JPWO2017065251A1 - 有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017065251A1
JPWO2017065251A1 JP2017545476A JP2017545476A JPWO2017065251A1 JP WO2017065251 A1 JPWO2017065251 A1 JP WO2017065251A1 JP 2017545476 A JP2017545476 A JP 2017545476A JP 2017545476 A JP2017545476 A JP 2017545476A JP WO2017065251 A1 JPWO2017065251 A1 JP WO2017065251A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
photoelectric conversion
organic
conversion element
solar cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017545476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6791156B2 (ja
Inventor
公也 竹下
公也 竹下
健史 金田
健史 金田
植松 卓也
卓也 植松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JPWO2017065251A1 publication Critical patent/JPWO2017065251A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6791156B2 publication Critical patent/JP6791156B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/80Constructional details
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Abstract

本発明は、太陽電池の特性を阻害することなく、太陽電池が黄色や赤色を呈するのを抑制しつつ、有機活性層の色調に関わらず太陽電池表面の外観色を青系の色に調整し、意匠性を向上させ得る有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュールを提供する。
透明基板上と金属層を含む下部透明電極と、有機活性層と、上部電極と、が順次積層された有機光電変換素子であって、
前記透明基板と前記金属層間の距離d及び屈折率nで表される、前記透明基板と前記金属層間の光路長(n×d)が、mが0以上の整数のいずれかにおいて下記式(1)を満たすことを特徴とする有機光電変換素子。
480nm≧4×(n×d)÷(2×m+1)≧380nm・・・(1)

Description

本発明は、有機光電変換素子及び該有機光電変換素子を含む有機薄膜太陽電池モジュールに関する。
近年、有機薄膜太陽電池が盛んに検討されている。特に、有機薄膜太陽電池は、可撓性を有する透明樹脂基板を用いることが可能となる。そのため、有機薄膜太陽電池は、従来の結晶シリコン基板やガラス基板を用いた太陽電池と比較して、柔軟・軽量であるという利点を生かして、建築物の壁面、窓ガラス等へ設置することが検討されている。有機薄膜太陽電池を建築物の壁面や窓ガラス等に設置することを想定すると、建築物の壁面や窓ガラス等は、人目に付き易いことから、有機薄膜太陽電池モジュールも色調等の外観色を重要視する必要があると考えられる。
有機薄膜太陽電池の色調を調整する方法として、例えば、特許文献1には、受光面側から目視した場合における光電変換層の背後に光吸収層を配置して、特定の波長を吸収させる方法が開示されている。また、特許文献2には、透明電極と光電変換層の屈折率と厚みを特定の値にして、文字盤の幅広い色選択が可能になることが開示されている。
特開2006−278878号公報 特開2001−217444号公報
有機薄膜太陽電池はそもそも実用化のためには、高い変換効率が要求される。また、上記のとおり柔軟・軽量であるという利点を生かして、建築物の壁面、窓ガラス等へ設置することが検討されており、意匠性も重視されるのが現状である。
高効率の観点からは、有機薄膜太陽電池を構成する下部透明電極を、抵抗が高い透明酸化物導電体のみで形成するのではなく、抵抗の低い金属層を用いて形成することが好ましい。しかしながら金属層を用いると、金属層の反射光により、一般的に窓や建材等への設置を想定した場合に望ましくない赤色や黄色の干渉色が目立つ場合があるという、新たな問題が生じた。
当該新たな問題は、色調の調整方法を開示する特許文献1や2に開示の技術では解決できるものではなかった。更に、特許文献1では、太陽電池の内部(透明電極層及び対向電極層間)に光吸収層を配置するため、例えば、光吸収層が太陽電池の内部抵抗として働き、太陽電池の発電効率や寿命が低下するなど、太陽電池の特性を阻害するおそれがあった。また、特許文献2では、外観色を調整するために透明電極と光電変換層の厚みを決定するため、太陽電池としての性能を発揮するために透明電極や光電変換層の最適な膜厚を選択できず、例えば、透明電極の抵抗が高くなる、光電変換層での光吸収量が少なくなる、などにより太陽電池の発電効率が低下し、太陽電池の特性を阻害するおそれがあった。
本発明はこのような新たな課題を解決するものであり、太陽電池の特性を阻害することなく、特に太陽電池が黄色や赤色を呈すのを防ぎつつ、一方で、有機活性層の色に関わらず、太陽電池表面の外観色として望ましい青系色に調整し、意匠性を向上させ得る有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、透明基板側から有機薄膜太陽電池モジュールを正面から目視した場合に、黄色や赤色を呈する意匠性の不良は、有機光電変換素子の透明基板と有機活性層との間に存在する透明電極に起因し、特に、透明電極が金属層を含む場合に顕著になることを見出した。
すなわち、有機光電変換素子の透明基板に入射した光の一部が透明電極の金属層で反射され、入射光と反射光との間で光干渉が起こり、特定の条件の場合に黄色や赤色を呈する干渉色が生じる。
この干渉色は、有機活性層の外部で発生し、かつ、光強度の大きい光入射面側で発生するため、有機活性層で発生する反射色よりも光強度が大きい。そのため、有機薄膜太陽電池モジュールの外観色は、有機光電変換素子の透明基板と透明電極、特に、透明基板と金属層との間で生じる光干渉によって強く影響されると考えられる。
従って、有機光電変換素子の透明基板と金属層との間の距離を調整することにより、黄色や赤色の干渉色により有光電変換素子の外観色が黄色や赤色を呈するのを防ぐことができる。さらには、青系の干渉色を目立たせることによって、有機活性層の色調に関わらず、有機光電変換素子の外観色を望ましい青系の色に容易に調整できることを見出し、本発明を完成させるに至った。さらに、本発明は、発電効率に直接的に寄与する有機活性層ではない層の膜厚を調整しているため、太陽電池の特性を大幅に低下することを防ぐことができる。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]透明基板と、金属層を含む下部透明電極と、有機活性層と、上部電極と、が順次積層された有機光電変換素子であって、
前記透明基板と前記金属層間の距離d及び屈折率nで表される、前記透明基板と前記金属層間の光路長(n×d)が、mが0以上の整数のいずれかにおいて、下記式(1)を満たすことを特徴とする有機光電変換素子。
480nm≧4×(n×d)÷(2×m+1)≧380nm……(1)
[2]前記透明基板と前記金属層との間にアンダーコート層を含む、[1]に記載の有機光電変換素子。
[3]前記下部透明電極は、透明導電層を含み、前記透明導電層が、前記透明基板と、前記金属層との間に配置されている[1]又は[2]に記載の有機光電変換素子。
[4]前記アンダーコート層の厚さは、10nm以上5000nm以下である、[2]又は[3]に記載の有機光電変換素子。
[5]前記透明導電層の厚さは、5nm以上200nm以下であることを特徴とする[3]又は[4]に記載の有機光電変換素子。
[6]前記金属層の厚さは、1nm以上20nm以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の有機光電変換素子。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の有機光電変換素子を含む、有機薄膜太陽電池モジュール。
本発明によれば、太陽電池の特性を阻害することなく、太陽電池が黄色や赤色を呈するのを抑制しつつ、太陽電池表面の外観色を青系の色に調整し、意匠性を向上させ得る有機光電変換素子を提供することができる。また、該有機光電変換素子を含む、黄色や赤色を呈するのを抑制して意匠性を向上させた有機薄膜太陽電池モジュールを提供できる。
図1は、本発明の一実施形態における有機光電変換素子の構成を模式的に示す断面図である。 図2は、光路長と光の位相の関係を示す図である。 図3は、本発明の一実施形態における有機薄膜太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
<有機光電変換素子1>
図1は、本発明の一実施形態における有機光電変換素子1の構成を模式的に示す断面図である。有機光電変換素子1は、透明基板2と、アンダーコート層3と、第1透明導電層4、金属層5及び第2透明導電層6とが順次積層された下部透明電極7と、有機活性層8と、上部電極9とが順次積層されている。
本実施形態に係る有機光電変換素子は、透明基板2側から観察した際に、有機光電変換素子の外観色が黄色や赤色を呈するのを抑制しつつ、有機活性層の色調に関わらず、有機光電変換素子の外観色を青系の色に調整でき、意匠性を向上させ得るものである。
通常、有機光電変換素子の外観色は、有機活性層8の色が支配的になると考えられる。この理由は、有機活性層8は可視光領域の光を吸収するために着色されている一方で、有機活性層8が光を効率良く吸収できるように有機活性層8以外の層は無色透明の方が好ましいと考えられるからである。しかしながら、本発明者らの検討によると、実際には、透明基板2側から有機光電変換素子を観察した場合、光の干渉により有機光電変換素子が赤色や黄色等、好ましくない外観色を呈している場合があることが判明した。この理由としては、以下の理由が考えられる。
後述するように下部透明電極7が一般的に反射率の高い金属層5を有して形成されている場合、金属層5において、多くの反射光が発生する。さらには、金属層5と透明基板2との間にはいくつかの層が形成されている場合がある。例えば、図1に係る実施態様においては、透明基板2と金属層5との間には、アンダーコート層3、下部透明電極を構成する透明導電層6が形成されている。そのため、これらの層の膜厚によっては、該層内において、金属層5の反射光による光干渉効果が発生する場合がある。具体的に、本実施形態の有機光電変換素子1において、入射する光の干渉の例について、図2を用いて説明する。
有機光電変換素子1の透明基板2に対して垂直方向に光が入射すると、透明基板2と、金属層5との間の距離(膜厚)d及び屈折率nで表される、透明基板2と、金属層5との間の光路長(n×d)を、以下の式(a)に代入して算出される波長λの反射光が光干渉条件により増強されることになる。すなわち、波長λの反射光が、有機光電変換素子の外観色に影響を及ぼすことになる。
2×n×d=(2×m+1)×λ÷2 (mは0以上の整数)……(a)
なお、金属層5は一般的に、金属層5の表面に存在するアンダーコート層3や第1の透明導電層4よりも屈折率が高いために、式(a)は、金属層5における反射光の位相が180°ずれることを想定した式である。
透明基板2とアンダーコート層3との界面で反射しない入射光が金属層5で反射した場合(入射光1)、透明基板2とアンダーコート層3との界面で反射した入射光(入射光2)との光路差は式(a)の左に表されるように2×n×dとなり、これが(2m+1)×λ/2の場合に光の位相が一致して、光が強め合うこととなる。本実施形態において、有機光電変換素子の外観の色味を帯びて見えることは可視光の範囲において光が強め合うことを意味する。つまりは、上記式(a)において、理論上、λ=380nm〜780nmとなるように、透明基板2と金属層5との間の光路長(n×d)が選択された場合に可視光領域内の光が干渉することになるために、当該干渉色により有機光電変換素子の外観色は影響を受けることになる。
例えば、上記式(a)において、λが380nm以上480nm以下となるように該光路長(n×d)が選択された場合、有機光電変換素子は青系色の干渉色が目立つことになる。一方、該光路長(n×d)が大きくなるにつれて、望ましくない黄色や赤色等の干渉色が目立つことになる。すなわち、透明基板2と金属層5との間の光路長(n×d)が特定の値となる場合に、特定の可視光内の干渉色が目立つことになり、当該干渉色が有機光電変換素子の外観色に影響を及ぼすことになる。
なお、上記式(a)においてmが大きくなる、すなわちn×dの値が大きくなるにつれて可視光領域に現れる干渉波の数は多くなり、反射率の極大ピークは多くなることになる。つまり、mが大きくなるにつれて、多くの反射色が混色される傾向にあり、特定の原色の干渉色が目立たなくなる。特に、mが4以上の場合、特定の原色の干渉色が目立たなくなるために、mが0以上3以下のいずれかの整数の場合について外観色が青系色になるようにn×dの値を調整すれば、有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュールの外観が望ましい青系色に調整できると考えられる。
上記式(a)及び実施例を含む各種検討の結果、有機光電変換素子1は、透明基板2と金属層5間の距離(膜厚の総和)d及び屈折率nで表される、透明基板と金属層間の光路長(n×d)が、mが0以上の整数のいずれかにおいて下記式(1)を満たすことで、太陽電池の特性を阻害することなく、太陽電池が黄色や赤色を呈するのを抑制しつつ、さらには、有機活性層の色調に関わらず、太陽電池表面の外観色を望ましい青系色に調整できることを見出した。
480nm≧4×(n×d)÷(2×m+1)≧380nm……(1)
なお、mが0以上の整数のいずれかにおいて式(1)を満たすが、上述の通り、mの値が4以上の場合には特定の原色の干渉色が目立たなくなる。そのため、mが0以上3以下の整数のいずれかの場合に上記式(1)を満たすことにより、有機光電変換素子が黄色や赤色を呈するのを抑制しつつ、有機光電変換素子の外観色を青系色に調整することが可能となる。
式(1)中の膜厚dは、例えば、分光エリプソメーター、光干渉式膜厚計、触針式段差計、原子間力顕微鏡、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡等により測定することができる。
式(1)中の屈折率nは、例えば、JIS K 0062記載の方法に従って、アッベ屈折率計やプルフリッヒ屈折率計、ディジタル屈折率計などを用いて測定することができる。また、プリズムカップラ法や液浸法、分光学的方法によっても測定することができる。波長によって屈折率nに変動が生じるが、アンダーコート層や透明導電層に使用されるような透明材料は屈折率の波長依存性は小さいために、本発明において、屈折率nは485nmの波長における屈折率nを使用するものとする。分光学的方法の具体的な例は、応用物理第65巻第11号1125頁〜1130頁に記載に従って、a)分光反射率や分光透過率を用いて光学シミュレーションによって求める方法や、b)分光エリプソメトリによって求める方法等がある。
なお、透明基板2と、金属層5との間に、アンダーコート層3と第1の透明導電層4等、2種類以上の層が積層されている場合、上記式(1)におけるn×dは下記式(b)に従って算出することができる。
n×d=Σ(n×d)……(b)
(nおよびdは、それぞれ、透明基板2側からi番目の層の材料の屈折率及び膜厚を意味する。)
すなわち、透明基板2と金属層5との間に複数の層が存在する場合、mが0以上の整数のいずれかにおいて下記式(2)を満たすことが好ましい。
480≧4×Σ(n×d)÷(2×m+1)≧380……(2)
なお、上述の通り、mの値が4以上の場合には、特定の干渉色が目立ちにくくなる傾向があるために、黄色や赤色の干渉色を抑えつつ、有機活性層の色調に関わらず、有機光電変換素子の外観色を青系色に調整したい場合は、mは0以上3以下の整数の場合に、光路長Σ(n×d)が上記式(2)を充足することが好ましい。
なかでも、本発明においては、後述するように、透明基板2と下部透明電極7との密着性を高めるためにアンダーコート層3を有することが好ましい。また、下部透明電極7を構成する金属層5の耐久性を向上させるために、金属層5の下方には第1の透明導電層4を有することが好ましい。すなわち、透明基板2と、金属層5との間には、透明基板2側から、アンダーコート層3と、第1の透明導電層4とを有することが特に好ましい。従って、アンダーコート層3の厚みをd、アンダーコート層3の屈折率をn、第1透明導電層4の厚みをd、第1透明導電層4の屈折率をnとしたとき、光路長(d×n+d×n)が、mが0以上の整数のいずれかにおいて以下の式(3)を満たすことによって、太陽電池の特性を阻害することなく、太陽電池が黄色や赤色を呈するのを抑制しつつ、太陽電池表面の外観色を青系色に調整し、意匠性を向上させることができるために好ましい。
480≧4×(n×d+n×d)÷(2×m+1)≧380……(3)
なお、上記式(2)と同様に、mの値が4以上の場合には、特定の干渉色が目立たなくなるために、mが0以上3以下のいずれかの整数の場合に、光路長(n×d+n×d)が上記式(3)を充足することが好ましい。
以下、図1に示す本発明の一実施形態における有機光電変換素子1の各構成部材又は層について説明する。
<透明基板2>
透明基板2は、有機光電変換素子1を支持する部材である。透明基板2の材料は、有機光電変換素子1を構成する層を積層し、支持できる限り制限されない。
透明基板2の材料は、例えば、ガラス、石英、透明樹脂材料等があげられる。透明樹脂材料の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、セルロース、アセチルセルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリノルボルネン等の有機材料などが挙げられる。これらの中でも、有機光電変換素子1を含む有機薄膜太陽電池モジュールの設置の自由度の観点から、透明基板2は可撓性を有するものが好ましい。可撓性を有する材料は特に限定されないが、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリル樹脂が、有機光電変換素子1の形成しやすさの点で好ましい。
なお、透明基板2の材料は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、これら透明基板2の材料に炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維を含ませ、機械的強度を補強させてもよい。
透明基板2のJIS R 3106で定義される可視光線透過率が通常70%以上、好ましくは80%以上である。透明基板2の厚さは、上記可視光線透過率を満たせば特段の制限はないが、取り扱いの容易さの観点からは、通常20μm以上、好ましくは50μm以上であり、一方、通常1000μm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下である。
<アンダーコート層3>
アンダーコート層3は、主として、透明基板2と下部透明電極7との間に配置され、透明基板2と下部透明電極7の密着性を向上させる機能を有する。図1に示す有機光電変換素子1は、アンダーコート層3を用いる実施形態ではあるが、必ずしも必須とされるものではない。なお、有機活性層8へ効率良く光を入射せるために、アンダーコート層3は透明であることが好ましい。なお、アンダーコート層3が透明であるとは、JIS R 3106で定義される可視光線透過率が70%以上であることを意味し、好ましくは80%以上である。
アンダーコート層3の波長485nmにおける屈折率nは、特段の制限はないが、通常、1.4以上であり、2.0以下であり、上記式(1)〜(3)及び後述する式(4)を満たすように適宜設計すればよい。
また、前述の式(1)〜(3)を満たす場合において、アンダーコート層3の波長485nmにおける屈折率nは透明基板2の波長485nmにおける屈折率n及び第1の透明導電層の485nmにおける屈折率nより小さいことが好ましい。この理由は、ファブリペロー干渉により透明基板2と金属層5との間で光干渉が効率的に起こり、アンダーコート層での干渉色が増強されるために、有機光電変換素子の外観色をさらに調整しやすくなるためである。なかでも、光干渉により有機光電変換素子の外観色を適切に調整しつつ、有機活性層8が効率良く光を吸収させるために、アンダーコート層3の屈折率nは透明基板2の屈折率nよりも小さく、かつ、アンダーコート層3の屈折率nと透明基板2の屈折率nとの差(n−n)が、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることが好ましく、一方、0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
アンダーコート層3の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂や、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のハードコート剤SHC900のような有機ケイ素化合物の加水分解により生成する物質(加水分解物)、シリカなどの無機物質微粒子、などがある。
アンダーコート層3は、これらの中でも、下部透明電極7との密着性をより向上する目的で、有機ケイ素化合物の加水分解生成物により形成することが好ましい。有機ケイ素化合物の加水分解生成物を用いる場合は、透明基板2との密着強度改善やアンダーコート層3の機械強度を向上する目的で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂を共に用いてもよい。
また、アンダーコート層3と下部透明電極7との密着性を向上する目的で、100nm以下の直径を有する無機物質微粒子を含むことも好ましい。100nm以下の直径を有する無機物質微粒子を用いる場合は、透明基板2との密着強度改善やアンダーコート層3の機械強度を向上する目的で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂と共に用いることが望ましい。
100nm以下の直径を有する無機物質微粒子は、特に、シリカが望ましい。この理由は、シリカの屈折率はアクリル樹脂のそれと近いので乱反射が少なく、透明なアンダーコート層3を得やすいためである。
なお、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを用いる場合は、架橋させて用いてもよい。
アンダーコート層3の厚さは、上述の通り、透明基板1と金属層5間の光路長を考慮した上で、選択すればよい。本実施形態においては、下部透明電極7との密着性を向上させるために、アンダーコート層3の膜厚は、好ましくは10nm以上であり、さらに好ましくは50nm以上であり、一方、亀裂が生じるのを防ぐために、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは、500nm以下であり、特に好ましくは300nm以下であり、最も好ましくは200nm以下である。
<下部透明電極7及び上部電極9>
下部透明電極7及び上部電極9は、一方が有機活性層8において発生した正孔を捕集するアノードであり、他方が有機活性層8において発生した電子を捕集するカソードである。下部透明電極7をアノードとし、上部電極9をカソードとしてもよいし、下部透明電極7をカソードとし、上部電極9をアノードとしてもよい。
図1に係る実施態様において、下部透明電極7は、第1透明導電層4、金属層5及び第2透明導電層6が順次積層されてなる。すなわち、第1透明導電層4は、アンダーコート層3と金属層5との間に積層されており、第2透明導電層6は、金属層5と有機活性層8との間に積層されている。なお、通常、下部透明電極7は、単層の透明導電層により形成することができるが、金属酸化物により形成される透明導電層は、抵抗が高い傾向がある。そのために、本発明においては、導電性向上のために、下部透明電極7は金属層5を有して形成される。すなわち、本発明において、下部透明電極7は、少なくとも金属層を含んでいればよく、金属層5の単層又は金属層5と透明導電層との積層であってもよいが、下部透明電極7の耐久性を向上させるために、金属層及び透明導電層の積層構造であることが好ましく、なかでも、図1に示すように、金属層の両側に透明導電層が配置された積層構造であることが好ましい。
<第1透明導電層4及び第2透明導電層6>
第1透明導電層4及び第2透明導電層6の材料は、同一でも異なっていてもよい。第1透明導電層4及び第2透明導電層6に用いられる材料としては、透明性及び導電性に優れたものであることが好ましい。ここで、透明性に優れるとは、膜厚100nm程度の薄膜を形成したときに、その薄膜の可視光線透過率が60%以上であることを指し、導電性に優れるとは、膜厚100nm程度の薄膜を形成したときに、その薄膜の表面抵抗値が1×10Ω/□以下であることを意味する。なお、不純物をドープすることで表面抵抗値を調整してもよい。
第1透明導電層4及び第2透明導電層6に好適に用いることができる材料としては、金属酸化物が挙げられる。例えば、スズをドープしたインジウム酸化物(ITO)、亜鉛をドープしたインジウム酸化物(IZO)、タングステンをドープしたインジウム酸化物(IWO)、ガリウムをドープしたインジウム酸化物(IGO)、カドミウムとスズとの酸化物(CTO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、亜鉛とアルミニウムとの酸化物(AZO)、スズと亜鉛の酸化物(ZTO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化トリウム(ThO)、酸化スズ(SnO)、酸化ランタン(La)、酸化インジウム(In)、酸化ニオブ(Nb)、酸化アンチモン(Sb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)、酸化チタン(TiO)、酸化ビスマス(BiO)等である。
また、透明性の高い高屈折率硫化物を用いてもよい。具体的には、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化アンチモン(Sb)等があげられる。特に、スズをドープしたインジウム酸化物(ITO)、亜鉛をドープしたインジウム酸化物(IZO)、タングステンをドープしたインジウム酸化物(IWO)、ガリウムをドープしたインジウム酸化物(IGO)、スズと亜鉛の酸化物(ZTO)等の酸化物の非晶質が好ましい。
第1透明導電層4及び第2透明導電層6の結晶転移温度(Tc)は、通常150℃以上、好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。透明導電薄膜層の結晶転移温度(Tc)が150℃以上であることにより、透明プラスチック基板上に有機光電変換素子を形成する際に透明導電層の表面凹凸が生じない点で好ましい。結晶転移温度は、示差熱量分析等の測定方法で測定できる。
第1透明導電層4及び第2透明導電層6の厚さは、下部透明電極7及び有機光電変換素子1全体の透過率及び/又は反射率、並びに下部透明電極7の電気伝導性を考慮して任意で調整することができる。特に、有機光電変換素子1を透過型(シースルー型)の光電変換素子とする場合には、下部透明電極7及び有機光電変換素子1全体の透過率及び反射率を考慮して選択することが好ましい。
特に、下部透明電極が第1の透明導電層4を有する場合、第1透明導電層4の厚さは、上述の通り、金属層5と、透明基板2間の光の干渉を考慮して選択する必要がある。特に、有機光電変換素子が、アンダーコート層3と、第1の透明導電層を有する場合は、第1の透明導電層4の膜厚は、アンダーコート層3の膜厚との関係性を考慮して、設計すればよい。但し、以下の理由により、第1の透明導電層4の膜厚は、好ましくは5nm以上であり、さらに好ましくは10nm以上であり、より好ましくは20nm以上であり、一方、好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下であり、特に好ましくは60nm以下である。第1透明導電層4の膜厚が小さすぎると、第1透明導電層4が均一に成膜されずに金属層5が酸化劣化して光沢を失い、光干渉効果を損ないやすくなる傾向があると同時に、電気抵抗が増大する場合がある。一方、第1の透明導電層4の膜厚が大きすぎると、通常、第1の透明導電層4はスパッタ法又はCVD法等の真空蒸着法により形成されるが、この場合、密度の大きい透明導電層が形成されることになるため応力により第1透明導電層4に亀裂が入りやすくなる。その結果、第1の下部透明電極7内に酸素が浸入し、金属層5が酸化劣化してしまう傾向がある。
下部透明電極7が第2の透明導電層6を有する場合、第2透明導電層6の厚さは、特段の制限はないが、通常20nm以上、好ましくは30nm以上、一方、通常60nm以下である。一方、上記上限以下であると、可撓性が担保でき、かつ、生産速度が低下することがないので好ましい。
第1透明導電層4及び第2透明導電層6の485nmにおける屈折率は、特段の制限はないが、それぞれ、通常1.3以上であり、一方、界面反射率を抑えて有機活性層8が効率良く光を吸収できるようにするために、2.5以下が好ましく、2.2以下がさらに好ましい。特に、第1の透明導電層4の屈折率nは、上記式(1)〜(3)及び後述の式(4)を満たすように選択することが好ましい。
第1透明導電層4及び第2透明導電層6は、その比抵抗が通常1×10−7Ω・cm以上、好ましくは1×10−6Ω・cm以上であり、一方、通常5×10−3Ω・cm以下、好ましくは1×10−4Ω・cm以下である。
下部透明電極7は透明であるが、変換効率の観点から透過性が高いことが好ましく、通常60%以上であり、70%以上であることが好ましい。上限は特段限定されないが、通常90%以下である。
下部透明電極7の透過率は、紫外可視近赤外分光光度計とフィルムサンプルホルダーを用いて測定できる。測定結果は、JIS R 3106:1998に従って波長380nm〜900nmまでの透過率が算出され、これらの波長領域の透過率の平均として、下部透明電極7の透過率が算出される。
<金属層5>
金属層5の材料としては、特段の制限はなく、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属又はそれらの金属の合金が挙げられる。なかでも、電気伝導性の高い材料が好ましく、銀であることが特に好ましい。銀は、比抵抗が約1.59×10−6Ω・cmであり、電気伝導性に優れる上に、薄膜における可視光線透過率が優れるため、最も好適に用いられる。
金属層5の厚さは、電導度の向上のために、好ましくは1nmであり、さらに好ましくは5nm以上であり、一方、有機活性層8が効率良く光を吸収し、変換効率を向上させるために、好ましくは20nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下である。
下部透明電極7全体の厚さは、光学特性及び電気特性を考慮した上で、各層の膜厚を決定して調整すればよいが、通常10nm以上、好ましくは60nm以上であり、一方、通常、300nm以下であり、好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。
<上部電極9>
上部電極9は、導電性を有する任意の材料により形成することが可能である。上部電極9の材料の例を挙げると、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその合金(ITO等);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料、前記下部透明電極7に例示した材料などが挙げられる。
特に、下部透明電極8を電子を捕集するカソードとし、上部電極9を正孔を捕集するアノードとする場合には、上部電極9を構成する材料は、深い仕事関数を有する材料を用いることが好ましい。一方、下部透明電極8をアノードとし、上部電極9を電子を捕集するカソードとする場合には、上部電極9を構成する材料は、浅い仕事関数を有する材料を用いることが好ましい。仕事関数を最適化することにより、光吸収により生じた正孔及び電子を良好に捕集することができる。なお、後述するようなバッファ層を設けることにより、下部透明電極7と、上部電極9と、を同じ材料により形成することもできる。
また、上部電極9を下部透明電極7と同様に透明性を有する電極とすることにより、透過型(シースルー型)の有機光電変換素子とすることができる。特に、本発明においては高い意匠性が求められる透過型の有機光電変換素子において有効となる。
なお、下部透明電極7及び上部電極9を構成する各層の形成方法に特段の制限はなく、公知の方法により形成することができる。例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することができる。また、導電性インク等を用いたウェットプロセス等により形成することもできる。この際、導電性インクとしては任意のものを使用することができ、例えば、金属粒子分散液等を用いることができる。また、下部透明電極7及び/又は上部電極9は、表面処理により、電気特性や、ぬれ特性等の特性を改良してもよい。
<有機活性層8>
有機活性層8は、通常、p型有機半導体化合物と、n型半導体化合物と、を含む。p型半導体化合物とは、p型半導体材料として働く化合物であり、n型半導体化合物とは、n型半導体材料として働く化合物である。有機光電変換素子が光を受けると、光が有機活性層に吸収され、p型半導体化合物とn型半導体化合物との界面で電気が発生し、発生した電気が電極から取り出される。
有機活性層の層構成としては、p型半導体化合物層とn型半導体化合物層とが積層された薄膜積層型、p型半導体化合物とn型半導体化合物とが混合した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、p型半導体化合物とn型半導体化合物とが混合した層(i層)と、p型半導体化合物層及び/又はn型半導体化合物層とが積層された構成等が挙げられる。なかでも、p型半導体化合物とn型半導体化合物が混合した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型が好ましい。
有機活性層8の膜厚は特に限定されないが、通常10nm以上であり、好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上であり、一方、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下であり、特に好ましくは200nm以下である。有機活性層8の膜厚が10nm以上であれば、膜の均一性が保たれ、短絡を起こしにくくなるため、好ましい。また、有機活性層8の厚さが1000nm以下であれば、内部抵抗が小さくなる点、及び電極間が離れすぎず電荷の拡散が良好となる点で、好ましい。
有機活性層8の色調に特段の制限はないが、本発明は、有機光電変換素子の外観色として望ましくない黄色〜赤色の際に特に有効となる。具体的には、Z 8781−4:2013で定義される色相角が−60°から110°の範囲である有機活性層を用いる際に本発明は特に有効である。この理由は、上述の通り、本発明においては、有機活性層がこのような色調を示していても透明基板2と金属層5間の光路長を調整することにより外観色を青系色に調整できるためである。
p型有機半導体化合物は、特段の制限はないが、p型の低分子有機半導体化合物又はp型の有機半導体ポリマーが挙げられる。なかでも、有機活性層8をバルクヘテロ接合型とする場合は、成膜性に優れるp型の有機半導体ポリマーを用いることが好ましい。
具体的に、p型半導体ポリマーとしては、二種以上のモノマー単位を共重合させた半導体ポリマーであることが好ましく、具体的には、アクセプター性構成単位と、ドナー性構成単位を含むπ電子共役重であることが好ましい。
より具体的な、p型半導体ポリマーの例としては、Nature Materials,2006,5,328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、国際公開第2008/000664号パンフレットに記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv.Mater.,2007,4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体、Nature Materials,2007,6,497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、国際公開第2011/028827号パンフレットに記載のイミドチオフェンを含む共重合体、国際公開第2011/011545号パンフレットに記載のチエノチオフェンとベンゾジチオフェンとの共重合体等が挙げられる。また、国際公開第2013/180243号パンフレット、国際公開第2013/065855号パンフレット等に記載の共役高分子化合物も挙げられる。また、これらのポリマーの誘導体や、ここに挙げたモノマーの組み合わせで合成し得るポリマーも同様に用いることができる。これらポリマーやモノマーの置換基は、溶解性、結晶性、成膜性、HOMOエネルギー準位、LUMOエネルギー準位等を制御するために適宜選択しうる。
n型半導体化合物としては、特段の制限はないが、具体的には、フラーレン;フラーレン化合物;8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体;ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類;ペリレンジイミド誘導体、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体、ボラン誘導体;アントラセン、ピレン、ナフタセン又はペンタセン等の縮合多環芳香族炭化水素の全フッ化物;単層カーボンナノチューブ、n型ポリマー(n型高分子半導体材料)等が挙げられる。
これらの中でも、n型半導体化合物は、フラーレン化合物であることが好ましい。フラーレン化合物としては、特段の制限はないが、例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを使用することができる。フラーレン化合物のなかでも、PC61BM又はPC71BMが好ましい。なお、上記のうち一種の化合物を用いてもよいし、複数種の化合物の混合物を用いてもよい。
有機活性層8の作成方法としては、特段に制限はなく、使用する材料に合わせて任意の方法により形成することができる。例えば、蒸着法、スパッタ法等の真空成膜法、又は塗布法が挙げられる。なかでも、生産性の向上のために、塗布法を用いることが好ましい。塗布法としては、任意の方法を用いることができるが、例えば、スピンコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
例えば、有機活性層8をp型半導体化合物層及びn型半導体化合物層の積層型とする場合は、p型半導体化合物を含む塗布液、及びn型半導体化合物を含む塗布液をそれぞれ塗布することにより作製することができる。また、有機活性層8をp型半導体化合物とn型半導体化合物とが混合した層を有するベルクヘテロ接合型とする場合は、予め、p型半導体化合物及びn型半導体化合物を含む塗布液を作製しておき、当該塗布液を塗布することにより作製することができる。
なお、有機活性層は、ロール・ツー・ロールにより製造されることが好ましく、その場合には、塗布法により形成されることが好ましい。
有機光電変換素子は、下部透明電極7、有機活性層8、上部電極9以外の層を有していてもよく、例えば、下部透明電極7と有機活性層8及び/又は有機活性層8と上部電極9との間にバッファ層を有していてもよい。なお、バッファ層とは、有機活性層8からアノード及び/又はカソードへの電荷の取り出し効率を向上させる機能を有する層である。バッファ層は、正孔の取り出し効率を向上させる正孔取り出し層及び電子の取り出し効率を向上させる電子取り出し層に分類することができる。すなわち、下部透明電極7をカソードとし、上部電極9をアノードとする場合、下部透明電極7と有機活性層8との間に設けるバッファ層を電子取り出し層とし、有機活性層8と上部電極9との間に設けるバッファ層を正孔取り出し層とすることが好ましい。一方、下部透明電極7をアノードとし、上部電極9をカソードとする場合、下部透明電極7と有機活性層8との間に設けるバッファ層を正孔取り出し層とし、有機活性層8と上部電極9との間に設けるバッファ層を電子取り出し層とすることが好ましい。なお、有機光電変換素子は、電子取り出し層及び正孔取り出し層のうち、1層のみ有していてもよい。
バッファ層(正孔取り出し層及び電子取り出し層)の膜厚は、特段の制限はなく、使用する材料等に合わせて任意で設計すればよいが、電荷の取り出し効率を向上させるために、0.1nm以上であることが好ましく、1nm以上であることがさらに好ましく、10nm以上であることが特に好ましく、一方、400nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがさらに好ましい。
正孔取り出し層の材料として、特段の制限はないが、具体的には、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等にスルホン酸/及び又はヨウ素等がドーピングされた導電性ポリマー、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化銅等が挙げられる。なかでも、ポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)が好ましい。
電子取り出し層の材料として、特段の制限はないが、フッ化リチウム、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、酸化亜鉛、又は酸化チタンが挙げられる。なかでも、電子取り出し層の材料として酸化亜鉛又は酸化チタンが好ましい。
電子取り出し層及び正孔取り出し層の形成方法は特段の制限はなく、使用する材料に合わせて任意の方法により形成することができる。例えば、真空蒸着法、塗布法等が挙げられる。
<その他の層>
有機薄膜半導体素子1は、上記説明した層以外の層を有してもよい。例えば、透明基板2と下部透明電極7との間にバリア層を有してもよい。該バリア層を有することにより、第1透明導電層4の成膜時に、透明基板2からの脱ガスが抑えられ、第1透明導電層4の成膜性が改善し、かつ透明基板2の耐熱性、耐プラズマ性が生じるため好ましい。
バリア層の材料としては、緻密な膜を形成できるものであればよく、特段の制限はないが、具体的には、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等の透明無機化合物、あるいは、その混合化合物からなるものが挙げられる。そのなかでも好ましくは、酸化珪素や窒化珪素およびその混合物、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムおよびその混合物である。
バリア層の厚みに関しては、特に限定するものではないが、透明性を損ねない範囲で、かつ、ガスバリア性を保ち、透明基板2との密着性を確保できる厚さであればよいが、均一な膜とするために、好ましくは10nm以上であり、さらに好ましくは20nm以上であり、一方、バリア層に亀裂が入りやすくするのを防ぐために、好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。一方で、透明基板2と下部透明電極7との間にバリア層を設ける場合、バリア層も透明基板2と金属層5間の光干渉に影響を与えることになる。そのため、上記式(2)を考慮して、透明基板2と下部透明電極7との間の光路長が、mが0以上の整数のいずれかにおいて下記式(4)を満たすようにバリア層の膜厚を調整することが好ましい。
480≧4×(n×d+n×d+n×d)÷(2×m+1)≧380……(4)
上記式(4)中、n、d、n及びdはそれぞれ式(3)中のn、d、n及びdと同義であり、nはバリア層の屈折率を表し、dはバリア層の膜厚を表す。
なお、バリア層を設ける場合、有機光電変換素子の構成は特段の制限はないが、透明基板2/アンダーコート層3/バリア層/下部透明電極7/有機半導体層8/上部電極9、又は、透明基板2/バリア層/アンダーコート層3/下部透明電極7/有機半導体層8/上部電極9とすることが好ましい。
<有機薄膜太陽電池モジュール>
上述の実施形態に係る光電変換素子は、太陽電池モジュールとして使用することが好ましい。なお、太陽電池モジュールは、有機光電変換素子が水や酸素等により劣化するのを防止するために、ガスバリア層等により封止されていることが好ましい。
図3は、本発明の一実施形態における有機薄膜太陽電池モジュール10の構成を模式的に示す断面図である。有機薄膜太陽電池モジュール10は、例えば、有機光電変換素子1と、有機光電変換素子1の両面にそれぞれ設けられた封止層11と、封止層11の一面側にそれぞれ設けられたガスバリア層12とを有している。そして、有機薄膜太陽電池モジュール10は、例えば、図中下方のガスバリア層12が形成された側から光が照射されることにより、有機光電変換素子1が発電する。
なお、太陽電池モジュール10を構成するガスバリア層12及び封止層11の材料及び有機光電変換素子にこれらの層を積層する方法は特段の制限はなく、周知の技術を用いることができる。例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを使用することができる。
また、太陽電池モジュールの構成は、図3の構造に限定されるものではなく、光電変換素子により発電可能である限りにおいてどのような構造であってもよい。特に、図3においては、有機光電変換素子1の両面に、封止層11及びバリア層12の積層体を設けた構造を示しているが、有機光電変換素子1の片面側のみに封止層11及びバリア層12の積層体を設けた構造であってもよい。また、有機光電変換素子1で発電した電気を外部に取り出すために、有機光電変換素子上に集電線を設けることが好ましい。
<用途>
有機薄膜太陽電池モジュール10の用途は、制限はなく任意である。有機薄膜太陽電池モジュール10を適用する分野の例を挙げると、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池及び玩具用太陽電池などに用いて好適である。
具体例としては、建材用太陽電池としてハウス屋根材、屋上、トップライト、壁、窓等に適用したり、インテリア用太陽電池として内装等に適用したり、自動車用太陽電池として自動車のボンネット、ルーフ、トランクリッド、ドア、フロントフェンダー、リアフェンダー、ピラー、バンパーおよびバックミラーの表面等に適用したり、その他としてひさし、ルーバー、手摺、野菜工場や駐車場の外壁、高速道路の遮音壁及び浄水場の外壁等に適用することができる。特に、窓に適用したウインドフイルムや、ガラス壁に適用したガラスカーテンウォールとして使用されるのが好ましい。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。まず、本実施例で行った測定試験について説明する。
<アンダーコート層の膜厚の測定>
アンダーコート層の膜厚は、加熱硬化前にスパチュラで傷をつけて段差を設けてから、140℃で15分間加熱硬化した後、段差部に銀を約5nmスパッタリング成膜し、ついで、白色干渉方式表面形状測定装置VertScan(菱化システム製)を用いて段差部の段差を測定して得た。
<屈折率の測定>
アンダーコート層及び金属層(酸化インジウム層)の屈折率は、分光エリプソメーターUVISEL(ホリバ製作所製)を用いて測定して得た。アンダーコート層の波長485nmでの屈折率は、1.61であった。また、第1導電層(ITO層)の波長485nmでの屈折率は、1.95であった。
<外観色の観測>
有機薄膜太陽電池モジュールの外観色は、照度700ルクスの昼光色蛍光灯下に10cm角の大きさの有機薄膜太陽電池モジュールを置き、有機薄膜太陽電池モジュールに正対する位置で外観色を判定した。
<明度指数L、a、bの測定>
外観色および明度指数L、a、bは、JIS Z 8722条件Cに従って、コニカミノルタ社製分光測色計CM−700dを用いて行った。
<干渉波長λの算出>
金属層である銀層と、透明基板であるポリエチレンナフタレートフィルム間の干渉波長λを、上記式(a)を変形した以下の式(c)を用いて算出した。
λ=4×(n×d)÷(2×m+1)……(c)
<実施例1>
ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製Q65、厚さ125μm、波長485nmにおける屈折率1.9)の片面に、厚さ140nmのアンダーコート層(モメンティブ社製ハードコート剤SHC900)をバー塗布法により形成し、その後、空気中において140℃で15分間加熱し、硬化させた。
次に、アンダーコート層の上に、スパッタリング法により、第1酸化インジウム層を50nm、銀層を8nm、第2酸化インジウム層30nmをこの順に積層することにより積層型の下部透明電極を形成した。
次に、下部透明電極の上に、塗布法により、電子取り出し層として酸化亜鉛層を50nm、p型半導体ポリマーとして、イミドチオフェン単位と、ジチエノシロール単位と、を有して構成されるコポリマー:PCBM=2:2.5からなる有機活性層を320nm、正孔取り出し層としてPEDOT:PSS層を400nmをこの順にそれぞれ積層した。なお、有機活性層は、赤みのある灰色を呈した。
次に、有機半導体層の上に、スパッタリング法により銀層を8nm、酸化インジウム層を40nmの順に積層することにより第2電極を形成して、有機光電変換素子を作製した。
次に、エポキシ接着剤層とバリアフィルム(三菱樹脂製ビューバリア(R))を用いて、バリアフィルム、接着剤層、有機光電変換素子、接着剤層、バリアフィルムとなるように積層させた。その後、この積層体を140℃1時間加熱することにより有機光電変換素子を封止して、有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。
<実施例2>
アンダーコート層の厚さを162nmとした以外は、実施例1と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。
<比較例1>
アンダーコート層の厚さを178nmとした以外は、実施例1と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。
<比較例2>
アンダーコート層の厚さを205nmとした以外は、実施例1と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。
<比較例3>
アンダーコート層の厚さを221nmとした以外は、実施例1と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。
実施例1〜実施例2の有機薄膜太陽電池モジュール、並びに比較例1〜比較例3の有機薄膜太陽電池モジュールにおけるm0、1、2、3のときの波長λ、明度指数L、a、b及び外観色を測定した。表1は測定結果である。
表1において、a値が大きいほど赤みが強くなり、小さいほど緑みが強くなることを示している。また、b値が大きいほど黄みが強くなり、小さいほど青みが強くなることを示している。したがって、有機薄膜太陽電池モジュールの外観色が黄色や赤色になるのを避けるには、なるべくa値とb値も小さくすればよい。
表1からわかるとおり、m=1の際に、式(1)を満たす実施例1および実施例2の有機薄膜太陽電池モジュールは、算出したλの値から予想される通り、外観色は鮮やかな青系色を呈し、明度指数a値、b値ともに小さかった。また、比較例3での有機薄膜太陽電池モジュールは、算出したλの値から予想される通り鮮やかな赤みの色を呈し、明度指数a値は大きくa値は小さくなった。
比較例1および比較例2の有機薄膜太陽電池モジュールでは、望ましくない黄色の色調を呈した。比較例1の明度指数は比較例2と比べb値はほぼ同じ値ながらa値は小さく、比較例1の方が比較例2よりも緑みが強いことを示している。また、比較例2は比較例1よりもa値は大きく、比較例2の方が比較例1よりも黄みが強いことを示している。このことは、比較例1および比較例2で算出した干渉波長λから予想される色調推移の通りであり、これら実施例および比較例で観察される有機薄膜太陽電池モジュールの外観色は、用いた有機半導体層が赤みの灰色を呈していたにもかかわらず、下部透明電極を構成する金属層と透明基板間の光干渉によって決められていることを示している。
<実施例3>
アンダーコート層の厚さを139nmとした以外は、実施例1と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製し、外観色の評価を行った。また、JIS C8934に準拠して、有機薄膜太陽電池モジュールの変換効率(PCE)を測定した。得られた結果を表2に示す。
<比較例4>
アンダーコート層の厚さを240nmとした以外は、実施例1と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製し、外観色の評価を行った。また、実施例3と同様に、有機薄膜太陽電池モジュールの変換効率(PCE)を測定した。得られた結果を表2に示す。
表1の結果と同様に、m=1の際に、上記式(1)を満たす実施例3に係る有機薄膜太陽電池モジュールは、有機活性層が赤みのある灰色であるにも関わらず、有機薄膜太陽電池モジュールは鮮やかな青色の外観色を示しており、上記(1)を満たさない比較例4に係る有機薄膜太陽電池モジュールは、鮮やかな赤紫の外観色を示した。一方、実施例3及び比較例4に係る有機薄膜太陽電池モジュールの変換効率は共に、4.0%となり、実施例3のように、青色の外観色を示すように有機薄膜太陽電池モジュールを調整しても変換効率が低下しなかった。従って、本発明により、変換効率を低下させることなく、望ましい青色の外観色を示す有機薄膜太陽電池モジュールを提供できることが分かる。
<実施例4>
p型半導体ポリマーとして、ナフトビスチアジアゾール単位及びベンゾジチオフェン単位を含むコポリマーを用い、正孔取り出し層であるPEDOT:PSS層の膜厚を150nmに変更し、さらには、アンダーコート層の膜厚を142nmとした以外は、実施例1と同様の方法により有機薄膜太陽電池モジュールを作製し、外観色の評価を行った。なお、有機活性層は緑色を呈していた。また、JIS C8934に準拠して、有機薄膜太陽電池モジュールの変換効率(PCE)を測定した。得られた結果を表3に示す。
<比較例5>
アンダーコート層の膜厚を176nmとした以外は、実施例4と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製し、外観色の評価、及び変換効率を測定した。得られた結果を表3に示す。
<比較例6>
アンダーコート層を設けなかった以外は、実施例4と同様に有機薄膜太陽電池モジュールを作製し、外観色の評価、及び変換効率を測定した。得られた結果を表3に示す。
表3の結果から、m=1の際に、式(1)を満たす実施例4に係る有機薄膜太陽電池モジュールは、有機活性層が緑色を呈しているにも関わらず、有機薄膜太陽電池モジュールは緑青色の外観色を呈していることが確認できる。一方、式(1)を満たさない比較例5は、m=1の際に、緑色の干渉色が目立つことから、有機薄膜太陽電池モジュールの外観色は青系の色にならなかった。同様に、式(1)を満たさない比較例6に係る有機薄膜太陽電池モジュールも、m=0の際に、黄色の干渉色が目立ち、青系の色に調整することができなかった。従って、表1の結果と同様に、式(1)を満たすことにより、有機薄膜太陽電池モジュールの外観色を青系の色に調整できることが分かる。また、表2の結果と同様に、各有機薄膜太陽電池モジュールの変換効率はほとんど差がないことが分かる。従って、本発明によれば、変換効率の低下を防ぎつつ、有機薄膜太陽電池モジュールの色を青系の色に調整出来る。
1……有機光電変換素子、2……透明基板、3……アンダーコート層、4……第1透明導電層、5……金属層、6……第2透明導電層、7……下部透明電極、8……有機活性層、9……上部電極、10……有機薄膜太陽電池モジュール、11……封止層、12……ガスバリア層

Claims (7)

  1. 透明基板上と金属層を含む下部透明電極と、有機活性層と、上部電極と、が順次積層された有機光電変換素子であって、
    前記透明基板と前記金属層間の距離d及び屈折率nで表される、前記透明基板と前記金属層間の光路長(n×d)が、mが0以上の整数のいずれかにおいて下記式(1)を満たすことを特徴とする有機光電変換素子。
    480nm≧4×(n×d)÷(2×m+1)≧380nm・・・(1)
  2. 前記透明基板と前記金属層との間にアンダーコート層を含む、請求項1に記載の有機光電変換素子。
  3. 前記下部透明電極は透明導電層を含み、前記透明導電層が、前記透明基板と前記金属層との間に配置されている、請求項1又は2に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記アンダーコート層の厚さは、10nm以上5000nm以下である、請求項2又は3に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記透明導電層の厚さは、5nm以上200nm以下である、請求項3又は4に記載の有機光電変換素子。
  6. 前記金属層の厚さは、1nm以上20nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機光電変換素子を含む、有機薄膜太陽電池モジュール。
JP2017545476A 2015-10-15 2016-10-14 有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュール Active JP6791156B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015203952 2015-10-15
JP2015203952 2015-10-15
PCT/JP2016/080477 WO2017065251A1 (ja) 2015-10-15 2016-10-14 有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017065251A1 true JPWO2017065251A1 (ja) 2018-08-02
JP6791156B2 JP6791156B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=58517345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017545476A Active JP6791156B2 (ja) 2015-10-15 2016-10-14 有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュール

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6791156B2 (ja)
WO (1) WO2017065251A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6991464B2 (ja) * 2018-03-27 2022-01-12 三菱ケミカル株式会社 光電変換素子及び太陽電池モジュール
KR20210004871A (ko) * 2019-07-05 2021-01-13 동우 화인켐 주식회사 투명 전극 구조체 및 이를 포함하는 전기 소자
WO2021006567A1 (ko) * 2019-07-05 2021-01-14 동우화인켐 주식회사 투명 전극 구조체 및 이를 포함하는 전기 소자
JP6925548B1 (ja) * 2020-07-08 2021-08-25 信越化学工業株式会社 酸化ガリウム半導体膜の製造方法及び成膜装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11238897A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Canon Inc 太陽電池モジュール製造方法および太陽電池モジュール
JP2006278878A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Tdk Corp 太陽電池およびその色調整方法
US20100301320A1 (en) * 2009-05-28 2010-12-02 Imec Method for fabricating organic optoelectronic devices
JP2012064645A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Mitsubishi Chemicals Corp 有機光電変換素子及びその製造方法
JP2014236212A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 三菱化学株式会社 太陽光発電フィルムの設置方法、太陽光発電フィルム一体型部材、及び太陽光発電フィルム
JP2016027634A (ja) * 2014-06-27 2016-02-18 三菱化学株式会社 有機光電変換素子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11238897A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Canon Inc 太陽電池モジュール製造方法および太陽電池モジュール
JP2006278878A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Tdk Corp 太陽電池およびその色調整方法
US20100301320A1 (en) * 2009-05-28 2010-12-02 Imec Method for fabricating organic optoelectronic devices
JP2012064645A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Mitsubishi Chemicals Corp 有機光電変換素子及びその製造方法
JP2014236212A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 三菱化学株式会社 太陽光発電フィルムの設置方法、太陽光発電フィルム一体型部材、及び太陽光発電フィルム
JP2016027634A (ja) * 2014-06-27 2016-02-18 三菱化学株式会社 有機光電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017065251A1 (ja) 2017-04-20
JP6791156B2 (ja) 2020-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. High-performance semi-transparent polymer solar cells possessing tandem structures
Ha et al. Device architecture for efficient, low-hysteresis flexible perovskite solar cells: Replacing TiO2 with C60 assisted by polyethylenimine ethoxylated interfacial layers
JP6196171B2 (ja) タンデム型有機光電変換素子、および太陽電池
US20060261733A1 (en) Organic thin-film solar cell element
WO2017065251A1 (ja) 有機光電変換素子及び有機薄膜太陽電池モジュール
WO2017083077A1 (en) Solar cell comprising an oxide-nanoparticle buffer layer and method of fabrication
KR102170089B1 (ko) 반사기를 지닌 유기 감광성 디바이스
CN112289933A (zh) 一种钙钛矿两端叠层太阳能电池及其制备方法
JP6072586B2 (ja) 遮断熱機能を有する太陽光発電フィルム
JP6094572B2 (ja) 有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法、及び有機薄膜太陽電池モジュール
JP5476969B2 (ja) 有機光電変換素子、太陽電池、及び光センサアレイ
JP2016027634A (ja) 有機光電変換素子
JP6791168B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池モジュール
JP2014207321A (ja) 有機薄膜太陽電池素子
JP2012089725A (ja) 有機光電変換素子および太陽電池
JP2016186156A (ja) 太陽電池一体型壁材
WO2014003187A1 (ja) 有機薄膜太陽電池モジュール
JP2008277422A (ja) 積層型光電変換装置
JP2015194072A (ja) 薄膜太陽電池モジュール
JP2012109365A (ja) 有機光電変換素子および太陽電池
JP5582042B2 (ja) 有機光電変換素子および太陽電池
JP2016058606A (ja) 太陽電池モジュール
JP2015154049A (ja) 薄膜太陽電池モジュール
JP2013026432A (ja) 有機光電変換素子とその製造方法、およびそれを用いた有機太陽電池
US20210020697A1 (en) Organic optoelectronic device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201019

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6791156

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151