JPWO2016147908A1 - 物理・化学センサ、物理・化学センサアレイおよび物理・化学センシングデバイス - Google Patents

物理・化学センサ、物理・化学センサアレイおよび物理・化学センシングデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 前処理による可動膜の変形を復元方向に誘導し、検知すべき分子の吸着による可動膜の変形状態を好適に検出することができる物理・化学センサを提供するとともに、これを使用するセンサアレイおよびセンシングデバイスを提供する。【解決手段】 物理・化学センサは、ファブリペロー干渉計を形成するように構成されたものであって、可動膜2の表面もしくは裏面または中間層に導電性を有する材料によって形成される第1の導電膜4と、受光面11の表面に絶縁層12を介して導電性を有する材料によって形成される第2の導電膜5とを備え、両導電膜は適宜電圧の印加を受ける電源7に接続されている。センシングデバイスは、前記センサを検出用と参照用とに区別して同一基板に作製したセンサアレイである。【選択図】 図1

Description

本発明は、光干渉型の物理・化学センサに関し、特に、気体や液体に含まれる分子を非標識により検知するためのセンサに関するもの、このセンサを使用した物理・化学センサアレイ、および物理・化学現象センシングデバイスに関するものである。
近年、燃料電池に代表されるように、水素ガスをエネルギー源とするための技術が開発され普及されつつあり、これに伴って水素ガスを検出するためのセンサが重要視されている。また、環境汚染を誘引するガス(二酸化炭素や二酸化窒素など)は環境保全のためにその排出を検知することが重要とされ、爆薬に使用される成分(トリニトロトルエン:TNTやトリメチレントリニトロアミン:RDXなど)を含むガスの検知は、地雷を発見することに有用である。さらに、医療現場においては、特定種類の抗体または特定種類の抗原を検出することにより、特定の疾患に罹患していることを判定するため、抗原抗体反応によって特定の抗原(特定のタンパク質)を検出するセンサもまた重要視されている。
医療現場では、検出すべきタンパク質を特定する方法として、蛍光ラベルを使用する蛍光標識技術が用いられていた。この技術は、活性化した蛍光基をタンパク質に反応させて標識とするものであって、同時に複数の検出が可能となるとともに蛍光色素の取り扱いが簡単であることから、以前から広く使用されてきた。しかし、この蛍光標識技術では、蛍光基が反応することに伴ってタンパク質構造が劣化することが懸念され、また、蛍光基修飾の位置や標識数の制御が困難であるという定量評価に関して問題があった。
そこで、MEMS(Micro Electro Mechanical System:微小電気機械システム)技術を用いて分子同士の相互作用を機械的な変形に読み替えて検出する技術は、生体分子の非標識(ラベルフリー)検出法として、疾患の診断や創薬分野への期待が高い。例えば、血液中に含まれる病気由来のタンパク質をチップ上で抗原抗体反応などによって捉え、吸着の様子を電気信号で出力することができれば、早期の疾患を迅速に診断することができる。
吸着した分子を検出するMEMSセンサとしては、共振振動を利用して質量変化を読み取る方式がある(非特許文献1参照)。この種のセンサは、空気中での検出感度が高い反面、液中では振動のQ値が下がることから感度が低下するという課題を有していた。他方、構造表面のストレスの変化を機械的な変形量として検出する方法も案出されている。機械的な変形量を電気信号に変換するためのトランスデューサとしては、反射角度の変化をPSD(Position Sensitive Detector:光位置センサ)で検出する光学方式(非特許文献2および3参照)、静電容量方式(非特許文献4参照)、またはピエゾ抵抗方式(非特許文献5および6参照)が提案されている。これらの技術によれば、表面応力センサが静的な変形を検出するため、液中での使用が可能であり、電気信号への信号処理も共振型と比べて容易である。また、センサ上における表面応力の変化は分子の吸着だけでなく、生体分子の構造変化によっても発生することが報告されている(非特許文献7および8参照)。従って、高次の構造を持つタンパク質のコンフォメーション変化をリアルタイムに捉える技術としても期待されるところである。
ところで、機械的な変形量を電気信号に変換する方式として、前掲技術を用いることにより、DNAのハイブリダイゼーションや抗原抗体反応を利用した腫瘍マーカーの検出などが可能であるとされているが、構造の変形に対する電気信号への変換効率は、初期ギャップや材料の持つピエゾ抵抗係数などによって決定されるため、感度向上が難しいという問題点を有していた。
そこで、本願の発明者らは、膜の変位を電気信号に変換する効率の向上のため、ファブリペロー干渉を利用した新規なトランスデューサを提案している(特許文献1および非特許文献9参照)。
WO2013/047799号公報
K.S.Hwang, J.H.Lee, J.Parl, D.S.Yoon, J.H.Park, and T.S.Kim, In-situ quantitative analysis of a prostate-specific antigen (PSA) using a nanomechanicalPZT cantilever, Lab Chip 4, pp.547-552(2004). G.H.Wu, R.H.Datar, K.M.Hansen, T.Thundat, R.J.Cote, and A.Majumdar, Bioassay of prostate-specific antigen (PSA) using microcantilevers, Nat. Biotechnol. 19, pp.856-860(2001). D.A.Raorane, M.D.Lim, F.F.Chen, C.S.Craik, and A.Majumdar, Quantitative and label-free technique for measuring protease activity and inhibition using a microfluidic cantilever array, Nano Lett. 8, pp.2968-2974(2008). S.Satyanarayana, D.T.McCormick, A.Majumdar, "Parylene micro membrane capacitive sensor array for chemical and biological sensing," Sens. And Actuat. B, vol.115, pp.494-502(2006). L.Aeschimann, A.Meister, T.Akiyama, B.W.Chui, P.Niedermann, H.Heinzelmann, N.F.De Rooij, U.Staufer, and P.Vettiger, Scanning probe arrays for life sciences and nanobiology applications, Microelectron. Eng. 83, pp.1698-1701 (2006). G.Yoshikawa, T.Akiyama, A.Gautsch, P.Vettiger, and H.Rohrer, "Nanomechanical Membrane-type surface stress sensor," Nano Letters, vol.11, pp.1044-1048(2011). R.Mukhopadhyay, V.V.Sumbayev, M.Lorentzen, J.Kjems, P.A.Andreasen, and F.Besenbacher, Cantilever sensor for nanomechanicaldetection of specific protein conformations, Nano Lett. 5, pp.2385-2388(2005). M.K.Ghatkesar, H.P.Lang, C.Gerber, M.Hegner, and T.Braun, Comprehensive characterization of molecular interactions based on nanomechanics, PLoS One 3, pp.e3610- 1-6(2008). K.Takahashi, H.Oyama, N.Misawa, K.Okumura, M.Ishida, and K.Sawada, "Surface stress sensor using MEMS-based Fabry-Perot interferometer for label-free biosensing," Sens. Actuat. B, vol.188, pp.393-399(2013).
前掲の特許文献1および非特許文献9において開示する技術は、特定物質の固定能を有する材料による可動膜と受光素子表面とでファブリペロー干渉計を形成し、特定波長の透過光の強度変化によって特定物質の固定状態を検出するものである。すなわち、分子固定能を有する可動膜が特定物質を固定することにより、当該物質の分子間力によって膜部が撓み、ファブリペロー干渉計を構成している空隙部(エアギャップ)の間隙幅が変化するものである。そして、この変化に伴って干渉波長が変化することから、単波長の光を入射すると、入射波長に対する透過率が変化し、この透過光強度の変化を受光素子によって光電流の変化として読み出すのである。例えば、医療分野においては、可動膜に抗体分子を固定させておけば、この抗体分子と特定のタンパク質が抗原抗体反応により結合し、検知すべきタンパク質の結合による分子間力の変化を可動膜の撓み量から検出することができるものである。このように、タンパク質の有無のみならず、付着量についても電気信号から定量評価することができ、さらに、ファブリペロー干渉計の透過特性を制御すれば、可動膜の変位に対する信号変換効率を向上させることができるものである。
ところが、上記の技術は、表面応力による可動膜の変形を検出するものであり、例えば、医療分野においては、予め抗体分子を可動膜に固定し、また、非特異吸着を防ぐためのブロッキング処理を行うことにより、抗体分子などの極性分子の吸着によっても可動膜が変形し得るものであった。これらの極性分子が検知すべきタンパク質の分子以上に大きな分子間力を発生させる場合があるとすれば、そのような前処理による変形が支配的となり、特定タンパク質等の吸着による可動膜の変化を見落とすおそれを有しているとの懸念があった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、前処理による可動膜の変形を復元方向に誘導し、検知すべき分子の吸着による可動膜の変形状態を好適に検出することができる物理・化学センサを提供するとともに、これを使用するセンサアレイおよびセンシングデバイスを提供することである。
そこで、本願の本発明らは、鋭意研究の結果、前処理により変化した可動膜に対し、吸着する分子間力により変形する方向とは逆向きに静電引力を作用させ、当該可動膜の変形状態を使用直前に修正させることを着想し本発明に至った。
すなわち、物理・化学センサに係る本発明は、受光素子の受光面に、空隙部を形成しつつ該受光面に対向して設けられた可動膜を備え、該可動膜は、少なくとも外側表面に分子固定能を有し、前記受光面とともにファブリペロー干渉計を形成するように構成された物理・化学センサにおいて、前記可動膜の表面もしくは裏面または中間層に導電性を有する材料によって形成される第1の導電膜と、前記受光面の表面に絶縁層を介して導電性を有する材料によって形成される第2の導電膜とを備え、前記第1および第2の導電膜は適宜電圧の印加を受ける電源に接続されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、第1および第2の導電膜は、空隙部の両側に形成されることとなり、両導電膜間に電圧を印加することにより、静電気力により、可動膜側に対して所定方向への変形を誘導させることができる。例えば、両導電膜の一方に電荷を印加して両者間に電位差を生じさせ、または両導電膜に異なる極性の電荷を印加させることにより、両導電膜間に静電引力を作用させることができる。このとき、第2の導電膜は受光素子の受光面に絶縁層を介して積層されることから、当該第2の導電膜は固定的であるが、第1の導電膜は可動膜に積層されるため、当該可動膜とともに変形することとなる。このように、電圧の印加によって、可動膜を所望の方向へ人為的に変形させることができ、前記空隙部のクリアランスを調整することができる。なお、一般的に、可動膜の表面に吸着される分子による分子間力は、可動膜を外向きに膨出させる(空隙部のクリアランスを拡大させる)方向へ作用させることから、前処理において極性分子が吸着した場合の可動膜を、前記静電引力によって引き寄せる(空隙部のクリアランスを縮小させる)方向へ変化させれば、可動膜の状態を復元させるように誘導させることが可能となる。
上記構成において、第1の導電膜は、前記可動膜の中央を含む一部領域、中央部付近を除く環状領域、または該可動膜が変位する範囲の全体領域のいずれかに形成され、また、第2の導電膜は、前記第1の導電膜に対向する領域に形成されているものとすることができる。
このような構成にあっては、可動膜の中央を含む一部領域に第1の導電膜を形成する場合には、可動膜に対する静電気力(静電引力)の作用を、当該可動膜の中央周辺に集中させることができ、中央部付近を除く環状領域に第1の導電膜を形成する場合には、中央部の周辺に静電気力(静電引力)を作用させて可動膜全体を変形させることができる。なお、可動膜が変位する範囲の全体領域に第1の導電膜を形成することによって、可動膜の変位可能な領域の全体に静電気力(静電引力)を作用させてもよく、前記のように第1の導電膜の形成範囲を部分的なものとする場合には、当該形成範囲に対向する位置に第2の導電膜も形成させることとなるものである。
また、上記各構成の発明においては、可動膜が、気体または液体に含まれる分子を固定する分子固定能を有する材料で形成されているものとすることができる。
上記構成によれば、特定のガス(例えは、可燃性ガスや環境に影響を与えるようなガス)および生体高分子などを測定することができる。ここで、可燃性ガスとしては、水素ガスやTNTまたはRDXなどの爆薬に含まれるガスなどを例示することができ、環境に影響を与えるガスとしては、二酸化炭素や二酸化窒素などを例示することができる。また、生体高分子としては、アミノ酸、核酸、多糖類などを含む高分子(例えば、抗体、デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)など)を例示することができる。さらに、分子固定能が抗体を固定する抗体固定能を有する場合には、可動膜の表面に予め抗体を固定し、この抗体に結合する特定のタンパク質(抗原)が前記抗体に結合する状態を検出・測定することも可能となる。
また、上記各発明における可動膜は、柔軟な基礎膜と、該基礎膜の表面に分子固定能を有する材料を積層した分子固定膜とを備え、前記第1の導電膜は、前記基礎膜と分子固定膜の中間に積層されている構成としてもよい。
上記構成の場合には、表面に分子固定膜が積層された構成であるから、性質の異なる分子固定膜から適宜選択すれば、検出・測定すべき対象物質に応じて、多種のセンサを構成することができる。分子固定膜としては、抗体を固定するためのものとして、日本パリレン合同会社製のパリレン(登録商標)Aまたはパリレン(登録商標)AMを例示することができ、同様に第三化成株式会社製diX(登録商標)AまたはAMなどがある。これらは、パラキシレン系ポリマーであり、ベンゼン環がCHを介して繋がっている構造体であり、末尾が「A」と表記されるものは、側鎖にアミノ基を有するものであり、末尾が「AM」と表記されるものは、側鎖にメチル基−アミノ基が直列に結合している構造体であるため、当該アミノ基に抗体を結合させることができるものである。
さらに、上記各発明において、前記第1の導電膜は、金属材料によって弾性変形可能に形成され、前記ファブリペロー干渉計の第1のハーフミラーとなるものであり、前記第2の導電膜は、金属材料によって形成され、同じファブリペロー干渉計の第2のハーフミラーとなるように構成することができる。
上記構成によれば、ファブリペロー干渉計を構成するための空隙部は、二つのハーフミラーの間に形成されることとなり、可動膜を透過した光の反射率を向上させ、ファブリペロー干渉計の内部で干渉する波長(干渉波長)の選択性を向上させることができるとともに、両ハーフミラー間に電圧を印加することにより、静電気力(静電引力)を作用させることができる。
また、上記各発明において、前記受光素子が、フォトダイオードであり、第2の導電膜には、前記フォトダイオードを構成する拡散層との間において蓄積状態となるような極性の電圧が印加されるように構成することが好ましい。
上記構成によれば、基板(例えばp型)に拡散層(例えばn型)を形成してなるフォトダイオードを使用する場合、第2の導電膜をマイナスの極性による電圧を印加することにより、この第2の導電膜と拡散層(n型)との間には空乏層が形成されず、蓄積状態とすることができる。これは、第2の導電膜と拡散層との間に空乏層が形成されると、この空乏層に吸収される光によって光電流が発生することを防ぐためである。すなわち、第2の導電膜と拡散層(n型)との間に空乏層が形成されないことにより、pn接合に形成される空乏層のみに吸収される光によって光電流を発生させることができるのである。これにより、フォトダイオードによって検出される光電流は、第2の導電膜に印加される電圧の影響を受けないものとなる。なお、当然のことであるが、基板がn型であれば、拡散層はp型となり、第2の導電膜に印加されるべき電圧の極性はプラスとなる。
さらに、上記各発明において、前記電源による印加電圧を可変とし、前記空隙部のクリアランスを調整可能とすることができる。
このような構成によれば、当該物理・化学センサにおける透過光強度の検出に際し、種々の前処理を行う必要がある場合、当該前処理の影響により可動膜が既に変形していることがあるとしても、その変形状態を適宜修正することが可能となる。すなわち、可動膜の変形の状態に応じて印加電圧を変化させることによって、両導電膜に作用させる静電気力(静電引力)の大きさを調整し、空隙部のクリアランスを所望状態に誘導させることができるのである。例えば、予め抗体を吸着させ、さらにブロッキング処理を行うような場合において、当該抗体やブロッキング剤の種類や量によって可動膜の変形の程度が異なることがあるとしても、抗原の吸着を検出できる範囲の可動膜の可動領域を確保することができるのである。特に、光の干渉スペクトルのうち、勾配が最も大きいところ(Qポイント(Quadrature Point))において感度が最大となることから、前記可動膜を任意に変形することによって、最大感度が得られる状態に可動膜の位置を調整することができる。これは、物理・化学センサの作製過程における可動膜位置のバラツキを調整することができるという意味においても有効である。
そして、センサアレイに係る本発明は、上記各構成の物理・化学センサを使用するものであって、前記物理・化学センサを同一基板上に複数形成してなることを特徴とする。
上記構成によれば、複数の物理・化学センサによって、同一検体について異なる物質のセンシングを可能にする。すなわち、個々のセンサを構成する可動膜の分子固定能条件を異ならせることにより、同一検体に含有される物質について、複数の異なる種類についてセンシングすることができるのである。可動膜の分子固定能条件を異ならせるとは、可動膜により固定(特異吸着)できる特定物質が異なる場合のほか、特定の抗原と特異吸着する特定の抗体を選定し、予め異なる抗体を可動膜に固定させる場合がある。また、個々のセンサから出力される信号の処理には、CMOSイメージセンサの技術を利用することが可能であり、高密度に集積化されたバイオセンサの実現も可能となる。
また、センシングデバイスに係る本発明は、前記物理・化学センサを使用するものであって、基板上に複数の前記物理・化学センサを配置し、その一部を参照用とし、残りの一部または全部を検出用とし、該物理・化学センサの全部または一部について、前記電源による電圧を印加することにより、可動膜を所定方向へ誘導可能とすることを特徴とする。
上記構成によれば、参照用のセンサを特定物質の検出用のセンサと同じ構造とすることができる。この場合、検出用のセンサには、例えば、特定の抗原と抗原抗体反応を生じさせる抗体を固定し、また、さらにはブロッキング処理を行い、参照用のセンサには当該抗体を固定せず、ブロッキング処理のみを行うことにより、参照センサの側では抗原の吸着現象を生じさせないようにすることができる。そこで、同一の検体を両センサに供給することによって、検出用センサにおいてのみ抗原の吸着による可動膜の変化が生ずることとなる。このとき、検出用センサと参照用センサとは、ファブリペロー干渉計を構成する空隙部のクリアランスが同じ程度となるように、それぞれの二つの導電膜に対する印加電圧を調整することにより、両センサの比較をより好適なものとすることができる。これにより、両センサの受光素子によって検出される光の強度の変化を比較することが可能となり、特に、色素を有する検体のように、検体そのものが光の透過率を減少させるような性質を有する場合の検査には、同様の条件下において、検出される光の強度変化を対比し、特定物質の固定による光透過率の変化として検出することが可能となる。
本発明の物理・化学センサによれば、例えば、抗体やブロッキング剤などを予め可動膜に吸着させる前処理が必要な場合であっても、当該前処理による可動膜の変形を復元方向に誘導することができる。これにより、可動膜の変形し得る範囲が確保され、検知すべき分子の吸着による可動膜の変形状態を中心とする検出が可能となる。
そして、上記物理・化学センサを使用するセンサアレイでは、高度に集積化されたバイオセンサを構成することができることとなり、また、当該センサを使用するセンシングデバイスでは、検出用センサと参照用センサの双方における可動膜の可動範囲が同程度となるため、測定された光の強度変化を修正することなく対比することにより、対象物質の状態を検出することができる。
(a)は物理・化学センサに係る本発明の第1の実施形態を示す模式図であり、(b)は物理・化学センサに係る本発明の第2の実施形態を示す模式図である。 可動膜の変形状態を示す説明図である。 物理・化学センサの製造方法の前半を示す説明図である。 物理・化学センサの製造方法の後半を示す説明図である。 物理・化学現象センシングデバイスの実施形態を示す模式図である。 物理・化学現象センシングデバイスの実施形態における検出用センサの可動膜の状態を示す説明図である。 物理・化学現象センシングデバイスの実施形態における検出用センサの可動膜の状態を示す説明図である。 物理・化学センサに係る第2の実施形態における透過スペクトルを示すグラフである。 実験用として作製したセンサの模式図である。 (a)は印加電圧の変化と反射スペクトルの変化を示すグラフであり、(b)は空隙部の間隙と反射スペクトルの変化を示すグラフである。 印加電圧の増減による可動膜の位置の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、物理・化学センサに係る本発明の実施形態を示す図である。図1(a)に第1の実施形態を示し、図1(b)に第2の実施形態を示す。この図1(a)および(b)に示されているように、本実施形態は、基本的な構成として、受光素子1の受光面11から適宜な間隔を有して可動膜2が設けられ、受光素子1と可動膜2との間に空隙部3を形成することによって、ファブリペロー干渉計が形成されている。このファブリペロー干渉計に向かって光源Lから光を照射することにより、透過光を受けて受光素子1が光電流に変換するものである。なお、空隙部3の形成方法については、詳細は後述するが、簡潔に示せば、受光素子1の受光面11に犠牲層を形成し、この犠牲層表面に可動膜2を積層した後、当該犠牲層を除去するのである。そのため、犠牲層の除去に必要な開口部が、可動膜2の一部に形成され、当該開口部は、その後、閉塞部材によって閉塞されるものである。
ここで、本実施形態は、可動膜2の一部に第1の導電膜4が積層され、受光素子1の受光面11の表面に、絶縁層12を介して第2の導電膜5が積層されるものである。第1の実施形態(図1(a))では、第1の導電膜4が、可動膜2の裏面側に積層されたものであり、第2の実施形態(図1(b))では、可動膜3の表面に積層したうえ、さらに、その表面に分子固定膜6を積層した構成としている。これらの導電膜4,5は、導電性材料によって成膜されれば、その材質を問うものではないが、第1の導電膜1は、可動膜2とともに変形することを考慮し、弾性変形可能な材料によって成膜されることが好ましい。例えば、金属製材料により成膜されれば、可動膜2の変形に応じた弾性変形が可能であり、導電性を有することから電圧印加による静電気力(静電引力)を作用させることが可能となる。また、第2の実施形態(図1(b))は、導電膜4の表面に分子固定膜6を積層するが、金属材料が分子固定能を有する場合には、分子固定膜6の積層は不要となる。例えば、タンパク質以外の物質(水素ガス等)についての固定能を有する貴金属(金、白金、パラジウム等)を使用する場合は、導電膜4を可動膜2の表面に積層した状態で使用することも可能である。
さらに、可動膜2の側に積層された第1の導電膜4と、受光素子1の受光面11の側に積層された導電膜5との間には、静電気力(静電引力)を生じさせるために、所定の電圧を印加させるために、それぞれ配線41,51が接続され、一方の配線51には、電源7が接続されている。この電源7は、電圧可変型の可変電源であり、印加される電圧を変化させることにより、両導電膜4,5の間の静電気力(静電引力)を調整することができる。これにより、可動膜2の変形状態に応じて所望の静電気力(静電引力)を当該可動膜2に作用させ、空隙部3の間隙(クリアランス)を好適な状態とすることができるものである。
なお、本実施形態の物理・化学センサは、可動膜2を透過する光の強度変化によって、当該可動膜2の撓みの状態を検知するものであるから、導電膜4,5は、少なくとも特定波長の光を透過させるものとする。また、金属材料により導電膜4,5を形成する場合には、ハーフミラーとして機能させることができる。
ところで、可動膜2の少なくとも外側表面は分子固定能を有するものとしており、この外側表面に特定物質を固定させることで、特定物質の分子間力により可動膜2を変形させることができるようにしている。分子固定能を有するものとしては、パリレン(登録商標)AまたはAMがある。これらは、側鎖にアミノ基を有することから、このアミノ基に抗体を結合させる(分子を固定させる)機能を備えるものである。
このように、可動膜2の変形状態を任意に調整できることにより、特定物質を選択しつつ、その固定状態を検出することが可能となるのである。その状態を図2に示す。なお、図2には、前記第2の実施形態によるセンサを例示するものである。
すなわち、図2(a)に示すように、可動膜2の表面側に積層される分子固定膜6に物質が固定(吸着)することによって、固定(吸着)した物質の分子間力により、可動膜2が外向きに膨出するように変形することとなる。これは、例えば、医療分野において、特定のたんぱく質(抗原)を検出するために使用する場合、予め抗体分子ABを可動膜2に固定し、また、非特異吸着を防ぐためのブロッキング処理を行うことが必要となり、これら抗体分子ABやブロッキング剤BKなどの極性分子の吸着によっても可動膜2が変形するものである。この状態で、抗体分子ABに抗原が結合した場合、さらに抗原によって可動膜2は変形することとなるが、その変形の差分に基づいて抗原の検出を行うこととなる。しかし、その差分が小さければ検出の精度が損なわれる可能性があるため、可動膜2の変形状態を元の状態に戻すことにより、抗原の結合によって可動膜2が大きく変形できるようにするのである。
そこで、図2(b)に示すように、両導電膜4,5の間に電圧を印加させることにより、静電気力(静電引力)を作用させ、膨出するように変形した可動膜2を復元させるのである。すなわち、受光素子1の受光面11の側に成膜されている第2の導電膜(固定側)5に対し、可動膜2に成膜されている第1の導電膜(移動側)4を静電引力によって引き寄せ、結果的に、移動側の導電膜4のみを受光素子1の方向へ変形させるのである。これにより、受光素子1の受光面11と可動膜2との間に形成される空隙部3の間隔(クリアランス)を縮小させることができる。
このように、極性分子AB,BKが検知すべきタンパク質(抗原)の分子以上に大きな分子間力を発生させる場合があるとしても、特定タンパク質(抗原)等の吸着による可動膜2の変化による空隙部3の変化を検出することが可能となる。
すなわち、図2(c)に示すように、抗原AGが抗体ABに結合するとき、この抗原AGの固定により分子間力が作用し、再び可動膜2は膨出方向へ大きく変形することから、このときの可動膜2の変形による光の透過の状態を検出することにより、抗原AGの吸着状態を精度良く検出することができる。
従って、抗原AGのような特定たんぱく質を検出する場合には、その前工程として、抗体分子ABの吸着またはブロッキング処理を行う必要があるとしても、当該抗体分子ABおよびブロッキング剤BKの固定により、変形(膨出)した可動膜2を所定の状態(変形前と同程度)に復元させることが可能となり、特定の物質(抗原AG等)を選択して、その固定状態を検出することができるのである。
ところで、導電膜4,5は、成膜手法の簡便さからは、受光素子1の受光面11の全体、および可動膜2の全面に積層させることとなるが、前工程により変更した可動膜2を復元させるために静電引力を作用させる目的に特化すれば、受光面11および可動膜2の一部に成膜するような構成もあり得る。このとき、導電膜4,5によってハーフミラーを形成する場合には、空隙部3における透過光の反射率を向上させ、ファブリペロー干渉計の内部で干渉する波長(干渉波長)の選択性を向上させることができるという目的を達成するため、光が照射される可動膜2の中央を含む適宜範囲を中心とする領域、およびこの領域に対向する受光面11の一部領域に、それぞれ導電膜を形成することとなる。
なお、可動膜2に形成される導電膜4が、光(特定波長帯域の光)を透過できない場合には、光が透過される領域(可動膜2の中央近傍)を除く領域(例えば、環状領域)に導電膜4を形成してもよい。この場合、静電引力を作用させるために、受光面11においても中央近傍を除く領域(例えば、環状領域)に導電膜5を形成することが好ましい。
また、第2の実施形態(図1(b))のように、可動膜2の表面側に導電膜4を積層する構成の場合には、可動膜2が、その基礎部分を基礎膜21と、導電膜4の表面に積層される分子固定膜6とで構成するように概念してもよい。すなわち、導電膜4は、可動膜2の基礎膜21と分子固定膜6の間に積層された構成とするものである。基礎膜21は、分子間力の作用により変形可能となるように、柔軟な材料によって構成されるものであり、分子固定膜6は、当然に分子間力による変形に耐え得るものであるが、専ら分子固定能を発揮させるために、当該分子固定能を有する材料が使用される。ここで、導電膜4は、基礎膜21と分子固定膜6との間に積層されるため、結果的には、積層された3層の各膜21,4,6が一体化して可動膜2が形成されるように構成されるものである。なお、導電膜4が金属材料によって適宜膜厚に成膜される場合、当該金属材料に伴う弾性変形が可能であり、可動膜2の変形後における導電膜4の状態の復元も可能となる。なお、基礎膜としては、パリレン(登録商標)Cなどがあり、分子固定膜としては、パリレン(登録商標)AまたはAMがあり得る。導電膜としては、金や銀などを使用することができる。
ここで、前記第1および第2の実施形態に係る物理・化学センサの各製造方法について簡単に説明する。前記二つの実施形態は、第1の導電膜4の積層の状態を除いて同様であるため、第2の実施形態に係る物理・化学センサの製造方法を中心に説明し、第1の実施形態の異なる点を適宜説明する。
図3および図4は、第2の実施形態に係る物理・化学センサの製造過程を示すものである。まず、図3(a)に示すように、所定の半導体プロセスにより、予め基板にフォトダイオード等の受光素子10を構築し、その表面に絶縁層12を形成する。このとき、使用する基板がシリコン基板であり、構築される受光素子10がフォトダイオードである場合には、受光素子10の表面には、保護のためのシリコン酸化膜が形成されている。このシリコン酸化膜を絶縁層12として使用してもよい。絶縁層12は、後工程の導電膜と受光素子との間を絶縁するためのものであり、図示のように受光素子10の表面全体に形成してもよいが、絶縁すべき領域のみに形成してもよい。
続いて、第2の導電膜5を受光素子10の側に積層する。図3(b)に示すように、受光素子10の受光面11に対して、導電材料をスパッタ法または蒸着法などにより堆積させ、導電膜5を形成するのである。導電材料としては、導電膜5をハーフミラーとして機能させるため、金、銀または銅などを使用することができるが、これに限定されるものではない。また、導電膜5を形成する範囲としては、受光面11の全体に積層する場合のほか、中心部分の一部または環状に積層する場合があり得る。これは、前述の可動膜2に積層される第1の導電膜4の範囲に対応させるものである。
次に、図3(c)に示すように、ファブリペロー干渉計を形成させるべき範囲に犠牲層8を積層するのである。犠牲層8は、後工程によって除去されるため、除去が可能な材料が積層される。例えば、ポリシリコンを使用することができる。ポリシリコンを使用する場合には、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、所定範囲にポリシリコンを堆積し、フォトリソグラフィ技術によりパターニングされ、必要とする範囲を残しつつ、不要な部分を除去することができる。このとき、除去した部分81,82は、後述の可動膜2の一部を侵入させるために、犠牲層8と周辺部83,84との間に、所定の間隙を形成させたものである。
この後、図4(a)に示すように、犠牲層8の表面を除く範囲にシリコン酸化膜9を積層し、犠牲層8をエッチングによって除去する際のエッチングガスから保護させるものである。このシリコン酸化膜9は、前記犠牲層8および周辺部83,84の側面にも形成されるものであり、当該犠牲層8の表面を除く部分の全体を保護するようにしている。このシリコン酸化膜9の積層によって、犠牲層8の周辺に形成される間隙部81,82は維持され、可動膜2の一部が侵入できるようになっている。
さらに、図4(b)に示すように、犠牲層8の表面に、一部20a,20bを除いて基礎膜21を積層するのである。基礎膜21は、可動膜2の一部を構成するものであり、変形可能な材料によって構成される。例えば、パリレン(登録商標)Nまたはパリレン(登録商標)Cなどを使用することができる。これらの材料を使用する場合には、蒸着法により表面全体に堆積させることができる。この基礎膜21は、犠牲層8の周辺に形成される間隙部81,82にも積層され、可動膜2の固定部として機能させるようにしている。また、基礎膜21が形成されない一部20a,20bは、フォトリソグラフィ技術、および酸素プラズマによるパターニングの後、当該部分を除去して形成されるものである。
前記により基礎膜21を形成しない一部20a,20bを利用して、犠牲層8をエッチングによって除去することができる。犠牲層8のエッチングは、ドライエッチングによることができ、エッチングガスを前記一部20a,20bを介して犠牲層8に作用させることで、犠牲層8の部分を除去し、受光素子1の受光面11と基礎膜21との間に空隙部3を形成することができる(図4(c)参照)。
さらに、図4(c)に示すように、基礎膜21の表面に第1の導電膜4を成膜するのである。この第1の導電膜4の成膜も、第2の導電膜5と同様に、導電材料をスパッタ法または蒸着法などにより堆積させて導電膜とするものである。導電材料は、金、銀または銅などを使用することにより、ハーフミラーとして機能させることができる。
なお、二つの導電膜4,5には、電圧印加のための配線41,51が接続されるものであり、第1の導電膜4については、その表面に配線41が接続され、第2の導電膜5については、絶縁材料を被覆するなど第1の導電膜4と短絡しない状態で配線51が接続される。図は、短絡しない状態であることを示すため、便宜的にエッチングホールを通過させた状態で示している。また、基礎膜21の表面に導電膜4が積層された状態で基礎膜21が可動膜2として機能するものであるが、導電膜4の表面にさらに分子固定膜を積層して可動膜2を形成してもよく、これが第2の実施形態のセンサとなるものである。さらには、基礎膜21に代えて、分子固定能を有する可動膜2を一層で構成し、その裏面側に導電膜4を積層してもよく、これが第1の実施形態のセンサとなるものである。この第1の実施形態の場合には、導電膜4と基礎膜21との積層の順序が逆転することとなる。すなわち、犠牲層8の表面に第1の導電膜4を積層した後、さらに導電膜4を含む犠牲層4および周辺部に可動膜2を積層したうえで、犠牲層8をエッチングによって除去するのである。いずれの場合も、犠牲層8を除去した後は、基礎膜21を形成しない部分20a,20bは、閉塞部材によって閉塞される。この閉塞部材には、例えば、フィルムレジストラミネートなどを使用することができる。
以上のように、物理・化学センサに係る実施形態によれば、受光素子1と可動膜2との間に空隙部3が形成されたファブリペロー干渉計が形成され、可動膜2が変形することにより、異なる波長の光が干渉することとなるから、特定波長の透過率が変化することとなる。これにより、特定波長の透過光強度の変化を光電流として測定することにより、当該可動膜2の変形状態を検出することができる。このとき、可動膜2の変形は物質の固定による分子間力によるものであるが、特定物質の吸着(固定)を誘引させるための前処理として、ある物質を吸着させる場合に、可動膜2が既に変形した状態を静電気力(静電引力)によって復元させることが可能となるのである。この可動膜2の復元により、さらに、特定物質が吸着(固定)した際の可動膜2の変形状態を精度良く検出することができるのである。
特に、抗原抗体反応により、特定の抗原AGの存在を検出すべき場合は、予め可動膜2に抗体ABを固定しておき、この抗体ABに抗原AGが吸着することによる可動膜2の変形を観察することとなる。その場合、前工程である抗体ABの固定と、ブロッキング処理によるブロッキング剤BKの吸着によって、可動膜2が大きく変形したとしても、その変形を復元させることができることから、抗原AGのみによる可動膜2の変形状態を観察することが可能となる。なお、前工程による可動膜2の変形状態は、当該前工程の内容によって異なる場合があるため、可変電源7によって、導電膜4,5に印加する電圧を可変とすることによって、可動膜2の復元状態を調整することができるものである。
さらに、導電膜4,5を金属材料により構成することによって、ハーフミラーとして機能させれば、受光面11と可動膜2との間で当該可動膜2を透過した光の反射率が向上し、ファブリペロー干渉計の内部における干渉波長の選択性が向上することとなる。これにより、干渉波長の半値幅が狭くなり、信号伝達効率を向上させることができるのである。
次に、前記物理・化学センサを使用するセンサアレイについて説明する。センサアレイは、同一基板上に複数のファブリペロー干渉計を有するセンサを複数構成したものである。複数のセンサを構成したセンサアレイの用途としては、同時に異なる吸着物質の存在を検出することができることである。その他に、一部のセンサを参照用として機能させるものでもよい。このように、センサアレイを構成する一部のセンサを参照用とし、残りの一部または全部のセンサを検出用とする場合、参照用センサと検出用センサとの光の透過強度の比較により、特定物質の吸着に起因する可動膜2の変形に基づいた光の透過強度の変化を検出することができるセンシングデバイスを構成することができるのである。
そこで、この種のセンシングデバイスの実施形態について以下に説明する。図5ないし図7は、センシングデバイスの一実施形態と、その作動態様を示す図である。
この図5に示されているように、同一基板上に2個のセンサ100,200を形成し、一方のセンサ100を検出用とし、他方のセンサ200を参照用とするものである。検出用センサ100および参照用センサ200は、ともに前記センサにかかる第1の実施形態と同様の構成である。また、検出用センサ100には、導電膜104,105に電圧を印加するための配線141,151および可変電源107が備えられているが、参照用センサ200にはこれらを備えない構成としている。
このように構成したセンシングデバイスでは、検出用センサ100にのみ特定物質を有する(または有することが想定される)試料を供給し、そのときの光の透過強度を比較することにより、可動膜102の変形の状態を検出することができる。また、参照用センサ200にブロッキング効果を有する材料のみを吸着させたうえで、両センサ100,200に特定物質を有する(または有することが想定される)試料を供給し、光の透過強度を比較することにより、検出用センサ100の可動膜102の変形による透過強度の変化を確認することができる。
例えば、体液や血液などに含まれる抗原AGを検出する場合には、予め前工程により、可動膜102に抗体ABを吸着させた後にブロッキング剤BKなどを吸着させ、他方、参照用センサ200の可動膜202には、ブロッキング剤BKのみを吸着させるのである。このとき、検出用センサ100の可動膜102は、抗体AB等の吸着により比較的大きく変形することとなるが、参照用センサ200の可動膜202は、ブロッキング剤BKの吸着のみであるため、その変形は軽微となる。なお、図5では、参照用センサ200の可動膜202の軽微な変形について、変形していないものとして示している。
前記の状態において、検出用センサ100については、図6に示すように、可変電源107により調整された電圧を両導電膜104,105に印加することにより、可動膜102の変形を参照用センサ200の可動膜202と同じ程度に調整するのである。これにより、両センサ100,200の可動膜102,202の変形状態は同じ程度となり、後に抗原等が吸着した際の両者の比較が明確となるのである。なお、例えば、分子固定能を有しない材料によって参照センサ200の可動膜を形成できる場合には、前記ブロッキング剤の吸着が不要となり、参照用センサは常に当初の状態(可動膜202が変化しない状態)となるため、検出用センサ100の可動膜102の状態を参照用センサ200の可動膜202の状態に合わせることにより、可動膜102の位置を復元させることができることとなる。また、参照用センサ200における第1および第2の導電膜に電圧を印加させる構成とする場合には、可動膜202にブロッキング剤等を吸着させた際の可動膜202の変形状態を調整することも可能となる。
特定物質の検出に際しては、前述のように、検出用センサ100の可動膜102の変形状態を調整したうえで、試料を両センサ100,200に供給するのである。前掲の例示に基づいて示せば、図7に示すように、抗原AGが供給されると、抗体ABに吸着され、検出用センサ100の可動膜102は再び変形することとなるが、参照用センサ200の可動膜202では、抗原が吸着することがなく、当該可動膜202は変形しないこととなる。このときの両センサ100,200による光の透過強度を比較することにより、抗原AGによる可動膜102の変形状態を測定することができるものとなる。なお、参照用センサ200との比較を行うことは、例えば、血液などのように色彩を有する試料を供給する場合、光の透過強度の増減が、可動膜102の変形に起因するものか、色彩に起因するものかを明確に判断するためである。
また、参照用センサ200は、前工程を必要とする場合における可動膜102の初期値を設定するために使用するものであってもよい。すなわち、前工程により抗体AB等が吸着して可動膜102が変形したとしても、その変形の程度は、抗体ABの種類や量によって異なることが予想されるところ、その変形の程度に応じて、復元のための静電気力(静電引力)の程度を調整するのである。例えば、参照用センサ200には前処理(ブロッキング処理など)を一切行わないものとすれば、当該参照用センサ200の可動膜202は変形しないものであるから、当該参照用センサ200における光の透過強度を基準(初期値)として、前処理後の検出用センサ100における光の透過強度が同じ程度となるように、可動膜102を復元させることにより、測定すべき抗原AGに起因する可動膜102の変形状態を検出させることができるのである。この種の参照用センサ200とともに、前記のようなブロッキング処理のみを行う参照用センサ200を備えることにより、初期値設定可能なセンシングデバイスを構成してもよい。
次に、前記構成のファブリペロー干渉計による透過スペクトル、導電膜に対する電圧印加の状態について実験した内容を説明する。
〔透過スペクトル〕
物理・化学センサに係る第2の実施形態による透過スペクトルについて、シミュレーションした。ここでは、受光素子としてフォトダイオードを使用し、受光面には、シリコン酸化膜を膜厚50nmで積層し、その表面にさらに第2の導電膜として銀を膜厚30nmで積層したものとした。さらに、空隙部の間隙を400nmとし、可動膜は、基礎膜としてパリレン(登録商標)Cを450nm、第1の導電膜として銀を30nm、分子固定膜としてdiX(登録商標)AMを100nmの膜厚で各層を積層した構成とした。
このときの透過スペクトルの状態を図8に示す。この結果、干渉のピークは、パリレン(登録商標)Cの膜厚と、空隙部の間隙によって決定される。すなわち、第1および第2の導電膜(ハーフミラー)の間の光路長によって決定され、絶縁のためのシリコン酸化膜および分子固定膜の膜厚には依存しないものである。従って、可動膜(基礎膜)が膨出して空隙部の間隙が広くなれば干渉ピーク波長は変化し、また、第1の導電膜を引き寄せれば、干渉ピーク波長は元に戻ることとなる。
〔印加電圧と空隙部の関係〕
次に、導電膜に電圧を印加したときの可動膜の変化により、空隙部の間隙の変化状態を実験した。実験用のファブリペロー干渉計を図9に示す。この実験用干渉計は、可動膜としてパリレン(登録商標)Cを膜厚450nmとし、その表面に第1の導電膜として銀を30nmの膜厚で積層した。また、第1の導電膜をグラウンド接続し、第2の導電膜に代えて、シリコン基板中のn+拡散層を使用し、この拡散層に電圧を印加した。印加電圧を0V(印加なし)から5V、7V、9Vおよび10Vへ増加させたときの反射スペクトルを測定した。その結果を図10(a)に示す。また、空隙部の間隙が0nm(プルイン状態)、100nm、200nmおよび300nmとしたときの反射スペクトルをシミュレーションした。その結果を図10(b)に示す。
図10(a)に示されるように、印加電圧を増加させることにより、反射スペクトルの干渉ピークは短波長側にシフトする。これは、空隙部が基板側に接近していることを意味するものである。また、9Vまでの印加電圧の増加によるシフトの状態に比較して、9Vから10Vへ増加したときのシフトの状態が著しいことから、可動膜が基板にプルインしたものと判断できる。これを図10(b)と比較すれば、9Vの印加電圧の際に空隙部の間隙は約100nmであり、その変位の程度は約200nmと判断される。
〔静電引力による可動膜の挙動〕
次に、パリレン(登録商標)による可動膜と、導電膜との弾性変形能について実験した。実験に使用した装置は、前述の図9に示したものと同様である。この装置を使用し、印加電圧を増加させたとき、および減少させたときの両方について、可動膜の位置を計測した。その結果を図11に示す。なお、図中の縦軸(Valley position of reflection spectrum)は、図10に示した反射スペクトルにおける谷の位置であり、谷の位置の短波長側へのシフトから膜が基板側に接近していることを示唆するものである。プルイン時において波長480nmの位置に谷がシフトしていることが観察されている。
この図から明らかなとおり、印加電圧が0V(印加なし)から電圧を増加させると、9Vから10Vに増加したとき、プルイン状態となることが判る。その後、印加電圧を減少させる場合、7Vまではプルイン状態が維持されるが、7Vから6Vに低下させるとき、リリースされる。さらに、0V(印加なし)まで低下させた場合、可動膜は同じ位置まで復元していることが判る。
この実験から、可動膜に積層した導電膜による静電引力の作用は、典型的な平行平板の静電アクチュエータの挙動を示すものであった。また、電圧減少時における非線形特性も静電アクチュエータ固有の現象であった。さらに、0V(印加なし)まで減少させたときの復元位置は、当初の位置であることから、可動膜として使用するパリレン(登録商標)Cは、弾性変形範囲で動作していることが確認された。また、導電膜として使用する銀についても同様に弾性変形の範囲で動作していることが確認された。
1 受光素子
2,102,202 可動膜
3 空隙部
4,104,204 第1の導電膜(ハーフミラー)
5,105,205 第2の導電膜(ハーフミラー)
6 分子固定膜
7,107 可変電源
8 犠牲層
9 シリコン酸化膜
10 基板
11 受光面
12 絶縁層
21 基礎膜
41,51,141,151 配線
100 検出用センサ
200 参照用センサ
AB 抗体
AG 抗原
BK ブロッキング剤
L 光源

Claims (10)

  1. 受光素子の受光面に、空隙部を形成しつつ該受光面に対向して設けられた可動膜を備え、該可動膜は、少なくとも外側表面に分子固定能を有し、前記受光面とともにファブリペロー干渉計を形成するように構成された物理・化学センサにおいて、
    前記可動膜の表面もしくは裏面または中間層に導電性を有する材料によって形成される第1の導電膜と、前記受光面の表面に絶縁層を介して導電性を有する材料によって形成される第2の導電膜とを備え、前記第1および第2の導電膜は適宜電圧の印加を受ける電源に接続されていることを特徴とする物理・化学センサ。
  2. 前記第1の導電膜は、前記可動膜の中央を含む一部領域、中央部付近を除く環状領域、または該可動膜が変位する範囲の全体領域のいずれかに形成され、前記第2の導電膜は、前記第1の導電膜に対向する領域に形成されている請求項1に記載の物理・化学センサ。
  3. 前記可動膜は、気体または液体に含まれる分子を固定する分子固定能を有する材料で形成され、前記第1の導電膜は、前記可動膜の裏面側に形成されている請求項1または2に記載の物理・化学センサ。
  4. 前記可動膜は、柔軟な基礎膜と、該基礎膜の表面に分子固定能を有する材料を積層した分子固定膜とを備え、前記第1の導電膜は、前記基礎膜と分子固定膜の中間に積層されている請求項1ないし3のいずれかに記載の物理・化学センサ。
  5. 前記第1の導電膜は、金属材料によって弾性変形可能に形成され、前記ファブリペロー干渉計の第1のハーフミラーを構成するものであり、前記第2の導電膜は、金属材料によって形成され、前記ファブリペロー干渉計の第2のハーフミラーを構成するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の物理・化学センサ。
  6. 前記受光素子は、フォトダイオードであり、第2の導電膜は、前記フォトダイオードを構成する拡散層との間において蓄積状態となるような極性の電圧が印加されるものである請求項1ないし5のいずれかに記載の物理・化学センサ。
  7. 前記電源による印加電圧を可変とし、前記空隙部のクリアランスを調整可能とした請求項1ないし6のいずれかに記載の物理・化学センサ。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の物理・化学センサを使用するセンサアレイであって、前記物理・化学センサを同一基板上に複数形成してなることを特徴とする物理・化学センサアレイ。
  9. 請求項1ないし7に記載の物理・化学センサを使用するセンシングデバイスであって、
    基板上に複数の前記物理・化学センサを配置し、その一部を参照用とし、残りの一部または全部を検出用とし、該物理・化学センサの全部または一部について、前記電源による電圧を印加することにより、可動膜を所定方向へ誘導可能とすることを特徴とする物理・化学現象センシングデバイス。
  10. 請求項7に記載の物理・化学センサを使用するセンシングデバイスであって、
    基板上に複数の前記物理・化学センサを配置し、その一部を参照用とし、残りの一部または全部を検出用とし、該物理・化学センサごとに、前記電源による印加電圧を調整することにより、各物理・化学センサの空隙部の初期値を設定可能とすることを特徴とする物理・化学現象センシングデバイス。
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