JPWO2017126517A1 - 無線基地局及び通信制御方法 - Google Patents

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Abstract

MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザ装置に対する適切な送信電力制御を実現し得る無線基地局及び通信制御方法を提供する。本発明に係る通信制御方法は、張出装置260と中央集約装置210とを含み、ユーザ装置300と無線通信を実行する無線基地局200において実行される。当該通信方法は、張出装置260が、ユーザ装置300からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得するステップと、張出装置260が、取得した所定情報を中央集約装置210に送信するステップと、中央集約装置210が、所定情報を受信するステップと、中央集約装置210が、受信した所定情報に基づいて、送信電力制御をユーザ装置300に実行させるTPC情報を演算するステップとを含む。

Description

本発明は、張出装置と中央集約装置とを含み、ユーザ装置と無線通信を実行する無線基地局及び通信制御方法に関する。
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、Long Term Evolution(LTE)の更なる高速化を目的としてLTE-Advanced(以下、LTE-Advancedを含めてLTEという)を仕様化している。また、3GPPでは、さらに、5G(5th generation mobile communication system)などと呼ばれるLTEの後継システムの仕様が検討されている。
LTEでは、MAC層におけるスケジューラ機能(MACスケジューラ)などを有する中央集約装置と、中央集約装置の設置場所から張り出して遠隔に配置する張出装置とを含む、いわゆるC-RAN型の無線基地局が用いられている。張出装置は、PA(Power Amplifier)/LNA(Low Noise Amplifier)、無線送受信モジュール及び変復調モジュールなどの無線部(RF部)を備える。
また、中央集約装置と張出装置とは、フロントホールと呼ばれる有線伝送路で接続される。このような中央集約装置と張出装置とのインタフェースとしては、例えば、Common Public Radio Interface(CPRI)が知られている。
ところで、上述した5Gの仕様検討に際して、これまで中央集約装置に実装されていた無線物理レイヤ(レイヤ1)の機能を張出装置に実装することが提唱されている(例えば、非特許文献1)。このような実装によれば、フロントホールの所要伝送帯域を削減することができる。
3GPP RWS-150051(3GPP RAN workshop on 5G), "5G Vision for 2020 and Beyond"、3GPP、2015年9月
上述したように、これまで中央集約装置に実装されていた無線物理レイヤの機能を張出装置に実装した場合、次のような問題がある。すなわち、MACスケジューラなどの上位レイヤ(レイヤ2など)の機能は、これまでどおり中央集約装置に実装される。このため、例えば、MACスケジューラが、ユーザ装置(無線通信端末または移動局ともいう)への適切な無線リソースの割り当てを実現するためには、当該ユーザ装置の上り信号の送信電力制御を実行する無線物理レイヤとの連携が不可欠である。
しかしながら、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能が、これまでどおり中央集約装置に実装され、無線物理レイヤの機能が張出装置に分離して実装された場合、無線物理レイヤと、無線物理レイヤの上位レイヤとの連携が困難となる。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザ装置に対する適切な送信電力制御を実現し得る無線基地局及び通信制御方法の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る無線基地局は、張出装置と中央集約装置とを含み、ユーザ装置と無線通信を実行する。前記張出装置は、前記ユーザ装置からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記所定情報を前記中央集約装置に送信する情報送信部とを備える。
前記中央集約装置は、前記所定情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部が受信した前記所定情報に基づいて、前記送信電力制御を前記ユーザ装置に実行させる制御情報を演算する制御情報演算部とを備える。
本発明の他の一態様に係る無線基地局は、張出装置と中央集約装置とを含み、ユーザ装置と無線通信を実行する。前記張出装置は、前記ユーザ装置からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記所定情報に基づいて、前記送信電力制御を前記ユーザ装置に実行させる制御情報を演算する制御情報演算部と、前記制御情報演算部が演算した前記制御情報を前記中央集約装置に送信する情報送信部とを備える。前記中央集約装置は、前記制御情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部が受信した前記制御情報に基づいて、前記ユーザ装置との無線通信における所定処理を実行する処理実行部とを備える。
図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。 図2は、無線通信システム10の全体ブロック構成図である。 図3は、中央集約装置210の機能ブロック構成図である。 図4は、張出装置260の機能ブロック構成図である。 図5は、中央集約装置210、張出装置260及びユーザ装置300における送信電力制御(TPC)の概念図である。 図6は、第1実施形態に係る送信電力制御シーケンスを示す図である。 図7は、中央集約装置210Aの機能ブロック構成図である。 図8は、張出装置260Aの機能ブロック構成図である。 図9は、第2実施形態に係る送信電力制御(TPC)の概念図である。 図10は、第2実施形態に係る送信電力制御シーケンスを示す図である。 図11は、中央集約装置及び張出装置が備え得るプロトコルスタックの具体例を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
[第1実施形態]
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、Long Term Evolution(LTE)、及びLTEの後継システムである5Gに従った無線通信システムである。
なお、本実施形態では、5Gと対応させる観点から、LTE(LTE-Advancedを含む)を適宜「4G」と称呼する。また、本実施形態では、5Gが導入された直後における無線通信システムの構成を想定しており、5Gが4Gを補完するLTE assisted operationを実現する。
無線通信システム10は、コアネットワーク20、無線基地局100、無線基地局200及びユーザ装置300を含む。
コアネットワーク20は、Evolved Packet Core(EPC)とも呼ばれ、移動管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(S-GW)及びPDNゲートウェイ(P-GW)などによって構成される。
無線基地局100は、4Gに従った無線基地局であり、eNodeBとも呼ばれている。無線基地局100は、S1-MMEまたはS1-Uインタフェースを介してコアネットワーク20を構成する装置(ノード)と接続される。
無線基地局200は、5Gに従った無線基地局である。無線基地局200は、X2インタフェース(ここでは、便宜的に、X2-AP’, X2-U’と呼ぶ)を介して無線基地局100と接続される。
ユーザ装置300は、無線基地局100及び無線基地局200と無線通信を実行することができる。ユーザ装置300は、無線通信端末、或いは移動局と呼ばれてもよい。無線基地局200及びユーザ装置300は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いビームを生成するMassive MIMO、複数のコンポーネントキャリア(CC)を用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及び複数の無線基地局とユーザ装置300との間においてコンポーネントキャリアを同時送信するデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
図2は、無線通信システム10の全体ブロック構成図である。図2に示すように、無線基地局100は、中央集約装置110及び張出装置160によって構成される。同様に、無線基地局200は、中央集約装置210及び張出装置260によって構成される。なお、無線基地局100及び無線基地局200は、中央集約装置及び張出装置以外の他の装置を含んでもよい。
中央集約装置110は、無線物理レイヤ(L1)、ミディアムアクセス制御レイヤ(MAC)、無線リンク制御レイヤ(RLC)、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコルレイヤ(PDCP)を有する。また、中央集約装置110は、PDCPの上位レイヤとして、無線リソース制御レイヤ(RRC)を有する。
張出装置160は、中央集約装置110の設置場所から張り出して遠隔に配置することができる。張出装置160は、PA(Power Amplifier)/LNA(Low Noise Amplifier)、無線送受信モジュール及び変復調モジュールなどの無線部(RF)を有する。
中央集約装置110は、デジタル処理部(Digital Unit(DU))とも呼ばれ、張出装置160は、無線処理部(Radio Unit(RU))とも呼ばれる。中央集約装置110と張出装置160とは、フロントホールと呼ばれる有線伝送路で接続される。このような中央集約装置110と張出装置160とのインタフェースとしては、例えば、Common Public Radio Interface(CPRI)が用いられる。
中央集約装置210及び張出装置260は、上述した中央集約装置110及び張出装置160にそれぞれ対応するが、レイヤ構成が異なっている。
具体的には、中央集約装置210は、ミディアムアクセス制御レイヤ(MAC)及び無線リンク制御レイヤ(RLC)を有する。張出装置260は、無線物理レイヤ(L1)及び無線部(RF)を有する。
なお、上述したように、中央集約装置210は、X2-AP’, X2-U’インタフェースを介して中央集約装置110と接続される。
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、中央集約装置210及び張出装置260の機能ブロック構成について説明する。
(2.1)中央集約装置210
図3は、中央集約装置210の機能ブロック構成図である。図3に示すように、中央集約装置210は、情報受信部211、TPC情報演算部213、UL Grant生成部215、情報送信部217、スケジューラ機能部219及びX2 IF部221を備える。
なお、図3に示すように、中央集約装置210の各機能ブロックは、プロセッサ(メモリを含む)、機能モジュール(外部接続IFなど)、及び電源などのハードウェア要素によって実現される。
情報受信部211は、張出装置260から送信された情報を受信する。具体的には、情報受信部211は、ユーザ装置300から送信される上り信号の送信電力制御(TPC)に必要な情報(以下、所定情報)を受信する。なお、所定情報の内容については、後述する。
TPC情報演算部213は、情報受信部211が受信した当該所定情報に基づいて、送信電力制御をユーザ装置300に実行させる制御情報を演算する。本実施形態において、TPC情報演算部213は、制御情報演算部を構成する。
具体的には、TPC情報演算部213は、当該所定情報に基づいて、ユーザ装置300からの上り信号の送信電力を上昇(up)または低下(down)させるかを演算し、送信電力を上昇させる制御情報、または送信電力を低下させる制御情報を生成する。
UL Grant生成部215は、ユーザ装置300から無線基地局200への上りリンク用の無線リソース(各種チャネルなど)のスケジューリング情報であるUL Grantを生成する。具体的には、UL Grant生成部215は、スケジューラ機能部219からの指示に基づいてUL Grantを生成する。
情報送信部217は、UL Grantを含む情報などを張出装置260に送信する。
スケジューラ機能部219は、無線基地局200と接続されている複数のユーザ装置300の状況、及びそれぞれのユーザ装置300からの要求などに応じて、無線リソースのユーザ装置300へのスケジューリング(割り当て)を実行する。また、スケジューラ機能部219は、TPC情報演算部213によって演算されたTPC情報を次回の無線リソースのスケジューリングに利用する。
具体的には、スケジューラ機能部219は、送受信データを有するユーザ装置300に対して共有データチャネル上の無線リソース(送信帯域幅や送信電力など)の割り当てを実行する。
X2 IF部221は、中央集約装置110との通信を実現するためのインタフェースを提供する。具体的には、X2 IF部221は、中央集約装置110と中央集約装置210とをMAC及びRLCを用いて直接接続するインタフェースであり、既存のオープンインタフェースであることが好ましい。ユーザ装置300の送受信データは、X2 IF部221を介して無線基地局100と中継される。
(2.2)張出装置260
図4は、張出装置260の機能ブロック構成図である。図4に示すように、張出装置260は、無線通信部261、通信設定部263、情報取得部265、情報送信部267、情報受信部269及びUL Grant処理部271を備える。
なお、図4に示すように、張出装置260の各機能ブロックは、デュープレクサ、PA(Power Amplifier)/LNA(Low Noise Amplifier)、無線送受信モジュール(RF変換)、機能モジュール(直交変復調など)、及び電源などのハードウェア要素によって実現される。
無線通信部261は、ユーザ装置300との無線通信を実行する。具体的には、無線通信部261は、5Gの仕様に従ってユーザ装置300との無線通信を実行する。上述したように、無線通信部261は、Massive MIMO、キャリアアグリゲーション(CA)、及びデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
通信設定部263は、ユーザ装置300との無線通信に先立って、ユーザ装置300が送信する上り信号を受信するために必要な情報(例えば、周波数、帯域幅及びセルIDなど)を予め設定する。
情報取得部265は、ユーザ装置300からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得する。なお、上述したように、所定情報の内容については、後述する。
情報送信部267は、情報取得部265が取得した当該所定情報を中央集約装置210に送信する。また、情報受信部269は、中央集約装置210から送信された情報を受信する。具体的には、情報受信部269は、中央集約装置210から送信されるUL Grantを含む情報などを受信する。
UL Grant処理部271は、情報受信部269が受信したUL Grantを含む情報に基づいてUL Grantをユーザ装置300に送信する。具体的には、UL Grant処理部271は、上りリンク用の無線リソース(各種チャネルなど)のスケジューリング情報であるUL Grantを所定のチャネル(例えば、Physical Downlink Control Channel(PDCCH))を用いてユーザ装置300に通知する。
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、無線基地局200によるユーザ装置300からの上り信号の送信電力制御について説明する。
(3.1)概略動作
図5は、中央集約装置210、張出装置260及びユーザ装置300における送信電力制御(TPC)の概念図である。図6は、本実施形態に係る送信電力制御シーケンスを示す。
図5に示すように、本実施形態では、中央集約装置210がTPC情報を演算する。具体的には、中央集約装置210は、張出装置260が取得したTPCに関連する情報(取得情報)に基づいて、ユーザ装置300からの上り信号の送信電力を上昇(up)または低下(down)させるかを演算する。
具体的には、図6に示すように、張出装置260は、ユーザ装置300(UE)用の受信設定(以下、「制御1」)を実行する(S10)。張出装置260は、ユーザ装置300が送信する上り信号を受信するために必要な情報(例えば、周波数、帯域幅及びセルIDなど)を予め設定する。
また、中央集約装置210は、TPC情報、具体的には、送信電力を上昇させる制御情報、または送信電力を低下させる制御情報を含むUL Grantを生成(以下、「制御2」)する(S20)。より具体的には、スケジューラ機能部219(UL MACスケジューラ)は、ユーザ装置300に割り当てる無線リソースを決定し、TPC情報を含むUL Grantを生成する。
次いで、中央集約装置210は、生成したUL Grantを含む情報を張出装置260に送信(以下、「制御3」)する(S30)。
張出装置260は、中央集約装置210から受信したUL Grantを含む情報に基づいて、当該UL Grant、つまり、スケジューリング情報をユーザ装置300に送信(以下、「制御4」)する(S40)。
ユーザ装置300は、受信したUL Grantに基づいて、上り信号(無線信号)を所定の送信電力で送信する(S50)。
張出装置260は、ユーザ装置300から送信された上り信号の状態に基づいて、TPC情報の演算に必要な情報を取得(以下、「制御5」)する(S60)。
張出装置260は、取得した当該情報を中央集約装置210に送信(以下、「制御6」)する(S70)。
中央集約装置210は、張出装置260から受信した当該情報に基づいて、TPC情報、つまり、送信電力を上昇させる制御情報、または送信電力を低下させる制御情報を演算(以下、「制御7」)する(S80)。また、中央集約装置210は、当該TPC情報を次回の無線リソースのスケジューリングに利用する。
(3.2)具体的動作(制御)
次に、上述した「制御1」〜「制御7」の具体的な内容について詳述する。
(3.2.1)制御1
制御1では、張出装置260が、ユーザ装置300が送信する信号を受信可能とするために必要な情報を予め設定(Configure/Setup)する。
当該必要な情報のうち、定常的な情報(例えば、周波数、帯域幅及びセルIDなど)は、セルのセットアップ時に中央集約装置210からの情報を基づいて設定される。
また、動的に変化する情報(例えば、報知情報に関する情報など)については、Semi Staticに設定、つまり、中央集約装置210からの情報受信に応じて設定してもよい。
(3.2.2)制御2
制御2では、中央集約装置210(UL MACスケジューラ)が、ユーザ装置300に割り当てる無線リソースを決定し、TPC情報を含むUL Grantを生成する。
具体的には、初回の送信時のTPC情報は、外部I/Fにより設定されている値が用いられる。また、中央集約装置210は、ユーザ装置300との無線通信により、一度TPC情報を演算した場合、次回以降のUL Grant生成時に当該TPC情報を反映させる。
(3.2.3)制御3
制御3では、中央集約装置210が、生成したUL Grantを含む情報を張出装置260に送信する。
具体的には、中央集約装置210がユーザ装置300からの受信信号を一意に特定するため、UL Grantには、ユーザ装置300がデータを送信するための情報の他に、タイムスタンプ(例えば、System Frame Number)と、ユーザ識別子(例えば、Cell-Radio. Network Temporary Identifier(C-RNTI))が付与される。
(3.2.4)制御4
制御4では、張出装置260が、中央集約装置210から受信したUL Grantを含む情報に基づいて、当該UL Grant、つまり、スケジューリング情報をユーザ装置300に送信する。
具体的には、張出装置260は、ユーザ装置300が送信した信号を受信するため、以下の情報をUL Grantから抽出し、保持する。
・ 制御3において中央集約装置210が付与したタイムスタンプ情報
・ 制御3において中央集約装置210が付与したユーザ識別子
・ ユーザ装置300が送信する周波数帯域(例えば、リソースブロック番号)
(3.2.5)制御5
制御5では、張出装置260が、ユーザ装置300から送信された上り信号の状態に基づいて、TPC情報の演算に必要な情報(所定情報)を取得する。
具体的には、張出装置260は、次の処理を実行する。
・ 制御4において保持したタイムスタンプ情報及びユーザ識別子に基づいて、当該UEが送信した信号である(もしくは受信契機である)か否かを判定する。
・ 受信信号の品質推定(例えば、SIR推定)を実行する。
・ 受信信号の品質推定値を保持する。
(3.2.6)制御6
制御6では、張出装置260が、TPC情報の演算に必要な情報(所定情報)を中央集約装置210に送信する。
具体的には、張出装置260は、次の情報を中央集約装置210に送信する。
・ 受信信号の品質推定値(品質情報)
このとき、品質推定値には、タイムスタンプ情報及びユーザ識別子が付与される。中央集約装置210が、MACスケジューラにて割り当てた信号のうち、当該品質情報が何れの信号に対応するかを一意に特定するためである。なお、品質情報は、受信信号(Physical Uplink Control. Channel(PUCCH)、Physical Uplink Shared Channel(PUSCH)、Sounding Reference Signal(SRS), Random Access Channel(RACH)Message 3)と合わせて送信されてもよい。
・ Power Head Room(PHR)(ユーザ装置300がPHRも送信している場合)
・ 張出装置260が測定した干渉電力
・ 無線アクセス技術(RAT)情報(4G、5G及びLicensed Assisted Access(LAA)が混在する運用を想定)
また、当該品質情報の送信内容は、次のとおりである。
・ 周波数帯域全体の品質情報(更新されていない部分も含む)
・ 新規受信によって更新される品質情報のみ
当該品質情報の送信フォーマットは、次のとおりである。
・ 品質情報の値(加工していない直接値)
・ 品質情報の値を量子化した値
・張出装置260が保持している品質情報と、新規受信により更新される品質情報との差分値
・ 張出装置260が保持している品質情報と、新規受信により更新される品質情報との差分を量子化した値
また、PHRの送信は、以下の何れの方法でもよい。
・ MAC CE(Control Element)そのものを送信する。
・ MAC CEの一部内容を抽出し、転送が必要とされる情報のみをフロントホールのフレームプロトコルに従って転送する。
・ MAC CEの内容から抽出される情報を送信する。具体的には、ユーザ装置300〜無線基地局200間のパスロス、各CCのアクティベーション状態(Ciフィールドで判定)、各CCにおけるP-MPR(Maximum Power Reduction)バックオフ推定値、及び各CCにおける上りリンクの送信状態(Vフィールドで判定)である。なお、これらの情報全てを送信しなくてもよく、一部の情報のみを送信してもよい。
(3.2.7)制御7
制御7では、中央集約装置210は、張出装置260から受信した当該情報に基づいてTPC情報を演算する。
具体的には、中央集約装置210は、次の処理を実行する。
・ タイムスタンプ情報及びユーザ識別子に基づいて、当該UEの受信品質が張出装置260から送信されたと判定する。
・ 受信した品質情報と、保持している目標受信品質(例えばTarget SIR)とに基づいて、当該UEに対するTPC情報(例えば、TPC Command)を演算する。
なお、対象信号がSRSである場合、中央集約装置210は、当該UEのPUSCH/SRSの送信電力オフセットを考慮してTPC情報を演算することが望ましい。また、対象信号がPUCCHである場合、当該UEが送信するChannel Quality Indicator(CQI)ビット数に応じた送信電力オフセットを考慮してTPC情報を演算することが望ましい。
さらに、正(電力上昇)のTPC Commandを指示することによって、当該UEの最大送信電力を超える場合、中央集約装置210は、このようなTPC情報の送信を抑止してもよい。また、負(電力低下)のTPC Commandを指示することによって、当該UEに期待する最小送信電力を下回る場合、中央集約装置210は、このようなTPC情報の送信を抑止してもよい。
・ チャネル単位(PUSCH, PUCCH, SRS, RACH(Message3))、張出装置(RU)単位またはユーザ単位で目標受信品質を管理する。
また、中央集約装置210を、以下の一連の処理によって目標受信品質を動的に制御してもよい。
・ 当該UEのPHR情報が張出装置260から送信される。
・ PHR情報及び当該UEに関する送信に必要な情報(例えば、リソースブロック数)に基づいてパスロスを算出する。
・ 算出したパスロス値、及び張出装置260が測定した干渉電力値に基づいて目標受信品質を動的に変更する。
なお、中央集約装置210は、パスロス値、干渉電力値及び目標受信品質の組み合わせをテーブルとして管理してもよい。
上述した制御7における処理は、ユーザ識別子に基づいてユーザ(ユーザ装置300)毎に実行される。また、中央集約装置210は、当該TPC情報を次回の無線リソースのスケジューリング、つまり、UL Grantの生成に利用する。
(3.3)変形例
次に、上述した制御1〜制御7における処理の変形例について説明する。
(3.3.1)制御2について
制御2におけるUL Grantの生成は、中央集約装置210ではなく張出装置260が実行してもよい。この場合、中央集約装置210は、次の情報を張出装置260に送信する。
・ キャリア識別子(Carrier Indicator)
・ 周波数ホッピング情報
・ PUSCH, PUCCH, RACH Message 3割り当ての周波数位置
・ PUSCH, PUCCH, RACH Message 3のデータ
・ TPC情報
・ Modulation and Coding Scheme(MCS)、変調方式
・ Redundancy Version(RV)
・ Demodulation Reference Signal(DMRS)のためのサイクリック・シフト情報
・ CSI要求情報
・ SRS要求情報
なお、上述の情報については、3GPP TS36.212 Clause 5.3.3.1.1に記載のDCI format 0相当の情報でもよい。
・ ユーザ識別子
・ タイムスタンプ情報
(3.3.2)目標受信品質の動的制御
目標受信品質の動的制御は、中央集約装置210でなく、張出装置260が実行してもよい。この場合、中央集約装置210は、さらに次の情報を張出装置260に送信する。
・ 最大送信電力
・ 当該UEが報告するPHRに対応する上り信号送信帯域
・ 上り信号送信のための送信電力オフセット
・ 変調方式と符号化率に基づく送信電力オフセット
・ TPC情報の累積値
また、張出装置260は、さらに次の情報を中央集約装置210に送信する。
・ 目標受信品質(例えばTarget SIR情報)
張出装置260は、中央集約装置210から予め送信されている情報と、当該UEが送信するPHRの情報とに基づいて、パスロスを算出する。張出装置260は、算出したパスロス値に基づいて最適な目標受信品質(例えばTarget SIRなど)を算出し、中央集約装置210に当該目標受信品質を送信する。
目標受信品質の送信フォーマットとしては、パスロスの実値を送信する形態、または予め準備されている目標受信品質のインデックスに基づいて、パスロスの実値と対応するインデックスを送信する形態の何れでもよい。
(3.3.3)RACH Message 3のTPC情報について
固定的なTPC情報を行う場合、外部インタフェースによりTPC Command(上昇または低下)が決定されてもよい。つまり、中央集約装置210〜張出装置260間では、TPC情報の演算に必要な情報を送受信しなくてもよい。
外部インタフェースを介してTPC Commandが入力される場合、中央集約装置210は、インデックスと、TPC Commandとを関連付けるテーブルを用いてもよい。
(3.3.4)TPC情報の複数UEへの通知方法について
UL Grantを用いてユーザ(ユーザ装置300)個別に通知されるTPC情報は、複数UEのTPC情報を一つの情報に纏めて送信してもよい。これは、3GPP TS36.212 Clause 5.3.3.1.6(DCI format 3)、及び同5.3.3.1.7(DCI format 3A)に相当する動作を想定している。
(3.3.5)UEが複数の張出装置260に接続している場合
当該UEが接続している複数の張出装置260との無線信号の品質情報は、中央集約装置210において終端される、つまり、取得可能なため、中央集約装置210は、当該複数の品質情報に基づいて、当該UEに最適なTPC情報を演算する。
また、張出装置260から中央集約装置210にPHRが送信されるため、中央集約装置210は、それぞれの張出装置260における最大送信電力を考慮したTPC情報を演算することができる。
なお、cross carrier schedulingによって、UL Grantを送信する張出装置260(RU#1とする)と、UEが送信する信号を受信する張出装置260(RU#2とする)が異なる場合、上述した制御3〜制御7は、RU#2においても実行される。このような処理は、上りリンクにおけるCA(UL CA)などの動作を想定している。
(3.3.6)その他
上述した制御は、PUSCHだけでなく、PUCCH及びSRSにも適用し得る。この場合、UL Grantではなく、RRC setup情報を用いることが考えられる。
また、ユーザ識別子については、次の識別子を用いることによって、複数のユーザ(ユーザ装置300)を一つの識別子に基づいて制御してもよい。
・ 複数ユーザをグルーピングしたユーザグループの識別子
・ ユーザ装置の種別(オペレーティングシステムなど)毎の識別子
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、中央集約装置210は、ユーザ装置300からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報(受信信号の品質推定値、PHRなど)を張出装置260から受信し、当該所定情報に基づいて、送信電力制御をユーザ装置300に実行させるTPC情報(制御情報)を演算する。
このため、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが、中央集約装置210と張出装置260とに分離して実装された場合でも、中央集約装置210は、当該送信電力制御に必要な情報を確実に認識することができる。これにより、このように当該機能が中央集約装置210と張出装置260とに分離して実装された場合でも、ユーザ装置300に対する適切な送信電力制御を実現し得る。
さらに、本実施形態によれば、中央集約装置210が当該送信電力制御に必要な情報を確実に認識することができるため、当該情報に基づいて、ユーザ装置300への適切な無線リソースの割り当ても可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、中央集約装置210がTPC情報を演算していたが、本実施形態では、張出装置260がTPC情報を演算し、演算したTPC情報を中央集約装置210に通知する。
以下、上述した第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分については、適宜説明を省略する。
(1)無線通信システムの機能ブロック構成
図7は、本実施形態に係る中央集約装置210Aの機能ブロック構成図である。第1実施形態に係る中央集約装置210(図3参照)と比較すると、中央集約装置210Aは、TPC情報演算部213を備えていない。
また、本実施形態では、情報受信部211は、送信電力制御をユーザ装置に実行させる制御情報、つまり、TPC情報を張出装置260から受信する。
さらに、本実施形態では、スケジューラ機能部219(MACスケジューラ)は、情報受信部211が受信したTPC情報に基づいて、ユーザ装置300との無線通信における所定処理を実行する。本実施形態において、スケジューラ機能部219は、処理実行部を構成する。
具体的には、スケジューラ機能部219は、張出装置260から受信したTPC情報を次回の無線リソースのスケジューリングに利用する。
図8は、本実施形態に係る張出装置260Aの機能ブロック構成図である。第1実施形態に係る張出装置260(図4参照)と比較すると、張出装置260Aは、さらに、TPC情報演算部273を備える。
また、本実施形態に係る情報取得部265は、ユーザ装置300からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報、具体的には、第1実施形態と同様に、受信信号の品質推定値、PHRなどを取得する。
TPC情報演算部273は、情報取得部265が取得した当該所定情報に基づいて、送信電力制御をユーザ装置に実行させる制御情報(TPC情報)を演算する。本実施形態において、TPC情報演算部273は、制御情報演算部を構成する。
また、本実施形態に係る情報送信部267は、TPC情報演算部273が演算したTPC情報を中央集約装置210Aに送信する。
(2)無線通信システムの動作
次に、本実施形態に係る無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、第1実施形態と同様に、無線基地局200Aによるユーザ装置300からの上り信号の送信電力制御について説明する。
(2.1)概略動作
図9は、本実施形態に係る送信電力制御(TPC)の概念図である。図9は、図5と対応しているが、無線基地局200Aを構成する張出装置260AがTPC情報を演算し、演算したTPC情報が中央集約装置210Aに送信される点において、第1実施形態と異なっている。
図10は、本実施形態に係る送信電力制御シーケンスを示す。図10は、図6と対応しているが、ステップS60AのS70A及びS80Aの内容が第1実施形態と異なっている。
具体的には、張出装置260Aは、TPC情報の演算に必要な情報を取得し、取得した当該情報に基づいて、TPC情報、つまり、送信電力を上昇させる制御情報、または送信電力を低下させる制御情報を演算(以下、「制御5」)する(S60A)。
張出装置260Aは、演算したTPC情報を中央集約装置210Aに送信(以下、「制御6」)する(S70A)。
中央集約装置210Aは、張出装置260AからTPC情報を取得し、取得したTPC情報いに基づく処理を実行(以下、「制御7」)する(S80A)。具体的には、中央集約装置210Aは、張出装置260Aから受信したTPC情報を次回の無線リソースのスケジューリングに利用する。
(2.2)具体的動作(制御)
次に、図10に示した「制御1」〜「制御7」の具体的な内容について詳述する。
(2.2.1)制御1
制御1では、第1実施形態と同様に、張出装置260Aが、ユーザ装置300が送信する信号を受信可能とするために必要な情報を予め設定(Configure/Setup)する。但し、第1実施形態の制御1において設定される情報に追加して、以下の情報も設定される。
・ 目標受信品質(動的制御によって目標受信品質が変化することが想定されるため)
・ CQIビット数
・ SRSとPUSCHとにおけるUE送信電力のオフセット
・ UEの最大送信電力
・ UEに期待する送信電力の下限値
なお、上述した情報のうち、変化する可能性がある情報(Semi Staticに変化する情報)については、中央集約装置210Aから随時更新された情報を送信してもよい。
(2.2.2)制御5
まず、制御2〜制御4については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
制御5では、張出装置260AがTPC情報を演算する。具体的には、張出装置260Aは、次の処理を実行する。
・ 制御4において保持したタイムスタンプ情報及びユーザ識別子に基づいて、当該UEが送信した信号である(もしくは受信契機である)か否かを判定する
・ 受信信号の品質推定(例えば、SIR推定)を実行する。
・ 受信した品質情報と、保持している目標受信品質(例えばTarget SIR)とに基づいて、当該UEに対するTPC情報(例えば、TPC Command)を演算する。
なお、対象信号がSRSである場合、張出装置260Aは、当該UEのPUSCH/SRSの送信電力オフセットを考慮してTPC情報を演算することが望ましい。また、対象信号がPUCCHである場合、当該UEが送信するCQIビット数に応じた送信電力オフセットを考慮してTPC情報を演算することが望ましい。
さらに、正(電力上昇)のTPC Commandを指示することによって、当該UEの最大送信電力を超える場合、張出装置260Aは、このようなTPC情報の送信を抑止してもよい。また、負(電力低下)のTPC Commandを指示することによって、当該UEに期待する最小送信電力を下回る場合、張出装置260Aは、このようなTPC情報の送信を抑止してもよい。
・ チャネル単位(PUSCH, PUCCH, SRS, RACH(Message3))、張出装置(RU)単位またはユーザ単位で目標受信品質を管理する。
また、張出装置260Aを、以下の一連の処理によって目標受信品質を動的に制御してもよい。
・ PHR情報及び当該UEに関する送信に必要な情報(例えば、リソースブロック数)に基づいてパスロスを算出する。
・ 算出したパスロス値、及び測定した干渉電力値に基づいて目標受信品質を動的に変更する。
なお、張出装置260Aは、ユーザ識別子に基づいて、上述した処理をユーザ(ユーザ装置300)毎に実行する。また、張出装置260Aは、ユーザ装置300からの受信信号の品質推定値を保持する。
(2.2.3)制御6
制御6では、張出装置260Aは、演算したTPC情報を中央集約装置210Aに送信する。演算したTPC情報の送信は、以下の何れの方法でもよい。
・ TPC情報を演算する毎に送信する。
・ UEの送信電力を変更する値が算出された時のみ、当該TPC情報を送信する。
・ 前回のTPC情報の一定時間が経過した場合に、最新のTPC情報を送信する。
なお、TPC情報の送信フォーマットとしては、TPC情報の実値(TPC Commandによる増加または低下)を送信する形態、または予め準備されているTPC情報のインデックスに基づいて、TPC情報の実値と対応するインデックスを送信する形態、またはTPC情報の累積値(複数のTPC Commandによる増減の累積)を送信する形態の何れでもよい。
また、TPC情報には、タイムスタンプ情報及びユーザ識別子が付与される。なお、TPC情報は、受信信号(PUCCH、PUSCH、SRS、RACH Message 3)と合わせて送信されてもよい。さらに、無線アクセス技術(RAT)情報が合わせて送信されてもよい(4G、5G及びLicensed Assisted Access(LAA)が混在する運用を想定)。
張出装置260Aは、制御5において受信信号の品質推定の結果に基づく品質情報を中央集約装置210Aに送信する。中央集約装置210AにおけるAMC(Adaptive Modulation and Coding)制御に利用するためである。
また、当該品質情報の送信内容は、次のとおりである。
・ 周波数帯域全体の品質情報(更新されていない部分も含む)
・ 新規受信によって更新される品質情報のみ
当該品質情報の送信フォーマットは、次のとおりである。
・ 品質情報の値(加工していない直接値)
・ 品質情報の値を量子化した値
・ 張出装置260Aが保持している品質情報と、新規受信により更新される品質情報との差分を量子化した値
(2.2.4)制御7
制御7では、中央集約装置210Aは、張出装置260AからTPC情報を取得し、取得したTPC情報いに基づく処理を実行する。具体的には、中央集約装置210Aは、張出装置260Aから取得したTPC情報を次回の無線リソースのスケジューリング、つまり、MACスケジューラの動作に利用する。
より具体的には、中央集約装置210Aは、次回以降のUL Grant生成時に、張出装置260Aから取得したTPC情報を反映する。また、この際、中央集約装置210Aは、タイムスタンプ情報及びユーザ識別子に基づいて、対象となるユーザ装置300を認識することが望ましい。
(2.3)変形例
次に、上述した制御1〜制御7における処理の変形例について説明する。
(2.3.1)RACH Message 3のTPC情報について
第1実施形態と同様に、固定的なTPC情報を行う場合、外部インタフェースによりTPC Command(上昇または低下)が決定されてもよい。
(2.3.2)TPC情報の複数UEへの通知方法について
第1実施形態と同様に、UL Grantを用いてユーザ(ユーザ装置300)個別に通知されるTPC情報は、複数UEのTPC情報を一つの情報に纏めて送信してもよい。
(2.3.3)UEが複数の張出装置260Aに接続している場合
ユーザ装置300が送信するPHRに含まれる情報のうち、PHRを受信していない張出装置260Aに対応する情報が、複数の張出装置260A間で送受信される。張出装置260Aは、中央集約装置210Aを経由して当該情報を他の張出装置260Aに送信してもよいし、張出装置260Aが直接、当該情報を他の張出装置260Aに送信してもよい。
また、PHRの送信は、以下の何れの方法でもよい。
・ MAC CE(Control Element)そのものを送信する。
・ MAC CEの一部内容を抽出し、転送が必要とされる情報のみをフロントホールのフレームプロトコルに従って転送する。
・ MAC CEの内容から抽出される情報を送信する。具体的には、ユーザ装置300〜無線基地局200A間のパスロス、各CCのアクティベーション状態(Ciフィールドで判定)、各CCにおけるP-MPR(Maximum Power Reduction)バックオフ推定値、及び各CCにおける上りリンクの送信状態(Vフィールドで判定)である。なお、これらの情報全てを送信しなくてもよく、一部の情報のみを送信してもよい。
また、複数の張出装置260Aから異なるTPC情報を受信した場合、中央集約装置210Aは、張出装置260Aから中央集約装置210Aに送信される品質情報に基づいて、最適なTPC情報を選択してもよい。このような処理は、上りリンクにおけるCA(UL CA)などの動作を想定している。
(2.3.4)その他
第1実施形態と同様に、上述した制御は、PUSCHだけでなく、PUCCH及びSRSにも適用し得る。
また、ユーザ識別子についても、第1実施形態と同様に、複数のユーザ(ユーザ装置300)を一つの識別子に基づいて制御してもよい。
(3)作用・効果
本実施形態によれば、張出装置260Aは、ユーザ装置300からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報(受信信号の品質推定値、PHRなど)に基づいて、送信電力制御をユーザ装置300に実行させるTPC情報(制御情報)を演算する。また、張出装置260Aは、演算したTPC情報を中央集約装置210Aに送信する。
中央集約装置210Aは、受信したTPC情報に基づいてユーザ装置300との無線通信における所定処理、具体的には、中央集約装置210Aは、張出装置260Aから受信したTPC情報を次回の無線リソースのスケジューリングに利用する。
このため、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが、中央集約装置210Aと張出装置260Aとに分離して実装された場合でも、張出装置260Aは、ユーザ装置に対する適切な送信電力制御を実現できる。また、中央集約装置210Aが当該送信電力制御に必要な情報を確実に認識することができるため、当該情報に基づいて、ユーザ装置300への適切な無線リソースの割り当ても可能となる。
さらに、本実施形態は、上述した第1実施形態と比較すると、張出装置260Aから中央集約装置210AにTPC情報をインデックスとして送信することができるため、情報量を削減できる。
また、本実施形態では、張出装置260AがTPC情報を演算するため、中央集約装置210は、ユーザ装置300に対するTPC情報の演算に必要な詳細な品質情報が不要となる。このため、張出装置260Aは、量子化した値のみを中央集約装置210に通知すればよく、さらに情報量を削減できる。なお、当該品質情報は、帯域全体を対象として保持されること、小数点以下まで値を管理することが要求されるため、当該品質情報を量子化せずにそのまま張出装置260Aから中央集約装置210に送信した場合、相当な情報量となることが想定される。
[その他の実施形態]
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
例えば、上述した第1実施形態では、図2に示したように、中央集約装置210がMAC及びRLCを有し、張出装置260が無線部(RF)及び無線物理レイヤ(L1)を有していたが、中央集約装置210及び張出装置260が備えるべきプロトコルスタックは、必ずしも図2に示したような形態に限られない。
図11(a)〜(c)は、中央集約装置及び張出装置が備え得るプロトコルスタックの具体例を示す。具体的には、図11(a)は、図2に示したプロトコルスタックの詳細である。
図11(a)では、MACとL1とで分離されている。このような分離形態を、MAC-PHYスプリットと呼ぶ。図11(a)に示すように、下り方向(送信方向)のL1は、符号化及び変調化部(Mod/FEC)、プリコーディング部、IFFT部及びD/A変換部を含む。また、上り方向(受信方向)のL1は、A/D変換部、FFT部、EQ/IDFT部及び復調及び復号部(DeMod/復号)を含む。
一方、図11(b)及び(c)では、L1の一部の機能が中央集約装置210Bに備えられ、同じくL1の他の機能が張出装置260Bに備えられている。このような分離形態をPHYスプリットと呼ぶ。このようなプロトコルスタックの分離形態においても、上述した本発明を適用し得る。
また、図2では、中央集約装置210は、MAC及びRLCのみを有していたが、さらに、PDCP及びRRCを有しても構わない。また、この場合、中央集約装置210は、中央集約装置110を経由せずに直接コアネットワーク20に接続されてもよい。
また、上述した第1実施形態では、TPC情報の演算機能が中央集約装置210に備えられ、第2実施形態では、TPC情報の演算機能が張出装置260Aに備えられていたが、無線通信システム10内において、無線基地局200または無線基地局200Aの何れかのみが配置されてもよいし、無線通信システム10内において、無線基地局200及び無線基地局200Aが混在してもよい。
さらに、上述した実施形態全体を通じて、3GPPにおいて規定される用語を主に用いて説明したが、当該用語は、他の用語に置き換えられても構わない。例えば、上述した実施形態の中でも言及したように、ユーザ装置は、無線通信端末、移動局、或いはユーザ端末などと呼ばれてもよいし、無線基地局は、ノード或いは無線通信装置またはシステムなどと呼ばれても構わない。
さらに、 上述した実施形態におけるシーケンス及びフローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。
また、本明細書で説明した用語及び/または本明細書の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/またはシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用されてもよい。
さらに、上述したパラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
無線基地局(無線基地局100, 200、以下、基地局)は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分できる。
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」「eNB」、「セル」、及び「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
ユーザ装置300は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
さらに、「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形の用語は、「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書或いは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書で使用した「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
なお、日本国特許出願第2016-010798号(2016年1月22日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
上述した無線基地局及び通信制御方法によれば、MACスケジューラなどの上位レイヤの機能と、無線物理レイヤの機能とが分離して実装された場合でも、ユーザ装置に対する適切な送信電力制御を実現し得る。
10 無線通信システム
20 コアネットワーク
100 無線基地局
110 中央集約装置
160 張出装置
200, 200A 無線基地局
210, 210A, 210B 中央集約装置
211 情報受信部
213 TPC情報演算部
215 UL Grant生成部
217 情報送信部
219 スケジューラ機能部
221 X2 IF部
260, 260A, 260B 張出装置
261 無線通信部
263 通信設定部
265 情報取得部
267 情報送信部
269 情報受信部
271 UL Grant処理部
300 ユーザ装置

Claims (4)

  1. 張出装置と中央集約装置とを含み、ユーザ装置と無線通信を実行する無線基地局であって、
    前記張出装置は、
    前記ユーザ装置からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部が取得した前記所定情報を前記中央集約装置に送信する情報送信部と
    を備え、
    前記中央集約装置は、
    前記所定情報を受信する情報受信部と、
    前記情報受信部が受信した前記所定情報に基づいて、前記送信電力制御を前記ユーザ装置に実行させる制御情報を演算する制御情報演算部と
    を備える無線基地局。
  2. 張出装置と中央集約装置とを含み、ユーザ装置と無線通信を実行する無線基地局であって、
    前記張出装置は、
    前記ユーザ装置からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部が取得した前記所定情報に基づいて、前記送信電力制御を前記ユーザ装置に実行させる制御情報を演算する制御情報演算部と、
    前記制御情報演算部が演算した前記制御情報を前記中央集約装置に送信する情報送信部と
    を備え、
    前記中央集約装置は、
    前記制御情報を受信する情報受信部と、
    前記情報受信部が受信した前記制御情報に基づいて、前記ユーザ装置との無線通信における所定処理を実行する処理実行部と
    を備える無線基地局。
  3. 張出装置と中央集約装置とを含み、ユーザ装置と無線通信を実行する無線基地局における通信制御方法であって、
    前記張出装置が、前記ユーザ装置からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得するステップと、
    前記張出装置が、取得した前記所定情報を前記中央集約装置に送信するステップと、
    前記中央集約装置が、前記所定情報を受信するステップと、
    前記中央集約装置が、受信した前記所定情報に基づいて、前記送信電力制御を前記ユーザ装置に実行させる制御情報を演算するステップと
    を含む通信制御方法。
  4. 張出装置と中央集約装置とを含み、ユーザ装置と無線通信を実行する無線基地局における通信制御方法であって、
    前記張出装置が、前記ユーザ装置からの上り信号の送信電力制御に必要な所定情報を取得するステップと、
    前記張出装置が、取得した前記所定情報に基づいて、前記送信電力制御を前記ユーザ装置に実行させる制御情報を演算するステップと、
    前記張出装置が、演算した前記制御情報を前記中央集約装置に送信するステップと、
    前記中央集約装置が、前記制御情報を受信するステップと、
    前記中央集約装置が、受信した前記制御情報に基づいて、前記ユーザ装置との無線通信における所定処理を実行するステップと
    を含む通信制御方法。
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