JPWO2017038690A1 - ダイヤモンドアンビルセル - Google Patents

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Abstract

ダイヤモンドアンビルセルは、ダイヤモンド製圧子10と、被測定試料が置かれる電極パターン32が設けられたダイヤモンド基板30とを有し、電極パターン32はホウ素ドープダイヤモンド薄膜によりダイヤモンド基板30に設けられたことを特徴とする。これにより、微小空間であるダイヤモンドアンビルセル内に被測定試料を取り付けて、電気的物性が容易に測定できるダイヤモンドアンビルセルを提供すること可能となる。

Description

本発明は、高圧状況下での材料物性測定に有益なダイヤモンドアンビルセルに関し、特に電気的な特性を測定するのに適した電極パターンを有するダイヤモンドアンビルを備えたダイヤモンドアンビルセルに関する。
ダイヤモンドアンビルセルは、二つのダイヤモンド単結晶を一組の対向アンビルとした、一軸加圧装置である(例えば、特許文献1、2参照)。地球上最も硬い物質であるダイヤモンドをアンビルに用いることで、現在約200GPa以上の超高圧を発生させることができる。また、ダイヤモンドアンビルは透明であるため、X線等の分光により、高圧下の物質変化を直接的に観察・測定することができる。さらに、ダイヤモンドアンビルを通してレーザー光を導入することにより、試料によっては約4000℃に加熱することもできるため、高温高圧状況下での材料物性測定に有益である。
他方で、ダイヤモンドは、22W/cmKの大きな熱伝導率を持つ世の中で最も硬い物質である。純粋なダイヤモンドは電気的には絶縁体である。しかし、ホウ素をドープするとダイヤモンドはホウ素が電荷アクセプタとしてふるまうp型半導体になる。このようにダイヤモンドは、純粋なものは高い絶縁耐性(10MV/cmより大)を持ち、ホウ素をドープしたものは大きなキャリヤ移動度をもつことから、高周波、高電力デバイスのような電気面での応用が期待される物質である。
さらに、多量にホウ素をドープしたダイヤモンドは金属伝導性を示し、電気化学の分野において電極として使用されてきた。また、化学気相成長法により合成した、多量にホウ素をドープしたダイヤモンドが11.4Kで超伝導性を示すことも知られている。そこで、本発明者の一人は、超伝導性を有するホウ素ドープダイヤモンド薄膜を提案している(例えば、特許文献3参照)
ところで、高圧下の電気的特性、例えば電気抵抗の測定は、微小空間であるダイヤモンドアンビルセル内に電極を挿入しなければならない。
図6は、電気的特性を測定するための従来のダイヤモンドアンビルセルの構成側面図であり、(A)は要部構成図、(B)は被測定試料の接触面となる電極パターン付近の拡大分解斜視図である。図において、ダイヤモンドアンビルセルは、ダイヤモンド製圧子10、ガスケット20、ダイヤモンド製支持部40を有している。
ダイヤモンド製圧子10は、例えばブリリアントカットされたダイヤモンドからなり、頂部の平らなテーブル面11、上部の側面に設けられたクラウン12、上部と下部の境界であるガードル13、下部の側面に設けられたパビリオン14、平面部を有する先端に形成されたキュレット15で構成される。
ガスケット20は、被測定試料(図示せず)をダイヤモンド製圧子10とダイヤモンド製支持部40で挟んだ状態を保持すると共に、キュレット15の先端平面で押圧されたときに圧縮されて、キュレットの先端平面とガスケット20のセンター穴21の壁で形成された密閉空間の高圧状態を保持するものである。
ダイヤモンド製支持部40は、ダイヤモンド製圧子10の上下を反転させたもので、両者のキュレットの先端平面で被測定試料を押圧する。電極部材25は、被測定部材の電気的特性を測定するために用いられる。電極部材25には、例えば金箔やプラチナ箔を用いる。中央部分にセンター穴23が形成された絶縁テープ22は電極部材25の絶縁を確保する。
上記構成の従来のダイヤモンドアンビルセルを用いて被測定試料の電気的特性を測定する場合、ダイヤモンド製圧子10とダイヤモンド製支持部40のキュレットの先端には、電気絶縁部としてアルミナまたは窒化ボロンの膜を設け、被測定試料をダイヤモンド製支持部40のキュレットの先端に置く。次いで、ガスケット20のセンター穴21に圧力媒体である塩化ナトリウム等を入れる。そして、この状態でダイヤモンド製圧子10を用いて被測定試料を押圧しつつ、被測定試料の電気的特性を、電極部材25を用いて測定する。
しかしながら、上記構成の従来のダイヤモンドアンビルセルにおいては、ダイヤモンド製圧子10とダイヤモンド製支持部40との関係では、電極部材25は固定されておらず、被測定試料の位置決めが非常に困難であった。また、電極部材25として金箔やプラチナ箔が用いられるが、圧力により電極部材25も変形するため、加圧途中で断線したり、被測定試料との接点が破断したりとトラブルが多く、高圧状況下での材料物性測定は非常に難しいという問題があった。
特開平05−200270号公報 特開平09−171142号公報 特開2006−9147号公報(特許第4759315号)
G. J. Piermarini, S. Block, J. D. Barnett, and R. A. Forman, J. Appl. Phys. 46, 2774-2780 (1975). A. Eiling and J. S. Schilling, J. Phys. F: Metal Phys. 11, 623-639 (1981).
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、微小空間であるダイヤモンドアンビルセル内に被測定試料を取り付けて、電気的物性が容易に測定できるダイヤモンドアンビルセルを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するものとして以下のことを特徴としている。
[1]一組のダイヤモンドアンビルの対向平面部を突き合わせて被測定試料に高圧を印加するダイヤモンドアンビルセルであって、一方のダイヤモンドアンビルの、少なくとも前記被測定試料の接触面となる前記平面部に、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜により電極パターンを形成したことを特徴とするダイヤモンドアンビルセル。
[2]前記電極パターンは、二端子電極パターン、四端子電極パターン、六端子電極パターン及び八端子電極パターンのいずれか一つであることを特徴とする[1]に記載のダイヤモンドアンビルセル。
[3]前記電極パターンは、膜厚が0.01〜300μmであることを特徴とする[1]又は[2]に記載のダイヤモンドアンビルセル。
[4]前記一方のダイヤモンドアンビルが、平板状のダイヤモンド基板からなり、他方のダイヤモンドアンビルが、ダイヤモンド製圧子からなることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載のダイヤモンドアンビルセル。
[5]前記電極パターンが、前記被測定試料が置かれる試料側電極部と、外部の測定計器と接続するための電極パッド部と、前記試料側電極部と前記電極パッド部を電気的に接続するリード線部からなることを特徴とする[4]に記載のダイヤモンドアンビルセル。
[6]前記一方のダイヤモンドアンビルが、先端部にキュレットが形成されたパビリオンを有するダイヤモンド製支持部からなり、他方のダイヤモンドアンビルが、ダイヤモンド製圧子からなり、前記電極パターンが、前記パビリオンの斜面に形成された第1の電極パターンと、前記キュレットの平面部に形成された、前記被測定試料が置かれる第2の電極パターンと、前記第1の電極パターンと前記第2の電極パターンとを電気的に接続するリード線部である第3の電極パターンからなることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載のダイヤモンドアンビルセル。
[7]さらに、前記ダイヤモンド製圧子からなるダイヤモンドアンビルの突端が挿入される開口部が形成されたガスケットを有することを特徴とする[4]から[6]のいずれかに記載のダイヤモンドアンビルセル。
本発明のダイヤモンドアンビルセルによれば、一対のダイヤモンドアンビルの一方において電気的物性の被測定試料の接触面に、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜により電極パターンが形成されているので、高圧を当該接触面に発生させても、電極パターンの変形がなく、加圧途中での断線やサンプルとの接点の破断を防止でき、高圧状況下での材料物性測定が簡便に行える。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すダイヤモンドアンビルセルの構成図であり、(A)は要部構成側面図、(B)は被測定試料の接触面となる電極パターン付近の拡大分解斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施形態のダイヤモンドアンビルセルのダイヤモンド基板上に形成された6端子用の電極パターンを示す図で、(A)は電極パターンの全体平面図、(B)は電極先端の拡大平面図である。 図3は、本発明の第1の実施形態のダイヤモンドアンビルセルのダイヤモンド基板上に形成された4端子用の電極パターンを示す図で、(A)は電極パターンの全体平面図、(B)は電極先端の拡大平面図である。 図4は、鉛の超伝導転移温度とルビー蛍光から見積もった圧力の相関を示す図である。 図5は、本発明の第2の実施形態を示すダイヤモンドアンビルセルの構成図であり、(A)は要部構成側面図、(B)はダイヤモンド製支持部の側面図である。 図6は、従来のダイヤモンドアンビルセルの構成図であり、(A)は要部構成側面図、(B)は被測定試料の接触面となる電極パターン付近の拡大分解斜視図である。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のダイヤモンドアンビルセルは、一組のダイヤモンドアンビルの対向平面部を突き合わせて被測定試料に高圧を印加するダイヤモンドアンビルセルであって、一方のダイヤモンドアンビルの、少なくとも前記被測定試料の接触面となる前記平面部に、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜により電極パターンを形成したことを特徴とするものである。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すダイヤモンドアンビルセルの構成図で、(A)は要部構成側面図、(B)は被測定試料の接触面となる電極パターン付近の拡大分解斜視図である。図において、ダイヤモンドアンビルセルは、ダイヤモンド製圧子10、ガスケット20、ダイヤモンド基板30を有している。
ダイヤモンド製圧子10は、例えばブリリアントカットされたダイヤモンドで、頂部の平らなテーブル面11、上部の側面に設けられたクラウン12、上部と下部の境界となるガードル13、下部の側面に設けられたパビリオン14、平面部を有する先端に形成されたキュレット15で構成される。キュレット15の平面部は被測定試料に圧接されるもので、平面部の大きさは被測定試料の形状に応じた測定用の密封空間の大きさに適合するように定める。
ガスケット20は、被測定試料(図示せず)をダイヤモンド製圧子10とダイヤモンド基板30で挟んだ状態を保持すると共に、ダイヤモンド製圧子10のキュレット15の平面部で押圧された時に圧縮されて、キュレット15の平面部とガスケット20のセンター穴21の壁で形成された密封空間の高圧状態を保持するものである。このガスケット20には、ここでは大略矩形の板材が用いられており、例えばプラスチック材料、セラミクス材料や金属材料が用いられる。センター穴21は、ガスケット20の中央部分に設けられるもので、キュレット15の平面部により高圧で押されることで、センター穴21の周縁部が押し潰されて、内部に密封空間を形成する。なお、被測定試料はこの密封空間に収容されて、高圧状態での物理的特性を評価される。
絶縁テープ22は、ガスケット20とダイヤモンド基板30の間に装着されるもので、ダイヤモンド基板30上に形成された電極パターン32の絶縁を確保する。センター穴23は絶縁テープ22の中央部分に設けられるもので、キュレット15の先端がガスケット20のセンター穴21を押す際の電気的絶縁を確保しやすくする。
ダイヤモンド基板30は、単結晶でも多結晶でもよく、平板状となっている。ダイヤモンド基板30の表面、すなわち電気的物性の被測定試料の接触面には、本発明の特徴である、被測定試料が置かれる電極パターン32が設けられている。電極パターン32は、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜により形成されている。電極パターン32の膜厚は0.01〜300μmであることが好ましい。膜厚が0.01μm以上であると、膜厚の均一性が確保しやすくなる。膜厚が300μm以下であると、化学気相成長法により格子欠陥の少ないホウ素ドープダイヤモンド薄膜を容易に形成することができる。電極パターン32は、被測定試料がダイヤモンド製圧子10で押圧された状態で、電気的な特性を測定するのに適した配線パターンを有している。
次に、電極パターンの具体例を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態のダイヤモンドアンビルセルのダイヤモンド基板上に形成された6端子用の電極パターンを示す図で、(A)は電極パターンの全体平面図、(B)は試料側電極部となる電極先端の拡大平面図である。
この電極パターンは、例えば外部の測定計器と接続するための電極パッド部34aと、被測定試料と接触する試料側電極部34cと、電極パッド部34aと試料側電極部34cとを接続するリード線部34bを有している。試料側電極部34cは電極先端に対応している。
6端子用の電極パターンでは、電圧用の正極用と負極用としてVa、Va、Vb、Vbが設けられており、電流用の正極用と負極用としてI、Iが設けられている。6端子用の電極パターンでは、電気抵抗やホール係数の測定が可能である。
図3は、本発明の一実施形態のダイヤモンドアンビルセルのダイヤモンド基板上に形成された4端子用の電極パターンを示す図で、(A)は電極パターンの全体平面図、(B)は試料側電極部となる電極先端の拡大平面図である。
この電極パターンは、例えば外部の測定計器と接続するための電極パッド部36aと、被測定試料と接触する試料側電極部36cと、電極パッド部36aと試料側電極部36cとを接続するリード線部36bを有している。試料側電極部36cは電極先端に対応している。
4端子用の電極パターンでは、電圧用の正極用と負極用としてV、Vが設けられており、電流用の正極用と負極用としてI、Iが設けられている。4端子用の電極パターンでは、電極パターンの電気抵抗の影響を軽減するため、電極パターンの幅を6端子用の電極パターンの場合と比較して広くしてある。
次に、ダイヤモンド基板上に電極パターンを成膜する製造工程について説明する。本発明の電極パターンには、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜が用いられる。このダイヤモンド薄膜は、化学気相成長法により形成された薄膜であり、超伝導性を示す。この薄膜の超伝導転移温度は、Tcオンセット値で11.4Kのものが得られているが、さらに高い温度のものが得られる可能性がある。この薄膜の結晶配向は、典型的には(111)配向であるが、これに限定されず、例えば(100)配向や(110)配向等のものであってもよい。(111)配向のホウ素ドープダイヤモンドは、たとえば(001)配向のものより1オーダー大きな比率でホウ素のドーピングを行うことができ、超伝導性の発現に有利である。また、この薄膜に多結晶ダイヤモンドを用いることも可能である。
本発明において、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜の形成には、化学気相成長法が使用されるが、その中でもマイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)法が好ましく使用される。成膜条件は以下のとおりである。
原料ガスとしては、少なくとも炭素化合物及びホウ素化合物よりなり、水素を含む混合ガスを用いることができる。炭素化合物としては、メタン、エタン、プロパン、エタノール等、炭素を含む種々の材料を用いることができる。ホウ素化合物としては、ジボラン(B)、トリメチルホウ素(B(CH)、酸化ホウ素(B)、ホウ酸(メタホウ酸、オルトホウ酸、四ホウ酸等)、固体ホウ素(B)等、ホウ素を含む種々の材料を用いることができる。原料ガスのB/C比は、たとえば100ppmから100000ppm、好ましくは1000ppmから24000ppmのものとすることができるが、これに限定されない。また、水素に対する炭素濃度は、たとえば0.1at.%から10at.%のものとすることができるが、これに限定されない。これらの値は、超伝導の発現、成膜性の観点から考慮される。
成膜中の雰囲気圧力、基板温度、成膜時間等も、超伝導の発現、成膜性の観点から考慮される。なお、化学気相合成装置、反応炉の構成、構造については特に限定されることはない。
本実施形態において、電極パターンは、例えば電子線リソグラフィー法を用いて所望のパターンに形成することができる。
前述したように、図6に示すような従来のダイヤモンドアンビルセルにおいては、ダイヤモンド製圧子とダイヤモンド製支持部との関係では、電極部材が固定されておらず、被測定試料の位置決めが非常に困難であった。これに対して、本実施形態の、ダイヤモンド基板上に電極パターンを成膜したダイヤモンドアンビルを用いたダイヤモンドアンビルセルによれば、電極パターンはホウ素ドープダイヤモンド薄膜であってダイヤモンド基板に固定されているため、被測定試料の位置決めが容易となる。
ここで、ダイヤモンド基板表面上にホウ素ドープダイヤモンド薄膜により電極パターンを作製した例について述べる。
まず、ダイヤモンド基板を、有機溶媒(アセトン)を用いた超音波法により洗浄した。合成は70Torrのチャンバ圧力、750Wのマイクロ波電力、800〜900℃の基板温度の条件下で、メタンとトリメチルボロンの水素中での希釈混合ガスを用いて行った。水素に対するメタン濃度は3%である。マイクロ波プラズマ化学気相成長(MPCVD)法を用いて、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜を(100)配向ダイヤモンド基板上に形成した。30分の堆積後に厚さおよそ1μmの薄膜が得られた。この薄膜に対して電子線リソグラフィー法により、図2に示すパターンを持つ電極パターンを作製した。電極パターンが形成されたダイヤモンド基板を用いて図1に示す構成のダイヤモンドアンビルセルを作製した。
上記で作製したダイヤモンドアンビルセルの電極上に鉛を設置し、ガスケットには圧力媒体とルビーの粉末を充填し、加圧した。鉛の超伝導転移温度Tcとルビーの蛍光スペクトルを測定し、それぞれの測定結果から圧力を見積もった。測定値から圧力への変換は、それぞれ非特許文献1、2に記載の変換式を用いて行った。
図4は、鉛の超伝導転移温度とルビー蛍光から見積もった圧力の相関を示す図である。この図から、鉛の超伝導転移温度Tcから見積もった圧力(GPa)とルビー蛍光から見積もった圧力(GPa)はよく一致していることがわかる。
続いて、本発明の第2の実施形態を説明する。図5は、本発明の第2の実施形態を示すダイヤモンドアンビルセルの構成図で、(A)は要部構成側面図、(B)はダイヤモンド製支持部の側面図である。なお、図6において、図1と同じ構成で同一作用をするもの(ダイヤモンド圧子10とその構成要素11〜15及びガスケット20等)には、重複説明を避けるため同一符号を付して説明を省略する。
ダイヤモンド製支持部50は、例えばブリリアントカットされたダイヤモンドからなり、底部の平らなテーブル面51、下部の側面に設けられたクラウン52、上部と下部の境界となるガードル53、上部の側面に設けられたパビリオン54、平面部を有するキュレット55で構成される。キュレット55の平面部は被測定試料に圧接されるもので、平面部の大きさは被測定試料の形状に応じた測定用の密封空間の大きさに適合するように定める。
パビリオン54の各斜面には、電極パッド部54a1、54a2、54a3が設けられている。キュレット55の先端には、電極パッド部54a1、54a2、54a3と各々リード線部54b1、54b2、54b3を介して接続された試料側電極部(図示せず)が設けられている。この試料側電極部は、図2や図3で示した試料側電極部34c、36cと同様の形状とすることができる。なお、パビリオン54の図面背面側の各斜面にも電極パッド部とリード線部を設けても良い。
本実施形態において、ダイヤモンド製支持部50に形成される電極パターンは、パビリオンの斜面に形成された第1の電極パターン(54a1、54a2、54a3)と、キュレット55に形成された、被測定試料が置かれる第2の電極パターン(図2、図3の試料側電極部34c、36cに相当)と、第1の電極パターンと第2の電極パターンとを電気的に接続するリード線部である第3の電極パターン(54b1、54b2、54b3)からなるが、これらの膜厚や、作製工程等については第1の実施形態と同様である。
このように構成されたダイヤモンドアンビルセルにおいては、ブリリアントカットのようなキュレットを有するダイヤモンド製支持部50の斜面に電極パターンを形成してあるので、キュレット55の先端はガスケット20を介してダイヤモンド製圧子10のキュレット15と接触するため、実施形態1の平板形状のダイヤモンド基板30を用いた場合と比較して、さらに高圧の密閉空間を形成することが可能となる。そこで、被測定試料の電気的特性について、より広範囲の圧力範囲での測定が可能となる。
なお、上記の実施形態では、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜の電極パターンとして四端子電極パターン及び六端子電極パターンの場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、二端子電極パターン、八端子電極パターンやこれら以外の数の端子を有する電極パターンでもよい。二端子電極パターンの場合は、電気抵抗の測定や電熱ヒータの密封測定空間への導入に有効である。八端子電極パターンとすると、二個の被測定試料を同時に密封測定空間内で測定できる。
本発明のダヤモンドアンビルセルの一方のダイヤモンドアンビルは、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜により電極パターンを電気的物性の被測定試料の接触面に形成してあるので
、被測定試料の電気的特性が容易に測定される。そこで、高圧状況下での材料物性測定に有効である。
10 ダイヤモンド製圧子
20 ガスケット
22 絶縁テープ
30 ダイヤモンド基板
32 電極パターン
34a、36a 電極パッド部
34b、36b リード線部
34c、36c 試料側電極部
50 ダイヤモンド製支持部
54 パビリオン
54a1、54a2、54a3 電極パッド部
54b1、54b2、54b3 リード線部
55 キュレット

Claims (7)

  1. 一組のダイヤモンドアンビルの対向平面部を突き合わせて被測定試料に高圧を印加するダイヤモンドアンビルセルであって、
    一方のダイヤモンドアンビルの、少なくとも前記被測定試料の接触面となる前記平面部に、ホウ素ドープダイヤモンド薄膜により電極パターンを形成したことを特徴とするダイヤモンドアンビルセル。
  2. 前記電極パターンは、二端子電極パターン、四端子電極パターン、六端子電極パターン及び八端子電極パターンのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドアンビルセル。
  3. 前記電極パターンは、膜厚が0.01〜300μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモンドアンビルセル。
  4. 前記一方のダイヤモンドアンビルが、平板状のダイヤモンド基板からなり、
    他方のダイヤモンドアンビルが、ダイヤモンド製圧子からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のダイヤモンドアンビルセル。
  5. 前記電極パターンが、前記被測定試料が置かれる試料側電極部と、外部の測定計器と接続するための電極パッド部と、前記試料側電極部と前記電極パッド部を電気的に接続するリード線部からなることを特徴とする請求項4に記載のダイヤモンドアンビルセル。
  6. 前記一方のダイヤモンドアンビルが、先端部にキュレットが形成されたパビリオンを有するダイヤモンド製支持部からなり、
    他方のダイヤモンドアンビルが、ダイヤモンド製圧子からなり、
    前記電極パターンが、前記パビリオンの斜面に形成された第1の電極パターンと、前記キュレットに形成された、前記被測定試料が置かれる第2の電極パターンと、前記第1の電極パターンと前記第2の電極パターンとを電気的に接続するリード線部である第3の電極パターンからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のダイヤモンドアンビルセル。
  7. さらに、前記ダイヤモンド製圧子からなるダイヤモンドアンビルの突端が挿入される開口部が形成されたガスケットを有することを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載のダイヤモンドアンビルセル。
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