以下、本発明の電子機器、及び、電子機器の駆動方法を適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の電子機器100を示す斜視図である。
電子機器100は、一例として、タッチパネルを入力操作部とする、スマートフォン端末機、又は、タブレット型コンピュータである。電子機器100は、タッチパネルを入力操作部とする機器であればよいため、例えば、携帯情報端末機、又は、ATM(Automatic Teller Machine)のように特定の場所に設置されて利用される機器であってもよい。
電子機器100の入力操作部101は、タッチパネルの下にディスプレイパネルが配設されており、ディスプレイパネルにGUI(Graphic User Interface)による様々なボタン102A、又は、スライダー102B等(以下、GUI操作部102と称す)が表示される。
電子機器100の利用者は、通常、GUI操作部102を操作するために、指先で入力操作部101に触れる。また、電子機器100は、スピーカ103を有する。スピーカ103は、音声出力部の一例である。
次に、図2を用いて、電子機器100の具体的な構成について説明する。
図2は、実施の形態の電子機器100を示す平面図であり、図3は、図2に示す電子機器100のA−A矢視断面を示す図である。なお、図2及び図3では、図示するように直交座標系であるXYZ座標系を定義する。
電子機器100は、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、振動素子140A1、140A2、140A3、タッチパネル150、ディスプレイパネル160、及び基板170を含む。
筐体110は、例えば、樹脂製であり、図3に示すように凹部110Aに基板170、ディスプレイパネル160、及びタッチパネル150が配設されるとともに、両面テープ130によってトップパネル120が接着されている。
トップパネル120は、平面視で長方形の薄い平板状の部材であり、透明なガラス、又は、ポリカーボネートのような強化プラスティックで作製される。トップパネル120の表面(Z軸正方向側の面)は、電子機器100の利用者が操作入力を行う操作面の一例である。
トップパネル120は、Z軸負方向側の面に振動素子140A1、140A2、140A3(以下、140A1〜140A3)が接着され、平面視における四辺が両面テープ130によって筐体110に接着されている。なお、両面テープ130は、トップパネル120の四辺を筐体110に接着できればよく、図3に示すように矩形環状である必要はない。
トップパネル120のZ軸負方向側にはタッチパネル150が配設される。トップパネル120は、タッチパネル150の表面を保護するために設けられている。なお、トップパネル120の表面に、さらに別なパネル又は保護膜等が設けられていてもよい。
トップパネル120は、Z軸負方向側の面に振動素子140A1〜140A3が接着された状態で、振動素子140A1〜140A3が駆動されることによって振動する。実施の形態では、トップパネル120の固有振動周波数でトップパネル120を振動させて、トップパネル120に定在波を生じさせる。ただし、トップパネル120には振動素子140A1〜140A3が接着されているため、実際には、振動素子140の重さ等を考慮した上で、固有振動周波数を決めることが好ましい。
振動素子140A1〜140A3は、トップパネル120のZ軸負方向側の面において、X軸負方向側において、Y軸方向に伸延する長辺に沿って接着されている。振動素子140A1〜140A3は、超音波帯の振動を発生できる素子であればよく、例えば、ピエゾ素子のような圧電素子を含むものを用いることができる。
ここで、振動素子140A1〜140A3のうちのいずれか1つは、第1振動素子の一例であり、振動素子140A1〜140A3のうちの他のいずれか1つは、第2振動素子の一例である。
振動素子140A1〜140A3は、後述する駆動制御部から出力される駆動信号によって駆動される。振動素子140A1〜140A3が発生する振動の振幅(強度)及び周波数は駆動信号によって設定される。また、振動素子140A1〜140A3のオン/オフは駆動信号によって制御される。振動素子140A1〜140A3のオン/オフは、互いに独立的に行われる。
なお、超音波帯とは、例えば、約20kHz以上の周波数帯をいう。実施の形態の電子機器100では、振動素子140A1〜140A3が振動する周波数は、トップパネル120の振動数と等しくなるため、振動素子140A1〜140A3は、トップパネル120の固有振動数で振動するように駆動信号によって駆動される。これは、振動素子140A1〜140A3をすべて駆動した場合と、いずれか2つを駆動した場合と、いずれか1つを駆動した場合とにおいてすべて同様である。
タッチパネル150は、ディスプレイパネル160の上(Z軸正方向側)で、トップパネル120の下(Z軸負方向側)に配設されている。タッチパネル150は、電子機器100の利用者がトップパネル120に触れる位置(以下、操作入力の位置と称す)を検出する位置検出部の一例である。
タッチパネル150の下にあるディスプレイパネル160には、GUIによる様々なボタン等(以下、GUI操作部と称す)が表示される。このため、電子機器100の利用者は、通常、GUI操作部を操作するために、指先でトップパネル120に触れる。
タッチパネル150は、利用者のトップパネル120への操作入力の位置を検出できる位置検出部であればよく、例えば、静電容量型又は抵抗膜型の位置検出部であればよい。ここでは、タッチパネル150が静電容量型の位置検出部である形態について説明する。タッチパネル150とトップパネル120との間に隙間があっても、静電容量型のタッチパネル150は、トップパネル120への操作入力を検出できる。
また、ここでは、タッチパネル150の入力面側にトップパネル120が配設される形態について説明するが、トップパネル120はタッチパネル150と一体的であってもよい。この場合、タッチパネル150の表面が図2及び図3に示すトップパネル120の表面になり、操作面を構築する。また、図2及び図3に示すトップパネル120を省いた構成であってもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、この場合には、操作面を有する部材を、当該部材の固有振動で振動させればよい。
また、タッチパネル150が静電容量型の場合は、トップパネル120の上にタッチパネル150が配設されていてもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、タッチパネル150が静電容量型の場合は、図2及び図3に示すトップパネル120を省いた構成であってもよい。この場合も、タッチパネル150の表面が操作面を構築する。また、この場合には、操作面を有する部材を、当該部材の固有振動で振動させればよい。
ディスプレイパネル160は、例えば、液晶ディスプレイパネル又は有機EL(Electroluminescence)パネル等の画像を表示できる表示部であればよい。ディスプレイパネル160は、筐体110の凹部110Aの内部で、図示を省略するホルダ等によって基板170の上(Z軸正方向側)に設置される。
ディスプレイパネル160は、後述するドライバIC(Integrated Circuit)によって駆動制御が行われ、電子機器100の動作状況に応じて、GUI操作部、画像、文字、記号、図形等を表示する。
基板170は、筐体110の凹部110Aの内部に配設される。基板170の上には、ディスプレイパネル160及びタッチパネル150が配設される。ディスプレイパネル160及びタッチパネル150は、図示を省略するホルダ等によって基板170及び筐体110に固定されている。
基板170には、後述する駆動制御装置の他に、電子機器100の駆動に必要な種々の回路等が実装される。
以上のような構成の電子機器100は、トップパネル120に利用者の指が接触し、指先の移動を検出すると、基板170に実装される駆動制御部が振動素子140A1〜140A3のうちの少なくとも1つを駆動し、トップパネル120を超音波帯の周波数で振動させる。この超音波帯の周波数は、トップパネル120と振動素子140A1〜140A3とを含む共振系の共振周波数であり、トップパネル120に定在波を発生させる。
電子機器100は、超音波帯の定在波を発生させることにより、トップパネル120を通じて利用者に触感を提供する。
次に、図4を用いて、トップパネル120に発生させる定在波について説明する。実施の形態の電子機器100では、トップパネル120への操作入力の位置に応じて、振動素子140A1〜140A3を駆動する。振動素子140A1〜140A3は、上述のように、トップパネル120の裏面において、長辺に沿ってトップパネル120の端部に配設されている。
図4は、超音波帯の固有振動によってトップパネル120に生じる定在波のうち、トップパネル120の短辺に平行に形成される波頭を示す図であり、図4の(A)は側面図、(B)は斜視図である。図4の(A)、(B)では、図2及び図3と同様のXYZ座標を定義する。なお、図4の(A)、(B)では、理解しやすさのために、定在波の振幅を誇張して示す。また、図4の(A)、(B)では、トップパネル120の1つの短辺に沿って、振動素子140A1〜140A3と同様の1つの振動素子140を配置した場合に生じる定在波について説明する。トップパネル120の短辺は、図2でX軸方向に伸延する辺であり、Y軸正方向側の短辺に沿って、トップパネル120の端部に1つの振動素子140Cを配置した場合に生じる定在波について説明する。
トップパネル120のヤング率E、密度ρ、ポアソン比δ、長辺寸法l、厚さtと、長辺方向に存在する定在波の周期数kとを用いると、トップパネル120の固有振動数(共振周波数)fは次式(1)、(2)で表される。定在波は1/2周期単位で同じ波形を有するため、周期数kは、0.5刻みの値を取り、0.5、1、1.5、2・・・となる。
なお、式(2)の係数αは、式(1)におけるk
2以外の係数をまとめて表したものである。
図4の(A)、(B)に示す定在波は、一例として、周期数kが10の場合の波形である。例えば、トップパネル120として、長辺の長さlが140mm、短辺の長さが80mm、厚さtが0.7mmのGorilla(登録商標)ガラスを用いる場合には、周期数kが10の場合に、固有振動数fは33.5[kHz]となる。この場合は、周波数が33.5[kHz]の駆動信号を用いればよい。
トップパネル120は、平板状の部材であるが、振動素子140を駆動して超音波帯の固有振動を発生させると、図4の(A)、(B)に示すように撓むことにより、表面に定在波が生じる。
なお、ここでは、1つの振動素子140がトップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸正方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着される形態について説明するが、振動素子140を2つ用いてもよい。2つの振動素子140を用いる場合は、もう1つの振動素子140をトップパネル120のZ軸負方向側の面において、Y軸負方向側において、X軸方向に伸延する短辺に沿って接着すればよい。この場合に、2つの振動素子140は、トップパネル120の2つの短辺に平行な中心線を対称軸として、軸対称になるように配設すればよい。
また、2つの振動素子140を駆動する場合は、周期数kが整数の場合は同一位相で駆動すればよく、周期数kが小数(整数部と小数部を含む数)の場合は逆位相で駆動すればよい。
次に、図5を用いて、電子機器100のトップパネル120に生じさせる超音波帯の固有振動について説明する。
図5は、電子機器100のトップパネル120に生じさせる超音波帯の固有振動により、操作入力を行う指先に掛かる動摩擦力が変化する様子を説明する図である。図5の(A)、(B)では、利用者が指先でトップパネル120に触れながら、指をトップパネル120の奥側から手前側に矢印に沿って移動する操作入力を行っている。なお、振動のオン/オフは、振動素子140A1〜140A3をオン/オフすることによって行われる。
また、図5の(A)、(B)では、トップパネル120の奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
超音波帯の固有振動は、図4に示すようにトップパネル120の全体に生じるが、図5の(A)、(B)には、利用者の指がトップパネル120の奥側から手前側に移動する間に振動のオン/オフを切り替える動作パターンを示す。
このため、図5の(A)、(B)では、トップパネル120の奥行き方向において、振動がオフの間に指が触れる範囲をグレーで示し、振動がオンの間に指が触れる範囲を白く示す。
図5の(A)に示す動作パターンでは、利用者の指がトップパネル120の奥側にあるときに振動がオフであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオンになっている。
一方、図5の(B)に示す動作パターンでは、利用者の指がトップパネル120の奥側にあるときに振動がオンであり、指を手前側に移動させる途中で振動がオフになっている。
ここで、トップパネル120に超音波帯の固有振動を生じさせると、トップパネル120の表面と指との間にスクイーズ効果による空気層が介在し、指でトップパネル120の表面をなぞったときの動摩擦係数が低下する。
従って、図5の(A)では、トップパネル120の奥側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きく、トップパネル120の手前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さくなる。
このため、図5の(A)に示すようにトップパネル120に操作入力を行う利用者は、振動がオンになると、指先に掛かる動摩擦力の低下を感知し、指先の滑り易さを知覚することになる。このとき、利用者はトップパネル120の表面がより滑らかになることにより、動摩擦力が低下するときに、トップパネル120の表面に凹部が存在するように感じる。
一方、図5の(B)では、トップパネル120の奥前側に白く示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は小さく、トップパネル120の手前側にグレーで示す範囲では、指先に掛かる動摩擦力は大きくなる。
このため、図5の(B)に示すようにトップパネル120に操作入力を行う利用者は、振動がオフになると、指先に掛かる動摩擦力の増大を感知し、指先の滑り難さ、あるいは、引っ掛かる感じを知覚することになる。そして、指先が滑りにくくなることにより、動摩擦力が高くなるときに、トップパネル120の表面に凸部が存在するように感じる。
以上より、図5の(A)と(B)の場合は、利用者は指先で凹凸を感じ取ることができる。このように人間が凹凸の知覚することは、例えば、"触感デザインのための印刷物転写法とSticky-band Illusion"(第11回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会論文集 (SI2010, 仙台)____174-177, 2010-12)に記載されている。また、"Fishbone Tactile Illusion"(日本バーチャルリアリティ学会第10 回大会論文集(2005 年9 月))にも記載されている。
なお、ここでは、振動のオン/オフを切り替える場合の動摩擦力の変化について説明したが、これは、振動素子140A1〜140A3の振幅(強度)を変化させた場合も同様である。
次に、図6を用いて、実施の形態の電子機器100の構成について説明する。
図6は、実施の形態の電子機器100の構成を示す図である。
電子機器100は、振動素子140A1〜140A3、アンプ141、タッチパネル150、ドライバIC(Integrated Circuit)151、ディスプレイパネル160、ドライバIC161、アンプ181、スピーカ103、制御装置200、正弦波発生器310、及び振幅変調器320を含む。
制御装置200は、アプリケーションプロセッサ220、通信プロセッサ230、制御部240、及びメモリ250を有する。制御装置200は、例えば、ICチップで実現される。制御部240は、駆動制御部240Aを内蔵する。
また、駆動制御部240A、正弦波発生器310、及び振幅変調器320は、駆動制御装置300を構築する。
図6では、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、及び基板170(図2参照)は省略する。また、ここでは、アンプ141A1、141A2、141A3、ドライバIC151、ドライバIC161、駆動制御部240A、メモリ250、正弦波発生器310、及び振幅変調器320について説明する。
アンプ141A1、141A2、141A3(以下、141A1〜141A3)は、それぞれ、駆動制御装置300と振動素子140A1〜140A3との間に配設されており、駆動制御装置300から出力される3つの駆動信号を増幅して振動素子140A1〜140A3を駆動する。
ドライバIC151は、タッチパネル150に接続されており、タッチパネル150への操作入力があった位置を表す位置データを検出し、位置データを制御装置200に出力する。この結果、位置データは、アプリケーションプロセッサ220と駆動制御部240Aに入力される。なお、位置データが駆動制御部240Aに入力されることは、位置データが駆動制御装置300に入力されることと等価である。
ドライバIC161は、ディスプレイパネル160に接続されており、駆動制御装置300から出力される描画データをディスプレイパネル160に入力し、描画データに基づく画像をディスプレイパネル160に表示させる。これにより、ディスプレイパネル160には、描画データに基づくGUI操作部又は画像等が表示される。
アンプ181は、アプリケーションプロセッサ220に接続されており、アプリケーションプロセッサ220から入力される音声信号を増幅してスピーカ103に出力する。スピーカ103は、アンプ181から入力される音声信号を音声として出力する。
アプリケーションプロセッサ220は、トップパネル120に行われる操作入力に応じて、メモリ250に格納された音声データを読み出し、アンプ181に出力する。この結果、トップパネル120に行われる操作入力に応じた音声がスピーカ103から出力される。
アプリケーションプロセッサ220は、電子機器100の種々のアプリケーションを実行する処理を行う。
アプリケーションプロセッサ220のうちの制御部240は、振動素子140A1〜140A3の駆動制御と、音声案内とを行う。制御部240は、駆動制御部240Aを含み、制御部240が行う制御処理のうち、振動素子140A1〜140A3の駆動制御は、駆動制御部240Aが行い、音声案内の制御処理は、制御部240のうちの駆動制御部240A以外の部分が行う。制御部240は、第1制御部及び第2制御部の一例である。
制御部240による音声案内の制御処理と、音声案内の制御処理に伴って行われる振動素子140A1〜140A3の駆動制御については、図10乃至図25を用いて後述する。
通信プロセッサ230は、電子機器100が3G(Generation)、4G(Generation)、LTE(Long Term Evolution)、WiFi等の通信を行うために必要な処理を実行する。
駆動制御部240Aは、2つの所定の条件が揃った場合に、振幅データを振幅変調器320に出力する。振幅データは、振動素子140A1〜140A3の駆動に用いる駆動信号の強度を調整するための振幅値を表すデータである。振幅値は、位置データの時間的変化度合に応じて設定される。ここで、位置データの時間的変化度合としては、利用者の指先がトップパネル120の表面に沿って移動する速度を用いる。利用者の指先の移動速度は、ドライバIC151から入力される位置データの時間的な変化度合に基づいて、駆動制御部240Aが算出する。
実施の形態の駆動制御装置300は、一例として、指先の移動速度に関わらずに利用者が指先から感知する触感を一定にするために、移動速度が高いほど振幅値を小さくし、移動速度が低いほど振幅値を大きくする。
このような振幅値を表す振幅データと移動速度との関係を表すデータは、メモリ250に格納されている。
なお、ここでは、メモリ250に格納されるデータを用いて移動速度に応じた振幅値を設定する形態について説明するが、次式(3)を用いて振幅値Aを算出してもよい。式(3)で算出される振幅値Aは、移動速度が高いほど小さくなり、移動速度が低いほど大きくなる。
ここで、A0は振幅の基準値であり、Vは指先の移動速度であり、aは所定の定数である。式(3)を用いて振幅値Aを算出する場合は、式(3)を表すデータと、振幅の基準値A0と所定の定数aを表すデータとをメモリ250に格納しておけばよい。
また、実施の形態の駆動制御装置300は、利用者の指先がトップパネル120の表面に沿って移動したときに、指先に掛かる動摩擦力を変化させるためにトップパネル120を振動させる。動摩擦力は、指先が移動しているときに発生するため、駆動制御部240Aは、移動速度が所定の閾値速度以上になったときに、振動素子140A1〜140A3を振動させる。移動速度が所定の閾値速度以上になることは、1つ目の所定の条件である。
従って、駆動制御部240Aが出力する振幅データが表す振幅値は、移動速度が所定の閾値速度未満のときはゼロであり、移動速度が所定の閾値速度以上になると、移動速度に応じて所定の振幅値に設定される。移動速度が所定の閾値速度以上のときには、移動速度が高いほど振幅値は小さく設定され、移動速度が低いほど振幅値を大きく設定される。
また、実施の形態の駆動制御装置300は、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にある場合に、振幅データを振幅変調器320に出力する。操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にあることは、2つ目の所定条件である。
操作入力を行う指先の位置が振動を発生させるべき所定の領域内にあるかどうかは、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域の内部にあるか否かに基づいて判定される。
ここで、ディスプレイパネル160に表示するGUI操作部、画像を表示する領域、又は、ページ全体を表す領域等のディスプレイパネル160上における位置は、当該領域を表す領域データによって特定される。領域データは、すべてのアプリケーションにおいて、ディスプレイパネル160に表示されるすべてのGUI操作部、画像を表示する領域、又は、ページ全体を表す領域について存在する。
このため、2つ目の所定条件として、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にあるかどうかを判定する際には、電子機器100が起動しているアプリケーションの種類が関係することになる。アプリケーションの種類により、ディスプレイパネル160の表示が異なるからである。
また、アプリケーションの種類により、トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力の種類が異なるからである。トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力の種類としては、例えば、GUI操作部を操作する際には、所謂フリック操作がある。フリック操作は、指先をトップパネル120の表面に沿って、はじく(スナップする)ように比較的短い距離移動させる操作である。
また、ページを捲る場合には、例えば、スワイプ操作を行う。スワイプ操作は、指先をトップパネル120の表面に沿って掃くように比較的長い距離移動させる操作である。スワイプ操作は、ページを捲る場合の他に、例えば、写真を捲る場合に行われる。また、GUI操作部によるスライダー(図1のスライダー102B参照)をスライドさせる場合には、スライダーをドラッグするドラッグ操作が行われる。
ここで一例として挙げるフリック操作、スワイプ操作、及びドラッグ操作のように、トップパネル120の表面に触れた指先を移動させる操作入力は、アプリケーションによる表示の種類によって使い分けられる。このため、操作入力を行う指先の位置が、振動を発生させるべき所定の領域内にあるかどうかを判定する際には、電子機器100が起動しているアプリケーションの種類が関係することになる。
駆動制御部240Aは、領域データを用いて、ドライバIC151から入力される位置データが表す位置が、振動を発生させるべき所定の領域の内部にあるか否かを判定する。
アプリケーションの種類を表すデータと、操作入力が行われるGUI操作部等を表す領域データと、振動パターンを表すパターンデータとを関連付けた第2データは、メモリ250に格納されている。
また、駆動制御部240Aは、ドライバIC151から駆動制御装置300に位置データが入力されてから、当該位置データに基づいて駆動信号が算出されるまでの所要時間の間における指先の位置の変化分を補間するために、次の処理を行う。
駆動制御装置300は、所定の制御周期毎に演算を行う。これは駆動制御部240Aも同様である。このため、ドライバIC151から駆動制御装置300に位置データが入力されてから、当該位置データに基づいて駆動制御部240Aが駆動信号を算出するまでの所要時間をΔtとすると、所要時間Δtは、制御周期に等しい。
ここで、指先の移動速度は、ドライバIC151から駆動制御装置300に入力される位置データが表す点(x1、y1)を始点とし、所要時間Δtが経過した後の指先の位置を終点(x2、y2)とするベクトルの速度として求めることができる。
駆動制御部240Aは、ドライバIC151から駆動制御装置300に入力される位置データが表す点(x2、y2)を始点とし、所要時間Δtが経過した後の指先の位置を終点(x3、y3)とするベクトルを求めることにより、所要時間Δt経過後の座標(x3、y3)を推定する。
実施の形態の電子機器100では、上述のようにして所要時間Δt経過後の座標を推定することにより、所要時間Δtの間における指先の位置の変化分を補間する。
このような所要時間Δt経過後の座標を推定する演算は、駆動制御部240Aが行う。駆動制御部240Aは、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にあるか否かを判定し、振動を発生させるべき所定の領域の内部にある場合に振動を発生させる。従って、2つ目の所定の条件は、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にあることである。
以上より、駆動制御部240Aが振幅データを振幅変調器320に出力するために必要な2つの所定の条件は、指先の移動速度が所定の閾値速度以上であることと、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にあることである。
駆動制御部240Aは、指先の移動速度が所定の閾値速度以上であり、推定座標が振動を発生させるべき所定の領域の内部にある場合に、移動速度に応じた振幅値を表す振幅データをメモリ250から読み出して、振幅変調器320に出力する。
メモリ250は、振幅値を表す振幅データと移動速度との関係を表すデータ、及び、アプリケーションの種類を表すデータと、操作入力が行われるGUI操作部等を表す領域データと、振動パターンを表すパターンデータとを関連付けたデータとを格納する。
また、メモリ250は、振動素子140A1〜1403の駆動制御と、音声案内とを行うために必要なデータを格納する。このデータについては、図26及び図27を用いて後述する。
また、メモリ250は、アプリケーションプロセッサ220がアプリケーションの実行に必要とするデータ及びプログラム、及び、通信プロセッサ230が通信処理に必要とするデータ及びプログラム等を格納する。
正弦波発生器310は、トップパネル120を固有振動数で振動させるための駆動信号を生成するのに必要な正弦波を発生させる。例えば、トップパネル120を33.5[kHz]の固有振動数fで振動させる場合は、正弦波の周波数は、33.5[kHz]となる。正弦波発生器310は、超音波帯の正弦波信号を振幅変調器320に入力する。
なお、ここでは、正弦波発生器310を用いる形態について説明するが、正弦波発生器310の代わりに、クロックを生成するクロック発生器を用いてもよい。例えば、クロック発生器が発生するクロックのスルーレートを小さく設定することにより、クロックの立ち上がりと立ち下がりの波形を鈍らせることができる。このようにスルーレートを小さく設定したクロックを正弦波発生器310が発生する正弦波の代わりに用いてもよい。すなわち、正弦波の代わりに、振幅が周期的に変化する波形信号を用いてもよい。
振幅変調器320は、駆動制御部240Aから入力される振幅データを用いて、正弦波発生器310から入力される正弦波信号の振幅を変調して駆動信号を生成する。振幅変調器320は、正弦波発生器310から入力される超音波帯の正弦波信号の振幅のみを変調し、周波数及び位相は変調せずに、駆動信号を生成する。
このため、振幅変調器320が出力する駆動信号は、正弦波発生器310から入力される超音波帯の正弦波信号の振幅のみを変調した超音波帯の正弦波信号である。なお、振幅データがゼロの場合は、駆動信号の振幅はゼロになる。これは、振幅変調器320が駆動信号を出力しないことと等しい。
図7乃至図9は、トップパネル120に生じる定在波の振幅を示す図である。ここでは、振動素子140A1、140A2、140A3の代わりに、トップパネル120の短辺側に振動素子140B1、140B2、140B3を設けた場合の定在波の振幅を示す。振動素子140B1、140B2、140B3は、振動素子140A1、140A2、140A3と同様である。
図7は、振動素子140B1を駆動した場合の定在波を示し、図8は、振動素子140B2のみを駆動した場合の定在波を示し、図9は、振動素子140B3のみを駆動した場合の定在波を示す。
図7乃至図9では、定在波の振幅が大きい部分を濃いグレーで示し、振幅が小さくなるほど白く示す。
図7に示すように、振動素子140B1のみを駆動すると、トップパネル120の短辺のX軸負方向側において、長辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きい領域が得られていることが分かる。これは、トップパネル120の短辺方向において、振動素子140B1と略同じ幅で、長辺方向にわたって振幅が大きい定在波が生じていることを表す。また、このとき、短辺方向において、振動素子140B2及び140B3に対応する部分では、定在波の振幅は非常に小さくなっている。
図8に示すように、振動素子140B2のみを駆動すると、トップパネル120の短辺の中央部において、長辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きい領域が得られていることが分かる。これは、トップパネル120の短辺方向において、振動素子140B2と略同じ幅で、長辺方向にわたって振幅が大きい定在波が生じていることを表す。また、このとき、短辺方向において、振動素子140B1及び140B3に対応する部分では、定在波の振幅は非常に小さくなっている。
図9に示すように、振動素子140B3のみを駆動すると、トップパネル120の短辺のX軸正方向側において、長辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きい領域が得られていることが分かる。これは、トップパネル120の短辺方向において、振動素子140B3と略同じ幅で、長辺方向にわたって振幅が大きい定在波が生じていることを表す。また、このとき、短辺方向において、振動素子140B1及び140B2に対応する部分では、定在波の振幅は非常に小さくなっている。
図7乃至図9から分かるように、振動素子140B1、140B2、又は140B3を1つずつ駆動した場合に得られる定在波の振幅は、略同一である。
振動素子140B1を駆動すれば、トップパネル120の短辺のX軸負方向側において、長辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きい領域が得られる。このとき、トップパネル120の短辺の中央部とX軸正方向側とで長辺方向にわたる領域では、定在波の振幅は非常に小さい。
このため、トップパネル120の短辺のX軸負方向側で長辺方向のわたる領域でトップパネル120に触れる指先を移動させると、十分なスクイーズ効果による動摩擦力の低減効果が得られ、トップパネル120の短辺の中央部とX軸正方向側とで長辺方向にわたる領域でトップパネル120に触れる指先を移動させると、スクイーズ効果による動摩擦力の低減効果は殆ど得られない。
また、振動素子140B2を駆動すれば、トップパネル120の短辺の中央部において、長辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きい領域が得られる。このとき、トップパネル120の短辺のX軸負方向側とX軸正方向側とで長辺方向にわたる領域では、定在波の振幅は非常に小さい。
このため、トップパネル120の短辺の中央部で長辺方向のわたる領域でトップパネル120に触れる指先を移動させると、十分なスクイーズ効果による動摩擦力の低減効果が得られ、トップパネル120の短辺のX軸負方向側とX軸正方向側とで長辺方向にわたる領域でトップパネル120に触れる指先を移動させると、スクイーズ効果による動摩擦力の低減効果は殆ど得られない。
また、振動素子140B3を駆動すれば、トップパネル120の短辺のX軸正方向側において、長辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きい領域が得られる。このとき、トップパネル120の短辺の中央部とX軸負方向側とで長辺方向にわたる領域では、定在波の振幅は非常に小さい。
このため、トップパネル120の短辺のX軸正方向側で長辺方向のわたる領域でトップパネル120に触れる指先を移動させると、十分なスクイーズ効果による動摩擦力の低減効果が得られ、トップパネル120の短辺の中央部とX軸負方向側とで長辺方向にわたる領域でトップパネル120に触れる指先を移動させると、スクイーズ効果による動摩擦力の低減効果は殆ど得られない。
このように、振動素子140B1、140B2、140B3のうちのいずれか1つを選択して駆動することにより、トップパネル120の短辺方向(X軸方向)において、振幅の大きな定在波を発生させる領域を選択することができる。すなわち、トップパネル120の短辺方向(X軸方向)において、スクイーズ効果による動摩擦力の低減効果が得られる領域を選択することができる。
従って、図7乃至図9に示すように、トップパネル120の長辺に沿って配列される振動素子140B1、140B2、140B3のうちのいずれか1つを選択して駆動することにより、トップパネル120の長辺方向(Y軸方向)において、振幅の大きな定在波を発生させる領域を選択することができる。
すなわち、振動素子140B1、140B2、又は140B3を1つずつ駆動することにより、トップパネル120に振動が主体的に生じる領域を3つに分けることができる。
図10、図11、及び図12は、トップパネル120に振動が主体的に生じる3つの領域を示す図である。
振動素子140A1を駆動すれば、図10に示すように、トップパネル120のY軸負方向側の領域120A1において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
また、振動素子140A2を駆動すれば、図11に示すように、トップパネル120のY軸方向における中央の領域120A2において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
また、振動素子140A3を駆動すれば、図12に示すように、トップパネル120のY軸正方向側の領域120A3において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
以上のように、振動素子140A1、140A2、140A3のうちのいずれか1つを選択して駆動することにより、トップパネル120の長辺方向(Y軸方向)において、振幅の大きな定在波を発生させる領域120A1、120A2、120A3を選択することができる。
従って、振動素子140A1を駆動すれば、領域120A1でスクイーズ効果による動摩擦力の低減効果が得られ、領域120A2及び120A3ではスクイーズ効果による動摩擦力の低減効果が十分に得られないようにすることができる。このため、例えば、利用者が両手でトップパネル120の全体に触れると、触感で領域120A1と、領域120A2及び120A3とを区別することができる。
同様に、振動素子140A2を駆動すれば、触感で領域120A2と、領域120A1及び120A3とを区別することができ、振動素子140A3を駆動すれば、触感で領域120A3と、領域120A1及び120A2とを区別することができる。
また、振動素子140A1、140A2、140A3をすべて同時に駆動すれば、領域120A1、120A2、120A3のすべてに振幅の大きな定在波を発生させることができる。
図13は、実施の形態の電子機器100に利用者が操作入力を行った場合における振動素子140A1〜140A3の駆動パターンを示す図である。駆動パターンは、振幅データに基づいて振幅を変化させる駆動信号の波形を表す。
ここでは、一例として、電子機器100が振動素子140A1〜140A3を順番に2秒ずつ駆動することとする。また、一例として、駆動信号の周波数は35kHzである。また、図13の(A)〜(C)では、縦軸は駆動信号の振幅であり、横軸は時間(秒)を示す。
まず、時刻t=0(秒)において、電子機器100は振動素子140A1を駆動する。振動素子140A1を駆動する駆動パターンは、35kHz(超音波帯)の正弦波の振幅を時間の経過に伴ってA2とA1の間で周期的に増減させるパターンである。振幅が小さいときよりも、振幅が大きいときの方が、スクイーズ効果によって動摩擦力が低くなる。
このため、時間の経過に伴ってA2とA1の間で増減させることにより、利用者は指先又は手のひら等で、滑りやすさが時間的に変化する触感を知覚することができる。
また、時刻t=2(秒)において、電子機器100は、振動素子140A1を停止し、振動素子140A2を駆動する。振動素子140A2を駆動する駆動パターンは、35kHz(超音波帯)の正弦波の振幅を時間の経過に伴ってA12とA11の間で周期的に増減させるパターンである。振幅A12とA11は、振幅A2とA1よりも大きい。
また、時刻t=4(秒)において、電子機器100は、振動素子140A2を停止し、振動素子140A3を駆動する。振動素子140A3を駆動する駆動パターンは、35kHz(超音波帯)の正弦波の振幅を時間の経過に伴ってA22とA21の間で周期的に増減させるパターンである。振幅A22とA21は、振幅A2とA1よりも小さい。
時刻t=6(秒)において、電子機器100は、振動素子140A3を停止する。
このように電子機器100が振動素子140A1〜140A3を順番に2秒ずつ駆動するときに、利用者がトップパネル120に触れている指先又は手のひらを移動させると、領域120A1、120A2、及び120A3で順番に滑りやすい触感を知覚できる。また、領域120A1、120A2、及び120A3に発生する振動の振幅が異なるので、触感で領域120A1、120A2、及び120A3が変わったことを知覚することができる。
次に、図14乃至図25を用いて、電子機器100の動作について説明する。
図14乃至図16は、電子機器100の概要案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す図である。図14には、トップパネル120、タッチパネル150、及びディスプレイパネル160を簡略化して示す。
ディスプレイパネル160には、画像160A1、160A2、160A3が表示されている。画像160A1、160A2、160A3が表示される領域は、それぞれ、トップパネル120の領域120A1、120A2、120A3(図10乃至12参照)と略同一である。以下では、ディスプレイパネル160の表示について、X軸負方向側を上部と称し、X軸正方向側を下部と称す。また、Y軸正方向側を右側、Y軸負方向側を左側と称す。
また、画像160A1、160A2、160A3が表示される3つの領域のうちの1つをタッチパネル150の座標に変換した領域は、第1領域の一例であり、画像160A1、160A2、160A3が表示される3つの領域のうちの他の1つをタッチパネル150の座標に変換した領域は、第2領域の一例である。
画像160A1、160A2、160A3の上部には、「麺類」、「丼もの」、「飲み物」という分類を表す文字が表示されている。電子機器100は、トップパネル120に操作入力を行うことにより、利用者が自由に食べ物又は飲み物を注文できる入力装置である。
電子機器100は、振動素子140A1〜140A3(図6参照)を駆動することによるトップパネル120の振動と、スピーカ103(図1、6参照)から出力される音声案内とによって、目視せずに入力できる入力装置である。
図14に示すディスプレイパネル160に表示されている画像160A1、160A2、160A3は、注文を入力する初期画面であり、利用者がマルチタッチを行うことでディスプレイパネル160に表示される。従って、利用者がマルチタッチを行う前の状態では、ディスプレイパネル160に画像160A1、160A2、160A3は表示されていない。
図14に示す状態は、利用者がマルチタッチを行った直後の状態であり、振動素子140A1〜140A3は駆動されていない。振動素子140A1〜140A3は、利用者がマルチタッチを行ってから所定時間(例えば、1秒)が経過してから、順番に2秒ずつ駆動される。
ここで、マルチタッチとは、利用者が両手でトップパネル120に触れること、又は、複数の指でトップパネル120に触れることをいう。マルチタッチは、トップパネル120に複数の操作入力が行われ、タッチパネル150によって複数の座標が検出されることによって検出される。
図15では、トップパネル120の領域120A1に定在波が発生しており、利用者は両手でトップパネル120の全体に触れて、両手を左右に往復移動させている。この状態では、振動素子140A1のみが駆動されることによって領域120A1では動摩擦力が低減され、利用者は、左手の人差し指、中指、薬指、及び小指で、滑りやすい感触を知覚する。
このとき、領域120A2及び120A3では、動摩擦力が低減されないため、利用者は、右手では滑りやすい感触を知覚しない。
このような状態で、電子機器100は、「滑りやすい部分は麺類です」という音声案内をスピーカ103から出力する。
このように、麺類の領域120A1を認識した状態で、利用者が領域120A1内で確定操作を行えば、麺類の詳細な入力モードを起動することができる。
確定操作は、一例として、トップパネル120を強く押すことであり、確定操作を行うことで、電子機器100は入力を受け付ける。このような確定操作を受け付け付ける機能は、例えば、アプリケーションプロセッサ220(図6参照)のOS(Operation System)によって実現される。確定操作は、トップパネル120を強く押すことに限られず、トップパネル120に触れている(操作入力を行っている)指先等の面積の増大に基づいて受け付けられるようになっていてもよい。
図16では、トップパネル120の領域120A2に定在波が発生してしており、利用者は両手でトップパネル120の全体に触れて、両手を左右に往復移動させている。この状態では、振動素子140A2のみが駆動されることによって領域120A2では動摩擦力が低減され、利用者は、左手の人差し指及び親指と右手の親指とで、滑りやすい感触を知覚する。
このとき、領域120A1及び120A3では、動摩擦力が低減されないため、利用者は、左手の中指、薬指、及び小指と、右手の人差し指、中指、薬指、及び小指では滑りやすい感触を知覚しない。
このような状態で、電子機器100は、「滑りやすい部分は丼ものです」という音声案内をスピーカ103から出力する。
このように、麺類の領域120A2を認識した状態で、利用者が領域120A2内で確定操作を行えば、丼ものの詳細な入力モードを起動することができる。
図17では、トップパネル120の領域120A3に定在波が発生しており、利用者は両手でトップパネル120の全体に触れて、両手を左右に往復移動させている。この状態では、振動素子140A3のみが駆動されることによって領域120A3では動摩擦力が低減され、利用者は、右手の人差し指、中指、薬指、及び小指で、滑りやすい感触を知覚する。
このとき、領域120A2及び120A3では、動摩擦力が低減されないため、利用者は、左手と右手の親指では滑りやすい感触を知覚しない。
このような状態で、電子機器100は、「滑りやすい部分は飲み物です」という音声案内をスピーカ103から出力する。
このように、麺類の領域120A3を認識した状態で、利用者が領域120A3内で確定操作を行えば、飲み物の詳細な入力モードを起動することができる。
図18は、電子機器100の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す図である。図18には、詳細案内モードの一例として、麺類の詳細な入力モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す。
図18では、ディスプレイパネル160は、「かけうどん」、「肉うどん」、「てんぷらうどん」、「鍋焼きうどん」、「かけそば」の5つのメニューと、「戻る」操作とに対応する6つのボタン161A、162A、163A、164A、165A、166A(以下、161A〜166A)を表示している。ボタン161A〜166Aは、GUIによって表示されるボタンである。
ボタン161A〜166Aの周囲には、補助領域161B〜166Bが配置される。ボタン161A〜166Aと補助領域161B〜166Bとでは、操作入力を行ったときに振動素子140A1〜140A3を駆動する駆動パターンが異なる。補助領域161B〜166Bは、ボタン161A〜166Aへの指先の案内を補助(アシスト)するために設けられている。
また、ボタン161A、162A、163Aの上側には領域167A1、167A2、167A3が設けられており、ボタン164A、165A、166Aの下側には領域168A1、168A2、168A3が設けられている。
ボタン161A〜166Aが表示される領域をタッチパネル150の座標に変換した領域は、第3領域の一例である。補助領域161B〜166Bが表示される領域をタッチパネル150の座標に変換した領域は、第4領域の一例である。領域167A1、167A2、167A3、168A1、168A2、168A3が表示される領域をタッチパネル150の座標に変換した領域は、第5領域の一例である。
図19は、電子機器100の詳細案内モードにおける動作の一例を示す図である。図20及び図21は、電子機器100の詳細案内モードにおける駆動信号の一例を示す図である。
図19に示すように、利用者の右手の人差し指は、領域168A2の中で、ボタン165A「かけそば」の下側でトップパネル120に触れていることとする。
このような場合に、利用者が右手の人差し指を上方向に移動させると、電子機器100は、振動素子140A1〜140A3を駆動するとともに、「上はかけそばです」という音声案内をスピーカ103から出力する。
このときの振動素子140A1〜140A3の駆動パターンは、一例として図20に示す通りである。人差し指が上方向に移動開始すると、振幅A3の駆動信号で振動素子140A1〜140A3が駆動され、人差し指が移動停止すると、駆動信号の振幅はゼロになる。
図19に示す右手の人差し指の上には、ボタン165A「かけそば」が存在するため、領域168A2の中であっても、指先がボタン165Aに移動しやすい状態にするために、振動素子140A1〜140A3を駆動する。換言すれば、スクイーズ効果で指先の動摩擦力を低下させた(低摩擦)状態にして、領域168A2の中に位置する利用者の指先をボタン165Aに案内するために、振動素子140A1〜140A3を駆動する。
また、図19に示す状態から、利用者が右手の人差し指を左方向(Y軸負方向)に移動させると、電子機器100は、振動素子140A1〜140A3を駆動せずに、「左にはボタンはありません」という音声案内をスピーカ103から出力する。図19に示す右手の人差し指の左右には、ボタン161A〜166Aが存在しないからである。
このときの振動素子140A1〜140A3の駆動パターンは、一例として図21に示す通りである。人差し指が上方向に移動開始しても、駆動信号の振幅はゼロであり、人差し指が移動停止しても駆動信号の振幅はゼロのままである。
このように、ボタン161A〜166Aが存在しない方向に利用者が指先を動かすと、電子機器100は振動素子140A1〜140A3を駆動しないので、指先にかかる動摩擦力が大きい(高摩擦)状態になる。これにより、利用者の指先をボタン161A〜166Aが存在しない方向には案内しないようになる。なお、これは、図19に示す状態から、利用者が右手の人差し指を右側(Y軸正方向)又は下方向に移動させる場合も同様である。
また、ここでは、利用者の指先が領域168A2の中でトップパネル120に触れている場合の電子機器100の動作について説明したが、利用者の指先が領域167A1、167A2、167A3、168A1、168A3の中でトップパネル120に触れている場合の電子機器100の動作も同様である。
図22乃至図24は、電子機器100の詳細案内モードにおける動作の一例を示す図である。図25は、電子機器100の詳細案内モードにおける駆動信号の一例を示す図である。
図22に示すように、利用者の右手の人差し指は、補助領域165Bの中で、トップパネル120に触れながら右方向に移動していることとする。
このような場合に、電子機器100は、振動素子140A1〜140A3を駆動するとともに、「右はかけそばです」という音声案内をスピーカ103から出力する。
このときの振動素子140A1〜140A3の駆動パターンは、一例として図25に示す通りである。
時刻t1において、補助領域165Bの中で人差し指が右方向に移動開始すると、図25に示すように振幅A3の駆動信号で振動素子140A1〜140A3が駆動される。これにより、人差し指は右側にあるボタン165Aに案内される。このときの駆動信号の振幅はA3で一定であるため、利用者の指先には、つるつるした滑らかな触感が提供される。
時刻t2において、図23に示すように人差し指がボタン165Aに入ると、図25に示すように時間の変化に伴って振幅が周期的に変動する駆動信号で振動素子140A1〜140A3が駆動されるとともに、「かけそばです」という音声案内がスピーカ103から出力される。
この駆動信号の振幅は、A4とA5の間で正弦波状に周期的に変動するため、利用者の指先には、ざらざらした触感が提供される。また、振幅A4及びA5は、ともに振幅A3よりも小さい。このため、人差し指がボタン165Aに入ると、利用者の指先にかかる触感の変化を知覚する。また、音声案内により、現在の指先の位置が「かけそば」のボタン165Aの中にあることが通知される。
このため、利用者は、触感と音声案内とによって、現在の指先の位置が「かけそば」のボタン165Aの中にあることを目視せずに認識することができる。
利用者が人差し指を右方向にさらに移動させ、時刻t3において、図24に示すように補助領域165Bの中に入ると、振幅A3の駆動信号で振動素子140A1〜140A3が駆動される。このときは、補助領域165Bの中でもボタン165Aから離れる方向であるため、音声案内は行われない。
これにより、利用者は、現在の指先の位置が補助領域165Bの中にあり、「かけそば」のボタン165Aから外れたことを目視せずに認識することができる。
時刻t4において、補助領域165Bの中で利用者が人差し指の移動を停止すると、振動素子140A1〜140A3の駆動が停止される。なお、時刻t4において、補助領域165Bの中で利用者が人差し指をトップパネル120から離した場合も同様である。
このように、電子機器100は、領域167A1、167A2、167A3、168A1、168A2、168A3と、スクイーズ効果を利用した触感と、音声案内とを利用して、利用者の指先をボタン161A〜166Aが位置する方向に案内する。
また、ボタン161A〜166Aの周囲に配置した補助領域161B〜166Bと、スクイーズ効果を利用した触感と、音声案内とを利用して、利用者の指先をボタン161A〜166Aの内部に案内する。
このため、利用者は、目視せずにボタン161A〜166Aの位置を正確に認識することができ、確定操作を行うことで、ボタン161A〜166Aに関連付けられたメニューを正確に注文することができる。
図26は、概要案内モードで利用するデータの構造を示す図である。概要案内モードで利用するデータは、メモリ250に格納されている。図26に示すデータは、第1データの一例である。
概要案内モードで利用するデータは、座標、振動素子ID(Identifier)、駆動パターン、画像ID、及び音声データを関連付けた構成を有する。
座標f1(X,Y)、f2(X,Y)、f3(X,Y)は、領域120A1、120A2、120A3を表す座標である。
振動素子IDは、領域120A1、120A2、120A3に振動を発生させる際に駆動する振動素子の識別子を表す。ここでは、識別子として振動素子の符号を示す。領域120A1、120A2、120A3について、それぞれ、振動素子140A1、140A2、140A3が割り当てられている。
駆動パターンは、振動素子140A1、140A2、140A3を駆動する駆動信号の振幅を時系列的に並べたデータであり、振動素子140A1、140A2、140A3について、それぞれ、駆動パターンP1、P2、P3が割り当てられている。
画像IDは、トップパネル120の領域120A1、120A2、120A3と重複する位置に表示される画像の識別子を表す。ここでは、識別子として画像の符号を示す。領域120A1、120A2、120A3について、画像160A1、160A2、160A3が割り当てられている。
音声データは、領域120A1、120A2、120A3に振動を発生させるときにスピーカ103から出力する音声データであり、領域120A1、120A2、120A3について、それぞれ、「麺類です」、「丼ものです」、「飲み物です」が割り当てられている。
図26に示すようなデータを概要案内モードで利用することにより、図15乃至図17に示すような動作が可能になる。
図27は、詳細案内モードで利用するデータの構造を示す図である。詳細案内モードで利用するデータは、メモリ250に格納されている。図27に示すデータは、一例として、図18に示す詳細案内モードによる表示と、図19乃至図25に示す動作及び駆動信号を実現するためのデータである。図27に示すデータは、第2データの一例である。
詳細案内モードで利用するデータは、座標、振動素子ID、移動方向、駆動パターン、画像ID、音声データを含む。
座標f11(X,Y)、f12(X,Y)、・・・、f21(X,Y)、f22(X,Y)、f23(X,Y)は、ボタン161A〜166A、補助領域161B〜166B、領域167A1〜167A3、168A1〜168A3が表示される領域をタッチパネル150の座標系の座標値で表すデータである。
振動素子IDは、ボタン161A、補助領域161B、領域167A1等で操作入力が行われて指先の位置が移動した場合に駆動する振動素子の識別子を表す。例えば、ボタン161Aについては、振動素子140A1〜140A3が割り当てられている。
また、領域167A1については、移動方向がボタン161Aに上から接近する場合にのみ、振動素子140A1−140A3が割り当てられており、移動方向が右及び左の場合には振動素子は割り当てられていない。
これは、図19に示す動作の場合と同様に、領域167A1の内部に指先がある場合には、領域167A1の下側にあるボタン161Aに向かって操作入力の位置が移動する場合にのみ、振動を発生させるからである。
なお、振動を発生させない動作については、振動素子IDは割り当てられていない。例えば、領域167A1については、移動方向が右及び左の場合には振動素子は割り当てられていない。
移動方向は、操作入力を行う指先又は手が移動する方向を表す。移動する方向は、タッチパネル150の検出値に基づいて、アプリケーションプロセッサ220によって検出される。ここでは、説明の便宜上、上下左右で移動方向を示す。
なお、上下左右の判別において、移動方向が斜め方向である場合については、次のようにすればよい。例えば、移動方向が右下方向である場合には、下方向(X軸正方向)と右方向(Y軸正方向)との間で、X軸正方向に対して45度をなし、かつ、Y軸正方向に対して45度をなす直線を下方向と右方向の境界として、斜め右方向が下方向又は右方向のいずれであるかを判定すればよい。これは、左下方向、右上方向、左上方向においても同様である。また、上述のような境界の決め方に限らず、境界の方向は上下方向又は左右方向のどちらかに偏っていてもよい。
駆動パターンは、振動素子140A1〜140A3を駆動する駆動信号の振幅を時系列的に並べたデータであり、ボタン161A〜166A、補助領域161B〜166B、領域167A1〜167A3、168A1〜168A3について、P11、P12、・・・、P21、P22、P23、・・・が割り当てられている。
画像IDは、ボタン161A〜166A、補助領域161B〜166B、領域167A1〜167A3、168A1〜168A3の画像の識別子を表す。ここでは、識別子としてボタン161A等の符号を示す。
音声データは、ボタン161A〜166A、補助領域161B〜166B、領域167A1〜167A3、168A1〜168A3の表示領域内で操作入力の位置が移動するときにスピーカ103から出力する音声データである。
例えば、ボタン161Aについては、「かけうどんです」という音声データが割り当てられている。また、補助領域161Bについては、操作入力の位置がボタン161Aに左から接近する場合には、「右はかけうどんです」という音声データが割り当てられており、操作入力の位置がボタン161Aに右から接近する場合には、「左はかけうどんです」という音声データが割り当てられている。また、操作入力の位置がボタン161Aに下から接近する場合には、「上はかけうどんです」という音声データが割り当てられており、操作入力の位置がボタン161Aに上から接近する場合には、「下はかけうどんです」という音声データが割り当てられている。
また、領域167A1については、操作入力の位置がボタン161Aに右に移動する場合には、「右にボタンはありません」という音声データが割り当てられており、振動素子140A1−140A3が割り当てられていない。
また、領域167A1については、操作入力の位置がボタン161Aに左に移動する場合には、「左にボタンはありません」という音声データが割り当てられており、振動素子140A1−140A3が割り当てられていない。
また、領域167A1については、操作入力の移動方向がボタン161Aに上から接近する場合には、「下はかけうどんです」という音声データが割り当てられており、振動素子140A1−140A3が割り当てられている。
図27に示すようなデータを詳細案内モードで利用することにより、図19乃至図25に示すような動作及び駆動信号の生成が可能になる。
図28は、電子機器100の制御装置200が実行する処理を示すフローチャートである。
制御装置200は、操作入力が行われているかどうかを判定する(ステップS1)。制御装置200は、タッチパネル150が座標を検出しているかどうか判定することにより、操作入力が行われているかどうかを判定する。
制御装置200は、操作入力が行われている(S1:YES)と判定すると、マルチタッチであるかどうかを判定する(ステップS2)。制御装置200は、タッチパネル150が検出している座標が2つ以上あるかを判定することで、マルチタッチであるかどうかを判定する。
なお、制御装置200は、マルチタッチではない(S2:NO)と判定すると、フローをステップS1にリターンする。
制御装置200は、マルチタッチである(S2:YES)と判定すると、概要案内モードの画像を表示する(ステップS3)。制御装置200は、図14に示す画像160A1、160A2、160A3をディスプレイパネル160に表示する。
制御装置200は、振動素子140A1を駆動する(ステップS4)。制御装置200は、概要案内モードで利用するデータ(図26参照)に基づいて、振動素子140A1を駆動する。これにより、トップパネル120の領域120A1に超音波帯の固有振動が発生する。
制御装置200は、音声案内を行う(ステップS5)。制御装置200は、概要案内モードで利用するデータ(図26参照)に基づいて、音声案内を行う。例えば、振動素子140A1を駆動しているときには、「麺類です」という音声データを用いて音声案内を行う。
制御装置200は、確定操作が行われたかどうかを判定する(ステップS6)。確定操作が行われたかどうかは、アプリケーションプロセッサ220によって検出されるため、制御装置200は、アプリケーションプロセッサ220によって確定操作が検出されたかどうかを判定することで、確定操作が行われたかどうかを判定する。
制御装置200は、確定操作が行われていない(S6:NO)と判定すると、振動素子140A1を駆動してから2秒経過したかどうかを判定する(ステップS7)。振動素子140A1を駆動する時間は、2秒間だからである。
制御装置200は、振動素子140A1を駆動してから2秒経過していない(S7:NO)と判定すると、フローをステップS1にリターンする。これにより、ステップS1からS7の処理が繰り返され、確定操作が行われない場合には、振動素子140A1を駆動してから2秒経過するまで振動素子140A1が駆動される。
制御装置200は、振動素子140A1を駆動してから2秒経過した(S7:YES)と判定すると、操作入力が行われているかどうかを判定する(ステップS8)。制御装置200は、タッチパネル150が座標を検出しているかどうか判定することにより、操作入力が行われているかどうかを判定する。
制御装置200は、操作入力が行われている(S8:YES)と判定すると、マルチタッチであるかどうかを判定する(ステップS9)。制御装置200は、タッチパネル150が検出している座標が2つ以上あるかを判定することで、マルチタッチであるかどうかを判定する。
なお、制御装置200は、マルチタッチではない(S9:NO)と判定すると、フローをステップS8にリターンする。
制御装置200は、マルチタッチである(S9:YES)と判定すると、概要案内モードの画像を表示する(ステップS10)。制御装置200は、図14に示す画像160A1、160A2、160A3をディスプレイパネル160に表示する。
制御装置200は、振動素子140A2を駆動する(ステップS11)。制御装置200は、概要案内モードで利用するデータ(図26参照)に基づいて、振動素子140A2を駆動する。これにより、トップパネル120の領域120A2に超音波帯の固有振動が発生する。
制御装置200は、音声案内を行う(ステップS12)。制御装置200は、概要案内モードで利用するデータ(図26参照)に基づいて、音声案内を行う。例えば、振動素子140A2を駆動しているときには、「丼ものです」という音声データを用いて音声案内を行う。
制御装置200は、確定操作が行われたかどうかを判定する(ステップS13)。確定操作が行われたかどうかは、アプリケーションプロセッサ220によって検出されるため、制御装置200は、アプリケーションプロセッサ220によって確定操作が検出されたかどうかを判定することで、確定操作が行われたかどうかを判定する。
制御装置200は、確定操作が行われていない(S13:NO)と判定すると、振動素子140A2を駆動してから2秒経過したかどうかを判定する(ステップS14)。振動素子140A2を駆動する時間は、2秒間だからである。
制御装置200は、振動素子140A2を駆動してから2秒経過していない(S14:NO)と判定すると、フローをステップS8にリターンする。これにより、ステップS8からS14の処理が繰り返され、確定操作が行われない場合には、振動素子140A2を駆動してから2秒経過するまで振動素子140A2が駆動される。
制御装置200は、振動素子140A2を駆動してから2秒経過した(S14:YES)と判定すると、操作入力が行われているかどうかを判定する(ステップS15)。制御装置200は、タッチパネル150が座標を検出しているかどうか判定することにより、操作入力が行われているかどうかを判定する。
制御装置200は、操作入力が行われている(S15:YES)と判定すると、マルチタッチであるかどうかを判定する(ステップS16)。制御装置200は、タッチパネル150が検出している座標が2つ以上あるかを判定することで、マルチタッチであるかどうかを判定する。
なお、制御装置200は、マルチタッチではない(S16:NO)と判定すると、フローをステップS15にリターンする。
制御装置200は、マルチタッチである(S16:YES)と判定すると、概要案内モードの画像を表示する(ステップS17)。制御装置200は、図14に示す画像160A1、160A2、160A3をディスプレイパネル160に表示する。
制御装置200は、振動素子140A3を駆動する(ステップS18)。制御装置200は、概要案内モードで利用するデータ(図26参照)に基づいて、振動素子140A3を駆動する。これにより、トップパネル120の領域120A3に超音波帯の固有振動が発生する。
制御装置200は、音声案内を行う(ステップS19)。制御装置200は、概要案内モードで利用するデータ(図26参照)に基づいて、音声案内を行う。例えば、振動素子140A3を駆動しているときには、「飲み物です」という音声データを用いて音声案内を行う。
制御装置200は、確定操作が行われたかどうかを判定する(ステップS20)。確定操作が行われたかどうかは、アプリケーションプロセッサ220によって検出されるため、制御装置200は、アプリケーションプロセッサ220によって確定操作が検出されたかどうかを判定することで、確定操作が行われたかどうかを判定する。
制御装置200は、確定操作が行われていない(S20:NO)と判定すると、振動素子140A3を駆動してから2秒経過したかどうかを判定する(ステップS21)。振動素子140A3を駆動する時間は、2秒間だからである。
制御装置200は、振動素子140A3を駆動してから2秒経過していない(S21:NO)と判定すると、フローをステップS15にリターンする。これにより、ステップS15からS21の処理が繰り返され、確定操作が行われない場合には、振動素子140A3を駆動してから2秒経過するまで振動素子140A3が駆動される。
制御装置200は、ステップS6、S13、又はS20において、確定操作が行われた(S20:YES)と判定すると、振動素子を停止する(ステップS22)。詳細案内モードに移行するためである。
制御装置200は、詳細案内モードの画像を表示する(ステップS23)。制御装置200は、図18に示すボタン161A〜166A、補助領域161B〜166B、領域167A1〜167A3、168A1〜168A3をディスプレイパネル160に表示する。
制御装置200は、操作入力が行われているかどうかを判定する(ステップS24)。制御装置200は、タッチパネル150が座標を検出しているかどうか判定することにより、操作入力が行われているかどうかを判定する。制御装置200は、ステップS24で操作入力の位置の座標を検出する。
なお、制御装置200は、操作入力が行われていない(S24:NO)と判定すると、フローをステップS23にリターンする。
制御装置200は、操作入力が行われている(S24:YES)と判定すると、操作入力の位置が移動しているかどうかを判定する(ステップS25)。スクイーズ効果による動摩擦力が低減される効果は、指先又は手がトップパネル120に触れながら移動しているときに得られるからである。
制御装置200は、タッチパネル150によって検出される座標が変化しているかどうかを判定することにより、操作入力の位置が移動しているかどうかを判定すればよい。
制御装置200は、操作入力の位置が移動している(S25:YES)と判定すると、操作入力の位置の移動方向を判定する(ステップS26)。例えば、補助領域161B(図18参照)のように、ボタン161Aに接近する方向によって、音声案内が異なるケースがあるからである。また、領域167A1(図18参照)のように、移動方向によって振動素子140A1〜140A3の駆動の有無と、音声案内が異なるケースがあるからである。
制御装置200は、タッチパネル150によって検出される座標が変化する方向を判定することにより、操作入力の位置の移動方向を判定すればよい。
制御装置200は、ステップS24で検出した操作入力の座標と、ステップS26で検出した移動方向と、図27に示す詳細案内モードのデータとに基づき、振動素子を駆動する(ステップS27)。例えば、操作入力の位置が補助領域161Bの内部にあってボタン161Aに左から接近している場合には、振動パターンP12で振動素子140A1〜140A3が駆動される。
なお、ステップS27では、例えば、操作入力の位置が領域167A1の内部で右又は左に移動している場合には、図27に示すデータで振動素子が割り当てられていないため、振動素子140A1〜140A3が駆動されずに、フローはステップS28に進行することになる。
制御装置200は、ステップS24で検出した操作入力の座標と、ステップS26で検出した移動方向と、図27に示す詳細案内モードのデータとに基づき、音声案内を行う(ステップS28)。例えば、操作入力の位置が補助領域161Bの内部にあってボタン161Aに左から接近している場合には、「右はかけうどんです」という音声データをスピーカ103から出力する。
制御装置200は、確定操作が行われたかどうかを判定する(ステップS29)。
制御装置200は、確定操作が行われた(S29:YES)と判定した場合は、確定した内容が「戻る」であるかどうかを判定する(ステップS30)。ステップS30の処理は、例えば、ステップS27又はS28の処理で用いた操作入力の座標がボタン166Aの座標f21(X,Y)に含まれるかどうかに基づいて判定すればよい。
制御装置200は、確定した内容が「戻る」ではない(S30:NO)と判定すると、確定操作が行われた注文内容を確定する(ステップS31)。例えば、「かけうどん」が注文された場合には、「かけうどん」を表すデータを出力する。
電子機器100は、一連の処理が終える(END)。
なお、制御装置200は、ステップS25において、操作入力の位置が移動していない(S25:NO)と判定すると、フローをステップS23にリターンする。
また、ステップS29において、操作入力の位置がボタン161A〜166Aに入っていない場合に確定操作が行われた場合には、例えば、「ボタン以外の領域です」というような音声案内を行ってもよい。利用者に操作のやり直しを求めるためである。この場合に、フローをステップS29からステップS23にリターンすればよい。
また、ステップS24において、操作入力が行われていないという判定を所定の回数にわたって繰り返し行った場合には、一連の処理を終了してもよい。
以上、実施の形態によれば、利用者がトップパネル120にマルチタッチを行うと、図14に示す画像160A1、160A2、160A3を表示し、図15乃至図17に示すように、領域120A1、120A2、120A3を順番に振動させるとともに、音声案内を行う概要案内モードを実行する。
このため、利用者は、目視しなくても、指先又は手のひら等で知覚する触感と、音声案内とによって、領域120A1、120A2、120A3がそれぞれ「麺類」、「丼もの」、「飲み物」であることを把握することができる。「麺類」、「丼もの」、「飲み物」は、概略的な分類である。
また、利用者によって「麺類」、「丼もの」、「飲み物」のいずれかが選択されると、図18に示すように詳細なメニューを表示し、触感と音声案内で各メニューの案内を行う。
このため、利用者は、目視しなくても、指先又は手のひら等で知覚する触感と、音声案内とによって、ボタン161A〜166Aに案内され、好みのメニューを容易に注文することができる。
従って、実施の形態によれば、音声と振動で複数の領域を判別できる電子機器100、及び、電子機器の駆動方法を提供することができる。
なお、以上では、3つの振動素子140A1〜140A3を用いて、トップパネル120の3つの領域120A1〜120A3に選択的に振動を発生させる形態について説明した。しかしながら、振動素子は、2つ以上あればよく、トップパネル120に2つ以上の領域に独立的に振動を発生させることができればよい。少なくとも2つ以上の領域で独立的に振動を発生させることができれば、概要案内モードにおいて、振動が発生している領域と、振動が発生していない領域とを設けることができるからである。
次に、図29乃至図66を用いて、変形例について説明する。以下では、図1乃至図28を用いて説明した構成要素と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図29は、電子機器100の概要案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示の変形例を示す図である。
ディスプレイパネル160に画像160A1、160A2、160A3を表示するときに、ボタン160A11、160A12、160A13、160A21、160A22、160A23、160A31、160A32、160A33を表示してもよい。
ボタン160A11、160A12、160A13は、「かけうどん」、「肉うどん」、「てんぷらうどん」を選択するボタンである。これらは、麺類である。
また、ボタン160A21、160A22、160A23は、「天丼A」、「天丼B」、「すきやき丼」を選択するボタンである。これらは、丼ものである。
また、ボタン160A31、160A32、160A33は、「オレンジジュース」等の飲み物を選択するボタンである。
このようなボタン160A11〜160A13、160A21〜160A23、160A31〜160A33を画像160A1、160A2、160A3の中に表示しておき、概要案内モードから詳細案内モードに切り替わったときに、ボタン160A11〜160A13、160A21〜160A23、160A31〜160A33を選択できるようにしてもよい。
図30は、電子機器100の詳細案内モードにおける動作の変形例を示す図である。図31は、電子機器100の詳細案内モードにおける駆動信号の変形例を示す図である。
図30では、利用者の右手の人差し指が、矢印で示すように、補助領域161B、ボタン161A、補助領域161B、補助領域162B、ボタン162A、補助領域162Bの順にY軸正方向に移動していることとする。
より具体的には、利用者の右手の人差し指が、時刻t11で補助領域161Bの内部で移動を開始し、時刻t12でボタン161Aの表示領域に入り、時刻t13で補助領域161Bに入ったとする。さらに、時刻t14で補助領域161Bから補助領域162Bに入り、時刻t15でボタン162Aに入り、時刻t16で補助領域162Bに入ったとする。
このような場合に、電子機器100は、時刻t11で振動素子140A1〜140A3を駆動するとともに、「右はかけうどんです」という音声案内がスピーカ103から出力される。このときの振動素子140A1〜140A3の駆動パターンは、一例として図31に示す通りであり、振幅がA3で一定の駆動信号で所定の短時間だけ振動素子140A1〜140A3を駆動する。このとき、利用者の指先には、つるつるした触感が提供される。
所定の短時間は、平均的な指先の移動速度において、指先が補助領域161Bを通過するのに掛かる所要時間よりも十分に短い時間に設定されている。なお、このような所定の短時間を設定する代わりに、指先の座標を検出して、指先が補助領域161Bからボタン162Aの表示領域に入る前に、振動素子140A1〜140A3の駆動を停止するようにしてもよい。
振動素子140A1〜140A3は、利用者の右手の人差し指が補助領域161Bの中にあるうちに、駆動信号の振幅がゼロにされることにより、駆動されなくなる。このとき、利用者の指先に掛かる動摩擦力が増大するため、突起に触れたような触感が提供される。
時刻t12で利用者の右手の人差し指がボタン161Aの表示領域に入ると、振幅がA4とA5の間で周期的に変化する駆動信号で振動素子140A1〜140A3が駆動されるとともに、「かけうどんです」という音声案内がスピーカ103から出力される。このとき、利用者の指先には、ざらざらした触感が提供される。
時刻t13で補助領域161Bに入ると、振動素子140A1〜140A3の駆動が所定の短時間だけ停止される。このとき、利用者の指先に掛かる動摩擦力が増大するため、突起に触れたような触感が提供される。また、このときは、利用者の指先がボタン161Aから遠ざかる方向に移動しているため、音声案内は行われない。
また、時刻t13から所定の短時間が経過すると、振動素子140A1〜140A3は、振幅A3の駆動信号で駆動される。このとき、利用者の指先には、つるつるした触感が提供される。
時刻t14で補助領域161Bから補助領域162Bに入ると、振動素子140A1〜140A3が振幅A3の駆動信号で駆動され続けるとともに、「右は肉うどんです」という音声案内がスピーカ103から出力される。このとき、利用者の指先には、つるつるした触感が提供される。
時刻t14から所定の短時間が経過すると、駆動信号の振幅がゼロにされることにより、振動素子140A1〜140A3は駆動されなくなる。このとき、利用者の指先に掛かる動摩擦力が増大するため、突起に触れたような触感が提供される。
時刻t15でボタン162Aに入ると、振幅がA5とA6の間で周期的に変化する駆動信号で振動素子140A1〜140A3が駆動されるとともに、「肉うどんです」という音声案内がスピーカ103から出力される。このとき、利用者の指先には、ざらざらした触感が提供される。なお、振幅がA6は振幅A5よりも大きく、振幅A4よりも小さい。従って、ボタン162Aとボタン161Aとでは、振幅の異なる駆動振動で振動素子140A1〜140A3が駆動される。
時刻t16で補助領域162Bに入ると、振動素子140A1〜140A3の駆動が所定の短時間だけ停止される。このとき、利用者の指先に掛かる動摩擦力が増大するため、突起に触れたような触感が提供される。また、このときは、利用者の指先がボタン162Aから遠ざかる方向に移動しているため、音声案内は行われない。
また、時刻t16から所定の短時間が経過すると、振動素子140A1〜140A3は、振幅A3の駆動信号で駆動される。このとき、利用者の指先には、つるつるした触感が提供される。
以上のように、ボタン161Aと補助領域161Bとの間、及び、ボタン162Aと補助領域162Bとの間で駆動信号の振幅をゼロにする区間を設けてもよい。突起に触れたような触感が提供されるため、ボタン161Aと補助領域161Bとの間、及び、ボタン162Aと補助領域162Bとの間の境界を触感で知覚しやすくなる。
また、ボタン162Aとボタン161Aとで、振幅の異なる駆動振動で振動素子140A1〜140A3を駆動することにより、触感でボタン162Aとボタン161Aの違いが分かるようにすることができる。
これは、ボタン161A〜166Aと補助領域161B〜166Bの表示領域の中で指先をどのような方向に移動させた場合も同様である。
このように、スクイーズ効果を利用した触感と、音声案内とを利用して、利用者の指先をボタン161A〜166Aが位置する方向に案内することができる。このため、利用者は、目視することなくボタン161A〜166Aの位置を正確に認識することができ、確定操作を行うことで、ボタン161A〜166Aに関連付けられたメニューを正確に注文することができる。
図32は、電子機器100の詳細案内モードにおける駆動信号の変形例を示す図である。
図32の時刻t1と時刻t2の間に示すように、補助領域165Bの表示領域の中を指先がボタン165Aに近づく方向に移動しているときには、駆動信号の振幅をゼロから徐々にA3まで増大させてもよい。
このように振幅を時間的に変化させることにより、補助領域165Bの表示領域の中を指先がボタン165Aに近づくに連れて、利用者の指先には、徐々に滑りやすくなる触感が提供される。このため、補助領域165Bからボタン165Aに向かっている状態を触感を通じて利用者に知らせることができる。
また、これとは逆に、図32の時刻t3と時刻t4の間に示すように、補助領域165Bの表示領域の中を指先がボタン165Aから遠ざかる方向に移動しているときには、駆動信号の振幅をA3から徐々にゼロまで減少させてもよい。
このように振幅を時間的に変化させることにより、補助領域165Bの表示領域の中を指先がボタン165Aから遠ざかるに連れて、利用者の指先には、徐々に滑り難くなる触感が提供される。このため、ボタン165Aから遠ざかっている状態を触感を通じて利用者に知らせることができる。
図33は、電子機器100のディスプレイパネル160の表示の変形例を示す図である。
ディスプレイパネル160には、画像160A41、160A42、160A43が表示されている。画像160A41、160A42、160A43の表示領域のサイズは、図14に示す画像160A1、160A2、160A3の表示領域と同様である。
画像160A41、160A42、160A43には、それぞれ、「かけうどん」、「肉うどん」、「てんぷらうどん」の文字が表示されている。
電子機器100は、図33に示す画像160A41、160A42、160A43を表示した状態で、トップパネル120の領域120A1、120A2、120A3(図10乃至図12参照)を振動させるとともに、「かけうどん」、「肉うどん」、「てんぷらうどん」の音声案内をスピーカ103から出力してもよい。
利用者は、確定操作を行うことにより、「かけうどん」、「肉うどん」、「てんぷらうどん」のいずれかを選択することができる。
なお、このような案内モードは、概要案内モードとして行ってもよい。この場合に、詳細モードは行わなくてもよい。また、詳細モードの中で、「かけうどん」、「肉うどん」、「てんぷらうどん」を選択するボタンを画像160A41、160A42、160A43のように大きくしてもよい。
図34は、車載型の電子機器のトップパネル120、タッチパネル150、ディスプレイパネル160を示す図である。図35は、図34に示す電子機器の概要案内モードにおける動作状態の一例を示す図である
図34では、図2及び図3と同一のXYZ座標系を定義する。また、図34では、トップパネル120、タッチパネル150、ディスプレイパネル160を簡略化して示す。
また、図34では、利用者は、左手の親指、人差し指、中指、薬指、及び小指でトップパネル120に触れることによって、マルチタッチを行っている。なお、左手の親指、人差し指、中指、薬指、及び小指に加えて、手のひらがトップパネル120に触れていてもよく、左手の親指、人差し指、中指、薬指、及び小指のうちの2本の指がトップパネル120に触れている状態であってもよい。
図34に示す電子機器は、一例として、車両のエアコン、オーディオ、及びナビゲーションのコントローラとして用いられ、例えば、車両の室内のダッシュボードの中央部等に配設される。
図34に示すディスプレイパネル160の表示は、概要案内モードによるものであり、画像160A51、160A52、160A53の上部には、それぞれ、「エアコン」、「オーディオ」、「ナビゲーション」という分類を表す文字が表示されている。
図34に示す電子機器において、図35に示すように領域120A1に振動が生じるとともに、「滑りやすい部分はエアコンです」という音声案内が行われると、利用者は、目視しなくても「エアコン」の領域120A1を認識することができる。
このようなエアコン、オーディオ、ナビゲーションを選択する概要案内モード付きの電子機器を車両に搭載すれば、利用者は、車両を運転しながら、ディスプレイパネル160を目視することなく、片手でマルチタッチを行うだけで、容易に概要案内モードを立ち上げることができる。
図36は、図34に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す図である。
図36では、ディスプレイパネル160にボタン360A61、360A62、360A63が表示されている。これらのボタンは、比較的大きなサイズを有する。
ボタン360A61、360A62、360A63は、それぞれ、「温度上昇」、「温度低下」、「戻る」を選択するボタンである。
このようなエアコン、オーディオ、ナビゲーションを操作する詳細案内モードを利用すれば、利用者は、車両を運転しながら、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン360A61、360A62、360A63を選択することができる。
図37は、図34に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の他の表示を示す図である。
図37では、ディスプレイパネル160は、「内気循環」、「モード」、「拡大」、「温度上昇」、「音量上昇」、「縮小」、「温度低下」、「音量低下」の8つのメニューと、「戻る」操作とに対応する9つのボタン261A、262A、263A、264A、265A、266A、267A、268A、269A(以下、261A〜269A)を表示している。ボタン261A〜269Aは、GUIによって表示されるボタンである。ボタン261A〜269Aの周囲には、補助領域261B〜269Bが配置される。
ボタン261A、264A、267Aは、エアコンを操作するためのボタンであり、ボタン262A、265A、268Aは、オーディオを操作するためのボタンであり、ボタン263A、266A、269Aは、ナビゲーションを操作するためのボタンである。
また、ボタン261A、262A、263Aの上側には領域167A1、167A2、167A3が設けられており、ボタン267A、268A、269Aの下側には領域168A1、168A2、168A3が設けられている。
このようなエアコン、オーディオ、ナビゲーションを操作する詳細案内モードを利用すれば、利用者は、車両を運転しながら、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A〜269Aを選択することができる。
図38は、図34に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の他の表示を示す図である。
図38では、ディスプレイパネル160は、「AUTO」、「モード」、「A/C」、「温度上昇」、「デフロスタ」、「REAR」、「温度低下」、「内気循環」の8つのメニューと、「戻る」操作とに対応する9つのボタン261A1、262A1、263A1、264A1、265A1、266A1、267A1、268A1、269A1(以下、261A1〜269A1)を表示している。ボタン261A1〜269A1は、GUIによって表示されるボタンである。ボタン261A1〜269A1は、エアコンを操作するためのボタンである。ボタン261A1〜269A1の周囲には、補助領域261B1〜269B1が配置される。
また、ボタン261A1、262A1、263A1の上側には領域167A1、167A2、167A3が設けられており、ボタン267A1、268A1、269A1の下側には領域168A1、168A2、168A3が設けられている。
このようなエアコンを操作する詳細案内モードを利用すれば、利用者は、車両を運転しながら、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A1〜269A1を選択し、容易にエアコンを操作することができる。
図39は、図34に示す電子機器の概要案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示の変形例を示す図である。
ディスプレイパネル160に画像160A51、160A52、160A53を表示するときに、ボタン261A〜269Aを表示してもよい。ボタン261A〜269Aは、図37に示すものと同様である。
図40は、図34に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示の変形例を示す図である。
ディスプレイパネル160に地図を表示した状態で、ボタン263A2、266A2、269A2を表示してもよい。ボタン263A2、266A2、269A2は、図37に示すボタン263A、266A、269Aのサイズを大きくしたものである。なお、図40に示すように、ボタン263A2、266A2、269A2の周囲に補助領域を設けなくてもよい。
図41は、図34に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示の変形例を示す図である。
ディスプレイパネル160に地図を表示した状態で、ボタン263A3、266A3、269A3をディスプレイパネル160の下部に表示してもよい。ボタン263A3、266A3、269A3の周囲には、補助領域263B3、266B3、269B3が設けられる。
ボタン263A3、266A3、269A3は、図37に示すボタン263A、266A、269Aと同様であり、補助領域263B3、266B3、269B3は、図37に示す補助領域263B3、266B3、269B3と同様である。
図42は、電子機器100の概要案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示の変形例を示す図である。図42は、銀行又は郵便局等のATM(Automated Teller Machine)の操作部に電子機器100を配置した場合のディスプレイパネル160の表示の一例を示す。図42には、トップパネル120、タッチパネル150、及びディスプレイパネル160を簡略化して示す。
ディスプレイパネル160に画像160A61、160A62、160A63を表示するときに、ボタン261A63、262A63、263A63、264A63、265A63、266A63を表示してもよい。画像160A61、160A62、160A63は、「現金取扱」、「通帳・残高」、「振込関連」を分類しており、概要案内モードで表示される。
ボタン261A63、262A63、263A63、264A63、265A63、266A63は、「お引き出し」、「残高照会」、「振込」、「お預け入れ」、「通帳記入」、「戻る」を選択するボタンである。なお、ボタン261A3、262A3、263A3、264A3、265A3、266A3のうちのいずれか1つのボタンを「戻る」ボタンにしてもよい。
ボタン261A3と264A3は、画像160A61の内部に配置され、ボタン262A3と265A3は、画像160A62の内部に配置され、ボタン263A3と266A3は、画像160A63の内部に配置される。
このようなボタン261A3、262A3、263A3、264A3、265A3、266A3を画像160A61、160A62、160A63の中に表示しておき、概要案内モードから詳細案内モードに切り替わったときに、ボタン261A3、262A3、263A3、264A3、265A3、266A3を選択できるようにしてもよい。
図43及び図44は、電子機器100の概要案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す図である。図43には、トップパネル120、タッチパネル150、及びディスプレイパネル160を簡略化して示す。
ディスプレイパネル160には、画像160A61、160A62、160A63が表示されている。画像160A61、160A62、160A63が表示される領域は、それぞれ、トップパネル120の領域120A1、120A2、120A3(図10乃至12参照)と略同一である。
画像160A61、160A62、160A63の上部には、「現金取扱」、「通帳・残高」、「振込関連」という分類を表す文字が表示されている。電子機器100は、トップパネル120に操作入力を行うことにより、利用者が振込等を行うことできる入力装置である。
図43に示すディスプレイパネル160に表示されている画像160A61、160A62、160A63は、概要案内モードでの表示であり、利用者がマルチタッチを行うことでディスプレイパネル160に表示される。
図44では、トップパネル120の領域120A1に定在波が発生しており、利用者は両手でトップパネル120の全体に触れて、両手を左右に往復移動させている。この状態では、振動素子140A1のみが駆動されることによって領域120A1では動摩擦力が低減され、利用者は、左手の人差し指、中指、薬指、及び小指で、滑りやすい感触を知覚する。
このとき、領域120A2及び120A3では、動摩擦力が低減されないため、利用者は、右手では滑りやすい感触を知覚しない。
このような状態で、電子機器100は、「滑りやすい部分は現金取扱です」という音声案内をスピーカ103から出力する。
このように、現金取扱の領域120A1を認識した状態で、利用者が領域120A1内で確定操作を行えば、現金取扱の詳細な入力モードを起動することができる。
図45は、図43に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す図である。
図45では、ディスプレイパネル160にボタン261A4と262A4が表示されている。これらのボタンは、比較的大きなサイズを有する。
ボタン261A4と262A4は、それぞれ、「お引き出し」と「お預け入れ」を選択するボタンである。
このような詳細案内モードを利用すれば、利用者は、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A4と262A4を選択することができる。
図46は、図43に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の他の表示を示す図である。
図46では、ディスプレイパネル160は、「お引き出し」、「残高照会」、「振込」、「お預け入れ」、「通帳記入」を選択するの5つのメニューと、「戻る」操作とに対応する6つのボタンを表示している。ここでは、「お引き出し」用のボタン261A5と補助領域261B5を示す。また、周囲には領域267A5が設けられている。
このような詳細案内モードを利用すれば、利用者は、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A5等を選択し、容易にATMでの取引を行うことができる。
図47は、図43に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の他の表示を示す図である。
図47では、ディスプレイパネル160は、金額入力用のボタン261A6等と補助領域261B6等を示す。また、周囲には領域267A6が設けられている。
このような詳細案内モードを利用すれば、利用者は、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A6等を選択し、容易にATMでの取引を行うことができる。
図48は、電子機器100の概要案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示の変形例を示す図である。図48は、液等の券売機の操作部に電子機器100を配置した場合のディスプレイパネル160の表示の一例を示す。図48には、トップパネル120、タッチパネル150、及びディスプレイパネル160を簡略化して示す。
ディスプレイパネル160に画像160A71、160A72、160A73を表示するときに、ボタン261A7等を表示してもよい。画像160A71、160A72、160A73は、「切符」、「乗り換え切符」、「指定・回数券・定期」を分類しており、概要案内モードで表示される。
ボタン261A7を含む9つのボタンは、「500円未満」、「500円未満」、「指定券」、「500円〜1000円」、「500円〜1000円」、「回数券」、「1000円以上」、「1000円以上」、「戻る」を選択するボタンである。
このようなボタン261A7等を画像160A71、160A72、160A73の中に表示しておき、概要案内モードから詳細案内モードに切り替わったときに、ボタン261A7等を選択できるようにしてもよい。
図49及び図50は、電子機器100の概要案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す図である。図49には、トップパネル120、タッチパネル150、及びディスプレイパネル160を簡略化して示す。
ディスプレイパネル160には、画像160A71、160A72、160A73が表示されている。画像160A71、160A72、160A73が表示される領域は、それぞれ、トップパネル120の領域120A1、120A2、120A7(図10乃至12参照)と略同一である。
画像160A71、160A72、160A73の上部には、「切符」、「乗り換え切符」、「指定・回数券・定期」という分類を表す文字が表示されている。電子機器100は、トップパネル120に操作入力を行うことにより、利用者が指定券等を行うことできる入力装置である。
図49に示すディスプレイパネル160に表示されている画像160A71、160A72、160A73は、概要案内モードでの表示であり、利用者がマルチタッチを行うことでディスプレイパネル160に表示される。
図50では、トップパネル120の領域120A1に定在波が発生しており、利用者は両手でトップパネル120の全体に触れて、両手を左右に往復移動させている。この状態では、振動素子140A1のみが駆動されることによって領域120A1では動摩擦力が低減され、利用者は、左手の中指、薬指、及び小指で、滑りやすい感触を知覚する。
このとき、領域120A2及び120A7では、動摩擦力が低減されないため、利用者は、左手の親指及び人差し指と右手では滑りやすい感触を知覚しない。
このような状態で、電子機器100は、「滑りやすい部分は切符です」という音声案内をスピーカ103から出力する。
このように、切符の領域120A1を認識した状態で、利用者が領域120A1内で確定操作を行えば、切符の詳細な入力モードを起動することができる。
図51は、図49に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の表示を示す図である。
図51では、ディスプレイパネル160にボタン261A9、262A9、263A9が表示されている。これらのボタンは、比較的大きなサイズを有する。
ボタン261A9、262A9、263A9は、それぞれ、「500円未満」、「500円〜1000円」、「1000円以上」を選択するボタンである。
このような詳細案内モードを利用すれば、利用者は、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A9、262A9、263A9を選択することができる。
図52は、図49に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の他の表示を示す図である。
図52では、ディスプレイパネル160は、「500円未満」、「500円未満」、「指定券」、「500円〜1000円」、「500円〜1000円」、「回数券、「1000円以上」、「1000円以上」を選択するの8つのメニューと、「戻る」操作とに対応する9つのボタンを表示している。ここでは、左上の「500円未満」用のボタン261A7と補助領域261B7を示す。また、周囲には領域270が設けられている。
このような詳細案内モードを利用すれば、利用者は、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A7等を選択し、容易にATMでの取引を行うことができる。
図53は、図49に示す電子機器の詳細案内モードにおけるディスプレイパネル160の他の表示を示す図である。
図53では、ディスプレイパネル160は、切符購入用のボタン261A8等と補助領域261B8等を示す。ボタン261A8等は、切符の料金に応じた12個と「戻る」ボタンとの13個が設けられている。また、周囲には領域270Aが設けられている。
このような詳細案内モードを利用すれば、利用者は、ディスプレイパネル160を目視することなく、触感と音声案内とで、ボタン261A8等を選択し、所望の料金の容易に切符を購入することができる。
なお、以上では、電子機器100がディスプレイパネル160を含む形態について説明したが、電子機器100は、ディスプレイパネル160を含まなくてもよい。
図54は、電子機器100Aの断面図である。図54に示す断面は、図3に示す断面に対応する。
電子機器100Aは、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、振動素子140A1〜140A3、タッチパネル150、及び基板170を含む。なお、図54では、振動素子140A1〜140A3のうちの振動素子140A2のみを示す。電子機器100Aでは、基板170の上にタッチパネル150が直接的に搭載されている。
電子機器100Aは、ディスプレイパネル160を含まないため、概要案内モードと詳細案内モードで利用するデータ(図26及び図27参照)に画像データを含める必要はない。
電子機器100Aは、トップパネル120に操作入力が行われると、電子機器100と同様に、概要案内モードでは振動素子140A1〜140A3のうちのいずれか1つを駆動し、詳細案内モードでは振動素子140A1〜140A3を駆動する。
図55は、実施の形態の変形例の電子機器100Bを示す断面図である。図55に示す断面は、図3に示す断面に対応する。
電子機器100Bは、筐体110B、トップパネル120B、両面テープ130B、振動素子140A1〜140A3、タッチパネル150B、ディスプレイパネル160B、及び基板170Bを含む。
図55に示す電子機器100Bは、トップパネル120Bが曲面ガラスであること以外は、図3に示す実施の形態の電子機器100の構成と同様である。
トップパネル120Bは、平面視における中央部がZ軸正方向側に突出するように湾曲している。図55には、トップパネル120BのYZ平面における断面形状を示すが、XZ平面における断面形状も同様である。
このように、曲面ガラスのトップパネル120Bを用いることにより、良好な触感を提供できる。
図56は、実施の形態の変形例の電子機器100Cを示す平面図である。図56では、図2及び図3と同一のXYZ座標を定義する。
電子機器100Cは、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、振動素子140A1、140A2、140A3、140B1、140B2、140B3、タッチパネル150、ディスプレイパネル160、及び基板170を含む。
電子機器100Cは、図2及び図3に示す電子機器100に、振動素子140B1、140B2、140B3を追加した構成を有する。振動素子140B1、140B2、140B3は、振動素子140A1、140A2、140A3と同様にトップパネル120のZ軸負方向側の面に取り付けられており、図56に示すように、Y軸正方向側において、X軸に沿って配列されている。
図57乃至図61は、電子機器100Cのトップパネル120に振動が主体的に生じる領域を示す図である。
振動素子140B1を駆動すれば、図57に示すように、トップパネル120のX軸負方向側の領域120B1において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
振動素子140A1を駆動すれば、図58に示すように、トップパネル120のY軸負方向側の領域120A1において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
振動素子140B3を駆動すれば、図59に示すように、トップパネル120のX軸正方向側の領域120B3において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
また、振動素子140A2及び140A3を駆動すれば、図60に示すように、トップパネル120の領域120Cにおいて、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。領域120Cは、図11及び図12に示す領域120A2及び120A3を合わせた領域である。
図61は、電子機器100Cのディスプレイパネル160の表示の一例を示す図である。領域120A1には、企業情報、株主の皆様、採用情報、グループ会社等の情報のGUIボタンが表示され、領域120B1には、サービス、ソリューション、製品、アプローチ、サポート等のGUIボタンが表示される。
また、領域120Cには、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン等の製品の画像が表示され、領域120B3には、個人のお客様、法人のお客様、サポート情報、お知らせ等のGUIボタンが表示される。
従って、概要案内モードで領域120A1、120B1、120C、120B3に振動を発生させるとともに、音声案内を行えば、利用者は、目視することなく企業の様々な情報を知ることができる。
図62は、電子機器100Dを示す平面図である。電子機器100Dは、スマートフォン端末機である。
トップパネル120には、領域120D1、120D2、120D3が区分されている。領域120D1には、バッテリの残量及び電波の受信状況等の画像が表示される。領域120D2は、様々なコンテンツを表示する領域である。領域120D3は、ホームボタン等が配置される領域である。
図63は、実施の形態の変形例の電子機器100Dを示す平面図である。図63では、図2及び図3と同一のXYZ座標を定義する。
電子機器100Dは、筐体110、トップパネル120、両面テープ130、振動素子140D1、140D2、140D3、タッチパネル150、ディスプレイパネル160、及び基板170を含む。
電子機器100Dは、図2及び図3に示す電子機器100の振動素子140A1、140A2、140A3の代わりに、振動素子140D1、140D2、140D3を含む。振動素子140D1、140D2、140D3は、Y軸方向の長さが、振動素子140A1、140A2、140A3と異なる。
図64乃至図66は、電子機器100Dのトップパネル120に振動が主体的に生じる領域を示す図である。
振動素子140D1を駆動すれば、図64に示すように、トップパネル120のY軸負方向側の領域120D1において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
振動素子140D2を駆動すれば、図65に示すように、トップパネル120のY軸方向の中央部の領域120D2において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
また、振動素子140D3を駆動すれば、図66に示すように、トップパネル120のY軸正方向側の領域120D3において、短辺方向の全体にわたって定在波の振幅が大きくなる。
従って、概要案内モードで領域120D1、120D2、120D3に振動を発生させるとともに、音声案内を行えば、利用者は、目視することなくスマートフォン端末機としての電子機器100Dを操作することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の電子機器、及び、電子機器の駆動方法について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。