以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下では、4つの実施例(実施例1,2,3,4)を挙げて、本発明に係る光伝送システムにおける局側装置(OLT)を説明する。なお、実施例1,2において、その基本構成は同じとされている。
図1に実施例1,2のOLTの基本構成を示す。実施例1,2のOLT1は、N個(Nは2以上の整数)のPONポートを有し、PONポートと同数のN個の光トランシーバ11(11−1〜11−N)と、N個のフレーム再生回路12(12−1〜12−N)と、N個のPON制御回路13(13−1〜13−N)と、上り振り分け回路14と、下り振り分け回路15とを備えている。
なお、このOLT1には、このOLT1を用いた光伝送システム100を図2に示すように、複数のONU3が複数の光スプリッタ2(2−1〜2−N)を介して接続されており、複数のONU3と複数の光スプリッタ2(2−1〜2−N)との間には光ファイバ5が敷設され、複数の光スプリッタ2(2−1〜2−N)とOLT1との間には光ファイバ6が敷設されている。7はOLT1とONU3との間の光伝送路(PON区間)であり、OLT1は複数の光スプリッタ2を介して接続された複数のONU3と外部ネットワーク(上位装置)4との間でフレームを転送処理する。
また、OLT1において、光トランシーバ11は、ONU3への下りフレームの電気光変換とONU3からの上りフレームの光電気変換を行う。フレーム再生回路12はFEC(Forward Error Correction)や暗号など、電気信号からフレームを再生するための処理を行う。PON制御回路13は、ONU3と外部ネットワーク4との間のデータフレームを処理したり、ONU3とOLT1との間の制御フレームを処理したりする。ONU3からの上りフレームには上りデータフレームと上り制御フレームとが含まれており、外部ネットワーク404からの下りフレームには下りデータフレームが含まれている。
なお、図1には、制御フレームの処理に係わる構成のみを示し、データフレームの処理に係わる構成については示していない。すなわち、ONU3とOLT1との間の制御フレームを処理する構成のみを示している。このため、PON制御回路13(13−1〜13−N)内の処理回路として、ONU3とOLT1との間の制御フレームを処理する制御フレーム処理回路131(131−1〜131−N)しか示していない。
また、このOLT1は、図30に示した例と比較し、上り振り分け回路14と下り振り分け回路15とを設けている点に特徴がある。また、実施例1,2のOLT1の異なる点は、上り振り分け回路14の構成にある。以下、実施例1のOLT1をOLT1Aとし、実施例2のOLT1をOLT1Bとする。また、実施例1のOLT1Aにおける上り振り分け回路14を14Aとし、実施例2のOLT1Bにおける上り振り分け回路14を14Bとする。
〔実施例1〕
実施例1のOLT1Aにおいて、上り振り分け回路14Aは、フレーム再生回路12−1〜12−Nの何れか1つを通して入力される全てのONU3からの上りフレーム(上り制御フレーム+上りデータフレーム)を1つに束ねた重畳フレーム101を入力とし、この重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102をそのフレームに付されているPONポート番号に基づいて所定の制御フレーム処理回路13へ振り分ける。
ここで、PONポート番号はONUごとにあらかじめ定められた1〜Nの値であり、フレーム内のONUの個体識別番号等を読み替えて生成することもできる。下り振り分け回路15は、上り制御フレーム102が振り分けられた制御フレーム処理回路13より出力される下り制御フレーム103を予め設定されている所定のフレーム再生回路12に振り分ける。
図3に上り振り分け回路14Aの一例を示す。上り振り分け回路14Aは、PONポートと同数のN個の上り制御フレーム振り分け回路140(140−1〜140−N)を備えている。上り制御フレーム振り分け回路140(140−1〜140−N)は、ポート判定回路141(141−1〜141−N)と、出力先切替回路142(142−1〜142−N)とを備えている。ポート判定回路141−1〜141−Nは出力先切替回路142−1〜142−Nに対応して設けられている。
ポート判定回路141(141−1〜141−N)は、フレーム再生回路12(12−1〜12−N)を通して重畳フレーム101が入力されると、その重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102のプリアンブル領域等に格納されているPONポート番号領域を抽出し、そのPONポート番号領域に書き込まれているPONポート番号の判定を行い、判定したPONポート番号に対応するPON制御回路番号をその上り制御フレーム102の振り分け先として出力先切替回路142(142−1〜142−N)に対して指定する。
ポート判定回路141(141−1〜141−N)は、内部にメモリM1(M11〜M1N)を備えており、このメモリM1(M11〜M1N)に判定したPONポート番号に対応する振り分け先のPON制御回路番号が書き込まれている。例えば、図24にその一例を示すように、PONポート番号と振り分け先のPON制御回路番号との関係を示すテーブルTB1が格納されている。
出力先切替回路142(142−1〜142−N)は、ポート判定回路141(141−1〜141−N)からの振り分け先の指定を受け、ポート判定回路141(141−1〜141−N)から送られてくるポート判定が終了した上り制御フレーム102を指定されたPON制御回路13に出力する。このような構成にすることで、同一のPONポート番号が付されている上り制御フレーム102を同一のPON制御回路13へと出力できる。
図4に下り振り分け回路15の一例を示す。下り振り分け回路15は、PONポートと同数のN個の下り制御フレーム振り分け回路150(150−1〜150−N)を備えている。下り制御フレーム振り分け回路150(150−1〜150−N)は、出力先切替回路151(151−1〜151−N)と、振り分け先指定回路152(152−1〜152−N)とを備えている。振り分け先指定回路152−1〜152−Nは出力先切替回路151−1〜151−Nに対応して設けられている。
出力先切替回路151(151−1〜151−N)は、PON制御回路13(13−1〜13−N)からの下り制御フレーム103を振り分け先指定回路152(152−1〜152−N)が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと出力する。振り分け先指定回路152(152−1〜152−N)は、内部にメモリM2(M21〜M2N)を備えており、このメモリM2(M21〜M2N)に振り分け先のフレーム再生回路番号が書き込まれている。例えば、図25に示すように、振り分け先のフレーム再生回路番号が書き込まれたテーブルTB2が格納されている。このような構成にすることで、同一のPON制御回路13からの下り制御フレーム103は全て、同一のフレーム再生回路12へと出力できる。
次に、図5を用いて実施例1のOLT1Aの動作例について説明する。具体的な例として、1PONポートあたりの最大収容数が32台の4PONポートOLTを想定する。すなわち、1つのPON制御回路13は32台のONU3に相当する処理能力を有し、OLT1Aは最大128台のONU3を収容可能とする。また、このOLT1Aに対し、PONポート#1〜#4にはそれぞれ、20台、18台、15台、10台のONU3が接続されているものとする。また、PONポート#1に片寄せしてシステム運用するものとし、全てのONU3からの上りフレームは光信号の段階で1つに束ねられて重畳フレーム101とされ、光トランシーバ11−1を通り、フレーム再生回路12−1を通して、上り振り分け回路14Aに入力されるものとする。
上り振り分け回路14Aにおいて(図3参照)、ポート判定回路141−1は、フレーム再生回路12−1(フレーム再生回路#1)を通して重畳フレーム101が入力されると、その重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102に付されているPONポート番号の判定を行い、判定したPONポート番号に対応するPON制御回路番号をその上り制御フレーム102の振り分け先として出力先切替回路142−1に対して指定する。
ここで、ポート判定回路141−1内のメモリM1(M11)には、PONポート#1の番号が付された上り制御フレームと判定された場合はPON制御回路13−1(PON制御回路#1)へ、PONポート#2の番号が付された上り制御フレームと判定された場合はPON制御回路13−2(PON制御回路#2)へ、PONポート#3の番号が付された上り制御フレームおよびPONポート#4の番号が付された上り制御フレームと判定された場合はPON制御回路13−3(PON制御回路#3)へその上り制御フレームを出力するように、PONポート番号に対応する振り分け先のPON制御回路番号が書き込まれているものとする。
この場合、ポート判定回路141−1は、PONポート#1に接続された20台のONU3からの上り制御フレーム102をPON制御回路13−1(PON制御回路#1)に振り分け、PONポート#2に接続された18台のONU3からの上り制御フレーム102をPON制御回路13−2(PON制御回路#2)に振り分け、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3からの上り制御フレーム102をPON制御回路13−3(PON制御回路#3)に振り分ける。
これにより、PON制御回路13−1(PON制御回路#1)ではONU20台、PON制御回路13−2(PON制御回路#2)ではONU18台、PON制御回路13−3(PON制御回路#3)ではONU25台(=15台+10台)に相当する上り制御フレーム102がそれぞれ処理され、PON制御回路13−1〜13−3から処理後の下り制御フレーム103が下り振り分け回路15へと出力される。
下り振り分け回路15において(図4参照)、PON制御回路13−1〜13−3からの下り制御フレーム103は、出力先切替回路151−1〜151−3に入力される。出力先切替回路151−1〜151−3は、PON制御回路13−1〜13−3からの下り制御フレーム103を、振り分け先指定回路152−1〜152−3が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと振り分ける。
この例では、全ての振り分け先指定回路152(152−1〜152−N)のメモリM2(M21〜M2N)に、振り分け先のフレーム再生回路12として重畳フレーム101の出力元のフレーム再生回路12−1が設定されている。これにより、下り振り分け回路15へと入力された下り制御フレーム103は、全てフレーム再生回路12−1(フレーム再生回路#1)へと出力される。
このOLT1Aでは、1PONポートあたりの収容数32台、OLT全体の最大収容数128台に対して、計63台のONUが収容されているが、本動作例の場合、重畳フレーム101を用いたPONポート#1に片寄せしての運用により、1PONポート当たりの収容数が仮想的に増加して63台となる。これにより、使用しない回路に対して予め電源を遮断することができる。
すなわち、本動作例のように、重畳フレーム101の生成を光信号の段階で行った場合は、OLT1A内で使用する回路は光トランシーバ11−1、フレーム再生回路12−1、PON制御回路13−1〜13−3、上り振り分け回路14A、下り振り分け回路15となり、その他の回路(光トランシーバ11−2〜11−4、フレーム再生回路12−2〜12−4、PON制御回路13−4)の電源を遮断することが可能となる。
また、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3からの上り制御フレーム102をPON制御回路13−3に振り分けて処理させることにより、PON制御回路13−3の利用効率が高められる。また、PON制御回路13−3の利用効率を高めることにより、使用する必要のないPON制御回路としてPON制御回路13−4が生じており、このPON制御回路13−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
なお、この例では、光信号の段階で重畳フレーム101の生成を行うものとしているが、光信号を電気信号に変換した後に重畳フレーム101の生成を行うようにしてもよい。例えば、光トランシーバ11−1〜11−4において光信号を電気信号に変換した後に重畳フレーム101を生成するようにした場合には、OLT1A内で使用する回路は上記に加え、光トランシーバ11−2〜11−4となる。この場合、その他の回路として、フレーム再生回路12−2〜12−4およびPON制御回路13−4の電源を遮断することが可能となる。いずれの場合においても、図30に示した例と比較すると、電源を遮断可能なOLT内の回路を増やすことが可能な為、OLTの低電力化を実現できる。
また、光信号の段階で生成した重畳フレーム101を用いて片寄せした運用を行った際は、片寄せ対象ではないPONポートに対しては光ファイバを敷設する必要がなくなるので、余分な光ファイバの敷設をなくして、設備コストを押さえることも可能となる。
なお、この例では、下り振り分け回路15の振り分け先指定回路152(152−1〜152−N)に振り分け先のフレーム再生回路12を予め設定しておくものとしたが、これに限ることはない。例えば、上り振り分け回路14Aと同様に、ポート判定回路を設け、下り制御フレーム103に付されているPONポート番号に基づいて振り分け先のフレーム再生回路12を指定できるような構成にしても良い。後述する実施例2でも同様である。
また、上述した動作例では、1PONポート(PONポート#1)に片寄せして運用するシステム形態について説明したが、これに限られるものでもない。例えば、2PONポートに片寄せする場合も有りうる。2PONポートに片寄せする場合、全てのONU3からの上りフレームを2つのグループに分けて束ねた2つの重畳フレームを2つのフレーム再生回路12を通して上り振り分け回路14Aに入力し、この2つの重畳フレームに束ねられている上り制御フレームをそれぞれの上りフレームに付されているPONポート番号に基づいて所定のPON制御回路13へ振り分けるようにする。どのPONポートに片寄せし、どのPONポートに対応するフレーム再生回路12へ重畳フレームを出力するかは、システム設計者が任意に決定できる。実施例2でも同様である。
また、上述した動作例において具体的な数値を用いて説明したが、動作例の数値はあくまでも一例であり、その他の値もとりうることは言うまでもない。実施例2でも同様である。
〔実施例2〕
次に、実施例2のOLT1Bについて説明する。実施例1のOLT1Aでは、上り制御フレーム102をPONポート番号に基づいて振り分けるようにし、同一のPONポート番号が付されている上り制御フレーム102を全て同一のPON制御回路13で処理する構成としていた。そのため、同一のPONポート番号が付されている制御フレーム102がPON制御回路13の処理能力数に近い場合、他のPONポート番号の上り制御フレーム102を同一のPON制御回路13で処理することが困難であり、PON制御回路13の利用効率が低くなる。
そこで、実施例2のOLT1Bでは、上り振り分け回路14として、LLID毎に上り制御フレーム102の振り分け先を決定する構成とした上り振り分け回路14Bを用いる。これにより、同一のPONポート番号が付されている上り制御フレーム102でも、異なるPON制御回路13で処理できるようになり、PON制御回路13の利用効率を高められる。その結果、電源遮断可能なPON制御回路13の個数が増加し、更なるOLTの低電力化が期待できる。また、柔軟なシステム構成実現が可能となる。
実施例2のOLT1Bにおいて、下り振り分け回路15の構成は実施例1のOLT1Aと変わらない。実施例1との変更点は、上り振り分け回路14の構成である。図6に、実施例2のOLT1Bで用いる上り振り分け回路14Bの一例を示す。実施例1のOLT1Aで用いた上り振り分け回路14A(図3)との差分は、上り制御フレーム振り分け回路140(140−1〜140−N)に、ポート判定回路141(141−1〜141−N)に代えて、PONポートと同数のN個のLLID判定回路143(143−1〜143−N)を設けている点である。
LLID判定回路143(143−1〜143−N)は、フレーム再生回路12(12−1〜12−N)を通して重畳フレーム101が入力されると、その重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102のプリアンブル領域等に格納されているLLID領域を抽出し、そのLLID領域に書き込まれているLLIDの判定を行い、判定したLLIDに対応するPON制御回路番号をその上り制御フレーム102の振り分け先として出力先切替回路142(142−1〜142−N)に対して指定する。
LLID判定回路143(143−1〜143−N)は、内部にメモリM3(M31〜M3N)を備えており、このメモリM3(M31〜M3N)に判定したLLIDに対応する振り分け先のPON制御回路番号が書き込まれている。例えば、図26に示すように、LLIDと振り分け先のPON制御回路番号との関係を示すテーブルTB3が格納されている。
出力先切替回路142(142−1〜142−N)は、LLID判定回路143(143−1〜143−N)からの振り分け先の指定を受け、LLID判定回路143(143−1〜143−N)から送られてくるLLID判定が終了した上り制御フレーム102を指定されたPON制御回路13に出力する。このような構成にすることで、任意の上り制御フレーム102を任意のPON制御回路13へ振り分けることができる。すなわち、同一のPONポート番号が付されている上り制御フレーム102でも、異なるPON制御回路13へ振り分けることが可能となる。
次に、図7を用いて実施例2のOLT1Bの動作例について説明する。なお、想定される条件は、図5を用いて説明した実施例1のOLT1Aの動作例と同じとする。すなわち、1つのPON制御回路13は32台のONU3に相当する処理能力を有し、OLT1Bは最大128台のONU3を収容可能とする。また、このOLT1Bに対し、PONポート#1〜#4にはそれぞれ、20台、18台、15台、10台のONU3が接続されているものとする。また、PONポート#1に片寄せしてシステム運用するものとし、全てのONU3からの上りフレームは光信号の段階で1つに束ねられて重畳フレーム101とされ、光トランシーバ11−1を通り、フレーム再生回路12−1を通して、上り振り分け回路14Bに入力されるものとする。なお、LLIDはPONポートをまたぎ、LLID=1〜63まで割当てられているとする。
上り振り分け回路14B(図6参照)において、LLID判定回路143−1は、フレーム再生回路12−1(フレーム再生回路#1)を通して重畳フレーム101が入力されると、その重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102に付されているLLIDの判定を行い、判定したLLIDに対応するPON制御回路番号をその上り制御フレーム102の振り分け先として出力先切替回路142−1に対して指定する。
ここで、LLID判定回路143−1内のメモリM3(M31)には、LLID=1〜32(PONポート#1とPONポート#2に接続されている一部のONU3)が付された上り制御フレームと判定された場合はPON制御回路13−1(PON制御回路#1)へ、LLID=33〜63(PONポート#2に接続されている一部のONU3とPONポート#3、PONポート#4に接続されているONU3)が付された上り制御フレームと判定された場合はPON制御回路13−2(PON制御回路#2)へ出力するように、LLIDに対応する振り分け先のPON制御回路番号が書き込まれているものとする。
この場合、LLID判定回路143−1は、PONポート#1に接続された20台のONU3からの上り制御フレーム102とPONポート#2に接続された12台のONU3からの上り制御フレーム102をPON制御回路13−1(PON制御回路#1)に振り分け、PONポート#2に接続された残りの6台のONU3からの上り制御フレーム102とPONポート#3に接続された15台のONU3からの上り制御フレーム102とPONポート#4に接続された10台のONU3からの上り制御フレーム102とをPON制御回路13−2(PON制御回路#2)に振り分ける。
これにより、PON制御回路13−1(PON制御回路#1)では32LLIDに相当する上り制御フレーム102が、PON制御回路13−2(PON制御回路#2)では31LLIDに相当する上り制御フレーム102がそれぞれ処理され、PON制御回路13−1,13−2から処理後の下り制御フレーム103が下り振り分け回路15へと出力される。
下り振り分け回路15(図4参照)において、PON制御回路13−1,13−2からの下り制御フレーム103は、出力先切替回路151−1,151−2に入力される。出力先切替回路151−1,151−2は、PON制御回路13−1,13−2からの下り制御フレーム103を、振り分け先指定回路152−1,152−2が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと振り分ける。
この例では、全ての振り分け先指定回路152(152−1〜152−N)のメモリM2(M21〜M2N)に、振り分け先のフレーム再生回路12として重畳フレーム101の出力元のフレーム再生回路12−1が設定されている。これにより、下り振り分け回路15へと入力された下り制御フレーム103は、全てフレーム再生回路12−1(フレーム再生回路#1)へと出力される。
このOLT1Bでも、1PONポートあたりの収容数32台、OLT全体の最大収容数128台に対して、計63台のONUが収容されているが、本動作例の場合、重畳フレーム101を用いたPONポート#1に片寄せしての運用により、1PONポート当たりの収容数が仮想的に増加して63台となる。これにより、使用しない回路に対して予め電源を遮断することができる。
すなわち、本動作例のように、重畳フレーム101の生成を光信号の段階で行った場合は、OLT1B内で使用する回路は光トランシーバ11−1、フレーム再生回路12−1、PON制御回路13−1,13−2、上り振り分け回路14B、下り振り分け回路15となり、その他の回路(光トランシーバ11−2〜11−4、フレーム再生回路12−2〜12−4、PON制御回路13−3,13−4)の電源を遮断することが可能となる。
また、PONポート#1に接続された20台のONU3およびPONポート#2に接続された12台のONU3からの上り制御フレーム102をPON制御回路13−1に振り分けて処理させ、PONポート#2に接続された残りの6台のONU3とPONポート#3に接続された15台のONU3とPONポート#4に接続された10台のONU3とからの上り制御フレーム102をPON制御回路13−2に振り分けて処理させることにより、PON制御回路13−1,13−2の利用効率が高められる。また、PON制御回路13−1,13−2の利用効率を高めることにより、使用する必要のないPON制御回路としてPON制御回路13−3,13−4が生じており、このPON制御回路13−3,13−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
すなわち、実施例1の動作例(図5)では、PON制御回路13−4の電源しか遮断できなかったが、実施例2の動作例(図7)では、PON制御回路13−1,13−2の利用効率が高められることにより、PON制御回路13−4に加え、PON制御回路13−3の電源を遮断することができ、実施例1のOLT1Aよりもさらに電力の無駄をなくすことができる。
なお、この例では、光信号の段階で重畳フレーム101の生成を行うものとしているが、実施例1で説明したと同様、光信号を電気信号に変換した後に重畳フレーム101の生成を行うようにしてもよい。例えば、光トランシーバ11−1〜11−4において光信号を電気信号に変換した後に重畳フレーム101を生成するようにした場合には、OLT1B内で使用する回路は上記に加え、光トランシーバ11−2〜11−4となる。この場合、その他の回路として、フレーム再生回路12−2〜12−4およびPON制御回路13−3,13−4の電源を遮断することが可能となる。
光信号の段階で重畳フレーム101を生成させた場合は、光トランシーバ11で処理することが可能な最大数まで、1PONポートあたりのONU・LLID収容数を仮想的に増やすことができる。一方、電気信号の段階で重畳フレーム101を生成させた場合は、1OLT内で定められる最大収容数(N×M)(N:PON制御回路の個数、M:1PONポートあたりのONUまたはLLID数)まで、1PONポートあたりのONU・LLID収容数を仮想的に増やすことができる。
また、このような重畳フレーム101を用いた片寄せしての運用により、既存のPONポート収容数にとらわれず、光伝送システムを柔軟に構築することができるようになる。また、1PONポート或いは複数のPONポートに片寄せした結果、PON制御回路13だけではなく、光トランシーバ11やフレーム再生回路12にも使用する必要のないものが発生する為、それらの電源を予め遮断することにより、OLT全体のさらなる低電力化も可能となる。
また、実施例1で説明したと同様、光信号の段階で生成した重畳フレーム101を用いて片寄せした運用を行った際は、片寄せ対象ではないPONポートに対しては光ファイバを敷設する必要がなくなるので、余分な光ファイバの敷設をなくして、設備コストを押さえることも可能となる。
また、この例では、PONポートをまたいでLLIDが割当てられていると説明したが、これに限ることはない。例えば、PONポート毎にLLIDが割当てられる場合もある。その際は上り振り分け回路14Bにおいて、LLID判定回路143(143−1〜143−N)の前段にポート判定回路を設け、PONポート番号とLLIDに対応する出力先に上り制御フレーム102を振り分けるようにすれば良い。
また、この例では、下り振り分け回路15の振り分け先指定回路152(152−1〜152−N)に振り分け先のフレーム再生回路12を予め設定しておくものとしたが、これに限ることはない。例えば、上り振り分け回路14Bと同様に、LLID判定回路を設け、下り制御フレーム103に付されているLLIDに基づいて振り分け先のフレーム再生回路12を指定できるような構成にしても良い。
〔実施例3〕
図8に実施例3のOLT1(1C)の基本構成を示す。実施例1,2のOLT1(1A,1B)では、制御フレームの処理に係わる構成についてのみ示したが、実施例3のOLT1Cではデータフレームの処理に係わる構成についても示している。
なお、実施例3のOLT1Cでは、実施例1,2における上り振り分け回路14に対応する回路を上り振り分け回路21とし、下り振り分け回路15に対応する回路を下り振り分け回路22とする。また、実施例1,2におけるPON制御回路13(13−1〜13−N)内の制御フレーム処理回路131(131−1〜131−N)に対応する回路を制御フレーム処理回路23(23−1〜23−N)とする。また、OLT1Cに対しては、外部ネットワーク4が上位装置として接続されている。以下、外部ネットワーク4を上位装置4と読み替える。
このOLT1Cにおいて、上り振り分け回路21は、フレーム再生回路12−1〜12−Nの何れか1つを通して入力される全てのONU3からの上りフレーム(上り制御フレーム102+上りデータフレーム104)を1つに束ねた重畳フレーム(上り重畳フレーム)101を入力とし、この上り重畳フレーム101に束ねられている上りフレームに含まれている上り制御フレーム102をそのフレームに付されているPONポート番号に基づいて所定の制御フレーム処理回路23へ振り分ける。
ここで、PONポート番号はONU3ごとにあらかじめ定められた1〜Nの値であり、フレーム内のONU3の個体識別番号等を読み替えて生成することもできる。また、上り振り分け回路21は、上り重畳フレーム101に束ねられている上りフレームに含まれている上りデータフレーム104を上位装置4に出力する。
下り振り分け回路22は、上り制御フレーム102が振り分けられた制御フレーム処理回路23より出力される下り制御フレーム103を予め設定されている所定のフレーム再生回路12に振り分け、上位装置4から入力された下りデータフレーム105とともに、重畳フレーム(下り重畳フレーム)106としてフレーム再生回路12に出力する。
図9に、上り振り分け回路21の上り制御フレームの処理に係わる構成例を示す。上り振り分け回路21は、PONポートと同数のN個の上り制御フレーム振り分け回路210(210−1〜210−N)を備えている。上り制御フレーム振り分け回路210(210−1〜210−N)は、振分け判定回路211(211−1〜211−N)と、処理回路振分け回路212(212−1〜212−N)とを備えている。振分け判定回路211−1〜211−Nは処理回路振分け回路212−1〜212−Nに対応して設けられている。
振分け判定回路211(211−1〜211−N)は、フレーム再生回路12(12−1〜12−N)を通して上り重畳フレーム101が入力されると、その上り重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102のプリアンブル領域等に格納されている識別子を抽出し、その識別子の値に対応する制御フレーム処理回路番号を上り制御フレーム102の振分け先として処理回路振分け回路212(212−1〜212−N)に対して指定する。振分け判定回路211(211−1〜211−N)は、内部にメモリM4(M41〜M4N)を備えており、このメモリM4(M41〜M4N)に抽出した識別子の値に対応する振り分け先の制御フレーム処理回路番号が書き込まれている。
なお、Ethernet(登録商標)−PONシステムでは、識別子としてLLIDを使用することができる。また、識別子としてフレーム再生回路12(12−1〜12−N)がLLIDをOLT1C内で通用するIDに変換してプリアンブル領域等に格納する場合には、プリアンブル領域に格納されたIDを使用することもできる。また、他のPONシステムにおいても、ONU3を識別するためのIDが上り制御フレーム102毎に付帯されている場合には、このIDを識別子として使用することができる。
処理回路振分け回路212(212−1〜212−N)は、振分け判定回路211(211−1〜211−N)からの振分け先の指定を受け、振分け判定回路211(211−1〜211−N)から送られてくる振分け先の判定が終了した上り制御フレーム102を指定された制御フレーム処理回路23に出力する。このような構成にすることで、任意の上り制御フレーム102を任意の制御フレーム処理回路23へと出力できる。
図10に、上り振り分け回路21の上りデータフレームの処理に係わる構成例を示す。上り振り分け回路21は、図9の構成に加えて、上りデータフレーム処理回路213を備えている。上りデータフレーム処理回路213は、フレーム再生回路12(12−1〜12−N)を通して上り重畳フレーム101が入力されると、その上り重畳フレーム101に束ねられている上りデータフレーム104に対してバッファリング処理やブリッジ処理などを行い、処理後の上りデータフレーム104を上位装置4に出力する。
図11に、下り振り分け回路22の下り制御フレームの処理に係わる構成例を示す。下り振り分け回路22は、制御フレーム処理回路23と同数のN個の下り制御フレーム振り分け回路220(220−1〜220−N)を備えている。下り制御フレーム振り分け回路220(220−1〜220−N)は、出力先指定回路221(221−1〜221−N)と、出力先切替回路222(222−1〜222−N)とを備えている。出力先指定回路221−1〜221−Nは出力先切替回路222−1〜222−Nに対応して設けられている。
出力先切替回路222(222−1〜222−N)は、制御フレーム処理回路23(23−1〜23−N)からの下り制御フレーム103を出力先指定回路221(221−1〜221−N)が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと出力する。出力先指定回路221(221−1〜221−N)は、内部にメモリM5(M51〜M5N)を備えており、このメモリM5(M51〜M5N)に出力先のフレーム再生回路番号が書き込まれている。このような構成にすることで、同一の制御フレーム処理回路23からの下り制御フレーム103は全て、同一のフレーム再生回路12へと出力できる。
図12に、下り振り分け回路22の下りデータフレームの処理に係わる構成例を示す。下り振り分け回路22は、図11の構成に加えて、下りデータフレーム処理回路振り分け回路223と、PONポートと同数のN個の下りデータフレーム処理回路224(224−1〜224−N)と、N個の下りデータフレーム振り分け回路225(225−1〜225−N)とを備えている。下りデータフレーム処理回路振り分け回路223は、振分け判定回路226と、処理回路振分け回路227とを備えており、下りデータフレーム振り分け回路225(225−1〜225−N)は、データ出力先指定回路228(228−1〜228−N)とデータ出力先切替回路229(229−1〜229−N)とを備えている。データ出力先指定回路228−1〜228−Nはデータ出力先切替回路229−1〜229−Nに対応して設けられている。
振分け判定回路226は、OLT1Cの上位装置4から下りデータフレーム105が入力されると、その下りデータフレーム105のタグ等に格納されている識別子を抽出し、その識別子の値に対応する下りデータフレーム処理回路番号を下りデータフレーム105の振分け先として、処理回路振分け回路227に対して指定する。振分け判定回路226は、内部にメモリM6を備えており、このメモリM6に抽出した識別子の値に対応する振り分け先の下りデータフレーム処理回路番号が書き込まれている。
なお、識別子は、ONU3やONU3に接続するユーザ側端末を識別できる情報であればよく、Ethernet-PONシステムでは、識別子として、下りデータフレーム105に付されたVLAN(Virtual Local Area Network)タグのVLAN−IDや、下りデータフレーム105の宛先MACアドレスを使用できる。また、OLT1Cの上位装置4がONU3を識別するためのIDをプリアンブル領域等に格納する場合は、プリアンブル領域に格納されたIDを使用することもできる。また、他のPONシステムにおいても、ONU3を識別するためのIDが下りデータフレーム105毎に付帯されている場合には、このIDを識別子として使用することができる。
処理回路振分け回路227は、振分け判定回路226からの振分け先の指定を受け、振分け判定回路226から送られてくる振分け先の判定が終了した下りデータフレーム105を、指定された下りデータフレーム処理回路224に出力する。このような構成にすることで、任意の下りデータフレーム105を任意の下りデータフレーム処理回路224へと出力できる。
データ出力先切替回路229(229−1〜229−N)は、下りデータフレーム処理回路224(224−1〜224−N)からの下りデータフレーム105をデータ出力先指定回路228(228−1〜228−N)が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと出力する。データ出力先指定回路228(228−1〜228−N)は、内部にメモリM7(M71〜M7N)を備えており、このメモリM7(M71〜M7N)に出力先のフレーム再生回路番号が書き込まれている。このような構成にすることで、同一の下りデータフレーム処理回路224からの下りデータフレーム105は全て、同一のフレーム再生回路12へと出力できる。
次に、図13を用いて実施例1のOLT1Cの動作例について説明する。具体的な例として、1PONポートあたりの最大収容数が32台の4PONポートOLTを想定する。すなわち、1つの制御フレーム処理回路23は32台のONU3に相当する処理能力を有し、OLT1Cは最大128台のONU3を収容可能とする。また、このOLT1Cに対し、PONポート#1〜#4にはそれぞれ、20台、18台、15台、10台のONU3が接続されているものとする。
また、PONポート#1に接続する各ONU3からの上り制御フレームには、LLIDとして「1〜20」が付され、PONポート#2に接続する各ONU3からの上り制御フレームには、LLIDとして「101〜118」が付され、PONポート#3に接続する各ONU3からの上り制御フレームには、LLIDとして「201〜215」が付され、PONポート#4に接続する各ONU3からの上り制御フレームには、LLIDとして「301〜310」が付されるものとする。
また、各PONポートに接続されていたONU3との光伝送は、全てPONポート#1に片寄せして運用するものとし、全てのONU3からの上りフレームは光信号の段階で1つに束ねられて上り重畳フレーム101(上り制御フレーム102+上りデータフレーム104)とされ、光トランシーバ11−1を通り、フレーム再生回路12−1を通して、上り振り分け回路21に入力され、全てのONU3への下りフレーム(下り制御フレーム103+下りデータフレーム105)は下り振り分け回路22から出力した電気信号の段階で1つに束ねられて下り重畳フレーム106とされ、フレーム再生回路12−1を通り、光トランシーバ11−1を通して、全てのONU3に向けて出力されるものとする。すなわち、OLT1Cが備える光トランシーバ11と光トランシーバ11によって電気信号に変換されたフレームを再生するフレーム再生回路12の個数は1つとする。
上り振り分け回路21において(図9参照)、振分け判定回路211−1は、フレーム再生回路12−1を通して重畳フレーム101が入力されると、その重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102のプリアンブル領域から抽出したLLIDの判定を行い、LLIDの値に対応する制御フレーム処理回路番号を上り制御フレーム102の振り分け先として処理回路振分け回路212−1に対して指定する。
ここで、上り振り分け回路21内の振分け判定回路211−1が備えるメモリM41には、LLIDが「1〜20」の上り制御フレーム102は制御フレーム処理回路23−1へ、LLIDが「101〜118」の上り制御フレーム102は制御フレーム処理回路23−2へ、LLIDが「201〜215」およびLLIDが「301〜310」の上り制御フレーム102は制御フレーム処理回路23−33へ、それぞれ出力するように、LLIDに対応する振分け先の制御フレーム処理回路番号が書き込まれているものとする。
この場合、振分け判定回路211−1によって、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#1に接続された20台のONU3からの上り制御フレーム102は、制御フレーム処理回路23−1に振り分けられる。同様に、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#2に接続された18台のONU3からの上り制御フレーム102は、制御フレーム処理回路23−2に振り分けられる。また、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#3に接続された15台のONU3とPONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#4に接続された10台のONU3からの上り制御フレーム102は、制御フレーム処理回路23−3に振り分けられる。
これにより、制御フレーム処理回路23−1ではONU20台、制御フレーム処理回路23−2ではONU18台、制御フレーム処理回路23−3ではONU25台(=15台+10台)に相当する上り制御フレーム102がそれぞれ処理され、制御フレーム処理回路23−1〜23−3から処理後の下り制御フレーム103が下り振り分け回路22へと出力される。
下り振り分け回路22(図11参照)において、制御フレーム処理回路23−1〜23−3からの下り制御フレーム103は、出力先切替回路222−1〜222−3に入力される。出力先切替回路222−1〜222−3は、制御フレーム処理回路23−1〜23−3からの下り制御フレーム103を、出力先指定回路221−1〜221−3が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと振り分ける。
この例では、全ての出力先指定回路221−1〜221−Nには、出力先のフレーム再生回路12として上り重畳フレーム101の出力元であるフレーム再生回路12−1が設定されている。これにより、下り振り分け回路22へと入力された下り制御フレーム103は、全てフレーム再生回路12−1へと出力される。
図14を用いて、下り振り分け回路22における下りデータフレームの処理に係わる動作例を説明する。1PONポートあたりの最大収容数が32台という基準に従って、制御フレーム処理回路23と同様、1つの下りデータフレーム処理回路224は32台のONU3に相当する処理能力を有する。また、上位装置4がOLT1Cに向けて出力する各下りデータフレーム105において、PONポート#1に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「1〜20」のVLANタグが付され、PONポート#2に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「101〜118」のVLANタグが付され、PONポート#3に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「201〜215」のVLANタグが付され、PONポート#4に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「301〜310」のVLANタグが付されるものとする。
下り振り分け回路22において、振分け判定回路226は、上位装置4から下りデータフレーム105が入力されると、その下りデータフレーム105のVLANタグから抽出したVLAN−IDの判定を行い、VLAN−IDの値に対応する下りデータフレーム処理回路番号を下りデータフレーム105の振り分け先として処理回路振分け回路227に対して指定する。
ここで、下り振り分け回路22内の振分け判定回路226が備えるメモリM6には、VLAN−IDが「1〜20」の下りデータフレーム105は下りデータフレーム処理回路224−1へ、VLAN−IDが「101〜118」の下りデータフレーム105は下りデータフレーム処理回路224−2へ、VLAN−IDが「201〜215」およびVLAN−IDが「301〜310」の下りデータフレーム105は下りデータフレーム処理回路224−3へ、それぞれ出力するように、VLAN−IDに対応する振分け先の下りデータフレーム処理回路番号が書き込まれているものとする。
この場合、振分け判定回路226によって、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#1に接続された20台のONU3への下りデータフレーム105は、下りデータフレーム処理回路224−1に振り分けられる。同様に、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#2に接続された18台のONU3への下りデータフレーム105は、下りデータフレーム処理回路224−2に振り分けられる。また、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#3に接続された15台のONU3とPONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#4に接続された10台のONU3への下りデータフレーム105は、下りデータフレーム処理回路224−3に振り分けられる。
これにより、下りデータフレーム処理回路224−1ではONU20台、下りデータフレーム処理回路224−2ではONU18台、下りデータフレーム処理回路224−3ではONU25台(=15台+10台)に相当する下りデータフレーム105がそれぞれ処理され、それぞれ、データ出力先切替回路229−1〜229−3へと出力される。
データ出力先切替回路229−1〜229−3は、下りデータフレーム処理回路224−1〜224−3からの下りデータフレーム105を、データ出力先指定回路228−1〜228−3が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと振り分ける。
この例では、全てのデータ出力先指定回路228−1〜228−Nには、出力先のフレーム再生回路12として上り重畳フレーム101の出力元であるフレーム再生回路12−1が設定されている。これにより、下り振り分け回路22へと入力された下りデータフレーム105は、全てフレーム再生回路12−1へと出力される。
このOLT1Cでは、1PONポートあたりの収容数32台、OLT全体の最大収容数128台に対して、計63台のONU3が収容されているが、PONポート#1に片寄せした運用によって、1PONポート当たりの収容数が63台に増加する。これにより、使用しない回路に対して予め電源を遮断することができる。
すなわち、本動作例では、OLT1C内で使用する回路は光トランシーバ11−1、フレーム再生回路12−1、制御フレーム処理回路23−1〜23−3、上り振り分け回路21、下り振り分け回路22となり、その他の回路(光トランシーバ11−2〜11−44、フレーム再生回路12−2〜12−4、制御フレーム処理回路23−4)の電源を遮断することが可能となる。
また、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3からの上り制御フレーム102を制御フレーム処理回路23−3に振り分けて処理させることにより、制御フレーム処理回路23−3の利用効率が高められる。また、制御フレーム処理回路23−3の利用効率を高めることにより、使用する必要のない制御フレーム処理回路23として制御フレーム処理回路23−4が生じており、この制御フレーム処理回路23−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
また、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3への下りデータフレーム105を下りデータフレーム処理回路224−3に振り分けて処理させることにより、下りデータフレーム処理回路224−3の利用効率が高められる。また、下りデータフレーム処理回路224−3の利用効率を高めることにより、使用する必要のない下りデータフレーム処理回路として下りデータフレーム処理回路224−4が生じており、この下りデータフレーム処理回路224−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
なお、上述した動作例では、1PONポート(PONポート#1)に片寄せして運用するシステム形態について説明したが、これに限られるものでもない。例えば、2PONポートに片寄せする場合も有りうる。2PONポートに片寄せする場合、全てのONU3からの上りフレームを2つのグループに分けて束ねた2つの上り重畳フレーム101を2つのフレーム再生回路12を通して上り振り分け回路21に入力し、この2つの上り重畳フレーム101に束ねられている上り制御フレーム102をそのフレームに付されている情報(LLID等)に基づいて所定の制御フレーム処理回路23へ振り分けるようにする。どのPONポートに片寄せするかや、どのPONポートに対応するフレーム再生回路12へ下り重畳フレーム106を出力するかは、システム設計者が任意に決定できる。
また、上述した動作例において具体的な数値を用いて説明したが、動作例の数値はあくまでも一例であり、その他の値もとりうることは言うまでもない。
〔実施例4〕
図15に実施例4のOLT1(1D)の基本構成を示す。実施例4のOLT1Dでは、実施例3の制御フレーム処理回路23(23−1〜23−N)に対応する回路を制御フレーム処理回路34(34−1〜34−N)とする。また、実施例4のOLT1Dでは、制御フレーム処理回路34(34−1〜34−N)の前段に第1の上り振り分け回路33(上り振り分け回路#1)と、第2の上り振り分け回路31(上り振り分け回路#2)と、N個のフレーム処理回路32(32−1〜32−N)とを設けている。また、制御フレーム処理回路34(34−1〜34−N)の後段に第1の下り振り分け回路37(下り振り分け回路#1)と、第2の下り振り分け回路35(下り振り分け回路#2)と、N個の下りフレーム処理回路36(36−1〜36−N)とを設けている。
このOLT1Dにおいて、上り振り分け回路31は、フレーム再生回路12−1〜12−Nの何れか1つを通して入力される全てのONU3からの上りフレームを1つに束ねた重畳フレーム(上り重畳フレーム)101を入力とし、この上り重畳フレーム101に束ねられている上りフレーム107(上り制御フレーム102+上りデータフレーム104)をそのフレームに付されているPONポート番号に基づいて所定のフレーム処理回路32へ振り分ける。ここでPONポート番号はONU3ごとにあらかじめ定められた1〜Nの値であり、フレーム内のONU3の個体識別番号等を読み替えて生成することもできる。
また、このOLT1Dにおいて、上り振り分け回路33は、フレーム処理回路32−1〜32−Nから出力される上りフレーム107に含まれている上り制御フレーム102をそのフレームに付されているPONポート番号に基づいて所定の制御フレーム処理回路34へ振り分ける。また、上り振り分け回路33は、フレーム処理回路32−1〜32−Nから出力される上りフレーム107に含まれている上りデータフレーム104を上位装置4に出力する。
また、このOLT1Dにおいて、下り振り分け回路35は、上り制御フレーム102が振り分けられた制御フレーム処理回路34より出力される下り制御フレーム103を予め設定されている所定の下りフレーム処理回路36に振り分け、上位装置4から入力された下りデータフレーム105とともに、下りフレーム108として下りフレーム処理回路36に出力する。下り振り分け回路37は、下りフレーム処理回路36−1〜36−Nから出力される下りフレーム108を予め設定されている所定のフレーム再生回路12に出力する。
図16に、上り振り分け回路31の上りフレームの処理に係わる構成例を示す。上り振り分け回路31は、PONポートと同数のN個の上り制御フレーム振り分け回路310(310−1〜310−N)を備えている。上り制御フレーム振り分け回路310(310−1〜310−N)は、振分け判定回路311(311−1〜311−N)と、処理回路振分け回路312(312−1〜312−N)とを備えている。振分け判定回路311−1〜311−Nは処理回路振分け回路312−1〜312−Nに対応して設けられている。
振分け判定回路311(311−1〜311−N)は、フレーム再生回路12(12−1〜12−N)を通して上り重畳フレーム101が入力されると、その上り重畳フレーム101に束ねられている上りフレーム107のプリアンブル領域等に格納されている識別子を抽出し、その識別子の値に対応するフレーム処理回路番号を、上りフレーム107の振分け先として、処理回路振分け回路312(312−1〜312−N)に対して指定する。振分け判定回路311(311−1〜311−N)は、内部にメモリM8(M81〜M8N)を備えており、このメモリM8(M81〜M8N)に抽出した識別子の値に対応する振分け先のフレーム処理回路番号が書き込まれている。
なお、Ethernet−PONシステムでは、識別子としてLLIDを使用することができる。また、識別子としてフレーム再生回路12(12−1〜12−N)がLLIDをOLT1D内で通用するIDに変換してプリアンブル領域等に格納する場合には、プリアンブル領域に格納されたIDを使用することもできる。また、他のPONシステムにおいても、ONU3を識別するためのIDが上りフレーム107毎に付帯されている場合には、このIDを識別子として使用することができる。
処理回路振分け回路312(312−1〜312−N)は、振分け判定回路311(311−1〜311−N)からの振分け先の指定を受け、振分け判定回路311(311−1〜311−N)から送られてくる振分け先の判定が終了した上りフレーム107を指定されたフレーム処理回路32に出力する。このような構成にすることで、任意の上りフレーム107を任意のフレーム処理回路32へと出力できる。
図17に、上り振り分け回路33の上り制御フレームの処理に係わる構成例を示す。上り振り分け回路33は、PONポートと同数のN個の上り制御フレーム振り分け回路330(330−1〜330−N)を備えている。上り制御フレーム振り分け回路330(330−1〜330−N)は、振分け判定回路331(331−1〜331−N)と、処理回路振分け回路332(332−1〜332−N)とを備えている。振分け判定回路331−1〜331−Nは処理回路振分け回路332−1〜332−Nに対応して設けられている。
振分け判定回路331(331−1〜331−N)は、フレーム処理回路32(32−1〜32−N)を通して上りフレーム107が入力されると、上りフレーム107のプリアンブル領域等に格納されている識別子を抽出し、その識別子の値に対応する制御フレーム処理回路番号を、上りフレーム107に含まれている上り制御フレーム102の振分け先として、処理回路振分け回路332(332−1〜332−N)に対して指定する。振分け判定回路331(331−1〜331−N)は、内部にメモリM9(M91〜M9N)を備えており、このメモリM9(M91〜M9N)に抽出した識別子の値に対応する振分け先の制御フレーム処理回路番号が書き込まれている。
なお、Ethernet−PONシステムでは、識別子としてLLIDを使用することができる。また、識別子としてフレーム再生回路12(12−1〜12−N)がLLIDをOLT1D内で通用するIDに変換してプリアンブル領域等に格納する場合には、プリアンブル領域に格納されたIDを使用することもできる。また、他のPONシステムにおいても、ONU3を識別するためのIDが上りフレーム107毎に付帯されている場合には、このIDを識別子として使用することができる。
処理回路振分け回路332(332−1〜332−N)は、振分け判定回路331(331−1〜331−N)からの振分け先の指定を受け、振分け判定回路331(331−1〜331−N)から送られてくる振分け先の判定が終了した上り制御フレーム102を、指定された制御フレーム処理回路34に出力する。このような構成にすることで、任意の上り制御フレーム102を任意の制御フレーム処理回路34へと出力できる。
図18に、上り振り分け回路33の上りデータフレームの処理に係わる構成例を示す。上り振り分け回路33は、図17の構成に加えて、上りデータフレーム処理回路333を備えている。上りデータフレーム処理回路333は、フレーム処理回路32(32−1〜32−N)を通して上りフレーム107が入力されると、その上りフレーム107に含まれている上りデータフレーム104に対してバッファリング処理やブリッジ処理などを行い、処理後の上りデータフレーム104を上位装置4に出力する。
図19に、下り振り分け回路35の下り制御フレーム103の処理に係わる構成例を示す。下り振り分け回路35は、制御フレーム処理回路34と同数のN個の下り制御フレーム振り分け回路350(350−1〜350−N)を備えている。下り制御フレーム振り分け回路350(350−1〜350−N)は、出力先指定回路351(351−1〜351−N)と、出力先切替回路352(352−1〜352−N)とを備えている。出力先指定回路351−1〜351−Nは出力先切替回路352−1〜352−Nに対応して設けられている。
出力先切替回路352(352−1〜352−N)は、制御フレーム処理回路34(34−1〜34−N)からの下り制御フレームを出力先指定回路351(351−1〜351−N)が指定する予め設定によって決められた下りフレーム処理回路36へと出力する。出力先指定回路351(351−1〜351−N)は、内部にメモリM10(M101〜M10N)を備えており、このメモリM10(M101〜M10N)に出力先の下りフレーム処理回路番号が書き込まれている。このような構成にすることで、同一の制御フレーム処理回路34からの下り制御フレーム103は全て、同一の下りフレーム処理回路36へと出力できる。
図20に、下り振り分け回路35の下りデータフレームの処理に係わる構成例を示す。下り振り分け回路35は、図19の構成に加えて、下りデータフレーム処理回路振り分け回路353と、PONポートと同数のN個の下りデータフレーム処理回路354(354−1〜354−N)と、N個の下りデータフレーム振り分け回路355(355−1〜355−N)とを備えている。下りデータフレーム処理回路振り分け回路353は、振分け判定回路356と、処理回路振分け回路357とを備え、下りデータフレーム振り分け回路355(355−1〜355−N)は、データ出力先指定回路358(358−1〜358−N)とデータ出力先切替回路359(359−1〜359−N)とを備えている。データ出力先指定回路358−1〜358−Nはデータ出力先切替回路359−1〜359−Nに対応して設けられている。
振分け判定回路356は、OLT1Dの上位装置4から下りデータフレーム105が入力されると、その下りデータフレーム105のタグ等に格納されている識別子を抽出し、その識別子の値に対応する下りデータフレーム処理回路番号を下りデータフレーム105の振分け先として、処理回路振分け回路357に対して指定する。振分け判定回路356は、内部にメモリM11を備えており、このメモリM11に抽出した識別子の値に対応する振り分け先の下りデータフレーム処理回路番号が書き込まれている。
なお、識別子は、ONU3やONU3に接続するユーザ側端末を識別できる情報であればよく、Ethernet−PONシステムでは、識別子として、下りデータフレーム105に付されたVLANタグのVLAN−IDや、下りデータフレーム105の宛先MACアドレスを使用できる。また、OLT1Dの上位装置4がONU3を識別するためのIDをプリアンブル領域等に格納する場合は、プリアンブル領域に格納されたIDを使用することもできる。また、他のPONシステムにおいても、ONU3を識別するためのIDが下りデータフレーム105毎に付帯されている場合には、このIDを前記識別子として使用することができる。
処理回路振分け回路357は、振分け判定回路356からの振分け先の指定を受け、振分け判定回路356から送られてくる振分け先の判定が終了した下りデータフレーム105を、指定された下りデータフレーム処理回路354に出力する。このような構成にすることで、任意の下りデータフレーム105を任意の下りデータフレーム処理回路354へと出力できる。
データ出力先切替回路359(359−1〜359−N)は、下りデータフレーム処理回路354(354−1〜354−N)からの下りデータフレーム105をデータ出力先指定回路358(358−1〜358−N)が指定する予め設定によって決められた下りフレーム処理回路36へと出力する。データ出力先指定回路358(358−1〜358−N)は、内部にメモリM12(M121〜M12N)を備えており、このメモリM12(M121〜M12N)に出力先の下りフレーム処理回路番号が書き込まれている。このような構成にすることで、同一の下りデータフレーム処理回路354からの下りデータフレーム105は全て、同一の下りフレーム処理回路36へと出力できる。
図21に、下り振り分け回路37の下りフレームの処理に係わる構成例を示す。下り振り分け回路37は、PONポートと同数のN個の下りフレーム振り分け回路370(370−1〜370−N)を備えている。下りフレーム振り分け回路370(370−1〜370−N)は、振分け判定回路371(371−1〜371−N)と、処理回路振分け回路372(372−1〜372−N)とを備えている。振分け判定回路371(371−1〜371−N)は処理回路振分け回路372(372−1〜372−N)に対応して設けられている。
振分け判定回路371(371−1〜371−N)は、下りフレーム処理回路36(361−1〜361−N)を通して下りフレーム108が入力されると、予め設定によって決められたフレーム再生回路番号を下りフレーム108の振分け先として、処理回路振分け回路372(372−1〜372−N)に対して指定する。振分け判定回路371(371−1〜371−N)は、内部にメモリM13を備えており、このメモリM13に振分け先のフレーム再生回路番号が書き込まれている。
処理回路振分け回路372(372−1〜372−N)は、振分け判定回路371(371−1〜371−N)からの振分け先の指定を受け、振分け判定回路371(371−1〜371−N)から送られてくる振分け先の判定が終了した下りフレーム108を、指定されたフレーム再生回路12に出力する。このような構成にすることで、同一の下りフレーム処理回路36からの下りフレーム108は全て、同一のフレーム再生回路12へと出力できる。
なお、下りフレーム108のタグもしくはプリアンブル領域等に格納されている識別子を抽出し、その識別子の値に対応するフレーム再生回路番号を下りフレーム108の振分け先として、処理回路振分け回路372(372−1〜372−N)に対して指定しても良い。この場合、振分け判定回路371(371−1〜371−N)のメモリ13には、抽出した識別子の値に対応する振分け先のフレーム再生回路番号を書き込む。このようにすることにより、任意の下りフレーム108を任意のフレーム再生回路12へと出力することもできる。
次に、図22を用いて実施例4のOLT1Dの動作例について説明する。具体的な例として、1PONポートあたりの最大収容数が32台の4PONポートOLTを想定する。すなわち、1つのフレーム処理回路32、制御フレーム処理回路34、及び、下りフレーム処理回路36は32台のONU3に相当する処理能力を有し、OLT1Dは最大128台のONU3を収容可能とする。
また、このOLT1Dに対し、PONポート#1〜4にはそれぞれ、20台、18台、15台、10台のONU3が接続されているものとする。また、PONポート#1に接続する各ONU3からの上りフレームには、LLIDとして「1〜20」が付され、PONポート#2に接続する各ONU3からの上りフレームには、LLIDとして「101〜118」が付され、PONポート#3に接続する各ONU3からの上りフレームには、LLIDとして「201〜215」が付され、PONポート#4に接続する各ONU3からの上りフレームには、LLIDとして「301〜310」が付されるものとする。
また、各PONポートに接続されていたONU3との光伝送は、全てPONポート#1に片寄せして運用するものとし、全てのONU3からの上りフレーム107(上り制御フレーム102+上りデータフレーム104)は光信号の段階で1つに束ねられて上り重畳フレーム101とされ、光トランシーバ1を通り、フレーム再生回路12−1を通して、上り振り分け回路31に入力され、全てのONU3への下りフレーム108(下り制御フレーム103+下りデータフレーム105)は下り振り分け回路37から出力した電気信号の段階で1つに束ねられて重畳フレーム(下り重畳フレーム)106とされ、フレーム再生回路12−1を通り、光トランシーバ11−1を通して、全てのONU3に向けて出力されるものとする。すなわち、OLT1Dが備える光トランシーバ11と光トランシーバ11によって電気信号に変換されたフレームを再生するフレーム再生回路12の個数は1つとする。
上り振り分け回路31(図16参照)において、振分け判定回路311−1は、フレーム再生回路12−1を通して重畳フレーム101が入力されると、その重畳フレーム101に束ねられている上りフレーム107のプリアンブル領域から抽出したLLIDの判定を行い、LLIDの値に対応するフレーム処理回路番号を上りフレーム107の振り分け先として処理回路振分け回路312−1に対して指定する。
ここで、上り振り分け回路31内の振分け判定回路311−1が備えるメモリM81には、LLIDが「1〜20」の上りフレーム107はフレーム処理回路32−1へ、LLIDが「101〜118」の上りフレーム107はフレーム処理回路32−2へ、LLIDが「201〜215」およびLLIDが「301〜310」の上りフレーム107はフレーム処理回路32−33へ、それぞれ出力するように、LLIDに対応する振分け先のフレーム処理回路番号が書き込まれているものとする。
この場合、振分け判定回路311−1によって、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#1に接続さた20台のONU3からの上りフレーム107は、フレーム処理回路32−1に振り分けられる。同様に、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#2に接続された18台のONU3からの上りフレーム107は、フレーム処理回路32−2に振り分けられる。また、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#3に接続された15台のONU3とPONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#4に接続された10台のONU3からの上りフレーム107は、フレーム処理回路32−3に振り分けられる。
これにより、フレーム処理回路32−1ではONU20台、フレーム処理回路32−2ではONU18台、フレーム処理回路32−3ではONU25台(=15台+10台)に相当する上りフレーム107がそれぞれ処理され、フレーム処理回路32−1〜32−33から処理後の上りフレーム107が上り振り分け回路33へと出力される。
上り振り分け回路33(図17参照)において、振分け判定回路331−1は、フレーム処理回路32−1を通して上りフレーム107が入力されると、予め設定によって決められた制御フレーム処理回路番号を上りフレーム107に含まれている上り制御フレーム102の振り分け先として処理回路振分け回路332−1に対して指定する。
この例では、フレーム処理回路32−1から入力された上り制御フレーム102については制御フレーム処理回路34−1が振り分け先として設定され、フレーム処理回路32−2から入力された上り制御フレーム102については制御フレーム処理回路34−2が振り分け先として設定され、フレーム処理回路32−3から入力された上り制御フレーム102については制御フレーム処理回路34−3が振り分け先として設定されている。
なお、上り振り分け回路31と同様に、上りフレーム107のプリアンブル領域から抽出したLLIDの判定を行い、LLIDの値に対応する制御フレーム処理回路番号を上りフレーム107に含まれている上り制御フレーム102の振り分け先として処理回路振分け回路332に対して指定しても良い。
これにより、制御フレーム処理回路34−1ではONU20台、制御フレーム処理回路34−2ではONU18台、制御フレーム処理回路34−3ではONU25台(=15台+10台)に相当する上り制御フレーム102がそれぞれ処理され、制御フレーム処理回路34−1〜34−3から処理後の下り制御フレーム103が下り振り分け回路35へと出力される。
下り振り分け回路35(図19参照)において、制御フレーム処理回路34−1〜34−3からの下り制御フレーム103は、出力先切替回路352−1〜352−3に入力される。出力先切替回路352−1〜352−3は、制御フレーム処理回路34−1〜34−3からの下り制御フレーム103を、出力先指定回路351−1〜351−3が指定する予め設定によって決められた下りフレーム処理回路36へと振り分ける。
この例では、制御フレーム処理回路34−1から入力された下り制御フレーム103については下りフレーム処理回路36−1が振り分け先として設定され、制御フレーム処理回路34−2から入力された下り制御フレーム103については下りフレーム処理回路36−2が振り分け先として設定され、制御フレーム処理回路34−3から入力された下り制御フレーム103については下りフレーム処理回路36−3が振り分け先として設定されている。
これにより、下りフレーム処理回路36−1ではONU20台、下りフレーム処理回路36−2ではONU18台、下りフレーム処理回路36−3ではONU25台(=15台+10台)に相当する下り制御フレーム103がそれぞれ処理され、下りフレーム処理回路36−1〜36−3から処理後の下り制御フレーム103が下り振り分け回路37へと出力される。
図23を用いて、下り振り分け回路35における下りデータフレームに係る動作を説明する。1PONポートあたりの最大収容数が32台という基準に従って、制御フレーム処理回路34と同様、1つの下りデータフレーム処理回路358は32台のONUに相当する処理能力を有する。また、上位装置4がOLT1Dに向けて出力する各下りデータフレーム105において、PONポート#1に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「1〜20」のVLANタグが付され、PONポート#2に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「101〜118」のVLANタグが付され、PONポート#3に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「201〜215」のVLANタグが付され、PONポート#4に接続する各ONU3への下りデータフレーム105にはVLAN−IDが「301〜310」のVLANタグが付されるものとする。
下り振り分け回路35において、振分け判定回路356は、OLT1Dの上位装置4から下りデータフレーム105が入力されると、その下りデータフレーム105のVLANタグから抽出したVLAN−IDの判定を行い、VLAN−IDの値に対応する下りデータフレーム処理回路番号を下りデータフレーム105の振り分け先として処理回路振分け回路357に対して指定する。
ここで、下り振り分け回路35内の振分け判定回路356が備えるメモリM11には、VLAN−IDが「1〜20」の下りデータフレーム105は下りデータフレーム処理回路358−1へ、VLAN−IDが「101〜118」の下りデータフレーム105は下りデータフレーム処理回路358−2へ、VLAN−IDが「201〜215」およびVLAN−IDが「301〜310」の下りデータフレーム105は下りデータフレーム処理回路358−3へ、それぞれ出力するように、VLAN−IDに対応する振分け先の下りデータフレーム処理回路番号が書き込まれているものとする。
この場合、振分け判定回路356によって、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#1に接続された20台のONU3への下りデータフレーム105は、下りデータフレーム処理回路358−1に振り分けられる。同様に、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#2に接続された18台のONU3への下りデータフレーム105は、下りデータフレーム処理回路358−2に振り分けられる。また、PONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#3に接続された15台のONU3とPONポート#1に全ONU3を片寄せする前はPONポート#4に接続された10台のONU3への下りデータフレーム105は、下りデータフレーム処理回路358−3に振り分けられる。
これにより、下りデータフレーム処理回路358−1ではONU20台、下りデータフレーム処理回路358−2ではONU18台、下りデータフレーム処理回路358−3ではONU25台(=15台+10台)に相当する下りデータフレーム105がそれぞれ処理され、それぞれ、データ出力先切替回路359−1〜359−3へと出力される。
データ出力先切替回路359−1〜359−3は、下りデータフレーム処理回路354−1〜354−3からの下りデータフレーム105を、データ出力先指定回路358−11〜358−3が指定する予め設定によって決められた下りフレーム処理回路36へと振り分ける。
この例では、下りデータフレーム処理回路358−1から入力された下りデータフレーム105については下りフレーム処理回路36−1が振り分け先として設定され、下りデータフレーム処理回路358−2から入力された下りデータフレーム105については下りフレーム処理回路36−2が振り分け先として設定され、下りデータフレーム処理回路358−3から入力された下りデータフレーム105については下りフレーム処理回路36−3が振り分け先として設定されている。
これにより、下りフレーム処理回路36−1ではONU20台、下りフレーム処理回路36−2ではONU18台、下りフレーム処理回路36−3ではONU25台(=15台+10台)に相当する下りデータフレーム105がそれぞれ処理され、下りフレーム処理回路36−1〜36−3から処理後の下りデータフレーム105が下り振り分け回路37へと出力される。
下り振り分け回路37(図21参照)において、下りフレーム処理回路36−1〜36−3からの下りフレーム108(下り制御フレーム103+下りデータフレーム105)は、振り分け判定回路371−1〜371−3に入力される。処理回路振分け回路372−1〜372−3は、下りフレーム処理回路36−1〜36−3からの下りフレーム108を、振り分け判定回路371−1〜371−3が指定する予め設定によって決められたフレーム再生回路12へと振り分ける。
この例では、全ての振分け判定回路371(371−1〜371−N)には、出力先のフレーム再生回路12として上り重畳フレーム101の出力元であるフレーム再生回路12−1が設定されている。これにより、下り振り分け回路37へと入力された下りフレーム108は、下り振り分け回路37から出力された電気信号の段階で1つに束ねられて下り重畳フレーム106とされ、全てフレーム再生回路121へと送られる。
このOLT1Dでは、1PONポートあたりの収容数32台、OLT全体の最大収容数128台に対して、計63台のONU3が収容されているが、PONポート#1に片寄せした運用によって、1PONポート当たりの収容数が63台に増加する。これにより、使用しない回路に対して予め電源を遮断することができる。
すなわち、本動作例では、OLT1D内で使用する回路は光トランシーバ11−1、フレーム再生回路12−1、フレーム処理回路32−1〜32−3、制御フレーム処理回路34−1〜34−3、下りフレーム処理回路36−1〜36−3、上り振り分け回路31、上り振り分け回路33、下り振り分け回路35、下り振り分け回路37となり、その他の回路(光トランシーバ11−2〜11−4、フレーム再生回路12−2〜12−4、フレーム処理回路32−4、制御フレーム処理回路34−4、下りフレーム処理回路36−4)の電源を遮断することが可能となる。
また、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3からの上り制御フレーム102を制御フレーム処理回路34−3に振り分けて処理させることにより、制御フレーム処理回路34−3の利用効率が高められる。また、制御フレーム処理回路34−3の利用効率を高めることにより、使用する必要のない制御フレーム処理回路として制御フレーム処理回路34−4が生じており、この制御フレーム処理回路34−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
また、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3からの上りフレーム107(上り制御フレーム102+上りデータフレーム104)をフレーム処理回路32−3に振り分けて処理させることにより、フレーム処理回路32−3の利用効率が高められる。また、フレーム処理回路32−3の利用効率を高めることにより、使用する必要のないフレーム処理回路32としてフレーム処理回路32−4が生じており、このフレーム処理回路32−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
また、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3への下りデータフレーム105を下りデータフレーム処理回路358−3に振り分けて処理させることにより、下りデータフレーム処理回路358−3の利用効率が高められる。また、下りデータフレーム処理回路358−3の利用効率を高めることにより、使用する必要のない下りデータフレーム処理回路として下りデータフレーム処理回路358−4が生じており、この下りデータフレーム処理回路358−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
また、PONポート#3に接続された15台のONU3およびPONポート#4に接続された10台のONU3への下りフレームを下りフレーム処理回路36−3に振り分けて処理させることにより、下りフレーム処理回路36−3の利用効率が高められる。また、下りフレーム処理回路36−3の利用効率を高めることにより、使用する必要のない下りフレーム処理回路として下りフレーム処理回路36−4が生じており、この下りフレーム処理回路36−4の電源を予め遮断することにより、電力の無駄をなくすことができる。
なお、上述した動作例では、1PONポート(PONポート#1)に片寄せして運用するシステム形態について説明したが、これに限られるものでもない。例えば、2PONポートに片寄せする場合も有りうる。2PONポート#に片寄せする場合、全てのONU3からの上りフレームを2つのグループに分けて束ねた2つの上り重畳フレーム101を2つのフレーム再生回路12を通して上り振り分け回路31に入力し、この2つの上り重畳フレーム101に束ねられている上りフレーム107をそのフレームに付されている情報(LLID等)に基づいて所定のフレーム処理回路32へ振り分けるようにする。どのPONポートに片寄せするかや、どのPONポートに対応するフレーム再生回路12へ下り重畳フレーム106を出力するかは、システム設計者が任意に決定できる。
また、上述した動作例において具体的な数値を用いて説明したが、動作例の数値はあくまでも一例であり、その他の値もとりうることは言うまでもない。
〔実施例の拡張〕
以上、実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施の形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。