JPWO2017154107A1 - 受電器、及び、電力伝送システム - Google Patents

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Abstract

電力供給バランスを改善できる受電器と電力伝送システムを提供する。
受電器は、第1の二次側共振コイルと、第1の二次側共振コイルが出力する交流電力を全波整流する整流回路と、整流回路の出力側に接続される線路と、線路に接続される一対の出力端子と、整流回路と一対の出力端子との間に設けられる第1平滑キャパシタと、第1平滑キャパシタと一対の出力端子との間に設けられる第2平滑キャパシタと、第1と第2平滑キャパシタの間で線路に直列に挿入されるスイッチと、第1平滑キャパシタとスイッチとの間、又は、スイッチと第2平滑キャパシタとの間で線路に直列に挿入されるインダクタと、第1PWM駆動パターンで前記スイッチを駆動する駆動制御部とを含む。

Description

本発明は、受電器、及び、電力伝送システムに関する。
従来より、給電元の共鳴素子から共鳴により非接触で交流電力の供給を受ける共鳴素子と、前記共鳴素子から電磁誘導により交流電力の供給を受ける励振素子と、前記励振素子からの交流電力から直流電力を生成して出力する整流回路と、前記整流回路への交流電力の供給/非供給を切り替える切替回路とを備える非接触受電装置がある。
ユーザーからの受電に関する優先度の設定入力を受け付ける受付手段と、近距離無線通信手段と、前記近距離無線通信手段を通じて他の非接触受電装置と通信し、各非接触受電装置の受電に関する優先度を考慮して、各非接触受電装置が同時に受電しないように、前記切り替え回路を制御する制御手段とを備える(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−019291号公報
ところで、複数の受電器で電力を分配する際に、非接触受電装置(受電器)の優先度を考慮するため、複数の受電器にバランスよく電力を供給できなくなるおそれがある。
そこで、電力の供給バランスを改善できる受電器、及び、電力伝送システムを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の受電器は、一次側共振コイルとの間で生じる磁界共鳴又は電界共鳴によって前記一次側共振コイルから電力を受電する第1の二次側共振コイルと、前記第1の二次側共振コイルに接続され、前記第1の二次側共振コイルから入力される交流電力を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力側に接続される、高電位側の第1線路と、前記整流回路の出力側に接続される、低電位側の第2線路と、前記第1線路及び前記第2線路にそれぞれ接続される一対の出力端子と、前記整流回路と前記一対の出力端子との間で、前記第1線路と前記第2線路との間に設けられる第1平滑キャパシタと、前記第1平滑キャパシタと前記一対の出力端子との間で、前記第1線路と前記第2線路との間に設けられる第2平滑キャパシタと、前記第1平滑キャパシタと前記第2平滑キャパシタとの間で前記第1線路に直列に挿入され、前記第1線路の接続状態を切り替えるスイッチと、前記第1平滑キャパシタと前記スイッチとの間、又は、前記スイッチと前記第2平滑キャパシタとの間で前記第1線路に直列に挿入されるインダクタと、第1PWM駆動パターンで前記スイッチを駆動する駆動制御部とを含む。
電力の供給バランスを改善できる受電器、及び、電力伝送システムを提供することができる。
電力伝送システム50を示す図である。 送電器10から電子機器40A、40Bに磁界共鳴によって電力を伝送する状態を示す図である。 送電器10から電子機器40B1、40B2に磁界共鳴によって電力を伝送する状態を示す図である。 実施の形態の受電器100と送電装置80を示す図である。 実施の形態の電力伝送システム500を用いた送電装置80と電子機器200A及び200Bを示す図である。 受電器100A及び100Bのデューティ比と受電効率の関係を表す図である。 比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。 比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。 比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。 比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態の受電器100A及び100Bを用いたシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態の受電器100A及び100Bを用いたシミュレーション結果を示す図である。 PWM駆動パターンのデューティ比と、受電器100A及び100Bの受電電力量との関係を示す図である。 受電器100におけるPWM駆動パターンのデューティ比と受電電力との関係を示す図である。 送電器10と受電器100A及び100Bとがデューティ比を設定するために実行する処理を示すタスク図である。 送電装置80と電子機器200A及び200Bの等価回路を示す図である。 相互インダクタンスをMTAと相互インダクタンスをMTBとの関係に対して、デューティ比を関連付けたテーブルデータを示す図である。 相互インダクタンスをMTA、MTBと、受電効率とを関連付けたテーブルデータである。 実施の形態の送電器10が受電器100A又は100Bのデューティ比を設定する方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の受電器、及び、電力伝送システムを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
本発明の受電器、及び、電力伝送システムを適用した実施の形態について説明する前に、図1乃至図3を用いて、実施の形態の受電器、及び、電力伝送システムの前提技術について説明する。
図1は、電力伝送システム50を示す図である。
図1に示すように、電力伝送システム50は、交流電源1、一次側(送電側)の送電器10、及び二次側(受電側)の受電器20を含む。電力伝送システム50は、送電器10及び受電器20を複数含んでもよい。
送電器10は、一次側コイル11と一次側共振コイル12を有する。受電器20は、二次側共振コイル21と二次側コイル22を有する。二次側コイル22には負荷装置30が接続される。
図1に示すように、送電器10及び受電器20は、一次側共振コイル(LC共振器)12と二次側共振コイル(LC共振器)21の間の磁界共鳴(磁界共振)により、送電器10から受電器20へエネルギー(電力)の伝送を行う。ここで、一次側共振コイル12から二次側共振コイル21への電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴(電界共振)等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
また、実施の形態1では、一例として、交流電源1が出力する交流電圧の周波数が6.78MHzであり、一次側共振コイル12と二次側共振コイル21の共振周波数が6.78MHzである場合について説明する。
なお、一次側コイル11から一次側共振コイル12への電力伝送は電磁誘導を利用して行われ、また、二次側共振コイル21から二次側コイル22への電力伝送も電磁誘導を利用して行われる。
また、図1には、電力伝送システム50が二次側コイル22を含む形態を示すが、電力伝送システム50は二次側コイル22を含まなくてもよく、この場合には、二次側共振コイル21に負荷装置30を直接的に接続すればよい。
図2は、送電器10から電子機器40A、40Bに磁界共鳴によって電力を伝送する状態を示す図である。
電子機器40A及び40Bは、それぞれ、タブレットコンピュータ及びスマートフォンであり、それぞれ、受電器20A、20Bを内蔵している。受電器20A及び20Bは、図1に示す受電器20(図1参照)から二次側コイル22を取り除いた構成を有する。すなわち、受電器20A及び20Bは、二次側共振コイル21を有する。なお、図2では送電器10を簡略化して示すが、送電器10は交流電源1(図1参照)に接続されている。
図2では、電子機器40A、40Bは、送電器10から互いに等しい距離の位置に配置されており、それぞれが内蔵する受電器20A及び20Bが磁界共鳴によって送電器10から非接触の状態で電力を受電している。
ここで一例として、図2に示す状態において、電子機器40Aに内蔵される受電器20Aの受電効率が40%、電子機器40Bに内蔵される受電器20Bの受電効率が40%であることとする。
受電器20A及び20Bの受電効率とは、交流電源1に接続される一次側コイル11から伝送される電力に対する、受電器20A及び20Bの二次側コイル22が受電する電力の比率で表される。なお、送電器10が一次側コイル11を含まずに交流電源1に一次側共振コイル12が直接的に接続されている場合は、一次側コイル11から伝送される電力の代わりに、一次側共振コイル12から伝送される電力を用いて受電電力を求めればよい。また、受電器20A及び20Bが二次側コイル22を含まない場合は、二次側コイル22が受電する電力の代わりに二次側共振コイル21が受電する電力を用いて受電電力を求めればよい。
受電器20A及び20Bの受電効率は、送電器10と受電器20A及び20Bのコイル仕様や各々との間の距離・姿勢によって決まる。図2では、受電器20A及び20Bの構成は同一であり、送電器10から互いに等しい距離・姿勢の位置に配置されているため、受電器20A及び20Bの受電効率は互いに等しく、一例として、40%である。
また、電子機器40Aの定格出力は10W、電子機器40Bの定格出力は5Wであることとする。
このような場合には、送電器10の一次側共振コイル12(図1参照)から伝送される電力は、18.75Wになる。18.75Wは、(10W+5W)/(40%+40%)で求まる。
ところで、送電器10から18.75Wの電力を電子機器40A及び40Bに向けて伝送すると、受電器20A及び20Bは、合計で15Wの電力を受信することになり、受電器20A及び20Bは、均等に電力を受電するため、それぞれが7.5Wの電力を受電することになる。
この結果、電子機器40Aは、電力が2.5W不足し、電子機器40Bは、電力が2.5W余ることになる。
すなわち、送電器10から18.75Wの電力を電子機器40A及び40Bに伝送しても、電子機器40A及び40Bをバランスよく充電することはできない。換言すれば、電子機器40A及び40Bを同時に充電する際における電力の供給バランスがよくない。
図3は、送電器10から電子機器40B1、40B2に磁界共鳴によって電力を伝送する状態を示す図である。
電子機器40B1、40B2は、同じタイプのスマートフォンであり、それぞれ、受電器20B1、20B2を内蔵している。受電器20B1及び20B2は、図2に示す受電器20Bと等しい。すなわち、受電器20B1及び20B2は、二次側共振コイル21を有する。なお、図3では送電器10を簡略化して示すが、送電器10は交流電源1(図1参照)に接続されている。
図3では、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)は等しいが、電子機器40B1は、電子機器40B2よりも送電器10から遠い位置に配置されている。電子機器40B1、40B2がそれぞれ内蔵する受電器20B1及び20B2は、磁界共鳴によって送電器10から非接触の状態で電力を受電している。
ここで一例として、図3に示す状態において、電子機器40B1に内蔵される受電器20B1の受電効率が35%、電子機器40B2に内蔵される受電器20B2の受電効率が45%であることとする。
ここでは、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)は等しいため、受電器20B1及び20B2の受電効率は、受電器20B1及び20B2の各々と送電器10との間の距離によって決まる。このため、図3では、受電器20B1の受電効率は、受電器20B2の受電効率よりも低い。なお、電子機器40B1及び40B2の定格出力は、ともに5Wである。
このような場合には、送電器10の一次側共振コイル12(図1参照)から伝送される電力は、12.5Wになる。12.5Wは、(5W+5W)/(35%+45%)で求まる。
ところで、送電器10から12.5Wの電力を電子機器40B1及び40B2に向けて伝送すると、受電器20B1及び20B2は、合計で10Wの電力を受信することになる。また、図3では、受電器20B1の受電効率が35%であり、受電器20B2の受電効率が45%であるため、受電器20B1は、約4.4Wの電力を受電し、受電器20B2は、約5.6%の電力を受電することになる。
この結果、電子機器40B1は、電力が約0.6W不足し、電子機器40B2は、電力が0.6W余ることになる。
すなわち、送電器10から12.5Wの電力を電子機器40B1及び40B2に伝送しても、電子機器40B1及び40B2をバランスよく充電することはできない。換言すれば、電子機器40B1及び40B2を同時に充電する際における電力の供給バランスがよくない(改善の余地がある)。
なお、ここでは、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)が等しく、電子機器40B1及び40B2の送電器10からの距離が異なる場合の電力の供給バランスについて説明した。
しかしながら、受電効率は、送電器10と受電器20B1及び20B2との間の距離と角度(姿勢)によって決まるため、図3に示す位置関係において電子機器40B1及び40B2の角度(姿勢)が異なれば、受電器20B1及び20B2の受電効率は、上述した35%及び45%とは異なる値になる。
また、電子機器40B1及び40B2の送電器10からの距離が等しくでも、電子機器40B1及び40B2の送電器10に対する角度(姿勢)が異なれば、受電器20B1及び20B2の受電効率は互いに異なる値になる。
次に、図4及び図5を用いて、実施の形態の受電器、及び、電力伝送システムについて説明する。
図4は、実施の形態の受電器100と送電装置80を示す図である。送電装置80は、交流電源1と送電器10を含む。交流電源1と送電器10は、図1に示すものと同様であるが、図4では、より具体的な構成を示す。
送電装置80は、交流電源1と送電器10を含む。
送電器10は、一次側コイル11、一次側共振コイル12、整合回路13、キャパシタ14、制御部15を有する。
受電器100は、二次側共振コイル110、整流回路120、線路125A、125B、スイッチ130、平滑キャパシタ141、平滑キャパシタ142、インダクタ145、制御部150、及び出力端子160A、160Bを含む。出力端子160A、160Bには、DC−DCコンバータ210が接続されており、DC−DCコンバータ210の出力側にはバッテリ220が接続されている。
まず、送電器10について説明する。図4に示すように、一次側コイル11は、ループ状のコイルであり、両端間に整合回路13を介して交流電源1に接続されている。一次側コイル11は、一次側共振コイル12と非接触で近接して配置されており、一次側共振コイル12と電磁界結合される。一次側コイル11は、自己の中心軸が一次側共振コイル12の中心軸と一致するように配設される。中心軸を一致させるのは、一次側コイル11と一次側共振コイル12との結合強度を向上させるとともに、磁束の漏れを抑制して、不必要な電磁界が一次側コイル11及び一次側共振コイル12の周囲に発生することを抑制するためである。
一次側コイル11は、交流電源1から整合回路13を経て供給される交流電力によって磁界を発生し、電磁誘導(相互誘導)により電力を一次側共振コイル12に送電する。
図4に示すように、一次側共振コイル12は、一次側コイル11と非接触で近接して配置されて一次側コイル11と電磁界結合されている。また、一次側共振コイル12は、所定の共振周波数を有し、高いQ値を有するように設計されている。一次側共振コイル12の共振周波数は、二次側共振コイル110の共振周波数と等しくなるように設定されている。一次側共振コイル12の両端の間に、共振周波数を調整するためのキャパシタ14が直列に接続される。
一次側共振コイル12の共振周波数は、交流電源1が出力する交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。一次側共振コイル12の共振周波数は、一次側共振コイル12のインダクタンスと、キャパシタ14の静電容量によって決まる。このため、一次側共振コイル12のインダクタンスと、キャパシタ14の静電容量は、一次側共振コイル12の共振周波数が、交流電源1から出力される交流電力の周波数と同一の周波数になるように設定されている。
整合回路13は、一次側コイル11と交流電源1とのインピーダンス整合を取るために挿入されており、インダクタLとキャパシタCを含む。
交流電源1は、磁界共鳴に必要な周波数の交流電力を出力する電源であり、出力電力を増幅するアンプを内蔵する。交流電源1は、例えば、数百kHzから数十MHz程度の高周波の交流電力を出力する。
キャパシタ14は、一次側共振コイル12の両端の間に、直列に挿入される可変容量型のキャパシタである。キャパシタ14は、一次側共振コイル12の共振周波数を調整するために設けられており、静電容量は制御部15によって設定される。
制御部15は、交流電源1の出力電圧及び出力周波数の制御、キャパシタ14の静電容量の制御等を行う。
以上のような送電装置80は、交流電源1から一次側コイル11に供給される交流電力を磁気誘導により一次側共振コイル12に送電し、一次側共振コイル12から磁界共鳴により電力を受電器100の二次側共振コイル110に送電する。
次に、受電器100に含まれる二次側共振コイル110について説明する。
二次側共振コイル110は、一次側共振コイル12と同一の共振周波数を有し、高いQ値を有するように設計されている。二次側共振コイル110の一対の端子は、整流回路120に接続されている。
二次側共振コイル110は、送電器10の一次側共振コイル12から磁界共鳴によって送電される交流電力を整流回路120に出力する。
整流回路120は、4つのダイオード121A〜121Dを有する。ダイオード121A〜121Dは、ブリッジ状に接続されており、二次側共振コイル110から入力される電力を全波整流して出力する。
線路125A、125Bは、整流回路120と出力端子160A、160Bとの間を接続する電力供給路である。線路125Aは、高電位側の線路であり、線路125Bは、低電位側の線路である。線路125Bは、一例として、接地されて接地電位に保持される。接地電位は基準電位の一例である。
スイッチ130は、平滑キャパシタ141とインダクタ145の間で、高電圧側の線路125Aに直列に挿入されている。スイッチ130は、例えば、FETのように直流電圧の伝送と遮断を高速に行えるスイッチであればよい。
スイッチ130には、整流回路120で全波整流され、平滑キャパシタ141で平滑化された電力が入力される。平滑化された電力は、直流電力であるので、スイッチ130は、直流用のスイッチでよい。直流用のスイッチ130は、FETのような簡単な構造のスイッチを用いることができるので、小型化が可能である。
ここで、交流用のスイッチには、リレー、トライアック、及び、FETを用いるスイッチ等がある。リレーは機械的なスイッチであるため、サイズが大きく、高速のスイッチングを行うには耐久性の問題が生じるおそれがある。また、トライアックは、6.78MHzというような高速スイッチングには不向きである。また、FETを用いた交流用のスイッチは、FETを複数含むため直流用のFETに比べて大きく、また、寄生容量が交流に与える影響が生じる。このような理由から、スイッチ130として直流用のFETを用いることは、小型化が可能であり、寄生容量の影響が生じないため、有利である。
また、スイッチ130の駆動パターンの詳細については後述するが、スイッチ130は、制御部150によってPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)駆動される。スイッチ130のPWM駆動パターンのデューティ比は、受電器100の二次側共振コイル110の受電効率と、受電器100から電力供給を受ける負荷回路の定格出力とに基づいて決定される。図4では、負荷回路はバッテリ220である。
また、PWM駆動パターンの周波数は、二次側共振コイル110が受電する交流周波数の周波数以下に設定される。
平滑キャパシタ141は、整流回路120の出力側で、線路125Aと125Bの間に設けられており、整流回路120で全波整流された電力を平滑化する。平滑キャパシタ141で平滑化された電力は、直流電力である。
平滑キャパシタ141をスイッチ130の前段に設けておけば、整流回路120で全波整流された電力を平滑化してからスイッチ130に入力することができるので、例えば、全波整流された電力に含まれるリップルノイズの影響が生じる場合に、リップルノイズの影響を抑制するのに有効である。このようなリップルノイズの影響を抑制するために、実施の形態では、平滑キャパシタ141の容量をある程度大きな値に設定する。ある程度大きな値とは、リップルノイズを吸収できる値である。
インダクタ145は、スイッチ130と平滑キャパシタ142との間で、線路125Aに直列に挿入されている。インダクタ145は、スイッチ130がオン(閉成)にされて平滑キャパシタ141から平滑キャパシタ142に電荷が移動しようとするときに、逆起電力を生成して、平滑キャパシタ141から平滑キャパシタ142に移動する電荷を抑制するために設けられている。
スイッチ130をオンにする期間は、スイッチ130を駆動するPWM駆動パターンのデューティ比によって決まる。例えば、受電器100がインダクタ145を含まない場合に、デューティ比が小さく、スイッチ130がオンになる期間が短い動作状態において、平滑キャパシタ141から平滑キャパシタ142に瞬時的に電荷が移動して、デューティ比による受電電力の調整が容易ではなくなる場合があるとする。このような場合には、インダクタ145をスイッチ130と直列に接続し、電荷の移動を緩やかにすることにより、受電電力の調整を容易にすることができる。このようなインダクタ145の機能については、後述する。
平滑キャパシタ142は、インダクタ145と出力端子160Aとの間で、線路125Aに直列に挿入されており、平滑キャパシタ141で平滑化された電力をさらに平滑化して出力する。平滑キャパシタ142の出力側には、出力端子160A、160Bが接続される。実施の形態では、リップルノイズの影響を抑制するために、平滑キャパシタ142の容量をある程度大きな値に設定する。
DC−DCコンバータ210は、出力端子160A、160Bに接続されており、受電器100から出力される直流電力の電圧をバッテリ220の定格電圧に変換して出力する。DC−DCコンバータ210は、整流回路120の出力電圧の方がバッテリ220の定格電圧よりも高い場合は、整流回路120の出力電圧をバッテリ220の定格電圧まで降圧する。また、DC−DCコンバータ210は、整流回路120の出力電圧の方がバッテリ220の定格電圧よりも低い場合は、整流回路120の出力電圧をバッテリ220の定格電圧まで昇圧する。
バッテリ220は、繰り返し充電が可能な二次電池であればよく、例えば、リチウムイオン電池を用いることができる。例えば、受電器100がタブレットコンピュータ又はスマートフォン等の電子機器に内蔵される場合は、バッテリ220は、このような電子機器のメインのバッテリである。
なお、一次側コイル11、一次側共振コイル12、二次側共振コイル110は、例えば、銅線を巻回することによって作製される。しかしながら、一次側コイル11、一次側共振コイル12、二次側共振コイル110の材質は、銅以外の金属(例えば、金、アルミニウム等)であってもよい。また、一次側コイル11、一次側共振コイル12、二次側共振コイル110の材質は異なっていてもよい。
このような構成において、一次側コイル11及び一次側共振コイル12が電力の送電側であり、二次側共振コイル110が電力の受電側である。
磁界共鳴方式によって、一次側共振コイル12と二次側共振コイル110との間で生じる磁界共鳴を利用して送電側から受電側に電力を伝送するため、送電側から受電側に電磁誘導で電力を伝送する電磁誘導方式よりも長距離での電力の伝送が可能である。
磁界共鳴方式は、共振コイル同士の間の距離又は位置ずれについて、電磁誘導方式よりも自由度が高く、ポジションフリーというメリットがある。
図5は、実施の形態の電力伝送システム500を用いた送電装置80と電子機器200A及び200Bを示す図である。
送電装置80は、図4に示す送電装置80と同一のものであるが、図5では、図4における一次側コイル11及び制御部15以外の構成要素を電源部10Aとして表してある。電源部10Aは、一次側共振コイル12、整合回路13、キャパシタ14をまとめて表したものである。なお、交流電源1、一次側共振コイル12、整合回路13、キャパシタ14をまとめて電源部として捉えてもよい。
送電装置80は、さらに、アンテナ16を含む。アンテナ16は、例えば、Bluetooth(登録商標)のような近距離での無線通信を行うことができるアンテナであればよい。アンテナ16は、電子機器200A及び200Bに含まれる受電器100A及び100Bから、受電効率及び定格出力を表すデータを受信するために設けられており、受信したデータは制御部15に入力される。制御部15は、制御部の一例であるとともに第3通信部の一例である。
電子機器200A及び200Bは、例えば、それぞれ、タブレットコンピュータ又はスマートフォン等の端末機である。電子機器200A及び200Bは、それぞれ、受電器100A及び100B、DC−DCコンバータ210A及び210B、及び、バッテリ220A及び220Bを内蔵する。
受電器100A及び100Bは、図4に示す受電器100に、それぞれ、アンテナ170A及び170Bを追加した構成を有する。DC−DCコンバータ210A及び210Bは、
それぞれ、図4に示すDC−DCコンバータ210と同様である。また、バッテリ220A及び220Bは、それぞれ、図4に示すバッテリ220と同様である。
受電器100Aは、二次側共振コイル110A、整流回路120A、平滑キャパシタ141A、スイッチ130A、インダクタ145A、平滑キャパシタ142A、制御部150A、及びアンテナ170Aを有する。二次側共振コイル110A、整流回路120A、平滑キャパシタ141A、スイッチ130A、インダクタ145A、平滑キャパシタ142A、制御部150Aは、それぞれ、図4に示す二次側共振コイル110、整流回路120、平滑キャパシタ141、スイッチ130、インダクタ145、平滑キャパシタ142、制御部150に対応する。なお、図5では、二次側共振コイル110A、整流回路120A、平滑キャパシタ141A、スイッチ130A、インダクタ145A、平滑キャパシタ142A、を簡略化して示し、出力端子160A、160Bは省略する。
受電器100Bは、二次側共振コイル110B、整流回路120B、平滑キャパシタ141B、スイッチ130B、インダクタ145B、平滑キャパシタ142B、制御部150B、及びアンテナ170Bを有する。二次側共振コイル110B、整流回路120B、平滑キャパシタ141B、スイッチ130B、インダクタ145B、平滑キャパシタ142B、制御部150Bは、それぞれ、図4に示す二次側共振コイル110、整流回路120、平滑キャパシタ141、スイッチ130、インダクタ145、平滑キャパシタ142、制御部150に対応する。なお、図5では、二次側共振コイル110B、整流回路120B、平滑キャパシタ141B、スイッチ130B、インダクタ145B、平滑キャパシタ142Bを簡略化して示し、出力端子160A、160Bは省略する。
アンテナ170A及び170Bは、例えば、Bluetooth(登録商標)のような近距離での無線通信を行うことができるアンテナであればよい。アンテナ170A及び170Bは、送電器10のアンテナ16とデータ通信を行うために設けられており、それぞれ、受電器100A及び100Bの制御部150A及び150Bに接続されている。制御部150A及び150Bは、駆動制御部の一例であるとともに、それぞれ、第1通信部及び第2通信部の一例である。
受電器100Aの制御部150Aは、二次側共振コイル110Aの受電効率と、バッテリ220Aの定格出力を表すデータをアンテナ170Aを介して送電器10に送信する。同様に、受電器100Bの制御部150Bは、二次側共振コイル110Bの受電効率と、バッテリ220Bの定格出力を表すデータをアンテナ170Bを介して送電器10に送信する。
電子機器200A及び200Bは、それぞれ、送電装置80の近くに配置した状態で、送電装置80に接触せずにバッテリ220A及び220Bを充電することができる。バッテリ220A及び220Bの充電は、同時に行うことが可能である。
電力伝送システム500は、図5に示す構成要素のうち、送電器10と、受電器100A及び100Bとによって構築される。すなわち、送電装置80と、電子機器200A及び200Bとは、磁界共鳴による非接触状態での電力伝送を可能にする電力伝送システム500を採用している。
ここで、バッテリ220A及び220Bの充電を同時に行うと、図2及び図3を用いて説明したように、電子機器200A及び200Bへの電力の供給バランスがよくない状態が生じうる。
そこで、受電器100A及び100Bは、電力供給のバランスを改善するために、二次側共振コイル110Aの受電効率、バッテリ220Aの定格出力、二次側共振コイル110Bの受電効率、及びバッテリ220Bの定格出力に基づいて、スイッチ130A及び130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を設定する。
次に、実施の形態の受電器100A及び100Bによる電力の分配を説明する前に、比較用の受電器A及びBでの電力分配について説明する。比較用の受電器A及びBは、それぞれ、受電器100A及び100Bから、インダクタ145A及び145Bを取り除いた構成を有する。
図6は、PWM駆動パターンのデューティ比と、比較用の受電器A及びBの受電電力量との関係を示す図である。ここでは、受電器Aの平滑用キャパシタ141A及び142Aと、受電器Bの平滑用キャパシタ141B及び142Bとの静電容量を1μFに設定した場合において、デューティ比を変えることによって受電電力量を調整する場合について説明する。
また、ここでは、受電器Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態において、受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比(duty A)を100%から低下させる場合について説明する。
図6において、横軸は、受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を表す。また、縦軸は、比較用の受電器A及びBの受電効率η、η、受電効率の和η(=η+η)、受電効率の比η/ηをそれぞれ百分率で示す。
なお、受電効率ηは、受電器Aの受電電力を送電電力で割って得る値である。受電効率ηは、受電器Bの受電電力を送電電力で割って得る値である。
受電器A、Bのスイッチ130A、130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比がともに100%のときは、受電器A及びBの受電効率η、ηは、ともに約30%である。また、このとき、受電効率の和ηは、約60%であり、受電効率の比η/ηは、1(100%)である。
受電器Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%から低下させて行くと、図6に示すように、受電器Aの受電効率ηは低下する。また、これに伴い受電器Bの受電効率ηは増大する。
このように受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を低下させると、受電器Aの受電量が減少するため、受電器Aに流れる電流も減少する。すなわち、デューティ比の変化により、受電器Aのインピーダンスが変化していることになる。
磁界共鳴を用いた電力伝送では、磁界共鳴によって送電器10から比較用の受電器A及びBに送電される電力を受電器AとBとで分配している。このため、受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%から低下させて行くと、受電器Aの受電量が減る分だけ、受電器Bの受電量が増えることになる。
このため、図6に示すように、受電器Aの受電効率ηが低下すると、これに伴い受電器Bの受電効率ηは増大する。
受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比が1%まで低下すると、受電器Aの受電効率ηは、約0%まで低下し、受電器Bの受電効率ηは、約40%まで増大する。
また、このとき、比較用の受電器A及びBの受電効率の和ηは、約40%になり、受電効率の比η/ηは、約0(約0%)である。
このように、受電器Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%から低下させて行くと、受電器Aの受電効率ηが低下し、受電器Bの受電効率ηが増大する。
これは、受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、受電器Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%から低下させた場合も同様である。
従って、受電器A又はBのスイッチ130A又は130Bのいずれか一方を駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を調整すれば、比較用の受電器A及びBの受電効率η、ηを調整することができる。受電効率η、ηを調整することができることは、受電電力を調整できることである。
以上のように、スイッチ130A又は130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を変化させると、比較用の受電器A及びBの二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率η、ηが変わる。
従って、受電器A及びBのスイッチ130A及び130BのPWM駆動パターンのうちのいずれか一方のPWM駆動パターンのデューティ比を基準のデューティ比から変更すれば、受電器A及びBが電力を分配する比率を変化させることができる。基準のデューティ比は、例えば、100%である。
ところで、上述のような比較用の受電器A又はBにおいて、平滑用キャパシタ141A及び142A、又は、141B及び142Bの静電容量が十分にないと、スイッチ130A又は130Bのスイッチングに伴ってリップルノイズが発生し、直流電力が得られない場合が有り得る。受電器Aで直流電力が得られないと、受電器AとBで電力の供給バランスを改善することができなくなる。
図7は、比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーションは、比較用の受電器A及びBの平滑用キャパシタ141A、142A、141B、及び142Bの静電容量をすべて1μFに設定して、スイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を50%、スイッチ130BのPWM駆動パターンのデューティ比を100%に設定して行った。なお、スイッチング周波数は、一例として、100kHzである。
図7において、横軸は時間軸であり、スイッチ130A及び130Bのスイッチングを開始してからの経過時間(0ミリ秒〜0.15ミリ秒)を示す。図7の縦軸は、送電電力、受電電力A、受電電力Bを示す。送電電力は、送電装置80が送電する電力であり、一例として、6.78MHzの高周波電力である。図7には、6.78MHzの波形の包絡線を一点鎖線で示す。送電電力の包絡線には、過渡期を過ぎてからも、(1)の破線で囲む領域内において、送電電力に揺らぎが生じている。
受電電力A、Bは、受電器A及びBの受電電力であり、受電電力Aを実線で示し、受電電力Bを破線で示す。受電電力Aは、(2)の破線で示す領域内においても、100kHzで発振している。(2)の破線で示す領域は、スイッチ130A及び130Bのスイッチングを開始した直後の過渡期が過ぎた領域である。すなわち、受電電力Aは、過渡期が過ぎても発振が収まらず、リップルノイズが発生していることが分かる。
また、受電電力Bは、過渡期が過ぎてから電力量が安定してきているが、送電電力と同様に揺らぎが生じている。
送電電力と受電電力Bの揺らぎは、受電電力Aのリップルノイズが送電装置80と受電器Bに伝搬することによって生じたものと考えられる。図7に示す受電電力Aは、直流電力ではなく、交流電力である。
図7に示す受電電力Aのように、リップルノイズが発生すると、直流電力ではないため、受電器Aでバッテリを充電すること、又は、DC−DCコンバータに電力を供給することはできなくなる。
図8は、比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。図8には、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量を変更して得た9つのシミュレーション結果を示す。各シミュレーション結果は、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量以外は、図7と同様のシミュレーションで得たものである。横軸(時間軸)のレンジは、0ミリ秒〜0.15ミリ秒である。
また、ここでは、受電器A及びBのキャパシタ141A及び141Bの静電容量をC1、受電器A及びBのキャパシタ142A及び142Bの静電容量をC2と記す。静電容量C1、C2として、1μF、10μF、100μFの3つの値を用いて、9種類のシミュレーション結果を得た。
シミュレーションは、受電器Aのスイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を50%、受電器Bのスイッチ130BのPWM駆動パターンのデューティ比を100%に設定して行った。なお、スイッチング周波数は、一例として、100kHzである。
図8に示すように、静電容量C1、C2の値が増大するにつれて、受電電力Aのリップルノイズが収まり、送電電力と受電電力Bの揺らぎも収まることが分かった。静電容量C1、C2をともに100μFに設定した場合には、受電電力Aは略直流電力になり、送電電力と受電電力Bには揺らぎが殆ど見られない良好な状態になっている。
この結果から、リップルノイズを吸収するには、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bがある程度の静電容量を有することが必要であることが分かった。
図9は、比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。図9は、受電器Aのスイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を1%に設定して、図8と同様のシミュレーションを行った結果を示す。図9では、9つの結果の各々に、受電効率の比η/ηを示す。横軸(時間軸)のレンジは、0ミリ秒〜0.15ミリ秒である。
図9に示す9つのシミュレーション結果は、全体的に、図8に示す9つのシミュレーション結果と比べると、リップルノイズが少し大きくなっている傾向が見られる。
また、受電効率の比η/ηは、静電容量C1又はC2が増大すると、増加する傾向があり、静電容量C1及びC2がともに増大すると、顕著に増大した。静電容量C1及びC2がともに1μFの場合には、受電効率の比η/ηは、0.04であるのに対して、静電容量C1及びC2がともに10μFの場合には、受電効率の比η/ηは、0.43であった。
また、静電容量C1、C2がそれぞれ10μF、100μFの場合には、受電効率の比η/ηは、0.40であった。静電容量C1、C2がそれぞれ100μF、10μFの場合には、受電効率の比η/ηは、0.49であった。
そして、静電容量C1及びC2がともに100μFの場合には、受電効率の比η/ηは、0.61であった。
これは、受電器Aのスイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を1%に減らしているにも拘わらず、受電効率ηが低下していないことを示している。すなわち、スイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を1%に減らしても、受電器Aの受電電力は低減されておらず、受電器Aで調整可能な受電電力のダイナミックレンジが狭くなっていることが分かる。
特に、静電容量C1及びC2がともに100μFで受電効率の比η/ηが0.61の場合には、受電電力Aと受電電力Bとを1:2に調整することさえもできないことになる。
なお、図9に示すシミュレーション結果では、横軸(時間軸)のレンジを0ミリ秒〜0.15ミリ秒に設定したが、静電容量C1及びC2の値が増大するにつれて、00.15ミリ秒では送電電力と受電電力A、Bが収束し切らなくなっていたため、収束するまでデータを取った。この結果を図10を用いて説明する。
図10は、比較用の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果を示す図である。図10に示すシミュレーション結果は、スイッチ130A及び130Bのスイッチングを開始してから2ミリ秒が経過するまで計算したものである。
横軸は、受電器Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比(duty A)を表す。また、縦軸は、比較用の受電器A及びBの受電効率η、η、受電効率の和η、受電効率の比η/ηをそれぞれ百分率で示す。
静電容量C1及びC2がともに100μFに設定して計算したところ、デューティ比が100%のときの受電効率の比η/ηは、1(100%)であった。しかしながら、デューティ比が1%のときの受電効率の比η/ηは、0.92(92%)であった。
すなわち、静電容量C1及びC2をともに100μFに設定した場合には、スイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を1%に減らしても、受電電力Aと受電電力Bとを殆ど調整できないことになる。
以上のことから、静電容量C1及びC2をともに比較的大きな値に設定すると、リップルノイズは低減されるが、デューティ比で調整可能な受電電力のダイナミックレンジが狭くなることが分かった。
ここで、静電容量C1及びC2をともに比較的大きな値に設定した場合に、デューティ比を低下させても、受電電力が減らない理由の一つは、次のように考えることができる。
比較用の受電器A、Bは、図4は、実施の形態の受電器100からインダクタ145を取り除いた構成を有するため、デューティ比が小さく、スイッチ130がオンになる期間が短い動作状態において、平滑キャパシタ141から平滑キャパシタ142に瞬時的に電荷が移動する。キャパシタ同士は、比較的大きな電力でも、瞬間的に電送することが可能だからである。
このような場合には、スイッチ130がオンになる期間を短くしても、スイッチ130がオンの間に平滑キャパシタ141から平滑キャパシタ142に瞬時的に電荷が移動するため、デューティ比で受電電力を調整できなくなる。
以上のような理由から、実施の形態の受電器100では、平滑キャパシタ141と平滑キャパシタ142との間の高電位側の線路125Aに、スイッチ130と直列にインダクタ145を挿入している。インダクタ145の逆起電力により、平滑キャパシタ141から平滑キャパシタ142への電荷の瞬時的な移動を抑制するためである。
図11は、実施の形態の受電器100A及び100Bを用いたシミュレーション結果を示す図である。図11には、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量を変更して得た9つのシミュレーション結果を示す。各シミュレーション結果は、比較例の受電器A及びBを用いたシミュレーション結果(図8及び9参照)と同様である。横軸(時間軸)のレンジは、0ミリ秒〜0.5ミリ秒である。
また、ここでは、受電器100A及び100Bのキャパシタ141A及び141Bの静電容量をC1、受電器100A及び100Bのキャパシタ142A及び142Bの静電容量をC2と記す。静電容量C1、C2として、1μF、10μF、100μFの3つの値を用いて、9種類のシミュレーション結果を得た。
また、インダクタ145のインダクタンスは、0.47μHに設定した。
シミュレーションは、受電器100Aのスイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を1%、受電器100Bのスイッチ130BのPWM駆動パターンのデューティ比を100%に設定して行った。なお、スイッチング周波数は、一例として、100kHzである。
図11に示すように、静電容量C1、C2の値がともに1μFの場合において、受電電力Aにはリップルノイズが生じておらず、送電電力と受電電力Bにも揺らぎは発生していない。この傾向は、静電容量C1、C2の値を10μF、100μFに増大させても同様であった。なお、9つのシミュレーション結果のすべてにおいて、受電効率の比η/ηは、略0であった。
このことから、インダクタ145を挿入することにより、デューティ比を1%に低減した場合に、受電電力Aを略0にできることが分かった。
図12は、実施の形態の受電器100A及び100Bを用いたシミュレーション結果を示す図である。図12には、受電器100Aのスイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を50%に設定した場合のシミュレーション結果を示す。図12に示すシミュレーション結果は、受電器100Aのスイッチ130AのPWM駆動パターンのデューティ比を50%に設定したこと以外は、図11に示すシミュレーション結果と同様である。
図12に示すように、静電容量C1、C2の値がともに100μFの場合と、静電容量C1、C2の値がそれぞれ10μF、100μFの場合とにおいて、受電電力Aにリップルノイズが発生しておらず、かつ、送電電力と受電電力Bとに揺らぎが生じていない良好な結果が得られた。
静電容量C2の値が1μF又は10μFの場合には、受電電力Aに顕著なリップルノイズが発生しているため、受電器100Aで直流電力を受電することはできない。また、静電容量C1、C2の値がそれぞれ1μF、100μFの場合には、受電電力Aのリップルノイズは抑えられているが、送電電力と受電電力Bにノイズが発生した。
デューティ比を50%に設定した図12のシミュレーション結果は、デューティ比を1%に設定した図11のシミュレーション結果に比べると、静電容量C1、C2の値が小さい場合にリップルノイズの影響が見られたが、静電容量C1、C2の値がともに100μFの場合と、静電容量C1、C2の値がそれぞれ10μF、100μFの場合とにおいて、良好な結果が得られた。
以上より、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量を100μF程度の比較的大きな値に設定し、かつ、インダクタ145を挿入することにより、リップルノイズの発生を抑制しつつ、受電器100Aと100Bでデューティ比に応じて受電電力を調整できるようになることが分かった。すなわち、リップルノイズの発生を抑制と、ダイナミックレンジの確保との両立を実現できることが分かった。
図13は、PWM駆動パターンのデューティ比と、受電器100A及び100Bの受電電力量との関係を示す図である。ここでは、受電器100Aの平滑用キャパシタ141A及び142Aと、受電器100Bの平滑用キャパシタ141B及び142Bとの静電容量を100μFに設定した場合において、デューティ比を変えることによって受電電力量を調整する場合について説明する。
また、ここでは、受電器100Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態において、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比(duty A)を100%から低下させる場合について説明する。
図13において、横軸は、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を表す。また、縦軸は、受電器100A及び100Bの受電効率η、η、受電効率の和η、受電効率の比η/ηをそれぞれ百分率で示す。
図13に示すシミュレーション結果は、スイッチ130A及び130Bのスイッチングを開始してから2ミリ秒が経過するまで計算したものである。
受電器100A、Bのスイッチ130A、130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比がともに100%のときは、受電器100A及び100Bの受電効率η、ηは、ともに約30%である。また、このとき、受電効率の和ηは、約60%であり、受電効率の比η/ηは、1(100%)である。
受電器100Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%から1%まで低下すると、受電器100Aの受電効率ηは、約0%まで低下し、受電器100Bの受電効率ηは、約45%まで増大する。
また、このとき、受電器100A及び100Bの受電効率の和ηは、約45%になり、受電効率の比η/ηは、約0(約0%)である。
このように、受電器100Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%から低下させて行くと、受電器100Aの受電効率ηが低下し、受電器100Bの受電効率ηが増大する。
これは、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、受電器100Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%から低下させた場合も同様である。
従って、受電器100A又はBのスイッチ130A又は130Bのいずれか一方を駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を調整すれば、受電器100A及び100Bの受電効率η、ηを調整することができる。受電効率η、ηを調整することができることは、受電電力を調整できることである。
以上のように、スイッチ130A又は130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を変化させると、受電器100A及び100Bの二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率η、ηが変わる。
従って、受電器100A及び100Bのスイッチ130A及び130BのPWM駆動パターンのうちのいずれか一方のPWM駆動パターンのデューティ比を基準のデューティ比から変更すれば、受電器100A及び100Bが電力を分配する比率を変化させることができる。基準のデューティ比は、例えば、100%である。
キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量を100μF程度の比較的大きな値に設定し、かつ、インダクタ145を挿入することにより、リップルノイズの発生を抑制しつつ、受電器100Aと100Bでデューティ比に応じて受電電力を調整できるようになることが分かった。
このため、実施の形態では、受電器100A及び100Bのスイッチ130A及び130BのPWM駆動パターンのうちのいずれか一方のPWM駆動パターンのデューティ比を基準のデューティ比から変更する。基準のデューティ比は、例えば、100%であり、この場合には、いずれかのデューティ比を100%未満の適切な値に設定する。
この際に、スイッチ130A及び130BのどちらのPWM駆動パターンのデューティ比を基準のデューティ比から変更するかは、次のように判定する。なお、ここで説明するデューティ比の設定の仕方は一例であり、スイッチ130A及び130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比の設定の仕方は、以下で説明する手法以外の手法であってもよい。
まず、バッテリ220Aの定格出力を二次側共振コイル110Aの受電効率で除算して得る第1の値と、バッテリ220Bの定格出力を二次側共振コイル110Bの受電効率で除算して得る第2の値とを求める。
そして、第1の値と第2の値とのうち、いずれか小さい方の受電器(100A又は100B)に対応するPWM駆動パターンのデューティ比をデューティ比を100%未満の適切な値に設定する。
定格出力を受電効率で除算して得る値は、送電器10が受電器(100A又は100B)に送電する電力量(必要送電量)を表す。必要送電量とは、受電器(100A又は100B)が余剰電力も不足電力も生じることなく受電できるように、送電器10から送電する電力量である。
従って、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を絞れば、必要送電量が大きい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を増やすことができる。この結果、受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善することができる。
図13から分かるように、いずれか一方の受電器(100A又は100B)のデューティ比を低減すると、その受電器(100A又は100B)の受電電力量が低下する。また、いずれか他方の受電器(100A又は100B)は、デューティ比が固定された状態で、受電電力量が増大する。
このため、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)に対応するPWM駆動パターンのデューティ比を低減すれば、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量が絞られ、必要送電量が大きい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を増やすことができる。
このようにして、受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善すればよい。なお、具体的なデューティ比の設定方法については後述する。
また、この際に、PWM駆動パターンの周波数は、磁界共鳴で伝送される交流電力の周波数以下の周波数に設定する。より好ましくは、PWM駆動パターンの周波数は、磁界共鳴で伝送される交流電力の周波数未満の周波数に設定する。例えば、磁界共鳴で伝送される交流電力の周波数よりも1桁又は2桁程度低い周波数にPWM駆動パターンの周波数を設定すればよい。
これは、PWM駆動パターンの周波数が磁界共鳴で伝送される交流電力の周波数よりも高いと、全波整流された電力の1周期の途中でスイッチ130A又は130Bのオン/オフが切り替えられることになり、電力量の調整を適切に行うことができなくなるおそれがあるからである。
従って、PWM駆動パターンの周波数は、磁界共鳴で伝送される交流電力の周波数以下の周波数に設定することが必要である。また、その際に、PWM駆動パターンの周波数を磁界共鳴で伝送される交流電力の周波数よりも1桁又は2桁程度低い周波数に設定すれば、電力量の調整をより適切に行うことができる。
例えば、磁界共鳴で伝送される交流電力の周波数が6.78MHzである場合に、PWM駆動パターンの周波数を100kHz〜数百kHz程度に設定すればよい。
ここで、図14を用いて、PWM駆動パターンのデューティ比と受電電力との関係について説明する。
図14は、受電器100におけるPWM駆動パターンのデューティ比と受電電力との関係を示す図である。
図14には、受電器100の二次側共振コイル110、整流回路120、平滑キャパシタ141、スイッチ130を簡略化して示すとともに、電力波形(1)、(2)、(3)を示す。
電力波形(1)は、二次側共振コイル110と整流回路120との間で得られる電力の波形を示す。電力波形(2)は、整流回路120で全波整流された電力の波形を示す。電力波形(3)は、平滑キャパシタ141で平滑化された電力の波形を示す。
ここで、スイッチ130の入力側と出力側とにおける電力波形は略等しいため、電力波形(3)は、スイッチ130の出力側(スイッチ130の右側)で得られる電力波形でもある。
なお、ここでは、交流電源1が出力する交流電圧の周波数が6.78MHzであり、一次側共振コイル12と二次側共振コイル21の共振周波数が6.78MHzであることとする。また、PWM駆動パターンのPWMパルスの周波数が300kHzであり、デューティ比が50%であることとする。
受電器100は、実際には図4に示すように、二次側共振コイル110とバッテリ220との間でループを形成する回路構成を有する。
このため、スイッチ130がオンの間はループ回路に電流が流れるが、スイッチ130がオフの間はループ回路に電流は流れない。
電力波形(1)は、二次側共振コイル110から整流回路120に供給される交流電力が、スイッチ130のオン/オフに合わせて断続的に流れる波形になる。
電力波形(2)は、整流回路120で全波整流された電力が、スイッチ130のオン/オフに合わせて断続的に流れる波形になる。
電力波形(3)は、整流回路120から平滑キャパシタ141に供給される電力が平滑化された直流電力になる。電力波形(3)の電圧値は、デューティ比が増大すると高くなり、デューティ比が減少すると低くなる。
以上のように、駆動パターンのデューティ比を調整することにより、平滑キャパシタ141から出力される直流電力の電圧値を調整することができる。
次に、ディーティの設定方法について説明する。
磁界共鳴型の電力伝送を行う場合に、PWM駆動パターンのデューティ比を変更すると、デューティ比の変更度合に対して受電効率の変更度合は線形的には変化しない。
例えば、受電器100A及び100Bに対応するPWM駆動パターンのデューティ比が100%の場合に、二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率が、それぞれ40%であるとする。
この場合に、受電器100Aに対応するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に保持した状態で、受電器100Bに対応するPWM駆動パターンのデューティ比を71%に低減すると、二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率は、それぞれ、50%及び25%になる。
このように、PWM駆動パターンのデューティ比の変化度合と、受電効率の変更度合とは非線形的な関係にあるため、デューティ比と受電効率とを対応させたテーブルデータを作成しておき、所望の受電効率を得るためのデューティ比を選択するようにすればよい。
次に、図15を用いて、送電器10が受電器100A及び100Bから受電効率と定格出力を表すデータを入手する方法について説明する。
図15は、送電器10と受電器100A及び100Bとがデューティ比を設定するために実行する処理を示すタスク図である。このタスクは、制御部15、150A、及び150B(図5参照)によって実行される。
まず、受電器100Aは、受電電力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS1A)。同様に、受電器100Bは、受電電力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS1B)。これにより、送電器10は、受電器100A及び100Bから受電電力を表すデータを受信する(ステップS1)。
受電電力を表すデータの送信は、例えば、送電器10からのリクエストに応じて、制御部150A及び150Bがアンテナ170A及び170Bを介して行うようにすればよい。また、受電電力を表すデータには、受電器100A及び100Bを識別する識別子を含ませればよい。
受電電力を表すデータは、次のようにして取得すればよい。まず、送電器10から受電器100Bにデューティ比を0%に設定する信号を無線通信で送信するとともに、送電器10から受電器100Aにデューティ比を100%に設定する信号を無線通信で送信する。
そして、送電器10から磁界共鳴で所定の電力を受電器100Aに送電し、受電器100Aで電力を受電する。このとき、受電器100Aで受信した電力量を表す信号を送電器10に送電すれば、送電器10で受電器100Aの受電効率を測定することができる。なお、このとき、受電器100Aは、デューティ比が0%であることによってオフの状態(非動作状態)になる。
また、受電器100Bの受電効率を測定するには、送電器10から受電器100Aにデューティ比を0%に設定する信号を無線通信で送信するとともに、送電器10から受電器100Bにデューティ比を100%に設定する信号を無線通信で送信する。送電器10から磁界共鳴で所定の電力を受電器100Bに送電し、受電器100Bで受信した電力量を表す信号を送電器10に送電すれば、送電器10で受電器100Bの受電効率を測定することができる。
次に、受電器100Aは、定格出力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS2A)。同様に、受電器100Bは、定格出力を表すデータを送電器10に送信する(ステップS2B)。これにより、送電器10は、受電器100A及び100Bから定格出力を表すデータを受信する(ステップS2)。
電子機器200A及び200Bの定格出力を表すデータは、例えば、制御部150A及び150Bの内部メモリに予め格納しておき、受電効率を表すデータを送った後に、制御部150A及び150Bがアンテナ170A及び170Bを介して送電器10に送信するようにしておけばよい。
次に、送電器10は、受電器100Aの受電効率を表すデータ及び定格出力を表すデータと、受電器100Bの受電効率を表すデータ及び定格出力を表すデータとに基づき、受電器100A及び100Bに対応するPWM駆動パターンのデューティ比を演算する(ステップS3)。いずれか一方のデューティ比は、基準のデューティ比(100%)であり、他方のデューティ比は、100%未満の最適化されたデューティ比である。ステップS3の詳細は、図19を用いて後述する。
次に、送電器10は、デューティ比を表すデータを受電器100A及び100Bに送信する(ステップS4)。そして、受電器100A及び100Bは、デューティ比を受信する(ステップS4A及びS4B)。
ここで、送電器10の制御部15は、デューティ比を演算した後に、アンテナ16を介してデューティ比を表すデータを受電器100A及び100Bに送信するように設定されている。
受電器100A及び100Bの制御部150A及び150Bは、デューティ比をPWM駆動パターンに設定する(ステップS5A及びS5B)。
送電器10は、送電を開始する(ステップS6)。ステップS6の処理は、例えば、PWM駆動パターンへのデューティ比の設定を制御部150A及び150Bが完了したことを表す通知が送電器10に対してなされたときに実行すればよい。
ここで、図16及び図17を用いて、受電器100A及び100Bの受電効率を表すデータの取得方法について説明する。
図16は、送電装置80と電子機器200A及び200Bの等価回路を示す図である。図16に示す等価回路は、図5に示す送電装置80と電子機器200A及び200Bに対応している。ただし、ここでは、送電装置80は、一次側コイル11を含まず、交流電源1に一次側共振コイル12が直接接続されているものとして説明する。
図16では、二次側共振コイル110Aは、コイルLRAと抵抗器RRAであり、平滑キャパシタ141A、142AはキャパシタCSA1、CSA2であり、インダクタ145AはインダクタLであり、DC−DCコンバータ210Aとバッテリ220Aは、抵抗器RLAである。
同様に、二次側共振コイル110Bは、コイルLRBと抵抗器RRBであり、平滑キャパシタ141B、142BはキャパシタCSB1、CSB2であり、インダクタ145BはインダクタLであり、DC−DCコンバータ210Bとバッテリ220Bは、抵抗器RLBである。
また、送電装置80の共振コイル12は、抵抗器RとコイルLであり、交流電源1は、電源Vと抵抗器Rである。
送電装置80と電子機器200Aとの相互インダクタンスをMTA、送電装置80と電子機器200Bとの相互インダクタンスをMTB、電子機器200Aと200Bとの相互インダクタンスをMABとする。
ここで、相互インダクタンスをMTAと相互インダクタンスをMTBに比べると、相互インダクタンスをMABは無視できるほど小さいので、ここでは、相互インダクタンスをMTAと相互インダクタンスをMTBについて検討する。
相互インダクタンスをMTAは、送電装置80と、電子機器200Aの受電器100Aとの受電効率によって決まる。受電効率は、送電装置80に対する受電器100Aの位置(距離)と姿勢(角度)によって決まるからである。同様に、相互インダクタンスをMTBは、送電装置80と、電子機器200Bの受電器100Bとの受電効率によって決まる。
受電器100Aの受電効率は、受電器100Bをオフにした状態で、送電器10から受電器100Aに電力を送電し、受電器100Aが受電した電力量を計測することによって求めることができる。同様に、受電器100Bの受電効率は、受電器100Aをオフにした状態で、送電器10から受電器100Bに電力を送電し、受電器100Bが受電した電力量を計測することによって求めることができる。
従って、受電器100Aと100Bの単独での受電効率を求めれば、相互インダクタンスをMTAと、相互インダクタンスをMTBを求めることができる。
実施の形態では、受電器100A及び100Bの二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率の比を変えるために、スイッチ130A又は130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を変化させる。
このため、相互インダクタンスをMTAと相互インダクタンスをMTBとの関係に対して、デューティ比を関連付けたテーブルデータを予め用意しておき、このようなテーブルデータを用いて、PWM駆動パターンのデューティ比を調整する。
図17は、相互インダクタンスをMTAと相互インダクタンスをMTBとの関係に対して、デューティ比を関連付けたテーブルデータを示す図である。
図17の(A)は、スイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、スイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を調整するためのテーブルデータである。
相互インダクタンスMTA1、MTA2、MTA3・・・は、実際には、具体的な相互インダクタンスMTAの値をとる。同様に、相互インダクタンスMTB1、MTB2、MTB3・・・は、実際には、具体的な相互インダクタンスMTBの値をとる。デューティ比duty1A、duty2A、duty3A、・・・、duty11A、duty12A、duty13A、・・・は、具体的には、実験的に求められた具体的なデューティ比の値をとる。
図17の(B)は、スイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に固定した状態で、スイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を調整するためのテーブルデータである。
相互インダクタンスMTA1、MTA2、MTA3・・・と、相互インダクタンスMTB1、MTB2、MTB3・・・は、図17の(A)と同様である。デューティ比duty1B、duty2B、duty3B、・・・、duty11B、duty12B、duty13B、・・・は、具体的には、実験的に求められた具体的なデューティ比の値をとる。
図17の(A)及び(B)に示すテーブルデータは、受電器100Aと100Bの送電器10に対する位置及び姿勢を様々に変えた状態で、相互インダクタンスをMTAとMTBを計測しつつ、デューティ比の最適化を図ることによって作成することができる。
図18は、相互インダクタンスをMTA、MTBと、受電効率とを関連付けたテーブルデータである。図18の(A)は、相互インダクタンスをMTAと、受電器100Aの受電効率とを関連付けたテーブルデータであり、図18の(B)は、相互インダクタンスをMTBと、受電器100Bの受電効率とを関連付けたテーブルデータである。
相互インダクタンスをMTA、MTBは、それぞれ、送電装置80と、受電器100A、100Bとの受電効率E、Eによって決まる。
図18の(A)では、相互インダクタンスをMTA1、MTA2、・・・と、受電器100Aの受電効率E1、E2、・・・とが関連付けられている。また、図18の(B)では、相互インダクタンスをMTB1、MTB2、・・・と、受電器100Bの受電効率E1、E2、・・・とが関連付けられている。
予め実験等で受電器100A、100Bの相互インダクタンスをMTA、MTBと、受電効率とを測定しておき、図18の(A)、(B)に示すようなテーブルデータを作成しておけば、受電器100A、100Bの受電効率から、受電器100A、100Bの相互インダクタンスをMTA、MTBを求めることができる。あるいはSimulationにより求めても良い。
次に、図19を用いて、デューティ比の設定方法について説明する。
図19は、実施の形態の送電器10が受電器100A又は100Bのデューティ比を設定する方法を示すフローチャートである。このフローは、送電器10の制御部15によって実行される処理を表し、図15のステップS3の処理内容の詳細を示すものである。
制御部15は、受電器100A及び100Bから受電電力を表す信号を受信して受電効率を求め、受電器100A及び100Bから定格出力を表す信号を受信してステップS3に進行すると、図19に示す処理を開始する。
制御部15は、バッテリ220Aの定格出力を二次側共振コイル110Aの受電効率で除算して得る第1の値と、バッテリ220Bの定格出力を二次側共振コイル110Bの受電効率で除算して得る第2の値とを求め、第1の値が第2の値よりも大きいか否かを判定する(ステップS31)。
制御部15は、第1の値が第2の値よりも大きい(S31:YES)と判定すると、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に設定する(ステップS32A)。
次いで、制御部15は、受電器100Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を設定する(ステップS32A)。具体的には、制御部15は、図18の(A)及び(B)に示すテーブルデータに基づき、それぞれ、受電器100A、100Bの受電効率E、Eから受電器100A、100Bの相互インダクタンスをMTA、MTBを求める。そして、制御部15は、図17の(B)に示すテーブルデータから、受電器100A、100Bの相互インダクタンスをMTA、MTBに基づいて、受電器100Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を求める。
ステップS32Aの処理が終了すると、制御部15はフローをステップS4(図15参照)に進行する。
また、制御部15は、第1の値が第2の値よりも小さい(S31:NO)と判定すると、受電器100Bのスイッチ130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を100%に設定する(ステップS32B)。
次いで、制御部15は、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を設定する(ステップS32B)。具体的には、制御部15は、図18の(A)及び(B)に示すテーブルデータに基づき、それぞれ、受電器100A、100Bの受電効率E、Eから受電器100A、100Bの相互インダクタンスをMTA、MTBを求める。そして、制御部15は、図17の(A)に示すテーブルデータから、受電器100A、100Bの相互インダクタンスをMTA、MTBに基づいて、受電器100Aのスイッチ130Aを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を求める。
ステップS32Bの処理が終了すると、制御部15はフローをステップS4(図15参照)に進行する。
以上のようにして、制御部15は、受電器100A、100Bのスイッチ130A、130Bを駆動するPWM駆動パターンのデューティ比を設定する。
以上、実施の形態によれば、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量を比較的大きな値に設定し、かつ、インダクタ145を挿入することにより、リップルノイズの発生を抑制しつつ、受電器100Aと100Bでデューティ比に応じて受電電力を調整できるようになることが分かった。すなわち、リップルノイズの発生を抑制と、ダイナミックレンジの確保との両立を実現できることが分かった。
また、デューティ比を決めるにあたっては、受電器100A及び100Bの二次側共振コイル110A及び110Bの受電効率と、電子機器200A及び200Bの定格出力とにより、受電器100A及び100Bへの必要送電量を求める。
そして、受電器100A及び100Bのうち、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)に対応するPWM駆動パターンのデューティ比を減少させる。
この結果、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)に対応するPWM駆動パターンのデューティ比を低減すれば、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量が絞られ、必要送電量が大きい方の受電器(100A又は100B)への電力供給量を増やすことができる。
このようにして、受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善する。
従って、実施の形態によれば、電力供給量のバランスを改善することのできる受電器100A又は100Bを提供することができる。また、実施の形態によれば、電力供給量のバランスを改善することができる電力伝送システム500を提供することができる。
なお、以上では、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量を100μF程度の比較的大きな値に設定する形態について説明した。しかしながら、平滑キャパシタ141A、142A、141B、142Bの静電容量は、送電装置80から送電する電力量、及び、受電器100A及び100Bで受電する電力量によって最適な値が異なる。このため、送電する電力量と、受電する電力量とに応じて、リップルノイズが発生しない程度に大きな値に設定すればよい。
また、以上では、インダクタ145が、スイッチ130と平滑キャパシタ142との間で、線路125Aに直列に挿入されている形態について説明した。しかしながら、インダクタ145とスイッチ130の位置を入れ替えてもよい。すなわち、平滑キャパシタ141と平滑キャパシタ142との間の線路125Aに、インダクタ145が平滑キャパシタ141側に位置し、スイッチ130が平滑キャパシタ142側に位置するように、直列に挿入されていてもよい。
また、以上では、2つの受電器100A及び100Bのうち、必要送電量が小さい方の受電器(100A又は100B)に対応するPWM駆動パターンのデューティ比を低減することによって受電器100A及び100Bへの電力供給量のバランスを改善する形態について説明した。
しかしながら、3つ以上の受電器が同時に充電される場合もある。このような場合には、必要電力量、つまりは各定格電力を各受電効率で除算して得る電力量が最大の受電器以外の受電器のPWM駆動パターンのデューティ比を低減するようにすればよい。
また、以上では、電子機器200A及び200Bが、一例として、タブレットコンピュータ又はスマートフォン等の端末機である形態について説明したが、電子機器200A及び200Bは、例えば、ノート型のPC(Personal Computer)、携帯電話端末機、携帯型のゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の充電式のバッテリを内蔵する電子機器であってもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態の受電器、及び、電力伝送システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
10 送電器
11 一次側コイル
12 一次側共振コイル
13 整合回路
14 キャパシタ
15 制御部
100、100A、100B 受電器
110、110A、110B 二次側共振コイル
120、120A、120B 整流回路
125A、125B 線路
130、130A、130B スイッチ
141、141A、141B、142、142A、142B 平滑キャパシタ
145、145A、145B インダクタ
150、150A、150B 制御部
160A、160B 出力端子
170A、170B アンテナ
200A、200B 電子機器
500 電力伝送システム

Claims (12)

  1. 一次側共振コイルとの間で生じる磁界共鳴又は電界共鳴によって前記一次側共振コイルから電力を受電する第1の二次側共振コイルと、
    前記第1の二次側共振コイルに接続され、前記第1の二次側共振コイルから入力される交流電力を全波整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力側に接続される、高電位側の第1線路と、
    前記整流回路の出力側に接続される、低電位側の第2線路と、
    前記第1線路及び前記第2線路にそれぞれ接続される一対の出力端子と、
    前記整流回路と前記一対の出力端子との間で、前記第1線路と前記第2線路との間に設けられる第1平滑キャパシタと、
    前記第1平滑キャパシタと前記一対の出力端子との間で、前記第1線路と前記第2線路との間に設けられる第2平滑キャパシタと、
    前記第1平滑キャパシタと前記第2平滑キャパシタとの間で前記第1線路に直列に挿入され、前記第1線路の接続状態を切り替えるスイッチと、
    前記第1平滑キャパシタと前記スイッチとの間、又は、前記スイッチと前記第2平滑キャパシタとの間で前記第1線路に直列に挿入されるインダクタと、
    第1PWM駆動パターンで前記スイッチを駆動する駆動制御部と
    を含む、受電器。
  2. 前記駆動制御部は、前記第1の二次側共振コイルの第1の受電効率、前記一対の出力端子に接続される第1負荷の第1定格出力、前記一次側共振コイルとの間で生じる磁界共鳴によって前記一次側共振コイルから電力を受電する他の受電器の第2の二次側共振コイルの第2の受電効率、及び、前記他の受電器から電力が供給される第2負荷の第2定格出力に基づいて設定される第1デューティ比と、前記磁界共鳴の周波数以下の第1周波数とで前記第1PWM駆動パターンを決定する、請求項1記載の受電器。
  3. 前記第1デューティ比は、前記第1定格出力を前記第1の受電効率で除算して得る第1の値が、前記第2定格出力を前記第2の受電効率で除算して得る第2の値よりも小さい場合に、前記第1デューティ比の第1初期値よりも小さい所定のデューティ比に設定され、
    前記所定のデューティ比は、前記第1デューティ比が前記第1初期値である場合よりも、前記第1負荷及び前記第2負荷が受電する電力のバランスが改善されるデューティ比である、請求項2記載の受電器。
  4. 前記第1デューティ比は、前記第1定格出力を前記第1の受電効率で除算して得る第1の値が、前記第2定格出力を前記第2の受電効率で除算して得る第2の値よりも大きい場合には、前記第1初期値に設定される、請求項3記載の受電器。
  5. 前記第1初期値は、100%である、請求項4記載の受電器。
  6. 一次側共振コイルとの間で生じる磁界共鳴又は電界共鳴によって前記一次側共振コイルから電力を受電する第1の二次側共振コイルと、
    前記第1の二次側共振コイルに接続され、前記第1の二次側共振コイルから入力される交流電力を全波整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力側に接続される、高電位側の第1線路と、
    前記整流回路の出力側に接続される、低電位側の第2線路と、
    前記第1線路及び前記第2線路にそれぞれ接続される一対の出力端子と、
    前記整流回路と前記一対の出力端子との間で、前記第1線路と前記第2線路との間に設けられる第1平滑キャパシタと、
    前記第1平滑キャパシタと前記一対の出力端子との間で、前記第1線路と前記第2線路との間に設けられる第2平滑キャパシタと、
    前記第1平滑キャパシタと前記第2平滑キャパシタとの間で前記第1線路に直列に挿入され、前記第1線路の接続状態を切り替えるスイッチと、
    前記第1平滑キャパシタと前記スイッチとの間、又は、前記スイッチと前記第2平滑キャパシタとの間で前記第1線路に直列に挿入されるインダクタと、
    第1PWM駆動パターンで前記スイッチを駆動する駆動制御部と
    を有する、受電器と、
    他の受電器と、
    前記一次側共振コイルを有する送電器と
    を含む、電力伝送システム。
  7. 前記駆動制御部は、前記第1の二次側共振コイルの第1の受電効率、前記一対の出力端子に接続される第1負荷の第1定格出力、前記一次側共振コイルとの間で生じる磁界共鳴によって前記一次側共振コイルから電力を受電する他の受電器の第2の二次側共振コイルの第2の受電効率、及び、前記他の受電器から電力が供給される第2負荷の第2定格出力に基づいて設定される第1デューティ比と、前記磁界共鳴の周波数以下の第1周波数とで前記第1PWM駆動パターンを決定する、請求項6記載の電力伝送システム。
  8. 前記他の受電器は、前記受電器と同一の回路構成を有する、請求項7記載の電力伝送システム。
  9. 前記他の受電器では、前記第2の受電効率、前記第2定格出力、前記第1の受電効率、及び、前記第1定格出力に基づいて設定される第2デューティ比と、前記磁界共鳴の周波数以下の第2周波数とで決定される第2PWM駆動パターンでスイッチが駆動され、
    前記第2デューティ比は、前記第2定格出力を前記第2の受電効率で除算して得る第2の値が、前記第1定格出力を前記第1の受電効率で除算して得る第1の値よりも小さい場合に、前記第2デューティ比の第2初期値よりも小さい所定のデューティ比に設定され、
    前記所定のデューティ比は、前記第2デューティ比が前記第2初期値である場合よりも、前記第1負荷及び前記第2負荷が受電する電力のバランスが改善されるデューティ比である、請求項8記載の電力伝送システム。
  10. 前記第2デューティ比は、前記第2定格出力を前記第2の受電効率で除算して得る第2の値が、前記第1定格出力を前記第1の受電効率で除算して得る第1の値よりも大きい場合には、前記第2初期値に設定される、請求項9記載の電力伝送システム。
  11. 前記第2初期値は、100%である、請求項10記載の電力伝送システム。
  12. 前記受電器、前記他の受電器、及び前記送電器は、それぞれ、第1通信部、第2通信部、及び第3通信部を有し、
    前記送電器の前記第3通信部は、前記受電器の前記第1通信部から前記第1の受電効率及び前記第1定格出力を表す第1データを受信するとともに、前記他の受電器の前記第2通信部から前記第2の受電効率及び前記第2定格出力を表す第2データを受信し、
    前記送電器は、前記第3通信部が受信する第1データが表す第1の受電効率及び前記第1定格出力に基づいて前記第1の値を演算するとともに、前記第3通信部が受信する第2データが表す第2の受電効率及び前記第2定格出力に基づいて前記第2の値を演算し、
    前記送電器の前記第3通信部は、前記受電器の前記第1通信部に前記第1の値を表すデータを送信するとともに、前記他の受電器の前記第2通信部に前記第2の値を表すデータを送信する、請求項9乃至11のいずれか一項記載の電力伝送システム。
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