JPWO2018062312A1 - 偏光子、光アイソレータ、及び偏光抽出方法 - Google Patents

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Abstract

偏光子(1)は、入射光を偏光分離する偏光分離膜(10)を備えており、偏光分離膜(10)は、グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。

Description

本発明は、偏光分離膜を用いた偏光子、光アイソレータ、及び偏光抽出方法に関する。
通信、医療、製造、エネルギー、その他の産業における光技術を支えるキーデバイスのひとつとして、従来、偏光子が広く用いられている。ここで、偏光子とは、特定の偏光を抽出するための光学素子のことを指す。偏光子には、特定の偏光以外の偏光を吸収する吸収型の偏光子と、屈折、反射、又は回折などを利用して特定の偏光を抽出する非吸収型の偏光子とが存在する。非吸収型の偏光子は、抽出されなかった偏光を適宜変調したうえで再利用することが出来るので、光エネルギーの利用率向上の観点において、吸収型の偏光子よりも優れており、例えば、照明光学系において高い実用性を有する。
図11に示す偏光ビームスプリッタ5は、非吸収型の偏光子の一例である。偏光ビームスプリッタ5は、入射光をp偏光からなる透過光とs偏光からなる反射光とに分離する偏光分離膜50を2つのガラスブロック51,52で挟み込んだものであり、p偏光及びs偏光を入射光から抽出するための偏光子として利用される。このような偏光ビームスプリッタを開示した文献としては、例えば、非特許文献1が挙げられる。
国際公開第2014/098251号(国際公開日:2014年6月26日)
Eugene Hecht, Optics (4th Edition), Addison Wesley, pp.348-350, 2001
しかしながら、従来の非吸収型の偏光子には、低コスト化が困難であるという問題があった。
例えば、上述した偏光ビームスプリッタ、あるいは、液晶ディスプレイ等のバックライト(照明光学系)に使用されている偏光リサイクル型の偏光フィルムは、偏光分離膜を構成する誘電体多層膜が高価(特に対応する波長帯域が広いものほど層数が増えるので高価)であるため、低コストが困難である。また、回折型の偏光子においても微細加工にコストがかかる上、広い波長帯域への対応が困難である。また、グラントムソンプリズム、グランテラープリズム、グランレーザプリズムなどの結晶偏光子は、材料となるカルサイト(CaC0)やルチル(TiO)などの複屈折結晶が高価であるため、低コスト化が困難である。
また、誘電体多層膜や複屈折結晶を構成要素とする光アイソレータにおいても、同様の問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも低コスト化が容易な偏光子、光アイソレータ、及び偏光抽出方法を実現することにある。
本願発明者らは、誘電体多層膜よりも安価に製造可能な特許文献1に記載のグラファイト状窒化炭素フィルムが高い複屈折性(屈折率異方性)を有するという知見を得た。そして、この知見に基づき、グラファイト状窒化炭素フィルムを用いた新規な偏光子を創成するに至った。
すなわち、本発明に係る偏光子は、入射光を偏光分離する偏光分離膜を備え、上記偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成された偏光分離膜は、例えば、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離するか、又は、入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離する。入射光は、特定の偏光成分からなる光であってもよいし、自然光のようにあらゆる偏光成分を含む光であってもよい。
また、本発明に係る偏光子は、等方的な屈折率を有するコアと、上記コアの一方の主面に形成された第1偏光分離膜であって、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離する第1偏光分離膜と、上記コアの他方の主面に形成された第2偏光分離膜であって、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離する第2偏光分離膜と、を備え、上記第1偏光分離膜及び上記第2偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。
ここで、コアは、2つの主面を有する形状であればよく、組み込む先のデバイスに応じて種々の形状を取り得る。例えば、コアは、平板状(厚みが入射端面からの距離に依らず一定)であってもよいし、液晶ディスプレイのバックライトの導光板のように、楔状(厚みが入射端面から遠ざかるに従って薄くなる)であってもよい。
また、本発明に係る光アイソレータは、入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離する第1偏光分離膜と、上記第1偏光分離膜を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置されたファラデー回転子と、上記ファラデー回転子を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置された1/2波長板と、上記1/2波長板を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置された第2偏光分離膜と、を備え、上記第1偏光分離膜が、第1グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されており、上記第2偏光分離膜が、光学軸が上記第1グラファイト状窒化炭素フィルムの光学軸と平行になるように配置された第2グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。
また、本発明に係る偏光抽出方法は、偏光分離膜を用いて偏光分離する工程を含み、上記偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。
本発明によれば、従来よりも低コスト化が容易な偏光子、光アイソレータ、及び偏光抽出方法を実現することができる。
グラファイト状窒化炭素フィルムの面内方向及び膜厚方向の屈折率の波長依存性を示すグラフである。 グラファイト状窒化炭素フィルムの入射角毎の位相差を示すグラフである。 本発明に係る偏光子の第1の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る偏光子の第2の実施形態を示す断面図である。 図4に示す偏光子に関し、コアと偏光分離膜との境界面におけるp偏光及びs偏光の反射率の入射角依存性を示すグラフである。 図4に示す偏光子に関し、コアと偏光分離膜との境界面、及び、偏光分離膜と空気との境界面における反射を考慮に入れた、p偏光及びs偏光の反射率の入射角依存性を示すグラフである。 図4に示す偏光子の第1の変形例を示す断面図である。 図4に示す偏光子の第2の変形例を示す断面図である。 図8に示す偏光子に関し、コアと偏光分離膜との境界面、及び、偏光分離膜と高屈折率層との境界面における反射を考慮に入れた、p偏光及びs偏光の反射率の入射角依存性を示すグラフである。 本発明の光アイソレータの実施形態を示す断面図である。 従来の偏光子(偏光ビームスプリッタ)を示す斜視図である。
〔グラファイト状窒化炭素フィルムの光学特性〕
本発明の実施形態を説明する前に、まず、グラファイト状窒化炭素(g−C)フィルムの光学特性の測定結果について、図1〜図3を参照して説明する。
1.グラファイト状窒化炭素フィルムの作製
光学特性を測定するために、以下の方法によりグラファイト状窒化炭素フィルムを作製した。グアニジン炭酸塩(3.0g,16.7mmol)をガラス製の試験管(18mm径)の底に敷き詰め、この試験管の中間に無アルカリガラス製の基板(具体的には、イーグルXG(登録商標)製の基板)を設置し、穴を開けたアルミホイルでこの試験管に封をした。その後、この試験管を石英管の中に静置した状態で、窒素ガスをフローしながらチューブ型炉を用いてこの試験官を昇温した。具体的には、まず、430℃まで10℃/minで昇温し、更に、530℃又は535℃まで2℃/minで昇温した。その後、最高温度で30分間加熱した後、室温まで自然放冷したところ、基板上にグラファイト状窒化炭素フィルムを得た。なお、グラファイト状窒化炭素フィルムの製造方法の原理については、後述する〔製造方法の原理〕を参照されたい。
2.エリプソメーターによる屈折率測定
グラファイト状窒化炭素フィルムは、メレム構造単位が面内方向に2次元的に架橋されたg−C高分子からなるシート、又は、このシートが膜厚方向に積層された積層体であり、一軸構造を有する。このため、グラファイト状窒化炭素フィルムは、膜厚方向に平行な直線を光学軸とする複屈折性を有し、面内方向の屈折率(面内方向に伝播する光に対する屈折率)と膜厚方向の屈折率(膜厚方向に伝搬する光に対する屈折率)とが互いに異なる。このことは、例えば、偏光顕微鏡やコノスコープを用いた光学観察により容易に確認することができる。
そこで、グラファイト状窒化炭素フィルムの複屈折性を定量的に評価するために、上記のように作製したグラファイト状窒化炭素フィルムを、膜厚方向がz軸と平行になるようにxy平面上に配置し、面内方向の屈折率nxy及び膜厚方向の屈折率nを、入射光の波長を変えながら多入射角二重回転補償子型高速分光エリプソメーター(ジェー・エー・ウーラム社製のRC2−DI)を用いて測定した。なお、解析モデルとしては、ガラス基板上の単層膜モデルを用いた。また、エリプソメーター用のサンプルでは、フィルム作製の前に光を乱反射させるために基板裏面を機械的に荒らした。
図1は、測定により得られた屈折率nxy、nの波長依存性を示すグラフである。この測定の結果から、グラファイト状窒化炭素フィルムの複屈折性を表す屈折率差Δn=nxy−nは、420nm以上1690nm以下の波長帯域において1.22以下0.71以上であることが分かった。なお、平均二乗誤差は4.359であった。
3.偏光計による位相差測定
次に、上記のように作製したグラファイト状窒化炭素フィルムの入射角毎の位相差を、偏光計(アクソメトリクス社製のAxoScan)を用いて測定した。この際、入射光の波長は、550nmとした。
図2は、測定により得られた入射角毎の位相差を示すグラフである。この測定の結果から、公知の理論式を用いたフィッティングにより、グラファイト状窒化炭素フィルムの膜厚方向の位相差Rth={(nx+ny)/2−nz}dは、166nmであり、複屈折性を表す屈折率差Δnは、波長550nmにおいて1.0であることが分かった。なお、フィッティングに際しては、平均屈折率差(nx+ny)/2=1.8、膜厚d=160nmと仮定した。この結果は、エリプソメーターによる屈折率測定から得られる屈折率差Δnと整合する。
なお、位相差Rthの符号が正(nC)であることが知られているトリアセチルセルロースと重ねて測定を行ったところ、Rthの絶対値が大きくなった。このことから、グラファイト状窒化炭素フィルムの位相差Rthの符号は、正(nC)であることが確かめられた。
4.小括
以上の測定から、グラファイト状窒化炭素フィルムにおいては、面内方向の屈折率nxyと膜厚方向の屈折率nとが互いに異なることが確かめられた。また、グラファイト状窒化炭素フィルムの複屈折性を表す屈折率差Δn=nxy−nは、420nm以上1690nm以下の波長帯域において1.22以下0.71以上となることが確かめられた。すなわち、グラファイト状窒化炭素フィルムは、方解石、ルチル、PETフィルム、液晶性高分子などの従来材料と比べて格段に高い複屈折性を有することが確かめられた。
なお、グラファイト状窒化炭素フィルムを構成するg−C高分子は、従来の誘電体多層膜を構成する誘電体層よりも複屈折性が高い。このため、グラファイト状窒化炭素フィルムでは、従来の誘電体多層膜と同程度の偏波消光比を、従来の誘電体多層膜よりも少ない層数で実現できる。このため、従来の誘電体多層膜が抱える問題、すなわち、広帯域で高精度に偏光分離するために、誘電体多層膜の層数を増やすと残留応力差によりクラックや剥離などの脆化や欠損が生じ易くなるという問題に悩まされることなく、高い偏波消光比を有する偏光分離膜を実現することができる。
〔偏光子の第1の実施形態〕
グラファイト状窒化炭素(g−C)フィルムは、上述したように、面内方向の屈折率nxyが膜厚方向の屈折率nよりも高い媒質である。したがって、グラファイト状窒化炭素フィルムに斜め入射するs偏光(電界が入射面と垂直に振動する直線偏光)に対する屈折率nは、同じ入射角でグラファイト状窒化炭素フィルムに斜め入射するp偏光(電界が入射面と平行に振動する直線偏光)に対する屈折率nよりも高くなる。なぜなら、s偏光に対する屈折率nは、入射角に依存せず、面内方向の屈折率nxy(例えば、2.5程度)と同じ値を取るのに対して、p偏光に対する屈折率nは、入射角に依存して、膜厚方向の屈折率n(例えば、1.5程度)と面内方向の屈折率nxy(例えば、2.5程度)との間の値を取るからである。
このため、グラファイト状窒化炭素フィルムは、偏光子が備える偏光分離膜として用いることができる。具体的には、(a)入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光(s偏光及びp偏光の両方を含む)と、に分離する偏光分離膜、又は、(b)入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光(s偏光及びp偏光の両方を含む、又は、s偏光を主成分とする)と、に分離する偏光分離膜として用いることができる。ここで、正常光とは、屈折率が入射角に依存しない透過光のことを指し、異常光とは、屈折率が入射角に依存する透過光のことを指す。
本発明に係る偏光子の第1の実施形態について、図3を参照して説明する。図3の(a)及び(b)は、本実施形態に係る偏光子1の断面図である。
偏光子1は、図3の(a)及び(b)に示すように、偏光分離膜10を備えている。なお、図3においては、偏光分離膜10のみを備えた偏光子1(すなわち、偏光子1として機能する偏光分離膜10)を示しているが、偏光子1はこれに限定されない。すなわち、偏光子1は、偏光分離膜10に加えて、他の光学部品を備えていてもよい。例えば、複数のガラス基板の間に偏光分離膜10を挟み込んだものは、偏光子1の一例である。
偏光分離膜10は、グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。偏光分離膜10は、図示した座標系において、グラファイト状窒化炭素フィルムの面内方向がxy平面と平行になり、グラファイト状窒化炭素フィルムの膜厚方向がz軸と平行になるように配置されている。偏光分離膜10の2つの主面のうち、一方の主面は、媒質Iと接触しており、他方の主面は、媒質IIと接触している。媒質Iは、入射光及び反射光が伝播する媒質であり、媒質IIは、透過光が伝播する媒質である。
図3の(a)は、偏光分離膜10が、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離する様子を示す。
上述したように、グラファイト状窒化炭素フィルムにおいて、s偏光に対する屈折率nは、p偏光に対する屈折率nよりも高い。したがって、媒質Iの屈折率がp偏光に対する屈折率nよりも高く、s偏光に対する屈折率nよりも低い場合、入射角θiがΘp<θi(Θpは、p偏光に対する臨界角)であるときに、入射光に含まれるp偏光は、媒質Iとグラファイト状窒化炭素フィルムとの境界面において全反射され、入射光に含まれるs偏光は、一部が媒質Iからグラファイト状窒化炭素フィルムに入射し、残りの部分が媒質Iとグラファイト状窒化炭素フィルムとの境界面において反射される。また、媒質Iの屈折率がs偏光に対する屈折率nよりも高い場合、入射角θiがΘp<θi<Θs(Θsは、s偏光に対する臨界角)であるときに、入射光に含まれるp偏光は、媒質Iとグラファイト状窒化炭素フィルムとの境界面において全反射され、入射光に含まれるs偏光は、一部が媒質Iからグラファイト状窒化炭素フィルムに入射し、残りの部分が媒質Iとグラファイト状窒化炭素フィルムとの境界面において反射される。いずれの場合においても、グラファイト状窒化炭素フィルムに入射したs偏光は、正常光としてグラファイト状窒化炭素フィルムを透過する。すなわち、入射光は、図3の(a)に示すように、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離される。ここで、「s偏光を主成分とする」は、s偏光成分がp偏光成分と比べて十分に多いことを意味し、p偏光成分がノイズとして含まれる態様を排除しない。
なお、図3の(a)においては、媒質I及び媒質IIの屈折率が、グラファイト状窒化炭素フィルムの膜厚方向の屈折率nよりも高く、かつ、グラファイト状窒化炭素フィルムの面内方向の屈折率nxyよりも低いものと仮定して、各種光線を描いている。しかしながら、この仮定は、各種光線を図示するための便宜的なものに過ぎず、本発明を限定しない。すなわち、媒質Iの屈折率は、媒質Iと偏光分離膜10との境界面において、入射光に含まれるp偏光が全反射され、かつ、入射光に含まれるs偏光が全反射されないように定められていればよい。また、媒質IIの屈折率は、偏光分離膜10と媒質IIとの境界面において、透過光に含まれるs偏光が全反射されないように定められていればよい。
図3の(b)は、偏光分離膜10が、入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離する様子を示す。
上述したように、グラファイト状窒化炭素フィルムにおいて、s偏光に対する屈折率nは、入射角に依存せず、p偏光に対する屈折率nは、入射角に依存する。また、s偏光に対する屈折率nは、入射角θiが0°となる場合を除き、p偏光に対する屈折率nよりも高い。このため、入射角θiが0°<θi<Θp(Θpは、p偏光に対する臨界角)である場合、入射光に含まれるs偏光及びp偏光は、一部が媒質Iからグラファイト状窒化炭素フィルムに入射し、残りの部分が媒質Iとグラファイト状窒化炭素フィルムとの境界面において反射される。また、s偏光の屈折角θtsは、p偏光の屈折角θtpよりも小さくなる。すなわち、入射光は、図3の(b)に示すように、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離される。ここで、「s偏光を主成分とする」は、s偏光成分がp偏光成分と比べて十分に多いことを意味し、p偏光がノイズとして含まれる態様を排除しない。また、「p偏光を主成分とする」は、p偏光成分がs偏光成分と比べて十分に多いことを意味し、s偏光成分がノイズとして含まれる態様を排除しない。
なお、入射角θiがブリュースター角に相当する特定の角度θに一致する場合、p偏光に対する反射率がゼロになる。このため、反射光がp偏光成分を含まなくなる。すなわち、入射光は、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、s偏光を主成分とする反射光と、に分離される。このため、偏光分離膜10を備えた偏光子1は、s偏光を反射光として抽出する偏光子として利用することもできる。例えば、nxy=2.5、nz=1.5の偏光分離膜10を屈折率が1.8のガラス基板で挟み込んだ偏光子1は、屈折率が2.5の等方性媒質を屈折率が1.8のガラス基板で挟み込んだ偏光子よりも高い偏波消光比でs偏光を抽出することが可能である。
なお、図3の(b)においては、媒質I及び媒質IIの屈折率が、グラファイト状窒化炭素フィルムの膜厚方向の屈折率nよりも高く、かつ、グラファイト状窒化炭素フィルムの面内方向の屈折率nxyよりも低いものと仮定して、各種光線を描いている。しかしながら、この仮定は、各種光線を図示するための便宜的なものに過ぎず、本発明を限定しない。すなわち、媒質Iの屈折率は、媒質Iと偏光分離膜10との境界面において、入射光に含まれるp偏光及びs偏光が全反射されないように定められていればよい。また、媒質IIの屈折率は、偏光分離膜10と媒質IIとの境界面において、正常光及び異常光が全反射されないように定められていればよい。
〔偏光子の第2の実施形態〕
本発明に係る偏光子の第2の実施形態について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る偏光子2の断面図である。
偏光子2は、図4に示すように、コア20と、第1偏光分離膜21と、第2偏光分離膜22とを備えた光導波路型の偏光子である。
コア20は、等方的な屈折率を有する平板状の透明部材である。本実施形態においては、コア20として、ガラス基板を用いている。コア20は、図示した座標系において、2つの主面がxy面と平行になるように配置されている。以下、これら2つの主面のうち、z軸正方向側の主面を「上面」と呼び、z軸負方向側の主面を「下面」と呼ぶ。
なお、本実施形態においては、平板状の透明部材をコア20として用いているが、本発明はこれに限定されない。例えば、平板状の透明部材の代わりに、液晶ディスプレイのバックライト導光板のように、楔状の透明部材(厚みが入射端面から遠ざかるに従って薄くなる)をコア20として用いてもよい。また、偏光子全体の構造として、スラブ型導波路構造又はリッジ型導波路構造を採用してもよい。
また、本実施形態においては、ガラスをコア20の材料として用いているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、偏光分離する目的波長帯域で透明度が高く、かつ、光学的にほぼ等方的な物質であれば、コア20の材料として利用することができる。コア20の材料として利用可能な物質としては、各種ガラスの他に、直鎖型若しくは架橋型のアクリル樹脂又はメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などの透明ポリマー材料が挙げられる。
また、コア20の屈折率は、グラファイト状窒化炭素フィルムの面内方向の屈折率nxy(遅相軸方向屈折率)よりも低く、膜厚方向の屈折率n(進相軸方向屈折率)よりも高いことが好ましい。具体的には、波長550nmにおいて1.7以上2.2以下であることが好ましく、1.8以上2.0以下であることが更に好ましい。
コア20の上面には、第1偏光分離膜21が形成されている。第1偏光分離膜21は、グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されており、図示した座標系において、該グラファイト状窒化炭素フィルムの面内方向がxy平面と平行になり、該グラファイト状窒化炭素フィルムの膜厚方向がz軸と平行になるように配置されている。第1偏光分離膜21は、図4に示すように、入射光をs偏光を主成分とする透過光とp偏光及びs偏光の両方を含む反射光とに分離する。
コア20の下面には、第2偏光分離膜22が形成されている。第2偏光分離膜22は、グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されており、図示した座標系において、該グラファイト状窒化炭素フィルムの面内方向がxy平面と平行になり、該グラファイト状窒化炭素フィルムの膜厚方向がz軸と平行になるように配置されている。第2偏光分離膜22は、図4に示すように、入射光をs偏光を主成分とする透過光とp偏光及びs偏光の両方を含む反射光とに分離する。
コア20の屈折率を1.8、第1偏光分離膜21の面内方向の屈折率nxyを2.5、第1偏光分離膜21の膜厚方向の屈折率nを1.5と仮定した場合、コア20と第1偏光分離膜21との境界面におけるp偏光及びs偏光の反射率(1回の反射における反射率)Rp,Rsの入射角依存性は、図5に示すグラフのようになる。図5に示すグラフによれば、例えば、第1偏光分離膜21に対する入射角θiが60°となる入射光に関して、p偏光は上記境界面において全反射され、s偏光は上記境界面において14%が反射される(残り86%が上記境界面を透過する)ことが分かる。すなわち、第1偏光分離膜21に対する入射角θiが60°となる入射光は、上述したとおり、s偏光を主成分とする透過光とp偏光及びs偏光の両方を含む反射光とに分離される。第2偏光分離膜22についても、全く同様のことが言える。
以上のように構成された偏光子2は、p偏光を抽出するための偏光子として機能する。より具体的に言うと、コア20の一方の端面(図4におけるy軸負方向側の端面)から入力された自然光からs偏光を除去し、残ったp偏光をコア20の他方の端面(図4におけるy軸正方向側の端面)から出力する。
実際、コア20に入力された自然光に含まれるp偏光は、第1偏光分離膜21と第2偏光分離膜22とで交互に全反射されながら、他方の端面に向かってコア20を伝播する。一方、コア20に入力された自然光に含まれるs偏光は、第1偏光分離膜21(第2偏光分離膜22)に反射される度に、コア20から第1偏光分離膜21(第2偏光分離膜22)へと漏出する。このため、コア20の一方の端面に入力された自然光に含まれるs偏光は、コア20を伝播する過程で除去され、残ったp偏光がコア20の他方の端面から出力される。
なお、偏光子2は、グラファイト状窒化炭素フィルムの面内屈折率nxy(s偏光に対する屈折率nに一致)よりも高い屈折率を有する環境媒質中での使用を想定したものである。なぜなら、偏光子2をグラファイト状窒化炭素フィルムの面内屈折率nxyよりも低い屈折率を有する空気その他の環境媒質中で使用した場合、コア20から各偏光分離膜21,22に入射したs偏光が低屈折率媒質との境界面において全反射され、s偏光を除去する機能が損なわれる可能性があるからである。
偏光子2を空気(屈折率1.0)中で使用する場合、コア20と第1偏光分離膜21との境界面、及び、第1偏光分離膜21と空気との境界面における反射を考慮に入れた、p偏光及びs偏光の反射率(1回の反射における反射率)Rp,Rsの入射角依存性は、図6に示すようになる。ここでは、コア20の屈折率を1.8とし、第1偏光分離膜21の面内方向の屈折率nxyを2.5とし、第1偏光分離膜21の膜厚方向の屈折率nを1.5とし、第1偏光分離膜21の膜厚を550nmとしている。図6に示すグラフによれば、p偏光に対する反射率Rpが100%になるとき、s偏光に対する反射率Rsもまた100%になることが分かる。これは、偏光子2を空気中で使用した場合、s偏光を除去する機能が損なわれることを意味する。
偏光子2を空気中でも使用できるようにするためには、図7に示すように、偏光子2に第1散乱層23及び第2散乱層24を付加する構成、又は、図8に示すように、偏光子2に第1高屈折率層25及び第2高屈折率層26を付加する構成を採用すればよい。
図7に示す構成において、第1散乱層23は、第1偏光分離膜21の上面(コア20に接触する面と反対側の面)を覆い、コア20から第1偏光分離膜21に入射したs偏光を散乱する。同様に、第2散乱層24は、第2偏光分離膜22の下面(コア20に接触する面と反対側の面)を覆い、コア20から第2偏光分離膜22に入射したs偏光を散乱する。これにより、コア20から各偏光分離膜21,22に入射したs偏光が空気との境界面において全反射され、コア20に再入射する事態を回避することができる。なお、コア20から各偏光分離膜21,22に入射したs偏光の一部は、各散乱層23,24において散乱され、コア20に再入射し得る。ただし、このようにしてコア20に再入射するs偏光の光量は、各偏光分離膜21,22と空気との境界面における全反射によりコア20に再入射するs偏光の光量よりも少ない。したがって、s偏光を除去する機能を喪失するには至らない。
なお、各散乱層23、24については、凹凸表面、粒子分散層、フォトニクス結晶構造などが好適に用いられるが、前方散乱率が大きいものが好ましい。また、光線の入射角度範囲が狭い場合には、空気中へ出射し易いような角度を有する凹凸が形成された表面を採用することも有効である。
図8に示す構成において、第1高屈折率層25は、空気よりも高い屈折率を有する透明材料により構成されており、第1偏光分離膜21の上面(コア20に接触する面と反対側の面)を覆う。同様に、第2高屈折率層26は、空気よりも高い屈折率を有する透明材料により構成されており、第2偏光分離膜22の下面(コア20に接触する面と反対側の面)を覆う。これにより、コア20から各偏光分離膜21,22に入射したs偏光が空気との境界面において全反射され、コア20に再入射する事態を回避することができる。なお、コア20から各偏光分離膜21,22に入射したs偏光の一部は、各偏光分離膜21,22と各高屈折率層25,26との境界面、及び、各高屈折率層25,26と空気との境界面において反射され、コア20に再入射し得る。ただし、このようにしてコア20に再入射するs偏光の光量は、各偏光分離膜21,22と空気との境界面における全反射によりコア20に再入射するs偏光の光量よりも少ないので、s偏光を除去する機能を喪失するには至らない。
なお、各高屈折率層25、26を構成する透明材料の屈折率は、各偏光分離膜21、22の面内方向の屈折率nxy(遅相軸方向屈折率)以下であることが好ましい。各高屈折率層25、26の両側の界面には反射防止膜を設置したり、屈折率が連続的に変化する傾斜屈折率構造にしたりすることが好ましい。このような構成により、部分反射を低減することができる。また、各高屈折率層25、26の空気層との界面もしくは内部に、目的に応じて異方性散乱層を導入することも有効である。
また、偏光分離する目的波長帯域で透明度が高く、かつ、光学的にほぼ等方的な物質であれば、各高屈折率層25、26の材料として利用することができる。各高屈折率層25、26の材料として利用可能な物質としては、各種ガラスの他に、直鎖型若しくは架橋型アクリル樹脂又はメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などの透明ポリマー材料、又は、環状ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素樹脂が挙げられる。
第1高屈折率層25及び第2高屈折率層26としては、例えば、ガラス層を用いることができる。第1高屈折率層25として屈折率が1.8の十分に厚いガラス層を用いた場合、コア20と第1偏光分離膜21との境界面、及び、第1偏光分離膜21と第1高屈折率層25との境界面における反射を考慮に入れた、p偏光及びs偏光の反射率(1回の反射における反射率)Rp,Rsの入射角依存性は、図9に示すようになる。ここでは、コア20の屈折率を1.8とし、第1偏光分離膜21の面内方向の屈折率nxyを2.5とし、第1偏光分離膜21の膜厚方向の屈折率nを1.5とし、第1偏光分離膜21の膜厚を550nmとしている。図9に示すグラフによれば、例えば、第1偏光分離膜21に対する入射角θiが60°となる入射光に関して、p偏光は全反射されるのに対して、s偏光は5%が反射される(残り95%が透過する)ことが分かる。これは、偏光子2を空気中で使用した場合でも、s偏光を除去する機能が保たれることを意味する。
〔光アイソレータの実施形態〕
本発明に係る光アイソレータの実施形態について、図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る光アイソレータ3の断面図である。
光アイソレータ3は、第1光ファイバOF1から出力された前進光を第2光ファイバOF2に導くと共に、第2光ファイバOF2から出力された後進光を遮断する偏波無依存型の光アイソレータであり、図10に示すように、第1偏光分離膜31と、第2偏光分離膜32と、第1偏光分離膜31と第2偏光分離膜32との間に配置されたファラデー回転子33及び1/2波長板34と、を備えている。第1偏光分離膜31及び第2偏光分離膜32は、光学軸が互いに平行になるように配置されたグラファイト状窒化炭素フィルムに構成されている。
光アイソレータ3は、前進光を出力する第1光ファイバOF1と後進光を出力する第2光ファイバOF2との間に、第1偏光分離膜31を構成するグラファイト状窒化炭素フィルムに対する前進光の入射角θi、すなわち、第2偏光分離膜32を構成するグラファイト状窒化炭素フィルムに対する後進光の入射角θiが0°<θi<Θp(Θpは、p偏光に対する臨界角)となるように、挿入される。
このとき、光アイソレータ3を構成する各光学素子は、図10の(a)に示すように、第1光ファイバOF1から出力された前進光に対して、以下のように作用する。
すなわち、第1光ファイバOF1から出力された前進光は、まず、第1偏光分離膜31に入射する。第1偏光分離膜31は、第1光ファイバOF1から出力された前進光を、s偏光を主成分とする前進正常光と、p偏光を主成分とする前進異常光とに分離する。
第1偏光分離膜31を透過した前進正常光及び前進異常光は、次に、ファラデー回転子33に入射する。ファラデー回転子33は、第1偏光分離膜31を透過した前進正常透及び前進異常光の偏光方向を45°回転させる。
ファラデー回転子33を透過した前進正常光及び前進異常光は、次に、1/2波長板34に入射する。1/2波長板34は、ファラデー回転子33を透過した前進正常光及び前進異常光の偏光方向を45°回転させる。
ここで、1/2波長板34が前進正常光及び前進異常光の偏光方向を回転させる際の回転の向きは、ファラデー回転子33が前進正常光及び前進異常光の偏光方向を回転させる際の回転の向きと同一である。このため、1/2波長板34を透過した前進正常光は、p偏光として第2偏光分離膜32に入射し、1/2波長板34を透過した前進異常光は、s偏光として第2偏光分離膜32に入射する。
第2偏光分離膜32は、1/2波長板34を透過した前進正常光(p偏光)を、第1偏光分離膜31が前進異常光(p偏光)を屈折させたのと同じように屈折させ、1/2波長板34を透過した前進異常光(s偏光)を、第1偏光分離膜31が前進正常光(s偏光)を屈折させたのと同じように屈折させる。このため、第1偏光分離膜31を透過する際に生じた前進正常光と前進異常光との光軸のずれが、第2偏光分離膜32を透過する解消される。すなわち、1/2波長板34を透過した前進正常光と前進異常光とは、第2偏光分離膜32によって合成され、第2光ファイバOF2に入力される。
一方、光アイソレータ3を構成する各光学素子は、図10の(b)に示すように、第2光ファイバOF2から出力された後進光に対して、以下のように作用する。
すなわち、第2光ファイバOF2から出力された後進光は、まず、第2偏光分離膜32に入射する。第2偏光分離膜32は、第2光ファイバOF2から出力された後進光を、s偏光を主成分とする後進正常光と、p偏光を主成分とする後進異常光とに分離する。
第2偏光分離膜32を透過した後進正常光及び後進異常光は、次に、1/2波長板34に入射する。1/2波長板34は、第2偏光分離膜32を透過した後進正常透及び後進異常光の偏光方向を45°回転させる。
1/2波長板34を透過した後進正常光及び後進異常光は、次に、ファラデー回転子33に入射する。ファラデー回転子33は、1/2波長板34を透過した後進正常光及び後進異常光の偏光方向を45°回転させる。
ここで、ファラデー回転子33が後進正常光及び後進異常光の偏光方向を回転させる際の回転の向きは、1/2波長板34が後進正常光及び後進異常光の偏光方向を回転させる際の回転の向きと反対である。このため、ファラデー回転子33を透過した後進正常光は、s偏光として第1偏光分離膜31に入射し、ファラデー回転子33を透過した後進異常光は、p偏光として第1偏光分離膜31に入射する。
第1偏光分離膜31は、ファラデー回転子33を透過した後進正常光(s偏光)を、第2偏光分離膜32が前進正常光(s偏光)を屈折させたのと同じように屈折させ、ファラデー回転子33を透過した前進異常光(p偏光)を、第2偏光分離膜32が前進異常光(p偏光)を屈折させたのと同じように屈折させる。このため、第2偏光分離膜32を透過する際に生じた後進正常光と後進異常光との光軸のずれが、第1偏光分離膜31を透過する際に拡大される。そして、ファラデー回転子33を透過した後進正常光と後進異常光とは、第1偏光分離膜31によって合成されることも、第1光ファイバOF1に入力されることもない。
本実施形態に係る光アイソレータ3においては、第1偏光分離膜31及び第2偏光分離膜32としてグラファイト状窒化炭素フィルムを用いている。このため、第1偏光分離膜31及び第2偏光分離膜32として層数の多い誘電体多層膜を用いた従来の光アイソレータと比べて、コスト及び欠陥発生率を低く抑えることができる。異なる波長帯域に対応した複数の偏光分離膜を積層することなく、可視光帯域から近赤外光帯域までの幅広い波長帯域で光アイソレーションを実現できる点においても有用である。
〔製造方法の原理〕
グラファイト状窒化炭素フィルム(以下、「g−Cフィルム」とも記載)は、X m−で表される化合物(Xは、グアニジニウムイオン(「グアニジウムイオン」ともいう)、メラミニウムイオン、メラミウムイオン、メレミウムイオン、下記式(I)で示されるグアニジン誘導体イオン、または下記式(II)で示されるグアニジン誘導体イオンであり、Ym−は陰イオンであり、mはYの価数である)を原料として加熱し、当該化合物またはその反応物を気化させて、表面が負電荷を帯びているまたは表面にπ電子を有している加熱した基材の表面に付着させ、当該基材上で当該化合物またはその反応物を重合させて生成したものである。
・原料
原料として用いられる化合物は、X m−で表される化合物(「化合物X m−」と称する)である。X m−におけるXは、グアニジニウムイオン、メラミニウムイオン、メラミウムイオン、メレミウムイオン、下記式(I)で示されるグアニジン誘導体イオン、または下記式(II)で示されるグアニジン誘導体イオンである。
Figure 2018062312
上記式(I)におけるRは、アミノ基、ニトロ基、炭素数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキル基、−(CO)−R、ハロゲン、または一級アミド基である。−(CO)−Rにおけるnは1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。また、−(CO)の部分は、エチレンオキシド基であり、C原子がグアニジンのN原子に結合するものが意図される。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびイソブチル基等が挙げられる。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。Rとして好ましくは、アミノ基およびニトロ基である。
上記式(II)におけるRおよびRは、互いに独立して、アミノ基、ニトロ基、炭素数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキル基、−(CO)−R、ハロゲン、または一級アミド基である。−(CO)−Rおよびハロゲンについての説明は、上記式(I)における説明とそれぞれ同じである。RおよびRとして好ましくは、互いに独立して、アミノ基およびニトロ基である。
グアニジニウムイオン、メラミニウムイオン、メラミウムイオンおよびメレミウムイオンの構造は、それぞれ以下に示すとおりである。
Figure 2018062312
は、グアニジニウムイオン、メラミニウムイオン、メラミウムイオンまたはメレミウムイオンであることが好ましく、グアニジニウムイオンであることがより好ましい。
m−におけるYm−は陰イオンであり、mはYの価数である。陰イオンとしては、例えば、CO 2−、SO 2−、Cl、HPO 2−、NO 、SCN、SONH 、CrO 2−、p-toluenesulfonate、ReO 、およびRCOO等が挙げられる。RCOOにおけるRは特に限定されないが、低分子量の基であることが好ましく、例えば、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン化アルキル基、カルボキシ基、カルボキシアルキル基(−(CHCOOH)、および置換基を有してもよいフェニル基等が挙げられる。フェニル基が有する置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、およびカルボキシ基等が挙げられる。Rとしては、具体的には、以下のものが挙げられる。
Figure 2018062312
m−は、CO 2−、SO 2−、Cl、またはRCOOであることが好ましく、CO 2−またはRCOOであること、すなわち下記式(III)で示される陰イオン(下記式(III)において、Rは、OまたはRである)であることがより好ましい。Ym−は、CO 2−またはCHCOOであることがさらに好ましく、CO 2−であることが特に好ましい。
Figure 2018062312
m−がCO 2−である場合、化合物X m−には融点が存在しないため、化合物X m−またはその反応物が気化する前にCO 2−が系から抜け出しにくいと考えられる。そのため、Ym−がCO 2−である場合、Ym−が他の場合と比較して、気化する化合物X m−またはその反応物の量が多くなり、より効率的にフィルムを製造することができると考えられる。
で表される化合物としては、入手の容易さの観点から、グアニジンの酸塩が好ましい場合があり、g−Cフィルムの製造効率の観点から、グアニジン炭酸塩、グアニジン硫酸塩、グアニジン塩酸塩、およびグアニジン酢酸塩がより好ましく、グアニジン炭酸塩およびグアニジン酢酸塩がさらに好ましく、グアニジン炭酸塩が特に好ましい。
化合物X m−は、市販されているものでもよいし、公知の方法で合成してもよい。また、複数種の化合物を混合してもよいし、g−Cを形成し得る他の化合物と混合してもよい。
・g−Cフィルムの製造方法
上述の原料となる化合物を加熱して、当該化合物またはその反応物を気化させる。「その反応物」とは、原料の化合物が、加熱によって互いに反応し、別の構造の化合物に変化したものを指す。例えば原料としてグアニジン炭酸塩を用いた場合、加熱することにより、下記のスキームに従って変化することが予想される。
Figure 2018062312
また、上記のスキームにおいて、メレミウムイオンに変化すると気化(昇華)することが予想される。したがって、Xがグアニジニウムイオン、メラミニウムイオン、メラミウムイオン、式(I)で示されるグアニジン誘導体イオン、または式(II)で示されるグアニジン誘導体イオンである場合、気化して基材(この項目における「基材」は、表面に負電荷を有している基板を指す)に付着するのは、加熱によって生じたメレミウムイオン(塩の形態)であると考えられる。
なお、「気化」とは、液体が気体に変わること、および固体が直接気体に変わること(昇華)の両方を包含している。
用いる原料の量は、製造したいg−Cフィルムの膜厚および面積に応じて適宜決定すればよい。加熱する温度は、用いる原料の種類に応じて適宜決定すればよいが、例えば、300〜700℃であり、380〜550℃であることが好ましい。加熱時間は、製造したいg−Cフィルムの膜厚に応じて適宜設定し得るが、例えば、1分〜4時間とすることができる。
上述の気化した原料またはその反応物(「気化物質」と称する)を、表面が負電荷を帯びているまたは表面にπ電子を有している基材の表面に付着させる。気化物質は上述のように正電荷を有しているため、表面が負電荷を帯びている基材と電荷相互作用する。そのため、気化物質は表面が負電荷を帯びている基材の表面に付着する。また、気化物質はπ電子を有しているため、表面にπ電子を有している基材と相互作用する。そのため、気化物質は表面にπ電子を有している基材の表面に付着する。
このとき、基材は加熱されている。これにより、気化物質が基材の表面に付着すると、基材上で気化物質が次々に重合し、g−Cが生成する。g−Cを構成するのは、X m−のXに由来する部分である。陰イオン(Ym−)は、基材上におけるg−Cへの重合反応と同時に、気化物質のプロトン(H)と反応して脱離すると考えられる(後述の参考例を参照)。例えば、Ym−がCO 2−の場合、プロトンとCO 2−とが反応して、COおよびHOとなって脱離する。さらに、基材上にg−Cの層が形成されると、その後に気化した気化物質は、既に形成されているg−Cのπ電子との相互作用によって、g−Cの表面に付着(吸着)する。そして、g−C上でさらなるg−Cへの重合反応が進行する。このようにして、基材上でg−Cのフィルムを製造することができる。
基材を加熱する温度は、用いる原料の種類に応じて適宜決定すればよいが、例えば、300〜700℃であり、380〜550℃であることが好ましい。加熱時間は、製造したいg−Cフィルムの膜厚に応じて適宜設定し得るが、例えば、1分〜4時間とすることができる。
原料と基材とは、それぞれ別個に加熱してもよいし、一緒に加熱してもよい。簡便性の観点からは、原料と基材とを一つの加熱手段(例えば、加熱炉)内で一緒に加熱することが好ましい。また、原料および基材ならびに原料と基材との間の空間を一体的に加熱することによって、原料からg−Cへの重合反応(原料から気化物質への反応、気化、および気化物質からg−Cへの重合)が逐次的に起こるため、より良質なg−Cフィルムを製造することができる。
原料からg−Cへの重合反応(原料から気化物質への反応、気化、および気化物質からg−Cへの重合)を行う雰囲気としては、例えば、空気、窒素、アルゴン、およびヘリウム等が挙げられる。
また、例えば既存の有機EL用蒸着装置を転用することによって、大面積のg−Cフィルムを製造することも可能である。
以上のように、基材(基板)上にg−Cフィルムが形成されている光学素子を製造可能である。
ここで、さらに、基材上に形成されているg−Cフィルムの、基材との接触面と反対側の面に、光透過性の樹脂の層を形成し、それから、純水に浸すことによって、基材を剥離することができる。また、基材として例えばグラッシーカーボンを用いた場合、純水に浸すことなく、g−Cフィルムおよび樹脂の積層構造を、基材から剥離させ得る。この操作を行った場合の光学素子において、樹脂の層が基板として機能する。なお、樹脂の層の形成は、g−Cフィルムに対して樹脂材料を塗布(例えば、スピンコートなどによって)し、従来の方法(例えば、熱重合および光硬化)にしたがって樹脂の層を形成することによって、実施され得る。
〔総括〕
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る偏光子は、入射光を偏光分離する偏光分離膜を備え、上記偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。また、本発明の各実施形態に係る偏光抽出方法は、偏光分離膜を用いて入射光を偏光分離する工程を含み、上記偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。
グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成された偏光分離膜は、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離するか、又は、入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離する機能を有している。また、グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成された偏光分離膜は、誘電体多層膜よりも安価に製造することが可能である。したがって、上記の構成によれば、誘電体多層膜を偏光分離膜として用いた従来の偏光子と比べて、低コスト化が容易な偏光子及び偏光抽出方法を実現することができる。
本発明の第2の実施形態に係る偏光子は、等方的な屈折率を有するコアと、上記コアの一方の主面に形成された第1偏光分離膜であって、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離する第1偏光分離膜と、上記コアの他方の主面に形成された第2偏光分離膜であって、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離する第2偏光分離膜と、を備え、上記第1偏光分離膜及び上記第2偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。
上記の構成によれば、p偏光を抽出する偏光子を、従来よりも低コストに実現することができる。
本発明の第2の実施形態に係る偏光子は、上記第1偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第1散乱層であって、上記第1偏光分離膜を透過した光を散乱する第1散乱層と、上記第2偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第2散乱層であって、上記第2偏光分離膜を透過した光を散乱する第2散乱層と、を更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、空気中でもp偏光を抽出することが可能な偏光子を、従来よりも低コストに実現することができる。
本発明の第2の実施形態に係る偏光子は、上記第1偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第1高屈折率層であって、屈折率が空気よりも高い第1高屈折率層と、上記第2偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第2高屈折率層であって、屈折率が空気よりも高い第2高屈折率層と、を更に備えている。
上記の構成によれば、空気中でもp偏光を抽出することが可能な偏光子を、従来よりも低コストに実現することができる。
本発明の実施形態に係る光アイソレータは、入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離する第1偏光分離膜と、上記第1偏光分離膜を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置されたファラデー回転子と、上記ファラデー回転子を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置された1/2波長板と、上記1/2波長板を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置された第2偏光分離膜と、を備え、上記第1偏光分離膜が、第1グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されており、上記第2偏光分離膜が、光学軸が上記第1グラファイト状窒化炭素フィルムの光学軸と平行になるように配置された第2グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている。
上記の構成によれば、カルサイトやルチルなどの複屈折結晶を構成要素として含む従来の光アイソレータと比べて、低コスト化が容易な光アイソレータを実現することができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 偏光子(第1の実施形態)
10 偏光分離膜
2 偏光子(第2の実施形態)
20 コア
21 第1偏光分離膜
22 第2偏光分離膜
23 第1散乱層
24 第2散乱層
25 第1高屈折率層
26 第2高屈折率層
3 アイソレータ
31 第1偏光分離膜
32 第2偏光分離膜
33 ファラデー回転子
34 1/2波長板

Claims (7)

  1. 入射光を偏光分離する偏光分離膜を備え、
    上記偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている、偏光子。
  2. 上記偏光分離膜は、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離するか、又は、入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離する、
    請求項1に記載の偏光子。
  3. 等方的な屈折率を有するコアを更に備え、
    上記偏光分離膜は、
    上記コアの一方の主面に形成された第1偏光分離膜であって、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離する第1偏光分離膜と、
    上記コアの他方の主面に形成された第2偏光分離膜であって、入射光を、s偏光を主成分とする透過光と、反射光と、に分離する第2偏光分離膜と、を含み、
    上記第1偏光分離膜及び上記第2偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている、
    請求項1に記載の偏光子。
  4. 上記第1偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第1散乱層であって、上記第1偏光分離膜を透過した光を散乱する第1散乱層と、
    上記第2偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第2散乱層であって、上記第2偏光分離膜を透過した光を散乱する第2散乱層と、を更に備えている、
    請求項3に記載の偏光子。
  5. 上記第1偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第1高屈折率層であって、屈折率が空気よりも高い第1高屈折率層と、
    上記第2偏光分離膜の上記コアと接触する面と反対側の面を覆う第2高屈折率層であって、屈折率が空気よりも高い第2高屈折率層と、を更に備えている、
    請求項3に記載の偏光子。
  6. 入射光を、s偏光を主成分とする正常光と、p偏光を主成分とする異常光と、反射光と、に分離する第1偏光分離膜と、
    上記第1偏光分離膜を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置されたファラデー回転子と、
    上記ファラデー回転子を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置された1/2波長板と、
    上記1/2波長板を透過した上記正常光及び上記異常光の光路上に配置された第2偏光分離膜と、を備え、
    上記第1偏光分離膜が、第1グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されており、上記第2偏光分離膜が、光学軸が上記第1グラファイト状窒化炭素フィルムの光学軸と平行になるように配置された第2グラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている、光アイソレータ。
  7. 偏光分離膜を用いて入射光を偏光分離する工程を含み、
    上記偏光分離膜がグラファイト状窒化炭素フィルムにより構成されている、偏光抽出方法。
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