JPWO2017217448A1 - フラーレン誘導体、及びn型半導体材料 - Google Patents

フラーレン誘導体、及びn型半導体材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、n型半導体、特に有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体として優れた性能を有する材料を提供することを課題とする。
式(1):
Figure 2017217448

[式中、
X1aは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
X1bは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
は、水素原子、又は有機基を表し、及び
環Aは、フラーレン環
を表す。]
で表されるフラーレン誘導体。

Description

本発明は、フラーレン誘導体、及びn型半導体材料等に関する。
有機薄膜太陽電池は、光電変換材料として有機化合物を用い、溶液からの塗布法によって形成されるものであり、1)デバイス作製時のコストが低い、2)大面積化が容易である、3)シリコン等の無機材料と比較してフレキシブルであり使用できる場所が広がる、及び4)資源枯渇の心配が少ない、等の各種の利点を有するものである。このため、近年、有機薄膜太陽電池の開発が進められており、特に、バルクヘテロジャンクション構造を採用することによって変換効率を大きく向上させることが可能となり、広く注目を集めるに至っている。
有機薄膜太陽電池に用いる光電変換素地用材料の内で、p型半導体については、特に、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)が優れた性能を有する有機p型半導体材料として知られている。最近では、より高機能を目指して、太陽光の広域の波長を吸収できる構造、又はエネルギー準位を調節した構造を有する化合物が開発され(ドナーアクセプター型π共役高分子)、性能向上に大きく貢献している。このような化合物の例としては、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリ[[4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル][3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェンジイル]](PTB7)が例示される。
一方、n型半導体についても、フラーレン誘導体が盛んに検討されており、優れた光電変換性能を有する材料として、[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(PCBM)が報告されている(後記特許文献1,2等参照)。しかしながら、PCBM以外のフラーレン誘導体に関しては、安定して良好な変換効率を達成できることが実証された例は殆どない。
PCBMは、3員環部分を有するフラーレン誘導体であり、従来報告されているフラーレン誘導体のほとんども、PCBMと同様に3員環部分を有するフラーレン誘導体である。
一方、3員環部分を有するフラーレン誘導体以外のフラーレン誘導体として、5員環部分を有するフラーレン誘導体も知られているが、その報告例は少ない。非特許文献1では、ピロリジン環を有し、その1位、及び2位にのみ置換基を有するフラーレン誘導体が開示されている。特許文献3には、ピロリジン環を有し、その1位、及び2位にのみ置換基を有するフラーレン誘導体のなかでも、特に、その1位に、置換、又は無置換のフェニル基を有するフラーレン誘導体が太陽電池のn型半導体として用いた場合に高い変換効率を有することが記載されている。特許文献4にはピロリジン環を有し、その1位、及び2位にのみ置換基を有するフラーレン誘導体が開示されている。特許文献5には、2個以上のピロリジン環を有するフラーレン誘導体が開示されている。非特許文献2には、ピロリジン環を有し、その1位にフェニル基を有するフラーレン誘導体が有機薄膜太陽電池用のn型半導体として有効であることが開示されている。
特開2009−84264号公報 特開2010―92964号公報 特開2012−089538号公報 国際公開第2014/185536号 特開2011−181719号公報
T. Itohら、Journal of Materials Chemistry, 2010年, 20巻, 9226頁 M. Karakawaら、Journal of Material Chemistry A, 2014年, 2巻, 20889頁
非特許文献1に記載のフラーレン誘導体を用いたデバイスでは、PCBMを用いたデバイスよりも高い変換効率が達成されているが、これは、陽極(ITO電極)の集電材料を取り除いた特殊なデバイス構成での比較である。
このように、フラーレン誘導体を用いた実用的な有機薄膜太陽電池はいまだ開発されておらず、現在もなお、有機薄膜太陽電池のn型半導体材料等の用途に使用可能な、新たなフラーレン誘導体の開発が求められている。
本発明の主な目的は、n型半導体、特に有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体として優れた性能を有する材料を提供することである。
有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体として優れた性能として、代表的には、高い変換効率が例示される。
従って、本発明の目的の一つは、高い変換効率を実現できる、新たなフラーレン誘導体の提供である。
通常、電気機器を作動させるためには、一定以上の駆動電圧が必要である。このため、太陽電池の一つのセルの出力電圧が低い場合、多数のセルが必要になる。ここで、高い電圧を発生させることを可能にするn型半導体が提供されれば、必要なセルの数を少なくすることが可能になり、従って、太陽電池の省スペース化が可能になる。
即ち、デバイス作製において塗布法による薄膜の形成が容易であり、且つ高い発電効率を発現できる材料が求められている。
従って、本発明の目的の一つは、デバイス作製が容易で高い電圧の出力を可能にする、新たなフラーレン誘導体の提供である。
従って、本発明は、高い変換効率を有し、且つ高い電圧の出力を可能にする、フラーレン誘導体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題は、後記式(1)で表されるフラーレン誘導体により解決できることを見出した。
本発明は、次の態様を含む。
項1.
式(1):
Figure 2017217448
[式中、
X1aは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
X1bは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
は、水素原子、又は有機基を表し、及び
環Aは、フラーレン環
を表す。]
で表されるフラーレン誘導体。
項2.
X1aは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である項1に記載のフラーレン誘導体。
項3.
X1aは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である項2に記載のフラーレン誘導体。
項4.
X1bは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である項1〜3のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
項5.
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基である項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
項6.
は、オルト位に1個、又は2個の置換基を有していてもよいフェニル基である項5に記載のフラーレン誘導体。
項7.
は、水素原子、又はアルキル基である項1〜6のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
項8.
環Aは、C60フラーレン環である項1〜7のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
項9.
項1〜8のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体を含有するn型半導体材料。
項10.
有機薄膜太陽電池用である項9に記載のn型半導体材料。
項11.
項10に記載のn型半導体材料を含有する有機発電層。
項12.
項11に記載の有機発電層を備える光電変換素子。
項13.
有機薄膜太陽電池である、項12に記載の光電変換素子。
本発明によれば、高い変換効率を有し、且つ高い電圧の出力を可能にする、フラーレン誘導体が提供される。
用語
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味する。
本明細書中、特に限定のない限り、「有機基」は、その構成原子として1個以上の炭素原子を含有する基を意味する。
本明細書中、特に限定のない限り、「有機基」としては、炭化水素基が例示される。
本明細書中、特に限定のない限り、「炭化水素基」は、その構成原子として、1個以上の炭素原子、及び1個以上の水素原子を含有する基を意味する。本明細書中、炭化水素基をヒドロカルビル基と称する場合がある。
本明細書中、特に限定のない限り、「炭化水素基」としては、1個以上の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基(例、ベンジル基)、及び1個以上の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(アリール基)が例示される。
本明細書中、特に限定のない限り、「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせであることができる。
本明細書中、特に限定のない限り、「脂肪族炭化水素基」は、飽和、又は不飽和であることができる。
本明細書中、特に限定のない限り、「脂肪族炭化水素基」としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びシクロアルキル基が例示される。
本明細書中、特に限定のない限り、「アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びヘキシル等の、直鎖状、又は分枝鎖状の、炭素数1〜10のアルキル基が例示される。
本明細書中、特に限定のない限り、「アルケニル基」としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、及び5−ヘキセニル等の、直鎖状、又は分枝鎖状の、炭素数2〜10のアルケニル基が例示される。
本明細書中、特に限定のない限り、「アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、及び5−ヘキシニル等の、直鎖状、又は分枝鎖状の、炭素数2〜6のアルキニル基が例示される。
本明細書中、特に限定のない限り、「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル等の炭素数3〜8のシクロアルキル基が例示される。
本明細書中、特に限定のない限り、「アルコキシ基」は、例えば、RO−(当該式中、Rはアルキル基である。)で表される基である。
本明細書中、特に限定のない限り、「エステル基」は、エステル結合(すなわち、−C(=O)−O−、または−O-C(=O)−)を有する有機基を意味する。その例は、式:RCO−(当該式中、Rはアルキル基である。)で表される基、および式:R−CO−R−(当該式中、Rはアルキル基であり、及びRはアルキレン基である。)で表される基を包含する。
本明細書中、特に限定のない限り、「エーテル基」は、エーテル結合(−O−)を有する基を意味する。
「エーテル基」の例は、ポリエーテル基を包含する。ポリエーテル基の例は、式:R−(O−R−(当該式中、Rはアルキル基であり、Rは各出現において同一又は異なって、アルキレン基であり、及びnは1以上の整数である。)で表される基を包含する。アルキレン基は前記アルキル基から水素原子を1個除去して形成される2価の基である。
「エーテル基」の例は、また、ハイドロカルビルエーテル基を包含する。ハイドロカルビルエーテル基は、1個以上のエーテル結合を有する炭化水素基を意味する。「1個以上のエーテル結合を有するハイドロカルビル基」は、1個以上のエーテル結合が挿入されているハイドロカルビル基であることができる。その例は、ベンジルオキシ基を包含する。
「1個以上のエーテル結合を有する炭化水素基」の例は、1個以上のエーテル結合を有するアルキル基を包含する。「1個以上のエーテル結合を有するアルキル基」は、1個以上のエーテル結合が挿入されているアルキル基であることができる。本明細書中、このような基をアルキルエーテル基と称する場合がある。
本明細書中、特に限定のない限り、「アシル基」は、アルカノイル基を包含する。本明細書中、特に限定のない限り、「アルカノイル基」は、例えば、RCO−(当該式中、Rはアルキル基である。)で表される基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」は、炭素数6〜18のアリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、及び2−アンスリルが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、単環性、2環性、又は3環性、又は4環性の、5〜18員のヘテロアリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基である。当該「ヘテロアリール基」の炭素数は、例えば、3〜17であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、「単環性ヘテロアリール基」、及び「芳香族縮合複素環基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「単環性ヘテロアリール基」としては、例えば、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)、チアジアゾリル(例、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル)、テトラゾリル、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピラジニル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「芳香族縮合複素環基」としては、例えば、イソインドリル(例、1−イソインドリル、2−イソインドリル、3−イソインドリル、4−イソインドリル、5−イソインドリル、6−イソインドリル、7−イソインドリル)、インドリル(例、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4−ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[c]フラニル(例、1−ベンゾ[c]フラニル、4−ベンゾ[c]フラニル、5−ベンゾ[c]フラニル)、ベンゾ[b]チエニル、(例、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、4−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、6−ベンゾ[b]チエニル、7−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[c]チエニル(例、1−ベンゾ[c]チエニル、4−ベンゾ[c]チエニル、5−ベンゾ[c]チエニル)、インダゾリル(例、1−インダゾリル、2−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル)、1,2−ベンゾイソオキサゾリル(例、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−7−イル)、ベンゾオキサゾリル(例、2−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリル、7−ベンゾオキサゾリル)、1,2−ベンゾイソチアゾリル(例、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−7−イル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、シンノリニル(例、3−シンノリニル、4−シンノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル)、フタラジニル(例、1−フタラジニル、4−フタラジニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル)、キナゾリニル(例、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル)、キノキサリニル(例、2−キノキサリニル、3−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、8−キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル(例、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)、イミダゾ[1,2−a]ピリジル(例、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)等が挙げられる。
本明細書中、特に限定のない限り、「アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びヘキシル等の、直鎖状、又は分枝鎖状の、炭素数1〜10のアルキル基が例示される。
以下、本発明のフラーレン誘導体、及びそれを含有するn型半導体材料等について具体的に説明する。
フラーレン誘導体
本発明のフラーレン誘導体は、後記式(1)で表されるフラーレン誘導体である。
式(1):
Figure 2017217448
[式中、
X1aは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
X1bは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
は、水素原子、又は有機基を表し、及び
環Aは、フラーレン環を表す。]
X1aは、好ましくは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
X1aは、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
X1aは、更に好ましくは、塩素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
X1bは、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
X1bは、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
X1bは、更に好ましくは、塩素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
X1a、及びX1bは、好ましくは、同一又は異なって、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
X1a、及びX1bは、より好ましくは、同一又は異なって、塩素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である。
好ましいX1a、及び好ましいX1bは、それぞれ、電子吸引性基であってもよく、又は電子供与性基であってもよい。
本発明のフラーレン誘導体は、特に、X1a、及びX1bが、このような基であることにより、n型半導体材料として優れた性質を有することができる。
具体的には、例えば、有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体に使用した場合に、高い電圧を与えることができる。
で表される「1個以上の置換基を有していてもよいアリール基」における置換基の例は、
(a)フッ素原子、
(b)1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、
(c)1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、
(d)エステル基、及び
(e)シアノ基
を包含する。
当該置換基の数は、例えば、0個(無置換)、1個、2個、3個、4個、又は5個である。
で表される「1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基」における置換基の例は、
(a)フッ素原子、
(b)1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、
(c)1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、
(d)エステル基、及び
(e)シアノ基
を包含する。
当該置換基の数は、例えば、0個(無置換)、1個、2個、3個、4個、又は5個である。
は、好ましくは、
(a)フッ素原子、
(b)1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、
(c)1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、
(d)エステル基、及び
(e)シアノ基
からなる群より選ばれる1個以上の置換基で置換されていてもよい、
アリール基(好ましくは、フェニル基)である。
が、1個以上の置換基を有するフェニル基である場合、当該置換基の位置は、例えば、オルト位、メタ位、又はパラ位であることができる。
は、好ましくは、オルト位に1個、又は2個の置換基を有していてもよいフェニル基である。
は、好ましくは、
水素原子、
1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基、
1個以上の置換基で置換されていてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基で置換されていてもよいアリール基、
1個以上の置換基で置換されていてもよいエーテル基、又は
1個以上の置換基で置換されていてもよいエステル基
である。
としての、
「1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキル基」、
「1個以上の置換基で置換されていてもよいアルケニル基」、
「1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキニル基」、
「1個以上の置換基で置換されていてもよいアリール基」、
「1個以上の置換基で置換されていてもよいエーテル基」、及び
「1個以上の置換基で置換されていてもよいエステル基」
における各「置換基」における置換基の例は、フッ素原子、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、エステル基、及びシアノ基、を包含する。当該置換基の数は、1個以上、且つ置換可能な最大数以下であることができ、好ましくは、例えば、1〜4個、1〜3個、1〜2個、又は1個である。
は、より好ましくは、
水素原子、
炭素数2〜18(好ましくは3〜12、より好ましくは4〜10、更に好ましくは5〜10、より更に好ましくは5〜8)のアルキル基、
フッ素原子、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、エステル基、及びシアノ基から選ばれる1つ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基(好ましくは、フェニル基)、
炭素数1〜12(好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6)のエーテル基(好ましくは、アルキルエーテル基)、又は
炭素数2〜12(好ましくは2〜10、より好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6)のエステル基
である。
は、更に好ましくは、
炭素数2〜18(好ましくは3〜12、より好ましくは4〜10、更に好ましくは5〜8)のアルキル基、
炭素数1〜12(好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6)のエーテル基、又は
炭素数2〜12(好ましくは2〜10、より好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6)のエステル基
である。
は、より更に好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数5〜6のエーテル基である。
は、特に好ましくは、メチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、CH−(CH−O−CH−、又はCH−O−(CH−O−(CH−O−CH−である。
本発明の好適な一態様では、Rは、水素原子、又はアルキル基である。
当該対応において、Rは、好ましくは、
(1)水素原子、又は
(2)直鎖状、若しくは分枝鎖状の、炭素数2〜18(好ましくは3〜12、より好ましくは4〜10、更に好ましくは5〜10、及びより更に好ましくは5〜8)のアルキル基
である。
環Aは、好ましくは、C60フラーレン環、又はC70フラーレン環、より好ましくはC60フラーレン環である。
環Aは、好ましくは、C60フラーレン環である。
式(1)のフラーレン誘導体は、環AがC60フラーレン環であるフラーレン誘導体(以下、C60フラーレン誘導体ともいう。)、及び環AがC70フラーレン環であるフラーレン誘導体(以下、C70フラーレン誘導体ともいう。)の混合物であってもよい。
当該混合物における、C60フラーレン誘導体及びC70フラーレン誘導体の含有量の比は、例えば、モル比で、99.999:0.001〜0.001:99.999、99.99:0.01〜0.01:99.99、99.9:0.1〜0.1:99.9、99:1〜1:99、95:5〜5:95、90:10〜10:90、又は80:20〜20:80であることができる。
当該C60フラーレン誘導体及びC70フラーレン誘導体の含有量の比は、好ましくは、80:20〜50:50、より好ましくは、80:20〜60:40であることができる。
当該混合物における、C60フラーレン誘導体の含有量は、例えば、0.001〜99.999質量%、0.01〜99.99質量%、0.1〜99.9質量%、1〜99質量%、5〜95質量%、10〜90質量%、又は20〜80質量%であることができる。
当該C60フラーレン誘導体の含有量は、好ましくは、50〜80質量%、及び
より好ましくは、60〜80質量%であることができる。
当該混合物における、C70フラーレン誘導体の含有量は、例えば、0.001〜99.999質量%、0.01〜99.99質量%、0.1〜99.9質量%、1〜99質量%、5〜95質量%、10〜90質量%、又は20〜80質量%であることができる。
当該C70フラーレン誘導体の含有量は、好ましくは、20〜50質量%、及び
より好ましくは、20〜40質量%であることができる。
当該混合物は、C60フラーレン誘導体、及びC70フラーレン誘導体から実質的になることができる。
当該混合物は、C60フラーレン誘導体、及びC70フラーレン誘導体からなることができる。
当該混合物は、C60フラーレン誘導体、及びC70フラーレン誘導体の混合物であることができる。
なお、本明細書中、C60フラーレン(環)を、当該技術分野において、しばしば行われるように、次のような構造式:
Figure 2017217448
で表す場合がある。
従って、環AがC60フラーレン環である場合、式(1)のフラーレン誘導体は、次の一般式:
Figure 2017217448
で表すことができる。
本発明の好適な一態様において、
X1aは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基であり、
X1bは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基であり、
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基であり、
は、水素原子、又はアルキル基であり、及び
環Aは、C60、又はC70フラーレン環(好ましくはC60フラーレン環)である。
本発明の別の好適な一態様においては、
X1aは、塩素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基であり、
X1bは、塩素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基であり、
は、フェニル基であり、
は、水素原子、又は炭素数5〜10のアルキル基であり、及び
環Aは、C60、又はC70フラーレン環(好ましくはC60フラーレン環)である。
本発明の更に別の好適な一態様においては、
X1aは、直鎖状、又は分枝鎖状の、炭素数2〜8のアルキル基であり、
X1bは、直鎖状、又は分枝鎖状の、炭素数2〜8のアルキル基であり、
は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基であり、
は、水素原子、又は炭素数5〜10のアルキル基であり、及び
環Aは、C60、又はC70フラーレン環(好ましくはC60フラーレン環)である。
本発明のフラーレン誘導体は、各種の有機溶媒に対して十分な溶解性を示すので、塗布法による薄膜の形成が容易である。
更に、本発明のフラーレン誘導体は、n型半導体材料として、有機p型半導体材料と共に用いて有機発電層を調製した際に、バルクヘテロジャンクション構造を容易に形成できる。
本発明のフラーレン誘導体は、高い変換効率を有し、且つ高い電圧の出力を可能にする。
本発明のフラーレン誘導体は、好ましくは、LUMO準位の値が-3.65eV以上である。
LUMO準位は、KarakawaらJournal of Materials Chemistry A, 2014年, 2巻, 20889頁に記載の方法により、測定できる。
フラーレン誘導体の製造方法
本発明のフラーレン誘導体は、公知のフラーレン誘導体の製造方法、又はこれに準じた方法によって製造することができる。
本発明のフラーレン誘導体は、具体的には、例えば、下記のスキームの方法に従って、合成できる。スキーム中の記号は前記と同意義を表し、及び、当業者に明らかなように、式(a)、及び式(b)における各記号は、式(1)における各記号に対応する。
Figure 2017217448
<工程A>
工程Aでは、グリシン誘導体(化合物(b))をアルデヒド化合物(化合物(a))及びフラーレン(化合物(c))と反応させて、式(1)で表されるフラーレン誘導体(化合物(1))を得る。
アルデヒド化合物(化合物(a))、グリシン誘導体(化合物(b))及びフラーレン(化合物(c))の量比は任意だが、収率を高くする観点から、通常、フラーレン(化合物(c))1モルに対して、アルデヒド化合物(化合物(a))及びグリシン誘導体(化合物(b))をそれぞれ0.1〜10モル、好ましくは0.5〜2モルの量で用いる。
当該反応は、無溶媒又は溶媒中で行われる。
当該溶媒としては、例えば、二硫化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が例示される。なかでも、クロロホルム、トルエン、キシレン、及びクロロベンゼン等が好ましい。これらの溶媒は、適当な割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、室温〜およそ150℃の範囲内であり、好ましくはおよそ80〜およそ120℃の範囲内である。ここで、室温は、好ましくは15〜30℃の範囲内であることができる。
反応時間は、通常およそ1時間〜およそ4日間の範囲内であり、好ましくはおよそ10〜およそ48時間の範囲内である。
得られた化合物(1)を、必要に応じて慣用の精製方法で精製できる。
例えば、得られた化合物(1)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒としては、例えば、ヘキサン−クロロホルム、ヘキサン−トルエン、又はヘキサン−二硫化炭素が好ましい。)で精製し、その後、更にHPLC(分取GPC)(展開溶媒としては、例えば、クロロホルム、又はトルエンが好ましい。)で精製できる。
当該工程Aで用いられる、アルデヒド化合物(化合物(a))、グリシン誘導体(化合物(b))及びフラーレン(化合物(c))は、それぞれ公知の化合物であり、公知の方法、又はこれに準じた方法によって合成するか、商業的に入手可能である。
アルデヒド化合物(化合物(a))は、具体的には、例えば、後記の方法(a1)、(a2)又は(a3)で合成することができる。
これらの方法を示す反応式において、Rは前記式(1)におけるRと同義であり、目的とするフラーレン誘導体のRに対応する。
方法(a1):R −CH OHで表されるアルコールの酸化
この方法における酸化には、公知の方法、例えば、(i)酸化剤としてクロム酸、酸化マンガン等を用いる方法、(ii)ジメチルスルホキシドを酸化剤として用いるスワーン(swern)酸化、又は(iii)触媒共存下に過酸化水素、酸素、空気等を用いて酸化する方法などを適用できる。
方法(a2):R −COOHで表されるカルボン酸、その酸ハライド、そのエステル、又はその酸アミドなどの還元
この方法における還元には、公知の方法、例えば、(i)還元剤として金属水素化物を用いる方法、(ii)触媒存在下に水素還元する方法、又は(iii)ヒドラジンを還元剤とする方法などを適用できる。
方法(a3):R −X(Xは、ハロゲンを表す。)で表されるハロゲン化物のカルボニル化
この方法におけるカルボニル化には、例えば、n−BuLiを用いて前記ハロゲン化物からアニオンを形成させ、これにカルボニル基を導入化する方法を適用できる。ここでのカルボニル基導入試薬としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);又はピペリジン、モルホリン、ピペラジン若しくはピロリジンのN−ホルミル誘導体等のアミド化合物が用いられる。
グリシン誘導体(化合物(b))は、具体的には、例えば、後記の方法(b1)、(b2)又は(b3)によって合成することができる。
以下の合成スキームにおいて、Rは、式(1)中の部分構造:
Figure 2017217448
を表す。
方法(b1):アニリン誘導体とハロゲン化酢酸との反応
Figure 2017217448
当該反応は、水、メタノール、エタノール、又はそれらの混合物などを溶媒として用い、及び必要に応じて塩基の存在下で実施できる。
方法(b2):アニリン誘導体とハロゲン化酢酸エステルとの反応、及び当該反応で得られたグリシン誘導体エステルの加水分解
Figure 2017217448
この方法において、アニリン誘導体とハロゲン化酢酸エステルの反応は、例えば、メタノール、エタノールなどを溶媒として用い、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩、3級アミンなどの塩基の存在下に行うことができる。グリシン誘導体エステルの加水分解は、通常、水溶性アルカリの存在下に、室温で行うことができる。
方法(b3):芳香族ハロゲン化物とグリシンとの反応
Figure 2017217448
この反応は、例えば、触媒として一価銅を用い、及びバルキーなアミン、アミノ酸、又はアミノアルコールなどの存在下で行うことができる。反応溶媒としては、水、メタノール、エタノール、又はこれらの混合物が好ましく用いられる。反応温度は、室温〜100℃程度である。
本発明のフラーレン誘導体は、このように、グリシン誘導体とアルデヒド化合物を原料として簡単な方法で合成できるので、低コストで製造可能である。
フラーレン誘導体の用途
本発明のフラーレン誘導体は、n型半導体材料、特に有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体材料として好適に使用できる。
本発明のフラーレン誘導体は、また、電子輸送材料として、トランジスタ、及びペロブスカイト太陽電池などにも用いることができる。
本発明のフラーレン誘導体をn型半導体材料として使用する場合、通常、有機p型半導体材料(有機p型半導体化合物)と組み合わせて用いられる。
当該有機p型半導体材料としては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリ−アルコキシ−p−フェニレンビニレン、ポリ−9,9−ジアルキルフルオレン、ポリ−p−フェニレンビニレンなどが例示される。
これらは太陽電池としての検討例が多く、かつ入手が容易であるので、容易に安定した性能のデバイスを得ることができる。
また、より高い変換効率を得るためには、バンドギャップを狭くすることで(ローバンドギャップ)長波長光の吸収を可能にした、ドナーアクセプター型π共役高分子が有効である。
これらドナーアクセプター型π共役高分子は、ドナーユニットとアクセプターユニットとを有し、これらが交互に配置された構造を有する。
ここで用いられるドナーユニットとしては、ベンゾジチオフェン、ジチエノシロール、N−アルキルカルバゾールが、またアクセプターユニットとしては、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェン、チオフェンピロールジオンなどが例示される。
具体的には、これらのユニットを組み合わせた、ポリ(チエノ[3,4−b]チオフェン−co−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]チオフェン)(PTBxシリーズ)、ポリ(ジチエノ[1,2−b:4,5−b’][3,2−b:2’,3’−d]シロール−alt−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)類などの高分子化合物が例示される。
これらのうちでも、好ましいものとしては、
(1)ポリ({4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル}{3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェンジイル})(PTB7、構造式を以下に示す)、
(2)ポリ[(4,8−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン)−2,6−ジイル−alt−((5−オクチルチエノ[3,4−c]ピロール−4,6−ジオン)−1,3−ジイル)(PBDTTPD、構造式を以下に示す)、
(3)ポリ[(4,4’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール)−2,6−ジイル−alt−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−4,7−ジイル](PSBTBT、構造式を以下に示す)、
(4)ポリ[N−9’’−ヘプタデカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)](PCDTBT、構造式を以下に示す)、及び
(5)ポリ[1−(6−{4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]−6−メチルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2−イル}{3−フルオロ−4−メチルチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル}−1−オクタノン)(PBDTTT−CF、構造式を以下に示す)
などが例示される。
なかでも、より好ましい例としては、アクセプターユニットとしてチエノ[3,4−b]チオフェンの3位にフッ素原子を有するPTB系化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、PBDTTT−CF及びPTB7が例示される。
Figure 2017217448
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2017217448
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2017217448
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2017217448
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2017217448
(式中、nは繰り返し数を表す。)
本発明のフラーレン誘導体を、有機p型半導体材料との組み合わせにおいて、n型半導体材料として用いて調製された有機発電層は、高い変換効率を発現できる。
本発明のフラーレン誘導体は、各種の有機溶媒に対して良好な溶解性を示すので、これをn型半導体材料として使用した場合、塗布法による有機発電層の調製が可能であり、大面積の有機発電層の調製も容易である。
また、本発明のフラーレン誘導体は、有機p型半導体材料との相溶性が良好であって、且つ適度な自己凝集性を有する化合物である。このため、当該フラーレン誘導体をn型半導体材料(有機n型半導体材料)としてバルクジャンクション構造の有機発電層を容易に形成する。この有機発電層を用いることによって、高い変換効率を有する有機薄膜太陽電池、或いは光センサーを得ることができる。
よって、本発明のフラーレン誘導体をn型半導体材料として用いることによって、低コストで優れた性能を有する有機薄膜太陽電池を作製することが可能となる。
また、本発明のn型半導体材料を含有する(又は、からなる)有機発電層の別の応用として、デジタルカメラ用イメージセンサーがある。デジタルカメラの高機能化(高精細化)の要求に対して、既存のシリコン半導体からなるイメージセンサーには、感度低下の課題が指摘されている。これに対して、光感度の高い有機材料からなるイメージセンサーにより、高感度と高精細化が可能になると期待されている。このようなセンサーの受光部を構築する材料には、光を感度良く吸収し、ここから電気信号を高効率で発生させることが求められる。このような要求に対して、本発明のn型半導体材料を含有する(又は、からなる)有機発電層は、可視光を効率良く電気エネルギーに変換できるので、上記イメージセンサー受光部材料としても、高い機能を発現できる。
n型半導体材料
本発明のn型半導体材料は、本発明のフラーレン誘導体からなる。
有機発電層
本発明の有機発電層は、n型半導体材料(n型半導体化合物)として、本発明のフラーレン誘導体を含有する。
本発明の有機発電層は、光変換層(光電変換層)であることができる。
また、本発明の有機発電層は、通常、本発明のフラーレン誘導体、すなわち本発明のn型半導体材料との組み合わせにおいて、前記有機p型半導体材料(有機p型半導体化合物)を含有する。
また、本発明の有機発電層は、通常、本発明のn型半導体材料及び前記有機p型半導体からなる。
本発明の有機発電層においては、好ましくは、本発明のn型半導体材料と前記有機p型半導体材料とがバルクヘテロジャンクション構造を形成している。
本発明の有機発電層は、例えば、本発明のn型半導体材料及び前記有機p型半導体材料を有機溶媒に溶解させ、得られた溶液から、スピンコート法、キャスト法、ディッピング法、インクジェット法、ドクターブレード法、及びスクリーン印刷法等の公知の薄膜形成方法を採用して、基板上に薄膜を形成することにより、調製できる。
当該有機発電層の薄膜形成において、本発明のフラーレン誘導体は、有機p型半導体材料(好ましくは、P3HT、又はPTB7)との相溶性が良好であって、且つ適度な自己凝集性を有するので、n型半導体材料としての本発明のフラーレン誘導体及び有機p型半導体材料を含有し、かつバルクヘテロジャンクション構造を有する有機発電層を容易に得ることができる。
有機薄膜太陽電池
本発明の有機薄膜太陽電池は、前記で説明した本発明の有機発電層を備える。
このため、本発明の有機薄膜太陽電池は、高い変換効率を有する。
当該有機薄膜太陽電池の構造は特に限定されず、公知の有機薄膜太陽電池と同様の構造であることができ、及び本発明の有機薄膜太陽電池は、公知の有機薄膜太陽電池の製造方法に従って製造できる。
当該フラーレン誘導体を含む有機薄膜太陽電池の一例としては、例えば、基板上に、透明電極(陰極)、陰極側電荷輸送層、有機発電層、陽極側電荷輸送層及び対極(陽極)が順次積層された構造の太陽電池を例示できる。当該有機発電層は、好ましくは、有機p型半導体材料、及びn型半導体材料としての本発明のフラーレン誘導体を含有し、バルクヘテロジャンクション構造を有する半導体薄膜層(すなわち、光電変換層)である。
このような構造の太陽電池において、有機発電層以外の各層の材料としては、公知の材料を適宜使用できる。具体的には、電極の材料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、及び酸化インジウム(ITO)等が例示される。電荷輸送層の材料としては、例えば、PFN(ポリ[9,9−ビス(3’−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル−2,7−フルオレン)−alt−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)])及びMoO(酸化モリブデン)等が例示される。
光センサー
上記のように、本発明で得られる光電変換層は、デジタルカメラの高機能製品における、イメージセンサー用受光部として有効に機能する。従来のシリコンフォトダイオードを用いた光センサーに比較して、明るいところで白トビが起こらず、また暗いところでもはっきりした映像を得ることができる。このため、従来のカメラより高品位の映像を得ることができる。光センサーは、シリコン基板、電極、光電変換層からなる光受光部、カラーフィルター、及びマイクロレンズから構築される。当該受光部の厚さは数100nm程度であることができ、従来のシリコンフォトダイオードの数分の1の厚さで構成され得る。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例中の記号及び略号は、以下の意味で用いられる。この他にも、本明細書中、本発明が属する技術分野において、通常用いられる記号及び略号が用いられ得る。
合成例1
Figure 2017217448
N-(2,6-ジメチルフェニル)-グリシン(90mg, 0.5mmol), ベンツアルデヒド(1mL), 及びフラーレン(360mg, 0.5mmol)のクロロベンゼン溶液(150mL)を48時間加熱還流した。
反応生成液を減圧下に濃縮し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン-トルエン=20:1〜10:1)
さらにHPLC(Buckyprep: トルエン)で精製し、目的物を120 mg(25.4 %)得た。
(純度:99%以上)
1H-NMR (CDCl3)δ: 2.57 (3H, s), 2.91 (3H, s), 5.00 (1H, d, J=9.9 Hz), 5.12 (1H, d, J=9.9 Hz), 6.41 (1H, s), 6.82 (1H, d, J=7.3 Hz), 6.97 (1H, t, J=7.3 Hz), 7.01 - 7.25 (4H, m), 7.50 (2H, bs).
MS (FAB) m/z 944 (M). HRMS calcd for C76H17N 943.13610; found 943.1340.
合成例2
Figure 2017217448
N-(2,6-ジクロロフェニル)-2-フェニルグリシン(160mg, 0.5mmol), ヘプタナール(1mL), 及びフラーレン(360mg, 0.5mmol)のジクロロベンゼン溶液(300mL)を2週間加熱還流した。
反応生成液を減圧下に濃縮し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン-トルエン=100:1〜20:1)で精製し、目的物を42.0 mg(7.9 %)得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.81 (3H, t, J=7.3 Hz), 0.80 - 1.60 (8H, m), 2.24 - 2.40 (1H, m), 2.60 - 2.80 (1H, m), 5.36 (1H, d-d, J=7.3, 4.6 Hz), 6.75 (1H, s), 7.00 - 7.32 (5H, m), 7.50 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.63 (1H, bd, J=7.3 Hz), 7.79 (1H, bd, J=6.9 Hz).
MS (FAB) m/z 1067 (M). HRMS calcd for C80H23Cl2N 1067.1208; found 1067.1202.
合成例3
Figure 2017217448
N-(2,6-メトキシフェニル)-2-フェニルグリシン(150mg, 0.52mmol), ヘプタナール(2mL), 及びフラーレン(720mg, 0.5mmol)のジクロロベンゼン溶液(200mL)を4日間加熱還流した。
反応生成液を減圧下に濃縮し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン-トルエン=20:1〜5:1)で精製し、目的物を182 mg(33 %:アミノ酸換算)得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.80 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.02 - 1.64 (8H, m), 2.16 - 2.28 (1H, m), 2.52 - 2.64 (1H, m), 3.98 (3H, s), 4.04 (3H, s), 5.36 (1H, d-d, J=6.9, 4.6 Hz), 6.50 (1H, d, J=8.2 Hz), 6.55 (1H, s), 6.63 (1H, d, J=8.2 Hz), 7.05 - 7.30 (4H, m), 7.50 (1H, bs), 8.05 (1H, bs).
MS (FAB) m/z 1060 (M). HRMS calcd for C82H30NO2 (M+1) 1060.2277; found 1060.2281.
合成例4
Figure 2017217448
N-(2-シアノフェニル)-2-フェニルグリシン(150mg, 0.60mmol), ヘプタナール(1mL), 及びフラーレン(588mg, 0.82mmol)のクロロベンゼン溶液(300mL)を8日間加熱還流した。
反応生成液を減圧下に濃縮し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘキサン-トルエン=20:1〜2:1)で精製し、目的物を210 mg(33.6 %:アミノ酸換算)得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.81 (3H, t, J=7.3 Hz), 1.10 - 1.70 (8H, m), 2.16 - 2.28 (1H, m), 2.80 - 2.92 (1H, m), 5.90 - 6.05 (1H, m), 6.41 (1H, s), 7.10 - 7.40 (5H, m), 7.44 (1H, t, J=7.8 Hz), 7.60 (1H, bs), 7.68 (1H, bs), 7.79 (1H, d, J=7.3 Hz).
MS (FAB) m/z 1025 (M). HRMS calcd for C81H25N2 (M+1) 1025.2018; found 1025.2014.
前記合成例で得た各フラーレン誘導体、並びに後記の対照化合物1、2、及び3をn型半導体材料として用いて、後記の方法で太陽電池を作製し、機能を評価した。
有機p型半導体材料としてはPTB7を、電荷輸送層材料としてはPFN(ポリ[9,9−ビス(3’−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル−2,7−フルオレン)−alt−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)])及びMoO(酸化モリブデン)を、電極としてはITO(酸化インジウムスズ)(陰極)及びアルミニウム(陽極)をそれぞれ用いた。
Figure 2017217448
(1)試験用太陽電池の作製
以下の手順により試験用太陽電池を作製した。
1)基板の前処理
ITOパターニングガラス板をプラズマ洗浄機中に入れて、酸素ガスを流入しながら発生したプラズマにより基板表面を10分間洗浄処理した。
2)PFN薄膜(陰極側電荷輸送層)の作製
ABLE/ASS−301型のスピンコート法製膜装置を用い、PFNメタノール溶液(2%w/v)を用いて、前記で前処理を施したITOガラス板上にPFN薄膜を形成した。形成されたPFN薄膜の膜厚は約10nmであった。
3)有機半導体膜(有機発電層)の作製
前記基板をグローブボックス中でMIKASA/MS−100型のスピンコート法製膜装置を用い、事前にクロロベンゼンに溶かしたPTB7とフラーレン誘導体、およびジヨードオクタン(クロロベンゼンに対して3%v/v)を含有する溶液をPFN薄膜の上にスピンコート(1000rpm、2分間)し、厚さ約90〜110nmの有機半導体薄膜(有機発電層)を形成させて、積層体を得た。
4)陽極側電荷輸送層及び金属電極の真空蒸着
小型高真空蒸着装置を用い、前記で作製した積層体を高真空蒸着装置中のマスクの上に置き、陽極側電荷輸送層としてのMoO層(10nm)、及び金属電極としてのアルミニウム層(80nm)を順次蒸着した。
(2)擬似太陽光照射による電流測定
擬似太陽光照射による電流測定には、ソースメーター、電流電圧計測ソフト及び疑似太陽光照射装置を用いた。
前記(1)で作製した各試験用太陽電池に対して100mWの疑似太陽光を照射して、発生した電流と電圧を測定して、以下の式によりエネルギー変換効率を算出した。
開放電圧の測定結果を表1に示す。尚、変換効率は、下記式により求めた値である。
変換効率η(%)=FF(Voc×Jsc/Pin)×100
FF:曲線因子、Voc:開放電圧、Jsc:短絡電流、Pin:入射光強度(密度)
結果を表1に示す。
Figure 2017217448

Claims (13)

  1. 式(1):
    Figure 2017217448
    [式中、
    X1aは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
    X1bは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルコキシ基、又はシアノ基を表し、
    は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、
    は、水素原子、又は有機基を表し、及び
    環Aは、フラーレン環
    を表す。]
    で表されるフラーレン誘導体。
  2. X1aは、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である請求項1に記載のフラーレン誘導体。
  3. X1aは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  4. X1bは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、メトキシ基、又はシアノ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
  5. は、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
  6. は、オルト位に1個、又は2個の置換基を有していてもよいフェニル基である請求項5に記載のフラーレン誘導体。
  7. は、水素原子、又はアルキル基である請求項1〜6のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
  8. 環Aは、C60フラーレン環である請求項1〜7のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体を含有するn型半導体材料。
  10. 有機薄膜太陽電池用である請求項9に記載のn型半導体材料。
  11. 請求項10に記載のn型半導体材料を含有する有機発電層。
  12. 請求項11に記載の有機発電層を備える光電変換素子。
  13. 有機薄膜太陽電池である、請求項12に記載の光電変換素子。
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