JPWO2018030044A1 - カーボンナノチューブアレイの製造方法 - Google Patents

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Abstract

気相触媒法により製造されるCNTアレイの生産性を高める方法として、気相触媒を含む雰囲気内に基板を存在させる第一ステップと、前記気相触媒を含む雰囲気に原料ガスおよび一酸化炭素を存在させることにより、前記基板のベース面上に複数のカーボンナノチューブを成長させ、前記複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブアレイを前記ベース面上に得る第二ステップとを備える製造方法が提供される。

Description

本発明は、カーボンナノチューブアレイの製造方法、当該製造方法により製造されたカーボンナノチューブアレイからなる紡績源部材の製造方法、および当該紡績源部材から紡ぎ出されてなるカーボンナノチューブを備える構造体の製造方法に関する。
本明細書において、カーボンナノチューブアレイ(本明細書において「CNTアレイ」ともいう。)とは、複数のカーボンナノチューブ(本明細書において「CNT」ともいう。)が長軸方向の少なくとも一部について一定の方向(具体的な一例として、基板が備える面の1つの法線にほぼ平行な方向が挙げられる。)に配向するように成長してなるCNTの集合体を意味する。なお、基板から成長させたCNTアレイの、基板に付着した状態における基板の法線に平行な方向の長さ(高さ)を、「成長高さ」という。
また、本明細書において、CNTアレイの一部のCNTをつまみ、そのCNTをCNTアレイから離間するように引っ張ることによって、CNTアレイから複数のCNTを連続的に取り出すこと(本明細書において、この作業を従来技術に係る繊維から糸を製造する作業に倣って「紡績」ともいう。)によって形成される、複数のCNTが互いに交絡した構造を有する構造体を「CNT交絡体」という。
CNTは、グラフェンからなる外側面を有するという特異的な構造を有するため、機能材料としても構造材料としても様々な分野での応用が期待されている。具体的には、CNTは、機械的強度が高く、軽く、電気伝導特性が良く、熱特性が良く、化学的耐腐食性が高く、且つ電界電子放出特性が良いといった優れた特性を有する。したがって、CNTの用途として、軽量高強度ワイヤ、走査プローブ顕微鏡(SPM)の探針、電界放出ディスプレイ(FED)の冷陰極、導電性樹脂、高強度樹脂、耐腐食性樹脂、耐摩耗性樹脂、高度潤滑性樹脂、二次電池や燃料電池の電極、LSIの層間配線材料、バイオセンサーなどが考えられている。
CNTの製造方法の一つとして、特許文献1には、金属系材料の薄膜を蒸着するなどしてあらかじめ基板の表面にスパッタリングなどの手段によって固相の金属触媒層を形成し、その固相の金属触媒層を備える基板を反応炉に設置し、反応炉に炭化水素ガスを供給して基板上にCNTアレイを形成する方法が開示されている。以下、上記のように固相の触媒層を基板上に形成し、その固相の触媒層を備えた基板が設けられた反応炉に炭化水素系の材料を供給してCNTアレイを製造する方法を、固相触媒法という。
固相触媒法により製造されるCNTアレイを高効率で製造する方法として、特許文献2には、炭素を含有しかつ酸素を含有しない原料ガスと、酸素を含有する触媒賦活物質と、雰囲気ガスを、所定の条件を満たしつつ供給して固相の触媒層に接触させる方法が開示されている。
上記の方法とは異なる方法によりCNTアレイを製造する方法も開示されている。すなわち、特許文献3には、塩化鉄を昇華させ、その塩化鉄が気相の状態で存在する環境にて熱CVD法によりCNTアレイを形成する方法が開示されている。この方法は、基板表面にあらかじめ固相の触媒層を形成させることなく熱CVDを行う点、および熱CVDが行われる環境に塩素などのハロゲン系材料を存在させる点で、特許文献1や2に開示される技術とは本質的に相違している。本明細書において、特許文献3に開示されるCNTアレイの製造方法を気相触媒法ともいう。
特開2004−107196号公報 特許第4803687号公報 特開2009−196873号公報
かかる気相触媒法によるCNTアレイの製造方法は、上記の固相触媒法によるCNTアレイの製造方法とは触媒の物理状態が異なることに起因して、CNTアレイを成長させる素過程は当然に相違する。それゆえ、両者は本質的に異なるCNTアレイの製造方法であると考えられる。したがって、固相触媒法によるCNTアレイの製造方法における生産性を向上させる技術的手法が、気相触媒法によるCNTアレイの製造方法にそのまま適用されうるか否かは全く不明であり、気相触媒法によるCNTアレイの製造方法に適した生産性向上の手法が求められている。
また、上記のように気相触媒法によるCNTアレイの製造方法は、固相触媒法によるCNTアレイの製造方法とは本質的に相違するため、それぞれの製造方法により製造されたCNTアレイの特性も互いに異なっている可能性がある。したがって、CNTアレイから形成されるCNT交絡体の形成しやすさ(本明細書において「紡績性」ともいう。)も、それぞれの製造方法から製造されたCNTアレイでは相違する可能性がある。したがって、紡績性に優れたCNTアレイを製造するための技術的指針は、固相触媒法によるCNTアレイの製造方法および気相触媒法によるCNTアレイの製造方法のそれぞれについて独立に考える必要がある。
本発明は、上記の気相触媒法により製造されるCNTアレイの生産性を高める手段を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために提供される本発明は次のとおりである。
[1]気相触媒を含む雰囲気内に基板を存在させる第一ステップと、前記気相触媒を含む雰囲気に原料ガスおよび一酸化炭素を存在させることにより、前記基板のベース面上に複数のカーボンナノチューブを成長させ、前記複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブアレイを前記ベース面上に得る第二ステップとを備えることを特徴とするカーボンナノチューブアレイの製造方法。
[2]前記第二ステップは、前記気相触媒を含む雰囲気に、前記原料ガスおよび前記一酸化炭素をこれらの流量を制御しつつ供給することにより実施され、前記原料ガスの供給流量に対する一酸化炭素の供給流量の比率(一酸化炭素/原料ガス)は1%以上である、[1]に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
[3]前記比率(一酸化炭素/原料ガス)は600%以下である、[2]に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
[4]前記気相触媒は鉄族元素のハロゲン化物を含む、[1]から[3]のいずれかに記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
[5]前記鉄族元素のハロゲン化物は塩化鉄(II)を含む、[4]に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
[6]前記原料ガスはアセチレンを含む、[1]から[5]のいずれかに記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
[7]前記第二ステップにおける前記ベース面は、8×10K以上に加熱されている[1]から[6]のいずれかに記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
[8][1]から[7]のいずれか一項に記載されるカーボンナノチューブアレイの製造方法により製造されたカーボンナノチューブアレイを用いて製造されたことを特徴とする紡績源部材の製造方法。
[9][8]に記載される紡績源部材からカーボンナノチューブを紡ぎ出すことを含んで製造されることを特徴とするカーボンナノチューブを備える構造体の製造方法。
[10]前記構造体が線状である[9]に記載の構造体の製造方法。
[11]前記構造体がウェブ状である[9]に記載の構造体の製造方法。
[12][9]から[11]のいずれかに記載される構造体を骨格構造として備えることを特徴とする複合構造体の製造方法。
本発明に係る気相触媒法によれば、CNTアレイの成長速度を、一酸化炭素を用いない気相触媒法(本明細書において「従来気相触媒法」ともいう。)によるCNTアレイの成長速度よりも高めることができる。したがって、本発明に係る製造方法を実施することにより、CNTアレイの生産性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るCNTアレイの製造方法に使用される製造装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るCNTアレイの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイを構成するCNTを示す画像である。 本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイを構成するCNTの外径を示す画像である。 本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイを紡績してCNT交絡体を製造している状態を示す画像である。 本発明の一実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイから得られたCNT交絡体の一部を拡大した画像である。 試験3−1〜3−4に係る製造方法により製造されたCNTアレイの成長高さと成長時間との関係を示すグラフである。 試験4−1〜4−4に係る製造方法により製造されたCNTアレイの成長高さと成長時間との関係を示すグラフである。 試験5−1〜5−7に係る製造方法により製造されたCNTアレイの成長高さと成長時間との関係を示すグラフである。 試験6−1〜6−4に係る製造方法により製造されたCNTアレイの成長高さと成長時間との関係を示すグラフである。 試験5−1に係る製造方法により製造されたCNTアレイのラマンスペクトルである。 試験5−3に係る製造方法により製造されたCNTアレイのラマンスペクトルである。 試験5−1〜5−7に係る製造方法により製造された各CNTアレイのラマンスペクトルから求めたG/D比を示すグラフである。 実施例2に係る製造方法により製造されたCNTアレイの合成温度とCNTアレイの成長高さとの関係を示すグラフである。 実施例2に係る製造方法により製造されたCNTアレイの合成温度と触媒寿命との関係を示すグラフである。 実施例2に係る製造方法により製造されたCNTアレイの合成温度とCNTアレイの初期成長速度との関係を示すグラフである。 実施例3に係る製造方法により製造されたCNTアレイの合成温度とCNTアレイの成長高さとの関係を示すグラフである。 実施例3に係る製造方法により製造されたCNTアレイの合成温度と触媒寿命との関係を示すグラフである。 実施例3に係る製造方法により製造されたCNTアレイの合成温度とCNTアレイの初期成長速度との関係を示すグラフである。 実施例3に係る製造方法におけるアセチレン流量とCNTアレイの初期成長速度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.CNTアレイの製造装置
本発明の一実施形態に係るCNTアレイの製造装置を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るCNTアレイの製造方法に使用される製造装置の構成を概略的に示す図である。
図1に示されるように、この製造装置10は、電気炉12を備えている。この電気炉12は、所定方向A(原料ガスが流れる方向)に沿って延在する略円筒形状を呈している。電気炉12の内側には、カーボンナノチューブの成長室としての反応容器管14が通されている。反応容器管14は、例えば石英といった耐熱材からなる略円筒形の部材であり、電気炉12よりも細い外径を有し、所定方向Aに沿って延在している。図1では、反応容器管14内に基板28が設置されている。
電気炉12は、ヒータ16および熱電対18を備える。ヒータ16は、反応容器管14の所定方向Aのある一定の領域(換言すれば、略円筒形状の反応容器管14の軸方向の一定の領域であり、以下「加熱領域」ともいう。)を囲むように配設されており、反応容器管14の加熱領域における管内雰囲気の温度を上昇させるための熱を発生する。熱電対18は、電気炉12の内側において反応容器管14の加熱領域の近傍に配置され、反応容器管14の加熱領域における管内雰囲気の温度に関連する温度を表わす電気信号を出力可能である。ヒータ16および熱電対18は、制御装置20と電気的に接続されている。
所定方向Aにおける反応容器管14の一端には、ガス供給装置22が接続されている。ガス供給装置22は、原料ガス供給部30、気相触媒供給部31、一酸化炭素供給部32および補助ガス供給部33を備える。ガス供給装置22は制御装置20と電気的に接続され、ガス供給装置22が備える各供給部とも電気的に接続されている。
原料ガス供給部30は、CNTアレイを構成するCNTの原料となる炭素化合物を含む原料ガス(例えばアセチレンなどの炭化水素ガス)を反応容器管14の内部へ供給することができる。原料ガス供給部30からの原料ガスの供給流量は、マスフローなどの公知の流量調整機器を用いて調整することができる。
気相触媒供給部31は、気相触媒を反応容器管14の内部へ供給することができる。本明細書において「気相触媒」とは、ハロゲンを含有する触媒前駆体であって反応容器管14の成長領域において気相の状態をとり得る物質およびそのハロゲンを含有する触媒前駆体に基づき形成された浮遊物質の総称として用いる。気相触媒供給部31からの気相触媒の供給流量は、マスフローなどの公知の流量調整機器を用いて調整することができる。
一酸化炭素供給部32は、一酸化炭素を反応容器管14の内部へ供給することができる。一酸化炭素供給部32からの一酸化炭素の供給流量は、マスフローなどの公知の流量調整機器を用いて調整することができる。
補助ガス供給部33は、上記の原料ガス、気相触媒および一酸化炭素以外のガス、たとえばアルゴンなどの不活性ガス(本明細書においてかかるガスを「補助ガス」と総称する。)を反応容器管14の内部へ供給することができる。補助ガス供給部33からの補助ガスの供給流量は、マスフローなどの公知の流量調整機器を用いて調整することができる。
所定方向Aにおける反応容器管14の他端には、圧力調整バルブ23および排気装置24が接続されている。圧力調整バルブ23は、バルブの開閉の程度を変動させることにより、反応容器管14内のガスの圧力を調整することができる。排気装置24は、反応容器管14の内部を真空排気する。排気装置24の具体的種類は特に限定されず、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、メカニカルブースター、ターボ分子ポンプ、クライオポンプなどを単独でまたはこれらを組み合わせて用いることができる。圧力調整バルブ23および排気装置24は、制御装置20に電気的に接続される。また、反応容器管14の内部には、その内部圧力を計測するための圧力計13が設けられている。圧力計13は、制御装置20に電気的に接続され、反応容器管14の内部の圧力を表わす電気信号を制御装置20に出力することができる。
制御装置20は、上記のように、ヒータ16、熱電対18、ガス供給装置22、圧力計13、圧力調整バルブ23および排気装置24と電気的接続され、これらの装置等から出力された電気信号を入力したり、その入力した電気信号に基づいてこれらの装置等の動作を制御したりする。以下、制御装置20の具体的な動作について例示する。
制御装置20は、熱電対18から出力された反応容器管14の内部温度に関する電気信号を入力し、その電気信号に基づいて決定されたヒータ16の動作に係る制御信号をヒータ16に対して出力することができる。制御装置からの制御信号を入力したヒータ16は、その制御信号に基づいて、発生熱量を増減させる動作を行い、反応容器管14の加熱領域の内部温度を変化させる。
制御装置20は、圧力計13から出力された反応容器管14の加熱領域の内部圧力に関する電気信号を入力し、その電気信号に基づいて決定された圧力調整バルブ23および排気装置24の動作に係る制御信号を圧力調整バルブ23および排気装置24に対して出力することができる。制御装置からの制御信号を入力した圧力調整バルブ23および排気装置24は、その制御信号に基づいて、圧力調整バルブ23の開き具合を変更したり、排気装置24の排気能力を変更させたりするなどの動作を行う。
制御装置20は、あらかじめ設定されたタイムテーブルに従って、各装置等の動作を制御するための制御信号を各装置に対して出力することができる。たとえば、ガス供給装置22が備える原料ガス供給部30、気相触媒供給部31、一酸化炭素供給部32および補助ガス供給部33のそれぞれからのガスの供給の開始および停止ならびに供給流量を決定する制御信号をガス供給装置22に出力することができる。その制御信号を入力したガス供給装置22は、その制御信号に従って、各供給部を動作させて、原料ガスなどの各ガスを反応容器管14内への供給を開始したり停止したりする。
2.CNTアレイの製造方法
本発明の一実施形態に係るCNTアレイの製造方法を、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係るCNTアレイの製造方法は、図2に示されるように、第一および第二の2つのステップを備える。
(1)第一ステップ
本実施形態に係るCNTアレイの製造方法は、第一ステップとして、ベース面をその表面の少なくとも一部として備える基板28を、気相触媒を含む雰囲気内に存在させる。ベース面は、例えばケイ素の酸化物を含む材料からなる面とすることができる。
基板28の具体的な構成は限定されない。その形状は任意であり、平板や円筒のような簡単な形状であってもよいし、複雑な凹凸が設けられた3次元形状を有していてもよい。また、基板の全面がベース面であってもよいし、基板の表面の一部だけがベース面であって他の部分はベース面ではない、いわゆるパターニングされた状態であってもよい。
ベース面は、例えば、ケイ素の酸化物を含む材料からなる面であり、第二ステップにおいてベース面上にCNTアレイは形成される。ベース面を構成する材料の詳細は限定されない。ベース面を構成する材料の具体的な一例として、石英(SiO)が挙げられる。ベース面を構成する材料の他の例として、SiO(x≦2)が挙げられ、これは酸素を含有する雰囲気でケイ素をスパッタリングすることによって得ることができる。さらに別の例として、ケイ素を含む複合酸化物が挙げられる。この複合酸化物を構成するケイ素および酸素以外の元素として、Fe、Ni、Alなどが例示される。さらにまた別の例として、ケイ素の酸化物に窒素、ホウ素などの非金属元素が添加された化合物が挙げられる。
ベース面を構成する材料は基板28を構成する材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。具体例を示せば、基板28を構成する材料が石英からなりベース面を構成する材料も石英からなる場合や、基板28を構成する材料はケイ素を主体とするシリコン基板からなりベース面を構成する材料はその酸化膜からなる場合が例示される。
第一ステップでは、気相触媒を含む雰囲気内に上記のベース面を備える基板28を存在させる。本実施形態に係る気相触媒の例として、鉄族元素(すなわち、鉄、コバルトおよびニッケルの少なくとも一種)のハロゲン化物(本明細書において「鉄族元素ハロゲン化物」ともいう。)が挙げられる。かかる鉄族元素ハロゲン化物をさらに具体的に例示すれば、フッ化鉄、フッ化コバルト、フッ化ニッケル、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、臭化鉄、臭化コバルト、臭化ニッケル、ヨウ化鉄、ヨウ化コバルト、ヨウ化ニッケルなどが挙げられる。鉄族元素ハロゲン化物は、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)のように、鉄族元素のイオンの価数に応じて異なる化合物が存在する場合もある、気相触媒は一種類の物質から構成されていてもよいし、複数種類の物質から構成されていてもよい。
気相触媒の反応容器管14の内部への供給方法は限定されない。前述の製造装置10のように、気相触媒供給部31から供給してもよいし、反応容器管14の加熱領域の内部に気相触媒を与える気相以外の物理状態(典型的には固相状態)にある材料(本明細書において「触媒源」ともいう。)を設置し、反応容器管14の加熱領域の内部を加熱することおよび/または負圧することにより触媒源から気相触媒を生成して、気相触媒を反応容器管14の加熱領域の内部に存在させてもよい。あるいは、塊、平板、スチールウールまたは粉状の鉄等の鉄族元素含有材料Mを反応容器管14内で所定の温度とし、反応容器管14内の鉄族元素含有材料Mと反応させるハロゲン含有物質を供給することにより、気相触媒を生成してもよい。触媒源を用いて気相触媒を生成する場合の具体例を示せば、反応容器管14の加熱領域の内部に触媒源として塩化鉄(II)の無水物を配置し、反応容器管14の加熱領域の内部を加熱するとともに負圧して塩化鉄(II)の無水物を昇華させると、塩化鉄(II)の蒸気からなる気相触媒を反応容器管14内に存在させることができる。
第一ステップにおける反応容器管14内、具体的には基板が設置されている部分の雰囲気の圧力は特に限定されない。大気圧(1.0×10Pa程度)であってもよいし、負圧であってもよいし、陽圧であってもよい。第二ステップにおいて反応容器管14内は負圧雰囲気とする場合には、第一ステップにおいても雰囲気を負圧としておいて、ステップ間の遷移時間を短縮することが好ましい。第一ステップにおいて反応容器管14内を負圧雰囲気とする場合において、雰囲気の具体的な全圧は特に限定されない。一例を挙げれば、10−2Pa以上10Pa以下とすることが挙げられる。
第一ステップにおける反応容器管14内雰囲気の温度は特に限定されない。常温(約25℃)であってもよいし、加熱されていてもよいし、冷却されていてもよい。後述するように第二ステップにおいて反応容器管14の加熱領域の内部の雰囲気は加熱されていることが好ましいことから、第一ステップにおいてもその領域の雰囲気を加熱しておいて、ステップ間の遷移時間を短縮することが好ましい。第一ステップにおいて反応容器管14の加熱領域の内部の雰囲気を加熱する場合において、加熱領域の温度は特に限定されない。一例を挙げれば8×10K以上1.3×10K以下であり、9×10K以上1.2×10K以下とすることが好ましい一例として挙げられる。
触媒源として塩化鉄(II)の無水物を用いる場合には、前述のように、第一ステップにおいても反応容器管14の加熱領域の内部の雰囲気を加熱して、触媒源が昇華する条件を満たすことが好ましい。なお、塩化鉄(II)の昇華温度は大気圧(1.0×10Pa程度)において950Kであるが、反応容器管14の加熱領域の内部の雰囲気を負圧とすることにより、昇華温度を低下させることができる。
触媒源として塩化鉄(II)の無水物を用い、気相触媒供給部31から塩化鉄(II)の蒸気を気相触媒の一部として供給してもよい。この場合には、気相触媒供給部31内に配置した塩化鉄(II)の無水物を加熱して塩化鉄(II)を昇華させ、発生した塩化鉄(II)の蒸気を、基板28が設置された反応容器管14内へと導くことにより、第一ステップを完了させることができる。
(2)第二ステップ
第二ステップでは、第一ステップにより実現された気相触媒を含む雰囲気、すなわち反応容器管14の内部の雰囲気に、原料ガスおよび一酸化炭素を存在させる。
原料ガスの種類は特に限定されないが、通常、炭化水素系材料が用いられ、アセチレンが具体例として挙げられる。原料ガスを反応容器管14の内部の雰囲気に存在させる方法は特に限定されない。前述の製造装置10のように、原料ガス供給部30から原料ガスを供給することにより存在させてもよいし、原料ガスを生成させることが可能な材料を反応容器管14の内部にあらかじめ存在させ、その材料から原料ガスを生成して反応容器管14の内部に拡散させることによって第二ステップを開始してもよい。原料ガス供給部30から原料ガスを供給する場合には、流量調整機器を用いて、反応容器管14の内部への原料ガスの供給流量を制御することが好ましい。通常、供給流量はsccm単位で表され、1sccmとは、273K、1.01×10Paの環境下に換算した気体についての毎分1mlの流量を意味する。反応容器管14の内部に供給される気体の流量は、図1に示されるような構成の製造装置の場合には、反応容器管14の内径、圧力計13において測定される圧力などに基づいて設定される。圧力計13の圧力が1×10Pa以上1×10Pa以内の場合における、アセチレンを含有する原料ガスの好ましい供給流量として10sccm以上1000sccm以下が例示され、この場合には20sccm以上500sccm以下とすることがより好ましく、50sccm以上300sccm以下とすることが特に好ましい。第二ステップにおいて反応容器管14の内部の雰囲気として供給される全気体中の原料ガスの含有量は、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。
本明細書において、一酸化炭素は、前述の気相触媒法により製造されるCNTアレイの成長速度を高める機能(以下、「成長促進機能」ともいう。)を有し、好ましい一形態では、さらに製造されたCNTアレイの紡績性を向上させる機能(以下、「紡績性向上機能」ともいう。)を有している。成長促進機能の詳細は特に限定されない。例として、CNTアレイの成長に係る反応の活性化エネルギーを低下させること、CNTアレイの成長速度を向上させること、失活原因であるアモルファスカーボン除去により気相触媒の寿命を長くすること、等が挙げられる。また、紡績性向上機能の詳細も特に限定されない。
第二ステップにおいて一酸化炭素を反応容器管14内雰囲気に存在させる方法は特に限定されない。前述の製造装置10のように、一酸化炭素供給部32から一酸化炭素を供給することにより存在させてもよいし、一酸化炭素を生成させることが可能な材料を反応容器管14内にあらかじめ存在させ、その材料から加熱、減圧などの手段によって一酸化炭素を生成して、一酸化炭素を反応容器管14内に拡散させてもよい。第二ステップは一酸化炭素を存在させるドライプロセス(意図的に配合された水が存在しない工程)であるから、原料ガスに微量(数百ppm程度)の水を添加するプロセスと比較して簡易に実施することができる。
一酸化炭素供給部32から一酸化炭素を供給する場合には、流量調整機器を用いて、反応容器管14の内部への一酸化炭素の供給流量を制御することが好ましい。圧力計13の圧力が1×10Pa以上1×10Pa以内の場合における、一酸化炭素の好ましい供給流量として10sccm以上1000sccm以下が例示され、この場合には20sccm以上500sccm以下とすることがより好ましく、50sccm以上300sccm以下とすることが特に好ましい。第二ステップにおいて反応容器管14の内部の雰囲気として供給される全気体中の一酸化炭素の含有量は、2質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。原料ガス(具体例としてアセチレン)および一酸化炭素をそれぞれ原料ガス供給部30および一酸化炭素供給部32から供給する場合には、原料ガスの供給流量(単位:sccm)に対する一酸化炭素の供給流量(単位:sccm)の比率(一酸化炭素/原料ガス)を、1000%以下とすることが好ましく、1%以上600%以下とすることがより好ましく、10%以上100%以下とすることが特に好ましい。かかる比率とすることにより、CNTアレイの成長速度をより安定的に高めて、成長高さの高いCNTアレイを製造することができる。
一酸化炭素を供給するには、上述した一酸化炭素そのものを供給することに加えて、一酸化炭素を形成可能な原料を供給することも含まれる。一酸化炭素を形成可能な原料としては、例えば、二酸化炭素やカルボニル錯体等が挙げられる。これら原料は、反応容器管14内において一酸化炭素を形成(生成)して、一酸化炭素を供給した場合と同様の効果を奏することができる。
このように、一酸化炭素が有する成長促進機能の程度は、原料ガスとの量的な関係に依存して変動すること、および一酸化炭素を含有させた効果は反応初期の方が相対的に顕著に確認されることから、一酸化炭素は、原料ガスが触媒と相互作用してCNTアレイを成長させる過程における比較的初期の段階でより強く関与している可能性がある。
第二ステップにおいて、反応容器管14内雰囲気に原料ガスを存在させるタイミングと一酸化炭素を存在させるタイミングとは特に限定されない。いずれが先であってもよいし、同時であってもよい。ただし、原料ガスのみを存在させ一酸化炭素が存在しない状態とすると、原料ガスと気相触媒との相互作用に基づくCNTアレイの成長が開始されてしまい、それはすなわち従来気相触媒法によるCNTアレイの製造であるから、この場合には一酸化炭素を含有させたことの利益を十分には得られなくなるおそれがある。それゆえ、一酸化炭素は、原料ガスよりも先または原料ガスと同時に反応容器管14内雰囲気に存在するように設定することが好ましい。
第二ステップにおける反応容器管14内雰囲気には、例えば全圧を所定範囲に調整することを目的として、補助ガスを存在させてもよい。補助ガスとして、CNTアレイの生成に与える影響が相対的に低いガス、具体的にはアルゴンガスなどの不活性ガスが例示される。反応容器管14内雰囲気に補助ガスを存在させる方法は特に限定されない。前述の製造装置10のように、補助ガス供給部33を供給装置が備え、その補助ガス供給部33から反応容器管14内雰囲気内に補助ガスを供給することが簡便であり、制御性に優れ、好ましい。
第二ステップにおける反応容器管14内雰囲気の全圧は特に限定されない。大気圧(1.0×10Pa程度)であってもよいし、負圧であってもよいし、陽圧であってもよい。反応容器管14内雰囲気に存在する物質の組成(分圧比)などを考慮して適宜設定すればよい。反応容器管14内の加熱領域の内部の雰囲気を負圧とする場合の圧力範囲の具体例を示せば、1×10Pa以上1×10Pa以下であり、2×10Pa以上7×10Pa以下とすることが好ましく、5×10Pa以上5×10Pa以下とすることがより好ましく、1×10Pa以上3×10Pa以下とすることが特に好ましい。
第二ステップにおける反応容器管14の加熱領域の内部の雰囲気の温度は、気相触媒および一酸化炭素が存在する雰囲気において原料ガスを用いてCNTアレイを形成することができる限り、特に限定されない。前述の塩化鉄(II)のような触媒源を加熱して気相触媒を得る場合には、反応容器管14の加熱領域の内部の雰囲気の温度は気相触媒が形成される温度以上に設定される。
第二ステップ中のベース面の温度は8×10K以上に加熱されていることが好ましい。ベース面の温度が8×10K以上である場合には、気相触媒および一酸化炭素と原料ガスとの相互作用がベース面上で生じやすく、ベース面上にCNTアレイが成長しやすい。この相互作用をより生じやすくさせる観点から、第二ステップ中のベース面の温度は9×10K以上に加熱されていることが好ましい。第二ステップ中のベース面の温度の上限は特に限定されないが、過度に高い場合には、ベース面を構成する材料や基板を構成する材料(これらは同一である場合もある。)が固体としての安定性を欠く場合もあるため、これらの材料の融点や昇華温度を考慮して上限を設定することが好ましい。反応容器管の負荷を考慮すれば、上限温度は1.5×10K程度までとすることが好ましい。
3.CNTアレイ
本実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイの一例は、図3に示されるように、複数のCNTが一定の方向に配向するように配置された構造を有する部分を備える。この部分の複数のCNTの直径を測定すると、図4に示されるように、CNTの直径が20nm〜40nm程度であることから、CNTは多層構造であると考えられる。
かかる本実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイは紡績性に優れる。具体的には、CNTアレイを構成するCNTをつまんで、これをCNTアレイから離間する向きに引き出す(紡績する)ことによって、互いに交絡した複数のCNTを備える構造体(CNT交絡体)を得ることができる。図5は、CNTアレイからCNT交絡体が形成されている状態を示す画像であり、図6は、CNT交絡体の一部分を拡大した画像である。図5に示されるように、CNTアレイを構成するCNTが連続的に引き出されてCNT交絡体は形成される。また、図6に示されるように、CNT交絡体を構成するCNTは、CNTアレイから引き出される方向(紡績方向)に配向しつつ、互いに絡み合って連結体を形成している。本明細書において、CNTアレイを備える部材であって、CNT交絡体を形成することが可能な部材を「紡績源部材」ともいう。
すべてのCNTアレイが紡績源部材となりうるわけではなく、CNT交絡体を形成することができるCNTアレイには形状的な制限がある。その制限事項の一つに、CNTアレイの成長高さ(CNTアレイが形成された状態における高さ)が挙げられる。すなわち、CNTアレイの成長高さが過度に低い場合には、引き出されたCNTが交絡することが困難となり、CNT交絡体を得ることが困難となる。このCNTアレイからのCNT交絡体の形成しやすさ(紡績性)は、CNTアレイから形成したCNT交絡体の紡績方向長さ(CNTアレイからCNTを引き出した方向の長さ)により評価することができる。紡績性に劣るCNTアレイの場合には、十分な紡績長さに到達する前にCNT交絡体はCNTアレイから脱離してしまう。これに対し、紡績性に特に優れるCNTアレイの場合には、CNT交絡体は、CNTアレイを構成するCNTが全てCNT交絡体となるまでCNTアレイから脱離しない。
本実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイは、従来技術に係る製造方法、すなわち一酸化炭素を用いない気相触媒法により製造されたCNTアレイに比べて、紡績性が低下するCNTアレイ成長高さ範囲が広い。つまり、本実施形態に係る製造方法により製造されたCNTアレイを紡績源部材とすることにより、従来法に係るCNTアレイを用いる場合よりも個々のCNTの長さが様々な長さのCNT交絡体をより安定的に製造することができる。
4.CNT交絡体
紡績源部材から得られるCNT交絡体は、様々な形状を有することができる。具体的な一例として線状の形状が挙げられ、他の一例としてウェブ状の形状が挙げられる。線状のCNT交絡体は、繊維と同等に取り扱うことができるうえ、電気配線としても用いることができる。また、ウェブ状のCNT交絡体は、そのままで不織布と同様に取り扱うことができる。
CNT交絡体の紡績方向長さは特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。一般的には、紡績長さが2mm以上であれば、コンタクト部、電極など部品レベルへのCNT交絡体の適用が可能となる。また、ウェブ状のCNT交絡体は、紡績源部材からの紡績方法を変更することによって、これを構成するCNTの配向の程度を任意に制御することができる。したがって、紡績源部材からの紡績方法を変更することによって、機械的特性や電気的特性が異なるCNT交絡体を製造することが可能である。
CNT交絡体は、その交絡の程度を小さくすれば、線状の場合には細くなり、ウェブ状の場合には薄くなる。その程度が進めば、CNT交絡体を目視で確認することが困難となり、このときそのCNT交絡体は透明繊維、透明配線、透明ウェブ(透明なシート状部材)として使用されうる。
CNT交絡体は、CNTのみからなっていてもよいし、他の材料との複合構造体であってもよい。前述のように、CNT交絡体は複数のCNTが互いに絡み合ってなる構造を有することから、この絡み合った複数のCNTの間には、不織布を構成する複数の繊維と同様に、空隙が存在する。この空隙部に、粉体(金属微粒子、シリカ等の無機系粒子や、エチレン系重合体等の有機系粒子が例示される。)を導入したり、液体を含浸させたりすることによって、容易に複合構造体を形成することができる。
また、CNT交絡体を構成するCNTの表面が改質されていてもよい。CNTは外側面がグラフェンから構成されるため、CNT交絡体はそのままでは疎水性であるが、CNT交絡体を構成するCNTの表面に対して親水化処理を行うことによって、CNT交絡体を親水化することができる。そのような親水化の手段の一例として、めっき処理が挙げられる。この場合には、得られたCNT交絡体は、CNTとめっき金属との複合構造体となる。
気相触媒を含む雰囲気に原料ガスおよび一酸化炭素を存在させることにより成長高さの高いCNTアレイが得られる。成長高さの高いCNTアレイを構成するCNTは、他の材料の複合構造体としたときに長径を維持しやすい。したがって、機械的特性の良好な複合構造体となる。また、電気的な抵抗が低くなるため抵抗の低い透明電極の原料として好適である。
複合構造体は、CNT交絡体を備える構造体を骨格構造として備えたものであってもよい。本明細書において「骨格構造」とは基本的な構造をいう。例えば、CNT交絡体を備える構造体が複合構造体を構成する複数の材料のうち最大体積または最大質量を占めている場合、複合構造体は構造体を骨格構造として備えている。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示される構造を有する製造装置を用い、図2に示される製造方法によってCNTアレイを製造した。
具体的には、まず、次のようにして、第一ステップを実施した。
図1に示される構造を有する製造装置の反応容器管内に、石英からなるボート上に石英板(20mm×5mm×厚さ1mm)を載置した。したがって、本実施例では、ベース面を構成する材料および基板を構成する材料はいずれも石英であった。また、触媒源としての塩化鉄(II)の無水物(120mg)を反応容器管内のボート以外の部分上に載置した。
排気装置を用いて反応容器管内を1×10−1Pa以下に排気したのち、ヒータを用いて反応容器管内(基板を含む)を1.1×10Kまで加熱した。その結果、反応容器管内で塩化鉄(II)の無水物は昇華して、反応容器管の加熱領域の内部は、触媒源としての塩化鉄(II)の無水物から形成された気相触媒を含む雰囲気となった。
こうして第一ステップを実施したのち、圧力調整バルブを用いて雰囲気圧力を2.7×10Pa(20torr)に維持するとともに、反応容器管内(基板を含む)の温度を、ヒータを用いて1.1×10Kに維持しながら、原料ガス供給部から原料ガスとしてのアセチレンを、一酸化炭素供給部から一酸化炭素を、補助ガス供給部からアルゴンを、それぞれ表1に示される流量で反応容器管内に供給して、総流量を500sccmとすることにより第二ステップを実施した。
第二ステップを開始することにより、すなわち、一酸化炭素およびアセトンの供給を開始することにより、アセチレンの流量を50sccm以上とした試験において、ベース面上にCNTアレイが成長した。ベース面に平行な方向からカメラにてCNTアレイを1分間おきに撮影し、第二ステップ開始からCNTアレイの成長が止まるまでの間、CNTアレイの成長高さを測定した。
その結果を表1および図7〜図10に示す。表−1における触媒寿命(分間)は、図7〜図10のグラフから第二ステップの開始から気相触媒が失活するまでの時間(分間)を読み取った値を示している。CNTアレイの成長高さ(mm)は、触媒寿命の時点におけるCNTアレイ高を示している。初期成長速度は、第二ステップの開始後1分間から5分間までにおけるCNTアレイの成長速度(μm/分間)を示している。

※7分間の合成を行ったがCNTアレイは得られなかった。
※※30分間の合成を行ったがCNTアレイは得られなかった。
試験1−1〜1−2ではCNTアレイが得られなかった。したがって、触媒源としての塩化鉄(II)の無水物を用いた場合、一酸化炭素はCNTアレイを構成する炭素源すなわち原料ガスとして機能していないといえる。
試験2−1〜2−4ではCNTアレイが得られなかった。したがって、CNTアレイを製造する観点から、反応容器の圧力2.7×10Pa、全流量500sccmの条件下では、アセチレンの流量は、30sccm以上、好ましくは40sccm以上、より好ましくは50sccm以上であるといえる。成長高さが2mm以上のCNTアレイを短時間で製造可能という観点から、アセチレンの流量は、100〜350sccmが好ましく、125〜300sccmがより好ましい。成長高さが3mm以上のCNTアレイを短時間で製造可能という観点から、アセチレンの流量は、150〜250sccmがさらに好ましい。
図7〜図10は、試験3−1〜3−4、4−1〜4−4、5−1〜5−7および6−1〜6−4に係る製造方法により製造されたCNTアレイの成長高さと成長時間との関係を示すグラフである。これらCNTアレイの成長プロファイル(成長特性)のグラフでは、横軸が第二ステップを開始してからの経過時間、すなわちCNTアレイの成長時間(Growth time[min])を示し、縦軸がCNTアレイの高さ(Array height[mm])を示し、各グラフの右肩に付した数字が一酸化炭素の流量(sccm)を示している。
図9に三角で示すように、CNTアレイの成長プロファイルのグラフにおける成長が止まる点(Growth termination)を読み取った、第二ステップを開始してからCNTアレイの成長が止まるまでの時間を触媒停止時間とした。触媒停止時間におけるCNTアレイの高さをCNTアレイの成長高さとした。
図7〜図10に示すように、気相触媒を含む雰囲気にアセチレン(原料ガス)および一酸化炭素を存在させた試験例はいずれも、気相触媒を含む雰囲気に原料ガスのみを存在させた試験例よりも、CNTアレイの成長高さが高く、気相触媒の触媒寿命が長く、かつCNTアレイの初期成長速度が大きかった。したがって、一酸化炭素を存在させることで、気相触媒法により製造されるCNTアレイの生産性を高くすることができる。
図7〜図10には、アセチレンの流量によりCNTアレイの成長プロファイルが異なることが示されているが、好ましい一酸化炭素の流量はアセチレンの流量に関わらず略同程度であった。この結果から、一酸化炭素の最適流量の特定においては、気相触媒との関係が重要であると考えられる。CNTアレイの生産性を高める観点から、一酸化炭素の流量は、10〜350sccmが好ましく、30〜300sccmがより好ましく、50〜250sccmがさらに好ましいといえる。
図8〜図10の成長プロファイルを示すグラフが直線状であることから、製造されたCNTアレイは高さ方向の均一性が高いことが分かる。均一性の高いCNTアレイは一般に紡績性も良好であることから、試験4−1〜4−4、5−1〜5−7および6−1〜6−4によって製造されたCNTアレイは紡績性が良好であるといえる。
以上のとおり、表1および図7〜図10に示された結果から、気相触媒を含む雰囲気に原料ガスおよび一酸化炭素を存在させることにより、ベース面上に得られるCNTアレイの成長高さが高く、気相触媒の触媒寿命が長く、かつCNTアレイの初期成長速度が大きくなることが分かった。したがって、本発明の製造方法によって、気相触媒法により製造されるCNTアレイの生産性を高めることが可能である。
図11および図12は、表1の試験5−1および5−3に係る製造方法により製造された、CNTアレイのラマンスペクトルである。これらの図に示すようにCNTアレイのラマンスペクトルにおいては、1350cm−1付近および1600cm−1付近にピークが現れる。1350cm−1付近に現れるピークをD−bandといい、1600cm−1付近に現れるピークをG−bandという。D−bandとG−bandのピーク強度比(G/D比)によってCNTアレイの結晶性を評価することができ、G/D比が高いほど結晶性が高い。
表2および図13は、表1の試験5−1〜5−7に係る製造方法により製造された各CNTアレイのラマンスペクトルから求めたG/D比を示している。図13のグラフにおいては、横軸が一酸化炭素の流量(sccm)であり、縦軸がCNTアレイのG/Dである。表2および図13には、一酸化炭素の流量を50〜300(sccm)の範囲で変化させた場合に、G/D比すなわち結晶性がほぼ等しいCNTアレイが得られたことが示されている。この結果から、気相触媒を含む雰囲気に原料ガスおよび一酸化炭素を存在させることにより、結晶性を良好に維持したままで、CNTアレイの生産性を高めることができるといえる。
(実施例2)
一酸化炭素を用いたCNTアレイの製造方法の温度依存性を調べるために、反応容器管内(基板を含む)の温度(合成温度、ベース面の温度)を、表3に示すように、1043K〜1123Kの範囲で変化させて、第二ステップを実施した。また、第二ステップでは、アセチレン流量を200sccmで固定し、ガスの総流量が500sccmとなるように、残りの300sccmを、表3に示す流量に一酸化炭素およびアルゴンを調整して、CNTアレイを合成した。
合成温度および流量以外は、実施例1と同様にして、第一ステップおよび第二ステップを実施した。第二ステップ開始からCNTアレイの成長が止まるまでの間、CNTアレイの成長高さを測定した。その結果を(表3および)図14〜図16に示す。
図14のグラフに示すように、一酸化炭素の流量100sccmでは合成温度(Temperature、K)を1.06×10K以上とすることにより、一酸化炭素の流量200sccmでは合成温度を1.07×10K以上とすることにより、一酸化炭素添加によるCNTアレイの成長高さ(Array height(mm))を増大させる効果が認められた。このため、CNTアレイの成長高さを増大させる観点から、合成温度は、1.06×10K以上が好ましく、1.07×10K以上がより好ましく、1.08×10K以上がさらに好ましい。同様の観点から、図14の傾向に照らして、合成温度は1.13×10K以下が好ましい。
図15および図16のグラフは、アセチレン(原料ガス)に一酸化炭素を添加することにより、触媒寿命(Life time(min)、分間)および初期成長速度(Growth rate(μm/min))が同時に向上したことを示している。
CNTアレイの成長高さは、触媒寿命および成長速度の影響を受けるが、触媒寿命と成長速度には、通常、反比例に近い関係がある。このため、従来のCNTアレイの製造方法では、触媒寿命および成長速度を同時に向上させることが困難であった。
しかし、図15および図16に示すように、アセチレン(原料ガス)に一酸化炭素を添加するCNTアレイの製造方法によれば、一酸化炭素の触媒還元作用によって触媒の寿命を延ばすとともに、CNTアレイの成長速度を向上させることができた。この成長速度向上は、アセチレンと併用することによって、一酸化炭素の一部が炭素原料として用いられたことによるものと推定できる。
一酸化炭素の触媒還元効果によって触媒寿命を延ばす観点から、合成温度は1.07×10K以上1.12×10K以下が好ましい。また、CNTアレイの成長速度を速くする観点から、合成温度は1.08×10K以上が好ましい。
合成温度が1.07×10K以下では、アセチレンに一酸化炭素を供給することによって、触媒寿命が短くなり、CNTアレイの初期成長速度も遅くなった。この結果は、供給された一酸化炭素の少なくとも一部が炭素原料として機能したことを示唆している。
低い合成温度では、炭素原料がCNTアレイに合成される速度が遅いため、炭素原料の供給量が過剰になると、触媒表面にアモルファスカーボンが蓄積して、触媒寿命が短くなり、CNTアレイの成長速度が低下する。アセチレンに加えて一酸化炭素が炭素原料として機能した結果、炭素原料の供給量が過剰になり、アセチレンのみを用いた場合よりもCNTアレイの成長速度が低下したと考えられる。
対して、高い合成温度では、炭素原料からCNTアレイが合成される速度が速いため、一酸化炭素が炭素原料として機能することにより、炭素原料の不足が補われてCNTアレイの成長が促進される。これにより、アセチレンのみを用いた場合よりもCNTアレイの成長速度が向上したと考えられる。
(実施例3)
一酸化炭素を用いたCNTアレイの製造方法における、原料ガスとしてのアセチレン流量依存性を調べるために、表4に示すように、アセチレン流量を100〜500sccm、合成温度を1043〜1123Kの範囲で変化させて、CNTアレイを製造した。
第一ステップは、実施例1と同様、反応容器管の加熱領域の内部を、触媒源としての塩化鉄(II)の無水物から形成された気相触媒を含む雰囲気とした。
第二ステップは、第一ステップを実施した後、以下のようにして行った。圧力調整バルブを用いて雰囲気圧力を3.2×10Pa(24torr)に維持するとともに、反応容器管内(基板を含む)の温度を、ヒータを用いて所定の合成温度に維持しながら、原料ガス供給部から原料ガスとしてのアセチレンを、一酸化炭素供給部から一酸化炭素を、補助ガス供給部からアルゴンを、それぞれ表4に示される流量で反応容器管内に供給して、総流量を600sccmとした。
第二ステップ開始からCNTアレイの成長が止まるまでの間、CNTアレイの成長高さを、実施例1と同様に測定した。
その結果を表4および図17〜図20に示す。

図17に示されるように、CNTアレイの成長高さ(Array height(mm))は、合成温度(Temperature(K))に依存することが分かった。CNTアレイ高には、合成温度の上昇と共に増加し、ピークとなった後に減少する傾向があった。ただし、アセチレン流量を400sccmおよび500sccmとした場合、合成温度1123KのときのCNTアレイ高が、合成温度1113Kのときよりもわずかに増加した。この結果は、合成温度を高くすることで、アセチレンがCNTとして析出する反応速度が十分に大きくなったことを示している。したがって、合成温度1.12×10K程度の高温においては、アセチレン流量をさらに大きくすることにより、十分な成長高さのCNTアレイを短時間で製造できる可能性があると考える。
CNTアレイの成長高さを高くする観点から、合成温度は1.08×10K以上が好ましく、1.10×10K以上がより好ましいといえる。
図18に示されるように、触媒寿命(Lifetime(min)、分間)は、合成温度(Temperature(K))が高くなるにしたがって減少する傾向がある。合成温度の上昇に伴う触媒寿命の減少は、熱運動の活発化により反応速度が大きくなって、触媒表面がアモルファスカーボンによって被覆されて、炭素原料の供給が妨げられることによるものである。
図19に示されるように、アセチレン流量に関わらず、CNTアレイの初期成長速度(Growth rate(μm/min))は、合成温度(Temperature(K))の上昇とともに大きくなった。これは、合成温度が高くなると触媒内部の炭素拡散速度が上昇しCNTアレイの析出速度が増加したことによるものである。
図20に示されるように、CNTアレイの初期成長速度(ln(growth rate(μm/min))は、合成温度1.10×10K以上ではアセチレン流量の増大に伴って大きくなり、合成温度1.10×10K未満ではアセチレン流量の増大に伴って小さくなる傾向があった。これは、合成温度1.10×10K未満では反応速度が小さいから、アセチレンとして供給された炭素原料を分解しきれずに、触媒表面がアモルファスカーボンによって被覆されたことによるものである。
本発明に係るCNTアレイの製造方法により製造されたCNTアレイから得られるCNT交絡体は、例えば電気配線、発熱体、伸縮性シート状歪センサ、透明電極シートなどとして好適に用いられる。
10…製造装置
12…電気炉
13…圧力計
14…反応容器管
16…ヒータ
18…熱電対
20…制御装置
22…ガス供給装置
23…圧力調整バルブ
24…排気装置
28…基板
30…原料ガス供給部
31…気相触媒供給部
32…一酸化炭素供給部
33…補助ガス供給部

Claims (12)

  1. 気相触媒を含む雰囲気内に基板を存在させる第一ステップと、
    前記気相触媒を含む雰囲気に原料ガスおよび一酸化炭素を存在させることにより、前記基板のベース面上に複数のカーボンナノチューブを成長させ、前記複数のカーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブアレイを前記ベース面上に得る第二ステップとを備えることを特徴とするカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  2. 前記第二ステップは、前記気相触媒を含む雰囲気に、前記原料ガスおよび前記一酸化炭素をこれらの流量を制御しつつ供給することにより実施され、前記原料ガスの供給流量に対する一酸化炭素の供給流量の比率(一酸化炭素/原料ガス)は1%以上である、請求項1に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  3. 前記比率(一酸化炭素/原料ガス)は600%以下である、請求項2に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  4. 前記気相触媒は鉄族元素のハロゲン化物を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  5. 前記鉄族元素のハロゲン化物は塩化鉄(II)を含む、請求項4に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  6. 前記原料ガスはアセチレンを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  7. 前記第二ステップにおける前記ベース面は、8×10K以上に加熱されている請求項1から6のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブアレイの製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載されるカーボンナノチューブアレイの製造方法により製造されたカーボンナノチューブアレイを用いて製造されたことを特徴とする紡績源部材の製造方法。
  9. 請求項8に記載される紡績源部材からカーボンナノチューブを紡ぎ出すことを含んで製造されることを特徴とするカーボンナノチューブを備える構造体の製造方法。
  10. 前記構造体が線状である請求項9に記載の構造体の製造方法。
  11. 前記構造体がウェブ状である請求項9に記載の構造体の製造方法。
  12. 請求項9から11のいずれか一項に記載される構造体を骨格構造として備えることを特徴とする複合構造体の製造方法。
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