JPWO2017122323A1 - 発電制御システムおよび出力制御配分ユニット - Google Patents
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Abstract
発電制御システム(8)は、運転負荷を計測する運転負荷計測部および発電電力を制限する出力制限部を各々が有する複数台のパワーコンディショナ(41,42,43)と、複数台のパワーコンディショナ(41,42,43)に接続され、複数台のパワーコンディショナ(41,42,43)全体の出力を制限する出力制御指令と、運転負荷計測部が計測した運転負荷と、に基づいて、発電電力を制限するパワーコンディショナ(41,42,43)の順番および発電電力の制限量を決定する出力制御配分ユニット(2)と、を備える。
Description
本発明は、発電システムにおけるパワーコンディショナを備えた発電制御システムおよびパワーコンディショナの出力制御機能を有する出力制御配分ユニットに関する。
太陽光発電システムが正常に運転されている状況下におけるパワーコンディショナの出力に対する意図的な制限として、系統に接続したパワーコンディショナが逆潮流することによる系統電圧の上昇を抑制するための制限が存在する。系統電圧の上昇を抑制するためのパワーコンディショナの出力制限については、特定の需要者に制限が偏る不平等を是正するための技術が考案されている。
これに加え、太陽光発電システムの系統への接続可能量を拡大させるための手段の一つとして、出力制御の適用範囲を見直す経済産業省の省令改正が2015年1月に実施されたことにより、本来発電可能な電力に対して意図的に出力制御により出力を抑える機会が増加し得る事となった。上記省令改正は、全国各地で太陽光発電設備が急増したことで、一部の電力会社が発電設備の接続申込を保留する事態に陥ったために、緊急対策として規定されたものである。
系統電圧上昇抑制のための制限に関しては、以下の特許文献1のように需要家が備えたパワーコンディショナ毎に出力抑制量の不平等を是正する方法が提案されている。特許文献1においては、系統電圧上昇抑制の機会を不平等にしないために需要家毎のパワーコンディショナの出力制限の機会を平滑化している。
特許文献1の技術を用いることにより、各需要家間における不平等の発生は防ぐことができる。しかしながら、複数のパワーコンディショナで構成される太陽光発電システムにおいて、運用開始年月が一律では無いといった場合には、通常使用による各種デバイスの劣化に起因して運転負荷が偏ったパワーコンディショナが存在することが考えられる。その結果、それぞれのパワーコンディショナが過去の運用状況による劣化状態に関係なく一律に出力を抑えられる状況においては、運転負荷が高いパワーコンディショナから先に劣化していくという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数台のパワーコンディショナの運転負荷の平滑化をはかり、パワーコンディショナの運転負荷の偏りを低減する発電制御システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、運転負荷を計測する運転負荷計測部および発電電力を制限する出力制限部を各々が有する複数台のパワーコンディショナを備えることを特徴とする。本発明は、複数台のパワーコンディショナに接続され、複数台のパワーコンディショナ全体の出力を制限する出力制御指令と、運転負荷計測部が計測した運転負荷と、に基づいて、発電電力を制限するパワーコンディショナの順番および発電電力の制限量を決定する出力制御配分ユニットを備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数台のパワーコンディショナの運転負荷の平滑化をはかり、パワーコンディショナの運転負荷の偏りを低減するという効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態にかかる発電制御システムおよび出力制御配分ユニットを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽光発電システム10の構成を示す図である。太陽光発電システム10は、太陽光から電力を得る太陽電池31,32および33と、太陽電池31,32および33並びに系統1に接続された発電制御システム8と、を備える。系統1は、太陽光発電システム10が接続された送配電ネットワークである。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽光発電システム10の構成を示す図である。太陽光発電システム10は、太陽光から電力を得る太陽電池31,32および33と、太陽電池31,32および33並びに系統1に接続された発電制御システム8と、を備える。系統1は、太陽光発電システム10が接続された送配電ネットワークである。
発電制御システム8は、太陽電池31,32および33のそれぞれに接続されたパワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43と、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43に接続されこれらに対して出力制御を指示する出力制御配分ユニット2と、を備える。
太陽電池31,32および33のそれぞれが発電した直流電力を、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43が交流電力に変換する。発電制御システム8は、複数台のパワーコンディショナを備えており、図1では3つのパワーコンディショナを備える具体例を示しているが、その数に制限はない。
太陽光発電システム10が発電した電力は、電力線7を介して系統1に逆潮流される。具体的には、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43により直流電力から変換された交流電力が電力線7を介して系統1に逆潮流される。
出力制御配分ユニット2は、通信線6を介して外部との通信手段5と接続されている。通信線6は、無線または有線のいずれであってもかまわない。外部との通信手段5の具体例としては、インターネットが挙げられるがその他の通信手段であってもかまわない。
出力制御配分ユニット2は、外部との通信手段5から出力制御指令を受信したら、パワーコンディショナ毎の運用開始時期、太陽電池に対する日照量、といった条件に大きな差がある状況において、前述した運転負荷に基づいた優先付けをして、運転負荷の高いパワーコンディショナから発電電力を制限していく。ここで用いる、運転負荷とは、パワーコンディショナの劣化ストレスの指標となるような値であればよく、実施の形態1で挙げる具体例に限定されるものではない。
図2は、実施の形態1にかかる出力制御配分ユニット2の機能構成を示すブロック図である。出力制御配分ユニット2は、外部との通信手段5からの出力制御指令を受信する出力制御指令受信部201と、接続されたパワーコンディショナそれぞれの運転負荷の相対的な大小を推定する運転負荷評価部202と、運転負荷評価部202の推定に基づいて接続されたパワーコンディショナに出力制限を指示する出力制限配分部203と、を備える。
出力制御指令受信部201が外部との通信手段5から受信する出力制御指令は、パワーコンディショナ毎に対する信号ではなく、太陽光発電システム10が備える複数台のパワーコンディショナ全体の出力を制限する信号である。運転負荷評価部202は、接続されたパワーコンディショナそれぞれの運転負荷を取得し、運転負荷の相対的な大小を評価して、発電電力を制限するパワーコンディショナの順番を決定する。
出力制限配分部203は、運転負荷評価部202で決定された順に、すなわち運転負荷が最も大きいとされたパワーコンディショナから順に出力を抑える指令を送信する。これにより、太陽光発電システム10全体への指令による出力制限を達成する。
出力制御配分ユニット2は、具体的には、HEMS(Home Energy Management System)といった管理システムを実現する処理回路である。処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、並列プログラム化したプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたハードウェアで構成される。出力制御指令受信部201、運転負荷評価部202および出力制限配分部203の各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
また、出力制御配分ユニット2の機能は、コンピュータによるソフトウェアで実現してもかまわない。図3は、実施の形態1にかかる出力制御配分ユニット2の機能を実現するコンピュータの構成を示す図である。コンピュータは、外部からの信号を受信する受信装置21と、演算を実行するCPU(Central Processing Unit)22と、記憶領域であるメモリ23と、を備える。運転負荷評価部202および出力制限配分部203の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ23に格納される。CPU22は、メモリ23に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、運転負荷評価部202および出力制限配分部203の機能を実現する。また、このプログラムは、運転負荷評価部202および出力制限配分部203の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ23とは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)が該当する。また、出力制御指令受信部201の機能は、受信装置21により実現される。
図4は、実施の形態1にかかるパワーコンディショナ4の機能構成を示すブロック図である。パワーコンディショナ4は、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43を代表して示しており、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43はそれぞれ、図4に示す機能構成を有している。
パワーコンディショナ4は発電用インバータであり、太陽電池からの直流電力を交流電力に変換する電力変換部401と、出力制御配分ユニット2から送られてくる出力制限信号に基づいて出力を制限する出力制限部402と、を備える。パワーコンディショナ4は、パワーコンディショナ4の運転負荷を計測する運転負荷計測部403と、運用開始からの累積値が必要な運転負荷を記録する運転負荷記録部404と、をさらに備える。出力制御配分ユニット2の運転負荷評価部202は、接続されたパワーコンディショナそれぞれの運転負荷計測部403および運転負荷記録部404の両方またはいずれかから運転負荷を取得することになる。
運転負荷計測部403は、パワーコンディショナ4の運転負荷を計測する。具体的には、パワーコンディショナ4の内部温度、運用開始からの発電時間すなわち累積運転時間、運用開始からの累積定格時間、運用開始からの累積発電量といった運転負荷を計測および算出する。ここで、累積定格時間とは、最大出力である定格出力に近い出力をしている累積時間であって、具体的には、定格出力に対する発電電力の割合が予め定めた割合を超えている累積時間として定義する。予め定めた割合は、0.8、0.9といった値である。累積定格時間をこのように定義したのは、定格出力に近い値の発電電力での運転ほどパワーコンディショナ4の劣化が早いためである。累積発電量とは、運用開始からの発電電力量の累積値である。上記した、内部温度、累積運転時間、累積定格時間および累積発電量は、いずれも値が大きいほど、パワーコンディショナ4の劣化が進むと考えられる。
上記運転負荷のうち、運用開始からの累積値が必要な運転負荷は、運転負荷記録部404に保存する。具体的には、累積運転時間、累積定格時間および累積発電量といった値が運転負荷記録部404に記録される。
運転負荷計測部403が、専用ハードウェアで実現される場合、それを実現する処理回路は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、並列プログラム化したプロセッサー、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたハードウェアで構成される。運転負荷記録部404は、RAM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROMといった不揮発性または揮発性のメモリ、またはこれらを組み合わせたハードウェアで構成される。運転負荷計測部403および運転負荷記録部404の各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、両者の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
図5は、実施の形態1にかかる出力制御配分ユニット2の動作を説明するフローチャートである。図6は、実施の形態1にかかる運転負荷評価部202の動作を説明するフローチャートである。
ある時点において、パワーコンディショナA41は、運用開始から長い期間が経過しており、日当たりは良い状態にあるとする。当該時点において、パワーコンディショナB42は、運用開始から長い期間が経過しており、日当たりは悪い状態にあるとする。当該時点において、パワーコンディショナC43は、運用開始から短い期間の状態であるとする。その結果、当該時点において、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43は以下のような運転負荷の状態になっている。以下のような運転負荷の情報は、運転負荷計測部403が計測するか、或は運転負荷記録部404が記録している。
パワーコンディショナA:
定格出力:3000W
発電電力:3000W
内部温度:80℃
累積運転時間:2000時間
累積定格時間:1000時間
累積発電量 :1000kWh
定格出力:3000W
発電電力:3000W
内部温度:80℃
累積運転時間:2000時間
累積定格時間:1000時間
累積発電量 :1000kWh
パワーコンディショナB:
定格出力:4000W
発電電力:4000W
内部温度:70℃
累積運転時間:2000時間
累積定格時間:500時間
累積発電量 :500kWh
定格出力:4000W
発電電力:4000W
内部温度:70℃
累積運転時間:2000時間
累積定格時間:500時間
累積発電量 :500kWh
パワーコンディショナC:
定格出力:5000W
発電電力:5000W
内部温度:70℃
累積運転時間:200時間
累積定格時間:100時間
累積発電量 :10kWh
定格出力:5000W
発電電力:5000W
内部温度:70℃
累積運転時間:200時間
累積定格時間:100時間
累積発電量 :10kWh
まず、出力制御指令受信部201が、外部との通信手段5を介して外部からの出力制御指令を受信する(図5、ステップS1)。具体例として、発電制御システム8に対して、太陽光発電システム10が全体として出力を50%にするよう指示する出力制御指令が入るとして、以下説明する。
ここで、運転負荷評価部202は、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43の定格出力が、それぞれ3000W、4000Wおよび5000Wであるとの情報が当初から設定されている、或は当該情報をパワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43との通信により得ているとする。従って、ステップS1で出力制御指令を受信すると、当該出力制御指令に基づいて、運転負荷評価部202は、太陽光発電システム10の制限された発電電力を求める(図5、ステップS2)。すなわち、太陽光発電システム10全体の定格出力である12000W(=3000W+4000W+5000W)の50%である6000Wを求める。発電制御システム8は、全体の定格出力12000Wから6000Wに全体の発電電力を制限しなければならない。
次に、運転負荷評価部202は、発電電力を制限するパワーコンディショナの順番を決定する(図5、ステップS3)。運転負荷評価部202は、各パワーコンディショナの運転負荷を比較して、運転負荷がより大きいと考えられるパワーコンディショナから発電電力を制限することになるようにパワーコンディショナの順番を決定する。具体的には、以下のような判定基準を用いた順番の決定方法が考えられる。
(判定方法例)
判定基準1:内部温度が高い順に発電電力を制限する。
判定基準2:内部温度が等しい場合、累積運転時間が長い順に発電電力を制限する。
判定基準3:累積運転時間が等しい場合、累積定格時間が長い順に発電電力を制限する。
判定基準4:累積定格時間が等しい場合、累積発電量が大きい順に発電電力を制限する。
判定基準1:内部温度が高い順に発電電力を制限する。
判定基準2:内部温度が等しい場合、累積運転時間が長い順に発電電力を制限する。
判定基準3:累積運転時間が等しい場合、累積定格時間が長い順に発電電力を制限する。
判定基準4:累積定格時間が等しい場合、累積発電量が大きい順に発電電力を制限する。
ただし、上記(判定方法例)は、判定方法の一例であり、発電制御システム8の構成に依存して判定基準の適用順序を最適なものに変更してもよいし、全ての判定基準を用いずに、いずれかの判定基準のみで発電電力を制限するパワーコンディショナの順番を決定するようにしてもかまわない。具体的には、内部温度のみで順番を決定するといった判定方法を用いてもよい。この場合は、運転負荷記録部404は不要になる。
図6のフローチャートは、上記(判定方法例)に基づいた図5のステップS3を実現するフローチャートになっている。まず、ステップS31において、運転負荷評価部202は、出力制御配分ユニット2に接続されている複数のパワーコンディショナが内部温度のみで順番付けが可能か否かを判定する。複数のパワーコンディショナの内部温度が全て異なって、内部温度のみで順番付けが可能な場合(ステップS31:Yes)は、内部温度が高い順に発電電力を制限するパワーコンディショナの順番を決定することができるので、そのように順番付けを行って終了である。内部温度が同じパワーコンディショナが存在する場合は、内部温度のみで順番付けが可能ではない(ステップS31:No)ので、ステップS32に進む。
ステップS32において、運転負荷評価部202は、内部温度による順番付けは維持したまま、内部温度が同じで順番付けができなかった複数のパワーコンディショナについて累積運転時間で順番付けが可能か否かを判定する。順番付けができていないパワーコンディショナの累積運転時間が全て異なって、累積運転時間で順番付けが可能な場合(ステップS32:Yes)は、累積運転時間が長い順に発電電力を制限するパワーコンディショナの順番を決定することができるので、そのように順番付けを行って終了である。累積運転時間が同じパワーコンディショナが存在する場合は、累積運転時間で順番付けが可能ではない(ステップS32:No)ので、ステップS33に進む。
ステップS33において、運転負荷評価部202は、累積運転時間による順番付けは維持したまま、累積運転時間が同じで順番付けができなかった複数のパワーコンディショナについて累積定格時間で順番付けが可能か否かを判定する。順番付けができていないパワーコンディショナの累積定格時間が全て異なって、累積定格時間で順番付けが可能な場合(ステップS33:Yes)は、累積定格時間が長い順に発電電力を制限するパワーコンディショナの順番を決定することができるので、そのように順番付けを行って終了である。累積定格時間が同じパワーコンディショナが存在する場合は、累積定格時間で順番付けが可能ではない(ステップS33:No)ので、ステップS34に進む。
ステップS34において、運転負荷評価部202は、累積定格時間による順番付けは維持したまま、累積定格時間が同じで順番付けができなかった複数のパワーコンディショナについて累積発電量で順番付けを行う。すなわち、運転負荷評価部202は、累積発電量が大きい順に発電電力を制限するパワーコンディショナの順番を決定し、終了である。
以上により、運転負荷評価部202は、複数のパワーコンディショナについて発電電力を制限する順番を決定することが可能となる。
上述したパワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43にこのフローチャートを適用してみる。すると、パワーコンディショナA41の内部温度が80℃で、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43の70℃より高いので、ステップS31において内部温度のみで順番付けが可能ではないので(ステップS31:No)となり、ステップS32に進む。この時点でパワーコンディショナA41が発電電力を制限するパワーコンディショナの一番目となることは決定される。そして、ステップS32において、パワーコンディショナB42の累積運転時間は2000時間であるのに対してパワーコンディショナC43の累積運転時間は200時間なので、これで順番付けが可能となり(ステップS32:Yes)、発電電力を制限する順番は、パワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42、パワーコンディショナC43の順と決定されて終了である。
図5のステップS3の後、運転負荷評価部202が求めた太陽光発電システム10の制限された発電電力および発電電力を制限するパワーコンディショナの順番に基づいて、出力制限配分部203は、発電電力の制限量の配分を実行する(図5、ステップS4)。具体的には、出力制限配分部203は、運転負荷評価部202が決定した順番にパワーコンディショナの発電電力の制限量を決定して、発電電力を制限する指示である出力制限信号をパワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42またはパワーコンディショナC43に送信する。出力制限信号には発電電力の制限量が示されている。運転負荷が最も大きいとみなされたパワーコンディショナの出力を0に抑えても、出力制御指令による太陽光発電システム10全体への出力制限を達成できない場合は、運転負荷が二番目に大きいとみなされたパワーコンディショナの出力を抑えることで、出力制御指令による太陽光発電システム10全体への出力制限を達成する。以降、出力制限配分部203は、太陽光発電システム10全体への出力制御指令による出力制限を達成するまで、運転負荷評価部202が決定した順番に、すなわち、運転負荷がより大きいとみなされたパワーコンディショナから順に出力を抑える指示である出力制限信号を送る。
具体的には、ステップS2にてパワーコンディショナA41、パワーコンディショナB42およびパワーコンディショナC43の全体の定格出力12000Wから6000Wになるように6000W分の発電電力を制限しなければならない。パワーコンディショナA41の定格出力は3000Wなので、パワーコンディショナA41の出力を0Wにするだけでは足りないので、パワーコンディショナB42も3000W分電力を低減する必要がある。従って、出力制限配分部203は、パワーコンディショナA41に対して発電電力を定格出力である3000Wから0Wとするように指示する出力制限信号を送り、パワーコンディショナB42に対して発電電力を定格出力である4000Wから1000Wとするように指示する出力制限信号を送る。出力制限配分部203がパワーコンディショナA41およびパワーコンディショナB42に送る出力制限信号には、共に発電電力の制限量が3000Wであるとの指示が含まれている。その結果、発電電力の制限量の配分後の各パワーコンディショナの発電電力は以下のようになる。
パワーコンディショナAの発電電力:0W
パワーコンディショナBの発電電力:1000W
パワーコンディショナCの発電電力:5000W
パワーコンディショナBの発電電力:1000W
パワーコンディショナCの発電電力:5000W
太陽光発電システム10が全体として出力を50%にするよう指示する出力制御指令を受信したときに、発電制御システム8が発電電力の制限を、単純に各パワーコンディショナの発電電力が50%となるように制御した場合は、各パワーコンディショナの発電電力は以下のようになる。
パワーコンディショナAの発電電力:1500W
パワーコンディショナBの発電電力:2000W
パワーコンディショナCの発電電力:2500W
パワーコンディショナBの発電電力:2000W
パワーコンディショナCの発電電力:2500W
この場合、内部温度および累積運転時間により劣化が進んでいると推察されるパワーコンディショナA41も発電を続けることとなり、運転負荷の平滑化が出来ない事は明らかである。従って、実施の形態1にかかる発電制御システム8および出力制御配分ユニット2により、複数台のパワーコンディショナの運転負荷の平滑化をはかり、パワーコンディショナの運転負荷の偏りを低減するという効果が得られることは明らかである。
以上説明したように、実施の形態1にかかる発電制御システム8および出力制御配分ユニット2によれば、日陰になりやすい場所で動作していたり、新規に追加されたといった理由により比較的運転負荷が低いパワーコンディショナと、日当たりが良い場所で動作していたり、運用開始から長い期間が経過しているといった理由により比較的運転負荷が高いパワーコンディショナと、の間において運転負荷の平滑化を実現することができ、特定のパワーコンディショナのみに運転の負荷が集中して劣化することを防ぐことが可能となる。
また、上記説明における発電制御システム8および出力制御配分ユニット2は、太陽光発電を例として説明したが、複数台のパワーコンディショナの運転負荷の平滑化をはかり、パワーコンディショナの運転負荷の偏りを低減するという目的が要請される他の発電に適用することも可能である。すなわち、パワーコンディショナに接続される発電装置としては、太陽電池に限定されない。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 系統、2 出力制御配分ユニット、4 パワーコンディショナ、5 外部との通信手段、6 通信線、7 電力線、8 発電制御システム、21 受信装置、22 CPU、23 メモリ、31,32,33 太陽電池、41 パワーコンディショナA、42 パワーコンディショナB、43 パワーコンディショナC、201 出力制御指令受信部、202 運転負荷評価部、203 出力制限配分部、401 電力変換部、402 出力制限部、403 運転負荷計測部、404 運転負荷記録部。
Claims (9)
- 運転負荷を計測する運転負荷計測部および発電電力を制限する出力制限部を各々が有する複数台のパワーコンディショナと、
複数台の前記パワーコンディショナに接続され、複数台の前記パワーコンディショナ全体の出力を制限する出力制御指令と、前記運転負荷計測部が計測した前記運転負荷と、に基づいて、前記発電電力を制限する前記パワーコンディショナの順番および前記発電電力の制限量を決定する出力制御配分ユニットと、
を備える
ことを特徴とする発電制御システム。 - 前記パワーコンディショナは、前記運転負荷を記録する運転負荷記録部をさらに備え、
前記出力制御配分ユニットは、前記運転負荷記録部が記録した前記運転負荷にも基づいて、前記順番および前記制限量を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の発電制御システム。 - 前記出力制御配分ユニットは、前記運転負荷が大きい前記パワーコンディショナから順に前記発電電力を制限するように前記制限量を決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発電制御システム。 - 前記運転負荷は、前記パワーコンディショナの内部温度である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発電制御システム。 - 前記運転負荷は、前記パワーコンディショナの累積運転時間である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発電制御システム。 - 前記運転負荷は、前記パワーコンディショナの定格出力に対する発電電力の割合が予め定めた割合を超えている累積時間である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発電制御システム。 - 前記運転負荷は、前記パワーコンディショナの累積発電量である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発電制御システム。 - 運転負荷を計測する運転負荷計測部および発電電力を制限する出力制限部を各々が有する複数台のパワーコンディショナに接続された出力制御配分ユニットであって、
複数台の前記パワーコンディショナ全体の出力を制限する出力制御指令と、前記運転負荷計測部が計測した前記運転負荷と、に基づいて、前記発電電力を制限する前記パワーコンディショナの順番および前記発電電力の制限量を決定する
ことを特徴とする出力制御配分ユニット。 - 前記パワーコンディショナは、前記運転負荷を記録する運転負荷記録部をさらに備え、
前記運転負荷記録部が記録した前記運転負荷にも基づいて、前記順番および前記制限量を決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の出力制御配分ユニット。
Applications Claiming Priority (1)
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