
スイッチング素子にワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子の通電損失を低減できる。また、ワイドバンドギャップ半導体で構成されるスイッチング素子は、耐熱性が高い。また、ワイドバンドギャップ半導体で構成されるスイッチング素子は、シリコン系材料で構成されるスイッチング素子に比べて、スイッチングスピードが速く、スイッチング時に発生する損失が小さい。従って、スイッチング周波数すなわち駆動周波数を高周波化することで、スイッチング素子が高速にスイッチングされても、スイッチング素子で発生した熱を放熱するための放熱部品を小型化できる。このため、PFC回路5及び電流制御部7に設けられる放熱部品を小型化でき、又は当該放熱部品を省くことができる。その結果、点灯装置100の小型化及び低コスト化を実現できる。
次にPFC回路5の動作を詳細に説明する。
図4は図1に示すPFC回路を構成するコイルに流れる電流とMOSFETのドレイン電圧とMOSFETのゲート電圧との関係を示すタイミングチャートである。図4には上から順に、点灯装置100に入力される交流電源1の電流と、コイル52に流れる電流と、MOSFET51のドレイン電圧と、MOSFET51のゲート電圧とが示される。横軸は時間を表す。図4では、点灯装置100に入力される交流電源1の電流が「入力電流」として示される。
図4では、説明の便宜上、MOSFET51のゲート電圧がオンオフされる周期を、実際よりも長く記載している。MOSFET51のゲート電圧がオンオフされる周期は、MOSFET51のゲート電圧がオフからオンに変化した時点から、再びMOSFET51のゲート電圧がオフからオンに変化するまでの時間に等しい。
MOSFET51がオンされたとき、交流電源1、整流回路3、コイル52及びMOSFET51により閉回路が形成され、交流電源1がコイル52を介して短絡される。そのため閉回路に電源電流が流れ、コイル52に流れる電流が増加し、コイル52にエネルギーが蓄積される。
スイッチング制御部93に設定されたオン時間が経過すると、MOSFET51がオフされることにより、コイル52、ダイオード53及び平滑コンデンサ6の閉回路が形成される。この閉回路においてコイル52に蓄積されたエネルギーが放出され、平滑コンデンサ6が充電される。
コイル52に流れる電流がゼロになった時点から遅延時間Tdelayが経過するまで、MOSFET51のオフ状態は維持され、遅延時間Tdelayが経過したときにMOSFET51は再びオン状態になる。すなわち、コイル52に流れる電流がゼロになった時点から遅延時間Tdelayが経過した時点まで、MOSFET51の制御信号はオフ状態を維持し、遅延時間Tdelayが経過した時点でMOSFET51の制御信号はオン状態に変化する。
MOSFET51の一連のオンオフ動作により、コイル52に流れる電流は、三角波状の波形となり、その頂点が点線で示すような正弦波の包絡線になる。
このとき、交流電源1から入力される電流は、入力フィルタ2により平滑化され、コイル21に流れるコイル電流の平均値が入力され、正弦波状の電流波形となる。
制御部9が平滑コンデンサ6の印加電圧を検出して、検出された電圧が目標値に追従するようフィードバック制御されることで、MOSFET51のオン時間が制御される。
MOSFET51のオン時間をフィードバック制御する際、オン時間が大きく変化してしまうと、コイル52に流れる電流の頂点の包絡線が正弦波にならず、交流電源1の入力電流を正弦波状にすることができない。そのため制御部9では、フィードバック制御の応答時間が、フィードバック制御のループゲインを交流電源1の1周期の1/2周期以上で1倍(0dB)以下となるように、設定される。言い換えると、フィードバック制御の応答時間は、交流電源1の周波数の2倍以下の周波数で1倍(0dB)以下となるように設定される。
具体的に説明すると、電源周波数が50Hzの場合、電源周波数の半周期(半波)の周波数100Hz以下、すなわち周期10msec以上で、フィードバック制御のループゲインを1倍(0dB)以下とすることにより、フィードバック制御は電源周期の1/2より短い周期で応答しないように設定される。これにより電源周期の1/2周期以内においては、MOSFET51のオン時間の変動が抑制され、コイル52に流れる電流の頂点の包絡線が正弦波状の波形となる。
またフィードバック制御において、オン時間の更新周期を、交流電源1の周期の半分に相当する周期、又は交流電源1の周期の半分に相当する周期よりも長い周期とすることによっても、同様の効果を得ることができる。
上記の特許文献1に開示される技術では、遅延時間Tdelayを設けない電流臨界モード制御により、MOSFET51がスイッチング制御されるため、コイル52に流れる電流の平均値が完全な正弦波状になり、高い力率改善効果が期待できる。
これに対して実施の形態1に係る点灯装置100は、遅延時間Tdelayを設け、電流不連続モード制御によりMOSFET51をスイッチング制御することで、電流臨界モード制御する場合に比べて、スイッチング周波数を低くすることができるため、MOSFET51で発生するスイッチング損失を低減できる。
このとき遅延時間Tdelayを長くし過ぎると、コイル52の電流平均値が正弦波でなくなり、力率改善効果が低下して高調波が増加する。そのため遅延時間Tdelayは、高調波の増加が許容できる範囲内に設定する必要がある。高調波の増加が許容できる範囲の一例としては、日本工業規格で定められる電流高調波限度値以内とすることが挙げられる。具体的な遅延時間Tdelayの設け方としては、MOSFET51のドレイン電圧が自由振動している期間において、制御部9は、MOSFET51の電圧振動のボトム付近でMOSFET51をオンさせることで、ドレイン電圧の急峻な変動を抑制し、スイッチングに起因するノイズを抑制できる。電圧振動とは、ドレイン電圧の振動を表し、ボトムとは、ドレイン電圧の振動の谷の部分を表す。また、MOSFET51の電圧振動のボトムの少なくとも2回目以降のボトムにおいて制御部9がMOSFET51をオンすることで、確実に遅延時間を設けることができる。
光源8を調光する場合、交流電源1の入力電流を小さくするため、スイッチング制御部93は、MOSFET51のオン時間を短くするように制御を行う。
図5は遅延時間を設けずに電流臨界モード制御で調光した場合の波形を示す図であり、図6は遅延時間を設けて調光した場合の波形を示す図である。図5及び図6は、光源8を調光する際におけるPFC回路5のスイッチング動作の概要を説明するためのものである。図5及び図6のそれぞれには、図4と同様に、交流電源1の入力電流と、コイル52に流れる電流と、MOSFET51のドレイン電圧と、MOSFET51のゲート電圧とが示される。横軸は時間を表す。
図6に示すように遅延時間Tdelayを設けて調光した場合、図5に示すように電流臨界モード制御で調光した場合に比べて、MOSFET51のスイッチング周波数が低下してスイッチング損失を低減できる。
図7は調光率に応じて変化するMOSFETのオン時間及びスイッチング周波数の特性を示す図である。図7には上から順に、遅延時間Tdelayと、MOSFET51のオン時間と、MOSFET51を制御する制御信号のスイッチング周波数と、光源8の調光率とが示される。
点線は、電流臨界モード制御が行われている場合に調光率を変化させたときの、遅延時間Tdelay、MOSFET51のオン時間及びスイッチング周波数を表す。実線は、遅延時間を設定した電流不連続モード制御が行われている場合に調光率を変化させたときの、遅延時間Tdelay、MOSFET51のオン時間及びスイッチング周波数を表す。
遅延時間Tdelayを設けて電流不連続モード制御することで、電流臨界モード制御と比較して、調光時におけるスイッチング周波数の上昇を抑制することができ、スイッチング損失を低減できる。また、MOSFET51のオン時間を長くすることができ、より確実にMOSFET51をオンオフ制御できる。
また遅延時間Tdelayは一定の長さではなく、調光率に応じて変化させることができる。図8は調光率に応じて遅延時間を変化させた場合のMOSFETのオン時間とスイッチング周波数を示す第1の図である。
図8に示すように調光率には閾値が設けられ、制御部9は、調光率が閾値を上回る場合には、遅延時間を一定の第1の遅延時間Tdelay1stとし、調光率が閾値以下である場合には、遅延時間を第2の遅延時間Tdelay2ndとする。第2の遅延時間Tdelay2ndは、第1の遅延時間Tdelay1stよりも長い時間であって、調光率が低下するほど長くなる時間である。
図8に示す閾値、第1の遅延時間Tdelay1st及び第2の遅延時間Tdelay2ndは、予め制御部9に設定されているものとする。第1の遅延時間Tdelay1stは、閾値を上回る調光率が入力されたときに設定され、第2の遅延時間Tdelay2ndは、閾値以下の調光率が入力されたときに設定される。
MOSFET51のオン時間が短くなりすぎると、MOSFET51が正常にオンオフ動作できなくなることがある。MOSFET51が正常にオンオフ動作できなくなるオン時間の長さは例えば0.2usec以下である。そのため制御部9には最小オン時間Ton_minが記憶されており、光源8を調光する際、MOSFET51のオン時間が最小オン時間Ton_minよりも短くならないように調光制御することができる。
図9は調光率に応じて遅延時間を変化させた場合のMOSFETのオン時間とスイッチング周波数を示す第2の図である。図9に示すように調光率に対して複数の閾値1,2,3が設定されている。複数の閾値1,2,3は、閾値3、閾値2及び閾値1の順で高い値となる。また図9に示すように複数の閾値1,2,3に対応する複数の遅延時間Tdelay1,2,3,4が設定されている。複数の閾値1,2,3及び複数の遅延時間Tdelay1,2,3,4は、制御部9に設定されているものとする。
遅延時間Tdelay4は、閾値3以下の調光率が入力されたときに設定される。遅延時間Tdelay3は、閾値3を上回りかつ閾値2以下の調光率が入力されたときに設定される。遅延時間Tdelay2は、閾値2を上回りかつ閾値1以下の調光率が入力されたときに設定される。遅延時間Tdelay1は、閾値1を上回る調光率が入力されたときに設定される。
制御部9は、調光率に複数の閾値を設けて、隣接する閾値同士の間の範囲に応じて互いに異なる長さの複数の遅延時間を用いてスイッチング素子を制御する。具体的には、遅延時間Tdelay1を設けて点灯している状態から、光源8の電流が低下する方向に調光されて、調光率が閾値1に達したとき、MOSFET51のオン時間が最小オン時間Ton_minまで短くなると、制御部9は、遅延時間をTdelay1からTdelay2に増加させる。これにより、MOSFET51のオン時間が最小オン時間Ton_minよりも短くなることを防止できる。
図10は図9に示す調光率の閾値1を境にして、遅延時間をTdelay1からTdelay2に延長する場合の、遅延時間、MOSFETのオン時間及び光源の調光率の時間変化を示す図である。
遅延時間Tdelayを急激に延長すると、MOSFET51のスイッチング周波数が急変し、PFC回路5の出力が変動し、平滑コンデンサ6が電圧変動する影響により、後段に接続される電流制御部7の出力電流が一定値とならず、光源8を安定して点灯することができない。そこで、遅延時間Tdelayを延長する場合、遅延時間Tdelayの変化量最大値Tstepを設けると共に、遅延時間Tdelayを変化させずに維持する維持時間Tkを設けることによって、遅延時間Tdelayの時間変化を遅くすることができる。この制御を行うことで、MOSFET51のスイッチング周波数が急変することを抑制できる。
このとき、遅延時間Tdelayを維持するための維持時間Tkは、MOSFET51のオン時間をフィードバック制御する応答時間よりも長く設定される。これによりMOSFET51のオン時間が一定値になる時間が確保され、PFC回路5の出力を安定させることができる。
次に図11を用いて、遅延時間をTdelay1からTdelay2に延長する場合の制御に関してより詳細に説明する。図11は遅延時間を延長する場合における制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
制御部9は、遅延時間Tdelay1を設けて光源8が点灯している状態から、光源8の電流を減少させる方向に調光し(S11)、調光率が閾値1より大きい場合(S12,No)、遅延時間を変更しない(S15)。調光率が閾値1以下の場合(S12,Yes)、制御部9は、遅延時間の最終変更後、遅延時間の維持時間Tkが経過していなければ(S13,No)、遅延時間を変更しない(S15)。制御部9は、遅延時間の最終変更後、遅延時間の維持時間Tkが経過している場合(S13,Yes)、遅延時間がTdelay2以上であれば(S14,No)、遅延時間を変更しない(S15)。遅延時間がTdelay2より小さければ(S14,Yes)、遅延時間をTstep延長する(S16)。
反対に、遅延時間Tdelay2を設けて点灯している状態から光源8の電流を増加する方向に調光し、調光率が閾値1に達した場合、制御部9は、遅延時間をTdelay2からTdelay1に短縮する。
図12は図9に示す調光率の閾値1を境にして、遅延時間をTdelay2からTdelay1に短縮する場合の、遅延時間、MOSFETのオン時間及び光源の調光率の時間変化を示す図である。遅延時間を急激に短縮すると、MOSFET51のスイッチング周波数が急変し、PFC回路5の出力が変動し、平滑コンデンサ6が電圧変動する影響により、後段に接続される電流制御部7の出力電流が一定値とならず、光源8を安定して点灯することができない。そこで、遅延時間Tdelayを短縮する場合に、遅延時間Tdelayの変化量最大値Tstepを設けると共に、遅延時間Tdelayを変化させずに維持する維持時間Tkを設けることによって、遅延時間Tdelayの時間変化を遅くすることができる。この制御を行うことで、MOSFET51のスイッチング周波数が急変することを抑制できる。
このとき、遅延時間Tdelayを維持する維持時間Tkは、MOSFET51のオン時間をフィードバック制御する応答時間よりも長く設定される。これによりMOSFET51のオン時間が一定値になる時間が確保され、PFC回路5の出力を安定させることができる。
次に図13を用いて、遅延時間をTdelay2からTdelay1に短縮する場合の制御に関してより詳細に説明する。図13は遅延時間を短縮する場合における制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
制御部9は、遅延時間Tdelay2を設けて点灯している状態から、光源8の電流を増加する方向に調光し(S21)、調光率が閾値1以下の場合(S22,No)は、遅延時間を変更しない(S25)。調光率が閾値1より大きい場合(S22,Yes)、遅延時間の最終変更後、遅延時間の維持時間Tkが経過していなければ(S23,No)、遅延時間を変更しない(S25)。制御部9は、遅延時間の最終変更後、遅延時間の維持時間Tkが経過している場合(S23,Yes)、遅延時間がTdelay1以下であれば(S24,No)、遅延時間を変更しない(S25)。遅延時間がTdelay1より大きければ(S24,Yes)、遅延時間をTstep短縮する(S26)。
光源8の調光率を変更し、調光率が閾値2、閾値3となる場合に関しても、閾値1の場合と同様の制御が行われる。
なお実施の形態1では光源8がLEDで構成されている場合について説明したが、光源8は調光可能なものであればLEDに限定されず、有機EL(Electro Luminescence)でもよい。
実施の形態2.
図14は実施の形態2に係る点灯装置及び照明器具の構成図である。なお実施の形態2では、図1の実施の形態1に示す点灯装置100及び照明器具200と同一の構成を有する部位には、同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態2に係る照明器具200Aと、実施の形態1に係る照明器具200との相違点は、照明器具200Aでは、点灯装置100の代わりに点灯装置100Aが用いられていることである。また実施の形態2に係る点灯装置100Aと、実施の形態1に係る点灯装置100との相違点は、点灯装置100Aでは、PFC回路5、平滑コンデンサ6及び電流制御部7の代わりに直流変換回路12が用いられ、さらに制御部9の代わりに制御部9Aが用いられていることである。直流変換回路12は、PFC回路5、平滑コンデンサ6及び電流制御部7の機能を併せ持つ回路である。
実施の形態2では、直流変換回路12をフライバック回路で構成した例を説明する。なお直流変換回路12は、フライバック回路の他にも、フライフォワード回路、降圧チョッパ、昇圧チョッパ、昇降圧チョッパ回路、SEPIC、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成してもよい。
直流変換回路12は、MOSFET121、トランス122、ダイオード123、平滑コンデンサ124、スナバコンデンサ125、スナバ抵抗126及びスナバダイオード127を備える。
MOSFET121は、負極側直流母線Nにおいて、コンデンサ4とトランス122の1次側との間に配置される。MOSFET121のソースはコンデンサ4の一端と整流回路3とに接続される。MOSFET121のドレインは、スナバダイオード127のアノードとトランス122とに接続される。スナバコンデンサ125、スナバ抵抗126及びスナバダイオード127は、コンデンサ4とトランス122の1次側との間に配置される。
スナバ抵抗126の一端は、正極側直流母線Pを介してコンデンサ4の他端と、整流回路3と、スナバコンデンサ125の一端と、トランス122とに接続される。スナバ抵抗126の他端は、スナバコンデンサ125の他端とスナバダイオード127の一端とに接続される。スナバコンデンサ125の他端は、スナバ抵抗126の他端とスナバダイオード127の一端とに接続される。ダイオード123及び平滑コンデンサ124は、トランス122の二次側と光源8との間に配置される。ダイオード123のアノードはトランス122に接続され、ダイオード123のカソードは平滑コンデンサ124の一端と光源8の一端とに接続される。平滑コンデンサ124の他端は、トランス122と光源8の他端とに接続される。
不図示のコアに絶縁性ワイヤを巻くことにより、トランス122には、1次巻線122a、2次巻線122b及び3次巻線122cが形成される。
直流変換回路12は、MOSFET121がオンオフ制御されることにより、整流回路3の出力電圧を変換し、光源8に直流電流を出力する。
制御部9Aは、目標値出力部91、ゼロ電流検出部92、スイッチング制御部93A及び電流入力部94を備える。図1に示す制御部9と図14に示す制御部9Aとの相違点は、制御部9Aでは、電圧検出部95が省かれ、スイッチング制御部93の代わりにスイッチング制御部93Aが用いられていることである。
直流変換回路12の動作を詳細に説明する。
図15は図14に示す直流変換回路を構成する巻線に流れる電流とMOSFETのドレイン電圧とMOSFETのゲート電圧との関係を示すタイミングチャートである。図15には、上から順に、点灯装置100Aに入力される交流電源1の電流と、1次巻線122aに流れる電流と、3次巻線122cに流れる電流と、MOSFET121のドレイン電圧と、MOSFET121のゲート電圧とが示される。横軸は時間を表す。図15では、点灯装置100Aに入力される交流電源1の電流が「入力電流」として示される。
図15では、説明の便宜上、MOSFET121のゲート電圧がオンオフされる周期を、実際よりも長く記載している。MOSFET121のゲート電圧がオンオフされる周期は、MOSFET121のゲート電圧がオフからオンに変化した時点から、再びMOSFET121のゲート電圧がオフからオンに変化するまでの時間に等しい。
MOSFET121がオンされたとき、交流電源1、整流回路3、1次巻線122a及びMOSFET121により閉回路が形成され、交流電源1が1次巻線122aを介して短絡される。そのため閉回路に電源電流が流れ、1次巻線122aに流れる電流が増加し、1次巻線122aにエネルギーが蓄積される。
スイッチング制御部93Aに設定されたオン時間が経過すると、MOSFET121がオフされることにより、3次巻線122c、ダイオード123及び平滑コンデンサ124の閉回路が形成される。この閉回路において1次巻線122aに蓄えられたエネルギーが放出され、平滑コンデンサ124が充電される。
3次巻線122cに流れる電流がゼロになった時点から遅延時間Tdelayが経過するまで、MOSFET121のオフ状態は維持され、遅延時間Tdelayが経過したときにMOSFET121は再びオン状態になる。
MOSFET121の一連のオンオフ動作により、1次巻線122aに流れる電流は、三角波状の波形となり、その頂点が点線で示すような正弦波の包絡線になる。
このとき、交流電源1から入力される電流は、入力フィルタ2により平滑化され、コイル21に流れるコイル電流の平均値が入力され、正弦波状の電流波形となる。
制御部9Aが光源8に流れる電流を検出して、検出された電流が目標値に追従するようフィードバック制御されることで、MOSFET121のオン時間が制御される。
MOSFET121のオン時間をフィードバック制御する際、オン時間が大きく変化してしまうと、1次巻線122aに流れる電流の頂点の包絡線が正弦波にならず、交流電源1の入力電流を正弦波状にすることができない。そのため制御部9Aでは、フィードバック制御の応答時間が、フィードバック制御のループゲインを交流電源1の1周期の1/2周期以上で1倍(0dB)以下となるように、設定される。言い換えると、フィードバック制御の応答時間は、交流電源1の周波数の2倍以下の周波数で1倍(0dB)以下となるように設定される。
具体的に説明すると、電源周波数が50Hzの場合、電源周波数の半周期(半波)の周波数100Hz以下、すなわち周期10msec以上で、定電流フィードバック制御のループゲインを1倍(0dB)以下とすることにより、定電流フィードバック制御は電源周期の1/2より短い周期で応答しないように設定される。これにより電源周期の1/2周期以内においては、MOSFET121のオン時間の変動が抑制され、1次巻線122aに流れる電流の頂点の包絡線が正弦波状の波形となる。
またフィードバック制御において、オン時間の更新周期を、交流電源1の周期の半分に相当する周期、又は交流電源1の周期の半分に相当する周期よりも長い周期とすることによっても、同様の効果を得ることができる。
実施の形態2に係る点灯装置100A及び照明器具200Aは、実施の形態1と同様に遅延時間Tdelayを設けて、電流不連続モード制御によりMOSFET121をスイッチング制御することで、電流臨界モード制御する場合に比べて、スイッチング周波数を低くすることができるため、MOSFET121で発生するスイッチング損失を低減できる。
なお実施の形態1,2では調光率に応じて遅延時間の長さを変える例を説明したが、遅延時間の長さは、調光率の代わりに直流変換回路30がLEDに出力する出力電流目標値により判定してもよい。またこの場合、直流変換回路の出力の大きさは、LEDの調光率により判定されたものでもよいし、LEDの出力電流目標値により判定されたものでもよいし、有機ELの調光率により判定されたものでもよい。また直流変換回路の出力の大きさは、LEDの出力電流目標値より判定されるものでもよい。また実施の形態1,2に係る制御部は、調光率の代わりに、出力電流目標値に応じて遅延時間の長さを変えるように構成してもよい。
実施の形態3.
図16は実施の形態3に係る点灯装置及び照明器具の構成図である。なお実施の形態3では、図1の実施の形態1に係る点灯装置100及び照明器具200と同一の構成を有する部位には、同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態3に係る照明器具200Bと、実施の形態1に係る照明器具200との相違点は、照明器具200Bでは、点灯装置100の代わりに点灯装置100Bが用いられていることである。また実施の形態3に係る点灯装置100Bと、実施の形態1に係る点灯装置100との相違点は、点灯装置100Bでは、電流制御部7においてコイル75が用いられ、制御部9の代わりに制御部9Bが用いられていることである。
図16に示す電流制御部7は、スイッチング制御部93から出力された制御信号に基づき、PFC回路5から出力された直流電圧を、光源8に入力可能な直流電流に変換する。
図16に示す電流制御部7は、降圧チョッパ回路で構成されているが、降圧チョッパ回路の他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、SEPIC、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成されたものでもよい。
電流制御部7は、MOSFET71、コイル75、ダイオード73及びコンデンサ74により構成される。
コイル75は、正極側直流母線Pにおいて、コンデンサ74とMOSFET71との間に配置される。不図示のコアに絶縁性ワイヤを巻くことにより、コイル75には1次巻線75a及び2次巻線75bが形成される。
1次巻線75aの一端はMOSFET71のソースと、ダイオード73のカソードとに接続される。1次巻線75aの他端は、コンデンサ74の一端と、光源8の一端とに接続される。2次巻線75bの一端は、制御部9B内のゼロ電流検出部92に接続される。2次巻線75bの他端は負極側直流母線Nに接続される。1次巻線75aには、MOSFET71のオンオフ動作に伴い、極性が異なる電圧が印加される。2次巻線75bに誘導されて、2次巻線75bの両端に発生する電圧は、1次巻線75aの印加電圧と巻数比nとに応じた電圧に等しい。
MOSFET71は正極側直流母線Pに配置される。MOSFET71のドレインは、平滑コンデンサ6の一端に接続される。MOSFET71のソースは、ダイオード73のカソードとコイル75の1次巻線75aの一端とに接続される。MOSFET71のゲートは、スイッチング制御部93に接続される。MOSFET71のゲートには、スイッチング制御部93から出力される制御信号が入力される。当該制御信号はMOSFET71をオンオフ制御するための信号である。
次に電流制御部7の動作を詳細に説明する。
図17は光源に流れる電流と1次巻線に流れる電流とMOSFETの制御信号との関係を示すタイミングチャートである。図17には上から順に、光源8に流れる電流と、MOSFET71のドレイン−ソース間に印加される電圧と、1次巻線75aに流れる電流と、ゼロ電流検出信号と、MOSFET71の制御信号とが示される。図17では、ドレイン−ソース間に印加される電圧が「ドレイン電圧」と表記される。なお、横軸は時間を表す。
時刻t1でMOSFET71がオンされたとき、平滑コンデンサ6、MOSFET71、1次巻線75a及びコンデンサ74により閉回路が形成され、1次巻線75aに流れる電流が増加し、1次巻線75aと、コンデンサ74にエネルギーが蓄積される。
スイッチング制御部93に設定されたオン時間Tonが経過した時刻t2で、MOSFET71がオフされることにより、1次巻線75a、コンデンサ74及びダイオード73の閉回路が形成される。この閉回路において1次巻線75aに蓄積されたエネルギーが放出され、コンデンサ74が充電される。
1次巻線75aに流れる電流がゼロになった時点である時刻t3から遅延時間Tdelayが経過するまで、MOSFET71のオフ状態は維持される。遅延時間Tdelayが経過した時刻t4に、MOSFET71は再びオン状態になる。すなわち、1次巻線75aに流れる電流がゼロになった時点から遅延時間Tdelayが経過した時点まで、MOSFET71の制御信号はオフ状態を維持する。そして、遅延時間Tdelayが経過した時点で、MOSFET71の制御信号はオン状態に変化する。
MOSFET71の一連のオンオフ動作により、1次巻線75aに流れる電流は、三角波状の波形となる。
このとき、電流制御部7から光源8へ出力される電流は、コンデンサ74により平滑化される。従って、1次巻線75aに流れる電流の平均値が光源8に出力される。すなわち、電流制御部7から光源8へ出力される電流は、変動が除去された直流波形となる。
電流検出部11は光源8に流れる電流を検出し、検出された電流を制御部9Bに送信する。制御部9Bは、電流検出部11で検出された電流が目標値に追従するように、MOSFET71のオン時間Tonをフィードバック制御する。すなわち、制御部9Bは、検出された電流が目標値より小さい場合、MOSFET71のオン時間Tonを長くし、検出された電流が目標値より大きい場合、MOSFET71のオン時間Tonを短くする。
実施の形態1に係る点灯装置100では、電流制御部7のMOSFET71を、固定周波数のデューティ制御とする例を示した。これに対して、MOSFET71を電流臨界モード制御すると、MOSFET71がより高いスイッチング周波数で動作する。そのため、MOSFET71を電流臨界モード制御したときに光源8へ出力される電流が、MOSFET71を固定周波数のデューティ制御したときに光源8へ出力される電流と同等である場合、電流臨界モード制御では、オン時間Tonを短くできる。オン時間Tonは、光源8に出力する電流の大きさによって決まり、全光点灯時に最長となる。また、このとき1次巻線75aに流れる電流のピーク値も最大となる。1次巻線75aに流れる電流の大きさが小さいほど、コイル75を構成する磁性体コアに発生する磁束密度が低く、コアの大きさを小型化できるため、MOSFET71を電流臨界モード制御することにより、コイル75を小型化できる。
しかしながら、光源8を調光する場合、交流電源1の入力電流を小さくするため、スイッチング制御部93は、MOSFET71のオン時間Tonを短くするように制御を行う。従って、電流臨界モード制御では、調光時にMOSFET71のオン時間Tonが短くなりすぎ、MOSFET71のオンオフ動作が不安定になり、光源8の出力光にちらつきが発生してしまう可能性がある。出力光のちらつきは光源8の明るさの変動に等しい。
図18は調光率に応じて変化するMOSFETのオン時間及びスイッチング周波数の特性を示す図である。図18には上から順に、MOSFET71のオン時間と、スイッチング周波数と、光源8の調光率とが示される。
点線は、遅延時間Tdelayを設けずに電流臨界モード制御が行われている場合に調光率を変化させたときの、MOSFET71のオン時間及びスイッチング周波数を表す。実線は、遅延時間Tdelayを設けて電流不連続モード制御が行われている場合に調光率を変化させたときの、MOSFET71のオン時間及びスイッチング周波数を表す。
遅延時間Tdelayを設けてMOSFET71を電流不連続モード制御することで、電流臨界モード制御と比較して、調光時におけるスイッチング周波数の上昇を抑制することができ、スイッチング損失を低減できる。また、MOSFET71のオン時間を長くすることができ、より確実にMOSFET71をオンオフ制御できる。電流制御部7において、MOSFET71のオン時間が短くなりすぎてしまうと、MOSFET71のオンオフ動作が不安定になり、光源8に出力光のちらつきが発生してしまう可能性があるため、遅延時間Tdelayを設けることで、オン時間を確保し、光源8の出力光にちらつきを生じることなく、調光制御することができる。MOSFET71が正常にオンオフ動作できなくなるオン時間の長さは、例えば0.2usec以下である。そのため制御部9Bには最小オン時間Ton_minが記憶されており、光源8を調光する際、MOSFET71のオン時間が最小オン時間Ton_minよりも短くならないように調光制御することができる。最小オン時間Ton_minは、MOSFET71が正常にオンオフ動作できなくなるオン時間の長さに等しい。
以上から、遅延時間Tdelayを設けてMOSFET71を電流不連続モード制御すると、電流臨界モード制御の場合と同様に、デューティ制御する場合に比べて、1次巻線75aのピーク電流を小さくできるため、コイル75をより小型化できる。さらに、電流臨界モード制御する場合に比べて、光源8を調光した際のMOSFET71のオン時間減少を抑制できため、調光時に、光源8の出力光にちらつきが発生することを抑制できる。
光源8を点灯している期間において、遅延時間Tdelayの長さを変更してしまうと、MOSFET71のスイッチング周波数が変動してしまうことから、光源8に出力される電流が変動し、光源8の出力光にちらつきが発生する。そのため、光源8の点灯開始後は、遅延時間Tdelayの長さを、調光率によらず、一定にすることで、MOSFET71のスイッチング周波数変動が抑制され、光源8の出力光のちらつきが抑制される。
図19は光源に出力される電流の大きさが異なる場合における電流制御部の動作を示す第1の図である。図20は光源に出力される電流の大きさが異なる場合における電流制御部の動作を示す第2の図である。図19,20には、上から順に、光源8へ出力される電流と、MOSFET71のドレイン−ソース間に印加される電圧と、1次巻線75aに流れる電流と、ゼロ電流検出信号と、MOSFET71の制御信号とが示される。図19,20では、ドレイン−ソース間に印加される電圧が「ドレイン電圧」と表記される。なお、横軸は時間を表す。
光源8を調光することで光源8へ出力される電流を小さくする場合、MOSFET71の制御信号のオン時間を短くするため、全光時のオン時間Ton(a)と、調光時のオン時間Ton(a)とは、全光時のオン時間Ton(a)>調光時のオン時間Ton(b)の関係となる。一方で、遅延時間Tdelayの長さは、調光率によらず、一定であるため、全光時の遅延時間Tdelay(a)と調光時の遅延時間Tdelay(b)とは、全光時の遅延時間Tdelay(a)=調光時の遅延時間Tdelay(b)の関係となる。
また、光源8を点灯している期間において、遅延時間Tdelayの長さを変更する場合、遅延時間Tdelayを変更するための判定手段が必要になる。そのため、例えば、マイコン又はCPUといった演算素子を用いて、判定手段を実現する場合、複雑な判定処理の命令を記述する必要があり、使用するメモリ容量が増加してしまう。また、アナログ回路を用いて、判定手段を実現する場合、部品点数が増加し、回路構成が複雑化してしまう。そのため、遅延時間Tdelayの長さを、調光率によらず、一定にすることで、マイコン又はCPUといった演算素子のメモリ容量の増加を抑制でき、またアナログ回路を構成する部品点数の増加を抑制できる。
具体的な遅延時間Tdelayの設け方としては、MOSFET71のドレイン電圧が自由振動している期間において、制御部9Bは、MOSFET71の電圧振動のボトム付近でMOSFET71をオンさせる。これにより、ドレイン電圧の急峻な変動が抑制され、スイッチングに起因するノイズが抑制される。また、複数回生じるMOSFET71の電圧振動のボトムの内、少なくとも2回目以降のボトムにおいて、制御部9BがMOSFET71をオンすることで、確実に遅延時間Tdelayを設けることができる。
以上の実施の形態3に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態1に示す構成と組み合わせることも可能である。
なお実施の形態3では、光源8がLEDで構成されている場合について説明したが、光源8は、調光可能なものであれば、LEDに限定されず、有機ELでもよい。
実施の形態4.
図21は実施の形態4に係る点灯装置及び照明器具の構成図である。なお実施の形態4では、図16の実施の形態3に係る点灯装置100B及び照明器具200Bと同一の構成を有する部位には、同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態4に係る照明器具200Cと、実施の形態3に係る照明器具200Bとの相違点は、照明器具200Cでは、点灯装置100Bの代わりに点灯装置100Cが用いられていることである。また実施の形態4に係る点灯装置100Cと、実施の形態3に係る点灯装置100Bとの相違点は、点灯装置100Cでは、制御部9Cが周期測定部96を備え、制御部9Cが、ゼロ電流検出周期Tzcdを測定して、遅延時間Tdelayを決定することである。
次に周期測定部96の動作を詳細に説明する。
図22は実施の形態4において、光源が消灯している状態から光源が点灯を開始するまでの期間に、ゼロ電流検出周期Tzcdを測定するタイミングを示す第1のタイミングチャートである。図22には、説明の便宜上、MOSFET71のゲート電圧がオンオフされる周期を、実際よりも長く記載している。図22には上から順に、光源8に印加される電圧と、光源8に流れる電流と、MOSFET71のドレイン−ソース間に印加される電圧と、1次巻線75aに流れる電流と、ゼロ電流検出信号と、MOSFET71の制御信号とが示される。図22では、ドレイン−ソース間に印加される電圧が「ドレイン電圧」と表記される。なお、横軸は時間を表す。
電流制御部7は、時刻t1からMOSFET71のオンオフ制御を開始する。光源8としてLEDが用いられている場合、順電圧閾値Vfth以下では光源8に電流が流れないため、時刻t1〜t3の期間においては、光源8に印加される電圧のみが上昇する。順電圧閾値Vfthは、LEDに印加される電圧の内、LEDに電流が流れ始める電圧、すなわちLEDが点灯を開始する電圧に等しい。
時刻t3において、光源8に印加される電圧が順電圧閾値Vfthを超えると、LEDに電流が流れ始め、LEDが点灯を開始する。LEDの点灯開始後、光源8に流れる電流が増加し、時刻t4において、光源8に流れる電流が目標値に到達すると、光源8に流れる電流の増加が終了し、時刻t4以降に光源8に流れる電流の値が一定になる。
2次巻線75bの両端に発生する電圧の最大値は、1次巻線75a及び2次巻線75bの巻数比nと、光源8に印加される電圧の積とで表すことができる。そのため、時刻t1からt4において、光源8に印加される電圧が上昇する期間においては、2次巻線75bの両端に発生する電圧の最大値も上昇する。周期測定部96は、時刻t2において、MOSFET71がオンしている期間にゼロ電流検出信号の最大値を検出する。そして、周期測定部96は、検出したゼロ電流検出信号の最大値が周期検出閾値Sithに達すると、MOSFET71がオフした後に、ゼロ電流検出周期Tzcdを測定し、測定したゼロ電流検出周期Tzcdに関する情報をスイッチング制御部93Cに送信する。
スイッチング制御部93Cは、周期測定部96からゼロ電流検出周期Tzcdに関する情報を受信すると、ゼロ電流検出周期Tzcdをもとに遅延時間Tdelayを決定する。遅延時間Tdelayの決定方法については後述する。
ゼロ電流検出周期Tzcdは、MOSFET71の寄生容量と、1次巻線75aのインダクタンスと、光源8として用いられるLEDの寄生容量と、点灯装置100Cの配線寄生容量と、点灯装置100Cの配線寄生インダクタンスの大きさに依存して変化する。そのため、周期測定部96がゼロ電流検出周期Tzcdを測定し、スイッチング制御部93Cがゼロ電流検出周期Tzcdをもとに遅延時間Tdelayを決定することで、より正確にMOSFET71のドレイン電圧自由振動のボトムタイミングで、MOSFET71をオンすることができる。
これにより、MOSFET71のドレイン電圧の急峻な変動が抑制され、スイッチングに起因するノイズが抑制され、ノイズフィルタ回路を小型化できる。
遅延時間Tdelayの決定方法としては、遅延時間Tdelayをゼロ電流検出周期Tzcdのn倍の長さにする方法が考えられる。nは1を超える値である。例えば、遅延時間Tdelayをゼロ電流検出周期Tzcdの1.5倍の長さにすることで、MOSFET71のドレイン電圧自由振動のボトムタイミングで、MOSFET71をオンすることができる。
光源8が点灯している時刻t3以降に遅延時間Tdelayを変更してしまうと、光源8に出力する電流が変動し、光源8の出力光にちらつきが発生してしまう。そのため、ゼロ電流検出周期Tzcdが測定される時刻t2は、光源8が点灯を開始する時刻t3以前になるように、周期検出閾値Sithを設ける。
ここまでは、周期測定部96がゼロ電流検出周期Tzcdを測定するための時刻を決定するために、ゼロ電流検出信号の最大値を利用する構成例を説明したが、光源8に印加される電圧を検出して、検出された電圧を利用して、ゼロ電流検出周期Tzcdを測定する時刻を決定してもよい。この場合においても、ゼロ電流検出周期Tzcdを測定する時刻t2が、光源8が点灯を開始する時刻t3以前になるように、光源8に印加される電圧閾値を設けることができる。但し、この場合、照明装置100Cには、光源8に印加される電圧を検出するための電圧検出部を設ける必要がある。
図23は実施の形態4において、光源が消灯している状態から光源が点灯を開始するまでの期間に、ゼロ電流検出周期Tzcdを測定するタイミングを示す第2のタイミングチャートである。図23には上から順に、光源8に印加される電圧と、光源8に流れる電流と、MOSFET71のドレイン−ソース間に印加される電圧と、1次巻線75aに流れる電流と、ゼロ電流検出信号と、MOSFET71の制御信号とが示される。図23では、ドレイン−ソース間に印加される電圧が「ドレイン電圧」と表記される。なお、横軸は時間を表す。
電流制御部7は、時刻t1からMOSFET71のオンオフ制御を開始する。光源8としてLEDが用いられている場合、順電圧閾値Vfth以下では光源8に電流が流れないため、時刻t1〜t3の期間においては、光源8に印加される電圧のみが上昇する。
時刻t3において光源8に印加される電圧が順電圧閾値Vfthを超えると、LEDに電流が流れ始め、LEDが点灯を開始する。点灯開始後、光源8に流れる電流が増加し、時刻t4において光源8に流れる電流が目標値に到達すると、光源8に流れる電流の増加が終了し、時刻t4以降に光源8に流れる電流の値が一定になる。
スイッチング制御部93Cは、電流検出部11で検出された電流が目標値に到達したとき、周期測定部96にゼロ電流検出周期測定を開始させる。すなわち、スイッチング制御部93Cは、周期測定部96に対して、ゼロ電流検出周期測定開始の要求を行う。
周期測定部96は、スイッチング制御部93Cからゼロ電流検出周期測定開始の要求を受けると、MOSFET71がオフした後、ゼロ電流検出周期Tzcdを測定し、測定したゼロ電流検出周期Tzcdに関する情報をスイッチング制御部93Cに送信する。
スイッチング制御部93Cは、周期測定部96からゼロ電流検出周期Tzcdに関する情報を受信すると、ゼロ電流検出周期Tzcdをもとに遅延時間Tdelayを演算する。遅延時間Tdelayの演算結果は、光源8が消灯し、その後光源8が再び点灯する際に反映される。
前述したように、ゼロ電流検出周期Tzcdは、MOSFET71の寄生容量と、1次巻線75aのインダクタンスと、光源8として用いられるLEDの寄生容量と、点灯装置100Cの配線寄生容量と、点灯装置100Cの配線寄生インダクタンスの大きさに依存して変化する。特に、MOSFETの寄生容量はドレイン電圧の大きさに依存する特性を持っている。そのため、光源8が点灯している期間に測定されたゼロ電流検出周期Tzcdをもとに遅延時間Tdelayを決定することで、より正確にMOSFET71のドレイン電圧自由振動のボトムタイミングで、MOSFET71をオンすることができる。
なお、MOSFETの寄生容量は、ドレイン電圧の大きさに依存して変化する。また、ドレイン電圧の振動周期は、MOSFETの寄生容量によって変化する。これらのことから、ドレイン電圧の振動周期は、ドレイン電圧の大きさによって変化すると言える。ゼロ電流検出周期Tzcdが変化した場合に、遅延時間Tdelayを決定する簡易な方法には以下の方法がある。1つ目の方法は、光源8に印加される電圧に対応する遅延時間Tdelayの長さを予め定めておき、点灯動作時に光源8へ印加される電圧を検出し、検出された電圧に対応する遅延時間Tdelayを決定する方法である。すなわち光源8に印加される電圧に応じて遅延時間Tdelayを変化させる方法である。2つ目の方法は、電流制御部7の入力電圧に対応する遅延時間Tdelayの長さを予め定めておき、点灯動作時に電流制御部7へ入力される電圧を検出し、検出された電圧に対応する遅延時間Tdelayを決定する方法である。すなわち、電流制御部7の入力の電圧に応じて遅延時間Tdelayを変化させる方法がある。
これにより、MOSFET71のドレイン電圧の急峻な変動が抑制され、スイッチングに起因するノイズが抑制され、ノイズフィルタ回路を小型化できる。
遅延時間Tdelayの決定方法としては、遅延時間Tdelayをゼロ電流検出周期Tzcdのn倍の長さにする方法が考えられる。nは1を超える値である。例えば、遅延時間Tdelayをゼロ電流検出周期Tzcdの1.5倍の長さにすることで、MOSFET71のドレイン電圧自由振動のボトムタイミングで、MOSFET71をオンすることができる。
光源8が点灯している時刻t3以降に遅延時間Tdelayを変更してしまうと、光源8に出力する電流が変動し、光源8の出力光にちらつきが発生してしまう。そのため、ゼロ電流検出周期Tzcdから演算した遅延時間Tdelayを、光源8が消灯後に再び点灯する直前に反映することで、光源8の出力光のちらつきを抑制できる。
次に図24のフローチャートを用いて、光源8点灯後に遅延時間Tdelayを演算し、光源8消灯後に遅延時間Tdelayを反映する場合の制御に関してより詳細に説明する。図24は実施の形態4に係る点灯装置の動作を示すフローチャートである。
光源8が消灯状態のときの制御部9Cは、光源8の点灯命令が入力されるまで、光源8の点灯命令の入力を待機する(S301、S302:No)。
光源8の点灯命令が入力されたとき(S302:Yes)、制御部9Cは、遅延時間Tdelayを更新する(S303)。制御部9Cは、遅延時間Tdelayの更新が完了すると、スイッチング制御部93CがMOSFET71のオンオフ動作を開始することにより、電流制御部7が動作を開始する(S304)。
次に、スイッチング制御部93Cは、電流検出部11で検出された電流が目標値に到達したか否かを判定する。光源8に流れる電流が目標値に到達していない場合、すなわち光源8に流れる電流の値が目標値未満である場合(S305:Yes)、S305の処理が繰り返され、周期測定部96は動作しない。つまり、ゼロ電流検出周期Tzcdの測定は実行されない。
光源8に流れる電流が目標値に到達した場合、すなわち光源8に流れる電流の値が目標値を超えた場合(S305:No)、周期測定部96はゼロ電流検出周期Tzcdを測定する(S306)。ゼロ電流検出周期Tzcdに関する情報は、スイッチング制御部93Cに送信される。
ゼロ電流検出周期Tzcdに関する情報を受信したスイッチング制御部93Cは、ゼロ電流検出周期Tzcdをもとに遅延時間Tdelayを演算し、演算した遅延時間Tdelayを保持する(S307)。なお、点灯装置100Cが初めて動作する場合においては、予め定める遅延時間Tdelayを初期値として設定しておく。
光源8の消灯命令が入力されていない場合(S308:No)、点灯装置100Cでは、光源8の点灯状態が継続され(S309)、S308の処理が行われる。光源8の消灯命令が入力された場合(S308:Yes)、点灯装置100Cは光源8を消灯し(S310)、点灯装置100Cは消灯命令の入力を待機する。
以上の実施の形態4に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態1に示す構成と組み合わせることも可能である。
なお実施の形態4では、光源8がLEDで構成されている場合について説明したが、光源8は、調光可能なものであれば、LEDに限定されず、有機ELでもよい。
なお本実施の形態では、電流検出部11で測定された出力電流の値に応じて遅延時間の長さを決定する例を説明したが、電流検出部11の代わりに、直流変換回路30の出力電圧を検出する出力電圧検出部、又は、直流変換回路30の入力電圧を検出する入力電圧検出部を用いてもよい。出力電圧検出部で検出された出力電圧に応じて、遅延時間の長さを決定し、又は入力電圧検出部で検出された入力電圧に応じて、遅延時間の長さを決定しても、同様の効果が得られる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。