JPWO2018097291A1 - コカイン依存症の治療または再発予防薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コカイン依存症の治療または再発予防薬を提供する。具体的には、本発明は、(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩を含むコカイン依存症の治療または再発予防薬を提供する。

Description

本発明はNOP受容体作動薬を有効成分とするコカイン依存症の治療または再発予防薬に関する。
米国における統計によると、2014年における12才以上成人のコカイン乱用生涯有病率は14.5%(https://www.drugabuse.gov/drugs-abuse/cocaine)であり、大きな社会問題となっているが、有効な承認治療薬はなく、新薬の開発が待たれている。
一方、オピオイド受容体の一つとして、NOP受容体が知られている。NOP(nociceptin orphanin FQ peptide)受容体、別名ORL1(opioid receptor-like 1)受容体(非特許文献1、非特許文献2参照)はDOP(δ)、KOP(κ)およびMOP(μ)受容体に次ぐ4番目のオピオイド受容体として、1994年に発見された受容体である。他のオピオイド受容体と約60%のアミノ酸配列の相同性を有しているが、非選択的オピオイド受容体アンタゴニストであるナロキソンが結合しない(非特許文献2参照)という点で、他のオピオイド受容体とは明らかに異なっている。
NOP受容体の内因性リガンドは1995年にフランスおよびスイスの研究グループによって相次いで同定され、それぞれノシセプチン(nociceptin)(非特許文献3参照)およびオルファニンFQ(orphanin FQ)(非特許文献4参照)と命名された(以下、N/OFQともいう)。N/OFQおよびNOP受容体は中枢神経系に広く分布しており(非特許文献5、非特許文献6参照)、痛み、学習記憶、摂食、報酬などの多くの生理作用に関係している(非特許文献7参照)。
薬物の依存性の強さを評価する方法として、自己投与法、および条件づけ場所嗜好性(conditioned place preference: CPP)法(非特許文献8参照)が知られている。これまでにN/OFQまたは低分子NOP受容体作動薬がアルコール(非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、特許文献13参照)やオピオイド(非特許文献14、非特許文献15、非特許文献17参照)の強化効果、すなわち、薬物を繰り返し摂取したいという欲求(報酬効果ともいう)を抑制することが自己投与法およびCPP法で確認されている。
一方、コカイン依存症に対するNOP受容体作動薬の有効性を示唆する報告は極めて少なく、特に、低分子NOP受容体作動薬での有効性は確認されていない(非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18、非特許文献19、非特許文献20参照)。
また、コカイン依存症の治療または再発予防に用いるNOP受容体作動薬としては、MOP受容体に対するNOP受容体の選択性が高い分子が望ましい。しかしながら、これまでに報告されている低分子NOP受容体作動薬の中でMOP受容体に対するNOP受容体の選択性が最も優れている化合物のSCH221510(非特許文献21参照)はラットにおけるオピオイド自己投与を脳内投与で抑制するものの、末梢(皮下)投与では抑制しないことから(非特許文献14参照)、脳内移行性が低いと考えられており(非特許文献21参照)、コカイン依存症モデルに対するNOP受容体作動薬としての有効性は不十分であった。このため、受容体選択性が高く、しかも脳内移行性に優れた低分子NOP受容体作動薬であって、しかもNOP受容体作動薬の中枢抑制作用に基づく眠気等の副作用(非特許文献22)を示さない低用量で有効性を示す化合物の開発が望まれている。しかしながら、臨床予測性の高いコカイン依存症モデル、例えば霊長類でのコカイン自己投与モデルにおいて有効性を示した低分子化合物の報告はこれまでにない(非特許文献21参照)。
他の低分子NOP受容体作動薬としては、例えば、ベンゾイミダゾール化合物が知られているが(特許文献1参照)、コカイン依存症に対する有効性についての具体的な記載はない。
WO2008/105497号公報パンフレット
FEBS Lett. 347:284-288, 1994. FEBS Lett. 341:33-38, 1994. Nature 377:532-535, 1995. Science 270:792-794, 1995. J. Comp. Neurol. 412:563-605, 1999. J. Comp. Neurol. 406:503-547, 1999. Pharmacol. Rev. 53:381-415, 2001. Pharmacol. Biochem. Behav. 11:231-233, 1979. Psychopharmacology 172:170-178, 2004. Neuropsychopharmacology 32:902-910, 2007. Addict. Biol. 20:643-651, 2015. Neuropsychopharmacology 39, 2601-2610, 2014. J. Phramacol. Exp. Ther. 304:310-318, 2003. Eur. J. Pharmacol. 745:182-189, 2014. Neuropharmacology 49, 439-446, 2005. NeuroReport 11:1939-1943, 2000. Psychopharmacology 172:129-136, 2004. Behav. Pharmacol. 13:229-235, 2002. Eur. J. Pharmacol. 645:119-126, 2010. Society for Neuroscience, 2013. Program No.733.24 J. Med. Chem. 59:7011-7028, 2016. Lung 188:S47-S52, 2010.
本発明者は、NOP受容体選択性が高く、しかも脳内移行性に優れた低分子NOP受容体作動薬であって、また眠気等の副作用を示さない低用量で有効性を示す化合物を見出すべく、鋭意検討し、下記の構造を有するNOP受容体作動薬である(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミド(以下、化合物Aともいう)またはその医薬上許容される塩を用いて、サルおよびラットのコカイン依存モデルでの有効性に関する評価を行なった結果、化合物Aまたはその医薬上許容される塩がコカイン依存症の治療効果および再発予防効果を有することを見出し、本発明を完成した。
Figure 2018097291
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩を含むコカイン依存症の治療または再発予防用医薬組成物。
(2)(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩を治療を必要とする患者に投与することを含む、コカイン依存症の治療方法。
(3)(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の投与量が1日あたり0.01〜30mgである前記(2)に記載のコカイン依存症の治療方法。
(4)(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩を治療を必要とする患者に投与することを含む、コカイン依存症の再発予防方法。
(5)(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の投与量が1日あたり0.01〜30mgである前記(4)に記載のコカイン依存症の再発予防方法。
(6)コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である前記(1)に記載の医薬組成物。
(7)コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である前記(2)または(3)に記載の治療方法。
(8)コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である前記(4)または(5)に記載の再発予防方法。
(9)コカイン依存症が、コカイン使用中止後の離脱症状である、前記(1)もしくは(6)に記載の医薬組成物または前記(2)〜(5)もしくは(7)〜(8)のいずれか1つに記載の治療方法もしくは再発予防方法。
(10)コカイン依存症の治療または再発予防用医薬組成物の製造のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の使用。
(11)コカイン依存症の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の使用。
(12)コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である前記(10)または(11)に記載の使用。
(13)コカイン依存症の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩。
(14)コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である前記(13)に記載の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩。
(15)コカイン依存症が、コカイン使用中止後の離脱症状である、前記(10)〜(12)のいずれか1つに記載の使用または前記(13)もしくは(14)に記載の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩。
本発明の有効成分である化合物Aまたはその医薬上許容される塩は、コカイン依存症に有効な治療薬または再発予防薬として使用することができる。また、化合物Aまたはその医薬上許容される塩は、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状(例えば、コカイン使用中止後の離脱症状を含む)、ならびに再摂取(再発)の治療薬または再発予防薬として使用することができる。
サルのコカイン自己投与試験のプロトコールを示す図である。100分間のコカイン自己投与テスト(100 min Drug Component)の前後に5分間のタイムアウト時間(5 min TO;レバーを押してもいずれの報酬も得られない時間)を挿んで、化合物Aのレバー押し行動そのものに対する影響を評価する目的で、5分間の餌獲得テスト(5 min Food Component(Food 1, Food 2))を実施した。横軸は化合物A筋肉内投与(Compound A (i.m.))後の時間経過を示している。 サルのコカイン自己投与に対する化合物Aの作用を、種々の用量の化合物Aを用いる条件下で検討した結果を示す図である。左図はコカイン自己投与テスト前の餌獲得テスト(Food 1)、中央図はコカイン自己投与テスト(Cocaine)、右図はコカイン自己投与テスト後の餌獲得テスト(Food 2)の結果をそれぞれ示している。いずれの図も縦軸は獲得した報酬(コカインの自己注射または餌ペレット)の回数(Reinforcers)を、横軸は化合物Aの用量(Dose of Compound A (mg/kg, i.m.))を、Salはコントロールとしての生理食塩水投与群を示している。化合物Aは餌獲得回数に影響しない用量でコカインの報酬回数を減少させた。 サルのコカイン自己投与に対する化合物Aの作用を、種々の用量のコカインを用いる条件下で検討した結果を示す図である。縦軸は獲得した報酬(コカインの自己注射または餌ペレット)の回数を、横軸は1回あたりのコカインの用量を示している。化合物Aの用量は図2の結果から中枢抑制作用を示さない0.1または0.32 mg/kgを用いた。Salはコントロールとしての生理食塩水投与群を示している。コカインの用量と報酬回数の関係はベルシェイプ型の反応を示したが、化合物Aはコカインの報酬効果が最も強くなる条件(コカイン用量が0.01 mg/kg/injの条件)において、報酬回数を顕著に減少させた。 ラットのストレス誘発コカイン探索行動試験のプロトコールを示す図である。縦軸は報酬に関連したレバー押し回数(Active Lever Presses)を、横軸は訓練開始からの時間を表しており、折れ線はレバー押し回数の経日変化のイメージである。コカインの報酬が得られる訓練期間(training phase)後、コカインの報酬が得られない期間(extinction phase)を設け、次いでフットショックストレス(Footshock stress)を与え、その後レバー押し回数を測定すると(reinstatement test)、フットショックストレスによるコカイン探索行動の誘発によってレバー押し回数が増加する(Increase (relapse model))。化合物Aの経口投与(p.o.)によるレバー押し回数の減少を測定することで、化合物Aがストレスによって誘発されるコカイン依存の再発を予防する効果を評価することができる。 ラットのストレス誘発コカイン探索行動に対する化合物Aの作用を検討した結果を示す図である。縦軸は報酬に関連したレバー押し回数を、横軸は化合物Aの用量(Dose of Compound A (mg/kg, p.o.))を、VEHはコントロールとしての溶媒処置群を示す。点線は消去過程(extinction phase)の最終日(reinstatement test前日)の各群のレバー押し回数の平均値の幅を示す。化合物Aは3mg/kgの用量でストレス誘発コカイン探索行動を有意に抑制した(*<0.05 vs 溶媒処置群)。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化合物Aは、特許文献1の実施例10に記載の方法によって製造することができる。
本発明の化合物Aまたはその医薬上許容される塩は、同位元素(例えば、H、H、13C、14C、15N、18F、32P、35S、125I等)等で標識された化合物および重水素変換体を包含する。
本発明の化合物Aの医薬上許容される塩とは、無機酸および有機酸との酸付加塩または無機塩基との塩を包含する。具体的には、塩酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸などのような無機酸および有機酸との酸付加塩、並びに、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの無機塩基との塩を包含する。
また、本発明は、化合物Aのラセミ混合物またはそれらの対応するエナンチオマーも含有する。
本明細書における用語「患者」は、化合物Aまたはその医薬上許容される塩による治療または再発予防の対象となる個体であり、好ましくはヒトである。
本明細書における用語「コカイン依存症」は、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状(例えば、コカイン使用中止後の離脱症状を含む)、ならびに再摂取(再発)を含む広い概念で用いられている。また、本明細書における用語「精神症状」に含まれる症状は、限定されるものではないが、脱力、食欲低下、不安、抑うつ、およびコカイン使用中止後の離脱症状等を挙げることができる。また、本明細書における用語「身体症状」に含まれる症状は、限定されるものではないが、瞳孔散大、血圧上昇、痙攣、睡眠障害、極度の神経症、幻覚、妄想、およびコカイン使用中止後の離脱症状等を挙げることができる。
また、本発明は、コカイン依存症の治療だけでなく、コカインの使用中止後に様々なストレスが引き金となって起こるコカインに対する渇望による再発を予防することができる。ここで、ストレスとは、限定されるものではないが、精神的ストレス(例えば、寂しさ、不安感、疎外感、疲労、ハラスメント等)および身体的ストレス(例えば、騒音、病気、痛み、怪我、睡眠不足、過重労働等)を挙げることができる。
本発明の化合物Aまたはその医薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬は、経口でも、非経口でも投与することができる。投与剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、口腔錠、塗布剤、軟膏および坐剤等が挙げられる。これらは汎用されている技術を用いて、必要に応じて医薬上許容される担体と共に製剤化することができる。医薬上許容される担体としては、当分野で慣用の担体でよく、例えば増量剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン、マンニトール、および結晶セルロース等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、およびシリカ等)、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、およびポリエチレングリコール等)、崩壊剤(バレイショデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、および架橋カルボキシメチルセルロース等)、コーティング剤または皮膜剤(エチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、ならびに軟膏基剤(ワセリン、およびパラフィン等)等が挙げられる。例えば、本発明の医薬が錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤である場合、増量剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、皮膜剤などを必要に応じて用いて調製することができる。本発明の医薬が軟膏である場合、汎用される基剤を用いて調製することができる。本発明の化合物Aは、良好な脳内移行性が認められているため、特に、経口剤として適している。
本発明の有効成分である化合物Aまたはその医薬上許容される塩の投与量(すなわち有効量)は、症状、患者の年令、体重、剤型等によって適宜選択することができるが、経口剤であれば通常1日当り0.01〜30mg、好ましくは0.1〜3mgを1回または数回に分けて投与することができる。また、NOP受容体作動薬はその作用機序の特性上、中枢抑制作用に基づく眠気等の副作用を有することが知られていることから(非特許文献22)、安全かつ効果的に使用するためには投与量の設定が極めて重要である。すなわち、実験動物において中枢抑制作用が観察される用量の3分の1〜30分の1の用量での投与が望ましい。また、中枢抑制作用を評価する実験動物としてはヒトへの外挿性が高い霊長類が望ましく、同一個体で主効果と中枢抑制作用を同時に評価可能な試験プロトコールが望ましい。実施例1およびサルにおける薬物動態試験の結果から、ヒトにおける化合物Aの投与量は0.1〜3mgと推定され、この投与量の範囲で使用することが好ましいと考えられる。
次に、コカイン依存性の評価について説明する。
薬物の依存性の強さは強化効果(報酬効果)を指標に調べることができ、非臨床で強化効果を測定する方法としては自己投与法がある。自己投与法では、レバーを押すと薬物がインフュージョンポンプから自動で静脈内に投与される条件で、レバー押し行動を指標に依存性の強さを調べることができる。自己投与法は薬物の強化効果を評価する上で最も信頼性の高い方法であるが、自己投与の訓練に長期間を要するという欠点がある。この欠点を克服し、比較的短期間で薬物の依存性を評価する方法として、条件づけ場所嗜好性(conditioned place preference: CPP)法が考案され(非特許文献8参照)、主にマウスやラットを用いた依存性の評価系として汎用されている。しかしながら、CPP法は場所嗜好性を指標に強化効果を予測する方法であり、強化効果を直接評価する系ではない。CPP法では依存性薬物による場所嗜好性の条件づけ、すなわち、CPPの獲得(acquisition)に対する作用、場所嗜好性獲得後のCPPの発現(expression)に対する作用、ならびに一旦獲得した場所嗜好性を消去した後にストレス負荷等により場所嗜好性を復活させる再発(reinstatement)に対する作用の評価が可能である。一方、自己投与法の場合、訓練に長期間を要することから、獲得に対する作用の評価は行われないが、自己投与獲得後の薬物摂取行動に対する作用、自己投与消去後のストレス負荷等による薬物探索行動に対する作用の評価が可能である。
これまでにN/OFQまたは低分子NOP受容体作動薬がアルコール(非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、特許文献13参照)やオピオイド(非特許文献14、非特許文献15、非特許文献17参照)の強化効果を抑制することが自己投与法およびCPP法で確認されている。アルコール依存症の評価系に対するNOP受容体作動薬の作用に関するこれまでの報告を表1に纏めた。なお、表中の「9)」等の記載は、各実験結果が記載された非特許文献の番号を示す(表2についても同様)。アルコール依存症に対するNOP受容体作動薬の有効性は複数の低分子化合物の結果から示唆されている。
Figure 2018097291
一方、コカイン依存症に対するNOP受容体作動薬の作用に関する報告は少なく、自己投与法では唯一、ラットにおけるコカイン自己投与消去後のストレスによって誘発されるコカイン探索行動をN/OFQは抑制しないという報告があるのみである(非特許文献16参照)。この他にCPP法で下表に示す化合物に関する報告がある。
N/OFQをマウスの脳室内に投与するとコカインによるCPP獲得(非特許文献17参照)およびCPP発現(非特許文献18参照)がブロックされた。一方、低分子のNOP受容体作動薬Ro65-6570(非特許文献18、非特許文献19参照)はコカインによるCPP獲得、CPP発現に影響を及ぼさなかった。また、同じく低分子のNOP受容体作動薬であるAT-202(非特許文献20参照)はCPP獲得には影響を及ぼさなかったが、ストレスによるCPPの再発を抑制した。以上のコカイン依存症の評価系に対するNOP受容体作動薬の作用の報告を表2に纏めた。
Figure 2018097291
また、内因性アゴニストN/OFQが有効な評価系(CPP獲得、CPP発現)でこれまでに報告されている低分子NOP受容体作動薬が効果を示さなかった理由として、これらの化合物の受容体選択性が不十分であった可能性が考えられる。すなわち、Ro65-6570、AT-202のいずれの化合物もNOP受容体だけでなく、MOP受容体に対するアゴニスト活性も有し、NOP受容体アゴニスト活性との乖離が不十分であった可能性が考えられる。したがって、NOP受容体アゴニスト活性による効果がMOP受容体アゴニスト活性に基づく依存性の発現により減弱または消失した可能性が考えられる。また、これまでに報告されている低分子NOP受容体作動薬の中でMOP受容体に対するNOP受容体の選択性が最も優れている化合物はSCH221510(非特許文献21参照)であるが、SCH221510はラットにおけるオピオイド自己投与を脳内投与で抑制するものの、末梢(皮下)投与では抑制しないことから(非特許文献14参照)、脳内移行性が低いと考えられている(非特許文献21参照)。
一方、依存性を示す物質にはアルコールやモルヒネのような中枢抑制薬とコカインやメタンフェタミンのような精神刺激薬(中枢興奮薬)があるが、両薬剤によって起こる依存症の病態メカニズムは異なると考えられており、アルコールやモルヒネの依存症に有効な薬剤がコカイン依存症にも有効とは限らない。この点を明らかにするためには受容体選択性が高く、しかも脳内移行性に優れた低分子NOP受容体作動薬を用いて、臨床予測性の高いコカイン依存症モデルでの評価を行う必要がある。
本発明の化合物Aまたはその医薬上許容される塩は、NOP受容体に対して高い親和性を有し、かつMOP受容体に対する親和性が低いため、NOP受容体選択性が高く、しかも脳内移行性に優れており、またNOP受容体作動薬の中枢抑制作用を示さない低用量でも高い効力を有する。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に記載の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実験は、Psychopharmacology 160:362-370, 2002.に記載の方法に準じて行った。
実施例1:サルのコカイン自己投与における化合物Aの作用および中枢抑制作用への影響
(方法)
実験には4頭のアカゲザルを用いた。サルを個別にステンレススチール製のチャンバー(64 x 64 x 79 cm)に入れ、サルがチャンバー前方の壁に設置してあるオペラントパネル(28 x 28 cm)の反応キーに触ると報酬として1gのバナナ味の餌ペレットが貰える条件での訓練を行った。FR30(反応キーに30回触れると1回の餌の報酬が得られる)の条件で、サルが安定して報酬を獲得するまで訓練を行った後、コカイン投与用のカテーテルをサルの静脈内に留置する手術を行った。サルが手術から回復した後、オペラントパネルの反応キーに触れると報酬としてコカインが静脈内注入される条件で訓練を行うことによりコカイン自己投与モデルを作製した。
化合物Aの評価は図1に示す実験プロトコールで行った。すなわち、化合物Aまたはコントロールとしての生理食塩水を開始の15分前に筋肉内投与した後、120分間のセッションを行った。120分間のセッションは、オペラントパネルの反応キーに触れると報酬としてコカインが静脈内注入される100分間の薬物コンポーネント(100 min Drug Component)、その前後5分間のオペラントパネルの反応キーに触れても何の報酬も得られないタイムアウトコンポーネント(5 min TO)、およびオペラントパネルの反応キーに触れると餌の報酬が得られる開始5分間および終了5分間の餌コンポーネント(5 min Food Component(Food 1, Food 2))で構成した。餌コンポーネント中は反応キーの赤色LEDランプを点灯させ、薬物コンポーネント中は反応キーの緑色LEDランプを点灯させ、タイムアウトコンポーネント中は反応キーの黄色LEDランプを点灯させた。また、餌コンポーネント期間中および薬物コンポーネント期間中にそれぞれ、報酬が得られた後、一定時間が経過しないと次の報酬が得られない条件、すなわち、タイムアウトを設置した。タイムアウトは餌コンポーネントが10秒間、薬物コンポーネントが60秒間として、タイムアウト中は反応キーの黄色LEDランプを点灯させた。餌コンポーネントおよび薬物コンポーネントのいずれもFR30の条件で試験を行った。
(結果)
その結果、図2の中央図に示すように、化合物Aは0.1、0.32、および0.56 mg/kgの用量において、用量依存的にコカインの自己投与の報酬数を減少させた。また、0.56 mg/kgの用量においては餌コンポーネント1(Food 1)の餌獲得数も減少させたことから、0.56 mg/kgは中枢抑制作用を示す用量であることが示唆されたが、化合物Aは餌コンポーネント1(Food 1)の餌獲得数に影響を及ぼさない用量(0.1および0.32 mg/kg)であってもコカイン自己投与を抑制することが明らかになった。すなわち、化合物Aは中枢抑制作用を示さない低用量でもコカイン依存症治療薬として有効であることが示された。さらに、化合物Aの0.56 mg/kgによる餌コンポーネント1(Food 1)における餌獲得数の減少は餌コンポーネント2(Food 2)では観察されなかったことから、化合物Aの中枢抑制作用は一過性であることが示唆された。
実施例2:サルのコカイン自己投与におけるコカインの用量毎の化合物Aの作用
(方法)
実施例1と同様の方法で、化合物Aのコカイン自己投与に対する作用を、コカインの種々の用量(0.001〜0.1 mg/kg/注入)を用いる条件下で検討した。化合物Aの用量は実施例1において、餌コンポーネント1(Food 1)の餌獲得数に影響を及ぼさなかった用量である0.1 mg/kg(1例)または0.32 mg/kg(3例)のいずれかを用いた。
(結果)
その結果、図3に示すように、コカインの0.003、0.01、0.03、および0.1 mg/kg/注入の用量において、化合物Aの投与によりコカイン自己投与の報酬回数が顕著に減少することが、4例の平均データから示された。
また、コカイン依存症患者は十分な強化効果が得られるコカインの用量を自分で見つけることができるため、コカインの用量反応曲線(図3の○印のグラフ)を右方シフトさせる薬剤は治療薬としては意味をなさない。つまり、このような薬剤は低用量のコカインによる強化効果のみ抑制するが、高用量のコカインの強化効果を抑制しないため治療薬としては不十分である。一方、化合物Aは、図3の■印のグラフのように、低用量から高用量のいずれの用量のコカインの効果に対しても顕著な抑制作用を示したことから、優れたコカイン依存症治療薬となり得る薬理活性を有していることが示された。
実施例3:ラットのストレス誘発コカイン探索行動に対する化合物Aの作用
(方法)
実験には1群12例の雄性Long-Evans hoodedラットを用いた。予めラットの外頚静脈内にコカイン投与用カテーテルの留置手術を行った後、5日以上の回復期間をおいてコカイン自己投与の訓練を開始した。訓練には壁面に2つのレバーが、床にフットショック用グリッドが設置されているチャンバーを用いた。ラットを1日1回(2時間/セッション)チャンバーに入れ、ラットがアクティブレバー(右レバー)を1回押すと(FR1)コカイン溶液(0.2 ml/6秒、コカイン0.5 mg/kg)が静脈内に注入される条件で自己投与を獲得させた。図4に示すように、訓練期間(training phase)において安定したレバー押し回数が観察された後、アクティブレバーを押してもコカインの報酬が得られない期間(extinction phase)を設けてレバー押し行動を消去させた。レバー押し行動が消去されたラットに15分間のフットショック(0.63 mA、0.5秒、40秒間隔)を負荷し、その後2時間/セッションのレバー押し回数を記録した(reinstatement test)。化合物Aまたはコントロールとしての溶媒はreinstatement testのセッション開始の30分前に経口投与した。
(結果)
その結果、図5に示すように、化合物Aの3 mg/kgの投与により、フットショックストレスによって誘発されるコカイン探索行動が有意に抑制された。この結果により、化合物Aはストレスによるコカイン摂取欲求を抑制すること、すなわち、ストレスによるコカイン依存の再発を予防する効果を有することが示された。
以上の結果により、化合物Aはコカイン依存症に有効な治療薬となるだけでなく、コカイン依存症のストレスによる再発を予防する、再発予防薬となり得る。
本発明の医薬はコカイン依存症の治療薬または再発予防薬として用いることができる。

Claims (15)

  1. (R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩を含むコカイン依存症の治療または再発予防用医薬組成物。
  2. (R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩を治療を必要とする患者に投与することを含む、コカイン依存症の治療方法。
  3. (R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の投与量が1日あたり0.01〜30mgである請求項2に記載のコカイン依存症の治療方法。
  4. (R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩を治療を必要とする患者に投与することを含む、コカイン依存症の再発予防方法。
  5. (R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の投与量が1日あたり0.01〜30mgである請求項4に記載のコカイン依存症の再発予防方法。
  6. コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である請求項1に記載の医薬組成物。
  7. コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である請求項2または3に記載の治療方法。
  8. コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である請求項4または5に記載の再発予防方法。
  9. コカイン依存症が、コカイン使用中止後の離脱症状である、請求項1もしくは6に記載の医薬組成物または請求項2〜5もしくは7〜8のいずれか1項に記載の治療方法もしくは再発予防方法。
  10. コカイン依存症の治療または再発予防用医薬組成物の製造のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の使用。
  11. コカイン依存症の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩の使用。
  12. コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である請求項10または11に記載の使用。
  13. コカイン依存症の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩。
  14. コカイン依存症が、コカイン乱用、コカインの使用に起因する精神症状および身体症状、ならびに再摂取(再発)よりなる群から選択される疾患である請求項13に記載の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩。
  15. コカイン依存症が、コカイン使用中止後の離脱症状である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の使用または請求項13もしくは14に記載の治療または再発予防のための(R)−2−{3−[1−(5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)ピペリジン−4−イル]−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル}−N−メチルアセタミドまたはその医薬上許容される塩。
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