JPWO2017043653A1 - タンパク質を安定化するための化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、以下の式(I)[式中、A1は、ヒドロキシル基であるか、又は活性基であり、A2は、光分解性基であり、A3は、オキシエチレン基であり、A4は、捕獲分子のパートナー基であり、L1及びL2は、それぞれリンカーであり、k1及びk2は、それぞれ独立して0又は1であり、nは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である]で表される化合物に関する。当該化合物は、タンパク質を安定化するために使用され得る。

Description

本発明は、タンパク質を安定化するための化合物、及び当該化合物をタンパク質と反応させることにより得られる修飾タンパク質に関する。
近年、疾患や重要な生命現象に関わる遺伝子が次々に明らかにされており、そのような遺伝子の発現産物であるタンパク質を、タンパク質性医薬品として活用することが期待されている。しかし、タンパク質は水溶液中で容易に構造が緩むため、タンパク質医薬品の製造過程や保存、運搬時に不可逆的な凝集やプロテアーゼによる分解を招く。タンパク質性医薬品の凝集は、投与後に強い生体反応を誘導して極めて危険であることが報告されている。また、プロテアーゼによる分解は、薬効の低下の原因となる。従って、製造過程からベッドサイドに至るまでの間、タンパク質を安定化する技術は、タンパク質性医薬品の分野で切望される技術である。
既存のタンパク質安定化技術として、以下の三つに大別できる。
(1)タンパク質の立体構造を安定化する糖類及びグリセロールなどを、または、タンパク質の凝集を抑制するアルギニン塩酸塩及び界面活性剤などを添加する技術(非特許文献1)
(2)抗体のFcドメインなどの安定性の高いタンパク質との融合タンパク質とする技術(非特許文献2及び3)
(3)ポリエチレングリコール(以降、PEGと略する)等の親水性ポリマーを化学修飾する技術(非特許文献4及び5)
上記(1)が既存法として最もよく用いられているが、タンパク質の安定化のためには高濃度の添加剤が必要となり、直接体内に投与するには毒性等が問題となる。また、タンパク質が高濃度の場合、凝集を抑えきれない場合も多い。
上記(2)では、他のタンパク質との融合による機能の低下や、融合相手のタンパク質の投与後の免疫原性や望まない活性などが問題になる。
上記(3)では、他の方法に比べて安定化効果が高いことが知られ、また、他の方法との併用も可能である。しかしながら、嵩高いポリマーを化学修飾することによって、タンパク質の機能(活性)が低下してしまうという問題点がある。特に、安定性を高めるために修飾本数やポリマーの長さを増やすと、それに応じて活性が大幅に落ちるため、高い安定性と高い活性を同時に実現することが困難である。
近年、塩基性条件下でのリンカーの分解によって、修飾したPEGがタンパク質表面から外れて活性が回復するPEG化法(Reversible PEGylation法)が報告されている(非引用文献6、7)。
また、タンパク質性医薬品の安定化について何ら言及されてはいないが、非引用文献8には、光分解性リンカーを介してPEGを修飾し、タンパク質の活性を制御できることを開示している。PEG化されたタンパク質は不活性だが、光照射によりPEGを含む光分解性リンカーがタンパク質から除去され、当該タンパク質の活性が回復する。
Advanced Drug Delivery Reviews, 2011, 63, 1053-1073 Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 2007, 104, 18073-18078 Nature, 1989, 337, 525-531 Drug Discovery Today, 2005, 10, 145-1458 Int. J. Pharm., 2003, 252, 111-122 J. Med. Chem. 2004, 47, 4897-4904 Eur. J. Pharm. Biopharm. 2008, 70, 19-28 Bioconju. Chem., 2010, 21, 1404-1407
しかし、非特許文献6及び7の方法では、タンパク質の活性にほとんど影響を与えない弱塩基性条件下にてPEG含有部位を除去するために、長時間を必要とする(数十時間〜数百時間)。また、タンパク質によっては塩基性条件で変性する。また、PEG含有部位をタンパク質性医薬から除去した後に速やかに生体内に投与できることが望ましいが、塩基性水溶液を生体内に直接投与することは好ましくない。よって、塩基性条件以外の条件でPEG含有部位を速やかに除去可能なPEG化法が必要である。
また、PEG基含有部位をタンパク質性医薬から除去した後に、当該タンパク質性医薬を速やかに生体内に投与可能とするために、生成したPEG基含有化合物を速やかにタンパク質性医薬から分離できることが必要である。従来技術は、そのような分離技術を何ら開示していない。
従って本発明は、タンパク質の安定性を向上させることができ、中性条件下で速やかに除去可能であり、除去された後にタンパク質の活性が損なわれることがなく、かつ除去された後に速やかにタンパク質から分離可能なPEG化試薬の開発を課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、(1)光分解性基、(2)PEG基及び(3)捕獲分子のパートナー基を有する化合物を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1]
以下の式(I)
[式中、
1は、ヒドロキシル基であるか、又は活性基であり、
2は、光分解性基であり、
3は、オキシエチレン基であり、
4は、捕獲分子のパートナー基であり、
1及びL2は、それぞれリンカーであり、
1及びk2は、それぞれ独立して0又は1であり、
nは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である]
で表される化合物。
[2]
1が、以下の置換基:
[式中、矢印はA2への連結を示す]
からなる群から選択される、[1]に記載の化合物。
[3]
2が、2−ニトロベンジル骨格、クマリン−4−イルメチル骨格、フェニルカルボニルメチル骨格及び7−ニトロインドリノカルボニル骨格からなる群から選択される骨格を有する二価の基である、[1]又は[2]に記載の化合物。
[4]
4と捕獲分子との組み合わせが、ビオチニル基とストレプトアビジンとの組み合わせ、マルトシル基とマルトース結合タンパク質との組み合わせ、グルタチオニル基とグルタチオン−S−トランスフェラーゼとの組み合わせ、HaloTag(登録商標)リガンドとHaloTag(登録商標)タンパク質との組み合わせ、グアニリルメチルフェニル基とSNAP−tag(登録商標)との組み合わせ、シトシニルメチルフェニル基とCLIP−tag(登録商標)との組み合わせ、以下の基:
[式中、
矢印は、k2が0の場合にはA3への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す]
とジヒドロ葉酸還元酵素との組み合わせ、Strep−tag(登録商標)とStrep−tactin(登録商標)との組み合わせ、抗原と抗体との組み合わせ、アジド基とジベンゾシクロオクチンとの組み合わせからなる群から選択される、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の化合物。
[5]
以下の式(I−a)
[式中、
1、A4、及びnは、[1]で定義された通りであり、
1、m2及びm3は、それぞれ独立して1〜10の整数であり、
11は、C1-20アルキレン基であって、ここで前記C1-20アルキレン基中のメチレン基は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接するメチレン基同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中のメチレン基のうち、1〜10個のメチレン基がNH、N(C1-10アルキル)、O、S、C6-14アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレンで置き換えられていてもよい]
で表される化合物である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物。
[6]
以下の式(II)
[式中、
1、A2、A3、L1、k1及びnは、[1]で定義された通りであり、
3は、リンカーであり、
3は、0又は1であり、
1は、以下の式(III)
(式中、
4は、[1]で定義された通りであり、
4は、リンカーであり、
4は、0又は1である)
で表される化合物のB2と連結可能な置換基である]
で表される化合物。
[7]
1及びB2は、互いに独立してアジド基又はアルキニル基であるか、アジド基又はシクロオクチニル基であるか、アジド基又はホスフィノチオエステル基であるか、ビニル基又はチオール基であるか、或いはオキソ基で置換されたC1-10アルキル基又はヒドラジノ基であり、但し両者が同一であることはない、[6]に記載の式(II)で表される化合物。
[8]
以下の式(II−a)
[式中、
1、及びnは、[1]で定義された通りであり、
4、m5、m6及びm7は、それぞれ独立して1〜10の整数である]
で表される化合物である、[6]又は[7]に記載の式(II)で表される化合物。
[9]
以下の式(II−b)
[式中、
nは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である]
で表される化合物である、[6]〜[8]のいずれか1つに記載の式(II)で表される化合物。
[10]
式(III)で表される化合物が、以下の(III−a)
で表される化合物である、[6]〜[9]のいずれか1つに記載の式(II)で表される化合物。
[11]
タンパク質を[1]〜[5]のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物と反応させることを含む、修飾タンパク質の製造方法。
[12]
タンパク質を[6]〜[10]のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物と反応させることを含む、修飾タンパク質の製造方法。
[13]
(1)タンパク質を[6]〜[10]のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物と反応させて修飾タンパク質の中間体を調製し;
(2)前記中間体を、式(III)
(式中、
4、B2、L4及びk4は、[6]で定義された通りである)
で表される化合物と反応させること
を含む、修飾タンパク質の製造方法。
[14]
以下の式(IV):
[式中、
2、A3、A4、L1、L2、k1、k2及びnは、[1]で定義された通りであり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質。
[15]
以下の式(V):
[式中、
2、A3、B1、L1、L3、k1、k3及びnは、[6]で定義された通りであり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質。
本発明の化合物を用いることで、タンパク質の安定性を向上させることができる。本発明の化合物を用いて得られる修飾タンパク質は、未修飾のタンパク質と比較しての生理活性が低下し得るが、修飾部位は光反応により除去可能であり、除去された後に当該タンパク質の活性が回復する。さらに、除去された修飾部分は、捕獲分子と反応させることにより、タンパク質と分離可能である。したがって本発明によれば、高濃度のタンパク質性医薬を安定な状態で運搬・保管することができ、さらに患者に投与する直前に光反応によりPEG基含有部を除去可能であり、生じたPEG基含有化合物を排除することで、活性状態の高濃度のタンパク質性医薬を、速やかに患者に投与することが可能である。
図1は、本発明の修飾タンパク質からの、PEG含有部位の除去及び分離を示す模式図である。 図2は、リゾチームと連結しているPEG含有部位の除去前後での、SDS−PAGEによる分析結果を示す図である。 図3は、光反応後ストレプトアビジン処理前の溶液の、及び当該溶液のストレプトアビジン処理後の上清の、吸収スペクトル測定結果を示す図である。 図4は、リゾチームと式(X)の化合物とを反応させて得られた生成物のSDS−PAGEによる分析結果を示す図である。 図5は、式(X)の化合物を反応させて得られた修飾リゾチームを加熱した後における、溶液中での凝集の測定結果を示す図である。 図6は、式(X)の化合物を反応させて得られた修飾リゾチームに対して光照射を行った後におけるSDS−PAGEによる分析結果を示す図である。 図7は、光分解反応によって、式(X)の化合物を反応させて得られた修飾リゾチームの活性が回復することを示す図である。 図8は、トランスフェリンと式(II−b)の化合物とを反応させて得られた生成物のSDS−PAGEによる分析結果を示す図である。 図9は、式(II−b)の化合物を反応させて得られた修飾トランスフェリンを加熱した後における、溶液中に残存しているトランスフェリンの相対濃度の測定結果を示す図である。 図10は、式(II−b)の化合物を反応させて得られた修飾トランスフェリンに対して光照射を行った後におけるSDS−PAGEによる分析結果を示す図である。
本明細書において、「C1-10アルキル基」とは、炭素数1〜10の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基である。C1-10アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びそれらの異性体が挙げられる。
本明細書において、「C1-40アルキレン基」とは、炭素数1〜40の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキレン基のことである。具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコサニレン基、ヘンイコサニレン基、ドコサニレン基、トリコサニレン基、テトラコサニレン基、ペンタコサニレン基、ヘキサコサニレン基、ヘプタコサニレン基、オクタコサニレン基、ノナコサニレン基、トリアコンタニレン基、ヘントリアコンタニレン、ドトリアコンタニレン基、トリトリアコンタニレン基、テトラトリアコンタニレン基、ペンタトリアコンタニレン基、ヘキサトリアコンタニレン基、ヘプタトリアコンタニレン基、オクタトリアコンタニレン基、ノナトリアコンタニレン基、テトラコンタニレン基及びそれらの異性体が挙げられる。
本明細書において、「C1-20アルキレン基」とは、炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキレン基のことである。具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコサニレン基及びそれらの異性体が挙げられる。
本明細書において、「C1-10アルキレン基」とは、炭素数1〜10の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキレン基のことである。具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デカレン基及びそれらの異性体が挙げられる。
本明細書において、「C6-14アリール基」とは、炭素数6〜14の芳香族環式基をいい、具体的には例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
本明細書において、「C6-14アリーレン基」とは、炭素数が6〜14の芳香族炭素環からなる2価の基であって、例えばフェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などが挙げられる。
本明細書において、「5〜10員のヘテロアリーレン基」とは、5〜10員の芳香族ヘテロ環からなる2価の基であって、当該芳香族ヘテロ環としては、例えばピロール環、インドール環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、フラン環、ベンゾフラン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ピラゾール環、インダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イソキサゾール環、ベンゾイソキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ピリミジン環、ウリジン環、ピラジン環、ピリダジン環などが挙げられる。
本明細書において、「オキソ基」とは、それが結合する炭素原子と一緒になってカルボニル基を形成する基のことである。
本発明の一態様は、以下の式(I)
[式中、
1は、ヒドロキシル基であるか、又は活性基であり、
2は、光分解性基であり、
3は、オキシエチレン基であり、
4は、捕獲分子のパートナー基であり、
1及びL2は、それぞれリンカーであり、
1及びk2は、それぞれ独立して0又は1であり、
nは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である]
で表される化合物である。
本明細書中、「活性基」とは、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基と反応して修飾タンパク質を形成することができる置換基である。活性基としては、特に限定されないが、例えば以下の置換基が挙げられる。
[式中、矢印はA2との連結を示す。]
本明細書中、「光分解性基」とは、光反応によって当該光分解性基中の結合が切断される二価の基のことである。光分解性基は、特に限定されないが、例えば、2−ニトロベンジル骨格、クマリン−4−イルメチル骨格及びフェニルカルボニルメチル骨格からなる群から選択される骨格を有する二価の基である。
本明細書中、「2−ニトロベンジル骨格を有する二価の基」とは、以下の構造又はその誘導体構造を有する二価の基である。
[式中、L5は、C1-10アルキレン基であるか又は存在せず、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよい。]
2−ニトロベンジル骨格を有する二価の基としては、以下のものが好ましい。
[式中、左側の矢印は、A1との連結を示し、右側の矢印は、k1が0の場合にはA3への連結を示し、k1が1の場合にはL1への連結を示す。]
本明細書中、「クマリン−4−イルメチル骨格を有する二価の基」とは、以下の構造又はその誘導体構造を有する二価の基である。
[式中、左側の矢印は、A1との連結を示し、右側の矢印は、k1が0の場合にはA3への連結を示し、k1が1の場合にはL1への連結を示し、L6は、C1-10アルキレン基であるか又は存在せず、ここで前記アルキレン基中の炭素原子は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接する炭素原子同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中の炭素原子のうち、1〜4個の炭素原子がNH、N(C1-10アルキル)、O又はSで置き換えられていてもよい。]
クマリン−4−イルメチル骨格を有する二価の基としては、以下のものが好ましい。
[式中、左側の矢印は、A1との連結を示し、右側の矢印は、k1が0の場合にはA3への連結を示し、k1が1の場合にはL1への連結を示す。]
本明細書中、「フェニルカルボニルメチル骨格を有する二価の基」とは、以下の構造又はその誘導体構造を有する二価の基である。
[式中、左側の矢印は、A1との連結を示し、右側の矢印は、k1が0の場合にはA3への連結を示し、k1が1の場合にはL1への連結を示す。]
フェニルカルボニルメチル骨格を有する二価の基としては、以下のものが好ましい。
[式中、左側の矢印は、A1との連結を示し、右側の矢印は、k1が0の場合にはA3への連結を示し、k1が1の場合にはL1への連結を示す。]
本明細書中、「7−ニトロインドリノカルボニル骨格を有する二価の基」とは、以下の構造又はその誘導体構造を有する二価の基である。
[式中、左側の矢印は、A1との連結を示し、右側の矢印は、k1が0の場合にはA3への連結を示し、k1が1の場合にはL1への連結を示す。]
7−ニトロインドリノカルボニル骨格を有する二価の基としては、以下のものが好ましい。
[式中、左側の矢印は、A1との連結を示し、右側の矢印は、k1が0の場合にはA3への連結を示し、k1が1の場合にはL1への連結を示す。]
本明細書中、「オキシエチレン基」とは、−(CH2CH2O)−基、又は−(OCH2CH2)−基のことである。−(CH2CH2O)n−基、及び−(OCH2CH2n−基(ここでnは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である)を本願明細書において「ポリオキシエチレン基」、又は「PEG基」とも呼ぶ。nは、好ましくは50≦n≦400であり、より好ましくは、50≦n≦350である。
本明細書中、「捕獲分子」とは、修飾タンパク質から光反応により除去されたPEG基含有化合物を捕獲し、当該化合物と未修飾タンパク質との分離を可能とする分子のことである。捕獲分子は、担体(例えばビーズ、又はフィルターなど)に固定して使用されてもよい。
本明細書中、「捕獲分子のパートナー基」とは、捕獲分子が共有結合的又は非共有結合的に結合する基のことである。
パートナー基と捕獲分子との組み合わせは、特に限定されないが、例えば、タンパク質タグとして使用され得る置換基と当該タグに特異的に結合するタンパク質との組み合わせ、及びヒュスゲン(Huisgen)環化反応によって連結可能である置換基と化合物との組み合わせが挙げられる。好ましくは、ビオチニル基とストレプトアビジンとの組み合わせ、マルトシル基とマルトース結合タンパク質との組み合わせ、グルタチオニル基とグルタチオン−S−トランスフェラーゼとの組み合わせ、HaloTag(登録商標)リガンドとHaloTag(登録商標)タンパク質との組み合わせ、グアニリルメチルフェニル基とSNAP−tag(登録商標)との組み合わせ、シトシニルメチルフェニル基とCLIP−tag(登録商標)との組み合わせ、
以下の基:
[式中、
矢印は、k2が0の場合にはA3への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す]
とジヒドロ葉酸還元酵素との組み合わせ、Strep−tag(登録商標)とStrep−tactin(登録商標)との組み合わせ、抗原と抗体との組み合わせ、アジド基とジベンゾシクロオクチンとの組み合わせが挙げられる。
本明細書において「リンカー」とは、二つの官能基を連結するための二価の基である。リンカーとしては特に限定されないが、例えば、C1-40アルキレン基である。ここで前記C1-40アルキレン基中のメチレン基は1〜10個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接するメチレン基同士が1〜10個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中のメチレン基のうち、1〜20個のメチレン基がNH、N(C1-10アルキル)、O、S、C6-14アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレンで置き換えられていてもよい。
式(I)の化合物として、以下の式(I−a):
[式中、
1、A4、及びnは、上で定義された通りであり、
1、m2及びm3は、それぞれ独立して1〜10の整数であり、
11は、C1-20アルキレン基であって、ここで前記C1-20アルキレン基中のメチレン基は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接するメチレン基同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中のメチレン基のうち、1〜10個のメチレン基がNH、N(C1-10アルキル)、O、S、C6-14アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレンで置き換えられていてもよい]
で表される化合物が好ましい。
式(I)の化合物として、以下の式(I−b):
[式中、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ150≦n≦450である]
で表される化合物が特に好ましい。
本発明の一態様は、以下の式(II)
[式中、
1、A2、A3、L1、k1及びnは、上記式(I)で定義された通りであり、
3は、リンカーであり、
3は、0又は1であり、
1は、以下の式(III)
(式中、
4は、上記式(I)で定義された通りであり、
4は、リンカーであり、
4は、0又は1である)
で表される化合物のB2と連結可能な置換基である]
で表される、式(II)の化合物に関する。
上記B1及びB2としては、両者が連結可能である限り特に限定されない。例えば、両者が縮合可能な置換基の組み合わせ(例えばカルボキシル基とアミノ基)であってもよいし、ヒュスゲン(Huisgen)環化反応によって連結される置換基の組み合わせ(例えばアジド基とアルキニル基)であってもよい。B1及びB2としては、好ましくは、互いに独立してアジド基又はアルキニル基であるか、アジド基又はシクロオクチニル基であるか、アジド基又はホスフィノチオエステル基であるか、ビニル基又はチオール基であるか、或いはオキソ基で置換されたアルキル基又はヒドラジノ基であり、但し両者が同一であることはない。
式(II)の化合物として、以下の式(II−a):
[式中、
1、及びnは、上記式(I)で定義された通りであり、
4、m5、m6及びm7は、それぞれ独立して1〜10の整数である]
で表される化合物が好ましい。
式(II)の化合物として、以下の式(II−b):
[式中、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である]
で表される化合物がより好ましい。
式(III)の化合物として、以下の(III−a):
で表される化合物が好ましい。
式(I)及び(II)で表される化合物を、本願明細書中で「本発明の化合物」とも呼ぶ。
式(I)〜(III)で示される化合物は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適応して合成することができる。以下に代表的な製造法を例示するが、以下に記載の方法のみに限定されるものではない。なお、官能基の種類によっては、当該官能基を原料もしくは中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に変えておくことが製造技術上効果的な場合があり、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等を挙げることができ、それら保護基としては例えば、グリーン(Greene)及びウッツ(Wutt)著プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス 第3版「Protective Groups in Organic Synthesis (third edition)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。出発原料及び反応試薬は、公知の化合物であるか、又は公知化合物から有機化学の分野で周知の方法に従って容易に製造することができる。
式(I)に含まれる式(I−a)の化合物は、以下のスキーム1で概説されるように調製され得る。なお以下のスキーム中の記号は、上記のものと同一である。
工程1
N−ヒドロキシスクシンイミドエステルである化合物1を化合物2と反応させて、化合物3を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリルである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1分〜7日間、好ましくは5分〜72時間である。
本工程は、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルの代わりに、別の活性化剤を用いて得られる活性化エステルを用いて行うこともできる。そのような活性化剤は特に限定されないが、例えば、N−ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、4−ニトロフェニルエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル及び1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールエステル、及びN-カルボニルイミダゾ−ルが挙げられる。
工程2
化合物3を化合物4と縮合剤存在下で反応させて、化合物5を製造することができる。本工程で用いる縮合剤としては、特に制限はないが、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリドなどが挙げられる。好ましくは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩である。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはテトラヒドロフラン、もしくはジクロロメタンである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1分〜7日間、好ましくは5分〜72時間である。
工程3
化合物5のヒドロキシル基を、活性基A1に変換することにより、式(I−a)の化合物を製造することができる。例えば、A1が4−ニトロフェニルオキシカルボニルオキシ基である場合、クロロギ酸4−ニトロフェニルを化合物5のヒドロキシル基と反応させる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリルである。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜200℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は、通常、1分〜7日間、好ましくは5分〜72時間である。
式(II)に含まれる式(II−a)の化合物は、以下のスキーム2で概説されるように調製され得る。なお以下のスキーム中の記号は、上記のものと同一である。
工程4
上記スキーム1で得られた化合物3のカルボキシル基を化合物6と縮合剤存在下で反応させて、化合物7を製造することができる。当該工程は、上記工程2と同様に行うことができる。
工程5
化合物7のヒドロキシル基を、活性基A1へと変換することにより、式(II−a)の化合物を製造することができる。例えば、A1が4−ニトロフェニルオキシカルボニルオキシ基である場合、クロロギ酸4−ニトロフェニルを化合物7のヒドロキシル基と反応させる。当該工程は、上記工程3と同様に行うことができる。
本発明で使用される式(III)で表される化合物は、市販のものでもよく、又は既知の方法に従って調製されても良い。
本明細書中の各反応において、加熱を伴う反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴又はマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール等)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
以上のようにして得られた各化合物及び中間体は、抽出、結晶化、再結晶、透析、各種クロマトグラフィーなどの通常の有機合成操作により単離精製される。
本発明の一態様は、上記式(I)で表される化合物とタンパク質とを反応させて得られる、修飾タンパク質に関する。
また、本発明の一態様は、タンパク質を上記式(I)で表される化合物と反応させることを含む、修飾タンパク質の製造方法に関する。
上記式(I)で表される化合物のA1が活性基であるとき、活性基はタンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基と反応して修飾タンパク質が形成される。当該反応に使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、水、緩衝液、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはpHが約8の緩衝液(例えばホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.3))である。本反応における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜100℃、好ましくは0〜40℃であり、反応時間は、通常、1分〜7日間、好ましくは5分〜72時間である。
上記式(I)で表される化合物のA1がヒドロキシル基であるとき、当該ヒドロキシル基を活性基へと変換した後に、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基と反応させてもよい。本実施形態は、「タンパク質を上記式(I)で表される化合物と反応」させることに含まれる。
上記式(I)で表される化合物とタンパク質とを反応させて得られる修飾タンパク質は、透析、ゲル濾過クロマトグラフィー及びアフィニティクロマトグラフィーなどを用いて分離・精製される。
本発明の一態様は、上記式(II)で表される化合物とタンパク質とを反応させて得られる、修飾タンパク質に関する。
また、本発明の一態様は、タンパク質を上記式(II)で表される化合物と反応させることを含む、修飾タンパク質の製造方法に関する。
上記式(II)で表される化合物のA1が活性基であるとき、活性基はタンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基と反応して修飾タンパク質が形成される。当該反応に使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、水、緩衝液、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはpHが約8の緩衝液(例えばホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.3))である。本反応における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜100℃、好ましくは0〜40℃であり、反応時間は、通常、1分〜7日間、好ましくは5分〜72時間である。
上記式(II)で表される化合物のA1がヒドロキシル基であるとき、当該ヒドロキシル基を活性基へと変換した後に、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基と反応させてもよい。本実施形態は、「タンパク質を上記式(II)で表される化合物と反応」させることに含まれる。
上記式(II)で表される化合物とタンパク質とを反応させて得られる修飾タンパク質は、透析、ゲル濾過クロマトグラフィー及びアフィニティクロマトグラフィーなどを用いてなどを用いて分離・精製される。
本発明の一態様は、上記式(II)で表される化合物とタンパク質とを反応させて得られる修飾タンパク質の中間体のB1と、上記式(III)で表される化合物のB2とを連結させて得られる、修飾タンパク質に関する。
また、本発明の一態様は:(1)タンパク質を上記式(II)で表される化合物と反応させることで、修飾タンパク質の中間体を調製し;(2)前記中間体を上記式(III)で表される化合物と反応させること、を含む、修飾タンパク質の製造方法に関する。
1とB2との連結条件は、その組み合わせに応じて異なる。例えば、B1がアルキニル基であってB2がアジド基である場合、連結反応に使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、水、緩衝液、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはpHが7〜8の緩衝液(例えばリン酸緩衝生理食塩水(PBS))である。本反応における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜100℃、好ましくは0〜40℃であり、反応時間は、通常、1分〜7日間、好ましくは5分〜72時間である。得られる修飾タンパク質は、透析、ゲル濾過クロマトグラフィー及びアフィニティクロマトグラフィーなどを用いて分離・精製される。
本発明の一態様は、以下の式(IV):
[式中、
2、A3、A4、L1、L2、k1、k2及びnは、上記式(I)で定義された通りであり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質に関する。当該修飾タンパク質は、例えば、タンパク質を上記式(I)で表される化合物と反応させることで得ることができる。あるいは、タンパク質を上記式(II)で表される化合物と反応させて修飾タンパク質の中間体を調製し、当該中間体を上記式(III)で表される化合物と反応させることで得ることができる。
式(IV)で表される置換基を有する修飾タンパク質として、好ましくは、以下の式(IV−a):
[式中、
4、n、m1、m2、m3及びL1は、上記式(I−a)で定義された通りであり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質である。
式(IV)で表される置換基を有する修飾タンパク質として、より好ましくは、以下の式(IV−b):
[式中、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ150≦n≦450であり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質である。
本発明の一態様は、以下の式(V):
[式中、
2、A3、B1、L1、L3、k1、k3及びnは、上記式(II)で定義された通りであり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質に関する。当該修飾タンパク質は、例えばタンパク質を上記式(II)で表される化合物と反応させることで得ることができる。
式(V)で表される置換基を有する修飾タンパク質として、好ましくは、以下の式(V−a):
[式中、
n、m4、m5、m6及びm7は、上記式(II−a)で定義された通りであり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質である。
式(V)で表される置換基を有する修飾タンパク質として、より好ましくは、以下の式(V−b):
[式中、
nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ150≦n≦450であり、
矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
で表される置換基を有する、修飾タンパク質である。
タンパク質を上記式(I)で表される化合物と反応させることで得られる修飾タンパク質、タンパク質を上記式(II)で表される化合物と反応させることで修飾タンパク質の中間体を得、当該中間体を上記式(III)で表される化合物と反応させることで得られる修飾タンパク質、及び、上記式(IV)で表される置換基を有するタンパク質を、本明細書中で「本発明の修飾タンパク質」とも呼ぶ。
本発明の修飾タンパク質において、修飾対象となるタンパク質は特に限定されないが、例えば、タンパク質性医薬品が挙げられる。タンパク質性医薬品としては、例えば、リゾチーム、トランスフェリン、インスリン、インターフェロン、エリスロポエチン、ホルモン、抗体などが挙げられる。PEG含有部位で修飾されていた本発明の修飾タンパク質は、極めて高い安定性を有するが、未修飾のタンパク質と比較して生理活性が低下し得る。
本発明の修飾タンパク質に光を照射することによって、A2で光分解反応が起こり、それによりPEG含有部位がタンパク質から除去されて、PEG基含有化合物が生じる。PEG基含有部位が除去された後に、タンパク質は本来の生理活性を回復する。
照射する光の波長は、本発明の化合物中の光分解性基の種類に応じて決めればよく、通常、280〜500nmの範囲の波長、好ましくは350〜450nm付近の波長の光を照射する。光源は太陽光、水銀灯などの電灯光、レーザー光(半導体レーザー、固体レーザー、ガスレーザー)、発光ダイオードの発光、エレクトロルミネッセント素子の発光などが利用できる。反応温度は、特に限定されないが、通常−78〜200℃であり、0〜100℃が好ましい。光照射エネルギーは、通常は0.5〜100J/cm2であり、1〜10J/cm2が好ましい。光分解反応で使用される溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、水、緩衝液、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、又は、それらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくはpHが約7〜8の緩衝液(例えばダルベッコのリン酸緩衝液)である。光照射時間は、光照射装置の性能、本発明の化合物中の光分解性基の種類、本発明の修飾タンパク質の量などに応じて変化してもよく、特に限定はないが、例えば5秒〜12時間、好ましくは30秒〜5時間行う。
上記光反応によって生じたPEG基含有化合物は、捕獲分子によって捕獲され得る。これにより、タンパク質とPEG基含有化合物との分離が可能となる。
例えば、光照射によって除去されたPEG基含有化合物と未修飾タンパク質との混合溶液中に捕獲分子固定化磁気ビーズを懸濁させて、PEG基含有化合物の末端に存在するパートナー基を捕獲分子で捕獲する。その後、磁石を用いて磁気ビーズを容器底面に集め、上清のみを回収することで、PEG基含有化合物とタンパク質とを分離可能である。
また例えば、光照射によって除去されたPEG基含有化合物と未修飾タンパク質との混合溶液中に捕獲分子固定化ゲルを懸濁させて、PEG基含有化合物の末端に存在するパートナー基を捕獲分子で捕獲する。その後、遠心操作によってゲルを容器底面に集め、上清のみを回収することで、PEG基含有化合物とタンパク質とを分離可能である。
以下に示す実施例及び参考例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
式(II−b)の化合物の製造
(1)式(iii)の化合物の製造
二口ナスフラスコ(25 mL)に式(i)の化合物(60.0 mg, 307.6 mmol, 1.0 eq, E. D. Funder, et al., J. Org. Chem., 77, 3134-3142 (2012)に従って製造)をとり、乾燥CH2Cl2 2 mLに溶かした。そこで、式(ii)のN-Boc-エチレンジアミン(150 mg, 922.8 μmol, Sigma-Aldrich社製)を滴下して加え、室温にて窒素雰囲気下で2時間撹拌した。TLC (DCM : MeOH = 20 : 1, Rf = 0.5, ニンヒドリンで呈色)で目的化合物の生成を確認し、エバポレーターで溶媒を留去した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。エバポレーターにて溶媒を減圧留去したところ、無色透明オイル状の式(iii)の化合物を得た。収量74 mg, 収率99%。
1H-NMR (600 MHz, CD3OD, TMS): δ 3.27 (t, 2H), 3.17 (t, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.41 (t, 2H), 2.29 (s, 1H), 1.46 (s, 9H).
(2)式(iv)の化合物の製造
上記で製造した式(iii)の化合物(74 mg)の入った50 mLナスフラスコに4 N HCl/AcOEtを30 mL加え、室温にて30分間撹拌した。TLCにて化合物(iii)が消失したのを確認し、溶媒を減圧留去し真空下で一晩乾燥させ無色透明オイル状の式(iv)の化合物を得た。収量55.6 mg, 収率100%。
1H-NMR (600 MHz, CD3OD, TMS): δ 3.27 (t, 2H), 3.17 (t, 2H), 2.49 (t, 2H), 2.41 (t, 2H), 2.29 (s, 1H), 1.46 (s, 9H).
(3)式(vii)の化合物の製造
[式中、nは約103である。]
25 mL二口ナスフラスコに式(v)のPA-050HC (平均分子量:5000)(200 mg, 40 μmol, 日油社製)を取り、窒素雰囲気下室温で乾燥CH2Cl2 (3.0 mL)に溶かした。また同時に25 mL二口ナスフラスコに式(vi)の化合物 (79.27 mg, 200 μmol, S. Takamori, et al., Chem. Commun., 49, 3013-3015 (2013) に従って製造)を取り、窒素雰囲気下室温で乾燥CH2Cl2 (2.0 mL)に溶かした。これをPA-050HCを含むフラスコに全量加え室温にて撹拌した。そこに予め蒸留しておいたEt3N (約 100 μL, 過剰量)を加えた。24時間の撹拌の後、TLC(ニンヒドリンでの呈色)にて原料の消失を確認し、溶液を30 mLのエーテル中に全量滴下し、ボルテックスミキサーにより良く撹拌した後-80 ℃に10分間静置した。この溶液を15000 Gにて10分間遠心し、上清をデカンテーションにより素早く除いた。その後、真空下で乾燥しジエチルエーテルを完全に除き、そこにTris / HCl バッファー(pH 8.0)を約6 mL加え、分子量分画3500の透析膜を用いて透析を行った。透析後の溶液を凍結乾燥したところ黄色固体を得た。収量:199 mg。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3, TMS): δ 7.57 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.42 (brs, 1H), 5.55 (q, 1H), 4.11 (t, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.50-3.80 (brm), 3.37 (q, 2H), 2.38 (t, 2H), 2.29 (s, 2H), 2.19 (quin, 2H), 1.76 (quin, 2H), 1.61 (m, 4H) , 1.54 (d, 3H) , 1.39 (m, 2H).
(4)式(viii)の化合物の製造
[式中、nは約103である。]
25 mL二口ナスフラスコに化合物(vii) (150 mg, 30 μmol)、化合物 (iv) (16.8 mg, 120 μmol)、N−ヒドロキシコハク酸イミド (12 mg, 104.3 μmol)、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(24 mg, 116.3 μmol)を取り、窒素雰囲気下、室温で乾燥DMF (3.0 mL)に溶かした。そこに予め蒸留しておいたトリエチルアミン(約100 μL, 過剰量)を加えた。50 ℃にて12時間の撹拌の後、溶液を30 mLのエーテル中に全量滴下し、ボルテックスミキサーにより良く撹拌した後-80 ℃に10分間静置した。この溶液を15000 Gにて10分間遠心し、上清をデカンテーションにより素早く除いた。その後チューブを真空下で乾燥しジエチルエーテルを完全に除き、少量のmilliQに溶かした後にコスモナイスフィルター(水系)をかけて沈殿を除き、分子量分画3500の透析膜を用いて透析を行った。透析後の溶液を凍結乾燥したところ黄色固体を得た。収量:140 mg。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3, TMS): δ 7.57 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.75 (brs, 1H), 6.56 (brs, 1H), 6.52 (brs, 1H), 5.55 (q, 1H), 4.11 (t, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.50-3.80 (brm), 3.37 (m, 2H), 2.52 (t, 2H), 2.41 (m, 4H), 2.19 (quin, 2H), 2.00 (s, 1H), 1.77 (quin, 2H), 1.63 (m, 4H) , 1.54 (d, 3H) , 1.39 (m, 2H).
(5)式(II-b)の化合物の製造
[式中、nは約103である。]
アルミホイルで遮光した10 mL二口ナスフラスコに式(viii)の化合物 (32 mg, 6.0 μmol)を取り、窒素雰囲気下、室温で乾燥CH2Cl2 (1.0 mL)に溶かした。また同時に25 mL二口ナスフラスコにクロロギ酸4-ニトロフェニル (20 mg, 99.2 μmol)を取り、窒素雰囲気下室温で乾燥CH2Cl2 (1.0 mL)に溶かした。これを式(viii)の化合物を含むフラスコに全量加え室温にて撹拌した。そこに予め蒸留しておいたトリエチルアミン(約 100 μL, 過剰量)を加えた。一晩撹拌させた後、窒素雰囲気下で溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、再び乾燥CH2Cl2に溶解させた後にエーテル沈殿により式(II-b)の化合物を得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3, TMS): δ8.25 (d, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.38 (d, 2H), 7.10 (s, 1H), 6.75 (brs, 1H), 6.54 (brs, 2H), 4.14 (t, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.50-3.80 (brm), 3.37 (m, 2H), 2.52 (t, 2H), 2.42 (t, 2H), 2.39 (t, 2H), 2.20 (m, 2H), 2.00 (s, 1H), 1.78 (m, 5H), 1.63 (m, 4H) , 1.39 (m, 2H).
実施例2
式(II−b)の化合物を用いたリゾチームへの化学修飾、及びその後のビオチニル基修飾
リゾチーム粉末(ニワトリ卵白由来、和光純薬工業製)から、リゾチーム水溶液(3.21 mg / mL, 0.1 M ホウ酸ナトリウム緩衝液, pH 8.3)を調製した。次に、リゾチームに対して25当量となる式(II-b)の化合物を混合し、室温で一晩静置した。Crudeの状態のままSDS-PAGEにより修飾を確認し、その後、分子量分画12000の透析カップを用いてPBS中で透析を行った。このPEG基含有置換基により修飾されたリゾチーム水溶液(313 μL, 約3.2 mg/mL)に、Azide-PEG3-biotin(Sigma-Aldrich社製)の水溶液 (100 μL, 112.4 mM)、および、クリック反応触媒溶液 (80 μL)を加えてピペッティングにより撹拌し、一晩室温にて静置した。その後、12000分子量分画の透析カップを用いて透析し、BCA アッセイにより濃度を決定し、3.22 mg/mlであった。なお、クリック反応触媒溶液は、 9.6 mg CuSO4、60 mg L-アスコルビン酸をPBS(2 mL)に溶かしたものである。
実施例3
PEG基含有部位の除去及びタンパク質からの分離
実施例2で得られた、ビオチニル基及びPEG基を含む基で置換されたリゾチーム(以下、単に「実施例2の修飾リゾチーム」とも呼ぶ)の水溶液を0.5 mg/mLに調整し、マイクロチューブに40 μL取って光照射機(MAX-302、朝日分光社製)を用いて360 nmの紫外光を32 J/cm2照射した。照射は270分間(2 mW/cm2)行った。一方、ストレプトアビジン(SA)修飾磁気ビーズ(MyOne(商標) Streptavidin C1、Life technologies社製)を懸濁させ、1 mL (10 mg)を別のマイクロチューブにとった。ネオジム磁石を用いてSA修飾ビーズ懸濁液の上清だけを捨て、PBSを加え再懸濁させて再び上清だけを捨てることを10回繰り返した(ビーズの洗浄)。ビーズのみをチューブ底面に集め、そこに光照射をしたPEG化リゾチーム水溶液を20 μL加えて懸濁させてから30分間静置した。ネオジム磁石を用いて、ビーズを吸わないようにして上清のみを回収した。リゾチームと連結しているPEG含有部位の除去前後での、SDS−PAGEによる分析結果を図2に示す。図2は、光照射によりPEG含有部位が除去されること、及びストレプトアビジン修飾ビーズを用いることでPEG含有部位がタンパク質と分離されて、高純度のリゾチームが得られることを示している。また、光照射後ストレプトアビジン処理後前の溶液とストレプトアビジン処理後に得られた上清の吸収スペクトルを測定した。結果を図3に示す。処理前の溶液では、除去された残渣に由来する吸収が観察されたが、上清の吸収スペクトルでは残渣に由来する吸収が観察されず、未修飾リゾチームの吸収スペクトルと一致した。
参考例1
式(X)の化合物の製造
[式中、nは約117である。]
(1)式(x-ii)の化合物の製造
[式中、nは約117である。]
アルミホイルで遮光した25 mL二口ナスフラスコにMEPA-50H (平均分子量5000)(150 mg, 30 μmol, 日油社製)を取り、窒素雰囲気下室温で乾燥 CH2Cl2 (1.0 mL)に溶かした。また同時に25 mL二口ナスフラスコに式(vi)の化合物 (35.7 mg, 90 μmol, 3 eq., S. Takamori, et al., Chem. Commun., 49, 3013-3015 (2013) に従って製造)を取り、窒素雰囲気下室温で乾燥 CH2Cl2 (1.0 mL)に溶かした。これをMEPA-50Hを含むフラスコに全量加え室温にて撹拌した。そこに、予め蒸留しておいたEt3N (約50 μL, 過剰量)を加えた。24時間の撹拌の後、TLC(ニンヒドリンでの呈色)にて原料の消失を確認し、溶液を30 mLのエーテル中に全量滴下し、ボルテックスミキサーによって十分に撹拌した後、-80 ℃にて10分間静置した。これを10 krpmにて10分間遠心し、上清をデカンテーションにより素早く除いた。更に同量のエーテルを加え、同様の操作を行った。その後、真空下で乾燥しジエチルエーテルを完全に除き、そこにTris / HCl緩衝液(pH 8.0)を約6 mL加え、3.5 krpmで5分間遠心した後、分子量分画3500の透析膜を用いて透析を行った。透析後の溶液を凍結乾燥したところ、黄色粉末を得た。収量:150.5 mg。
1H-NMR (600 MHz, CD3OD, TMS): δ 7.57 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.48 (bs, 1H), 5.55 (q, 1H), 4.11 (t, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.50-3.80 (brm), 3.39 (m, 5H), 2.39 (t, 2H), 2.19 (quin, 2H) , 1.77 (quin, 2H), 1.53 (d, 3H).
(2)式(X)の化合物の製造
[式中、nは約117である。]
アルミホイルで遮光した10 mL二口ナスフラスコに3 (30 mg, 6.0 μmol)を取り、窒素雰囲気下室温で乾燥 CH2Cl2 (1.0 mL)に溶かした。また同時に25 mL二口ナスフラスコにクロロギ酸4-ニトロフェニル (48.4 mg, 240 μmol, 40 eq.)を取り、窒素雰囲気下室温で乾燥 CH2Cl2 (1.0 mL)に溶かした。これを、上記を含むフラスコに全量加え室温にて撹拌した。そこに予め蒸留しておいたEt3N (約50 μL, 過剰量)を加えた。20時間後に溶媒を真空ポンプにより減圧留去することにより反応を停止させた。再び乾燥 CH2Cl2 (3.0 mL)を加えて生成物を溶かし、溶液を80 mLのエーテル中に全量滴下し、ボルテックスミキサーによって十分に撹拌した後-80 ℃に10分間静置した。これを10 krpmにて10分間遠心し、上清をデカンテーションにより素早く除いた。更に同量のエーテルを加え、同様の操作を行った。その後、真空下で乾燥し白色粉末を得た。
1H-NMR (600 MHz, CD3OD, TMS): δ8.25 (d, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.38 (d, 2H), 7.10 (s, 1H), 6.60 (brs, 1H), 6.54 (m, 1H), 4.14 (t, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.50-3.80 (brm), 3.39 (m, 5H), 2.39 (t, 2H), 2.19 (quin, 2H) , 1.80 (m, 5H).
参考例2
式(X)の化合物を用いたリゾチームへの化学修飾
リゾチーム粉末(ニワトリ卵白由来、和光純薬工業製)をホウ酸ナトリウム緩衝液(0.1 M, pH 8.3)に溶解し、450 μMのリゾチーム水溶液を用意した。次に、1当量、5当量、10当量又は25当量に相当する式(X)の化合物をそれぞれチューブにとった。このチューブにリゾチーム水溶液を加え、よくピペッティングした。室温にて一晩静置した後、分子量分画12000の透析カップを用いて、生理条件のリン酸緩衝液(PBS)中で透析した。1当量、5当量、10当量及び25当量に相当する式(X)の化合物をリゾチームと反応させて得られた生成物を、以下でそれぞれ「修飾リゾチーム(1eq)」、「修飾リゾチーム(5eq)」、「修飾リゾチーム(10eq)」、「修飾リゾチーム(25eq)」と呼ぶ。SDS-PAGEを用いて各修飾リゾチームのPEG修飾量を確認した。SDS-PAGEによる分析結果を図4に示す。
式(X)の化合物の量を増大させると、リゾチームへのPEG分子の修飾量も増大した。修飾リゾチーム(25eq)では、未修飾リゾチームはほとんど観察されず、リゾチーム1分子に対して1〜7個のPEG分子が修飾されていた。
参考例3
参考例2の修飾リゾチームの耐熱性試験
1.0 mg / mLの未修飾リゾチーム及び参考例2の修飾リゾチームのPBS溶液を調製し、石英セル内に120 μLずつとり、蓋をした。吸光測定機(UV-2550、島津製作所社製)の測定部に石英セルをセットし、600 nmの吸収波長にて濁度測定を行った。変性凝集のための昇温は50 ℃から100 ℃まで、昇温速度0.1 ℃/ 分で行った。結果を図5に示す。
未修飾のリゾチームは、70 ℃付近で凝集し始め、濁度が上昇した。一方、リゾチームへのPEGの修飾により濁度の上昇が抑制された。特に修飾リゾチーム(25eq)においては、90℃を超えても濁度の上昇は観察されなかった。
参考例4
PEG基含有部位の除去
参考例2で得られた修飾リゾチーム(25eq)(0.5 mg/mL、40 μL)をエッペンチューブにとり、光照射機(MAX-102、朝日分光社製)を用いて360 nmの光(2.0 mW/cm2)を、4 J/cm2(33分間)、16J/cm2(133分間)又は32 J/cm2(266分間)照射した。光照射後、SDS-PAGE(16%T)にてPEG修飾の分解を調べた。結果を図6に示す。光照射によって光分解性基が分解して、PEG含有部位がリゾチームから除去された。
参考例5
参考例2の修飾リゾチームの溶菌活性測定
参考例2で得られた修飾リゾチーム(25eq)の溶液をセル内に2.0 μLとり、そこに120 μLのミクロコッカス・リゾデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus)菌体懸濁液(1.0 mg / mL)を加えて3回ピペッティングした。素早くセルを吸光測定機(UV-2550、島津製作所社製)に取り付けて蓋をし、450 nmの濁度の時間変化を25 ℃条件下で1秒毎に測定した。測定開始後11〜30秒までの濁度のデータを対象に最小二乗法による回帰直線の傾きを算出し、それを溶菌反応速度とした。各サンプルについて3回ずつ測定を行い、同濃度の未修飾のリゾチームの反応速度に対する割合を算出し、相対活性とした。結果を図7に示す。PEG基修飾により不活性化されていた修飾リゾチームが、光照射によるPEG含有部位の除去により活性が回復した。
実施例4
式(II−b)の化合物を用いたトランスフェリンへの化学修飾
10.9 mg / mL (142 μM)のトランスフェリン溶液(ヒト由来、holo体を使用、Sigma-Aldrich社製)を調製した。次に、2当量、9当量、18当量又は46当量に相当する式(II−b)の化合物をそれぞれチューブにとった。このチューブにトランスフェリン水溶液を加え、ピペッティングを10回行った。室温、遮光条件下で20.5時間静置した後、50 mM Tris/ HCl緩衝液(pH 8.0) 14μLを加え、室温、遮光条件下にて1時間静置した。その後、分子量分画12000の透析カップを用いて透析を行った。SDS-PAGEによる分析結果を図8に示す。なお、図8において、「Intact」は、未修飾のトランスフェリンのことである。また、「2 eq」、「9 eq」、「18 eq」、「46 eq」はそれぞれ、2当量、9当量、18当量及び46当量に相当する式(II−b)の化合物をトランスフェリンと反応させて得られた生成物のことであり、以下で、「修飾トランスフェリン(2 eq)」、「修飾トランスフェリン(9 eq)」、「修飾トランスフェリン(18 eq)」、「修飾トランスフェリン(46 eq)」とも呼ぶ。
式(II−b)の化合物の量を増大させると、トランスフェリンへのPEG分子の修飾量も増大した。式(II−b)の化合物を18当量以上加えると、未修飾トランスフェリンは観察されなくなった。
実施例5
実施例4の修飾トランスフェリンの耐熱性試験
5.38 mg / mLの、未修飾トランスフェリン及び実施例4の修飾トランスフェリン溶液40mLをチューブにとり、90℃に設定したヒートブロック上で10分間インキュベートした。14000 Gで10 分間遠心を行い、凝集物をチューブの底に落とした。未修飾トランスフェリンではチューブの底に凝集物が確認されたのに対して、修飾トランスフェリン (2 eq) 溶液では凝集物が減少し、修飾トランスフェリン (9 eq, 18 eq, 46 eq) 溶液では凝集物が観察されなかった。
室温にて数分静置した後、それぞれのチューブの上清をnano drop (Thermo Fisher社)のUV-visモードにより3回測定し、280 nmにおける吸光度を調べた。ただし、溶液の濃度は365 nmにおける吸光度から280 nmにおける光分解性基の芳香環由来の吸光度を算出し、それを差し引いた値を用いて、トランスフェリン溶液の濃度を決定した。加熱変性操作前の溶液の濃度と加熱変性操作後の上清の濃度から相対濃度を算出した。結果を図9に示す。修飾トランスフェリンにおいて、加熱変性操作後での上清のトランスフェリン濃度の低下が抑制された。
実施例6
PEG基含有部位の除去
実施例4で得られた修飾トランスフェリン(46eq)(1.67 mg/mL)をミクロチューブにとり、光照射機(MAX-102、朝日分光社製)を用いて360 nmの光(5.0 mW/cm2)を、32 J/cm2(106分間)、87 J/cm2(290分間)照射した。光照射前後の溶液を、SDS-PAGE(6%)で電気泳動した。結果を図10に示す。光照射によって光分解性基が分解して、PEG含有部位がトランスフェリンから除去された。
本発明の化合物は、工業用及び医薬用タンパク質の安定化のために好適に利用できる。

Claims (15)

  1. 以下の式(I)
    [式中、
    1は、ヒドロキシル基であるか、又は活性基であり、
    2は、光分解性基であり、
    3は、オキシエチレン基であり、
    4は、捕獲分子のパートナー基であり、
    1及びL2は、それぞれリンカーであり、
    1及びk2は、それぞれ独立して0又は1であり、
    nは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である]
    で表される化合物。
  2. 1が、以下の置換基:
    [式中、矢印はA2への連結を示す]
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 2が、2−ニトロベンジル骨格、クマリン−4−イルメチル骨格、フェニルカルボニルメチル骨格及び7−ニトロインドリノカルボニル骨格からなる群から選択される骨格を有する二価の基である、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 4と捕獲分子との組み合わせが、ビオチニル基とストレプトアビジンとの組み合わせ、マルトシル基とマルトース結合タンパク質との組み合わせ、グルタチオニル基とグルタチオン−S−トランスフェラーゼとの組み合わせ、HaloTag(登録商標)リガンドとHaloTag(登録商標)タンパク質との組み合わせ、グアニリルメチルフェニル基とSNAP−tag(登録商標)との組み合わせ、シトシニルメチルフェニル基とCLIP−tag(登録商標)との組み合わせ、以下の基:
    [式中、
    矢印は、k2が0の場合にはA3への連結を示し、k2が1の場合にはL2への連結を示す]
    とジヒドロ葉酸還元酵素との組み合わせ、Strep−tag(登録商標)とStrep−tactin(登録商標)との組み合わせ、抗原と抗体との組み合わせ、アジド基とジベンゾシクロオクチンとの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 以下の式(I−a)
    [式中、
    1、A4、及びnは、請求項1で定義された通りであり、
    1、m2及びm3は、それぞれ独立して1〜10の整数であり、
    11は、C1-20アルキレン基であって、ここで前記C1-20アルキレン基中のメチレン基は1〜5個のオキソ基で置換されていてもよく、隣接するメチレン基同士が1〜5個の不飽和結合で結ばれていてもよく、そして前記アルキレン基中のメチレン基のうち、1〜10個のメチレン基がNH、N(C1-10アルキル)、O、S、C6-14アリーレン、5〜10員のヘテロアリーレンで置き換えられていてもよい]
    で表される化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 以下の式(II)
    [式中、
    1、A2、A3、L1、k1及びnは、請求項1で定義された通りであり、
    3は、リンカーであり、
    3は、0又は1であり、
    1は、以下の式(III)
    (式中、
    4は、請求項1で定義された通りであり、
    4は、リンカーであり、
    4は、0又は1である)
    で表される化合物のB2と連結可能な置換基である]
    で表される化合物。
  7. 1及びB2は、互いに独立してアジド基又はアルキニル基であるか、アジド基又はシクロオクチニル基であるか、アジド基又はホスフィノチオエステル基であるか、ビニル基又はチオール基であるか、或いはオキソ基で置換されたC1-10アルキル基又はヒドラジノ基であり、但し両者が同一であることはない、請求項6に記載の式(II)で表される化合物。
  8. 以下の式(II−a)
    [式中、
    1、及びnは、請求項1で定義された通りであり、
    4、m5、m6及びm7は、それぞれ独立して1〜10の整数である]
    で表される化合物である、請求項6又は7に記載の式(II)で表される化合物。
  9. 以下の式(II−b)
    [式中、
    nは、オキシエチレン基の平均付加モル数を示し、かつ50≦n≦450である]
    で表される化合物である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物。
  10. 式(III)で表される化合物が、以下の(III−a)
    で表される化合物である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物。
  11. タンパク質を請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物と反応させることを含む、修飾タンパク質の製造方法。
  12. タンパク質を請求項6〜10のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物と反応させることを含む、修飾タンパク質の製造方法。
  13. (1)タンパク質を請求項6〜10のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物と反応させて修飾タンパク質の中間体を調製し;
    (2)前記中間体を、式(III)
    (式中、
    4、B2、L4及びk4は、請求項6で定義された通りである)
    で表される化合物と反応させること
    を含む、修飾タンパク質の製造方法。
  14. 以下の式(IV):
    [式中、
    2、A3、A4、L1、L2、k1、k2及びnは、請求項1で定義された通りであり、
    矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
    で表される置換基を有する、修飾タンパク質。
  15. 以下の式(V):
    [式中、
    2、A3、B1、L1、L3、k1、k3及びnは、請求項6で定義された通りであり、
    矢印は、タンパク質中のヒドロキシル基、アミノ基又はチオール基との連結を示す]
    で表される置換基を有する、修飾タンパク質。
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