(実施形態1)
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る劣化検出システム1000は、電流センサ10と、電圧センサ20と、劣化検出装置100と、を備える。劣化検出システム1000は、トラッキング現象の発生に繋がるコンセント41,42の劣化を早い段階で検出する。劣化検出システム1000は、主幹ブレーカ30に流れる電流に基づいて、主幹ブレーカ30から電気機器に電力を供給するためのコンセント41,42の劣化を検出する。また、劣化検出システム1000は、劣化したコンセント41,42を検出した場合、劣化したコンセント41,42が存在する旨と、劣化したコンセント41,42に接続されている電気機器とを報知する。
電気機器は、例えば、エアコン、テレビ、照明、冷蔵庫、IHCH(Induction Heating Cooking Heater)、エコキュート、換気扇、製氷機、照明、殺虫装置、ショーケース、除湿器、加湿器、暖房機器、電気ポット、電子レンジ、炊飯器、バス乾燥機などである。本実施形態では、プラグがコンセントに挿入された状態が長い期間継続し、トラッキング現象が発生しやすいと考えられる電気機器として、冷蔵庫210とエアコン220とを例にして説明する。
劣化検出装置100は、例えば、同軸ケーブルにより、電流センサ10と電圧センサ20とに接続される。また、劣化検出装置100は、通信ネットワーク500を介して、クラウドサーバ300と端末装置400とに接続される。なお、劣化検出装置100に、電流センサ10と電圧センサ20とを含めてもよい。
電流センサ10は、電力線31に流れる電流の瞬時値を表す電圧値を、劣化検出装置100に送信する。電流センサ10は、例えば、電力線31が貫通する磁気コア(図示せず)と、磁気コアに巻かれた巻線(図示せず)と、巻線の両端に接続されたシャント抵抗(図示せず)と、を備える。電流センサ10は、シャント抵抗の両端間の電圧値を、劣化検出装置100に送信する。
電圧センサ20は、電力線31と電力線32との間の電圧を表す電圧値を、劣化検出装置100に送信する。電圧センサ20は、例えば、電力線31と電力線32との間の電圧をM分の1にした電圧を発生させる電圧トランス(図示せず)を備える。
主幹ブレーカ30は、宅内で使用される電気機器に流れる電流の総和(以下、適宜「総電流」という。)が、予め定められた閾値を超えた場合に、宅内で使用される電気機器への電流の供給を停止する。従って、主幹ブレーカ30には、総電流が流れる。電力線31と電力線32とは、宅内で使用される電気機器に電力を供給する。従って、電力線31と電力線32とには、総電流が流れる。電力線31は、L(ライブ)相の電位が印加される電力線である。電力線32は、N(ニュートラル)相の電位が印加される電力線である。
コンセント41は、冷蔵庫210に電力を供給する。コンセント41は、電力線31と接続された電極(図示せず)が設けられた差し込み口(図示せず)と、電力線32と接続された電極(図示せず)が設けられた差し込み口(図示せず)と、を備える。冷蔵庫210は、コンセント41に差し込まれたプラグ211を介して、電力系統(図示せず)から電力の供給を受ける。冷蔵庫210とプラグ211とは、ケーブル(図示せず)により接続される。冷蔵庫210が動作すると、冷蔵庫210の内部に電流が流れ、主幹ブレーカ30(電力線31,32)にも電流が流れる。
冷蔵庫210が動作しているときに冷蔵庫210の内部に流れる電流には、冷蔵庫210に特有の高調波成分が含まれる。従って、冷蔵庫210が動作しているときに主幹ブレーカ30に流れる電流には、基本的に、冷蔵庫210に特有の高調波成分が含まれる。ただし、主幹ブレーカ30に流れる電流の高調波成分は、コンセント41のインピーダンスや配線(電力線31,32のインピーダンス)の影響を受けたものとなるため、冷蔵庫210の内部に流れる電流の高調波成分とは異なる。
ここで、コンセント41とプラグ211との接触部分に蓄積したホコリが湿気を帯びると、プラグ211が備える電極(図示せず)間が導通することがある。このような状態が継続すると、コンセント41とプラグ211との接触部分において、コンセント41、プラグ211、ホコリなどの炭化が進行する。そして、炭化が進行すると、炭化した部分がショートして発火するトラッキング現象が発生する。劣化検出装置100は、このようなトラッキング現象が発生する兆候をなるべく早期に発見するために、コンセント41の湿潤劣化を検出する。コンセント41の湿潤劣化は、コンセント41のインピーダンスの変化として表れる。従って、劣化検出装置100は、冷蔵庫210が動作しているときに主幹ブレーカ30に流れる電流の高調波成分が、コンセント41のインピーダンスの変化によって変化したことを検出した場合に、コンセント41が劣化したと判別する。
コンセント42は、エアコン220に電力を供給する。コンセント42は、電力線31と接続された電極(図示せず)が設けられた差し込み口(図示せず)と、電力線32と接続された電極(図示せず)が設けられた差し込み口(図示せず)と、を備える。エアコン220は、コンセント42に差し込まれたプラグ221を介して、電力系統(図示せず)から電力の供給を受ける。エアコン220とプラグ221とは、ケーブル(図示せず)により接続される。エアコン220が動作すると、エアコン220の内部に電流が流れ、主幹ブレーカ30(電力線31,32)にも電流が流れる。
コンセント42の湿潤劣化は、コンセント42のインピーダンスの変化として表れる。従って、劣化検出装置100は、エアコン220が動作しているときに主幹ブレーカ30に流れる電流の高調波成分が、コンセント42のインピーダンスの変化によって変化したことを検出した場合に、コンセント42が劣化したと判別する。
クラウドサーバ300は、クラウドコンピューティングにおけるリソースを提供するサーバである。クラウドサーバ300は、通信ネットワーク500を介して、劣化検出装置100と端末装置400とに接続される。クラウドサーバ300は、基本機器モデル(基準モデル)とフィルタモデル(劣化前フィルタモデル、劣化後フィルタモデル)とを記憶し、基本機器モデルとフィルタモデルとを劣化検出装置100に提供する。
端末装置400は、通信ネットワーク500を介して、劣化検出装置100とクラウドサーバ300とに接続される。端末装置400は、劣化検出装置100のユーザインターフェースとして機能する。端末装置400は、劣化検出装置100により劣化が検出された場合、劣化検出装置100からの指示に従って、コンセント41,42が劣化した旨や劣化したコンセント41,42に接続された電気機器を報知する。端末装置400は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末などである。
通信ネットワーク500は、通信ネットワーク500に接続された機器同士が相互に通信するためのネットワークである。通信ネットワーク500は、例えば、WAN(Wide Area Network)であり、インターネットである。
劣化検出装置100は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、AD(Analog Digital)変換器、フラッシュメモリ、RTC(Real Time Clock)、タッチスクリーン、NIC(Network Interface Card))を備える。
図2に示すように、劣化検出装置100は、機能的には、通信部101と、基本機器モデル記憶部102と、フィルタモデル記憶部103と、機器モデル生成部104と、機器モデル記憶部105と、AD変換部106と、波形生成部107と、周波数解析部108と、動作確率推定部109と、劣化検出部110と、表示部111と、を備える。通信部101の機能は、例えば、CPUとNICとが協働することにより実現される。基本機器モデル記憶部102、フィルタモデル記憶部103、機器モデル記憶部105の機能は、例えば、フラッシュメモリの機能により実現される。機器モデル生成部104、波形生成部107、周波数解析部108、動作確率推定部109、劣化検出部110の機能は、例えば、CPUとROMとRAMとが協働することにより実現される。AD変換部106の機能は、例えば、AD変換器により実現される。表示部111の機能は、例えば、CPUとタッチスクリーンとが協働することにより実現される。
通信部101は、通信ネットワーク500を介して、基本機器モデル(基本機器モデルデータ)とフィルタモデル(フィルタモデルデータ)とを、クラウドサーバ300から取得する。基本機器モデルは、電気機器の種別と、主幹ブレーカ30に直接接続されて動作したときに主幹ブレーカ30に流れる電流の波形における高調波成分の特徴量と、を対応付けたものである。電気機器の種別は、例えば、アルファベット、数字、平仮名、カタカナ、漢字などから構成された文字列(例えば、「冷蔵庫」、「エアコン」など。)により表される。フィルタモデル(フィルタモデルデータ)は、劣化前フィルタモデル(劣化前フィルタモデルデータ)と劣化後フィルタモデル(劣化後フィルタモデルデータ)とに分類される。劣化前フィルタモデルは、劣化前フィルタ回路における周波数特性を示すものである。劣化前フィルタ回路は、劣化前のコンセントと、主幹ブレーカ30と劣化前のコンセント41とを結ぶ配線(電力線31,32)と、により構成される。劣化後フィルタモデルは、劣化後フィルタ回路における周波数特性を示すものである。劣化後フィルタ回路は、劣化後のコンセント41と、主幹ブレーカ30と劣化後のコンセント41とを結ぶ配線(電力線31,32)と、により構成される。また、通信部101は、劣化検出部110により劣化が検出された場合、通信ネットワーク500を介して、報知指示情報を端末装置400に送信する。報知指示情報は、コンセントが劣化した旨と劣化したコンセントに接続された電気機器とを報知することを指示する情報である。
基本機器モデル記憶部102は、通信部101から供給された基本機器モデルを記憶する。フィルタモデル記憶部103は、通信部101から供給されたフィルタモデル(劣化前フィルタモデル及び劣化後フィルタモデル)を記憶する。機器モデル生成部104は、基本機器モデル記憶部102に記憶された基本機器モデルと、フィルタモデル記憶部103に記憶されたフィルタモデル(劣化前フィルタモデル及び劣化後フィルタモデル)とに基づいて、機器モデル(劣化前機器モデル及び劣化後機器モデル)を生成する。機器モデル記憶部105は、機器モデル生成部104により生成された機器モデル(劣化前機器モデル及び劣化後機器モデル)を記憶する。基本機器モデル、劣化前機器モデル、劣化後機器モデルは、電気機器の種別毎に管理される。
劣化前機器モデル(劣化前モデル)は、屋内配線と劣化前のコンセント41と電気機器とを含むモデルである。劣化前機器モデル(劣化前機器モデルデータ)は、電気機器の種別と、劣化前のコンセント41に接続された電気機器が動作しているときに、主幹ブレーカ30に流れる電流の波形の高調波の特徴と、を示すデータである。劣化前機器モデルは、例えば、1周期分の電流波形を、ウェーブレット変換により、1以上の周波数成分に分解することにより得られる、周波数成分毎の時系列データ(周波数毎に位相と信号強度との対応関係を示すデータ)である。劣化後機器モデル(劣化後モデル)は、屋内配線と劣化後のコンセント41と電気機器とを含むモデルである。劣化後機器モデル(劣化後機器モデルデータ)は、電気機器の種別と、劣化後のコンセント41に接続された電気機器が動作しているときに、主幹ブレーカ30に流れる電流の波形の高調波の特徴と、を示すデータである。劣化後機器モデルは、例えば、1周期分の電流波形を、ウェーブレット変換により、1以上の周波数成分に分解することにより得られる、周波数成分毎の時系列データ(周波数毎に位相と信号強度との対応関係を示すデータ)である。
AD変換部106は、電流センサ10により検出された電流値(例えば、−10Aから10A)に対応する電圧値(例えば、0Vから5V)を、アナログ値からデジタル値に変化する。また、AD変換部106は、電圧センサ20により検出された電圧値(例えば、−200Vから200V)に対応する電圧値(例えば、0Vから5V)を、アナログ値からデジタル値に変化する。波形生成部107は、AD変換部106から供給された電圧値(例えば、0Vから5V)を電流値(例えば、−10Aから10A)に変換し、変換後の電流値(例えば、−10Aから10A)を連結することにより、電流波形を生成する。また、波形生成部107は、AD変換部106から供給された電圧値(例えば、0Vから5V)を電圧値(例えば、−200Vから200V)に変換し、変換後の電圧値(例えば、−200Vから200V)を連結することにより、電圧波形を生成する。なお、波形生成部107は、電圧波形においてゼロクロスを検出することにより、電流波形や電圧波形において位相を特定したり、ゼロクロスを先頭とした1周期(例えば、50Hz)分の電流波形や電圧波形を生成したりすることができる。
図4に、1周期分の電圧波形と1周期分の電流波形とを示す。グラフ410は、電力線31と電力線32との間の電圧の1周期分の電圧波形を示すグラフである。グラフ420は、電力線31に流れる電流の1周期分の電流波形を示すグラフである。
周波数解析部108は、波形生成部107により生成された1周期分の電流波形の周波数成分を解析する。例えば、周波数解析部108は、1周期分の電流波形を、ウェーブレット変換により、1以上の周波数成分に分解し、周波数成分毎の時系列データ(周波数毎に位相と信号強度との対応関係を示すデータ)を求める。周波数成分毎の時系列データは、電流波形の高調波の特徴を示すデータである。なお、周波数解析部108は、1周期分の電流波形を、離散フーリエ変換により、1以上の周波数成分に分解してもよい。
動作確率推定部109は、周波数解析部108から供給された周波数成分毎の時系列データと、機器モデル記憶部105に記憶された機器モデル(劣化前機器モデル及び劣化後機器モデル)と、に基づいて、電気機器毎に、動作確率(劣化前動作確率及び劣化後動作確率)を推定する。劣化前動作確率は、劣化前のコンセント41に接続された電気機器が動作している確率である。劣化後動作確率は、劣化後のコンセント41に接続された電気機器が動作している確率である。
例えば、動作確率推定部109は、機器モデル記憶部105に機器モデルが記憶されている電気機器の中から1つの電気機器を選択する。そして、動作確率推定部109は、選択した電気機器に対応する、劣化前機器モデルと劣化後機器モデルとを、機器モデル記憶部105から取得する。動作確率推定部109は、周波数成分毎の時系列データにより示される高調波成分の特徴と、劣化前機器モデルにより示される高調波成分の特徴と、の類似度に基づいて、劣化前動作確率を求める。また、動作確率推定部109は、周波数成分毎の時系列データにより示される高調波成分の特徴と、劣化後機器モデルにより示される高調波成分の特徴と、の類似度に基づいて、劣化後動作確率を求める。
動作確率推定部109は、例えば、特定の周波数における時系列データ同士の相関係数を動作確率として推定する。例えば、相関係数が−1から0である場合、動作確率を0%とし、相関係数が0を超える場合、相関係数に100を乗じて%で表したものを動作確率とする。特定の周波数は、劣化前動作確率を求める場合と劣化後動作確率を求める場合とで、異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、劣化前動作確率を求める場合、特定の周波数が0.4MHzであり、劣化後動作確率を求める場合、特定の周波数が1MHzであってもよい。或いは、例えば、劣化前動作確率を求める場合と劣化後動作確率を求める場合とのいずれの場合にも、特定の周波数が0.4MHzであってもよい。このように、取得された電流波形と劣化前機器モデルと劣化後機器モデルとで比較される高調波成分の特徴量は、予め定められた周波数における位相毎の強度とすることができる。ただし、比較される高調波成分の特徴量は、この例に限定されない。
例えば、周波数=0.4MHz、位相=225°における強度が相対的に高いことが、劣化前機器モデルの特徴であるものとする。この場合、例えば、劣化前機器モデルの周波数=0.4MHz、位相=225°における強度に対する、取得された電流波形の周波数=0.4MHz、位相=225°における強度の比率を、劣化前動作確率とすることができる。同様に、例えば、周波数=1MHz、位相=135°における強度が相対的に高いことが、劣化後機器モデルの特徴であるものとする。この場合、例えば、劣化後機器モデルの周波数=1MHz、位相=135°における強度に対する、取得された電流波形の周波数=1MHz、位相=135°における強度の比率を、劣化後動作確率とすることができる。
或いは、例えば、周波数=0.4MHz、位相=225°における強度が1番高く、周波数=0.4MHz、位相=45°における強度が2番目に高いことが、劣化前機器モデルの特徴であるものとする。この場合、例えば、劣化前機器モデルと取得された電流波形とで、強度が1番高い組み合わせ(周波数及び位相)と強度が2番目に高い組み合わせ(周波数及び位相)とが一致する場合、劣化前動作確率を100%とする。また、例えば、劣化前機器モデルと取得された電流波形とで、強度が1番高い組み合わせ(周波数及び位相)のみ一致する場合、劣化前動作確率を50%とする。劣化後動作確率についても劣化前動作確率と同様に、相対的に強度が高い組み合わせ(周波数及び位相)の一致度に応じて劣化後動作確率を推定することができる。
このように、取得された電流波形と劣化前機器モデルと劣化後機器モデルとで比較される高調波成分の特徴量は、予め定められた周波数及び予め定められた位相における強度とすることができる。動作確率推定部109は、他の電気機器についても、同様に、劣化前動作確率と劣化後動作確率とを求める。
劣化検出部110は、動作確率推定部109により推定された動作確率(劣化前動作確率及び劣化後動作確率)に基づいて、劣化したコンセント41,42を検出する。例えば、ある電気機器に関して、劣化前動作確率と劣化後動作確率とが50%以上であり、劣化前動作確率よりも劣化後動作確率の方が高い場合、その電気機器が接続されたコンセント41,42が劣化していると判別される。一方、例えば、ある電気機器に関して、劣化前動作確率と劣化後動作確率とが50%以上であり、劣化前動作確率よりも劣化後動作確率の方が低い場合、その電気機器が接続されたコンセント41,42が劣化していないと判別される。また、例えば、ある電気機器に関して、劣化前動作確率と劣化後動作確率とが50%未満である場合、その電気機器は動作していないと判別される。劣化検出部110は、劣化したコンセント41,42があると判別した場合、通信部101と表示部111とに、報知指示情報を送信する。
なお、劣化検出部110は、劣化後動作確率のみならず、劣化前動作確率をも考慮することにより、誤検出を減らすことが期待できる。例えば、冷蔵庫210に関する劣化後機器モデルが、エアコン220に関する劣化前機器モデルと類似する場合がある。この場合、コンセント41とコンセント42とのいずれもが劣化していなくても、冷蔵庫210に関する劣化後動作確率が非常に高くなる。このため、仮に、劣化後動作確率のみで劣化を検出する場合、コンセント41が劣化していると判別されてしまう。一方、劣化後動作確率のみならず、劣化前動作確率をも考慮すると、冷蔵庫210に関する劣化前動作確率が低くなるため、コンセント41が劣化していると判別されない。
このように、本実施形態では、まず、劣化前動作確率と劣化前動作確率とが閾値以上であるか否かの判別によりある電気機器が動作しているかが判別され、次に、劣化前動作確率と劣化前動作確率との大小関係の比較によりこの電気機器が接続されたコンセントが劣化しているか否かが判別される。本実施形態では、ある電気機器が動作している場合、この電気機器の劣化前動作確率とこの電気機器の劣化後動作確率とのいずれもが、他の電気機器の劣化前動作確率や他の電気機器の劣化後動作確率などよりも大幅に高くなる可能性が高いことを利用している。
なお、劣化検出部110は、劣化前動作確率と劣化前動作確率とに基づかずに、コンセント41が劣化しているか否かを判別してもよい。例えば、劣化検出部110は、波形生成部107により生成された電流波形における特徴量と、劣化前機器モデルにおける特徴量と、劣化後機器モデルにおける特徴量と、に基づいて、コンセント41が劣化しているか否かを判別してもよい。例えば、劣化検出部110は、生成された電流波形における特徴量が劣化前機器モデルにおける特徴量と劣化後機器モデルにおける特徴量とのいずれとも近似し、生成された電流波形における特徴量と劣化後機器モデルにおける特徴量との近似の程度の方が高い場合、コンセント41が劣化していると判別してもよい。例えば、特徴量が、特定の周波数、特定の位相における信号強度であるものとする。この場合、例えば、劣化検出部110は、生成された電流波形における信号強度と劣化前機器モデルにおける信号強度との差(以下「第1の差」という。)が閾値以下であり、生成された電流波形における信号強度と劣化後機器モデルにおける信号強度との差(以下「第2の差」という。)が閾値以下であり、第1の差よりも第2の差の方が小さい場合、コンセント41が劣化していると判別する。なお、上述した近似の程度は、信号強度の差ではなく、信号強度の割合であってもよい。また、信号強度の差や割合は、生成された電流波形と劣化前機器モデルと劣化後機器モデルとを正規化した後に算出されることが好適である。
表示部111は、劣化検出部110から報知指示情報を受信した場合、劣化したコンセントがある旨と、劣化したコンセントに接続された電気機器と、を報知する。つまり、表示部111は、劣化したコンセントがある旨のメッセージと、劣化したコンセントに接続された電気機器を示す情報とを表示する。
次に、図3を参照して、屋内配線回路の等価回路について説明する。ここでは、主幹ブレーカ30から冷蔵庫210までの屋内配線回路を例にして説明する。屋内配線回路は、冷蔵庫210を、内部インピーダンス212(ZI)と高調波電圧源213(V)との直列回路により構成される高調波電流源(V/ZI)とすると、図3に示すような等価回路にモデル化できる。つまり、屋内配線回路の等価回路は、高調波電流源(V/ZI)が、コンセント41が有するインピーダンス43(Zc(t))と、配線インピーダンス34(Zf)とを介して、外部系統インピーダンス33(Zs)で終端された回路である。
ここで、V、ZI、Zf、Zsは、いずれも、経年劣化せず、固定値であるものとする。なお、Zfは、R(例えば、0.3mΩ/m)とL(例えば、0.64μH/m)とが直列に接続されて構成されるものとする。一方、Zc(t)は、経年劣化(湿潤劣化)し、変動するものとする。Zc(t)は、RとCとが並列に接続されて構成されるものとする。例えば、乾燥状態(劣化前の状態)では、Rは無限大であり、Cは100pF程度である。また、湿潤状態(劣化後の状態)では、Rは200kΩ程度であり、Cは20pFから30pF程度となる。
この場合、冷蔵庫210からコンセント41に流れる電流であるIs(t)は、式(1)により定義される。また、コンセント41から主幹ブレーカ30に流れる電流であるIh(t)は、式(2)により定義される。なお、「//」は、並列インピーダンスを示す。
Is(t)=V/(ZI+Zc(t)//(Zf+Zs))・・・式(1)
Ih(t)=Is×Zc(t)/(Zc(t)+Zf+Zs)・・・式(2)
ここで、図5に、フィルタ回路44の周波数特性を示す。グラフ510は、コンセント41の劣化前におけるフィルタ回路44の周波数特性を示すグラフである。一方、グラフ520は、コンセント41の劣化後におけるフィルタ回路44の周波数特性を示すグラフである。図5に示すように、フィルタ回路44は、コンセント41の劣化前とコンセント41の劣化後とでは、大きく周波数特性が異なる。例えば、1MHzの周波数に注目すると、劣化前のゲインは−52dBであり、劣化後のゲインは−34dBであり、劣化後のゲインは、劣化前のゲインに比べて、18dBも高い(約8倍)。
図6に、基本機器モデルを示す。基本機器モデルは、図3に示す等価回路において、フィルタ回路44を除去した回路(Zfを0Ωとし、Zc(t)を無限大とした回路)において、Zsに流れる電流(Ih(t)或いはIs(t))の高調波成分の特徴を示すモデルである。
図7に、劣化前機器モデルを示す。劣化前機器モデルは、図3に示す等価回路において、Zc(t)が劣化前のインピーダンスであるときに、Zsに流れる電流(Ih(t))の高調波成分の特徴を示すモデルである。劣化前機器モデルは、基本機器モデルに対して、劣化前のフィルタ回路44の周波数特性を加味することにより得られる。劣化前機器モデルは、基本機器モデルと比較すると、0.4MHzにおける強度が高く、他の周波数における強度が低くなっている。これは、劣化前のフィルタ回路44の周波数特性を示すグラフ510のピークが0.4MHz程度であることによる。
以下、図5に示すフィルタ特性に基づいて、図6に示す基本機器モデルから図7に示す劣化前機器モデルを生成する手法について説明する。まず、図5を参照すると、劣化前のフィルタ特性におけるゲインのピークは約0.4MHzであり、劣化後のフィルタ特性におけるゲインのピークは約1MHzである。そこで、0.4MHzと1MHzとに注目して説明する。劣化前のフィルタ特性では、0MHzのゲイン(約−40dB)を基準とすると、0.4MHzのゲイン(約−33dB)は約7dBプラスであり、1MHzのゲイン(約−52dB)は約12dBマイナスである。このため、図6に示す基本機器モデルにおいて、0.4MHzの周波数成分を約2.2倍(107/20)にし、1MHzの周波数成分を約1/4倍(10−12/20)にしたものを、図7に示す劣化前機器モデルとする。なお、他の周波数成分に関しても同様に、劣化前のフィルタ特性のゲインに応じて増減させる。
図8に、劣化後機器モデルを示す。劣化後機器モデルは、図3に示す等価回路において、Zc(t)が劣化後のインピーダンスであるときに、Zsに流れる電流(Ih(t))の高調波成分の特徴を示すモデルである。劣化後機器モデルは、基本機器モデルに対して、劣化後のフィルタ回路44の周波数特性を加味することにより得られる。劣化後機器モデルは、基本機器モデルと比較すると、1.0MHzにおける強度が高く、他の周波数における強度が低くなっている。これは、劣化後のフィルタ回路44の周波数特性を示すグラフ520のピークが1.0MHz程度であることによる。
以下、図5に示すフィルタ特性に基づいて、図6に示す基本機器モデルから図8に示す劣化後機器モデルを生成する手法について説明する。ここでも、0.4MHzと1MHzとに注目して説明する。劣化後のフィルタ特性では、0MHzのゲイン(約−40dB)を基準とすると、0.4MHzのゲイン(約−39dB)は約1dBプラスであり、1MHzのゲイン(約−34dB)は約6dBプラスである。このため、図6に示す基本機器モデルにおいて、0.4MHzの周波数成分を約1.1倍(101/20)にし、1MHzの周波数成分を約2倍(106/20)にしたものを、図8に示す劣化後機器モデルとする。なお、他の周波数成分に関しても同様に、劣化後のフィルタ特性のゲインに応じて増減させる。
次に、図9を参照して、劣化検出装置100が実行する劣化検出処理について説明する。劣化検出処理は、例えば、劣化検出装置100の電源が投入されたことに応答して開始される。まず、劣化検出装置100は、機器モデル生成処理を実行する(ステップS101)。機器モデル生成処理については、図10を参照して説明する。
機器モデル生成処理では、まず、通信部101は、クラウドサーバ300から、電気機器毎に、基本機器モデルを取得する(ステップS201)。なお、通信部101は、取得した基本機器モデルを基本機器モデル記憶部102に記憶させる。ステップS201の処理が完了すると、通信部101は、クラウドサーバ300から劣化前フィルタモデルを取得する(ステップS202)。なお、通信部101は、取得した劣化前フィルタモデルをフィルタモデル記憶部103に記憶させる。ステップS202の処理が完了すると、通信部101は、クラウドサーバ300から劣化後フィルタモデルを取得する(ステップS203)。なお、通信部101は、取得した劣化後フィルタモデルをフィルタモデル記憶部103に記憶させる。
ステップS203の処理が完了すると、機器モデル生成部104は、電気機器を選択する(ステップS204)。ステップS204の処理が完了すると、機器モデル生成部104は、選択された電気機器について、劣化前機器モデルを生成する(ステップS205)。なお、機器モデル生成部104は、生成した劣化前機器モデルを機器モデル記憶部105に記憶させる。ステップS205の処理が完了すると、機器モデル生成部104は、選択された電気機器について、劣化後機器モデルを生成する(ステップS206)。なお、機器モデル生成部104は、生成した劣化後機器モデルを機器モデル記憶部105に記憶させる。
ステップS206の処理が完了すると、機器モデル生成部104は、未選択の電気機器があるか否かを判別する(ステップS207)。機器モデル生成部104は、未選択の電気機器があると判別すると(ステップS207:YES)、ステップS204に処理を戻し、他の電気機器を選択する。一方、機器モデル生成部104は、未選択の電気機器がないと判別すると(ステップS207:NO)、機器モデル生成処理を完了する。
機器モデル生成処理を完了すると、波形生成部107は、電流波形を生成する(ステップS102)。ステップS102の処理が完了すると、周波数解析部108は、生成された電流波形の周波数を解析する(ステップS103)。例えば、周波数解析部108は、生成された電流波形を、ウェーブレット変換することにより、周波数成分毎の時系列データを取得する。
ステップS103の処理が完了すると、動作確率推定部109は、電気機器を選択する(ステップS104)。ステップS104の処理が完了すると、動作確率推定部109は、特徴量を算出する(ステップS105)。例えば、動作確率推定部109は、周波数成分毎の時系列データから、0.4MHzの時系列データと、1MHzの時系列データと、を抽出する。
ステップS105の処理が完了すると、動作確率推定部109は、劣化前機器モデルの動作確率を推定する(ステップS106)。例えば、動作確率推定部109は、抽出された0.4MHzの時系列データと、劣化前機器モデルにおける0.4MHzの時系列データとの相関係数を求め、劣化前機器モデルの動作確率を推定する。ステップS106の処理が完了すると、動作確率推定部109は、劣化後機器モデルの動作確率を推定する(ステップS107)。例えば、動作確率推定部109は、抽出された1MHzの時系列データと、劣化後機器モデルにおける1MHzの時系列データとの相関係数を求め、劣化後機器モデルの動作確率を推定する。
ステップS107の処理が完了すると、劣化検出部110は、コンセントが劣化しているか否かを判別する(ステップS108)。例えば、劣化検出部110は、劣化前機器モデルの動作確率と劣化後機器モデルの動作確率とが50%以上であり、劣化前機器モデルの動作確率よりも劣化後機器モデルの動作確率の方が高い場合、選択された電気機器が接続されたコンセントが劣化していると判定する。
劣化検出部110が、コンセントが劣化していると判別すると(ステップS108:YES)、表示部111は、コンセントが劣化している旨を表示する(ステップS109)。なお、表示部111は、コンセントが劣化している旨のメッセージに加え、劣化したコンセントに接続されている電気機器を示す情報を表示する。劣化検出部110が、コンセントが劣化していないと判別した場合(ステップS108:NO)、又は、ステップS109の処理が完了した場合、動作確率推定部109は、未選択の電気機器があるか否かを判別する(ステップS110)。
動作確率推定部109は、未選択の電気機器があると判別すると(ステップS110:YES)、ステップS104に処理を戻して、未選択の電気機器を選択する。一方、動作確率推定部109は、未選択の電気機器がないと判別すると(ステップS110:NO)、予め定められた時間ウェイトする(ステップS111)。予め定められた時間は、例えば、1日である。動作確率推定部109は、ステップS111の処理を完了すると、ステップS102に処理を戻す。
本実施形態では、主幹ブレーカ30に流れる電流の波形から求められた特徴量と、劣化前機器モデルにおける特徴量と、劣化後機器モデルにおける特徴量と、に基づいて、劣化後のコンセント41に接続された電気機器を示す情報が表示される。従って、本実施形態によれば、トラッキング現象の発生に繋がるコンセントの劣化を、早い段階で検出し、早い段階でユーザに知らせることができる。
また、上述した特許文献1に記載された湿潤劣化検出装置は、電気機器毎に設ける必要があった。しかしながら、本実施形態に係る劣化検出装置100は、電気機器毎に設ける必要はなく、主幹ブレーカ30に流れる電流を監視することにより、どの電気機器が接続されたコンセントが劣化したのかを検知することができる。また、本実施形態では、電気機器には特別な機能を持たせなくてもよい。
また、本実施形態では、基本機器モデルと劣化前フィルタ回路における周波数特性とに基づいて劣化前機器モデルが生成され、基本機器モデルと劣化後フィルタ回路における周波数特性とに基づいて劣化後機器モデルが生成される。つまり、本実施形態では、入手しやすいと考えられるモデル(基本機器モデル、劣化前フィルタモデル、劣化後フィルタモデル)から、入手しにくいと考えられるモデル(劣化前機器モデル、劣化後機器モデル)が生成される。このため、本実施形態によれば、入手しにくいと考えられる膨大な量のモデル(劣化前機器モデル、劣化後機器モデル)を、予め入手しなくてもよい。
つまり、基本機器モデルは、基本的に、電気機器の種別に対応するモデルであるため、電気機器の種別毎に用意されていればよい。また、基本機器モデルは、電気機器のメーカーにより提供される可能性もある。また、劣化前フィルタモデルや劣化後フィルタモデルは、例えば、コンセントの種別やコンセントから主幹ブレーカ30までの配線長に対応するモデルである。コンセントの種別により周波数特性がそれほど変わらないとすれば、劣化前フィルタモデルや劣化後フィルタモデルは、配線長毎に用意すればよい。つまり、基本機器モデルと劣化前フィルタモデルと劣化後フィルタモデルとから劣化前機器モデルと劣化後機器モデルとを生成する場合、それ程、多くの情報を用意しなくて済む。一方、劣化前機器モデルや劣化後機器モデルを予め用意しようとすると、電気機器の種別と配線長との組み合わせ分用意する必要があり、膨大な手間や膨大な記憶容量が必要になると考えられる。
また、本実施形態では、劣化前動作確率と劣化後動作確率とが予め定められた閾値以上であり、劣化前動作確率よりも劣化後動作確率の方が高い場合に、コンセントが劣化している旨が報知される。つまり、本実施形態では、まず、劣化前動作確率と劣化後動作確率との双方の高さにより、いずれかの電気機器が動作しているか否かが判別され、次に、劣化前動作確率と劣化後動作確率との大小関係により、動作していると判別された電気機器に接続されたコンセントが劣化しているか否かが判別される。従って、本実施形態によれば、コンセントの劣化の誤検出を減らすことができる。
(実施形態2)
実施形態1では、劣化検出装置100が、劣化前機器モデルと劣化後機器モデルとに基づいて、劣化したコンセントを検出する例について説明した。本実施形態では、劣化検出装置120が、劣化前機器モデルと劣化後機器モデルとに基づかずに、劣化したコンセントを検出する例について説明する。本実施形態では、劣化検出装置120が劣化したコンセントを検出しやすくなるように、コンセントに接続される電気機器に、電気機器に固有のパターンの信号を出力する機能を持たせる。そして、本実施形態では、劣化検出装置120は、電気機器に固有のパターンの信号のレベルがコンセントの劣化により増大したことを検知した場合に、この電気機器が接続されたコンセントが劣化したと判別する。なお、実施形態2では、実施形態1と重複する部分については、説明を省略又は簡略化する。
図11に示すように、実施形態2に係る劣化検出システム1100は、電流センサ10と、電圧センサ20と、劣化検出装置120と、に加え、電気機器(冷蔵庫214、エアコン224)を備える。冷蔵庫214は、高調波電流源215と、電圧測定器216と、を内蔵している。また、エアコン224は、高調波電流源225と、電圧測定器226と、を内蔵している。高調波電流源215は、基本的に、高調波電流源225と同様の機能を有する。また、電圧測定器216は、基本的に、電圧測定器226と同様の機能を有する。以下、冷蔵庫214を例にして、高調波電流源215と、電圧測定器216と、について説明する。
図12に示すように、高調波電流源215は、冷蔵庫214に特有の高調波を有する電流を流すために設けられた電流源である。高調波電流源215は、内部インピーダンス217と、高調波電圧源218と、を備える。内部インピーダンス217は、内部インピーダンス212に対応し、高調波電圧源218は、高調波電圧源213に対応する。つまり、高調波電流源215は、冷蔵庫214が備える負荷回路(図示せず)の代わりに、特有の高調波を有する電流を流すための電流源である。なお、本実施形態では、冷蔵庫214が備える負荷回路(図示せず)は、特有の高調波を有する電流を流さず、高調波の検出に関しては無視できるものとする。
電圧測定器216は、高調波電圧源213がインピーダンス43の両端間に発生させた電圧を測定する。電圧測定器216の機能は、基本的に、電圧センサ20の機能と同様である。なお、高調波電圧源213がインピーダンス43の両端間に発生させる電圧は、フィルタ回路44の周波数特性に依存する。従って、高調波電圧源213が同じ電圧を出力したとしても、フィルタ回路44の周波数特性が変更されると、インピーダンス43の両端間に発生する電圧が変更される。
冷蔵庫214は、図示しないが、高調波電流源215と電圧測定器216とに加え、例えば、CPU、ROM、RAM、AD変換器、フラッシュメモリ、RTC、タッチスクリーン、NICを備える。
図13に示すように、冷蔵庫214は、機能的には、パターン記憶部201と、制御部202と、信号発生部203と、電圧測定部204と、周波数特性登録部205と、周波数特性記憶部206と、周波数決定部207と、を備える。パターン記憶部201、周波数特性記憶部206の機能は、例えば、フラッシュメモリの機能により実現される。制御部202、周波数特性登録部205、周波数決定部207の機能は、例えば、CPUとROMとRAMとが協働することにより実現される。信号発生部203の機能は、例えば、高調波電流源215の機能により実現される。電圧測定部204の機能は、例えば、電圧測定器216の機能により実現される。
パターン記憶部201は、冷蔵庫214に特有の信号パターンを記憶する。信号パターンの例を、図16に示す。図16に示す信号パターンは、±1V程度の高調波信号(例えば、0.8MHz程度)を、0.2秒周期で、3回出力するパターンである。なお、高調波信号の周波数は、フィルタ回路44の周波数特性を考慮して決定される。信号は、例えば、1分から10分程度の間隔で出力される。
制御部202は、種々の制御を実行する。例えば、制御部202は、信号発生部203による信号の発生を制御する。また、制御部202は、信号発生部203に対して、発生する信号の周波数を指示する。制御部202は、周波数特性を取得する場合、周波数を少しずつ増加又は減少させながら、信号発生部203に信号を出力させる。制御部202は、例えば、0.2MHzから2MHzの範囲で、周波数を変化させる。信号発生部203は、制御部202による制御に従って、制御部202により指定された周波数の信号を発生する。電圧測定部204は、信号発生部203が発生した信号の電圧を測定する。
周波数特性登録部205は、出力された信号の周波数と、電圧測定部204により測定された電圧と、の関係を対応付けることにより、周波数特性を特定する。周波数特性登録部205は、特定された周波数特性を、周波数特性記憶部206に記憶させる。周波数特性記憶部206は、周波数特性登録部205により特定された周波数特性を記憶する。
周波数決定部207は、周波数特性記憶部206に記憶された周波数特性に基づいて、信号発生部203に発生させる信号の周波数を決定する。例えば、図15におけるグラフ510により示される周波数特性が劣化前の周波数特性として記憶されているものとする。この場合、コンセント41が劣化すると、フィルタ回路44の周波数特性は、図15におけるグラフ520により示される周波数特性のように変化すると考えられる。つまり、ゲインのピークとなる周波数は、コンセント41の劣化により、高くなると考えられる。そこで、劣化前の周波数特性におけるピークの周波数よりも高い周波数を、信号発生部203に発生させる信号の周波数として決定する。これにより、信号発生部203が発生した信号のレベルの上昇を検出することで、コンセント41が劣化したことを検出することができるようになる。
例えば、図15に示す例では、劣化前におけるピークの周波数は、0.44MHzである。この場合、例えば、0.44MHzの1.5倍である0.66MHzから、0.44MHzの2.5倍である1.11MHz程度の周波数が、信号の周波数として決定される。例えば、0.44MHzの2倍である0.88MHzが、信号の周波数として決定される。
劣化検出装置120は、図示しないが、例えば、CPU、ROM、RAM、AD変換器、フラッシュメモリ、RTC、タッチスクリーン、NICを備える。図14に示すように、劣化検出装置120は、機能的には、通信部101と、AD変換部106と、波形生成部107と、周波数解析部108と、劣化検出部110と、表示部111と、周波数特定部113と、機器情報記憶部114と、パターン検出部115と、レベル検出部116と、を備える。
通信部101の機能は、例えば、CPUとNICとが協働することにより実現される。AD変換部106の機能は、例えば、AD変換器により実現される。波形生成部107、周波数解析部108、劣化検出部110、周波数特定部113、パターン検出部115、レベル検出部116の機能は、例えば、CPUとROMとRAMとが協働することにより実現される。表示部111の機能は、例えば、CPUとタッチスクリーンとが協働することにより実現される。機器情報記憶部114の機能は、例えば、フラッシュメモリの機能により実現される。
通信部101は、通信ネットワーク500を介して、機器情報を、クラウドサーバ300から取得する。機器情報は、電気機器の種別と、信号のパターンと、を対応付ける情報である。また、通信部101は、劣化検出部110から報知指示情報を受信した場合、通信ネットワーク500を介して、報知指示情報を端末装置400に送信する。AD変換部106は、電流センサ10から供給された電圧値と電圧センサ20から供給された電圧値とを、アナログ値からデジタル値に変換する。波形生成部107は、AD変換部106から供給された電圧値を変換及び連結して、電流波形と電圧波形とを生成する。
周波数解析部108は、波形生成部107により生成された電流波形を周波数解析する。例えば、周波数解析部108は、信号強度の高い周波数を特定するために、電流波形をウェーブレット変換や離散フーリエ変換する。劣化検出部110は、レベル検出部116により検出された信号レベルと、機器情報記憶部114に記憶された機器情報と、に基づいて、コンセントが劣化しているか否かを判別する。なお、機器情報は、電気機器の種別と、信号のパターンとに加え、信号の周波数と、信号の初期レベルとが、対応付けられている。そこで、劣化検出部110は、レベル検出部116により検出された信号レベルが、機器情報により示される信号の初期レベルに比べて増大している場合、コンセントが劣化していると判別する。劣化検出部110は、コンセントの劣化を検出した場合、報知指示情報を通信部101と表示部111とに送信する。表示部111は、劣化検出部110から報知指示情報を受信した場合、コンセントが劣化した旨のメッセージと、劣化したコンセントに接続されている電気機器を示す情報と、を表示する。
周波数特定部113は、周波数解析部108による周波数解析の結果に基づいて、信号の周波数を特定する。機器情報記憶部114は、通信部101から取得した機器情報を記憶する。機器情報記憶部114に記憶された機器情報には、パターン検出部115により指定された周波数と、レベル検出部116により検出された信号レベルと、が追加される。パターン検出部115は、周波数解析部108による周波数解析の結果と、周波数特定部113により特定された周波数と、機器情報記憶部114に記憶された機器情報に含まれる信号パターンと、に基づいて、信号レベルを検出する。パターン検出部115は、検出した信号パターンの周波数を、この信号パターンを有する機器情報に追加する。
レベル検出部116は、パターン検出部115により検出された信号の信号レベルを検出する。レベル検出部116は、新たな信号パターンの信号レベルを検出した場合、検出した信号レベルを、初期の信号レベルとして、検出された信号を含む機器情報に追加する。
次に、図17を参照して、冷蔵庫214が実行する信号出力処理について説明する。信号出力処理は、例えば、冷蔵庫214の電源が投入されたことに応答して開始される。まず、制御部202は、周波数を選択する(ステップS301)。制御部202は、最初は、0.2MHzを選択し、徐々に、選択する周波数を上げていき、最終的に、2.0MHzを選択する。つまり、選択可能な周波数は、0.2MHzから2.0MHzまでの間であり、選択済みの周波数よりも高い周波数であるものとする。
制御部202は、ステップS301の処理が完了すると、選択された周波数で信号を出力する(ステップS302)。制御部202は、信号発生部203を制御して、選択された周波数で信号を出力させる。電圧測定部204は、ステップS302の処理が完了すると、電圧を測定する(ステップS303)。周波数特性登録部205は、ステップS303の処理が完了すると、周波数と電圧との対応関係を周波数特性として周波数特性記憶部206に記憶させる(ステップS304)。
制御部202は、ステップS304の処理が完了すると、未選択の周波数があるか否かを判別する(ステップS305)。制御部202は、未選択の周波数があると判別すると(ステップS305:YES)、ステップS301に処理を戻し、選択済みの周波数よりもやや高い周波数を選択する。一方、制御部202が、未選択の周波数がないと判別すると(ステップS305:NO)、周波数決定部207は、出力する信号の周波数を決定する(ステップS306)。なお、未選択の周波数がないことは、周波数特性の取得が完了したことを意味する。従って、周波数決定部207は、取得された周波数特性を参照して、ゲインのピークの2倍程度の周波数を、出力する信号の周波数として決定する。
制御部202は、ステップS306の処理が完了すると、予め定められたパターンの信号を決定された周波数で出力する(ステップS307)。制御部202は、ステップS307の処理が完了すると、予め定められた時間(例えば、1分間)ウェイトする(ステップS308)。制御部202は、ステップS308の処理が完了すると、ステップS307に処理を戻す。このように、信号出力処理では、周波数特性が取得され、取得された周波数特性に基づいて信号の周波数が決定され、以後、定期的に、決定された周波数で予め定められたパターンの信号が出力される。
次に、図18を参照して、劣化検出装置120が実行する劣化検出処理について説明する。劣化検出処理は、例えば、劣化検出装置120の電源が投入されたことに応答して開始される。まず、劣化検出装置120は、周波数特定処理を実行する(ステップS401)。周波数特定処理に関しては、図19を参照して、詳細に説明する。
周波数特定処理では、まず、波形生成部107が、電流波形を生成する(ステップS501)。周波数解析部108は、ステップS501の処理が完了すると、生成された電流波形を周波数解析する(ステップS502)。周波数特定部113は、ステップS502の処理が完了すると、閾値以上の強度を有する周波数を特定する(ステップS503)。パターン検出部115は、ステップS503の処理が完了すると、特定された周波数の中から、周波数を選択する(ステップS504)。パターン検出部115は、ステップS504の処理が完了すると、選択した周波数で、信号パターンを検出する(ステップS505)。
レベル検出部116は、ステップS505の処理が完了すると、信号パターンのレベルを特定する(ステップS506)。ステップS506の処理が完了すると、パターン検出部115とレベル検出部116とは、選択された周波数と検出された信号レベルとを機器情報に追加する(ステップS507)。パターン検出部115は、ステップS507の処理が完了すると、特定された周波数のうち、未選択の周波数があるか否かを判別する(ステップS508)。パターン検出部115は、未選択の周波数があると判別すると(ステップS508:YES)、ステップS504に処理を戻し、未選択の周波数を選択する。一方、パターン検出部115は、未選択の周波数がないと判別すると(ステップS508:NO)、周波数特定処理を完了する。
波形生成部107は、周波数特定処理が完了すると、電流波形を生成する(ステップS402)。周波数解析部108は、ステップS402の処理が完了すると、生成された電流波形を周波数解析する(ステップS403)。パターン検出部115は、ステップS403の処理が完了すると、電気機器を選択する(ステップS404)。なお、電気機器を選択することは、電気機器が出力する信号の周波数を選択することである。パターン検出部115は、ステップS404の処理が完了すると、選択した周波数で、信号パターンを検出する(ステップS405)。レベル検出部116は、ステップS405の処理が完了すると、信号パターンのレベルを特定する(ステップS406)。
劣化検出部110は、ステップS406の処理が完了すると、選択された電気機器が接続されたコンセントが劣化しているか否かを判別する(ステップS407)。例えば、劣化検出部110は、検出された信号レベルが、機器情報により示される、初期の信号レベルの5倍になった場合、コンセントが劣化していると判別する。
劣化検出部110が、コンセントが劣化していると判別すると(ステップS407:YES)、表示部111は、コンセントが劣化している旨を表示する(ステップS408)。なお、表示部111は、コンセントが劣化している旨のメッセージに加え、劣化したコンセントに接続されている電気機器を示す情報を表示する。劣化検出部110が、コンセントが劣化していないと判別した場合(ステップS407:NO)、又は、ステップS408の処理が完了した場合、パターン検出部115は、未選択の電気機器があるか否かを判別する(ステップS409)。
パターン検出部115は、未選択の電気機器があると判別すると(ステップS409:YES)、ステップS404に処理を戻し、未選択の電気機器を選択する。一方、パターン検出部115は、未選択の電気機器がないと判別すると(ステップS409:NO)、予め定められた時間ウェイトする(ステップS410)。予め定められた時間は、例えば、1日である。パターン検出部115は、ステップS410の処理を完了すると、ステップS402に処理を戻す。
本実施形態では、主幹ブレーカ30に流れる電流の電流波形から検出された信号レベルと、初期の信号レベルと、に基づいて、劣化後のコンセント41に接続された電気機器を示す情報が表示される。従って、本実施形態によれば、トラッキング現象の発生に繋がるコンセントの劣化を、早い段階で検出し、早い段階でユーザに知らせることができる。また、本実施形態に係る劣化検出装置120は、電気機器毎に設ける必要はなく、主幹ブレーカ30に流れる電流を監視することにより、どの電気機器が接続されたコンセントが劣化したのかを検知することができる。
(実施形態3)
実施形態2では、劣化検出装置120が、フィルタ回路44の周波数特性の変化に伴う、信号レベルの変化を検出することにより、劣化したコンセント41を検出する例について説明した。本実施形態では、電気機器自身が、フィルタ回路44の周波数特性の変化に伴う、信号レベルの変化を検出することにより、劣化したコンセントを検出する例について説明する。なお、本実施形態にかかる電気機器は、電気機器に内蔵された劣化検出装置120と考えることもできる。なお、本実施形態では、実施形態2と重複する部分については、説明を省略又は簡略化する。
本実施形態に係る冷蔵庫230は、図示しないが、高調波電流源215と電圧測定器216とに加え、例えば、CPU、ROM、RAM、AD変換器、フラッシュメモリ、RTC、タッチスクリーン、NICを備える。
図20に示すように、冷蔵庫230は、機能的には、制御部202と、信号発生部203と、電圧測定部204と、周波数特性登録部205と、周波数特性記憶部206と、劣化検出部208と、表示部209と、を備える。制御部202、周波数特性登録部205、劣化検出部208の機能は、例えば、CPUとROMとRAMとが協働することにより実現される。信号発生部203の機能は、例えば、高調波電流源215の機能により実現される。電圧測定部204の機能は、例えば、電圧測定器216の機能により実現される。周波数特性記憶部206の機能は、例えば、フラッシュメモリの機能により実現される。表示部209の機能は、例えば、CPUとタッチスクリーンとが協働することにより実現される。
制御部202は、種々の制御を実行する。例えば、制御部202は、信号発生部203による信号の発生を制御する。また、制御部202は、信号発生部203に対して、発生する信号の周波数を指示する。制御部202は、周波数特性を取得する場合、周波数を少しずつ増加又は減少させながら、信号発生部203に信号を出力させる。制御部202は、例えば、0.2MHzから2MHzの範囲で、周波数を変化させる。信号発生部203は、制御部202による制御に従って、制御部202により指定された周波数の信号を発生する。電圧測定部204は、信号発生部203が発生した信号の電圧を測定する。制御部202は、周波数特性を取得する処理を、定期的(例えば、1日毎)に、実行する。
周波数特性登録部205は、出力された信号の周波数と、電圧測定部204により測定された電圧と、の関係を対応付けることにより、周波数特性を特定する。周波数特性登録部205は、特定された周波数特性を、周波数特性記憶部206に記憶させる。周波数特性記憶部206は、周波数特性登録部205により特定された周波数特性を記憶する。
劣化検出部208は、周波数特性記憶部206に記憶された周波数特性の履歴に基づいて、コンセントの劣化を検出する。例えば、劣化検出部208は、新たに取得された周波数特性におけるピーク周波数が、コンセントが劣化する前に取得された周波数特性におけるピーク周波数の1.5倍程度以上に高い場合、コンセントが劣化したと判別する。劣化検出部208は、コンセントの劣化を検出した場合、報知指示情報を表示部209に送信する。一方、表示部209は、報知指示情報を受信した場合、コンセントが劣化したことを示すメッセージを表示する。
次に、図21を参照して、冷蔵庫230が実行する劣化検出処理について説明する。劣化検出処理は、例えば、冷蔵庫230の電源が投入されたことに応答して開始される。まず、制御部202は、周波数を選択する(ステップS601)。制御部202は、最初は、0.2MHzを選択し、徐々に、選択する周波数を上げていき、最終的に、2.0MHzを選択する。つまり、選択可能な周波数は、0.2MHzから2.0MHzまでの間であり、選択済みの周波数よりも高い周波数であるものとする。
制御部202は、ステップS601の処理が完了すると、選択された周波数で信号を出力する(ステップS602)。制御部202は、信号発生部203を制御して、選択された周波数で信号を出力させる。電圧測定部204は、ステップS602の処理が完了すると、電圧を測定する(ステップS603)。周波数特性登録部205は、ステップS603の処理が完了すると、周波数と電圧との対応関係を周波数特性として周波数特性記憶部206に記憶させる(ステップS604)。
制御部202は、ステップS604の処理が完了すると、未選択の周波数があるか否かを判別する(ステップS605)。制御部202は、未選択の周波数があると判別すると(ステップS605:YES)、ステップS601に処理を戻し、選択済みの周波数よりもやや高い周波数を選択する。一方、制御部202が、未選択の周波数がないと判別すると(ステップS605:NO)、周波数特性登録部205は、周波数特性を周波数特性記憶部206に記憶させる(ステップS606)。
劣化検出部208は、ステップS606の処理が完了すると、周波数特性に変化があるか否かを判別する(ステップS607)。劣化検出部208は、周波数特性に変化がないと判別すると(ステップS607:NO)、予め定められた時間(例えば、1日)ウェイトし(ステップS608)、ステップS601に処理を戻す。一方、劣化検出部208が、周波数特性に変化があると判別すると(ステップS607:YES)、表示部209は、コンセントが劣化した旨を報知する(ステップS609)。ステップS609の処理が完了すると、劣化検出処理が完了する。
本実施形態では、電気機器が出力した高周波信号のレベルがピークとなる発振周波数(ピーク周波数)が予め定められた閾値以上増大した場合(例えば、検出されたピーク周波数が、当初に検出されたピーク周波数の5倍以上に増大した場合。この場合、閾値は、当初に検出されたピーク周波数の4倍である。)に、コンセントが劣化したことが報知される。従って、本実施形態によれば、トラッキング現象の発生に繋がるコンセントの劣化を、早い段階で検出し、早い段階でユーザに知らせることができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上記実施形態において説明した構成、機能、動作は、自由に組み合わせることができる。
例えば、劣化検出装置100とクラウドサーバ300と端末装置400とのいずれにどの機能を持たせるのかは、適宜、調整することができる。つまり、劣化検出システム1000が備える機能的な構成は、劣化検出装置100とクラウドサーバ300と端末装置400とのいずれが備えていてもよい。
また、実施形態1では、劣化検出装置100が有する機能を多くがソフトウェア(又は、ファームウェア)により実現される例、つまり、劣化検出装置100が有する機能を多くがプロセッサによるプログラムの実行により実現されるについて説明した。本発明において、このような機能は、ハードウェアにより実現されてもよい。この場合、例えば、劣化検出装置100は、CPUに代えて、処理回路を備える。この処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらの組合せにより構成される。
本発明に係る劣化検出装置100の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータを本発明に係る劣化検出装置100として機能させることも可能である。また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。