JPWO2018096763A1 - 顕微鏡装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

被検眼を拡大観察するために撮像素子によって前記被検眼を撮影する顕微鏡部と、前記顕微鏡部を保持する保持部と、前記被検眼の後眼部を観察するための前置レンズを前記顕微鏡部の光軸上に挿抜する前置レンズ挿抜ユニットと、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置に前記顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御を行う制御装置と、を備える、顕微鏡装置を提供する。【選択図】図1

Description

本開示は、顕微鏡装置及び制御方法に関する。
患者の眼(被検眼)の拡大像を術者に対して提供し、微細な処置を可能にするための装置として、眼科手術用顕微鏡装置(以下、単に顕微鏡装置ともいう)が知られている。顕微鏡装置は、被検眼を拡大観察するための観察光学系を有する顕微鏡部が、アーム部(保持部)によって保持されて構成される。
ここで、眼科手術では、手術中に、前眼部(被検眼の水晶体から前側の部分)の観察(例えば、水晶体の観察)と、後眼部(被検眼の水晶体よりも後ろ側の部分)の観察(例えば、眼底(網膜)の観察)と、を適宜切り替える必要が生じる場合がある。そのため、顕微鏡装置においても、これに対応して、顕微鏡部と被検眼との間であって当該顕微鏡部の光軸上に、前置レンズを挿抜可能なものが開発されている。前眼部を観察する際には前置レンズが顕微鏡部の光軸上から抜去され、後眼部を観察する際には前置レンズが顕微鏡部の光軸上に挿入される。なお、以下の説明において、単に「光軸」と記載した場合には、特に断りがない限り、当該記載は、顕微鏡装置の顕微鏡部の光軸のことを意味する。
例えば、特許文献1には、顕微鏡部とは別体に構成され、例えば手術台に取り付けられて用いられる前置レンズ挿抜ユニットが開示されている。また、例えば、特許文献2、3には、顕微鏡部に取り付けられることで、当該顕微鏡部と一体的に構成される前置レンズ挿抜ユニットが開示されている。
米国特許第5793524号明細書 米国特許第6943942号明細書 特開2009−205156号公報
ここで、前置レンズが光軸上から抜去され、前眼部を観察しているときには、顕微鏡部の焦点は観察対象である前眼部に合っている。この状態で前置レンズが光軸上に挿入された場合には、そのままでは焦点の合った明瞭な後眼部の像が得られないため、焦点合わせを行う必要がある。特許文献1〜3に記載の技術においても、例えば、顕微鏡部の位置を光軸方向に移動させたり(特許文献2)、他のレンズを更に光軸上に挿入したり(特許文献3)といった、焦点合わせのための作業が生じ得る。
特許文献1〜3に記載の技術において、かかる焦点合わせのための作業は、人手で行われている。従って、その煩雑な作業は、術者や助手等の医療スタッフにとって大きな負担となっていた。また、当該作業により手術が中断されれば、円滑な手術が妨げられることとなり、手術時間の増加につながる。
そこで、本開示では、眼科手術をより円滑に行うことが可能な、新規かつ改良された顕微鏡装置及び制御方法を提案する。
本開示によれば、被検眼を拡大観察するために撮像素子によって前記被検眼を撮影する顕微鏡部と、前記顕微鏡部を保持する保持部と、前記被検眼の後眼部を観察するための前置レンズを前記顕微鏡部の光軸上に挿抜する前置レンズ挿抜ユニットと、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置に前記顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御を行う制御装置と、を備える、顕微鏡装置が提供される。
また、本開示によれば、被検眼を拡大観察するために撮像素子によって前記被検眼を撮影する顕微鏡部と、前記顕微鏡部を保持する保持部と、前記被検眼の後眼部を観察するための前置レンズを前記顕微鏡部の光軸上に挿抜する前置レンズ挿抜ユニットと、備える顕微鏡装置を用いて、前記被検眼を拡大観察する際に、プロセッサが、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置に前記顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御を行う、制御方法が提供される。
本開示によれば、眼科手術用の顕微鏡装置において、被検眼の後眼部を観察するための前置レンズが顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、当該前置レンズによる後眼部の像の結像位置に顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御が行われる。従って、前置レンズの挿入に伴う焦点合わせのための作業を人手で行う必要がないため、手術をより円滑に行うことが可能になる。
以上説明したように本開示によれば、眼科手術をより円滑に行うことが可能になる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
第1の実施形態に係る顕微鏡装置の概略構成を示す図である。 第1の実施形態に係る制御装置の焦点合わせ処理に関する機能の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置の制御方法の処理手順の一例を示すフロー図である。 第1の実施形態の一変形例に係る制御装置の焦点合わせ処理に関する機能の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態の一変形例に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置の制御方法の処理手順の一例を示すフロー図である。 第2の実施形態に係る顕微鏡装置の概略構成を示す図である。 第2の実施形態に係る制御装置の焦点合わせ処理に関する機能の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置の制御方法の処理手順の一例を示すフロー図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、本明細書に示す各図面では、説明のため、一部の構成部材の大きさを誇張して表現している場合がある。各図面において図示される各部材の相対的な大きさは、必ずしも実際の部材間における大小関係を正確に表現するものではない。
また、以下の説明では、鉛直方向をz軸方向と定義する。z軸方向のことを上下方向とも呼称する。また、z軸方向と直交する面内(水平面内)において、互いに直交する2方向のことを、それぞれx軸方向及びy軸方向とも呼称する。x−y平面と平行な方向のことを水平方向とも呼称する。
また、本開示では、被検眼の観察において、その観察対象部位が前眼部と後眼部とで切り替えられるが、以下の説明では、後眼部の観察対象部位が眼底(網膜)である場合を例に挙げて説明する。ただし、本開示はかかる例に限定されず、後眼部の観察対象部位は、例えば硝子体等他の部位であってもよい。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.顕微鏡装置の構成
1−2.制御装置の機能構成
1−3.制御方法
1−4.変形例
1−4−1.顕微鏡装置の構成
1−4−2.制御装置の機能構成
1−4−3.制御方法
2.第2の実施形態
2−1.顕微鏡装置の構成
2−2.制御装置の機能構成
2−3.制御方法
3.補足
(1.第1の実施形態)
(1−1.顕微鏡装置の構成)
図1を参照して、第1の実施形態に係る顕微鏡装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る顕微鏡装置の概略構成を示す図である。
図1を参照すると、第1の実施形態に係る顕微鏡装置10は、被検眼401を拡大観察するための顕微鏡部110と、顕微鏡部110を保持するアーム部120(保持部120)と、顕微鏡部110の光軸上に前置レンズを挿抜する前置レンズ挿抜ユニット130と、顕微鏡装置10の動作を統合的に制御する制御装置140と、を備える。
ここで、眼科手術時には、通常、患者が、手術台の上に、その眼(すなわち、被検眼401)が直上を向くように仰臥する。そして、顕微鏡部110が、その光軸が略鉛直方向と平行となるように被検眼401の直上に配置され、当該顕微鏡部110によって被検眼401が観察される。以下では、被検眼401に対してかかる状態で顕微鏡部110が配置されており、顕微鏡部110の光軸が鉛直方向と略平行になっているものとして、顕微鏡装置10についての説明を行う。
顕微鏡部110は、筐体111と、当該筐体111内に設けられる撮像素子112と、当該筐体111内に設けられる光学系113と、対物レンズ114と、を有する。図1では、説明のため、顕微鏡部110を光軸を通る平面で切断した断面の様子を概略的に図示している。
筐体111は、一端が開口された略円筒形状を有する。筐体111は、当該開口部が下方を向くように配置され、その開口部には対物レンズ114が嵌め込まれる。筐体111の上端に当たる有底の部位に撮像素子112が配設される。また、撮像素子112の前段には、光学系113が配設される。
被検眼401の観察時には、顕微鏡部110は、当該被検眼401の直上において、対物レンズ114が当該被検眼401と対向するように配置される。筐体111の内部には、図示しない光源及び光学系(照明光学系)が設けられており、観察時には、当該光源から対物レンズ114越しに被検眼401に対して照明光が照射される。当該照明光の被検眼401からの反射光(観察光)が、対物レンズ114を介して筐体111内に入射する。筐体111内に入射した観察光は、光学系113を通過して、撮像素子112に集光される。
光学系113は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成され、その光学特性は、観察光を撮像素子112の受光面上に結像するように設計されている。光学系113の構成は図示する例に限定されず、観察光を撮像素子112の受光面上に結像するような光学特性を有すれば、その構成は任意であってよい。
撮像素子112は、観察光を受光して光電変換することにより、観察光に対応した信号、すなわち観察像に対応した画像信号を生成する。撮像素子112は、生成した画像信号を制御装置140に送信する。撮像素子としては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等、各種の公知の撮像素子が用いられてよい。
このように、顕微鏡部110は、撮像素子112によって電子的に画像を撮影する、電子撮像式の顕微鏡部である。電子撮像式の顕微鏡部110を備える顕微鏡装置10(以下、電子撮像式の顕微鏡装置10ともいう)を用いた手術では、図示しない表示装置が、例えば手術室の壁面等、術者によって視認され得る場所に設置され、制御装置140からの制御により、当該表示装置に顕微鏡部110による撮像画像が映し出される。術者は、当該表示装置に映し出された画像を介して被検眼401を観察しながら、当該被検眼401に対して各種の処置を行う。
顕微鏡部110には、その光学系113のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って移動させる駆動機構(図示せず)が設けられる。制御装置140からの制御により当該駆動機構によってズームレンズ及びフォーカスレンズが適宜移動されることにより、撮像画像の倍率及び撮像時の焦点距離が調整され得る。第1の実施形態では、顕微鏡部110は、AF(Auto Focus)機能を有し、この焦点距離の調整を自動で行うことが可能に構成される。
なお、顕微鏡部110の構成は以上説明したものに限定されず、顕微鏡部110は、一般的な電子撮像式の顕微鏡部と同様の構成を有してよい、例えば、顕微鏡部110には、AE(Auto Exposure)機能や電子ズーム機能等、一般的に電子撮像式の顕微鏡部に備えられ得る各種の機能が搭載され得る。
保持部120は、鉛直方向に延伸するスタンド121、及び顕微鏡部110を保持するとともにスタンド121上を当該スタンド121に沿って移動可能な直動機構122と、を有する。図示は省略しているが、スタンド121の基端は、例えば患者が仰臥している手術台や、手術室の床面等に固定されている。スタンド121の先端近傍に直動機構122が設けられており、当該直動機構122によって顕微鏡部110が保持される。つまり、保持部120は、直動機構122によって、顕微鏡部110を、鉛直方向、すなわち、被検眼401の観察時における当該顕微鏡部110の光軸方向に移動可能に保持する機能を有する。直動機構122には、アクチュエータが設けられており、制御装置140からの制御により当該アクチュエータが駆動されることにより、直動機構122が鉛直方向に移動する。
前置レンズ挿抜ユニット130は、前置レンズ131と、当該前置レンズ131を先端で保持する前置レンズ保持部材132と、前置レンズ保持部材132の基端と顕微鏡部110との間に介設され、当該前置レンズ保持部材132を当該前置レンズ保持部材132の基端を基点として顕微鏡部110に対して回動可能に支持する回転軸部133と、を有する。ここで、回転軸部とは、回転軸を構成する部材を便宜的に総称したものである。例えば、回転軸部は、軸受、及び当該軸受に回動可能に挿通されるシャフト等によって構成され得る。
前置レンズ131は、後眼部(上述したように、ここでは一例として眼底とする)を観察する際に、顕微鏡部110と被検眼401との間において当該顕微鏡部110の光軸上に挿入される。前置レンズ131は、自身が被検眼401から所定の距離に配置された際に、当該被検眼401の眼底像を当該光軸上の所定の位置に結像し得るように、その光学特性が設計されている。以下では、光軸上におけるこの前置レンズ131による設計上の眼底像の結像位置のことを、設計眼底像位置403ともいう。また、前置レンズ131による眼底像の結像位置がこの設計眼底像位置403に一致している状態における(すなわち、上記被検眼401から所定の距離の位置)のことを、設計前置レンズ位置ともいう。
前置レンズ131が使用される際には、前置レンズ131による眼底像の結像位置がこの設計眼底像位置403に一致するように、当該前置レンズ131が設計前置レンズ位置に配置される。この状態で、設計眼底像位置403に顕微鏡部110の焦点を合わせれば、眼底の明瞭な像が観察されることとなる。第1の実施形態では、後述するように、この前置レンズ131の配置、及び焦点合わせの処理が、制御装置140によって自動的に実行され得る。
前置レンズ保持部材132は、複数のリンクの端同士が順次連結された、多リンク構造体として構成される。前置レンズ保持部材132の先端には、前置レンズ131が保持される。また、前置レンズ保持部材132の基端は、回転軸部133を介して、顕微鏡部110の筐体111の外壁に接続される。
かかる構成により、前置レンズ保持部材132は、回転軸部133によって、その基端を基点として顕微鏡部110に対して回動可能である。前置レンズ保持部材132が顕微鏡部110に対して回動することにより、前置レンズ131の光軸上への挿抜が実現される(図1では、前置レンズ131が光軸上に挿入された様子を図示している)。回転軸部133には、アクチュエータが設けられており、制御装置140からの制御によって当該アクチュエータが駆動されることにより、かかる前置レンズ保持部材132の回動動作、すなわち前置レンズ131の光軸上への挿抜が実行される。
なお、図1に示す構成例では、前置レンズ挿抜ユニット130は、前置レンズ131が光軸上に挿入された場合に、顕微鏡部110と当該前置レンズ131との光軸方向における距離が一定の値になるように構成されている。つまり、前置レンズ保持部材132は、その長さが固定されている。
制御装置140は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、又はこれらのプロセッサとメモリ等の記憶素子がともに搭載された制御基板等によって構成される。制御装置140を構成するプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、制御装置140における各機能が実現される。なお、図1では、図面が煩雑になることを避けるために、便宜的に、制御装置140と保持部120のスタンド121との間に両者の接続を示す矢印を記載しているが、実際には、制御装置140と顕微鏡装置10の各部材とが、有線又は無線の各種の公知の通信方式によって、各種の情報をやり取り可能に接続されている。
制御装置140は、顕微鏡装置10の動作を制御する機能を有する。具体的には、制御装置140は、顕微鏡部110の光学系113を適宜動作させ、顕微鏡部110の倍率及び焦点距離を調整する機能を有する。また、制御装置140は、顕微鏡部110によって取得された画像信号に対して各種の画像処理を施し、処理後の画像信号に基づく画像を上記表示装置に表示させる機能を有する。つまり、制御装置140は、CCU(Camera Control Unit)としても機能する。
また、制御装置140は、保持部120の動作を制御する機能を有する。具体的には、制御装置140は、保持部120の直動機構122を適宜動作させ、顕微鏡部110を光軸方向に移動させる。
また、制御装置140は、前置レンズ挿抜ユニット130の動作を制御する機能を有する。具体的には、制御装置140は、回転軸部133を動作させ、前置レンズ保持部材132を顕微鏡部110に対して回動させることにより、前置レンズ131の光軸上への挿抜を実行させる。
上述した制御装置140による顕微鏡部110、保持部120、前置レンズ挿抜ユニット130、及び表示装置の制御は、例えば術者による指示入力に従って行われる。顕微鏡装置10には、図示しないフットスイッチやタッチパネル等の入力装置が設けられており、術者が当該入力装置を介して各種の指示入力を行うことにより、制御装置140が上記の各構成を当該指示入力に従って動作させる。例えば、前眼部の観察時には、術者は、当該入力装置を介した指示入力により、顕微鏡部110を、その作動距離(WD:Working Distance)の範囲において、光軸上において自由な位置に配置することが可能である。
ここで、顕微鏡装置10において、前眼部を観察している状態から、後眼部を観察する状態に移行する場合について考える。前眼部を観察している状態では、前置レンズ挿抜ユニット130によって前置レンズ131が光軸上から抜去されており、顕微鏡部110の焦点は観察対象部位である被検眼401の前眼部に合っている。
後眼部を観察する状態に移行する際には、この状態で、前置レンズ挿抜ユニット130によって前置レンズ131が光軸上に挿入される。この際、上述したように、前置レンズ131は、所定の設計前置レンズ位置に配置された際に、所定の設計眼底像位置403に眼底像を結像し得るように構成されているため、当該眼底像を明瞭に観察するためには、前置レンズ131の光軸方向における位置を調整するとともに、顕微鏡部110の焦点が当該設計眼底像位置403に合うように、その焦点距離を調整する必要がある。
第1の実施形態では、前置レンズ131が光軸上に挿入された際に、制御装置140からの制御により、この焦点合わせ処理が自動的に行われる。上述した特許文献1〜3に記載の技術のような既存の一般的な顕微鏡装置では、かかる焦点合わせ処理は人手で行われていたため、その煩雑な作業が手術の円滑な実行の妨げになっていた。これに対して、第1の実施形態によれば、上記のようにかかる焦点合わせ処理が自動的に行われるため、より円滑な手術が実現され得る。
以下、制御装置140における、この焦点合わせ処理に関する機能について詳細に説明する。
(1−2.制御装置の機能構成)
図2を参照して、第1の実施形態に係る制御装置140における焦点合わせ処理に関する機能について説明する。図2は、第1の実施形態に係る制御装置140の焦点合わせ処理に関する機能の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図2では、制御装置140の機能のうち、焦点合わせ処理に関する機能を概念的にブロックとして図示している。
また、図2では、説明のため、制御装置140以外の機能ブロックとして、前置レンズ挿抜検出部151、顕微鏡部移動部152、及びAF駆動部153を併せて図示している。まず、これらの機能について説明する。
前置レンズ挿抜検出部151は、前置レンズ挿抜ユニット130による前置レンズ131の光軸上への挿抜を検出する機能を有する。図1では図示を省略していたが、顕微鏡装置10には、前置レンズ131の光軸上への挿抜を検出するための検出装置が搭載されており、前置レンズ挿抜検出部151は、かかる検出装置によって構成される。
前置レンズ挿抜検出部151を構成する検出装置は、前置レンズ131の光軸上への挿抜を検出し得るものであればよく、その具体的な種類は限定されない。例えば、前置レンズ挿抜ユニット130の回転軸部133に、その回転角度を検出するエンコーダが設けられてよく、当該エンコーダが前置レンズ挿抜検出部151として機能してよい。当該エンコーダによる回転軸部133の回転角度の検出値は、前置レンズ保持部材132の回動角度を表すものであり、前置レンズ131の位置を示し得るものであるから、当該回転角度を検出することにより、前置レンズ131の光軸上への挿抜も検出され得る。また、例えば、顕微鏡部110の光軸上に存在する物体を検出するセンサが設けられてよく、当該センサが前置レンズ挿抜検出部151として機能してよい。
前置レンズ挿抜検出部151は、検出した前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報、又は前置レンズ131が光軸上から抜去された旨の情報を、後述する制御装置140の顕微鏡部移動量算出部141及びAF制御部143に提供する。
顕微鏡部移動部152は、後述する制御装置140の顕微鏡部移動部駆動制御部142からの制御により、顕微鏡部110を光軸方向に移動させる機能を有する。顕微鏡部移動部152は、図1に示す直動機構122によって構成される。
AF駆動部153は、後述する制御装置140のAF制御部143からの制御により、顕微鏡部110におけるAF機能に係る動作を実行する機能を有する。AF駆動部153は、図1を参照して説明した、顕微鏡部110に設けられる、光学系113のフォーカスレンズを光軸上で移動させる駆動機構によって構成される。
次に、制御装置140の機能について説明する。図2を参照すると、制御装置140は、その機能として、顕微鏡部移動量算出部141と、顕微鏡部移動部駆動制御部142と、AF制御部143と、顕微鏡部位置算出部144と、を有する。制御装置140のプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、これらの機能が実現される。
顕微鏡部移動量算出部141は、前置レンズ挿抜検出部151から、前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報が送信されたことをトリガとして、当該前置レンズ131が設計前置レンズ位置に位置するような、現在の位置(すなわち、前置レンズ131が光軸上に挿入された時点での位置)からの顕微鏡部110の光軸方向における移動量を算出する。上述したように、顕微鏡装置10では、顕微鏡部110と前置レンズ131との光軸方向における距離は一定に固定されているため、顕微鏡部110を光軸方向に移動させれば、前置レンズ131も光軸方向に移動させることができる。
後述するように、顕微鏡部移動量算出部141には、顕微鏡部位置算出部144から、前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置についての情報(以下、この「前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置についての情報」を、単に、「顕微鏡部110の位置情報」とも略記する)が提供される。また、設計前置レンズ位置の被検眼401からの距離、及び顕微鏡部110と前置レンズ131との鉛直方向における距離は、予めその値が定められるものであり、第1の実施形態では、制御装置140に、事前にこれらの値についての情報が入力されている。顕微鏡部移動量算出部141は、これらの値についての情報、及び顕微鏡部110の位置情報に基づいて、前置レンズ131を設計前置レンズ位置まで移動させるための、顕微鏡部110の光軸方向における移動量を算出することができる。
顕微鏡部移動量算出部141は、算出した顕微鏡部110の光軸方向における移動量についての情報を、顕微鏡部移動部駆動制御部142に提供する。
顕微鏡部移動部駆動制御部142は、顕微鏡部移動量算出部141によって算出された顕微鏡部110の光軸方向における移動量についての情報に基づいて、当該移動量だけ顕微鏡部110が移動するように、顕微鏡部移動部152を動作させる(具体的には、保持部120の直動機構122のアクチュエータを動作させる)。これにより、設計前置レンズ位置まで、前置レンズ131が光軸方向に移動される。
AF制御部143は、顕微鏡部110におけるAF機能に係る制御を行う。AF制御部は、AFに係る所定の方式に従って、所定の位置に焦点が合うような光学系113のフォーカスレンズの移動量を算出する。そして、AF駆動部153の動作を制御して、算出した当該移動量だけ当該フォーカスレンズを移動させることにより、AF動作を実行させる。第1の実施形態では、このAFの方式は限定されず、アクティブ方式及びパッシブ方式のいずれの方式が用いられてもよい。また、パッシブ方式が用いられる場合においては、例えば位相差検出方式やコントラスト方式等、各種の公知の方式が適用されてよい。
被検眼401の前眼部を観察している際には、AF制御部143は、当該前眼部に焦点が合うように、顕微鏡部110にAF動作を行わせる。なお、この際、AF制御部143は、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報を、顕微鏡部位置算出部144に提供する。
一方、前置レンズ挿抜検出部151から、前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報が送信された場合には、AF制御部143は、前置レンズ131による眼底像の結像位置に焦点が合うように、顕微鏡部110にAF動作を行わせる。この際、AF制御部143は、顕微鏡部移動部駆動制御部142によって前置レンズ131が設計前置レンズ位置まで移動されるのを待ってから、AF動作を実行させる。
ここで、第1の実施形態では、上述したように、顕微鏡部移動部駆動制御部142によって、設計前置レンズ位置まで前置レンズ131が移動される。このとき、前置レンズ131による眼底像の結像位置は設計眼底像位置403に一致しているはずであるから、理想的には、顕微鏡部110においては、当該設計眼底像位置403に焦点が合うように焦点合わせを行えば明瞭な眼底像が得られるはずであり、AF動作を行う必要はない。しかしながら、実際には、前置レンズ131の移動時における位置合わせの誤差や、被検眼401の特性(大きさ、光学特性等)の個人差等の要因により、移動後の前置レンズ131による眼底像の結像位置は、設計眼底像位置403から僅かにずれてしまうことがある。従って、上記のように、真の眼底像の結像位置に焦点が合うように、AF制御部143によってAF動作を実行させる必要があるのである。
なお、このとき、この真の眼底像の結像位置は、設計眼底像位置403の近傍に存在し得るため、AF制御部143は、焦点距離の調整可能範囲の全域に渡ってAF動作を実行させなくてもよく、設計眼底像位置403近傍を焦点合わせの対象としてAF動作を実行させればよい。これにより、効率良く焦点合わせを行うことができ、焦点合わせ処理をより短時間で実行することが可能となる。後述するように、AF制御部143には、顕微鏡部位置算出部144から、顕微鏡部110の位置情報が提供される。また、設計眼底像位置403の被検眼401からの距離は、予めその値が定められるものであり、第1の実施形態では、制御装置140に、事前にその値についての情報が入力されている。AF制御部143は、当該設計眼底像位置403の被検眼401からの距離の値についての情報、及び顕微鏡部110の位置情報に基づいて、設計眼底像位置403近傍を焦点合わせの対象としたAF動作を実行させることができる。
顕微鏡部位置算出部144は、AF制御部143から提供される、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報に基づいて、前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置を算出する。具体的には、顕微鏡部110の構造は既知であるから、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離が分かれば、当該前眼部に対する顕微鏡部110のWD、すなわち被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置を算出することができる。制御装置140には、事前に顕微鏡部110の構造についてのパラメータが入力されており、顕微鏡部位置算出部144は、当該パラメータ、及び被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報に基づいて、前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置を算出することができる。
顕微鏡部位置算出部144は、算出した前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置についての情報を、顕微鏡部移動量算出部141及びAF制御部143に提供する。
以上、制御装置140における焦点距離の調整機能について説明した。以上説明したように、第1の実施形態によれば、前置レンズ131が光軸上に挿入された場合に、眼底像を明瞭に観察するための焦点合わせ処理が、制御装置140によって自動で実行される。従って、焦点合わせ処理を人手で行う必要がないため、医療スタッフが煩雑な作業から解放されるとともに、手術の効率をより向上させることが可能となる。
なお、以上の説明では、前置レンズ131が光軸上に挿入された場合について説明したが、顕微鏡装置10においては、前置レンズ131が光軸上から抜去された場合においても、同様に、制御装置140によって、前眼部の像を明瞭に得るための焦点合わせ処理が自動で行われてもよい。この場合には、制御装置140は、前置レンズ131が光軸上に挿入される前の状態に、前置レンズ131の光軸方向の位置、及び顕微鏡部110の焦点距離を戻すように、顕微鏡部移動部駆動制御部142及びAF制御部143によって、顕微鏡部移動部152及びAF駆動部153をそれぞれ動作させればよい。
また、以上の説明では、前置レンズ131が光軸上に挿入された際に、焦点合わせ処理が自動で行われていたが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。第1の実施形態では、焦点合わせ処理に加えて、眼底像を明瞭に得るための他の処理が、自動的に更に行われてもよい。例えば、顕微鏡部110がAE機能を有する場合であれば、前置レンズ131が光軸上に挿入された場合に、制御装置140は、当該AE機能によって、前置レンズ131によって結像された眼底像の明度に応じて、顕微鏡部110の露出を調整してもよい。また、前置レンズ131が光軸上に挿入されると、観察像が、上下左右が逆転した逆像となることが知られている。従って、前置レンズ131が光軸上に挿入された場合に、制御装置140は、この逆像を正像に変換する処理を自動で行ってもよい。当該変換処理は、顕微鏡部110によって取得された画像信号に対する画像処理を行う際に、併せて実行されてよい。なお、これらの露出の調整及び像の変換についても、前置レンズ131が光軸上から抜去された場合において、元の状態に戻す処理が自動で行われてよい。
また、以上の説明では、保持部120は、スタンド121及び直動機構122によって構成されていたが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。第1の実施形態では、保持部120は、顕微鏡部110を光軸方向に移動可能であればよく、その構成は任意であってよい。例えば、保持部120は、複数のリンクが複数の回転軸部を介して順次接続された、多リンク構造体として構成されてよい。当該多リンク構造体を、先端の顕微鏡部110の動きについて少なくとも6自由度を有するように構成すれば、顕微鏡部110を、当該多リンク構造体の可動範囲において任意の位置及び姿勢に保持可能となるため、図示する保持部120の構成に代替させることができる。
また、以上の説明では、顕微鏡部位置算出部144は、前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置を算出する際に、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報に基づいて顕微鏡部110の当該位置を算出していたが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。第1の実施形態では、顕微鏡部位置算出部144が顕微鏡部110の当該位置を算出する方法は限定されず、この方法としては任意の方法が適用されてよい。例えば、顕微鏡装置10に、光軸上の物体の顕微鏡部110からの距離を検出する距離センサが設けられてもよい。この場合、顕微鏡部位置算出部144は、当該距離センサによる検出値に基づいて、顕微鏡部110の当該位置を算出することができる。
また、以上の説明では、顕微鏡部110は、電子撮像式の顕微鏡部であったが、第1の実施形態はかかる例に限定されない。第1の実施形態では、顕微鏡部110は、術者が接眼部から直接顕微鏡部を覗き込むことによってその光学系を介して術部を拡大観察する光学式の顕微鏡部であってもよい。この場合には、顕微鏡部110に搭載されるAF機能の方式はアクティブ方式に限定されるものの、電子撮像式の顕微鏡部の場合と同様の、自動での焦点合わせ処理を実行することが可能である。
ただし、電子撮像式の顕微鏡装置10では、光学式の顕微鏡部を備える顕微鏡装置(以下、光学式の顕微鏡装置ともいう)に比べて、以下の利点を享受することができる。例えば、電子撮像式の顕微鏡装置10では、焦点距離の調整可能範囲が大きいため、顕微鏡部110のWDの変更可能範囲も大きくすることができ、観察時において自由度の高い顕微鏡部110の配置が可能になる。また、AF機能に加えて、AE機能、及び電子ズーム機能等の機能を搭載可能であるため、術者の利便性をより向上させることができる。更に、顕微鏡部110をより小型に構成可能であるため、顕微鏡装置10全体を小型化することができる。これらの利点を考慮するならば、電子撮像式の顕微鏡装置10が用いられることが好ましいと言える。
また、第1の実施形態に係る焦点合わせ処理では、顕微鏡部110におけるAF機能が利用されるが、一般的に、顕微鏡部110のような電子撮像式の顕微鏡部には、光学式の顕微鏡部に比べて、AF機能が搭載されているものが多い。従って、電子撮像式の顕微鏡部110を用いることにより、AFのための追加的な構成及び機能を設けることなく、第1の実施形態に係る焦点合わせ処理を実行することが可能になる。この点においても、第1の実施形態においては、光学式の顕微鏡部よりも電子撮像式の顕微鏡部110を用いる方が好ましいと言える。
(1−3.制御方法)
図3を参照して、以上説明した制御装置140によって行われる、第1の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置10の制御方法の処理手順について説明する。図3は、第1の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置10の制御方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図3に示す各処理は、図2に示す制御装置140によって実行される各処理に対応しており、制御装置140を構成するプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、図3に示す各処理が実行され得る。図3に示す各処理の詳細については、制御装置140の機能について説明する際に既に上述しているため、以下の制御方法の処理手順についての説明では、各処理の概要を述べるに留め、その詳細な説明は省略する。
図3を参照すると、第1の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置10の制御方法では、まず、前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報が取得される(ステップS101)。ステップS101における処理は、図3を参照して説明した、前置レンズ挿抜検出部151から制御装置140に対して、前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報が入力される処理に対応している。
次に、顕微鏡部110の位置情報に基づいて、前置レンズ131が設計前置レンズ位置に位置するような、顕微鏡部110の光軸方向における移動量が算出される(ステップS103)。ステップS103における処理は、図3に示す顕微鏡部移動量算出部141によって実行される処理に対応している。
次に、算出された移動量だけ、顕微鏡部110が光軸方向に移動される(ステップS105)。ステップS105における処理は、図3に示す顕微鏡部移動部駆動制御部142によって実行される処理に対応している。
次に、AF機能により、前置レンズ131による結像位置に焦点が合うように顕微鏡部110の焦点距離が調整される(ステップS107)。ステップS107における処理は、図3に示すAF制御部143によって実行される処理に対応している。
以上、第1の実施形態に係る焦点距離の調整機能に関する顕微鏡装置10の制御方法の処理手順について説明した。
(1−4.変形例)
以上説明した構成例では、顕微鏡部110と前置レンズ131との光軸方向における距離は一定の値に固定されていた。ただし、第1の実施形態はかかる例に限定されない。顕微鏡装置10は、顕微鏡部110と前置レンズ131との光軸方向における距離が可変であるように構成されてもよい。
上述した構成例のように、顕微鏡部110と前置レンズ131との光軸方向における距離が一定である場合には、前置レンズ131と被検眼401との距離が所定の値に調整されることにより、眼底観察時における顕微鏡部110のWDは一定となる。これに対して、顕微鏡部110と前置レンズ131との光軸方向における距離が可変であれば、前置レンズ131と被検眼401との距離が所定の値に調整された場合であっても、当該顕微鏡部110と前置レンズ131との光軸方向における距離を適宜調整することにより、当該顕微鏡部110のWDを変更することが可能となる。ここでは、第1の実施形態の一変形例として、このような、顕微鏡部110と前置レンズ131との光軸方向における距離が可変である顕微鏡装置、及び当該顕微鏡装置の制御方法について説明する。
ここで、上述したように、電子撮像式の顕微鏡部110には、WDを比較的自由に変更できるという特徴がある。従って、顕微鏡装置10を用いた眼科手術においては、手術の状況によっては、この特徴を活かして、顕微鏡部110のWDを自由に変更しながら手術を行いたいという需要が存在し得る。この点について、上述した構成例では、前眼部の観察時には顕微鏡部110のWDを自由に変更することができるものの、眼底観察時にはそのWDは一定になってしまう。これに対して、本変形例では、眼底観察時にも顕微鏡部110のWDを自由に変更することが可能になることから、上記の需要に応え、術者の利便性をより向上させることができる。このように、本変形例によれば、上述した構成例と同様に円滑な手術が実現されるとともに、術者の利便性をより向上させる効果が得られる。
(1−4−1.顕微鏡装置の構成)
本変形例に係る顕微鏡装置の構成は、図1を参照して説明した顕微鏡装置10と略同様であるため、ここでは重複する構成についてはその詳細な説明を省略する。ただし、本変形例に係る顕微鏡装置においては、前置レンズ挿抜ユニット130の構成、及び制御装置140の機能が、顕微鏡装置10と異なる。
具体的には、本変形例に係る前置レンズ挿抜ユニットは、図1に示す前置レンズ挿抜ユニット130と略同様の構成を有するが、顕微鏡部110に対する前置レンズ131の光軸方向における位置を変更可能に構成される。具体的には、本変形例では、前置レンズ挿抜ユニットは、図1に示す前置レンズ挿抜ユニット130と同様に、前置レンズ保持部材の先端に前置レンズ131が保持された構成を有する。ただし、当該前置レンズ保持部材は、図1に示す前置レンズ保持部材132と略同様の構成を有するものの、その複数のリンクが回転軸部によって互いに回動可能に連結されて構成される。当該回転軸部にはアクチュエータが設けられており、後述する制御装置240からの制御によって当該アクチュエータが駆動されることにより、前置レンズ保持部材を構成するリンク間の角度が変更され、顕微鏡部110に対する前置レンズ131の光軸方向における位置、すなわち顕微鏡部110と前置レンズ131との距離が変更され得る。
また、本変形例では、図1に示す制御装置140に代えて、制御装置240が設けられる。制御装置240の構成及び機能について、前置レンズ131の挿抜時における焦点合わせ処理に関するもの以外は、制御装置140と同様である。以下では、制御装置140との相違点である、本変形例に係る制御装置240における焦点合わせ処理に関する機能について詳細に説明する。
(1−4−2.制御装置の機能構成)
図4を参照して、第1の実施形態の一変形例に係る制御装置240の焦点合わせ処理に関する機能について説明する。図4は、第1の実施形態の一変形例に係る制御装置240の焦点合わせ処理に関する機能の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図4では、制御装置240の機能のうち、焦点合わせ処理に関する機能を概念的にブロックとして図示している。
また、図4では、説明のため、制御装置240以外の機能ブロックとして、前置レンズ挿抜検出部151、顕微鏡部移動部152、AF駆動部153、及び前置レンズ移動部154を併せて図示している。これらのうち、前置レンズ挿抜検出部151、顕微鏡部移動部152、及びAF駆動部153の機能は、図2に示すこれらの機能と同様であるため、ここではその説明を省略する。ただし、本変形例では、前置レンズ挿抜検出部151は、検出した前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報、又は前置レンズ131が光軸上から抜去された旨の情報を、後述する制御装置240の前置レンズ移動量算出部241及びAF制御部143に提供する。
前置レンズ移動部154は、後述する制御装置240の前置レンズ移動部駆動制御部242からの制御により、前置レンズ131を光軸方向に移動させる機能を有する。前置レンズ移動部154は、上述した前置レンズ保持部材を構成する回転軸部によって構成される。
図4を参照すると、制御装置240は、その機能として、前置レンズ移動量算出部241と、前置レンズ移動部駆動制御部242と、顕微鏡部移動部駆動制御部142と、AF制御部143と、顕微鏡部位置算出部144と、を有する。制御装置240のプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、これらの機能が実現される。
前置レンズ移動量算出部241は、前置レンズ挿抜検出部151から、前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報が送信されたことをトリガとして、当該前置レンズ131が設計前置レンズ位置に位置するような、現在の位置(すなわち、前置レンズ131が光軸上に挿入された時点での位置)からの前置レンズ131の光軸方向における移動量を算出する。
後述するように、前置レンズ移動量算出部241には、顕微鏡部位置算出部144から、顕微鏡部110の位置情報が提供される。また、本変形例に係る前置レンズ挿抜ユニットは、前置レンズ131が光軸上に挿入された状態に時点における顕微鏡部110に対する当該前置レンズ131の光軸方向における初期位置が所定の位置になるように構成される。設計前置レンズ位置の被検眼401からの距離、及びかかる前置レンズ131の光軸方向における初期位置は、予めその値が定められるものであり、本変形例では、制御装置240に、事前にこれらの値についての情報が入力されている。前置レンズ移動量算出部241は、これらの値についての情報、及び顕微鏡部110の位置情報に基づいて、前置レンズ131を設計前置レンズ位置まで移動させるための、当該前置レンズ131の光軸方向における移動量を算出する。
前置レンズ移動量算出部241は、算出した前置レンズ131の光軸方向における移動量についての情報を、前置レンズ移動部駆動制御部242に提供する。
前置レンズ移動部駆動制御部242は、前置レンズ移動量算出部241によって算出された前置レンズ131の光軸方向における移動量についての情報に基づいて、当該移動量だけ前置レンズ131が移動するように、前置レンズ移動部154を動作させる(具体的には、前置レンズ挿抜ユニットの前置レンズ保持部材を構成する回転軸部に設けられるアクチュエータを動作させる)。これにより、設計前置レンズ位置まで、前置レンズ131が光軸方向に移動される。
ここで、本変形例では、後述するように、眼底観察時において、顕微鏡部110が、術者による指示入力に従って光軸方向に移動可能である。後述するように、前置レンズ移動部駆動制御部242には、顕微鏡部移動部駆動制御部142から、顕微鏡部110の移動量についての情報が提供されており、前置レンズ移動部駆動制御部242は、当該情報、及び顕微鏡部位置算出部144から提供される顕微鏡部110の位置情報に基づいて、顕微鏡部110が移動した場合であっても前置レンズ131が設計前置レンズ位置に位置し続けるように、前置レンズ移動部154を動作させる。
AF制御部143の機能は、上述した図2における当該機能と略同様である。すなわち、被検眼401の前眼部を観察している際には、AF制御部143は、当該前眼部に焦点が合うように、顕微鏡部110にAF動作を行わせる。この際、AF制御部143は、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報を、顕微鏡部位置算出部144に提供する。
一方、前置レンズ挿抜検出部151から、前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報が送信された場合には、AF制御部143は、前置レンズ131による眼底像の結像位置に焦点が合うように、顕微鏡部110にAF動作を行わせる。この際、AF制御部143は、前置レンズ移動部駆動制御部242によって前置レンズ131が設計前置レンズ位置まで移動されるのを待ってから、AF動作を実行させる。
前置レンズ移動部駆動制御部242によって前置レンズ131が設計前置レンズ位置まで移動されているため、理想的には、顕微鏡部110においては、設計眼底像位置403に焦点が合うように焦点合わせを行えば明瞭な眼底像が得られるはずであり、AF動作を行う必要はない。しかしながら、上述した制御装置140の場合と同様に、実際には、種々の要因により、移動後の前置レンズ131による眼底像の結像位置は、設計眼底像位置403から僅かにずれてしまうことがあるため、上記のように、真の眼底像の結像位置に焦点が合うように、AF制御部143によってAF動作を実行させる必要がある。
なお、このとき、制御装置140の場合と同様に、AF制御部143には、顕微鏡部位置算出部144から顕微鏡部110の位置情報が提供されている。従って、AF制御部143は、当該情報、及び予め制御装置240に入力される設計前置レンズ位置の被検眼401からの距離についての情報に基づいて、顕微鏡部110から設計眼底像位置403までの距離を把握し、当該設計眼底像位置403近傍を焦点合わせの対象としてAF動作を実行させることができる。これにより、効率良く焦点合わせを行うことができ、焦点合わせ処理をより短時間で実行することが可能となる。
また、本変形例では、後述するように、眼底観察時において、顕微鏡部110が、術者による指示入力に従って光軸方向に移動可能である。かかる顕微鏡部110の移動が生じた場合には、AF制御部143は、AF駆動部153に、前置レンズ131による眼底像の結像位置に焦点を合わせるためのAF動作を実行させ続ける。これにより、顕微鏡部110が移動した場合であっても、顕微鏡部110によって明瞭な眼底像が常に撮影されることとなる。なお、この際、後述するように、AF制御部143には、顕微鏡部移動部駆動制御部142から、顕微鏡部110の移動量についての情報が提供されており、AF制御部143は、当該情報、及び顕微鏡部位置算出部144から提供される顕微鏡部110の位置情報に基づいて、顕微鏡部110と設計眼底像位置403との鉛直方向における距離を随時算出することにより、当該AF動作を、設計眼底像位置403近傍を焦点合わせの対象として実行させ続けることができる。
顕微鏡部移動部駆動制御部142の機能は、上述した図2における当該機能と略同様である。ただし、本変形例では、顕微鏡部移動部駆動制御部142は、眼底観察時において、自動的に顕微鏡部110を移動させるのではなく、術者による指示入力に従って顕微鏡部移動部152を動作させ(具体的には、保持部120の直動機構122のアクチュエータを動作させ)、当該指示入力に従った量だけ顕微鏡部110を光軸方向において移動させる。このように、本変形例では、前眼部の観察時だけでなく、眼底観察時においても、術者による指示入力によって、顕微鏡部110を、そのWDの範囲において、光軸上において自由な位置に配置することが可能である。術者による指示入力に従って顕微鏡部110を移動させた際には、顕微鏡部移動部駆動制御部142は、その顕微鏡部110の移動量についての情報を、前置レンズ移動部駆動制御部242及びAF制御部143に提供する。
顕微鏡部位置算出部144の機能は、上述した図2における当該機能と略同様である。すなわち、顕微鏡部位置算出部144は、AF制御部143から提供される、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報に基づいて、前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置を算出する。顕微鏡部位置算出部144は、算出した前置レンズ131が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置についての情報を、前置レンズ移動量算出部241及びAF制御部143に提供する。
以上、制御装置240の焦点合わせ処理に関する機能について説明した。以上説明したように、本変形例によれば、上述した構成例と同様に、前置レンズ131が光軸上に挿入された場合における焦点合わせ処理が自動で行われる。従って、より円滑な手術が実現され得る。また、本変形例によれば、前眼部の観察時だけでなく、眼底観察時においても顕微鏡部110のWDを自由に変更することが可能になる。従って、術者の利便性をより向上させることができる。
なお、前置レンズ131が光軸上に挿入され、前置レンズ移動部駆動制御部242によって前置レンズ131が設計前置レンズ位置まで移動される際に、前眼部の観察時における顕微鏡部110の光軸方向における位置によっては、その顕微鏡部110の位置では、前置レンズ131を当該設計前置レンズ位置まで移動させることができない場合がある。例えば、前眼部の観察時において、顕微鏡部110のWDが小さく、顕微鏡部110の対物レンズよりも上方に設計前置レンズ位置が存在している場合や、前眼部の観察時において、顕微鏡部110のWDが大きく、顕微鏡部110に対する前置レンズ131の光軸方向における移動可能距離よりも顕微鏡部110から遠くに、設計前置レンズ位置が存在する場合である。このような場合には、前置レンズ移動部駆動制御部242は、前置レンズ131を設計前置レンズ位置まで移動させるために、顕微鏡部移動部駆動制御部142を介して顕微鏡部移動部152を動作させることにより、顕微鏡部110に対する前置レンズ131の光軸方向における移動可能範囲に設計前置レンズ位置が含まれるような所定の位置まで、顕微鏡部110を光軸方向に適宜移動させてもよい。
(1−4−3.制御方法)
図5を参照して、以上説明した制御装置240によって行われる、第1の実施形態の一変形例に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置の制御方法の処理手順について説明する。図5は、第1の実施形態の一変形例に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置の制御方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図5に示す各処理は、図4に示す制御装置240によって実行される各処理に対応しており、制御装置240を構成するプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、図5に示す各処理が実行され得る。図5に示す各処理の詳細については、制御装置240の機能について説明する際に既に上述しているため、以下の制御方法の処理手順についての説明では、各処理の概要を述べるに留め、その詳細な説明は省略する。
図5を参照すると、第1の実施形態の一変形例に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置の制御方法では、まず、前置レンズ131が光軸上に挿入された旨の情報が取得される(ステップS201)。ステップS201における処理は、図3に示すステップS101における処理と同様の処理である。
次に、顕微鏡部110の位置情報に基づいて、前置レンズ131が設計前置レンズ位置に位置するような、前置レンズ131の光軸方向における移動量が算出される(ステップS203)。ステップS203における処理は、図5に示す前置レンズ移動量算出部241によって実行される処理に対応している。
次に、算出された移動量だけ、前置レンズ131が光軸方向に移動される(ステップS205)。ステップS205における処理は、図5に示す前置レンズ移動部駆動制御部242によって実行される処理に対応している。
次に、術者からの指示入力があった場合には、当該指示入力に従って、顕微鏡部110が光軸方向に移動される(ステップS207)。ステップS207における処理は、図5に示す顕微鏡部移動部駆動制御部142によって実行される処理に対応している。なお、術者からの指示入力がない場合には、当該ステップS207はスキップされる。
次に、AF機能により、前置レンズ131による結像位置に焦点が合うように顕微鏡部110の焦点距離が調整される(ステップS209)。この際、ステップS207で術者からの指示入力に従って顕微鏡部110が移動している場合には、その顕微鏡部110の移動量についての情報に基づいて、顕微鏡部110の焦点距離が調整され得る。ステップS209における処理は、図5に示すAF制御部143によって実行される処理に対応している。
以上、第1の実施形態の一変形例に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置の制御方法の処理手順について説明した。
(2.第2の実施形態)
(2−1.顕微鏡装置の構成)
図6を参照して、第2の実施形態に係る顕微鏡装置の構成について説明する。図6は、第2の実施形態に係る顕微鏡装置の概略構成を示す図である。
図6を参照すると、第2の実施形態に係る顕微鏡装置30は、被検眼401を拡大観察するための顕微鏡部110と、顕微鏡部110を保持するアーム部120(保持部120)と、顕微鏡部110の光軸上に前置レンズを挿抜する前置レンズ挿抜ユニット330と、顕微鏡装置30の動作を統合的に制御する制御装置340と、を備える。なお、図6においても、図1に示す顕微鏡装置10と同様に、顕微鏡部110が、その光軸が略鉛直方向と平行となるように被検眼401の直上に配置されているものとして、顕微鏡装置30についての説明を行う。
顕微鏡部110及び保持部120の構成及び機能は、第1の実施形態におけるこれらの部材の構成及び機能と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。ただし、後述するように、第2の実施形態では、前置レンズ挿抜ユニット330に照明光の光源332が設けられるため、顕微鏡部110には当該光源は設けられない。
前置レンズ挿抜ユニット330は、前置レンズ331と、照明光の光源332と、照明光学系333と、ハーフミラー334と、これら前置レンズ331、光源332、照明光学系333、及びハーフミラー334を先端側で保持する前置レンズ保持部材338と、前置レンズ保持部材338の基端と保持部120のスタンド121との間に介設され、当該前置レンズ保持部材338を当該前置レンズ保持部材338の基端を基点としてスタンド121に対して鉛直方向を回転軸として回動可能に支持する回転軸部339と、を有する。このように、第2の実施形態では、前置レンズ挿抜ユニット330は、スタンド121に取り付けられており、顕微鏡部110とは別体に構成される。
前置レンズ331は、第1の実施形態における前置レンズ131と同様の構成及び機能を有する。
光源332は、例えばLED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)であり、制御装置340からの制御により、所定の強度及び所定の波長の光を出射する。
照明光学系333は、光源332からの出射光を外部まで導光するとともに、当該出射光の特性を眼底の観察に適した所望の特性に調整する機能を有する。図示する例では、便宜的に、照明光学系333として1つのレンズを示しているが、照明光学系333は、複数のレンズによって構成されたり、レンズ及び他の各種の光学素子が組み合わされて構成されてもよい。
ハーフミラー334は、照明光学系333を通過してきた光源332からの出射光の進行方向を下方に向けるとともに、前置レンズ331が顕微鏡部110の光軸上に挿入されている状態において当該出射光の光軸を当該顕微鏡部110の光軸と一致させる。
前置レンズ保持部材338は、主に3つの部材(第1の部材335、第2の部材336、及び第3の部材337)から構成される。第1の部材335及び第2の部材336は、互いに大きさの異なる中空の円筒形形状を有する。径の大きな第1の部材335は、その中心軸が鉛直方向と略平行になるように配置される。第1の部材335は、その両端が開口されており、下方の開口部に前置レンズ331が嵌め込まれる。
径の小さな第2の部材336は、その中心軸が水平方向と略平行になるように配置されており、その一端が第1の部材335の側壁に当接されるように、第1の部材335に対して第2の部材336が位置する。第1の部材335の側壁の、第2の部材336との当接部位には、開口部が設けられており、当該開口部を介して第1の部材335と第2の部材336の内部が連通している。第2の部材336の他端は有底である。このように、第1の部材335及び第2の部材336は、組み合わされることにより、1つの筐体を構成する。つまり、当該筐体は、径の大きな円筒(すなわち、第1の部材335)の側面に対して、径のより小さな円筒(すなわち、第2の部材336)が、その中心軸が当該側面と略垂直になるように接続された形状を有する。
当該筐体内の第2の部材336の一端の有底の部分に、光源332が配設され、第2の部材336の内部において当該光源332の後段に照明光学系333が配設される。当該筐体内の第1の部材335の内部において、第1の部材335の中心軸と第2の部材336の中心軸との交点に対応する位置に、ハーフミラー334が配置される。当該ハーフミラー334は、照明光学系333を通過してきた光源332からの出射光の進行方向を下方に向けるように、かつ前置レンズ131が顕微鏡部110の光軸上に挿入されている状態で当該出射光の光軸を当該顕微鏡部110の光軸と一致させるように配置される。かかる構成により、前置レンズ131が挿入されている状態においては、ハーフミラー334によって下方に向けられた光源332からの出射光(すなわち、照明光)は、前置レンズ331を通過して、被検眼401に入射することとなる。図6では、この照明光の光路を模擬的に矢印で示している。当該照明光の被検眼401からの反射光(すなわち、観察光)は、前置レンズ331及びハーフミラー334を通過して、そのまま上方に向かい、顕微鏡部110に入射する。
前置レンズ保持部材338の第3の部材337は、長尺の部材であり、その一端が第1の部材335の側面の、第2の部材336が存在する側とは逆側に、固定的に接続される。第3の部材337の他端は、回転軸部339によって、スタンド121に対して鉛直方向を回転軸方向として回動可能に保持される。なお、本明細書では、前置レンズ保持部材338において、スタンド121に接続される側(すなわち、第3の部材337が位置する側)を基端側とも記載し、その逆側(すなわち、第2の部材336が位置する側)を先端側とも記載する。
第3の部材337が回転軸部339を介してスタンド121に対して鉛直方向を回転軸方向として回動することにより、第1の部材335及び第2の部材336からなる筐体、及びその内部の部材がともに(すなわち、前置レンズ挿抜ユニット330の全体が)、鉛直方向を回転軸方向として回動することとなる。かかる回動動作により、前置レンズ331の顕微鏡部110の光軸上への挿抜が実現される(図6では、前置レンズ331が光軸上に挿入された様子を図示している)。
回転軸部339には、アクチュエータが設けられており、制御装置340からの制御によって当該アクチュエータが駆動されることにより、回転軸部339が動作し、前置レンズ挿抜ユニット330の回動、すなわち前置レンズ331の光軸上への挿抜が実行される。
なお、第2の実施形態では、回転軸部339の鉛直方向における位置(すなわち、前置レンズ挿抜ユニット330の鉛直方向における位置)が、手動で、又はアクチュエータ等を介して電動で、移動可能に構成され得る。例えば、手術前に、手術台の高さ、手術台上に患者が仰臥した際の当該手術台の上面からの被検眼401の高さ、及び被検眼401の大きさ等を考慮して、前置レンズ331が光軸上に挿入された際に、当該前置レンズ331による眼底像の結像位置が設計眼底像位置403に一致するように(すなわち、前置レンズ331が設計前置レンズ位置に位置するように)、前置レンズ挿抜ユニット330の鉛直方向における位置が調整され得る。前置レンズ挿抜ユニット330の鉛直方向への移動が、電動で行われる場合には、当該移動も、制御装置340からの制御により実行されてよい。
制御装置340は、例えばCPUやDSP等のプロセッサ、又はこれらのプロセッサとメモリ等の記憶素子がともに搭載された制御基板等によって構成される。制御装置340を構成するプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、制御装置340における各機能が実現される。なお、図6では、図面が煩雑になることを避けるために、便宜的に、制御装置340と保持部120のスタンド121との間に両者の接続を示す矢印を記載しているが、実際には、制御装置340と顕微鏡装置30の各部材とが、有線又は無線の各種の公知の通信方式によって、各種の情報をやり取り可能に接続されている。
制御装置340の機能について、顕微鏡部110の動作(例えば、倍率、焦点距離等の調整)の制御、顕微鏡部110によって撮影された画像の表示制御、保持部120の動作(例えば、直動機構122の動作)の制御については、第1の実施形態における制御装置140のこれらの機能と同様である。
第1の実施形態とは異なる機能として、制御装置340は、前置レンズ挿抜ユニット330の動作を制御する機能を有する。具体的には、制御装置340は、回転軸部339を動作させ、前置レンズ挿抜ユニット330の前置レンズ保持部材338を顕微鏡部110に対して回動させることにより、前置レンズ331の光軸上への挿抜を実行する。
上述した制御装置340による顕微鏡部110、保持部120、前置レンズ挿抜ユニット330、及び顕微鏡部110による撮像画像を表示する表示装置(図示せず)の制御は、例えば術者による指示入力に従って行われる。顕微鏡装置30には、図示しないフットスイッチやタッチパネル等の入力装置が設けられており、術者が当該入力装置を介して各種の指示入力を行うことにより、制御装置340が上記の各構成を当該指示入力に従って動作させる。
ここで、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、明瞭な眼底像を得るために、前置レンズ挿抜ユニット330による前置レンズ331の光軸上への挿入に応じて、顕微鏡部110の焦点合わせ処理を行う必要がある。第2の実施形態では、前置レンズ331が光軸上に挿入された際に、制御装置340からの制御により、この焦点合わせ処理が自動で行われる。
以下、制御装置340における、この焦点合わせ処理に関する機能について詳細に説明する。
(2−2.制御装置の機能構成)
図7を参照して、第2の実施形態に係る制御装置340における焦点合わせ処理に関する機能について説明する。図7は、第2の実施形態に係る制御装置340の焦点合わせ処理に関する機能の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図7では、制御装置340の機能のうち、焦点合わせ処理に関する機能を概念的にブロックとして図示している。
また、図7では、説明のため、制御装置340以外の機能ブロックとして、前置レンズ挿抜検出部151、顕微鏡部移動部152、及びAF駆動部153を併せて図示している。これらの機能は、図2に示す第1の実施形態におけるこれらの機能と同様であるため、ここではその説明を省略する。ただし、第2の実施形態では、前置レンズ挿抜検出部151は、検出した前置レンズ331が光軸上に挿入された旨の情報、又は前置レンズ331が光軸上から抜去された旨の情報を、後述する制御装置340のAF制御部143に提供する。
図7を参照すると、制御装置340は、その機能として、顕微鏡部移動部駆動制御部142と、AF制御部143と、顕微鏡部位置算出部144と、を有する。制御装置340のプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、これらの機能が実現される。
AF制御部143の機能は、上述した図2に示す第1の実施形態における当該機能と略同様である。すなわち、被検眼401の前眼部を観察している際には、AF制御部143は、当該前眼部に焦点が合うように、顕微鏡部110にAF動作を行わせる。この際、AF制御部143は、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報を、顕微鏡部位置算出部144に提供する。
一方、前置レンズ挿抜検出部151から、前置レンズ331が光軸上に挿入された旨の情報が送信された場合には、AF制御部143は、前置レンズ331による眼底像の結像位置に焦点が合うように、顕微鏡部110にAF動作を行わせる。ここで、上述した第1の実施形態では、前置レンズ131が光軸上に挿入された後、当該前置レンズ131を設計前置レンズ位置まで光軸方向に移動させる処理が実行されるため、AF制御部143は、当該処理が終わるまでは、AF動作を行わせることなく待機する必要があった。これに対して、第2の実施形態では、上述したように、前置レンズ挿抜ユニット330の鉛直方向における位置が予め調整されているため、前置レンズ挿抜ユニット330によって前置レンズ331が光軸上に挿入された時点で、当該前置レンズ331が既に設計前置レンズ位置に位置することとなる。従って、第1の実施形態とは異なり、前置レンズ331を光軸方向に移動させる処理を行う必要がなく、当該前置レンズ331が光軸上に挿入されたら、即座に、AF制御部143によるAF動作の制御が実行され得る。よって、第1の実施形態よりも、前置レンズ331の光軸上への挿入に係る焦点合わせ処理を、より短時間で、より円滑に行うことが可能になる。
なお、上記のように前置レンズ331が光軸上に挿入された時点で、当該前置レンズ331が設計前置レンズ位置に位置しているため、理想的には、顕微鏡部110においては、設計眼底像位置403に焦点が合うように焦点合わせを行えば明瞭な眼底像が得られるはずであり、AF動作を行う必要はない。しかしながら、実際には、例えば患者の体勢の変化等の要因により、光軸上に挿入後の前置レンズ331による眼底像の結像位置は、設計眼底像位置403から僅かにずれてしまう恐れがある。従って、上記のように、真の眼底像の結像位置に焦点が合うように、AF制御部143によってAF動作を実行させる必要がある。
なお、このとき、制御装置140の場合と同様に、AF制御部143には、顕微鏡部位置算出部144から顕微鏡部110の位置情報が提供されている。従って、AF制御部143は、当該情報、及び予め制御装置340に入力される設計前置レンズ位置の被検眼401からの距離についての情報に基づいて、前置レンズ331が光軸上に挿入された時点での顕微鏡部110から設計眼底像位置403までの距離を把握することができる。AF制御部143は、この情報を用いて、第1の実施形態と同様に、設計眼底像位置403近傍を焦点合わせの対象としてAF動作を実行させることができる。これにより、効率良く焦点合わせを行うことができ、焦点合わせ処理をより短時間で実行することが可能となる。
また、第2の実施形態では、後述するように、眼底観察時において、顕微鏡部110が、術者による指示入力に従って移動可能である。かかる顕微鏡部110の移動が生じた場合には、AF制御部143は、第1の実施形態の変形例と同様に、AF駆動部153に、前置レンズ331による眼底像の結像位置に焦点を合わせるためのAF動作を実行させ続ける。これにより、顕微鏡部110が移動した場合であっても、顕微鏡部110によって明瞭な眼底像が常に撮影されることとなる。なお、この際、後述するように、AF制御部143には、顕微鏡部移動部駆動制御部142から、顕微鏡部110の移動量についての情報が提供されており、AF制御部143は、当該情報、及び顕微鏡部位置算出部144から提供される顕微鏡部110の位置情報に基づいて、顕微鏡部110と設計眼底像位置403との鉛直方向における距離を随時算出することにより、当該AF動作を、設計眼底像位置403近傍を焦点合わせの対象として実行させ続けることができる。
顕微鏡部移動部駆動制御部142の機能は、上述した第1の実施形態における当該機能と略同様である。ただし、第2の実施形態では、第1の実施形態の変形例と同様に、顕微鏡部移動部駆動制御部142は、眼底観察時において、自動的に顕微鏡部110を移動させるのではなく、術者による指示入力に従って顕微鏡部移動部152を動作させ(具体的には、保持部120の直動機構122のアクチュエータを動作させ)、当該指示入力に従った量だけ顕微鏡部110を移動させる。このように、第2の実施形態では、前眼部の観察時だけでなく、眼底観察時においても、術者による指示入力によって、顕微鏡部110を、そのWDの範囲において、光軸上において自由な位置に配置することが可能である。術者による指示入力に従って顕微鏡部110を移動させた際には、顕微鏡部移動部駆動制御部142は、その顕微鏡部110の移動量についての情報を、AF制御部143に提供する。
顕微鏡部位置算出部144の機能は、上述した第1の実施形態における当該機能と略同様である。すなわち、顕微鏡部位置算出部144は、AF制御部143から提供される、被検眼401の前眼部を観察している際における顕微鏡部110の焦点距離についての情報に基づいて、前置レンズ331が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置を算出する。顕微鏡部位置算出部144は、算出した前置レンズ331が挿入された時点での被検眼401に対する顕微鏡部110の光軸方向における位置についての情報を、AF制御部143に提供する。
以上、制御装置340の焦点合わせ処理に関する機能について説明した。以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、前置レンズ331が光軸上に挿入された場合における焦点合わせ処理が自動で行われる。従って、より円滑な手術が実現され得る。また、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の変形例と同様に、前眼部の観察時だけでなく、眼底観察時においても顕微鏡部110のWDを自由に変更することが可能になる。従って、術者の利便性をより向上させることができる。更に、第2の実施形態によれば、前置レンズ挿抜ユニット330によって前置レンズ331が光軸上に挿入された時点で、当該前置レンズ331が既に設計前置レンズ位置に位置しているため、前置レンズ331を光軸方向に移動させ、その位置を調整する処理を行う必要がなく、当該前置レンズ331が光軸上に挿入されたら、即座に、AF制御部143によるAF動作の制御が実行され得る。従って、第1の実施形態よりも、前置レンズ331の光軸上への挿入に係る焦点合わせ処理を、より短時間で、より円滑に行うことが可能になる。
ここで、一般的に、電子撮像式の顕微鏡装置においては、顕微鏡装置を小型化するため、及び表示装置を見る術者の視界を確保するため等の理由により、その顕微鏡には小型、軽量であることが望まれる。かかる事情に対して、第1の実施形態においては、顕微鏡部110に、前置レンズ挿抜ユニット130、並びに光源及び照明光学系が搭載されるため、当該顕微鏡部110が大型化、重量化することが懸念される。一方、第2の実施形態においては、上述したように、前置レンズ挿抜ユニット330は、顕微鏡部110とは別体に構成される。また、当該前置レンズ挿抜ユニット330に、光源332及び照明光学系333が搭載され、顕微鏡部110にはこれらの構成が搭載されない。従って、第2の実施形態によれば、顕微鏡部110の小型化を図ることが可能となる。
ただし、上記では第2の実施形態では顕微鏡部110に光源332及び照明光学系333が搭載されないとしたが、下記の事情が存在する場合においては、顕微鏡部110及び前置レンズ挿抜ユニット330の双方にこれらの構成が搭載されてもよい。一般的に、顕微鏡装置においては、観察対象部位が違うこと、及び前置レンズが介されること等により、前眼部を観察する際と、眼底を観察する際とでは、照明光に求められる特性が異なる場合がある。従って、顕微鏡装置においては、光源を複数設けることが求められることがある。この場合、第1の実施形態においては、顕微鏡部110に複数の光源が搭載されることとなれば、当該顕微鏡部110が大型化することが懸念される。一方、あくまで顕微鏡部110を小型化するために搭載する光源の数を制限すれば、前眼部及び眼底についての明瞭な観察を両立させることが困難になる。
これに対して、第2の実施形態によれば、前置レンズ挿抜ユニット330に光源332及び照明光学系333が搭載されており、これらの構成による照明光は、眼底観察時にのみ、被検眼401に照射される。従って、第2の実施形態では、顕微鏡部110に、前眼部の観察に適した光源及び照明光学系を搭載し、前置レンズ挿抜ユニット330に、眼底の観察に適した光源332及び照明光学系333を搭載することにより、顕微鏡部110を必要以上に大型化させることなく、観察対象部位による照明光の切り替えを行うことが可能となる。このように、顕微鏡部110を小型に保ちつつ、観察対象部位による照明光の切り替えを行いたいという需要がある場合においては、第2の実施形態において、顕微鏡部110にも光源及び照明光学系が搭載されてよい。
なお、上述したように、第2の実施形態では、前置レンズ挿抜ユニット330の回転軸部339は、その鉛直方向における位置が、手動で、又はアクチュエータ等を介して電動で、移動可能に構成され得る。上記の説明では、かかる機能を用いて、手術前に予め前置レンズ挿抜ユニット330の鉛直方向における位置、すなわち、前置レンズ331が光軸上に挿入された際における当該前置レンズ331の光軸上における位置が調整されるとしたが、第2の実施形態はかかる例に限定されない。例えば、事前に調整をしたにもかかわらず、種々の原因により、前置レンズ331が光軸上に挿入された際に、前置レンズ331の光軸上における位置が設計前置レンズ位置からずれてしまっている事態も考えられる。かかる事態が生じた場合には、制御装置340は、前置レンズ331が光軸上に挿入された際に、術者により指示入力に従って、前置レンズ331が設計前置レンズ位置に位置するように、回転軸部339、すなわち前置レンズ挿抜ユニット330を鉛直方向に移動させてもよい。このように、前置レンズ挿抜ユニット330の鉛直方向への移動は、事前に行われるだけでなく、必要に応じて、眼底観察時に、術者による指示入力に従って行われてもよい。
(2−3.制御方法)
図8を参照して、以上説明した制御装置340によって行われる、第2の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置30の制御方法の処理手順について説明する。図8は、第2の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置30の制御方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、図8に示す各処理は、図7に示す制御装置340によって実行される各処理に対応しており、制御装置340を構成するプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、図8に示す各処理が実行され得る。図8に示す各処理の詳細については、制御装置340の機能について説明する際に既に上述しているため、以下の制御方法の処理手順についての説明では、各処理の概要を述べるに留め、その詳細な説明は省略する。
図8を参照すると、第2の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置30の制御方法では、まず、前置レンズ331が光軸上に挿入された旨の情報が取得される(ステップS301)。ステップS301における処理は、図3に示す第1の実施形態に係る制御方法のステップS101における処理と同様の処理である。
次に、術者からの指示入力があった場合には、当該指示入力に従って、顕微鏡部110が光軸方向に移動される(ステップS303)。ステップS303における処理は、図7に示す顕微鏡部移動部駆動制御部142によって実行される処理に対応している。なお、術者からの指示入力がない場合には、当該ステップS303はスキップされる。
次に、AF機能により、前置レンズ131による結像位置に焦点が合うように顕微鏡部110の焦点距離が調整される(ステップS305)。この際、ステップS303で術者からの指示入力に従って顕微鏡部110が移動している場合には、その顕微鏡部110の移動量についての情報に基づいて、顕微鏡部110の焦点距離が調整され得る。ステップS305における処理は、図7に示すAF制御部143によって実行される処理に対応している。
以上、第2の実施形態に係る焦点合わせ処理に関する顕微鏡装置30の制御方法の処理手順について説明した。
(3.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、以上説明した各実施形態における各構成は、互いに可能な範囲で組み合わされてよい。例えば、上記(1−2.制御装置の機能構成)で変形例として記載した各種の構成(前置レンズ131の光軸上への挿入時に露光の調整及び像の変換処理を行うことや、前置レンズ131の光軸上からの抜去時に焦点距離等を元の状態に戻すこと、顕微鏡部位置算出部144による顕微鏡部110の位置情報の取得方法、顕微鏡部の種類等)は、第2の実施形態に係る顕微鏡装置30において適用されてもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的なものではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
被検眼を拡大観察するために撮像素子によって前記被検眼を撮影する顕微鏡部と、
前記顕微鏡部を保持する保持部と、
前記被検眼の後眼部を観察するための前置レンズを前記顕微鏡部の光軸上に挿抜する前置レンズ挿抜ユニットと、
前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置に前記顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御を行う制御装置と、
を備える、
顕微鏡装置。
(2)
前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記被検眼との距離が所定の距離である所定の設計前置レンズ位置に前記前置レンズが位置するように、前記前置レンズが配置される、
前記(1)に記載の顕微鏡装置。
(3)
前記制御装置は、前記前置レンズが前記設計前置レンズ位置に配置された場合における前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置である設計後眼部像位置の近傍を、焦点合わせの対象として、前記AF制御を行う、
前記(2)に記載の顕微鏡装置。
(4)
前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズと、前記前置レンズを先端で保持する前置レンズ保持部材と、前記前置レンズ保持部材の基端と前記顕微鏡部との間に介設され、前記前置レンズ保持部材を前記前置レンズ保持部材の基端を基点として前記顕微鏡部に対して回動可能に支持する回転軸部と、を有する、
前記(2)又は(3)に記載の顕微鏡装置。
(5)
前記保持部は、前記顕微鏡部を前記顕微鏡部の光軸方向に移動させる顕微鏡部移動部を有し、
前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記顕微鏡部と前記前置レンズとの前記顕微鏡部の光軸方向における距離が一定になるように構成され、
前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記制御装置は、前記顕微鏡部移動部によって前記顕微鏡部を前記顕微鏡部の光軸方向に移動させることにより、前記前置レンズが前記設計前置レンズ位置に位置するように、前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における位置を調整する、
前記(4)に記載の顕微鏡装置。
(6)
前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズ保持部材の長さが可変であることにより、前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記顕微鏡部と前記前置レンズとの前記顕微鏡部の光軸方向における距離を変更可能に構成され、
前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記制御装置は、前記前置レンズ保持部材を動作させ、前記顕微鏡部に対する前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における距離を変更することにより、前記前置レンズが前記設計前置レンズ位置に位置するように、前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における位置を調整する、
前記(4)に記載の顕微鏡装置。
(7)
前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズと、前記前置レンズを先端で保持する前置レンズ保持部材と、前記前置レンズ保持部材の基端と前記保持部との間に介設され、前記前置レンズ保持部材を前記前置レンズ保持部材の基端を基点として前記保持部に対して回動可能に支持する回転軸部と、を有する、
前記(2)又は(3)に記載の顕微鏡装置。
(8)
前記回転軸部は、前記保持部上を移動可能に構成され、
前記制御装置からの制御によって前記回転軸部が前記保持部上を移動し、前記前置レンズ保持部材が移動されることにより、前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における位置が調整される、
前記(7)に記載の顕微鏡装置。
(9)
前記前置レンズ挿抜ユニットに、前記被検眼への照明光を出射する光源が設けられる、
前記(7)又は(8)に記載の顕微鏡装置。
(10)
前記制御装置は、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記顕微鏡部に露出を前記前置レンズによって結像された前記後眼部の像の明度に応じた露出に調整するAE制御を行う、
前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
(11)
前記制御装置は、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによって結像された前記後眼部の像の上下左右を反転させる逆像から正像への変換処理を行う、
前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
(12)
被検眼を拡大観察するために撮像素子によって前記被検眼を撮影する顕微鏡部と、前記顕微鏡部を保持する保持部と、前記被検眼の後眼部を観察するための前置レンズを前記顕微鏡部の光軸上に挿抜する前置レンズ挿抜ユニットと、備える顕微鏡装置を用いて、前記被検眼を拡大観察する際に、
プロセッサが、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置に前記顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御を行う、
制御方法。
10、30 顕微鏡装置
110 顕微鏡部
111 筐体
112 撮像素子
113 光学系
114 対物レンズ
120 保持部(アーム部)
121 スタンド
122 直動機構
130、330 前置レンズ挿抜ユニット
131、331 前置レンズ
132 前置レンズ保持部材
133 回転軸部
140、240、340 制御装置
141 顕微鏡部移動量算出部
142 顕微鏡部移動部駆動制御部
143 AF制御部
144 顕微鏡部位置算出部
151 前置レンズ挿抜検出部
152 顕微鏡部移動部
153 AF駆動部
154 前置レンズ移動部
241 前置レンズ移動量算出部
242 前置レンズ移動部駆動制御部
332 光源
333 照明光学系
334 ハーフミラー
335 第1の部材
336 第2の部材
337 第3の部材
338 前置レンズ保持部材
339 回転軸部
401 被検眼
403 設計眼底像位置

Claims (12)

  1. 被検眼を拡大観察するために撮像素子によって前記被検眼を撮影する顕微鏡部と、
    前記顕微鏡部を保持する保持部と、
    前記被検眼の後眼部を観察するための前置レンズを前記顕微鏡部の光軸上に挿抜する前置レンズ挿抜ユニットと、
    前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置に前記顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御を行う制御装置と、
    を備える、
    顕微鏡装置。
  2. 前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記被検眼との距離が所定の距離である所定の設計前置レンズ位置に前記前置レンズが位置するように、前記前置レンズが配置される、
    請求項1に記載の顕微鏡装置。
  3. 前記制御装置は、前記前置レンズが前記設計前置レンズ位置に配置された場合における前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置である設計後眼部像位置の近傍を、焦点合わせの対象として、前記AF制御を行う、
    請求項2に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズと、前記前置レンズを先端で保持する前置レンズ保持部材と、前記前置レンズ保持部材の基端と前記顕微鏡部との間に介設され、前記前置レンズ保持部材を前記前置レンズ保持部材の基端を基点として前記顕微鏡部に対して回動可能に支持する回転軸部と、を有する、
    請求項2に記載の顕微鏡装置。
  5. 前記保持部は、前記顕微鏡部を前記顕微鏡部の光軸方向に移動させる顕微鏡部移動部を有し、
    前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記顕微鏡部と前記前置レンズとの前記顕微鏡部の光軸方向における距離が一定になるように構成され、
    前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記制御装置は、前記顕微鏡部移動部によって前記顕微鏡部を前記顕微鏡部の光軸方向に移動させることにより、前記前置レンズが前記設計前置レンズ位置に位置するように、前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における位置を調整する、
    請求項4に記載の顕微鏡装置。
  6. 前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズ保持部材の長さが可変であることにより、前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記顕微鏡部と前記前置レンズとの前記顕微鏡部の光軸方向における距離を変更可能に構成され、
    前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記制御装置は、前記前置レンズ保持部材を動作させ、前記顕微鏡部に対する前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における距離を変更することにより、前記前置レンズが前記設計前置レンズ位置に位置するように、前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における位置を調整する、
    請求項4に記載の顕微鏡装置。
  7. 前記前置レンズ挿抜ユニットは、前記前置レンズと、前記前置レンズを先端で保持する前置レンズ保持部材と、前記前置レンズ保持部材の基端と前記保持部との間に介設され、前記前置レンズ保持部材を前記前置レンズ保持部材の基端を基点として前記保持部に対して回動可能に支持する回転軸部と、を有する、
    請求項2に記載の顕微鏡装置。
  8. 前記回転軸部は、前記保持部上を移動可能に構成され、
    前記制御装置からの制御によって前記回転軸部が前記保持部上を移動し、前記前置レンズ保持部材が移動されることにより、前記前置レンズの前記顕微鏡部の光軸方向における位置が調整される、
    請求項7に記載の顕微鏡装置。
  9. 前記前置レンズ挿抜ユニットに、前記被検眼への照明光を出射する光源が設けられる、
    請求項7に記載の顕微鏡装置。
  10. 前記制御装置は、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記顕微鏡部に露出を前記前置レンズによって結像された前記後眼部の像の明度に応じた露出に調整するAE制御を行う、
    請求項1に記載の顕微鏡装置。
  11. 前記制御装置は、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによって結像された前記後眼部の像の上下左右を反転させる逆像から正像への変換処理を行う、
    請求項1に記載の顕微鏡装置。
  12. 被検眼を拡大観察するために撮像素子によって前記被検眼を撮影する顕微鏡部と、前記顕微鏡部を保持する保持部と、前記被検眼の後眼部を観察するための前置レンズを前記顕微鏡部の光軸上に挿抜する前置レンズ挿抜ユニットと、備える顕微鏡装置を用いて、前記被検眼を拡大観察する際に、
    プロセッサが、前記前置レンズ挿抜ユニットによって前記前置レンズが前記顕微鏡部の光軸上に挿入された際に、前記前置レンズによる前記後眼部の像の結像位置に前記顕微鏡部の焦点を合わせるAF制御を行う、
    制御方法。
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