JPWO2016157358A1 - データ処理システム - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1においては、正制御装置のディスク装置にデータを登録した後、遠隔地に設置された副制御装置に同一データを送信し、その登録を求める技術が開示されている。
また、サーバコンピュータ自体の故障やトラブルも想定されるため、遠隔地に限らず、同一拠点内においても普段からデータベースサーバを二重化しておき、万一の事態に備えることが望ましいといえる。
しかしながら、マスターサーバと遠隔地に設置されたDBサーバ間で何度もデータのやり取りを繰り返す必要があることから、処理の迅速性が犠牲とならざるを得なかった。このため、ATM取引のように数秒程度の待ち時間が生じても問題にならない業務処理に対しては有効であっても、例えばオンライントレードのように、コンマ何秒かの遅延も許されないような業務処理には適用できないという問題があった。
しかも、業務データの登録については障害発生時にデータの復旧に複雑な処理を要する削除や更新が禁止されており、単純に他のDBサーバから不足データをコピーするだけでデータの復旧が可能な追加のみが許容されているため、2相コミットのような厳格な調停方式を採用する必要がなく、各DBサーバから単純に受取通知が返ってきた時点で登録完了と認定することができる。
これに対し、排他制御を要する一部の業務処理については、担当AP定義テーブルにおいて予め設定されたAPサーバに処理が集約され、FIFOのルールに則って処理されるため、異なるAPサーバによって相互に矛盾するデータが生成されることを有効に回避することができる。
各APサーバにおいて生成される業務データには、それぞれのAPサーバの識別符号を含むユニークなIDが割り振られているため、DBサーバに対して各APサーバからバラバラに業務データが送信されても、それぞれのIDが重複することがなく、絶対的なユニーク性が担保される。
まず、東京に配置された第1のデータセンター12内には、第1のAPサーバ14と、第1のDBサーバ16と、第2のDBサーバ18が設置されている。
また、大阪に配置された第2のデータセンター20内には、第2のAPサーバ22と、第3のDBサーバ24と、第4のDBサーバ26が設置されている。
このように、同一データセンター内に複数のAPサーバを設けておけば、何れかのAPサーバの計画停止時あるいは計画外停止時おいても、他のデータセンター内のAPサーバに切り替えることなく同一データセンター内の残りのAPサーバで代替可能となり、ダウンタイムを最小化することができる。
DBサーバの数にも限定はなく、3台以上のDBサーバを各データセンター内に設置することができる。
ここでは、図2は示すように、ポイント加算テーブル50と、加算取消テーブル51と、ポイント適用テーブル52と、適用取消テーブル53と、担当AP定義テーブル54を各DBサーバは共通して備えている。
また、加算取消テーブル51には、取消対象、タイムスタンプ等のデータ項目が設定されている。
ポイント適用テーブル52には、適用ID、アカウント、ポイント数、タイムスタンプ等のデータ項目が設定されている。
また、適用取消テーブル53には、取消対象、タイムスタンプ等のデータ項目が設定されている。
担当AP定義テーブル54には、担当AP定義IDと、アカウントと、主担当APと、副担当AP等のデータ項目が設定されている。
上記の加算ID、適用IDには、人工キーによるユニークな識別コードが格納される(詳細は後述)。
また、第2のAPサーバ22は、LANを介して第3のDBサーバ24及び第4のDBサーバ26と接続されると共に、通信回線29を介して第1のデータセンター12内に設置された第1のDBサーバ16及び第2のDBサーバ18とも接続されている。
同様に、第2のデータセンター20が被害を受けた場合には、西日本に設置されたクライアント端末28の接続先が第1のデータセンター12内に設定された第1のAPサーバ14に切り替えられる。
また、同一データセンター内にも同一のデータを備えた複数のDBサーバが設置されているため、データを参照する際にAPサーバは任意のDBサーバにデータの抽出を依頼することができ、負荷分散を図ることができる。
この人工キー管理部32は、専用のミドルウェアに従ってAPサーバのCPUが動作することにより、実現される。
またデータ制御部34は、人工キー管理部32の指令を受け、同一データセンター内に設置された各DBサーバを担当するDB連絡部38に対して、人工キー管理データの更新を指令する機能をも備えている(詳細は後述)。
まず、業務処理の結果としてデータを生成する必要が生じた業務処理部30は、人工キー管理部32に対して、テーブルを指定して人工キーの発行を要求する(S10)。上記のポイント加算テーブル50に格納するデータを生成するケースであれば、「加算ID」用の人工キーの発行を要求することとなる。
また、数値の下一桁(末尾)には、データを生成したAPサーバを特定するための識別符号(0〜9の何れかの数値)がセットされている。
また、APサーバ管理テーブル58及びデータセンター管理テーブル59において、各APサーバとデータセンターとの関連性が定義されている。
これら人工キーの下一桁管理テーブル57、APサーバ管理テーブル58、データセンター管理テーブル59も、人工キー管理テーブル56と同じく、同一データセンター内のDBサーバに格納されている。
具体的には、当該APサーバに係るポイント加算テーブル50の「次のキー値」に対して、「直前の値(上記の最新値)の中で、末尾の識別符号を除いた部分で構成される数値に、1を加算した値」をセットする。
さらには、人工キー管理テーブル56の「次のキー値」にAPサーバの識別符号を除いた数値のみを格納しておき、人工キーの発行時点で人工キー管理部32が対応の識別符号を上記数値の末尾等に付加して業務処理部30に発行することもできる。
このデータは、データ制御部34及びDB連絡部38を介して全DBサーバに送信され、それぞれに設けられた対応のテーブル(ポイント加算テーブル50)に追加登録される。
要するに、このシステム10においては、各テーブルに対する追加(インサート)と参照(セレクト)のみが許容されることになる。
例えば、図2に示したポイント加算データを無効化する場合には、加算取消テーブル51に加算取消データを追加する。
この加算取消データの「取消対象」には、無効化すべきポイント加算データの加算IDが充填されているため、業務処理部30はポイント加算テーブル50に登録されたポイント加算データの中で、その加算IDが加算取消テーブル51に登録されているものについては、カウント対象外とする。
この適用取消データの「取消対象」には、無効化すべきポイント適用データの適用IDが充填されているため、業務処理部30はポイント適用テーブル52に登録されたポイント適用データの中で、その適用IDが適用取消テーブル53に登録されているものについては、カウント対象外とする。
例えば、ポイント加算データのポイント数を修正する場合、当該ポイント加算データの加算IDとは異なる昇順の加算IDを新たに払い出すと共に、同じアカウントでポイント数を変更したポイント加算データを、ポイント加算テーブル50に追加する。
修正前のデータと修正後のデータには、ミリ秒精度のタイムスタンプが刻印されており、またそれぞれに昇順の異なる加算IDが付与されているため、業務処理部30は集計時に最新のデータを間違いなく特定することができる。
まず、商品やサービスを購入したユーザに対してポイントを加算する処理については排他制御の必要はなく、例えば企業内の複数の社員によって当該企業のアカウントに対するポイント加算要求が同時に発生した場合に、複数のAPサーバにおいて同時並行的に処理がなされても、特に問題は生じない。
同じく、同一のアカウントに対するポイント残高照会処理に関しても、排他制御は不要といえる。
これに対し、当該アカウントに蓄積されたポイントを用いて商品を購入する場面では、蓄積ポイント数に限りがあるため、同時並行的にポイント適用の要求があった場合には、排他制御を実行する必要性がある。
まず、あるユーザが店頭で商品を購入し、ポイントカードを提示すると、店舗内のクライアント端末28Aからポイントカードのアカウント(カード番号)と、当該商品購入によって発生したポイント数(加算ポイント数)が、第2のAPサーバ22に送信される。
つぎに業務処理部30は、各DB連絡部38を介して第1のDBサーバ14〜第4のDBサーバ26に対してポイント加算データの追加登録を依頼する(S14)。
これを受けた第1のDBサーバ14〜第4のDBサーバ26は、一斉にそれぞれのポイント加算テーブル50にポイント加算データを追加する。
具体的には、当該アカウントに関連付けられた全ポイント加算データを何れかのDBサーバから取得し(図8のS16-01)、各ポイント加算データから加算IDを抽出する(S16-02)。
つぎに、この加算IDを任意のDBサーバに送信し、対応の加算取消データを取得する(S16-03)。
そして、加算取消データが登録されているポイント加算データを除き、残りの有効なポイント加算データのポイント数を総計することにより(S16-04)、当該ユーザの加算ポイント数を確定する。
つぎに、この適用IDを任意のDBサーバに送信し、対応の適用取消データを取得する(S16-07)。
そして、適用取消データが登録されているポイント適用データを除き、残りの有効なポイント適用データのポイント数を総計することにより(S16-08)、当該ユーザの適用ポイント数を確定する。
このポイント残高は、クライアント端末に送信され(図7のS18)、レシートに印字される。
このポイント適用処理は、具体的には以下の手順に従う。
まず、第1のAPサーバ14は、上記と同様の手順により、当該アカウントのポイント残高を算出する(図10のS38-01)。
例えば、現時点でのポイント残高が今回の適用ポイント数を上回っている場合、業務処理部30は人工キー管理部32から適用IDの発行を受けた後、ポイント適用データ(適用ID、アカウント、ポイント数、タイムスタンプ)を生成する。
そして、全DBサーバに対してポイント適用データの追加登録を依頼する(S38-03)。
これに対し、この時点でポイント残高が適用ポイント数を下回っていた場合、業務処理部30は残存ポイント数分のポイント適用データを生成し、全DBサーバに対してその追加登録を依頼する。この結果、当該アカウントのポイント残高はゼロとなる。
すなわち、全購入金額についてポイントが適用できた場合には、その旨とポイント残高がクライアント端末28Bに通知される。
これに対し、購入金額の一部にのみポイントが適用された場合には、その旨と不足金額がクライアント端末28Bに通知される。この際、店頭では不足分について現金決済がなされる。
副担当APサーバの用意だけでは不安な場合には、副々担当AP等、より下位のAPサーバを予め設定しておけばよい。
担当AP定義テーブル54は、全てのDBサーバ内に保持されているため、何れかのDBサーバが一時的にダウンしていても、APサーバは他のDBサーバから主担当APサーバ等を特定することが可能となる。
また、担当AP定義テーブル54に、アカウント毎(またはアカウントのグループ毎)に主担当APと副担当APの特定情報(URL等)を定義しておく。
[アプリケーションプログラム側の設定]
要排他制御処理−>A処理、B処理、C処理
[担当AP定義テーブル側の設定]
A処理−>主担当AP:サーバa1、副担当AP:サーバa2
B処理−>主担当AP:サーバb1、副担当AP:サーバb2
C処理−>主担当AP:サーバc1、副担当AP:サーバc2
例えば、在庫管理システムに適用する場合には、図11に示すように、入荷テーブル60と、入荷取消テーブル61と、出荷テーブル62と、出荷取消テーブル63と、担当AP定義テーブル64を各DBサーバ内に設けておく。
また、入荷取消テーブル61には、取消対象、タイムスタンプ等のデータ項目が設定されている。
出荷テーブル62には、出荷ID、商品コード、個数、タイムスタンプ等のデータ項目が設定されている。
また、出荷取消テーブル63には、取消対象、タイムスタンプ等のデータ項目が設定されている。
担当AP定義テーブル64には、担当AP定義ID、商品コード、主担当AP、副担当AP等のデータ項目が設定されている。
上記の入荷ID、出荷IDには、人工キーによるユニークな識別コードが格納される。
また、クライアント端末28から在庫数の照会リクエストを受けた場合にも、「未取消入荷数−未取消出荷数」によって算出できるため、APサーバ間の排他制御は不要である。
具体的には、商品の注文リクエストが発生した段階で、当該商品(商品コード)の出荷処理を担当するAPサーバに対して処理権限が委譲される。
すなわち、主担当APサーバの業務処理部30は、注文リクエストに含まれる商品コードに係る商品の在庫を算出した上で、注文リクエストに含まれる個数が在庫の範囲内であれば対応の出荷データを生成し、全DBサーバに対して出荷テーブル62への追加登録を依頼する。その後、委託先のAPサーバから委託元のAPサーバに処理結果が通知される。
また、当該商品の在庫が注文数を下回っている場合、委託先のAPサーバは出荷データを生成することなく、在庫不足の結果を委託元のAPサーバに通知する。
また、ダウンロード形式で販売されるソフトウェアや電子書籍のように、販売対象によっては在庫数を気にする必要がないものもある。
このような場合には、同じ注文受付処理であっても対象商品毎(商品コード毎)に排他制御の要否を定義しておくことが求められる。
データ制御部34は、全てのDB連絡部38から受取完了通知が返ってきた時点で、業務処理部30に対して登録完了通知を出力する。
逆に言えば、登録完了通知が返ってくるまでの間、業務処理部30は当該データを読み込みの対象外とすることで、各DBサーバにおける登録のタイミングがずれて不正なデータが読み込まれてしまう危険性を回避している。
具体的には、当該DBサーバを一時的にシステム10から切り離し、残りのDBサーバのみに基づく運用形態に移行する。
すなわち、切り離されたDBサーバ以外の全DBサーバから受取完了通知が届いていた場合、データ制御部34から業務処理部30に対して登録完了通知が出力され、登録データが読み取りの対象となる。
以後、データ制御部34は、当該DBサーバを担当しているDB連絡部38を介して、データの送受信を再開する。
すなわち、データの削除や更新が許容されることを前提とした場合、データを復旧させるためにはDBサーバが保持している更新履歴情報に基づき、一定の時点からデータの追加や削除、更新を順番に再現する必要があり、これに長い時間と大きな負荷を要することになる。また、更新ログを確実に保存する仕組みをDBサーバ側に設ける必要がある。
これに対し、このシステム10の場合には、あるDBサーバでデータの欠損が発生しても、単純に隣接するDBサーバから不足データをコピーするだけで追い着くことができるため、データがハードディスク等に格納されるまで待機する必要がない。
この結果、APサーバとDBサーバ間の電文のやり取りが激減し、全体的な処理速度を向上させることができる。
すなわち、一つのデータセンター内に複数のAPサーバと複数のDBサーバを設置し、各APサーバと全DBサーバ間をネットワークで接続した環境において、排他制御を要しない業務処理については各APサーバが独自に並列処理すると共に、排他制御を要する業務処理については予め設定されたAPサーバに処理権限を集約させる場合にも有効に適用できる。
12 第1のデータセンター
14 第1のAPサーバ
16 第1のDBサーバ
18 第2のDBサーバ
20 第2のデータセンター
22 第2のAPサーバ
24 第3のDBサーバ
26 第4のDBサーバ
27 通信ネットワーク
28 クライアント端末
29 通信回線
30 業務処理部
32 人工キー管理部
34 データ制御部
38 DB連絡部
50 ポイント加算テーブル
51 加算取消テーブル
52 ポイント適用テーブル
53 適用取消テーブル
54 担当AP定義テーブル
56 人工キー管理テーブル
57 人工キーの下一桁管理テーブル
58 APサーバ管理テーブル
59 データセンター管理テーブル
60 入荷テーブル
61 入荷取消テーブル
62 出荷テーブル
63 出荷取消テーブル
64 担当AP定義テーブル
Claims (4)
- 複数のAPサーバと、複数のDBサーバを備えたデータ処理システムであって、
上記の各DBサーバは、相互に共通する業務データを格納するテーブルをそれぞれ備える共に、各テーブルにはレコードの参照及び追加のみが許容され、削除及び更新が禁止される制約が設けられており、
上記の各APサーバは、それぞれ上記の各DBサーバと接続されており、クライアント端末から送信されたリクエストに対して共通の業務処理を実行する機能と、処理の結果生じた業務データを上記の各DBサーバに送信し、対応のテーブルへの追加登録を依頼する機能を備え、
上記の各業務データには、これを生成したAPサーバを特定するための識別符号を含むユニークなIDが割り振られており、
さらに、上記の各DBサーバには、排他制御が求められる特定の業務処理を担当するAPサーバを業務処理毎に定義しておく担当AP定義テーブルが格納されており、
上記の各APサーバは、上記クライアント端末から送信された業務処理のリクエストが、排他制御を要するものでない場合には自ら実行するのに対し、排他制御を要するものである場合には上記担当AP定義テーブルを参照し、当該業務処理を担当すべきAPサーバを特定した後、当該担当APサーバに該当の処理を委譲し、
これを受けた担当APサーバは、委譲された業務処理を一旦キューに格納した後、キュー内の各業務処理をFIFOのルールに従って順に実行することを特徴とするデータ処理システム。 - 上記担当AP定義テーブルには、主担当APサーバの他に、当該主担当APサーバが機能しない場合に処理を担当すべき副担当APサーバが業務処理毎に定義されていることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
- 上記の業務データには、それぞれ業務処理実行時のタイムスタンプが刻印されており、
上記APサーバは、既存の業務データを更新する必要がある場合に、当該業務データと異なる昇順のID、修正後のデータ及び修正時のタイムスタンプを備えた業務データを新たに生成すると共に、
この更新用の業務データを各DBサーバに設けられた該当のテーブルに追加登録させることにより、既存の業務データを実質的に更新することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ管理システム。 - 上記APサーバは、既存の業務データを削除する必要がある場合に、取消対象として当該業務データのIDを格納するデータ項目を備えたデータ取消用の業務データを生成すると共に、
このデータ取消用の業務データを各DBサーバに設けられた取消専用のテーブルに追加登録させることにより、既存の業務データを実質的に削除することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のデータ処理システム。
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