JPWO2016135870A1 - 光ファイバセンサ及びそれを用いた計測装置 - Google Patents

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Abstract

光源部10から照射される光を受光部20に伝搬するコア41a,46aと、コア41a,46a,の外周に形成されたクラッド41b,46bとから構成される光ファイバ41,46と、光ファイバ41,46の光軸上に配置された磁性体44と、磁性体44の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列43と、磁性体44の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列45とを備える。これにより、受光感度の低下を抑制しつつ磁場検出感度を向上することができる光ファイバセンサ及びそれを用いた計測装置を提供することができる。

Description

本発明は、電気・電子機器に係る電流や磁場の評価に用いる光ファイバセンサ及びそれを用いた計測装置に関する。
電気・電子機器の動作の把握には、各機能を構成する素子に関する電圧や電流などの電気的な状態を観測する必要がある。例えば、電気エネルギーを機械運動に変換する電気機器の一つである電気モータでは、発生トルクと電流とが密接に関係しており、このような電気機器の動作確認や制御を行うためには、電流計測が必要不可欠である。このような電気・電子機器の電気的な状態の評価方法としては、動作中の電圧・電流波形の類似度、振幅の差異、位相の差異、動作状態に対応する周波数成分パターンを利用するものがある。
例えば、電流計測では、電気抵抗を利用する方式と、磁場を利用する方式が一般に広く知られている。電気抵抗を利用する方式では、抵抗値が既知の抵抗に電流を流した場合に両端に生じる電圧値を測定し、その電圧値からオームの法則に基づいて電流値を算出する。しかしながら、大電流を測定する場合には、電流の通電によって抵抗素子に生じるジュール熱が大きくなり、温度上昇による抵抗値の上昇も大きくなる。したがって、電流値が数アンペアになるような電気機器や、長時間動作している電子機器では、電圧値を電流値に換算する際の誤差が大きくなることが懸念される。一方で、磁場を利用する方式は、電流が生じたときに生成される磁場を測定し、アンペールの法則に基づいて電流に換算するものであり、電気抵抗を利用する方式のようなジュール熱による懸念は生じないという特徴がある。磁場の測定には、コイル、ホール素子などの磁気センサが一般的に用いられており、コイルは交流(高周波)磁場成分、ホール素子は直流(低周波)磁場成分が主な適用範囲となっている。また、磁気光学効果と呼ばれる光と磁気の相互作用を利用した磁場の測定は、直流磁場成分と交流磁場成分の両方に適用することができる。
磁気光学効果は、磁性材料に光を照射した場合に、その磁性材料の磁化状態によって照射した光の偏光角が回転する現象であり、対象の磁化材料における反射光に関するものがカー効果、透過光に関するものがファラデー効果としてよく知られている。このうち、ファラデー効果を利用して磁場の強さを測定する方法としては、測定対象の電流ラインにより生じる磁場を光ファイバに作用させ、光ファイバを通る光の偏向角の回転量を計測することによって磁場の強さを測定するものがある。
このような磁気光学効果を利用した磁場の測定について、例えば、特許文献1(特開2001−281470号公報)には、強磁性体の粒子を含むことを特徴とする光ファイバに関する技術が開示されている。
特開2001−281470号公報
測定対象の電流ラインにより生じる磁場を光ファイバに作用させ、光ファイバを通る光の偏向角の回転量を計測することによって磁場の強さ及び電流量を測定する場合、磁場に対する偏向角の回転量、すなわち、磁場に対する感度は、光の磁化材料に対する通過距離やベルデ定数などによって定まる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術のように、ベルデ定数の高い磁性体を光ファイバに拡散させて、磁場の強さに対する偏光角、すなわち磁場に対する感度を向上しようとする場合には、磁性体粒子が光ファイバ中を透過する光の強度を減衰させてしまうため、光ファイバの透過光強度が小さくなって受光感度が低下してしまうという問題点がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、受光感度の低下を抑制しつつ磁場検出感度を向上することができる光ファイバセンサ及びそれを用いた計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光源から照射される光を検出器に伝搬するコアと、前記コアの外周に形成されたクラッドとから構成される光ファイバと、前記光ファイバの光軸上に配置された磁性体と、前記磁性体の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列と、前記磁性体の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列とを備えたものとする。
本発明によれば、受光感度の低下を抑制しつつ磁場検出感度を向上することができる。
第1の実施の形態に係る計測装置の全体構成を模式的に示す機能ブロック図である。 光ファイバセンサの光軸を通る平面における断面図である。 磁性体に作用する磁場と磁性体を透過する光の偏向角の関係を模式的示す図である。 光ファイバセンサに電流に起因する磁場が作用して透過する光の偏向角が変化する様子を模式的示す図である。 磁性体を透過する光の偏光角の回転量と磁性体に作用する磁場強度の関係を示す図である。 磁性体の光軸方向の厚みと偏光角の関係を示す図である。 磁性体のみの構成に入射光を入射し、透過光を得る場合を本実施の形態の比較例として示す図である。 第1の実施の形態における光ファイバセンサの検知部での光の行程について説明する図である。 第1の実施の形態の検知部の一構造例として形成した磁性フォトニック結晶膜における入射光の波長と反射率及び偏光角との関係を示す図である。 第1の実施の形態の光ファイバセンサにおける透過光の偏光角の回転量と、検知部に作用する磁場強度の関係を示す図である。 換算部で算出した電流の波形が表示部に表示される場合の一例を示す図である。 磁性体に用いる材料と磁場強度の変化に対する応答特性の関係を示す図である。 一変形例に係る発光部と受光部の構成を模式的に示す機能ブロック図である。 他の変形例に係る発光部と受光部の構造を模式的に示す機能ブロック図である。 第2の実施の形態に係る計測装置の全体構成を模式的に示す機能ブロック図である。 光ファイバセンサの光軸を通る平面における断面図である。 第2の実施の形態の検知部の一構造例として形成した磁性フォトニック結晶膜における入射光の波長と反射率及び偏光角との関係を示す図である。 光ファイバセンサによって2箇所の電流を計測し表示した例を示す図である。 第3の実施の形態の三相電動機と計測装置の配置を概略的に示す図である。 三相電動機の電流波形を3箇所の光ファイバセンサで、3波長の光を用いて測定した電流波形の一例を示す図である。 三相電動機のV相電源ラインの電流に異常が生じたときの出力例を示す図である。 第1の誘電体配列と、磁性体と、第2の誘電体配列で構成する磁性フォトニック結晶膜を予め作成し、光ファイバのコアに接着して製造する場合を示す図である。 光ファイバの端面に蒸着法で第2の誘電体配列と、磁性体と、第1の誘電体配列を積層させて検知部を形成し、光ファイバセンサを製造する方法を示す図である。 光ファイバの周方向から紫外線の干渉縞を照射する様子を示す図である。 光ファイバにマスクをかけて穴を形成する様子を示す図である。 光ファイバに形成した穴に磁性体を形成する様子を示す図である。 光ファイバにマスクをかけた様子を示す断面図である。 マスクをかけた光ファイバに穴を形成する様子を示す断面図である。 マスクに形成した穴に磁性体を形成する様子を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1〜図12を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る計測装置の全体構成を模式的に示す機能ブロック図である。
図1において、計測装置100は、測定に用いる光の送受信及び測定値の計算処理を行う測定部1と、測定部1への各種設定値や指令信号の入力を行う入力部2と、測定部1での計算処理の結果である測定値を表示する表示部3と、測定部1からの送信光1aを透過して受信光1bとして測定部1に送る光ファイバセンサ40とから概略構成されている。
測定部1は、測定に用いる光(送信光1a)を生成し、コネクタ19を介して光ファイバセンサ40に送信する光源部10と、光ファイバセンサ40からの光(受信光1b)をコネクタ29を介して受信する受光部20と、受光部で受信した受信光1bに基づいて計算処理を行う計算部30とを備えている。
光源部10は、入力部1からの指令信号に基づいて測定に用いる光を生成する発光部11と、発光部11で生成された光の波長の調整や直線偏波への変換を行い、コネクタ19を介して光ファイバセンサ40に送信するする送信光調整部12とを備えている。発光部11は、可視光を発する白色光源を備えている。また、送信光調整部12は、発光部11で生成された光から一定の波長を抽出する分光器や干渉フィルタなどの波長選択部や、直線偏波への変換部などを有しており、少なくとも1種類の波長の光を生成することができる。なお、発光部11には、生成する光の仕様によって、発光ダイオードやレーザダイオードを用いることができる。
受光部20は、光ファイバセンサ40からの受信光1bをコネクタ29を介して受信し、受信光1bを波長や偏光角に応じて選択する調整する受信光調整部23と、受信光調整部23からの光を受光して電気信号に変換する受光素子22と、受光素子22で得られた電気信号を受信データに変換するデータ変換部21とを備えている。
受信光調整部23は、受信光1bから一定の波長を抽出する分光器や干渉フィルタなどの波長選択部を有している。受光素子22には、例えば、フォトダイオードやアバランシェダイオードなどが用いられる。データ変換21は、受光素子22からの電気信号を受信データに変換して計算部30に送信する。
計算部30は、受光部20からの受信データを電流値や磁場の強さに換算する換算部31と、換算部31で用いる換算値を格納するメモリ32とを備えている。換算部31には、受信データと電流、受信データと磁場の関係などが実験やシミュレーション等の結果から予め経験的に求められ換算値として格納されている。換算部31は、メモリ32に格納された換算値に基づいて受信データを電流値や磁場の強さなどに換算し、測定値として表示部3に送る。
図2は、光ファイバセンサの光軸を通る平面における断面図であり、図中上側が光源部側、図中下側が受光部側である。
図1及び図2において、光ファイバセンサ40は、光源部10から照射される送信光1aを受光部20に伝搬するコア41a,46aと、コア41a,46aの外周に形成されたクラッド41b、46bとから構成される光ファイバ41,46と、光ファイバ41,46の光軸上に配置された磁性体44と、磁性体44の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列43と、磁性体44の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列45とを備えている。光ファイバセンサ40としては、第1の誘電体43、磁性体44、及び第2の磁性体45を併せて検知部42と称する。光ファイバ41,46は、石英ガラス、鉛入りの石英ガラスなどで形成されている。磁性体44は、透明性を有するガーネットと呼ばれる金属を用いることができ、Biを添加したイットリウム・鉄・ガーネットや、後述するガドリウム・鉄・ガーネットなどで形成されている。誘電体配列43、45は、異なる屈折率をもつ誘電体を光軸方向に周期的に配列したものであり、誘電体ミラーとして機能する。
ここで、光ファイバセンサ40における磁場検知の原理について図3〜図9を参照しつつ説明する。
図3は磁性体に作用する磁場と磁性体を透過する光の偏向角の関係を模式的示す図であり、図4は光ファイバセンサに電流に起因する磁場が作用して透過する光の偏向角が変化する様子を模式的示す図である。
図3に示すように、磁性体202を直線偏光された光が通過するとき、磁気光学効果により、磁性体202の磁化状態に依存して偏光角が回転し変化する。これをファラデー効果という。すなわち、磁性体202に磁場(磁束)が作用することによって磁化状態が変化する場合、光源200aで生成されて磁性体202に入射する入射光200に対する透過光201の偏向角の回転量を検出することにより、磁性体202の磁化状態を検知することができ、磁性体202に作用する磁場の強さを検知することが可能である。
図4に示すように、本実施の形態においては、光ファイバセンサ40を測定対象の電流が流れる電流ライン110の近傍に配置した状態で、光源部10で生成した直線偏波を送信光1aとして光ファイバセンサ40に入射し、電流ライン110を流れる電流に起因する磁場(アンペールの法則に従って生じる磁場)の作用によって検知部42で生じる偏光角の回転を受信光1bから検出することにより、検知部42の磁性体44の磁化状態、すなわち、磁性体44に作用する磁場の強さを検知することができる。
図5は、磁性体を透過する光の偏光角の回転量と磁性体に作用する磁場強度の関係を示す図であり、縦軸に偏光角(度)を、横軸に磁場強度(A/m)をそれぞれ示している。
図5に示すように、ファラデー効果を呈する磁性体(磁性薄膜など)においては、磁場強度に比例して偏光角が変わる。また、磁場強度と電流量の間にも比例関係があるため、図5のように磁場強度と偏光角との関係を予め取得しておくことによって、偏光角の情報から電流を計測することができる。
図6は、磁性体の光軸方向の厚みと偏光角の関係を示す図であり、縦軸に偏光角(度)を、横軸に磁性体の厚さ(mm)をそれぞれ示している。
図6に示すように、ファラデー効果を呈する磁性体においては、その光軸方向の厚み(すなわち磁性体中の光路庁光路長)に比例して大きくなる。
図8は、本実施の形態における光ファイバセンサの検知部での光の行程について説明する図である。
図8において、光ファイバセンサ40の誘電体配列43,45は、異なる屈折率をもつ誘電体を光軸方向に周期的に配列したものであり、誘電体ミラーとして機能する。検知部42は、磁性体44を光軸方向両端から誘電体配列43,45で挟んだ構造になっており、このような構成を磁性フォトニック結晶膜と称する。誘電体配列43,45は、五酸化タンタルと酸化シリコンを積層したものである。なお、誘電体ミラーとしての誘電体配列43,45の両方において、五酸化タンタル層と酸化シリコン層を入れ替えて誘電体配列を構成しても、同様の効果が得られる。
誘電体ミラーとしての誘電体配列43,45によって構成されるマイクロキャビティーと呼ばれる構造は、特定の波長に対して、透過もしくは反射させる性質がある。すなわち、入射される光の波長に依存するように反射率及び透過率を変更することができるので、磁性体44による光の偏光角の回転を検知する対象の光(送信光1a)の波長を決定し、その波長の光を反射するように誘電体ミラーとしての誘電体配列43,45を設計すれば、所望する波長の光について光ファイバセンサ40を通過させ、透過光(受信光1b)の偏光角の回転情報を取得することが可能である。
検知部42に入射された送信光1aは、誘電体配列43を透過し、誘電体ミラーとしての誘電体配列43,45の間で多重反射し、誘電体配列45を透過し、受信光1bとして出力される。すなわち、誘電体配列43,45の間で光が複数回反射しすることにより、光の磁性体44中における距離(光路の行程)は、多重反射分する分だけ長くなる。このため、磁性体44の光軸方向の膜厚を厚くした場合と同様の効果が得られる。
図7は、磁性体のみの構成に入射光を入射し、透過光を得る場合を本実施の形態の比較例として示す図である。
図7においては、の従来材料を用いたセンサは、ファラデー効果を示す磁性層の片側に反射板30としてアルミなどを設置した構成となっている。磁性材の層202は、磁性ガーネットなどである。材料を蒸着し、入射光200を入射させ、出力する光201を得ることができる。磁性層202は、前述の通り、膜厚が厚いほど偏光角の回転が大きいため、厚くすることが望ましい。
一方で、電流が作る磁場は、その流域(電線)に近いほど強く、距離が離れるほど小さくなることから、電流の流域に近い小さな領域において大きな偏光角が得られる技術が必要となる。
本実施の形態の検知部42においては、磁性体44を伝搬する光は、誘電体配列43,45間で、複数回反射し、反射の回数分だけ磁性体44中における光路長が長くなり、送信光1aに対する受信光1bの偏光角が増幅される。すなわち、磁性体44の厚さを薄くした場合においても、厚さを厚くした場合と同等な偏光角の回転を実現することができるので、検知部42をより小さい領域に形成することができ、測定対象の電流ラインにより近づけることが可能となる。
図9は、本実施の形態の検知部の一構造例として形成した磁性フォトニック結晶膜における入射光の波長と反射率及び偏光角との関係を示す図であり、縦軸に反射率(%)及び偏光角(度)を、横軸に入射光の波長(nm)をそれぞれ示している。
図9に示すように、偏光角の回転が最大となる540nmの波長での反射率はほぼ0%になる。すなわち、波長が540nmの光は、磁性体44で光が局在化されて光路長が長くなり、大きな偏光面回転角を持った磁場分布の情報が取得されることを意味する。一方、偏光角の回転が0度に近い680nmの波長では反射率が低く、透過率が高い。これは、680nmの光に関しては、検知部42を透過した光の偏光角の情報の変化がほとんどないことを示している。
図10は、本実施の形態の光ファイバセンサにおける透過光の偏光角の回転量と、検知部に作用する磁場強度の関係を示す図であり、縦軸に偏光角(度)を、横軸に磁場強度(kOe)をそれぞれ示している。
図10に示すように、透過光の偏光角の回転量と検知部に作用する磁場強度の関係を予め取得し、メモリ32に格納しておくことにより、磁場と電流の間に比例関係があることを利用して、換算部31において偏光角の情報から電流を計測することができる。表示部3では、図11に示すように、換算部で算出した電流の波形が表示される。
図12は、磁性体に用いる材料と磁場強度の変化に対する応答特性の関係を示す図である。図12おいて、グラフ120aは、磁性体44の材料としてイットリウム・鉄・ガーネットを用いた場合の磁場強度と偏光角の関係を示すものであり、グラフ120bは、磁性体44の材料としてガドリウム・鉄・ガーネットを用いた場合の磁場強度と偏光角の関係を示すものである。
磁性体44は、履歴現象と呼ばれる非線形応答を有する。これは、磁区と呼ばれる磁性体の性質によるものである。一般的に、磁性体は、N極S極の小さい磁石の集合として考えることができ、強力な永久磁石はこの磁区の大きさが大きい傾向にある。一方で、磁区が大きい場合は、外部からの磁場強度を大きくしないと磁区が変化しないという特徴がある。すなわち、磁区が大きい場合は、磁場強度の変化に対して偏光角の変化が小さいことを示しており、したがって、磁場を生じる電流に対する応答性が得られない。そこで、本実の形態における磁性体44には、磁区構造を持たないように、材料内部の粒子構造間に距離がでるような材料を含有させたものを用いる。特に、ガドリウム・鉄・ガーネットと呼ばれる材料は、粒子構造間の結合力が弱く、電流の変動すなわち磁場変動に対する応答性が優れており、また透過率および偏光角に変化に優れた材料となる。ガドリウム・鉄・ガーネットにビスマスを添加することで偏光角の変化をより向上する材料の材料等も用いることができる。
図12に示すように、グラフ120bのように磁性体44の材料としてガドリウム・鉄・ガーネットを用いた場合は、グラフ120aのようにイットリウム・鉄・ガーネットを用いた場合と比較して、応答性にかかわる保磁力が小さいので、小さい磁場強度で、偏光角の変動が得られる。
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
本実施の形態の計測装置100では、まず、光ファイバセンサ40の検知部32を、測定対象の電流が流れる電流ライン110の近傍に配置する。続いて、入力部2から計測の指示がなされると、光源部10から直線偏波の光が送信光1aとして生成され、コネクタ19を介して光ファイバセンサの光ファイバ41に入射され、光ファイバ41を介して検知部42に入射される。検知部42の第1の誘電体配列43及び第2の誘電体配列45では、予め設定した波長の光が透過して多重反射し、磁性体44内を往復した後に受信光1bとして光ファイバ46に射出される。このとき、電流ライン110を流れる電流によって生じる磁場による磁性体44の磁化状態により、光の偏光角が回転される。その他の波長の光は、波長の違いによって、検知部42に入射されることなく反射されるものと、検知部42内で多重反射することなく透過するものとがある。検知部42から光ファイバ46に射出された受信光1bは、コネクタ29を介して受光部20に入射される。受光部20では、送信光1aと受信光1bから得られる偏光角の変化量などのデータが取得されて計算部30に送られる。計算部30においては、送信光1aと受信光1bから得られる偏光角の変化量と、予めメモリ32に格納した換算値とに基づいて電流ライン110を流れる電流値が算出され、算出結果が表示部3に表示される。
以上のように構成した本実施の形態における効果を説明する。
測定対象の電流ラインにより生じる磁場を光ファイバに作用させ、光ファイバを通る光の偏向角の回転量を計測することによって磁場の強さ及び電流量を測定する場合、磁場に対する偏向角の回転量、すなわち、磁場に対する感度は、光の磁化材料に対する通過距離やベルデ定数などによって定まる。しかしながら、従来技術のように、ベルデ定数の高い磁性体を光ファイバに拡散させて、磁場の強さに対する偏光角、すなわち磁場に対する感度を向上しようとする場合には、磁性体粒子が光ファイバ中を透過する光の強度を減衰させてしまうため、光ファイバの透過光強度が小さくなって受光感度が低下してしまうという問題点がある。
これに対して、本実施の形態においては、光源部10から照射される光を受光部20に伝搬するコア41a,46aと、コア41a,46aの外周に形成されたクラッド41b,46bとから構成される光ファイバ41,46と、光ファイバ41,46の光軸上に配置された磁性体44と、磁性体44の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列43と、磁性体の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列45とを備えた光ファイバセンサ40を形成したので、光が磁性体に局在することで実効的な光路長を増大することができる。その結果として、薄膜で偏光角の変化が大きくすることができるので、受光感度の低下を抑制しつつ磁場検出感度を向上することができる。
<第1の実施の形態の変形例>
本発明の第1の実施の形態の変形例を、図13及び図14を参照しつつ説明する。
図13は、一変形例に係る発光部と受光部の構成を模式的に示す機能ブロック図であり、図14は、他の変形例に係る発光部と受光部の構造を模式的に示す機能ブロック図である。
図13に示すように、第1の実施の形態における発光部10の送信光調整部12及び受光部20の受信光調整部23に代えて、偏光子12A及び検光子23Aを用いた発光部10A及び受光部20Aを用いる場合にも第1の実施の形態と同ようの効果をえることができる。
また、図14に示すように、第1の実施の形態における発光部10の送信光調整部12及び受光部20の受信光調整部23に代えて、位相調整部12a及び1/4波長板12bを有する送信光調整部12B及びカプラ23a,23c、偏光子23b、及び1/4波長板23dを有する受信光調整部23Bを用い、光ファイバセンサ40に円偏光を伝播させ、偏光角の差異をカプラで干渉させて抽出する方法を用いることもでききる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図15〜図18を参照しつつ説明する。
本実施の形態は、複数(本実施の形態では2つ)の光ファイバセンサを同一光軸上に直列に配置して電流の測定を行うものである。図中、第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
図15は、本実施の形態に係る計測装置の全体構成を模式的に示す機能ブロック図である。
図15において、計測装置100Aは、測定に用いる光の送受信及び測定値の計算処理を行う測定部1と、測定部1への各種設定値や指令信号の入力を行う入力部2と、測定部1での計算処理の結果である測定値を表示する表示部3と、測定部1からの送信光1aを透過して受信光1bとして測定部1に送る複数(本実施の形態では2つ)の光ファイバセンサ40,50とから概略構成されている。
図16は、光ファイバセンサの光軸を通る平面における断面図であり、図中上側が光源部側、図中下側が受光部側である。
図15及び図16において、光ファイバセンサ40は、光源部10から照射される送信光1aを伝搬するコア41a,46aと、コア41a,46aの外周に形成されたクラッド41b、46bとから構成される光ファイバ41,46と、光ファイバ41,46の光軸上に配置された磁性体44と、磁性体44の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列43と、磁性体44の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列45とを備えている。光ファイバセンサ40としては、第1の誘電体43、磁性体44、及び第2の磁性体45を併せて検知部42と称する。光ファイバ41,46は、石英ガラス、鉛入りの石英ガラスなどで形成されている。磁性体44は、透明性を有するガーネットと呼ばれる金属を用いることができ、Biを添加したイットリウム・鉄・ガーネットや、後述するガドリウム・鉄・ガーネットなどで形成されている。誘電体配列43、45は、異なる屈折率をもつ誘電体を光軸方向に周期的に配列したものであり、誘電体ミラーとして機能する。
また、光ファイバセンサ50も同様の構造を有しており、光ファイバセンサ50を介した光を受光部20に伝搬するコア51a,56aと、コア51a,56aの外周に形成されたクラッド51b、56bとから構成される光ファイバ51,56と、光ファイバ51,56の光軸上に配置された磁性体54と、磁性体54の光軸方向の一方に形成された第3の誘電体配列53と、磁性体54の光軸方向の他方に形成された第4の誘電体配列55とを備えている。光ファイバセンサ50としては、第3の誘電体53、磁性体54、及び第4の磁性体55を併せて検知部52と称する。光ファイバ51,56は、石英ガラス、鉛入りの石英ガラスなどで形成されている。磁性体54は、透明性を有するガーネットと呼ばれる金属を用いることができ、Biを添加したイットリウム・鉄・ガーネットや、後述するガドリウム・鉄・ガーネットなどで形成されている。誘電体配列53、55は、異なる屈折率をもつ誘電体を光軸方向に周期的に配列したものであり、誘電体ミラーとして機能する。
なお、光ファイバセンサ40,50は同一光軸上に直列に配置されており、光ファイバセンサ40の光ファイバ46と光ファイバセンサ50の光ファイバ51とは、一体的に構成されている。
本実施の形態では、誘電体配列の厚み、磁性材の厚みが異なる光ファイバセンサ40,50を用い、応答する波長を変えることによって、同一光軸上で複数点の計測が可能となる。
図17は、本実施の形態の検知部の一構造例として形成した磁性フォトニック結晶膜における入射光の波長と反射率及び偏光角との関係を示す図であり、縦軸に反射率(%)及び偏光角(度)を、横軸に入射光の波長(nm)をそれぞれ示している。
図17に示すように、検知部42の特性では、偏光角は回転が最大となる540nmの波長での反射率はほぼ0%になる。一方、磁場偏光角の回転の0度に近く、680nm付近の波長では、反射率が低く、透過率が高い。検知部52の特性では、この領域に偏光角の増幅が起こるように、誘電体配列の厚み、磁性材の層の厚みを設計する。設計は、マトリックス法などで屈折率と材料の厚みを入力として波長に依存した偏光状態をシミュレートすることで可能である。このような方法でセンサの構造を設計すると、検知部42の特性における波長540nmの光により得られる磁場情報と、検知部52の特性における波長680nmの光により得られる磁場情報とを同一光軸上に配置した複数の光ファイバセンサで取得することができる。
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図18は、光ファイバセンサによって2箇所の電流を計測し表示した例を示す図である。
図18に示すように、複数の波長の光を用い、波長に対応する複数の検知エリア(検知部42,52)を光ファイバセンサ40,50に備えることで、同一ラインの光ファイバ系で、複数箇所の電流や磁場を計測が実施でき、光ファイバの本数を減らすことができる。そのため、計測効率のよい計測装置を提供することができる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図19〜図21を参照しつつ説明する。
本実施の形態は、第2の実施の形態における光ファイバセンサの数を3つとし、三相電動機に供給される各相の電流を同時に測定する場合を示すものである。図中、第1及び第2の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
図19において、三相電動機300には、電源端子ボックス301から引き出されているU相電源ライン302、V相電源ライン303、W相電源ライン304により図示しない三相電源からの電力が供給されているU相電源ライン302、V相電源ライン303、W相電源ライン304にはそれぞれ光ファイバセンサ40、50、60が設置されており、計測装置1に接続されている。
なお、光ファイバセンサ60は、光ファイバ40,50と同様の構成を有しており、同一光軸上に配置されている。すなわち、光ファイバセンサ60は、第2の実施の形態に倣って、光ファイバセンサ40,50の検知部40,50の特性において、反射率が低く透過率が高い周波数において、偏光角の増幅が起こるように、誘電体配列の厚み、磁性材の層の厚みを設計した検知部を有するよう構成されている。
図20は、図19で示した三相電動機の電流波形を3箇所の光ファイバセンサ40,50,60で、3波長の光を用いて測定した電流波形の一例を示す図である。
三相電動機300の場合、相間の位相差は120度あり、動作状態を監視することができる。
図21は、三相電動機のV相電源ラインの電流に異常が生じたときの出力例を示す図である。
このような異常が生じた場合には、振幅のバランスの異常を測定結果から感知するよう設定して異常アラーム等を発信するよう構成することができ、設備の異常を知らせたり、停止させたりするのに利用できる。
その他の構成は第1及び第2の実施の形態と同様である。
以上のように構成した本実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<その他の実施の形態>
本発明のその他の実施の形態について図22〜図29を参照しつつ説明する。
本実施の形態は、光ファイバセンサの製造方法に関するものである。
図22は、第1の誘電体配列43と、磁性体44と、第2の誘電体配列45で構成する素子(磁性フォトニック結晶膜)を予め作成し、光ファイバ41,46のコア41a,46aに接着して製造する場合を示している。
図23は、光ファイバ46の端面に蒸着法で第2の誘電体配列45と、磁性体44と、第1の誘電体配列43を積層させて検知部42を形成し、光ファイバセンサを製造する方法を示している。この製造方法では、結束した多数の光ファイバの端面に各素材を蒸着させて誘電体配列や磁性体を形成することで、大量かつ同一特性の光ファイバセンサを製作することができる。
図24〜図29は、誘電体配列の加工に、ひずみ測定で用いるFBG(ファイバ・ブラック・グレーティング)センサの製造方法を応用した場合を示す図である。
図24〜図26に示すように、光ファイバ41,46の周方向から、ミラー400a、400b,400c等により紫外線400の干渉縞を照射する。紫外線の照射により、光ファイバ41,46の屈折率を変化させることができる。干渉縞の間隔の精度は極めて高く、誘電体配列43,45を設計寸法で精度よく実現することができる。
図27〜図29に示すように、磁性体44は、光ファイバ41,46にマスク25をかけて穴を開け、蒸着法などで埋め込むことができる。まず、光ファイバ41、46にマスク25をかけ(図27参照)、光ファイバ41,46に穴を開け
(図28参照)、磁性体44を埋め込む(図29参照)。光ファイバの軸方向の穴あけ長さはマスク25の範囲の変更によって容易にかえることができる。そのため、光が通過する磁性体44の距離を容易に変更できる。すなわち光路に対する磁性体44の光軸方向の厚みを容易に変更することができる。なお、磁性体44を必要とする範囲は、光が伝播する光ファイバ41,46のコア41a,46aの部分だけである。たとえば、コア系が10nmであれば、磁性体44の蒸着は10um分の時間で、光路に対する磁性体44のあらゆる厚みを実現することができる。
このような製造方法を用いることにより、光ファイバを複数並べて加工することができ、波長特性に関わる誘電体配列の寸法を精度よく実現することができるため、複数点の電流センサ(検知部)を有する光ファイバセンサをコネクタなどのつなぎ目なしに製造する場合に有利である。
100,100A 計測装置
1 測定部
2 入力部
3 表示部
10 光源部
20 受光部
30 計算部
40,50,60 光ファイバセンサ
41,46,51,56 光ファイバ
42,52 検知部
43 第1の誘電体配列
44,54 磁性体
45 第2の誘電体配列
53 第3の誘電体配列
55 第4の誘電体配列
図1及び図2において、光ファイバセンサ40は、光源部10から照射される送信光1aを受光部20に伝搬するコア41a,46aと、コア41a,46aの外周に形成されたクラッド41b、46bとから構成される光ファイバ41,46と、光ファイバ41,46の光軸上に配置された磁性体44と、磁性体44の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列43と、磁性体44の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列45とを備えている。光ファイバセンサ40としては、第1の誘電体43、磁性体44、及び第2の誘電体配列45を併せて検知部42と称する。光ファイバ41,46は、石英ガラス、鉛入りの石英ガラスなどで形成されている。磁性体44は、透明性を有するガーネットと呼ばれる金属を用いることができ、Biを添加したイットリウム・鉄・ガーネットや、後述するガドリウム・鉄・ガーネットなどで形成されている。誘電体配列43、45は、異なる屈折率をもつ誘電体を光軸方向に周期的に配列したものであり、誘電体ミラーとして機能する。

本実施の形態の計測装置100では、まず、光ファイバセンサ40の検知部42を、測定対象の電流が流れる電流ライン110の近傍に配置する。続いて、入力部2から計測の指示がなされると、光源部10から直線偏波の光が送信光1aとして生成され、コネクタ19を介して光ファイバセンサの光ファイバ41に入射され、光ファイバ41を介して検知部42に入射される。検知部42の第1の誘電体配列43及び第2の誘電体配列45では、予め設定した波長の光が透過して多重反射し、磁性体44内を往復した後に受信光1bとして光ファイバ46に射出される。このとき、電流ライン110を流れる電流によって生じる磁場による磁性体44の磁化状態により、光の偏光角が回転される。その他の波長の光は、波長の違いによって、検知部42に入射されることなく反射されるものと、検知部42内で多重反射することなく透過するものとがある。検知部42から光ファイバ46に射出された受信光1bは、コネクタ29を介して受光部20に入射される。受光部20では、送信光1aと受信光1bから得られる偏光角の変化量などのデータが取得されて計算部30に送られる。計算部30においては、送信光1aと受信光1bから得られる偏光角の変化量と、予めメモリ32に格納した換算値とに基づいて電流ライン110を流れる電流値が算出され、算出結果が表示部3に表示される。

図15及び図16において、光ファイバセンサ40は、光源部10から照射される送信光1aを伝搬するコア41a,46aと、コア41a,46aの外周に形成されたクラッド41b、46bとから構成される光ファイバ41,46と、光ファイバ41,46の光軸上に配置された磁性体44と、磁性体44の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列43と、磁性体44の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列45とを備えている。光ファイバセンサ40としては、第1の誘電体43、磁性体44、及び第2の誘電体配列45を併せて検知部42と称する。光ファイバ41,46は、石英ガラス、鉛入りの石英ガラスなどで形成されている。磁性体44は、透明性を有するガーネットと呼ばれる金属を用いることができ、Biを添加したイットリウム・鉄・ガーネットや、後述するガドリウム・鉄・ガーネットなどで形成されている。誘電体配列43、45は、異なる屈折率をもつ誘電体を光軸方向に周期的に配列したものであり、誘電体ミラーとして機能する。

また、光ファイバセンサ50も同様の構造を有しており、光ファイバセンサ50を介した光を受光部20に伝搬するコア51a,56aと、コア51a,56aの外周に形成されたクラッド51b、56bとから構成される光ファイバ51,56と、光ファイバ51,56の光軸上に配置された磁性体54と、磁性体54の光軸方向の一方に形成された第3の誘電体配列53と、磁性体54の光軸方向の他方に形成された第4の誘電体配列55とを備えている。光ファイバセンサ50としては、第3の誘電体53、磁性体54、及び第4の誘電体配列55を併せて検知部52と称する。光ファイバ51,56は、石英ガラス、鉛入りの石英ガラスなどで形成されている。磁性体54は、透明性を有するガーネットと呼ばれる金属を用いることができ、Biを添加したイットリウム・鉄・ガーネットや、後述するガドリウム・鉄・ガーネットなどで形成されている。誘電体配列53、55は、異なる屈折率をもつ誘電体を光軸方向に周期的に配列したものであり、誘電体ミラーとして機能する。

Claims (10)

  1. 光源から照射される光を検出器に伝搬するコアと、前記コアの外周に形成されたクラッドとから構成される光ファイバと、
    前記光ファイバの光軸上に配置された磁性体と、
    前記磁性体の光軸方向の一方に形成された第1の誘電体配列と、
    前記磁性体の光軸方向の他方に形成された第2の誘電体配列と
    を備えたことを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記第1の誘電体配列及び第2の誘電体配列は、異なる屈折率を有する2種類以上の誘電体を光軸方向に周期的に配列したことを特徴とする光ファイバセンサ。
  3. 請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記第1の誘電体配列及び第2の誘電体配列は、五酸化タンタルと酸化シリコンとを光軸方向に周期的に配列したことを特徴とする光ファイバセンサ。
  4. 請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、
    前記磁性体は、ガドリウム・鉄・ガーネット(GdIG)であることを特徴とする光ファイバセンサ。
  5. 請求項1記載の光ファイバセンサと、
    前記光ファイバセンサの一端に光を入射する光源と、
    前記光ファイバセンサの他端から射出される光を検出する検出器と、
    前記検出器で検出された光の偏向角に基づいて前記磁性体の磁化状態を検出することにより前記磁性体に作用する磁場を検出する磁場検出部と
    を備えたことを特徴とする計測装置。
  6. 請求項5記載の計測装置において、
    前記第1の誘電体配列、前記第2の誘電体配列、及び前記磁性体の厚みが異なる第1の光ファイバセンサと第2の光ファイバセンサを直列に接続したことを特徴とする計測装置。
  7. 請求項5記載の計測装置において、
    前記第1の誘電体配列、前記第2の誘電体配列、及び前記磁性体の厚みが異なる第1の光ファイバセンサ、第2の光ファイバセンサ、及び第3の光ファイバセンサを直列に接続したことを特徴とする計測装置。
  8. 請求項1記載の光ファイバセンサは、
    前記磁性体の光軸方向両端に前記第1の誘電体配列及び前記第2の誘電体配列を結合した磁気光学素子の両端に2つの光ファイバのそれぞれ一方の端面を接着して製造されることを特徴とする計測装置。
  9. 請求項1記載の光ファイバセンサは、
    第1の光ファイバの端面に前記第1の誘電体配列を堆積して形成し、前記第1の誘電体配列の前記第1の光ファイバと反対側の端面に前記磁性体を堆積して形成し、前記磁性体の前記第1の誘電体配列と反対側の端面に前記第2の誘電体配列を堆積して形成し、前記第2の誘電体配列の前記磁性体と反対側の端面に第2の光ファイバを接着して製造されることを特徴とする計測装置。
  10. 請求項1記載の光ファイバセンサは、
    前記光ファイバに干渉縞を生じるように紫外線を照射して異なる屈折率を有する2種類以上の誘電体を光軸方向に周期的に配列した前記第1の誘電体配列及び第2の誘電体配列を形成し、前記第1の誘電体と前記第2の誘電体の間にスリット穴を形成し、前記スリット穴に磁性体を堆積させて製造されることを特徴とする計測装置。
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