JP2003275187A - 診断方法とその装置、診断用プログラム - Google Patents

診断方法とその装置、診断用プログラム

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JP2003275187A
JP2003275187A JP2001397263A JP2001397263A JP2003275187A JP 2003275187 A JP2003275187 A JP 2003275187A JP 2001397263 A JP2001397263 A JP 2001397263A JP 2001397263 A JP2001397263 A JP 2001397263A JP 2003275187 A JP2003275187 A JP 2003275187A
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Kiyoshi Takizawa
清 瀧澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者の心電図に発生した状態変化を、心電図
に繰り返し現れる特徴量、例えばR−R間隔の変動から
早期かつ確実に検出して対象を診断する。 【解決手段】 通常分布算出部3は、期間INT1の間
の計測された心電図データを入力として、その心電図に
繰り返し現れる特徴量を時系列データとして算出し、そ
の時系列データの隣接要素間の差の集合Cを生成する。
さらにこの集合Cからn個の要素をランダム抽出する処
理をm回繰り返してm個の部分集合を求め、このm個の
部分集合の各々の平均値の集合を正規分布とみなしてそ
の正規分布の平均値μ及び標準偏差σを算出し、これを
当該特徴量変動の通常状態を表す通常分布とする。状態
検出部4は、期間INT1より短い期間の心電図データ
から上記の集合Cと同様にして診断用の集合CTを求
め、診断部5はこの集合CTの平均値と通常分布の平均
値との差を標準偏差σと比較して診断を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、診断方法とその装
置、および診断用プログラムに係わり、特に心電図を用
いた病状の診断に好適な診断方法とその装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】心電図を分析して患者の症状を診断する
技術は数多く開発されており、例えば個々の心電図波形
の特徴点を正確に自動認識して診断を正確に行えるよう
にしたもの(特開平8−56914号、特開平9−20
1344号等)、個々の心電図波形の解析により診断を
行うもの(特開平10−225443号、USP5,6
09,158、USP5,560,368等)、心電図
波形からR−R間隔等の時系列データを取り出してその
時系列データの解析により診断を行うもの(USP5,
755,671、特開平6−54815号等)などがあ
る。これらの技術を用いれば、心電図の目視のみによる
診断に比べれば、より効率的でかつ迅速な診断が可能と
なり、症状の見逃しも少なくできる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記に例示したような
従来技術は、数分、あるいは長くても10数分程度の心
電図波形の観察、解析を行うものであるが、このような
短い時間に心臓の異常を示すデータが得られないことが
多い。例えば、心筋梗塞が発生すると、その後の数時間
内に心室頻拍による突然死の危険があり、心筋梗塞発生
後の数日間に不整脈が発生する確率は90%にもなる。
その後は不整脈発生率は減少するが、1年以内には患者
の5〜10%は死亡する。従って、このような患者の診
断には、長時間にわたる心電図データを連続して取得
し、監視することが望まれる。しかし、従来はこの記録
されたデータを、記録が終わってから医師が肉眼で見て
診断を行ったり、あるいはその記録データから医師が異
常と見なした短時間のデータを取り出して自動分析する
などの方法が用いられてきた。このために、計測から診
断結果が得られるまでの時間遅れが大きく、症状の変化
や切迫する危機を予知する点で不十分であった。また、
医師の肉眼による判断が入るので見落としが生じ易いと
いう問題もあった。
【0004】また、例えば機械的構造物やプラント内を
移動する物体などで、複雑な揺らぎを伴うがほぼ周期的
な振動を生じるような現象に対して、その状態量を常時
監視して、その対象物の特性の望ましくない変化を検出
する場合にも、当該状態量の常時取得とその迅速な自動
解析により、確実かつ迅速な検出を行えるようにするこ
とが求められている。
【0005】本発明の目的は、対象物に繰り返し現れる
状態量の変動を常時監視し、対象物の特性変化を迅速か
つ確実に自動検出できるようにした診断方法を提供する
ことにあり、とくに長期間にわたって患者の心電図を常
時観察し解析して、異常が発生したときには迅速にその
異常を自動的に検出できるようにした診断方法とその装
置、および診断用プログラムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、心電計装置により計測された心電図デ
ータを与えられた第1期間、分布算出用データとして取
り込み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を前記分
布算出用データから検出して時系列データを生成し、こ
の時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とす
る差分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をラ
ンダムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,
m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてそ
の要素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこ
の平均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその
平均値と標準偏差を算出するとともに、心電計装置によ
り計測された心電図データを前記第1期間より短い第2
期間、診断用データとして取り込み、心電図データに繰
り返し現れる特徴量を前記診断用データから検出して時
系列データを生成し、この時系列データの隣接データ間
の差の絶対値を要素とする差分集合を生成し、この差分
集合の平均値と前記通常分布の平均値との差の絶対値を
与えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レベル
とを比較することにより診断を行うようにしたことを特
徴とする診断方法とその診断方法を具備した診断装置を
提供する。
【0007】また、本発明は、心電計装置により計測さ
れた心電図データを与えられた第1期間、分布算出用デ
ータとして取り込み、心電図データに繰り返し現れる特
徴量を前記分布算出用データから検出して時系列データ
を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
値を要素とする差分集合を生成し、この差分集合からn
個の要素をランダムに取り出して集めた部分集合をm個
生成し(n,m:正の整数)、前記m個の部分集合の各
々についてその要素の平均値を求めて平均値集合を生成
し、さらにこの平均値集合を通常分布を示す正規分布と
見なしてその平均値と標準偏差を算出するとともに、前
記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰り
返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により計
測された心電図データを診断用データとして取り込み、
心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期間に
取り込んだ診断用データから検出して時系列データを生
成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対値を
要素とする差分集合を生成し、この差分集合ごとの平均
値と当該差分集合対応の第2期間を代表する時刻とを対
応づけてプロットした平均値変動図形を、与えられた診
断係数に前記標準偏差を乗じた診断レベルとともに表示
手段に表示し、さらにこの平均値変動図形上の任意の時
刻が操作手段により指定されると、その指定された時刻
を含む時間帯の心電図データの時間変化を表す心電図波
形を表示手段に表示し、前記平均値変動図形もしくは前
記心電図波形を観察することによって診断を行うように
したことを特徴とする診断方法とその診断方法を具備し
た診断装置を提供する。
【0008】また、本発明は、心電計装置により計測さ
れた心電図データを与えられた第1期間、分布算出用デ
ータとして取り込み、心電図データに繰り返し現れる特
徴量を前記分布算出用データから検出して時系列データ
を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
値を要素とする差分集合を生成し、この差分集合からn
個の要素をランダムに取り出して集めた部分集合をm個
生成し(n,m:正の整数)、前記m個の部分集合の各
々についてその要素の平均値を求めて平均値集合を生成
し、さらにこの平均値集合を通常分布を示す正規分布と
見なしてその平均値と標準偏差を算出するとともに、前
記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰り
返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により計
測された心電図データを診断用データとして取り込み、
心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期間に
取り込んだ診断用データから検出して時系列データを生
成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対値を
要素とする差分集合を生成し、この差分集合ごとの平均
値が与えられた第3期間内に与えられた診断係数に前記
標準偏差を乗じた診断レベルを超えた回数をカウント
し、このカウント数を与えられた診断回数と比較するこ
とにより診断を行うようにしたことを特徴とする診断方
法とその診断方法を具備した診断装置を提供する。
【0009】また、本発明は、上記の診断方法および診
断装置において、前記分布算出用データを用いた前記通
常分布の平均値および標準偏差の算出を、前記分布算出
用データの取り込み期間を周期的に変えて繰り返し、前
記通常分布の平均値および標準偏差の値を周期的に更新
するようにしたことを特徴とする診断方法とその診断方
法を具備した診断装置を提供する。
【0010】また、本発明は、上記の診断方法および診
断装置において、前記通常分布算出および診断のための
心電図データは、ネットワークを経由して取り込むよう
にしたことを特徴とする診断方法とその診断方法を具備
した診断装置を提供する。
【0011】また、本発明は、心電図装置により計測さ
れた心電図データを与えられた第1期間、分布算出用デ
ータとして取り込み、心電図データに繰り返し現れる特
徴量を前記分布算出用データから検出して時系列データ
を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
値を要素とする差分集合を生成し、この差分集合からn
個の要素をランダムに取り出して集めた部分集合をm個
生成し(n,m:正の整数)、前記m個の部分集合の各
々についてその要素の平均値を求めて平均値集合を生成
し、さらにこの平均値集合を通常分布を示す正規分布と
見なしてその平均値と標準偏差を算出する第1手順と、
心電計装置により計測された心電図データを前記第1期
間より短い第2期間、診断用データとして取り込み、心
電図データに繰り返し現れる特徴量を前記診断用データ
から検出して時系列データを生成し、この時系列データ
の隣接データ間の差の絶対値を要素とする差分集合を生
成し、この差分集合の平均値と前記通常分布の平均値と
の差の絶対値を与えられた診断係数に前記標準偏差を乗
じた診断レベルと比較した結果を表示手段に表示する第
2手順と、をコンピュータに実行させるための診断用プ
ログラムを提供する。
【0012】また、本発明は、心電図装置により計測さ
れた心電図データを与えられた第1期間、分布算出用デ
ータとして取り込み、心電図データに繰り返し現れる特
徴量を前記分布算出用データから検出して時系列データ
を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
値を要素とする差分集合を生成し、この差分集合からn
個の要素をランダムに取り出して集めた部分集合をm個
生成し(n,m:正の整数)、前記m個の部分集合の各
々についてその要素の平均値を求めて平均値集合を生成
し、さらにこの平均値集合を通常分布を示す正規分布と
見なしてその平均値と標準偏差を算出する第1手順と、
前記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰
り返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により
計測された心電図データを診断用データとして取り込
み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期
間に取り込んだ診断用データから検出して時系列データ
を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
値を要素とする差分集合を生成する第2手順と、この差
分集合ごとの平均値と当該差分集合対応の第2期間を代
表する時刻とを対応づけてプロットした平均値変動図形
を、与えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レ
ベルとともに表示手段に表示し、さらにこの平均値変動
図形上の任意の時刻が操作手段により指定されると、そ
の指定された時刻を含む時間帯の心電図の時間変化を表
す心電図波形を表示手段に表示する第3手順と、をコン
ピュータに実行させるための診断用プログラムを提供す
る。
【0013】また、本発明は、心電図装置により計測さ
れた心電図データを与えられた第1期間、分布算出用デ
ータとして取り込み、心電図データに繰り返し現れる特
徴量を前記分布算出用データから検出して時系列データ
を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
値を要素とする差分集合を生成し、この差分集合からn
個の要素をランダムに取り出して集めた部分集合をm個
生成し(n,m:正の整数)、前記m個の部分集合の各
々についてその要素の平均値を求めて平均値集合を生成
し、さらにこの平均値集合を通常分布を示す正規分布と
見なしてその平均値と標準偏差を算出する第1手順と、
前記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰
り返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により
計測された心電図データを診断用データとして取り込
み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期
間に取り込んだ診断用データから検出して時系列データ
を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
値を要素とする差分集合を生成する第2手順と、この差
分集合ごとの平均値が与えられた第3期間内に与えられ
た診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レベルを超えた
回数をカウントし、このカウント数を与えられた診断回
数と比較した結果を表示手段に表示する第3手順と、を
コンピュータに実行させるための診断用プログラムを提
供する。
【0014】また、本発明は、上記のの診断用プログラ
ムにおいて、前記第1手順は、前記分布算出用データを
用いた前記通常分布の平均値および標準偏差の算出を、
前記分布算出用データの取り込み期間を周期的に変えて
繰り返し、前記通常分布の平均値および標準偏差の値を
周期的に更新する処理を含むことを特徴とする診断用プ
ログラムを提供する。
【0015】さらに、本発明は、対象物の状態量を計測
して与えられた第1期間の状態量データを分布算出用デ
ータとして取り込み、前記状態量に繰り返し現れる特徴
量を前記分布算出用データから検出して時系列データを
生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対値
を要素とする差分集合を生成し、この差分集合からn個
の要素をランダムに取り出して集めた部分集合をm個生
成し(n,m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々
についてその要素の平均値を求めて平均値集合を生成
し、さらにこの平均値集合を通常分布を示す正規分布と
見なしてその平均値と標準偏差を算出するとともに、前
記状態量を計測して前記第1期間より短い第2期間の状
態量データを診断用データとして取り込み、前記状態量
に繰り返し現れる特徴量を前記診断用データから検出し
て時系列データを生成し、この時系列データの隣接デー
タ間の差の絶対値を要素とする差分集合を生成し、この
差分集合の平均値と前記通常分布の平均値との差の絶対
値を与えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レ
ベルとを比較することにより対象物の診断を行うように
したことを特徴とする診断方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、心
電図解析による診断を例として詳細に説明する。図8
は、基本的な心電図波形を模擬的に図示したもので、
P、Q、R、S、T波が心臓各部の状態を表す波として
観測される。心電図解析にはこのような波形のいろいろ
な特徴量を用いることが多く、この特徴量としては、例
えば隣接するR波のピーク間隔(心拍の間隔)を表すR
−R間隔、S波の面積を表すST降下部面積、このST
降下部の波形の特徴を示す評価値W、あるいはQ波の始
まりからS波の終わりまでの幅を示すQS間隔等があ
る。
【0017】ここでST降下部分(S波)について説明
しておくと、異常がないときは図9(a)に示したよう
にS波の点Speak以降の波形が上に凸となり、比較的早
く基線へ近づいていくが、虚血性疾患があると図9
(b)、(c)のように下に凸な部分が現れると同時
に、基線へ近づくのが遅くなり、S波の面積も大きくな
る。特に図9(c)の場合は点Speakから基線へ至るま
での間に2つの極値S1、S2が現れ、図9(b)の場
合よりも重症である。上記の評価値Wは、この極値の差
b=|S1−S2|(単位mV:ミリボルト)を用いて
次式で与えるものとする;
【数1】
【0018】またST降下面積の評価値をUで表すと、
図9の(b)(c)の場合を強調する意味で次式のよう
に与えるものとする;
【数2】
【0019】以上に例示した心電図波形の特微量は、い
ずれも1心拍に1個づつの値をとる時系列データとな
る。この時系列データ自体は患者ごとに一般に異なった
値をとる。例えばR−R間隔は、健康な人で同じように
平静にしている状態で測定しても、ある人は平均的に1
秒(1分の心拍数60)であり、別の人は平均的に6/
7秒(1分の心拍数70)…というように異なってお
り、しかも一泊ずつのR−R間隔は完全に一定ではな
く、細かく変動している。そして、運動をした後や症状
が変化したときには、R−R間隔の平均値もその細かい
揺らぎも変化することがあり、本発明ではこのような特
徴量の変化を抽出することで症状の変化を検出する。
【0020】このような変化を検出するための、本発明
で用いる解析方法を、心電図データを例として説明す
る。本発明では、まず、対象とする患者の心電図データ
をディジタル化して長期間、例えば数日にわたり収集す
る。この収集期間をINT1とし、収集した心電図デー
タを集合Aで表す。今、例えば心電図モニタからの信号
を1ms間隔でサンプリングし、12bitsで符号化する
場合を考えると、1秒あたりのデータ数(サンプリング
数)Naは1000個、バイト(B)で表した情報量M
aは12kbits=1.5kBであり、1日あたりに換算
するとデータ数Naは8640万個、情報量Maは約1
30MBになる。従って、集合Aの情報量Maは、数日
間のデータのとき数百MB程度である。
【0021】次に、上記収集した心電図データの集合A
から特徴量(例えばR−R間隔)を算出するとそれは時
系列データとなるので、そのデータを時間順にx1,x
2,・・・とし、この時系列データを集合B{xj},j
=0,1,・・・で表す。さらにこの集合Bから
【数3】 に従って隣接する特徴量の差の絶対値yjの集合を求
め、この集合をC{yj},j=1,2,・・・と表
す。この集合のデータ数Ncは、心拍数が70/分の場
合1日あたり100,800個であり、バイト数で表し
た情報量Mcは1つの差分データyjが12bitsとし
て、1日あたり約1.5MBになる。
【0022】次に、集合C{yj}の分布を通常分布と
して以下のように算出する。まず、集合C{yj}から
ランダムに取り出したn個(例えば1000個)のデー
タから成る部分集合を取り出すという操作をm回行い、
それらの部分集合をCα={yα1、yα2、…yα
n},α=1〜m(例えばm=3000個)とする。但
し各部分集合Cα,α=1〜mの各々のランダム抽出の
仕方は互いに相関がないように抽出する。次に部分集合
Cαの各々についてその要素の平均値
【数4】 を求めると、元の集合Aがどんな分布であっても、平均
値eαの集合は、前記のサンプル数n、mが十分大きけ
れば正規分布と見なせることが知られている。そこで、
(数4)で算出した平均値eαの集合NDを正規分布と
みなしてその平均値μ及び標準偏差σを
【数5】 により求める。患者の身体的な動きや病状の変化があっ
て、心拍数やR−R間隔などの特徴量に一時的な変動が
あっても、心電図データの集合Aが大きく、部分集合を
取り出すときのデータサイズnや部分集合の個数mを十
分大きくとれれば、上記のようにして求めた平均値eα
の分布ND(μ、σ)は患者の心活動の平均的な状態を
表すものと考えられ、従ってこれを心活動の変化を検出
するための基準としての通常分布とする。なお、この通
常分布は、数日間に1度、あるいは1週間に1度という
ように、その時点までの期間INT1について求めて更
新するのが好ましく、またその更新時点毎の期間INT
1の大きさは変わってもよい。
【0023】次に、上記のようにして求めておいた通常
分布を用いて行う診断方法を説明する。まず集合Aのデ
ータ収集期間INT1よりも十分短い期間INT2の心
電図データATを診断時に取り込み、このデータ集合か
らp+1個の特徴量の集合BTk={xk,xk+1,・・
・xk+p}を算出したとする。次にこの集合BTkから
(数3)に従ってp個のデータからなる差分集合CTk
={yk、yk+1…yk+p-1}を求め、その平均値μkを
【数6】 により算出する。そしてこの診断時の平均値μkが、予
め求められている通常分布上でその平均値μよりどれく
らい離れているかを評価する。即ち平均値偏差
【数7】 が通常分布NDの標準偏差σに比べどのくらいの大きさ
かを評価する。そして例えば|Z|>3σであれば何か
異常な変化が起きていると判断する。このような変化検
出は、期間INT2の心電図データATから特徴量の集
合BTkを求め、さらにその差分集合CTkを求めた後、
(数6)(数7)の計算により平均値偏差Zkを算出
し、これと通常分布の標準偏差σとの比較を行うことで
あって、これら一連の計算は極めて短時間に実行でき
る。従って、例えば1分毎に上記の検出を行えば、1分
毎に患者の状態変化を迅速に検出できる。
【0024】なお、特に差分集合CTkのデータ数pが
小さいときは、1つのμkの値だけでは正確な診断が難
しいこともある。このような場合には、r個の差分集合
CTk1,CTk2・・・CTkrを例えば1分ごとに求め、
それらの平均値μk1,μk2,・・・μkrが通常分布の平
均値μと例えば3σ以上離れている回数がr0回以上な
ら警報出力を行うなどとしてもよい。
【0025】心電図データを用いた以上の診断方法は、
患者の通常の状態を、長い期間INT1にわたって取得
した心電図データから求めた通常分布によって表し、各
検査時点には、比較的短い期間INT2の心電図データ
から算出した差分集合CTkの平均値μk、あるいは複数
の差分集合CTk1、CTk2・・・の各平均値μk1、μk2
・・・が、通常分布の平均値μからどれくらい離れてい
るかを評価することにより診断を行うものである。そし
て検査時点ごとの計算処理はリアルタイムに近い時間で
実行可能であるので、患者の心状態を常時監視し、その
異常を早期に自動検出できる。従って、この診断結果か
ら、医師などが心状態の変化を、たとえそれが一過性の
ものであっても確実に把握可能となり、当該患者の心状
態を意識した診察や治療を適切に行える。これは、すで
に心臓疾患をもつとみなされた患者のみならず、健康と
見なされている人に対する早期診断や、その診断結果に
基づく本人への注意、予防措置の勧告などにも有用であ
る。
【0026】また、検査時のデータ取得期間INT2と
しては、例えば1000個の特徴量が得られる時間(心
拍数が60の場合INT2は約17分)とすれば、特徴
量の検出に誤りがあっても、その誤検出の確率がよほど
大きくない限り、求められる平均値μkへの影響はきわ
めて小さく、診断結果への影響も同様である。これは、
より大きな集合の統計的処理により求められる通常分布
についても同様である。従って、従来のような短時間の
心電図データを用いる診断方法に比べれば、心電図デー
タの取得やそこからの特徴量の検出過程でのノイズの影
響や処理誤りに対しても、診断結果が影響されることは
きわめて少なく、ノイズがある程度あるような環境にお
いても使用可能な診断方法を実現できる。
【0027】以上に示した解析方法は、複雑な揺らぎを
伴う振動現象を呈する構造物などの診断にも同様に適用
できる。その場合には、心電図データに代わって対象物
の状態量を取り込み、予想される状態変化に関連した特
徴量を用いて同様な解析を行えばよく、心電図データの
場合と同様な効果が得られる。
【0028】以下では、上記の解析方法を用いた診断装
置の構成を説明する。図1は、本発明になる診断装置の
基本的構成の一例を示すブロック図で、対象物の状態量
を連続的に計測し、ディジタル化して出力する状態量計
測装置1、その計測値である状態量データを少なくとも
期間INT1以上にわたって記録することの出来る記録
装置2、この記録装置2に格納された状態量から前記し
た通常分布NDの平均値μ及び標準偏差σを算出する通
常分布算出部3、特徴量の差分集合CTkとその平均値
μkを算出する状態検出部4、この検出部4で算出され
た平均値μkと通常分布NDのパラメータμ、σを用い
てそのときの状態を診断する診断部5、診断部5の診断
結果や記録装置2の状態量データ等の表示を制御する表
示制御部6、表示装置7、操作装置8とその装置8から
の指示に従って各部の動作を制御する制御部9からなっ
ている。
【0029】この構成で、状態量計測手段1は、状態量
が心電図データのときは、計測したアナログ心電図デー
タをA/D変換してディジタル化し出力する心電計装置
であり、長時間にわたって連続して心電図データを取得
できるものでればよい。また状態量が機械的構造物のあ
る測定点の変位であれば、その変位量を計測してディジ
タルデータとして出力する振動計である。いずれにして
もここでは、状態量をディジタル化する必要がある場合
には、そのためのサンプリングクロックや符号化のため
のクロックは計測手段1が内蔵しているものとする。記
録装置2、通常分布算出部3、状態検出部4、表示制御
部6、制御部9はすべてディジタル処理を行う回路であ
り、個々の回路をDSP等で構成してもよいし、パソコ
ン等の汎用処理装置のプログラムで実現してもよい。
【0030】制御部9には、各部動作を制御するための
制御パラメータ設定部10が設けられており、ここには
通常分布NDの算出周期T1と1回の算出に用いるデー
タ取得期間INT1、特徴量の差分集合C{yj}から
取り出す部分集合Cαの個数mと個々の部分集合のサイ
ズn、状態検出部4による心電図データ取得周期T2と
取得期間INT2、診断部5の比較により警報などの表
示を行うための基準としての1または複数の診断レベル
を定めるための診断係数、診断を複数の部分集合CTk
の平均値を用いて行うときの部分集合の個数rや警報な
どを出力する基準の回数r0、通常分布の算出を上記し
た周期T1でもって自動的に行う回数もしくは終了時刻
Q1、診断を上記した周期T2でもって自動的に行う回
数もしくは終了時刻Q2等が操作部8から設定できるも
のとする。さらに制御部9は、各部の動作に必要なクロ
ックCLを生成して供給する機能を持つ。制御部9は、
制御パラメータ設定部10に設定されたパラメータを各
部に与えるとともに、操作部8からの起動指示に従って
制御信号contおよびクロックCLにより各部の動作を制
御する。
【0031】なお、記憶装置2については、状態量計測
装置1からのデータライトと、通常分布算出部3、状態
量検出部4、表示制御部6からのデータリードが衝突し
ないようにリード/ライト動作の制御を行う必要があ
り、また特に同期をとらない限り状態量計測装置1のサ
ンプリングクロックと制御部9からのクロックCLとが
独立でかつクロック周波数も全く違うのが普通である。
しかし例えばハードディスク装置とその制御回路から記
憶装置2を構成すれば、リード、ライトされる情報量は
記憶装置のリードライト速度から見て十分に小さいの
で、記憶装置2に内蔵されている制御回路にバッファを
設けてリード/ライトを制御することにより、上記のよ
うな衝突を回避するのは容易である。
【0032】以下では、状態量計測装置1が心電計装置
であるとして図1の装置を説明する。図2は、通常分布
算出手段3の処理を示すフローチャートで、まず制御変
数βを1とし(ステップ200)、通常分布の算出時刻
かを調べる(ステップ201)。この算出時刻は、操作
装置8から最初の起動指示が与えられたとき、または前
回算出時刻より制御パラメータ設定部10に設定された
算出周期T1を経過したときである。通常分布の算出時
刻になると(ステップ201でYES)、その時点から
過去にさかのぼって制御パラメータ設定部10に設定さ
れた期間INT1の間の心電図データ(集合A)を記憶
装置2から取り込み(ステップ202)、この集合Aか
ら解析対象とする特徴量の時系列データB{xj}を算
出する(ステップ203)。この演算処理は、例えば特
徴量がR−R間隔の場合はR波のピーク点を検出し、そ
の間隔を求めるものであるが、このような処理方法はど
の特徴量についても既知の方法によって心電図を解析す
ればよい。ST波を用いるときは(数1)(数2)など
をも用いればよく、ここではその詳細は省略する。
【0033】期間INT1間の特徴量の時系列データB
{xj}がすべて求まると、次に(数3)に従って、時
系列データB{xj}の隣接要素の差の絶対値の集合C
{yj}を求め(ステップ204)、次いで制御変数α
を1とする(ステップ205)。なお、特徴量xj+1が
求まるとすぐに差yj=|xj−xj+1|を算出すること
により、ステップ203、204を一体化した方が処理
効率がよいが、ここでは前述した診断方法との対応をわ
かりやすくするために別のステップで表している。次
に、制御パラメータ設定部10に設定されたパラメータ
数mと上記の制御変数αとを比べ、α≦mであれば(ス
テップ206でYES)、集合C{yj}からn個の要
素をランダムに取り出して部分集合Cα(yα1,yα
2,・・・yαn)とし(ステップ207)、そのn個の
要素の平均値eαを(数4)に従って算出する(ステッ
プ208)。そして制御変数αを+1して(ステップ2
09)、ステップ206へ戻る。このステップ206〜
209の処理はm回繰り返され、集合C{yj}からm
個の部分集合Cα,α=1〜mが取り出されてそれらの
平均値eα、α=1〜mが算出される。その後α>mと
なり(ステップ206でNO)、今まで算出されたm個
の平均値eα,α=1〜mの平均値μ及び標準偏差σ
が、即ち通常分布ND(μ、σ)が(数5)により算出
される(ステップ210)。
【0034】次に制御変数βが制御パラメータ設定部1
0に設定されたパラメータQ1より小さいときは(ステ
ップ211でYes)、βを+1し(ステップ21
2)、ステップ201へ戻るが、β≧Q1であれば、処
理を終了する。以上の処理で、制御変数Q1を1に設定
しておくと、操作装置8から1回だけ通常分布の算出を
指定したことになり、これはパラメータm,n、INT
1などを変えることで、システムのチェックや患者の状
態の予備的把握などに有効である。また、通常分布の算
出回数や算出の終了時刻を特に設定せず、操作装置8か
らの停止の指示があるまで続けるときは、図2のステッ
プ200,212を削除し、ステップ211で停止指示
の判定をしてステップ201へ戻るか終了するようにす
ればよい。あるいは図2はそのままで、パラメータQ1
を十分大きな値に設定しておけばよい。
【0035】ステップ207に於けるn個の要素のラン
ダムな抽出の方法としては、例えばC言語に用意されて
いる関数srand(・)を用い、
【数8】 によって1〜NC(差分集合C{yj}のデータ数)の間
の疑似乱数系列を発生させるか、あるいはそれと同等の
ロジックを用いる。(数8)の引数time(nul
l)として、CPUのもつ時計の時刻を用いれば、1つ
の部分集合Cαを発生するごとに、異なった種から乱数
系列が生成されるので、部分集合CαとCγ(α≠γ)
の要素の選び方にはほぼ相関はないものと見なせる。
【0036】図3は、状態検出部4および診断部5の処
理を示すフローチャートで、まず制御変数βを1とし
(ステップ300)、特徴量の変化検出のための検査時
刻になったかを調べる(ステップ301)。この時刻も
通常分布算出時刻と同様に、最初に操作装置8から起動
指令が与えられたとき、または前回検出時より制御パラ
メータ設定部10に設定された算出周期T2を経過した
ときである。検査時刻になると、その時点からさかのぼ
って制御パラメータ設定部10に設定された期間INT
2間の心電図データATを記憶装置2から取り込み(ス
テップ302)、その心電図データから解析対象とする
特徴量の時系列データBTk{xj},j=k〜k+pを
算出する(ステップ303)。特徴量の時系列データB
Tk{xj}が求まると、その時系列データから(数3)
により隣接要素間の差分集合CTk{yj},j=1〜pを
検査データとして求め(ステップ304)、この差分集
合の要素の平均値μkを(数6)により算出する(ステ
ップ305)。なお、ステップ303、304の処理
は、通常分布算出のときと同様に、一体化した方が処理
効率はよい。次いで(数7)の平均値偏差Zk=|μk−
μ|(μは通常分布の平均値)をもとめて、このZkと
通常分布の標準偏差σとを比較し、その比較結果を表示
制御部6へ送る(ステップ306)。ここでの比較方法
は、例えば診断係数として3,5を制御パラメータ設定
部10に設定しておき、診断レベルとしてL1=3σ、
L2=5σを用いる。そして、Zk>L1なら「要注
意」、Zk>L2になると「危険」を示す信号を表示制
御部6へ送るようにする。そして制御変数βがパラメー
タQ2より小さいときは(ステップ307でYes)、
ステップ301へ戻り、β≧Q2になると処理を終了す
る。
【0037】以上の図3の処理では、1つの差分集合C
Tkごとに診断を行うものとしているが、複数の差分集
合ごとの平均値を求め、それらの平均値の内の何個が所
定の回数を超えたかによって診断する場合には、図4に
示したフローチャートの処理を行う。この場合には、3
個の制御変数β、γ、β1と、β0個のカウンタ変数Γ1
〜Γβ0を用いる。まず制御変数β、γを1に、カウン
タ変数Γ1〜Γβ0をすべて0に初期化する(ステップ4
00、401)。次いで検査時刻になると、期間INT
2の心電図データを取り込んで特徴量の時系列データB
Tkγを求め、さらにそれから差分集合CTkγを求めて
その平均値μkγを算出する(ステップ402〜40
6)。これらステップ402〜406の処理は図3のス
テップ301〜305と同じ処理であるが、制御変数γ
が変わるごとに別の検査時刻における期間INT2の異
なるデータが対象となっているので、各集合BTkγ、
CTkγや平均値μkγは制御変数γの値ごとに異なった
ものであり、それを表すのに添え字γがつけられてい
る。
【0038】ステップ406で平均値μkγが算出され
ると、平均値偏差Zkγ=|μkγ−μ|を求め(ステッ
プ407)、次にこれと各診断レベルL1〜Lβ0(設
定された診断係数と標準偏差との積)との比較を行うた
め、制御変数β1を1とし(ステップ408)、偏差Z
kγが診断レベルLβ1より大なら対応するカウンタ変数
Γβ1を+1するという処理をβ1=1〜β0について行
う(ステップ409〜412)。これがおわると(ステ
ップ411でYes)、制御変数γが診断対象とする差
分集合の個数rをこえたかを調べ(ステップ413)、
こえていなければ制御変数γを+1して(ステップ41
4)、ステップ402へ戻り、こえていれば各カウンタ
変数Γ1〜Γβ0の値に従って診断を行い、その結果を表
示制御部6へ送る(ステップ415)。そして制御変数
βがパラメータQ2をこえるまで全体の処理を繰り返す
(ステップ416,417)。上記ステップ415で
は、例えば2つの診断レベルL1=3σ、L2=5σと
し(β0=2)、r=50回の検査の内レベルL1以上
が20回以上なら「要注意」、レベルL2以上が10回
以上なら「危険」を示す信号を表示制御部6へ送る。
【0039】なお、図3,図4に示した変化検出部4お
よび診断部5の処理においても図2の場合と同様に、パ
ラメータQ2を1としておけば一回だけのテストが行
え、また制御変数βを用いないで、停止指示の有無を判
定して検査の繰り返しを停止/続行するように制御して
もよい。また、やはり図3,4のいずれの処理において
も、例えば1つのデータ取得期間INT2が10分とす
ると、心拍数70/分の場合に700個の特徴量が得ら
れる。これに対して例えばΔT=1分間隔で検査を開始
する場合、対象とするデータ取得期間INT2は図5の
ように重なりをもつことになる。このようなときには、
ステップ305あるいはステップ406における平均値
の算出は、各要素の和の内、前の検査期間と重なってい
る部分については同じ値をもつので、重なり部分が大き
いときはこれを利用するように処理すれば、平均値算出
処理を大幅に効率化できる。
【0040】次に表示制御部6の処理を図6のフローチ
ャートで説明する。図3,4で示した処理により診断結
果が入力されると(ステップ601でYes)、その入
力結果を表示する(ステップ602)。次に、図3,図
4のいずれの場合にも、例えば1分間隔で差分集合CT
kが算出され、その要素の平均値と通常分布の平均値と
の差である平均値偏差Zkが算出されているので、これ
らを表示制御部内のバッファへ取り込んでおき、これを
時間軸に沿って表示し、さらに必要に応じて心電図デー
タそのものも表示できるようにすることで、診断結果の
みでなく、状態の時間変化を観察できるようにして、直
感的に患者の状態を把握できるようにするために以下の
処理を行う。まず、操作装置8からその平均値偏差の表
示指示が出されていないときは(ステップ603でN
o)、それまで平均値偏差の表示があればそれを消去し
(ステップ604)、ステップ601へ戻るが、平均値
偏差の表示指示があるときは、平均値偏差でまだ未表示
のものを表示に加える。ここでの表示は、縦軸に平均値
偏差、横軸にその平均値偏差を求めた期間を示す代表時
刻(例えば図3,図4の検査時刻)を示した画面で、縦
軸に通常分布の標準偏差σや2σ・・・やあるいは設定
した判定レベル等をあわせて表示する。この値は検査周
期T2、例えば1分ごとに新しい値が入力されるので、
横軸にまだ表示領域があればそこへ単に新しい値を追加
し、表示領域がないときは一番古いデータを除去して新
しい値を追加するようにスクロールを行う。また、表示
の更新は1データづつとは限らず、何個かずつまとめて
更新してもよい。これにより医師は患者の状態をより詳
しく観察できる。
【0041】さらに、ステップ605で表示される画面
を観察して、特に異常と思われる時点があれば、その点
をマウスでクリックすることで、心電図表示指示と解釈
する(ステップ606)。そしてこの指示があるとその
時点に前後する心電図データを記憶装置2から取りだし
てこれを画面に表示する(ステップ607)。この表示
時間幅は、制御パラメータ設定部10に予め設定してお
いてもよいし、画面クリック時にその表示時間幅もしく
は時間帯を入力できるようにしてもよい。また、操作装
置8または画面上のコマンドボックスクリックによる心
電図表示停止の指示があれば(ステップ608でYe
s)、表示中の心電図を消去する(ステップ609)。
この心電図表示機能により、医師はさらに詳しく患者の
状態を知ることが出来る。
【0042】以上に説明したように、図1に示した本発
明の診断装置によれば、例えば患者の心電図に現れた特
徴量の変化を常時監視して自動的に異常を早期検出で
き、病状変化への対応を早めることができる。さらに、
心電図の解析では、R波、P波等の波形分析が自動的に
100%の正確さで行えるわけではなく、十分小さい頻
度とはいえ個々の波形分析では誤判定が生じるものであ
るが、本発明の装置では、特徴量に関する統計的平均の
みを用いて診断を行っているから、発生頻度の少ない波
形分析の誤判定があっても結果には影響することがな
く、短時間の解析を用いる従来技術よりもずっと精度の
よい診断が可能になる。これは、心電図解析以外の一般
の装置の場合も同様である。
【0043】次に、図1の装置のさらに具体的な構成に
ついて述べる。図1の装置は、全ての構成部分が1つの
まとまった装置として示されているが、例えば心電計は
患者の体に常時装着して計測を行うものであり、一方、
表示装置7や操作装置8は医師・看護婦・検査技師など
が容易にアクセスできる場所に設置されている必要があ
る。また、通常分布算出部3は、常時作動している必要
はないから、患者ごとにその近くへ設置しておくのは効
率的ではなく、複数の患者が共用できるパソコン等で実
行するようにしてもよい。機械的構造物などの診断の場
合にも、同様な状態が考えられる。
【0044】図7は、このような点を考慮したときのシ
ステム構成例を示しており、各計測端には状態量計測装
置71a,71b…と、通信インタフェース73a、7
3b…と、計測値を収集して必要なら雑音除去などの処
理を加えたデータとし、これを送信データとしてまとめ
て通信インタフェース73a、73b…へ送出するデー
タ収集転送装置72a、72b…とが設けられており、
ネットワーク70を介してデータをセンター側へ送信す
るように構成されている。状態量計測装置71a、71
b…とデータ収集装置72a、72b…の間は、状態量
計測装置が固定されたものである場合はケーブル接続で
もよいが、心電計装置のように患者に常時装着している
場合には、無線通信路を用いて接続する。通信インタフ
ェース73a、73b…は、例えばPHS端末やパソコ
ンのモデムなど、ネットワーク70に対応したものを利
用する。通信コストと転送するデータ量を考慮して、な
るべく安定で安価なものが好ましい。データ収集転送装
置72a、72b…としては、例えばパソコンを利用す
ればよく、状態量計測装置がアナログ計測値を出力する
ときは、データ収集転送装置でディジタル化してデータ
を取り込むようにしてもよい。ここでのデータ収集は、
通信インタフェース73a、73b…とネットワーク7
0の伝送可能容量に余裕があり、かつ通信料金が接続時
間に依存する場合には、一定時間ごとに収集データをま
とめてファイル化し、これをバースト的に転送した方が
通信コストを低く抑えることができる。ネットワーク7
0としては、PHSの回線網−公衆電話回線網やインタ
ーネットなどが利用でき、また、病院内などのシステム
の時はその病院などのLANを利用すればよい。
【0045】センター側の記録装置2、通常分布算出部
3、状態量検出部4、診断部5、表示制御部6、表示装
置7、操作装置8、および制御部9は図1と同様の機能
を持ち、医師等の常駐するセンターに設置され、通信イ
ンタフェース74を介してネットワーク70と接続され
ている。この構成では、制御パラメータ設定部10で
は、各計測端の各々についてのタイミング等の設定を行
う。通常分布算出部3や状態量検出部4、診断部5等
は、複数の計測端からのデータ処理に対応できる必要が
あり、各部が1台でも時分割処理が可能であればよい
が、それが無理なときは複数台を用意して処理を分散化
する。そのような場合の分散処理の制御は通常の処理シ
ステムと同様にして行えばよい。また、通信インタフェ
ース74は、複数の測定端からのデータをすべて受信す
る機能を持つ必要があり、これはネットワーク70に対
して複数のアドレスをもつか、あるいはビジー信号を返
送して相手を待たせるなどの機能と、適当なバッファを
備えることにより実現できる。以上のような図7の構成
によれば、たとえば在宅の心疾患をもつ患者の病状診断
を正確かつ早期に行うことができる。
【0046】なお、図7の構成では、ディジタル化され
た状態量データそのものがネットワーク経由でセンター
へ送られるものとしている。これは心電図診断のよう
に、必要なときに状態量データ(心電図データ)そのも
のをセンター側で観察するのが好ましい場合に都合がよ
い。しかし、状態量データそのものの観察や他目的への
利用をセンター側で行わない時は、データ収集転送装置
72a、72b…に記憶装置2、通常分布算出部3、状
態検出部4、診断部5の機能を持たせ、センター側では
表示のみを行うようにしてもよい。この場合には、診断
結果をすべて送信しなくても、何らかの異常があったと
きだけその内容をセンター側へ送信する。このようにす
れば、時々刻々の状態量データをすべて送信する必要が
ないので、ネットワーク経由で送信される情報量を大幅
に減らすことができる。さらに、通常時はこのように診
断結果のみを送り、センター側からの指示があると図6
で説明した平均値偏差の表示や心電図そのものの表示に
必要なデータを患者側からセンターへ送信するようにす
ることも出来る。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、対象物の状態量、例え
ば心電図の特徴量の変動を示す通常分布を長時間の計測
データから正規分布として算出しておき、診断時には、
その時点の適当な長さの状態量の、例えば心電図の特徴
量の変動の平均値と、通常分布の平均値との差を、通常
分布の標準偏差と短時間で自動的に比較して診断を行う
ことが出来るので、以下の効果が得られる。 (1)対象物の状態量を常時自動監視し、その変化を、
たとえそれが一過性のものであっても、自動検出するこ
とが出来、その変化に対応する措置を早期にとることが
できる。特に心電図の特徴量に現れる変化を医師などが
早期に把握することにより、病状の進行を予防するため
の患者への注意の必要性やその内容判断、詳しい検査の
必要性の判断、治療の必要性やその内容判断などを早期
に行えるようになる。 (2)対象物の状態量取得時にノイズが混入する場合
や、特徴量検出が正確に行えず誤検出がある時に、それ
らノイズや誤検出により診断結果に影響がでるが、本発
明では従来より長い時間のデータを用いて統計的処理を
行った後診断をするので、ノイズや誤検出の影響を受け
にくく、常に確実な自動診断が可能になる。 (3)状態量の収集を行う測定場所と、その状態量を処
理したり、結果を利用するセンターとが空間的に離れて
いる場合には、測定側で収集した状態量またはそれを処
理して得た診断結果をセンターへネットワーク経由で送
信する構成により、例えば心疾患をもつ在宅患者の心状
態を、医療センターや病院などにいる医師などが常時監
視でき、早期に在宅患者の病状の変化を把握できる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による診断装置の構成例を示すブロック
図である。
【図2】通常分布算出部の処理を示すフローチャートで
ある。
【図3】状態検出部の処理を示すフローチャートであ
る。
【図4】状態検出部の処理を示す他のフローチャートで
ある。
【図5】診断データ取得のタイミング説明図である。
【図6】表示部の処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明になる診断装置の別の構成例を示すブロ
ック図である。
【図8】基本的な心電図波形を模擬的に示した図であ
る。
【図9】S波の説明図である。
【符号の説明】
1 状態量計測装置 2 記録装置 3 通常分布算出部 4 状態検出部 5 診断部 6 表示制御部 7 表示装置 8 操作装置 9 制御部 10 制御パラメータ設定部 70 ネットワーク 71a、71b 状態量計測装置 72a、72b データ収集転送装置 73a、73b 通信インタフェース 74 通信インタフェース

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心電計装置により計測された心電図デー
    タを与えられた第1期間、分布算出用データとして取り
    込み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を前記分布
    算出用データから検出して時系列データを生成し、この
    時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とする
    差分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をラン
    ダムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,
    m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてそ
    の要素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこ
    の平均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその
    平均値と標準偏差を算出するとともに、 心電計装置により計測された心電図データを前記第1期
    間より短い第2期間、診断用データとして取り込み、心
    電図データに繰り返し現れる特徴量を前記診断用データ
    から検出して時系列データを生成し、この時系列データ
    の隣接データ間の差の絶対値を要素とする差分集合を生
    成し、この差分集合の平均値と前記通常分布の平均値と
    の差の絶対値を与えられた診断係数に前記標準偏差を乗
    じた診断レベルとを比較することにより診断を行うよう
    にしたことを特徴とする診断方法。
  2. 【請求項2】 心電計装置により計測された心電図デー
    タを与えられた第1期間、分布算出用データとして取り
    込み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を前記分布
    算出用データから検出して時系列データを生成し、この
    時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とする
    差分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をラン
    ダムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,
    m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてそ
    の要素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこ
    の平均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその
    平均値と標準偏差を算出するとともに、 前記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰
    り返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により
    計測された心電図データを診断用データとして取り込
    み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期
    間に取り込んだ診断用データから検出して時系列データ
    を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
    値を要素とする差分集合を生成し、 この差分集合ごとの平均値と当該差分集合対応の第2期
    間を代表する時刻とを対応づけてプロットした平均値変
    動図形を、与えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた
    診断レベルとともに表示手段に表示し、さらにこの平均
    値変動図形上の任意の時刻が操作手段により指定される
    と、その指定された時刻を含む時間帯の心電図データの
    時間変化を表す心電図波形を表示手段に表示し、前記平
    均値変動図形もしくは前記心電図波形を観察することに
    よって診断を行うようにしたことを特徴とする診断方
    法。
  3. 【請求項3】 心電計装置により計測された心電図デー
    タを与えられた第1期間、分布算出用データとして取り
    込み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を前記分布
    算出用データから検出して時系列データを生成し、この
    時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とする
    差分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をラン
    ダムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,
    m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてそ
    の要素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこ
    の平均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその
    平均値と標準偏差を算出するとともに、 前記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰
    り返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により
    計測された心電図データを診断用データとして取り込
    み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期
    間に取り込んだ診断用データから検出して時系列データ
    を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
    値を要素とする差分集合を生成し、 この差分集合ごとの平均値が与えられた第3期間内に与
    えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レベルを
    超えた回数をカウントし、このカウント数を与えられた
    診断回数と比較することにより診断を行うようにしたこ
    とを特徴とする診断方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の内の1つに記載の診
    断方法において、前記分布算出用データを用いた前記通
    常分布の平均値および標準偏差の算出を、前記分布算出
    用データの取り込み期間を周期的に変えて繰り返し、前
    記通常分布の平均値および標準偏差の値を周期的に更新
    するようにしたことを特徴とする診断方法。
  5. 【請求項5】 心電計装置と、 少なくとも第1期間、この第1期間より短い第2期間、
    正の整数であるパラメータn、正の整数であるパラメー
    タm、および診断係数を設定するパラメータ設定手段
    と、 前記心電計装置により計測された心電図データを前記パ
    ラメータ設定手段に設定された第1期間の間取り込み、
    前記心電図に繰り返し現れる特徴量を前記分布算出用デ
    ータから検出して時系列データを生成し、この時系列デ
    ータの隣接データ間の差の絶対値を要素とする差分集合
    を生成し、この差分集合から前記パラメータ設定手段に
    設定されたパラメータnに等しい個数の要素をランダム
    に取り出して集めた部分集合を前記パラメータ設定手段
    に設定されたパラメータmに等しい個数生成し、前記m
    個の部分集合の各々についてその要素の平均値を求めて
    平均値集合を生成し、さらにこの平均値集合を通常分布
    を示す正規分布と見なしてその平均値と標準偏差を算出
    する通常分布算出手段と、 前記心電計装置により計測された心電図データを前記パ
    ラメータ設定手段に設定された第2期間の間、診断用デ
    ータとして取り込み、心電図に繰り返し現れる特徴量を
    前記診断用データから検出して時系列データを生成し、
    この時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素と
    する差分集合を生成し、この差分集合の平均値を算出す
    る状態検出手段と、 この手段により算出された平均値と前記通常分布の平均
    値との差の絶対値を前記パラメータ設定手段に設定され
    た診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レベルとを比較
    することにより診断を行う診断手段と、を備えたことを
    特徴とする診断装置。
  6. 【請求項6】 心電計装置と、 少なくとも第1期間、この第1期間より短い第2期間、
    正の整数であるパラメータn、正の整数であるパラメー
    タm、および診断係数を設定するパラメータ設定手段
    と、 前記心電計装置により計測された心電図データを前記パ
    ラメータ設定手段に設定された第1期間の間取り込み、
    心電図に繰り返し現れる特徴量を前記分布算出用データ
    から検出して時系列データを生成し、この時系列データ
    の隣接データ間の差の絶対値を要素とする差分集合を生
    成し、この差分集合から前記パラメータ設定手段に設定
    されたパラメータnに等しい個数の要素をランダムに取
    り出して集めた部分集合を前記パラメータ設定手段に設
    定されたパラメータmに等しい個数生成し、前記m個の
    部分集合の各々についてその要素の平均値を求めて平均
    値集合を生成し、さらにこの平均値集合を通常分布を示
    す正規分布と見なしてその平均値と標準偏差を算出する
    通常分布算出手段と、 前記パラメータ設定手段に設定された第2期間を時刻の
    経過とともに繰り返し設定し、その第2期間ごとに、前
    記心電計装置により計測された心電図データを診断用デ
    ータとして取り込み、心電図に繰り返し現れる特徴量を
    当該第2期間に取り込んだ診断用データから検出して時
    系列データを生成し、この時系列データの隣接データ間
    の差の絶対値を要素とする差分集合を生成し、この差分
    集合ごとの平均値を算出する状態検出手段と、 この手段により算出された差分集合ごとの平均値と当該
    差分集合対応の第2期間を代表する時刻とを対応づけて
    プロットした平均値変動図形を、前記パラメータ設定手
    段に設定された診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レ
    ベルとともに表示手段に表示し、さらにこの平均値変動
    図形上の任意の時刻が操作手段により指定されると、そ
    の指定された時刻を含む時間帯の状態量の時間変化を表
    す状態量波形を表示手段に表示する表示制御手段と、 を備えたことを特徴とする診断装置。
  7. 【請求項7】 心電計装置と、 少なくとも第1期間、この第1期間より短い第2期間、
    第3期間、正の整数であるパラメータn、正の整数であ
    るパラメータm、診断係数、および診断回数を設定する
    パラメータ設定手段と、 前記心電計装置により計測された心電図データを前記パ
    ラメータ設定手段に設定された第1期間の間取り込み、
    心電図に繰り返し現れる特徴量を前記分布算出用データ
    から検出して時系列データを生成し、この時系列データ
    の隣接データ間の差の絶対値を要素とする差分集合を生
    成し、この差分集合から前記パラメータ設定手段に設定
    されたパラメータnに等しい個数の要素をランダムに取
    り出して集めた部分集合を前記パラメータ設定手段に設
    定されたパラメータmに等しい個数生成し、前記m個の
    部分集合の各々についてその要素の平均値を求めて平均
    値集合を生成し、さらにこの平均値集合を通常分布を示
    す正規分布と見なしてその平均値と標準偏差を算出する
    通常分布算出手段と、 前記パラメータ設定手段に設定された第2期間を時刻の
    経過とともに繰り返し設定し、その第2期間ごとに、前
    記心電計装置により計測された心電図データを診断用デ
    ータとして取り込み、心電図に繰り返し現れる特徴量を
    当該第2期間に取り込んだ診断用データから検出して時
    系列データを生成し、この時系列データの隣接データ間
    の差の絶対値を要素とする差分集合を生成し、この差分
    集合ごとの平均値を算出する状態検出手段と、 この手段により算出された差分集合ごとの平均値が前記
    パラメータ設定手段に設定された第3期間内に前記パラ
    メータ設定手段に設定された診断係数に前記標準偏差を
    乗じた診断レベルを超えた回数をカウントするカウンタ
    と、 このこのカウンタのカウント数を前記パラメータ設定手
    段に設定された診断回数と比較することにより対象物の
    診断を行う診断手段と、 を備えたことを特徴とする診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7の内の1つに記載の診
    断装置において、前記分布算出手段は、前記通常分布の
    平均値および標準偏差の算出を、前記分布算出用データ
    の取り込み期間を周期的に変えて繰り返し、前記通常分
    布の平均値および標準偏差の値を周期的に更新する機能
    を備えたことを特徴とする診断装置。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし7の内の1つに記載の診
    断装置において、前記通常分布算出手段および状態検出
    手段は、前記心電計装置からの心電図データをネットワ
    ークを経由して取り込むように構成したことを特徴とす
    る診断装置。
  10. 【請求項10】 心電図装置により計測された心電図デ
    ータを与えられた第1期間、分布算出用データとして取
    り込み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を前記分
    布算出用データから検出して時系列データを生成し、こ
    の時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とす
    る差分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をラ
    ンダムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,
    m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてそ
    の要素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこ
    の平均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその
    平均値と標準偏差を算出する第1手順と、 心電計装置により計測された心電図データを前記第1期
    間より短い第2期間、診断用データとして取り込み、心
    電図データに繰り返し現れる特徴量を前記診断用データ
    から検出して時系列データを生成し、この時系列データ
    の隣接データ間の差の絶対値を要素とする差分集合を生
    成し、この差分集合の平均値と前記通常分布の平均値と
    の差の絶対値を与えられた診断係数に前記標準偏差を乗
    じた診断レベルと比較した結果を表示手段に表示する第
    2手順と、 をコンピュータに実行させるための診断用プログラム。
  11. 【請求項11】 心電図装置により計測された心電図デ
    ータを与えられた第1期間、分布算出用データとして取
    り込み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を前記分
    布算出用データから検出して時系列データを生成し、こ
    の時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とす
    る差分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をラ
    ンダムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,
    m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてそ
    の要素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこ
    の平均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその
    平均値と標準偏差を算出する第1手順と、 前記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰
    り返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により
    計測された心電図データを診断用データとして取り込
    み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期
    間に取り込んだ診断用データから検出して時系列データ
    を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
    値を要素とする差分集合を生成する第2手順と、 この差分集合ごとの平均値と当該差分集合対応の第2期
    間を代表する時刻とを対応づけてプロットした平均値変
    動図形を、与えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた
    診断レベルとともに表示手段に表示し、さらにこの平均
    値変動図形上の任意の時刻が操作手段により指定される
    と、その指定された時刻を含む時間帯の心電図の時間変
    化を表す心電図波形を表示手段に表示する第3手順と、 をコンピュータに実行させるための診断用プログラム。
  12. 【請求項12】 心電図装置により計測された心電図デ
    ータを与えられた第1期間、分布算出用データとして取
    り込み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を前記分
    布算出用データから検出して時系列データを生成し、こ
    の時系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とす
    る差分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をラ
    ンダムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,
    m:正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてそ
    の要素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこ
    の平均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその
    平均値と標準偏差を算出する第1手順と、 前記第1期間より短い第2期間を時刻の経過とともに繰
    り返し設定し、その第2期間ごとに、心電計装置により
    計測された心電図データを診断用データとして取り込
    み、心電図データに繰り返し現れる特徴量を当該第2期
    間に取り込んだ診断用データから検出して時系列データ
    を生成し、この時系列データの隣接データ間の差の絶対
    値を要素とする差分集合を生成する第2手順と、 この差分集合ごとの平均値が与えられた第3期間内に与
    えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた診断レベルを
    超えた回数をカウントし、このカウント数を与えられた
    診断回数と比較した結果を表示手段に表示する第3手順
    と、 をコンピュータに実行させるための診断用プログラム。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12の内の1つに記
    載の診断用プログラムにおいて、前記第1手順は、前記
    分布算出用データを用いた前記通常分布の平均値および
    標準偏差の算出を、前記分布算出用データの取り込み期
    間を周期的に変えて繰り返し、前記通常分布の平均値お
    よび標準偏差の値を周期的に更新する処理を含むことを
    特徴とする診断用プログラム。
  14. 【請求項14】 対象物の状態量を計測して与えられた
    第1期間の状態量データを分布算出用データとして取り
    込み、前記状態量に繰り返し現れる特徴量を前記分布算
    出用データから検出して時系列データを生成し、この時
    系列データの隣接データ間の差の絶対値を要素とする差
    分集合を生成し、この差分集合からn個の要素をランダ
    ムに取り出して集めた部分集合をm個生成し(n,m:
    正の整数)、前記m個の部分集合の各々についてその要
    素の平均値を求めて平均値集合を生成し、さらにこの平
    均値集合を通常分布を示す正規分布と見なしてその平均
    値と標準偏差を算出するとともに、 前記状態量を計測して前記第1期間より短い第2期間の
    状態量データを診断用データとして取り込み、前記状態
    量に繰り返し現れる特徴量を前記診断用データから検出
    して時系列データを生成し、この時系列データの隣接デ
    ータ間の差の絶対値を要素とする差分集合を生成し、こ
    の差分集合の平均値と前記通常分布の平均値との差の絶
    対値を与えられた診断係数に前記標準偏差を乗じた診断
    レベルとを比較することにより対象物の診断を行うよう
    にしたことを特徴とする診断方法。
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US10/322,638 US20030125632A1 (en) 2001-12-27 2002-12-19 Method and apparatus for diagnosis and diagnostic program
KR1020020083485A KR20030057357A (ko) 2001-12-27 2002-12-24 진단 방법과 그 장치, 진단용 프로그램

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286636A (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Aisin Aw Co Ltd 検査方法及び検査装置
JPWO2016117358A1 (ja) * 2015-01-21 2017-09-14 三菱電機株式会社 検査データ処理装置および検査データ処理方法

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