JPWO2018003988A1 - 脳腫瘍を含む腫瘍の治療用核酸および組成物 - Google Patents

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Abstract

この出願は、LINC00461遺伝子の発現を抑制する核酸を有効性成分として含むことを特徴とする、該遺伝子を発現する腫瘍を有する被験体を治療または予防するための医薬組成物、ならびに、LINC00461遺伝子の発現を抑制する抗腫瘍性核酸を提供する。

Description

本発明は、脳腫瘍(例、膠芽腫)を含む腫瘍の治療用核酸、ならびに該核酸を含む医薬組成物に関する。
膠芽腫は最も予後不良な悪性脳腫瘍のひとつである。膠芽腫は遺伝子変異などのゲノム異常に加えて非翻訳RNA、ヒストン修飾、DNAメチル化などのエピゲノム異常を有しており、これらエピゲノム異常が膠芽腫の発がんや悪性化に寄与していることが示唆されている。非翻訳RNAのひとつであるlong noncoding RNA (lncRNA)による遺伝子発現の制御は細胞の分化や増殖などの様々な生命現象に深く関わっており、近年ではがんへの関与も報告されている。
本発明者らは、生物種を越えて進化学的に遺伝子配列が保存されたlncRNAは少ないが、それらのなかには重要な機能をもつ可能性が高いものが存在することに着目してきた。lncRNAは、非翻訳RNAのなかで主要なものであり200塩基を超える長さを有しており、広範な機能、例えば転写抑制、タンパク相互作用調節などの機能を有することが知られている。
後述するように、本発明者らは今回、ヒト神経幹細胞に比べてヒト膠芽腫細胞で高発現する、lncRNAの1種であるLINC00461を同定した。LINC00461(別称:Visc−2、等)のノックアウトマウスでは脳の構造や機能異常を認めないことが判明しているが(非特許文献1)、脳内におけるLINC00461の機能は不明である。さらにまた、脳以外の組織については、特許文献1において、LINC00461は関節炎の診断マーカーになりうることが知られている。
US 2013/0129668 A1
P. L. Oliver et al. Cerebral Cortex, 25: 3572−3585, 2015
本発明は、ある特定のlncRNA、すなわちLINC00461遺伝子、を標的として膠芽腫等の腫瘍の増殖を抑制する核酸、ならびに該核酸を含む医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは今回、神経膠腫形成マウスモデルを用いた解析によってC130071C03Rik遺伝子(LINC00461のオルソログ)は発癌早期より発現が上昇し、腫瘍形成期にさらに発現が上昇すること、ならびに、ヒト膠芽腫検体においてもLINC00461遺伝子は高発現していることを見出した。本発明者らは今回さらに、LINC00461遺伝子の発現を抑制する核酸の使用により腫瘍細胞の増殖が有意に抑制されること、したがってLINC00461遺伝子を標的とした核酸が膠芽腫等の腫瘍の治療に有効であることを見出した。
本発明は、以下の特徴を包含する。
(1)LINC00461遺伝子の発現を抑制する核酸を有効性成分として含むことを特徴とする、該遺伝子を発現する腫瘍を有する被験体を治療または予防するための医薬組成物。
(2)前記核酸が、LINC00461遺伝子の転写体RNAに対する、siRNA、その前駆体RNA、アンチセンスRNA、もしくはその修飾RNA、またはアンチセンスDNA、あるいは、該siRNAもしくはその前駆体RNAをコードするDNAまたは該アンチセンスDNAを含むベクターであることを特徴とする、(1)に記載の医薬組成物。
(3)前記核酸が、配列番号37の前記転写体RNA配列の1位と150位の間の塩基配列、700位と1620位の間の塩基配列、または3050位と3560位の間の塩基配列を標的とすることを特徴とする、(1)または(2)に記載の医薬組成物。
(4)前記核酸が標的とする塩基配列が、配列番号25〜34からなる群から選択されることを特徴とする、(3)に記載の医薬組成物。
(5)前記核酸が、下記のsiRNAまたはその修飾RNA:
(a)配列番号5のアンチセンス鎖配列と配列番号6のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(b)配列番号7のアンチセンス鎖配列と配列番号8のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(c)配列番号9のアンチセンス鎖配列と配列番号10のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(d)配列番号11のアンチセンス鎖配列と配列番号12のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(e)配列番号13のアンチセンス鎖配列と配列番号14のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(f)配列番号15のアンチセンス鎖配列と配列番号16のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(g)配列番号17のアンチセンス鎖配列と配列番号18のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(h)配列番号19のアンチセンス鎖配列と配列番号20のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(i)配列番号21のアンチセンス鎖配列と配列番号22のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、ならびに、
(j)配列番号23のアンチセンス鎖配列と配列番号24のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
からなる群から選択される1つのsiRNAまたはその修飾RNAあるいは2つ以上のsiRNAおよび/またはその修飾RNAの組み合わせであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の医薬組成物。
(6)前記修飾RNAが、2'−O、4'−Cメチレンブリッジを有するロックされたLNA修飾ヌクレオチド、2'−メトキシヌクレオチド、2'−メトキシエトキシヌクレオチド、あるいはそれらの組み合わせからなる、少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含むことを特徴とする、(2)〜(5)のいずれかに記載の医薬組成物。
(7)前記腫瘍が、脳腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、肺癌、白血病、子宮頸癌およびリンパ腫からなる群から選択されることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の医薬組成物。
(8)前記脳腫瘍が、膠芽腫であることを特徴とする、(7)に記載の医薬組成物。
(9)前記腫瘍が早期癌であることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の医薬組成物。
(10)前記核酸が、ドラッグデリバリー材料に含まれることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載の医薬組成物。
(11)下記の核酸:
(a)配列番号5のアンチセンス鎖配列と配列番号6のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(b)配列番号7のアンチセンス鎖配列と配列番号8のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(c)配列番号9のアンチセンス鎖配列と配列番号10のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(d)配列番号11のアンチセンス鎖配列と配列番号12のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(e)配列番号13のアンチセンス鎖配列と配列番号14のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(f)配列番号15のアンチセンス鎖配列と配列番号16のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(g)配列番号17のアンチセンス鎖配列と配列番号18のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(h)配列番号19のアンチセンス鎖配列と配列番号20のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
(i)配列番号21のアンチセンス鎖配列と配列番号22のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、ならびに、
(j)配列番号23のアンチセンス鎖配列と配列番号24のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
からなる群から選択される抗腫瘍性核酸。
(12)前記修飾RNAが、2'−O、4'−Cメチレンブリッジを有するロックされたLNA修飾ヌクレオチド、2'−メトキシヌクレオチド、2'−メトキシエトキシヌクレオチド、あるいはそれらの組み合わせからなる、少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含むことを特徴とする、(11)に記載の抗腫瘍性核酸。
本発明により、膠芽腫等の腫瘍の増殖を有意に抑制することができる。
この図は、神経膠腫形成マウスモデル(生後20日齢、60日齢、90日齢、および120日齢)における経時的なC130071C03Rik(LINC00461のオルソログ)の相対発現量を示す。縦軸は、Gapdh遺伝子を内部標準としたときのC130071C03Rikの発現量を示す。黒色の棒グラフは、p53−/−,Nf1−/−の遺伝子変異をもつ腫瘍細胞の発現量を、灰色の棒グラフは、遺伝子変異が野生型の正常脳細胞の発現量をそれぞれ示す。横軸は生後からの日数を示す。*:p<0.05、エラーバー:標準偏差。 この図は、公表されたTCGA(The Cancer Genome Atlas)のexome−sequencing(正常大脳4症例、膠芽腫151症例)の結果を用いて、LINC00461の発現量を解析した結果を示す。縦軸は相対発現量(RPKM値)を示す。*:p<0.05。 この図は、siRNAであるsi−LINC00461#1、si−LINC00461#2およびsi−LINC00461#3(後述の表1)による膠芽腫細胞株(U87およびU251)でのLINC00461の発現抑制効果の評価(A:U87、B:U251)を示す。各siRNA導入48時間後におけるLINC00461の発現量をコントロールsiRNA(si−NC)導入時におけるLINC00461の発現量(「1」とする。)に対する相対値として示す。*:p<0.05、エラーバー:標準偏差。 この図は、膠芽腫細胞株U87およびU251に対するsi−LINC00461#1、si−LINC00461#2およびsi−LINC00461#3(後述の表1)による抗増殖効果の評価(A:U87、B:U251)を示す。各siRNA導入時から24時間毎における生きた腫瘍細胞数をsiRNA導入時における生きた腫瘍細胞数(「1」とする。)に対する相対値(相対腫瘍細胞数)として示す。*:p<0.05、エラーバー:標準偏差。 この図は、脳腫瘍同所移植マウスモデルにLINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤(核酸として25μg/マウス)を静脈内投与したときの、投与前(A)、投与直後(B)、投与3時間後(C)、および投与24時間後(D)、該ドラッグデリバリー製剤が脳腫瘍組織に特異的に集積することを示す。各時間のパネルにおいて、左3個体は、Alexa−647標識したLINC00461−LNAオリゴマー単体が投与されたマウスであり、右3個体は、Alexa−647標識したLINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤が投与されたマウスにおける結果である。 図6Aは、脳腫瘍同所移植マウスモデルにLINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤(核酸として25μg/マウス)を3日ごとに1回の頻度で5回静脈内投与したのちのマウス脳組織をヘマトキシリン・エオジン(HE)染色した結果を示す。左3個体は、luciferase遺伝子(firefly GL3 luciferase)に対するLNAオリゴマーを内包したドラッグデリバリー製剤(対照)を投与したマウス脳組織であり、右3個体は、 LINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤(本発明)を投与したマウス脳組織である。点線は腫瘍領域を示し、スケールバーは1mmを示す。各脳腫瘍の体積を図6Bに示す。*は、統計的有意(n=3, p<0.01)を示す。 この図は、脳腫瘍同所移植マウスモデルにLINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤(核酸として25μg/マウス)を3日ごとに1回の頻度で5回静脈内投与したのちのマウス脳腫瘍組織におけるLINC00461の発現量を示す。luciferase遺伝子(firefly GL3 luciferase)に対するLNAオリゴマーを内包したドラッグデリバリー製剤(対照)を投与したマウス脳腫瘍組織におけるLINC00461の発現量(「1」とする。)に対する相対値として示す。*は、統計的有意(n=3,p<0.01)を示す。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2016−131073号の開示内容を包含する。
本発明をさらに詳細に説明する。
1.LINC00461遺伝子の発現を抑制する核酸
本発明の有効成分は、LINC00461遺伝子の発現を抑制する核酸である。以下に説明するように、LINC00461遺伝子を発現する腫瘍に対して、上記核酸は、該遺伝子の発現を抑制し、それによって該腫瘍の増殖を抑制する効果を有する。また、本発明に関わる核酸はすべて、文献等で公知の核酸オリゴマー合成技術(例、ホスホロアミダイト法、固相合成法など)を用いて作製できる。
本明細書で使用する「LINC00461遺伝子」または「LINC00461」は、その転写後にlncRNA(long noncoding RNA)となる非翻訳RNAの一種であり、ヒトでは1〜3種の変異型(variant 1,variant 2,variant 3)が知られており、例えばNCBI(米国)情報によると、登録番号NR_024384(variant 1;lncRNAの場合、配列番号37の塩基配列)、NR_024383(variant 2;lncRNAの場合、配列番号38の塩基配列)として記載される塩基配列などが報告されている。本明細書では、LINC00461遺伝子は、上記の塩基配列、或いは、これらの各塩基配列において1若しくは数個のヌクレオチドの欠失、置換、付加または挿入を含む塩基配列、或いは、上記の各塩基配列と70%以上、80%以上または90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上もしくは99%以上の配列同一性を有する塩基配列からなる天然バリアントである。LINC00461はまた、EyeLin1、Visc−1a、Visc−1b、Visc−2などとも称されており、この遺伝子はヒト5番染色体のヌクレオチド番号88666853...88666939に存在している(NCBI;NC_000005.10)。前述の通り、該遺伝子の機能については、これまで十分な知見が得られていなかった。
本明細書中で使用される「数個」とは、2〜10の整数、好ましくは2〜5の整数をいう。また、配列同一性は、塩基配列等の配列アラインメントをとるための公知のアルゴリズム、例えばBLAST、を使用して決定されうる。
本発明において、腫瘍細胞内でLINC00461遺伝子の発現を抑制する核酸は、例えば、RNA干渉(RNAi)作用を有する、siRNA若しくはその前駆体RNA、またはそれらの修飾RNA、或いは、LINC00461遺伝子の転写体RNAに対するsiRNAまたはその前駆体RNAをコードするDNAを含むベクターを包含する。上記核酸の他の例は、アンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNA、該アンチセンスRNAをコードするDNA若しくは該アンチセンスDNAを含むベクター、またはその修飾核酸である。
本発明における核酸は、腫瘍細胞においてLINC00461遺伝子の発現を抑制する、かつ、腫瘍の増殖を抑制するかぎり核酸の種類や核酸の配列は特定のものに限定されないが、上記被験体のLINC00461遺伝子の転写体RNAの塩基配列内の領域、例えばヒトLINC00461遺伝子の転写体RNAの塩基配列である、例えば配列番号37の塩基配列においてヌクレオチド番号1〜150、700〜1620または3200〜3560の領域内の、あるいは配列番号38の塩基配列においてヌクレオチド番号500〜1420または3050〜3360の領域内の、連続する18〜30ヌクレオチド、好ましくは20〜25ヌクレオチド、さらに好ましくは21〜23ヌクレオチドからなる配列を標的(target)とすることが好ましい。さらに具体的な標的配列は、例えば、配列番号25(配列番号37のヌクレオチド番号862〜884または配列番号38のヌクレオチド番号664〜686)、配列番号26(配列番号37の塩基番号1595〜1617または配列番号38のヌクレオチド番号1393〜1415)、配列番号27(配列番号37のヌクレオチド番号706〜728または配列番号38のヌクレオチド番号504〜526)、配列番号28(配列番号37のヌクレオチド番号46〜68)、配列番号29(配列番号37のヌクレオチド番号114〜136)、配列番号30(配列番号37のヌクレオチド番号1426〜1448または配列番号38のヌクレオチド番号1234〜1256)、配列番号31(配列番号37のヌクレオチド番号3269〜3291または配列番号38のヌクレオチド番号3067〜3089)、配列番号32(配列番号37のヌクレオチド番号3415〜3437または配列番号38のヌクレオチド番号3203〜3225)、配列番号33(配列番号37のヌクレオチド番号3450〜3472または配列番号38のヌクレオチド番号3248〜3270)、配列番号34(配列番号37のヌクレオチド番号3534〜3556または配列番号38のヌクレオチド番号3332〜3354)などの塩基配列を含む配列であるが、これらに限定されない。
LINC00461に対しRNAi(RNA干渉)作用を有するsiRNAもしくはその前駆体RNAについて、siRNAは、LINC00461遺伝子の転写体RNAの一部に相補的な18〜25ヌクレオチド、好ましくは20〜24ヌクレオチド、さらに好ましくは21〜23ヌクレオチドからなる、かつRNAi作用を有する、センスRNAとアンチセンスRNAとからなる二本鎖RNAである。センスRNAとアンチセンスRNAの各3'末端には、2〜5ヌクレオチド、好ましくは2ヌクレオチドの突出末端(overhang)、例えばUU、CU、AC、UC、GC(DNAの場合、UはTである。)など、を有していてもよい。突出末端は、RISCと相互作用する可能性が指摘されている(W.R.Strapps et al.,Nucleic Acids Res.2010 Aug;38(14):4788−4797)。
RNAi作用は、当業界で一般的に使用される意味を有しており、短い二本鎖RNA(siRNA)がその塩基配列特異的に標的転写体RNAを分解し、その遺伝子発現を抑制する現象である。
上記前駆体RNAは、siRNAのpriRNA、preRNA、shRNAのいずれかである。priRNAは、LINC00461遺伝子に対する転写体RNA配列を有する。preRNAは、priRNAの酵素的プロセシングにより産生されるpreshRNAである。shRNAは、short hairpin RNAの略称であり、preshRNAから酵素的に産生された、siRNAと同じ配列のセンス鎖とアンチセンス鎖とのステム、ならびにヘアピンループからなる。shRNAのヘアピン構造は細胞機構によってsiRNAへと切断され、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と結合し、この複合体はsiRNAと相補的な配列をもつ転写体RNAに結合し、それを切断する。
本発明の核酸は、例えば、配列番号5のアンチセンス鎖配列と配列番号6のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号7のアンチセンス鎖配列と配列番号8のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号9のアンチセンス鎖配列と配列番号10のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号11のアンチセンス鎖配列と配列番号12のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号13のアンチセンス鎖配列と配列番号14のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号15のアンチセンス鎖配列と配列番号16のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号17のアンチセンス鎖配列と配列番号18のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号19のアンチセンス鎖配列と配列番号20のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、配列番号21のアンチセンス鎖配列と配列番号22のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、ならびに、配列番号23のアンチセンス鎖配列と配列番号24のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNAからなる群から選択されるいずれか1つのsiRNAまたはその修飾RNAあるいは2つ以上のsiRNAおよび/またはその修飾RNAの組み合わせである(ただし、上記の配列番号5〜24の塩基配列の各3'末端の2つのヌクレオチドはDNAである。)。本発明は、これらの特定の配列を有するsiRNAまたはその修飾RNAからなる抗腫瘍性核酸も提供する。
或いは、本発明の核酸は、LINC00461遺伝子の転写体RNAに対する、上記siRNA、その前駆体RNA若しくはアンチセンスRNAをコードするDNA、またはアンチセンスDNA、を含むベクターである。好ましい前駆体RNAはshRNAである。
上記ベクターは、細胞内に導入されたとき上記DNAを発現可能にする調節配列を含む、例えば、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、センダイウイルスなどのウイルスベクター、或いは、プラスミド、人工染色体(例えば、細菌人工染色体(BAC),酵母人工染色体(YAC)、ヒト人工染色体(HAC)、またはマウス人工染色体(MAC))などの非ウイルスベクターのいずれかである。好ましいベクターは、安全性の面からプラスミド、センダイウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターなどである。プラスミドは、哺乳動物細胞、好ましくはヒト細胞で使用可能であり、かつ安全性が証明されているプラスミドが好ましい。具体的には、プラスミドベクターとしては、例えば特表2014−508515号公報に記載されるようなベクター、例えばpSilencer4.1−CMV(Ambion)、pcDNA3、pcDNA3.1/hyg、pHCMV/Zeo、pCR3.1、pEF1/His、pIND/GS、pRc/HCMV2、pSV40/Zeo2、pTRACER−HCMV、pUB6/V5−His、pVAX1、pZeoSV2、pCI、pSVL、pKSV−10、pBPV−1、pML2d、pTDT1などの非ウイルスベクターが挙げられるが、これらに限定されないものとする。
上記調節配列は、プロモーター、転写開始点、ターミネーターなどを含み、必要に応じてエンハンサー、選択マーカー配列などを含むことができる。プロモーターは、特定の宿主細胞内で上記DNAの転写開始を促進するかぎり任意の内因性若しくは外因性プロモーターを使用できるが、例えばU6もしくはH1プロモーターであり、これにより、細胞内に導入後にベクターは恒常的に発現されるし、また、娘細胞に受け継がれ、遺伝子サイレンシングの効果も受け継がれる。
一般にRNAは、生体内で、例えば血中等でリボヌクレアーゼにより分解されやすいためにかなり不安定である。これを解消するため、本発明では、好ましくはセンス鎖およびアンチセンス鎖のヌクレオチドの修飾が行われる。修飾は、少なくとも1つの、好ましくは複数のヌクレオチドの修飾、例えば、塩基の修飾、糖の修飾、リン酸ジエステル部の修飾、またはそれらの組み合わせ、並びに/或いは、環状構造(二本鎖のステムと2つのループとからなる構造)、DNAを含むキメラ構造などを含むことができる。修飾は、非限定的に以下のものが挙げられる。
RNAもDNAもともに糖、塩基およびホスホジエステル結合からなるヌクレオチドの連鎖によって構成される核酸であり、それらの核酸の構造上の違いは、ヌクレオチド中の糖にあり、すなわち、RNAの糖はリボースであり、一方DNAの糖は2'位の水酸基が水素で置換された2'−デオキシリボースであり、またさらなる違いは塩基、すなわち、RNAの塩基はアデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)およびシトシン(C)から構成され、一方DNAの塩基は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)およびシトシン(C)から構成されることにある。
バックボーンであるリン酸ジエステル部の修飾には、ホスホジエステル結合に代えて例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、またはホスホロアミデート結合とする修飾による置換が含まれる。
上記RNAおよびDNAの塩基および糖の修飾には、特表2007−525192号公報に例示されるような、2’−デオキシ−2’−ハロ(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)ヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−ハロ(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)ピリミジンヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−ハロ(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)シチジンヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−ハロ(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)ウリジンヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−ハロ(例えばフルオロ、クロロまたはブロモ)グアノシンヌクレオチド、2’−O−メチルプリンヌクレオチド、2'−デオキシリボヌクレオチド、ロックド核酸ヌクレオチド(Locked Nucleic Acid(LNA);例えば2'−O,4'−Cメチレンブリッジ(−O−CH−)修飾ヌクレオチド、2'−O,4'−Cエチレンブリッジ(−O−CHCH−)修飾ヌクレオチド、等)、2’−メトキシエチルヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、2’−メトキシエトキシ(2’−MOE)ヌクレオチド、2’−メトキシ(2’−OMe)ヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−クロロヌクレオチド、2’−アジドヌクレオチドなどが挙げられる。ここで、2'−O−基は、2'−S−基で置換されてもよい。また、2'−修飾ヌクレオチドについて、上記例示に加えて、例えば特表2010−507579号公報に記載されるような、糖の2'位を、例えば、ハロゲン、アリル、アミノ、アジド、アセトキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アシル、カルボニルオキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、アリール、アルケニル、アルキニル、シアノ、OCN、CF、OCF、N(R)−アルキル、O−アルケニル、S−アルケニル、N(R)−アルケニル、O−アルキニル、S−アルキニル、N(R)−アルキニル、O−アルキレニル−O−アルキル、アルキルアリール、アラルキル、O−アルキルアリール、O−アラルキル、O(CHSCH、O−(CH−O−N(R)(R)、またはO−CH−C(=O)−N(R)(R)によって置換しうる。ここで、各RとRは、独立的に、H、アミノ保護基、または置換若しくは非置換C−C10アルキルである。
LNA修飾ヌクレオチドは、今西武(Takeshi Imanishi)らによって開発された人工核酸(M.Abdur Rahman,Sayori Seki,Satoshi Obika,Haruhisa Yoshikawa,Kazuyuki Miyashita,Takeshi Imanishi:「Design,synthesis and properties of 2',4'−BNA:A bridged nucleic acid analogue」J.Am.Chem.Soc.130.4886−4896(2008))であり、本発明のsiRNAの塩基配列中の糖部にLNA(「BNA(Bridged Nucleic Acid)」とも称する。)を導入したヌクレオチドは、著しくヌクレアーゼ耐性を有するものとなる。
本発明の核酸はまた、siRNAの塩基配列中の一部にデオキシリボヌクレオチド配列を含むRNA/DNAキメラ構造を有することができる。デオキシリボヌクレオチド配列を含むことによってリボヌクレオチド配列のみと比べてよりヌクレアーゼ耐性とすることが可能になる(例えば特許第3803318号公報)。デオキシリボヌクレオチドは、siRNAの塩基配列のアンチセンス鎖またはセンス鎖の全ヌクレオチド数あたり30%以下、好ましくは20%以下の割合で含むことができる。デオキシリボヌクレオチドは、siRNAのアンチセンス鎖およびセンス鎖の両方に含まれていてもよいし、或いはセンス鎖のみに含まれていてもよい。また、siRNAの塩基配列中のデオキシリボヌクレオチドは3'側に存在することが好ましく、例えば3'末端に突出末端として2〜4つのデオキシリボヌクレオチドが連続する配列で存在してもよい。
上記環状構造(すなわち、二本鎖のステムと2つのループとからなる構造)を有する核酸は、いわゆるダンベル型の一本鎖RNAである。ステムは、siRNAのセンス鎖配列とアンチセンス鎖配列の互いに相補的な配列から構成される。ループは、ステムの各末端部に連結された例えば1ループあたり非相補的な約2〜約15ヌクレオチドから構成される(例えば米国特許第5,168,053号明細書、米国特許第5,190,931号明細書、米国特許第5,135,917号明細書、Smith and Clusel et al.(1993)Nucl.Acids Res.21:3405−3411、および米国特許第5,087,617号明細書)。
上記核酸の他の例として、上記のアンチセンスRNA(若しくはアンチセンスDNA)、またはその修飾核酸などを挙げることができる。
アンチセンスRNA(若しくはアンチセンスDNA)は、LINC00461遺伝子の転写産物であるlncRNAを標的とする一本鎖核酸である。該lncRNAを標的とする上記siRNAはlncRNAを分解するのに対し、アンチセンスRNA(若しくはアンチセンスDNA)は上記のlncRNA機能を抑制若しくは阻害する。生体内での安定性を高めるために、アンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNAは、RNA/DNAキメラ構造、および/または、1若しくは複数の上記の修飾ヌクレオチドを含む修飾誘導体が好ましい。修飾ヌクレオチドの具体例は上に記載したものであり、さらに好ましい例は、ホスホロチオエート修飾と、2’−MOEヌクレオチド、2’−OMeヌクレオチドまたはLNA修飾ヌクレオチドとの組み合わせである。アンチセンスRNA(若しくはアンチセンスDNA)またはその修飾誘導体の塩基長は、通常12〜100ヌクレオチド、好ましくは15〜50ヌクレオチド、より好ましくは、20〜30ヌクレオチドである。塩基長として100ヌクレオチドを超える長さとすることも可能であるが、特に製造コストの面で不利となるので、上記の範囲が適当である。アンチセンスRNA若しくはアンチセンスDNAの配列は、LINC00461遺伝子の転写体lncRNAまたはそれをコードするDNAの塩基配列、例えば配列番号37または38のヒトLINC00461由来の配列、あるいは、これらの各塩基配列と70%以上、80%以上または90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上もしくは99%以上の配列同一性を有する塩基配列からなる天然バリアントであるLINC00461の塩基配列から、上記サイズの連続する塩基配列を選択し、この配列に相補的な塩基配列またはその修飾塩基配列とすることができる。標的として、上記のとおり、ヒトLINC00461遺伝子の転写体RNAの塩基配列である例えば配列番号37の塩基配列においてヌクレオチド番号1〜150、700〜1620または3200〜3560の領域内の、あるいは配列番号38の塩基配列においてヌクレオチド番号500〜1420または3050〜3360の領域内の連続する19〜30ヌクレオチド、好ましくは20〜25ヌクレオチド、さらに好ましくは21〜23ヌクレオチドからなる配列を標的とすることが好ましい。具体的な標的配列は、上記のとおり、配列番号25〜34のいずれかのヌクレオチド配列を含む配列である。
2.腫瘍の治療または予防のための医薬組成物
本発明の医薬組成物は、腫瘍細胞において上記LINC00461遺伝子の発現を抑制する、それによって腫瘍の増殖を抑制する核酸を有効成分として含むことを特徴とする。本発明の組成物は腫瘍細胞を標的とするため、腫瘍の増殖は抑制され、腫瘍は退縮されうるし、また場合により、腫瘍の転移も抑制されうる。本発明では、LINC00461遺伝子の発現はステージ1〜2の早期癌において認められる(図1)ため、早期癌に対しても有効である。このため、本発明の医薬組成物またはその有効成分である核酸を、LINC00461遺伝子を発現する腫瘍もしくは癌を有するまたは有することが疑われる被験体(例、ヒト)に投与することを含む、該腫瘍もしくは癌の治療または予防のための方法も提供される。さらにまた、本発明の有効成分である核酸を、本発明の医薬組成物の製造に使用することができる。
上記核酸は、それ自体を担体等とともに混合して含む組成物の形態に製剤化されてもよいし、或いは、該核酸をデリバリーシステムに組み入れるように製剤化されてもよい。
上記核酸の用量は、非限定的に、ヒトの場合、1回あたり、かつ成人1kg体重あたり例えば約0.01mg〜約1,000mgであるが、一般に用量または投与量は、被験体の性別、年齢、体重、症状、重症度、副作用などを考慮して選択されるべきである。また、投与は、例えば1週間、2週間、3週間、または4週間間隔、或いは、必要であれば1か月を超える間隔で行うことができる。
製剤化において、核酸有効成分の他に、担体または希釈剤、並びに添加剤を混合して医薬組成物の形態としうる。必要に応じて、該医薬組成物と、他の抗癌剤(例えば化学療法剤、抗体医薬、等)および/または他の治療関連薬剤とを組み合わせた、いわゆる医薬キットとすることもできる。
担体または希釈剤は、製剤の形態、すなわち通常、固体製剤、半固体製剤または液体(若しくは、溶液)製剤、或いは剤型(若しくは、投与形態)、に応じて変化しうる。剤型として、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、ゲル剤等の経口投与製剤、または、注射剤、点滴剤、経粘膜投与剤(例えば、経鼻投与剤等)、経皮投与剤、リポソーム剤、経直腸投与剤(若しくは坐剤)、吸入剤、軟膏剤、ローション剤等による非経口投与剤を挙げることができる。
液体製剤用の希釈剤には、水性溶媒の場合には、例えば、蒸留水、滅菌水、リンゲル液、生理食塩水などが含まれる。必要に応じて、エタノールを適量混合することができる。リポソーム製剤、難水性製剤等の場合には、有機溶媒単独でまたは有機溶媒/水混合液が担体または賦形剤として使用されうる。有機溶媒の例には、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、アセトン、ケトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、グリセロール、ポリエチレングリコール、カカオ脂や大豆油などの油脂、並びにこれらの組み合わせが含まれる。
固体製剤用の担体または賦形剤の例は、マルトース、ラクトース、スクロース、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、等を含む。
添加剤には、製薬上許容されうる、例えば、賦形剤、増量剤、充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、乳化剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤、等張化剤、pH調整剤、等が挙げられる。
投与経路は、例えば、静脈内投与、動脈内投与、経口投与、経肺投与、組織内投与、経皮投与、経粘膜投与、直腸内投与、腹腔内投与、脳内投与などを挙げることができる。それらの中で、特に静脈内投与、経皮投与、経粘膜投与が好ましい。
本発明の核酸を生体内のヌクレアーゼから保護するために、例えばリポソーム内に該核酸を封入することができる。リポソームは、通常、カチオン性リポソームが使用される(Y.TAKAHASHI et al.,YAKUGAKU ZASSHI 127(10)1525―1531(2007))。カチオン性リポソームは陽性に荷電しており、陰性に荷電した細胞膜と静電気的に結合しやすく、受動的に細胞膜に結合したリポソーム複合体は、エンドサイトーシスを介して細胞質内に取り込まれ、エンドゾームから抜け出して細胞質内に放出されると考えられている。また、ナノサイズのポリマーミセルタイプドラッグデリバリー材料などの非リポソームドラッグデリバリー材料に本発明の核酸を含有若しくは内包させてもよい(再表2007/099660、再表2007/099661、再表2009/113645、WO2013/162041、再表2010/093036、再表2012/005376)。
本発明はさらに、抗癌剤としての上記組成物を被験体に投与することを含む、LINC00461遺伝子を正常組織と比べてより高発現する腫瘍を有する被験体を治療するための方法を提供する。
本明細書で使用される「被験体」は、ヒト、ペット動物(イヌ、ネコなど)、動物園で飼育される動物などを含む哺乳動物であり、好ましくはヒトである。
本発明によって治療しうる上記腫瘍は、LINC00461遺伝子を発現する悪性腫瘍、例えば、脳腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、肺癌、白血病、子宮頸癌およびリンパ腫など、好ましくは脳腫瘍(例えば膠芽腫)であるが、これらの腫瘍に限定されない。
例えば膠芽腫などの脳腫瘍の細胞での上記核酸の使用により優れた細胞増殖抑制効果が確認されたことから、本発明の核酸を有効成分とする組成物は、腫瘍細胞を標的とする抗癌剤としても優れたものであることが判明した。
組成物、被験体、投与量、投与経路、投与回数などは、上で記載したとおりである。
本発明の組成物は、化学療法剤、医薬抗体、免疫チェックポイント阻害剤などの他の癌治療剤の投与と組み合わせて被験体に投与することができる。該組成物の投与は、化学療法剤、医薬抗体、免疫チェックポイント阻害剤などの他の癌治療剤の投与の前に、同時に、または後に行うことができる。
化学療法剤の例は、非限定的に、特表2014−508515号公報に記載されるような抗癌剤、例えば、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、ランプトテシン、トポテカン、テニポシド、マイトキサントロン、等)、DNAアルキル化剤(例えば、シスプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、コランブシル、ブスルファン、チオテパ、カルムスチン、ロムスチン、カルボプラチン、ダカルバジン、プロカルバジン、等)、DNA鎖切断誘発剤(例えば、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、等)、微小管阻害剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、等)、抗代謝剤(例えば、シタラビン、メトトレキセート、ヒドロキシウレア、5−フルオロウラシル、フロックスウリジン、6−チオグアニン、6−メルカプトプリン、フルダラビン、ペントスタチン、クロロデオキシアデノシン、等)、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、エピポフィロトキシン、テモゾロマイドなどである。
医薬抗体の例は、非限定的に、トラスツズマブ、ベバシツズマブ、パニツムマブ、セツキマブ、リツキマブ、モガムリズマブを含む種々の市販抗体および開発・上市される抗体である。
免疫チェックポイント阻害剤は、癌細胞が免疫細胞からの攻撃を回避することを抑制することによって癌細胞に対する免疫細胞の本来の攻撃力を回復するための薬剤であり、例えばPD−1(programmed cell death−1)やPD−L1(programmed death−ligand 1)に対する抗体(例えばニボルマブ、atezolizumab、等 )などを包含する。
上記薬剤の投与量は、被験体の性別、年齢、体重、症状、重症度、副作用などを考慮して選択されるか、或いは、臨床現場で実際に使用される範囲の用量である。
以下の実施例を参照しながら、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は該実施例によって制限されないものとする。
[実施例1]
<神経膠腫形成マウスモデルにおけるC130071C03Rik発現の継時的変化>
公共のデータベース(GENCODE)に登録されている15,876のlncRNAからヒトとマウスで保存された塩基配列(相同性,>80%、塩基長,>200bp)を有する134のlncRNAを同定した。さらにヒト膠芽腫細胞とヒト神経幹細胞のRNAシークエンシングの結果を照らし合わせて、膠芽腫細胞で高発現するLINC00461を同定した。なお、C130071C03Rikは、マウス由来の、LINC00461(ヒト)のオーソログである。
次に、本発明者らは、神経膠腫を自然発生する遺伝子改変マウスモデル(p53−/−,Nf1−/−)を用いて以下の実験を行った(Zong H et al. Cell, 2011, 146: 209−221)。
神経膠腫マウスモデルは、The Jackson Laboratoryより購入した3系統の遺伝子変異マウス(#17530,(STOCK Iis2tm1(ACTB−tdTomato,−EGFP)LuoTrp53tm1TyjNf1tm1Par/J)、#4600,(FVB−Tg(GFAP−cre)25MesJ)、#13749,(STOCK Iis2tm1(ACTB−EGFP,−tdTomato)Luo/J)を交配し、作製した。
生後20日、60日、90日、120日に神経膠腫形成マウスモデルの大脳を摘出した。1個体の大脳に対してEarle’s 10×BSS1ml、EDTA(0.5M)10μl、HEPES100μl、NaHCO(1.0M)260μl、D(+)glucose(×20)500μl、L−システイン(16mg/ml)100μl、PAPAIN150μl、DNase(50mg/ml)100μlの混合液を用いて個々の細胞に分離した。その後、セルソーター(BD FACSAriaTMII)を用いてGFP陽性細胞(腫瘍細胞)のみ選別し、回収した。
Trizol(Ambion by lifetechnology Catalog#15596018)を用いて、回収した腫瘍細胞からRNAを抽出し、さらにPrimeScript RT Master Mix(TaKaRa社(京都、日本国);製品コードRR036A)を用い、添付プロトコールに従って、cDNAを作製した。
以下のプライマーを使用するRT−PCR(StepOnePlusTM、 Applied Biosystems社)を行い、Gapdh遺伝子とC130071C03Rik遺伝子の発現量を計測した。
Gapdhプライマー配列:
Gapdh-Forward CGTCCCGTAGACAAAATGGT(配列番号1)
Gapdh-Reverse GAATTTGCCGTGAGTGGAGT(配列番号2)
C130071C03Rikプライマー配列:
C130071C03Rik-Forward TGACACTTCAAAGAAGCATAAAATG(配列番号3)
C130071C03Rik-Reverse TGTGAATGTTTTAAGGGAGATCCT(配列番号4)
p53, Nf1に遺伝子変異のない野生型のマウスでは大脳を摘出後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社;Cat No./ID:74104)を用いて添付プロトコールに従ってRNAを抽出した。
Gapdh遺伝子を内部標準とし、qRT−PCR(Applied Biosystems社)を用いて経時的なC130071C03Rikの発現量を計測した結果、C130071C03Rikは発がん早期より発現が上昇しており、特に腫瘍形成期(生後90日)には正常の10倍以上の発現上昇が認められた(図1)。
[実施例2]
<ヒト膠芽腫患者大脳におけるLINC00461発現量の解析>
TCGA(The Cancer Genome Atlas)データベースから膠芽腫151例と正常大脳4例におけるLINC00461のデータを入手し、LINC00461の発現について解析した。
その結果、ヒト膠芽腫検体においてもLINC00461が高発現していることを確認した(図2)。また、LINC00461は膠芽腫形成に関わる可能性が推定された。
[実施例3]
<LINC00461の発現を抑制するsiRNA>
本発明者らは、LINC00461の発現を抑制するsiRNAを3種類作製した。siRNAの作製にはsiDirect version 2.0 (http://sidirect2.rnai.jp/)を用いた。LINC00461のRNA配列(RefSeq NR_024384)に対する標的配列の検索を行い、3種類のsiRNA(si−LINC00461 #1〜#10;北海道システムサイエンス社(札幌、日本国)に委託)を作製した。siRNAの配列を表1に示す。すべてのsiRNAについて3'末端の2塩基をDNAとして合成した。
Figure 2018003988
Lipofectamine 3000(ライフテクノロジーズ社)を用いて添付プロトコールに従い、各siRNA(終濃度50nM)を膠芽腫細胞株(U87、U251、各初期細胞数5×10)へ導入した。コントロールsiRNAはSilencer Select Negative Control #1 siRNA(ライフテクノロジーズ社;カタログ番号4390843)を用いた。siRNA導入48時間後にGAPDH遺伝子を内部標準とし、コントロールsiRNAに対するLINC00461の発現量をqRT−PCRにて定量し、3種類のsiRNAのLINC00461に対する発現抑制効果を確認した(図3)。
Human GAPD (GAPDH) Endogenous Controlプライマー(カタログ番号4352934E)はApplied Biosystemsより購入し、また、LINC00461の発現量を定量するためのプライマーとして以下のものを使用した。
プライマー配列:
LINC00461-Forward CGTGCTGTGACTTTGGATCT(配列番号35)
LINC00461-Reverse TGCTTCTTTGCAGTCTCATTTG(配列番号36)
[実施例4]
<U87およびU251に対するsiRNAによる抗増殖効果の評価>
96ウエルプレート上の膠芽腫細胞株(U87、U251;各初期細胞数5×10)にsiRNA(終濃度50nM)を導入した。導入後、24、48、72時間後にそれぞれcell counting kit−8(同仁化学研究所(熊本、日本国);製品コードCK04)を各ウェルに10μlずつ添加し、2時間後にマイクロプレートリーダー(versaMAX)で450nmの吸光度を測定した。
その結果、膠芽腫細胞内のLINC00461の発現抑制によって有意に膠芽腫細胞の増殖が悪化することが確認された(図4)。
[実施例5]
<脳腫瘍同所移植マウスモデルに対するLINC00461−LNAオリゴマーを含むドラッグデリバリー製剤による抗腫瘍効果>
脳腫瘍同所移植マウスモデルとして免疫不全マウス(BLAB/c slc−nu/nu;日本エスエルシー株式会社(静岡、日本国))の脳に膠芽腫細胞株U87を同所移植し、移植14日後の脳腫瘍が生着したマウスを作製した。
マウス個体レベルで脳へのLINC00461−LNAオリゴマーの集積を確認するため、ドラッグデリバリー材料(ナノサイズのポリマーミセルタイプ(ポリエチレングリコール−ポリアミノ酸ブロックコポリマー);K. Osada et al., J. R. Soc. Interface (2009) 6, S325−S339; Miura, Y. et al. Cyclic RGD−linked polymeric micelles for targeted delivery of platinum anticancer drugs to glioblastoma through the blood−brain tumor barrier. ACS nano 7, 8583-8592 (2013))に内包するLINC00461−LNAオリゴマー(5'側のAGTおよび3'側のCTTがロックド核酸であるアンチセンスDNA;5’-AGTTTATTCCGAACTTTTCTT-3’(配列番号39))を蛍光物質(Alexa−647)で標識した。なお比較解析としてAlexa−647標識したLINC00461−LNAオリゴマー単体を用いた。
LINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤及びLINC00461−LNAオリゴマー単体を脳腫瘍同所移植マウス(25μg/マウス)に静脈内投与後、蛍光強度をIVIS Imaging System(Caliper LifeSciences)によって測定した結果、 LINC00461−LNAオリゴマーを内包したドラッグデリバリー製剤が脳腫瘍部に特異的に集積していることを確認した(図5)。
次に、上記脳腫瘍同所移植マウス(膠芽腫細胞株U87を移植14日後のマウス)に対して、LINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤を継続的に静脈内投与し(3日ごとに一度投与(25μg/マウス))、抗腫瘍効果を評価した。なお比較解析としてFirefly GL3 Luciferase遺伝子に対するLNAオリゴマー(5'側のTCGおよび3'側のGTTがロックド核酸であるアンチセンスDNA;5’-TCGAAGTACTCAGCGTAAGTT-3’(配列番号40))を内包したドラッグデリバリー製剤を投与したマウスを用いた。投与開始から15日後(この間に合計5回の投与を行った。)にマウス脳を摘出し、脳組織をヘマトキシリン・エオジン(HE)染色によって観察した結果、LINC00461−LNAオリゴマーを内包したドラッグデリバリー製剤の投与により腫瘍の著しい縮小を認めた(図6)。また、マウス脳腫瘍組織よりRNAを抽出し、qRT−PCRにてLINC00461の発現量を定量し、LINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤に対する発現抑制効果を確認した(図7)。
以上の結果より、LINC00461−LNAオリゴマーを内包するドラッグデリバリー製剤は、in vivoで脳腫瘍に特異的に集積し、強い抗腫瘍作用を示すことが明らかになった。
本発明により、siRNAを用いて腫瘍細胞内のLINC00461の発現を抑制することによって膠芽腫等の腫瘍の増殖抑制効果が認められたことから、LINC00461を標的とする核酸創薬が膠芽腫等の腫瘍の治療または予防のために有用である。
配列番号1〜4:プライマー
配列番号5〜24:ヒトLINC00461のsiRNA
配列番号35〜36:プライマー
配列番号39:LINC00461−LNAオリゴマー
配列番号40:Firefly GL3 Luciferase遺伝子に対するLNAオリゴマー
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (12)

  1. LINC00461遺伝子の発現を抑制する核酸を有効性成分として含むことを特徴とする、該遺伝子を発現する腫瘍を有する被験体を治療または予防するための医薬組成物。
  2. 前記核酸が、LINC00461遺伝子の転写体RNAに対する、siRNA、その前駆体RNA、アンチセンスRNA、もしくはその修飾RNA、またはアンチセンスDNA、あるいは、該siRNAもしくはその前駆体RNAをコードするDNAまたは該アンチセンスDNAを含むベクターであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記核酸が、配列番号37の前記転写体RNA配列の1位と150位の間の塩基配列、700位と1620位の間の塩基配列、または3050位と3560位の間の塩基配列を標的とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記核酸が標的とする塩基配列が、配列番号25〜34からなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記核酸が、下記のsiRNAまたはその修飾RNA:
    (a)配列番号5のアンチセンス鎖配列と配列番号6のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (b)配列番号7のアンチセンス鎖配列と配列番号8のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (c)配列番号9のアンチセンス鎖配列と配列番号10のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (d)配列番号11のアンチセンス鎖配列と配列番号12のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (e)配列番号13のアンチセンス鎖配列と配列番号14のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (f)配列番号15のアンチセンス鎖配列と配列番号16のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (g)配列番号17のアンチセンス鎖配列と配列番号18のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (h)配列番号19のアンチセンス鎖配列と配列番号20のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (i)配列番号21のアンチセンス鎖配列と配列番号22のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、ならびに、
    (j)配列番号23のアンチセンス鎖配列と配列番号24のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    からなる群から選択される1つのsiRNAまたはその修飾RNAあるいは2つ以上のsiRNAおよび/またはその修飾RNAの組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 前記修飾RNAが、2'−O、4'−Cメチレンブリッジを有するロックされたLNA修飾ヌクレオチド、2'−メトキシヌクレオチド、2'−メトキシエトキシヌクレオチド、あるいはそれらの組み合わせからなる、少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記腫瘍が、脳腫瘍、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、肺癌、白血病、子宮頸癌およびリンパ腫からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 前記脳腫瘍が、膠芽腫であることを特徴とする、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記腫瘍が早期癌であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  10. 前記核酸が、ドラッグデリバリー材料に含まれることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  11. 下記の核酸:
    (a)配列番号5のアンチセンス鎖配列と配列番号6のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (b)配列番号7のアンチセンス鎖配列と配列番号8のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (c)配列番号9のアンチセンス鎖配列と配列番号10のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (d)配列番号11のアンチセンス鎖配列と配列番号12のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (e)配列番号13のアンチセンス鎖配列と配列番号14のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (f)配列番号15のアンチセンス鎖配列と配列番号16のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (g)配列番号17のアンチセンス鎖配列と配列番号18のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (h)配列番号19のアンチセンス鎖配列と配列番号20のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    (i)配列番号21のアンチセンス鎖配列と配列番号22のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、ならびに、
    (j)配列番号23のアンチセンス鎖配列と配列番号24のセンス鎖配列からなるsiRNAまたはその修飾RNA、
    からなる群から選択される抗腫瘍性核酸。
  12. 前記修飾RNAが、2'−O、4'−Cメチレンブリッジを有するロックされたLNA修飾ヌクレオチド、2'−メトキシヌクレオチド、2'−メトキシエトキシヌクレオチド、あるいはそれらの組み合わせからなる、少なくとも2つの修飾ヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項11に記載の抗腫瘍性核酸。
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