JPWO2017138086A1 - 超音波画像表示装置及びそのためのプログラムを格納した記録媒体 - Google Patents

超音波画像表示装置及びそのためのプログラムを格納した記録媒体 Download PDF

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Abstract

比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる超音波画像表示装置を提供する。超音波画像表示装置としての血流撮影装置において、超音波プローブを用い、超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、画像データを用いて断層画像8,9を表示する。本発明の血流撮影装置では、反射波信号に基づいて、断層画像8,9の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの断層画像8,9について変化があった部位(穿刺針6の先端6a)の輝度を高めて表示するとともに、変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する。【選択図】図3

Description

本発明は、超音波プローブを用いて被検体の断層画像を表示し、穿刺針の位置を確認しながら穿刺を行うための超音波画像表示装置及び方法、並びにプログラムを格納した記録媒体に関するものである。
医療現場では、一般的な注射、神経ブロック注射、採血、カテーテルの挿入など、生体組織(被検体)に対して穿刺する行為が広く行われている。神経ブロック注射やカテーテルの挿入などの処置を行う場合、目的の部位に対して正確に穿刺しないと、生体組織を損傷させてしまう可能性がある。このような背景の中、近年では、超音波画像で目的の部位の状態を観察しながら穿刺を行うといった超音波ガイドの技術が用いられている。
従来、超音波ガイドを用いた装置では、処置部の断層画像(Bモード画像)を表示して、穿刺針の位置を確認しつつ穿刺を行っている。一般に、穿刺針は比較的細く、かつ超音波の照射方向に対して穿刺針は斜めに穿刺されるため、穿刺針からの反射波信号の強度は弱くなる。このため、断層画像において穿刺針の位置が分かりづらくなるといった問題が生じる。この対策として、特許文献1に記載の超音波診断装置では、画像データ群の中から穿刺針に対応した高輝度領域を穿刺針領域として抽出し、穿刺針の画像データを生成している。そして、穿刺針の画像データを用いて画像を合成して断層画像において穿刺針の輝度を高めた強調表示を行うように構成している。また、特許文献2に記載の超音波画像診断装置では、複数フレームの画像データからフレーム間の動きの評価を示す情報を生成し、その情報に基づいて穿刺針の先端の位置を検出している。そして、超音波画像において穿刺針の先端の位置を強調して表示している。また、この超音波画像診断装置では、穿刺針の先端の位置の履歴に基づいて、先端の軌跡を表示する軌跡表示部が設けられている。このように穿刺針の強調表示や軌跡の表示を行うことにより、穿刺針の視認性が高められる。
特開2014−28128号公報 特開2014−212922号公報
ところが、特許文献1の超音波診断装置では、画像データ群の中から穿刺針に対応した穿刺針領域を抽出する処理や穿刺針の画像データを生成する処理が必要となる。また、特許文献2の超音波診断装置でも、穿刺針の先端位置を検出する処理が必要となる。この場合、画像表示処理が複雑になることに加え、穿刺針領域を誤って抽出したり、穿刺針の先端位置を誤って検出したりすると、穿刺針の穿刺を正確に行えなくなってしまう。さらに、穿刺針領域の抽出精度や先端位置の検出精度を高めるためには、より複雑な処理が必要となるため処理負荷が高まってしまうといった問題も生じる。
また、例えば静脈等の血管に穿刺針を穿刺する場合、穿刺対象となる血管を素早く見つける必要があるが、特許文献1,2の診断装置では、穿刺針のみを強調して表示しており、穿刺対象である血管の強調表示は行われていない。このため、血管を見つけるまでに時間がかかってしまうといった問題が生じる。また、静脈の近くに動脈がある場合もあり、この場合には、静脈と動脈と判別し、穿刺対象となる静脈に穿刺針を正確に穿刺する必要がある。従来、Bモードの断層画像は白黒の濃淡で表示されるため、断層画像上に表示されている動静脈の判別は困難となる場合がある。この場合、カラードプラ法により血流をカラーで表示して動静脈の判別を行うようにしている。しかしながら、カラードプラ法による表示では、フーリエ変換等の処理が必要であり、フレームレートが低下するため、断層画像の表示をリアルタイムで行うことができなくなる。このため、動静脈の判別が必要となる場合、従来では、まずカラードプラ法による表示画像によって動静脈を判別した後、リアルタイム表示が可能なBモードの断層画像に切り替えて穿刺針の穿刺を行っていた。この場合、表示画面を切り替えるためのボタン操作等が必要となり、処置時間が長くなってしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる超音波画像表示装置を提供することにある。また、別の目的は、血管等の管状構造体に対する穿刺針の穿刺を迅速かつ確実に行うことができる超音波画像表示方法を提供することにある。さらに、別の目的は、上記超音波画像表示装置に内蔵されるコンピュータを動作させるためのプログラムを格納した記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被検体の断層画像を取得すべく超音波をリニア走査するための複数の超音波振動子が配列されたプローブ本体と、前記プローブ本体に固定され、前記断層画像が示す断面に沿って穿刺針を予め設定された所定の角度で前記被検体に挿入するよう前記穿刺針を案内する穿刺ガイド用アタッチメントとを備えた超音波プローブを用い、前記超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで前記反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、前記画像データを用いて前記断層画像を表示する超音波画像表示装置であって、前記反射波信号に基づいて、前記断層画像の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの前記断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示するとともに、前記変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する画像処理手段を備えたことを特徴とする超音波画像表示装置をその要旨とする。
従って、請求項1に記載の発明によると、被検体に穿刺針を穿刺する際に、動きのある穿刺針の先端は、複数フレームの断層画像において輝度の変化があった部位として輝度が高められるため、周辺部位よりも強調されて表示される。さらに、本発明では、輝度が高くなった穿刺針の先端の画像が残像として残るため、穿刺針の侵入経路を容易に確認することができる。この結果、穿刺針の位置がわかりやすくなり、穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。また、被検体が生体組織である場合、血管は拍動するため、その血管が周辺組織よりも強調されて表示される。特に、動脈は静脈と比較して大きく拍動するため、静脈よりも動脈の輝度が高くなり動脈がより強調され表示される。このため、従来のカラードプラ法による診断画像を用いなくても、動脈と静脈とを容易に判別することができ、血管の挿し間違いを防止することができる。このように、本発明によれば、従来技術のように穿刺針の位置検出等を行うことなく、さらにカラードプラ法による画像への切り替え等を行う必要がないため、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記画像処理手段は、過去の画像データを記憶する画像メモリと、リアルタイムで取得した最新フレームの画像データと、前記画像メモリから読みだした前記過去の画像データとを用いた演算により複数フレームの画像データを平均化するとともに、その演算結果を前記過去の画像データとして前記画像メモリに出力する平均演算部と、前記平均演算部から出力される平均化された画像データと、最新フレームの画像データとを比較して得た時間的な輝度の相違箇所について、輝度を高めた画像データを生成する輝度強調処理部とを備えていることをその要旨とする。
従って、請求項2に記載の発明によると、画像処理手段において、画像メモリに過去の画像データが記憶され、平均演算部により、過去の画像データと最新フレームの画像データとを用いた演算により複数フレームの画像データが平均化される。そして、輝度強調処理部により、平均化された画像データと最新フレームの画像データとが比較され、得られた時間的な輝度の相違箇所について輝度を高めた画像データが生成される。このように構成すると、複数フレームの断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示することができる。またこの場合、最新の画像データに過去の画像データを反映した画像データを生成できるため、輝度の変化があった部位の画像を残像として残して表示することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記平均演算部は、前記過去の画像データと前記最新フレームの画像データとに異なる重みを付けて演算する重み付き平均により、前記画像データを平均化する機能を有することをその要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、重み付き平均により、過去の画像データと最新の画像データとの反映割合を調整することができ、断層画像における残像効果の度合を容易に変更することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3において、前記画像処理手段は、前記輝度強調処理部が生成した輝度を高めた画像データを使用して前記断層画像を表示するか否かを切り替える切替部をさらに備えていることをその要旨とする。
従って、請求項4に記載の発明によると、輝度の変化がある部位を強調した断層画像の表示(輝度強調表示)と、輝度の変化がある部位を強調しない断層画像の表示(通常表示)とを切替部によって容易に切り替えることができる。このため、穿刺針の穿刺時のように穿刺針の動きやその周辺の動き(動脈等の動き)を確認したいときには、通常表示から強調表示に切り替えることで、動きのある部位を確実に見分けることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかにおいて、前記輝度強調処理部は、前記画像データの輝度の差分値が大きいものほど輝度を高める輝度強調を行うことをその要旨とする。
従って、請求項5に記載の発明によると、輝度強調処理部により、画像データの輝度の差分値が大きいものほど輝度を高める輝度強調が行われる。この場合、穿刺針を早く刺すほど先端が明るく表示されるので、その先端に対する注意を促すことができるとともに、先端の位置を確実に把握することができる。また、静脈よりも動脈の輝度が高く表示されるため、動脈と静脈とを容易に判別することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記断層画像の表示領域には、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲が設けられており、前記画像処理手段は、前記画像データの座標情報を取得する座標取得部をさらに備え、前記輝度強調処理部は、前記座標情報により判別される前記強調設定範囲に応じて、前記輝度を高めた画像データを生成することをその要旨とする。
従って、請求項6に記載の発明によると、断層画像の表示領域には輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲が設けられている。そして、画像処理手段において、座標取得部により画像データの座標情報が取得され、この座標情報に基づいて強調設定範囲が判別される。その後、輝度強調処理部により、強調設定範囲に応じた輝度強調の度合で輝度を高めた画像データが生成される。具体的には、例えば、穿刺針と生体組織とは反射信号の強度(反射輝度)が異なる。このため、穿刺針が存在しうる強調設定範囲と生体組織のみが存在する強調設定範囲とで輝度強調の度合をそれぞれに合ったものに調整することにより、穿刺針の穿刺に適した断層画像を表示させることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記画像処理手段における前記平均演算部は、前記強調設定範囲に応じて、各画像データの重みを変更して前記断層画像における残像効果の度合を変更する機能を有することをその要旨とする。
従って、請求項7に記載の発明によると、平均演算部により、強調設定範囲に応じて各画像データの重みを変更することにより、断層画像における残像効果の度合が変更される。具体的には、例えば、穿刺針が存在しうる強調設定範囲において、過去の画像データの重みを高めて平均化すると、過去の画像が比較的に長い時間残り、残像効果の度合が高くなる。また、穿刺針が存在しない強調設定範囲において、最新の画像データの重みを高めて平均化すると、過去の画像が比較的短い時間で消え、残像効果の度合が低くなる。このようにすると、穿刺針の穿刺に適した断層画像を表示させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項2乃至7のいずれかにおいて、前記画像処理手段は、前記断層画像における時間的な輝度の相違箇所について、前記輝度の差分値が予め設定された所定の閾値よりも大きい相違箇所を、その周辺箇所とは異なる色で表示する機能を有することをその要旨とする。
従って、請求項8に記載の発明によると、断層画像において、穿刺針の針先や動脈の血管壁等の動きが比較的大きく、輝度の変化がある部位を周辺箇所とは異なる色で表示することができるため、針先の位置や血管壁の位置を容易に見分けることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8において、前記画像処理手段は、前記断層画像において、前記輝度の差分値が前記所定の閾値を超えた相違箇所について次フレーム以降の画像表示処理にて前記異なる色の画像データを設定することにより、前記相違箇所を前記穿刺針の軌跡として表示する機能を有することをその要旨とする。
従って、請求項9に記載の発明によると、断層画像において穿刺針の軌跡を表示することにより、穿刺針の侵入経路が分かり、穿刺針を止めた場合でも、今までにどこまで針を刺したかが分かるため、穿刺針の穿刺をより確実に行うことができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、前記プローブ本体には、前記被検体の横断面を示す第1断層画像と、前記横断面に交差する方向の縦断面を示す第2断層画像とを取得すべく前記複数の超音波振動子が略T字状となるように配列され、前記画像データを用いて前記第1断層画像と前記第2断層画像とを同一画面上に同時に表示することをその要旨とする。
従って、請求項10に記載の発明によると、横断面を示す第1断層画像と縦断面を示す第2断層画像とが同一画面上に同時に表示されるので、各画像を確認しつつ穿刺針の穿刺を迅速かつ確実に行うことができる。
請求項11に記載の発明は、請求項10において、前記第1断層画像上に、前記穿刺針の進む方向を示す第1のガイドラインを表示するとともに、前記第2断層画像上に、前記穿刺針の挿入角度での進路を示す第2のガイドラインを表示するガイドライン表示手段をさらに備え、前記第2断層画像において、前記第2のガイドラインの近傍であってそのガイドラインに沿って設定された帯状の近傍領域とその近傍領域の外側に設定された外側領域とが、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲として設定されることをその要旨とする。
従って、請求項11に記載の発明によると、第2断層画像において、第2のガイドラインは穿刺針の穿刺ルートを示すものであるが、そのガイドラインの近傍領域とその外側領域とで輝度強調の度合をそれぞれ適した度合に設定することができる。具体的には、例えば、外側領域よりも近傍領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、穿刺針の先端をより強調して表示することができ、穿刺針の先端の位置を正確に把握することができる。また逆に、近傍領域よりも外側領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、外側領域にある血管等の構造体を強調して表示することができ、その位置を正確に把握することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項10または11において、前記穿刺針の挿入角度に基づいて、前記第1断層画像上に前記穿刺針の先端が見え始める位置を予測する位置予測手段をさらに備え、前記第1断層画像において、前記穿刺針の先端が見え始める位置の近傍に設定された枠状の近傍領域とその近傍領域の外側に設定された外側領域とが、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲として設定されることをその要旨とする。
従って、請求項12に記載の発明によると、第1断層画像において、穿刺針の先端が見え始める位置の近傍領域とその外側領域とで輝度強調の度合をそれぞれ適した度合に設定することができる。この場合、請求項11と同様に、外側領域よりも近傍領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、穿刺針をより強調して表示することができ、穿刺針の位置を正確に把握することができる。また逆に、近傍領域よりも外側領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、外側領域にある血管等を強調して表示することができ、その位置を正確に把握することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置を用い、内部に管状構造体が存在する前記被検体に対して前記穿刺針の穿刺を行うときの超音波画像表示方法において、前記被検体に対して前記超音波プローブを移動させながら前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、穿刺対象となる前記管状構造体を見つける管状構造体検出ステップと、前記管状構造体を見つけた後、前記超音波プローブを停止させて前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、前記管状構造体に対する前記穿刺針の穿刺を行う穿刺ステップとを含むことを特徴とする超音波画像表示方法をその要旨とする。
従って、請求項13に記載の発明によると、管状構造体検出ステップにおいて、被検体の断層画像上に管状構造体が存在する場合、超音波プローブを移動させることで断層画像上にて管状構造体の部分が移動する。ここで、断層画像に表示される管状構造体の部分は周辺部位と比べて硬さが異なり反射波信号の強度(輝度)が異なるため、その管状構造体の部分が移動することにより、管状構造体の部分の輝度が高められて強調された形で断層画像上に表示される。この結果、穿刺対象の管状構造体の位置を素早く見つけることができる。そして、管状構造体を見つけた後に実施される穿刺ステップでは、超音波プローブが停止される。ここで、被検体が生体組織であり管状構造体が血管である場合、穿刺対象の血管は拍動するため、血管壁の部分が強調されて表示される。また、穿刺針の穿刺を行うと、穿刺針の針先が動きのある部位として強調して表示される。この結果、血管や穿刺針の位置がわかり易くなり、血管に対する穿刺針の穿刺を迅速かつ確実に行うことができる。さらに、血管の動脈は静脈と比較して大きく拍動するため、静脈よりも動脈の輝度が高くなり動脈が強調して表示される。このため、従来のカラードプラ法による診断画像を用いなくても、動脈と静脈とを容易に判別することができ、血管の挿し間違いを防止することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項13において、前記画像処理手段は、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合とを、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで同じ度合に設定することをその要旨とする。
従って、請求項14に記載の発明によると、画像処理手段は管状構造体検出ステップと穿刺ステップとで同じ演算処理(重み付け平均等の演算処理)を行えばよいので、演算処理を切り替えるための設定操作が不要となり、装置の操作性が向上する。
請求項15に記載の発明は、請求項13において、前記画像処理手段は、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合との少なくとも一方を、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで異なる度合に設定することをその要旨とする。
従って、請求項15に記載の発明によると、画像処理手段は管状構造体検出ステップと穿刺ステップとで演算処理を切り替えることで、それぞれ適した輝度強調や残像効果を得ることができる。この結果、管状構造体検出ステップでは管状構造体を素早く見つけることができ、穿刺ステップでは、穿刺針の針先の視認性を向上させることができる。
請求項16に記載の発明は、請求項15において、前記穿刺ステップにおける前記残像効果の度合を前記管状構造体検出ステップにおける前記残像効果の度合よりも高く設定することをその要旨とする。
従って、請求項16に記載の発明によると、穿刺ステップにおいて、穿刺針の針先の画像が比較的長い時間残像として残るため、穿刺針の侵入経路をより確実に把握することができる。
請求項17に記載の発明は、被検体の断層画像を取得すべく超音波をリニア走査するための複数の超音波振動子が配列されたプローブ本体と、前記プローブ本体に固定され、前記断層画像が示す断面に沿って穿刺針を予め設定された所定の角度で前記被検体に挿入するよう前記穿刺針を案内する穿刺ガイド用アタッチメントとを備えた超音波プローブを用い、前記超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで前記反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、前記画像データを用いて前記断層画像を表示する超音波画像表示装置に内蔵されるコンピュータを、前記反射波信号に基づいて、前記断層画像の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの前記断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示するとともに、前記変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する画像処理手段として動作させるためのプログラムを格納した記録媒体をその要旨とする。
従って、請求項17に記載の発明によると、記録媒体に格納されたプログラムに従ってコンピュータを動作させることにより、請求項1に記載の超音波画像表示装置を実現することができる。そして、超音波画像表示装置を用いることにより、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。
以上詳述したように、請求項1〜17に記載の発明によると、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。
第1の実施の形態の血管撮影装置を示す正面図。 第1の実施の形態の血管撮影装置の電気的構成を示すブロック図。 第1の実施の形態の第1断層画像及び第2断層画像を示す説明図。 超音波プローブのプローブ本体を示す斜視図。 画像処理回路の電気的構成を示すブロック図。 超音波プローブの使用方法を示す説明図。 血管検出ステップでの第1断層画像及び第2断層画像を示す説明図。 血管検出ステップでの第1断層画像及び第2断層画像を示す説明図。 穿刺ステップでの第1断層画像及び第2断層画像を示す説明図。 穿刺ステップでの第1断層画像及び第2断層画像を示す説明図。 輝度強調表示の選択、非選択の比較結果を示す第1断層画像の拡大断面図。 輝度強調表示の選択、非選択の比較結果を示す第2断層画像の拡大断面図。 輝度強調表示の選択、非選択の比較結果を示す第1断層画像の拡大断面図。 輝度強調表示の選択、非選択の比較結果を示す第2断層画像の拡大断面図。 輝度強調表示の選択、非選択の比較結果を示す第2断層画像の拡大断面図。 輝度強調表示の選択、非選択の比較結果を示す第2断層画像の拡大断面図。 第2の実施の形態における第1断層画像及び第2断層画像の強調設定範囲を示す説明図。 第2の実施の形態における画像処理回路の電気的構成を示すブロック図。 第2の実施の形態における穿刺ステップでの輝度を高めた強調設定範囲を示す説明図。 第3の実施の形態における画像処理回路の電気的構成を示すブロック図。 第3の実施の形態における残像効果を高めた強調設定範囲を示す説明図。 第3の実施の形態における穿刺ステップの断層画像を示す説明図。 第3の実施の形態における穿刺ステップの断層画像を示す説明図。 第3の実施の形態における穿刺ステップの断層画像を示す説明図。 別の実施の形態における断層画像を示す説明図。 別の実施の形態における断層画像を示す説明図。
[第1の実施の形態]
以下、本発明を超音波画像表示装置としての血管撮影装置に具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施の形態の血管撮影装置1を示す正面図であり、図2は、その血管撮影装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示されるように、血管撮影装置1は、装置本体2と、その装置本体2に接続される超音波プローブ3とを備えている。本実施の形態の血管撮影装置1は、例えば生体組織4(被検体)内に存在する静脈5(管状構造体)にカテーテルなどの穿刺針6を挿入する際に使用される装置であり、静脈5の横断面を示す第1断層画像8(短軸像)と静脈5の縦断面を示す第2断層画像9(長軸像)とを同一画面10上に同時に表示する(図3参照)。
超音波プローブ3は、信号ケーブル11と、信号ケーブル11の先端に接続されるプローブ本体12と、プローブ本体12に対して着脱可能に固定される穿刺ガイド用アタッチメント14と、信号ケーブル11の基端に設けられるプローブ側コネクタ15とを備える。装置本体2にはコネクタ16が設けられ、そのコネクタ16に超音波プローブ3のプローブ側コネクタ15が接続されている。
超音波プローブ3は、リニア式電子走査を行うためのリニアプローブであり、例えば、5MHzの超音波を直線的に走査する。プローブ本体12の底面となる振動子設置面20上には、配列方向が相互に直交して略T字状となるように複数の超音波振動子23,24(探触子)が配列している。
より詳しくは、プローブ本体12は、第1断層画像8を取得するための複数の第1の超音波振動子23を収納する第1素子ユニット25と、第2断層画像9を取得するための複数の第2の超音波振動子24を収納する第2素子ユニット26とを有する。第1素子ユニット25における複数の第1の超音波振動子23は、横断面に対応した短軸方向Xに沿って直線的に配列されている。また、第2素子ユニット26における複数の第2の超音波振動子24は、縦断面に対応した長軸方向Yに沿って直線的に配列されている。本実施の形態において、第1素子ユニット25に収納される第1の超音波振動子23の素子数は、例えば48個であり、第2素子ユニット26に収納される第2の超音波振動子24の素子数は、例えば80個である。従って、各超音波振動子23,24の配列方向の長さは、第1素子ユニット25よりも第2素子ユニット26の方が長くなっている。
第2素子ユニット26において、長軸方向Yに複数の超音波振動子24が配列してなる超音波振動子列27は、振動子設置面20におけるプローブ本体12の中心線L0上に沿って配置されている。つまり、本実施の形態では、振動子設置面20において長軸方向Yの超音波振動子列27の延長線L0とプローブ本体12の中心線L0とが一致する。さらに、長軸方向Yの超音波振動子列27は、その始端が短軸方向Xの超音波振動子列28のほぼ中央に位置するように配列している。
本実施の形態の超音波プローブ3において、略T字状の超音波振動子列27,28における超音波の走査は、例えば、短軸方向Xの超音波振動子列28の一端(例えば図2の右端となる始端)の超音波振動子23から開始される。そして、短軸方向Xの超音波振動子列28の他端(例えば図2の左端となる終端)の超音波振動子23に向けて1素子ずつ順番に行われる。その後、短軸方向Xの超音波振動子列28のほぼ中央に位置する長軸方向Yの超音波振動子列27の一端(図2では下端となる始端)の超音波振動子24から他端(図2では上端となる終端)の超音波振動子24に向けて1素子ずつ順番に超音波の走査が行われる。
本実施の形態の超音波プローブ3では、プローブ本体12において底面に位置する振動子設置面20が生体組織4との接触面であり、超音波の送受信を行うための送受信面となる。この振動子設置面20において、略T字状に超音波振動子列27,28が配置される部分には、図示しない音響整合層を介して略T字状の音響レンズ29(図4参照)が配設されている。音響レンズ29は、例えばシリコーン樹脂からなり、第1素子ユニット25及び第2素子ユニット26において超音波振動子23,24の超音波放射面30側に設けられている。音響レンズ29は、生体組織4と接触する外面が湾曲した凸面状に形成されており、超音波振動子23,24の超音波放射面30からその法線方向に出力される超音波のビームを絞って所定の焦点位置にて収束させる。
プローブ本体12において、長軸方向Yの超音波振動子列27の延長線(振動子設置面20におけるプローブ本体12の中心線L0)上かつ側面下端部(図4では左側面の下端部)には、位置決め部31が設けられている。位置決め部31は、生体組織4に対する穿刺針6の挿入位置を決めるための目印となる凸部である。さらに、生体組織4が接触するプローブ本体12の振動子設置面20において、短軸方向Xの両端部には、生体組織4の観察部位の圧迫を回避するための凸条部32が長軸方向Yに沿って設けられている(図4参照)。プローブ本体12の振動子設置面20にて一対の凸条部32を離間して設けることで、振動子設置面20側における一対の凸条部32間の領域があまり強く圧迫されなくなる。よって、観察部位にある静脈5が押し潰されることが防止され、静脈5への穿刺を確実に行うことが可能となる。
穿刺ガイド用アタッチメント14は、穿刺針6を案内するためのガイド溝33が形成された穿刺針ガイド部34と、穿刺針6の挿入角度を多段階的に調整可能な角度調整機構35と、プローブ本体12の側面下部に嵌め込んで固定する固定部36とを備える。穿刺ガイド用アタッチメント14は、第1断層画像8が示す横断面の中央部に穿刺針6が位置するとともに、第2断層画像9が示す縦断面に沿って穿刺針6を所定の角度で生体組織4に挿入するよう穿刺針6を案内する。本実施の形態の穿刺ガイド用アタッチメント14は、可撓性を有する樹脂材料を用いて形成された樹脂成型部品である。
プローブ本体12の下部は、先端側に配置される第1素子ユニット25が横方向に出っ張ったハンマーヘッド型の外形形状(略T字形状)を有する(図2及び図4参照)。穿刺ガイド用アタッチメント14において、固定部36は、そのハンマーヘッド型の外形形状に沿って環状に形成されている。固定部36の内周側には、例えば係合凹部(図示略)が形成されており、プローブ本体12に形成された係合凸部(図示略)に係合凹部が係合することによって、穿刺ガイド用アタッチメント14がプローブ本体12に固定されている。
穿刺ガイド用アタッチメント14において、固定部36の一端に角度調整機構35が設けられ、角度調整機構35に穿刺針ガイド部34が着脱可能に装着されている。穿刺針ガイド部34は、振動子設置面20から上方に離間した位置にて突出している。角度調整機構35は、プローブ本体12の位置決め部31を中心とした周方向に穿刺針ガイド部34を多段階的に移動させるとともに各位置にて固定可能に設けられた調整機構である。この角度調整機構35には、例えば3段階の切り替え位置が設けられている。
穿刺針ガイド部34のガイド溝33は、振動子設置面20からの投影視にて超音波振動子列27の延長線L0上に沿って延びるように形成されている。穿刺針ガイド部34は、長軸方向Yの超音波振動子列27の配列方向と平行な方向に延設されかつ基端部が互いに連結された2本の棒状部材40により構成され、上方から見た形状が略U字状となるよう形成されている。そして、穿刺針ガイド部34において2本の棒状部材40間に設けられた隙間がガイド溝33となっている。穿刺ガイド用アタッチメント14をプローブ本体12に装着した状態では、プローブ本体12の中心線L0上にガイド溝33が配置される。ガイド溝33には、穿刺針6を導入するための開口41と、導入した穿刺針6を当接させる底部42とが設けられている。さらに、穿刺針ガイド部34のガイド溝33には、開口41の側に行くに従って徐々に溝幅が広くなるよう形成された穿刺針導入部43が設けられている。
そして、ガイド溝33の底部42とプローブ本体12の位置決め部31との組み合わせにより穿刺針6の挿入角度が決定される。つまり、プローブ本体12の位置決め部31の下側に穿刺針6の針先側を当接させるとともに、ガイド溝33の底部42に穿刺針6の側面を当接させることによって、生体組織4に対する穿刺針6の挿入角度が決定される。また、穿刺ガイド用アタッチメント14において、角度調整機構35を操作し、穿刺針ガイド部34を移動させてガイド溝33の底部42の位置を変更することにより、底部42と位置決め部31とにより決定される穿刺針6の挿入角度が多段階的に調整されるようになっている。
次に、血管撮影装置1における電気的な構成について詳述する。
図2に示されるように、血管撮影装置1の装置本体2は、コントローラ50、パルス発生回路51、送信回路52、受信回路53、信号処理回路54、A/D変換回路55、画像処理回路56、メモリ57、記憶装置58、入力装置59、表示装置60等を備える。コントローラ50は、周知の中央処理装置(CPU)を含んで構成されたコンピュータであり、メモリ57を利用して制御プログラムを実行し、装置全体を統括的に制御する。
パルス発生回路51は、コントローラ50からの制御信号に応答して動作し、所定周期のパルス信号を生成して出力する。送信回路52は、超音波プローブ3における超音波振動子23,24の素子数に対応した複数の遅延回路(図示略)を含み、パルス発生回路51から出力されるパルス信号に基づいて、各超音波振動子23,24に応じて遅延させた駆動パルスを出力する。各駆動パルスの遅延時間は、超音波プローブ3から出力される超音波が所定の照射点で焦点を結ぶように設定されている。
受信回路53は、図示しない信号増幅回路、遅延回路、整相加算回路を含む。この受信回路53では、超音波プローブ3における各超音波振動子23,24で受信された各反射波信号(エコー信号)が増幅されるとともに、受信指向性を考慮した遅延時間が各反射波信号に付加された後、整相加算される。この加算によって、各超音波振動子23,24の受信信号の位相差が調整される。
信号処理回路54は、図示しない対数変換回路、包絡線検波回路などから構成されている。信号処理回路54における対数変換回路は反射波信号を対数変換し、包絡線検波回路は対数変換回路の出力信号の包絡線を検波する。また、A/D変換回路55は、信号処理回路54の包絡線検波回路から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
画像処理回路56は、A/D変換回路55から出力される反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行いBモードの超音波画像(断層画像)の画像データを生成する。具体的には、画像処理回路56は、反射波信号の振幅(信号強度)に応じた輝度の画像データを生成する。なおここでは、生体組織4の横断面を示す第1断層画像8及び生体組織4の縦断面を示す第2断層画像9の画像データが生成される。そして、画像処理回路56から出力される画像データに基づいて、生体組織4の第1断層画像8及び第2断層画像9が白黒の濃淡で表示装置60に表示される。
入力装置59は、キーボード61やトラックボール62などで構成されており、ユーザからの要求や指示等の入力に用いられる。表示装置60は、例えば、LCDやCRTなどのディスプレイであり、生体組織4の第1断層画像8及び第2断層画像9(図3参照)や、各種設定の入力画面を表示するために用いられる。
本実施の形態の表示装置60の表示画面10には、図3に示すように、第1断層画像8及び第2断層画像9が左右に並べて同時に表示される。第1断層画像8上には、穿刺針6の進む方向を示す第1のガイドライン65が、画面上下方向に沿って直線的に延びるように示される。また、第2断層画像9上に、穿刺針6の挿入角度での進路を示す第2のガイドライン66が、画面右上から左下の方向に向かって直線的に延びるように表示される。第1断層画像8上及び第2断層画像9上の各ガイドライン65,66は、本実施の形態では同じ線種(具体的には点線)及び線色(具体的には黄色)で表示される。なお、図3の各断層画像8,9は、生体組織4の断面を模式的に示す断面図であり、実際の画像は白黒の濃淡で表示され、例えば各断層画像8,9において穿刺針6の先端6aや静脈5の血管壁の部分は輝度が高く白色で表示される。
記憶装置58は、磁気ディスク装置や光ディスク装置などであり、制御プログラム及び各種のデータを記録媒体に格納している。コントローラ50は、入力装置59による指示に従い、プログラムやデータを記憶装置58からメモリ57へ転送し、それを逐次実行する。なお、コントローラ50が実行するプログラムとしては、メモリカード、フレキシブルディスク、光ディスクなどの記憶媒体に記憶されたプログラムや、通信媒体を介してダウンロードしたプログラムでもよく、その実行時には記憶装置58にインストールして利用する。
本実施の形態における血管撮影装置1では、穿刺針や血管などの動きのある部分を他の部位よりも強調して表示するとともに、動きのある部位の画像の残像効果を強調して表示する機能を有している。図5には、その強調表示機能を実現するための画像処理回路56の具体的な回路構成の一例を示している。本実施の形態では、図5に示される画像処理回路56及びコントローラ50によって、画像処理手段が構成されている。
図5示されるように、本実施の形態の画像処理回路56は、画像メモリ71と、データ生成部72と、平均演算部73と、輝度強調処理部74と、切替部75とを備える。画像メモリ71には、過去の画像データが記憶される。データ生成部72は、A/D変換回路55から出力される反射波信号(デジタル信号)に基づいて、輝度変調処理を行い、反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成する。平均演算部73は、データ生成部72においてリアルタイムで生成される最新フレームの画像データを取り込むとともに、画像メモリ71から過去の画像データを読みだして、次式(1)に示すような重み付き平均の演算処理を行い、複数フレームの画像データy(n)を平均化する。
Figure 2017138086
x(n)は最新フレームの画像データであり、y(n−1)は過去の画像データである。また、αは、各画像データの重みを調整するための調整パラメータである。
ここで、平均演算部73は、1フレーム分の画像データについてそれぞれ平均化して出力する。そして、平均演算部73から出力される1フレーム分の画像データが過去の画像データとして画像メモリ71に記憶されるようになっている。本実施の形態における画像メモリ71には、表示装置60の表示画面10の画素数に対応した個数の画像データを、各画素のXY座標を示す座標情報とともに記憶している。
輝度強調処理部74は、平均演算部73から出力される平均化した画像データと、データ生成部72においてリアルタイムで生成される最新フレームの画像データとを比較して、画像データの輝度が異なる場合には時間的な輝度の相違箇所として判断する。そして、輝度強調処理部74は、相違箇所について輝度の差分値が大きいものほど輝度を高める輝度強調を行い、輝度を高めた画像データを生成する。
切替部75は、コントローラ50から出力される設定信号S1に基づいて、輝度強調をオンまたはオフに切り替える切替器である。切替部75は、設定信号S1がオンのときに輝度強調処理部74から入力される画像データを出力する一方、設定信号S1がオフのときには平均演算部73から入力される画像データを出力することで、表示装置60で使用される画像データを選択的に切り替えるようにしている。この結果、輝度強調表示を行う強調表示画像と輝度強調表示を行わない通常表示画像とで断層画像8,9の表示モードが切り替えられる。
次に、本実施の形態の血管撮影装置1を用いてカテーテルの穿刺針6を生体組織4の静脈5に挿入する際の操作例について説明する。
ここでは、先ず、医者などの作業者は、患者の処置部に適した穿刺針6の挿入角度を判断する。そして、作業者は、その挿入角度となるように角度調整機構35を操作して穿刺針ガイド部34の位置を設定した穿刺ガイド用アタッチメント14をプローブ本体12に装着する。その後、作業者は、入力装置59のキーボード61を操作し、角度調整機構35で設定している穿刺針6の挿入角度の設定位置に応じた位置情報を入力する。このとき、コントローラ50は、その位置情報をメモリ57に一旦記憶する。さらに、作業者は、キーボード61を操作して輝度強調表示を行うための表示選択ボタン(図示略)をオンする。コントローラ50は、そのボタン操作の情報に基づいて、画像処理回路56の切替部75に入力する設定信号S1をオンする。この結果、断層画像8,9の表示モードが輝度強調表示に設定される。
さらに、作業者は、処置部となる生体組織4の表面(例えば、図6に示すような静脈5がある前腕4aの表面)に、音響媒体(無菌ゲルや滅菌ゲル)を塗った後、その音響媒体を介してプローブ本体12の振動子設置面20を接触させる。この後、作業者は、入力装置59に設けられている走査開始ボタン(図示略)を操作する。すると、コントローラ50は、そのボタン操作を判断し、生体組織4の断層画像8,9を表示するための処理を開始する。
この処理において、コントローラ50は、パルス発生回路51を動作させ、超音波プローブ3による超音波の送受信を開始させる。具体的には、コントローラ50から出力される制御信号に応答してパルス発生回路51が動作し、所定周期のパルス信号が送信回路52に供給される。そして、送信回路52では、パルス信号に基づいて、各超音波振動子23,24に対応した遅延時間を有する駆動パルスが生成され、超音波プローブ3に供給される。これにより、超音波プローブ3の各超音波振動子23,24が振動して超音波が生体組織4に向けて照射される。生体組織4内を伝搬する超音波の一部は、生体組織4における組織境界面(例えば血管壁)などで反射して超音波プローブ3で受信される。このとき、超音波プローブ3の各超音波振動子23,24によって反射波が電気信号(反射波信号)に変換される。そして、その反射波信号は、受信回路53で増幅等された後、信号処理回路54に入力される。
信号処理回路54では、対数変換、包絡線検波といった信号処理が行われ、A/D変換回路55でデジタル信号に変換された反射波信号が画像処理回路56に供給される。画像処理回路56では、その反射波信号に基づいて、断層画像8,9の画像データを生成するための画像処理が行われる。コントローラ50は、画像処理回路56で生成された各画像データをメモリ57に一旦記憶する。
また、コントローラ50は、メモリ57に記憶された位置情報に基づいて穿刺針6の挿入角度を判断し、穿刺針6の挿入角度に応じたガイドライン65,66の表示データを生成する。
その後、コントローラ50は、生成された断層画像8,9の画像データを表示装置60に出力するとともに、ガイドライン65,66の表示データを表示装置60に出力する。この結果、図3に示されるように、表示装置60の表示画面10に第1断層画像8及び第2断層画像9が左右に並べて同時に表示されるとともに、各断層画像8,9上にガイドライン65,66が重ね合わせて表示される。
このように各断層画像8,9を表示させた状態で、作業者が穿刺対象となる静脈4を見つけるための血管検出ステップ(管状構造体検出ステップ)を行う。具体的には、患者の処置部の表面に沿って超音波プローブ3を移動させながら超音波を送受信させて、表示装置60の表示画面10に各断層画像8,9を表示させる。ここで、断層画像8,9に表示される血管壁の部分は周辺組織と比べて硬さが異なり反射波信号の強度(輝度)が異なる。このため、断層画像8,9上において、静脈5の血管壁の部分が移動することにより、血管壁の部分の輝度が高められて強調された形で断層画像8,9上に表示される。
このとき、作業者は、表示装置60に表示された第1断層画像8及び第2断層画像9を確認し、超音波プローブ3の位置を調整する。具体的には、先ず、作業者は、図6及び図7に示されるように、第1断層画像8(短軸像)上に静脈5の横断面が撮影されるとともに第1断層画像8上の第1のガイドライン65が静脈5の中心に位置するように超音波プローブ3の第1素子ユニット25側を移動させる。さらに、図6及び図8に示されるように、第2断層画像9(長軸像)上に沿って静脈5の縦断面が撮影されるように、超音波プローブ3の第2素子ユニット26側を移動させて、静脈5が延びる方向(軸方向)とプローブ本体12の長軸方向Yとを一致させる。なおここでは、超音波プローブ3の第1素子ユニット25側(短軸側)の位置をキープした状態で、後側となる第2素子ユニット26側(長軸側)を左右に振るようにして位置合わせを行う。この位置合わせの際には、静脈5が延びる方向(軸方向)と長軸方向Yとが一致する前後のタイミングで、静脈5の血管壁の強さの変化が大きくなるため、血管壁の部分の輝度が最も高くなる。このため、作業者はその輝度の変化によって、静脈5が延びる方向(軸方向)と長軸方向Yとが一致したことを確認し、超音波プローブ3を停止させる。
ここで、穿刺対象の静脈5は、動脈と比較して拍動が小さくなる。このため、プローブ停止時において、穿刺対象の静脈5は、動脈よりも輝度が低く表示される。また、各断層画像8,9上に動脈があればその動脈の輝度変化が大きくなるため、輝度変化に基づいて動脈の位置が把握される。そして、第2のガイドライン66で示される穿刺針6の穿刺ルート上に動脈が存在する場合には、超音波プローブ3の位置が移動されて、動脈を避けるようにして穿刺ルートが再設定される。
断層画像9において、第2のガイドライン66で示される穿刺ルート上に動脈がなく、かつその穿刺ルートが静脈5に達することが確認された後、穿刺針6を穿刺するための穿刺ステップが行われる。具体的には、先ず、作業者は、穿刺ガイド用アタッチメント14の穿刺針ガイド部34において、ガイド溝33の開口41からカテーテルの穿刺針6を導入する。そして、作業者は、プローブ本体12の位置決め部31の下側の位置に穿刺針6の針先側を当接させるとともに、ガイド溝33の底部42に穿刺針6の側面を当接させた後、生体組織4(前腕4a)に対して穿刺針6を挿入していく。すると、図3に示されるように、第1断層画像8及び第2断層画像9に穿刺針6が表示される。ここでは、第1断層画像8において、穿刺針6が表示される瞬間に輝度が高まり、第2断層画像9において、穿刺針6が移動するとその先端6aの輝度が高められ強調されて表示される。そして、作業者は、第2断層画像9における第2のガイドライン66に沿って穿刺針6の挿入位置を確認しつつ、穿刺針6を挿入していく。
その後、穿刺針6の先端6aが静脈5の血管壁に達すると、先端6aが血管壁を貫通せずに血管壁がテント状に凹んでいく(テンティング)。このとき、図9に示されるように、静脈5の血管壁の凹んだ部分5aは動きのある部分として穿刺針6の先端6aとともに強調表示される。作業者は、静脈5の血管壁の凹みに基づいて、テンティングが十分に進行した旨を判定したとき、穿刺針6の後端側をガイド溝33に沿って開口41の側に移動させる。これにより、静脈5の方向に対して穿刺針6を沿わせるように穿刺針6の挿入角度が変更されるため、静脈5の血管壁を穿刺針6の先端6aが容易に貫通し、先端6aが血管内に挿入される。このとき、穿刺針6の貫通時には血管壁が大きく動くので、貫通した部分の輝度が瞬間的に高められる。そして、図10に示されるように、作業者は、第2断層画像9における先端6aや血管壁の部分5aの輝度変化に基づいて、穿刺針6の先端6aが静脈5内に達したことを確認し、穿刺針6の穿刺動作を止める。
その後、作業者は、入力装置59に設けられている走査終了ボタン(図示略)を操作する。コントローラ50は、そのボタン操作を判断し、生体組織4の断層画像8,9を表示するための処理を終了する。さらに、作業者は、穿刺針6の穿刺状態を維持したまま(穿刺ルートを残したまま)、ガイド溝33に沿ってプローブ本体12を移動させる。そして、作業者は、ガイド溝33の開口41を通して超音波プローブ3(穿刺ガイド用アタッチメント14及びプローブ本体12)を穿刺針6から取り外す。この後、作業者は、カテーテル操作を行い、静脈5内にカテーテルを挿入して所定の治療を行う。
図11〜図16には、輝度強調表示を選択した強調表示画像(右側に示すONの画像)と輝度強調表示を選択しない通常表示画像(左側に示すOFFの画像)との比較結果を示している。なお、図11は、第1断層画像8における静脈5の横断面を拡大して示し、図12は、第2断層画像9における静脈5の縦断面を拡大して示している。また、図13は、第1断層画像8における穿刺針6の挿入部位を拡大して示し、図14は、第2断層画像9における穿刺針6の挿入時の状態を拡大して示している。さらに、図15は、第2断層画像9において穿刺針6が静脈5を貫く直前(テンティング)の状態を拡大して示し、図16は、第2断層画像9において穿刺針6が静脈5を貫いた後の状態を拡大して示している。
図11〜図16に示されるように、輝度強調表示を選択した右側の画像では、静脈5の血管壁の部分の輝度が高められるとともに、動きのある穿刺針6の先端部分の輝度が高められて表示される。特に、穿刺針6が静脈5を貫く瞬間は血管への穿刺において特に注意が必要となるタイミングであるが、そのタイミング(図15や図16で示すタイミング)で穿刺針6の先端部分や静脈5の血管壁の輝度が強調して表示されることが確認された。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の血管撮影装置1では、生体組織4の静脈5に穿刺針6を穿刺する際に、動きがある穿刺針6の先端6aは、複数フレームの断層画像において輝度の変化があった部位として輝度が高められるため、周辺組織よりも強調されて表示される。また、生体組織4において静脈5は拍動するため、穿刺針6の先端6aに加えて、静脈5の血管壁の部分も変化がある部分として強調され表示される。さらに、輝度が高くなった穿刺針6の先端画像が残像として残るため、穿刺針6の侵入経路を容易に確認することができる。この結果、静脈5に対する穿刺針6の位置がわかりやすくなり、穿刺針6の穿刺を確実に行うことができる。また、生体組織4では、例えば血管の動脈は静脈5と比較して大きく拍動するため、静脈5よりも動脈の輝度が高くなり動脈がより強調され表示される。このため、従来のカラードプラ法による診断画像を用いなくても、動脈と静脈5とを容易に判別することができ、血管の挿し間違いを防止することができる。このように、本実施の形態の血管撮影装置1によれば、従来技術のように穿刺針6の位置検出等を行うことなく、さらにカラードプラ法による画像への切り替え等を行う必要がないため、比較的簡単な処理にて穿刺針6の穿刺を確実に行うことができる。
(2)本実施の形態の血管撮影装置1では、画像処理回路56において、画像メモリ71に過去の画像データが記憶され、平均演算部73により、過去の画像データと最新フレームの画像データとを用いた演算により複数フレームの画像データが平均化される。そして、輝度強調処理部74により、平均化された画像データと最新フレームの画像データとが比較され、得られた時間的な輝度の相違箇所について輝度を高めた画像データが生成される。このように構成すると、複数フレームの断層画像8,9について変化があった部位の輝度を高めて表示することができる。またこの場合、最新の画像データに過去の画像データを反映した画像データを生成できるため、輝度の変化があった部位の画像を残像として残して表示することができる。さらに、平均化した画像データを過去の画像データとして画像メモリ71に記憶しているため、複数フレームの画像データを記憶する必要がなく、画像メモリ71の記憶容量の増加を抑えることができる。
(3)本実施の形態の血管撮影装置1において、画像処理回路56の平均演算部73は、上式(1)に示されるように過去の画像データと最新フレームの画像データとに異なる重みを付けて演算する重み付き平均により、画像データを平均化する機能を有している。この場合、重みの調整パラメータαを変更することで、過去の画像データと最新の画像データとの反映割合を調整することができ、断層画像8,9における残像効果の度合を容易に変更することができる。
(4)本実施の形態の血管撮影装置1では、画像処理回路56は、輝度強調処理部74が生成した輝度を高めた画像データを使用して断層画像8,9を表示するか否かを切り替える切替部75をさらに備えている。この場合、輝度の変化がある部位を強調した断層画像8,9の表示(輝度強調表示)と、輝度の変化がある部位を強調しない断層画像8,9の表示(通常表示)とを切替部75によって容易に切り替えることができる。このため、穿刺針6の穿刺時のように穿刺針5の動きやその周辺の動き(動脈等の動き)を確認したいときには、通常表示から輝度強調表示に切り替えることで、動きのある部位を確実に見分けることが可能となる。
(5)本実施の形態の血管撮影装置1において、輝度強調処理部74は、画像データの輝度の差分値が大きいものほど輝度を高める輝度強調を行っている。この場合、穿刺針5を早く刺すほど先端6aが明るく表示されるので、先端6aに対する注意を促すことができるとともに、先端6aの位置を確実に把握することができる。また、静脈5よりも動脈の輝度が高く表示されるため、動脈と静脈5とを容易に判別することができる。
(6)本実施の形態の血管撮影装置1では、静脈5の横断面を示す第1断層画像8と静脈5の縦断面を示す第2断層画像9とが同一画面10上に同時に表示されるので、各画像8,9を確認しつつ穿刺針6の穿刺を迅速かつ確実に行うことができる。
(7)カラードプラ法により血流をカラー表示する場合、血管内が赤色または青色で表示されるため、穿刺針6の動きが確認し難くなるが、本実施の形態の血管撮影装置1では、カラードプラ法による表示を行わないため、穿刺針6の動きを確実に把握することができる。また、本実施の形態の血管撮影装置1では、カラードプラ法による表示処理のような処理負荷がかからないため、穿刺に適したフレームレートで各断層画像8,9の表示が可能となる。
(8)本実施の形態の血管撮影装置1では、切替部75の設定信号S1をオフにした場合には、複数フレームの画像データを平均化した画像データを用いて各断層画像8,9を表示しているので、ノイズ等によって輝度が生体組織4の反射波信号に由来する本来の値からずれた場合でも、平均化することでノイズの影響(画像のちらつき等)が抑制され、各断層画像8,9が見やすくなる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に基づき説明する。
輝度強調表示の対象となる穿刺針6や静脈5は、それぞれ反射信号の強度(反射輝度)が異なる。このため、本実施の形態の血管撮影装置1では、輝度強調の度合をそれぞれに合った度合に調整して各断層画像8,9を表示する機能を有している。
本実施の形態では、図17に示されるように、表示画面10における各断層画像8,9の表示領域に、複数の強調設定範囲R1,R2,R3,R4が設けられている。具体的には、第1断層画像8の表示領域において、穿刺針6が見え始める位置P1の近傍に設定される枠状の近傍領域が第1の強調設定範囲R1として設定されるとともに、枠状の近傍領域の外側に設定される外側領域が第2の強調設定範囲R2として設定されている。なお、第1断層画像8において、枠状の近傍領域(第1の強調設定範囲R1)の幅は、穿刺針6の幅の2倍以上10倍以下の幅(本実施の形態では、例えば5倍程度の幅)で設定されている。また、第2断層画像9の表示領域において、第2のガイドライン66の近傍であってそのガイドライン66に沿って設定された帯状の近傍領域が第3の強調設定範囲R3として設定されるとともに、帯状の近傍領域の外側に設定される外側領域が第4の強調設定範囲R4として設定されている。なお、第2断層画像9において、帯状の近傍領域(第3の強調設定範囲R3)の幅は、穿刺針6の幅の2倍以上10倍以下の幅(本実施の形態では、例えば5倍程度の幅)で設定されている。
本実施の形態では、角度調整機構35を操作して穿刺針6の挿入角度を調整した場合、穿刺針6が見え始める位置P1やガイドライン66の傾斜角度が変更される。このため、各強調設定範囲R1〜R4もその都度設定される。具体的には、作業者は、入力装置59のキーボード61を操作し、角度調整機構35で設定した穿刺針6の挿入角度に応じた位置情報を再度入力する。ガイドライン表示手段としてのコントローラ50は、その位置情報に基づいて、第2断層画像9における第2のガイドライン66を所定の角度で表示する。またこのとき、位置予測手段としてのコントローラ50は、穿刺針6の挿入角度に応じた位置情報に基づいて、穿刺針6が見え始める位置P1を予測する。そして、コントローラ50は、ガイドライン66や穿刺針6が見え始める位置P1に基づいて、各強調設定範囲R1〜R4の座標情報を設定している。
本実施の形態の血管撮影装置1において、画像処理回路56A(図18参照)の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。図18に示されるように、本実施の形態の画像処理回路56Aには、画像メモリ71、データ生成部72、平均演算部73、輝度強調処理部74A、及び切替部75に加えて座標取得部77を備える。画像処理回路56Aにおいて、画像メモリ71、データ生成部72、平均演算部73、及び切替部75の構成は、上記第1実施の形態の画像処理回路56と同じである。以下、第1実施の形態との相違点を中心に説明する。
座標取得部77には、コントローラ50から各強調設定範囲R1〜R4の座標情報が入力される。また、座標取得部77は、データ生成部72にて生成される画像データの座標情報(表示画素のXY座標を示すアドレス情報)を取り込む。そして、座標取得部77は、その座標情報に基づいて画像データが第1の強調設定範囲R1〜第4の強調設定範囲R4のうちのどの範囲に存在する画像データなのかを判定し、その判定結果(範囲R1〜R4を示す信号)を輝度強調処理部74Aに出力する。また、輝度強調処理部74Aには、強調設定範囲R1〜R4毎に輝度強調の度合を調整するための強調パラメータβ(β1〜β4)がコントローラ50から入力される。そして、輝度強調処理部74Aは、画像データの座標情報により判定された強調設定範囲R1〜R4や強調パラメータβ(β1〜β4)に基づいて、輝度を高めた画像データを生成する。
具体的には、例えば、穿刺対象の静脈5を見つけるための血管検出ステップの場合、輝度強調処理部74Aは、強調設定範囲R1〜R4のエリア毎に輝度強調の度合を変化させず、全ての範囲R1〜R4で一様の輝度強調の度合となるよう画像データを生成する。
一方、穿刺針6を静脈5に穿刺するための穿刺ステップの場合、輝度強調処理部74Aは、第1断層画像8において外側領域の強調設定範囲R2よりも近傍領域の強調設定範囲R1の輝度強調の度合を高めて画像データを生成する。また、輝度強調処理部74Aは、第2断層画像9において外側領域の強調設定範囲R4よりも近傍領域の強調設定範囲R3の輝度強調の度合を高めて画像データを生成する。なお、図19に示す断層画像8,9では、輝度強調の度合を高めた強調設定範囲R1,R3にハッチングをかけて示している。
血管検出ステップから穿刺ステップへの切り替えは、例えば、輝度調整手段としての入力装置59のキーボード61を操作して行ってもよいし、プローブ本体12に輝度調整手段としての切替スイッチ(図示略)を設け、その切替スイッチを操作して行ってもよい。また、穿刺針6の反射波信号の強度は、生体組織4と比較して大きい。このため、例えば第1断層画像8の近傍領域(強調設定範囲R1)に穿刺針6が見え始めたとき、輝度調整手段としてのコントローラ50がそのタイミングを反射波信号の強度によって判定し、血管検出ステップから穿刺ステップへ自動で切り替えるように構成してもよい。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の血管撮影装置1では、第1断層画像8において、穿刺針6の先端6aが見え始める位置P1の近傍領域に第1の強調設定範囲R1が設定されるとともに、その外側領域に第2の強調設定範囲R2が設定される。また、第2断層画像9において、第2のガイドライン66の近傍領域に第3の強調設定範囲R3が設定されるとともに、その外側領域に第4の強調設定範囲R4が設定される。そして、穿刺針6が存在しうる強調設定範囲R1,R3と生体組織4のみが存在する強調設定範囲R2,R4とで輝度強調の度合をそれぞれに合ったものに調整することにより、穿刺針6の穿刺に適した断層画像8,9を表示させることが可能となる。
(2)本実施の形態の血管撮影装置1において、血管検出ステップでは、全ての強調設定範囲R1〜R4で一様に輝度強調が行われるため、静脈5を素早く見つけることができる。また、穿刺ステップでは、穿刺針6が存在しうる強調設定範囲R1,R3の輝度強調の度合が高められるため、穿刺針6の先端6aの視認性を向上させることができる。この結果、穿刺針6の穿刺を確実に行うことができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態を図面に基づき説明する。本実施の形態の血管撮影装置1は、時間経過に応じた穿刺針6の残像効果の度合を調整する機能を有している。本実施の形態の血管撮影装置1において、画像処理回路56B(図20参照)の構成が上記第2の実施の形態と異なっている。
図20に示されるように、画像処理回路56Bにおいて、平均演算部73Aには、画像データが存在する強調設定範囲R1〜R4の判定結果を示す判定信号が座標取得部77から入力される。また、本実施の形態では、残像調整手段としてのホールドスイッチ79が、例えばプローブ本体12の側面に設けられており、ホールドスイッチ79のオン・オフのスイッチ操作に応じたスイッチ信号がコントローラ50に入力される。そして、ホールドスイッチ79がオンのときに、コントローラ50は、演算切替信号S2を平均演算部73Aに入力する。
ホールドスイッチ79がオフのとき、平均演算部73Aは、各強調設定範囲R1〜R4において、すべての範囲で同じ値の調整パラメータαを用いて上式(1)の重み付き平均の演算を行い、画像データを平均化する。一方、ホールドスイッチ79がオンとなり、コントローラ50から演算切替信号S2が入力されたとき、各強調設定範囲R1〜R4のうちの強調設定範囲R3の演算を行う場合、調整パラメータαの値を他の強調設定範囲R1,R2,R4の演算を行う場合よりも小さくして、上式(1)の重み付き平均の演算を行う。この場合、第2断層画像9において第2のガイドライン66の近傍領域である強調設定範囲R3では、最新の画像データの重みが低められるとともに過去の画像データの重みが高められて画像データが平均化される。この結果、図21においてハッチングで示す強調設定範囲R3では、過去の画像が比較的に長い時間残り、穿刺針6の残像効果の度合が高くなる。
このように構成した本実施の形態の血管撮影装置1を用いて穿刺針6の穿刺を行う場合、ホールドスイッチ79をオフした状態で血管検出ステップを行う。この血管検出ステップでは、図21に示されるように、第1断層画像8上の第1のガイドライン65が穿刺対象となる静脈5の中心に位置するとともに、第2断層画像9(長軸像)上に沿って静脈5の縦断面が撮影されるように、超音波プローブ3を移動させる。その後、作業者は、穿刺ステップを行い、穿刺針6を生体組織4に対して穿刺針6を挿入していく。このとき、図22に示されるように、第2断層画像9において、動きのある穿刺針6の先端6aの輝度が強調されて表示される。そして、作業者は、穿刺針6の先端6aが所望の位置に達したときに、穿刺針6の挿入を一旦止める。図23に示されるように、穿刺針6を停止させると、動きがなくなるため、穿刺針6の先端6aが強調表示されなくなる。
その後、ホールドスイッチ79をオンした後、穿刺針6をさらに挿入していく。このとき、穿刺針6が存在する強調設定範囲R3では、残像効果の度合が高く設定される。従って、図24に示されるように、穿刺針6の移動によって強調表示される先端6aの画像が残像80として残る。また、この状態で穿刺針6の挿入を停止させた場合でも、穿刺針6の先端6aの軌跡が残像80として残っているため、作業者によって、その軌跡が確認されることにより穿刺針6の先端6aの位置が把握される。そして、作業者は、静脈5への穿刺針6の穿刺を行った後、ホールドスイッチ79をオフする。この結果、穿刺針6の残像80が残る時間が短くなる。このため、作業者によって生体組織4から穿刺針6が抜かれたときには、ガイドライン66上の穿刺ルートに沿って穿刺針6の先端6aが移動していくことをリアルタイムで確認することができる。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の血管撮影装置1では、強調設定範囲R1〜R4に応じて、各画像データの重みを変更して断層画像8,9における残像効果の度合を変更する機能を有している。具体的には、穿刺ステップにおいて、第2断層画像9における第2のガイドライン66の近傍領域である強調設定範囲R3の残像効果の度合が他の強調設定範囲R1,R2,R4よりも高められている。この場合、穿刺ステップにおいて、穿刺針6の先端6aの軌跡をより確実に把握することができる。また、第2のガイドライン66で示される穿刺ルートに対して穿刺針6の侵入経路が外れた場合には、穿刺針6の移動が残像として確実に残るため、穿刺針6の位置が穿刺ルートから外れたことを容易に認識することができる。
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施の形態の血管撮影装置1では、各断層画像8,9において変化があった部位の輝度を高めて表示するものであったが、変化が大きい部位の色を異なる色で表示するようにしてもよい。具体的には、画像処理回路56において、輝度強調処理部74は、相違箇所について輝度の差分値が予め設定された所定の閾値よりも大きい相違箇所を、その周辺箇所とは異なる色(例えば、赤色)の画像データを生成する。また、閾値未満の相違箇所については、上記実施の形態と同様に輝度を高めた画像データを生成する。この場合、図25に示されるように、断層画像9Aにおいて、静脈5の血管壁は、輝度強調によって明るく表示される。さらに、動脈81は、静脈5より大きく動くため、輝度強調に加えて血管壁の大きく動く部位82が赤色で表示される。このように断層画像9Aを表示することにより、動静脈の判別を容易に行うことができる。
さらに、画像処理回路56において、輝度強調処理部74は、輝度の差分値が一度でも所定の閾値を超えた相違箇所について次フレーム以降の画像表示処理にて異なる色(例えば、赤色)の画像データを設定してもよい。この場合、図26に示すように、断層画像9Bにおいて、閾値を超えた相違箇所、具体的には輝度の変化が大きな穿刺針6の先端6aの挿入経路が、例えば赤色の軌跡83として表示される。このように、断層画像9Bにおいて穿刺針6の軌跡83を表示することにより、穿刺針6の侵入経路が分かり、穿刺針6を止めた場合でも、今までにどこまで穿刺針6を刺したかが分かるため、穿刺針6の穿刺をより確実に行うことができる。なおこの場合、第3の実施の形態のように、ホールドスイッチ79を用い、ホールドスイッチ79がオンのとき軌跡83を表示するとともに、ホールドスイッチ79がオフのときに軌跡83を消すように構成する。
・上記各実施の形態では、画像処理回路56,56A,56Bにおいて1フレーム分の画像データを記憶する画像メモリ71を備え、最新フレームの画像データと画像メモリ71に記憶した過去の画像データとを用いた重み付き平均により、画像データを平均化していたがこれに限定されるものではない。例えば、過去の複数フレーム分の画像データを記憶する画像メモリを備え、それら複数フレームの画像データと最新の画像データとを用いて画像データを平均化してもよい。
・上記各実施の形態では、プローブ本体12において略T字状となるように複数の超音波振動子23,24が配列した超音波プローブ3に具体化したが、これに限定されるものではない。プローブ本体において直線的に配列した複数の超音波振動子を有する一般的なリニア走査型の超音波プローブに本発明を具体化してもよい。
・上記各実施の形態の血管撮影装置1では、キーボード61を操作して入力した位置情報に基づいて穿刺針6の挿入角度を判定するものであったが、これに限定されるものではない。具体的には、例えば、角度調整機構35において、穿刺針6の挿入角度を検出するための位置検出手段(センサやスイッチ)を設ける。そして、コントローラ50は、位置検出手段により検出された穿刺針6の挿入角度に基づいて第2のガイドライン66を第2断層画像9上に表示するよう構成してもよい。このようにすると、角度調整機構35の操作位置に応じた穿刺針6の挿入角を自動で判定することができるため、穿刺針6の穿刺を迅速に行うことができる。
・上記第3の実施の形態の血管撮影装置1において、ホールドスイッチ79は、プローブ本体12に設けられるものであったが、装置本体2におけるキーボード61等に設けられていてもよい。また、足で操作するフットスイッチをホールドスイッチとして用いてもよい。
・上記各実施の形態の血管撮影装置1では、静脈5の断層画像8,9を表示してカテーテルを用いた治療を行うものであったが、採血などの他の処置を行う場合に血管撮影装置1を用いてもよい。また、血管撮影装置1に限定されるものではなく、血管以外に神経の断層画像を表示して神経ブロック注射の処置を行う超音波画像表示装置や、腱の断層画像を表示して腱鞘内へのステロイド注射の処置などを行う超音波画像表示装置に本発明を具体化してもよい。
・上記各実施の形態において、被検体として生体組織4に適用したが、これに限定されるものではなく、建築物などの構造体を被検体としてもよい。また、管状構造体は、静脈5等の血管に限定するものではなく、被検体の外部から不可視であるもの、例えば壁などの構造体内部に存在する配管などであってもよい。
・上記各実施の形態では、カラードプラ法による表示を行わない血管撮影装置1に具体化していたが、カラードプラ法による表示機能を搭載した超音波画像表示装置に本発明を具体化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項11または12において、前記平均演算部は、前記近傍領域と前記外側領域とで各画像データの重みを変更し、前記近傍領域における前記穿刺針の残像効果の度合を前記外側領域よりも高めるように前記画像データを平均化することを特徴とする超音波画像表示装置。
(2)請求項11において、前記第2断層画像における前記帯状の近傍領域の幅は、前記穿刺針の幅の2倍以上10倍以下であることを特徴とする超音波画像表示装置。
(3)請求項12において、前記第1断層画像における前記枠状の近傍領域の幅は、前記穿刺針の幅の2倍以上10倍以下であることを特徴とする超音波画像表示装置。
(4)請求項6において、前記輝度強調の度合を変更するための輝度調整手段をさらに備えることを特徴とする超音波画像表示装置。
(5)請求項7において、前記残像効果の度合を変更するための残像調整手段をさらに備えることを特徴とする超音波画像表示装置。
(6)請求項13において、前記管状構造体検出ステップにおける前記輝度強調処理部は、前記近傍領域よりも前記外側領域の輝度強調の度合を高めて前記画像データを生成することを特徴とする超音波画像表示方法。
(7)請求項13において、前記穿刺ステップにおける前記輝度強調処理部は、前記外側領域よりも前記近傍領域の輝度強調の度合を高めて前記画像データを生成することを特徴とする超音波画像表示方法。
(8)請求項13において、前記被検体における前記管状構造体は、前記被検体の外部から不可視であることを特徴とする超音波画像表示方法。
(9)請求項13において、前記被検体における前記管状構造体には、液体が流れていることを特徴とする超音波画像表示方法。
(10)請求項13において、前記被検体は生体組織であることを特徴とする超音波画像表示方法。
(11)請求項13において、前記管状構造体は生体組織の内部に存在する血管であることを特徴とする超音波画像表示方法。
1…超音波画像表示装置としての血管撮影装置
3…超音波プローブ
4…被検体としての生体組織
4a…被検体としての前腕
5…被検体の内部に存在する静脈
6…穿刺針
6a…穿刺針の先端
8…第1断層画像
9…第2断層画像
9A,9B…断層画像
10…画面
12…プローブ本体
14…穿刺ガイド用アタッチメント
23,24…超音波振動子
50…画像処理手段、ガイドライン表示手段及び位置予測手段としてのコントローラ
56,56A,56B…画像処理手段を構成する画像処理回路
58…記録媒体を備える記憶装置
65…第1のガイドライン
66…第2のガイドライン
71…画像メモリ
73,73A…平均演算部
74,74A…輝度強調処理部
75…切替部
77…座標取得部
83…穿刺針の軌跡
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被検体の断層画像を取得すべく超音波をリニア走査するための複数の超音波振動子が配列されたプローブ本体と、前記プローブ本体に固定され、前記断層画像が示す断面に沿って穿刺針を予め設定された所定の角度で前記被検体に挿入するよう前記穿刺針を案内する穿刺ガイド用アタッチメントとを備えた超音波プローブを用い、前記超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで前記反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、前記画像データを用いて前記断層画像を表示する超音波画像表示装置であって、前記反射波信号に基づいて、前記断層画像の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの前記断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示するとともに、前記変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する画像処理手段を備えるとともに、前記画像処理手段は、過去の画像データを記憶する画像メモリと、リアルタイムで取得した最新フレームの画像データと、前記画像メモリから読みだした前記過去の画像データとを用いてそれらに異なる重みを付けて演算する重み付き平均により、複数フレームの画像データを平均化する機能を有するとともに、その演算結果を前記過去の画像データとして前記画像メモリに出力する平均演算部と、前記平均演算部から出力される平均化された画像データと、前記最新フレームの画像データとを比較して得た時間的な輝度の相違箇所について、輝度を高めた画像データを生成する輝度強調処理部とを備えることを特徴とする超音波画像表示装置をその要旨とする。
また、請求項1に記載の発明によると、画像処理手段において、画像メモリに過去の画像データが記憶され、平均演算部により、過去の画像データと最新フレームの画像データとを用いた演算により複数フレームの画像データが平均化される。そして、輝度強調処理部により、平均化された画像データと最新フレームの画像データとが比較され、得られた時間的な輝度の相違箇所について輝度を高めた画像データが生成される。このように構成すると、複数フレームの断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示することができる。またこの場合、最新の画像データに過去の画像データを反映した画像データを生成できるため、輝度の変化があった部位の画像を残像として残して表示することができる。
また、請求項1に記載の発明によると、前記平均演算部は、前記過去の画像データと前記最新フレームの画像データとに異なる重みを付けて演算する重み付き平均により、前記画像データを平均化する機能を有することから、過去の画像データと最新の画像データとの反映割合を調整することができ、断層画像における残像効果の度合を容易に変更することができる。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記画像処理手段は、前記輝度強調処理部が生成した輝度を高めた画像データを使用して前記断層画像を表示するか否かを切り替える切替部をさらに備えていることをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、輝度の変化がある部位を強調した断層画像の表示(輝度強調表示)と、輝度の変化がある部位を強調しない断層画像の表示(通常表示)とを切替部によって容易に切り替えることができる。このため、穿刺針の穿刺時のように穿刺針の動きやその周辺の動き(動脈等の動き)を確認したいときには、通常表示から強調表示に切り替えることで、動きのある部位を確実に見分けることが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項1または2において、前記輝度強調処理部は、前記画像データの輝度の差分値が大きいものほど輝度を高める輝度強調を行うことをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、輝度強調処理部により、画像データの輝度の差分値が大きいものほど輝度を高める輝度強調が行われる。この場合、穿刺針を早く刺すほど先端が明るく表示されるので、その先端に対する注意を促すことができるとともに、先端の位置を確実に把握することができる。また、静脈よりも動脈の輝度が高く表示されるため、動脈と静脈とを容易に判別することができる。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記断層画像の表示領域には、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲が設けられており、前記画像処理手段は、前記画像データの座標情報を取得する座標取得部をさらに備え、前記輝度強調処理部は、前記座標情報により判別される前記強調設定範囲に応じて、前記輝度を高めた画像データを生成することをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、断層画像の表示領域には輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲が設けられている。そして、画像処理手段において、座標取得部により画像データの座標情報が取得され、この座標情報に基づいて強調設定範囲が判別される。その後、輝度強調処理部により、強調設定範囲に応じた輝度強調の度合で輝度を高めた画像データが生成される。具体的には、例えば、穿刺針と生体組織とは反射信号の強度(反射輝度)が異なる。このため、穿刺針が存在しうる強調設定範囲と生体組織のみが存在する強調設定範囲とで輝度強調の度合をそれぞれに合ったものに調整することにより、穿刺針の穿刺に適した断層画像を表示させることが可能となる。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記画像処理手段における前記平均演算部は、前記強調設定範囲に応じて、各画像データの重みを変更して前記断層画像における残像効果の度合を変更する機能を有することをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、平均演算部により、強調設定範囲に応じて各画像データの重みを変更することにより、断層画像における残像効果の度合が変更される。具体的には、例えば、穿刺針が存在しうる強調設定範囲において、過去の画像データの重みを高めて平均化すると、過去の画像が比較的に長い時間残り、残像効果の度合が高くなる。また、穿刺針が存在しない強調設定範囲において、最新の画像データの重みを高めて平均化すると、過去の画像が比較的短い時間で消え、残像効果の度合が低くなる。このようにすると、穿刺針の穿刺に適した断層画像を表示させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記画像処理手段は、前記断層画像における時間的な輝度の相違箇所について、前記輝度の差分値が予め設定された所定の閾値よりも大きい相違箇所を、その周辺箇所とは異なる色で表示する機能を有することをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、断層画像において、穿刺針の針先や動脈の血管壁等の動きが比較的大きく、輝度の変化がある部位を周辺箇所とは異なる色で表示することができるため、針先の位置や血管壁の位置を容易に見分けることができる。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記画像処理手段は、前記断層画像において、前記輝度の差分値が前記所定の閾値を超えた相違箇所について次フレーム以降の画像表示処理にて前記異なる色の画像データを設定することにより、前記相違箇所を前記穿刺針の軌跡として表示する機能を有することをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、断層画像において穿刺針の軌跡を表示することにより、穿刺針の侵入経路が分かり、穿刺針を止めた場合でも、今までにどこまで針を刺したかが分かるため、穿刺針の穿刺をより確実に行うことができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記プローブ本体には、前記被検体の横断面を示す第1断層画像と、前記横断面に交差する方向の縦断面を示す第2断層画像とを取得すべく前記複数の超音波振動子が略T字状となるように配列され、前記画像データを用いて前記第1断層画像と前記第2断層画像とを同一画面上に同時に表示することをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、横断面を示す第1断層画像と縦断面を示す第2断層画像とが同一画面上に同時に表示されるので、各画像を確認しつつ穿刺針の穿刺を迅速かつ確実に行うことができる。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記第1断層画像上に、前記穿刺針の進む方向を示す第1のガイドラインを表示するとともに、前記第2断層画像上に、前記穿刺針の挿入角度での進路を示す第2のガイドラインを表示するガイドライン表示手段をさらに備え、前記第2断層画像において、前記第2のガイドラインの近傍であってそのガイドラインに沿って設定された帯状の近傍領域とその近傍領域の外側に設定された外側領域とが、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲として設定されることをその要旨とする。
従って、請求項に記載の発明によると、第2断層画像において、第2のガイドラインは穿刺針の穿刺ルートを示すものであるが、そのガイドラインの近傍領域とその外側領域とで輝度強調の度合をそれぞれ適した度合に設定することができる。具体的には、例えば、外側領域よりも近傍領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、穿刺針の先端をより強調して表示することができ、穿刺針の先端の位置を正確に把握することができる。また逆に、近傍領域よりも外側領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、外側領域にある血管等の構造体を強調して表示することができ、その位置を正確に把握することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項8または9において、前記穿刺針の挿入角度に基づいて、前記第1断層画像上に前記穿刺針の先端が見え始める位置を予測する位置予測手段をさらに備え、前記第1断層画像において、前記穿刺針の先端が見え始める位置の近傍に設定された枠状の近傍領域とその近傍領域の外側に設定された外側領域とが、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲として設定されることをその要旨とする。
従って、請求項10に記載の発明によると、第1断層画像において、穿刺針の先端が見え始める位置の近傍領域とその外側領域とで輝度強調の度合をそれぞれ適した度合に設定することができる。この場合、請求項11と同様に、外側領域よりも近傍領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、穿刺針をより強調して表示することができ、穿刺針の位置を正確に把握することができる。また逆に、近傍領域よりも外側領域の輝度強調の度合を高めて画像データを生成することにより、外側領域にある血管等を強調して表示することができ、その位置を正確に把握することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置を用い、内部に管状構造体が存在する前記被検体に対して前記穿刺針の穿刺を行うときの超音波画像表示方法において、前記被検体に対して前記超音波プローブを移動させながら前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、穿刺対象となる前記管状構造体を見つける管状構造体検出ステップと、前記管状構造体を見つけた後、前記超音波プローブを停止させて前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、前記管状構造体に対する前記穿刺針の穿刺を行う穿刺ステップとを含むことを特徴とする超音波画像表示方法をその要旨とする。
従って、請求項11に記載の発明によると、管状構造体検出ステップにおいて、被検体の断層画像上に管状構造体が存在する場合、超音波プローブを移動させることで断層画像上にて管状構造体の部分が移動する。ここで、断層画像に表示される管状構造体の部分は周辺部位と比べて硬さが異なり反射波信号の強度(輝度)が異なるため、その管状構造体の部分が移動することにより、管状構造体の部分の輝度が高められて強調された形で断層画像上に表示される。この結果、穿刺対象の管状構造体の位置を素早く見つけることができる。そして、管状構造体を見つけた後に実施される穿刺ステップでは、超音波プローブが停止される。ここで、被検体が生体組織であり管状構造体が血管である場合、穿刺対象の血管は拍動するため、血管壁の部分が強調されて表示される。また、穿刺針の穿刺を行うと、穿刺針の針先が動きのある部位として強調して表示される。この結果、血管や穿刺針の位置がわかり易くなり、血管に対する穿刺針の穿刺を迅速かつ確実に行うことができる。さらに、血管の動脈は静脈と比較して大きく拍動するため、静脈よりも動脈の輝度が高くなり動脈が強調して表示される。このため、従来のカラードプラ法による診断画像を用いなくても、動脈と静脈とを容易に判別することができ、血管の挿し間違いを防止することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項11において、前記画像処理手段は、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合とを、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで同じ度合に設定することをその要旨とする。
従って、請求項12に記載の発明によると、画像処理手段は管状構造体検出ステップと穿刺ステップとで同じ演算処理(重み付け平均等の演算処理)を行えばよいので、演算処理を切り替えるための設定操作が不要となり、装置の操作性が向上する。
請求項13に記載の発明は、請求項11において、前記画像処理手段は、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合との少なくとも一方を、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで異なる度合に設定することをその要旨とする。
従って、請求項13に記載の発明によると、画像処理手段は管状構造体検出ステップと穿刺ステップとで演算処理を切り替えることで、それぞれ適した輝度強調や残像効果を得ることができる。この結果、管状構造体検出ステップでは管状構造体を素早く見つけることができ、穿刺ステップでは、穿刺針の針先の視認性を向上させることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項13において、前記穿刺ステップにおける前記残像効果の度合を前記管状構造体検出ステップにおける前記残像効果の度合よりも高く設定することをその要旨とする。
従って、請求項14に記載の発明によると、穿刺ステップにおいて、穿刺針の針先の画像が比較的長い時間残像として残るため、穿刺針の侵入経路をより確実に把握することができる。
請求項15に記載の発明は、被検体の断層画像を取得すべく超音波をリニア走査するための複数の超音波振動子が配列されたプローブ本体と、前記プローブ本体に固定され、前記断層画像が示す断面に沿って穿刺針を予め設定された所定の角度で前記被検体に挿入するよう前記穿刺針を案内する穿刺ガイド用アタッチメントとを備えた超音波プローブを用い、前記超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで前記反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、前記画像データを用いて前記断層画像を表示する超音波画像表示装置に内蔵されるコンピュータを、前記反射波信号に基づいて、前記断層画像の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの前記断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示するとともに、前記変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する画像処理手段として動作させるためのプログラムを格納した記録媒体をその要旨とする。
従って、請求項15に記載の発明によると、記録媒体に格納されたプログラムに従ってコンピュータを動作させることにより、請求項1に記載の超音波画像表示装置を実現することができる。そして、超音波画像表示装置を用いることにより、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。
以上詳述したように、請求項1〜15に記載の発明によると、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。
本発明は、超音波プローブを用いて被検体の断層画像を表示し、穿刺針の位置を確認しながら穿刺を行うための超音波画像表示装置及びそのためのプログラムを格納した記録媒体に関するものである。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる超音波画像表示装置を提供することにある。さらに、別の目的は、上記超音波画像表示装置に内蔵されるコンピュータを動作させるためのプログラムを格納した記録媒体を提供することにある。
本発明の範囲には属さない参考例に記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置を用い、内部に管状構造体が存在する前記被検体に対して前記穿刺針の穿刺を行うときの超音波画像表示方法において、前記被検体に対して前記超音波プローブを移動させながら前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、穿刺対象となる前記管状構造体を見つける管状構造体検出ステップと、前記管状構造体を見つけた後、前記超音波プローブを停止させて前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、前記管状構造体に対する前記穿刺針の穿刺を行う穿刺ステップとを含むことを特徴とする超音波画像表示方法をその要旨とする。
従って、この発明によると、管状構造体検出ステップにおいて、被検体の断層画像上に管状構造体が存在する場合、超音波プローブを移動させることで断層画像上にて管状構造体の部分が移動する。ここで、断層画像に表示される管状構造体の部分は周辺部位と比べて硬さが異なり反射波信号の強度(輝度)が異なるため、その管状構造体の部分が移動することにより、管状構造体の部分の輝度が高められて強調された形で断層画像上に表示される。この結果、穿刺対象の管状構造体の位置を素早く見つけることができる。そして、管状構造体を見つけた後に実施される穿刺ステップでは、超音波プローブが停止される。ここで、被検体が生体組織であり管状構造体が血管である場合、穿刺対象の血管は拍動するため、血管壁の部分が強調されて表示される。また、穿刺針の穿刺を行うと、穿刺針の針先が動きのある部位として強調して表示される。この結果、血管や穿刺針の位置がわかり易くなり、血管に対する穿刺針の穿刺を迅速かつ確実に行うことができる。さらに、血管の動脈は静脈と比較して大きく拍動するため、静脈よりも動脈の輝度が高くなり動脈が強調して表示される。このため、従来のカラードプラ法による診断画像を用いなくても、動脈と静脈とを容易に判別することができ、血管の挿し間違いを防止することができる。
参考例の発明において、前記画像処理手段は、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合とを、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで同じ度合に設定してもよい。
従って、この発明によると、画像処理手段は管状構造体検出ステップと穿刺ステップとで同じ演算処理(重み付け平均等の演算処理)を行えばよいので、演算処理を切り替えるための設定操作が不要となり、装置の操作性が向上する。
参考例の発明において、前記画像処理手段は、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合との少なくとも一方を、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで異なる度合に設定してもよい。
従って、この発明によると、画像処理手段は管状構造体検出ステップと穿刺ステップとで演算処理を切り替えることで、それぞれ適した輝度強調や残像効果を得ることができる。この結果、管状構造体検出ステップでは管状構造体を素早く見つけることができ、穿刺ステップでは、穿刺針の針先の視認性を向上させることができる。
参考例の発明において、前記穿刺ステップにおける前記残像効果の度合を前記管状構造体検出ステップにおける前記残像効果の度合よりも高く設定してもよい。
従って、この発明によると、穿刺ステップにおいて、穿刺針の針先の画像が比較的長い時間残像として残るため、穿刺針の侵入経路をより確実に把握することができる。
請求項11に記載の発明は、被検体の断層画像を取得すべく超音波をリニア走査するための複数の超音波振動子が配列されたプローブ本体と、前記プローブ本体に固定され、前記断層画像が示す断面に沿って穿刺針を予め設定された所定の角度で前記被検体に挿入するよう前記穿刺針を案内する穿刺ガイド用アタッチメントとを備えた超音波プローブを用い、前記超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで前記反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、前記画像データを用いて前記断層画像を表示する超音波画像表示装置に内蔵されるコンピュータを、前記反射波信号に基づいて、前記断層画像の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの前記断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示するとともに、前記変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する画像処理手段として動作させるためのプログラムを格納した記録媒体をその要旨とする。
従って、請求項11に記載の発明によると、記録媒体に格納されたプログラムに従ってコンピュータを動作させることにより、請求項1に記載の超音波画像表示装置を実現することができる。そして、超音波画像表示装置を用いることにより、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。
以上詳述したように、請求項1〜11に記載の発明によると、比較的簡単な処理にて穿刺針の穿刺を確実に行うことができる。

Claims (17)

  1. 被検体の断層画像を取得すべく超音波をリニア走査するための複数の超音波振動子が配列されたプローブ本体と、前記プローブ本体に固定され、前記断層画像が示す断面に沿って穿刺針を予め設定された所定の角度で前記被検体に挿入するよう前記穿刺針を案内する穿刺ガイド用アタッチメントとを備えた超音波プローブを用い、前記超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで前記反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、前記画像データを用いて前記断層画像を表示する超音波画像表示装置であって、
    前記反射波信号に基づいて、前記断層画像の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの前記断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示するとともに、前記変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する画像処理手段を備えたことを特徴とする超音波画像表示装置。
  2. 前記画像処理手段は、
    過去の画像データを記憶する画像メモリと、
    リアルタイムで取得した最新フレームの画像データと、前記画像メモリから読みだした前記過去の画像データとを用いた演算により複数フレームの画像データを平均化するとともに、その演算結果を前記過去の画像データとして前記画像メモリに出力する平均演算部と、
    前記平均演算部から出力される平均化された画像データと、最新フレームの画像データとを比較して得た時間的な輝度の相違箇所について、輝度を高めた画像データを生成する輝度強調処理部と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像表示装置。
  3. 前記平均演算部は、前記過去の画像データと前記最新フレームの画像データとに異なる重みを付けて演算する重み付き平均により、前記画像データを平均化する機能を有することを特徴とする請求項2に記載の超音波画像表示装置。
  4. 前記画像処理手段は、前記輝度強調処理部が生成した輝度を高めた画像データを使用して前記断層画像を表示するか否かを切り替える切替部をさらに備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の超音波画像表示装置。
  5. 前記輝度強調処理部は、前記画像データの輝度の差分値が大きいものほど輝度を高める輝度強調を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置。
  6. 前記断層画像の表示領域には、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲が設けられており、
    前記画像処理手段は、前記画像データの座標情報を取得する座標取得部をさらに備え、
    前記輝度強調処理部は、前記座標情報により判別される前記強調設定範囲に応じて、前記輝度を高めた画像データを生成する
    ことを特徴とする請求項5に記載の超音波画像表示装置。
  7. 前記画像処理手段における前記平均演算部は、前記強調設定範囲に応じて、各画像データの重みを変更して前記断層画像における残像効果の度合を変更する機能を有することを特徴とする請求項6に記載の超音波画像表示装置。
  8. 前記画像処理手段は、前記断層画像における時間的な輝度の相違箇所について、前記輝度の差分値が予め設定された所定の閾値よりも大きい相違箇所を、その周辺箇所とは異なる色で表示する機能を有することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置。
  9. 前記画像処理手段は、前記断層画像において、前記輝度の差分値が前記所定の閾値を超えた相違箇所について次フレーム以降の画像表示処理にて前記異なる色の画像データを設定することにより、前記相違箇所を前記穿刺針の軌跡として表示する機能を有することを特徴とする請求項8に記載の超音波画像表示装置。
  10. 前記プローブ本体には、前記被検体の横断面を示す第1断層画像と、前記横断面に交差する方向の縦断面を示す第2断層画像とを取得すべく前記複数の超音波振動子が略T字状となるように配列され、
    前記画像データを用いて前記第1断層画像と前記第2断層画像とを同一画面上に同時に表示する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置。
  11. 前記第1断層画像上に、前記穿刺針の進む方向を示す第1のガイドラインを表示するとともに、前記第2断層画像上に、前記穿刺針の挿入角度での進路を示す第2のガイドラインを表示するガイドライン表示手段をさらに備え、
    前記第2断層画像において、前記第2のガイドラインの近傍であってそのガイドラインに沿って設定された帯状の近傍領域とその近傍領域の外側に設定された外側領域とが、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲として設定されることを特徴とする請求項10に記載の超音波画像表示装置。
  12. 前記穿刺針の挿入角度に基づいて、前記第1断層画像上に前記穿刺針の先端が見え始める位置を予測する位置予測手段をさらに備え、
    前記第1断層画像において、前記穿刺針の先端が見え始める位置の近傍に設定された枠状の近傍領域とその近傍領域の外側に設定された外側領域とが、前記輝度強調の度合が異なる複数の強調設定範囲として設定される
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の超音波画像表示装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の超音波画像表示装置を用い、内部に管状構造体が存在する前記被検体に対して前記穿刺針の穿刺を行うときの超音波画像表示方法において、
    前記被検体に対して前記超音波プローブを移動させながら前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、穿刺対象となる前記管状構造体を見つける管状構造体検出ステップと、
    前記管状構造体を見つけた後、前記超音波プローブを停止させて前記超音波を送受信し、前記超音波画像表示装置に前記断層画像を表示して、前記管状構造体に対する前記穿刺針の穿刺を行う穿刺ステップと
    を含むことを特徴とする超音波画像表示方法。
  14. 前記画像処理手段において、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合とを、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで同じ度合に設定することを特徴とする請求項13に記載の超音波画像表示方法。
  15. 前記画像処理手段において、前記輝度の差分値に応じた前記輝度強調の度合と、時間経過に応じた前記残像効果の度合との少なくとも一方を、前記管状構造体検出ステップと前記穿刺ステップとで異なる度合に設定することを特徴とする請求項13に記載の超音波画像表示方法。
  16. 前記穿刺ステップにおける前記残像効果の度合を前記管状構造体検出ステップにおける前記残像効果の度合よりも高く設定することを特徴とする請求項15に記載の超音波画像表示方法。
  17. 被検体の断層画像を取得すべく超音波をリニア走査するための複数の超音波振動子が配列されたプローブ本体と、前記プローブ本体に固定され、前記断層画像が示す断面に沿って穿刺針を予め設定された所定の角度で前記被検体に挿入するよう前記穿刺針を案内する穿刺ガイド用アタッチメントとを備えた超音波プローブを用い、前記超音波を送受信して得た反射波信号に基づいて、輝度変調処理を行うことで前記反射波信号の信号強度に応じた輝度の画像データを生成するとともに、前記画像データを用いて前記断層画像を表示する超音波画像表示装置に内蔵されるコンピュータを、
    前記反射波信号に基づいて、前記断層画像の画像データを時間的な間隔をおいて複数フレーム取得し、複数フレームの前記断層画像について変化があった部位の輝度を高めて表示するとともに、前記変化があった部位の画像の残像効果を強調して表示する画像処理手段として動作させるためのプログラムを格納した記録媒体。
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