JPWO2016133123A1 - ユーザ装置、及び上り送信切り替え方法 - Google Patents

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Abstract

キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて1つ又は複数の基地局と通信を行うユーザ装置において、前記キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル又は複数のセルグループから、上り送信のキャリア切り替えタイミングの基準とする特定のセル又は特定のセルグループを選択する制御部と、前記選択された特定のセル又は特定のセルグループにおける遷移期間のタイミングに基づいて、第1のセルのキャリアを用いた上り送信から、第2のセルのキャリアを用いた上り送信への切り替えを実施する送信部とを備える。

Description

本発明は、キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおけるユーザ装置が、上り送信をキャリア間で切り替える技術に関連するものである。
LTEシステムでは、所定の帯域幅を基本単位として、複数のキャリアを同時に用いて通信を行うキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)が採用されている。キャリアアグリゲーションにおいて基本単位となるキャリアはコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)と呼ばれる。
CAが行われる際には、ユーザ装置UEに対して、接続性を担保する信頼性の高いセルであるPCell(Primary cell)及び付随的なセルであるSCell(Secondary cell)が設定される。ユーザ装置UEは、第1に、PCellに接続し、必要に応じて、SCellを追加することができる。PCellは、RLM(Radio Link Monitoring)及びSPS(Semi-Persistent Scheduling)等をサポートする単独のセルと同様のセルである。
SCellの追加及び削除は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングによって行われる。SCellは、ユーザ装置UEに対して設定された直後は、非アクティブ状態(deactivate状態)であるため、アクティブ化することで初めて通信可能(スケジューリング可能)となるセルである。
LTEのRel−11までのCAでは、同一基地局eNB配下の複数のCCを用いてCAを行う。Rel−12では、異なる基地局eNB配下のCCを用いて同時通信を行い、高スループットを実現するDual connectivity(二重接続)が導入されている(非特許文献1)。Dual connectivityでは、UEは、複数の物理的に異なる基地局eNBの無線リソースを同時に使用して通信を行う。
Dual connectivity(以下、DC)はCAの一種であり、Inter eNB CA(基地局間キャリアアグリゲーション)とも呼ばれ、Master−eNB(MeNB)と、Secondary−eNB(SeNB)が導入される。
DCにおいて、MeNB配下のセル(1つ又は複数)で構成されるセルグループをMCG(Master Cell Group、マスターセルグループ)、SeNB配下のセル(1つ又は複数)で構成されるセルグループをSCG(Secondary Cell Group、セカンダリセルグループ)と呼ぶ。MCGはPCellを有し、これに加えてSCellを有することができる。SCGは1つ又は複数のSCellを含み、SCGのうちの少なくとも1つのSCellにはULのCCが設定され、そのうちの1つにPUCCH(物理上り制御チャネル)が設定される。このSCellをPSCell(primary SCell)と呼ぶ。
3GPP TS 36.300 V12.4.0 (2014−12) 3GPP TS 36.211 V12.4.0 (2014−12)
Rel−12において導入されたDCは、複数のeNBに対して独立にMAC−ACK/NACKをフィードバックするために、ユーザ装置UEは少なくとも2つのUL CC(上りコンポーネントキャリア)を設定する能力が必要とされる。実際のUE実装の観点では、複数CCにおけるUL同時送信はIM(Inter−moduration、相互変調)の観点から実現が難しいことがわかっている。
上記のようなUL同時送信の実装困難を克服するための手段として、スケジューリング単位期間であるTTI(Transmission Time Interval)当たりに同時送信できるCC数を限定し、送信するCCを時間で切り替える制御が提案されている。すなわち、例えば図1に示すように、ユーザ装置UEは、MeNB配下のMCGにおけるUL CC(例:PCellのUL CC)と、SeNB配下のSCGにおけるUL CC(例:PSCellのUL CC)とを切り替える。
この制御において、基地局eNBは、1TTI当たりユーザ装置UEが特定のCCでのみUL送信を行うようにスケジューリングを実行する。CCの切り替え方法に関しては、RRCレベルでsemi−staticに、或いは、MAC/PHYレベルで動的に切り替えることが想定されている。
DCにおいては、CAと同等のCC間受信タイミング差をサポートする同期DC(synchronous DC)に加えて、CA以上のCC間受信タイミング差をサポートできる非同期DC(asynchronous DC)が導入されている。例えば、非特許文献1には、同期DC動作を行うUEは、CG間で33μsの受信タイミング差に対応でき、また、非同期DC動作を行うUEは、CG間で500μsの受信タイミング差に対応できることが規定されている。
非同期DCにおいては、CG間で、1サブフレーム(1ms)の半分程度のサブフレーム境界のずれが生じ得る。この場合の課題を図2、図3を参照して説明する。
図2は、eNB内CA(あるいは同期DC)におけるUL CC(以下、特に断らない限り、CCはUL CCを意味する)の切り替え時のユーザ装置UEの動作を説明するための図である。図2に示すように、ユーザ装置UEは、CC#1とCC#2でCAに係るUL送信を行う。また、例えば、Aに示すサブフレームのタイミングでCC#1からCC#2への切り替えを行うように設定がされているとする。また、CC間の切り替えにはある程度の時間がかかり、本例(以下の例も同様)ではその期間を1サブフレームとする。ただし、1サブフレームは一例に過ぎない。この期間は遷移期間(Transient Period)と呼ばれる。
この場合において、ユーザ装置UEは、Aのサブフレームの前までCC#1によるUL送信を行い、遷移期間を経てUL送信をCC#2に切り替える。CC#1とCC#2は同期しているので、CC#1においてAで示されるサブフレームと、CC#2における対応するサブフレームとの時間境界は一致するため、切り替えをスムーズに行うことができる。
図3は、非同期DCの例を示す。図3において、例えば、CC#1は、MCG内のセルのCCであり、CC#2は、SCG内のセル(ULを有するセル)のCCである。図3において、Aで示す遷移期間のサブフレームが例えばサブフレーム#0であるとする。この場合、ユーザ装置UEは、CC#1において、Aで示す遷移期間の前までCC#1でUL送信を行い、遷移期間であるサブフレーム#0の次のサブフレームからCC#2で上り送信を行うように切り替えを実施する。
しかし、非同期DCの場合には、CC#1とCC#2間でのサブフレーム境界がずれているため、Bで示すCC#1のサブフレームは、CC#2における遷移期間に相当するサブフレーム#0と重複する。従って、当該サブフレームにおいて、ユーザ装置UEはCC#1でのUL送信を正常に実行できない可能性がある。また、Cで示すCC#2のサブフレームは、CC#1における遷移期間に相当するサブフレーム#0と重複するため、当該サブフレームにおいて、ユーザ装置UEはCC#2でのUL送信を正常に実行できない可能性がある。
すなわち、非同期DCでは、切り替えを行うCC間で遷移期間にずれが生じるため、遷移期間の前後においてユーザ装置UEのUL送信が正常に実行できない可能性があるという課題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて、キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル間が非同期である場合でも、キャリア間の時間切り替えによる上り送信をユーザ装置が適切に実行することを可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態によれば、キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて1つ又は複数の基地局と通信を行うユーザ装置であって、
前記キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル又は複数のセルグループから、上り送信のキャリア切り替えタイミングの基準とする特定のセル又は特定のセルグループを選択する制御部と、
前記選択された特定のセル又は特定のセルグループにおける遷移期間のタイミングに基づいて、第1のセルのキャリアを用いた上り送信から、第2のセルのキャリアを用いた上り送信への切り替えを実施する送信部と
を備えるユーザ装置が提供される。
また、本発明の実施の形態によれば、キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて1つ又は複数の基地局と通信を行うユーザ装置が実行する上り送信切り替え方法であって、
前記キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル又は複数のセルグループから、上り送信のキャリア切り替えタイミングの基準とする特定のセル又は特定のセルグループを選択するステップと、
前記選択された特定のセル又は特定のセルグループにおける遷移期間のタイミングに基づいて、第1のセルのキャリアを用いた上り送信から、第2のセルのキャリアを用いた上り送信への切り替えを実施するステップと
を備える上り送信切り替え方法が提供される。
本発明の実施の形態によれば、キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて、キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル間が非同期である場合でも、キャリア間の時間切り替えによる上り送信をユーザ装置が適切に実行することが可能となる。
DC(Dual Connectivity)において、上り送信の時間切り替えを行うことを説明するための図である。 課題を説明するための図である。 課題を説明するための図である。 本発明の実施の形態における通信システムの構成例を示す図である。 本実施の形態の通信システムにおけるDC設定に係る処理例を説明するための図である。 特定のセルを遷移期間(transient period)のタイミングの基準とする場合のUE動作を説明するための図である。 UE動作のフローチャートである。 遷移期間のタイミングの基準とする特定のセル/CGの例を説明するための図である。 遷移期間のタイミングの基準とする特定のセル/CGの例を説明するための図である。 基地局から遷移期間のタイミングの基準とする特定のセル/CGを指定する場合のシーケンス例を示す図である。 3CGにおいて優先度が設定されている場合の例を示す図である。 3CGにおいて優先度が設定されている場合のUE動作を説明するための図である。 変形例2における通信システムの構成例を示す図である。 変形例2におけるLTEから5Gへの切り替え時の動作例を説明するための図である。 変形例2における5GからLTEへの切り替え時の動作例を説明するための図である。 変形例3における手順例を示す図である。 ユーザ装置UEの構成図である。 ユーザ装置UEのHW構成図である。 基地局eNBの構成図である。 基地局eNBのHW構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。本実施の形態では、LTEの移動通信システムを対象とするが、本発明はLTEに限らず、キャリアアグリゲーションを採用した他の移動通信システムにも適用可能である。
以下では、CAを構成する複数セルからなるセルグループ(CG)が使用される。DCにおけるMCGとSCGはCGの例であるが、CGは、MCGとSCGに限定されない概念であり、複数のセルを何かしらの観点でグループ化したものをCGと呼ぶ。また、CGは、1つのセルである場合を含む。本実施の形態では、CG内の各セルは同期しており、CG間は非同期であることを想定しているが、これに限られるわけではない。また、以下、CA(キャリアアグリゲーション)は、特に断らない限り、DCを含む意味で使用する。
CAを構成する「セル」は、ユーザ装置UEが在圏するセルでありserving cellと呼んでもよい。また、一例として、CAを構成する「セル」は、下りのCCのみ、もしくは、下りのCCと上りのCCからなる。また、本明細書及び特許請求の範囲における「LTE」の3GPP規格書のリリースは、CAが導入されているリリースであるものとするが、これに限定されるわけではない。
(システム全体構成)
図4に本発明の実施の形態に係る移動通信システムの構成例を示す。図4に示すように、本実施の形態に係る移動通信システムは、それぞれコアネットワーク10に接続される基地局MeNBと基地局SeNBを備え、ユーザ装置UEとの間でDual connectivity(DC)を可能としている。また、基地局MeNBと基地局SeNBとの間は、例えばX2インターフェースにより通信可能である。本実施の形態では、特に断らない限り、DCは非同期DCであることを想定しているが、本実施の形態で説明する制御は、同期DCに適用してもよいし、DCではないCAに適用してもよい。
なお、以下の明細書における説明では、基本的にユーザ装置をUEと記述し、基地局MeNBと基地局SeNBをそれぞれMeNB、SeNBと記述する。また、単独の基地局や、MeNB/SeNBを特に区別しない場合、当該基地局をeNBと記述する。
(通信システムの基本的な動作例)
まず、図4に示す通信システムの基本的な動作例として、UEにSeNB(SCG)を追加してDCを設定する動作シーケンス例を図5を参照して説明する。
例えば、MeNBがUEからの測定報告等に基づき、UEに対してDCを設定することを決定した場合において、MeNBはSeNBに対してSeNB追加要求(SeNB Addition Request)を送信する(ステップ101)。SeNB追加要求にはMCG設定情報等が含まれる。SeNBは、MeNBに対してSeNB追加要求確認(SeNB Addition Request Acknowledgement)を返す(ステップ102)。SeNB追加要求確認には、SCGの無線リソース設定情報等が含まれる。
MeNBはUEに対してSeNB追加指示(RRC Connection Reconfiguration)を送信する(ステップ103)。SeNB追加指示には、SCGの無線リソース設定情報等が含まれる。UEは、当該設定情報を適用し、SCGの追加を行うとともに、設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)をMeNBに返す(ステップ104)。MeNBは、SeNBに対して、UEでの設定(Reconfiguration)が成功したことを示す設定完了(SeNB Reconfiguration Complete)を返す(ステップ105)。その後、UEは、SCG(PSCell)に対してランダムアクセス手順を実行することで、SCGと同期を確立する。
一例として、上記のような手順により、UEとMeNB/SeNB間でのDCが設定され、DC通信が可能となる。
(CC切り替えに係る制御)
本実施の形態では、特に断らない限り、UEは、DCにおけるUL通信を複数CC(例:2CC)を用いて行う。また、当該複数CCはそれぞれ非同期のCG(例:MCGとSCG、複数SCG)に含まれる。そして、UEは、当該複数CCを遷移期間(transient period)を介して切り替えることで、時間方向では常に1つのCCを使用してUL送信を行う。
このような前提において、本実施の形態では、サブフレーム境界がCC間でずれることによる課題を解決するために、UEは、特定のCGに含まれるセルにおける遷移期間のタイミングを基準としてCC間の切り替えを行うこととする。なお、UEが、2CCを用いて上り送信を行う場合、上記「特定のCGに含まれるセル」は、1つのセル(例:PCell)に特定されるので、遷移期間のタイミングの基準とするものを以下では特定のセル/CG(特定のセル又は特定のCGを意味する)と記述する。
図6を参照して、UEが2CC(CC#1とCC#2)でUL送信を行う場合におけるUEのUL送信の動作例を説明する。なお、図6は、UEが3CC以上のCCでUL送信を行う場合における2CC間での切り替えを示すものと考えてもよい。
図6に示す例では、UEは、CC#1での遷移期間のタイミングを基準としてCC間切り替えを行うものとする。CC#1は、例えば、MCGにおけるULを持つセル(例:PCell)のCCである。CC#2は、例えば、SCGにおけるULを持つセル(例:PSCell)のCCである。
図6に示す例において、UE、MeNB、SeNBはそれぞれ、サブフレーム#0を遷移期間としてCC間の切り替えを行う旨の設定がされ、また、遷移期間が1サブフレームである旨の設定がされている。この設定内容は、例えば、MeNBが決定し、図5に示したステップ101、103にてSeNBとUEに通知され、設定される。また、CC#1のタイミングが切り替えの基準となることは、MeNB(又はSeNB)からUEに設定されることとしてもよいし、後述する所定のルールで各装置が認識することとしてもよい。
図6において、UEはCC#1のAで示すサブフレームまでCC#1でUL送信を行う。つまり、CC#1のAで示すサブフレームまでeNB(例:MeNB)からUEに対してUL送信の割り当て(スケジューリング)がなされる。
CC#1のBで示すサブフレーム#0は遷移期間なので、CC#1でのeNBからのスケジューリングはなされない。また、UEは、UL送信をCC#1からCC#2に切り替える制御を行う。CC#1からCC#2に切り替える制御とは、例えば、送信機の周波数をCC#1からCC#2に切り替えることである。
CC#2において、eNB(例:SeNB)側では、Cで示すサブフレーム#0を遷移期間と認識し、Dで示すサブフレームからUEのUL送信の割り当てを行う。一方、UEは、遷移期間をCC#1のBで示すサブフレームの期間としている。従って、UEは、CC#2においてDで示すサブフレームの期間は、遷移期間と重複することを検知し、Dに示すサブフレームの期間において、CC#2によるUL送信を行わず、次のEで示すサブフレームからUL送信を開始する。これにより、例えば、遷移期間での異常なUL送信が実施されることを回避できる。
なお、図6において、仮にCC#2のほうがCC#1よりも優先度が高く、CC#2のほうを基準とする場合、CC#1でのAで示すサブフレームは、CC#2での遷移期間と重複するため、当該サブフレームでのUL送信が停止される。
図7を参照してUEのCC間切り替え時の動作フローの例を説明する。図7の例では、セル/CGに優先度が定められており、より高い優先度のセル/CGのタイミングを基準としてCC間切り替えを行うこととしている。
まず、例えば、あるセルのeNBからUEに対してUL送信の割り当てが行われることで、UEにおいて、当該セルのあるサブフレームでUL送信がトリガされる(ステップ201)。UEは、当該サブフレームは、当該セル(UL送信をトリガされたCCのセル)よりも優先度が高い他のセル(他方のCCのセル)での遷移期間と少なくとも一部が重複するサブフレームかどうかを判定する(ステップ202)。
ステップ202での「一部が重複する」とは、例えば、ある閾値の時間以上、重複することである。また、「当該セルよりも優先度が高い他のセル」とは、当該セルが属するCGよりも優先度の高いCGに他のセルが属する場合を含む。
ステップ202の判定がYesの場合、UEはトリガされたUL送信を行わない(ステップ203)。この場合は、上記UL送信トリガを受けたサブフレームが、図6に示すCC#2のC又はDに示すサブフレームである場合に相当する。また、図7のステップ202での判定がNoの場合、UEは、UL送信を実施する(ステップ204)。
(特定のセル/CGの選択方法)
次に、UEがCC間切り替えのタイミングの基準とする特定のセル/CGを選択する方法の例を説明する。特定のセル/CGは、UEが自律的に選択してもよいし、eNBからの指示に基づき選択してもよい。
<UEが自律的に特定のセル/CGの選択する例>
UEが自律的に特定のセル/CGの選択する場合、例えば図8Aに示すように、UEは、UL送信を行う2CCが属する2CG(MCGとSCG)のうち、PCellを含むCGであるMCGを特定のCGとして選択し、当該MCGに属するほうのセル(2CCのうちの一方のCCのセル)をタイミングの基準とする。当該MCGに属するセルは、PCellであってもよいし、MCGにおけるPCell以外のセル(UL CCを有するセル)であってもよい。
また、例えば、UL送信を行う2CCが属するセルが、PCellとPSCellである場合、UEは特定のセルとしてPCellを選択することとしてもよい。なお、この場合は、特定のCGとしてMCGを選択することと同じことである。
上記のように、PCellを含むCG(MCG)を、CC間切り替えタイミングの基準とする特定のCGとして選択することにより、PCell側の送受信を守り、接続性を担保することができる。
また、例えば、図8Bに示すように、UEは、UL送信を行う2CCが属する2CG(MCGとSCG)のうち、PSCellを含むCGであるSCGを特定のCGとして選択し、当該SCGに属するほうのセル(2CCのうちの一方のCCのセル)をタイミングの基準とすることとしてもよい。当該SCGに属するセルは、PSCellであってもよいし、SCGにおけるPSCell以外のセル(UL CCを有するセル)であってもよい。
また、例えば、UL送信を行う2CCが属するセルが、PCellとPSCellである場合、UEは特定のセルとしてPSCellを選択することとしてもよい。なお、この場合は、特定のCGとしてSCGを選択することと同じことである。
上記のように、PSCellを含むCG(SCG)を、CC間切り替えタイミングの基準とする特定のCGとして選択することにより、PSCell側の送受信を守り、UP(ユーザプレーン)のオフロードをより効率的に実施することができる。
また、UEは、特定のセル/CGを、セルのインデックス/CGのインデックスの大きさで決定することとしてもよい。例えば、UL送信を行う2CCの属する2CGのインデックスが、1と2である場合に、UEは、インデックスの小さいほう(又は大きいほう)のCGを特定のCGとして選択する。また、例えば、UL送信を行う2CCの属する2セルのインデックスが、1と5である場合に、UEは、インデックスの小さいほう(又は大きいほう)のセルを特定のセルとして選択する。セル/CGのインデックスの例としては、CellIndex、SCellIndex、CGIndex等がある。
インデックスの小さいほう(又は大きいほう)を特定のセル/CGとすることは、UEとeNB(MeNB、SeNB)において予め定められた事項であるとしてもよいし、eNB側でインデックスの小さいほう(又は大きいほう)とすることを決定し、その決定内容をUEに通知することとしてもよい。
また、UEは、特定のベアラ又は特定のLCH(論理チャネル)が設定されているセル/CGを特定のセル/CGとして選択することとしてもよい。例えば、UEは、2CCが属する2セル(2CG)のうちの、QoS(通信路の優先度の例)がより高いほうのベアラ(又はLCH)が設定されているセル/CGを特定のセル/CGとして選択する。このような制御により、より高い品質が要求される通信路(ベアラ、LCH等)における送受信を守ることができる。
また、UEは、UL送信を行う複数セル/CGにおけるUL送信のチャネル種別(信号種別)に基づいて特定のセル/CGを選択してもよい。例えば、複数セル/CGのうちPUCCHを送信するセル/CGを特定のセル/CGとして選択してもよい。また、例えば、複数セル/CGのうちPRACHを送信するセル/CGを特定のセル/CGとして選択してもよい。また、例えば、複数セル/CGのうち特定の信号(例:SR、ACK/NACK)を送信するセル/CGを特定のセル/CGとして選択してもよい。また、例えば、既存のPower scalingあるいはdroppingのルールが流用されてもよい。
なお、上記の特定のセル/CGの各種選択方法は、組み合わせて実施してもよい。例えば、ある選択方法で、複数の候補が上がった場合に、別の選択方法で候補の中から特定のセル/CGを選択することができる。
<UEがeNBからの指示に基づき特定のセル/CGの選択する例>
前述したように、UEは、基地局eNBからの指示に基づき特定のセル/CGの選択を行うこととしてもよい。この場合、指示を行う側(eNB)では、例えば、上記のUE側で選択を行う場合と同じ方法で特定のセル/CGの選択を行ってもよいし、他のポリシーでセル/CGの選択を行うこととしてもよい。
このように、eNB側からの指示により特定のセル/CGを選択することで、特定のセル/CGをNW側のポリシーに基づいて柔軟に設定することが可能となる。
この場合のシーケンス例を図9に示す。ステップ301において、eNB(例:MeNB又はSeNB)から、CC間遷移期間のタイミングの基準とする特定のセル/CG(セル又はCG)が指定される。当該指定は、例えば、セルのインデックス/CGのインデックス等でなされる。
また、ステップ301の指定は、RRC信号を用いて図5に示したステップ103のSeNB追加指示と同時に行うこととしてもよい。また、ステップ301の指定は、MAC信号又はPHY信号(PDCCH等)を用いてダイナミックに行うこととしてもよい。また、ステップ301の指定時に、どのサブフレームで切り替えるか(どのサブフレームを遷移期間とするか)、遷移期間の長さ(サブフレーム数)がeNBからUEに指定されることしてもよい。
ステップ302で、UEは、UL送信において、ステップ301での指定に従ったセル/CGのタイミングを基準としてCCの切り替えを実施する。
また、ステップ303として示すように、UEは、UL送信を行う2CCのうちの、あるCCでUL送信トリガを受けたが、他方CCの遷移期間によって、当該CCでUL送信を実施できなかった場合に、UL送信ができなかったことを物理レイヤ(例:無線部)から、上位レイヤ(例:MACあるいはRRC等の制御を行う制御部)に通知し、上位レイヤの判断で、UL送信ができなかったことをeNBに通知することとしてもよい。当該通知には、例えば、UL送信できなかったほうのセルのインデックス、UL送信できなかったサブフレーム番号等が含まれる。このような通知を行うことで、eNB側では、UL送信割り当てを行ったが、UEにおいてUL送信ができなかったこと等を把握でき、例えば、当該事象を以降のスケジューリングに活用できる。
なお、ステップ303での通知は、特定のセル/CGの選択をUEが自律的に行うか、eNBからの指示で行うかに関わらず、実施することとしてよい。
また、ステップ301の指示内容は、特定のセル/CGの指定であってもよいし、特定のセル/CGの選択方法(既に説明した選択方法)の指示であってもよい。
以上、主に2CC間での切り替え例を説明したが、この2CCは、UEが2UL CCの能力を持つ場合に限らず、UEが、3UL CC以上のCAの能力を持ち、3UL CC以上のCAが設定されている場合に、当該3CC以上のCCのうちの任意の2CCであってもよい。
(変形例1)
図4では、SeNB(SCG)が1つである場合を示しているが、これは例であり、SCGの数は2以上であってもよい。つまり、DCを構成するCGは3以上であってもよい。この場合でも、任意の2CG間(切り替えを行う2CC間に対応)で、これまでに説明したようにして、特定のセル/CGを選択することとしてよい。
また、予め、セル/CGの優先度が決められており、当該優先度がUE、MeNB、SeNB間で事前設定されてもよい。また、例えばMeNBがセル/CGの優先度を定め、当該優先度をUE及び各SeNBに通知してもよい。
一例として、例えば図10に示すように、UEがUL送信に使用する3CC(CC#1、CC#2、CC#3)のうちのCC#1の属するCGの優先度が高(3CGのうちの相対的な優先度を意味する)として定められ、CC#2の属するCGの優先度が中として定められ、CC#3の属するCGの優先度が低として定められている場合において、CC間での優先度の順序は、CC#1>CC#2>CC#3となる。
この場合のCC間切り替え時のUEの動作例を図11を参照して説明する。UEは、まず、CC#1でUL送信を行っており、Aで示すサブフレームの遷移期間でCC#1からCC#2への切り替えを行う。CC#1とCC#2との間では、CC#1のタイミングが基準となるため、CC#2におけるBで示すサブフレーム(基準の遷移期間と重複)ではUL送信を行わず、Cで示すサブフレームからUL送信を実行する。次に、UEは、Dで示すサブフレームの遷移期間でCC#2からCC#3への切り替えを行う。CC#2とCC#3との間では、CC#2のタイミングが基準となるため、CC#3におけるEで示すサブフレーム(基準の遷移期間と重複)ではUL送信を行わず、Fで示すサブフレームからUL送信を実行する。
(変形例2)
既存のLTEでは、無線フレームの構造として、1無線フレームが10ms、1サブフレームが1ms、1スロットが0.5msであることが規定されている(非特許文献2)。1サブフレームは、スケジューリングの最小単位であるTTI(Transmission Time Interval)に相当する。つまり、サブフレーム毎に、eNBのスケジューリングで選択されたUEへリソースブロック(RB)が割り当てられる。1RBは、例えば、周波数方向に12サブキャリア(OFDMのサブキャリア)、時間方向に7シンボル(OFDMのシンボル)から構成される。
さて、3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、Rel−14以降に第5世代の無線技術(以下、「5G」という)の標準化を開始する予定である。5Gでは、無線通信の遅延を低減させるために、1TTIを短縮する(例:0.1msに短縮する)ことが検討されている。
更に、5Gの運用形態として、LTEのセルをベースに5GのセルをオーバーレイさせることでCAを行う運用形態が検討されている。この運用形態の例を図12に示す。図12に示すように、基地局eNBによりマクロセルとしてのLTEセル(PCell)が形成され、例えばeNBから延びるRRE(遠隔無線装置)により、スモールセルとしての5Gセル(SCell)が形成され、UEは、LTEセルと5GセルによるCAにより、高スループットの通信を実行する。また、図12に示す構成は、DCの構成であってもよい。この場合、例えば、MeNBがLTEのマクロセル(MCG)を形成し、SeNBが5Gのスモールセル(SCG)を形成する。
変形例2の移動通信システムの構成は、図4に示したDC(非同期、同期のどちらでもよい)の構成でもよいし、図12に示したCAの構成でもよい。
上記のように、LTEと5GでCA(DCを含む)を実施する場合、UEのUL送信において、TTI長の異なる複数CCを束ねることになる。ここで、例えば、LTEのCC間での遷移期間がLTEでの1サブフレーム(LTEのTTI長であり、LTEサブフレームと呼ぶ)であり、5GのCC間での遷移期間が5Gでの1サブフレーム(5GのTTI長であり、5Gサブフレームと呼ぶ)であるとした場合に、同じRAT間でのCC切り替えであれば、当該RATでの遷移期間を適用してCC間切り替えを行えばよい。しかし、LTEのCCと5GのCCとの間の切り替えにおいては、どの遷移期間を適用すればよいか明らかでない。
そこで、変形例2では、UL CAの異なるRAT間のCC間遷移における遷移期間を遷移の方向に応じて定めることとしている。変形例2では、異なるRATとしてLTEと5Gとの間の遷移を例にとって説明するが、RATはこれらに限られるわけではなく、CA(DCを含む)を構成する他のRATを用いることも可能である。
UEが、LTEのCCと5GのCCを含む複数CCでのUL送信を行っている場合に、LTEのCCと5GのCCとの間で切り替えを行う際のUEの動作例を図13、図14を参照して説明する。UEが、LTEのCCと5GのCCを含む複数CCでのUL送信を行うとは、UEが、LTEのCCと5GのCCを用いてDCではない同一eNB配下のCAを行うことでもよいし、LTEのCCが属するCG(例:MCG)と5GのCCが属するCG(例:SCG)を用いてDCを行うことでもよい。また、DCは非同期でもよいし、同期でもよい。また、本例では、LTE(TTI長の長いほうのRAT)のサブフレーム#0で切り替えを行うことがUE、eNB(MeNB、SeNB)に設定されているとする。
図13は、UEが、LTEのCC#1から5GのCC#2への切り替えを行う場合の例である。この場合、UEは、CC#1(LTE)におけるAで示すサブフレーム#0を遷移期間としてCC#1からCC#2(5G)への切り替えを行う。つまり、UEは、Bで示すLTEサブフレームまでCC#1でUL送信を行い、1LTEサブフレーム(Aで示す期間)を遷移期間として、その期間はCC#1とCC#2のいずれもUL送信を行わず、Cで示す5GサブフレームからCC#2でのUL送信を開始する。なお、ここでは、LTEから5Gへの遷移期間を1LTEサブフレーム分としているが、これはUE及びeNB側で予め設定されている。あるいは、eNB側からUEにRRC信号等で設定してもよい。
また、LTEから5Gへの遷移期間を1LTEサブフレームとすることは例に過ぎず、UEの能力に応じて、これよりも長くてもよいし、これよりも短くてもよい。
図14は、UEが、5GのCC#2からLTEのCC#1への切り替えを行う場合の例である。この場合、UEは、CC#2(5G)におけるAで示す4×5Gサブフレームを遷移期間としてCC#2からCC#1(LTE)への切り替えを行う。
つまり、UEは、Bで示す5GサブフレームまでCC#2でUL送信を行い、4×5Gサブフレーム(Aで示す期間)を遷移期間として、その期間はCC#1とCC#2のいずれもUL送信を行わず、Cで示すLTEサブフレームからCC#1でのUL送信を開始する。
本例において、UEは、LTEのサブフレーム#0が開始した時点で遷移のタイミングであることを検出するが、5GからLTEへの遷移は、4×5Gサブフレームの期間で実行できるため、Bで示す5Gサブフレームまで5GでのUL送信を行っている。
なお、ここでは、5GからLTEへの遷移期間を4×5Gサブフレームの期間としているが、これは例に過ぎず、UEの能力に応じて、これより長くてもよいし、これより短くてもよい。また、UEは、LTEセルのCCから5GセルのCCへの遷移期間と、5GセルのCCからLTEセルのCCへの遷移期間のそれぞれを決定し、対応する切り替え時に適用できる。これら遷移期間は、UE及びeNB側で予め設定(保持)されていてもよいし、eNB側からUEにRRC信号等で設定してもよい。
また、図13、図14の例では、CC間の遷移タイミングをLTE側を基準としているが、5G側を基準としてもよい。どちらを基準とするかを、これまでに説明した特定のセル/CGの選択方法に従って選択してもよい。一例として、PCellがLTEで設定され、PSCellが5Gで設定される場合において、LTEをCC間の遷移タイミングの基準とすることができる。また、TTI長の長いほう(又は短いほう)のRATのセル/CGを特定のセル/CGとして遷移タイミングの基準とすることとしてもよい。
(変形例3)
DCでのUL送信におけるCC間遷移機能をUEがサポートしているか否かを、UEがeNB(本例ではMeNB)に能力情報として通知することとしてもよい。なお、当該CC間遷移機能をTS−DC(Time switched DC)と呼ぶことにする。TS−DCの能力情報を受信したMeNBは、例えば、当該能力情報に基づき、非同期の複数セルでのUL CAをUEに設定するか否かを決定できる。
変形例3における手順例を図15を参照して説明する。ここでは、基地局はMeNBであることを想定しているが、DCを構成しないeNB、又はSeNBであってもよい。
ステップ401において、UEはMeNBからUE能力問い合わせ(UE Capability Enquiry)を受信する。ステップ402においてUEは、MeNBに対してUE能力情報(UE Capability Information)を送信する。
例えば、UEは、UE能力情報として(UE能力情報に含まれる情報として送信することを含む)、当該UEがTS−DCをサポートしているか否かを示す情報をMeNBに通知する。つまり、UE単位で通知する。ここでTS−DCの能力有りの通知を行ったUEは、UL DCをサポートするいかなるバンドコンビネーションに対しても、同期・非同期に関わらずTS−DCをサポートすることが想定される。
また、UEは、UE能力情報として、同期DCと非同期DC毎にTS−DCが可能であるか否かを示す情報を通知してもよい。つまり、例えば、同期DCではTS−DC可能であるが、非同期DCではTS−DSを行うことができない(本実施の形態で説明した機能を持たない)といった情報を通知する。
同期TS−DCの能力有りの情報を通知するUEは、同期DCをサポートするバンドコンビネーションに対して、TS−DCをサポートする。また、非同期TS−DCの能力有りの情報を通知するUEは、非同期DCをサポートするバンドコンビネーションに対して、TS−DCをサポートする。
また、UEは、TS−DCが可能であるか否かをバンドコンビネーション毎に通知することとしてもよい。この能力情報を通知するUEは、対応するバンドコンビネーションに対してTS−DCをサポートする。また、バンドコンビネーションのサブセットレベルでもTS−DCが可能であるか否かを示す能力情報を通知することとしてもよい。
更に、UEは、TS−DCの能力情報通知において、遷移期間(transient period)がどの程度必要かを合わせて通知してもよい。遷移期間がどの程度必要であるかは、例えば、遷移期間として必要な時間(例:μs)、LTE又は5GでのTTI数(サブフレーム数)等で通知することができる。
以上、各変形例を含む実施の形態を説明したが、ユーザ装置UEは、上記の説明に係る処理内容の全てを実行できる機能を備えてもよいし、一部の機能を備えることとしてもよい。
(装置構成例)
次に、これまでの説明した全ての処理を実行可能なUEとeNBにおける主要な構成を説明する。
まず、図16に、本実施の形態に係るUEの機能構成図を示す。図16に示すように、UEは、UL信号送信部101、DL信号受信部102、RRC管理部103、UL送信切り替え制御部104を含む。図16は、UEにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、図16に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
UL信号送信部101は、UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。DL信号受信部102は、eNBから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。UL信号送信部101及びDL信号受信部102はそれぞれ、複数のCCを束ねて通信を行うCA(DCを含む)を実行する機能を含む。ただし、UL信号送信部101により実行されるUL送信については、時間によりCC間を切り替えてCA通信を行う。
UL信号送信部101及びDL信号受信部102はそれぞれ、パケットバッファを備え、レイヤ1(PHY)及びレイヤ2(MAC、RLC、PDCP)の処理を行うことを想定している。ただし、これに限られるわけではない。また、UL信号送信部101及びDL信号受信部102は、LTEと5Gのように異なるRAT間でのCA(DCを含む)を実行することもできる。
RRC管理部103は、eNBとの間でRRCメッセージの送受信を行うとともに、CA(DC)情報の設定/変更/管理、構成変更等の処理を行う機能を含む。また、RRC管理部103は、ユーザ装置UEの能力(Capability)の情報を保持し、変形例3で説明したように、能力の情報を基地局eNBに通知する機能も含む。
UL送信切り替え制御部104は、本実施の形態(各変形例を含む)に係るUL送信のCC間切り替え制御を実施する。例えば、UL送信切り替え制御部104は、CC間切り替えに係る設定情報(遷移期間の長さ、遷移期間の到来タイミング、遷移の基準とするセル)を保持、又は決定し、当該情報及び時間の経過に従って、UL信号送信部101に対してCC間の切り替えを指示することができる。また、UL送信切り替え制御部104は、図7に示すフローに従った制御を行って、UL信号送信部101に対してUL送信の停止/実行を指示することができる。
また、UL送信切り替え制御部104は、CAを構成する複数のセル又は複数のセルグループから、上り送信のキャリア切り替えタイミングの基準とする特定のセル又は特定のセルグループを選択する機能を含む。また、LTE−5G CAを実行する場合に、UL送信切り替え制御部104は、LTEのセルのキャリアから5Gのセルのキャリアへの切り替え期間である第1遷移期間と、5GのセルのキャリアからLTEのセルのキャリアへの切り替え期間である第2遷移期間とのそれぞれを保持、又は決定する機能を有してもよい。また、UL送信切り替え制御部104は、UL信号送信部101の中に含まれていてもよい。
図16に示すユーザ装置UEの構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
図17は、ユーザ装置UEのハードウェア(HW)構成の例を示す図である。図17は、図16よりも実装例に近い構成を示している。図17に示すように、UEは、無線信号に関する処理を行うRE(Radio Equipment)モジュール151と、ベースバンド信号処理を行うBB(Base Band)処理モジュール152と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール153と、USIMカードにアクセスするインタフェースであるUSIMスロット154とを有する。
REモジュール151は、BB処理モジュール152から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A(Digital−to−Analog)変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D(Analog to Digital)変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール152に渡す。REモジュール151は、例えば、図16のUL信号送信部101及びDL信号受信部102における物理レイヤ等の機能を含む。
BB処理モジュール152は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP(Digital Signal Processor)162は、BB処理モジュール152における信号処理を行うプロセッサである。メモリ172は、DSP162のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール152は、例えば、図16のUL信号送信部101及びDL信号受信部102におけるレイヤ2等の機能、RRC管理部103及びUL送信切り替え制御部104を含む。なお、RRC管理部103、UL送信切り替え制御部104の全部又は一部を装置制御モジュール153に含めることとしてもよい。
装置制御モジュール153は、IPレイヤのプロトコル処理、各種アプリケーションの処理等を行う。プロセッサ163は、装置制御モジュール153が行う処理を行うプロセッサである。メモリ173は、プロセッサ163のワークエリアとして使用される。また、プロセッサ163は、USIMスロット154を介してUSIMとの間でデータの読出し及び書込みを行う。
図18に、本実施の形態に係るeNBの機能構成図を示す。図18に示すように、eNBは、DL信号送信部201、UL信号受信部202、RRC管理部203、スケジューリング部204を含む。図18は、eNBにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、図18に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。当該eNBは、単独のeNBでもよいし、設定(Configuration)により、DCを実行する際にはMeNBとSeNBのいずれにもなり得る。
DL信号送信部201は、eNBから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。UL信号受信部202は、各UEから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。DL信号送信部201及びUL信号受信部202はそれぞれ、複数のCCを束ねて通信を行うCA(DCを含む)を実行する機能を含む。また、DL信号送信部201及びUL信号受信部202は、RREのように、eNBの本体(制御部)から遠隔に設置された無線通信部を含んでもよい。
DL信号送信部201及びUL信号受信部202はそれぞれ、パケットバッファを備え、レイヤ1(PHY)及びレイヤ2(MAC、RLC、PDCP)の処理を行うことを想定している(ただし、これに限られるわけではない)。またDL信号送信部201及びUL信号受信部202は、LTEと5Gのように異なるRAT間でのCA(DCを含む)を実行することもできる。
RRC管理部203は、UEとの間でRRCメッセージの送受信を行うとともに、CA(DC)の設定/変更/管理、構成変更等の処理を行う機能を含む。RRC管理部203は、CA(DC)の設定を行う機能部であるので、設定部と呼んでもよい。また、RRC管理部203は、UEに対し、特定のセル/CGを決定し、それをUEにDL信号送信部201を介して通知する機能を含んでもよい。
スケジューリング部204は、CA(DCを含む)を実施するユーザ装置UEに対し、セル毎にスケジューリングを行って、PDCCHの割り当て情報を作成し、当該割り当て情報を含むPDCCHの送信をDL信号送信部201に指示する機能を含む。
図18に示す基地局eNBの構成は、全体をハードウェア回路(例:1つ又は複数のICチップ)で実現してもよいし、一部をハードウェア回路で構成し、その他の部分をCPUとプログラムとで実現してもよい。
図19は、基地局eNBのハードウェア(HW)構成の例を示す図である。図19は、図18よりも実装例に近い構成を示している。図19に示すように、基地局eNBは、無線信号に関する処理を行うREモジュール251と、ベースバンド信号処理を行うBB処理モジュール252と、上位レイヤ等の処理を行う装置制御モジュール253と、ネットワークと接続するためのインタフェースである通信IF254とを有する。
REモジュール251は、BB処理モジュール252から受信したデジタルベースバンド信号に対して、D/A変換、変調、周波数変換、及び電力増幅等を行うことでアンテナから送信すべき無線信号を生成する。また、受信した無線信号に対して、周波数変換、A/D変換、復調等を行うことでデジタルベースバンド信号を生成し、BB処理モジュール252に渡す。REモジュール251は、例えば、図18のDL信号送信部201及びUL信号受信部202における物理レイヤ等の機能を含む。
BB処理モジュール252は、IPパケットとデジタルベースバンド信号とを相互に変換する処理を行う。DSP262は、BB処理モジュール252における信号処理を行うプロセッサである。メモリ272は、DSP252のワークエリアとして使用される。BB処理モジュール252は、例えば、図18のDL信号送信部201及びUL信号受信部202におけるレイヤ2等の機能、RRC管理部203及びスケジューリング部204を含む。なお、RRC管理部203及びスケジューリング部204の機能の全部又は一部を装置制御モジュール253に含めることとしてもよい。
装置制御モジュール253は、IPレイヤのプロトコル処理、OAM処理等を行う。プロセッサ263は、装置制御モジュール253が行う処理を行うプロセッサである。メモリ273は、プロセッサ263のワークエリアとして使用される。補助記憶装置283は、例えばHDD等であり、基地局eNB自身が動作するための各種設定情報等が格納される。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態では、キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて1つ又は複数の基地局と通信を行うユーザ装置であって、前記キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル又は複数のセルグループから、上り送信のキャリア切り替えタイミングの基準とする特定のセル又は特定のセルグループを選択する制御部と、前記選択された特定のセル又は特定のセルグループにおける遷移期間のタイミングに基づいて、第1のセルのキャリアを用いた上り送信から、第2のセルのキャリアを用いた上り送信への切り替えを実施する送信部とを備えるユーザ装置が提供される。前述したUL送信切り替え制御部104は、上記の制御部に対応する。
上記の構成により、キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて、キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル間が非同期である場合でも、キャリア間の時間切り替えによる上り送信をユーザ装置が適切に実行することを可能とする技術が提供される。
前記送信部は、前記第1のセルが前記選択された特定のセル又は前記特定のセルグループに含まれるセルである場合に、前記第2のセルにおいて前記遷移期間と重複するサブフレームでの上り送信を行わないように構成してもよい。この構成により、正常でない上り送信を実行することを回避でき、消費電力削減、干渉の回避に寄与できる。
前記制御部は、PCell又はPCellを含むセルグループを前記特定のセル又は前記特定のセルグループとして選択することとしてもよい。この構成により、接続性を担保することができる。
前記制御部は、前記複数のセル又は前記複数のセルグループにおける各セル又は各セルグループのインデックスに基づき前記特定のセル又は前記特定のセルグループを選択することとしてもよい。この構成により、簡易な判断ロジックで特定のセル又は特定のセルグループを選択できる。
前記制御部は、前記複数のセル又は前記複数のセルグループにおける各セル又は各セルグループに設定されている通信路の優先度に基づき前記特定のセル又は前記特定のセルグループを選択することとしてもよい。この構成により、例えば、重要な通信を守ることが可能となる。
前記制御部は、前記複数のセル又は前記複数のセルグループにおける各セル又は各セルグループにおいて上り送信がなされるチャネルの種別又は信号の種別に基づき前記特定のセル又は前記特定のセルグループを選択することとしてもよい。この構成により、例えば、特定のチャネル又は信号に係る通信を守ることができる。
前記キャリアアグリゲーションが、前記第1のセルと、当該第1のセルのTTI長と異なるTTI長を使用する前記第2のセルとを含む複数セルから構成される場合において、前記制御部は、前記第1のセルのキャリアから前記第2のセルのキャリアへの切り替え期間である第1遷移期間と、前記第2のセルのキャリアから前記第1のセルのキャリアへの切り替え期間である第2遷移期間とのそれぞれを保持し、前記送信部は、前記第1のセルのキャリアから前記第2のセルのキャリアへの切り替え時に前記第1遷移期間を使用し、前記第2のセルのキャリアから前記第1のセルのキャリアへの切り替え時に前記第2遷移期間を使用することとしてもよい。
上記の構成により、例えば、LTE−5G CA等の異RAT間でのCAにおいて、適切に上り送信の時間切り替えを実施することができる。
前記制御部は、前記特定のセル又は前記特定のセルグループを、前記基地局からの指示に基づいて選択することとしてもよい。この構成により、ネットワーク側のポリシーに応じた柔軟な制御が可能となる。
前記送信部は、キャリア間での上り送信の切り替えに関する能力情報を前記基地局に通知することとしてもよい。この構成により、基地局側で、ユーザ装置におけるキャリア間での上り送信の切り替えに関する能力を把握でき、ユーザ装置へのCA(DC)の設定時等において、適切な設定が可能となる。
本実施の形態で説明したユーザ装置UEは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、第1、第2の実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
本実施の形態で説明した基地局eNBは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、第1、第2の実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、ユーザ装置及び基地局は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置が有するプロセッサにより動作するソフトウェア、及び、基地局が有するプロセッサにより動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
本特許出願は2015年2月20日に出願した日本国特許出願第2015−032343号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2015−032343号の全内容を本願に援用する。
UE ユーザ装置
eNB、MeNB、SeNB 基地局
101 UL信号送信部
102 DL信号受信部
103 RRC管理部
104 UL送信切り替え制御部
151 REモジュール
152 BB処理モジュール
153 装置制御モジュール
154 USIMスロット
201 DL信号送信部
202 UL信号受信部
203 RRC管理部
204 スケジューリング部
251 REモジュール
252 BB処理モジュール
253 装置制御モジュール
254 通信IF

Claims (10)

  1. キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて1つ又は複数の基地局と通信を行うユーザ装置であって、
    前記キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル又は複数のセルグループから、上り送信のキャリア切り替えタイミングの基準とする特定のセル又は特定のセルグループを選択する制御部と、
    前記選択された特定のセル又は特定のセルグループにおける遷移期間のタイミングに基づいて、第1のセルのキャリアを用いた上り送信から、第2のセルのキャリアを用いた上り送信への切り替えを実施する送信部と
    を備えるユーザ装置。
  2. 前記送信部は、前記第1のセルが前記選択された特定のセル又は前記特定のセルグループに含まれるセルである場合に、前記第2のセルにおいて前記遷移期間と重複するサブフレームでの上り送信を行わない
    請求項1に記載のユーザ装置。
  3. 前記制御部は、PCell又はPCellを含むセルグループを前記特定のセル又は前記特定のセルグループとして選択する
    請求項1又は2に記載のユーザ装置。
  4. 前記制御部は、前記複数のセル又は前記複数のセルグループにおける各セル又は各セルグループのインデックスに基づき前記特定のセル又は前記特定のセルグループを選択する
    請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  5. 前記制御部は、前記複数のセル又は前記複数のセルグループにおける各セル又は各セルグループに設定されている通信路の優先度に基づき前記特定のセル又は前記特定のセルグループを選択する
    請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  6. 前記制御部は、前記複数のセル又は前記複数のセルグループにおける各セル又は各セルグループにおいて上り送信がなされるチャネルの種別又は信号の種別に基づき前記特定のセル又は前記特定のセルグループを選択する
    請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  7. 前記キャリアアグリゲーションが、前記第1のセルと、当該第1のセルのTTI長と異なるTTI長を使用する前記第2のセルとを含む複数セルから構成される場合において、
    前記制御部は、前記第1のセルのキャリアから前記第2のセルのキャリアへの切り替え期間である第1遷移期間と、前記第2のセルのキャリアから前記第1のセルのキャリアへの切り替え期間である第2遷移期間とのそれぞれを保持し、
    前記送信部は、前記第1のセルのキャリアから前記第2のセルのキャリアへの切り替え時に前記第1遷移期間を使用し、前記第2のセルのキャリアから前記第1のセルのキャリアへの切り替え時に前記第2遷移期間を使用する
    請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  8. 前記制御部は、前記特定のセル又は前記特定のセルグループを、前記基地局からの指示に基づいて選択する
    請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  9. 前記送信部は、キャリア間での上り送信の切り替えに関する能力情報を前記基地局に通知する
    請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
  10. キャリアアグリゲーションをサポートする移動通信システムにおいて1つ又は複数の基地局と通信を行うユーザ装置が実行する上り送信切り替え方法であって、
    前記キャリアアグリゲーションを構成する複数のセル又は複数のセルグループから、上り送信のキャリア切り替えタイミングの基準とする特定のセル又は特定のセルグループを選択するステップと、
    前記選択された特定のセル又は特定のセルグループにおける遷移期間のタイミングに基づいて、第1のセルのキャリアを用いた上り送信から、第2のセルのキャリアを用いた上り送信への切り替えを実施するステップと
    を備える上り送信切り替え方法。
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