JPWO2017188130A1 - 感圧検出方法、感圧センサー、感圧検出装置および感圧検出システム - Google Patents

感圧検出方法、感圧センサー、感圧検出装置および感圧検出システム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017188130A1
JPWO2017188130A1 JP2018514554A JP2018514554A JPWO2017188130A1 JP WO2017188130 A1 JPWO2017188130 A1 JP WO2017188130A1 JP 2018514554 A JP2018514554 A JP 2018514554A JP 2018514554 A JP2018514554 A JP 2018514554A JP WO2017188130 A1 JPWO2017188130 A1 JP WO2017188130A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
electrode
sensitive
sensor
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018514554A
Other languages
English (en)
Inventor
米田 哲也
哲也 米田
康 油谷
康 油谷
泰央 市川
泰央 市川
央隆 佐藤
央隆 佐藤
佳郎 田實
佳郎 田實
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai University
Valqua Ltd
Original Assignee
Kansai University
Valqua Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai University, Valqua Ltd filed Critical Kansai University
Publication of JPWO2017188130A1 publication Critical patent/JPWO2017188130A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L1/00Measuring force or stress, in general
    • G01L1/16Measuring force or stress, in general using properties of piezoelectric devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L5/00Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Abstract

この感圧検出方法および感圧センサーは、加圧入力の検出エリアに加圧入力面部を持つ単一または複数の圧電層を設置し、この圧電層を挟んで配置された単一または複数の電極対の少なくとも一方の電極を、加圧入力面部より狭い連続した電極部または複数の電極部を備えるパターン電極とし、このパターン電極に加圧入力を受け、感圧出力を取り出す。これにより加圧入力面部から不感領域を削減して検出効力を高めることができる。また、接点や、接点間の弾性による間隔保持が不要であり、感圧センサーの小型化および軽量化を図ることができ、接点の経年劣化がなく、長期に亘って安定した感圧検出が行え、メンテナンスコストを削減できる。

Description

本発明は、人や物から受ける圧力を圧電素子で検出するセンサー技術に関する。
人や物の検出では、人や物が有する重量を電気信号に変換し、その電気信号を人や物の有無、その通過や集合に圧力センサーを利用することが行われている。
この圧力センサーに関し、加圧されると電気抵抗値やインピーダンスが変化する感圧導電ゴムおよび電極を備え、外部からの加圧を検出することが知られている(特許文献1)。
特開昭63−32330号公報
ところで、従来の圧力センサーを備える検出マットでは、スペーサで上下電極の電極間を保持し、加重によりスペーサを圧縮し、感圧導電ゴムおよび電極間が導通したとき、人や物体の通過を判断することが可能である。このような感圧導電ゴムやスペーサを用いた検出構造には次のような課題がある。
(1) 線状センシングを採用して接点範囲を拡大しても、センシング範囲に不感領域が存在し、検出効率が低い。
(2) 電極間の開閉では開閉出力しか得られないし、この開閉出力も一定圧以上の加圧入力で生じるにすぎない。
(3) 導電ゴム及びスペーサは経年劣化や弾性疲労を生じ、長期に亘って安定した動作が得られず、誤動作が生じ、信頼性に欠ける。
(4) 導電ゴム及びスペーサの弾性で電極間の間隔維持、圧縮による接点間導通、圧縮解除による間隔復帰を繰り返す場合、所定厚さ以上の導電ゴム及びスペーサを必要とするため、小型化や軽量化が妨げられる。
斯かる要求や課題について、特許文献1にはその開示や示唆はなく、それを解決する構成等についての開示や示唆はない。
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、圧力レベルに応じた検出出力を得ることができ、センサーの小型化および軽量化を図るとともに検出効率を高め、信頼性の高い感圧特性を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の感圧検出方法の一側面によれば、加圧入力の検出エリアに加圧入力面部を持つ単一または複数の圧電層を設置し、前記圧電層を挟んで配置された単一または複数の電極対の少なくとも一方の電極を、前記加圧入力面部より狭い連続した電極部または複数の電極部を備えるパターン電極とし、前記パターン電極に加圧入力を受け、前記パターン電極から感圧出力を取り出す。
上記目的を達成するため、本発明の感圧センサーの一側面によれば、加圧入力の検出エリアに加圧入力面部を持つ単一または複数の圧電層と、前記圧電層を挟んで配置された単一または複数の電極対と、前記電極対の少なくとも一方の電極に備えられ、前記加圧入力面部より狭い複数の電極部を含み、加圧入力を受けるパターン電極とを備え、前記加圧入力で得られる感圧出力が前記パターン電極に含まれる複数の前記電極部から取り出される。
上記感圧センサーにおいて、前記パターン電極は、前記加圧入力のレベル、位置、方向または範囲を表す感圧出力、複数の加圧入力の分布を表す出力の何れかまたは2以上を取り出す複数の電極部を含んでよい。
上記感圧センサーにおいて、前記パターン電極は、前記圧電層の平面、背面および側面の何れかまたは2以上に配置される複数の電極部を含んでよい。
上記感圧センサーにおいて、前記パターン電極は、前記圧電層の加圧入力面上で連続して屈曲する単一または複数の電極部、単一の電極部を2以上に分割した複数の電極部、前記圧電層の加圧入力面にX軸方向、Y軸方向またはZ軸方向に配列された複数の電極部、または、前記加圧入力面の任意の複数方向に分岐させた複数の電極部の何れかを含んでよい。
上記感圧センサーにおいて、さらに、少なくとも前記電極対をシールドするシールド層を備えてよい。
上記感圧センサーにおいて、さらに、前記圧電層を覆う粘弾性保護層と、前記粘弾性保護層の外面部に設置された滑止め層とを備えてよい。
上記感圧センサーにおいて、さらに、前記圧電層と支持手段との間に介在させ、前記圧電層を含む積層体を支持する剛性層とを備えてよい。
上記目的を達成するため、本発明の感圧検出装置の一側面によれば、前記感圧センサーと、前記感圧センサーの感圧出力を用いて人または物の有無、位置、通過または集合の何れかを判定する判定手段とを備える。
上記目的を達成するため、本発明の感圧検出装置の一側面によれば、前記感圧センサーと、前記感圧センサーのセンサー出力を音信号または光信号に変換する信号変換部とを備える。
上記目的を達成するため、本発明の感圧検出装置の一側面によれば、前記感圧センサーと、前記感圧センサーのセンサー出力レベルに応じ、制御対象機器の動作開始、動作停止の制御信号を出力する制御部とを備える。
上記目的を達成するため、本発明の感圧検出システムの一側面によれば、前記感圧センサー、または前記感圧検出装置と、前記感圧センサーまたは前記感圧検出装置が設置され、人または物が通過しまたは集合するエリアと、前記感圧センサーまたは前記感圧検出装置に含まれる前記感圧センサーのセンサー出力から前記エリアの人または物の通過または集合を含む処理をする処理手段と、前記処理手段に有線または無線により接続され、前記処理手段の処理結果を提示する提示手段とを備える。
本発明の感圧検出方法、感圧センサー、感圧検出装置および感圧検出システムによれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 加圧入力面部から不感領域を削減して検出効力を高めることができる。
(2) 接点や、接点間の弾性による間隔保持が不要であり、感圧センサーの小型化および軽量化を図ることができ、接点の経年劣化がなく、長期に亘って安定した感圧検出が行え、メンテナンスコストを削減できる。
(3) 加圧入力に応じたレベルの感圧出力が得られ、感圧出力のレベルを用いた処理など、処理の自由度を拡大できる。
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
一実施の形態に係る感圧検出方法および感圧センサーを説明するための図である。 Aは、電極部16a−1または電極部16a−2のいずれか一方に加圧入力Mが加わる場合の感圧動作を示す図、Bは、電極部16a−1および電極部16a−2の双方に加圧入力Mが加わる場合の感圧動作を示す図、Cは、電極部16a−1および電極部16a−2に加わる加圧入力Mに偏りがある場合の感圧動作を示す図である。 Aは、実施例1に係る感圧センサーの一部を省略して示す図、Bは、感圧センサーの積層断面の一部を示す図である。 感圧センサーの感圧動作を示す図である。 Aは、実施例2に係るステップ装置を示す平面図、Bは、AのVB−VB断面を示す図である。 Aは実施例3に係る感圧検出システムを備えるビルを示す図、Bは感圧検出システムを示す図である。 感圧検出装置を示す図である。 感圧動作を示す図である。 実施例4に係るマットセンサーを示す図である。 感圧動作および信号処理を示す図である。 実施例5に係る電極部の一例を示す図である。 他の電極部の一例を示す図である。 他の電極部の一例を示す図である。 他の電極部の一例を示す図である。 他の電極部の一例を示す図である。 他の電極部の一例を示す図である。 他の電極部の一例を示す図である。 他の電極部の一例を示す図である。 実施例6に係る感圧検出装置を示す図である。
<感圧検出方法および感圧センサー>
図1のAは、一実施の形態に係る感圧検出方法および感圧センサーを示している。
この感圧センサー2には検出領域4が備えられ、この検出領域4で加圧入力Mを受ける。この加圧入力Mは人または物などから加えられる圧力であり、人ではたとえば、足面からの圧力、物ではたとえば、底面からの圧力でよい。検出領域4は、人または物が通過するなどのエリアに設定すればよい。
この感圧センサー2には圧電層6が備えられる。この圧電層6は背面側に背面支持層8を備え、検出エリアのエリア側支持面10に支持され、上面側に加圧入力Mを受ける圧力伝達層12が備えられる。圧電層6はたとえば、圧電シートであり、加圧入力Mが圧力伝達層12を通して圧電層6に加えられ、圧電層6の圧電変換機能により圧電出力に変換される。
圧電層6には図1のBに示すように、上面側に加圧入力面部14a、下面側に支持面部14bを備える。つまり、加圧入力面部14aは加圧入力Mの受圧面であり、支持面部14bは加圧入力Mを背面側で受け止める支持面である。
この圧電層6には単一または複数のパターン電極対の一例として、電極対16が備えられる。この電極対16は、加圧入力面部14a側にある電極16aに電極部16a−1、16a−2、支持面部14b側にある電極16bに電極部16b−1、16b−2が備えられる。つまり、電極部16a−1、16a−2は加圧入力面部14aより狭い電極面を持ち、電極部16b−1、16b−2も同様である。
図1のCに示すように、隣接して配置された電極部16a−1、16a−2の間には狭隘な絶縁間隔18が設定され、電極部16b−1、16b−2の間にも同様な絶縁間隔18が設定されている。
このように電極対16は、複数の電極部16a−1、16a−2または電極部16b−1、16b−2を備えて複数の電極面を持つパターン電極を形成している。この例では、電極部16b−1、16b−2もパターン電極を形成しているが、一方の電極部16a−1、16a−2のみでパターン電極を形成し、電極部16b−1、16b−2を単一の電極部としてよい。
したがって、このような電極対16を備える感圧センサー2で加圧入力Mを受ける場合、電極部16a−1または電極部16a−2のいずれか一方に加圧入力Mが加わる場合、電極部16a−1および電極部16a−2の双方に加圧入力Mが加わる場合、電極部16a−1および電極部16a−2に加わる加圧入力Mに偏りがある場合のパターンが存在することになる。
<電極部16a−1または電極部16a−2の一方に加圧入力Mが加わる場合>
図2のAに実線で示すように、電極部16a−1に加圧入力Mが加われば、電極部16a−1から圧電出力が得られる。また、図2のAに破線で示すように、電極部16a−2に加圧入力Mが加われば、電極部16a−2から圧電出力が得られる。これは電極部16a−1、16a−2の各圧電出力を差動増幅器などで比較、増幅すれば、判別できる。
<電極部16a−1および電極部16a−2の双方に加圧入力Mが加わる場合>
図2のBに実線で示すように、電極部16a−1、16a−2に共通に加圧入力Mが加われば、電極部16a−1、16a−2の双方から圧電出力が得られる。電極部16a−1、16a−2の双方に同一の圧力が加われば、電極部16a−1、16a−2から同一の圧電出力が得られることになる。これは電極部16a−1、16a−2の各圧電出力を比較することにより、同様に判別できる。
<電極部16a−1および電極部16a−2に加わる加圧入力Mに偏りがある場合>
図2のCに実線で示すように、電極部16a−1、16a−2に加わる加圧入力Mが電極部16a−1側に強く作用すれば、電極部16a−1から得られる圧電出力が電極部16a−2から得られる圧電出力より大きくなる。また、図2のCに破線で示すように、電極部16a−1、16a−2に加わる加圧入力Mが電極部16a−2側に強く作用すれば、電極部16a−2から得られる圧電出力が電極部16a−1から得られる圧電出力より大きくなる。これは電極部16a−1、16a−2の各圧電出力を比較することにより、同様に判別できる。
<圧電層6の材質など>
圧電層6は、単一部材または複数の部材の積層体の圧電機能層であればよい。この圧電層6は、両面平滑化層、保護層、絶縁層などを積層させてよいし、モノモルフやバイモルフおよび積層型でもよい。この圧電層6は圧電性樹脂からなるシート、多孔質樹脂シートなどの有機圧電層でもよく、水晶、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの無機圧電材料層でもよい。
圧電層6には厚さ方向の振動検出でより優れた振動検出機能を達成するため、たとえば、圧電定数d33が好ましくは20×10−12〔C/N〕以上、より好ましくは100×10−12〔C/N〕以上の圧電材料を用いればよい。
圧電層6にはたとえば多孔質樹脂シートを用いればよい。この多孔質樹脂シートには次のような特徴がある。
a)微小振動圧に対する電荷応答性や検出機能が高く、高温環境下で電荷保持が可能である。優れた検出機能が得られ、高い可撲性や耐衝撃性とともに、軽量化を図ることができる。
b)感圧センサー2の薄膜化や、大面積化等の任意の形状もしくは曲面形状、検出面形状に対する形状追従性が得られ、検出面の自由度が拡大する。
そして、多孔質樹脂シートは、電荷を保持し得るたとえば、有機系材料からなるシートであることが好ましい。この多孔質樹脂シートには、ファイバーからなる不織布または織布、有機重合体からなるシート状の発泡体、有機重合体からなる延伸多孔質膜、マトリックス樹脂と電荷誘起性中空粒子(中空粒子の表面の少なくとも一部に導電性物質が付着している粒子)とを含む多孔質樹脂シート、有機重合体中に分散させた相分離化剤を超臨界二酸化炭素などの抽出剤を用いて除去し空孔を形成する方法によって形成されるシートなどが含まれる。耐久性や変形性能の維持の側面からみれば、ポリマー製ファイバーを用いた不織布または織布が好ましい。
多孔質樹脂シートには1種または2種以上の無機フィラーを含んでもよい。これにより、電荷保持量が高く、優れた圧電特性が得られる。無機フィラーを用いれば、高圧電率を持つシートが得られる。無機フィラーには、ポリマーより高誘電率のものが好ましく、比誘電率ε=10〜10000のものを用いてよい。無機フィラーには酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化スズなどが含まれる。
多孔質樹脂シートの厚さは、たとえば10〔μm〕〜1〔mm〕でよく、より好ましくは50〔μm〕〜500〔μm〕でよい。高電荷保持性を得るには、空孔率が好ましくは60〔%〕以上、より好ましくは75〔%〕以上、さらに好ましくは80〜99〔%〕でよい。この空孔率は、
(樹脂の真密度−多孔質樹脂シートの見掛けの密度)×100/樹脂の真密度
・・・(1)
により求められる。見掛けの密度には、多孔質樹脂シートの重量および見掛けの体積を用いて算出される値を用いればよい。
ファイバーを構成するためのポリマーは、体積抵抗率が1.0×1013〔Ω・cm〕以上のものがよく、たとえばポリアミド系樹脂(6−ナイロン、6,6−ナイロンなど)、芳香族ポリアミド系樹脂(アラミドなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタラートなど)、ポリアクリロニトリル、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、イミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ビスマレイミドなど)などの何れかでよい。
耐熱性や耐候性に優れるなどの点からすれば、分子および結晶構造に起因する双極子を持たないポリマーが好ましい。たとえば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン樹脂など)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンエレフタラートなど)、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の非フッ素系樹脂、および、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂などを用いてよい。
耐熱性や耐候性などを考慮すれば、連続使用可能温度が高く、ガラス転移点を使用温度域に持たないことが好ましい。たとえばUL746B(UL規格)の連続使用温度試験によれば、ポリマーの連続使用可能温度は好ましくは50〔℃〕以上であること、より好ましくは100〔℃〕以上であること、さらに好ましくは200〔℃〕以上であればよい。耐湿性を考慮すれば、溌水性を示すものが好ましい。
これらの特性を備えるポリマーには、たとえばポリオレフィン系樹脂や、フッ素系樹脂を用いればよい。ポリオレフィン系樹脂や、フッ素系樹脂を用いれば、100〔℃〕下や100〔℃〕を超える高温下での振動検出においても、圧電特性に低下を来すことなく、振動検出が可能となる。フッ素系樹脂ではPTFEが好ましい。
PTFEでは、耐熱性、振動検知能および耐久性に優れ、高温下での加圧検出が可能な感圧センサー2を実現でき、高温および高圧の環境下で、振動検出性能や構造の維持が可能である。
圧電層6を形成するためのファイバーについて、平均繊維径が好ましくは0.05〜50〔μm〕、より好ましくは0.1〜20〔μm〕、さらに好ましくは0.3〜5〔μm〕でよい。平均繊維径がこの範囲内であれば、高柔軟性を示す不織布または織布が得られる。繊維表面積が大きくなれば、電荷を保持するに十分な空間が形成でき、不織布または織布を薄く形成した場合にも繊維の分布均一性を高くできる。
ファイバーの平均繊維径は、ファイバーの形成条件の選択で調整できる。たとえば、電界紡糸法によれば、電界紡糸の際に湿度を下げ、ノズル径を小さくし、印加電圧を高くし、または電圧密度を高くすることにより、得られたファイバーの平均繊維径が小さくなる傾向がある。
ここで、平均繊維径は、測定対象であるファイバー(群)を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM) 観察し、10,000倍の倍率で観測したSEM画像から無作為に複数のたとえば、20本のファイバーを選び、これらの繊維径(長径)の測定結果による平均値から求めればよい。
ファイバーの繊維径変動係数は、下記式で算出される値から好ましくは0.7以下、より好ましくは0.01〜0.5であればよい。この繊維径変動係数が所定の範囲内にあれば、ファイバーの繊維径が均一となり、このファイバーで得られる不織布または織布はより高い空孔率を有し、電荷保持性の高い多孔質樹脂シートを得る上からも好ましい。
繊維径変動係数=標準偏差/平均繊維径 ・・・(2)
なお、「標準偏差」とは、前記20本のファイバーの繊維径の標準偏差である。
ファイバーの繊維長は、好ましくは0.1〜1000〔mm〕、より好ましくは0.5〜100〔mm〕、さらに好ましくは1〜50〔mm〕であればよい。
ファイバーは、たとえば、電界紡糸法、溶融紡糸法、溶融電界紡糸法、スパンボンド法(メルトブロー法)、湿式法、スパンレース法により製造すればよい。電界紡糸法により得られるファイバーは繊維径が小さい。このファイバーを用いた不織布または織布では、空孔率が高くかつ高比表面積であり、高い圧電性を有する多孔質樹脂シートを得ることができる。
電界紡糸法では、ポリマーおよび必要に応じて溶媒を含む紡糸液が用いられる。ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。紡糸液中に含まれるポリマーの割合は、例えば5〜100〔重量%〕、好ましくは5〜80〔重量%〕、より好ましくは10〜70〔重量%〕でよい。
溶媒はポリマーを溶解しまたは分散し得るものであればよく、限定されない。溶媒はたとえば、水、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルピロリドン、キシレン、アセトン、クロロホルム、エチルベンゼン、シクロヘキサン、ベンゼン、スルホラン、メタノール、エタノール、フェノール、ピリジン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、トリクロロエタン、ヘキサフルオロイソプロパノール、ジエチルエーテルのいずれでもよい。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせた混合溶媒を用いてもよい。紡糸液中に含まれる溶媒は、たとえば、0〜90〔重量%〕、好ましくは10〜90〔重量%〕、より好ましくは20〜80〔重量%〕でよい。
紡糸液は、ポリマー以外の無機フィラー、界面活性剤、分散剤、電荷調整剤、機能性粒子、接着剤、粘度調整剤、繊維形成剤などの添加剤を含んでよい。添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上でもよい。紡糸液において、ポリマーの溶媒への溶解度が低い場合、たとえば、ポリマーがPTFEであり、溶媒が水である場合、紡糸時にポリマーを繊維形状に保持させるには1種または2種以上の繊維形成剤を含むことが好ましい。
溶媒に対し高い溶解度を有するポリマーであることが好ましい。繊維形成剤としてたとえば、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、デキストラン、アルギン酸、キトサン、でんぷん、ポリピニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロース、ポリビニルアルコールが挙げられる。繊維形成剤の使用量は、溶媒の粘度、溶媒への溶解度にもよるが、紡糸液中にたとえば、0.1〜15〔重量%〕、好ましくは1〜10〔重量%〕でよい。
紡糸液は、ポリマー、溶媒および必要に応じて添加剤を公知の方法で混合して製造すればよい。ポリマーがPTFEであれば、紡糸液として、PTFEを30〜70〔重量%〕、好ましくは35〜60〔重量%〕含み、繊維形成剤を0.1〜10〔重量%〕、好ましくは1〜7〔重量%〕含み、合計が100〔重量%〕の溶媒を含む紡糸液が好ましい。
電界紡糸を行う際の印加電圧は、好ましくは1〜100〔kV〕、より好ましくは5〜50〔kV〕、さらに好ましくは10〜40〔kV〕でよい。
電界紡糸に用いられる紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.1〜2.0〔mm〕、より好ましくは0.2〜1.6〔mm〕でよい。
たとえば、紡糸液を用いる場合、印加電圧は、好ましくは10〜50〔kV〕、より好ましくは10〜40〔kV〕である。紡糸ノズルの先端径(外径)は、好ましくは0.3〜1.6〔mm〕でよい。
ファイバーで不織布を形成するにはたとえば、電界紡糸法を用いて、ファイバーを製造する工程、およびファイバーをシート状に集積して不織布を形成する工程を同時に行ってよいし、ファイバーを製造する工程の後、湿式法により前記ファイバーをシート状に集積して不織布を形成する工程を行ってよい。
湿式法による不織布の形成ではたとえば、ファイバーを含有する水分散液を用い、メッシュ上にファイバーを堆積(集積)させてシート状に成形(抄紙)する方法を用いてよい。
この湿式法におけるファイバーの使用量は、水分散液全量に対して、好ましくは0.1〜10〔重量%〕、より好ましくは0.1〜5〔重量%〕でよい。この範囲内でファイバーを使用すれば、ファイバーを堆積させる工程で水を効率よく活用でき、また、ファイバーの分散状態がよく、均一な湿式不織布が得られる。
水分散液には、分散状態を良好にするためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系等の界面活性剤などからなる分散剤や油剤、また、泡の発生を抑制する消泡剤等をそれぞれ1種または2種以上を添加してよい。
ファイバーによる織布の製造方法には、ファイバーの製造工程、この工程で得られたファイバーをシート状に製織する織布形成工程を含んでよい。ファイバーをシート状に製織する方法には、公知の製織方法を用いてよい。この製織方法にはウォータージェットルーム、エア−ジェットルーム、レピアルームなどの方法が挙げられる。
ポリマーがPTFEであれば、不織布または織布の形成後、加熱処理を行うことが好ましい。この加熱処理では、該不織布または織布を、通常200〜390〔℃〕、30〜300〔分〕の条件で熱処理すればよい。この加熱処理を行えば、不織布または織布に残留する溶媒や繊維形成剤などを除去できる。
不織布の製造方法の一例として、電界紡糸法によるPTFEからなるファイバーの製造工程を含む場合を例示する。PTFEファイバーからなる不織布の製造方法には公知の製造方法を採用でき、たとえば、特表2012−515850号公報に記載された方法が挙げられる。この製造方法には、PTFE、繊維形成剤および溶媒を含み、少なくとも50,000〔cP〕の粘度を有する紡糸液を提供するステップと、紡糸液をノズルより紡糸し静電的牽引力によりファイバー化するステップと、前記ファイバーをコレクター(例:巻き取りスプール)の上に集め、前駆体を形成するステップと、前駆体を焼成して溶媒および繊維形成剤を除去することでPTFEファイバーからなる不織布を形成するステップとが含まれる。
不織布および織布の目付は、好ましくは100〔g/m2〕以下、より好ましくは0.1〜50〔g/m2〕、さらに好ましくは0.1〜20〔g/m2〕でよい。目付は、紡糸時間を長くし、紡糸ノズル数を増やすなどにより、増大する傾向を呈する。
不織布および織布は、ファイバーをシート状に集積または製織している。斯かる不織布および織布は、単層から構成されるもの、または材質や繊維径の異なる2層以上から構成されるものの何れでもよい。
そして、多孔質樹脂シートは、分極処理されたものが好ましい。分極処理をすれば、該シートに電荷を注入でき、該電荷は、多孔質樹脂シート内の空孔内に集中して分極を誘起させる。内部分極したシートでは、該シートの厚さ方向に印加される圧縮荷重により、シートの表裏面から該電荷を取り出すことが可能である。つまり、斯かる電荷が外部負荷(電気回路)に対して電荷移動を生じ、起電力が得られる。これが電位差、つまり電圧を生起させる。
分極処理の方法には、公知の方法を用いてよく、たとえば、直流電圧や交流電圧の印加処理の他、コロナ放電処理を用いればよい。
コロナ放電処理では、高電圧電源および電極装置を用いればよい。放電条件は、多孔質樹脂シートの材料および厚さに応じて適宜選択し、たとえば、PTFEからなる多孔質樹脂シートであれば、好ましい処理条件として、電圧が−0.1〜−100〔kV〕、より好ましくは−1〜−20〔kV〕、電流が0.1〜100〔mA〕、より好ましくは1〜80〔mA〕、電極間距離が0.1〜100〔cm〕、より好ましくは1〜10〔cm〕、印加電圧が0.01〜10.0〔MV/m〕、より好ましくは0.5〜2.0〔MV/m〕とすればよい。
分極処理について、多孔質樹脂シート単体に対して分極処理をしてよいが、圧電層として、たとえば、多孔質樹脂シートと絶縁層などとの積層体を構成するのであれば、該積層体を形成した後、絶縁層の積層後に分極処理をすることが好ましい。多孔質樹脂シートに積層される層は、分極処理により多孔質樹脂シートに保持された電荷が外部環境と電気的に接続して減衰するのを防止する役割を果たす。これにより、加圧検出の高感度化に寄与する。また、多孔質樹脂シートと多孔質樹脂シートに積層される層との間に電荷を保持し得る新たな界面を形成できる傾向にある。これにより、多孔質樹脂シートの圧電率が向上すると考えられる。
<電極対16の材質など>
電極対16は少なくとも一対の電極16a、16bが含まれる。各電極16a、16bは電極層でよい。電極層の構成材料は、金属(合金)、金属酸化物、金属硫化物、導電性炭化物、導電性高分子およびこれらの組み合わせなど、いずれでもよい。金属(合金)、金属酸化物、金属硫化物には、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、アンチモン、錫、銀、金、銅、ニッケル、パラジウム、白金、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト、これらの合金、これらの酸化物、これらの複合酸化物、これらの硫化物が含まれ、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化亜鉛(Zinc Oxide:ZnO)、銀などが好適である。
導電性炭化物には、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、炭素繊維、シングルウォールカーボンナノチューブ(Single-Walled Carbon Nanotube:SWCNT)、ダブルウォールカーボンナノチューブ(Double-Walled Carbon Nanotube:DWCNT)、マルチウォールカーボンナノチューブ(Multi-Walled Carbon Nanotube:MWCNT)、カーボンナノシート(グラフェンシート) などが含まれる。導電性高分子には、ポリ (エチレン−3, 4−ジオキシチオフェン)、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体などが含まれる。
この一実施の形態では、分極処理が施された圧電層6の表裏面にアルミニウムをスパッタリング処理して厚さ0.5〔μm〕程度の電極層を形成し、この電極層を以て電極対16を形成した。電極16aは加圧入力面部14aにある電極層であり、電極16bは支持面部14bにある電極層である。これら電極層は圧電層6の介在によって電気的に絶縁状態に維持されている。
<一実施の形態の効果>
(1) この感圧センサー2では、電極対16が複数の電極部16a−1、16a−2を備えているので、加圧入力面部14aから不感領域を削減でき、加圧入力Mの検出効力が高められる。
(2) この感圧センサー2では、圧電層6と電極対16によって加圧入力Mを検出しており、接点や、接点間の弾性による間隔保持が不要であり、接点の経年劣化がなく、長期に亘って安定した感圧検出が行え、メンテナンスコストを削減できる。
(3) 加圧入力Mの大きさや位置を表す圧電出力が得られ、圧電出力を用いて加圧入力の位置、大きさ、分布など多様な処理に利用でき、圧電出力を用いた各種処理の自由度を拡大できる。
(4) この感圧センサー2によれば、検出領域4に入る人や物から加圧入力Mを受けることにより、人や物を検出することができる。
(5) 電極対16が複数の電極部16a−1、16a−2を備えたパターン電極対であるから、加圧入力Mの入力位置やそのレベルを検出することができる。
(6) 狭い複数の電極面を持つ複数の電極部によってパターン電極を形成したので、検出領域に複数の電極部を配設でき、不感領域を削減できる。
図3のAは、実施例1に係るマットセンサーの一部を省略した断面を示している。図1と同一部分には同一符号を付してある。
このマットセンサー20は既述の感圧センサー2の一例である。このマットセンサー20には、上面側から背面側に向かって受圧層22、圧電積層体24および背面支持層26が備えられ、これらの積層体を本体部とし、封止層28が一体に備えられる。受圧層22、圧電積層体24、背面支持層26および封止層28の積層構造体は張り合わせて形成してもよく、エラストマとの一体成形体の何れでもよい。
受圧層22は既述の圧力伝達層12の一例であり、受圧面部材としてたとえば、弾性層22−1を主層に、上面側に滑止め層22−2を備える。弾性層22−1は圧電層6を覆う粘弾性保護層の一例である。この弾性層22−1には弾性材料または粘弾性材料としてたとえば、熱硬化性ポリマー(エポキシ樹脂、熱硬化性ゴム、ポリウレタン、フェノール樹脂、イミド樹脂、シリコーン樹脂等)や熱可塑性ポリマー(アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等)のシートで形成すればよい。滑止め層22−2は従来公知の滑止め層を用いればよく、マットセンサー20の踏み面を構成し、摩擦材として歩行者の靴底などの底面にフリクションを付与する。
圧電積層体24はたとえば、圧電層6および電極対16で構成され、この実施例では、電磁シールド30を含んでひとつの積層体としている。圧電層6にはたとえば、PFA・PTFE不織布・PFA積層体からなる圧電シートを用いればよい。圧電層6および電極対16の電磁シールド30として、上側および下側にシールド層30−1、30−2が備えられる。電極対16には、既述のパターン電極対が用いられ、たとえば、電極材料としてアルミニウムなどが用いられる。
シールド層30−1は、図3のBに示すように、導体層30−11の上下側に絶縁層30−12、30−13を設置した積層体である。同様に、シールド層30−2も導体層30−21の上下側に絶縁層30−22、30−23を設置した積層体である。導体層30−11、30−21は導体材料としてたとえば、アルミニウムを用いればよい。
背面支持層26は、既述の背面支持層8(図1)に相当する。この背面支持層26には下側に剛性層26−1、上側に弾性層26−2が備えられる。剛性層26−1は剛性材料としてたとえば、ステンレスなどの金属板で形成される。このマットセンサー20は剛性層26−1を以てエリア側支持面10に設置されて支持される。弾性層26−2は弾性材料としてたとえば、熱硬化性ポリマー(エポキシ樹脂、熱硬化性ゴム、ポリウレタン、フェノール樹脂、イミド樹脂、シリコーン樹脂等)や熱可塑性ポリマー(アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等)のシートで形成すればよい。つまり、背面支持層26は、エリア側支持面10側の剛性層26−1による剛性と、弾性層26−2の弾性とを以て強固に支持され、マットセンサー20に加わる加圧入力Mが背面支持層26側で受け止められる。
封止層28は封止材料で成形され、マットセンサー20の本体部側と着脱可能としてよい。
このマットセンサー20では、弾性層22−1、26−2の厚さをD1、D2とすれば、D1>D2に設定されている。同一の弾性を備えた場合にはたとえば、D1=D2×2とすればよい。これにより、踏み面側にある弾性層22−1に加わる衝撃を吸収することができ、圧電積層体24に伝わる衝撃を緩衝できる。弾性層22−1、26−2の厚さ設定は一例であり、たとえば、弾性層22−1側に衝撃吸収機能の高い弾性材料を用いれば厚さ設定をD1=D2としてもよい。
<実施例1の効果>
(1) このマットセンサー20によれば、既述の一実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(2) このマットセンサー20は図4に示すように、建築物や構造物にあるステップ面などの床面に設置し、人や物の存在の有無、通過、集合、床面上の分布などを検出できる。その際、加圧入力Mは滑止め層22−2および弾性層22−1を介して圧電積層体24に加わり、背面支持層26側の弾性層26−2および剛性層26−1を通してエリア側支持面10により支持される。これにより、圧電層6には加圧入力面部14a側に加圧入力Mが作用して圧電変換を生じ、この加圧入力Mのレベルに応じた圧電出力を電極対16から取り出すことができ、高感度の感圧検出を行うことができる。
(3) 弾性層22−1で衝撃を吸収できるので、圧電積層体24を衝撃から防護でき、電極対16の破損や圧電層6の検出機能の衝撃劣化を防止できる。
(4) 踏み面に滑止め層22−2が設置されるので、靴などの底面との間に適当な摩擦を付与でき、人の歩行の妨げを防止できる。また、物では滑動状態を防止できる。
(5) このマットセンサー20では、従前の圧力スイッチのように、弾性体によって電極間隔を維持し、弾性の伸縮で電極間をON・OFFさせる弾性支持構造を備えていないので、弾性劣化による検出劣化や、接点間摩耗を生じることがなく、信頼性の高い安定した感圧検出を持続でき、メンテナンス性に優れる。
図5のAは、実施例2に係るステップ装置を示している。このステップ装置40には装置筐体42とともに既述のマットセンサー20が備えられる。装置筐体42はたとえば、偏平な長方形状であり、マットセンサー20を収納するためのマットセンサー固定部44を備えている。このマットセンサー固定部44にマットセンサー20が設置されている。マットセンサー20は破線で示すように、加圧入力Mの圧電変換可能な感圧範囲46を備える。
ステップ装置40には制御部48が備えられ、この制御部48は図5のBに示すように、マットセンサー20の背面側に設置されている。図5のBは、図5のAのVB−VB線断面を示している。装置筐体42にはマットセンサー20の背面側に制御部48を収納する基板収納部50が形成されている。この例では、基板収納部50は図中、装置筐体42の長手方向の端に設置されているが、何れの箇所に設置してもよい。
制御部48には信号線52−1、52−2および電源線54が備えられる。信号線52−1、52−2は外部装置に導かれ、電源線54は電源に導かれて給電される。
<実施例2の効果>
(1) 装置筐体42は金属などの剛性の高い材料で形成でき、マットセンサー20を防護することができる。剛性の高い材料であれば、マットセンサー20を備えるステップ装置40における装置筐体42の占有体積を削減できる。
(2) 感圧範囲46は長方形状など、検出領域4に対して任意に設定できる。実施例2では装置筐体42の平面部の面積より小さく設定しているが、同等に設定することもでき、感圧範囲46を拡大したステップ装置40を実現できる。
(3) 制御部48はマットセンサー20の背面の何れの位置に設定してもよく、この制御部48をマットセンサー20と装置筐体42を以て防護でき、マットセンサー20の検出出力による制御動作の信頼性を維持することができる。
(4) このようなステップ装置40によれば、軽量化とともに偏平化を図ることができ、ステップに対する専有体積を削減できる。
図6のAは、実施例3に係る感圧検出システムを備えるビルを示している。この感圧検出システム38は、既述のステップ装置40を備える。
ビル56は建築物や構造物の一例である。このビル56の出入口部58には自動ドア60が備えられ、この自動ドア60の近傍にステップ装置40が備えられる。この自動ドア60は左右に開閉し、開状態で人などの出入りが可能である。ステップ装置40は、この出入口部を出入りする人や物から受ける加圧を検出する。
図6のBは、感圧検出装置64の一例を示している。この感圧検出装置64は、マットセンサー20を備えて感圧検出を行う。この例では、ビル56側に制御部48が備えられ、感圧検出装置64とともに電源部65、駆動機構部66および表示部68が備えられる。電源部65には給電線70から給電される。この給電電圧は変圧器74で降圧され、整流器76で整流されて駆動電圧に変換される。この駆動電圧が制御部48に印加される。制御部48はたとえば、コンピュータで構成され、マットセンサー20のセンサー出力を受け、人の有無、通過、混雑状況などを表す情報を生成する。
駆動機構部66はたとえば、自動ドア60の開閉駆動機構である。表示部68は情報提示手段の一例であり、制御部48によって制御され、出力情報として既述の人の有無、通過、混雑状況などの情報を提示する。
図7は、感圧検出装置64を示している。制御部48には増幅部78、波形成形部80および信号処理部82が備えられる。増幅部78はたとえば、プリアンプであり、マットセンサー20のセンサー出力を増幅する。波形成形部80または信号処理部82は信号変換部の一例である。波形成形部80は増幅部78の出力波形を成形し、たとえば、パルス波形に変換する。信号処理部82はパルス波形を増幅して取り出す機能や、波形のレベル判定機能、表示部68の制御機能を備えてよい。つまり、判定機能では人の存在、通過などをレベル変化から判定し、その判定結果を表す出力を得ることができる。制御機能を備える信号処理部82は判定手段または処理手段の一例であり、人や物の有無、位置、通過または集合の何れかに応じ、機器の一例である表示部68の動作開始や動作停止を行う制御手段でもある。
表示部68には信号処理部82の出力を受け、既述の判定結果を視覚情報で表示する。この表示部68には測定値を示すメーターや、人数などを点灯表示するLED(Light Emitting Diode)などのランプ、判定出力を音で出力するスピーカや警報機を用いてよい。つまり、表示部68は信号処理部82とともに、感圧出力を光信号や、音信号に変換する信号変換手段の一例でもある。
図8は、感圧動作および制御部48の信号処理の動作を示している。図8のAに示すように、マットセンサー20には人からの加圧入力Mが加わり、その加圧入力Mが解除されると、それを表す圧電出力A1、A2が現れる。つまり、加圧入力Mの入力時点taで急峻に立ち上がる先鋭なパルス状の圧電出力A1が生じ、加圧入力Mが静圧化状態に移行すると、圧電出力A1は0レベル状態に移行する。この静圧状態から加圧入力Mが解除されると、その解除時点tbに圧電出力A1と逆相関係の圧電出力A2が生じる。圧電層6の圧電変換特性により、加圧入力Mの変化時点に圧電出力A1、A2が生じ、圧電出力A1、A2のピーク転換の時間間隔Tは入力時点taから解除時点tbの時間間隔とほぼ一致している。したがって、このような圧電出力A1、A2のレベル情報および時間情報を用いれば、人の通過を判断することができる。
各圧電出力A1、A2は増幅部78で増幅され、波形成形部80の波形成形に適するレベルの電圧に変換され、波形成形部80に入力される。
波形成形部80では、図8のBに示すように、波形成形が行われ、圧電出力A1、A2に同期したパルス波形が得られる。つまり、このパルス波形は、圧電出力A1の立ち上がりに同期して立ち上がる前エッジ、圧電出力A2の降下に同期して降下する後エッジ、圧電出力A1、A2間の時間間隔Tで一定電圧となる矩形波である。
この波形出力は信号処理部82に加えられて閾値電圧Vthと比較され、波形出力のレベル判断が行われる。この信号処理部82では波形成形部80の出力波形が閾値電圧Vthを超える範囲を高レベル、それ以外を低レベルとする出力が得られる。
この結果、図8のCに示すように、表示部68には閾値電圧Vthを超える範囲で点灯する表示出力が得られる。つまり、この点灯表示により、人の存在が視覚的に表示される。
<実施例3の効果>
(1) この感圧システム38は、電源線と2本の信号線など、既設のセンサーシステムと同様であり、現行品に対応でき、置換することができる。
(2) この感圧システム38にはゴムスペーサのないマットセンサー20を用いているので、圧電層6やその積層体が持つ機能を有効に活用でき、長期に安定した動作を得ることができる。フッ素系圧電シートを用いたマットセンサー20では、耐環境性に優れ、風雨に晒されても安定した動作を維持できる。
(3) マットセンサー20では、シート状センサーである圧電層6を備えて全面センシングが可能であり、不感領域を削減できるので、検出効率を高めることができる。
(4) マットセンサー20は有機積層体であり、機構部品などの複雑な機構を備えていないので、感圧システム38の価格を低減化できる。
(5) ステップ装置40にはLEDによるインジケータを備えることにより、注意喚起や安全性の維持を図ることができる。このステップ装置40では、人だけでなく物の有無、通過などの判定にも利用することができる。
(6) ステップ装置40の駆動機構部66の駆動開始や収納などの動作にもマットセンサー20の感圧出力を利用することができる。
(7) ステップ装置40はマットセンサー20を備えて感圧検出を行うので、耐衝撃性が高く、メンテナンス性に優れ、防水性を高めることができる。
(8) ステップ装置40にはマットセンサー20側の配線を装置筐体42に収納でき、制御部48の出力線を最小限化できるので、配線数の削減とスマート化などを図ることができる。
図9は、実施例4に係るマットセンサー20を示している。このマットセンサー20では、圧電積層体24の周辺回路として積分回路84およびオペアンプ86が備えられ、マットセンサー20の内部に設置される。
積分回路84にはキャパシタ88が備えられ、このキャパシタ88が圧電積層体24の電極対16間に接続されている。積分回路84は、圧電積層体24の圧電層6が持つインピーダンスを利用し、単一のキャパシタ88で積分機能を実現している。この積分回路84および圧電積層体24はオペアンプ86の非反転端子(+)と電源90の正極側の間に接続され、圧電出力の積分出力がオペアンプ86の非反転端子(+)に加えられる。
図10は、このマットセンサー20の動作を示している。仮想の加圧入力としてたとえば、錘を使用し、この錘をマットセンサー20の踏み面に落下させる。図10のAに示すように、加圧入力時点taで錘1個を落下させ、時点tbでさらに錘1個を落下させ、時点tcで錘1個を外し、加圧解除時点tdで残りの錘1個を外して除圧している。したがって、加圧入力時点taから加圧解除時点tdの時間Tが静圧期間である。
図10のBに示すように、時点taで加圧入力Mがマットセンサー20に加わり、圧電出力A1が生じる。この加圧入力Mの後、2つ目の錘を落下させて加圧入力Mを追加すると、この時点tbで圧電出力A2が生じる。ひとつの錘を除くと、その時点tcで逆相の圧電出力A3が生じ、さらに錘を外した時点tdで逆相の圧電出力A4が生じる。
これら圧電出力A1、A2、A3、A4はオペアンプ86により増幅されて取り出され、既述の信号処理部82に加えられる。
これにより、図10のCに示すように、波形成形出力が得られる。この波形成形出力では、圧電出力A1に同期して立ち上がる出力波形B1、圧電出力A2に同期して立ち上がる出力波形B2、圧電出力A3に同期して降下する出力波形B3が生じ、圧電出力A4に同期して出力波形B3は0レベルに降下する。
出力波形B1は、錘1個分を表すレベル、出力波形B2は、錘2個分を表すレベル、出力波形B3は、錘1個分を表すレベルを表している。つまり、時点taで加圧入力Mの開始であり、この時点taから時点tdの除圧までの一定時間で静圧状態が維持される。
この静圧期間において、既述の表示部68を用いれば、図10のDに示すように、静圧期間を点灯により表示することができる。
<実施例4の効果>
(1) このマットセンサー20では、センサー内に積分回路84やオペアンプ86を内蔵することができ、ノイズ低減を図ることができ、加圧入力の検出感度を高めることができる。たとえば、入力電圧波形の1〔ms〕の時間積分値を電圧として出力させることができる。
(2) マットセンサー20では、センサー内に積分回路84やオペアンプ86を備えるので、感圧判定側の回路構成を簡略化できる。
(3) 加除圧による電圧変化や加圧時点間の静圧検出が可能であり、静圧時および段階的な加圧、除圧に対する電圧出力を得ることができる。つまり、加圧入力に応じたレベルの電圧出力を取り出すことができる。
(4) 電圧出力と閾値との比較によるON、OFF判定が可能であり、荷重による加圧入力が解除された時点でその判定出力を解除することができる。
(5) このような感圧判定によれば、人や物の有無、その集合量や分布を表す出力を容易に得ることができる。
<有無判定が可能なパターン電極例>
(1) 不感領域の最小限化
図11のAに示すように、電極16aまたは電極16bの何れか一方またはそれぞれには、圧電層6の加圧入力面部14aに対し、連続するサーキット状の電極部92−1、92−2が備えられる。各電極部92−1、92−2はジグザグ状に屈曲する連続するサーキット状であり、圧電層6の加圧入力面部14aの全面を覆って配置されている。この例では、各電極部92−1、92−2の屈曲部が互いに噛み合うように配置され、検出領域4が二つの電極部92−1、92−2を以て覆われている。このような電極16a、16bに対し、背面側の電極16bは、フラット電極面としてもよい。
このような電極16a、16bにサーキット状の電極部92−1、92−2を備えれば、検出領域4を全面的に網羅でき、不感領域を最小限にでき、検出効率を高めることができる。
各電極16a、16bは、図11のBに示すように、サーキット状の電極部92−1、92−2の上下方向の位置をずらして配置してもよいし、図11のCに示すようにサーキット状の各電極部92−1、92−2の位置を90度だけずらして配置してもよい。
(2) 電極16a、16bの分散化
図12のAに示すように、電極16aまたは電極16bの何れか一方またはそれぞれを小さい矩形の電極部94−1、94−2に分割し、検出領域4を分散化してもよい。係る構成によれば、電極16a、16bの分散化により感圧度を安定化させることができる。破線で示す靴跡96のように、電極部94−1、94−2に跨がって加圧入力Mが生じれば、電極部94−1、94−2の双方から圧電出力を得ることができる。
図12のBに示すように、電極16a、16bのそれぞれを電極部98−1、98−2、98−3に3分割し、検出領域4を分散化してよい。この場合、長方形状の検出領域4の中央に二等辺三角形の電極部98−1が配置され、電極部98−1の各斜辺側に直角二等辺三角形の電極部98−2、98−3が配置されている。係る構成によれば、電極16aまたは電極16bの分散化で同様に感圧度を安定化させることができる。この場合、破線で示す靴跡96のように、電極部98−1、98−2に跨がって加圧入力Mが生じれば、電極部98−1、98−2の双方に圧電出力が得られる。
(3) バイパス回路による破断部の補完
図13のAに示すように、電極16aまたは電極16bの何れか一方またはそれぞれに第1および第2の電極引出し部100−1、100−2を備えてよい。図13のBに示すように、電極引出し部100−1で破断102を生じても、圧電出力の取出しには電極引出し部100−2を用いることができ、安定した検出動作を維持できる。
図14のAに示すように、電極16a、16bを複数の電極部104−11、104−12・・・・104−33に分割してマトリクス状に配列するとともに、各電極部104−11、104−12・・・・104−33を橋絡部106で連結して電気的に一体化するとともに、複数の電極引出し部108−1、108−2、108−3を備えてもよい。つまり、複数の電極部104−11、104−12・・・・104−33および橋絡部106を以て互いのバイパス回路としている。係る構成とすれば、図14のBに示すように、電極引出し部104−11、104−12・・・・104−33や複数の橋絡部106で破断102を生じていても、電極部104−31に生じた加圧入力Mによる圧電出力を電極引出し部108−2、108−3から取り出すことができる。
(4) 電極部16a、16bの屈曲性の強化
図15のAに示すように、電極16a、16bの各辺部から中心部方向に向かう複数の切欠部110を形成し、隣り合う切欠部110の間に電極部112−1、112−2、112−3、112−4を形成してもよい。係る構成によれば、屈曲可能な電極16a、16bの電極引出し機能を補完でき、各電極部112−1、112−2、112−3、112−4によって電極16a、16bの屈曲性を補完し、強化することができる。
(5) 電極部16a、16bの同一面配置
図15のBに示すように、検出領域4の幅方向に電極対16の各電極16a、16bを配置してもよい。同一面に配置する電極16a、16bは、圧電層6の加圧入力面部14aまたは支持面部14bのいずれに設置してもよい。
<位置判定が可能なパターン電極例>
(6) X軸上の位置の特定
図16のAに示すように、電極16a、16bは複数の電極部114−1、114−2、114−3・・・を備え、これら電極部114−1、114−2、114−3・・・をX軸方向に配列させてもよい。このようにすれば、電極部114−1、114−2、114−3・・・により、X軸上の位置を表す圧電出力を取り出すことができる。この場合、靴跡96のある電極部114−1には靴跡96のX軸上の位置を表す圧電出力が得られる。
(7) Y軸上の位置の特定
図16のBに示すように、電極16a、16bは複数の電極部116−1、116−2、116−3、116−4・・・を備え、これら電極部116−1、116−2、116−3、116−4・・・をY軸方向に配列させてもよい。このようにすれば、電極部116−1、116−2、116−3、116−4・・・により、Y軸上の位置を表す圧電出力を取り出すことができる。この場合、靴跡96−1のある電極部116−1には靴跡96−1のY軸上の位置を表す圧電出力が得られる。破線で示すように、靴跡96−1から靴跡96−2に移動すれば、移動したY軸上の位置を表す圧電出力が電極部116−1、116−2から取り出される。
(8) X軸およびY軸上の位置の特定
図17のAに示すように、電極16aは、複数の電極部118−1、118−2、118−3、118−4を備え、電極16bは、複数の電極部118−5、118−6、118−7、118−8を備えている。この電極16bは、電極16aの下側に圧電層6を挟んで配置される。電極16a、電極16bは加圧入力面および背面にそれぞれX軸方向およびY軸方向にマトリクス状に配列するとともに、電極部118−1、118−2、118−3、118−4、118−5、118−6、118−7、118−8を以て同一間隔の電気的橋絡部を構成して各電極部間を橋絡させ、周縁側の各電極部にはX軸方向およびY軸方向に電極引出し部が形成されている。
このような構成とすれば、加圧入力面より加圧入力Mが付与されると、電極部118−1、118−2、118−3、118−4、および、118−5、118−6、118−7、118−8のいずれかまたは複数の組合せから圧電出力が得られる。この圧電出力が生じた加圧入力MのX軸、Y軸上の座標位置を知ることができる。
(9) X軸、Y軸およびZ軸上の位置の特定
図17のBに示すように、ブロック状の弾性支持体120の上面および下面にX−Y軸上の加圧入力Mを検出する感圧センサー2−1、側面にZ軸上の加圧入力Mを検出する感圧センサー2−2を備えている。感圧センサー2−1側には電極16aおよび電極16bが圧電層6を挟んで備えられ、電極16aには複数の電極部118−1、118−2、118−3、118−4、電極16bには複数の電極部118−5、118−6が備えられる。これら複数の電極部118−1、118−2、118−3、118−4、118−5、118−6は既述のX−Y軸上に間隔を設けて配列されている。感圧センサー2−2側には、複数の電極部122が間隔を設けて配列されている。図示しないが、感圧センサー2−2側の電極122も圧電層6を挟んで配置される電極対であってもよいし、圧電層6の加圧入力面に横方向に圧電層6を挟んで配置されてもよい。
係る構成では、感圧センサー2−1からX−Y軸上に加わる加圧入力Mによる圧電出力を取り出すことができ、感圧センサー2−2からZ軸上に加わる加圧入力Mによる圧電出力を取り出すことができる。
<分布判定が可能なパターン電極例>
図18のAに示すように、この電極16a、16bでは、複数の加圧入力M1、M2・・・MNが加わった場合、その分布出力をX軸方向およびY軸方向に圧電出力が生じた加圧入力M1、M2・・・MNのX軸、Y軸上の座標位置を知ることができ、その圧電出力から加圧入力M1、M2・・・MNの分布を知ることができる。
<方向判定が可能なパターン電極例>
図18のBに示すように、X−Y軸上にある感圧センサー2−1に対し、傾斜方向から加圧入力Mが加わった場合、感圧センサー2−1から加圧入力Mの入力角度を表す圧電出力が得られる。
図19は、実施例6に係る感圧検出装置の一例を示している。この感圧検出装置124には、感圧センサー2、波形成形部126、信号処理部128、制御部130および電源部132が備えられる。
感圧センサー2には単一または複数の圧電層6や電極対16を備えてよい。波形成形部126は、既述の波形成形部80と同様の機能を備える。
信号処理部128および制御部130はたとえば、コンピュータで構成され、特定のエリアに対する人または物の進入、通過または集合を含む処理を行う処理手段の一例であり、これら各種の信号処理が可能である。信号処理部128では各種の信号処理が可能であり、制御部130では、その信号処理に基づき、各種機器の発停制御など、各種の制御動作を行うことができる。
電源部132はバッテリでもよいし、商用電源を用いて駆動電圧を生成してもよい。
<信号処理および制御動作など>
a)加圧入力Mの積算処理
この積算処理には、加圧入力Mの積算処理の他、加圧入力Mの大きさの判定処理、加圧入力Mの加算処理、加圧入力Mが所定値を超えたか否かの判定などの処理が含まれる。この積算処理によれば、人や物の重量の判定、その判定結果による航空機への搭乗制限、貨物の偏重判定、大人・子供の区別する搭乗状況などの判別が可能である。
b)加圧入力Mの頻度
加圧入力Mの回数をカウントし、そのカウント値が一定値を超えたか否かを判定すればよい。人や物の入・退場数をカウントし、一定数を超えれば、入場制限をする。
c)加圧入力Mの分布処理
加圧入力Mの大きさと時点、場所、または大きさおよび回数、場所および回数を記録すればよい。物からの加圧入力Mの分布状況を可視化可能である。荷物のトレーサビリティーなどの判定に利用すればよい。
d)複数の加圧入力Mの相関処理
加圧入力Mを記録し、その記録に基づき、その規則性を判定する。ベッドに感圧センサーを配置し、加圧入力Mから就寝姿勢の癖の判定、靴底に感圧センサーを配置することで靴底圧力から歩き方や走り方の癖の判定などの処理が可能である。
e)推定処理
加圧入力Mの平均値を求めれば、たとえば、ロール面圧力の均質性を推定することができる。
f)検定処理
複数の加圧入力Mを比較し、加圧入力M間や、複数の加圧入力Mを集合させたグループ間での違いを判定することができる。たとえば、全数検査において、加圧入力M(重さ)を判定し、その大きさで合否判定に利用する。
g)分散処理
複数の加圧入力Mの平均値から分散を求めることができる。たとえば、洗浄液の飛散状態の程度をみる。洗浄器具の形状設計などに活用することができる。
h)加圧入力Mの圧力レベルに応じた信号処理が可能である。
h−1)電圧と動作状態を表す信号から、機器の駆動や停止を行う。カメラのシャッター動作、たとえば、自動改札でのX線撮影との連動などに利用できる。
h−2)自動開閉動作として:たとえば、ドアに挟まれ時、自動開扉などに利用できる。また、選別動作として:たとえば、液体持込み有無の推定に利用する場合、荷物を揺らした後の電圧減衰から判定すればよい。
h−3)電圧および音を表す信号から、物の落下、立入禁止区域への侵入、点字ブロック踏み付けから指向性を判断し、音声案内を出力する。
h−4)電圧および光を表す信号から、圧力を受けた回数カウントにより色表示を行えばよい。
<実施例6の効果>
(1) 感圧センサー2は加圧を伴う各種の分野に利用し、圧力レベルや圧力分布などの検出に利用できる。
(2) 加圧状態をユーザに告知できるので、感圧センサーを備えることにより、各種機器の利便性を高めることができる。
〔他の実施の形態〕
(1) 上記一実施の形態または実施例では、人や物からの加圧入力を検出することを例示したが、感圧センサー2は人の動きや鼓動などの検出に用いてもよい。
(2) 既述の感圧センサー2はスポーツや遊戯などの加圧点の検出に用いてもよい。
(3) ステップ装置40は船舶や航空機、室の人や物の出入り検出に利用してもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態や実施例について説明した。本発明は上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態または実施例に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、ステップ装置などに適用でき、人や物の存在の有無、通過、集合などの判断に利用でき、有益である。
2 感圧センサー
4 検出領域
6 圧電層
8 背面支持層
10 エリア側支持面
12 圧力伝達層
14a 加圧入力面部
14b 支持面部
16 電極対
16a、16b 電極
16a−1、16a−2、16b−1、16b−2 電極部
18 絶縁間隔
20 マットセンサー
22 受圧層
22−1 弾性層
22−2 滑止め層
24 圧電積層体
26 背面支持層
26−1 剛性層
26−2 弾性層
28 封止層
30−1、30−2 シールド層
30−11、30−21 導体層
30−12、30−13、30−22、30−23 絶縁層
38 感圧検出システム
40 ステップ装置
42 装置筐体
44 マットセンサー固定部
46 感圧範囲
48 制御部
50 基板収納部
52−1、52−2 信号線
54 電源線
56 ビル
58 出入口部
60 自動ドア
64 感圧検出装置
65 電源部
66 駆動機構部
68 表示部
74 変圧器
76 整流器
78 増幅部
80 波形成形部
82 信号処理部
84 積分回路
86 オペアンプ
88 キャパシタ
90 電源
92−1、92−2、94−1、94−2、98−1、98−2、98−3、104−11、104−12・・・・104−33、112−1、112−2、112−3、112−4、114−1、114−2、114−3、116−1、116−2、116−3、116−4、118−1、118−2、118−3、118−4、118−5、118−6、118−7、118−8、122 電極部
96、96−1、96−2 靴跡
100−1、100−2、108−1、108−2、108−3 電極引出し部
102 破断
106 橋絡部
110 切欠部
120 弾性支持体
124 感圧検出装置
126 波形成形部
128 信号処理部
130 制御部
132 電源部

Claims (12)

  1. 加圧入力の検出エリアに加圧入力面部を持つ単一または複数の圧電層を設置し、
    前記圧電層を挟んで配置された単一または複数の電極対の少なくとも一方の電極を、前記加圧入力面部より狭い連続した電極部または複数の電極部を備えるパターン電極とし、
    前記パターン電極に加圧入力を受け、前記パターン電極から感圧出力を取り出す感圧検出方法。
  2. 加圧入力の検出エリアに加圧入力面部を持つ単一または複数の圧電層と、
    前記圧電層を挟んで配置された単一または複数の電極対と、
    前記電極対の少なくとも一方の電極に備えられ、前記加圧入力面部より狭い複数の電極部を含み、加圧入力を受けるパターン電極と、
    を備え、前記加圧入力で得られる感圧出力が前記パターン電極に含まれる複数の前記電極部から取り出される感圧センサー。
  3. 前記パターン電極は、前記加圧入力のレベル、位置、方向または範囲を表す感圧出力、複数の加圧入力の分布を表す出力の何れかまたは2以上を取り出す複数の電極部を含む請求項2に記載の感圧センサー。
  4. 前記パターン電極は、前記圧電層の平面、背面および側面の何れかまたは2以上に配置される複数の電極部を含む請求項2または3の請求項に記載の感圧センサー。
  5. 前記パターン電極は、前記圧電層の加圧入力面上で連続して屈曲する単一または複数の電極部、単一の電極部を2以上に分割した複数の電極部、前記圧電層の加圧入力面にX軸方向、Y軸方向またはZ軸方向に配列された複数の電極部、または、前記加圧入力面の任意の複数方向に分岐させた複数の電極部の何れかを含む、請求項2ないし4の何れかの請求項に記載の感圧センサー。
  6. さらに、少なくとも前記電極対をシールドするシールド層と、
    を備える、請求項2ないし5の何れかの請求項に記載の感圧センサー。
  7. さらに、前記圧電層を覆う粘弾性保護層と、
    前記粘弾性保護層の外面部に設置された滑止め層と、
    を備える、請求項2ないし6の何れかの請求項に記載の感圧センサー。
  8. さらに、前記圧電層と支持手段との間に介在させ、前記圧電層を含む積層体を支持する剛性層と、
    を備える、請求項2ないし7の何れかの請求項に記載の感圧センサー。
  9. 請求項2ないし請求項8の何れかの請求項に記載する感圧センサーと、
    前記感圧センサーの感圧出力を用いて人または物の有無、位置、通過または集合の何れかを判定する判定手段と、
    を備える感圧検出装置。
  10. 請求項2ないし請求項8の何れかの請求項に記載する感圧センサーと、
    前記感圧センサーのセンサー出力を音信号または光信号に変換する信号変換部と、
    を備える感圧検出装置。
  11. 請求項2ないし請求項8の何れかの請求項に記載する感圧センサーと、
    前記感圧センサーのセンサー出力レベルに応じ、制御対象機器の動作開始、動作停止の制御信号を出力する制御部と、
    を備える感圧検出装置。
  12. 請求項2ないし請求項8に記載された感圧センサー、または請求項9ないし請求項11に記載された感圧検出装置と、
    前記感圧センサーまたは前記感圧検出装置が設置され、人または物が通過しまたは集合するエリアと、
    前記感圧センサーまたは前記感圧検出装置に含まれる前記感圧センサーのセンサー出力から前記エリアの人または物の通過または集合を含む処理をする処理手段と、
    前記処理手段に有線または無線により接続され、前記処理手段の処理結果を提示する提示手段と、
    を備える感圧検出システム。
JP2018514554A 2016-04-28 2017-04-21 感圧検出方法、感圧センサー、感圧検出装置および感圧検出システム Pending JPWO2017188130A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016090732 2016-04-28
JP2016090732 2016-04-28
PCT/JP2017/015976 WO2017188130A1 (ja) 2016-04-28 2017-04-21 感圧検出方法、感圧センサー、感圧検出装置および感圧検出システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2017188130A1 true JPWO2017188130A1 (ja) 2019-03-07

Family

ID=60161486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018514554A Pending JPWO2017188130A1 (ja) 2016-04-28 2017-04-21 感圧検出方法、感圧センサー、感圧検出装置および感圧検出システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2017188130A1 (ja)
WO (1) WO2017188130A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6869260B2 (ja) * 2016-11-15 2021-05-12 株式会社バルカー 圧電素子シートおよびその製造方法
JP7140142B2 (ja) * 2018-01-05 2022-09-21 ソニーグループ株式会社 センサ、入力装置および電子機器
JP2019219184A (ja) * 2018-06-15 2019-12-26 株式会社バルカー 判定回路、および判定方法
US20220035373A1 (en) * 2018-10-05 2022-02-03 Sony Corporation Control device, control method, and computer program
WO2023176847A1 (ja) * 2022-03-18 2023-09-21 三菱ケミカル株式会社 電子機器、ベッドセンサー、及び棚用センサー

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5994028A (ja) * 1982-11-22 1984-05-30 Nippon Soken Inc 接触面圧力分布検出器
JPH09511100A (ja) * 1994-01-27 1997-11-04 アクティブ コントロール エクスパーツ インコーポレイテッド パッケージ化歪みアクチュエータ
JP2004154242A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Oomikku:Kk 線状スイッチおよびこれを用いたベッド用センサーシート、並びに介護用ベッドの支援装置
JP2005249644A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧力センサデバイスおよびそれを用いた回路およびシステム
JP2006164020A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Jr Higashi Nippon Consultants Kk 歩行者移動経路追跡方法、及び歩行者移動経路追跡システム
US20070199376A1 (en) * 2003-09-17 2007-08-30 Claudio Cavalloni Multi-Layer Piezoelectric Measuring Element, And Pressure Sensor Or Force Sensor Comprising Such A Measuring Element
JP2009540304A (ja) * 2006-06-14 2009-11-19 キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト 横方向力の測定
JP2014235134A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 日本写真印刷株式会社 圧電センサおよび圧力検出装置
JP2014238277A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 日本写真印刷株式会社 圧電センサおよび圧力検出装置
JP2015178965A (ja) * 2014-03-18 2015-10-08 テルモ株式会社 計測装置
JP2016020814A (ja) * 2014-07-11 2016-02-04 積水化学工業株式会社 圧電センサスイッチ

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5994028A (ja) * 1982-11-22 1984-05-30 Nippon Soken Inc 接触面圧力分布検出器
JPH09511100A (ja) * 1994-01-27 1997-11-04 アクティブ コントロール エクスパーツ インコーポレイテッド パッケージ化歪みアクチュエータ
JP2004154242A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Oomikku:Kk 線状スイッチおよびこれを用いたベッド用センサーシート、並びに介護用ベッドの支援装置
US20070199376A1 (en) * 2003-09-17 2007-08-30 Claudio Cavalloni Multi-Layer Piezoelectric Measuring Element, And Pressure Sensor Or Force Sensor Comprising Such A Measuring Element
JP2005249644A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧力センサデバイスおよびそれを用いた回路およびシステム
JP2006164020A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Jr Higashi Nippon Consultants Kk 歩行者移動経路追跡方法、及び歩行者移動経路追跡システム
JP2009540304A (ja) * 2006-06-14 2009-11-19 キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト 横方向力の測定
JP2014235134A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 日本写真印刷株式会社 圧電センサおよび圧力検出装置
JP2014238277A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 日本写真印刷株式会社 圧電センサおよび圧力検出装置
JP2015178965A (ja) * 2014-03-18 2015-10-08 テルモ株式会社 計測装置
JP2016020814A (ja) * 2014-07-11 2016-02-04 積水化学工業株式会社 圧電センサスイッチ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017188130A1 (ja) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017188130A1 (ja) 感圧検出方法、感圧センサー、感圧検出装置および感圧検出システム
Stadlober et al. Route towards sustainable smart sensors: ferroelectric polyvinylidene fluoride-based materials and their integration in flexible electronics
US10945663B2 (en) Smart sensing systems and related methods
US11008679B2 (en) Woven textile fabric
US10648873B2 (en) Sensor device for detecting pressure
JP6764928B2 (ja) 振動検出方法、振動センサー、振動検出装置および振動検出システム
KR102439034B1 (ko) 베이스 상의 사람의 존재 및 습기를 측정하기 위한 센서 장치
US10393498B2 (en) Sensor unit using electro-active polymer for wireless transmission/reception of deformation information, and sensor using same
WO2007080959A1 (ja) 電気デバイス用布帛
JP6467217B2 (ja) 圧電振動センサ
US20170237365A1 (en) Thread Shaped Contact Electrification Fiber
JP2010127772A (ja) 繊維状変形センサおよび布帛状変形センサ
Slobodian et al. Multifunctional flexible and stretchable polyurethane/carbon nanotube strain sensor for human breath monitoring
Lauterbach et al. A large-area sensor system underneath the floor for ambient assisted living applications
WO2017065074A1 (ja) 変形検知装置及び診断システム
KR101630052B1 (ko) 플렉시블 마찰 전기 발전기 및 이를 포함하는 웨어러블 에너지 장치
JP6889315B2 (ja) 振動センサー、振動測定方法および振動センサー作製用キット
JP5810127B2 (ja) 圧電型振動センサー
Kacprzyk et al. Piezo-electric properties of polypropylene laminates with a non-woven layer
US10648872B2 (en) Sensor device for detecting pressure
US11725992B2 (en) Sensor, inputting device, and electronic apparatus
US11626484B2 (en) High efficiency room temperature infrared sensor
JP2017215892A (ja) 行動管理システム、行動管理方法、情報処理装置、及びプログラム
KR102185565B1 (ko) 수평방향 인장력 및 수직방향 압력 측정이 가능한 전도성 복합사 및 이를 포함하는 직물센서
KR101577541B1 (ko) 플렉시블 수퍼커패시터 및 이를 포함하는 웨어러블 에너지 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200819

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200929