JPWO2018116732A1 - 非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キット - Google Patents

非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キット Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018116732A1
JPWO2018116732A1 JP2018557627A JP2018557627A JPWO2018116732A1 JP WO2018116732 A1 JPWO2018116732 A1 JP WO2018116732A1 JP 2018557627 A JP2018557627 A JP 2018557627A JP 2018557627 A JP2018557627 A JP 2018557627A JP WO2018116732 A1 JPWO2018116732 A1 JP WO2018116732A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mesenchymal stem
cells
stem cells
alcoholic steatohepatitis
therapeutic agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018557627A
Other languages
English (en)
Inventor
隼人 倉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohto Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Rohto Pharmaceutical Co Ltd
Publication of JPWO2018116732A1 publication Critical patent/JPWO2018116732A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/28Bone marrow; Haematopoietic stem cells; Mesenchymal stem cells of any origin, e.g. adipose-derived stem cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

本発明は、現在有効な薬物療法が確立されていないNASHの新規治療剤を提供することを目的とする。本発明は、間葉系幹細胞を含有する非アルコール性脂肪肝炎(Non−alcoholic steatohepatitis;NASH)治療剤である。上記間葉系幹細胞は他家由来であること、脂肪組織由来であることが好ましい。

Description

本発明は、非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キットに関する。
非アルコール性脂肪肝炎(Non−alcoholic steatohepatitis、以下「NASH」ともいう)は、非飲酒家でアルコール性肝炎と類似の組織所見を呈し、肝組織において脂肪沈着と共に炎症と線維化がみられる進行性の肝疾患である。これまで原因不明とされてきた肝硬変のひとつの原因として、上記NASHが近年注目されている。2008年に日本肝臓学会総会において行われた肝硬変の全国集計によると、1998年の集計と比べて、NASHに起因する肝硬変の増加が懸念されている(非特許文献1及び2)。このNASHについては、現在有効な薬物療法は確立されていないが、肥満、脂質異常症、糖尿病等の生活習慣病、高インスリン血症、TNFα(tumor necrosis factor α)等のサイトカイン、鉄沈着等に起因する酸化ストレス等が発症に関与していると考えられ、治療の標的になっている。
NASHの研究に用いられる非ヒトモデル動物としては、従来からレプチン受容体欠損マウス(非特許文献3)、肝細胞特異的Pten欠損マウス(非特許文献4)、及びレチノイン酸受容体αの優性阻害型遺伝子改変マウス(非特許文献5)等の単一遺伝子改変マウスが知られている。しかし、ヒトのNASHはこれら遺伝子改変マウスのように単一遺伝子変異で病態が発症進行するわけではないことから、これらの遺伝子改変マウスがヒトのNASHの臨床病態を反映しているとはいえない。また、マウス等のげっ歯類にメチオニン・コリン不含食(MCD)(非特許文献6及び7)やコリン不含L−アミノ酸規定飼料(CDAA)(非特許文献8)等の特殊な餌を摂餌させることで作製されるNASHの非ヒトモデル動物も知られているが、体重の低下や血中脂質の低下等が認められることから、ヒトのNASHの臨床病態を反映しているとはいえない。したがって、新規治療剤の開発の際に、このような従来の非ヒトモデル動物においてNASH様病態の改善効果が見られたとしても、ヒトのNASHに対して効果を奏するとはいい難い。
特許文献1には、インスリン抵抗性を遺伝背景としてII型糖尿病を自然発症するKK−Ayマウスを用いて、新規なコリン不含・L−アミノ酸規定(N−CDAA)飼料を与えることにより、ヒトと同様の臨床病態を示すNASHのモデルマウスの作製に成功したことが開示されている。当該モデルマウスには、肝臓への異常な脂質の蓄積(脂肪肝)、肝臓の繊維化、及び血中パラメータによる慢性肝炎像が認められ、特に、従来のNASHモデル動物で報告の無かった、体重の増加、血清トリグリセリドの増加、及び血清総コレステロールの増加が認められた。また、当該モデルマウスにおいては、ヒトと同様の緩やかな病態の進行も認められている。
一方、間葉系幹細胞は、Friedenstein(1982)によって初めて骨髄から単離された多分化能を有する前駆細胞である(非特許文献9)。間葉系幹細胞は、骨髄、臍帯、脂肪等の様々な組織に存在することが明らかにされており、間葉系幹細胞移植は、様々な難治性疾患に対する新しい治療方法として、期待されている(特許文献2及び3)。最近では、脂肪組織、胎盤、臍帯、卵膜等の胎児付属物の間質細胞に同等の機能を有する細胞が存在することが知られている。従って、間葉系幹細胞を間質細胞(Mesenchymal Stromal Cell)と称することもある。
特開2012−80830号公報 特開2012−157263号公報 特表2012−508733号公報
標準消化器病学,株式会社 医学書院,2006年4月1日発行,pp.426−431 日本内科学会雑誌,2010,99(9),pp.203−209 Sahai A. et al.,Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol.,2004,287:G1035−G1043 Horie Y. et al.,J. Clin.Invest.,2004,113(12),pp.1774−1783 Yanagitani A. et al.,Hepatology,2004,40(2),pp.366−375 Rinella M. E. et al.,Journal of Hepatology,2004,40,pp.47−51 Wang B. et al.,Hepatology,2009,50(4),pp.1152−1161 Sakaida I. et al.,Journal of Hepatology,2003,38,pp.762−769 Pittenger F.M. et al., Science,1999,284,pp.143−147
本発明は、上述のような状況の中、現在有効な薬物療法が確立されていないNASHの新規治療剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、ヒトと同様の臨床病態を示すNASHのモデルマウスを用い、間葉系幹細胞の治療効果について検証した。その結果、間葉系幹細胞を含有する治療剤が、NASHの治療に極めて有効であることを見出した。すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]間葉系幹細胞を含有する非アルコール性脂肪肝炎(Non−alcoholic steatohepatitis;NASH)治療剤。
[2]間葉系幹細胞が他家由来である、[1]に記載の非アルコール性脂肪肝炎治療剤。
[3]間葉系幹細胞が脂肪組織由来である、[1]又は[2]に記載の非アルコール性脂肪肝炎治療剤。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の非アルコール性脂肪肝炎治療剤、容器及びラベルを含む、非アルコール性脂肪肝炎治療用キット。
本発明によると、NASHの新規治療剤及びNASHの新規治療用キットを提供することができる。
図1は、間葉系幹細胞を含む非アルコール性脂肪肝炎治療剤の4回投与によるNASH治療効果(HYP量の低減効果)を示す図である。 図2は、間葉系幹細胞を含む非アルコール性脂肪肝炎治療剤の2回投与によるNASH治療効果(HYP量の低減効果)を示す図である。 図3は、間葉系幹細胞を含む非アルコール性脂肪肝炎治療剤の1回投与によるNASH治療効果(HYP量の低減効果)を示す図である。 図4は、間葉系幹細胞を含む非アルコール性脂肪肝炎治療剤の1回投与によるNASH治療効果(線維化の抑制効果)を示す図である。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キットについて詳細に説明する。
<非アルコール性脂肪肝炎治療剤>
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は間葉系幹細胞を含有する。本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、上記間葉系幹細胞に加えて、本発明の効果を損なわない限り、その他の成分を含有していてもよい。以下、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤が含有する間葉系幹細胞、その他の成分について詳細に説明する。
[間葉系幹細胞]
本発明において間葉系幹細胞とは、間葉系に属する一種以上、好ましくは二種以上、さらに好ましくは三種以上の細胞(骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など)への分化能を有し、当該能力を維持したまま増殖できる細胞を意味する。本発明において用いる間葉系幹細胞なる用語は、間質細胞と同じ細胞を意味し、両者を特に区別するものではない。また、単に間葉系細胞と表記される場合もある。間葉系幹細胞を含む組織としては、例えば、脂肪組織、臍帯、骨髄、臍帯血、子宮内膜、胎盤、羊膜、絨毛膜、脱落膜、真皮、骨格筋、骨膜、歯小嚢、歯根膜、歯髄、歯胚等が挙げられる。例えば脂肪組織由来間葉系幹細胞とは、脂肪組織に含有される間葉系幹細胞を意味し、脂肪組織由来間質細胞と称してもよい。これらのうち、非アルコール性脂肪肝炎の治療に対する有効性の観点、入手容易性の観点等から、脂肪組織由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞、骨髄由来間葉系幹細胞、胎盤由来間葉系幹細胞、歯髄由来間葉系幹細胞が好ましく、脂肪組織由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞がより好ましく、脂肪組織由来間葉系幹細胞がさらに好ましい。
本発明における間葉系幹細胞は、処置される対象(被検体)と同種由来であってもよいし、異種由来であってもよい。本発明における間葉系幹細胞の種として、ヒト、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、ラビット、マウス、ラットが挙げられ、好ましくは処置される対象(被検体)と同種由来細胞である。本発明における間葉系幹細胞は、処置される対象(被検体)に由来、すなわち自家細胞(同種同系)であってもよいし、同種の別の対象に由来、すなわち他家細胞で(同種異系)あってもよい。好ましくは他家細胞(同種異系)である。
間葉系幹細胞は同種異系の被験体に対しても拒絶反応を起こしにくいため、あらかじめ調製されたドナーの細胞を拡大培養して凍結保存したものを、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤における間葉系幹細胞として使用することができる。そのため、自己の間葉系幹細胞を調製して用いる場合と比較して、商品化も容易であり、かつ安定して一定の効果を得られ易いという観点から、本発明における間葉系幹細胞は、同種異系であることがより好ましい。
本発明において間葉系幹細胞とは、間葉系幹細胞を含む任意の細胞集団を意味する。当該細胞集団は、少なくとも20%以上、好ましくは、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、96%、97%、98%又は99%が間葉系幹細胞である。
本発明において脂肪組織とは、脂肪細胞、及び微小血管細胞等を含む間葉系幹細胞を含有する組織を意味し、例えば、哺乳動物の皮下脂肪を外科的切除又は吸引して得られる組織である。脂肪組織は、皮下脂肪より入手され得る。後述する脂肪組織由来間葉系幹細胞の投与対象と同種動物から入手されることが好ましく、ヒトへ投与することを考慮すると、より好ましくは、ヒトの皮下脂肪である。皮下脂肪の供給個体は、生存していても死亡していてもよいが、本発明において用いる脂肪組織は、好ましくは、生存個体から採取された組織である。個体から採取する場合、脂肪吸引は、例えば、PAL(パワーアシスト)脂肪吸引、エルコーニアレーザー脂肪吸引、又は、ボディジェット脂肪吸引などが例示され、細胞の状態を維持するという観点から、超音波を用いないことが好ましい。
本発明において臍帯とは、胎児と胎盤を結ぶ白い管状の組織であり、臍帯静脈、臍帯動脈、膠様組織(ウォートンジェリー;Wharton’s Jelly)、臍帯基質自体等から構成され、間葉系幹細胞を多く含む。臍帯は、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤を使用する被験体(投与対象)と同種動物から入手されることが好ましく、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤をヒトへ投与することを考慮すると、より好ましくは、ヒトの臍帯である。
本発明において骨髄とは、骨の内腔を満たしている柔組織のことをいい、造血器官である。骨髄中には骨髄液が存在し、その中に存在する細胞を骨髄細胞と呼ぶ。骨髄細胞には、赤血球、顆粒球、巨核球、リンパ球、脂肪細胞等の他、間葉系幹細胞、造血幹細胞、血管内皮前駆細胞等が含まれている。骨髄細胞は、例えば、ヒト腸骨、長管骨、又はその他の骨から採取することができる。
本発明において、脂肪組織由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞、骨髄由来間葉系幹細胞といった各組織由来間葉系幹細胞とは、それぞれ脂肪組織由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞、骨髄由来間葉系幹細胞といった各組織由来間葉系幹細胞を含む任意の細胞集団を意味する。当該細胞集団は、少なくとも20%以上、好ましくは、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、93%、96%、97%、98%又は99%が、脂肪組織由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞、骨髄由来間葉系幹細胞といった各組織由来間葉系幹細胞である。
本発明における間葉系幹細胞は、成長特徴(例えば、継代から老化までの集団倍加能力、倍加時間)、核型分析(例えば、正常な核型、母体系統又は新生児系統)、フローサイトメトリー(例えば、FACS分析)による表面マーカー発現、免疫組織化学及び/又は免疫細胞化学(例えば、エピトープ検出)、遺伝子発現プロファイリング(例えば、遺伝子チップアレイ;逆転写PCR、リアルタイムPCR、従来型PCR等のポリメラーゼ連鎖反応)、miRNA発現プロファイリング、タンパク質アレイ、サイトカイン等のタンパク質分泌(例えば、血漿凝固解析、ELISA、サイトカインアレイ)、代謝産物(メタボローム解析)、本分野で知られている他の方法等によって、特徴付けられてもよい。
(間葉系幹細胞の調製方法)
間葉系幹細胞は、当業者に周知の方法により調製することができる。以下に、一つの例として、脂肪組織由来間葉系幹細胞の調製方法を説明する。脂肪組織由来間葉系幹細胞は、例えば米国特許第6,777,231号に記載の製造方法によって得られて良く、例えば、以下の工程(i)〜(iii)を含む方法で製造することができる:
(i) 脂肪組織を酵素による消化により細胞懸濁物を得る工程;
(ii) 細胞を沈降させ、細胞を適切な培地に再懸濁する工程;ならびに
(iii) 細胞を固体表面で培養し、固体表面への結合を示さない細胞を除去する工程。
工程(i)において用いる脂肪組織は、洗浄されたものを用いることが好ましい。洗浄は、生理学的に適合する生理食塩水溶液(例えばリン酸緩衝食塩水(PBS))を用いて、激しく攪拌して沈降させることによって行い得る。これは、脂肪組織に含まれる夾雑物(デブリとも言い、例えば損傷組織、血液、赤血球など)を組織から除去するためである。したがって、洗浄及び沈降は一般に、上清からデブリが総体的に除去されるまで繰り返される。残存する細胞は、さまざまなサイズの塊として存在するので、細胞そのものの損傷を最小限に抑えながら解離させるため、洗浄後の細胞塊を、細胞間結合を弱めるか、又は破壊する酵素(例えば、コラゲナーゼ、ディスパーゼ又はトリプシンなど)で処理することが好ましい。このような酵素の量及び処理期間は、使用される条件に依存して変わるが、当技術分野で既知である。このような酵素処理に代えて、又は併用して、細胞塊を、機械的な攪拌、超音波エネルギー、熱エネルギーなどの他の処理法で分解することができるが、細胞の損傷を最小限に抑えるため、酵素処理のみで行うことが好ましい。酵素を用いた場合、細胞に対する有害な作用を最小限に抑えるために、適切な期間をおいた後に培地等を用いて酵素を失活させることが望ましい。
工程(i)により得られる細胞懸濁物は、凝集状の細胞のスラリー又は懸濁物、ならびに各種夾雑細胞、例えば赤血球、平滑筋細胞、内皮細胞、及び線維芽細胞を含む。従って、続いて凝集状態の細胞とこれらの夾雑細胞を分離、除去してもよいが、後述する工程(iii)での接着及び洗浄により、除去可能であることから、当該分離、除去は割愛してもよい。夾雑細胞を分離、除去する場合、細胞を上清と沈殿に強制的に分ける遠心分離によって達成しえる。得られた夾雑細胞を含む沈殿は、生理学的に適合する溶媒に懸濁させる。懸濁状の細胞には、赤血球を含む恐れがあるが、後述する個体表面への接着による選択により、赤血球は除外されるため、溶解する工程は必ずしも必要ではない。赤血球を選択的に溶解する方法として、例えば、塩化アンモニウムによる溶解による高張培地又は低張培地中でのインキュベーションなど、当技術分野で周知の方法を使用することができる。溶解後、例えば濾過、遠心沈降、又は密度分画によって溶解物を所望の細胞から分離してもよい。
工程(ii)において、懸濁状の細胞において、間葉系幹細胞の純度を高めるために、1回もしくは連続して複数回洗浄し、遠心分離し、培地に再懸濁してもよい。この他にも、細胞を、細胞表面マーカープロファイルを基に、又は細胞のサイズ及び顆粒性を基に分離してもよい。
再懸濁において用いる培地は、間葉系幹細胞を培養できる培地であれば、特に限定されないが、このような培地は、基礎培地に、血清を添加する、及び/又は、アルブミン、トランスフェリン、脂肪酸、インスリン、亜セレン酸ナトリウム、コレステロール、コラーゲン前駆体、微量元素、2−メルカプトエタノール、3’−チオールグリセロール等の1つ以上の血清代替物を添加して作製してもよい。これらの培地には、必要に応じて、さらに脂質、アミノ酸、タンパク質、多糖、ビタミン、増殖因子、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類等の物質を添加してもよい。
上記基礎培地としては、例えば、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle’s Minimum Essential Medium(EMEM)培地、αMEM培地、Dulbecco’s modified Eagle’s Medium(DMEM)培地、Ham’s F12培地、RPMI 1640培地、Fischer’s培地、MCDB201培地及びこれらの混合培地等が挙げられる。
上記血清としては、例えば、ヒト血清、ウシ胎児血清(FBS)、ウシ血清、仔ウシ血清、ヤギ血清、ウマ血清、ブタ血清、ヒツジ血清、ウサギ血清、ラット血清等が挙げられるがこれらに限定されない。血清を用いる場合、基礎培地に対して、5v/v%から15v/v%、好ましくは、10v/v%を添加してもよい。
上記脂肪酸としては、リノール酸、オレイン酸、リノレイン酸、アラキドン酸、ミリスチン酸、パルミトイル酸、パルミチン酸、及びステアリン酸等が例示されるが、これらに限定されない。脂質は、フォスファチジルセリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルコリン等が例示されるが、これらに限定されない。アミノ酸は、例えば、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン、L−システイン、L−シスチン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−グリシンなどを含むがこれらに限定されない。タンパク質は、例えば、エコチン、還元型グルタチオン、フィブロネクチン及びβ2−ミクログロブリン等が例示されるが、これらに限定されない。多糖は、グリコサミノグリカンが例示され、グリコサミノグリカンのうち特に、ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸等が例示されるが、これらに限定されない。増殖因子は、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF−β)、肝細胞増殖因子(HGF)、上皮成長因子(EGF)、結合組織増殖因子(CTGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)等が例示されるが、これらに限定されない。本発明において得られる脂肪由来間葉系幹細胞を細胞移植に用いるという観点から、血清等の異種由来成分を含まない(ゼノフリー)培地を用いることが好ましい。このような培地は、例えば、PromoCell社、Lonza社、Biological Industries社、Veritas社、R&D Systems社、Corning社及びRohto社などから間葉系幹細胞(間質細胞)用として予め調製された培地として提供されている。
続いて、工程(iii)では、工程(ii)で得られた細胞懸濁液中の細胞を分化させずに固体表面上で、上述の適切な細胞培地を使用して、適切な細胞密度及び培養条件で培養する。本発明において、「固体表面」とは、本発明における脂肪組織由来間葉系幹細胞の結合・接着を可能とする任意の材料を意味する。特定の態様では、このような材料は、その表面への哺乳類細胞の結合・接着を促すように処理されたプラスチック材料である。固体表面を有する培養容器の形状は特に限定されないが、シャーレやフラスコなどが好適に用いられる。非結合状態の細胞及び細胞の破片を除去するために、インキュベーション後に細胞を洗浄する。
本発明では、最終的に固体表面に結合・接着した状態で留まる細胞を、脂肪組織由来間葉系幹細胞の細胞集団として選択することができる。
選択された細胞について、本発明における脂肪組織由来間葉系幹細胞であることを確認するために、表面抗原についてフローサイトメトリー等を用いて従来の方法で解析してもよい。さらに、各細胞系列に分化する能力について検査してもよく、このような分化は、従来の方法で行うことができる。
本発明における間葉系幹細胞は、上述の通り調製することができるが、次の特性を持つ細胞として定義してもよい;
(1)標準培地での培養条件で、プラスチックに接着性を示す、
(2)表面抗原CD44、CD73、CD90が陽性であり、CD31、CD45が陰性であり、及び
(3)培養条件にて骨細胞、脂肪細胞、軟骨細胞に分化可能。
(間葉系幹細胞の凍結保存)
本発明における間葉系幹細胞は、非アルコール性脂肪肝炎に対する治療効果を備えていれば、適宜、凍結保存及び融解を繰り返した細胞であってもよい。本発明において、凍結保存は、当業者に周知の凍結保存液へ間葉系幹細胞を懸濁し、冷却することによって行い得る。懸濁は、細胞をトリプシンなどの剥離剤によって剥離し、凍結保存容器に移し、適宜、処理した後、凍結保存液を加えることによって行い得る。
凍結保存液は、凍害防御剤として、DMSO(Dimethyl sulfoxide)を含有していてもよいが、DMSOは、細胞毒性に加えて、間葉系幹細胞を分化誘導する特性を有することから、DMSO含有量を減らすことが好ましい。DMSOの代替物として、グリセロール、プロピレングリコール又は多糖類が例示される。DMSOを用いる場合、5%〜20%の濃度、好ましくは5%〜10%の濃度、より好ましくは10%の濃度を含有する。この他にも、WO2007/058308に記載の添加剤を含んでもよい。このような凍結保存液として、例えば、バイオベルデ社、日本ジェネティクス株式会社、リプロセル社、ゼノアック社、コスモ・バイオ社、コージンバイオ株式会社、サーモフィッシャーサイエンティフィック社などから提供されている凍結保存液を用いてもよい。
上述の懸濁した細胞を凍結保存する場合、−80℃〜−100℃の間の温度(例えば、−80℃)で保管することで良く、当該温度に達成しえる任意のフリーザーを用いて行い得る。特に限定されないが、急激な温度変化を回避するため、プログラムフリーザーを用いて、冷却速度を適宜制御してもよい。冷却速度は、凍結保存液の成分によって適宜選択しても良く、凍結保存液の製造者指示に従って行われ得る。
保存期間は、上記条件で凍結保存した細胞が融解した後、凍結前と同等の性質を保持している限り、特に上限は限定されないが、例えば、1週間以上、2週間以上、3週間以上、4週間以上、2か月以上、3か月以上、4か月以上、5か月以上、6か月以上、1年以上、又はそれ以上が挙げられる。より低い温度で保存することで細胞障害を抑制することができるため、液体窒素上の気相(約−150℃以下から−180℃以下)へ移して保存してもよい。液体窒素上の気相で保存する場合、当業者に周知の保存容器を用いて行うことができる。特に限定されないが、例えば、2週間以上保存する場合、液体窒素上の気相で保存することが好ましい。
融解した間葉系幹細胞は、次の凍結保存までに適宜、培養してもよい。間葉系幹細胞の培養は、上述した間葉系幹細胞を培養できる培地を用いて行われ、特に限定されないが、約30〜40℃、好ましくは約37℃の培養温度で、CO含有空気の雰囲気下で行われてもよい。CO濃度は、約2〜5%、好ましくは約5%である。培養において、培養容器に対して適切なコンフルエンシー(例えば、培養容器に対して、50%から80%を細胞が占有することが挙げられる)に達した後に、細胞をトリプシンなどの剥離剤によって剥離し、別途用意した培養容器に適切な細胞密度で播種して培養を継続してもよい。細胞を播種する際において、典型的な細胞密度として、100細胞/cm〜100,000細胞/cm、500細胞/cm〜50,000細胞/cm、1,000〜10,000細胞/cm、2,000〜10,000細胞/cmなどが例示される。特定の態様では、細胞密度は2,000〜10,000細胞/cmである。適切なコンフルエンシーに達するまでの期間が、3日間から7日間となるように調整することが好ましい。培養中、必要に応じて、適宜、培地を交換してもよい。
凍結保存した細胞の融解は、当業者に周知の方法によって行い得る。例えば、37℃の恒温槽内又は湯浴中にて静置又は振とうすることによって行う方法が例示される。
(間葉系幹細胞の形態)
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤が含有する間葉系幹細胞は、いずれの状態の細胞であってもよいが、例えば培養中の細胞を剥離して回収された細胞でもよいし、凍結保存液中に凍結された状態の細胞でもよい。拡大培養して得られる同ロットの細胞を小分けして凍結保存したものを使用すると、安定して同様の作用効果が得られる点、取扱い性に優れる点等において好ましい。凍結保存状態の間葉系幹細胞は、使用直前に融解し、凍結保存液に懸濁したまま輸液もしくは培地等の間葉系幹細胞懸濁用溶液に直接混合してもよい。また、遠心分離等の方法により凍結保存液を除去してから輸液もしくは培地等の間葉系幹細胞懸濁用溶液に懸濁してもよい。ここで、本発明における「輸液」とは、ヒトの治療の際に用いられる溶液のことをいい、特に限定されないが、例えば、生理食塩水、日局生理食塩液、5%ブドウ糖液、日局ブドウ糖注射液、リンゲル液、日局リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、1号液(開始液)、2号液(脱水補給液)、3号液(維持液)、4号液(術後回復液)等が挙げられる。なお、上記の輸液もしくは培地等の間葉系幹細胞懸濁用溶液は、後述するその他の成分(薬学的に許容される担体や添加物)を含むように調製されてもよい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記間葉系幹細胞以外に、その用途や形態に応じて、常法に従い、薬学的に許容される担体や添加物を含有させてもよい。このような担体や添加物としては、例えば、等張化剤、増粘剤、糖類、糖アルコール類、防腐剤(保存剤)、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、安定化剤、キレート剤、油性基剤、ゲル基剤、界面活性剤、懸濁化剤、結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、発泡剤、流動化剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、溶解補助剤、抗酸化剤、甘味剤、酸味剤、着色剤、呈味剤、香料又は清涼化剤等が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な成分として例えば次の担体、添加物等が挙げられる。
担体としては、例えば、水、含水エタノール等の水性担体が挙げられる。また、等張化剤(無機塩)としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が;多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が;増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が;糖類としては、例えば、シクロデキストリン、ブドウ糖等が;糖アルコール類としては、例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい)が;防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、トロメタモール、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)等)、グローキル(ローディア社製商品名)等が;pH調節剤としては、例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、硫酸マグネシウム、リン酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等が;安定化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等が;油性基剤としては、例えば、オリーブ油、トウモロコシ油、大豆油、ゴマ油、綿実油等の植物油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等が;水性基剤としては、例えば、マクロゴール400等が;ゲル基剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ガム質等が;界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、セスキオレイン酸ソルビタン等が;懸濁化剤としては、例えば、サラシミツロウや各種界面活性剤、アラビアゴム、アラビアゴム末、キサンタンガム、大豆レシチン等が;結合剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が;賦形剤としては、例えば、ショ糖、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が;滑沢剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、タルク等が;崩壊剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が;発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等が;流動化剤としては、例えば、メタケイ酸アルミン酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸等が、それぞれ挙げられる。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、目的に応じて種々の形態、例えば、固形剤、半固形剤、液剤等の様々な剤形で提供することができる。例えば、固形剤(錠剤、粉末、散剤、顆粒剤、カプセル剤等)、半固形剤[軟膏剤(硬軟膏剤、軟軟膏剤等)、クリーム剤等]、液剤[ローション剤、エキス剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤(輸液剤、埋め込み注射剤、持続性注射、用時調製型の注射剤を含む)、透析用剤、エアゾール剤、軟カプセル剤、ドリンク剤等]、貼付剤、パップ剤等の形態で利用できる。また、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、油性又は水性のビヒクル中の溶液又は乳液等の形態でも利用できる。さらに、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は噴霧により、患部に適用することもでき、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は噴霧した後に患部でゲル化もしくはシート化される形態でも利用できる。本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は上記間葉系幹細胞をシート状または立体構造体とした後に、患部に適用することもできる。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、上述した間葉系幹細胞、その他の成分(薬学的に許容される担体や添加物)を、生理食塩水、日局生理食塩液、5%ブドウ糖液、日局ブドウ糖注射液、リンゲル液、日局リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液、重炭酸リンゲル液、1号液(開始液)、2号液(脱水補給液)、3号液(維持液)、4号液(術後回復液)等の輸液、又は、DMEM等の細胞培養培地等の間葉系幹細胞懸濁用溶液を用いて、懸濁もしくは希釈して用いることができ、好ましくは生理食塩液、5%ブドウ糖液、1号液(開始液)で、より好ましくは5%ブドウ糖液、1号液(開始液)で懸濁もしくは希釈して用いることができる。また、上記間葉系幹細胞懸濁用溶液は、上記その他の成分(薬学的に許容される担体や添加物)が予め含まれるように調製されていてもよい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、間葉系幹細胞と、間葉系幹細胞懸濁用溶液とが別々の容器に封入されて保管され、使用時に両者を混合して用いてもよい。なお、保管の際、上記間葉系幹細胞及び間葉系幹細胞懸濁用の溶液は凍結状態であってもよいし、冷蔵状態であってもよい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤が液剤である場合、非アルコール性脂肪肝炎治療剤のpHは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではないが、一例として、2.5〜9.0、好ましくは3.0〜8.5、より好ましくは3.5〜8.0となる範囲が挙げられる。なお、間葉系幹細胞と、間葉系幹細胞懸濁用溶液とが別々の容器に封入されて保管されている場合には、間葉系幹細胞懸濁用溶液が、上記条件を満たしていればよい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤が液剤である場合、非アルコール性脂肪肝炎治療剤の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の浸透圧比の一例として、好ましくは0.7〜5.0、より好ましくは0.8〜3.0、さらに好ましくは0.9〜1.4となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖類等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十五改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。なお、間葉系幹細胞と、間葉系幹細胞懸濁用溶液とが別々の容器に封入されて保管されている場合には、間葉系幹細胞懸濁用溶液が、上記条件を満たしていればよい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の対象への投与経路は、経口投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、動脈内投与、髄腔内投与、腹腔内投与、舌下投与、経直腸投与、経腟投与、眼内投与、経鼻投与、吸入、経皮投与、インプラント、肝表面への噴霧及びシート等の貼付による直接投与等が挙げられるが、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の有効性の観点から、好ましくはインプラント、肝動脈内投与、静脈内投与及び肝表面への噴霧及びシート等の貼付による直接投与であり、対象者の負担の軽減の観点から、より好ましくは静脈内投与である。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤において、その用量(投与量)は、患者の状態(体重、年齢、症状、体調等)、及び本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の剤形等によって異なりうるが、十分な非アルコール性脂肪肝炎の治療効果を奏する観点からは、その量は多い方が好ましい傾向にあり、一方、副作用の発現を抑制する観点からはその量は少ない方が好ましい傾向にある。通常、成人に投与する場合には、細胞数として、1x10〜1x1012個/回、好ましくは1x10〜1x1011個/回、より好ましくは1x10〜1x1010個/回、さらに好ましくは5x10〜1x10個/回である。また、患者の体重あたりの投与量としては、1x10〜5x1010個/kg、好ましくは1x10〜5x10個/kg、より好ましくは1x10〜5x10個/kg、さらに好ましくは1x10〜5x10個/kgである。なお、本用量を1回量として、複数回投与してもよく、本用量を複数回に分けて投与してもよい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の対象への投与速度は、患者の状態(体重、年齢、症状、体調等)、及び本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の投与経路等によって異なりうるが、通常、成人に投与する場合には、50mL/h〜1,000mL/hであり、75mL/h〜500mL/hであることが好ましく、100mL/h〜250mL/hであることがより好ましい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の対象への投与温度は、患者の状態(体重、年齢、症状、体調等)、及び本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤の投与経路等によって異なりうるが、通常、4℃〜45℃であり、15℃〜37℃であることが好ましく、室温〜37℃であることがより好ましい。
本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、1又は2以上の他の薬剤と共に投与してもよい。他の薬剤としては、肝臓の治療薬として用いることができる任意の薬剤が挙げられ、例えば、B型肝炎治療薬(ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テノホビル等)、インターフェロン製剤(インターフェロンα、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、ペグインターフェロンα−2a、ペグインターフェロンα−2b等)、C型肝炎治療薬(リバビリン、テラピレビル、シメプレビル、バニプレビル、ダクラタスビル、アスナプレビル、ソホスブビル等)、副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム等)、抗凝固剤(乾燥濃縮人アンチトロンビンIII、ガベキサートメシル酸塩、トロンボモデュリンα等)、解毒剤(エデト酸カルシウム二ナトリウム水和物、グルタチオン、ジメチカプロール、チオ硫酸ナトリウム水和物、スガマデスクナトリウム等)、人血清アルブミン、肝臓抽出エキス、ウルソデオキシコール酸、グリチルリチン酸、アザチオプリン、ベザフィーブラート、アミノ酸(グリシン、L−システイン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−バリン、L−トレオニン、L−セリン、L−アラニン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−トリプトファン、L−リシン、L−ヒスチジン、L−アルギニン及びこれらの塩等)、ビタミン(トコフェロール、フラビンアデニンジヌクレオチド、リン酸チアミンジスルフィド、ピリドキシン、シアノコバラミン及びこれらの塩等)、抗生物質(スルバクタムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、メロペネム水和物、塩酸バンコマイシン等)等が挙げられる。なお、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤が、1又は2以上の他の薬剤と共に投与される場合とは、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤と他の薬剤とを同時に使用する場合、どちらか一方を投与した後に一定の時間が経過してから他方の薬剤を投与する場合、これらの組み合わせ等、種々の場合を含む。
<非アルコール性脂肪肝炎治療用キット>
本発明は、間葉系幹細胞と、間葉系幹細胞懸濁用溶液と含む、非アルコール性脂肪肝炎治療用のキットも含む。本発明のキットが含む間葉系幹細胞、間葉系幹細胞懸濁用溶液については、非アルコール性脂肪肝炎治療剤の項における説明を適用できる。
また、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療用キットは、本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤、容器及びラベルを含むものであると表現することもできる。本発明のキットが含む適切な容器としては、特に限定されないが、例えば、細胞凍結用のクライオチューブ、間葉系幹細胞懸濁用溶液用のボトル、バイアル、試験管等が挙げられる。これらの容器は、ガラス、金属、プラスチック又はこれらの組み合わせ等の多様な材料から形成されていてもよい。これらの容器上のラベルには、内容物である間葉系幹細胞、間葉系幹細胞懸濁用溶液等を説明する内容が記載されている。
本発明のキットは、その他の添加剤、その他の薬剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、使用法を記載した添付文書を含めた、商業的、及び利用者の観点から望ましい他の材料を包含することができる。
<非アルコール性脂肪肝炎の治療方法>
本発明のさらに別の側面によれば、本発明は、間葉系幹細胞を使用する非アルコール性脂肪肝炎の治療方法も含む。すなわち、本発明によると、間葉系幹細胞を非アルコール性脂肪肝炎患者に投与することにより、非アルコール性脂肪肝炎部位の機能等を顕著に改善させることができる。なお、本発明の治療方法に用いられる間葉系幹細胞については、非アルコール性脂肪肝炎治療剤の項における説明を適用できる。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
1.脂肪由来間葉系幹細胞の調製
ヒトドナーから同意を得た後、脂肪吸引法で得た皮下脂肪組織を生理食塩液で洗浄した。細胞外基質の破壊、及び細胞の単離を達成するために、コラゲナーゼ(Roche diagnostics社)(溶媒は生理食塩液)を添加し、37℃で90分間振倒し、分散した。続いて、この上記懸濁液を800gで5分間、遠心分離して間質血管細胞群の沈殿を得た。上記細胞の沈殿に間葉系幹細胞用無血清培地(Rohto社)を加え、当該細胞懸濁液を400gで5分間遠心分離し、上清除去後に間葉系幹細胞用無血清培地(Rohto社)に再懸濁し、フラスコに細胞を播種した。細胞を37℃で数日間、5%CO中で培養した。数日後に培養物をPBSで洗浄して、培養液中に含まれていた血球や脂肪組織の残存等を除去し、プラスチック容器に接着している間葉系幹細胞を得た。
得られた脂肪組織由来間葉系幹細胞を遠沈管に分注し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、細胞凍結保存液(STEM−CELLBANKER(ゼノアック社))を適量加え懸濁した。当該細胞懸濁溶液を、クライオチューブに分注した後、フリーザー内で−80度にて保存後、液体窒素上の気相に移し、保存を継続した。
2.非アルコール性脂肪性肝炎モデルを用いた治療効果(実施例1)
KK−Ay/Ta Jclマウス(6週齢、雄性、日本クレア株式会社製)にCholine−deficient L−amino acid−defined飼料(コリン欠乏アミノ酸調整(以下「N−CDAA」ともいう)飼料、Research Diets Inc.製、A09042101、Lot.14011403)を9週間摂餌させ、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルを作製した。脂肪由来間葉系幹細胞投与群は、N−CDAA飼料摂餌開始1週間後から、上記1にて調製した脂肪由来間葉系幹細胞のクライオチューブを液体窒素から取り出し、ウォーターバス(37℃)に浸け、内部の細胞を溶解した。生細胞密度が1.5×10cells/mLとなるように、HBSSを添加し、脂肪由来間葉系幹細胞懸濁液を調製した。0.2mLの脂肪由来間葉系幹細胞懸濁液(3×10cells/body)を2週間に1回(Day8、22、36、50)、計4回静脈内投与した。N−CDAA飼料摂餌開始9週間後に肝臓を採取し、ディープフリーザーに−80℃で保存した。凍結保存された肝臓について、Woessnerの方法(Woessner,J.F.Jr.:Arch.of Biophysics,93:pp440〜447,1961)により肝臓中hydroxyprolin(以下「HYP」ともいう)含量を測定した。
具体的には、切り出した肝臓(最大0.5g)にPBS(PBS(−)、和光純薬工業株式会社製)を加え、氷冷下でハンディホモジナイザー(ヒスコトロン NS−360D、MICROTEC CO.,LTD.社製)を使用してホモジナイズし、更にPBSにてプレード部を洗いながら、最終的に5%肝ホモジネート溶液を調製した。ホモジネート溶液0.5mLに塩酸(35〜37%塩酸(約10N)、和光純薬工業株式会社製)を最終規定濃度6Nになるよう0.75mL添加し、約110℃で20時間以上、加水分解処理を行った。反応物を2.5Nの水酸化ナトリウムにて中和した後、その溶液の2mLをHYP含量測定用試料とした。HYP含量測定用試料2mLにクロラミンT試薬1mLを添加し、20分間室温放置した後、1mLの過塩素酸試薬を加えて5分間室温放置した。1mLのp−ジメチルアミノベンズアルデヒド試薬を加えて60℃、20分間加温後、ろ紙(ADVANTEC)を装着したフィルターを用いてろ過して上清を得た。分光光度計にて557nmにおける吸光度を測定し、標準曲線を基にHYP含量(μg/mL)を算出した。
細胞非投与群の肝臓1g当たりのHYP量及び肝臓全体のHYP量は、562.3±74.4μg/g liver及び5001.8±477.6μg/Liverであった。これに対して、細胞投与群の肝臓1g当たりのHYP量及び肝臓全体のHYP量は、230.8±38.6μg/g liver及び2073.0士430.0μg/Liverであり、脂肪由来間葉系幹細胞を投与することにより、肝臓中HYP量の有意な減少が認められた。
3.非アルコール性脂肪性肝炎モデルを用いた治療効果(実施例2)
KK−Ay/Ta Jclマウス(6週齢、雄性、日本クレア株式会社製)にN−CDAA飼料(Research Diets Inc.製、A09042101、Lot.15072308)を9週間摂餌させNASHモデルを作製した。実施例1と同様にして調製した脂肪由来間葉系幹細胞を入れたガラスバイアルを液体窒素から取り出し、ウォーターバス(約37℃)に浸け、内部の細胞懸濁液を融解した。15mL遠沈管に室温に戻したDMEM(メーカー:Life technologies,品番:11054)を12mL入れ、ガラスバイアル内の細胞懸濁液を遠沈管にゆっくり移した後に、遠心分離(室温,400×g)した。上清を除去し総細胞濃度が1×10cells/mLとなるように、HBSSを加えて脂肪由来間葉系幹細胞懸濁液を調製した。脂肪由来間葉系幹細胞投与群は、N−CDAA摂餌開始6週日に脂肪由来間葉系幹細胞懸濁液を5mL/kg(5×10cells/kg)を1日1回、連続2日間静脈内投与した。N−CDAA飼料摂餌開始9週間後に肝臓を採取し、ディープフリーザーに−80℃で保存した。凍結保存された肝臓について実施例1と同様に、Woessnerの方法により肝臓中HYP含量を測定した。
細胞非投与群の肝臓1g当たりのHYP量及び肝臓全体のHYP量は、587.1±56.4μg/g liver及び5999.7±703.0μg/Liverであった。これに対して、細胞投与群の肝臓1g当たりのHYP量及び肝臓全体のHYP量は、408.5±30.8μg/gliver及び3737.8±402.0μg/Liverであった。細胞を投与することにより、肝臓中HYP量有意な減少が認められ、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞には、肝臓の繊維化を抑制する作用が認められることが明らかとなった。
4.非アルコール性脂肪性肝炎モデルを用いた治療効果3(実施例3)
KK−Ay/Ta Jclマウス(6週齢、雄性、日本クレア株式会社製)にN−CDAA(Research Diets Inc.製、A09042101、Lot.15072308)を9週間摂餌させNASHモデルを作製した。施例1と同様にして調製した脂肪由来間葉系幹細胞を入れたガラスバイアルを液体窒素から取り出し、ウォーターバス(約37℃)に浸け、内部の細胞懸濁液を融解した。15mL遠沈管に室温に戻したDMEM(メーカー:Life technologies,品番:11054)を12mL入れ、ガラスバイアル内の細胞懸濁液を遠沈管にゆっくり移した後に、遠心分離(室温,400×g)した。上清を除去し総細胞濃度が5×10cells/mLとなるように、HBSSを加えて脂肪由来間葉系幹細胞懸濁液を調製した。脂肪由来間葉系幹細胞投与群は、N−CDAA摂餌開始6週日に、脂肪由来間葉系幹細胞懸濁液を10mL/kg(5×10cells/kg)を静脈内投与した。N−CDAA飼料摂餌開始9週間後に肝臓を採取し、ディープフリーザーに−80℃で保存した。凍結保存された肝臓について実施例1と同様に、Woessnerの方法により、肝臓中HYP含量を測定した。また、摘出した肝臓の外側左葉を10%中性リン酸緩衝ホルマリン溶液により固定した。常法に従ってシリウスレッド染色を実施し、画像解析により線維化面積を評価した。
細胞非投与群の肝臓1g当たりのHYP量及び肝臓全体のHYP量は、510.1±25.4μg/g liver及び4916.5±456.1μg/Liverであった。これに対して、細胞投与群の肝臓1g当たりのHYP量及び肝臓全体のHYP量は、418.9±24.8μg/g liver及び3709.1±493.0μg/Liverであり、細胞投与による肝臓中HYP量の有意な減少が認められた。また、肝臓の線維化面積は細胞非投与群が、3.06%であったのに対して、細胞投与群では2.16%であった。ヒト脂肪由来間葉系幹細胞には、肝臓の繊維化を抑制する作用が認められることが明らかとなった。以上のように、脂肪由来間葉系幹細胞を含む本発明の非アルコール性脂肪肝炎治療剤は、単回投与によっても、顕著な非アルコール性脂肪肝炎治療効果を奏することがわかった。
本発明により、間葉系幹細胞を含有する新規な非アルコール性脂肪肝炎治療剤、及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キットが提供される。本発明の治療剤及びキットは、現在有効な薬物療法は確立されていない非アルコール性脂肪肝炎に対して、顕著な治療効果を奏するものである。

Claims (4)

  1. 間葉系幹細胞を含有する非アルコール性脂肪肝炎(Non−alcoholic steatohepatitis;NASH)治療剤。
  2. 間葉系幹細胞が他家由来である、請求項1に記載の非アルコール性脂肪肝炎治療剤。
  3. 間葉系幹細胞が脂肪組織由来である、請求項1又は2に記載の非アルコール性脂肪肝炎治療剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の非アルコール性脂肪肝炎治療剤、容器及びラベルを含む、非アルコール性脂肪肝炎治療用キット。
JP2018557627A 2016-12-22 2017-11-21 非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キット Pending JPWO2018116732A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016249971 2016-12-22
JP2016249971 2016-12-22
PCT/JP2017/041892 WO2018116732A1 (ja) 2016-12-22 2017-11-21 非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2018116732A1 true JPWO2018116732A1 (ja) 2019-10-24

Family

ID=62627612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018557627A Pending JPWO2018116732A1 (ja) 2016-12-22 2017-11-21 非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キット

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2018116732A1 (ja)
CN (1) CN109996550A (ja)
WO (1) WO2018116732A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210029569A (ko) * 2019-09-06 2021-03-16 경상국립대학교산학협력단 치아 주변조직 유래 다분화능 줄기세포를 포함하는 비만 또는 비알코올성 지방간의 예방 또는 치료용 약학적 조성물
CN114470000A (zh) * 2020-11-11 2022-05-13 上海萨美细胞技术有限公司 无细胞脂肪提取液对非酒精性脂肪肝炎的治疗用途
CN113577105A (zh) * 2021-09-08 2021-11-02 南通大学 尿源干细胞在制备非酒精性脂肪肝治疗、减肥和降脂的生物制剂、药物中的应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012080830A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Mitsubishi Chemical Medience Corp ヒト非アルコール性脂肪性肝炎(nash)の非ヒトモデル動物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160074437A1 (en) * 2014-09-11 2016-03-17 Batu Biologics, Inc. Immunological treatment of liver failure
TWI740812B (zh) * 2015-01-05 2021-10-01 國立陽明大學 用於治療肝臟疾病的間葉幹細胞
SG11201804307WA (en) * 2015-11-24 2018-06-28 Rohto Pharmaceutical Co Ltd Therapeutic agent for liver disease containing stromal cells derived from adipose tissue and method for producing the same

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012080830A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Mitsubishi Chemical Medience Corp ヒト非アルコール性脂肪性肝炎(nash)の非ヒトモデル動物

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
KAWAI, D. ET AL.: "Hydrogen-rich water prevents progression of nonalcoholic steatohepatitis and accompanying hepatocarc", HEPATOLOGY, vol. 56, JPN6017048405, 2012, pages 912 - 21, XP055415385, ISSN: 0004795915, DOI: 10.1002/hep.25782 *
SEKI, A. ET AL.: "Adipose Tissue-Derived Stem Cells as a Regenerative Therapy for a Mouse Steatohepatitis-Induced Cirr", HEPATOLOGY, vol. 58, JPN6017048403, 2013, pages 1133 - 42, XP055517424, ISSN: 0004795914, DOI: 10.1002/hep.26470 *
WANG, H. ET AL.: "Compact bone-derived mesenchymal stem cells attenuate nonalcoholic steatohepatitis in a mouse model", INT IMMUNOPHARMACOL, vol. 42, JPN6017048400, 24 November 2016 (2016-11-24), pages 67 - 73, XP029863539, ISSN: 0004795912, DOI: 10.1016/j.intimp.2016.11.012 *
YAMATO, M. ET AL.: "Adipose tissue-derived stromal cells preventatively suppressed pathological progression of murine no", HEPATOLOGY, vol. Vol.62, No.1, Suppl., JPN6017048401, 2015, pages 675, ISSN: 0004795913 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018116732A1 (ja) 2018-06-28
CN109996550A (zh) 2019-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7082372B2 (ja) 肺線維症治療剤、ptprr発現促進剤及び肺線維症治療用キット
WO2018159432A1 (ja) 間葉系幹細胞及び医薬組成物
AU2011293144B2 (en) Bone marrow derived CD271 precursor cells for cardiac repair
WO2018116732A1 (ja) 非アルコール性脂肪肝炎治療剤及び非アルコール性脂肪肝炎治療用キット
JP2024023760A (ja) 間葉系幹細胞及び神経障害治療剤
JP2023103416A (ja) 拡張型心筋症治療剤
WO2017110425A1 (ja) 肝疾患治療剤及び肝疾患を治療する方法
WO2020121800A1 (ja) 間葉系幹細胞、免疫疾患治療剤及び抗炎症剤
JP2019156739A (ja) 間葉系幹細胞、疾患治療剤及び微小粒子
JP7108541B2 (ja) 疾患治療剤調製用キット、疾患治療剤及び疾患治療剤の調製方法
JP2023024665A (ja) 間葉系幹細胞及び肝疾患治療剤
US20180344775A1 (en) Therapeutic agent for liver disease containing stromal cells derived from adipose tissue and method for producing the same
JP7136700B2 (ja) 細胞医薬組成物、疾患治療用キット及び細胞懸濁用溶液
WO2018123628A1 (ja) 細胞医薬組成物、疾患治療用キット及び細胞懸濁用溶液
JP7189659B2 (ja) 疾患治療用の細胞医薬組成物、疾患治療用キット、細胞医薬組成物の調製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211109

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220517

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220517

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220526

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220531

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220610

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220614