JPWO2017104576A1 - 対象物を回転させる装置 - Google Patents

対象物を回転させる装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017104576A1
JPWO2017104576A1 JP2017556029A JP2017556029A JPWO2017104576A1 JP WO2017104576 A1 JPWO2017104576 A1 JP WO2017104576A1 JP 2017556029 A JP2017556029 A JP 2017556029A JP 2017556029 A JP2017556029 A JP 2017556029A JP WO2017104576 A1 JPWO2017104576 A1 JP WO2017104576A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driven
drive
force
drive shaft
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017556029A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6731946B2 (ja
Inventor
勇気 石井
勇気 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba ABX SAS
Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba ABX SAS
Horiba Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba ABX SAS, Horiba Ltd filed Critical Horiba ABX SAS
Publication of JPWO2017104576A1 publication Critical patent/JPWO2017104576A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6731946B2 publication Critical patent/JP6731946B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/02Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor using a plurality of sample containers moved by a conveyor system past one or more treatment or analysis stations
    • G01N35/04Details of the conveyor system
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/00584Control arrangements for automatic analysers
    • G01N35/00722Communications; Identification
    • G01N35/00732Identification of carriers, materials or components in automatic analysers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/00584Control arrangements for automatic analysers
    • G01N35/00722Communications; Identification
    • G01N35/00732Identification of carriers, materials or components in automatic analysers
    • G01N2035/00742Type of codes
    • G01N2035/00752Type of codes bar codes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/02Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor using a plurality of sample containers moved by a conveyor system past one or more treatment or analysis stations
    • G01N35/04Details of the conveyor system
    • G01N2035/0496Other details

Landscapes

  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Manipulator (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • Attitude Control For Articles On Conveyors (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

当該装置は、駆動源装置1と駆動シャフト2とを有する駆動ユニット10を有し、駆動シャフトは対象物(検体容器)A1を回転させる駆動側ローラー3を有する。駆動シャフトには、駆動シャフトの第1方向への回転駆動力F1だけを従動側部分に伝達させる機構を含んだ一方向伝達装置20が設けられる。当該装置は、第1方向への回転駆動力F1を変換して、駆動ユニット10を対象物から離れる方向へと移動させる機構を有するか、または、第1方向への回転駆動力F1を変換して、従動ユニット40を対象物から離れる方向へと移動させる機構を有し、駆動シャフト2の第2方向への回転駆動力F2が、対象物A1を回転させる。

Description

本発明は、対象物を回転させるための装置に関するものである。
検体を自動的に分析するように構成された分析システムでは、分析すべき検体を収容した検体容器が所定の位置にセットされ、該検体容器内から検体が自動的に取り出され(例えば、サンプリングノズルなどによって吸い出され)、分析部において自動的に分析処理が行われる。検体容器は、分析システムにおける種々の取り扱い機構に適合するように、規定の長さや太さを有するものとなっている。
前記のような検体容器としては、図7に例示した検体容器(より具体的には採血管)100のように、試験管のような円筒状の容器本体101の開口を、キャップ102で封止したものが挙げられる。各検体容器の胴体外面には、通常、収容された検体を識別するためのバーコード104等が記載されたラベル103が貼付される。
前記のような検体容器を多数取扱い、各検体容器に収容された検体を自動的に順次分析するような分析システムでは、図7に示すように搬送用ホルダー(「搬送用ラック」とも呼ばれる)200が用いられる。搬送用ホルダー200は、検体容器(100、110、120、...)を保持するための保持用穴を有し、該保持用穴は、典型的な例では、所定の間隔にて一列に配列されている。搬送用ホルダー200は、ベルトコンベアなどの各種の移送装置300によって所定の位置まで搬送される。
一般に、搬送用ホルダーの各保持用穴の側壁には切り欠き210が設けられており、各保持用穴は、該ホルダーの側方において切り欠き210を通して外界と連通している。よって、図7に示す検体容器100の場合のように、検体容器に貼付されたラベル103上のバーコード104は、保持用穴の切り欠き210を通して読み取ることができる。他の検体容器(110、120)のそれぞれのラベル(113、123)上のバーコードも同様に、それぞれの保持用穴の切り欠きを通して読み取ることができる。このような搬送用ホルダーを用いた検体容器の移送については、特許文献1などに詳細に記載されている。
しかしながら、図7に示すように、各検体容器は無作為に保持用穴に挿入されるので、各検体容器上のラベル(103、113、123、...)の位置(各容器本体の胴体の外周方向の位置)、即ち、各ラベルに記載されたバーコードの位置は、必ずしも切り欠き210の位置には一致しない。従って、ラベルのバーコードを切り欠き210を通して読み取るためには、各検体容器の中心軸線(図7では、例として検体容器110に加えた中心軸線Y10)について各検体容器を回転させて、ラベルのバーコードの位置を、保持用穴の切り欠き210の位置に一致させる必要がある。
バーコードを読むために、搬送用ホルダーに保持された検体容器を回転させるための機構は種々提案されている。それらのなかでも、検体容器同士が互いに接近していても、目的とする検体容器だけを好ましく回転させ得る機構として、前記特許文献1に記載された3つの把持用ローラーを用いた機構が挙げられる。該機構では、図8に模式的に示すように、3本のシャフト401、402、403が、それぞれの先端部に把持用ローラー411、412、413を有しており、これら3つの把持用ローラーが1つの検体容器100をその胴体外周の3箇所で把持する。3つのシャフト401、402、403のうちの1つのシャフト401は、回転駆動源に接続された駆動シャフトである。駆動シャフトの回転駆動力を伴う回転によって、先端部の把持用ローラー(駆動側ローラー)411を介して検体容器100は反対方向に回転する。残りのシャフト402、403は、従動シャフトであり、それぞれの先端の把持用ローラー(従動側ローラー)412、413は空回りするように構成されている。よって、把持用ローラー412、413は、検体容器100を把持しながら、検体容器100の回転に応じて従動的に回転できるようになっている。
前記のような3つの把持用ローラーを用いた機構であれば、検体容器同士が互いに接近していても、駆動側ローラーのその場での自転によって目的の検体容器を回転させることが可能であり、各把持用ローラーが隣の検体容器に接触することがない。
特開2014−149162号公報
しかしながら、上記したような3つの把持用ローラーを用いた従来の回転装置では、検体容器を把持するための開閉動作と、検体容器を回転させるための回転動作を行うためには、少なくとも2つの駆動源装置が別個に必要である。この2つの駆動源装置とは、図9に示すように、検体容器100を把持し解放するために2つの従動側ローラー412、413を両頭矢印の方向へ平行移動させるための駆動源装置と、駆動側ローラー411に回転駆動力を与えるための駆動源装置である。
従って、上記したような従来の回転装置は、少なくとも2つの駆動源装置を必要とすることから、装置全体をさらにコンパクトにすることが困難となっていた。このような問題は、検体容器を把持し回転させる場合のみならず、種々の対象物に駆動側ローラーを接触させ、種々の目的で回転させる場合にも、同様に生じる問題である。
本発明の課題は、対象物を把持するための移動動作と、対象物を回転させるための回転動作とを、共通の駆動源装置によって達成し得る装置を提供することにある。
本発明の主たる構成は、次のとおりである。
〔1〕対象物を回転させる装置であって、
当該装置は、支持部材と駆動ユニットと推進力印加器とを少なくとも有し、
駆動ユニットは、駆動シャフトと、該駆動シャフトを双方向である第1方向と第2方向に回転させる駆動源装置とを有し、駆動シャフトは、対象物に接触したときに該対象物に回転動作を伝達する駆動側ローラーを有し、
駆動シャフトには一方向伝達装置が設けられ、該一方向伝達装置は、駆動側部分と従動側部分とを有し、該駆動シャフトは駆動側部分に固定されているかまたは駆動側部分と一体であり、かつ、該一方向伝達装置は、駆動シャフトの第1方向への回転駆動力だけを従動側部分に伝達させる機構を有し、
当該装置は、
前記一方向伝達装置の従動側部分に伝達する第1方向への回転駆動力を変換し、駆動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる機構を有するか、または、前記一方向伝達装置の従動側部分に伝達する第1方向への回転駆動力を変換し、従動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる機構を有し、該従動ユニットは、前記駆動側ローラーと協働して対象物を回転可能に把持する従動側部材を含むものであり、
駆動シャフトの前記第2方向への回転駆動力によって、前記駆動側ローラーが、対象物に回転動作を伝達するように回転する、
前記装置。
〔2〕当該装置は、第1方向への回転駆動力を変換して、駆動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる上記機構を有し、
駆動ユニットは、駆動側ローラーが対象物に接触する接触位置と、対象物から離れた離間位置とを含んだ移動経路上を移動するように、前記支持部材上に移動可能に取付けられており、
駆動ユニットと支持部材との間には、駆動側ローラーを接触位置の方向へと移動させ対象物に接触させる前進方向の力が駆動側ローラーに加えられるように、推進力印加器が設けられており、
一方向伝達装置の従動側部分には、ピニオン部材が設けられ、支持部材には該ピニオン部材と噛み合うラック部材が設けられ、一方向伝達装置を介してピニオン部材に伝達される第1方向への回転駆動力によって、前記推進力印加器によって付与される前進方向の力に抗して、該前進方向とは逆の後退方向へとピニオン部材がラック部材上を移動し、それにより、駆動ユニットが後退方向へと移動する、
前記〔1〕に記載の装置。
〔3〕さらに従動側部材を有し、該従動側部材は、駆動側ローラーが対象物が回転可能であるように該対象物に接触するときに、該駆動側ローラーと協働して対象物を回転可能に把持する部材である、前記〔2〕に記載の装置。
〔4〕当該装置が従動ユニットを有し、該従動ユニットは、前記従動側部材を有し、かつ、前記支持部材上に移動可能に保持されており、
駆動ユニットからは第2のラック部材が延びており、従動ユニットからは第3のラック部材が延びており、第2のラック部材と第3のラック部材は、それぞれの歯を互いに対向させた状態で、それらの間に回転可能に支持された第2のピニオン部材と噛み合っており、
駆動ユニットの一方向への移動が、従動ユニットの反対方向への移動を引き起こし、駆動側ローラーと従動側部材が、対象物に同時に近づいて該対象物を把持し、対象物から同時に離れて該対象物を解放するように、前記第2のラック部材と第3のラック部材と第2のピニオン部材とが関係付けられて組み立てられている、
前記〔3〕に記載の装置。
〔5〕当該装置が従動ユニットを有し、該従動ユニットは、前記従動側部材を有し、かつ、前記支持部材上に移動可能に保持されており、
前記支持部材には、1対のプーリー部材が設けられ、これら一対のプーリー部材には無端ベルト部材が掛け渡され、該無端ベルト部材は、前記前進方向と平行に延びかつ互いに逆方向に移動する1対の直線部分を有し、
前記1対の直線部分のうち、一方の直線部分には駆動ユニットが固定され、他方の直線部分には従動ユニットが固定されており、それにより、駆動ユニットの一方向への移動が、該無端ベルト部材を介して、従動ユニットの反対方向への移動を引き起こし、それにより、駆動側ローラーと従動側部材が、対象物に同時に近づいて該対象物を把持し、かつ、対象物から同時に離れて該対象物を解放するようになっている、
前記〔3〕に記載の装置。
〔6〕従動ユニットと支持部材との間には、従動側部材に把持方向の力が加わるように第2の推進力印加器が設けられている、前記〔4〕または〔5〕に記載の装置。
〔7〕当該装置は、第1方向への回転駆動力を変換して、さらに設けられる従動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる上記機構を有し、
従動ユニットは、従動側部材が対象物に接触する接触位置と、対象物から離れた離間位置とを含んだ移動経路上を移動するように、前記支持部材上に移動可能に取付けられており、
従動ユニットと支持部材との間には、従動側部材を接触位置の方向へと移動させ対象物に接触させる前進方向の力が従動側部材に加えられるように、推進力印加器が設けられており、
一方向伝達装置の従動側部分には第1のプーリー部材が設けられ、支持部材には第2のプーリー部材が設けられ、これら第1のプーリー部材と第2のプーリー部材との間には無端ベルト部材が掛け渡され、該無端ベルト部材は、第1のプーリー部材が第1方向に回転したときに、前記前進方向とは逆の後退方向に移動する直線部分を有し、
前記直線部分には従動ユニットが固定され、一方向伝達装置を介して第1のプーリー部材に伝達される第1方向への回転駆動力によって、該直線部分は、前記推進力印加器によって付与される前進方向の力に抗して後退方向へと移動し、それにより、従動ユニットが後退方向へと移動する、
前記〔1〕に記載の装置。
〔8〕従動側部材が、駆動側ローラーと協働して、対象物を3点で回転可能に把持する2つの従動側ローラーである、前記〔3〕〜〔7〕のいずれかに記載の装置。
〔9〕駆動シャフトと駆動側ローラーとの間には、第2の一方向伝達装置が介在しており、第2の一方向伝達装置は、駆動シャフトの第2方向への回転駆動力だけを駆動側ローラーに伝達する装置である、前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の装置。
〔10〕駆動源装置が、双方向に回転するように制御可能なモーターである、前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の装置。
本発明の装置によって、従来の装置に比べて駆動源装置の数を少なくすることも可能になり、装置全体をよりコンパクトにし、かつ、装置全体のコストを低減することも可能になる。
また、本発明の好ましい態様では、駆動側ローラーが対象物を回転させることなく、該対象物から離れることができる。これにより、最初に回転させた対象物の位置をそのまま維持することができる。
図1−1は、本発明の装置の第1の実施例における主要部分の構成を模式的に示す図である。同図では、説明のために、ワンウェイクラッチ20、ピニオン部材24、および、これらを連結する管状の連結具22だけを断面図で示しており、ハッチングを施している。同図の例では、ラック部材26とピニオン部材24は、ラックとピニオンであり、ピニオンの外周の歯24Tはその断面を示していない。ピニオン24に噛み合うラック26は、歯を描いておらず、平行縞状の一点鎖線がラックの歯を示唆している。 図1−2は、本発明の装置の第2の実施例における主要部分の構成を模式的に示す図である。同図では、無端ベルト部材が環状であることを見せるために、該無端ベルト部材を長円として描き、かつ、無端ベルト部材の両端を第1、第2のプーリー部材からそれぞれ離して描いている。実際には、無端ベルト部材の両端は、第1、第2のプーリー部材に接触し、無端ベルト部材には適切なテンションが付与されている。 図2は、本発明の第1の実施例における、当該装置の主要部分の構成、および、当該装置と検体容器との位置関係を示す斜視図であって、当該装置を斜め上方から見た図である。同図では、全ての歯車(ピニオン部材を含む)およびラック部材の歯の山谷の図示を省略している。以下の図3、図4−1、図5においても同様である。 図3は、本発明の第1の実施例における、当該装置の主要部分の構成を示す斜視図であって、当該装置を斜め下方から見た図である。図3では、従動側部材である2つの従動側ローラーと、駆動ユニットの全体的な構成、支持部材など、付帯的な構造の具体例を示している。また、従動側の構造の図示を省略し、支持部材に設けられた移動機構やバネ(推進力印加器)を見せている。 図4−1は、本発明の第1の実施例における、当該装置の主要部分の構成を示す正面図であって、駆動ユニットと従動ユニットが支持部材上に移動可能に配置された構成例を示している。 図4−2は、本発明の第1の実施例において、駆動ユニットと従動ユニットとを相互に移動させるための、他の機構の例を示す概略図である。 図5は、本発明の第1の実施例における、当該装置と、検体容器を保持した搬送用ホルダーとの位置関係の一例を示した図である。同図では、搬送用ホルダーに保持された検体容器のうちの1つが、当該装置の駆動側ローラーと従動側ローラーとの間に位置している。 図6は、本発明の第1および第2実施例に使用されるワンウェイクラッチの選択的な接続と離脱の原理を模式的に示す図である。 図7は、従来の検体容器とそれを多数保持する搬送用ホルダーの一例を示した図である。 図8は、従来技術において、検体容器を把持し回転させるための3つのローラーの配置を模式的に示す斜視図である。 図9は、図8に示した3つのローラーの動作を示した図であり、検体容器と各ローラーの断面(それぞれの回転中心軸に垂直な平面で切断した断面)を示している。
以下、本発明による装置(対象物を回転させる装置)の構成を、具体的な実施例を挙げながらより詳細に説明する。説明のための図では、回転させるべき対象物の例として、図7に示したような検体容器を示している。以下の説明において実施例として挙げられる各数値や材料は、好ましい一例であり、本発明を限定するものではない。
図1−1および図1−2に本発明の実施例における主要部分の構成を示すように、当該装置は、支持部材B1と駆動ユニット10と推進力印加器30(または31)を少なくとも有して構成される。駆動ユニット10は、少なくとも1つの駆動シャフト2と、該駆動シャフト2を互いに反対の方向である第1方向と第2方向に回転させる少なくとも1つの駆動源装置1とを有して構成される。図1−1および図1−2では、駆動ユニット10を全体的に支持する支持部材B1と、駆動ユニット10自体のフレームでもあるブラケット7は、一点鎖線で示している。駆動シャフト2は、その先端部に駆動側ローラー3を有する。該駆動側ローラー3は、駆動シャフト2と共に回転し、所定位置に保持された検体容器A1に接触して、該検体容器を回転させるためのローラーである。よって、該接触は、駆動側ローラー3が検体容器A1を回転させることができるような押圧力を伴う接触である。該検体容器を回転させる駆動シャフト2、駆動側ローラー3の回転中心軸は、検体容器の回転中心軸と平行であることが好ましい。
前記の第1方向と第2方向は、互いに反対向きの回転方向であればよい。図1−1および図1−2の例では、第1方向の回転駆動力F1と第2方向の回転駆動力F2とをそれぞれ矢印で示すように、駆動シャフトの回転軸線に沿って、駆動源装置に近い側から先端の駆動側ローラー3の側を見たとき、第1方向は反時計回りの回転方向であり、第2方向は時計回りの回転方向である。これらの図に示した第1方向と第2方向は、あくまでも説明のために定めた方向であって、それぞれ逆の方向であってもよい。
図1−1および図1−2に示すように、当該装置は、対象物を回転させるための1つの駆動源装置を用いながらも、後述の一方向伝達装置を利用した機構(下記(I)の機構または下記(II)の機構)によって、次の動作を作り出している。
駆動源装置が特定方向(実施例では、第2方向として説明している)に回転するときには、該特定方向への回転駆動力F2によって、駆動側ローラー3が、対象物である検体容器A1に回転動作を伝達するように回転する。即ち、駆動側ローラー3が、その回転を対象物に伝達して該対象物を回転させる。
駆動源装置が特定方向とは逆の方向(実施例では、第1方向として説明している)に回転するときには、該第1方向への回転駆動力F1を変換して、駆動側ローラーを含んだ駆動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させて把持を解除するか、または、後述の従動側部材を含んだ従動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させて把持を解除する。
(I)前記一方向伝達装置の従動側部分に伝達される第1方向への回転駆動力を変換して、駆動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる機構。
(II)前記一方向伝達装置の従動側部分に伝達される第1方向への回転駆動力を変換して、後述の従動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる機構。
上記(I)および(II)の機構は、いずれも、一方向伝達装置の従動側部分に伝達される第1方向の回転動作を、並進移動動作に変換する、動作変換機構を含んでいるということができる。一方向伝達装置と動作変換機構との組み合わせにより、1つの駆動源装置を用いながらも、対象物を回転させること、および、駆動側ローラーまたは従動側部分を対象物から遠ざけること(このとき対象物は次の対象物へと交換される)が可能になっている。
先ず、本発明の第1の実施例を、図1−1を参照して説明する。
本発明の第1の実施例では、当該装置は、第1方向への回転駆動力を変換して、駆動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる上記機構を有し、駆動ユニットが移動可能に構成される。前記の機構としては、次の構成が例示される。
図1−1に示すように、駆動ユニット10は、駆動側ローラー3が検体容器(対象物)A1に接触する接触位置と、検体容器から離れた離間位置とを含んだ移動経路上を移動するように、支持部材B1上に移動可能に取付けられている。この移動を可能にする構造は後述する。駆動ユニット10と支持部材B1との間には、駆動側ローラー3を接触位置へと移動させかつ対象物に接触させる前進方向の力(推進力)F3が駆動側ローラーに加わるように、推進力印加器(本実施例では引っ張りバネ)30が設けられている。推進力印加器30の一端は、駆動ユニット10のいずれかの適切な位置に固定され、該推進力印加器30の他端は、支持部材B1のいずれかの適切な位置に固定される。
駆動シャフト2には、一方向伝達装置20が設けられており、この一方向伝達装置20は、下記で詳述するように、駆動シャフト2に取り付けられるかまたは駆動シャフト2と一体である駆動側部分と、その外側に位置する従動側部分とを有し、駆動側部分と従動側部分との間の内部機構によって、駆動シャフト2の第1方向への回転駆動力F1だけを該従動側部分に伝達する機構を有している。本実施例では、一方向伝達装置20として、後述のワンウェイクラッチが用いられている。一方向伝達装置20の従動側部分には、ピニオン部材24が設けられており、一方、前記支持部材B1には該ピニオン部材24と噛み合うラック部材26が設けられ、ピニオン部材24とラック部材26とは互いにかみ合っている。ピニオン部材とラック部材は、回転運動を直線運動に変換するような組み合わせであればよく、本実施例では、ピニオン(円形歯車)とラック(直線歯車)である。ピニオン部材とラック部材については、後述する。
ピニオン部材24は、一方向伝達装置20を介して伝達される第1方向への回転駆動力F1を受けて回転し、推進力印加器30によって付与される前進方向の力F3に抗して、該前進方向とは逆の後退方向へとラック部材26上を移動する。このピニオン部材24の移動により、駆動側ローラー3が(即ち、駆動ユニット全体が)後退方向へと移動する。
ここで重要な点は、駆動シャフト2とピニオン部材24との間に、前記の一方向伝達装置20が介在しており、それによって、駆動シャフト2の第1方向への回転駆動力F1だけがピニオン部材に伝達されるという点である。これにより、次の(i)および(ii)の動作が得られる。
(i)駆動シャフト2が第1方向に回転する場合には、該ピニオン部材24は第1方向への回転駆動力F1を受けて、後退方向に移動し、それによって、駆動側ローラー3は離間位置へと移動する。
(ii)駆動シャフト2が第2方向に回転する場合には、ピニオン部材24には第2方向への回転駆動力F2は伝達されず、ピニオン部材24は駆動シャフト2に対して空回りする。よって、ピニオン部材24は、推進力印加器30による前進方向の力F3に抗することができず、該力F3に従って前進方向に移動し、よって駆動側ローラー3も前進方向に移動し、接触位置に到達する。さらに接触位置において、駆動側ローラー3は、駆動シャフト2の回転駆動力F2を受けて、第2方向に回転して検体容器A1を回転させる。
以上のように、共通の1つの駆動源装置によって、駆動側ローラー3の移動と、対象物を回転させる動作とが達成される。
ここで、共通の駆動源装置によって、駆動側ローラー3の移動と、対象物を回転させる動作が得られる原理を、より詳細に説明する。なお、本発明において対象物(検体容器)を回転させるとは、背景技術の説明でも述べたとおり、対象物の中心軸線(例えば、図7に示した検体容器110の中心軸線Y10)について該対象物を回転させることを意味する。ここでは、駆動側ローラー3に付与された前記の回転動作と移動動作だけを説明する。尚、駆動側ローラー3が検体容器A1に適切な接触力(押圧力)を以て接触して回転するだけであっても、該検体容器A1は回転し得るが、該検体容器A1を回転させるためには、駆動側ローラー3と後述の従動側部材とによって検体容器A1を把持しながら回転させる態様がより好ましい。従動側部材については後述する。
駆動側ローラー3の好ましい移動動作は、図1−1に示すように、所定位置に保持された検体容器A1の回転中心軸線(図示せず)に対して、駆動側ローラー3の回転中心軸線(図示せず)が平行に接近して接触し、離脱する移動動作である。以下、接触位置への移動を「前進」とも言い、離間位置への移動を「後退」とも言う。この移動動作を可能にするため、駆動ユニット(駆動源装置1と駆動シャフト2とを少なくとも有する駆動系の装置)10が、支持部材B1に対して移動可能に保持されている。
前記のように移動可能に保持された駆動ユニット10を移動させるための駆動力として、本発明では、実施例で示すように、駆動シャフトの回転駆動力を利用している。回転駆動力を直線移動のための駆動力へと変換するために、駆動シャフト2にはピニオン部材24が装着され、支持部材B1には該ピニオン部材24に噛み合うラック部材26が固定されている。前記のとおり駆動シャフト2とピニオン部材24との間には、一方向伝達装置が介在しているが、先ず、動作の説明のために、一方向伝達装置が無い場合について説明する。
駆動シャフト2にピニオン部材24を直接的に固定した場合、駆動シャフト2の回転に応じて、該ピニオン部材24はラック部材上を移動する。ピニオン部材24が前進、後退するとき、駆動ユニット10、駆動シャフト2および駆動側ローラー3も、該ピニオン部材24と同様に移動する。しかし、このような構成だけでは、駆動側ローラー3を検体容器A1に接触させた状態において、該駆動側ローラー3を回転させて検体容器A1を回転させようとすると、ピニオン部材24も連動して回転するので、該駆動側ローラー3は、検体容器に食い込む方向へとさらに前進しようとするか、または、検体容器から離れようとする。よって、一方向伝達装置が無い構成では、検体容器を好ましく回転させることはできない。
そこで本発明では、図1−1の実施例で示すように、駆動シャフト2とピニオン部材24との間に一方向伝達装置20をさらに加え、駆動シャフト2の双方向の回転駆動力(F1、F2)のうち、駆動側ローラー3を後退させる第1方向の回転駆動力F1だけをピニオン部材24に伝達させている。よって、駆動シャフト2の第1方向の回転は、駆動側ローラー3を後退させる。一方、駆動シャフト2が逆方向である第2方向に回転するときは、一方向伝達装置20の作用によって、第2方向の回転駆動力F2はピニオン部材24には伝達しない。即ち、駆動シャフト2の第2方向の回転は、駆動側ローラー3を前進させることはできない。
本発明では、第1の実施例で示すように、駆動側ローラー3を前進させかつ検体容器に接触させる前進方向の力(従動側部材がある場合には、把持する力)F3を与えるために、推進力印加器30を配置している。該推進力印加器30によって付与される前進方向の力(推進力印加器がバネである場合にはバネの復帰力。以下、この前進方向の力を推進力ともいう)F3は、駆動ユニット10を前進させる力として作用する。
以上のように、一方向伝達装置20と、推進力印加器30によって付与される推進力F3とを加えた構成によって、駆動シャフト2が第1方向に回転するときには、一方向伝達装置20によって回転駆動力F1が該ピニオン部材24に伝達されるので、ピニオン部材24はラック部材26に噛み合い、推進力印加器30の推進力F3に抗して後退する。よって、駆動側ローラー3も後退し、検体容器A1から離脱する。
一方、駆動シャフト2が第2方向に回転した場合には、第2方向の回転駆動力F2は一方向伝達装置の作用によってピニオン部材24には伝達されないので、駆動側ローラー3は、推進力印加器30の推進力(図1−1では、バネの復帰力)F3のみによって前進し、駆動側ローラー3は検体容器の外径によって決定される接触位置に到達し、推進力印加器の推進力F3にて検体容器A1に押し付けられる。その状態において、検体容器A1は、第2方向の回転駆動力F2を駆動側ローラー3から受けて回転する。
尚、駆動ユニット10は、推進力印加器30の推進力F3が作用しても無制限に高速に前進できるわけではない。駆動シャフト2が第2方向に回転し、推進力印加器30の推進力F3によってピニオン部材24が前進する場合、該ピニオン部材24の第2方向への回転速度は、駆動シャフト2の第2方向の回転速度を超えることはできない。これは、該ピニオン部材の第2方向への回転速度が、駆動シャフト2の第2方向の回転速度を超えると、駆動シャフト2が相対的に第1方向に回転することになり、一方向伝達装置20の駆動力伝達作用が発動するからである。よって、駆動シャフト2の第2方向の回転速度は、ピニオン部材の第2方向の回転速度の上限となるので、駆動シャフト2の第2方向の回転速度を制御することによって、駆動側ローラー3の前進速度を制御することが可能になる。
推進力印加器30がバネのような弾性部材である場合、その推進力(復帰力)F3は、駆動側ローラー3の位置に応じて変化し、接触位置における該復帰力F3が接触力(押圧力または把持力)となる。駆動シャフト2は、駆動側ローラー3が推進力F3にて検体容器A1に押し付けられた状態において、ピニオン部材24を回転させることなしに(即ち、その場から移動することなく)、駆動側ローラー3と共に第2方向(F2の方向)に回転し続けることができる。よって、検体容器A1は、駆動側ローラー3に好ましく従動して第2方向とは反対の方向に回転する。
以上のように、本発明では、第1の実施例で示すように、共通の駆動源装置と、一方向伝達装置と、ラック部材26と、ピニオン部材24と、推進力印加器30とを巧みに組み合わせて、検体容器A1に駆動側ローラー3を接触させる移動動作(推進力印加器の推進力による前進と接触)、検体容器から離間する移動動作(第1方向の回転駆動力F1による後退)、検体容器を回転させるための回転動作(第2方向の回転駆動力F2による回転)を駆動側ローラー3に付与している。
駆動源装置1は、駆動シャフト2を双方向に回転させ得る装置であればよい。駆動源装置1は、駆動シャフト2を双方向に回転させるために、伝達装置、リンク、継手などを必要に応じて含んでいてもよい。駆動源装置1の駆動源部分が、直線的な往復動作を出力するようなアクチュエーターである場合には、該往復動作を回転動作に変換する伝達機構を含んでいればよい。図1−1、図1−2において、駆動源装置1と駆動シャフト2とを結ぶ太い一点鎖線は、両者の間に必要な伝達装置(種々の歯車や継手など)がさらに含まれてもよいことを意味している。双方向への回転は、伝達装置によって作り出されていてもよい。
駆動源装置1は、回転駆動力を発生し出力する装置が好ましく、とりわけ、双方向への回転量、回転速度を制御し得る電動モーターが好ましい。そのような電動モーターとしては、ステッピングモーター、サーボモーターなどが挙げられる。駆動源装置1は、駆動シャフト2を直接的に駆動してもよい。
図1−1、図1−2、図2〜図5に示す実施例では、当該装置は、ラベル上の印字(とりわけバーコード)を読み取るために検体容器A1を定位置まで回転させる装置として構成されている。駆動源装置1であるモーターの出力シャフトの高速の回転速度は、小歯車4から大歯車5へと伝達され、検体容器A1を駆動側ローラー3によって回転させるための好ましい回転速度へと減速されている。前記の小歯車4と大歯車5とによる伝達装置に替えて、ベルトと大小のプーリー(好ましくは、歯付きベルト(タイミングベルト)と歯付きプーリーとによる伝達装置なども用いてもよい。該伝達装置によって、推進力印加器30の推進力F3に抗して後退する回転駆動力F1、および、検体容器A1を回転させるための好ましい回転駆動力F2が、駆動シャフト2に伝達される。
上記したように、好ましい態様では、図3に示すように、駆動源装置1であるモーターの出力軸は鉛直方向を向いており、該出力軸に平行に、駆動シャフト2が軸受装置6によって保持されており、駆動ユニット全体がコンパクトに構成されている。駆動源装置1と駆動シャフト2との配置関係は、特に限定はされず、駆動源装置1の出力シャフトと駆動シャフト2とは、それぞれの回転中心軸線が一致するように直結されていてもよく、また、角度をなすように接続されていてもよい。
駆動シャフトは、検体容器への押圧に耐え、回転駆動力を伝達し得る機械的強度を有するものが利用可能である。駆動シャフトの材料は、機械構造用のプラスチックや金属材料が挙げられる。駆動シャフトの横断面形状は、円形、多角形などであってよく、中空であっても中実であってもよい。実施例の好ましい態様では、駆動シャフトの主要部分は、円形の横断面形状を持った中実のロッドである。駆動シャフトの断面形状は、他の部材との結合など必要に応じて変化してもよく、全長にわたって均一な断面形状でなくともよい。
駆動側ローラーは、駆動シャフトと共に回転し得るように、該駆動シャフトの先端部に同軸状に固定される。ただし、後述する好ましい態様では、駆動シャフトと駆動側ローラーとの間には、第2の一方向伝達装置が挿入され、駆動シャフトが第1方向に回転する場合(後退する場合)には、駆動シャフト2の回転が駆動側ローラーに伝達されないように構成される。
駆動側ローラーは、少なくともその表層が、検体容器を破損することなく押し付け、滑って空回りすることなく検体容器に接触する点から、弾性的で柔軟な材料からなる層であることが好ましい。そのような表層の材料としては、天然ゴム、シリコーンゴム、その他の合成ゴム、ウレタンゴムなどの弾性的で柔軟な合成樹脂など、弾性的で柔軟な有機高分子材料が好ましいものとして挙げられる。
駆動側ローラーの外径、長さ、表層の厚さは、特に限定はされず、検体容器との接触性、検体容器の胴体外径に応じて決定される該検体容器の回転速度などを考慮して適宜決定すればよい。
対象物の胴体外径は、特に限定はされないが、対象物が検体容器である場合には、10mm〜15mm程度、とりわけ、11.5mm〜13mm程度が汎用的に利用される検体容器の外径である。検体容器の外径は、前記範囲に限定されることはなく、前記範囲外の外径を持った検体容器であってもよい。
駆動ユニットは、駆動側ローラー3が接触位置(把持位置)と離間位置(解放位置)とを含んだ移動経路上を移動し得るように、当該装置の支持部材B1上に移動可能に取付けられている。図1−1に示す例では、駆動側ローラー3は離間位置(後退位置)にある。検体容器A1がある場合には、駆動側ローラー3は、該検体容器によって止められる位置(接触位置)まで移動するが、検体容器が無い場合には、接触位置を超えた所定位置まで移動できるようになっていることが好ましい。図1−1の例では、接触位置を超えた所定位置から離間位置までが移動経路の全長であり、該経路の途中に、検体容器の胴体表面によって定められる接触位置が含まれている。
移動経路の全長(駆動側ローラー3の移動距離)は、特に限定はされず、対象物(とりわけ、検体容器)の外径などに応じて決定すればよい。
駆動側ローラー3の移動経路や途中の停止位置は、使用時の要求に応じて、適宜設定することができる。駆動側ローラー3の移動経路は、移動機構を単純に形成する点からは、直線的な経路であることが好ましいが、湾曲した経路であってもよい。
実施例における好ましい態様では、図3に示すように、駆動源装置1、伝達歯車4、5、駆動シャフト2、駆動側ローラー3、軸受装置6などの駆動ユニットを構成する駆動系の要素一式が、ブラケット7上に組立てられ、該ブラケット7が支持部材B1上に移動可能に取付けられる。
図1−1、図1−2に示すように、検体容器A1は、通常、搬送用ホルダーA2に立てた状態で保持されるので、駆動シャフト2、駆動側ローラー3の回転中心軸もまた、鉛直方向を向くことが好ましい。駆動ユニットを移動可能に保持する支持部材の態様は、特に限定はされないが、前記のような駆動ユニットが取付けられるブラケットや支持部材もまた、垂直面を有していることが好ましい。図2、図3、図4−1、図5に示す実施例では、ブラケット7および支持部材B1は、垂直面を有する板材によって形成され、曲げや穴あけ加工が施されている。ブラケット7および支持部材B1は、棒状やトラス状の構造体であってもよい。
ブラケット7を支持部材B1上に移動可能に取付ける構造は、特に限定されず、従来公知の移動機構を採用することができる。例えば、キーとキー溝を用いた摺動機構、シャフトとブッシュ、スライドユニットなどと呼ばれる種々の直線運動用軸受けなどが挙げられる。
図3は、後述の従動ユニット40の図示を省略することで、支持部材B1の垂直面に固定されたキーB11を見せている。このキーB11は、ブラケット7の移動、および、該従動ユニットのブラケットの移動のための共通のキーとして用いられている。
駆動ユニット10と支持部材B1との間には、推進力印加器30が設けられる。推進力印加器30は、駆動ユニットに推進力を与えることができるものであればよく、単一の部材や単一の機械要素であってもよく、それらを組み合わせた装置であってもよい。また、該推進力印加器30は、駆動ユニットの移動範囲全体にわたって推進力を与え続けるものが好ましく、その推進力は、駆動ユニットが後退する際に、該駆動ユニットの駆動力が該推進力に打ち勝って後退できる程度の強さが好ましい。該推進力は、駆動ユニットを引っ張る力であっても押す力であってもよい。
推進力印加器30としては、特に限定はされないが、弾性体(ゴム、バネ)、空気などの流体を作動流体として推進力を印加するピストンとシリンダ、加熱によって復元力を示す形状記憶合金からなる部材などが例示される。図1−1、および、図2〜図5に示す好ましい態様では、推進力印加器30は、バネであって、ブラケット7と支持部材B1との間にセットされる。該バネ30は原形から変形した状態でセットされ、その復帰力F3がブラケット7を通じて駆動側ローラー3が検体容器に接触しさらに検体容器を押圧する力を加えるようになっている。
バネの材料は、ゴム(天然ゴム、合成ゴム)、柔軟性と弾性とを有する有機高分子材料、ステンレス、鋼、銅合金などの金属バネ材料などからなるものであってもよく、ステンレスなどの金属バネ材料が好ましい材料として例示される。バネの形態は、塊状、線状、公知のあらゆるバネの形態(板バネ、圧縮コイルバネ、引張コイルバネなど)であってもよく、引張コイルバネが好ましい態様である。図に示す実施例では、推進力印加器として引張コイルバネが用いられている。図3、図4−1によく現れているように、引張コイルバネ30がブラケット7と支持部材B1との間に装着されており、ブラケット7を通じて、駆動ユニットには前進方向の引っ張り力F3が作用している(該引張コイルバネ30を支持部材B1に係合させる部分は図示を省略している)。
離間位置における推進力印加器30の推進力F3は、特に限定はされないが、駆動ユニットを好ましく移動させ、かつ、駆動ユニットの回転駆動力F1が容易に打ち勝って、駆動ユニットを離間位置に保つことができるような荷重が好ましい。接触位置における推進力印加器の推進力F3(即ち、駆動側ローラー3から検体容器に作用する押し付け力、または、把持力)は、特に限定はされず、検体容器を好ましく回転させるような押し付け力が該検体容器に作用するような力であればよい。
図1−1、図2〜図4−1に示すように、駆動シャフト2の中間部分の胴体外周には、一方向伝達装置(実施例では市販のワンウェイクラッチ)20が該駆動シャフト2と同軸状に固定され、該一方向伝達装置20の外側に位置する従動側には、ピニオン部材24が該駆動シャフト2と同軸状に固定されている。そして、支持部材B1にはピニオン部材24と噛み合うラック部材26が固定されている。この構成によって、ラック部材26上をピニオン部材24が移動(前進と後退)すると、その移動に一致して、駆動ユニット10も支持部材B1に対して移動(前進と後退)する。
上記したように、ラック部材とピニオン部材は、ピニオン部材の回転運動がラック部材上での直線運動に変換されるような組み合わせを用いることができ、ラックとピニオン、ローラーチェーンとスプロケット、歯付きベルト(タイミングベルト)と歯付きプーリーなどが挙げられる。ラック部材とピニオン部材のピッチや歯の高さ(ラックとピニオンの場合では、歯車のモジュール)は、駆動シャフトの回転速度や、伝達される力の大きさを考慮して適宜決定すればよい。
一方向伝達装置20は、駆動シャフト2の第1方向への回転駆動力F1だけをピニオン部材に伝達するよう構成されている。そして、該駆動シャフト2の回転方向と、ピニオン部材24のラック部材26に対する移動方向とが、下記(A)、(B)の動作を満たすように関係付けられている。
(A)駆動シャフト2が第1方向に回転する場合には、ピニオン部材24には、回転駆動力F1が伝達され、該ピニオン部材24は、推進力印加器30の推進力(対象物への接触力)F3に抗してラック部材26上を移動(後退)し、それにより、駆動側ローラー3は解放位置へと移動する。
(B)駆動シャフト2が第2方向に回転する場合には、ピニオン部材24には、回転駆動力F2は伝達されず、該ピニオン部材24は、推進力印加器30の推進力F3に従ってラック部材上を前進し、それにより、駆動側ローラー3は接触位置へと移動し、検体容器A1に接触力(押圧力)F3を作用させ、かつ、駆動シャフト2から伝達される第2方向の回転駆動力F2によって検体容器A1を回転させる。
一方向伝達装置は、ある1つの回転方向の回転駆動力だけを伝達し、反対の回転方向の回転駆動力は伝達しないように構成された、回転駆動力伝達装置である。一方向伝達装置の伝達機構自体は、従来技術を参照することができる。一方向伝達装置としては、ラチェット機構、フリーホイール、ワンウェイクラッチなどが挙げられ、市販されている装置を利用してもよく、本発明の実施例専用に設計されたものであってもよい。図1−1では、一方向伝達装置内部の選択的な動力伝達機構の図示を省略している。
本発明に利用可能な一方向伝達装置は、図1−1、図1−2に示すように、駆動シャフト2の胴体上に装着可能なように筒状を呈するものが好ましい。図1−1、、図1−2、および、図2〜図5に示す実施例では、好ましい一方向伝達装置として、円筒状を呈するワンウェイクラッチが用いられる。該ワンウェイクラッチの駆動側部分は、駆動シャフト2の胴体に固定されるか、または、駆動シャフトと一体であり、外側の従動側部分の外周に連結具22を介してピニオン部材24が固定されている。
図6は、好ましい一方向伝達装置であるワンウェイクラッチの選択的な伝達の原理を説明するための図である。図6に示す構造は、あくまでも説明のための一例であって、内部の伝達機構は種々の態様のものが開発されている。
図6に示すように、ワンウェイクラッチは、駆動側部分20aと、選択的な伝達を行う伝達機構部分(20c、20d、20e)と、従動側部分20bとを有する。駆動側部分20aと従動側部分20bは、駆動源の位置に応じて入れ替わる。第1の実施例および第2の実施例では、駆動側部分20aは、内側の筒状部品であってもよいし(その中心に駆動シャフトが嵌めこまれる)、駆動シャフトと一体であってもよい。また、図6の例では、分かり易いように、伝達機構部分は3つの部品(20c、20d、20e)によって構成されているが、より少ない部品やより多い部品を有して構成することが可能である。
外輪(外側の筒状部品)である従動側部分20bの内面には、カム面20b1が所定数だけ形成されており、該カム面20b1と駆動側部分20aの外面20a1との間には、円柱状のコロ(球体や異形の部品の場合もある)20cとバネ20dが、リテーナー(一点鎖線)20eによって保持されている。図6(a)に示すように、駆動側部分20aが矢印で示す反時計回りの方向(第1方向)に回転しようとすると、バネ20dの作用により、コロ20cはカム面20b1のかみ合い位置に進み、カム面20b1と駆動側部分20aの外面20a1とのクサビ作用により、駆動側部分20aと従動側部分20bとが連結され、従動側部分20bには反時計回りの方向の回転駆動力が伝達される。一方、図6(b)に示すように、駆動側部分20aが矢印で示す時計回りの方向に回転しようとすると、バネ20dの作用に抗して、コロ20cはカム面20b1のかみ合い位置から離れてカム面に接触しなくなり、駆動側部分20aと従動側部分20bとの連結は解除され、従動側部分20bは駆動側部分20aに対して空転する。
以上が、ワンウェイクラッチにおける一方向伝達の原理である。カム面は、内輪の外面20a1に形成される場合もあり、リテーナーが無い場合もある。ワンウェイクラッチの細部の構成は、従来技術を参照することができる。
尚、上記した一方向伝達装置の伝達原理からも明らかなとおり、駆動側部分と従動側部分との連結が解除された状態(空転状態)から、駆動シャフトを第1方向へと回転させた場合、駆動側部分と従動側部分が連結された状態(伝達状態)となるまでに微小な時間を要し、その間は、意図する第1方向の回転駆動力が伝達されない過渡的な状態となる場合がある。逆に、伝達状態から、該連結を解除すべく、駆動側部分を第2方向へと反転させた場合、空転状態となるまでに微小な時間を要し、その間は、意図しない第2方向の回転駆動力が伝達される過渡的な状態となる場合がある。本発明において、一方向伝達装置が「駆動シャフトの第1方向への回転駆動力だけを従動側部分に伝達させる」とは、駆動シャフトが第1方向に回転する場合に、回転駆動力が伝達されない過渡的な状態を含んでいてもよく、また、駆動シャフトが第2方向に回転する場合に、回転駆動力が伝達される過渡的な状態を含んでいてもよい。
第1の実施例において、一方向伝達装置の従動側部分にピニオン部材を固定するための構造は、特に限定はされない。ピニオン部材は、駆動シャフトの回転に影響されず、一方向伝達装置の従動側部分によって回転駆動されるように固定されていればよい。図1−1では、説明のために、駆動シャフト2と、ピニオン24の中心穴との間に隙間があるように示しているが、ピニオン部材24の中心穴は、駆動シャフト2に回転可能に接触していてもよく、また、ピニオン部材24の中心穴と駆動シャフト2との間には、メタルブッシュやベアリングが介在してもよい。
図1−1、および、図2〜図5に示す実施例では、円筒状を呈するワンウェイクラッチ20の外周の従動側部分に管状の連結具22がネジによって固定され、該連結具22の一方端部の内部にピニオン部材24のボスがはめ込まれ、該連結具を貫通する止めネジによって固定されている。これらの固定方法は、一例であって、接着剤、溶接、溶着、圧入などの固定手段を適宜選択することができる。
次に、本発明の第2の実施例を説明する。
本発明の第2の実施例では、当該装置は、前記第1方向への回転駆動力を変換して、さらに設けられる従動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる機構を有し、従動ユニットが移動可能に構成される。図1−2に示すように、該機構は、駆動側ローラー3と協働して対象物を回転可能に把持する従動側部材41を持った従動ユニット40を有する。そして、該機構は、前記一方向伝達装置の従動側部分に伝達される第1方向への回転駆動力F1を変換して、従動ユニット40を対象物A1から離れる方向へと移動させるように構成される。このような機構としては、次の構成が例示される。
駆動ユニット10、駆動シャフト2に設けられた一方向伝達装置20の構成とその作用については、第1の実施例で説明したとおりである。図1−2に示すように、第2の実施例では、従動ユニット40は、従動側部材41が対象物A1に接触する接触位置と、対象物A1から離れた離間位置とを含んだ移動経路上を移動するように、支持部材B1上に移動可能に取付けられる。従動ユニット40と支持部材B1との間には、従動側部材41を接触位置の方向へと移動させ対象物A1に接触させる前進方向の力F4が従動側部材41に加えられるように、推進力印加器31が設けられている。推進力印加器31の一端は、駆動ユニット10のいずれかの適切な位置に固定され、該推進力印加器31の他端は、支持部材B1のいずれかの適切な位置に固定される。第1の実施例における駆動側ローラー3の前進方向と、第2の実施例における従動側部材41の前進方向とは、互いに向かい合った反対方向である。
一方向伝達装置20の従動側部分には第1のプーリー部材24Pが設けられ、支持部材B1には第2のプーリー部材27が設けられ、これら第1のプーリー部材と第2のプーリー部材との間には無端ベルト部材28が掛け渡されている。一方向伝達装置20の従動側部分に第1のプーリー部材24を固定するための構造は、特に限定はされず、第1の実施例のように、管状の連結具22などを用いてよい。該無端ベルト部材28は、第1のプーリー部材27が第1方向に回転したときに、従動側部分41の前進方向とは逆の後退方向に移動する直線部分28Sを有する。この直線部分28Sに従動ユニット40が固定されている。図1−2では、従動ユニット40は固定部材45を介して直線部分28Sに固定されている。
第1のプーリー部材24Pは、一方向伝達装置20を介して伝達される第1方向への回転駆動力F1を受けて回転する。第1のプーリー部材24Pの回転駆動力F1によって、無端ベルト部材28は回転し、従動ユニット40が固定された直線部分28Sは、推進力印加器31からの前進方向の力F4に抗して、前進方向とは逆の後退方向へと移動する。以上のように、駆動シャフト2が第1方向に回転すると、従動ユニット40は、無端ベルト部材28によって後退方向へと移動する。
第1の実施例と同様に、ここで重要な点は、駆動シャフト2と第1のプーリー部材24Pとの間に、一方向伝達装置20が介在しており、それによって、駆動シャフト2の第1方向への回転駆動力F1だけが第1のプーリー部材24Pに伝達されるという点である。これにより、第1の実施例と同様に、
(i)駆動シャフト2が第1方向に回転する場合には、第1のプーリー部材24Pは第1方向への回転駆動力F1を受けて、無端ベルト部材28の直線部分28Sを後退方向に移動させ、それによって、従動側部材41は離間位置へと移動する。
(ii)一方、駆動シャフト2が第2方向に回転する場合には、第1のプーリー部材24Pには第2方向への回転駆動力F2は伝達されず、第1のプーリー部材24Pは駆動シャフト2に対して空回りする。よって、無端ベルト部材28の直線部分28Sは、推進力印加器31による前進方向の力F4に抗することができず、該力F4に従って前進方向に移動し(即ち、無端ベルト部材28は環状に移動し)、よって従動側部材41も前進方向に移動し、接触位置に到達する。さらに接触位置において、従動側部材41は、前進方向の力F4で検体容器A1を駆動側ローラー3に押し付けるので、検体容器A1は、駆動シャフト2の回転駆動力F2を受けて回転する。以上のように、共通の1つの駆動源装置によって、従動側部材41の移動と、対象物A1を回転させる動作とが達成される。
第2の実施例において、1つの駆動源装置によって、従動側部材41の移動と、対象物を回転させる動作が得られる原理は、上記で説明した第1の実施例における原理と同様である。
従動側部材41が後述の従動側ローラーである場合、その好ましい移動動作は、図1−2に示すように、所定位置に保持された検体容器A1の回転中心軸線(図示せず)に対して、該従動側ローラーの回転中心軸線(図示せず)が平行に接近して接触し、離脱する移動動作である。ここでも、接触位置への移動を「前進」とも言い、離間位置への移動を「後退」とも言う。この移動動作を可能にするため、従動ユニット40が、支持部材B1に対して移動可能に保持されている。
前記のように移動可能に保持された従動ユニット40を移動させるための駆動力として、第2の実施例でも、駆動シャフトの回転駆動力を利用している。回転駆動力を直線移動のための駆動力へと変換するために、駆動シャフト2には第1のプーリー部材24Pが装着され、支持部材B1には第2のプーリー部材27が設けられている。駆動シャフト2と第1のプーリー部材24Pとの間には、一方向伝達装置20が介在している。
駆動シャフト2に第1のプーリー部材24Pを直接的に固定した場合、駆動シャフト2の双方向の回転に応じて、第1のプーリー部材24Pは無端ベルト部材28を駆動する。無端ベルト部材28の直線部分28Sが前進、後退するとき、従動ユニット40および従動側部材41も、一体的に移動する。しかし、このような構成だけでは、駆動側ローラー3を検体容器A1に接触させた状態において、該駆動側ローラー3を回転させて検体容器A1を回転させようとすると、第1のプーリー部材24Pも連動して回転するので、該従動側部材41は、検体容器に食い込む方向へとさらに前進しようとするか、または、検体容器から離れようとする。よって、一方向伝達装置が無い構成では、駆動側ローラー3と従動側部材41とによって検体容器を好ましく把持して回転させることはできない。
そこで、本発明では、図1−2および第2の実施例で示すように、駆動シャフト2と第1のプーリー部材24Pとの間に一方向伝達装置20をさらに加え、駆動シャフト2の双方向の回転駆動力(F1、F2)のうち、従動側部材41を後退させる第1方向の回転駆動力F1だけを第1のプーリー部材24Pに伝達させている。よって、駆動シャフト2の第1方向の回転は、従動側部材41を後退させる。一方、駆動シャフト2が逆方向である第2方向に回転するときは、一方向伝達装置20の作用によって、第2方向の回転駆動力F2はプーリー部材24Pには伝達しない。即ち、駆動シャフト2の第2方向の回転は、従動側部材41を前進させることはできない。
第2の実施例では、従動側部材41を前進させかつ検体容器に接触させる前進方向の力(駆動側ローラー3とによって把持する力)F4を与えるために、推進力印加器31を配置している。該推進力印加器31によって付与される前進方向の力(第1の実施例と同様に、推進力印加器がバネである場合にはバネの復帰力。以下、ここでも、該前進方向の力を推進力ともいう)F4は、従動ユニット40を前進させる力として作用する。
以上のように、一方向伝達装置20と、推進力印加器31によって付与される推進力F4とを加えた構成によって、駆動シャフト2が第1方向に回転するときには、一方向伝達装置20によって回転駆動力F1が第1のプーリー部材24Pに伝達されるので、無端ベルト部材が駆動されて、推進力印加器31の推進力F4に抗して後退する。よって、従動側部材41も後退し、検体容器A1から離脱する。
一方、駆動シャフト2が第2方向に回転した場合には、第2方向の回転駆動力F2は一方向伝達装置の作用によって第1のプーリー部材24Pには伝達されないので、従動側部材41は、推進力印加器31の推進力(図1−2では、バネの復帰力)F4のみによって前進し、従動側部材41は、検体容器の外径によって決定される接触位置に到達し、推進力印加器の推進力F4にて検体容器A1に押し付けられ、駆動側ローラー3と協働して検体容器A1を把持する。その状態において、検体容器A1は、第2方向の回転駆動力F2を駆動側ローラー3から受けて回転する。
第2の実施例においても、第1の実施例と同様に、従動ユニット40は、推進力印加器31の推進力F4が作用しても無制限に高速に前進できるわけではない。駆動シャフト2が第2方向に回転し、推進力印加器31の推進力F4によって従動ユニット40および無端ベルト部材の直線部分28Sが前進する場合、第1のプーリー部材24Pの第2方向への回転速度は、駆動シャフト2の第2方向の回転速度を超えることはできない。これは、第1のプーリー部材24Pの第2方向への回転速度が、駆動シャフト2の第2方向の回転速度を超えると、駆動シャフト2が相対的に第1方向に回転することになり、一方向伝達装置20の駆動力伝達作用が発動するからである。よって、駆動シャフト2の第2方向の回転速度は、第1のプーリー部材24Pの第2方向の回転速度の上限(無端ベルト部材の移動速度の上限)となるので、駆動シャフト2の第2方向の回転速度を制御することによって、従動側部材41の前進速度を制御することが可能になる。
推進力印加器31がバネのような弾性部材である場合、その推進力(復帰力)F4は、従動側部材41の位置に応じて変化し、接触位置における該復帰力F4が接触力(押圧力または把持力)となる。駆動シャフト2は、従動側部材41が推進力F4にて検体容器A1に押し付けられた状態において(即ち、検体容器A1を把持した状態において)、第1のプーリー部材24Pを回転させることなしに、駆動側ローラー3と共に第2方向(F2の方向)に回転し続けることができる。よって、検体容器A1は、駆動側ローラー3に好ましく従動して第2方向とは反対の方向に回転する。
以上のように、本発明の第2の実施例では、共通の駆動源装置と、一方向伝達装置と、第1、第2のプーリー部材、と、無端ベルト部材と、推進力印加器とを巧みに組み合わせて、検体容器A1に従動側部材41を接触させる移動動作(推進力印加器の推進力F4による前進と接触)、従動側部材41を検体容器から離間させる移動動作(第1方向の回転駆動力F1による後退)、検体容器を回転させるための回転動作(第2方向の回転駆動力F2による回転)を作り出している。
無端ベルト部材28とプーリー部材(第1のプーリー部材24P、第2のプーリー部材27)は、一般的なVベルトとVプーリーであってもよいが、駆動シャフト2の回転駆動力F1とその回転量を、滑り無く、確実に無端ベルト部材に伝達する点からは、歯付きベルト(タイミングベルト)と歯付きプーリー、ローラーチェーンとスプロケットなどが好ましく、特に、歯付きベルトと歯付きプーリーは、ベルトが軽く静音であり、好ましい。
固定部材45は、直線部分28Sに固定される部分と、従動ユニット40に固定される部分とを有する部材であり、その態様は限定されず、従動ユニット40を直線部分28Sに固定し得るものであればよい。図1−2の例では、固定部材45は、無端ベルト部材28の直線部分28Sを2枚のプレートによって把持(ボルト絞め)するクランプ部と、従動ユニット40に固定される部分とを持った連結器である。
第2の実施例において、第1のプーリー部材、第2のプーリー部材、無端ベルト部材を用いた機構以外の各部(支持部材、駆動源装置、伝達装置、駆動シャフト、駆動側ローラーなど)は、第1の実施例の各部を参照してよい。第2の実施例における推進力印加器31は、推進力の方向が反対であること以外は、第1の実施例における推進力印加器30を参照してよい。
第2の実施例では、駆動側ローラー3は、検体容器A1の外面に接触する位置、またはその近傍に位置する。図5に示すように、多数の検体容器が、駆動側ローラーと従動側部材との間に次々に移動し、把持位置に停止する。多数の検体容器の外径は、メーカーによって中心値が微量だけ異なっており、また、同じメーカーの検体容器であっても、外径には製造誤差がある。
しかし、検体容器が横方向に数mm程度、比較的自由に移動できるように、該検体容器を搬送用ホルダーA2などに緩やかに保持しておくことで、該検体容器は、従動側部材41に押されて、駆動側ローラー3まで移動し得る。また、駆動側ローラー3の外面が、検体容器の移送経路内に多少はみ出していたとしても、把持位置へと移動して来た検体容器が駆動側ローラー3の外面に当たると、該検体容器は、抵抗することなしに横方向に移動し得る。
このようにして、駆動側ローラー3が固定位置に配置されていても、多数の検体容器を駆動側ローラーと従動側部材との間に送ることができ、駆動側ローラー3と従動側部材41とによって、検体容器を好ましく把持することができる。
これと同様に、第1の実施例において当該装置が従動側部材41を有する場合も、該検体容器を搬送用ホルダーA2などに緩やかに保持しておくことにより、該検体容器は、駆動側ローラー3に押されて、従動側部材41まで移動し得る。よって、駆動側ローラー3だけを移動させる構成であっても、検体容器を好ましく把持することができる。
本発明の第1および第2の実施例の好ましい態様では、駆動側ローラーが検体容器に接触しかつ目的の位置まで回転させた後、該検体容器から離れる瞬間に生じる下記の現象に着目し、これを解決すべきさらなる問題として取り上げ、該問題を解消する構成を当該装置に付与している。
上記したように、第1の実施例において、駆動側ローラーは第2方向に回転して検体容器を回転させる。そして、検体容器の回転が終了した後、駆動側ローラーは第1方向に回転することによって、ピニオン部材の回転駆動力を利用し、推進力印加器の推進力に抗して検体容器から離脱する。即ち、当該装置の独自の構成に起因して、駆動側ローラーは、第1方向に回転しながら検体容器から離れる。この独特の動作に起因して、駆動側ローラーが検体容器への押圧力を減少させ検体容器から離れるまでの極めて短い時間において、検体容器は、駆動側ローラーの第1方向への回転の影響を受けて、微量だけ回転する場合がある。
従来の分析システムでは、検体容器を回転させて、ラベルの情報を読み取った後は、検体容器がさらに回転しても何ら問題にはならない。その理由は、従来の分析システムでは、該検体容器を検査ステージに移し替えた後で、ラベルの情報を再度読み取る際に、再び検体容器を回転させるからである。
これに対して、本発明の好ましい態様では、搬送用ホルダー上で回転させた検体容器の位置をそのまま保存し、後段の確認時でもその位置を活用することを提案している。これにより、後段でのラベルの情報の再確認時に、検体容器を再度回転させる必要がなくなる。そのため、本発明の好ましい態様では、図1−1、図1−2、図2に示すように、駆動シャフト2と駆動側ローラー3との間に、第2の一方向伝達装置6が介在している。この第2の一方向伝達装置6は、上記した一方向伝達装置20の伝達作用とは逆に、駆動シャフト2の第2方向への回転駆動力F2だけを駆動側ローラーに伝達するように用いられている。図の例では第2の一方向伝達装置は、第1の一方向伝達装置を上下逆転させた姿勢にて配置されている。
この構成によって、駆動側ローラーが第2方向に回転し検体容器A1を回転させた後、該検体容器から離脱する際に、駆動シャフト2が第1方向に回転しても、第2の一方向伝達装置の作用によって、駆動側ローラーには第1方向の回転駆動力F1が伝達しない。よって、駆動側ローラー3は、検体容器A1を回転させることなく(即ち、検体容器A1のラベルA11の位置をそのままにして)、検体容器A1から離脱することができ、検体容器の位置を維持することができる。
上記のような駆動側ローラー3に第2の一方向伝達装置を付与する態様は、第1および2の実施例に適用されてもよいが、駆動側ローラー3自体が移動して検体容器A1を押圧し離れる第1の実施例に対して特に好ましい態様である。
第2の一方向伝達装置6は、上記した一方向伝達装置20と同様の構造を有する市販のワンウェイクラッチが好ましく用いられ、ローラー内部に収まるようなより小さいものが好ましい。図1−1、図1−2、および、図2〜図5に示す実施例では、第2の一方向伝達装置6は、円筒状を呈するワンウェイクラッチが用いられ、該ワンウェイクラッチの駆動側部分は、駆動シャフト2に対して固定され、または、駆動シャフト2と一体であり、その外側の従動側に駆動側ローラーが固定されている。上記した一方向伝達装置20の場合と同様、これらの固定方法は、ネジ、接着剤、溶接、溶着、圧入などの固定手段を適宜選択することができる。
第2の実施例と同様に、第1の実施例でも、当該装置は、前記駆動側ローラー3と協働して対象の検体容器A1を回転可能に把持する従動側部材41を有することが好ましい。
第1および第2の実施例において、該従動側部材41の好ましい態様は、図3に示すような、自由に回転可能な2つの従動側ローラー42、43である。これら2つの従動側ローラー42、43は、駆動側ローラー3と同様、表層が弾性的で柔軟な有機高分子材料からなる層であることが好ましい。駆動側ローラー3と2つの従動側ローラー42、43は、図8に示す従来技術のように、検体容器を3点で把持するように配置されることが好ましい。
図4、図3に好ましく現れているように、本発明の第1および第2の実施例では、従動側部材(従動側ローラー42、43)は、従動ユニット40の一部である。従動ユニット40は、従動側ローラー42、43をそれぞれ先端部に有する2本の従動シャフト42a、43aを少なくとも有して構成されている。
第1の実施例では、従動側部材41(第1の実施例の好ましい態様では、従動側ローラー42、43)は、検体容器A1に接近した定位置に不動に固定されてもよい。第1の実施例の好ましい態様では、図3〜図5に示す実施例のとおり、駆動側ローラーと同期的に協働して開閉動作を行い、検体容器を把持し解放するように構成される。この開閉動作を行う機構(開閉機構)の具体的な態様例を次に説明する。
〔開閉機構の第1の態様例〕
開閉機構の第1の態様例では、1対のラック部材と1つのピニオンによって、駆動ユニットと従動ユニットが反対方向に同時に移動する。
図4−1、図5に現れているように、従動ユニット40は、ブラケット44を有しており、該ブラケット44に2本の従動シャフト42a、43bが固定されて下方に延びている。ブラケット44は駆動ユニット10のブラケット7と同様の機構にて、支持部材B1上に移動可能に取り付けられている。
図3によく現れているように、駆動ユニット10のブラケット7からは第2のラック部材51が延びており、従動ユニットのブラケット44(図3では図示を省略している)からは第3のラック部材52が延びている。これら第2のラック部材51と第3のラック部材52は、それぞれの歯を互いに対向させた状態で配置され、それらの間には、支持部材B1にピボット回転可能に支持された第2のピニオン部材53が配置され、第2のラック部材51と第3のラック部材52がそれぞれに第2のピニオン部材53に噛み合っている。この構成によって、駆動ユニットが一方向(例えば、図3の左方向)へ移動すると、第2のラック部材51が第2のピニオン部材53を回転させ、第3のラック部材52を右方向に移動させ、従動ユニット40も右方向に移動する。即ち、駆動ユニットの一方向の移動が、従動ユニットの反対方向への移動を引き起こし、駆動側ローラー3と従動側部材41(従動側ローラー42、43)とは、検体容器A1に同時に近づいて該検体容器を把持し、また、検体容器から同時に離れて該検体容器を解放する。
図示した実施例では、第2のラック部材51、第3のラック部材52は、いずれも、ラックであり、第2のピニオン部材53は、ピニオンであるが、上記したラック部材とピニオン部材との組み合わせであってもよい。
〔開閉機構の第2の態様例〕
開閉機構の第2の態様例では、1つの無端ベルト部材における互いに反対方向に移動する2つの部分を用いることによって、駆動ユニットと従動ユニットが反対方向に同時に移動する。
図4−2に第2の態様例の構成を概略的に示すように、支持部材B1には、1対のプーリー部材56、57が設けられる。これら一対のプーリー部材の間には無端ベルト部材58が掛け渡される。該無端ベルト部材58は、駆動ユニット10の前進方向と平行に延びかつ互いに逆方向に移動する1対の直線部分58S1、58S2を有する。これら1対の直線部分のうち、一方の直線部分58S1には駆動ユニット10が固定部材59aを介して固定され、他方の直線部分58S2には従動ユニット40が固定部材59bを介して固定されている。
この構成によって、駆動ユニット10の一方向(矢印で示す左方向)への移動が、無端ベルト部材58を介して、従動ユニット40の反対方向(矢印で示す右方向)への移動を引き起こす。これにより、駆動側ローラー3と従動側部材41(従動側ローラー)は、検体容器A1に同時に近づいて該検体容器を把持し、また、検体容器A1から同時に離れて該検体容器を解放する。
図4−2の例では、一対のプーリー部材56、57は支持部材B1の面に直接設けられ、これらプーリの回転中心軸は、支持部材B1の面から水平方向に延びているが、それには限定されず、これらプーリの回転中心軸は、L字状のブラケットなどを用いて、鉛直方向に延びていてもよい。
無端ベルト部材は、特に限定はされず、平ベルトであってもよいが、引張り力を受けても伸びが少ないものが好ましい。
固定部材59a、59bは、上記で説明した固定部材45を参照してよい。
前記の開閉機構では、図4−1(または、図4−2)に示すように、従動ユニット40と支持部材B1との間に第2の推進力印加器54(または、54b)が設けられる。第2の推進力印加器の一端は、従動ユニット40のいずれかの適切な位置に固定され、該第2の推進力印加器の他端は、支持部材B1のいずれかの適切な位置に固定される。図の例では、第2の推進力印加器はバネである。該バネは原形から変形した状態でセットされ、復帰力が従動側ローラー42、43に検体容器A1を把持する力として加わるようになっている。
図3〜図5に示す実施例では、駆動ユニット10の場合と同様に、従動ユニット40に作用するバネ54として引張コイルバネが用いられている。図3、図4−1によく現れているように、該引張コイルバネ54は、ブラケット44と支持部材B1との間に装着されており、ブラケット44を通じて、従動ユニット40には検体容器A1に向かう方向の引っ張り力が作用している(該引張コイルバネ54と支持部材B1との係合部分は図示を省略している)。従動ユニット40に作用させる第2の推進力印加器54(または、54b)の力(バネである場合は復帰力)は、適宜決定してよい。開閉機構の第1の態様例では、第2の推進力印加器54の力は、第3のラック部材52と、ピニオン部材53と、第2のラック部材51とを通じて、駆動ユニットにも作用し、把持力、接触力を増大させる。よって、第2の推進力印加器54を付与する場合には、駆動ユニット側の推進力印加器の推進力F3を弱くすることもできる。同様に、開閉機構の第2の態様例でも、第2の推進力印加器54bの力は、無端ベルト58を通じて、駆動ユニットにも作用し、把持力、接触力を増大させる。よって、第2の推進力印加器54bを付与する場合には、駆動ユニット側の推進力印加器の推進力F3を弱くすることもできる。
第1の実施例において、第2の推進力印加器54(または、54b)は必須ではないが、従動ユニット40の移動機構に第2の推進力印加器(とりわけ引張コイルバネ)54、(または、54b)を前記のように設けることによって、従動ユニット40は移動方向の遊びが無くなり、簡単な構造でありながら、駆動側ローラーと駆動側ローラーの双方から、好ましいバランスの把持力を検体容器に作用させることが可能になる。
図3に示すように、当該装置には、検体容器の有無検知のためのセンサー60や、駆動ユニットの前進、後退を検知するセンサー61など、付帯的な各種センサーが適宜設けられることが好ましい。
例えば、検体容器の有無検知のためのセンサー60があれば、搬送用ホルダーに検体容器が保持されていない場合、無駄な前進動作を行うことなく、搬送用ホルダーを送り、次の検体容器にアクセスすることが可能になる。
検体容器が回転した結果として、検体容器の胴体に貼付されたラベルの位置が好ましい位置まで来たという事実は、該ラベル上のバーコードを読み取るバーコードリーダーや、適宜の検出センサーを用いて検出することができる。よって、その検出結果に応じて、駆動側ローラーの回転を停止して検体容器の回転を停止させればよい。
図5は、多数の検体容器を保持した搬送用ホルダーと、当該装置の駆動側ローラーと従動側部材(2つの従動側ローラー)との位置関係の一例を示している。
回転させるべき検体容器は、駆動側ローラーと従動側部材(2つの従動側ローラー)との間を単に通過するだけであってもよいし、駆動側ローラーと従動側部材とがいったん検体容器よりも上まで上昇してから該検体容器が移動するなどの態様であってもよい。
これらの態様は、駆動側ローラーと従動側部材を検体容器からどれだけ離すかなどに応じて適宜決定可能である。
また、駆動側ローラーと従動側部材が検体容器から離れたときに搬送用ホルダーが送られるといったように、当該装置の動作と、搬送用ホルダーの送りとを関連付けることが好ましい。
本発明の装置は、1つの独立した装置であってよく、駆動源装置1の動作や、付帯するセンサーを制御するための制御部を備えていてもよい。あるいは、本発明の装置は、より大規模な分析システムの1ステージの装置であってもよく、そのような分析システム全体のための制御部によって制御されてもよい。
本発明の装置が回転させるべき対象物は、上記した検体容器の他、例えば、瓶や缶などの容器、加工すべき素材、計測対象物などであってもよい。
また、対象物が検体容器である場合、該検体容器は、生体から採取された血液、尿、便といった分析すべき試料を収容した容器(採血管など)、鉱物などあらゆる分析試料を収容した容器であってもよい。
また、本発明の装置が該対象物を回転させる目的は、特に限定はされず、例えば、該対象物の表面に貼付されたラベルの記載(バーコード等)や対象物の表面に直接印字された記載を読み取るための回転、該対象物を多方向から検査するための回転、該対象物を多方向から加工するための回転、容器内に収容された流体(検体容器内に収容された液状の検体)を撹拌するための回転など、あらゆる回転であってよい。
本発明の装置によって、駆動ユニットまたは従動ユニットが対象物に接触し離間するための移動動作と、該駆動ユニットが対象物を回転させるための回転動作とを、共通の1つの駆動源装置によって達成し得るようになった。当該装置は、搬送用ホルダーに保持された採血管等の検体容器のラベルの読み取りなどにおける該検体容器の回転に特に有用となる。
本出願は、日本で出願された特願2015−243974(出願日:平成27年12月15日)を基礎としており、その内容はすべて本明細書に包含される。
1 駆動源装置
2 駆動シャフト
3 駆動側ローラー
10 駆動ユニット
20 一方向伝達装置
22 連結具
24 ピニオン部材
26 ラック部材
24P 第1のプーリー部材
27 第2のプーリー部材
28 無端ベルト部材
30 推進力印加器
40 従動ユニット
41 従動側部材
A1 対象物
B1 支持部材
F1 第1方向の回転駆動力
F2 第2方向の回転駆動力
F3 第1の実施例における推進力印加器による前進方向の力
F4 第2の実施例における推進力印加器による前進方向の力

Claims (10)

  1. 対象物を回転させる装置であって、
    当該装置は、支持部材と駆動ユニットと推進力印加器とを少なくとも有し、
    駆動ユニットは、駆動シャフトと、該駆動シャフトを双方向である第1方向と第2方向に回転させる駆動源装置とを有し、駆動シャフトは、対象物に接触したときに該対象物に回転動作を伝達する駆動側ローラーを有し、
    駆動シャフトには一方向伝達装置が設けられ、該一方向伝達装置は、駆動側部分と従動側部分とを有し、該駆動シャフトは駆動側部分に固定されているかまたは駆動側部分と一体であり、かつ、該一方向伝達装置は、駆動シャフトの第1方向への回転駆動力だけを従動側部分に伝達させる機構を有し、
    当該装置は、
    前記一方向伝達装置の従動側部分に伝達する第1方向への回転駆動力を変換し、駆動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる機構を有するか、または、前記一方向伝達装置の従動側部分に伝達する第1方向への回転駆動力を変換し、従動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる機構を有し、該従動ユニットは、前記駆動側ローラーと協働して対象物を回転可能に把持する従動側部材を含むものであり、
    駆動シャフトの前記第2方向への回転駆動力によって、前記駆動側ローラーが、対象物に回転動作を伝達するように回転する、
    前記装置。
  2. 当該装置は、第1方向への回転駆動力を変換して、駆動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる上記機構を有し、
    駆動ユニットは、駆動側ローラーが対象物に接触する接触位置と、対象物から離れた離間位置とを含んだ移動経路上を移動するように、前記支持部材上に移動可能に取付けられており、
    駆動ユニットと支持部材との間には、駆動側ローラーを接触位置の方向へと移動させ対象物に接触させる前進方向の力が駆動側ローラーに加えられるように、推進力印加器が設けられており、
    一方向伝達装置の従動側部分には、ピニオン部材が設けられ、支持部材には該ピニオン部材と噛み合うラック部材が設けられ、一方向伝達装置を介してピニオン部材に伝達される第1方向への回転駆動力によって、前記推進力印加器によって付与される前進方向の力に抗して、該前進方向とは逆の後退方向へとピニオン部材がラック部材上を移動し、それにより、駆動ユニットが後退方向へと移動する、
    請求項1に記載の装置。
  3. さらに従動側部材を有し、該従動側部材は、駆動側ローラーが対象物が回転可能であるように該対象物に接触するときに、該駆動側ローラーと協働して対象物を回転可能に把持する部材である、請求項2に記載の装置。
  4. 当該装置が従動ユニットを有し、該従動ユニットは、前記従動側部材を有し、かつ、前記支持部材上に移動可能に保持されており、
    駆動ユニットからは第2のラック部材が延びており、従動ユニットからは第3のラック部材が延びており、第2のラック部材と第3のラック部材は、それぞれの歯を互いに対向させた状態で、それらの間に回転可能に支持された第2のピニオン部材と噛み合っており、
    駆動ユニットの一方向への移動が、従動ユニットの反対方向への移動を引き起こし、駆動側ローラーと従動側部材が、対象物に同時に近づいて該対象物を把持し、対象物から同時に離れて該対象物を解放するように、前記第2のラック部材と第3のラック部材と第2のピニオン部材とが関係付けられて組み立てられている、
    請求項3に記載の装置。
  5. 当該装置が従動ユニットを有し、該従動ユニットは、前記従動側部材を有し、かつ、前記支持部材上に移動可能に保持されており、
    前記支持部材には、1対のプーリー部材が設けられ、これら一対のプーリー部材には無端ベルト部材が掛け渡され、該無端ベルト部材は、前記前進方向と平行に延びかつ互いに逆方向に移動する1対の直線部分を有し、
    前記1対の直線部分のうち、一方の直線部分には駆動ユニットが固定され、他方の直線部分には従動ユニットが固定されており、それにより、駆動ユニットの一方向への移動が、該無端ベルト部材を介して、従動ユニットの反対方向への移動を引き起こし、それにより、駆動側ローラーと従動側部材が、対象物に同時に近づいて該対象物を把持し、かつ、対象物から同時に離れて該対象物を解放するようになっている、
    請求項3に記載の装置。
  6. 従動ユニットと支持部材との間には、従動側部材に把持方向の力が加わるように第2の推進力印加器が設けられている、請求項4または5に記載の装置。
  7. 当該装置は、第1方向への回転駆動力を変換して、さらに設けられる従動ユニットを対象物から離れる方向へと移動させる上記機構を有し、
    従動ユニットは、従動側部材が対象物に接触する接触位置と、対象物から離れた離間位置とを含んだ移動経路上を移動するように、前記支持部材上に移動可能に取付けられており、
    従動ユニットと支持部材との間には、従動側部材を接触位置の方向へと移動させ対象物に接触させる前進方向の力が従動側部材に加えられるように、推進力印加器が設けられており、
    一方向伝達装置の従動側部分には第1のプーリー部材が設けられ、支持部材には第2のプーリー部材が設けられ、これら第1のプーリー部材と第2のプーリー部材との間には無端ベルト部材が掛け渡され、該無端ベルト部材は、第1のプーリー部材が第1方向に回転したときに、前記前進方向とは逆の後退方向に移動する直線部分を有し、
    前記直線部分には従動ユニットが固定され、一方向伝達装置を介して第1のプーリー部材に伝達される第1方向への回転駆動力によって、該直線部分は、前記推進力印加器によって付与される前進方向の力に抗して後退方向へと移動し、それにより、従動ユニットが後退方向へと移動する、
    請求項1に記載の装置。
  8. 従動側部材が、駆動側ローラーと協働して、対象物を3点で回転可能に把持する2つの従動側ローラーである、請求項3〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 駆動シャフトと駆動側ローラーとの間には、第2の一方向伝達装置が介在しており、第2の一方向伝達装置は、駆動シャフトの第2方向への回転駆動力だけを駆動側ローラーに伝達する装置である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 駆動源装置が、双方向に回転するように制御可能なモーターである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
JP2017556029A 2015-12-15 2016-12-09 対象物を回転させる装置 Active JP6731946B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015243974 2015-12-15
JP2015243974 2015-12-15
PCT/JP2016/086785 WO2017104576A1 (ja) 2015-12-15 2016-12-09 対象物を回転させる装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017104576A1 true JPWO2017104576A1 (ja) 2018-11-08
JP6731946B2 JP6731946B2 (ja) 2020-07-29

Family

ID=59056560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017556029A Active JP6731946B2 (ja) 2015-12-15 2016-12-09 対象物を回転させる装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10768191B2 (ja)
EP (1) EP3385719B1 (ja)
JP (1) JP6731946B2 (ja)
CN (1) CN108431611B (ja)
BR (1) BR112018012171B1 (ja)
WO (1) WO2017104576A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210187454A1 (en) * 2018-06-28 2021-06-24 Bio-Rad Laboratories, Inc. Container rotation device
US20220097037A1 (en) * 2019-01-17 2022-03-31 Dan Yehoshoa SHAHAR Pipettor calibration system devices and methods thereof
CN117990726B (zh) * 2024-04-07 2024-06-07 吉林省继明生物科技有限责任公司 一种基于光谱测定法的cyp3a4酶光学检测装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0755815A (ja) * 1993-08-17 1995-03-03 Toa Medical Electronics Co Ltd 試料容器回転装置
JP2005075395A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Teruaki Ito 試験管栓取外し装置
JP2005321306A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Tosoh Corp 試料を撹拌する装置
JP2006052995A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Sysmex Corp 試料容器回転装置
WO2010038852A1 (ja) * 2008-10-03 2010-04-08 アークレイ株式会社 試料撹拌装置、これを用いた液体クロマトグラフィ装置、および試料容器スタンド
JP2014149162A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Sysmex Corp 搬送装置、検体移し替え装置、検体移し替えシステムおよび検体移し替え方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3347407B2 (ja) * 1993-08-17 2002-11-20 シスメックス株式会社 試料容器回転装置
JP3860178B2 (ja) * 2004-04-05 2006-12-20 株式会社アイディエス 試験管のバーコード読取り装置
CN103983797B (zh) 2013-01-31 2018-05-04 希森美康株式会社 容器分类装置、样本处理系统及容器分类方法
EP2842629B1 (en) * 2013-08-27 2020-04-15 F. Hoffmann-La Roche AG Device for reading of an identification code carried by tubular containers using a tube rotator
EP3101428B1 (en) * 2014-01-27 2021-07-07 Hitachi High-Tech Corporation Automatic analytical apparatus
JP6742406B2 (ja) * 2015-11-12 2020-08-19 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft 試料取扱い装置及び試料取り扱いのための方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0755815A (ja) * 1993-08-17 1995-03-03 Toa Medical Electronics Co Ltd 試料容器回転装置
JP2005075395A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Teruaki Ito 試験管栓取外し装置
JP2005321306A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Tosoh Corp 試料を撹拌する装置
JP2006052995A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Sysmex Corp 試料容器回転装置
WO2010038852A1 (ja) * 2008-10-03 2010-04-08 アークレイ株式会社 試料撹拌装置、これを用いた液体クロマトグラフィ装置、および試料容器スタンド
JP2014149162A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Sysmex Corp 搬送装置、検体移し替え装置、検体移し替えシステムおよび検体移し替え方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10768191B2 (en) 2020-09-08
BR112018012171A2 (pt) 2018-11-27
EP3385719B1 (en) 2022-04-27
US20190004078A1 (en) 2019-01-03
WO2017104576A1 (ja) 2017-06-22
CN108431611A (zh) 2018-08-21
CN108431611B (zh) 2021-08-31
JP6731946B2 (ja) 2020-07-29
EP3385719A4 (en) 2019-08-07
BR112018012171B1 (pt) 2021-10-26
EP3385719A1 (en) 2018-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017104576A1 (ja) 対象物を回転させる装置
JP6387078B2 (ja) 試験管ラベリングユニット及びこれを含む試験管準備装置
EP3798639B1 (en) Gripper and method for automated handling of sample tubes
JP4953126B2 (ja) ねじり試験装置
KR101496360B1 (ko) 시험관 준비 장치
JP5493179B2 (ja) ドリル装置ヘッドピース
JP2010538783A5 (ja)
KR20160113029A (ko) 폐전 장치, 폐전 유닛 및 폐전 방법
JP2012081564A (ja) ハンド、ロボット及びロボットシステム
EP1466824A3 (en) Pedal force sensing apparatus for an electric bicycle
CN101796406A (zh) 超声波探伤检测用探头以及超声波探伤检测用扫查器
JP6386357B2 (ja) 容器を把持するための装置
CN110753605B (zh) 在抓具的传动构件轴承上具有传感器的抓具
JP2011183504A (ja) 電動把持装置
US10101350B2 (en) Transport of liquid containers in an automated analyzer
JP2010536516A (ja) 穿刺システム
CN211030064U (zh) 连杆夹管机构
WO2021084823A1 (ja) 検体容器把持装置及び検体搬送装置、接続装置
CN211003508U (zh) 齿条夹管机构
CN221156784U (zh) 样本分析流水线系统及试管夹持装置
JP7295741B2 (ja) ラベル貼付装置の水平移動機構、ラベル貼付装置及びラベル貼付方法
JPH1111436A (ja) ワーク保持装置
CN114839391A (zh) 一种检验科用医疗检验装置
CN117298415A (zh) 细长器械的驱动装置及手术机器人
JP2015085448A (ja) ロボットハンド、ロボットおよび被挟持物の挟持方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20180824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180824

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6731946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250