JPWO2018016546A1 - エネルギ管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のエネルギ蓄積装置間で効率よく蓄積エネルギを融通する。
【解決手段】エネルギ管理装置1は、交流電力に応じたエネルギを蓄積する複数の第1エネルギ蓄積装置3と、複数の第1エネルギ蓄積装置に対応して設けられ、発電装置からの発電電力を電力変換する複数のインバータ4と、を備える。複数のインバータのそれぞれは、発電電力を直流電力に変換する第1交流−直流変換器6と、第1交流−直流変換器にて変換された直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換器7と、第1交流−直流変換器と直流−交流変換器との間に接続され、複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御する第1切替器8と、を有する。
【解決手段】エネルギ管理装置1は、交流電力に応じたエネルギを蓄積する複数の第1エネルギ蓄積装置3と、複数の第1エネルギ蓄積装置に対応して設けられ、発電装置からの発電電力を電力変換する複数のインバータ4と、を備える。複数のインバータのそれぞれは、発電電力を直流電力に変換する第1交流−直流変換器6と、第1交流−直流変換器にて変換された直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換器7と、第1交流−直流変換器と直流−交流変換器との間に接続され、複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御する第1切替器8と、を有する。
Description
本発明は、発電装置からの発電電力に応じたエネルギの蓄積および放出を管理するエネルギ管理装置に関する。
風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギは、二酸化炭素などの温室効果ガスを軽減できて、地球温暖化を防止でき、放射能汚染の問題もないことから、今後益々利用が進むものと考えられている。
ところが、再生可能エネルギは、一般に発電量が時間に応じて大きく変動するため、再生可能エネルギを電力系統に連系させると、そのままでは系統電圧や周波数が時間に応じて大きく変動しまう。
再生可能エネルギを蓄積するエネルギ蓄積装置としては、リチウムイオン電池やNaS電池などが用いられる。特に、リチウムイオン電池は、蓄電容量が大きい上に、数百回の充放電を行える耐久性能を有する。
しかしながら、再生可能エネルギの中でも、風力発電は発電電力が絶えず変化するため、風力発電の発電電力を例えばリチウムイオン電池に蓄電しようすると、頻繁に充放電が行われることになり、リチウムイオン電池の寿命が短くなってしまう。
このような背景から、複数種類の蓄電デバイスを組み合わせて、再生可能エネルギを電力系統に連系する電力変動抑制装置が提案されている(特開2014−42415号公報参照)。
しかしながら、蓄電デバイスによって、蓄電制限量などの蓄電特性が大きく異なるため、複数種類の蓄電デバイスのうちの一部の蓄電デバイスが満充電状態や完全放電状態になることも考えられ、複数種類の蓄電デバイスを連系させるのは容易ではない。
また、蓄電デバイスとしてフライホイール装置を用いる場合、フライホイール装置は、発電電力の高周波変動成分をエネルギとして蓄積することには向いているが、エネルギの蓄積容量が限られているため、発電電力の低周波成分まで蓄積すると、短時間でエネルギの蓄積制限量に達してしまう。このため、複数のフライホイール装置を連系させて、蓄積エネルギを相互に送受できるようにすることも考えられるが、蓄積エネルギを送受する経路上でエネルギの損失が生じるおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のエネルギ蓄積装置間で効率よく蓄積エネルギを融通できるようにしたエネルギ管理装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、交流電力に応じたエネルギを蓄積する複数の第1エネルギ蓄積装置と、
前記複数の第1エネルギ蓄積装置に対応して設けられ、発電装置からの発電電力を電力変換する複数のインバータと、を備え、
前記複数のインバータのそれぞれは、
前記発電電力を直流電力に変換する第1交流−直流変換器と、
前記第1交流−直流変換器にて変換された前記直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換器と、
前記第1交流−直流変換器と前記直流−交流変換器との間に接続され、前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御する第1切替器と、を有する。
前記複数の第1エネルギ蓄積装置に対応して設けられ、発電装置からの発電電力を電力変換する複数のインバータと、を備え、
前記複数のインバータのそれぞれは、
前記発電電力を直流電力に変換する第1交流−直流変換器と、
前記第1交流−直流変換器にて変換された前記直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換器と、
前記第1交流−直流変換器と前記直流−交流変換器との間に接続され、前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御する第1切替器と、を有する。
前記複数の第1エネルギ蓄積装置のそれぞれは、前記第1交流−直流変換器で変換された直流電力と前記第1交流−直流変換器で変換された直流電力とを、前記第1切替器を介して、他の第1エネルギ蓄積装置と送受してもよい。
前記複数のインバータのそれぞれは、前記第1交流−直流変換器と前記直流−交流変換器との間に配置されて対応する前記第1交流−直流変換器で変換された直流電力に応じた電荷を蓄積するキャパシタを有し、
前記第1切替器は、対応する前記第1交流−直流変換器と前記キャパシタとを繋ぐ経路上に接続されてもよい。
前記第1切替器は、対応する前記第1交流−直流変換器と前記キャパシタとを繋ぐ経路上に接続されてもよい。
前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1切替器のうち2以上の前記第1切替器は、対応する2以上の前記直流−交流変換器が並列接続されるように配置されてもよい。
前記複数の第1切替器のうち2以上の前記第1切替器は、対応する2以上の前記直流−交流変換器が並列接続されるように配置されてもよい。
前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1切替器のうち2以上の前記第1切替器は、対応する2以上の前記直流−交流変換器が直列接続されるように配置されてもよい。
前記複数の第1切替器のうち2以上の前記第1切替器は、対応する2以上の前記直流−交流変換器が直列接続されるように配置されてもよい。
前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1切替器は、故障を起こした前記第1交流−直流変換器以外の前記第1交流−直流変換器を介して、前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御してもよい。
前記複数の第1切替器は、故障を起こした前記第1交流−直流変換器以外の前記第1交流−直流変換器を介して、前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御してもよい。
前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1エネルギ蓄積装置のうち少なくとも一つのエネルギ効率が最大になるように、前記複数の第1切替器)を切替制御して前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギを送受するエネルギ蓄積制御部を備えてもよい。
前記複数の第1エネルギ蓄積装置のうち少なくとも一つのエネルギ効率が最大になるように、前記複数の第1切替器)を切替制御して前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギを送受するエネルギ蓄積制御部を備えてもよい。
前記複数の第1エネルギ蓄積装置の少なくとも一つは、フライホイール装置であってもよい。
前記複数の第1エネルギ蓄積装置の二つ以上は、フライホイール装置であり、
前記二つ以上のフライホイール装置に対応する二つ以上の前記第1切替器は、前記二つ以上のフライホイール装置同士での蓄積エネルギの送受を切替制御してもよい。
前記二つ以上のフライホイール装置に対応する二つ以上の前記第1切替器は、前記二つ以上のフライホイール装置同士での蓄積エネルギの送受を切替制御してもよい。
直流電力に応じたエネルギを蓄積する第2エネルギ蓄積装置と、
前記発電電力を直流電力に変換する第2交流−直流変換器と、
前記第2交流−直流変換器と前記第2エネルギ蓄積装置との間に接続され、前記複数の第1エネルギ蓄積装置と前記第2エネルギ蓄積装置との間で蓄積エネルギの送受を切り替える第2切替器と、を備えてもよい。
前記発電電力を直流電力に変換する第2交流−直流変換器と、
前記第2交流−直流変換器と前記第2エネルギ蓄積装置との間に接続され、前記複数の第1エネルギ蓄積装置と前記第2エネルギ蓄積装置との間で蓄積エネルギの送受を切り替える第2切替器と、を備えてもよい。
前記第2エネルギ蓄積装置は、リチウムイオン電池であってもよい。
本発明によれば、複数のエネルギ蓄積装置間で効率よく蓄積エネルギを融通することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態によるエネルギ管理装置1の概略構成を示すブロック図である。図1のエネルギ管理装置1は、風力発電や太陽光発電などの発電装置2からの再生可能エネルギを蓄積する制御と、蓄積されたエネルギを電力系統20に放出する制御とを行う。電力系統20には、トランス30を介して、システム系統21が接続されている。
図1は第1の実施形態によるエネルギ管理装置1の概略構成を示すブロック図である。図1のエネルギ管理装置1は、風力発電や太陽光発電などの発電装置2からの再生可能エネルギを蓄積する制御と、蓄積されたエネルギを電力系統20に放出する制御とを行う。電力系統20には、トランス30を介して、システム系統21が接続されている。
図1のエネルギ管理装置1は、複数の第1エネルギ蓄積装置3と、システム系統31に接続された複数のインバータ4とを備えている。複数の第1エネルギ蓄積装置3のそれぞれは、交流電力に応じたエネルギを蓄積する。すなわち、これら第1エネルギ蓄積装置3は、交流電力からエネルギを抽出して蓄積する。蓄積するエネルギは必ずしも電気エネルギとは限らない。電気エネルギを回転エネルギなどの運動エネルギに変換して蓄積してもよいし、電気エネルギを磁気エネルギに変換して蓄積してもよい。第1エネルギ蓄積装置3の一具体例は、フライホイール装置である。フライホイール装置は、交流電力を機械的な回転エネルギに変換して蓄積する。
図2はフライホイール装置11の原理を説明する模式的なブロック図である。図2のフライホイール装置11は、インバータ4に接続されたモータ/発電機13と、モータ/発電機13の回転軸14とともに回転するフライホイール15と、を有する。インバータ4は、フライホイール15を高速回転させるために、発電装置2から出力される発電電力の周波数を変換する交流−交流変換装置である。モータ/発電機13は、インバータ4の出力電力により、回転軸14を回転させる。このとき、モータ/発電機13はモータとして機能する。回転軸14にはフライホイール15が接続されているため、回転軸14が回転することにより、フライホイール15も回転する。これにより、発電電力をフライホイール15の回転エネルギに変換することができる。フライホイール15の回転エネルギは、必要に応じて、回転軸14を介してモータ/発電機13を駆動する電気エネルギとして使用可能である。このとき、モータ/発電機13は発電機として機能する。モータ/発電機13にて生成された発電電力は、インバータ4を介してシステム系統31に供給されるか、あるいは、後述するように他の第1エネルギ蓄積装置3へのエネルギ蓄積に利用される。なお、図1では、図2のフライホイール装置の構成を簡略化して示している。
上述したように、第1エネルギ蓄積装置3は、フライホイール装置に限定されるものではない。第1エネルギ蓄積装置3の他の具体例としては、空気電池やレドックスフロー電池などでもよく、交流電力からエネルギを抽出して蓄積できるものであれば、種類は問わない。
図1は、2つの第1エネルギ蓄積装置3を備える例を示しているが、第1エネルギ蓄積装置3の数は2つ以上であれば何個設けてもよい。
図1のエネルギ管理装置1は、複数の第1エネルギ蓄積装置3の他に、直流電力に応じたエネルギを蓄積する第2エネルギ蓄積装置5を備えている。この第2エネルギ蓄積装置5を設けるか否かは任意であり、必須の構成要素ではない。第2エネルギ蓄積装置5の一具体例は、リチウムイオン電池やNAS電池などである。第1エネルギ蓄積装置3にはフライホイール装置などのエネルギ容量は小さいもののエネルギの蓄積および放出をより迅速に行えるものを用い、第2エネルギ蓄積装置5にはリチウムイオン電池などのエネルギの蓄積および放出速度は第1エネルギ蓄積装置3に劣るものの、第1エネルギ蓄積装置3よりもエネルギ容量が大きいものを用いるのが望ましい。
図1のエネルギ管理装置1内の複数のインバータ4のそれぞれは、第1エネルギ蓄積装置3に対応づけて設けられている。個々の第1エネルギ蓄積装置3に対応するインバータ4は、第1交流−直流変換器(AC/DC)6と、直流−交流変換器(DC/AC)7と、第1切替器8とを有する。
第1交流−直流変換器6は、交流であるシステム系統31の充放電電力を直流電力に変換する。直流−交流変換器7は、第1交流−直流変換器6にて変換された直流電力を交流電力に変換する。第1切替器8は、第1交流−直流変換器6と直流−交流変換器7との間に接続され、複数の第1エネルギ蓄積装置3間で蓄積エネルギの送受を切替制御する。このように、本実施形態におけるインバータ4は、第1交流−直流変換器6と直流−交流変換器7との間に第1切替器8を設けている。これにより、第1切替器8を介して、複数の第1エネルギ蓄積装置3同士で、蓄積エネルギの送受を行うことができる。
図1に示すように、第1交流−直流変換器6と直流−交流変換器7との間の接続経路は、電源ラインL1とコモンラインL2とを有する。第1切替器8は、電源ラインL1とコモンラインL2のそれぞれに設けられている。以下では、電源ラインL1側の第1切替器8を電源ライン切替部8aと呼び、コモンラインL2側の第1切替器8をコモンライン切替部8bと呼ぶ。これら電源ライン切替部8aとコモンライン切替部8bは、個別に切替制御が可能である。以下では、第1切替器8が接続経路を導通させている状態をオン、接続経路を遮断している状態をオフと呼ぶ。電源ライン切替部8aは、他の電源ライン切替部8aまたは他のコモンライン切替部8bと導通させることもできる。同様に、コモンライン切替部8bは、他のコモンライン切替部8bまたは他の電源ライン切替部8aと導通させることもできる。2以上の第1エネルギ管理装置1の間で蓄積エネルギを送受する際には、対応する2以上の電源ライン切替部8a同士を導通させ、かつ対応する2以上のコモンライン切替部8B同士を導通させる必要がある。
このように、複数のインバータ4内の複数の第1切替器8における各電源ライン切替部8aと各コモンライン切替部8bは、個別にオン/オフが可能とされている。
第1交流−直流変換器6と直流−交流変換器7との間の電源ラインL1とコモンラインL2とにはキャパシタ21が接続されている。このキャパシタ21は、第1交流−直流変換器6で変換された直流電力に応じた電荷を蓄積/放出する。第1切替器8は、第1交流−直流変換器6とキャパシタ21との間に接続されている。これにより、第1切替器8は、接続されている第1エネルギ蓄積装置3に対して、キャパシタ21の充放電電流を流すことができる。
図1の第2エネルギ蓄積装置5は、直流電圧に応じたエネルギを蓄積するため、第1エネルギ蓄積装置3と同様のインバータ4を設ける必要はない。ただし、システム系統31の充放電電力は交流電力であるため、システム系統31の充放電電力を直流電力に変換する第2交流−直流変換器9が設けられている。また、第2交流−直流変換器9と第2エネルギ蓄積装置5との間には、第2切替器10が接続されている。第2切替器10は、第1切替器8と同様に、電源ラインL1を導通/遮断する電源ライン切替部10aと、コモンラインL2を導通/遮断するコモンライン切替部10bとを有する。これら電源ライン切替部10aとコモンライン切替部10bはそれぞれ、複数の第1切替器8内の任意の電源ライン切替部8aまたはコモンライン切替部8bと導通させることができる。
このように、第2切替器10における各電源ライン切替部10aと各コモンライン切替部10bは、個別にオン/オフが可能とされている。
第2交流−直流変換器9と第2エネルギ蓄積装置5との間の電源ラインL1とコモンラインL2とにはキャパシタ21が接続されている。このキャパシタ21は、第2交流−直流変換器9で変換された直流電力に応じた電荷を蓄積/放出する。第2切替器10は、第2交流−直流変換器9とキャパシタ21との間に接続されている。これにより、第2切替器10は、接続されている第2エネルギ蓄積装置5に対して、キャパシタ21の充放電電流を流すことができる。
複数のインバータ4内の複数の第1交流−直流変換器6の入力側には、インダクタ22を介してシステム系統31が接続されている。同様に、第2交流−直流変換器9の入力側にも、インダクタ22を介してシステム系統31が接続されている。これらインダクタ22には電力を蓄積することができる。この蓄積電力は、第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5の充放電の切替の際に一時的に放電できなくなるときに利用される。
図3は、2つの第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5とが並列接続されるように、2つの第1切替器8と第2切替器10を切替制御した例を示している。この場合、2つのキャパシタ21の両端電圧と第2エネルギ蓄積装置5の両端電圧は等しくなるように制御される。図3では、2つの第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5間でのエネルギの送受方向の一例を矢印線で示している。図3の例では、上から二段目の第1エネルギ蓄積装置3内のエネルギの一部は、二段目と最上段の第1切替器8を介して最上段の第1エネルギ蓄積装置3に供給されて、第1エネルギ蓄積装置3に蓄積される。また、上から二段目の第1エネルギ蓄積装置3内のエネルギの他の一部は、二段目の第1切替器8と第2切替器10を介して最下段の第2エネルギ蓄積装置5に供給されて、第2エネルギ蓄積装置5に蓄積される。
このように、本実施形態では、複数の第1切替器8と第2切替器10を任意に切替制御することで、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5間で任意に蓄積エネルギの送受を行うことができる。また、蓄積エネルギを送受する際に、複数の第1切替器8と第2切替器10より前段側には蓄積エネルギに応じた電流が流れないため、送受されるエネルギの損失を防止できる。特に、送受される蓄積エネルギがインダクタ22に流れないため、蓄積エネルギを送受する際のエネルギ損失を低減でき、エネルギ効率が向上する。
図4は最上段のインバータ4内の第1交流−直流変換器6が故障した例を示している。この場合、故障した第1交流−直流変換器6を介して、最上段の第1エネルギ蓄積装置3に電力を蓄積したり、蓄積された電力を故障した第1交流−直流変換器6を介してシステム系統31に供給することはできない。しかしながら、図3と同様に、複数の第1切替器8と第2切替器10を切替制御して、2つの第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5とを並列接続することで、二段目の第1交流−直流変換器6を介して取り込んだ交流電力の一部を、二段目と最上段の第1切替器8を介して、最上段の直流−交流変換器7に供給して、最上段の第1エネルギ蓄積装置3に蓄積することができる。また、二段目の第1交流−直流変換器6を介して取り込んだ交流電力の残りは、対応する第1切替器8を介して、対応する直流−交流変換器7に供給されて、二段目の第1エネルギ蓄積装置3に蓄積される。
図1に示す複数の第1エネルギ蓄積装置3のすべてを使って蓄積エネルギの送受を行うのではなく、一部の第1エネルギ蓄積装置3同士でのみ、蓄積エネルギの送受を行ってもよい。
図5は、最上段の第1エネルギ蓄積装置3が他の第1エネルギ蓄積装置3や第2エネルギ蓄積装置5とのエネルギの送受を行わずに単独で充放電を行い、残りの第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5とで蓄積エネルギの送受を行う例を示している。
図5に示すように、最上段の第1切替器8は、他の段の第1切替器8とは接続されておらず、最上段の第1エネルギ蓄積装置3は、最上段の第1切替器8を介して、エネルギの蓄積と放出を行う。二段目の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5は、対応する第1切替器8と第2切替器10を介して並列接続されている。よって、二段目の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5との間で、蓄積エネルギの送受を行うことができる。図5では、第2エネルギ蓄積装置5の蓄積エネルギの一部を、第2切替器10と第1切替器8を介して、第1エネルギ蓄積装置3に蓄積する例を示している。
図6は2つの第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5とを直列接続した例を示している。図6では、最下段の第2交流−直流変換器9の電源ラインL1は最上段の第1切替器8内の電源ライン切替部8aに接続され、最上段の第1切替器8内のコモンライン切替部8bは、二段目の第1切替器8内の電源ライン切替部8aに接続され、二段目の第1切替器8内のコモンライン切替部8bは、最下段の第2切替器10内の電源ライン切替部10aに接続され、最下段の第2切替器10内のコモンライン切替部10bは、最下段の第2交流−直流変換器9のコモンラインL2に接続されている。これにより、2つの第1エネルギ蓄積装置3と、第2エネルギ蓄積装置5とを合算した高電圧(以下、合算電圧)が充放電可能となる。この合算電圧に対応する為、接続される第2交流−直流変換器9は全ての蓄積装置の最大電圧の和に対応可能な仕様である必要がある。これにより、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5を直列接続して、高電圧での充放電をすることができる。
上述した図3〜図6は、複数の第1切替器8と第2切替器10の切替の具体例にすぎず、図3〜図6に示した以外の接続形態になるように複数の第1切替器8と第2切替器10を切り替えてもよい。また、第2交流−直流変換器9、第2切替器10および第2エネルギ蓄積装置5を複数組設けてもよい。この場合、複数の第2エネルギ蓄積装置5は、同じ種類のエネルギ蓄積装置でもよいし、異なる種類のエネルギ蓄積装置でもよい。
このように、第1の実施形態では、複数の第1エネルギ蓄積装置3のそれぞれに接続されたインバータ4内の第1交流−直流変換器6と直流−交流変換器7との間に第1切替器8を接続するため、複数の第1エネルギ蓄積装置3同士で、複数の第1切替器8を介して蓄積エネルギを送受できる。これにより、蓄積エネルギを送受する際に、複数の第1エネルギ蓄積装置3の入力側に設けられるインダクタ22に電流を流さなくて済むため、電力の損失を生じさせずに蓄積エネルギの送受を行うことができ、エネルギ効率を向上できる。
(第2の実施形態)
例えば、第1エネルギ蓄積装置3としてフライホイール装置を用いて、第2エネルギ蓄積装置5としてリチウムイオン電池を用いて、発電装置2と連系させる場合、フライホイール装置は、リチウムイオン電池よりもエネルギ容量は小さいものの、発電電力における高周波の電力変動に対して追随性よくエネルギの蓄積や放出を行うことができる。よって、発電電力における低周波の電力変動はリチウムイオン電池の充放電により抑制する制御を行い、発電電力における高周波の電力変動はフライホイール装置へのエネルギの蓄積や放出により抑制する制御を行うのが望ましい。
例えば、第1エネルギ蓄積装置3としてフライホイール装置を用いて、第2エネルギ蓄積装置5としてリチウムイオン電池を用いて、発電装置2と連系させる場合、フライホイール装置は、リチウムイオン電池よりもエネルギ容量は小さいものの、発電電力における高周波の電力変動に対して追随性よくエネルギの蓄積や放出を行うことができる。よって、発電電力における低周波の電力変動はリチウムイオン電池の充放電により抑制する制御を行い、発電電力における高周波の電力変動はフライホイール装置へのエネルギの蓄積や放出により抑制する制御を行うのが望ましい。
また、フライホイールは、回転数が高くてトルクも大きいほど、エネルギ効率がよい。図7はフライホイールの回転数とトルクの相関関係を示すグラフである。図7の領域r1はエネルギ効率が最大の領域である。図7ではエネルギ効率が低くなる順に領域r2〜r9に区分けしている。図7からわかるように、エネルギ効率が最大の領域r1は、回転数もトルクも高い領域である。
このため、それぞれがフライホイール装置を有する複数の第1エネルギ蓄積装置3同士で蓄積エネルギを送受する場合は、すべての第1エネルギ蓄積装置3のエネルギ効率ができるだけ高くなるようにするか、一部の第1エネルギ蓄積装置3のエネルギ効率が最大になるように制御するのが望ましい。
図8は電力系統20の平準化を行う機能を備えたエネルギ管理装置1の概略構成を示すブロック図である。図8は図1の構成に加えて、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5の間で蓄積エネルギを送受するエネルギ蓄積制御部23と、系統電力20が平準化されているか否かを定期的に監視する平準化監視部24とを備えている。なお、第1の実施形態と同様に、第2エネルギ蓄積装置5は必須の構成ではなく、場合によっては省略してもよい。
エネルギ蓄積制御部23は、例えば、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5のうち少なくとも一部のエネルギ蓄積装置のエネルギ効率が最大になるように、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5との間での蓄積エネルギの送受を制御する。あるいは、エネルギ蓄積制御部23は、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5のそれぞれのエネルギ効率ができるだけ高くなるように、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5との間での蓄積エネルギの送受を制御する。さらに、エネルギ蓄積制御部23は、発電電力の高周波成分の変動については、主に複数の第1エネルギ蓄積装置3を用いてエネルギの蓄積と放出を行うことで変動を抑制する制御を行ってもよい。また、エネルギ蓄積制御部23は、発電電力の低周波成分の変動について、主に第2エネルギ蓄積装置5を用いてエネルギの蓄積と放出を行うことで変動を抑制する制御を行ってもよい。
上述したように、フライホイール装置はリチウムイオン電池に比べてエネルギ容量が小さいため、エネルギの満容量状態や完全放出状態になりやすい。そこで、エネルギ蓄積制御部23は、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5の残容量を定期的に監視して、これらエネルギ蓄積装置間での蓄積エネルギの送受を制御するのが望ましい。
また、エネルギ蓄積制御部23は、平準化監視部24によって系統電力20の変動が検出されると、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5にてエネルギの蓄積または放出を行い、電力系統20を平準化させる制御を行う。このとき、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5の残容量を監視して、残容量に余裕のあるエネルギ蓄積装置に積極的にエネルギを蓄積したり、残容量に余裕のないエネルギ蓄積装置から積極的にエネルギを放出するなどして、電力系統20の平準化を行うのが望ましい。
このように、本実施形態では、エネルギ管理装置1内にエネルギ蓄積制御部23を設けて、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5の少なくとも一つのエネルギ効率が高くなるように、第1切替器8と第2切替器10を切替制御する。これにより、回転数とトルクによりエネルギ効率が大きく変化するフライホイール装置を第1エネルギ蓄積装置3として用いる場合であっても、エネルギ蓄積制御部23は、フライホイール装置のエネルギ効率が高くなるように、第1切替器8と第2切替器10を介して複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5の蓄積エネルギを送受することができる。
また、エネルギ蓄積制御部23は、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5を使い分けることで、発電電力の高周波成分の変動と低周波成分の変動とを抑制することができる。これにより、電力系統20の平準化が可能となる。
さらに、エネルギ蓄積制御部23は、複数の第1エネルギ蓄積装置3と第2エネルギ蓄積装置5のエネルギ容量が満杯になったり、ゼロになったりすることがないよう、各エネルギ蓄積装置の残容量を監視しながら、第1切替器8と第2切替器10を介して各エネルギ蓄積装置のエネルギの蓄積および放出を制御することができる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 エネルギ管理装置、2 発電装置、3 第1エネルギ蓄積装置、4 インバータ、6 第1交流−直流変換器、7 直流−交流変換器、8 第1切替器、8a 電源ライン切替部、8b コモンライン切替器、9 第2交流−直流変換器、10 第2切替器、11 フライホイール装置、13 モータ/発電機、14 回転軸、15 フライホイール、20 電力系統、21 キャパシタ、22 インダクタ、30 トランス、31 システム系統、L1 電源ライン、L2 コモンライン
Claims (11)
- 交流電力に応じたエネルギを蓄積する複数の第1エネルギ蓄積装置と、
前記複数の第1エネルギ蓄積装置に対応して設けられ、発電装置からの発電電力
を電力変換する複数のインバータと、を備え、
前記複数のインバータのそれぞれは、
前記発電電力を直流電力に変換する第1交流−直流変換器と、
前記第1交流−直流変換器にて変換された前記直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換器と、
前記第1交流−直流変換器と前記直流−交流変換器との間に接続され、前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御する第1切替器と、を有する、エネルギ管理装置。 - 前記複数の第1エネルギ蓄積装置のそれぞれは、前記第1交流−直流変換器で変換された直流電力と前記第1交流−直流変換器で変換された直流電力とを、前記第1切替器を介して、他の第1エネルギ蓄積装置と送受する、請求項1に記載のエネルギ管理装置。
- 前記複数のインバータのそれぞれは、前記第1交流−直流変換器と前記直流−交流変換器との間に配置されて対応する前記第1交流−直流変換器で変換された直流電圧に応じた電荷を蓄積するキャパシタを有し、
前記第1切替器は、対応する前記第1交流−直流変換器と前記キャパシタとを繋ぐ経路上に接続される、請求項1または2に記載のエネルギ管理装置。 - 前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1切替器のうち2以上の前記第1切替器は、対応する2以上の前記直流−交流変換器が並列接続されるように配置される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエネルギ管理装置。 - 前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1切替器のうち2以上の前記第1切替器は、対応する2以上の前記直流−交流変換器が直列接続されるように配置される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエネルギ管理装置。 - 前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1切替器は、故障を起こした前記第1交流−直流変換器以外の前記第1交流−直流変換器を介して、前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギの送受を切替制御する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエネルギ管理装置。 - 前記複数のインバータに対応して複数の前記第1切替器が設けられ、
前記複数の第1エネルギ蓄積装置のうち少なくとも一つのエネルギ効率が最大になるように、前記複数の第1切替器)を切替制御して前記複数の第1エネルギ蓄積装置間で蓄積エネルギを送受するエネルギ蓄積制御部を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエネルギ管理装置。 - 前記複数の第1エネルギ蓄積装置の少なくとも一つは、フライホイール装置である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエネルギ管理装置。
- 前記複数の第1エネルギ蓄積装置の二つ以上は、フライホイール装置であり、
前記二つ以上のフライホイール装置に対応する二つ以上の前記第1切替器は、前記二つ以上のフライホイール装置同士での蓄積エネルギの送受を切替制御する、請求項8に記載のエネルギ管理装置。 - 直流電力に応じたエネルギを蓄積する第2エネルギ蓄積装置と、
前記発電電力を直流電力に変換する第2交流−直流変換器と、
前記第2交流−直流変換器と前記第2エネルギ蓄積装置との間に接続され、前記複数の第1エネルギ蓄積装置と前記第2エネルギ蓄積装置との間で蓄積エネルギの送受を切り替える第2切替器と、を備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエネルギ管理装置。 - 前記第2エネルギ蓄積装置は、リチウムイオン電池である、請求項10に記載のエネルギ管理装置。
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