JPWO2016084926A1 - 撮像システム - Google Patents

撮像システム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016084926A1
JPWO2016084926A1 JP2016561955A JP2016561955A JPWO2016084926A1 JP WO2016084926 A1 JPWO2016084926 A1 JP WO2016084926A1 JP 2016561955 A JP2016561955 A JP 2016561955A JP 2016561955 A JP2016561955 A JP 2016561955A JP WO2016084926 A1 JPWO2016084926 A1 JP WO2016084926A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
image data
infrared
light
wavelength band
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016561955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6426753B2 (ja
Inventor
石崎 修
修 石崎
大坪 宏安
宏安 大坪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Maxell Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Energy Ltd filed Critical Hitachi Maxell Energy Ltd
Publication of JPWO2016084926A1 publication Critical patent/JPWO2016084926A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6426753B2 publication Critical patent/JP6426753B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C3/00Measuring distances in line of sight; Optical rangefinders
    • G01C3/02Details
    • G01C3/06Use of electric means to obtain final indication
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N23/00Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
    • H04N23/10Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof for generating image signals from different wavelengths
    • H04N23/12Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof for generating image signals from different wavelengths with one sensor only

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Color Television Image Signal Generators (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Abstract

可視画像の撮影と赤外画像の撮影とを同時に行って、たとえば、被写体までの距離のデータを被写体の可視画像と共に利用可能とする撮像システムを提供する。イメージセンサ10は、カラーフィルタ10bと、可視光帯域に透過特性を有し、この可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有するDBPF7dを備える。信号処理部21は、イメージセンサ10の各画素から出力される信号に基づいて可視画像信号と赤外画像信号を出力する。これにより、可視画像を表示可能で、赤外画像により被写体までの距離を測定可能となる。

Description

本発明は、同じ撮像範囲に対して可視光による撮影と赤外光による撮影とを同時に行うことにより情報を取得する撮像システムに関する。
一般に、撮像センサ(イメージセンサ)は、可視光だけではなく近赤外にも受光感度があり、監視カメラなどでは、昼間は可視光を撮影し、夜間は、赤外光照明を用いて赤外光を撮影するものなどが知られていた。
また、可視光による撮影と赤外光による撮影を併用して、画像認識の精度の向上図ることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
たとえば、顔認識の場合に、ポスター等の写真の顔も人物の顔と誤認識する場合がある。そこで、特許文献1では、可視光による画像認識と、赤外光による熱検知(体温検知)とから顔を認識するようになっている。
この場合に、1つのカメラにより、可視光による撮影と、赤外光による撮影を行い、可視光の画像データを用いた顔認識により特定された顔の位置の温度を赤外光の画像データから認識し、顔認識されるとともに温度が高い領域を顔と認識することができるので、体温より温度が低いポスターの顔写真を人物の顔と誤認識することがない。
また、近赤外光と、撮像センサを用いて距離を測定する提案がなされている(たとえば、特許文献2参照)。
特許第4702441号公報 特開2014−36801号公報
ところで、可視光の画像と、赤外光の画像との両方を同時に撮影する撮影装置の場合に、可視光用の赤外カットフィルタを用いた撮像素子と、赤外光用の可視光カットフィルタを用いた撮像素子との両方を用いる場合には、少なくとも撮像素子が、2つ必要となり、小型化が困難であり、かつ、コストの低減が困難になる。
また、赤外画像を用いて距離を測定する構成に可視画像の撮影も可能にする構成を加えた場合に、赤外光で被写体に対して設定されたパターンを投射する必要があり、その分撮影装置が大きくなる可能性があり、可視画像と赤外画像を同時に撮影する部分をコンパクトにすることが望まれる。
また、2つの撮像素子を用いる場合に、各撮像素子で撮影された二つの動画データには、多少の位置ずれが生じるので、2つの画像データで同じ座標系を用いて画像処理する場合に、位置ずれを補正する必要が生じる。
また、赤外カットフィルタと、可視光カットフィルタとを切り替える撮影装置の場合に、フィルタを切り替える構造にコストがかかるとともに、可視画像と赤外画像とを同時に撮影することが困難であり、機会的なフィルタの移動を繰り返すような構造の場合に、時間当たりに撮影されるフレーム数が制限される。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、可視画像の撮影と、赤外画像の撮影とを同時に行って、たとえば、被写体までの距離のデータを被写体の可視画像と共に利用可能とする撮像システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の撮像システムは、
可視光帯域に透過特性を有し、前記可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、前記第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタと、
画素毎に受光素子が配置された撮像センサ本体を備え、かつ、前記可視光帯域の透過特性がそれぞれ異なるとともに、前記第2の波長帯域に透過特性を有する4種類以上の領域を備え、当該領域が所定配列で前記撮像センサ本体の各画素に配置されるカラーフィルタを備える撮像センサと、
前記撮像センサ上に像を結ぶレンズを有する光学系と、
前記撮像センサから出力される信号に基づいて、可視光の複数の色の成分の信号と、前記第2の波長帯域に対応する赤外光の成分の信号とを求め、これら信号に基づいて、同じ撮像範囲の可視画像信号および赤外画像信号を同時に出力可能な信号処理手段と、
前記赤外光の光源を備え、所定の投射パターンを被写体に断続的に投射するパターン投射手段と、
前記信号処理手段から出力される前記赤外画像信号から、前記所定の投射パターンが投射されたときに撮像された第1画像データを取得し、前記所定の投射パターンが投射されていないときに撮像された第2画像データを取得し、前記第1画像データと前記第2画像データとの差分から前記所定の投射パターンの反射光のみを含む第3画像データを取得する差分画像データ取得手段と、
前記第3画像データの画素間の自己相関係数を予め定めた所定の画素について算出する自己相関係数取得手段と、
前記所定の画素の自己相関係数に基づいて、前記被写体までの距離を取得する距離取得手段とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、可視光帯域の透過特性がそれぞれ異なるとともに、光学フィルタの第2の波長帯域に対応する赤外に透過特性を有する4種類以上の領域を有するカラーフィルタを備える撮像センサと、可視光帯域と可視光帯域から離れた近赤外帯域である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタとを備えることにより、信号処理手段が赤外光を除いた各色成分の信号と赤外光成分の信号とを求めることができる。この場合に、赤外カットフィルタを用いなくとも出力される可視画像信号には、赤外光成分が含まれていない状態となる。なお、光学フィルタの第2の波長帯域を通過する赤外光は、カラーフィルタの各領域を通過することになる。また、カラーフィルタの各領域には、可視光を透過せずにせ赤外を透過する赤外(IR)の領域や、白色の光と赤外光を透過する白(W)の領域が含まれてもよい。以下に、可視光帯域と、赤外の第2の波長帯域に光の透過特性を有する光学フィルタをDBPF(ダブル・バンド・パス・フィルタ)と称する場合ある。
また、可視光の各色の領域を通過した各色の可視光成分に含まれる赤外光成分は、DBPFの第2の波長帯域を通過した赤外光だけである。また、例えば、カラーフィルタのIR領域を通過した赤外光成分は、光学フィルタの第2の波長帯域を通過した赤外光の成分である。したがって、可視光に含まれる赤外成分の波長範囲をDBPFにより制限し、カラーフィルタの可視光を遮断するIR領域を通過可能な赤外光の波長範囲が第2の波長帯域を略含むようになっていれば、上述のように波長範囲が制限された赤外成分を、各色の可視光成分から除去することが可能となり、各色の可視光成分に含まれる赤外光成分をより正確に除去することが可能になる。
これにより、赤外カットフィルタが無くても、従来の赤外カットフィルタを用いた場合に近い自然な可視画像を得ることができるので、赤外カットフィルタの有無を切り替えることなく、可視画像信号と、赤外画像信号とを同時に出力することができ、可視画像上の被写体までの距離を赤外画像から求めることが可能となる。すなわち、被写体の可視画像撮影と赤外画像に基づく被写体までの距離の測定を略同時に行うことが可能となる。
また、1つの撮像素子で上述のカラーフィルタを用いて撮影しているので、可視画像と赤外画像で撮影範囲にずれがでることがなく、基本的に可視画像の各画素と、赤外画像の各画素がそれぞれ対応していることになる。したがって、2つの撮像素子を用いた場合のように位置ずれを補正する必要がない。
また、被写体に投射した所定の投射パターンの反射光を撮影した第3画像データの各画素について求めた画素間の自己相関係数と、各画素に対応する被写体までの距離との間に相関関係があり、画素の自己相関係数に基づいて被写体までの距離を取得できる。本発明によれば、一つの視点から被写体を撮像して得られる近赤外の第1画像データおよび第2画像データに基づいて距離を計測できるので、距離を計測するために撮像装置を2台使用する必要がない。また、第1画像データおよび第2画像データを取得するために、被写体に投射パターンを投射した状態と、被写体にパターンを投射しない状態とを形成すればよく、基本的には投射パターン自体を変化させる必要がない。よって、パターン投射装置を簡易な構成とすることができる。さらに、撮像に際して特殊な撮像センサを用いる必要がなく、汎用の撮像センサを用いることができる。したがって、撮像システムとしての撮像システムの製造コストを抑えることができる。なお、所定の投射パターンを被写体に投射するために前記光源からの光線の一部分を透過あるいは反射する素子を用いることができる。このような素子としては、フォトマスク、透過型の液晶パネル、反射型の液晶パネル、デジタル・マイクロミラー・デバイスなどの空間変調素子がある。また、パターン投射装置は、これらの素子によって固定された投射パターンを投射するだけではなく、必要に応じて投射パターンを変化させても構わない。さらに、所定の画素として全ての画素に関して自己相関係数を算出してもよいが、被測定物の大きさによっては代表点のみの距離を算出してもよく、その場合は離散的な画素について自己相関係数を演算してもよい。
なお、可視光帯域は、400nmから700nm程度の波長帯域であり、第1の波長帯域が近赤外の波長帯域として700nm程度以上の波長帯域であり、第2の波長帯域は、たとえば、800nm〜1100nm程度の波長帯域またはこの波長帯域に含まれ、かつ、この波長帯域より狭い波長帯域である。
本発明の前記構成において、前記第3画像データの画素の自己相関係数と前記被写体までの距離とを対応付けた形態で記憶保持しているテーブルを有し、
前記距離取得手段は、前記画素の自己相関係数に基づいて前記テーブルを参照して、前記被写体までの距離を取得することが好ましい。
このような構成によれば、自己相関係数と被写体までの距離との相関関係に基づいて自己相関係数から被写体までの距離を求める際の処理を簡易化することができる。
また、本発明の前記構成において、前記可視画像信号に基づいて可視画像を表示するモニタを備え、前記モニタ上に表示される前記被写体に対応して、取得された前記被写体までの距離を表示することが好ましい。
このような構成によれば、モニタには、被写体が表示された状態で距離が表示されるので、どこの距離を測定しているかが明確になる。たとえば、距離を計測する被写体の近傍に別の物がある場合に、対称となる被写体までの距離を測定したのかその近傍の物までの距離を測定したのか分かり辛い場合があるが、被写体がモニタに表示された状態で距離が表示されることにより、測定対象が明確になり、誤認を防止できる。この場合に撮像範囲に複数の被写体がある場合に、各被写体に対応して距離が表示されることが好ましい。
また、本発明の前記構成において、前記信号処理手段、前記差分画像データ取得手段、前記自己相関係数取得手段および前記距離取得手段のうちの少なくとも2つが1つのチップ上の電子回路から構成されて、ワンチップ化されていることが好ましい。
このような構成によれば、前記信号処理手段、前記差分画像データ取得手段、前記自己相関係数取得手段および前記距離取得手段の全部またはこれらのうちの二つ以上をワンチップ化することにより、撮像システムの部品点数を減らして、コストダウンや装置構成の簡略化や組み立て作業の容易化や小型化等を図ることができる。
また、本発明の前記構成において、前記カラーフィルタの各種類の前記領域は、前記可視光帯域より長波長側に透過率が互いに近似する第3の波長帯域を備え、
前記光学フィルタの前記第2の波長帯域が、前記カラーフィルタの各種類の前記領域の前記第3の波長帯域に含まれるように、前記光学フィルタの分光透過特性および前記カラーフィルタの各種類の前記領域の分光透過特性が設定され、
前記第3の波長帯域では、各種類の前記領域の前記透過率の互いの差が当該透過率で20%以内となっていることが好ましい。
このような構成によれば、光学フィルタの第2の波長帯域を通過する赤外光が撮像センサ本体の各画素の受光素子に至り、光電効果により生じる電子の数を増加させることにより、撮像される画像に影響を与えてしまうので、画像信号を処理することにより、光学フィルタを通過した赤外光による影響を抑制することが好ましい。
この場合に、カラーフィルタの各種類の領域の色を例えば赤、緑、青、赤外(または白(赤外を含む))とした場合に、可視光帯域と赤外帯域との境界部分では、赤の領域の透過率が略最大となっているとともに、それより長波長側でも透過率が略最大となっている。また、緑および青の領域では、可視光帯域と赤外帯域との境界部分では、透過率が低いが可視光帯域より長波長となるにつれて透過率が増加して最終的に透過率が略最大となり、透過率が略最大となった波長より長波長側でも透過率が略最大となっている。
この場合に可視光帯域に隣接する赤外帯域、すなわち、赤外帯域の波長が短い領域では、透過率最大となる赤の領域に対して、青および緑の領域の透過率が大きく異なるとともに、青と緑とでも透過率が異なる。また、青と緑の領域では、透過率が長波長側に向かって増加傾向となっており、透過率が略最大となるまで、波長によって透過率が異なる状態となっている。したがって、この部分の波長帯域が第2の波長帯域に含まれる場合に、第2の波長低域を通過した赤外光が可視画像に影響を与えることを防止することが困難となる。すなわち、各領域を通過した光に基づく赤外の画像信号を用いて、赤、緑、青のそれぞれの領域を通過した光に基づく赤、緑、青の画像信号を補正する際に、赤、緑、青の画像信号ごとに、補正すべき赤外成分の量が異なり、各色の信号から同じ赤外成分の信号を減算したのでは、色再現性を高めることが困難になる。
そこで、光学フィルタの第2の波長帯域が赤、緑、青の領域の透過率が略最大となることにより、赤、緑、青の領域の透過率が略近似した状態となる第3の波長帯域に含まれるようにすると、第2の波長帯域を通過するとともに赤、緑、青の領域を通過する光の透過率は、赤、緑、青の領域で略同じになる。すなわち、赤、緑、青の各領域で透過率が大きく異なる波長帯域が、光学フィルタで透過特性を有する可視光帯域と第2の波長帯域との間の遮断特性を有する波長帯域と重なる。
これにより、領域の色によって透過率が大きく異なる波長帯域の光が光学フィルタを通過できず、赤外側では、赤、緑、青の領域で透過率が近似する波長帯域の光が光学フィルタを通過可能となる。
なお、各領域は、赤、緑、青、赤外に限られるものではなく、異なる色の領域を用いてもよく、例えば、赤外に代えて可視光帯域の赤、緑、青以外の色や、可視光帯域の略全波長帯域の光を透過する白(クリア(C)やホワイト(W))等であってもよい。また、赤、緑、青も異なる色を用いてもよい。また、白は光の透過率を可視光帯域の全体に渡ってほぼ同様に低くしたものであってもよい。
また、上述のように光学フィルタの第2の波長帯域を通過する赤外光による可視画像への影響を抑制することが可能になり、色の再現性を向上できる。基本的に第2の波長帯域における各色の領域の透過率は略等しいことが好ましいが、透過率で20%以下の差ならば、上述の赤外光の影響を抑制する画像処理が可能である。なお、第2の波長帯域における透過率の差が透過率で20%以下となる状態とは、第2の波長帯域における各色の領域で最も高い透過率(%)から最も低い透過率(%)を減算した際の透過率の差が%で20以下となる場合である。なお、透過率の差が10%以下となっていることがより好ましい。
また、本発明の前記構成において、前記カラーフィルタは、前記可視光帯域の透過特性がそれぞれ異なるとともに、前記第2の波長帯域に透過特性を有する領域として、前記可視光帯域の透過特性により3種の互いに異なる色成分の領域と、白色となる領域とを備えていることが好ましい。
このような構成によれば、カラーフィルタは、3つの異なる色成分の領域と白色の領域を有することになる。3つの色成分としては、例えばRGBの色空間の3つの色成分であっても良いし、他の色空間の各色成分であってもよい。また、白色は、上述の色空間の各色を合わせた色である。例えば、白色Wは、W=R+G+Bとすることが可能である。また、白色の領域は、可視光の色の略全体を透過させる素通しの状態となる領域であってもよい。このようなカラーフィルタを用いても、可視画像と赤外画像を得ることができる。上述のように、RGBの各色成分の領域と、可視光帯域の光を遮断して赤外を透過するIRの領域とを備えたカラーフィルタを用いることも可能であるが、IRのフィルタが可視光をほとんど透過しないのに対して、白色のフィルタは、可視光の多くを透過することになり、輝度を示す領域となる。
RGBの3つの領域からなるカラーフィルタにIRの領域を加えると、輝度の情報を含む可視光の情報が一部失われるのに対して、白色の領域を加えると、輝度の情報が増えることになり、可視画像の解像度の向上等を図ることができる。
本発明の撮像システムによれば、1つの撮像装置で赤外カットフィルタを用いることなく、赤外成分を含まない可視画像と、赤外画像とを得ることができる。したがって、可視画像の撮影と同時に赤外画像を用いて被写体までの距離の測定を行い、可視画像上の被写体の距離を知ることが可能になる。
本発明の第1の実施の形態の撮像システムの概略構成図である。 同、フォトマスクによって投射されるパターンの例である。 同、撮像装置のCCDイメージセンサの垂直同期信号とパターン投射装置の光源を点滅させるための制御信号とを示すタイミングチャートである。 同、自己相関係数の算出方法を説明するための第3画像データの模式図である。 同、画素の自己相関係数と被写体までの距離との関係を示すグラフである。 同、光学式距離計測装置の距離計測方法を示す概略フローチャートである。 同、第1画像データ、第2画像データ、第3画像データ、および、距離画像データの説明図である。 同、赤外領域を有するカラーフィルタの配列パターンを説明するための図である。 同、前記撮像センサのDBPFとカラーフィルタの透過率スペクトルを示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態の撮像センサのカラーフィルタの配列を説明するための図である。 同、前記撮像センサのDBPFとカラーフィルタの透過率スペクトルを示すグラフである。 同、撮像センサのカラーフィルタの配列を説明するための図である。 同、カラーフィルタの配列を説明するための図である。 同、カラーフィルタの配列を説明するための図である。 同、各カラーフィルタの特性を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態のカラーフィルタの配列を説明するための図である。 同、前記撮像センサのDBPFとカラーフィルタの青Bの透過率スペクトルを示すグラフである。 同、前記撮像センサのDBPFとカラーフィルタの緑Gの透過率スペクトルを示すグラフである。 同、前記撮像センサのDBPFとカラーフィルタの赤Rの透過率スペクトルを示すグラフである。 同、前記撮像センサのDBPFとカラーフィルタのクリアCの透過率スペクトルを示すグラフである。
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明を適用した光学式距離計測機能を有する撮像システムの概略構成図である。撮像システムは、被写体100に対して所定の投射パターンを断続的に投射するパターン投射装置(パターン投射手段)2と、撮像装置3と、パターン投射装置2および撮像装置3を駆動制御するとともに、撮像装置3が取得した画像データを演算処理して被写体100までの距離Dを算出する制御装置4を備えている。なお、本例の被写体は円柱100aと壁100bである。
パターン投射装置2は、光源5として波長0.85μmの近赤外線を射出する発光素子(LED)を備えている。また、光源5から被写体100に向かう投射光の光路上に、所定の投射パターンを投射するためのフォトマスク(光源からの光線の一部分を透過する素子)6、プリズム(光学素子)7、および、対物レンズ8を備えている。
図2は、フォトマスク6によって投射されるパターンの一例である。図2に示すように、フォトマスク6は光源5から放出される投射光を部分的に通過させるランダムなパターンを備えている。フォトマスク6はピエゾ素子を備えるフォトマスク移動機構9によって光軸方向に移動可能とされている。
撮像装置3は、撮像素子として、イメージセンサ10を搭載している。また、CCDイメージセンサ10と被写体100との間の光路上に、撮像用の光学系としてのプリズム7と対物レンズ8を備えている。撮像装置3は、パターン投射装置2との間でプリズム7および対物レンズ8を共有している。イメージセンサ10は、インターレース走査方式のCCDイメージセンサであるセンサ本体10aとカラーフィルタ10bとからなっている。また、対物レンズ8およびプリズム7を有する光学系には光学フィルタであるDBPF7dが設けられている。たとえば、DBPF7dは、プリズム7のイメージセンサ10側に設けられている。また、撮像装置3は、後述するように信号処理部(信号処理手段)21を備え、信号処理部21からは可視画像信号22と赤外画像信号23とが出力されるようになっている。なお、赤外画像信号23は、イメージセンサ10から信号処理部21を介して制御装置4に出力されるようになっている。
次に、赤外画像信号を用いて被写体100までの距離を算出する処理を先に説明し、カラーフィルタ10b、DBPF7dおよび信号処理部21を用いた可視画像信号と赤外画像信号とを出力する処理については後述する。ここで画像と記載された場合に近赤外の画像を示すものとし、可視の画像の場合には、可視画像と称する。
プリズム7は2個の三角プリズム7a、7bを張り合わせて形成されており、張り合わせ面7cには、パターン投射装置2の光源5からの投射光を透過して被写体100に導くとともに、被写体100からの反射光を投射光の光路とは異なる方向に反射してCCDイメージセンサ10に導く光学特性を備える薄膜が形成されている。これにより、プリズム7から対物レンズ8を介して被写体100に至る投射光の光路と被写体100から対物レンズ8を介してプリズム7に至る反射光の光路が共通となっている。なお、パターン投射装置2による投射照明画角と撮像装置3による撮像画角とは、同一であり、重なっている。
制御装置4は、ドライバ11を介してパターン投射装置2の光源5を駆動制御すると共に、撮像装置3のCCDイメージセンサ10を駆動制御する駆動制御部12を備えている。また、制御装置4は、被写体100の撮像によりCCDイメージセンサ10が取得した赤外画像データを一時的に記憶保持する画像メモリ13を備えている。さらに、制御装置4は、差分画像データ取得部(差分画像データ取得手段)14、自己相関係数取得部(自己相関係数取得手段)15、距離取得部(距離取得手段)16およびテーブル記憶部(テーブル記憶手段)17を有している。
撮像システムにおいて、信号処理部21および制御装置4は、例えば、ワンチップで構成されている。すなわち、信号処理部21、制御装置4の差分画像データ取得部14、自己相関係数取得部15、距離取得部16、画像メモリ13およびテーブル記憶部は、汎用のマイコンや専用のゲートアレイ等の電子回路(集積回路)から構成されるが、これらが1つのチップに搭載されてワンチップ化されている。なお、信号処理部21、制御装置4の差分画像データ取得部14、自己相関係数取得部15、距離取得部16、画像メモリ13およびテーブル記憶部が汎用のマイコンと専用のゲートアレイとの両方から構成される場合にもワンチップ化することが好ましい。また、信号処理部21、制御装置4の差分画像データ取得部14、自己相関係数取得部15、距離取得部16、画像メモリ13およびテーブル記憶部の全てをワンチップ化する必要はないが、これらのうちの2つ以上で、できるだけ多くがワンチップ化されることが好ましい。ワンチップ化により、コストの低減、小型化、組み立ての容易化等を図ることができる。
図3は、撮像装置3のCCDイメージセンサ10の垂直同期信号と、パターン投射装置2の光源5を点滅させるための制御信号とを示すタイミングチャートである。図3に示すように、駆動制御部12は、光源5を駆動制御して、所定の投射パターンをCCDイメージセンサ10の奇数フィールドに同期させて投射する。また、駆動制御部12は、CCDイメージセンサ10を駆動制御して、投射パターンが投射された状態で被写体100を撮像して得られる第1画像データを奇数フィールドに取得するとともに、所定の投射パターンが投射されていない状態で被写体100を撮像して得られる第2画像データを偶数フィールドに取得する。さらに、駆動制御部12は撮像装置3を駆動制御して、第1画像データおよび第2画像データを撮像装置3から制御装置4に転送させる。
画像メモリ13は、第1画像データを2次元展開した状態で記憶保持する第1画像メモリ13aと、第2画像データを2次元展開した状態で記憶保持する第2画像メモリ13bを備えている。第1画像メモリ13aに展開される第1画像データ、および、第2画像メモリ13bに展開される第2画像データは、CCDイメージセンサ10による撮像に伴って逐次に更新される。なお、第2メモリに展開された第2画像データは、撮像システムに接続されているモニタ18に逐次に出力可能であり、モニタ18に、後述の可視画像と切替表示可能となっている。
差分画像データ取得部14は、第1画像メモリ13aに2次元展開されている第1画像データと第2画像メモリ13bに2次元展開されている第2画像データとを取得し、これら第1画像データと第2画像データとの差分を、所定の投射パターンの反射光のみを含む第3画像データとして取得する。本例では、第1画像データおよび第2画像データを各画素の輝度に基づいてモノクロ化した後に、第1画像データから第2画像データを差し引き、第3画像データを取得している。なお、例えば、差分画像データ取得部14が画像メモリ13を制御し、第1画像データおよび第2画像データを取得するようになっている。
自己相関係数取得部15は、第3画像データの画素間の自己相関係数を各画素Pについて算出する。図4は自己相関係数の算出方法を説明するための第3画像データの模式図である。自己相関係数R(x,y)は、第3画像データの座標(x,y)における画素P(x,y)を含むN×N画素を1ブロックQとして次式で定義する。
R(x,y):座標(x,y)における自己相関係数
I(x,y) :輝度
N:ブロックサイズ
<I>:ブロック内の平均輝度
なお、Nは8画素程度が好ましく、1画素毎にこのブロックQをスライドさせてR(x,y)を求める。演算時間の制限がある場合、または距離画像として精細度が低くても良い場合には、複数の画素について自己相関係数R(x,y)を算出する毎にこのブロックQをスライドさせてもよい。なお、上式において<I>は被測定物体の反射率などによる光量を補正するための規格化因子として用いている。
ここで、本発明の発明者らは、各画素P(x,y)について求めた画素間の自己相関係数R(x,y)と、各画素Pに対応している被写体100までの距離Dとの間に相関関係があり、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)に基づいて被写体100までの距離Dを取得できることを見出した。すなわち、パターン投射装置2が結像光学系を構成しており、投射部からある距離に結像点を設定しておけば、フォトマスクによる光点の像の大きさは距離に逆比例し、近接した物体に投射された光点は互いに重なりが生じて自己相関係数が大きくなる。ここで、数学的には自己相関係数のフーリエ変換は一義的に画像を直接フーリエ変換したものと同等である。したがって、第3画像のフーリエ変換と距離との相関関係を取ってもよい。
図5は画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)と、画素P(x,y)に対応する被写体100までの距離Dとの関係を示すグラフである。図5は、撮像システムを固定し、壁100bの前で撮像システムから円柱100aまでの距離を2m〜40cmの間で変化させた場合における自己相関係数R(x,y)と距離Dとの関係を示している。自己相関係数R(x,y)を求める際の画素間の相関距離は4pixelである。図5に示すように、撮像システムと円柱100aとの間の距離Dが短くなるのに伴って、各画素P(x,y)は近傍の画素Pとの相関性が高くなり、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)の値が高くなっている。また、自己相関係数R(x,y)と被写体100までの距離Dの間には対応関係があることが認められる。したがって、第3画像データの各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)を算出すれば、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)に基づいて被写体100までの距離Dを把握することが可能となる。
次に、距離取得部16は、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)が算出されると、テーブル記憶部17に記憶保持されているテーブルを参照して、各画素P(x,y)に対応する被写体100の部位までの距離Dを取得する。また、距離取得部16は、各画素P(x,y)に、取得された距離Dに対応付けられた色を付ける着色処理を施して距離画像データを生成し、この距離画像データをモニタ18に出力可能とし、後述の可視画像と切替表示可能となっている。
ここで、テーブルは、第3画像データの各画素P(x,y)について算出した自己相関係数R(x,y)と、撮像システムから各画素P(x,y)に対応する被写体100の部位までの距離Dを予め実測し、自己相関係数R(x,y)と被写体100までの距離Dを対応付けた形態で記憶保持したものである。なお、図5の円柱までの距離のグラフに示されるように、自己相関係数R(x,y)と被写体100までの距離Dとの間に線形的な対応が認められる範囲がある場合には、距離取得部16は、テーブルを参照せずに、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)に基づいて、被写体100までの距離Dを算出することができる。
センサ本体10aには、上述のようにカラーフィルタ10bが設けられている。ここで、赤R、緑G、青Bの各領域があるが赤外IRの領域がないベイヤー配列のカラーフィルタは、基本パターンとなる縦4×横4の16個の領域を有し、8個の領域がGの領域とされ、4個の領域がRとされ、4個の領域がBとされている。それに対して、本実施の形態のカラーフィルタ10bとしては、図8に示すように、ベイヤー配列における8個のGの領域のうちの4個をIRの領域とすることにより、Rが4個、Gが4個、Bが4個、IRが4個となっている。なお、IRの領域を含むカラーフィルタは、図8に示すカラーフィルタ10bに限られるものではなく、様々な配列のカラーフィルタを用いることができる。但し、可視光の各色の領域とIRの領域の両方を含む必要がある。また、RGBの各領域は、一般的なRGBのフィルタであるが、各色の波長範囲に透過率のピークを備えるとともに、近赤外の波長域に透過性を備えることから、図8において、赤の領域をR+IRとし、緑の領域をG+IRとし、青の領域をB+IRとした。
本実施の形態におけるRの領域、Gの領域およびBの領域の透過率スペクトルは、図9のグラフに示すようになっている。すなわち、カラーフィルタ10bの赤(R)、緑(G)、青(B)、赤外(IR)の各フィルタの透過率スペクトルが示されており、縦軸が透過率を示し、横軸が波長となっている。グラフにおける波長の範囲は、可視光帯域と近赤外帯域の一部を含むもので、たとえば、300nm〜1100nmの波長範囲を示している。
たとえば、Rの領域は、グラフのR(二重線)に示すように、波長600nmで略最大の透過率となり、その長波長側は、1000nmを超えても透過率が略最大の状態が維持された状態となる。Gの領域は、グラフのG(間隔の広い破線)に示すように、波長が540nm程度の部分に透過率極大となるピークを有し、その長波長側の620nm程度の部分に、透過率極小となる部分がある。また、Gの領域は、透過率極小となる部分より長波長側が上昇傾向となり、850nm程度で透過率が略最大となる。それより長波長側では、1000nmを超えても透過率が略最大となった状態となっている。Bの領域は、グラフのB(間隔の狭い破線)に示すように、波長が460nm程度の部分に透過率が極大となるピークを有し、その長波長側の630nm程度の分部に、透過率が極小となる部分がある。また、それより長波長側が上昇傾向となり、860nm程度で透過率が略最大となり、それより長波長側では、1000nmを超えても透過率が略最大となった状態となっている。IRの領域は、780nm程度から短波長側の光を遮断し、1020nm程度から長波長側の光を遮断し、820nm〜920nm程度の部分が、透過率が略最大となっている。
R,G,B,IRの各領域の透過率スペクトルは、図9に示すものに限られるものではないが、現在、一般的に使用されているカラーフィルタ10bでは、これに近い透過率スペクトルを示すと思われる。なお、透過率を示す縦軸の1は、光を100%透過することを意味するものではなく、カラーフィルタ10bにおいて、たとえば、最大の透過率を示すものである。
DBPF7dは、可視光帯域に透過特性を有し、可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタである。
図9のグラフに示すように、DBPF7dは、グラフでDBPF(実線)に示すように、DBPF(VR)で示す可視光帯域と、可視光帯域に対して長波長側の少し離れた位置のDBPF(IR)で示す赤外帯域(第2の波長帯域)の2つの帯域の透過率が高くなっている。また、可視光帯域の透過率の高い帯域としてのDBPF(VR)は、たとえば、370nm〜700nm程度の波長帯域となっている。また、赤外側で透過率が高い第2の波長帯域としてのDBPF(IR)は、たとえば、830nm〜970nm程度の帯域となっている。
本実施の形態では、上述のカラーフィルタ10bの各領域の透過率スペクトルと、DBPF7dの透過率スペクトルの関係が以下のように規定されている。
すなわち、DBPF7dの透過率スペクトルの赤外光を透過する第2の波長帯域となるDBPF(IR)は、Rの領域、Gの領域、Bの領域の全てが略最大の透過率となって各領域で透過率が略同じとなる図9に示す波長帯域A内に含まれ、かつ、IRの領域の略最大の透過率で光を透過する波長帯域B内に含まれるようになっている。
ここで、R,G,Bの各領域の透過率が略同じになる波長帯域Aとは、各領域の透過率の差が透過率で20%以下で、好ましくは10%以下である部分とする。
なお、この波長帯域Aより短波長側(波長帯域C)では、透過率が略最大のRの領域に対して、G、Bの領域の透過率が低くなる。DBPF7dでは、このR,G,Bの各領域の透過率に差がある部分が、可視光帯域の透過率が高い部分であるDBPF(VR)と、赤外光帯域の第2の波長帯域の透過率の高い部分であるDBPF(IR)との間のDBPF7dの光を略遮断する透過率が極小となる部分に対応する。すなわち、赤外側では、R,G,Bの各領域の透過率の差が大きくなる部分の光の透過がカットされ、それより長波長側で各領域の透過率が略最大となって透過率が略同じになる波長帯域Aで光を透過するようになっている。
以上のことから、本実施の形態において、赤外光カットフィルタに代えて用いられるDBPF7dでは、可視光帯域だけではなく、赤外光側の第2の波長帯域にも光を透過する領域があるため、可視光によるカラー撮影に際して、第2の波長帯域を通過した光の影響を受けることになるが、上述のように第2の波長帯域がR,G,Bの各領域で透過率が異なる部分の光を透過せず、各領域の透過率が略最大となって略同じ透過率となる波長帯域の光だけを透過するようになっている。
また、DBPF7dの第2の波長低域においては、IRの領域で透過率が略最大となる部分の光を透過するようになっている。したがって、略同じ光が照射される極めて近接した4つの画素にR,G,B,IRの領域がそれぞれ設けられていると仮定した場合に、第2の波長帯域においては、Rの領域、Gの領域、Bの領域、IRの領域で略同様に光が通過することになり、赤外側の光としては、IRを含む各領域で略同じ光量の光が撮像センサ本体10aの上述の画素のフォトダイオードに至ることになる。すなわち、R,G,Bの各フィルタを透過する光のうちの赤外側の第2の波長帯域を通過する光の光量は、IRの領域を通過する光の光量と同様となる。上述のように仮定した場合に、基本的にR,G,Bの各フィルタを透過した光を受光したセンサ本体10aからの上述のように仮定された画素の出力信号とIRのフィルタを通過した光を受光したセンサ本体10aからの上述のように仮定された画素の出力信号との差分が、各R,G,Bの領域で通過した赤外側の光をカットしたR,G,Bそれぞれの可視光部分の出力信号となる。
実際には、カラーフィルタ10bのパターンに示したように、センサ本体10aの画素毎にR,G,B,IRのいずれか1つの領域が配置されることになり、各画素に照射される各色の光のそれぞれの光量が異なるものとなる可能性が高いので、たとえば、各画素において、周知の内挿法(補間法)を用いて、各画素の各色の輝度を求め、この補間された各画素のR,G,Bの輝度と、同じく補間されたIRの輝度との差分をそれぞれR,G,Bの輝度とすることが可能である。なお、R,G,Bの各色の輝度から赤外光成分を除く画像処理方法は、これに限られるものではなく、最終的にR,G,Bの各輝度から第2の波長帯域を通過した光の影響をカットできる方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。いずれの方法においても、DBPF7dが、赤外側でR,G,Bの領域の透過率が20%(好ましは10%)より異なる部分、すなわち、透過率が所定割合より異なる部分をカットしているので、各画素において、赤外光の影響を除く処理が容易となる。
赤外光撮影を夜間撮影として用いる場合には、赤外光であっても可視光と同様に、夜間は光量が不足するので、赤外光照明が必要となる。図9に示すDBPF7dの透過率スペクトルは、R,G,B,IRの各領域の透過率スペクトルと、赤外光照明用の光、たとえば、照明用赤外光LEDの発光スペクトルを考慮して決定する。
このような撮像センサにあっては、DBPF7dの赤外側で光を透過する第2の波長帯域が、R,G,B,IRの各領域の赤外側で、各領域の透過率が略最大となって、各領域の透過率が略同じとなる波長帯域Aに含まれるとともに、IRの領域の透過率が略最大となる波長帯域Bに含まれる。言い換えれば、可視光帯域より長波長側で、R,G,Bの各フィルタの透過率がRの領域だけ略最大となって、G、Bの領域は透過率が略最大となっていないことにより、R,G,Bの各領域の透過率が略同じとならずに異なる部分の光は、DBPF7dによりカットされる。
すなわち、R,G,B,IRの各領域では、赤外側で第2の波長帯域の光が透過するようになっていることから各領域における赤外側の透過率が全て略同じとなり、第2の波長帯域となる光が同じ光量で照射されれば、R,G,B,IRの各領域における透過光量が同じになる。これにより、上述のようにR,G,Bの各領域に対応する画素からの出力信号に基づく色を補正し、カラー撮影時の色の第2の波長帯域を通過する赤外光による影響を抑制した画像を容易に得ることができる。
また、第2の波長帯域を上述の波長帯域Aと波長帯域Bに含まれる赤外光照明の発光スペクトルのピークに対応させることにより、赤外光照明の光を効率的に用いられるとともに、第2の波長帯域の幅を狭めて、カラー撮影時に、第2の波長帯域を通過する赤外光の影響を小さくすることができる。
すなわち、DBPF7dを使うことにより、イメージセンサ10のRGBの各信号の値からそれぞれIRの信号の値を減算することにより高精度の補正が可能になる。たとえば、イメージセンサ10の各色の画素の受光成分は、以下に示すように、各色の成分にIRの成分を加えた状態となっている。
R画素 R+IR
G画素 G+IR
B画素 B+IR
IR画素 IR
そこで、以下に示すように、IRの画素を除くRGBの各画素の受光成分からIR成分を除くIR補正を行う。
R信号 (R画素出力)―(IR画素出力)=(R+IR)−IR=R
G画素 (R画素出力)―(IR画素出力)=(G+IR)−IR=G
B画素 (R画素出力)―(IR画素出力)=(B+IR)−IR=B
これにより、DBPF7dを透過するとともにカラーフィルタを透過するIR成分をカラーフィルタのIR以外の各色の領域から除外することができる。
信号処理部21では、上述のように同時化処理(内挿処理)が行われ、動画としての画像データにおいて、各フレームにおいて、全ての画素がRのフレーム、Gのフレーム、Bのフレーム、IRのフレームが生成される。すなわち、カラーフィルタでは、上述の4×4の基本パターンにR、G、B、IRの画素が4つずつしかないが、これを内挿処理により補間し、基本パターンの全ての画素がRの画像、Gの画像、Bの画像、IRの画像を生成する。
また。信号処理部21では、可視画像信号に対して、上述のようにガンマ補正や、ホワイトバランスや、RGBマトリックス補正等の画像処理行う。
信号処理部21からは、IR成分が除かれたRGBの各信号からなる可視画像信号22と、IR信号からなる赤外画像信号23が出力される。可視画像信号22は、たとえば、モニタ18にカラー画像として出力される。また、赤外画像信号23は、上述のように制御装置4に出力されて距離の測定に用いられる。
図6は撮像システムの距離計測方法を示す概略フローチャートであり、このフローチャートを参照して距離測定方法を説明する。図7(a)〜(d)はそれぞれ第1画像データ、第2画像データ、第3画像データ、および、距離画像データの説明図である。図7(a)〜(d)のそれぞれにおいて、被写体100は図1に示されている円柱100aと壁100bである。また、図7(a)〜(d)のそれぞれにおいて、左端の画像データは、円柱100aを壁100bに近い位置に配置した第1状態を撮像して得られたものであり、中央の画像データは、円柱100aを壁100bから離して第1状態よりも撮像システムに近い位置に配置した第2状態を撮像して得られたものであり、右端の画像データは、円柱100aを壁100bからさらに離して、第2状態よりも撮像システムに近い位置に配置した第3状態を撮像して得られたものである。
被写体100までの距離Dを計測する際には、撮像装置3はCCDイメージセンサ10による撮像を開始し、パターン投射装置2は所定の投射パターンをCCDイメージセンサ10の奇数フィールドに同期させて投射する。これにより、CCDイメージセンサ10は、図7(a)に示すように、所定の投射パターンが投射された状態の被写体100の第1画像データを奇数フィールドに取得する。また、図7(b)に示すように、所定の投射パターンを投射していない状態の被写体100の第2画像データを偶数フィールドに取得する(ステップST1)。
第1画像データおよび第2画像データが取得されると、差分画像データ取得部14は、第1画像データから第2画像データを差し引いて、図7(c)に示すように、所定の投射パターンの反射光のみを含む第3画像データを取得する(ステップST2)。
第3画像データが取得されると、自己相関係数取得部15は、第3画像データの画素間の自己相関係数R(x,y)を、第3画像データの各画素P(x,y)について算出する(ステップST3)。また、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)が算出されると、距離取得部16は算出された自己相関係数R(x,y)に基づいてテーブルを参照して、被写体100までの距離Dを取得する(ステップST4)。しかる後に、各画素P(x,y)に距離Dに対応する着色を施して、図7(d)に示すように距離画像データを生成して、モニタ18に出力可能とする(ステップST5)。
このような撮像システムにおいては、一つの視点から被写体100を撮像して得られる第1画像データおよび第2画像データに基づいて被写体までの距離Dを計測できるので、撮像システムは撮像装置3を1台備えればよい。また、第1画像データおよび第2画像データを取得するために、被写体100に投射パターンを投射した状態と、被写体100にパターンを投射しない状態とを形成すればよく、投射パターン自体を変化させる必要がない。よって、パターン投射装置2を簡易な構成とすることができる。さらに、撮像に際して特殊なイメージセンサを用いる必要がなく、汎用のCCDイメージセンサ10を用いることができる。したがって、撮像システムの製造コストを抑えることができる。
また、本例によれば、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)と被写体100までの距離Dとを対応付けた形態で記憶保持しているテーブルを有しており、距離取得部16は、各画素P(x,y)の自己相関係数R(x,y)に基づいてテーブルを参照して被写体100までの距離Dを取得している。したがって、フォトマスク6によって投射される投射パターンに拘わらず、被写体100までの距離Dを取得することができる。
さらに、本例では、第3画像データの各画素P(x,y)について距離Dを取得しているので、被写体100の形状を把握することができる。
また、本例によれば、パターン投射装置2から被写体100に至る投射光の光路の一部と、被写体100から撮像装置3に至る反射光の光路の一部とが共通の光路となっているので、撮像システムを小型化することが容易となる。
さらに、本例では、投射照明画角と撮像画角とが同一であり、重なっているので、第1画像データを取得する際に被写体100に影が発生することを抑制できる。したがって、所定の投射パターンの反射光のみを含む第3画像データを精度よく取得することができる。
また、本例では、パターン投射装置2は、所定の投射パターンをCCDイメージセンサ10の奇数フィールドに同期させて投射し、撮像装置3は、奇数フィールドで第1画像データを取得し、偶数フィールドで第2画像データを取得している。したがって、第1画像データおよび第2画像データを、ほぼリアルタイムに取得することが可能となる。また、第2画像データを利用して、モニタ18から被写体100の赤外画像を出力できる。
さらに、本例は、パターン投射装置2が光軸方向にフォトマスク6を移動させるフォトマスク移動機構9を備えている。したがって、フォトマスク6を移動させて、投射パターンの結像点の位置を変化させることにより、第1画像データの取得時における距離に対する感度を調整することができる。
また、所定の投射パターンを投射するためのパターン投射装置2の光源5は、近赤外線を放射しているので、被写体100となっている人間、あるいは、被写体100の近傍に位置する人間に投射パターンの投射を意識させることなく被写体100までの距離Dを計測することができる。
また、可視画像の撮像と赤外画像による距離の計測とを1つの撮像システムで行うことが可能となるが、この際に、光学系が1つで、撮像素子が1つで、DBPF7dを使うが、赤外カットフィルタは使わないことから、よりコンパクトで低コストに撮像システムを製造することができる。基本的に可視画像上に距離が表示されるようにすることで、どの被写体の距離を測定しているかが明確になり、誤認による距離の図り間違いを減らすことができる。また、赤外画像の各画素までの距離を求めることが可能なことから、可視画像の各画素までの距離が分かることになる。可視画像と各画素までの距離とから3次元上の各画素の位置が分かることになり、3D画像を作成することが可能になる。また、各画素の三次元上の動きを画像認識することにより、手の動きや体の動きによる電子機器の操作入力において、二つのカメラを使うことなく、奥行き方向(前後方向、遠ざかる方向と近づく方向)の動きを利用することが可能になる。
また、GPSおよびコンパスセンサにより撮像装置の撮像位置と撮像方向が検知可能であれば、被写体の位置を特定可能であり、たとえば、可視画像に被写体の位置を表示可能となる。また。自動車の前方の画像を撮像して記憶するドライブレコーダにおいて、前の車との車間距離を記録することが可能となる。
なお、上記の例では、投射パターンが投射された状態で被写体100を撮像して得られる第1画像データを奇数フィールドに取得するとともに、所定の投射パターンが投射されていない状態で被写体100を撮像して得られる第2画像データを、第1画像データを取得した奇数フィールドに隣接した偶数フィールドから取得しているが、第1画像データおよび第2画像データは隣接したフィールドでなく、離散したフィールドから取得しても構わない。
また、上記の例では、撮像装置3は、撮像素子としてインターレース方式のCCDイメージセンサ10を搭載しているが、プログレッシブ走査方式のイメージセンサを用いて第1画像データおよび第2画像データを取得してもよい。また、CMOS型のイメージセンサを用いてもよい。
さらに、上記の例では、全ての画素に関して自己相関係数を算出しているが、被測定物の大きさによっては代表点のみの距離を算出してもよく、その場合は離散的な画素について自己相関係数を演算してもよい。
また、上記の例では光源5は0.85μmの波長の光線を放射しているが、光源5から放射される光に波長はこれに限られるものではなく、CCDイメージセンサ10、あるいは、CMOS型のイメージセンサによって撮像可能な波長の近赤外線、たとえば、波長0.7〜1.1μmの光線であれば適宜に選択することができる。ここで、汎用品として流通している一般的なイメージセンサであっても、その波長感度は1.0μm程度まで広がっている。なお、より波長の長い光線を利用して第1画像データを取得する場合には、パターン投射装置2の光源強度を十分なものとしておくことが望ましい。また、SN比が十分に取れる環境での使用を前提とすることが望ましい。ここで、近赤外光を用いる際は通常イメージセンサの受光面の前に配置される赤外遮断フィルタの波長選択性を適宜変更する必要があることはいうまでもない。また赤外波長に対する感度を高め、波長域を広げたイメージセンサもあり、それを用いる際にはさらに長波長の光源を使用できる。いずれの波長を選択しても同じ波長の背景光は必ず存在するのでその除去を行うために、前述した第1、第2画像データ間の差分を算出することは有効な手段である。
さらに、フォトマスク6によって投射される所定の投射パターンは、ストライプなどの規則性のある投射パターンであってもよい。また、被写体100や撮像環境に応じて投射パターンを異なるものとしてもよい。この場合には、フォトマスク6の替わりに、透過型の液晶パネル、反射型の液晶パネル、デジタル・マイクロミラー・デバイスなどの光源からの光線の一部分を透過、あるいは、反射する空間変調素子を用い、投射パターンを変化させることができる。
また、精度を要求されない用途においては、パターン投射装置2と撮像装置3の光路を共通にする必要はなく、それぞれ独立した光学系を用いてもよいことはいうまでもない。
次に、本発明の第2の実施の形態の撮像システムを説明する。第2の実施の形態の撮像システムでは、第1の実施の形態に対してカラーフィルタ10bの一部の構成と、信号処理部21におけるRGBの各信号からのIR成分の除去方法と、IR成分の求め方が異なるものとなっているが、その他の構成は第1の実施の形態と同様となっており、以下にカラーフィルタ10bと、IR成分の除去方法について説明する。
本実施の形態において、カラーフィルタ10be(RGBCの構成1)は、例えば、図10に示すように、上述のベイヤ配列のカラーフィルタのパターンの4つのBのうちの2つをCとし、4つのRのうちの2つをCとし、8つのGのうちの4つをCとしている。すなわち、カラーフィルタ10beは、4行4列の基本配列において、R,G,B,Cの4種類のフィルタ部のうちのGのフィルタ部が4つ、Cのフィルタ部が8つ、Rのフィルタ部およびBのフィルタ部が2つずつ配置されるとともに、同じ種類のフィルタ部同士は互いに行方向および列方向で隣接しないように離れて配置されている。したがって、8つ配置されるCのフィルタ部は市松模様となるように配置される。ここで、Cとは、クリアなフィルタ部として素通しの状態を示すもので、基本的に可視光帯域から近赤外の波長帯域まで透過特性を有するものとなっており、ここでは、可視光帯域においてC=R+G+Bとしている。なお、クリアとなるCは、RGBの3色が透過することから白色光、すなわちホワイト(W)ということができ、C=W=R+G+Bとなる。したがって、Cは、可視光帯域の略全波長帯域の光量に対応することになる。
ここで、図11のカラーフィルタ10bおよびDBPF7dの透過率スペクトル(分光透過特性)を示すグラフに示すように、R、G、Bの各フィルタ部で可視光帯域の長波長側では透過特性があり、クリアなフィルタ部であるCのフィルタ部においても可視光帯域の長波長側で光が透過するようにうなっている。これに対してDBPF7dを用いることにより、第1の実施の形態と同様に、可視光帯域より長波長側を透過する赤外を第2の波長帯域となるように制限することになり、R、G、B、Cのフィルタ部とDBPF7dを通過する光量がR、G、B、Cの各フィルタ部でほぼ同じ(近似)になり、可視光帯域では、R、G、B、Cの各フィルタ部の波長に応じた透過特性が異なる。
なお、第1および第2の実施の形態においても、可視光帯域より長波長側を透過する赤外を第2の波長帯域となるように制限することになり、R、G、B、IRのフィルタ部とDBPF7dを通過する光量がR、G、B、IRの各フィルタ部でほぼ同じになり、可視光帯域では、R、G、B、IRの各フィルタ部の波長に応じた透過特性が異なる。
これにより、第3の実施の形態においても、各画素のIR補正を精度良く行い、色再現性が高い可視画像の生成が可能になる。すなわち、第1の実施の形態のように可視光帯域の略全波長域に遮断特性を有し、可視光帯域より長波長側の赤外に透過特性を有する上述のIRのフィルタ部を備えなくても、Cのフィルタ部を備えることにより、IR信号を下記の式で計算できる。
以下の説明で、C(W)、R、G、B、IRは、イメージセンサ10からの出力信号のレベルを示すが、C(W)、R、G、Bは、可視光帯域のレベルを示し、赤外成分を含まないものとする。
ここで、カラーフィルタ10bをC=W≒R+G+Bと設計し、RGBの各信号から除去すべきIR信号をIR’とすると、
IR’=((R+IR)+(G+IR)+(B+IR)−(C+IR))/2=IR+(R+G+B−C)/2
IR’≒IRとなる。なお、IRは計測等により求められる実際の値を示し、IR’は、計算により求められる値を示す。各フィルタより、IR’を減算することにより、IR補正ができる。
すなわち、
Rフィルタ(R+IR):
R’=(R+IR)−IR’=R−(R+G+B−C)/2
Gフィルタ(G+IR):
G’=(G+IR)−IR’=G−(R+G+B−C)/2
Bフィルタ(B+IR):
B’=(B+IR)−IR’=B−(R+G+B−C)/2
C(=W)フィルタ(W+IR):
W’=(C+IR)−IR’=C−(R+G+B−C)/2
となる。
これにより、カラーフィルタ10bにおいて、IRのフィルタ部に代えてクリアなCのフィルタ部を用いてもDBPF7dにより各フィルタ部のIRの透過率を近似させることができ、上述のようにIR成分を求めて、これを各フィルタ部の信号から取り除くことで、色再現性を向上することができる。
なお、このような計算は、上述のように内挿法により、例えば、各画素で、R+IR、G+IR、B+IR、C+IRを求め、各画素で上述の計算を行うことになる。なお、C=W≒R+G+Bと設計するものとしたが、必ずしも略正確にこの式に一致する必要はなく、近似していれば、誤差やその他の要によりずれがあってもよく、例えば、10%程度のずれがあってもよい。
また、Cについては、R+G+Bとなることで、画素の受光量が多く飽和し易くなることから、Cのフィルタ部において、可視光帯域における受光量を下げたり、赤外の波長帯域と可視光帯域とを含む波長帯域に渡って受光量を下げたり、各画素における画素を構成する素子部において、受光量に対して蓄積される電荷を減少させたりしてもよい。その際には、それに応じて上述の式を変更する必要がある。
なお、図12は、R、G、B、Cのカラーフィルタの別の配列を示すもので、2×2の配列において、R、G、B、Cが均等に1つずつ配置されたものである。
また、従来のR、G、Bのベイヤ配列の場合に、図13に示すように、2×2の配列中では、R,Bが1つずつ配置されるとともにGが2つ配置される。
また、この従来のCやIRを含まない配列のうちの1つのGをIRに変更したR、G、B、IRのカラーフィルタの2×2の配列は、図14に示すように、R、G、B、IRが1つずつ配置された配列となる。
このようなカラーフィルタとして、図10に示すRGB―Cの構成1、図12に示すRGB―Cの構成2、図13に示す従来のRGB配列(ベイヤ配列)、図14に示すRGB―IR配列の一例では、図15に示すような特性の違いがある。なお、Cは、RGB等の色の情報を含まないが、光量として輝度の情報を含むものである。
したがって、RGB−C(構成1)センサは、Cの市松配置により、輝度解像度は高いが、RGBの画素がまばらであり、かつ、非対称な配置になるため、解像度が低く、モアレが生じやすい。但し、色信号は、輝度信号に対して、求められる解像度は、1/2以下であり低いので、問題ない。また感度が高い。
RGB−C(構成2)は、従来のRGBセンサと輝度解像度、色解像度は、同程度であり、感度はRGBセンサより高い。可視光帯域に透過特性を持たないIRを設けているRGB−IRセンサより、可視画像において、感度が高く、輝度の解像度も高くなる。
すなわち、上述の第1の実施の形態のIRを有するカラーフィルタより、Cを有するカラーフィルタの方が、解像度や感度で有利になる可能性が高い。
次に、本発明の第3の実施の形態の撮像センサおよび撮像装置を説明する。第3の実施の形態は、カラーフィルタの各色を一般化したものであり、本発明のカラーフィルタがRGB−IRやRGB−Cに限定されるものでないことを示すものである。以下に、一般化した4色のフィルタ部を持つカラーフィルタを備えた撮像センサにおけるIR成分の除去方法を説明する。なお、4色(4種類)のフィルタ部は、基本的に可視光帯域における波長に応じた透過特性が異なり、かつ、上述のDBPF7dの第2の波長帯域が含まれる波長帯域に、可視光帯域より長波長側の他のフィルタ部との透過率の差が20%以下、好ましくは10%以下となる第3の波長帯域を備え、この第3の波長帯域に、DBPF7dの第2の波長帯域が含まれるものとなっている。これにより、カラーフィルタとDBPF7dとを用いた場合に、可視光帯域より赤外側の波長に応じた透過特性が各色のフィルタ部で近似することになる。
さらに、4種類の画素のフィルタ配置において、カラーフィルタを下記の条件で、設計するとIRを分離できる。
フィルタ配置は、図16に示すように2×2の配置において、4類のフィルタ部A、B、C、Dが1つずつ備えられることが好ましい。
また、可視の波長帯においてなるべく下記の関係が成り立つようにA,B,C,Dの各フィルタ部を設計することが好ましい。
すなわち、可視光帯域において、
KaA+KbB+KcC+KdD≒0
とする。なお、A,B,C,Dは、各フィルタ部の可視光帯域のイメージセンサ10からの出力信号のレベルを示すものである。
可視光帯域より長波長側のIR領域は、IRの透過率が、A、B、C、Dの各フィルタ部の上述の第3の波長帯域で略一定となるものとする。なお、IRの透過率が、A、B、C、Dの各フィルタ部で、あるIR透過率の略整数倍になるものであってもよい。このように設計すると(ここでは、IRの透過率が上述のように一定とする)、
Ka(A+IR)+Kb(B+IR)+Kc(C+IR)+Kd(D+IR)≒IR(Ka+Kb+Kc+Kd)
であるから、IR信号は、
IR’=(Ka(A+IR)+Kb(B+IR)+Kc(C+IR)+Kd(D+IR))/(Ka+Kb+Kc+Kd)
により計算できる。
下記の計算により、A,B,C,Dの各画素に含まれるIR成分を補正できる。
A’=(A+IR)−(Ka(A+IR)+Kb(B+IR)+Kc(C+IR)+Kd(D+IR))/(Ka+Kb+Kc+Kd)=A−(KaA+KbB+KcC+KdD)/(Ka+Kb+Kc+Kd)
B’=B+IR−(Ka(A+IR)+Kb(B+IR)+Kc(C+IR)+Kd(D+IR))/(Ka+Kb+Kc+Kd)=B−(KaA+KbB+KcC+KdD)/(Ka+Kb+Kc+Kd)
C’=C+IR−(Ka(A+IR)+Kb(B+IR)+Kc(C+IR)+Kd(D+IR))/(Ka+Kb+Kc+Kd)=C−(KaA+KbB+KcC+KdD)/(Ka+Kb+Kc+Kd)
D’=D+IR−(Ka(A+IR)+Kb(B+IR)+Kc(C+IR)+Kd(D+IR))/(Ka+Kb+Kc+Kd)=D−(KaA+KbB+KcC+KdD)/(Ka+Kb+Kc+Kd)
ここで、誤差分は、
(KaA+KbB+KcC+KdD)/(Ka+Kb+Kc+Kd)である。この誤差分は、RGBマトリクスにおいて補正ができる。
実際、各フィルタ部についてのIR成分の透過率は、多少異なるため、下記のとおり、係数補正した信号で補正する。
A’=A+IR*KIRa−KIRa(Ka(A+IR*KIRa)+Kb(B+IR*KIRb)+Kc(C+IR*KIRc)+Kd(D+IR*KIRd)) /(Ka*KIRa+Kb*KIRb+Kc*KIRc+Kd*KIRd)
B’=B+IR*KIRb−KIRb(Ka(A+IR*KIRa)+Kb(B+IR*KIRb)+Kc(C+IR*KIRc)+Kd(D+IR*KIRd)) /(Ka*KIRa+Kb*KIRb+Kc*KIRc+Kd*KIRd)
C’=C+IR*KIRc−KIRc(Ka(A+IR*KIRa)+Kb(B+IR*KIRb)+Kc(C+IR*KIRc)+Kd(D+IR*KIRd))/(Ka*KIRa+Kb*KIRb+Kc*KIRc+Kd*KIRd)
D’=D+IR*KIRd−KIRd(Ka(A+IR*KIRa)+Kb(B+IR*KIRb)+Kc(C+IR*KIRc)+Kd(D+IR*KIRd)) /(Ka*KIRa+Kb*KIRb+Kc*KIRc+Kd*KIRd)
なお、DBPFを使った時の各フィルタの分光透過特性は、図11に示すようになる。なお、フィルタ部の例としては、R+IR、G+IR、B+IR、C+IRとなる4種類のフィルタ部を使った例であるが、IRの部分が一定または互いに整数倍の関係となり、KaA+KbB+KcC+KdD≒0となるようにカラーフィルタが設計されていれば、各フィルタ部は、R+IR、G+IR、B+IR、C+IRに限られるものではない。
図17に、Bのフィルタ部とDBPF7dを合わせた分光透過を示し、図18に、Gのフィルタ部とDBPF7dを合わせた分光透過を示し、図19に、Bのフィルタ部とDBPF7dを合わせた分光透過を示し、図20に、C(W)のフィルタ部とDBPF7dを合わせた分光透過を示す。
各分光透過特性は、上述の各式に示すように、可視のR透過域、可視のG透過域、可視のB透過域、IR透過領域の4つの透過率を足し合わせたものになっている。このことから、4種類以上のフィルタの値から、各可視のR透過域、可視のG透過域、可視のB透過域、IR透過領域の信号値を計算できる。なお、分光透過特性は、上述の各A、B、C、Dの各分校透過特性を示す式に基づいて決定され。これらのうちの二つのフィルタの分光透過特性の組み合わせから6通り決定される。
2 パターン投射装置(パターン投射手段)
3 撮像装置
7d DBPF(光学フィルタ)
10 イメージセンサ(撮像センサ)
10a イメージセンサ本体
10b カラーフィルタ
14 差分画像データ取得部(差分画像データ取得手段)
15 自己相関係数取得部(自己相関係数取得手段)
16 距離取得部(距離取得手段)
17 テーブル記憶部(テーブル記憶手段)
18 モニタ
21 信号処理部(信号処理手段)
22 可視画像信号
23 赤外画像信号
IR 第1の波長帯域
DBPF(IR) 第2の波長帯域
DBPF(VR) 可視光帯域

Claims (6)

  1. 可視光帯域に透過特性を有し、前記可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、前記第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタと、
    画素毎に受光素子が配置された撮像センサ本体を備え、かつ、前記可視光帯域の透過特性がそれぞれ異なるとともに、前記第2の波長帯域に透過特性を有する4種類以上の領域を備え、当該領域が所定配列で前記撮像センサ本体の各画素に配置されるカラーフィルタを備える撮像センサと、
    前記撮像センサ上に像を結ぶレンズを有する光学系と、
    前記撮像センサから出力される信号に基づいて、可視光の複数の色の成分の信号と、前記第2の波長帯域に対応する赤外光の成分の信号とを求め、これら信号に基づいて、同じ撮像範囲の可視画像信号および赤外画像信号を同時に出力可能な信号処理手段と、
    前記赤外光の光源を備え、所定の投射パターンを被写体に断続的に投射するパターン投射手段と、
    前記信号処理手段から出力される前記赤外画像信号から、前記所定の投射パターンが投射されたときに撮像された第1画像データを取得し、前記所定の投射パターンが投射されていないときに撮像された第2画像データを取得し、前記第1画像データと前記第2画像データとの差分から前記所定の投射パターンの反射光のみを含む第3画像データを取得する差分画像データ取得手段と、
    前記第3画像データの画素間の自己相関係数を予め定めた所定の画素について算出する自己相関係数取得手段と、
    前記所定の画素の自己相関係数に基づいて、前記被写体までの距離を取得する距離取得手段とを備えることを特徴とする撮像システム。
  2. 前記第3画像データの画素の自己相関係数と前記被写体までの距離とを対応付けた形態で記憶保持しているテーブルを有し、
    前記距離取得手段は、前記画素の自己相関係数に基づいて前記テーブルを参照して、前記被写体までの距離を取得することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  3. 前記可視画像信号に基づいて可視画像を表示するモニタを備え、前記モニタ上に表示される前記被写体に対応して、取得された前記被写体までの距離を表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  4. 前記信号処理手段、前記差分画像データ取得手段、前記自己相関係数取得手段および前記距離取得手段のうちの少なくとも2つが1つのチップ上の電子回路から構成されて、ワンチップ化されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  5. 前記カラーフィルタの各種類の前記領域は、前記可視光帯域より長波長側に透過率が互いに近似する第3の波長帯域を備え、
    前記光学フィルタの前記第2の波長帯域が、前記カラーフィルタの各種類の前記領域の前記第3の波長帯域に含まれるように、前記光学フィルタの分光透過特性および前記カラーフィルタの各種類の前記領域の分光透過特性が設定され、
    前記第3の波長帯域では、各種類の前記領域の前記透過率の互いの差が当該透過率で20%以内となっていることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  6. 前記カラーフィルタは、前記可視光帯域の透過特性がそれぞれ異なるとともに、前記第2の波長帯域に透過特性を有する領域として、前記可視光帯域の透過特性により3種の互いに異なる色成分の領域と、白色となる領域とを備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の撮像システム。
JP2016561955A 2014-11-28 2015-11-27 撮像システム Active JP6426753B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014242046 2014-11-28
JP2014242046 2014-11-28
PCT/JP2015/083343 WO2016084926A1 (ja) 2014-11-28 2015-11-27 撮像システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016084926A1 true JPWO2016084926A1 (ja) 2017-06-29
JP6426753B2 JP6426753B2 (ja) 2018-11-21

Family

ID=56074473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016561955A Active JP6426753B2 (ja) 2014-11-28 2015-11-27 撮像システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6426753B2 (ja)
WO (1) WO2016084926A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6732902B2 (ja) 2016-06-03 2020-07-29 マクセル株式会社 撮像装置および撮像システム
JP7149707B2 (ja) * 2018-01-15 2022-10-07 キヤノン株式会社 情報処理装置及びその制御方法及びプログラム、並びに、運転制御システム
US11483503B2 (en) * 2019-01-20 2022-10-25 Magik Eye Inc. Three-dimensional sensor including bandpass filter having multiple passbands
JP7154257B2 (ja) * 2020-07-08 2022-10-17 マクセル株式会社 撮像装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012122975A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Maxell Finetech Ltd 光学式距離計測装置、光学式距離計測装置の距離計測方法および距離計測用プログラム
JP2013211836A (ja) * 2012-03-01 2013-10-10 Nissan Motor Co Ltd カメラ装置及び画像処理方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4407448B2 (ja) * 2004-09-24 2010-02-03 三菱電機株式会社 撮像装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012122975A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Maxell Finetech Ltd 光学式距離計測装置、光学式距離計測装置の距離計測方法および距離計測用プログラム
JP2013211836A (ja) * 2012-03-01 2013-10-10 Nissan Motor Co Ltd カメラ装置及び画像処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6426753B2 (ja) 2018-11-21
WO2016084926A1 (ja) 2016-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200007850A1 (en) Time-of-flight camera system
US10412352B2 (en) Projector apparatus with distance image acquisition device and projection mapping method
US9200895B2 (en) Image input device and image processing device
US9383549B2 (en) Imaging system
US9414045B2 (en) Stereo camera
JP5374862B2 (ja) 焦点検出装置および撮像装置
JP3624887B2 (ja) 変位センサ
US20140168424A1 (en) Imaging device for motion detection of objects in a scene, and method for motion detection of objects in a scene
JP2010057067A (ja) 撮像装置および画像処理装置
EP2630789A1 (en) System and method for imaging and image processing
WO2016084926A1 (ja) 撮像システム
JP5966426B2 (ja) 焦点検出装置
US9979876B2 (en) Imaging apparatus, imaging method, and storage medium
JP5927570B2 (ja) 3次元撮像装置、光透過部、画像処理装置、およびプログラム
JP2014230179A (ja) 撮像装置及び撮像方法
JP2022000695A (ja) 撮像装置
JP5587756B2 (ja) 光学式距離計測装置、光学式距離計測装置の距離計測方法および距離計測用プログラム
US20180092516A1 (en) Imaging device, endoscope apparatus, and imaging method
US20160317098A1 (en) Imaging apparatus, image processing apparatus, and image processing method
JP2018204976A (ja) 距離測定装置、距離測定方法及び撮像装置
JP6529214B2 (ja) 撮像装置
CN113056903A (zh) 用于观察包括目标的场景的设备和方法
JP2012226088A (ja) 撮像装置
WO2013125398A1 (ja) 撮像装置及びフォーカス制御方法
JP6270601B2 (ja) 撮像装置およびその制御方法、撮像システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170313

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20171110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6426753

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250