JPWO2018042821A1 - 誘導加熱装置および誘導加熱装置における負荷検知方法 - Google Patents

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Abstract

マルチコイル型の誘導加熱装置において、駆動部(4)は、高周波電力である検知電流を、複数の加熱コイル(3)に所定の検知周期で繰り返し供給する。制御部(50)は、第1検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイル(3)の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。制御部(50)は、上方に負荷が載置されていると所定回数連続して判定された、複数の加熱コイル(3)のうちの加熱コイルに関して、検知周期を延長する。制御部(50)は、上方に負荷が載置されていなかった加熱コイルの上方に負荷が載置されていると判定すると、延長された検知周期を短縮する。本態様によれば、マルチコイル型の誘導加熱装置において、省エネルギで短時間に精度よく負荷を検知することができる。

Description

本開示は、天板に載置された金属製の調理用鍋などの負荷を誘導加熱する誘導加熱装置に関し、特に天板の下方に設けられた多数の加熱コイルを有するマルチコイル型の誘導加熱装置に関する。
近年、マルチコイル型の誘導加熱調理器の開発が進んでいる。マルチコイル型の誘導加熱調理器は、天板の下方にマトリクス状に配置された多数の加熱コイルを備え、状況に応じて加熱領域を変更可能に構成される(特許文献1、2参照)。
特開2008−293871号公報 国際公開第2014/064931号
上記のように、特許文献1および2に開示されたマルチコイル型の加熱調理器は、天板上に載置された負荷の位置を検知し、作動させるべき一つまたは複数の加熱コイルを特定する。
この作業は、高周波電力である検知電流を加熱コイルに供給したときに、加熱調理器の電源と加熱コイルの各々とをそれぞれ接続する通電経路における電気信号の変化を検知することにより行われる。以下、この作業を負荷検知という。
いかにして、省エネルギで短時間に精度よく負荷検知を行うかが、マルチコイル型の誘導加熱装置の開発における解決すべき課題である。
本開示の一態様は、負荷を載置する天板と、天板の下方に設けられた複数の加熱コイルと、複数の加熱コイルに高周波電力を供給する少なくとも一つの駆動部と、駆動部に含まれた素子に関連する電気信号を検知する電気信号検知部と、検知された電気信号を入力し駆動部を制御する制御部とを備えた誘導加熱装置である。
本態様の誘導加熱装置において、制御部は、高周波電力である検知電流を、複数の加熱コイルに所定の検知周期で繰り返し供給するように、少なくとも一つの駆動部を制御し、検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
制御部は、複数の加熱コイルのうちの、上方に負荷が載置されていると判定された加熱コイルに関して、検知周期を延長するように駆動部を制御する。
本開示の他の態様は、誘導加熱装置における負荷検知方法である。本態様の負荷検知方法は、高周波電力である検知電流を、天板の下方に設けられた複数の加熱コイルに所定の検知周期で繰り返し供給するステップと、検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されているか否かを判定するステップと、複数の加熱コイルのうちの、上方に負荷が載置されていると判定された加熱コイルに関して、検知周期を延長するステップとを含む。
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。 図2は、実施の形態1の誘導加熱調理器の、天板を取り除いた状態における平面図である。 図3は、左加熱領域Lhと右加熱領域Rhと中央加熱領域Chとにそれぞれ含まれた区画AおよびBを示す図である。 図4は、二つの加熱コイル3が一つの駆動部4により駆動される区画に関する機能ブロック図である。 図5は、二つの加熱コイル3が一つの駆動部4により駆動される区画に関する回路ブロック図である。 図6Aは、図5に示す回路ブロック図の第1の変形例である回路ブロック図である。 図6Bは、図5に示す回路ブロック図の第2の変形例である回路ブロック図である。 図7Aは、載置検知のための検知電流の振幅のピーク値の時間的変化を模式的に示す図である。 図7Bは、載置検知のための検知電流の振幅のピーク値の時間的変化を模式的に示す図である。 図8Aは、検知期間Dp1におけるスイッチング素子19aおよび19bの動作を示すタイミングチャートである。 図8Bは、検知期間Dp2におけるスイッチング素子19aおよび19bの動作を示すタイミングチャートである。 図9Aは、実施の形態1に係る載置検知のためのフローチャートである。 図9Bは、実施の形態1に係る載置検知のためのフローチャートである。 図10Aは、実施の形態1に係る載置検知および位置特定のためのタイミングチャートである。 図10Bは、検知期間Dp1において、スイッチング素子19aおよび19bに入力されるゲート信号のタイミングチャートである。 図10Cは、検知期間Dp2において、スイッチング素子19aおよび19bに入力されるゲート信号のタイミングチャートである。 図10Dは、検知期間Dp3において、スイッチング素子19aおよび19bに入力されるゲート信号のタイミングチャートである。 図11は、実施の形態1に係る位置特定のためのフローチャートである。 図12Aは、実施の形態2に係る載置検知および位置特定のためのタイミングチャートである。 図12Bは、実施の形態2に係る位置特定のためのフローチャートである。 図13Aは、実施の形態3に係る検知周期の変更の概念を説明するための誘導加熱調理器のブロック図である。 図13Bは、実施の形態3に係る検知周期の変更の概念を説明するためのタイミングチャートである。 図14Aは、実施の形態3に係る検知周期の変更のためのフローチャートである。 図14Bは、実施の形態3に係る検知周期の変更のためのフローチャートである。 図15Aは、実施の形態4に係る載置状況の確定の概念を説明するためのタイミングチャートである。 図15Bは、実施の形態4に係る載置状況の確定の概念を説明するための載置状況のパターンを示す図である。 図16Aは、実施の形態4に係る最初の検知周期における載置状況の確定のためのフローチャートである。 図16Bは、実施の形態4に係る最初の検知周期における載置状況の確定のためのフローチャートである。 図17Aは、実施の形態4に係る2番目以降の検知周期における載置状況の確定のためのフローチャートである。 図17Bは、実施の形態4に係る2番目以降の検知周期における載置状況の確定のためのフローチャートである。 図17Cは、実施の形態4に係る2番目以降の検知周期における載置状況の確定のためのフローチャートである。 図18Aは、実施の形態5に係る載置検知のためのフローチャートである。 図18Bは、実施の形態5に係る載置検知のためのフローチャートである。 図19Aは、実施の形態5に係る位置特定のためのフローチャートである。 図19Bは、実施の形態5に係る位置特定のためのフローチャートである。 図20Aは、実施の形態5に係る載置状況の確定のためのフローチャートである。 図20Bは、実施の形態5に係る載置状況の確定のためのフローチャートである。 図21は、実施の形態5に係る載置状況の確定のためのフローチャートである。 図22Aは、実施の形態5に係る検知周期の変更のためのフローチャートである。 図22Bは、実施の形態5に係る検知周期の変更のためのフローチャートである。
本開示の第1の態様は、負荷を載置する天板と、天板の下方に設けられた複数の加熱コイルと、複数の加熱コイルに高周波電力を供給する駆動部と、駆動部に含まれた素子に関連した電気信号を検知する電気信号検知部と、検知された電気信号を入力し、駆動部を制御する制御部とを備えた誘導加熱装置である。
本態様の誘導加熱装置において、制御部は、高周波電力である第1検知電流を、複数の加熱コイルに供給するように、駆動部を制御し、第1検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
制御部は、第1検知電流により、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されていないと判定した場合、高周波電力であり、第1検知電流より電流値の大きい第2検知電流を、複数の加熱コイルに供給するように駆動部を制御する。制御部は、第2検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
本開示の第2の態様の誘導加熱装置は、第1の態様に加えて、制御部に制御されて、複数の加熱コイルの各々と駆動部との間をそれぞれ接続または切断する切替部をさらに備える。
第1検知電流または第2検知電流が供給される場合、制御部は、複数の加熱コイルのすべてを駆動部に接続するように、切替部を制御する。
制御部は、第1検知電流または第2検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されていると判定した場合、高周波電力である第3検知電流を、複数の加熱コイルの各々に順次個別に供給するように、駆動部および切替部を制御する。
制御部は、第3検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
本開示の第3の態様の誘導加熱装置によれば、第1の態様において、天板が少なくとも一つの加熱領域を有し、少なくとも一つの加熱領域が複数の区画を有し、複数の加熱コイルと駆動部とが、複数の区画のうちの一つの区画に対して設けられる。
本開示の第4の態様は、誘導加熱装置における負荷検知方法である。本態様の負荷検知方法は、高周波電力である第1検知電流を、天板の下方に設けられた複数の加熱コイルに供給するステップと、第1検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されているか否かを判定するステップとを含む。
本態様の負荷検知方法はさらに、第1検知電流により、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されていないと判定された場合、高周波電力であり、第1検知電流より電流値の大きい第2検知電流を、複数の加熱コイルに供給するステップと、第2検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されているか否かを判定するステップとを含む。
本開示の第5の態様の誘導加熱装置の負荷検知方法は、第4の態様に加えて、第1検知電流または第2検知電流が供給される場合、複数の加熱コイルのすべてを駆動部に接続するステップを含む。
本態様の負荷検知方法はさらに、第1検知電流または第2検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの上方に負荷が載置されていると判定された場合、高周波電力である第3検知電流を、複数の加熱コイルの各々に順次個別に供給するステップと、第3検知電流に応答した電気信号に基づいて、複数の加熱コイルの各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定するステップとを含む。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下のすべての図において、同一または相当部分には、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
実施の形態はいずれも本開示の一具体例である。実施の形態において示される数値、形状、構成、ステップ、および、ステップの順序などは一例であり、本開示を限定するものではない。
本開示は、いくつかの実施の形態に係る構成が適宜組み合わされた構成をも含む。そのため、組み合わされた構成は、関連する実施の形態のすべての効果を奏する。
ここでは、本開示の誘導加熱装置の一例としての誘導加熱調理器を説明する。しかし、本開示は誘導加熱調理器に限定されるものではない。
実施の形態において、左および右とは、誘導加熱調理器を操作中の使用者から誘導加熱調理器を見た場合における左および右をそれぞれ意味する。誘導加熱調理器の使用者側を誘導加熱調理器の前方、誘導加熱調理器の使用者側とは反対側を誘導加熱調理器の後方と定義する。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る誘導加熱装置である誘導加熱調理器を示す分解斜視図である。図2は、本実施の形態の誘導加熱調理器の、天板を取り除いた状態における平面図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の誘導加熱調理器は、筐体1と、筐体1の上部を覆う天板2と、筐体1の内部に設けられた複数の加熱コイル3および操作表示部5とを有する。
複数の加熱コイル3は、縦横の列に配置される。加熱コイル3は平面視で楕円形状を有する。
図2に示す加熱コイル3の配置により、天板2は、その左側に左加熱領域Lh、その右側に右加熱領域Rh、左加熱領域Lhと右加熱領域Rhとの間に中央加熱領域Chを有する。左加熱領域Lhと右加熱領域Rhとの間、かつ、中央加熱領域Chの前方には、操作表示領域Pが設けられる。
左加熱領域Lhおよび右加熱領域Rhの下方には、それぞれ四つの加熱コイル3が配置される。これらの加熱コイルは、楕円形状の長軸を左右方向に向けて前後方向に一列に並べられる。
中央加熱領域Chの下方には、三つの加熱コイル3が配置される。これらの加熱コイルは、楕円形の長軸を前後方向に向けて左右方向に一列に並べられる。左加熱領域Lhと右加熱領域Rhと中央加熱領域Chとにより、加熱領域Hが構成される。
本実施の形態において、左加熱領域Lh、右加熱領域Rh、中央加熱領域Chにそれぞれ設けられた加熱コイル3の数は一例であり、これらに限定されない。平面視で楕円形状の複数の加熱コイル3が用いられるが、平面視で円形の加熱コイルが用いられてもよい。楕円形状とは、厳密な意味での楕円形状だけでなく、卵形や、陸上競技のトラックのような形状など、曲線のコーナ部分を有する形状を含む。
操作表示部5は、操作表示領域Pの下方に設けられた液晶表示部を有するタッチパネル装置である。誘導加熱調理器が作動すると、操作表示部5は、操作ボタン、動作メニュー、操作内容、動作状態などを表示する。
図2に示すように、加熱領域Hに載置された負荷の温度を検知するために、複数の温度センサが設けられる。具体的には、左加熱領域Lhおよび右加熱領域Rhにおいて、隣接する二つの加熱コイル3の間に赤外線センサ6が設けられ、加熱コイル3の各々の中心にサーミスタ7が設けられる。
中央加熱領域Chにおいては、三つの加熱コイル3の中央に位置する加熱コイル3の中心に、サーミスタ7が設けられる。三つの加熱コイル3の両端に位置する二つの加熱コイル3の、左加熱領域Lhおよび右加熱領域Rhにそれぞれ面する外周に、それぞれサーミスタ7が設けられる。隣接する二つの加熱コイル3の間には、赤外線センサ6が設けられる。
本構成によれば、加熱領域H上のどこに負荷が載置されても、負荷の温度を精度高く検知できる。
筐体1の内部には、加熱コイル3を駆動する駆動部4(図2には不図示)と、操作表示部5や駆動部4などを制御する駆動制御部11(図2には不図示)とが設けられる。駆動部4、駆動制御部11については後述する。
図3は、左加熱領域Lh、右加熱領域Rh、中央加熱領域Chにそれぞれ含まれた二つの区画(区画AおよびB)を示す。
図3に示すように、左加熱領域Lhおよび右加熱領域Rhにおいて、区画Aは、二つの加熱コイル3、すなわち、加熱コイルA1とその後方に配置された加熱コイルA2とを有する。区画Bは、二つの加熱コイル3、すなわち、加熱コイルB1とその後方に配置された加熱コイルB2とを有する。
中央加熱領域Chにおいて、区画Aは、三つの加熱コイル3の右端の加熱コイル3、すなわち、加熱コイルA2を有する。区画Bは、残りの二つの加熱コイル3、すなわち、加熱コイルB1とその左側に配置された加熱コイルB2とを有する。
各区画に一つの駆動部4が設けられる。すなわち、本実施の形態の誘導加熱調理器は、合計六つの駆動部4を有する。中央加熱領域Chの区画Aでは、一つの駆動部4が一つの加熱コイル3を駆動する。それ以外の区画では、一つの駆動部4が、切替部8を介して二つの加熱コイル3を駆動する。
図4、図5はそれぞれ、二つの加熱コイル3が一つの駆動部4により駆動される区画(例えば、左加熱領域Lhの区画A)に関する機能ブロック図、回路ブロック図である。
図4、図5に示すように、二つの加熱コイル3(加熱コイルA1およびA2)は並列に接続される。切替部8は、駆動制御部11に制御され、加熱コイルA1、A2の各々と駆動部4との間をそれぞれ接続または切断するリレー8a、リレー8bを含む。リレー8a、8bは、機械式のリレーまたは半導体式のリレーで構成される。
駆動部4は商用電源12の電力を高周波電力に変換する。駆動部4は、リレー8a、リレー8bをそれぞれ経由して、加熱コイルA1およびA2に高周波電力を供給する。
負荷検知部10は、検知された入力電流、出力電流に基づいて、加熱コイルA1、加熱コイルA2の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。駆動制御部11は、その判定に応じて駆動部4を制御する。本実施の形態では、負荷検知部10と駆動制御部11とが制御部50を構成する。
駆動部4は、ダイオードブリッジ15と、フィルタ回路18と、インバータ9と、スナバコンデンサ20と、共振コンデンサ21aおよび21bと、入力電流検知器13と、出力電流検知器14とを備える。
ダイオードブリッジ15は、商用電源12の交流電力を整流し、直流電力を出力する。フィルタ回路18は、チョークコイル16とコンデンサ17とを有し、整流された直流電力をフィルタリングする。
インバータ9は、高圧側に配置されたスイッチング素子19aと、低圧側に配置されたスイッチング素子19bとが直列に接続されて構成される。スイッチング素子19aおよび19bには、例えばIGBTが用いられる。スイッチング素子19aおよび19bには、逆導通ダイオードがそれぞれ並列に接続される。インバータ9は、コンデンサ17の両端に接続される。
共振コンデンサ21aは、加熱コイルA1に直列接続され、加熱コイルA1とともに共振回路を構成する。共振コンデンサ21bは、加熱コイルA2に直列に接続され、加熱コイルA2とともに共振回路を構成する。
スナバコンデンサ20は、スイッチング素子19aおよび19bがオフするときに発生するスイッチング損失を低減する。スナバコンデンサ20は、スイッチング素子19bに並列に接続される。
入力電流検知器13は、ダイオードブリッジ15に供給される電流を検知する、駆動部4の入力側の電気信号検知部である。出力電流検知器14は、インバータ9に流れる電流を検知する、駆動部4の出力側の電気信号検知部である。これらの電気信号検知部により、電圧値、電流値、および、演算により得られる電力値が検出される。
図6Aは、図5に示す回路ブロック図の第1の変形例である回路ブロック図である。図6Aに示すように、本変形例では、駆動部4は、共振コンデンサ21aおよび21bの代わりに共振コンデンサ21cを含む。駆動部4は、入力電流検知器13および出力電流検知器14の代わりに、入力電圧検知器22および出力電流検知器23を含む。
さらに、駆動部4は、インバータ9と直列接続され、共振コンデンサ21cに発生する電圧を抑制するためのクランプコンデンサ24を含む。
入力電圧検知器22は、駆動部4の入力側の電気信号検知部である。出力電流検知器23は、駆動部4の出力側の電気信号検知部である。
共振コンデンサ21cは、並列に接続された加熱コイルA1およびA2のいずれとも並列に接続される。共振コンデンサ21cは、加熱コイルA1とともに一つの共振回路を構成し、加熱コイルA2とともに別の共振回路を構成する。
入力電圧検知器22は、フィルタ回路18の出力電圧を検知する、駆動部4の入力側の電気信号検知部である。出力電流検知器23は、インバータ9に流れる電流を検知する、駆動部4の出力側の電気信号検知部である。負荷検知部10は、入力電圧検知器22および出力電流検知器23の検出値に基づいて、天板2に負荷が載置されているか否かを判定する。
図6Bは、図5に示す回路ブロック図の第2の変形例である回路ブロック図である。図6Bに示すように、本変形例では、図6Aに示す第1の変形例の構成に加えて、駆動部4が、共振コンデンサ21cに並列接続された、共振コンデンサ21dおよびリレー25の直列体を有する。
本変形例では、リレー8a、リレー8bがともにオンされた場合、駆動制御部11はリレー25をオンする。共振コンデンサ21dが共振コンデンサ21cと並列接続されることで、共振コンデンサ21c、21dの合成静電容量がその場合に適した値に変化する。
[負荷検知]
本実施の形態の誘導加熱調理器は、複数の加熱コイル3を天板2の下方に並べることにより形成された広い加熱領域Hを有する。従って、加熱領域H上に載置された負荷の位置を素早く正確に検知し、作動させるべき加熱コイルを特定する必要がある。
そのために、本実施の形態の誘導加熱調理器は、起動後、負荷検知を周期的に実行する。負荷検知には、載置検知と位置特定とが含まれる。載置検知とは、加熱領域Hのどこかに負荷が載置されているか否かを判定することを意味し、位置特定とは、上方に負荷が載置されている加熱コイル3を特定することを意味する。
以下、左加熱領域Lhの区画Aおよび区画Bにおける処理について説明する。右加熱領域Rh、中央加熱領域Chにおいても同様の処理が並行して行われる。
[載置検知]
載置検知のために、負荷検知用の二種類の検知電流(検知電流Ds1、第2検知電流Ds2)が、区画AおよびBに配置された加熱コイル3に供給される。検知電流Ds2の電流値は、検知電流Ds1の電流値より大きい。これらの検知電流の電流値は、調理時に負荷を誘導加熱するための高周波電力の電流値より小さい。検知電流Ds1、検知電流Ds2は、第1検知電流、第2検知電流にそれぞれ相当する。
図7A、図7Bは、載置検知のために、区画AおよびBに配置された加熱コイル3に供給される検知電流の振幅のピーク値の時間的変化を模式的に示す。
図7Aに示すように、検知期間Dp1に、検知電流Ds1が区画A、Bに配置された加熱コイル3に供給される。これにより、比較的大きな負荷、例えば直径が約150mm以上の鍋を検知することができる。
検知電流Ds1により負荷が検知されなかった場合、図7Bに示すように、検知期間Dp1に続く検知期間Dp2に、検知電流Ds2が区画AおよびBに配置された加熱コイル3に供給される。検知期間Dp1、検知期間Dp2は、第1検知期間、第2検知期間にそれぞれ相当する。
図8Aは、検知期間Dp1における、スイッチング素子19aおよびスイッチング素子19bの動作を示すタイミングチャートである。図8Bは、検知期間Dp2における、スイッチング素子19aおよび19bの動作を示すタイミングチャートである。
図8Aに示すように、検知期間Dp1の間において、スイッチング素子19bがオン時間Ton1でオンされたとき、加熱コイル3に検知電流Ds1が流れる。
図8Bに示すように、検知期間Dp2の間において、スイッチング素子19bがオン時間Ton2でオンされたとき、加熱コイル3に検知電流Ds2が流れる。
オン時間Ton2は、オン時間Ton1より長い。検知期間Dp1、Dp2はいずれも10〜20msである。スイッチング素子19aおよび19bのスイッチング周期は50μ秒である。負荷検知を実行する周期(以下、検知周期という)は、例えば、1.2〜2.0秒の間のいずれかの時間である。本実施の形態において、所定の検知周期(検知周期T0)は1.7秒に設定される。
図9A、図9Bは、本実施の形態に係る載置検知のためのフローチャートである。載置検知は、使用者が操作表示部5に対して加熱開始を指示する前に行われなければならない。本実施の形態では、誘導加熱調理器が起動すると、載置検知が始まる。誘導加熱調理器の近傍に人が近づいたことを検知すると、載置検知が始まるように、誘導加熱調理器が近接センサを有してもよい。
図9Aに示すように、ステップS9−1において、駆動制御部11は、区画Aのリレー8a、8bのうちのオフされているリレー(もしあれば)をオンして、区画Aの加熱コイルA1およびA2をインバータ9に接続する。ステップS9−2において、駆動制御部11は、区画Bのリレー8a、8bのうちのオフされているリレー(もしあれば)をオンして、区画Bの加熱コイルB1およびB2をインバータ9に接続する。
載置検知が行われる前に、左加熱領域Lhのすべてのリレーがオンされ、すべての加熱コイル3がインバータ9に接続される。
ステップS9−3において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp1(10〜20ms)の間、第1所定時間であるオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。
ステップS9−4において、区画Aの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10は所定の判定を行う。
ステップS9−4における結果がYesである場合、ステップS9−7において、負荷検知部10は、区画A上に負荷が載置されていると判定する。
ステップS9−4における結果がNoである場合、ステップS9−5において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp2(10〜20ms)の間の第2所定時間であるオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS9−6において、入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10は、ステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS9−6における結果がYesである場合、ステップS9−7において、負荷検知部10は、区画A上に負荷が載置されていると判定する。ステップS9−6における結果がNoである場合、ステップS9−8において、負荷検知部10は、区画A上に負荷が載置されていないと判定する。
ステップS9−4およびS9−6における載置検知のための判定は、入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に基づいて行われる。
具体的には、負荷検知部10が、入力電流検知器13のための閾値である第1の閾値と、出力電流検知器14のための閾値である第2の閾値とを有する。負荷検知部10は、入力電流検知器13の検出値が第1の閾値以上となること、および、出力電流検知器14の検出値が第2の閾値以上となることを検知する。
どちらかの検出値が閾値以上となった場合に、負荷検知部10は、載置された負荷が、加熱コイルA1およびA2に対向する加熱領域Hの所定の割合(例えば40%)以上の面積を占有していると判定する。
載置検知のための判定は、上記のような検出値そのものに基づいた判定に加えて、または、その代わりに、入力電流検知器13、出力電流検知器14の各々における連続する二つの検出値の変化に基づいて行われてもよい。
ステップS9−4で使用される閾値は、ステップS9−6で使用される閾値と同じでも、異なってもよい。
同様に、図6Aおよび図6Bに示す変形例において、載置検知のための判定は、入力電圧検知器22および出力電流検知器23の検出値、および/または、入力電圧検知器22、出力電流検知器23の各々における連続する二つの検出値の変化に基づいて行われる。
上記のように、検知電流Ds1の電流値は検知電流Ds2の電流値より小さい。従って、検知期間Dp2に検知される負荷は、検知期間Dp1に検知される負荷より小さいものである。最小径110mmの小さな鍋は、検知期間Dp2に検知される負荷に該当するが、100mm×20mm×1.0mmより小さい金属製の物質(例えば、ナイフ、フォーク)は、検知期間Dp2に検知される負荷に該当しない。
次に、負荷検知部10は、区画Bに負荷が載置されているか否かを判定する。区画Bに対する載置検知は、区画Aに対する載置検知と実質的に同一である。
ステップS9−9において、並列に接続された加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp1(10〜20ms)の間の第1所定時間であるオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。処理は図9Bに進む。
ステップS9−10において、入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS9−10における結果がYesである場合、ステップS9−13において、負荷検知部10は、区画B上に負荷が載置されていると判定する。
ステップS9−10における結果がNoである場合、ステップS9−11において、並列に接続された加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp2(10〜20ms)の間の第2所定時間であるオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS9−12において、入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS9−12における結果がYesである場合、ステップS9−13において、負荷検知部10は、区画B上に負荷が載置されていると判定する。ステップS9−12における結果がNoである場合、ステップS9−14において、負荷検知部10は、区画B上に負荷が載置されていないと判定する。
ステップS9−10およびS9−12における判定は、ステップS9−4およびS9−6における判定とそれぞれ同様の方法で行われる。
載置検知は周期的に実行されるため、載置検知のために大きな高周波電流が用いられると、負荷が載置されていない加熱コイル3から、大きな漏洩磁界が発生する可能性がある。負荷が載置される加熱コイル3においては、負荷が不必要に加熱される可能性がある。
本実施の形態によれば、短い時間(オン時間Ton1)の間、検知電流Ds1を加熱コイル3に供給する。これにより、ある程度大きな負荷であれば、省エネルギで短時間に精度よく負荷を検知することができる。検知電流Ds1により負荷が検知されない場合、検知電流Ds2を用いて載置検知を再度行うことで、ある程度小さな負荷を検知することができる。
図5、図6A、図6Bに示す回路構成以外にも、本実施の形態の誘導加熱装置は、一つの駆動部4で一つの加熱コイルを駆動する構成を有してもよい。本実施の形態の誘導加熱装置は、切替部8を介して、一つの駆動部4で三つ以上の加熱コイル3を駆動する構成を有してもよい。
[位置特定]
図10Aは、左加熱領域Lhの区画AおよびBにおける載置検知および位置特定のためのタイミングチャートである。図10Aに示すように、本実施の形態では、所定の検知周期T0で、載置検知および位置特定が繰り返し行われる。検知周期T0において、まず上記の載置検知が、区画AおよびBに対して順次個別に行われる。
その後、区画Aの加熱コイルA1、区画Aの加熱コイルA2、区画Bの加熱コイルA1、区画Bの加熱コイルA2の順に、位置特定が行われる。区画AおよびBの切替部8は、検知期間Dp3の間、検知電流Ds3を供給するべき加熱コイル3に対応するリレーをオンするように、接続を切り替える。検知電流Ds3は第3検知電流に相当する。
加熱コイルA2への検知電流Ds3の供給後、区画Aのリレー8bはオンのまま保持される。加熱コイルB2への検知電流Ds3の供給後、区画Bのリレー8bはオンのまま保持される。
本実施の形態において、検知期間Dp3は200msである。スイッチング素子19aおよび19bのスイッチング周期は50μ秒である。検知周期T0は、1.2〜2.0秒の間のいずれかの時間である。検知周期T0は1.7秒に設定される。検知期間Dp3は第3検知期間に相当する。
図10Bに示す信号は、図8Aに示す信号と同じであり、載置検知を行うための検知期間Dp1(図10A参照)において、スイッチング素子19aおよび19bに入力されるゲート信号である。図10Bにおいて、オン時間Ton1は5μ秒であり、スイッチング素子19aおよび19bのスイッチング周期は50μ秒である。
図10Cに示す信号は、図8Bに示す信号と同じであり、載置検知を行うための検知期間Dp2(図10A参照)において、スイッチング素子19aおよび19bに入力されるゲート信号である。図10Cにおいて、オン時間Ton2は9μ秒であり、スイッチング素子19aおよび19bのスイッチング周期は50μ秒である。
図10Dに示す信号は、位置特定を行うための検知期間Dp3(図10A参照)において、スイッチング素子19aおよび19bに入力されるゲート信号である。
図10Dにおいて、スイッチング素子19bのオン時間Ton3は、所定の最大値まで徐々に長くなる。オン時間Ton3の最大値はオン時間Ton2より長い。オン時間Ton3が最大値になるまでに領域の特定が終了すると、オン時間Ton3の増加は終了する。
本実施の形態では、スイッチング素子19aおよび19bにおけるスイッチング動作の1周期は50μ秒である。オン時間Ton3は第3所定時間に相当する。なお、オン時間Ton3の増加に応じて、検知電流Ds3も増加する。
図11は、本実施の形態に係る位置特定のためのフローチャートである。載置検知の結果、区画A、Bのいずれかに負荷が載置されていると判定された場合に、位置特定が開始される。
図11に示すように、ステップS11−1において、図9Aに示す載置検知の結果が「区画A上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS11−2に進む。そうでない場合、処理はステップS11−3に進む。
ステップS11−2において、加熱コイルA1およびA2に順次個別に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、加熱コイルA1およびA2の各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定することにより、区画Aにおける位置特定を行う。
ステップS11−2における位置特定のための判定は、上記した載置検知と同様に、入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値、および/または、入力電流検知器13、出力電流検知器14の各々における連続する二つの検出値の変化に基づいて行われる。
区画Aに対する位置特定の後、ステップS11−3およびS11−4において、区画Bに対する位置特定が、ステップS11−1およびS11−2と同様に行われる。
操作表示部5は、加熱領域Hにおける負荷の載置状況に対応する操作表示領域Pの箇所を発光させる。これが、誘導加熱の開始前の、加熱コイル3のすべてに関して負荷検知が完了した状態である。以下、負荷の載置状況を単に載置状況という場合がある。
この状態において、駆動制御部11は、すべての切替部8のリレー8a、8bをオンする。これにより、負荷が載置されていない加熱領域Hの箇所において、負荷検知の実施が可能となるとともに、負荷が載置された加熱領域Hの箇所においても、引き続き負荷検知が行われる。
その結果、負荷が載置された加熱領域Hの箇所において載置状況が変化した場合に、その変化を検知することができる。載置状況の変化とは、負荷が移動、除去または追加されたことを意味する。
加熱コイルA1、A2がともにインバータ9に接続される状況において、例えば、加熱コイルA1の上方には負荷が載置され、加熱コイルA2の上方には負荷が載置されていない場合、リレー8bがオフされ、加熱コイルA2がインバータ9から切り離される。
この動作は、上記状況であると判定されてから所定回数連続して同じ検知結果が得られた場合に行われる。なぜならば、上記状況が検知された直後にこの動作が行われると、例えば使用者が負荷を持ち上げ、すぐに置き直しただけで、加熱コイルA2がインバータ9から切り離されるからである。
例えば、区画Aにおいて、切替部8が、例えば加熱コイルA1をインバータ9から切り離し、加熱コイルA2をインバータ9に接続している場合に、電気信号検知部の検出値に所定量以上の変化があったとき、加熱コイルA1、A2に対して順次個別に負荷検知が行われる。
その結果が、その検出値の変化を検知する前と同じであれば、駆動制御部11は、載置状況に変化なしと判定し、切替部8は、その検出値の変化を検知する前と同じ状態、すなわち、加熱コイルA1をインバータ9から切り離し、加熱コイルA2をインバータ9に接続する状態に戻る。なぜならば、その検出値の変化が、作動させるべき加熱コイル3を変更する必要のない、負荷の微少な移動によるものである可能性が高いからである。
その結果が、その検出値の変化を検知する前と異なる場合、加熱コイルA1およびA2の両方がインバータ9に接続され、負荷検知が実行される。
本実施の形態によれば、リレー8a、8bの動作を極力少なくすることができる。リレー8a、8bが機械式のリレーである場合には、切替音の発生を抑制することができる。
すべての加熱コイル3に対する負荷検知が完了すると、駆動制御部11は、すべての加熱コイル3をインバータ9に接続するよう、すべての切替部8のリレー8a、8bをオンする。
以上のように、本実施の形態の誘導加熱装置によれば、制御部50は、高周波電力である検知電流Ds1を、加熱コイルA1およびA2に供給するように、駆動部4を制御する。制御部50は、電気信号の変化に基づいて、加熱コイルA1およびA2の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
制御部50は、加熱コイルA1およびA2の上方に負荷が載置されていないと判定した場合、高周波電力であり、検知電流Ds1より電流値の大きい検知電流Ds2を、加熱コイルA1およびA2に供給するように駆動部4を制御する。
制御部50は、電気信号の変化に基づいて、加熱コイルA1およびA2の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
検知電流Ds1またはDs2が供給される場合、制御部50は、加熱コイルA1およびA2のすべてを駆動部4に接続するように、切替部8を制御する。制御部50は、電気信号の変化に基づいて、加熱コイルA1およびA2の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
制御部50は、加熱コイルA1およびA2の上方に負荷が載置されていると判定した場合、高周波電力である検知電流Ds3を、加熱コイルA1およびA2の各々に順次個別に供給するように、駆動部4および切替部8を制御する。制御部50は、加熱コイルA1およびA2の各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
また、本実施の形態の誘導加熱装置によれば、天板2が左加熱領域Lh、中央加熱領域Ch、右加熱領域Rhを有し、これらの加熱領域が区画AおよびBを有し、加熱コイルA1およびA2と駆動部4とが、区画AおよびBのうちの区画Aに対して設けられる。
これにより、加熱領域H上に載置された負荷の位置を素早く正確に検知し、作動させるべき加熱コイルを特定することができる。
さらに、本実施の形態の誘導加熱装置によれば、制御部50は、加熱コイルA1およびA2に検知電流Ds1およびDs2を供給するように、駆動部4および切替部8を制御し、制御部50は、電気信号の変化に基づいて、加熱コイルA1およびA2の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
制御部50は、加熱コイルA1およびA2の上方に負荷が載置されていると判定した場合、加熱コイルA1およびA2の各々に順次個別に検知電流Ds3を供給するように、駆動部4および切替部8を制御し、加熱コイルA1およびA2の各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
制御部50は、加熱コイルA1およびA2の各々に対する判定の後、加熱コイルA1およびA2を駆動部に接続するように、切替部8を制御する。
本実施の形態では、マイクロコンピュータが、負荷検知部10と駆動制御部11とを構成する。本開示はこれに限定されるものではないが、プログラム可能なマイクロコンピュータを用いれば、処理内容を容易に変更可能であり、設計の自由度を高めることができる。
処理速度の向上のため、負荷検知部10と駆動制御部11とを論理回路で構成することも可能である。負荷検知部10と駆動制御部11とを物理的に一つまたは複数の素子で構成してもよい。負荷検知部10と駆動制御部11とをそれぞれ複数の素子で構成する場合、各項目をそれぞれ一つの素子に対応させてもよい。この場合、これら複数の素子が、負荷検知部10、駆動制御部11にそれぞれ対応すると考えることができる。
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態2の誘導加熱調理器における位置特定について説明する。
本実施の形態の誘導加熱調理器は、実施の形態1と同じ構成を有し、実施の形態1と同じ載置検知を行う。本実施の形態は、図10A、図11に示す位置特定の代わりに、図12A、図12Bに示す位置特定が行われる点で、実施の形態1と異なる。本実施の形態に係る位置特定は、実施の形態1に係る位置特定の変形例である。
本実施の形態では、実施の形態1の場合と同様に、左加熱領域Lhの区画Aおよび区画Bにおける処理について説明する。右加熱領域Rh、中央加熱領域Chにおいても同様の処理が並行して行われる。
[位置特定の変形例]
図12Aは、左加熱領域Lhの区画AおよびBにおける載置検知および位置特定のためのタイミングチャートである。図12Aは、位置特定の順序のみ図10Aと異なる。
すなわち、図10Aでは、加熱コイルA1、加熱コイルA2、加熱コイルB1、加熱コイルB2の順に位置特定が行われる。しかし、本実施の形態では、図12Aに示すように、加熱コイルA1、加熱コイルB2、加熱コイルA2、加熱コイルB1の順に位置特定が行われる。区画AおよびBの切替部8は、検知期間Dp3の間、検知電流Ds3を供給するべき加熱コイル3に対応するリレーをオンするように、接続を切り替える。
加熱コイルA2への検知電流Ds3の供給後、区画Aのリレー8bはオンのまま保持される。加熱コイルB1への検知電流Ds3の供給後、区画Bのリレー8aはオンのまま保持される。
検知期間Dp1、Dp2、Dp3におけるスイッチング素子19aおよび19bに入力されるゲート信号は、それぞれ図10B、図10C、図10Dに示すものと同じである。
図12Bは、本実施の形態に係る位置特定のためのフローチャートである。図12Bに示すように、ステップS12−1において、図9Aに示す載置検知の結果が「区画A上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS12−2に進む。そうでない場合、処理はステップS12−3に進む。
ステップS12−2において、加熱コイルA1に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、加熱コイルA1の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
ステップS12−3において、図9Aに示す載置検知の結果が「区画B上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS12−4に進む。そうでない場合、処理はステップS12−5に進む。
ステップS12−4において、加熱コイルB2に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、加熱コイルB1の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
ステップS12−5において、図9Aに示す載置検知の結果が「区画A上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS12−6に進む。そうでない場合、処理はステップS12−7に進む。
ステップS12−6において、加熱コイルA2に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、加熱コイルA2の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
ステップS12−7において、図9Aに示す載置検知の結果が「区画B上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS12−8に進む。そうでない場合、位置特定の処理は終了する。
ステップS12−8において、加熱コイルB1に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、加熱コイルB2の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。これで、位置特定の処理は終了する。
ステップS12−2、S12−4、S12−6、S12−8における位置特定のための判定は、実施の形態1と同様に、入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値、および/または、入力電流検知器13、出力電流検知器14の各々における連続する二つの検出値の変化に基づいて行われる。
これらの判定により、区画AおよびBにおける位置特定が行われる。
本実施の形態によれば、区画Aと区画Bとには、それぞれ対応する駆動部4から検知電流が供給される。そのため、例えば区画Bの加熱コイルB1のための検知期間Dp3を、区画Aの加熱コイルA1のための検知期間Dp3と重ねることができる。その結果、検知周期の短縮が可能となる。
上述の通り、加熱コイルA2への検知電流Ds3の供給後、区画Aのリレー8bはオンのまま保持される。加熱コイルB1への検知電流Ds3の供給後、区画Bのリレー8aはオンのまま保持される。このため、例えば、加熱コイルA2、B1にまたがって負荷が載置された場合、位置特定の終了後に切替部8の接続を切り替えることなく、直ちに加熱コイルA2、B1を作動させることができる。
(実施の形態3)
以下、本開示の実施の形態3の誘導加熱調理器における検知周期の変更について説明する。本実施の形態によれば、図1〜図5に示す実施の形態1と同じ構成において、図7A〜図11に示す負荷検知に加えて、検知周期の変更が行われる。
[検知周期の変更]
図13Aは、本実施の形態に係る検知周期の変更の概念を説明するための誘導加熱調理器のブロック図である。図13Aに示すように、概念説明用の誘導加熱調理器は、天板2の下方に一列に配置された四つの加熱コイル(加熱コイル31〜34)と、各加熱コイルをそれぞれ駆動する四つの駆動部4とを備えたマルチコイル型を有する。
図13Bは、図13Aに示す誘導加熱調理器における検知周期の変更の概念を説明するためのタイミングチャートである。
図13Bの上半分は、検知周期T(a)〜T(k)において、加熱コイル31〜34に対してそれぞれ載置検知が行われる検知期間Dpa1〜Dpk1、Dpa2〜Dpk2、Dpa3〜Dpk3、検知期間Dpa4〜Dpk4を示す。検知周期T(a)〜T(k)の各々の長さは、上記の検知周期T0と等しい。
これらの検知期間において、図12Aに示す検知期間Dp1に行われる載置検知と同様に、負荷検知部10は、加熱コイル31〜34の上方に負荷が載置されているか否かの検知を行う。
図13Bの下半分は、負荷が、加熱コイル31〜34の上方に載置されているか否かを示す。具体的には、図13Bの下半分は、加熱コイル31および32の上方に載置されていた負荷が、加熱コイル32および33の上方に移動したことを示す。
従って、図13Bの上半分に示すように、検知周期T(a)、T(b)において、負荷が加熱コイル31および32の上方に載置されていることが検知される。この結果に応答して、加熱コイル31および32に対しては、検知周期T(c)、T(d)において検知期間は設けられず、検知周期T(e)で検知期間が設けられる。
すなわち、負荷の載置が連続で2回検知されると、検知周期が増大する。図13Bでは、検知周期が、検知周期T0の3倍の検知周期T1に延長される。
次に、負荷が移動した場合の検知周期の変更について説明する。
図13Bの下半分に示すように、検知周期T(f)において、加熱コイル31および32の上方に載置されていた負荷が、加熱コイル32および33の上方に移動すると、加熱コイル33に対する検知期間Dpf3(図13Bの上半分参照)で、負荷検知部10は、加熱コイル33の上方に負荷が載置されていることを検知する。
この結果に応答して、検知周期T(g)において、加熱コイル31〜34に対して検知期間が設けられて載置検知が行われる。すなわち、加熱コイル31および32に対して、検知周期T1であった検知周期が検知周期T2に短縮される。その結果、負荷検知部10は、加熱コイル31および32の上方に載置されていた負荷が、加熱コイル32および33の上方に移動したことを検知する。
検知周期T(g)、T(h)において、加熱コイル31〜34に対して検知期間が設けられて載置検知が行われる。負荷の載置が連続で2回検知されると、加熱コイル32および33に対しては、検知周期T(i)、T(j)において検知期間は設けられず、検知周期T(k)で検知期間が設けられる。すなわち、加熱コイル32および33に対しては、検知周期が、検知周期T0の3倍の検知周期T1に延長される。
この検知周期の変更の概念によれば、マルチコイル型の誘導加熱調理器において、その上方に負荷の載置が検知された加熱コイルに対しては、検知周期T1毎に載置検知を行う。その上方に負荷の載置が検知されなかった加熱コイルに対しては、検知周期T0で負荷検知を行う。
負荷が載置されていなかった加熱コイルの上方に負荷が載置されていることが検知されると、続く検知周期において、すべての加熱コイルに対して検知期間が設けられる。すなわち、検知周期が短縮される。負荷の載置が新たに検知された加熱コイルにおいて、その後、載置状況に変化が無ければ、検知周期が再度延長される。
この検知周期の変更の概念によれば、既に認識されている負荷に対して、載置検知の頻度を低下させる。これにより、検知電流による負荷の発熱を抑制することができる。複数の加熱コイルが、切替部を介して一つの駆動部で駆動される場合、切替部のスイッチング動作を減少させることができる。
以下、上記概念を、図5に示す回路構成の誘導加熱調理器に適用した場合における、検知周期の変更について説明する。
本実施の形態では、実施の形態1、2の場合と同様に、左加熱領域Lhの区画Aおよび区画Bにおける処理について説明する。右加熱領域Rh、中央加熱領域Chにおいても同様の処理が並行して行われる。
図14A、図14Bは、本実施の形態に係る検知周期の変更のためのフローチャートである。図14A、図14Bに示す検知周期の変更は、上記の載置検知と、必要な場合には上記の位置特定とを含む負荷検知が実行された後に実行される。
図14A、図14Bに示すように、ステップS14−1において、駆動制御部11が、所定回数(N回、例えば5回)連続して、載置検知が行なわれたか否かを判定する。載置検知の回数がN回になるまで、ステップS14−2において図9A、図9Bに示す載置検知が行われる。載置検知がN回連続して行われると、処理はステップS14−3に進む。
ステップS14−3において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp1の間のオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。
ステップS14−4において、区画Aの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。この処理で、比較的大きな負荷、例えば直径が約150mm以上の鍋が検知される。
ステップS14−4における結果がNoである、すなわち、検知電流Ds1により負荷が検知されなかった場合、ステップS14−5において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp2の間のオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS14−6において、区画Aの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。ステップS14−6における結果がNoの場合、ステップS14−10において、負荷検知部10は、区画Aに負荷は載置されていないと判定する。処理は図14Bに進む。
一方、ステップS14−4またはS14−6の結果がYesの場合、ステップS14−7において、負荷検知部10は、区画Aに負荷が載置されていると判定する。ステップS14−8において、負荷検知部10は、最新の載置検知の結果が、直前の検知周期における結果と同じか否かを判定する。
ステップS14−8の結果がYesの場合、ステップS14−9において、区画Aに対する検知周期が、検知周期T0から検知周期T1に延長される。本実施の形態では、検知周期T1は8秒である。そして、処理は図14Bに進む。ステップS14−8の結果がNoの場合、処理は図14Bに進む。
図14BのステップS14−11〜S14−18において、ステップS14−3〜S14−10と同様の処理が、区画Bに対して行われる。
ステップS14−11において、加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp1の間のオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。
ステップS14−12において、区画Bの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS14−12における結果がNoである、すなわち、検知電流Ds1により負荷が検知されなかった場合、ステップS14−13において、加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp2の間のオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS14−14において、区画Bの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS14−14における結果がNoの場合、すなわち、検知電流Ds2でも負荷が検知されなかった場合、ステップS14−18において、負荷検知部10は、区画Bに負荷は載置されていないと判定する。そして、処理はステップS14−19に進む。
一方、ステップS14−12またはS14−14の結果がYesの場合、すなわち、検知電流Ds1またはDs2により負荷が検知された場合、ステップS14−15において、負荷検知部10は、区画B上に負荷が載置されていると判定する。ステップS14−16において、負荷検知部10は、最新の載置検知の結果が、直前の検知周期における結果と同じか否かを判定する。
ステップS14−16の結果がYesの場合、ステップS14−17において、区画Bに対する検知周期が、検知周期T0から検知周期T1に延長される。そして、処理はステップS14−19に進む。ステップS14−16の結果がNoの場合、処理はステップS14−19に進む。
ステップS14−19において、載置検知が行われる。ステップS14−20において、負荷検知部10が、他の加熱領域、例えば、中央加熱領域Chに関して、載置状況に変化があるか否かを判定する。
ステップS14−20の結果がNoの場合、決定された検知周期毎に載置検知が行われる。ステップS14−20の結果がYesの場合、ステップS14−21において、駆動制御部11は、検知周期を検知周期T0に設定する。すなわち、検知周期が検知周期T1に設定されている場合、検知周期が検知周期T0に戻される。
本実施の形態の検知周期の変更によれば、検知周期T0毎に行われる載置検知の結果、負荷検知部10は、N回(例えば5回)連続して区画AまたはBにおいて負荷が載置されていると判定すると、駆動制御部11は、その区画の加熱コイルに対する検知周期を検知周期T0から検知周期T1に延長する。
本実施の形態の検知周期の変更において、負荷が載置されている区画に対しては、延長された検知周期T1毎に載置検知が実行される。負荷が載置されていない区画に対しては、検知周期T0毎の載置検知が実行される。
検知周期の変更の後に、負荷検知部10が、負荷が載置されていなかった他の加熱領域(例えば中央加熱領域Ch)において、新たに負荷の載置を検知すると、駆動制御部11は、検知周期T1に設定されていた検知周期を検知周期T0に設定し直す。
本実施の形態の検知周期の変更によれば、既に認識されている負荷に対して、載置検知の頻度を低下させる。これにより、検知電流による負荷の発熱を抑制することができる。
複数の加熱コイルが、切替部を介して一つの駆動部で駆動される場合、切替部のスイッチング動作を減少させることができる。これにより、リレーの切り替え時の音の発生を抑制することができる。
実施の形態1に記載したように、例えば、加熱コイルA1の上方には負荷が載置され、加熱コイルA2の上方には負荷が載置されていない場合、リレー8bがオフされ、加熱コイルA2がインバータ9から切り離される。
しかし、この場合にも、リレー8bをオンして加熱コイルA2をインバータ9に接続するとともに、加熱コイルA2に対する検知周期を加熱コイルA1に対する検知周期と同様に延長させてもよい。これにより、リレーの切り替え時の音の発生を抑制することができる。
本実施の形態によれば、負荷が移動した場合に、作動させるべき加熱コイルを素早く特定することができる。
上記は、加熱領域(ここでは左加熱領域Lh)において、負荷が移動した場合における検知周期の変更の説明である。加熱領域に載置された負荷を除去する場合、および、加熱領域に負荷が追加された場合でも、検知周期の変更が同様に行われる。
(実施の形態4)
以下、本開示の実施の形態4の誘導加熱調理器における載置状況の確定について説明する。本実施の形態によれば、図1〜図5に示す実施の形態1と同じ構成において、図7A〜図11、図14A、図14Bに示す負荷検知に加えて、載置状況の確定が行われる。
[載置状況の確定]
本実施の形態における載置状況の確定の概念について、検知周期の変更と同様に、図13Aに示す誘導加熱調理器を用いて説明する。
図15Aは、実施の形態4に係る載置状況の確定の概念を説明するためのタイミングチャートである。
図15Aの上半分は、検知周期T(a)〜T(d)において、加熱コイル31〜34に対してそれぞれ載置検知が行われる検知期間Dpa1〜Dpd1、Dpa2〜Dpd2、Dpa3〜Dpd3、検知期間Dpa4〜Dpd4を示す。検知周期T(a)〜T(d)の各々の長さは、上記の検知周期T0と等しい。
これらの検知期間において、図12Aに示す検知期間Dp1に行われる載置検知と同様に、負荷検知部10は、加熱コイル31〜34の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
図15Aの下半分は、加熱コイル31〜加熱コイル34の上方における、載置状況の時間的変化を示す。図15Bは、加熱コイル31〜34の上方における負荷(鍋La、Lb、Lc)の載置状況のパターンを示す。
図15Bに示すように、状態Saでは、鍋Laが加熱コイル33および34の上方に載置されている。状態Sbでは、鍋Laが加熱コイル32、33および34の上方に載置されている。状態Scでは、鍋Lbが加熱コイル33および34の上方に載置されている。状態Sdでは、鍋Lbが加熱コイル33および34の上方に載置され、鍋Lcが加熱コイル32の上方に載置されている。
図15Aの下半分に示すように、「状態Sa→状態Sb」の場合と、「状態Sc→状態Sd」の場合とにおける、載置状況の確定について説明する。
「状態Sa→状態Sb」は、鍋Laを少しずらすことで、載置状況が状態Saから状態Sbに変化した場合である。「状態Sc→状態Sd」は、鍋Lbが載置されている状況に、鍋Lcが追加されたことで、載置状況が状態Scから状態Sdに変化した場合である。
まず、「状態Sa→状態Sb」の場合における載置状況の確定について説明する。
検知周期T(a)における、加熱コイル33に対する検知期間Dpa3と、加熱コイル34に対する検知期間Dpa4とで、負荷検知部10は、状態Saのように鍋Laが載置されていることを検知する。この結果に基づいて、負荷検知部10は、載置状況が状態Saであることを仮決定する。
検知周期T(b)における、加熱コイル32に対する検知期間Dpb2と、加熱コイル33に対する検知期間Dpb3と、加熱コイル34に対する検知期間Dpb4とで、負荷検知部10は、状態Sbのように鍋Laが載置されていることを検知する。この結果に基づいて、負荷検知部10は、載置状況が状態Sbであることに対して再び仮決定する。
検知周期T(c)における載置検知の結果が、検知周期T(b)と同じ場合、負荷検知部10は、載置状況が状態Sbであることを確定させる。そうでない場合、負荷検知部10は、載置状況に対して再び仮決定する。
次に、「状態Sc→状態Sd」の場合における載置状況の確定について説明する。
検知周期T(a)における、加熱コイル33に対する検知期間Dpa3と、加熱コイル34に対する検知期間Dpa4とで、負荷検知部10は、状態Scのように鍋Laが載置されていることを検知する。この結果に基づいて、負荷検知部10は、載置状況が状態Scであることを仮決定する。
検知周期T(b)において、負荷検知部10は、載置状況に変化がなく、状態Scが継続することを確認すると、載置状況が状態Scであることを確定させる。
検知周期T(c)において、加熱コイル32に対する検知期間Dpc2での検知結果に変化が生じる。この結果に基づいて、負荷検知部10は、確定された状態Scに加えて、加熱コイル32の上方に新たな負荷が載置されたことを仮決定する。
検知周期T(d)において、負荷検知部10は、加熱コイル32に対する検知期間での検知結果に変化がなく、同じ状態が継続することを確認すると、加熱コイル32の上方に新たな負荷が載置されたことを確定させる。これにより、載置状況が状態Sdであることが確定する。
本実施の形態に係る載置状況の確定によれば、載置状況の変化が最初に検知された検知周期において仮決定し、続く検知周期において、連続して同じ検知結果が得られた場合に、仮決定を確定に変更する。これに限らず、仮決定後、続く少なくとも一つの検知周期で、連続して同じ検知結果が得られた場合に、仮決定を確定に変更してもよい。
以下、上記概念を、図5に示す回路構成の誘導加熱調理器に適用した場合における、載置状況の確定について説明する。
本実施の形態では、実施の形態1〜3の場合と同様に、左加熱領域Lhの区画Aおよび区画Bにおける処理について説明する。右加熱領域Rh、中央加熱領域Chにおいても同様の処理が並行して行われる。
図16A、図16Bは、例えば、誘導加熱装置が起動した後の、最初の検知周期における載置状況の確定のためのフローチャートである。
図17A〜図17Cは、図16A、図16Bに示す処理が行われる検知周期に続く2番目以降の検知周期における載置状況の確定のためのフローチャートである。
図16A、図16BのステップS16−1〜S16−14は、実施の形態1に係る載置検知における図9A、図9BのステップS9−1〜S9−14と同じである。従って、ステップS16−1〜S16−14の説明は省略し、ステップS16−14より後のステップについて説明する。
ステップS16−15において、ステップS16−1〜S16−14における処理の結果が「区画A上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS16−16に進む。そうでない場合、処理はステップS16−18に進む。
ステップS16−16において、加熱コイルA1およびA2に順次個別に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、区画Aの加熱コイルA1およびA2の各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定することにより、区画Aにおける位置特定を行う。
ステップS16−17において、負荷検知部10は、区画Aにおける位置特定の結果である載置状況を仮決定する。
ステップS16−16における位置特定のための判定は、実施の形態1と同様に、入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値、および/または、入力電流検知器13、出力電流検知器14の各々における連続する二つの検出値の変化に基づいて行われる。
ステップS16−18〜S16−20において、区画Aに対するステップS16−15〜S16−17と同様の処理が、区画Bに対して行われる。このようにして、区画AおよびBにおける載置状況が仮決定される。
図16A、図16Bに示す処理が行われる最初の検知周期に続く2番目以降の検知周期において、図17A〜図17Cに示す処理が繰り返し行われる。
図17AのステップS17−1において、区画Aのリレー8a、8bのうちのオフされているリレー(もしあれば)がオンされ、加熱コイルA1およびA2が、区画Aのインバータ9に接続される。ステップS17−2において、区画Bのリレー8a、8bのうちのオフされているリレー(もしあれば)がオンされ、加熱コイルB1およびB2が、区画Bのインバータ9に接続される。
ステップS17−3において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp1の間のオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。
ステップS17−4において、区画Aの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。この処理で、比較的大きな負荷、例えば直径が約150mm以上の鍋を検知することができる。
ステップS17−4における結果がNoである、すなわち、検知電流Ds1により負荷が検知されなかった場合、ステップS17−5において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp2の間のオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS17−6において、区画Aの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。ステップS17−6における結果がNoの場合、ステップS17−10において、負荷検知部10は、区画Aに負荷は載置されていないと判定する。処理は図17Bに進む。
一方、ステップS17−4またはステップS17−6の結果がYesの場合、ステップS17−7において、負荷検知部10は、区画A上に負荷が載置されていると判定する。ステップS17−8において、負荷検知部10は、最新の載置検知の結果が、直前の検知周期における結果と同じか否かを判定する。
ステップS17−8の結果がYesの場合、ステップS17−9において、負荷検知部10は、区画Aにおける載置状況を確定する。処理は図17Bに進む。ステップS17−8の結果がNoの場合、処理は図17Bに進む。
図17BのステップS17−11〜S17−18において、区画Aに対する図17AのステップS17−3〜S17−10と同様の処理が、区画Bに対して行われる。
ステップS17−11において、加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp1の間のオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。
ステップS17−12において、区画Bの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS17−12における結果がNoである、すなわち、検知電流Ds1により負荷が検知されなかった場合、ステップS17−13において、加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp2の間のオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS17−14において、区画Bの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS17−14における結果がNoの場合、すなわち、検知電流Ds2でも負荷が検知されなかった場合、ステップS17−18において、負荷検知部10は、区画Bに負荷は載置されていないと判定する。処理は図17Cに進む。
一方、ステップS17−12またはステップS17−14の結果がYesの場合、すなわち、検知電流Ds1またはDs2により負荷が検知された場合、ステップS17−15において、負荷検知部10は、区画B上に負荷が載置されていると判定する。ステップS17−16において、負荷検知部10は、最新の載置検知の結果が、直前の検知周期における結果と同じか否かを判定する。
ステップS17−16の結果がYesの場合、ステップS17−17において、負荷検知部10は、区画Bにおける載置状況を確定する。処理は図17Cに進む。ステップS17−16の結果がNoの場合、処理は図17Cに進む。
図17Cに示すように、ステップS17−19において、図17Aに示す載置状況の確定の結果が「区画Aにおける載置状況は確定されている」である場合、処理はステップS17−23に進む。そうでない場合、処理はステップS17−20に進む。
ステップS17−20において、図17Aに示す載置状況の確定の結果が「区画A上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS17−21に進む。そうでない場合、処理はステップS17−23に進む。
ステップS17−21において、加熱コイルA1およびA2に順次個別に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、区画Aの加熱コイルA1およびA2の各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定することにより、区画Aにおける位置特定を行う。
ステップS17−22において、負荷検知部10は、区画Aにおける位置特定の結果である載置状況を仮決定する。
ステップS17−23〜S17−26において、区画Aに対するステップS17−19〜S17−22と同様の処理が、区画Bに対して行われる。このようにして、2番目以降の検知周期における載置状況の確定が終了する。次の検知周期以降も、図17A〜図17Cに示す処理が繰り返し行われる。
本実施の形態の載置状況の確定によれば、所定数の検知周期が経過するまでに、上方に負荷が載置された加熱コイルに隣接する加熱コイルの上方に負荷が載置されたことが検知された場合、負荷検知部10は、それは負荷の移動によるものであると判定する。所定数の検知周期より長い期間が経過した後に同様の変化が検知された場合、負荷検知部10は、それは別の負荷が載置されたことに起因するものであると判定する。
このようにして、本実施の形態の誘導加熱調理器は、負荷の載置状況を判定することができる。
本実施の形態の載置状況の確定によれば、区画Aにおいて負荷検知と、載置状況に対する仮決定または確定とが行われた後に、区画Bにおける負荷検知と、載置状況に対する仮決定または確定とが行われる。
しかし、これに限るものではない。例えば、区画A、Bの両方における負荷検知が行われた後に、区画A、Bにおける載置状況に対する仮決定または確定が行われてもよい。
左加熱領域Lhだけでなく、すべての加熱領域Hにおける負荷検知が行われた後に、載置状況に対する仮決定または確定が行われてもよい。
本実施の形態の載置状況の確定によれば、複数の加熱領域にまたがって負荷が載置された場合に、負荷検知部10は、負荷の載置状況をより精度よく検知することができる。その結果、駆動制御部11は、載置状況に対応する適切な加熱コイルを作動させて、負荷を誘導加熱することができる。
(実施の形態5)
以下、本開示の実施の形態5の誘導加熱調理器について、図18A〜図22Bを用いて説明する。
本実施の形態の誘導加熱調理器は、図1〜図5に示す実施の形態1と同じ構成を有する。本実施の形態の誘導加熱調理器は、実施の形態1に係る載置検知と、実施の形態2に係る位置特定と、実施の形態3に係る検知周期の変更と、実施の形態4に係る載置状況の確定とを順に実行する。
本実施の形態では、実施の形態1〜4の場合と同様に、左加熱領域Lhの区画Aおよび区画Bにおける処理について説明する。右加熱領域Rh、中央加熱領域Chにおいても同様の処理が並行して行われる。
図18A、図18Bは、本実施の形態に係る載置検知のためのフローチャートである。図18A、図18BのステップS18−1〜S18−14に示す載置検知は、図9A、図9BのステップS9−1〜S9−14に示す実施の形態1の載置検知と同じである。従って、図18A、図18Bの説明は省略する。
図19A、図19Bは、本実施の形態に係る位置特定のためのフローチャートである。図19AのステップS19−1〜S19−8に示す位置特定は、図12Bに示す実施の形態2に係る位置特定と同じである。従って、図19Aの説明は省略する。
図19BのステップS19−9において、図19Bに示す位置特定の結果が「加熱コイルA1およびA2の少なくとも一方の上方に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS19−10に進む。そうでない場合、処理はステップS19−11に進む。
ステップS19−10において、負荷検知部10は、区画Aにおける載置状況を仮決定する。
ステップS19−11において、図19Bに示す位置特定の結果が「加熱コイルB1およびB2の少なくとも一方の上方に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS19−12に進む。そうでない場合、処理は図20Aに進む。
ステップS19−12において、負荷検知部10は、区画Bにおける載置状況を仮決定する。処理は図20Aに進む。
図20A、図20B、図21は、本実施の形態に係る載置状況の確定のためのフローチャートである。
図20A、図20BのステップS20−1〜S20−18に示す載置状況の確定は、図17A、図17BのステップS17−1〜S17−18に示す実施の形態4に係る載置状況の確定と同じである。従って、図20A、図20Bの説明は省略する。
図21に示すように、ステップS21−1において、図20Aに示す載置状況の確定の結果が「区画Aにおける載置状況は確定されている」である場合、処理はステップS21−6に進む。そうでない場合、処理はステップS21−2に進む。
ステップS21−2において、図20Bに示す載置状況の確定の結果が「区画Bにおける載置状況は確定されている」である場合、処理はステップS21−3に進む。そうでない場合、負荷検知部10は、「区画AおよびBにおいて載置状況が確定されていない」と結論づけて、載置状況の確定を終了させる。再び位置特定を行うために、処理は図19AのステップS19−1に戻る。
ステップS21−3において、図20Aに示す処理の結果が「区画A上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS21−4に進む。そうでない場合、負荷検知部10は、「区画Bでは載置状況が確定され、区画A上には負荷が載置されていない」と結論づけて、載置状況の確定を終了させる。処理は図22Aに進む。
ステップS21−4において、加熱コイルA1およびA2に順次個別に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、加熱コイルA1およびA2の各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
ステップS21−5において、負荷検知部10は、「区画Bでは載置状況が確定され、区画Aでは載置状況が仮決定されている」と結論づけて、載置状況の確定を終了させる。処理は図22Aに進む。
ステップS21−6において、図20Bに示す処理の結果が「区画Bにおける載置状況は確定されている」である場合、負荷検知部10は、「区画AおよびBにおける載置状況は確定されている」と結論づけて、載置状況の確定を終了させる。処理は図22Aに進む。そうでない場合、処理はステップS21−7に進む。
ステップS21−7において、図20Bに示す載置状況の確定の結果が「区画B上に負荷が載置されている」である場合、処理はステップS21−8に進む。そうでない場合、負荷検知部10は、「区画Aでは載置状況が確定され、区画B上には負荷が載置されていない」と結論づけて、載置状況の確定を終了させる。処理は図22Aに進む。
ステップS21−8において、加熱コイルB1およびB2に順次個別に検知電流Ds3が供給される。負荷検知部10は、加熱コイルB1およびB2の各々の上方に負荷が載置されているか否かを判定する。
ステップS21−9において、負荷検知部10は、「区画Aでは載置状況が確定され、区画Bでは載置状況が仮決定されている」と結論づけて、載置状況の確定を終了させる。処理は図22Aに進む。
上記のように、2番目の検知周期において、図20A、図20B、図21に示す載置状況の確定を実行した後、3回目以降の検知周期において、図22A、図22Bに示す検知周期の変更が実行される。
図22A、図22Bは、本実施の形態に係る検知周期の変更のためのフローチャートである。
図22A、図22Bに示すように、ステップS22−1において、駆動制御部11が、所定回数(N回、例えば5回)連続して、載置検知が行なわれたか否かを判定する。載置検知の回数がN回になるまで、処理は図20AのステップS20−1に戻る。載置検知がN回連続して行われると、処理はステップS22−2に進む。
ステップS22−2において、区画Aのリレー8a、8bのうちのオフされているリレー(もしあれば)がオンされ、加熱コイルA1およびA2が、区画Aのインバータ9に接続される。ステップS22−3において、区画Bのリレー8a、8bのうちのオフされているリレー(もしあれば)がオンされ、加熱コイルB1およびB2が、区画Bのインバータ9に接続される。
ステップS22−4において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp1の間のオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。
ステップS22−5において、区画Aの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。この処理で、比較的大きな負荷、例えば直径が約150mm以上の鍋が検知される。
ステップS22−5における結果がNoである、すなわち、検知電流Ds1により負荷が検知されなかった場合、ステップS22−6において、加熱コイルA1およびA2に、検知期間Dp2の間のオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS22−7において、区画Aの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。ステップS22−7における結果がNoの場合、ステップS22−11において、負荷検知部10は、区画Aに負荷は載置されていないと判定する。処理は図22Bに進む。
一方、ステップS22−5またはS22−7の結果がYesの場合、ステップS22−8において、負荷検知部10は、区画A上に負荷が載置されていると判定する。ステップS22−9において、負荷検知部10は、最新の載置検知の結果が、直前の検知周期における結果と同じか否かを判定する。
ステップS22−9の結果がYesの場合、ステップS22−10において、区画Aに対する検知周期が、検知周期T0から検知周期T1に延長される。本実施の形態では、検知周期T1は8秒である。そして、処理は図22Bに進む。ステップS22−9の結果がNoの場合、処理は図22Bに進む。
図22BのステップS22−12〜S22−19において、ステップS22−4〜S22−11と同様の処理が、区画Bに対して行われる。
ステップS22−12において、加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp1の間のオン時間Ton1に検知電流Ds1が供給される。
ステップS22−13において、区画Bの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS22−13における結果がNoである、すなわち、検知電流Ds1により負荷が検知されなかった場合、ステップS22−14において、加熱コイルB1およびB2に、検知期間Dp2の間のオン時間Ton2に検知電流Ds2が供給される。
ステップS22−15において、区画Bの入力電流検知器13および出力電流検知器14の検出値に対して、負荷検知部10が、図9AのステップS9−4と同様の判定を行う。
ステップS22−15における結果がNoの場合、すなわち、検知電流Ds2でも負荷が検知されなかった場合、ステップS22−19において、負荷検知部10は、区画Bに負荷は載置されていないと判定する。そして、処理はステップS22−20に進む。
一方、ステップS22−13またはS22−15の結果がYesの場合、すなわち、検知電流Ds1またはDs2により負荷が検知された場合、ステップS22−16において、負荷検知部10は、区画B上に負荷が載置されていると判定する。ステップS22−17において、負荷検知部10は、最新の載置検知の結果が、直前の検知周期における結果と同じか否かを判定する。
ステップS22−17の結果がYesの場合、ステップS22−18において、区画Bに対する検知周期が、検知周期T0から検知周期T1に延長される。そして、処理はステップS22−20に進む。ステップS22−17の結果がNoの場合、処理はステップS22−20に進む。
ステップS22−20において、載置検知が行われる。ステップS22−21において、負荷検知部10が、他の加熱領域、例えば、中央加熱領域Chに関して、載置状況に変化があるか否かを判定する。
ステップS22−21の結果がNoの場合、決定された検知周期毎に載置検知が行われる。ステップS22−21の結果がYesの場合、ステップS22−22において、駆動制御部11は、検知周期を検知周期T0に設定する。すなわち、検知周期が検知周期T1に設定されている場合、検知周期が検知周期T0に戻される。
なお、本実施の形態では、区画Aにおいて負荷が載置されていることが検知されると、区画Aにおける載置状況に対して仮決定または確定を行う。それに続けて、区画Bにおいて負荷が載置されていることが検知されると、区画Bにおける載置状況に対して仮決定または確定を行う。
しかしながら、区画AおよびBにおける負荷検知が終了した場合に、区画AおよびBにおける載置状況に対して仮決定または確定を行ってもよい。
左加熱領域Lhだけでなく、すべての加熱領域Hにおける負荷検知が終了した場合に、すべての加熱領域Hにおける載置状況に対して仮決定または確定を行ってもよい。
これにより、複数の区画にまたがって負荷が載置された場合において、負荷の載置状況を精度よく検知することができる。
本開示は、天板の下方に設けられた多数の加熱コイルを有するマルチコイル型の誘導加熱装置に適応可能である。
1 筐体
2 天板
3,31,32,33,34,A1,A2,B1,B2 加熱コイル
4 駆動部
5 操作表示部
6 赤外線センサ
7 サーミスタ
8 切替部
8a,8b,25 リレー
9 インバータ
10 負荷検知部
11 駆動制御部
12 商用電源
13 入力電流検知器
14,23 出力電流検知器
15 ダイオードブリッジ
16 チョークコイル
17 コンデンサ
18 フィルタ回路
19a,19b スイッチング素子
20 スナバコンデンサ
21a,21b,21c,21d 共振コンデンサ
22 入力電圧検知器
24 クランプコンデンサ
50 制御部

Claims (6)

  1. 負荷を載置するように構成された天板と、
    前記天板の下方に設けられた複数の加熱コイルと、
    前記複数の加熱コイルに高周波電力を供給するように構成された少なくとも一つの駆動部と、
    前記駆動部に含まれた素子に関連する電気信号を検知するように構成された電気信号検知部と、
    前記電気信号を入力し、前記駆動部を制御するように構成された制御部と、
    を備え、
    前記制御部が、前記高周波電力である検知電流を、前記複数の加熱コイルに所定の検知周期で繰り返し供給するように、前記少なくとも一つの駆動部を制御し、前記検知電流に応答した前記電気信号に基づいて、前記複数の加熱コイルの上方に前記負荷が載置されているか否かを判定するように構成され、
    前記制御部が、前記複数の加熱コイルのうちの、上方に前記負荷が載置されていると判定された加熱コイルに関して、前記検知周期を延長するように前記駆動部を制御するように構成された、誘導加熱装置。
  2. 前記制御部が、上方に負荷が載置されていると所定回数連続して判定された、前記複数の加熱コイルのうちの加熱コイルに関して、前記検知周期を延長するように構成された、請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記制御部が、前記複数の加熱コイルのうちの、上方に負荷が載置されていなかった加熱コイルの上方に負荷が載置されたと判定すると、前記延長された検知周期を短縮するように構成された、請求項1に記載の誘導加熱装置。
  4. 高周波電力である検知電流を、天板の下方に設けられた複数の加熱コイルに所定の検知周期で繰り返し供給するステップと、
    前記検知電流に応答した前記電気信号に基づいて、前記複数の加熱コイルの上方に前記負荷が載置されているか否かを判定するステップと、
    前記複数の加熱コイルのうちの、上方に前記負荷が載置されていると判定された加熱コイルに関して、前記検知周期を延長するステップと、を含む、誘導加熱装置における負荷検知方法。
  5. 上方に負荷が載置されていると所定回数連続して判定された、前記複数の加熱コイルのうちの加熱コイルに関して、前記検知周期を延長するステップをさらに含む、請求項4に記載の誘導加熱装置における負荷検知方法。
  6. 前記複数の加熱コイルのうちの、上方に負荷が載置されていなかった加熱コイルの上方に負荷が載置されたと判定されると、前記延長された検知周期を短縮するステップをさらに含む、請求項4に記載の誘導加熱装置における負荷検知方法。
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