JPWO2016117358A1 - 検査データ処理装置および検査データ処理方法 - Google Patents

検査データ処理装置および検査データ処理方法 Download PDF

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Abstract

検査データ処理装置(50)は、基準空間生成部(4)と、正常/異常判別部(6)とを備える。基準空間生成部(4)は、正常品の特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から複数のデータをランダムに抽出し、抽出された複数のデータが示す特徴量を代表する代表特徴量を算出する処理を、所定数だけ繰返し実施する。そして、基準空間生成部(4)は、当該所定数の繰返し実施により算出された代表特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から、基準空間を生成する。正常/異常判別部(6)は、生成された基準空間と検査対象の特徴量を示すデータとの距離の大きさに基づき、検査対象が正常品および異常品のいずれであるかを判別する。

Description

本発明は、検査データ処理装置および検査データ処理方法に関し、特に、被検対象から測定された検査データに基づき当該被検対象が正常または異常であるかを判別するための検査データ処理方法および検査データ処理装置に関する。
機械または電器機器の製品検査においては、正常品と異常品を判別する音響検査が実施される。音響検査では、高い判別精度が望まれている。
機械または電気機器より発生する騒音に関して、従来は、主に、人(検査者)の耳で騒音を検査することで、正常/異常を判別していた。特に、検査者の耳で不快に感じる音であるか否かによって正常/異常を判別する場合には、検査者の耳による官能検査が必須とされてきた。
しかし、検査者の耳による判別では、検査者毎の判別基準にばらつきがある。また、同一の検査者であっても、検査時の体調により、判別の基準が変動する。
そのため、測定条件および検査者に依存しない自動判別技術が求められてきた。このような判別技術は、主に音声認識の分野のうち特定の音源または言葉を認識する分野において発展してきている。
例えば、特許文献1(特開2000−172291号公報)では、マイクロフォンで収集された音声データの音響モデルが作成され、音響モデルに従って音声の各単語が認識される。また、特許文献2(特開2002−189493号公報)では、学習された特徴別パターンを用いて話者の音声の周波数スペクトルが補正されることにより、音声認識性能を向上させている。
また、正常と異常を判別する方法としては、正常品のデータ群を基準に異常を定量的に判別する方法として、パターン認識技術の1つであるマハラノビス距離を指標に用いる判別方法が提案されている。例えば、特許文献3(特開2003−310564号公報)では、脳波の判別を医師に代わって実施する場合、脳波の時系列データから複数の特徴量が抽出される。そして、基準学習データを用いて算出された基準データ空間と、当該抽出された判別対象の特徴量とから算出されたマハラノビス距離が、分離指標として用いられる。
音響に関する分野においてもマハラノビス距離を判別の指標として用いる方法が提案されている。例えば、特許文献4(特開2004−198383号公報)では、衝突音の集団が有する音の特徴量が発生原因毎に基準空間として定義されて、各集団の判別対象の分離度がマハラノビス距離を用いて評価される。これにより、音の発生原因が推定される。
ここで、上記の基準空間は逆行列計算により算出される。しかし、音響データまたは画像データ等では、データどうしの相関係数が大きいため、多重共線性の問題が発生し、その結果、通常の逆行列計算を実施することが困難となる。これに対処するために、例えば特許文献5(特開2012−093423号公報)では、平均値、感度、標準SN比に特徴量を集約することで、逆行列計算が回避され、これら特徴量から算出されたマハラノビス距離に基づきパターン認識に係る判別が実施される。
特開2000−172291号公報 特開2002−189493号公報 特開2003−310564号公報 特開2004−198383号公報 特開2012−093423号公報
上記の特許文献3は、マハラノビス距離に基づき脳波の正常/異常を判別するために、正常脳波データをもとに判別のための基準データ空間を生成している。この方法によれば、正常のデータ群を基準とした方が、異常のデータ群を基準とした場合よりもデータのばらつきが小さく、正常/異常の分離度を向上させることができる。しかしながら、特許文献4は、正常音波データに基づく基準空間データを、より均質にするための方法は提案していないため、基準空間データに基づき上記の分離度を向上させることは困難であった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、検査対象が正常品および異常品のいずれであるかを高い精度で判別することができる検査データ処理装置および検査データ処理方法を提供することである。
この発明に係る検査データ処理装置は、正常品の特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から複数のデータをランダムに抽出し、抽出された複数のデータが示す特徴量を代表する代表特徴量を算出する処理を、上記の所定数だけ繰返し実施し、当該所定数の繰返し実施により算出された代表特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から、基準空間を生成する。そして、生成された基準空間と検査対象の特徴量を示すデータとの距離の大きさに基づき、検査対象は正常品および異常品のいずれであるかを判別する。
ある局面において、上記のように正常品の代表特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から基準空間が生成されることで、基準空間のデータは均質の特徴量を示す。これにより、当該基準空間との距離に基づく正常品または異常品の判別を正確に行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に係る検査データ処理装置50のハードウェアの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る検査データ処理装置50の機能の構成を示す図である。 図2の情報格納部10に格納されるデータの一例を示す図である。 検査対象の機器の測定において得られた時系列データの一例を示す図である。 図4から切出された1秒間の時系列データの一例を示す図である。 図5の時系列データから自己回帰モデルを用いて推定された時系列データの一例を示す図である。 時系列データをFFT処理した結果を示す図である。 時系列データを、自己回帰モデルを用いてスペクトル密度を推定した結果を示す図である。 実施の形態3に係る対比のための実験結果を示す図である。 実施の形態4に係る階層構造の一例を示す図である。 実施の形態4に係る実験結果の一例を示す図である。 本実施の形態5に係る各特徴量に対するSN比(signal-to-noise ratio)の一例を示す図である。 実施の形態7に係る全体処理のフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図中の同一符号は、同一または相当する部分を示す。
本実施の形態では、検査対象として機械または電気機器等の製品を例示するが、検査対象はこれに限定されない。また、検査対象の製品は、正常品または異常品の判別対象である判別品に相当する。本実施の形態では、判別は、検査対象からの音の信号を所定時間間隔でサンプリングすることにより生成された時系列データを用いて実施される。時系列データは、音波形のレベル(振幅等)の時間変化および周波数変化を示すデータとして例示されているが、当該データに限定されず、検査対象から発生する振動波形のレベルの時間変化および周波数変化を示すデータであってもよい。
また、本実施の形態では、正常品は、人の聴感による製品からの発生音の検査において正常と判定され得るものである。また、異常品は、人の聴感による製品からの発生音の検査において異常と判定され得るものである。具体的には、発生音に、例えば、機械部品の接触による異音、回転体の軸ずれによる接触音が含まれる場合には、製品は異常品すなわち不適合品であると判別される。
(実施の形態の概要)
本実施の形態に係る検査データ処理装置は、正常品の特徴量を示す所定数(例えば、1000個)のデータを含むデータ群から複数のデータをランダムに抽出し、抽出された複数のデータが示す特徴量を代表する代表特徴量を算出する処理を、上記の所定数だけ繰返し実施する。検査データ処理装置は、この所定数の繰返し実施により算出された代表特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から、基準空間を生成する。そして、検査データ処理装置は、生成された基準空間と検査対象の特徴量を示すデータとのマハラノビス距離の大きさに基づき、検査対象が正常品および異常品のいずれであるか否かを判別する。
このように、代表特徴量群から基準空間を構成することで、基準空間を構成する特徴量のばらつきを低減し均質化することができる。したがって、特徴量のばらつきが少ない均質の基準空間からのマハラノビス距離の大きさに基づいた正常/異常を判別できる。これにより、判別の精度を向上させることができる。
[実施の形態1]
(装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る検査データ処理装置50のハードウェアの構成を示す図である。検査データ処理装置50は、コンピュータに相当する構成を有する。具体的には、検査データ処理装置50は、情報処理部に相当するCPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を含む主記憶装置52、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置53、キーボードまたはマウス等の入力装置54、ディスプレイまたはプリンタ等の出力装置55、および外部機器(図示せず)と通信するための通信装置56、メモリドライバ57、および外部I/F(Interfaceの略)部58を備える。
外部I/F部58は、センサ1A,1Bからの信号の入力を受付ける。センサ1A,1Bは、検査対象の機械または電気機器(図示せず)からの音を測定し、測定された信号(音波信号)を外部I/F部58に出力する。メモリドライバ57には、記憶媒体であるメモリカード59が着脱自在に装着される。メモリドライバ57は、CPU51の制御のもとに、装着されたメモリカード59にデータを書込み、または、メモリカード59からデータを読出す。
(機能構成)
図2は、本発明の実施の形態に係る検査データ処理装置50の機能の構成を示す図である。図2を参照して、検査データ処理装置50は、検査対象の機械または電気機器(図示せず)から発生する音を測定する測定部1、測定部1からの測定信号を処理し時系列データを出力する信号処理部2、判別処理部20、および情報格納部10を備える。判別処理部20は、特徴量抽出部3、距離算出部5、正常/異常判別部6、異常品抽出部7、階層的クラスタリング分析部8、および要因分析部9を含む。これら各部の詳細は後述する。
信号処理部2および判別処理部20は、それぞれ、CPU51により実行されるプログラムまたはプログラムと回路の組合せにより実現される。
情報格納部10は、図2の補助記憶装置53またはメモリカード59の記憶領域に相当する。図3は、図2の情報格納部10に格納されるデータの一例を示す図である。図3を参照して、情報格納部10は領域E1〜E8を含む。領域E1は、後述する複数の判別品データの特徴量からなる判別品特徴量群11を格納する。領域E2は、後述する複数の正常品データの特徴量からなる正常品特徴量群12を格納する。領域E3は、基準空間を示す基準空間データ13を格納する。
領域E4は、距離に基づき判別された異常品データの特徴量からなる異常品特徴量群14を格納する。領域E5は、後述する異常モード毎の異常品データの特徴量からなるモード別特徴量群15を格納する。領域E6は、異常モード毎の有効特徴量を識別するための特徴量識別データ16を格納する。領域E7は、いずれの異常モードにも分類されなかった未分類データ8aからなる未分類データ群17を格納する。領域E8は、異常要因データ18を格納する。各領域のデータの詳細は後述する。
図2に戻り、測定部1は、予め正常品と分類された機械または電気機器からの音を測定するセンサ1A、および検査対象である機械または電気機器(すなわち、判別品)からの音を測定するセンサ1Bを含む。センサ1Aと1Bは、例えば加速度ピックアップを含み、同様の測定機能を有する。
信号処理部2は、センサ1Aからの測定信号を処理し、処理結果に基づく時系列データ(以下、正常品データという)を出力する信号処理部2Aと、センサ1Bからの測定信号を処理し、処理結果に基づく時系列データ(以下、判別品データという)を出力する信号処理部2Bとを含む。信号処理部2A,2Bは、それぞれフィルタ回路、アナログ/デジタル(analog/digital)変換回路およびサンプリング回路等を含み、同様の信号処理を実施する。
特徴量抽出部3は、信号処理部2Aからの正常品を表す正常品データから特徴量を抽出する特徴量抽出部3A、および信号処理部2Bからの判別品データから特徴量を抽出する特徴量抽出部3Bを含む。特徴量抽出部3Aと3Bは、同様の特徴抽出処理を実施する。
また、特徴量抽出部3は、より適切に特徴量を抽出するためにAR(Autoregressive)推定部3CおよびA特性補正部3Dを含む。特徴量抽出部3Aは、各正常品データから抽出した特徴量を領域E2に格納し、特徴量抽出部3Bは、各判別品データから抽出した特徴量を領域E1に格納する。
検査データ処理装置50は、さらに、基準空間生成部4を含む。基準空間生成部4は、領域E2に格納されている正常品特徴量群12に基づき、基準空間を示す基準空間データ13を生成し、領域E3に基準空間データ13を格納する。
距離算出部5は、判別品データの特徴量と、基準空間データ13が示す基準空間との距離(後述するマハラノビス距離)を算出する。正常/異常判別部6は、算出された距離に基づき当該判別品データの判別品が正常品および異常品のいずれであるかを判別する。異常品抽出部7は、正常/異常判別部6により判別された判別品データのうち、異常品と判別された判別品データの特徴量を示す異常品特徴量7aを、領域E4に格納する。
階層的クラスタリング分析部8は、領域E4に格納されている異常品特徴量群14に含まれる各異常品特徴量7aを複数の異常モードに分類するために階層的クラスター分析を実施する。要因分析部9は、異常モード毎に異常の要因(原因)を分析する。階層的クラスタリング分析部8は、異常品特徴量群14のうちいずれの異常モードにも分類されなかった異常品特徴量を、未分類データ8aとして、領域E8に格納する。要因分析部9は、要因の分析結果を、階層的クラスタリング分析部8にフィードバック、または出力する。
なお、図2では、正常品と判別品について、センサ、信号処理部および特徴量抽出部を個別に備えるようにしたが、これらは、正常品と判別品について共用される構成であってもよい。
(マハラノビス距離の算出)
本実施の形態では、検査データ処理装置50は、MTS(マハラノビスタグチシステム)法に従うマハラノビス距離D(以下、単に距離Dとも略す)に基づき判別品について正常/異常を判別する。MTS法とはパターン認識の一方法として、田口玄一博士の提案した方法であり、他のパターン認識の手法(例えばニューラルネットワーク等)と比較して扱える特徴量の数が多く、高い認識精度を実現できる方法である。
MTS法にはMT(マハラノビスタグチ)法、RT(Recognition Taguchi)法等のいくつかの計算方法があるが、本実施の形態ではMT(マハラノビスタグチ)法を用いた。距離Dは、基準空間を構成する正常品データの特徴量から算出された相関係数行列Rに基づく一般化逆行列Aを用いて算出される。一般化逆行列は、一般逆行列、ムーア・ペンローズ逆行列、疑逆行列とも呼ばれるが、ここでは「一般化逆行列」の名称で統一する。
<基準空間の生成>
基準空間は、人の聴感検査により予め分類された正常品の音の時系列データに基づき生成される。
センサ1Aは正常品から加速度ピックアップによって正常品からの音を測定し音波信号を出力する。信号処理部2Aは、センサ1Aからの音波信号をフィルタ処理し、フィルタ処理後の音波信号をデジタルデータである正常品データ(波形を表す時系列データ)に変換する。得られた正常品データの数は例えば1000個であり、当該正常品データは、領域E2に格納される。
特徴量抽出部3Aでは、AR推定部3CによるAR推定(後述する)によって、信号処理部2Aからの正常品データをスペクトル密度のデータに変換する。スペクトル密度データは、周波数成分毎のスペクトル密度を表す。特徴量抽出部3Aは、スペクトル密度データについて10Hz毎にスペクトル密度を平均化処理することにより、1000個のスペクトル密度データ(特徴量)を算出する。このようにして、1000個の正常品データのそれぞれについて、1000個の特徴量が抽出される。なお、特徴量の抽出に際しては、後述するA特性補正部3Dによる処理が実施されてもよい。
基準空間生成部4は、特徴量抽出部3Aから出力される1000個の正常品データについての特徴量を、情報格納部10の領域E3に格納する。これにより、領域E3には基準空間データ13が格納される。
上述の測定部1による測定信号の処理と特徴量の算出について、発明者の実験により得られた図4〜図8の時系列データを参照して説明する。
ここでは、センサ1A,1Bは同様の測定動作を実施するので、これらの動作を測定部1の動作として説明する。また、信号処理部2A,2Bは同様の処理を実施するので、これらの処理を信号処理部2の処理として説明する。また、特徴量抽出部3A,3Bも同様の処理を実施するので、これらの処理を特徴量抽出部3の処理として説明する。
図4は、検査対象の機器の測定において得られた時系列データの一例を示す図である。図4は、連続的に5秒間、100kHzのサンプリング速度で測定された時系列データを示す。
特徴量抽出部3は、図4の時系列データのうち、1秒分のデータを連続部分として切り出す。つまり、5秒間の時系列データから5個の時系列データからなるデータセットが得られる。図5は、図4から切り出された1秒間の時系列データの一例を示す図である。
特徴量抽出部3は、上記の時系列データから特徴量を抽出するために、AR推定部3Cによるスペクトル推定のための算出処理を実行する。自己回帰モデル(ARモデル)は、過去の系列値から未来の値を予測するための時系列予測に関する方法である。具体的には、AR推定部3Cは、以下の手順により予測波形(時系列データ)を算出する。
離散的な時系列データは、平均からのずれxi、自己回帰係数aj、次数M、およびノイズξiを用いて(式1-1)で表されると仮定した場合に、モデルパラメータ(M,aj,σ)が推定されることにより、モデル化される。また、自己解析モデルのパラメータを使用することで解析的に(式1-2)を得た。
Figure 2016117358
AR推定部3Cは、パラメータai、σ、および平均値Mを推定し、自己回帰モデルから時系列データを推定する。図6は、図5の時系列データから自己回帰モデルを用いて推定された時系列データの一例を示す図である。
音、振動等の波形を示す時系列データから特徴量を抽出する場合、通常は、離散データが無限に続く信号の1周期分であると仮定したフーリエ変換により抽出が行われる。しかし、FFT(Fast Fourier Transform)処理では、時間波形のずれによって多くのノイズ成分が発生し、有効な特徴量がノイズ成分に埋もれてしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態の特徴量抽出部3では、時系列データに自己回帰モデルを適用して、スペクトル密度が推定される。推定により得られた周波数成分に対する特徴量(スペクトル密度)のデータセットが、正常/異常の判別に使用される。この場合、FFT処理によってスペクトルを得る場合に比べて、時系列データのグラフ形状が滑らかになり(図6参照)、ノイズ成分に埋もれることなく有効な特徴量を得ることができる。
上述の効果をさらに説明する。図7は、時系列データをFFT処理した結果を示す図である。図7は横軸に周波数を示し、縦軸に電圧信号の強度(単位:V)を示す。図8は、時系列データを、自己回帰モデルを用いてスペクトル密度を推定した結果を示す図である。図8の横軸は図7と同様に周波数を示し、縦軸は電圧により示されるスペクトル密度(単位:V/Hz)を示す。
本実施の形態では、スペクトル密度が自己回帰モデルを用いて計算されることにより、図6の時系列データを図5の元の時系列データとよく一致させることができる。したがって、時系列データについて、単純にスペクトル強度をFFT処理することによって得られた図7のデータと、同じ時系列データを自己回帰モデルにより推定されたスペクトル密度を示す図8の時系列データとを比較した場合に、図8の時系列データでは、周波数毎の細かい時間変動が排除されていることがわかる。
発明者らは、上述に示すように自己回帰モデルを用いてスペクトル密度が推定された時系列データ(図8参照)の方が、FFT処理により取得される時系列データ(図7参照)よりも、ノイズ成分に埋もれることなく有効な特徴量を抽出できるとの知見を得た。
<一搬化逆行列Aの算出>
CPU51は、距離Dを算出するために用いる一般化逆行列Aを基準空間データ13から導出する。具体的には、まず、CPU51は、情報格納部10の基準空間データ13に基づき、以下の(式2)に示す相関係数行列Rを算出する。
Figure 2016117358
相関係数行列Rの要素rijは、(式3)に示すように、正常品データの特徴量を示すデータ(以下、単位データという)についてのi番目の項目とj番目の項目の相関係数である。すなわち、単位データに含まれる1000個の特徴量(スペクトル密度)のうちのi番目の特徴量とj番目の特徴量との相関を表す係数である。
Figure 2016117358
次に、特異値行列Λ、固有ベクトル行列W、および行列Vを算出するために、まず、相関係数行列Rの固有値が算出される。具体的には、CPU51は、以下の(式4)により固有値λを算出し、算出値の大きい順にλ、λ、λ、…λ≧0と並べる。この並びに基づき、(式5)により特異値行列Λが算出される。
Figure 2016117358
Figure 2016117358
次に、CPU51はλに対する固有ベクトルを算出する((式6)のλは平方根をとった特異値ではない)。すなわち(式6)に基づき(式7)のベクトルが算出される。
Figure 2016117358
Figure 2016117358
また、CPU51は、λ(i=1〜k)に対して、上記に述べたλと同様に固有ベクトルを算出する。CPU51は、これら算出されたこれらの固有ベクトルから(式8)に示す固有ベクトル行列Wを算出する。
Figure 2016117358
そして、CPU51は、次の(式9)に基づき行列Vを算出する。
Figure 2016117358
CPU51は、算出された固有ベクトル行列W、特異値行列Λ、および行列Vを用いた(式10)に基づき、一般化逆行列Aを算出する。算出された一般化逆行列Aは、情報格納部10に格納される。
Figure 2016117358
<距離Dの算出>
本実施の形態にかかる距離Dの算出方法について説明する。CPU51は、各単位データの距離Dを、一般化逆行列Aを用いて算出する。たとえば、単位データのサンプルNo.1の距離Dは(式11)に従い算出される。また、信号データ、未知データについても同様に距離Dが(式12)と(式13)に従い算出される(Aは単位データの距離Dを求めるときに用いる行列と共通する)。
Figure 2016117358
Figure 2016117358
Figure 2016117358
CPU51は、基準空間データ13を構成する全ての正常品データ(単位データ)についてそれぞれ距離Dを算出すると、それらの平均値に基づき、正常/異常を判別するための閾値(以下、判別閾値)を所定演算に従い算出する。算出された判別閾値は、情報格納部10の所定領域に格納される。
以上のように、正常品データの特徴量(単位データ)の集合である基準空間データ13から一般化逆行列が生成され、生成された一般化逆行列を用いて各単位データの距離Dが算出され、算出された距離Dに基づき判別閾値が算出される。
(正常/異常の判別処理)
次に、正常/異常の判別処理を説明する。発明者らの実験によれば、正常/異常判別部6が、上記の(式13)を用いて算出された距離Dを用いて、判別処理を実施した場合に、正常品を異常品と誤って判別する確率を低くすることができるとの知見を得た。
実験に際しては、例えば、情報格納部10の領域E4には、異常品について、上述した測定部1および信号処理部2により取得された時系列データ(例えば1000個の時系列データ)について異常品特徴量群14が格納されている。特徴量抽出部3は、領域E2の正常品特徴量群12について、自己回帰モデル(ARモデル)を適用して特徴量を抽出し、領域E4の異常品特徴量群14について、同様に、自己回帰モデルを適用して特徴量を抽出する。距離算出部5は、正常品特徴量群12の各正常品データについて、抽出された特徴量を用いて上記(式13)に基づき距離Dを算出し、異常品特徴量群14の各異常品データについて、同様に、抽出された特徴量を用いて上記(式13)に基づき距離Dを算出する。
正常/異常判別部6は、正常品データおよび異常品データについて算出された距離Dと上記の判別閾値とを比較し、比較の結果に基づき(距離D≧判別閾値)という関係が成立する場合には“異常品”であると判別し、(距離D<判別閾値)という関係が成立する場合には“正常品”であると判別する。この場合、正常品を異常品と誤って判別する確率(すなわち見過ぎ率)を約10%にすることができた。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1によれば、判別には、正常品特徴量群12を用いて生成された基準空間データ13が示す基準空間からの距離Dが用いられることにより、正常品と異常品の分離度を向上させることができる。具体的には、正常品から測定される音の波形は、ばらつきは小さく特徴も類似しているという性質を有するのに対し、異常品から測定される音の波形のばらつきは大きいという性質を有する。すなわち、正常品の特徴量は比較的均一な分布を有するのに対して、異常品の特徴量の分布は大きい傾向がある。
したがって、異常品データの特徴量群よりも均質な特徴量からなる正常品特徴量群12から生成された基準空間データ13を判別の基準に用いることで、正常品と異常品とを高い精度で判別することができる。
また、距離Dを算出するために、一般化逆行列Aを用いた逆行列計算が実施される。音等の時系列データを用いる場合、多重共線性の問題が発生し、逆行列計算が困難になる場合があるが、一般化逆行列では、正則していない場合でも逆行列を算出することが可能である。したがって、一般化逆行列Aを適用することで、多重共線性の有無にかかわらず、距離Dを算出することができる。
また、マハラノビス距離Dは一般化逆行列を用いて算出されることで、高い判別精度が得られる。つまり、特許文献4(特開2004−198383号公報)のように、特徴量を平均値、感度、標準SN比に集約してマハラノビス距離が算出される場合、判別に有効な特徴を抽出して用いることが困難となり、高い判別精度を得ることはできない。これに対し、実施の形態1では、一般化逆行列を適用して算出された距離Dは、特徴量が集約されることなく、多くの特徴量に関する情報を含み得るため、高い判別精度を得ることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2は、実施の形態1の変形例を示す。実施の形態2では、基準空間生成部4は、基準空間データ13を生成する際に、単位データの分布を均質にする。
具体的には、基準空間生成部4は、基準空間データ13における単位データの分布を均質にするために以下のステップSAとステップSBを含む平均化処理を実施する。
(ステップSA):基準空間生成部4は、基準空間データ13の1000個の単位データから400個をランダムに抽出し、抽出された単位データの特徴量を平均化処理し、平均化処理された特徴量を示すデータを、新たな単位データとして定義する。
(ステップSB):基準空間生成部4は、上記のステップSAにおいて抽出された400個の単位データを、元の基準空間データ13に戻す。その後、基準空間生成部4は、上記のステップSAを実施する。
基準空間生成部4は、上記のステップSAとステップSBの処理を、1000回繰返し実施することにより、算出(定義)された1000個の単位データからなる新たな基準空間データ13を生成し、領域E3に格納する。これにより、領域E3の基準空間データ13の単位データは、均質の特徴量を示す単位データに書換えられる。なお、上述のステップSAでは400個の単位データが示す特徴量について平均を算出したが、算出値はこれに限定されない。つまり、算出される値は、400個の単位データの特徴量についての代表値であればよく、例えば400個の単位データが示す特徴量の中央値、最頻値等が算出されてもよい。
発明者らは、実験において、正常/異常判別部6による判別処理を、上述した平均化処理が実施された基準空間データ13を用いた場合と、平均化処理が実施されていない基準空間データ13を用いた場合とにおいて、それぞれ実施した。その結果、平均化処理を実施した場合は、実施されていない場合に比較して、正常品と異常品の判別精度が向上するとの知見を得た。つまり、平均化処理が実施されない実施の形態1では、見過ぎ率が約10%であったのに対し、平均化処理が実施される実施の形態2によれば当該見過ぎ率を、1%に低下させることができた。
また、発明者らは、実験により、ステップSAで基準空間データ13から抽出される単位データの数と、見過ぎ率とは相関関係を有するとの知見を得た。つまり、基準空間データ13から40%〜50%の数の単位データを抽出した場合に、見過ぎ率を最も低くすることができた。また、発明者らは、この効果を、基準空間データ13を構成する単位データの数に依存せずに得ることができるとの知見も得た。
(実施の形態2の効果)
このように、実施の形態2では、均質に分布する単位データから構成される基準空間データ13を用いることにより、正常品を異常品と誤って判別してしまう確率を示す「見過ぎ率」を低くする、すなわち判別精度を向上させることができる。
[実施の形態3]
実施の形態3は、実施の形態1または2の変形例を示す。実施の形態3では、判別の精度を人の感度に基づく精度に近づけるために、特徴量抽出部3は、上記の時系列データに対して周波数に基づく重み付けを行う。
具体的には、実施の形態3の背景には、人の聴覚は、周波数帯域で一様な感度を有していないという点がある。その一方で、特徴量抽出部3が時系列データから、全ての周波数領域について等しい重み付けで特徴量を抽出した場合は、人の聴覚の場合とは異なる判別結果となって、判別精度が低下する要因となる。そこで、実施の形態3では、特徴量抽出部3は、人の感度による判別精度に近づけるため、時系列データに対して周波数に基づく重み付け処理を行なう。
特徴量抽出部3のA特性補正部3Dは「重み付け部」の一実施例であり、時系列データについてA特性による補正処理を実施する。A特性による補正処理では、人間の聴覚を考慮した周波数に重み付けがされる。つまり、当該補正処理は、人間の聴覚が低周波側では1000Hz以下の帯域において感度が低下し、20Hz以下で感度を有さなくなる(聞こえなくなる)こと、および高周波側でも周波数が高くなるほど感度が低下し、20kHzでは感度を有さなくなるとの特性に鑑みたフィルタ処理に相当する。このフィルタ処理には、A特性補正部3Dが有するA特性フィルタが適用される。
A特性フィルタは、1000Hz付近の成分には影響を与えることなく、低周波および高周波の成分(振幅等)を減衰させる特性を有する。A特性フィルタは、以下の(式14)により示される。重み付け処理は、人の耳に敏感な周波数領域での異音を対象として実施されることが望ましい。したがって、(式14)では、人の聴覚において高い感度を示す周波数f〜fがパラメータとして用いられる。
Figure 2016117358
発明者らの実験において、特徴量抽出部3は、時系列データについて、実施の形態2で説明したAR推定部3Cによる自己回帰モデルに基づくスペクトル密度計算を実施し、さらにA特性補正部3Dによる重み付け処理を実施した。これにより、得られたスペクトル密度データを示す特徴量が抽出された。そして、基準空間生成部4は、実施の形態2の処理に基づき均質な単位データからなる基準空間データ13を生成した。正常/異常判別部6は、上記のように均質化された基準空間データ13に基づき判別処理を実施した。このような実験により、見過ぎ率を0.1%以下にすることができた。
(他の実験例)
発明者らは、本実施の形態3で示された、見過ぎ率が0.1%以下を示す基準空間データ13を用いた別の実験を行った。この実験では、特徴量抽出部3は、人の聴感検査により異常と予め分かっている異常品の150個の時系列データと、正常品の200個の時系列データとを対象にして、各時系列データから特徴量を抽出した。正常/異常判別部6は、抽出された特徴量を用いて算出された距離Dを用いて判別処理を実施した。この実験では、正常/異常判別部6は正常品と異常品を全て誤ることなく判別することができた。
また、発明らは、対比のために別の実験も実施した。図9は、実施の形態3に係る対比のための実験結果を示す図である。実験では、上述の異常品の150個の時系列データには、人の聴感検査により異常の要因がわかっており、その特徴が明確となっているサンプルが、3種類の異常要因を示す異常モードMA,MB,MCで各30個ずつ含まれる。3種類の異常モードそれぞれに関して基準空間データが構成される。各異常モードの基準空間データに対して、A特性補正が実施されなかった各異常品データについて距離Dを算出し、これを判別閾値の指標とした。発明者らは、異常モード毎に、各異常品データについて、その距離Dと判別閾値に基づく判別を行なった。図9には、異常モードMA、MBおよびMCのそれぞれについて、この実験による正解個数(16個、18個、17個)と、人の聴音検査による正解個数(30個、30個、30個)とが対比して示される。図9に示されるように、A特性補正が実施されない場合は、正解率は50〜60%と低くなることがわかった。
(実施の形態3の効果)
このように、実施の形態3では、人の耳に敏感な周波数領域の特徴量(スペクトル密度)に重み付けがされた後に特徴量抽出が実施されることで、正常品を異常品と誤って判別する「見過ぎ率」を低くすることができる。したがって、判別精度が向上する。
[実施の形態4]
(階層的クラスタリング)
本実施の形態4では、階層的クラスタリング分析部8は、「異常モード分類部」の一実施例である。階層的クラスタリング分析部8は、実施の形態3のAR推定またはA特性補正が実施された判別品データのうち、異常品と判別された各判別品データを、複数種類の異常モード(クラスターに相当)に分類するための階層的クラスター分析を実施する。以下に、階層的クラスター分析について説明する。
まず、階層的クラスタリング分析部8は、情報格納部10の領域E4の異常品特徴量群14の各異常品データの特徴量について、階層的クラスター分析を実施する。
ここで、異常品特徴量群14の各異常品データの特徴量は、上述したように異常品抽出部7からの異常品特徴量7aに相当するので、階層的クラスター分析を、異常品特徴量7aを用いて説明する。分析は、以下の処理ステップ(1)〜(4)を含む。
ステップ(1):階層的クラスタリング分析部8は、異常品特徴量群14の個々の異常品特徴量7aを特徴ベクトルとして定量化する。定量化された特徴ベクトルは、上述した10Hz分のスペクトル密度を平均化処理して算出された1000個の特徴量を要素(後述する、項目i,jに相当)として有する。
ステップ(2):階層的クラスタリング分析部8は、異常品特徴量7aどうしの非類似性の尺度である「非類似度」により距離行列を算出する。
ステップ(3):階層的クラスタリング分析部8は、クラスタリングアルゴリズム(後述する)を選択する。
ステップ(4):階層的クラスタリング分析部8は、選択されたクラスタリングアルゴリズムに従い、全異常品特徴量7aが一つのクラスターに統合されるまで処理を繰返す。
ここで、階層的クラスタリング分析を実行する前に、階層的クラスタリング分析部8は、異常品データどうしの似ていない度合いを示す量である上記の「非類似度」を用いて、特徴ベクトルの項目iと項目jの間の距離dijを要素とする距離行列を作成する。「非類似度」を表す式は複数提案されているが、本実施の形態では、「非類似度」は、相関係数rijを使用して以下の(式15)により定義される。
Figure 2016117358
また、ベクトルXiとベクトルXjと間の「非類似度」をcosθとして、以下の(式16)により定義する方法も適用することができるが、ここでは、「非類似度」は相関係数rijを使用して(式15)により算出される。
Figure 2016117358
上記のステップ(3)ではクラスタリングアルゴリズムとして、最近隣法、最遠隣法、群平均法、重心法、メディアン法、ウォード法等のアルゴリズムを適用することができる。以下、各アルゴリズムの概要を説明する。
最近隣法は、2つのクラスターのそれぞれの中から1個ずつ個体を選択し、選択された2個の個体の間の距離を算出され、算出された各距離の中で、最も近い個体間の距離を、当該2つのクラスターの間の距離として決定する方法である。
最遠隣法は、2つのクラスターのそれぞれの中から1個ずつ個体を選択し、選択された2個の個体の間の距離を算出し、算出された各距離の中で、最も遠い個体間の距離を、当該2つのクラスターの間の距離として決定する方法である。
群平均法は、最近隣法と最遠隣法が折衷された方法である。具体的には、群平均法は、2つのクラスターのそれぞれの中から1個ずつ個体を選択し、選択された2個の個体の間の距離を算出し、算出された各距離の平均値を、当該2つのクラスターの間の距離として決定する方法である。
重心法は、クラスターのそれぞれの重心(例えば、平均ベクトル)を算出し、算出された重心の間の距離を、クラスターの間の距離として決定する方法である。
メディアン法は、重心法の変形された方法である。具体的には、2つのクラスターの重心の間の重み付きの距離が算出されるが、重みを等しくして算出された距離の値が、2つのクラスターの間の距離として決定される。
ウォード法は、2つのクラスターを融合した際に、各クラスターの群内の分散と、クラスターどうしの間の群間の分散との比を、最大化するための基準に従って、クラスターが形成される方法である。ウォード法は、最も高い分離度を得ることができる方法であって最小分散法とも呼ばれる。
<データの統合と異常モードの分類>
次に、図10を参照して、上記のステップ(4)における、異常品特徴量群14の全異常品特徴量7aが1つに統合されるまでの過程を、階層構造を用いて説明するとともに、当該階層構造において、異常品特徴量7aが各異常モードに分類されるまでの過程を説明する。図10は、実施の形態4に係る階層構造の一例を示す図である。ここでは、異常品特徴量群14は、9個の異常品データD1〜D9の異常品特徴量を有すると想定する。
上記の特徴量を用いた距離尺度には、特徴量どうしの相関係数rijを用いた「非類似度」が適用され、相関係数rijを使用して上記の(式15)に従い非類似度Dijが定義される。また、ステップ(3)ではクラスタリングアルゴリズムとして、上記の群平均法が選択される。
群平均法では、対象とする異常品データの特徴量の相関係数より「非類似度」が計算され、その算出値の平均値が異常品データどうしの距離とされる。
階層的クラスタリング分析部8は、異常品特徴量群14の9個の異常品データD1〜D9について、距離の近いものどうしを枝で接続する。これにより、図10に示すような、デンドログラム(樹形図)が作成される。図10のデンドログラムでは、9個の異常品データD1〜D9がクラスター分析された結果を示す。図10のデンドログラムの縦軸は、クラスター間の距離の値(0.2、0.4、…1.0)を示し、図10の下から上に向かって異常品データD1〜D9が結合される。
ここで、クラスター数(すなわち、異常モードの数)はオペレータの指示に基づき決定される。具体的には、オペレータが入力装置54を介してクラスター数を検査データ処理装置50に入力すると、階層的クラスタリング分析部8は、閾値(図)を算出するために、入力されたクラスター数に基づき予め定められた演算を実行する。階層的クラスタリング分析部8は、生成されたデンドログラムに上記の閾値を適用することにより、デンドログラム上において全異常品データを、指示された数のクラスター(異常モード)に分類する。
図10では、異常品データD1〜D6は異常モードMAのクラスターに、異常品データD7とD8は異常モードMBのクラスターに、および異常品データD9は異常モードMCのクラスターに、それぞれ分類されている。このように、異常品特徴量群14の全異常品データは、1個のデンドログラムに統合されながら各異常モードに分類される。
図11は、実施の形態4に係る実験結果の一例を示す図である。図11では、異常モード毎の人の聴音検査に対する正解の割合(正解率)が示される。実験では、異常品特徴量群14の異常品データの150個の異常品データの特徴量は、異常モードMA、異常モードMB、異常モードMC、およびその他モードの、計4種類のクラスターに分割された。
図11の表によれば、人の聴音検査による各異常モードへの分類結果と、その正解率が約70〜80%であることが示される。また、発明者らは、実験から、階層的クラスタリング分析部8による正常品の基準空間に基づく異常モードの分類処理は、異常品の基準空間を用いた異常モードの分類処理よりも、分類の精度を向上させる、との知見を得た。
(実施の形態4の効果)
実施の形態4によれば、正常品データからなる基準空間データ13を用いて正常/異常が判別される場合であっても、AR推定およびA特性補正が実施されることによって、異常品特徴量7aには、ノイズに埋もれることなく人の聴覚の感度による重み付けがされた状態の特徴量が含まれ得る。したがって、階層的クラスー分析によって、異常品特徴量7aを、異常モード毎に適切に分類することができる。
[実施の形態5]
実施の形態5では、検査データ処理装置50は、実施の形態4の階層的クラスタリング分析部8により分類された各異常モードについて、異常の要因を分析する。
(異常要因の分析処理)
要因分析部9は、階層的クラスタリング分析部8によって異常モードに分類された異常品データについて、正常品データからなる基準空間を用いたMTS(マハラノビスタグチシステム)法に従って要因を分析する。
図12は、本実施の形態5に係る各特徴量に対するSN比(signal-to-noise ratio)の一例を示す図である。図12では、横軸に、上述の特徴ベクトルの要素である1000個の特徴量(周波数成分に対応したスペクトル密度)に割当られた特徴量番号N1、N2、…、N999、N1000が割当られて、縦軸に、SN比が割当られる。特徴ベクトルの要素である1000個の特徴量の中には、SN比が大きい特徴量(以下、特定特徴量という)が含まれる。このように、SN比が大きい特定特徴量は、正常品の基準空間を用いて異常品を判別する際にマハラノビス距離Dが大きくなるように作用するため、正常/異常の判別に用いる指標として有効である。
1000個の特徴量についてSN比が大きくなる物理的原因を、予め実験等で分析して特定しておくことで、各異常モードについて異常要因の推定が可能となる。例えば、実験等により、特徴量番号の特徴量に対応した異常要因を取得する。そして、各特徴量番号と、対応の異常要因とを関連付けて登録された異常要因データ18を生成し、予め情報格納部10の領域E8に格納する。したがって、SN比が大きい特定特徴量の番号に基づき、異常要因データ18から対応の異常要因を読み出すことができる。
また、これら特定特徴量を選択的に使用することで、マハラノビス距離の計算負荷が低減されて、高速かつ高い判別精度が得られる。以下に、異常モード毎に特有の特徴量を決定する処理を説明する。
要因分析部9は、「異常要因特定部」の一実施例である。要因分析部9は、各異常モードについて、当該異常モードに分類された異常品特徴量7aを用いて上述した逆行列計算を実施し、各異常品特徴量7aに関してマハラノビス距離を計算する(ステップT1)。
要因分析部9は、異常モード毎に、異常品データ群のマハラノビス距離Dのばらつきの程度を示す標準偏差σを計算する。具体的には、要因分析部9は、各異常モードについて、特定特徴量のみを使用した場合と、全特徴量を使用した場合との両方のケースについて、マハラノビス距離Dのばらつきの程度を示す標準偏差σを、それぞれ算出する(ステップT2)。
要因分析部9は、ステップT2における、特定特徴量のみを使用した場合のマハラノビス距離の標準偏差σが、全特徴量を使用した場合の距離Dの標準偏差σよりも小さくなると判断した場合には、当該特定特徴量を、当該異常モードの異常品データ群の分布を小さくする(より均質化する)有効な特徴量(以下、有効特徴量ともいう)として決定する。
要因分析部9は、決定された有効特徴量の番号に基づき、情報格納部10の領域E9から対応の異常要因データを読出す。読出された異常要因データは、出力装置55を介して出力される。これにより、異常と判別された検査対象の製品について、その要因を報知することができる。
(実施の形態5の効果)
このように、要因分析部9は、異常品のデータベースの学習をすることなしに、各異常モードにつて異常要因を特定するための有効特徴量を決定することができる。つまり、判定品データの増加に伴い、階層的クラスター分析の対象となる異常品データが増加し、その結果、異常モード数が増加する。このような過程を経て、異常品のデータベースが学習されることになる。また、特定特徴量を用いて、各異常モードの基準空間を構成することにより、各異常モードの基準空間についてより均質化された特徴量からなる基準空間を生成することができる。したがって、マハラノビス距離を用いて判別品データがいずれの異常モードに該当するかを判別することが容易となる。
[実施の形態6]
本実施の形態6では、検査データ処理装置50は、実施の形態5における要因分析結果(異常モード毎に決定された有効特徴量)を用いて、基準空間データ13を生成する。
<要因分析結果を用いた基準空間の生成>
要因分析部9は、上記の有効特徴量を識別する特徴量番号を、特徴量識別データ16として情報格納部10の領域E6に格納する。基準空間生成部4は、一般化逆行列を算出するための相関係数行列Rの要素rij(上記の(式3)を参照)として、単位データを示す特徴ベクトルの1000個の特徴量のうちの特徴量識別データ16により示されるi番目の項目とj番目の項目の相関係数を用いる。また、特徴量識別データ16で示される有効特徴量が示す単位データから基準空間データ13が生成される。
(実施の形態6の効果)
実施の形態6によれば、有効特徴量のみを用いて生成された基準空間に基づき算出された距離Dを用いた正常品/異常品の判別精度を、全ての特徴量を用いて生成された基準空間との距離Dを用いた判別精度よりも向上させることができる。
また、有効特徴量のみを用いて生成された基準空間に基づき階層的クラスタリング分析部8により各異常モードに分類する際にも、異常品が有する全特徴量を用いて正常/異常が判別される場合に比較し、分類精度を向上させることができる。
[実施の形態7]
実施の形態7では、上述の各実施の形態に示した一連の処理をプログラムにより実施する場合を説明する。図13は、実施の形態7に係る全体処理のフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、プログラムとして記憶部(主記憶装置52、補助記憶装置53およびメモリカード59等)に予め格納される。CPU51は、記憶部からプログラムを読出し、読出されたプログラムを実行することにより処理が実現される。
図13のフローチャートを参照して、予め基準空間データ13を生成する処理(ステップS1)を説明する。具体的には、基準空間生成部4は、センサ1Aにより検出された正常品から発生する音を表す特徴量データを信号処理部2Aおよび特徴量抽出部3Aを介して入力し、特徴量データを情報格納部10の領域E2に格納する。このとき、特徴量抽出部3Aでは、AR推定部3CによるAR推定処理およびA特性補正部3DによりA特性補正処理が実施される(ステップS1a,S1b)。このようにして各正常品の特徴量データ(単位データ)が領域E2に格納される。
基準空間生成部4は、正常品特徴量群12に基づき、平均化処理された基準空間データ13を生成し、生成された基準空間データ13を領域E3に格納する(ステップS1c)。
これにより、情報格納部10の領域E3には、均質な単位データからなる基準空間データ13が格納されて、基準空間データ13の生成は終了する。
次に、基準空間データ13が示す基準空間に基づく正常/異常の判別処理を説明する。
まず、複数の判別品データからなる判別品特徴量群11が生成される(ステップS2)。具体的には、判別品からの音がセンサ1Bにより測定される。センサ1Bによる測定信号は、信号処理部2Bおよび特徴量抽出部3Bにより処理される(ステップS3)。このとき、特徴量抽出部3Bでは、AR推定部3CおよびA特性補正部3Dによる処理が実施される(ステップS4、S5)。
これにより、判別品データから抽出された特徴量データは、判別品特徴量として情報格納部10の領域E1に格納される。ステップS2〜S5の処理が、複数の判別品について実施されることにより、領域E1に判別品特徴量群11が格納される。
判別品特徴量群11の各判別品特徴量について、正常/異常の判別が実施される(ステップS7)。具体的には、距離算出部5は、判別品特徴量群11から読出した判別品特徴量について、マハラノビス距離Dを計算する。正常/異常判別部6は、計算された距離Dと判定閾値とを比較し、比較結果に基づき判別する。また、当該判別結果に基づき、判別品データのうち異常品と判別されたものを、異常品特徴量7aとして情報格納部10の領域E4に格納する。判別品特徴量群11の各判別品特徴量について、ステップS5とS6の処理が実施されることにより、領域E4には異常品特徴量群14が格納される。
階層的クラスタリング分析部8は、上述したステップ(1)〜(4)の階層的クラスター分析により、領域E4の異常品特徴量群14を分類する(ステップS9)。階層的クラスタリング分析部8は、異常モード別の異常品特徴量を、モード別特徴量群15として、情報格納部10の領域E5に格納する。また、いずれの異常モードにも分類されなかった異常品特徴量は、未分類データ8aとして情報格納部10の領域E8に格納される。
CPU51は、未分類データ群17の未分類データ8aが所定個数に達したと判断すると、要因分析部9が要因分析により異常モード毎の有効特徴量を決定し、その特徴量番号を特徴量識別データ16として領域E6に格納する(ステップS11)。また、各異常モードの有効特徴量に基づき、情報格納部10の領域E8の異常要因データ18から読出された要因データは、出力装置55を介して出力される。
この要因分析の結果は、階層的クラスタリング分析部8にフィードバックされる(ステップS13)。具体的には、領域E6の特徴量識別データ16により示される有効特徴量に重み付けがされて、上述した階層的クラスター分析が実施される。これにより、異常モードの分類に関して感度の高い特徴量(有効特徴量)のみに重み付けがされる。したがって、階層的クラスター分析では、異常モードの分類について、高い分類精度が得られる。
また、CPU51は、要因分析結果を基準空間に反映する(ステップS15)。具体的には、CPU51は、一般化逆行列を算出するための相関係数行列Rの要素rij(上記の(式3)を参照)として、すなわち単位データのi番目の項目とj番目の項目の相関係数として、単位データの1000個の特徴量のうち特徴量識別データ16により示されるi番目の項目とj番目の項目の相関係数を用いる。また、領域E3の基準空間データ13は、新たな基準空間データ13に変更される。基準空間データ13は、特徴量識別データ16により識別される有効特徴量を示す単位データからなる。
その後、CPU51は、処理を終了するか否かを判断する(ステップS16)。例えば、CPU51は、入力装置54から入力されたオペレータの指示に基づき当該処理を終了するか否かを判断する。CPU51は、処理を終了しないと判断した場合には(ステップS16でNO)、制御をステップS2に戻す。CPU51は、処理を終了すると判断した場合は(ステップS16でYES)、一連の判別処理を終了する。
[実施の形態8]
各実施の形態で説明した検査データ処理装置50の処理を実現するためのログラムは、記憶部(主記憶装置52、補助記憶装置53およびメモリカード59)に格納される。CPU51が記憶部から当該プログラムを読出し、読出されたプログラムを実行することにより、処理は他の回路部と協働して実現される。
上述した各実施の形態に係る処理は、上述したようなプログラムとしても提供される。このようなプログラムは、図1の検査データ処理装置50のコンピュータに付属するメモリカード59等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供される。あるいは、コンピュータに内蔵する主記憶装置52、補助記憶装置53およびメモリカード59等の記録媒体に記録して、プログラムを提供することもできる。また、図示しない通信ネットワークおよび通信装置56を介した検査データ処理装置50の記憶部へのダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
提供されるプログラムは、例えば、補助記憶装置53のハードディスク等のプログラム格納部にインストールされて、インストールされたプログラムはCPU51により読出されて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが非一時的に記憶された記憶媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 測定部、1A,1B センサ、2,2A,2B 信号処理部、3,3A,3B 特徴量抽出部、3C AR推定部、3D A特性補正部、4 基準空間生成部、5 距離算出部、6 異常判別部、7 異常品抽出部、8 階層的クラスタリング分析部、9 要因分析部、10 情報格納部、20 判別処理部、50 検査データ処理装置。

Claims (11)

  1. 検査対象が正常品および異常品のいずれであるかを判別するための検査データ処理装置であって、
    前記検査対象が正常品である場合の、正常品の特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から、基準空間を生成する生成部を備え、
    前記生成部は、
    前記基準空間を生成する場合に、前記データ群から複数のデータをランダムに抽出し、抽出された前記複数のデータが示す特徴量を代表する代表特徴量を算出する処理を、前記所定数だけ繰返し実施し、当該所定数の繰返し実施により算出された前記代表特徴量を示す前記所定数のデータを含むデータ群から、前記基準空間を生成するよう構成され、
    さらに、
    検査対象の特徴量を示すデータと前記基準空間との距離とを、所定の演算式に基づき算出する距離算出部と、
    算出された前記距離の大きさに基づき、前記検査対象が前記正常品および前記異常品のいずれであるかを判別する判別部と、を備える、検査データ処理装置。
  2. 前記距離算出部は、前記抽出された前記複数のデータが示す特徴量の平均を算出することを含む、請求項1に記載の検査データ処理装置。
  3. 前記生成部により前記データ群からランダムに抽出される前記複数のデータは、前記データ群のうちの40〜50%の数のデータである、請求項1または2に記載の検査データ処理装置。
  4. 前記距離は、マハラノビス距離を示し、
    前記所定の演算式は、前記基準空間の前記データ群の各データが示す特徴量どうしの相関係数に基づく相関係数行列から算出された一般化逆行列を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の検査データ処理装置。
  5. 前記データが示す特徴量は、音波形のレベルの時間変化および周波数変化を示す時系列データから抽出された特徴量を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の検査データ処理装置。
  6. 前記時系列データから前記特徴量を抽出する特徴量抽出部を、さらに備え、
    前記特徴量抽出部は、
    前記音波形の前記時系列データから、自己回帰モデルに従うスペクトル推定に従って、算出された周波数に対するスペクトル密度を、前記特徴量として抽出する自己回帰推定部を含む、請求項5に記載の検査データ処理装置。
  7. 前記時系列データから前記特徴量を抽出する特徴量抽出部を、さらに備え、
    前記特徴量抽出部は、
    前記音波形の前記時系列データに対し、人の聴覚の感度に基づく予め定められた周波数に対する前記音波形のレベルに重み付けをする重み付け部を含む、請求項5に記載の検査データ処理装置。
  8. 前記判別部により前記異常品であると判別された各前記検査対象を、前記検査対象のデータが示す前記特徴量に基づいた類似度に従い、複数の異常モードに分類する異常モード分類部を、さらに備える、請求項5から7のいずれか1項に記載の検査データ処理装置。
  9. 各前記異常モードについて、異常要因を特定する異常要因特定部を、さらに備え、
    前記異常要因特定部は、
    各異常モードについて、当該異常モードに含まれるデータ群の特定データからなる特定基準空間と、当該異常モードの各データとの距離のばらつきの程度を示す第1ばらつき度を算出し、
    各異常モードについて、当該異常モードに含まれるデータ群の全データからなる全基準空間と、当該異常モードの各データとの距離のばらつきの程度を示す第2ばらつき度を算出し、
    算出された前記第1ばらつき度が、算出された前記第2ばらつき度よりも小さい場合には、前記特定データが示す前記特徴量を、当該異常モードの異常要因に関する特徴量として決定するように構成される、請求項8に記載の検査データ処理装置。
  10. 前記検査データ処理装置は、前記決定された異常要因に関する特徴量を示すデータ群から、前記基準空間を生成する、請求項8に記載の検査データ処理装置。
  11. 検査対象が正常品および異常品のいずれであるかを判別するための検査データ処理方法であって、
    正常品の特徴量を示す所定数のデータを含むデータ群から、複数のデータをランダムに抽出し、抽出された前記複数のデータが示す特徴量を代表する代表特徴量を算出する処理を、前記所定数だけ繰返し実施するステップと、
    当該所定数の繰返し実施により算出された前記代表特徴量を示す前記所定数のデータを含むデータ群から、基準空間を生成するステップと、
    検査対象の特徴量を示すデータと前記基準空間との距離とを、所定の演算式に基づき算出するステップと、
    算出された前記距離の大きさに基づき、前記検査対象は前記正常品および前記異常品のいずれであるかを判別するステップと、を含む、検査データ処理方法。
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