JPWO2016084545A6 - 車両ランプ及びレンズ成形品 - Google Patents
車両ランプ及びレンズ成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2016084545A6 JPWO2016084545A6 JP2016561462A JP2016561462A JPWO2016084545A6 JP WO2016084545 A6 JPWO2016084545 A6 JP WO2016084545A6 JP 2016561462 A JP2016561462 A JP 2016561462A JP 2016561462 A JP2016561462 A JP 2016561462A JP WO2016084545 A6 JPWO2016084545 A6 JP WO2016084545A6
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mfr
- mass
- molded product
- resin
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有するレンズ成形品(1)と、(d)の条件を満足する樹脂を用いたハウジング成形品(2)とがレーザー溶着された車両ランプ。(a)Mwが9万〜25万、(b)ISO1133規格で、230℃、3.8kgで、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)が、0.2〜12g/10分、(c)ISO1133規格で、230℃、10kgで、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量をMFR−2としたとき、MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1)が4.5以上、(d)ISO1133規格で、220℃、10kgで、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)が2〜45g/10分。
Description
本発明は、車両ランプ及びレンズ成形品に関する。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代表されるメタクリル系樹脂は、透明樹脂として他のプラスチック透明樹脂より高い光透過率、耐候性、剛性を有することに特徴があり、従来から、車両用部品、照明器具、建築用材料、看板、銘板、絵画、及び表示装置の窓等、広い用途で用いられている。
特に、車両ランプのレンズ部材用の材料として、メタクリル系樹脂が用いられることが多い。
特に、車両ランプのレンズ部材用の材料として、メタクリル系樹脂が用いられることが多い。
車両ランプは、通常、レンズ部分がハウジング部分に溶着された構成を有しているが、レンズ部分に用いるレンズ成形品とハウジング成形品とを溶着する方法として、従来においては、主に熱板溶着が行われている。
しかし、熱板溶着は加熱後の樹脂糸による外観不良や溶着面の見栄えの悪さなどの問題を有しているため、近年、このような問題を有していないレーザー溶着の採用が増えている。
しかし、熱板溶着は加熱後の樹脂糸による外観不良や溶着面の見栄えの悪さなどの問題を有しているため、近年、このような問題を有していないレーザー溶着の採用が増えている。
一方において、昨今、車両用途では、燃費向上に伴う軽量化を目的として薄肉化が進行し、また、斬新なデザインを実現するための大型化が進行しており、樹脂材料を成型材に充填する時の充填圧力が増大しているため、成形品に反りが発生し、溶着強度や耐溶剤性が低下するといった問題が新たに発生している。更には熱によって変形してしまうという問題も発生している。
特許文献1においては、射出成形時の流動性と耐溶剤性を改良した樹脂についての開示がなされている。
特許文献2においては、車両用標識灯のレンズ部材にメタクリル系樹脂を用いる技術が開示されている。
特許文献3においては、反りが発生している成形品に圧力を加えてレンズ成形品とハウジング成形品を密着させ、レーザー溶着する方法が開示されている。
特許文献2においては、車両用標識灯のレンズ部材にメタクリル系樹脂を用いる技術が開示されている。
特許文献3においては、反りが発生している成形品に圧力を加えてレンズ成形品とハウジング成形品を密着させ、レーザー溶着する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1においては、レーザー溶着時の溶着強度に関しては十分な検討がなされておらず、特許文献1に記載されている樹脂を用いた場合、車両ランプとしての強度及び耐溶剤性を同時に満足することができない、という問題を有している。
また、特許文献2においては、溶着強度や耐溶剤性を解決する手法に関しては記載がなされていない。
さらに、特許文献3に記載されている方法によると、レーザー溶着時の残留応力によって溶着強度の低下や耐溶剤性の低下を招来するおそれがあり、かかる不具合に関する対策については、記載がなされていない。
また、特許文献2においては、溶着強度や耐溶剤性を解決する手法に関しては記載がなされていない。
さらに、特許文献3に記載されている方法によると、レーザー溶着時の残留応力によって溶着強度の低下や耐溶剤性の低下を招来するおそれがあり、かかる不具合に関する対策については、記載がなされていない。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑み、溶着強度、耐溶剤性、及び耐熱性に優れた車両ランプを提供することを目的とする。
本発明者らが前記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有するレンズ成形品と、所定の条件を満足するハウジング成形品とを組み合わせることにより、溶着強度、耐溶剤性、及び耐熱性の問題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
〔1〕
メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有するレンズ成形品と、
下記の(d)の条件を満足する樹脂を用いたハウジング成形品と、
が、レーザー溶着された車両ランプ。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
(d)ISO1133規格に準拠し、温度220℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)が2g/10分以上45g/10分以下
〔2〕
前記ハウジング成形品がASA系樹脂、ABS系樹脂、AES系樹脂、SAS系樹脂、及びACS系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、前記〔1〕に記載の車両ランプ。
〔3〕
前記レンズ成形品と、前記ハウジング成形品とのビカット軟化温度の差が30℃以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の車両ランプ。
〔4〕
前記レンズ成形品のビカット軟化温度が98℃以上である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の車両ランプ。
〔5〕
前記ハウジング成形品のビカット軟化温度が96℃以上である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の車両ランプ。
〔6〕
前記MFR−1の値の範囲が0.2g/10分以上10g/10分未満である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の車両ランプ。
〔7〕
前記MFR比率が4.8以上である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一項に記載の車両ランプ。
〔8〕
メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有する、レーザー溶着用レンズ成形品。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有するレンズ成形品と、
下記の(d)の条件を満足する樹脂を用いたハウジング成形品と、
が、レーザー溶着された車両ランプ。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
(d)ISO1133規格に準拠し、温度220℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)が2g/10分以上45g/10分以下
〔2〕
前記ハウジング成形品がASA系樹脂、ABS系樹脂、AES系樹脂、SAS系樹脂、及びACS系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、前記〔1〕に記載の車両ランプ。
〔3〕
前記レンズ成形品と、前記ハウジング成形品とのビカット軟化温度の差が30℃以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の車両ランプ。
〔4〕
前記レンズ成形品のビカット軟化温度が98℃以上である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の車両ランプ。
〔5〕
前記ハウジング成形品のビカット軟化温度が96℃以上である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の車両ランプ。
〔6〕
前記MFR−1の値の範囲が0.2g/10分以上10g/10分未満である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の車両ランプ。
〔7〕
前記MFR比率が4.8以上である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一項に記載の車両ランプ。
〔8〕
メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有する、レーザー溶着用レンズ成形品。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
本発明によれば、実用上十分な溶着強度を有し、耐溶剤性及び耐熱性にも優れている車両ランプが得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
なお、本明細書において、重合前のモノマー成分のことを「〜単量体」といい、「単量体」を省略することもある。
また、重合体を構成する構成単位のことを「〜単量体単位」といい、単に「〜単位」と表記することもある。
本明細書における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
なお、本明細書において、重合前のモノマー成分のことを「〜単量体」といい、「単量体」を省略することもある。
また、重合体を構成する構成単位のことを「〜単量体単位」といい、単に「〜単位」と表記することもある。
本明細書における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
〔車両ランプ〕
本実施形態の車両ランプは、
メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有するレンズ成形品と、
下記の(d)の条件を満足する樹脂を用いたハウジング成形品と、
が、レーザー溶着によって接合された車両ランプである。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万。
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
(d)ISO1133規格に準拠し、温度220℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)が2g/10分以上45g/10分以下
本実施形態の車両ランプは、
メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有するレンズ成形品と、
下記の(d)の条件を満足する樹脂を用いたハウジング成形品と、
が、レーザー溶着によって接合された車両ランプである。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万。
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
(d)ISO1133規格に準拠し、温度220℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)が2g/10分以上45g/10分以下
本実施形態の車両ランプは、上記のように、レンズ成形品とハウジング成形品とがレーザー溶着によって接合された構成を有している。
[レンズ成形品]
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品は、上記のように、メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、前記(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有する、レーザー溶着用のレンズ成形品である。
以下、当該メタクリル系樹脂組成物について説明する。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品は、上記のように、メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、前記(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有する、レーザー溶着用のレンズ成形品である。
以下、当該メタクリル系樹脂組成物について説明する。
(メタクリル系樹脂組成物)
本実施形態の車両ランプのレンズ成形品に含有されているメタクリル系樹脂組成物は、上記のように、メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含む。
本実施形態の車両ランプのレンズ成形品に含有されているメタクリル系樹脂組成物は、上記のように、メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含む。
<メタクリル酸エステル単量体単位>
メタクリル系樹脂組成物に含まれるメタクリル酸エステル単量体単位を構成する単量体としては、本発明の効果を達成できるものであれば特に限定されないが、好ましい例としては、下記一般式(1)で示される単量体が挙げられる。
メタクリル系樹脂組成物に含まれるメタクリル酸エステル単量体単位を構成する単量体としては、本発明の効果を達成できるものであれば特に限定されないが、好ましい例としては、下記一般式(1)で示される単量体が挙げられる。
前記一般式(1)中、R1はメチル基を表す。
また、R2は、炭素原子が1〜18個からなる炭化水素基であって、炭素上の水素原子が水酸基やハロゲン基によって置換されていてもよい。
メタクリル酸エステル単量体単位を構成する単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸(2−エチルヘキシル)、メタクリル酸(t−ブチルシクロヘキシル)、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸(2,2,2−トリフルオロエチル)等が挙げられ、代表的なものはメタクリル酸メチルである。
上記メタクリル酸エステル単量体は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて使用してもよい。
また、上記メタクリル酸エステル単量体は、後述する、メタクリル系樹脂組成物を構成する重合体(1)と重合体(2)において、同じものを使用してもよく、異なるものを用いてもよい。
また、R2は、炭素原子が1〜18個からなる炭化水素基であって、炭素上の水素原子が水酸基やハロゲン基によって置換されていてもよい。
メタクリル酸エステル単量体単位を構成する単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸(2−エチルヘキシル)、メタクリル酸(t−ブチルシクロヘキシル)、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸(2,2,2−トリフルオロエチル)等が挙げられ、代表的なものはメタクリル酸メチルである。
上記メタクリル酸エステル単量体は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて使用してもよい。
また、上記メタクリル酸エステル単量体は、後述する、メタクリル系樹脂組成物を構成する重合体(1)と重合体(2)において、同じものを使用してもよく、異なるものを用いてもよい。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含有されているメタクリル系樹脂組成物中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量は、メタクリル系樹脂組成物中の70〜99.9(質量%)である。
メタクリル酸エステル単量体単位の含有量を70質量%以上とすることにより、メタクリル系樹脂組成物において良好な耐熱性が得られ、99.9質量%以下とすることにより良好な流動性が得られる。好ましくは75〜99.9質量%であり、より好ましくは80〜99.9質量%である。さらに好ましくは85〜99.9質量%であり、さらにより好ましくは90〜99.9質量%である。
メタクリル酸エステル単量体単位の含有量を70質量%以上とすることにより、メタクリル系樹脂組成物において良好な耐熱性が得られ、99.9質量%以下とすることにより良好な流動性が得られる。好ましくは75〜99.9質量%であり、より好ましくは80〜99.9質量%である。さらに好ましくは85〜99.9質量%であり、さらにより好ましくは90〜99.9質量%である。
<メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位>
メタクリル系樹脂組成物に含まれる、前記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位を構成する単量体としては、例えば、下記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル単量体が挙げられる。
メタクリル系樹脂組成物に含まれる、前記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位を構成する単量体としては、例えば、下記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル単量体が挙げられる。
前記一般式(2)中、R3は水素原子であり、R4は炭素数が1〜18のアルキル基である。
前記一般式(2)で表されるアクリル酸エステル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチルが好ましく、アクリル酸メチルが入手しやすくより好ましい。
また、前記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なビニル単量体であって、前記一般化学式(2)のアクリル酸エステル単量体以外の他のビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸やメタクリル酸等のα,β−不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、桂皮酸等の不飽和基含有二価カルボン酸、及びそれらのアルキルエステル;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、о−エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、イソプロペニルベンセン(α−メチルスチレン)等のスチレン系単量体;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、1,1−ジフェニルエチレン、イソプロペニルトルエン、イソプロペニルエチルベンゼン、イソプロペニルプロピルベンゼン、イソプロペニルブチルベンゼン、イソプロペニルペンチルベンゼン、イソプロペニルヘキシルベンゼン、イソプロペニルオクチルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;マレイミドや、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド等;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコール又はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化した単量体;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート等の2個のアルコールの水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化した単量体;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール誘導体をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化した単量体;ジビニルベンゼン等の多官能モノマー等が挙げられる。
なお、本実施形態の車両ランプのレンズ成形品に含有されているメタクリル系樹脂組成物においては、耐熱性、加工性等の特性を向上させる目的で、上記例示したビニル単量体以外のビニル系単量体を適宜添加して共重合させてもよい。
上記メタクリル酸エステル単量体に共重合可能なアクリル酸エステル単量体や、上記例示したアクリル酸エステル単量体以外のビニル系単量体は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、上記ビニル系単量体は、後述する重合体(1)と重合体(2)において、同じものを使用してもよく、異なるものを用いてもよい。
また、上記ビニル系単量体は、後述する重合体(1)と重合体(2)において、同じものを使用してもよく、異なるものを用いてもよい。
メタクリル系樹脂組成物を構成する、上述したメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位の含有量は、メタクリル系樹脂組成物中の0.1〜30質量%である。
流動性と耐熱性を向上させるためには、0.1質量%以上であることが必要である。また、耐熱性を高めるためには30質量%以下である必要がある。
好ましくは0.1〜25質量%であり、より好ましくは0.1〜20質量%である。さらに好ましくは0.1〜15質量%であり、さらにより好ましくは0.1〜10質量%である。
流動性と耐熱性を向上させるためには、0.1質量%以上であることが必要である。また、耐熱性を高めるためには30質量%以下である必要がある。
好ましくは0.1〜25質量%であり、より好ましくは0.1〜20質量%である。さらに好ましくは0.1〜15質量%であり、さらにより好ましくは0.1〜10質量%である。
<メタクリル系樹脂組成物のMFR−1>
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物は、ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)が、0.2g/10分以上12g/10分未満である。
前記MFR−1が0.2g/10分以上であることにより、レンズ成形品の成形性が良好なものとなり、ショートショット不良あるいは反り不良の発生を効果的に防止できる。
また、レンズ成形品を成形するにはより流動性の良好な材料が好ましく、12g/10分未満とすることにより、十分な分子量を確保でき、高い耐熱性を実現でき、ランプの熱による変形を防止できる。さらに十分な分子量を確保することにより、優れた耐溶剤性が得られる。
前記メタクリル系樹脂組成物のMFR−1の好ましい範囲としては0.2g/10分以上10g/10分未満であり、より好ましい範囲としては0.3g/10分以上8g/10分未満である。
メタクリル系樹脂組成物のMFR−1は、メタクリル酸エステル単量体単位、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位の組成と重量平均分子量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができ、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物は、ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)が、0.2g/10分以上12g/10分未満である。
前記MFR−1が0.2g/10分以上であることにより、レンズ成形品の成形性が良好なものとなり、ショートショット不良あるいは反り不良の発生を効果的に防止できる。
また、レンズ成形品を成形するにはより流動性の良好な材料が好ましく、12g/10分未満とすることにより、十分な分子量を確保でき、高い耐熱性を実現でき、ランプの熱による変形を防止できる。さらに十分な分子量を確保することにより、優れた耐溶剤性が得られる。
前記メタクリル系樹脂組成物のMFR−1の好ましい範囲としては0.2g/10分以上10g/10分未満であり、より好ましい範囲としては0.3g/10分以上8g/10分未満である。
メタクリル系樹脂組成物のMFR−1は、メタクリル酸エステル単量体単位、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位の組成と重量平均分子量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができ、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
<メタクリル系樹脂組成物のMFR比率>
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物は、ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、下記式(1)により求められるMFR比率が4.5以上であるものとする。これにより、溶着強度と耐溶剤性の両立を図ることができる。
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
溶着強度を上げるためには成形品の反りを少なくすることが有効である。反りが少ないことで樹脂同士が密着して強固に溶着することができる。
成形品の反りを少なくするには、樹脂の流動性を向上させる必要がある。ただし、従来、流動性を向上させるためには分子量を下げることが一般的に行われており、耐溶剤性が低下してしまう。したがって、これまでの樹脂では溶着強度と耐溶剤性を両立させることは難しかった。
本実施形態においては、メタクリル系樹脂組成物におけるMFR比率(MFR−2/MFR−1)を4.5以上に特定することにより、溶着強度と耐溶剤性との両立を図ることができる。
前記MFR比率は4.8以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。さらに好ましくは5.5以上である。
メタクリル系樹脂組成物のMFR−2は、後述する実施例に記載する方法により測定することができ、前記MFR−1と併せてMFR比率を算出することができる。
また、メタクリル系樹脂組成物のMFR−2について、前記MFR−1との関係で、上記式(1)のMFR比率を満たすようにするためには、メタクリル酸エステル単量体単位、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体単位の組成と、重量平均分子量とを調整したり、当該組成や重量平均分子量を調整したポリマーを適宜混合したりすることが有効である。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物は、ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、下記式(1)により求められるMFR比率が4.5以上であるものとする。これにより、溶着強度と耐溶剤性の両立を図ることができる。
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
溶着強度を上げるためには成形品の反りを少なくすることが有効である。反りが少ないことで樹脂同士が密着して強固に溶着することができる。
成形品の反りを少なくするには、樹脂の流動性を向上させる必要がある。ただし、従来、流動性を向上させるためには分子量を下げることが一般的に行われており、耐溶剤性が低下してしまう。したがって、これまでの樹脂では溶着強度と耐溶剤性を両立させることは難しかった。
本実施形態においては、メタクリル系樹脂組成物におけるMFR比率(MFR−2/MFR−1)を4.5以上に特定することにより、溶着強度と耐溶剤性との両立を図ることができる。
前記MFR比率は4.8以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。さらに好ましくは5.5以上である。
メタクリル系樹脂組成物のMFR−2は、後述する実施例に記載する方法により測定することができ、前記MFR−1と併せてMFR比率を算出することができる。
また、メタクリル系樹脂組成物のMFR−2について、前記MFR−1との関係で、上記式(1)のMFR比率を満たすようにするためには、メタクリル酸エステル単量体単位、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体単位の組成と、重量平均分子量とを調整したり、当該組成や重量平均分子量を調整したポリマーを適宜混合したりすることが有効である。
<メタクリル系樹脂組成物のビカット軟化温度>
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物は、ビカット軟化温度が98℃以上であることが好ましい。これにより、ランプから発する熱による変形を防止することができ、好ましい。
より好ましくは99℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
なお、メタクリル系樹脂組成物のビカット軟化温度は、本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品のビカット軟化温度と同義であり、後述する実施例に記載する、レンズ成形品のビカット軟化温度の測定方法によって測定することができる。
メタクリル系樹脂組成物のビカット軟化温度は、メタクリル酸エステル単量体単位、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位の組成を調整することにより制御することができる。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物は、ビカット軟化温度が98℃以上であることが好ましい。これにより、ランプから発する熱による変形を防止することができ、好ましい。
より好ましくは99℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
なお、メタクリル系樹脂組成物のビカット軟化温度は、本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品のビカット軟化温度と同義であり、後述する実施例に記載する、レンズ成形品のビカット軟化温度の測定方法によって測定することができる。
メタクリル系樹脂組成物のビカット軟化温度は、メタクリル酸エステル単量体単位、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位の組成を調整することにより制御することができる。
<メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量>
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量について説明する。
メタクリル系樹脂組成物は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した重量平均分子量(Mw)が90000〜250000である。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量を90000以上とすることにより、本実施形態の車両ランプ及びレンズ成形品において優れた機械強度が得られる。
また、メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を250000以下とすることにより、優れた流動性が得られる。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量が前記範囲であることにより、優れた成形加工流動性が得られる。
流動性と機械強度のバランスを考慮すると、メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)は90000〜240000が好ましく、90000〜230000がより好ましく、95000〜220000がさらに好ましい。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に含まれるメタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量について説明する。
メタクリル系樹脂組成物は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定した重量平均分子量(Mw)が90000〜250000である。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量を90000以上とすることにより、本実施形態の車両ランプ及びレンズ成形品において優れた機械強度が得られる。
また、メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を250000以下とすることにより、優れた流動性が得られる。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量が前記範囲であることにより、優れた成形加工流動性が得られる。
流動性と機械強度のバランスを考慮すると、メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)は90000〜240000が好ましく、90000〜230000がより好ましく、95000〜220000がさらに好ましい。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
<レンズ成形品に用いる材料>
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に用いる材料は、700〜1600nmの範囲のレーザー光の内、一部の波長を30%以上透過する材料であることが好ましく、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である。
本実施形態のレンズ成形品に用いる材料としては、上述したメタクリル系樹脂組成物を含有し、その他、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、(ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)系樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などである。好ましくはメタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂であり、更に好ましくはメタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂を含有してもよい。
これらの樹脂は、一種のみを単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品に用いる材料は、700〜1600nmの範囲のレーザー光の内、一部の波長を30%以上透過する材料であることが好ましく、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である。
本実施形態のレンズ成形品に用いる材料としては、上述したメタクリル系樹脂組成物を含有し、その他、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、(ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)系樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などである。好ましくはメタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂であり、更に好ましくはメタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂を含有してもよい。
これらの樹脂は、一種のみを単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ハウジング成形品]
本実施形態の車両ランプは、上記のように、レンズ成形品とハウジング成形品とにより構成されている。
<ハウジング成形品に用いる材料>
ハウジング成形品は、ASA系樹脂(アクリロニトリル・スチレン・アクリル系樹脂)、ABS系樹脂(アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン系樹脂)、AES系樹脂(アクリロニトリル・エチレンプロピレンジエン・スチレン系樹脂)、SAS系樹脂(シリコン系複合ゴム・アクリロニトリル・スチレン系樹脂)、ACS系樹脂(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン(ACS)系樹脂)からなる群より選ばれる、少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。
ハウジング成形品に用いる材料は、700〜1600nmの範囲のレーザー光の内、一部の波長を吸収して発熱する材料を用いることが好ましい。
ハウジング成形品に用いる材料としては、前記ABS系樹脂、ASA系樹脂、AES系樹脂、ACS系樹脂、SAS系樹脂の他、ポリスチレン系樹脂、AS系樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂とABS系樹脂のアロイ、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを含んでいてもよい。
ハウジング成形品としては、強度と耐候性の両方が求められ、ABS系樹脂、ASA系樹脂、AES系樹脂、ACS系樹脂、SAS系樹脂のうちの少なくとも一つを含むことが好ましく、その他、ポリスチレン系樹脂を含むことがより好ましい。さらに好ましくはASA系樹脂である。
これらの樹脂は、一種のみを単独で用いても、二種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
また、ハウジング成形品にはレーザー光吸収剤及び着色剤が含まれていてもよい。
本実施形態の車両ランプは、上記のように、レンズ成形品とハウジング成形品とにより構成されている。
<ハウジング成形品に用いる材料>
ハウジング成形品は、ASA系樹脂(アクリロニトリル・スチレン・アクリル系樹脂)、ABS系樹脂(アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン系樹脂)、AES系樹脂(アクリロニトリル・エチレンプロピレンジエン・スチレン系樹脂)、SAS系樹脂(シリコン系複合ゴム・アクリロニトリル・スチレン系樹脂)、ACS系樹脂(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン(ACS)系樹脂)からなる群より選ばれる、少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。
ハウジング成形品に用いる材料は、700〜1600nmの範囲のレーザー光の内、一部の波長を吸収して発熱する材料を用いることが好ましい。
ハウジング成形品に用いる材料としては、前記ABS系樹脂、ASA系樹脂、AES系樹脂、ACS系樹脂、SAS系樹脂の他、ポリスチレン系樹脂、AS系樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂とABS系樹脂のアロイ、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET樹脂、PBT樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを含んでいてもよい。
ハウジング成形品としては、強度と耐候性の両方が求められ、ABS系樹脂、ASA系樹脂、AES系樹脂、ACS系樹脂、SAS系樹脂のうちの少なくとも一つを含むことが好ましく、その他、ポリスチレン系樹脂を含むことがより好ましい。さらに好ましくはASA系樹脂である。
これらの樹脂は、一種のみを単独で用いても、二種以上の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
また、ハウジング成形品にはレーザー光吸収剤及び着色剤が含まれていてもよい。
<ハウジング成形品に用いる材料のMFR−3>
本実施形態の車両ランプを構成するハウジング成形品に用いる樹脂は、ISO1133規格に準拠し、温度220℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)の範囲が、2g/10分以上45g/10分以下である。
2g/10分以上であることにより、良好な成形性が得られ、ショートショット不良あるいは反り不良の発生を効果的に防止できる。
また、ハウジング成形品を成形するには、より流動性の良好な材料を用いることが好ましいが、一般的に、樹脂の流動性を高めるためには、樹脂の分子量を下げるか、耐熱性を下げる必要がある。
ただし、分子量を下げすぎると耐溶剤性や強度が必要以上に低下するため、好ましくない。
また、ゴム成分を少なくすることも流動性向上に有効であるが、耐溶剤性や強度が低下してしまう為、要求特性に応じたゴム量に設定する必要がある。
よって、かかる観点から、本実施形態においては、前記MFR−3が45g/10分以下であるものとし、これにより、良好な耐熱性及び耐溶剤性、強度の両立の実現を図った。
ハウジング成形品に用いる樹脂のMFR−3の好ましい範囲としては、3g/10分以上40g/10分未満であり、より好ましい範囲としては4g/10分以上35g/10分未満であり、さらに好ましい範囲としては5g/10分以上30g/10分未満である。
ハウジング成形品に用いる材料のMFR−3は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
ハウジング成形品に用いる材料のMFR−3を上記数値範囲とするためには、樹脂材料の成分や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することが有効である。
本実施形態の車両ランプを構成するハウジング成形品に用いる樹脂は、ISO1133規格に準拠し、温度220℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)の範囲が、2g/10分以上45g/10分以下である。
2g/10分以上であることにより、良好な成形性が得られ、ショートショット不良あるいは反り不良の発生を効果的に防止できる。
また、ハウジング成形品を成形するには、より流動性の良好な材料を用いることが好ましいが、一般的に、樹脂の流動性を高めるためには、樹脂の分子量を下げるか、耐熱性を下げる必要がある。
ただし、分子量を下げすぎると耐溶剤性や強度が必要以上に低下するため、好ましくない。
また、ゴム成分を少なくすることも流動性向上に有効であるが、耐溶剤性や強度が低下してしまう為、要求特性に応じたゴム量に設定する必要がある。
よって、かかる観点から、本実施形態においては、前記MFR−3が45g/10分以下であるものとし、これにより、良好な耐熱性及び耐溶剤性、強度の両立の実現を図った。
ハウジング成形品に用いる樹脂のMFR−3の好ましい範囲としては、3g/10分以上40g/10分未満であり、より好ましい範囲としては4g/10分以上35g/10分未満であり、さらに好ましい範囲としては5g/10分以上30g/10分未満である。
ハウジング成形品に用いる材料のMFR−3は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
ハウジング成形品に用いる材料のMFR−3を上記数値範囲とするためには、樹脂材料の成分や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することが有効である。
<ハウジング成形品に用いる樹脂のビカット軟化温度>
本実施形態の車両ランプを構成するハウジング成形品に用いる樹脂のビカット軟化温度は96℃以上であることが好ましい。
前記ビカット軟化温度が96℃以上であることにより、ランプから発せられる熱によるハウジング成形品の変形を防止することができる。ビカット軟化温度は、より好ましくは98℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
ハウジング成形品に用いる樹脂のビカット軟化温度は、ハウジング成形品のビカット軟化温度と同義であり、後述する実施例に記載するハウジング成形品のビカット軟化温度の測定方法によって測定することができる。
本実施形態の車両ランプを構成するハウジング成形品に用いる樹脂のビカット軟化温度は96℃以上であることが好ましい。
前記ビカット軟化温度が96℃以上であることにより、ランプから発せられる熱によるハウジング成形品の変形を防止することができる。ビカット軟化温度は、より好ましくは98℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
ハウジング成形品に用いる樹脂のビカット軟化温度は、ハウジング成形品のビカット軟化温度と同義であり、後述する実施例に記載するハウジング成形品のビカット軟化温度の測定方法によって測定することができる。
<レンズ成形品と、ハウジング成形品とのビカット軟化温度の温度差>
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品とハウジング成形品のビカット軟化温度の差は、30℃以下であることが好ましい。
レンズ成形品とハウジング成形品の耐熱性が近いほど、具体的には30℃以下であると、レーザー溶着時の樹脂同士の絡み合いが強くなり、溶着強度が高くなる傾向にある。
また、軟化するタイミングが近づくので溶着時間を短くできる利点もある。
レンズ成形品とハウジング成形品とのビカット軟化温度の差は、より好ましくは23℃以下であり、さらに好ましくは15℃以下であり、さらにより好ましくは10℃以下である。
レンズ成形品と、ハウジング成形品とのビカット軟化温度の温度差は、レンズ成形品及びハウジング成形品を構成する樹脂材料の組成や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することにより制御することができる。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品とハウジング成形品のビカット軟化温度の差は、30℃以下であることが好ましい。
レンズ成形品とハウジング成形品の耐熱性が近いほど、具体的には30℃以下であると、レーザー溶着時の樹脂同士の絡み合いが強くなり、溶着強度が高くなる傾向にある。
また、軟化するタイミングが近づくので溶着時間を短くできる利点もある。
レンズ成形品とハウジング成形品とのビカット軟化温度の差は、より好ましくは23℃以下であり、さらに好ましくは15℃以下であり、さらにより好ましくは10℃以下である。
レンズ成形品と、ハウジング成形品とのビカット軟化温度の温度差は、レンズ成形品及びハウジング成形品を構成する樹脂材料の組成や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することにより制御することができる。
<レンズ成形品と、ハウジング成形品の線膨張率の差>
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品とハウジング成形品の線膨張率の差は、2.5(/℃)以下であることが好ましい。
レンズ成形品とハウジング成形品の線膨張率が近いほど、具体的には両成形品の線膨張率の差が2.5(/℃)以下であると、冷却時の冷却歪が少なく、溶着強度が高くなる傾向にある。
また、溶着後に雰囲気温度が変化した場合もレンズ成形品とハウジング成形品の膨張率が近い為、溶着部の歪が急増しない利点もある。
レンズ成形品とハウジング成形品との線膨張率の差は、より好ましくは2.0(/℃)以下であり、さらに好ましくは1.5(/℃)以下であり、さらにより好ましくは1.2(/℃)以下である。
レンズ成形品とハウジング成形品の線膨張率の差は、樹脂材料の成分や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することにより制御することができる。
本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品とハウジング成形品の線膨張率の差は、2.5(/℃)以下であることが好ましい。
レンズ成形品とハウジング成形品の線膨張率が近いほど、具体的には両成形品の線膨張率の差が2.5(/℃)以下であると、冷却時の冷却歪が少なく、溶着強度が高くなる傾向にある。
また、溶着後に雰囲気温度が変化した場合もレンズ成形品とハウジング成形品の膨張率が近い為、溶着部の歪が急増しない利点もある。
レンズ成形品とハウジング成形品との線膨張率の差は、より好ましくは2.0(/℃)以下であり、さらに好ましくは1.5(/℃)以下であり、さらにより好ましくは1.2(/℃)以下である。
レンズ成形品とハウジング成形品の線膨張率の差は、樹脂材料の成分や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することにより制御することができる。
<レーザー溶着時の発煙>
レンズ成形品とハウジング成形品とをレーザー溶着させた車両ランプは、当該レーザー溶着する際に発煙する場合がある。
発煙の要因の一つとしてレーザー光を受けて発熱するハウジング成形品の耐熱安定性の不足が挙げられる。
ハウジング成形品の耐熱安定性が不足していると、レーザー加熱時に樹脂が分解して煙が発生する場合がある。したがって、耐熱安定性の低い材料はレーザー溶着時に煙を発生しやすいと考えられる。
かかる点に鑑みて、本実施形態の車両ランプを構成するハウジング成形品の260℃30分加熱時の質量減量は1.5%以下であることが好ましい。より好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.7%以下である。
ハウジング成形品の260℃30分加熱時の質量減量は、ハウジング部品を構成する樹脂材料の組成や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することにより制御することができる。
レンズ成形品とハウジング成形品とをレーザー溶着させた車両ランプは、当該レーザー溶着する際に発煙する場合がある。
発煙の要因の一つとしてレーザー光を受けて発熱するハウジング成形品の耐熱安定性の不足が挙げられる。
ハウジング成形品の耐熱安定性が不足していると、レーザー加熱時に樹脂が分解して煙が発生する場合がある。したがって、耐熱安定性の低い材料はレーザー溶着時に煙を発生しやすいと考えられる。
かかる点に鑑みて、本実施形態の車両ランプを構成するハウジング成形品の260℃30分加熱時の質量減量は1.5%以下であることが好ましい。より好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.7%以下である。
ハウジング成形品の260℃30分加熱時の質量減量は、ハウジング部品を構成する樹脂材料の組成や重量平均分子量、ゴム成分量などを調整することにより制御することができる。
(メタクリル系樹脂組成物の製造方法)
以下、上述した本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品の材料であるメタクリル系樹脂組成物の製造方法について説明するが、本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造方法は、以下に示す方法に限定されるものではない。
メタクリル系樹脂組成物は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、及び乳化重合法により製造できる。
好ましくは塊状重合法、溶液重合法及び懸濁重合法が用いられ、より好ましくは溶液重合法、懸濁重合法であり、さらに好ましくは懸濁重合法が用いられる。
本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の具体的な製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
以下、上述した本実施形態の車両ランプを構成するレンズ成形品の材料であるメタクリル系樹脂組成物の製造方法について説明するが、本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造方法は、以下に示す方法に限定されるものではない。
メタクリル系樹脂組成物は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、及び乳化重合法により製造できる。
好ましくは塊状重合法、溶液重合法及び懸濁重合法が用いられ、より好ましくは溶液重合法、懸濁重合法であり、さらに好ましくは懸濁重合法が用いられる。
本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の具体的な製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
<第1の方法>
予め、所定の重量平均分子量(例えば、5千〜5万)を有する重合体(1)を所定量製造しておき、この重合体(1)と異なる重量平均分子量(例えば6万〜35万)を有する重合体(2)の原料組成混合物に重合体(1)を混合する。その混合液を重合させ、メタクリル系樹脂組成物を製造する。
<第2の方法>
予め、所定の重量平均分子量(例えば、5千〜5万)を有する重合体(1)を製造し、その後、この重合体(1)とは異なる重量平均分子量(例えば、6万〜35万)を有する重合体(2)の原料組成混合物を所定量、重合体(1)に逐次追添、又は重合体(1)を重合溶液ごと重合体(2)の原料組成混合物に逐次追添し、重合することによって、メタクリル系樹脂組成物を製造する。
<第3の方法>
あらかじめ重合体(1)及び重合体(1)と異なる分子量を持つ重合体(2)を個別に製造しておき、ブレンドし、メタクリル系樹脂組成物を製造する。
ブレンド可能な樹脂の形態としては特に制約はない。
たとえば懸濁重合、乳化重合後のビーズ状樹脂や溶融状態の樹脂、造粒後のペレットなどでもブレンド可能である。
予め、所定の重量平均分子量(例えば、5千〜5万)を有する重合体(1)を所定量製造しておき、この重合体(1)と異なる重量平均分子量(例えば6万〜35万)を有する重合体(2)の原料組成混合物に重合体(1)を混合する。その混合液を重合させ、メタクリル系樹脂組成物を製造する。
<第2の方法>
予め、所定の重量平均分子量(例えば、5千〜5万)を有する重合体(1)を製造し、その後、この重合体(1)とは異なる重量平均分子量(例えば、6万〜35万)を有する重合体(2)の原料組成混合物を所定量、重合体(1)に逐次追添、又は重合体(1)を重合溶液ごと重合体(2)の原料組成混合物に逐次追添し、重合することによって、メタクリル系樹脂組成物を製造する。
<第3の方法>
あらかじめ重合体(1)及び重合体(1)と異なる分子量を持つ重合体(2)を個別に製造しておき、ブレンドし、メタクリル系樹脂組成物を製造する。
ブレンド可能な樹脂の形態としては特に制約はない。
たとえば懸濁重合、乳化重合後のビーズ状樹脂や溶融状態の樹脂、造粒後のペレットなどでもブレンド可能である。
重合体(1)の重量平均分子量は、成形時のシルバー等の不具合抑制、重合安定性、流動性付与の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が5千〜5万とすることが好ましい。より好ましくは1万〜5万であり、さらに好ましくは1万〜4万である。
重合体(2)の重量平均分子量は、機械強度、流動性の観点から、重量平均分子量が6万〜35万とすることが好ましい。より好ましくは7万〜32万であり、さらに好ましくは8万〜30万であり、さらにより好ましくは9万〜30万である。
重合体(2)の重量平均分子量は、機械強度、流動性の観点から、重量平均分子量が6万〜35万とすることが好ましい。より好ましくは7万〜32万であり、さらに好ましくは8万〜30万であり、さらにより好ましくは9万〜30万である。
本実施形態のメタクリル系樹脂組成物を製造する重合工程においては、製造する重合体の重合度を調整する目的で、重合開始剤を用いてもよい。
重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ系の一般的なラジカル重合開始剤を挙げることができる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ系の一般的なラジカル重合開始剤を挙げることができる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
これらのラジカル重合開始剤と適当な還元剤とを組み合わせてレドックス系開始剤として重合工程を実施してもよい。
これらの重合開始剤は、重合工程に使用する全単量体の総量100質量部に対して、0〜1質量部の範囲で用いるのが一般的であり、重合を行う温度と重合開始剤の半減期を考慮して適宜選ぶことができる。
これらの重合開始剤は、重合工程に使用する全単量体の総量100質量部に対して、0〜1質量部の範囲で用いるのが一般的であり、重合を行う温度と重合開始剤の半減期を考慮して適宜選ぶことができる。
塊状重合法やキャスト重合法、懸濁重合法を選択して重合工程を実施する場合、メタクリル系樹脂組成物の着色を防止しうる観点から、過酸化系開始剤のラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を特に好適に用いることができ、ラウロイルパーオキサイドが特に好適に使用される。
また、重合工程を90℃以上の高温下で溶液重合法により行う場合には、10時間半減期温度が80℃以上で、かつ用いる有機溶媒に可溶である過酸化物、アゾビス開始剤などを用いることが好ましい。
このような過酸化物、アゾビス開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。
このような過酸化物、アゾビス開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等を挙げることができる。
上述した重合開始剤は、使用する全単量体の総量100質量部に対して、0〜1質量部の範囲で用いることが好ましい。
本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造工程においては、本発明の目的を損わない範囲で、製造する重合体の分子量の制御を行うことができる。
例えば、アルキルメルカプタン類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン等の連鎖移動剤、ジチオカルバメート類、トリフェニルメチルアゾベンゼン、テトラフェニルエタン誘導体等のイニファータ等を用いることによって分子量の制御を行うことができる。
これらの添加量を調整することにより、分子量を調整することが可能である。
これらの添加剤を用いる場合、取扱性や安定性の点からアルキルメルカプタン類が好適に用いられる。当該アルキルメルカプタン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)等が挙げられる。
これらは、所望の分子量に応じて適宜添加することができるが、一般的には使用する全単量体の総量100質量部に対して0.001質量部〜3質量部の範囲で用いられる。
例えば、アルキルメルカプタン類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン等の連鎖移動剤、ジチオカルバメート類、トリフェニルメチルアゾベンゼン、テトラフェニルエタン誘導体等のイニファータ等を用いることによって分子量の制御を行うことができる。
これらの添加量を調整することにより、分子量を調整することが可能である。
これらの添加剤を用いる場合、取扱性や安定性の点からアルキルメルカプタン類が好適に用いられる。当該アルキルメルカプタン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)等が挙げられる。
これらは、所望の分子量に応じて適宜添加することができるが、一般的には使用する全単量体の総量100質量部に対して0.001質量部〜3質量部の範囲で用いられる。
また、その他の分子量制御方法としては重合方法を変える方法、重合開始剤の量を調整する方法、重合温度を変更する方法等が挙げられる。
これらの分子量制御方法は、一種の方法だけを単独で用いてもよいし、二種以上の方法を併用してもよい。
これらの分子量制御方法は、一種の方法だけを単独で用いてもよいし、二種以上の方法を併用してもよい。
重合温度は、重合方法により適宜最適の重合温度を選択して製造すればよいが、好ましくは50℃以上200℃以下である。
上述した(第1の方法)〜(第3の方法)は、二種類の重量平均分子量が異なる成分を構成要素とするメタクリル系樹脂組成物を製造する方法であるが、本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造方法においては、更に分子量や組成の異なる重合体(3)、重合体(4)等を同様の手順で製造し、重合体(1)及び(2)と組み合わせてもよい。
重合体(1)を製造しておき、その重合体(1)が重合体(2)の原料組成混合物中に存在している状態で、重合体(2)を製造する方法は、本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造方法として好ましい方法である。
この方法は、重合体(1)と重合体(2)の、それぞれの組成を制御しやすく、重合時の重合発熱による温度上昇を抑えられ、系内の粘度も安定化できるため好ましい方法である。
この場合、重合体(2)の原料組成混合物は、一部重合が開始されている状態であってもよい。そのための重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、もしくは乳化重合のいずれかの方法が好ましく、より好ましくは塊状重合、溶液重合、懸濁重合法である。
重合体(1)を製造しておき、その重合体(1)が重合体(2)の原料組成混合物中に存在している状態で、重合体(2)を製造する方法は、本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造方法として好ましい方法である。
この方法は、重合体(1)と重合体(2)の、それぞれの組成を制御しやすく、重合時の重合発熱による温度上昇を抑えられ、系内の粘度も安定化できるため好ましい方法である。
この場合、重合体(2)の原料組成混合物は、一部重合が開始されている状態であってもよい。そのための重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、もしくは乳化重合のいずれかの方法が好ましく、より好ましくは塊状重合、溶液重合、懸濁重合法である。
<重合体(1)、(2)の配合比率>
次に、本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造方法に関し、上述した重合体(1)及び重合体(2)の具体的な配合比率について説明する。
なお、以下の説明においては、重合体(1)及び重合体(2)は、いずれも、重合原料としてメタクリル酸エステル単量体を含むメタクリル酸エステル系重合体であるものとする。
上記(第1の方法)及び(第2の方法)においては、いずれも、1段目の重合工程でメタクリル酸エステル単量体、又はメタクリル酸エステル単量体及び少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体を重合してメタクリル酸エステル系重合体(重合体(1))を得、2段目の重合工程でメタクリル酸エステル単量体、又はメタクリル酸エステル単量体及び少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体を重合してメタクリル酸エステル系重合体(重合体(2))を得る。
これらの配合比率は、重合体(1):5〜50質量%であり、重合体(2):95〜50質量%であることが好ましい。
前記配合比率とすることにより、製造工程における重合安定性を図ることができ、メタクリル系樹脂組成物の流動性、成形性、機械的強度の観点からも好ましい。
これらの特性のバランスをさらに良好なものとするためには、重合体(1)/重合体(2)の比率は、5〜45質量%/95〜55質量%がより好ましく、6〜40質量%/94〜60質量%がさらに好ましく、7〜38質量%/93〜62質量%がさらにより好ましい。
重合体(1)の原料として、メタクリル酸エステル単量体に、その他のビニル単量体を加える場合、得られる重合体の色調の観点から、メタクリル酸エステル単量体とその他のビニル単量体との組成比は、メタクリル酸エステル単量体80〜100質量%に対し、その他のビニル単量体が20〜0質量%であることが好ましく、より好ましくはメタクリル酸エステル単量体/その他のビニル単量体=85〜100質量%/15〜0質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%/10〜0質量%である。
重合安定性を特に考慮する必要がある場合、重合体(1)中の、メタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体の配合量は実質的にゼロであることが好ましいが、その際、原料であるメタクリル酸エステル単量体に不純物として存在する程度の量は許容される。
重合体(2)の原料となるメタクリル酸エステル単量体に、その他のビニル単量体を加える場合、得られる重合体の熱安定性の観点から、メタクリル酸エステル単量体とその他のビニル単量体との組成比は、メタクリル酸エステル単量体/その他のビニル単量体の組成比にして、70〜99.5質量%/30〜0.5質量%であることが好ましく、80〜99.5質量%/20〜0.5質量%であることがより好ましく、85〜99.5質量%/15〜0.5質量%であることがさらに好ましく、90〜99.5質量%/10〜0.5質量%であることがさらにより好ましい。
次に、本実施形態のメタクリル系樹脂組成物の製造方法に関し、上述した重合体(1)及び重合体(2)の具体的な配合比率について説明する。
なお、以下の説明においては、重合体(1)及び重合体(2)は、いずれも、重合原料としてメタクリル酸エステル単量体を含むメタクリル酸エステル系重合体であるものとする。
上記(第1の方法)及び(第2の方法)においては、いずれも、1段目の重合工程でメタクリル酸エステル単量体、又はメタクリル酸エステル単量体及び少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体を重合してメタクリル酸エステル系重合体(重合体(1))を得、2段目の重合工程でメタクリル酸エステル単量体、又はメタクリル酸エステル単量体及び少なくとも一種のメタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体を重合してメタクリル酸エステル系重合体(重合体(2))を得る。
これらの配合比率は、重合体(1):5〜50質量%であり、重合体(2):95〜50質量%であることが好ましい。
前記配合比率とすることにより、製造工程における重合安定性を図ることができ、メタクリル系樹脂組成物の流動性、成形性、機械的強度の観点からも好ましい。
これらの特性のバランスをさらに良好なものとするためには、重合体(1)/重合体(2)の比率は、5〜45質量%/95〜55質量%がより好ましく、6〜40質量%/94〜60質量%がさらに好ましく、7〜38質量%/93〜62質量%がさらにより好ましい。
重合体(1)の原料として、メタクリル酸エステル単量体に、その他のビニル単量体を加える場合、得られる重合体の色調の観点から、メタクリル酸エステル単量体とその他のビニル単量体との組成比は、メタクリル酸エステル単量体80〜100質量%に対し、その他のビニル単量体が20〜0質量%であることが好ましく、より好ましくはメタクリル酸エステル単量体/その他のビニル単量体=85〜100質量%/15〜0質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%/10〜0質量%である。
重合安定性を特に考慮する必要がある場合、重合体(1)中の、メタクリル酸エステルに共重合可能な他のビニル単量体の配合量は実質的にゼロであることが好ましいが、その際、原料であるメタクリル酸エステル単量体に不純物として存在する程度の量は許容される。
重合体(2)の原料となるメタクリル酸エステル単量体に、その他のビニル単量体を加える場合、得られる重合体の熱安定性の観点から、メタクリル酸エステル単量体とその他のビニル単量体との組成比は、メタクリル酸エステル単量体/その他のビニル単量体の組成比にして、70〜99.5質量%/30〜0.5質量%であることが好ましく、80〜99.5質量%/20〜0.5質量%であることがより好ましく、85〜99.5質量%/15〜0.5質量%であることがさらに好ましく、90〜99.5質量%/10〜0.5質量%であることがさらにより好ましい。
(メタクリル系樹脂組成物の添加剤、着色剤)
<添加剤>
本実施形態の車両ランプを構成するメタクリル系樹脂組成物には、剛性や寸法安定性等の各種特性を付与する観点から、所定の添加剤を添加してもよい。
添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系等の可塑剤;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、又はトリグリセリド系等の離型剤;ポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、ポリエーテルエステルアミド系、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩等の帯電防止剤;酸化防止剤及び紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤等の安定剤;難燃剤、難燃助剤、硬化剤、硬化促進剤、導電性付与剤、応力緩和剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、充填剤、消泡剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌・防黴剤、防汚剤、導電性高分子等が挙げられる。
<添加剤>
本実施形態の車両ランプを構成するメタクリル系樹脂組成物には、剛性や寸法安定性等の各種特性を付与する観点から、所定の添加剤を添加してもよい。
添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系等の可塑剤;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のモノ、ジ、又はトリグリセリド系等の離型剤;ポリエーテル系、ポリエーテルエステル系、ポリエーテルエステルアミド系、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩等の帯電防止剤;酸化防止剤及び紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤等の安定剤;難燃剤、難燃助剤、硬化剤、硬化促進剤、導電性付与剤、応力緩和剤、結晶化促進剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、衝撃付与剤、摺動性改良剤、相溶化剤、核剤、強化剤、補強剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、充填剤、消泡剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌・防黴剤、防汚剤、導電性高分子等が挙げられる。
熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工安定剤等の酸化防止剤が挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−−3−ヒドロキシ−2,6−キシリン)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン)フェノール等が挙げられる。
特に、ペンタエリスリトールテラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−−3−ヒドロキシ−2,6−キシリン)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン)フェノール等が挙げられる。
特に、ペンタエリスリトールテラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ラクトン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンズオキサジノン系化合物等が挙げられ、好ましくはベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物である。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
また、紫外線吸収剤を添加する場合、成型加工性の観点から、20℃における蒸気圧(P)が1.0×10-4Pa以下であるものが好ましく、より好ましくは1.0×10-6Pa以下であり、さらに好ましくは1.0×10-8Pa以下である。
成型加工性に優れるとは、例えばフィルム成形時に、紫外線吸収剤のロールへの付着が少ないことなどをいう。ロールへ付着すると、例えば成形体表面へ付着し外観、光学特性を悪化させるおそれがあるため、成形体を光学用材料として使用する場合は好ましくない。
また、紫外線吸収剤の融点(Tm)は80℃以上であることが好ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上、さらにより好ましくは160℃以上である。
紫外線吸収剤は、23℃から260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の質量減少率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは15%以下、さらにより好ましくは10%以下、よりさらに好ましくは5%以下である。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
また、紫外線吸収剤を添加する場合、成型加工性の観点から、20℃における蒸気圧(P)が1.0×10-4Pa以下であるものが好ましく、より好ましくは1.0×10-6Pa以下であり、さらに好ましくは1.0×10-8Pa以下である。
成型加工性に優れるとは、例えばフィルム成形時に、紫外線吸収剤のロールへの付着が少ないことなどをいう。ロールへ付着すると、例えば成形体表面へ付着し外観、光学特性を悪化させるおそれがあるため、成形体を光学用材料として使用する場合は好ましくない。
また、紫外線吸収剤の融点(Tm)は80℃以上であることが好ましく、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは130℃以上、さらにより好ましくは160℃以上である。
紫外線吸収剤は、23℃から260℃まで20℃/minの速度で昇温した場合の質量減少率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは15%以下、さらにより好ましくは10%以下、よりさらに好ましくは5%以下である。
<着色剤>
本実施形態の車両ランプを構成するメタクリル系樹脂組成物には、レーザー光の透過率が30%を越える範囲でカーボンブラックや各種顔料、着色剤などを添加してもよい。
着色剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペリレン系染料、ペリノン系染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、クマリン染料、キノフタロン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、アンスラキノン系染料、アスドラピリドン系染料、チオインジゴ系染料、クマリン系染料、イソインドリノン系顔料、シケトピロロピロール系顔料、縮合アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジオキサジン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ニッケル錯体系化合物、カーボンブラック、チタンブラック、二酸化チタン、酸化アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、硫酸バリウム、ポリメチルシルセスキオキサン、ハロゲン化銅フタロシアニン、エチレンビスステアリン酸アマイド、群青、群青バイオレット、酸化鉄、二酸化ケイ素、マイカ、タルク、流動パラフィン、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。
着色剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の車両ランプを構成するメタクリル系樹脂組成物には、レーザー光の透過率が30%を越える範囲でカーボンブラックや各種顔料、着色剤などを添加してもよい。
着色剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペリレン系染料、ペリノン系染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、クマリン染料、キノフタロン系染料、キノリン系染料、アントラキノン系染料、アンスラキノン系染料、アスドラピリドン系染料、チオインジゴ系染料、クマリン系染料、イソインドリノン系顔料、シケトピロロピロール系顔料、縮合アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジオキサジン系顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ニッケル錯体系化合物、カーボンブラック、チタンブラック、二酸化チタン、酸化アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、硫酸バリウム、ポリメチルシルセスキオキサン、ハロゲン化銅フタロシアニン、エチレンビスステアリン酸アマイド、群青、群青バイオレット、酸化鉄、二酸化ケイ素、マイカ、タルク、流動パラフィン、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。
着色剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<添加剤、他の樹脂の混練方法>
メタクリル系樹脂組成物は、上述した添加剤、着色剤の他、必要に応じてその他の所定の樹脂を混合してもよい。
メタクリル系樹脂組成物に添加剤、着色剤、その他の樹脂を混合する場合の混練する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練する方法が挙げられる。
その中でも押出機による混練が、生産性の面で好ましい。
混練温度は、メタクリル系樹脂組成物を構成する重合体や、混合する他の樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては140〜300℃の範囲、好ましくは180〜280℃の範囲である。
メタクリル系樹脂組成物は、上述した添加剤、着色剤の他、必要に応じてその他の所定の樹脂を混合してもよい。
メタクリル系樹脂組成物に添加剤、着色剤、その他の樹脂を混合する場合の混練する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、ローラミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練する方法が挙げられる。
その中でも押出機による混練が、生産性の面で好ましい。
混練温度は、メタクリル系樹脂組成物を構成する重合体や、混合する他の樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては140〜300℃の範囲、好ましくは180〜280℃の範囲である。
<レーザー光吸収剤>
本実施形態の車両ランプは、レンズ成形品と、ハウジング成形品とが、レーザー溶着によって接合された構成を有している。
レンズ成形品を構成するメタクリル系樹脂組成物は、レーザー光吸収剤を含有していることが好ましい。
レーザー光吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄などの顔料や、各種着色剤を使用することができる。
これらのレーザー光吸収剤は、1種のみを単独で使用してもよく、又は2種以上組合せて使用してもよい。
レーザー吸収剤は、上述した<添加剤、他の樹脂の混練方法>と同様の方法によりメタクリル系樹脂組成物に混合することができる。
また、これらのレーザー光吸収剤は、上述した着色剤として添加されてもよい。
レーザー光吸収剤の割合は、メタクリル系樹脂組成物中、0.01〜10質量%が好ましい。より好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
本実施形態の車両ランプは、レンズ成形品と、ハウジング成形品とが、レーザー溶着によって接合された構成を有している。
レンズ成形品を構成するメタクリル系樹脂組成物は、レーザー光吸収剤を含有していることが好ましい。
レーザー光吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄などの顔料や、各種着色剤を使用することができる。
これらのレーザー光吸収剤は、1種のみを単独で使用してもよく、又は2種以上組合せて使用してもよい。
レーザー吸収剤は、上述した<添加剤、他の樹脂の混練方法>と同様の方法によりメタクリル系樹脂組成物に混合することができる。
また、これらのレーザー光吸収剤は、上述した着色剤として添加されてもよい。
レーザー光吸収剤の割合は、メタクリル系樹脂組成物中、0.01〜10質量%が好ましい。より好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。
〔車両ランプの製造方法〕
本実施形態の車両ランプは、上述したレンズ成形品と、ハウジング成形品とを、それぞれ成形し、これらをレーザー溶着し、接合することにより製造することができる。
本実施形態の車両ランプは、上述したレンズ成形品と、ハウジング成形品とを、それぞれ成形し、これらをレーザー溶着し、接合することにより製造することができる。
<レンズ成形品の製造方法>
レンズ成形品は、所定の射出成形機を用い、射出成形を行うことにより製造することができる。
<ハウジング成形品の製造方法>
ハウジング成形品は、所定の射出成形機を用い、射出成形を行うことにより製造することができる。
レンズ成形品は、所定の射出成形機を用い、射出成形を行うことにより製造することができる。
<ハウジング成形品の製造方法>
ハウジング成形品は、所定の射出成形機を用い、射出成形を行うことにより製造することができる。
<レーザーの種類>
レーザー溶着に用いるレーザーの波長の範囲は、700〜1600nmであることが好ましい。具体的なレーザーと波長の例としては、半導体レーザー:700〜980nmやYAGレーザー:700〜1550nm、ファイバーレーザー:900〜1550nmなどが挙げられる。
<レーザー溶着の強度>
本実施形態の、レンズ成形品とハウジング成形品とをレーザー溶着した車両ランプは、高い溶着強度を有している。
十分な溶着強度を有していない場合は、レンズ成形品とハウジング成形品とを両者を引きはがす方向に引っ張った場合、レンズ成形品とハウジング成形品とが剥離するように破断するが、本実施形態の車両ランプは、溶着強度が高いため、レンズ成形品とハウジング成形品とが剥離せず、それぞれの材料が破断する。
なお、溶着強度は、破壊時の破断状況を確認することにより評価でき、具体的には、後述する実施例に記載する方法により評価することができる。
レーザー溶着に用いるレーザーの波長の範囲は、700〜1600nmであることが好ましい。具体的なレーザーと波長の例としては、半導体レーザー:700〜980nmやYAGレーザー:700〜1550nm、ファイバーレーザー:900〜1550nmなどが挙げられる。
<レーザー溶着の強度>
本実施形態の、レンズ成形品とハウジング成形品とをレーザー溶着した車両ランプは、高い溶着強度を有している。
十分な溶着強度を有していない場合は、レンズ成形品とハウジング成形品とを両者を引きはがす方向に引っ張った場合、レンズ成形品とハウジング成形品とが剥離するように破断するが、本実施形態の車両ランプは、溶着強度が高いため、レンズ成形品とハウジング成形品とが剥離せず、それぞれの材料が破断する。
なお、溶着強度は、破壊時の破断状況を確認することにより評価でき、具体的には、後述する実施例に記載する方法により評価することができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔原料〕
(レンズ成形品に用いる原料)
・ メタクリル酸メチル(MMA):旭化成ケミカルズ製(重合禁止剤として中外貿易製2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール(2,4−di−methyl−6−tert−butylphenol)が、2.5ppm添加されているもの)
・ アクリル酸メチル(MA):三菱化学製(重合禁止剤として川口化学工業製4−メトキシフェノール(4−methoxyphenol)が14ppm添加されているもの)
・ n−オクチルメルカプタン(n−octylmercaptan):アルケマ製
・ 2−エチルヘキシルチオグリコレート(2−ethylhexyl thioglycolate):アルケマ製
・ ラウロイルパーオキサイド(lauroyl peroxide):日本油脂製
・ 第3リン酸カルシウム(calcium phosphate):日本化学工業製、懸濁剤として使用
・ 炭酸カルシウム(calcium calbonate):白石工業製、懸濁剤として使用
・ ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate):和光純薬製、懸濁助剤として使用
・エチルアクリレート(EA):和光純薬製
・スチレン(ST):旭化成ケミカルズ製
・N−フェニルマレイミド(PMI):日本触媒製
(レンズ成形品に用いる原料)
・ メタクリル酸メチル(MMA):旭化成ケミカルズ製(重合禁止剤として中外貿易製2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール(2,4−di−methyl−6−tert−butylphenol)が、2.5ppm添加されているもの)
・ アクリル酸メチル(MA):三菱化学製(重合禁止剤として川口化学工業製4−メトキシフェノール(4−methoxyphenol)が14ppm添加されているもの)
・ n−オクチルメルカプタン(n−octylmercaptan):アルケマ製
・ 2−エチルヘキシルチオグリコレート(2−ethylhexyl thioglycolate):アルケマ製
・ ラウロイルパーオキサイド(lauroyl peroxide):日本油脂製
・ 第3リン酸カルシウム(calcium phosphate):日本化学工業製、懸濁剤として使用
・ 炭酸カルシウム(calcium calbonate):白石工業製、懸濁剤として使用
・ ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate):和光純薬製、懸濁助剤として使用
・エチルアクリレート(EA):和光純薬製
・スチレン(ST):旭化成ケミカルズ製
・N−フェニルマレイミド(PMI):日本触媒製
(ハウジング成形品に用いる原料)
・樹脂A:テクノASA AW553HS(テクノポリマー製、ASA系樹脂)
・樹脂B:ダイヤラックSK30(UMGABS製、AES系樹脂)
・樹脂C:スタイラックABS190(旭化成ケミカルズ製、ABS系樹脂)
・樹脂D:ダイヤラックS411A(UMGABS製、ASA系樹脂)
・樹脂A:テクノASA AW553HS(テクノポリマー製、ASA系樹脂)
・樹脂B:ダイヤラックSK30(UMGABS製、AES系樹脂)
・樹脂C:スタイラックABS190(旭化成ケミカルズ製、ABS系樹脂)
・樹脂D:ダイヤラックS411A(UMGABS製、ASA系樹脂)
〔測定方法〕
<I.メタクリル系樹脂組成物の組成分析及び分子量の測定>
(1)メタクリル系樹脂組成物の組成分析
メタクリル系樹脂組成物の組成分析は、GC(熱分解ガスクロマトグラフィー)及び質量分析方法で行った。
熱分解装置:FRONTIER LAB製Py−2020D
カラム:DB−1(長さ30m、内径0.25mm、液相厚0.25μm)
カラム温度プログラム:40℃で5分間保持後、50℃/minの速度で320℃まで昇温し、320℃を4.4分間保持した。
熱分解炉温度:550℃
カラム注入口温度:320℃
ガスクロマトグラフィー:Agilent製GC6890
キャリアー:純窒素、流速1.0mL/min
注入法:スプリット法(スプリット比 1/200)
検出器:日本電子製質量分析装置Automass Sun
検出方法:電子衝撃イオン化法(イオン源温度:240℃、インターフェース温度:320℃)
測定用のサンプル:メタクリル系樹脂組成物0.1gのクロロホルム10mL溶液を10μL
測定用のサンプルを熱分解装置用白金試料カップに採取し、150℃で2時間真空乾燥後、試料カップを熱分解炉に入れ、上記条件でサンプルの組成分析を行った。
メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルのトータルイオンクロマトグラフィー(TIC)上のピーク面積と、以下の標準サンプルの検量線を元に、メタクリル系樹脂組成物の組成比を求めた。
検量線用標準サンプルの調製:メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルの割合が(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル)=(100質量%/0質量%)、(98質量%/2質量%)、(94質量%/6質量%)、(90質量%/10質量%)(80質量%/20質量%)の合計5種の溶液各50gに、当該メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとの溶液を100質量部としたとき、ラウロイルパーオキサイド0.25質量部、n−オクチルメルカプタン0.25質量部を添加した。
この各混合溶液を100mLのガラスアンプル瓶に入れて、空気を窒素に置換して封じた。
そのガラスアンプル瓶を80℃の水槽に3時間、その後150℃のオーブンに2時間入れた。
室温まで冷却後、ガラスを砕いて中のメタクリル系樹脂組成物を取り出し、組成分析を行った。
検量線用標準サンプルの測定によって得られた(アクリル酸メチルの面積値)/(メタクリル酸メチルの面積値+アクリル酸メチルの面積値)及びアクリル酸メチルの仕込み比率とのグラフを検量線として用いた。
これにより、メタクリル系樹脂組成物のメタクリル酸メチルと他の成分量の比を分析し、分析結果を下記表3に示した。
<I.メタクリル系樹脂組成物の組成分析及び分子量の測定>
(1)メタクリル系樹脂組成物の組成分析
メタクリル系樹脂組成物の組成分析は、GC(熱分解ガスクロマトグラフィー)及び質量分析方法で行った。
熱分解装置:FRONTIER LAB製Py−2020D
カラム:DB−1(長さ30m、内径0.25mm、液相厚0.25μm)
カラム温度プログラム:40℃で5分間保持後、50℃/minの速度で320℃まで昇温し、320℃を4.4分間保持した。
熱分解炉温度:550℃
カラム注入口温度:320℃
ガスクロマトグラフィー:Agilent製GC6890
キャリアー:純窒素、流速1.0mL/min
注入法:スプリット法(スプリット比 1/200)
検出器:日本電子製質量分析装置Automass Sun
検出方法:電子衝撃イオン化法(イオン源温度:240℃、インターフェース温度:320℃)
測定用のサンプル:メタクリル系樹脂組成物0.1gのクロロホルム10mL溶液を10μL
測定用のサンプルを熱分解装置用白金試料カップに採取し、150℃で2時間真空乾燥後、試料カップを熱分解炉に入れ、上記条件でサンプルの組成分析を行った。
メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルのトータルイオンクロマトグラフィー(TIC)上のピーク面積と、以下の標準サンプルの検量線を元に、メタクリル系樹脂組成物の組成比を求めた。
検量線用標準サンプルの調製:メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルの割合が(メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル)=(100質量%/0質量%)、(98質量%/2質量%)、(94質量%/6質量%)、(90質量%/10質量%)(80質量%/20質量%)の合計5種の溶液各50gに、当該メタクリル酸メチルとアクリル酸メチルとの溶液を100質量部としたとき、ラウロイルパーオキサイド0.25質量部、n−オクチルメルカプタン0.25質量部を添加した。
この各混合溶液を100mLのガラスアンプル瓶に入れて、空気を窒素に置換して封じた。
そのガラスアンプル瓶を80℃の水槽に3時間、その後150℃のオーブンに2時間入れた。
室温まで冷却後、ガラスを砕いて中のメタクリル系樹脂組成物を取り出し、組成分析を行った。
検量線用標準サンプルの測定によって得られた(アクリル酸メチルの面積値)/(メタクリル酸メチルの面積値+アクリル酸メチルの面積値)及びアクリル酸メチルの仕込み比率とのグラフを検量線として用いた。
これにより、メタクリル系樹脂組成物のメタクリル酸メチルと他の成分量の比を分析し、分析結果を下記表3に示した。
(2)メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)の分析
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を、下記の装置、及び条件で測定した。
測定装置:東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8320GPC)
カラム:TSKguardcolumn SuperH−H 1本、TSKgel SuperHM−M 2本、TSKgel SuperH2500 1本を順に直列接続して使用した。
本カラムでは、高分子量が早く溶出し、低分子量は溶出する時間が遅い。
検出器 :RI(示差屈折)検出器
(検出感度 :3.0mV/min)
カラム温度:40℃
サンプル :0.02gのメタクリル系樹脂組成物のテトラヒドロフラン10mL溶液
注入量 :10μL
展開溶媒 :テトラヒドロフラン、流速;0.6mL/min
内部標準として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を、0.1g/L添加した。
検量線用標準サンプルとして、単分散の重量ピーク分子量が既知で分子量が異なる以下の10種のポリメタクリル酸メチル(Polymethyl methacrylate
Calibration Kit PL2020−0101 M−M−10)を用いた。
ピーク分子量(Mp)
標準試料1 1,916,000
標準試料2 625,500
標準試料3 298,900
標準試料4 138,600
標準試料5 60,150
標準試料6 27,600
標準試料7 10,290
標準試料8 5,000
標準試料9 2,810
標準試料10 850
上記の条件で、メタクリル系樹脂組成物の溶出時間に対する、RI検出強度を測定した。
GPC溶出曲線におけるエリア面積と、7次近似式の検量線を基にメタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を求めた。
後述する重合体(1)と重合体(2)とが混合している場合には、あらかじめ重合体(1)単独のGPC溶出曲線を測定し重量平均分子量を求めておき、重合体(1)が存在している比率(本明細書においては、仕込み比率を用いた)を重合体(1)のGPC溶出曲線に乗じ、その溶出時間における検出強度を重合体(1)と重合体(2)が混合しているGPC溶出曲線から引くことで、重合体(2)単独のGPC溶出曲線を得た。これから重合体(2)の重量平均分子量(Mw)を求めた。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を下記表3に示し、重合体(1)及び重合体(2)の重量平均分子量を下記表2に示した。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を、下記の装置、及び条件で測定した。
測定装置:東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8320GPC)
カラム:TSKguardcolumn SuperH−H 1本、TSKgel SuperHM−M 2本、TSKgel SuperH2500 1本を順に直列接続して使用した。
本カラムでは、高分子量が早く溶出し、低分子量は溶出する時間が遅い。
検出器 :RI(示差屈折)検出器
(検出感度 :3.0mV/min)
カラム温度:40℃
サンプル :0.02gのメタクリル系樹脂組成物のテトラヒドロフラン10mL溶液
注入量 :10μL
展開溶媒 :テトラヒドロフラン、流速;0.6mL/min
内部標準として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を、0.1g/L添加した。
検量線用標準サンプルとして、単分散の重量ピーク分子量が既知で分子量が異なる以下の10種のポリメタクリル酸メチル(Polymethyl methacrylate
Calibration Kit PL2020−0101 M−M−10)を用いた。
ピーク分子量(Mp)
標準試料1 1,916,000
標準試料2 625,500
標準試料3 298,900
標準試料4 138,600
標準試料5 60,150
標準試料6 27,600
標準試料7 10,290
標準試料8 5,000
標準試料9 2,810
標準試料10 850
上記の条件で、メタクリル系樹脂組成物の溶出時間に対する、RI検出強度を測定した。
GPC溶出曲線におけるエリア面積と、7次近似式の検量線を基にメタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を求めた。
後述する重合体(1)と重合体(2)とが混合している場合には、あらかじめ重合体(1)単独のGPC溶出曲線を測定し重量平均分子量を求めておき、重合体(1)が存在している比率(本明細書においては、仕込み比率を用いた)を重合体(1)のGPC溶出曲線に乗じ、その溶出時間における検出強度を重合体(1)と重合体(2)が混合しているGPC溶出曲線から引くことで、重合体(2)単独のGPC溶出曲線を得た。これから重合体(2)の重量平均分子量(Mw)を求めた。
メタクリル系樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)を下記表3に示し、重合体(1)及び重合体(2)の重量平均分子量を下記表2に示した。
<II.物性測定>
(1)メルトフローレート(MFR)
(1−1)MFR−1
試験方法はISO1133規格に準拠して行った。
すなわち、ISO1133規格に規定されたメルトフローレート測定装置を用いて、加熱温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量をMFR−1とし、成形時の樹脂温度の指標とした。
この条件はレンズ成形品に使用するメタクリル系樹脂組成物に適用した。
(1)メルトフローレート(MFR)
(1−1)MFR−1
試験方法はISO1133規格に準拠して行った。
すなわち、ISO1133規格に規定されたメルトフローレート測定装置を用いて、加熱温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量をMFR−1とし、成形時の樹脂温度の指標とした。
この条件はレンズ成形品に使用するメタクリル系樹脂組成物に適用した。
(1−2)MFR−2
試験方法はISO1133規格に準拠して行った。
ISO1133規格に規定されたメルトフローレート測定装置を用いて、加熱温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量をMFR−2の値とした。
この条件はレンズ成形品に使用するメタクリル系樹脂組成物に適用した。
試験方法はISO1133規格に準拠して行った。
ISO1133規格に規定されたメルトフローレート測定装置を用いて、加熱温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量をMFR−2の値とした。
この条件はレンズ成形品に使用するメタクリル系樹脂組成物に適用した。
(1−3)MFR−3
試験方法はISO1133規格に準拠して行った。
ISO1133規格に規定されたメルトフローレート測定装置を用いて、加熱温度220℃、荷重10kgの条件で10分間に排出される樹脂の質量をMFRの値とした。
この条件はハウジング成形品に使用する樹脂に適用した。
試験方法はISO1133規格に準拠して行った。
ISO1133規格に規定されたメルトフローレート測定装置を用いて、加熱温度220℃、荷重10kgの条件で10分間に排出される樹脂の質量をMFRの値とした。
この条件はハウジング成形品に使用する樹脂に適用した。
(1−4)MFRの比率
下記の式(1)のようにMFR−2をMFR−1で割った値をMFR比率とした。
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
下記の式(1)のようにMFR−2をMFR−1で割った値をMFR比率とした。
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
(2)試験片成形
後述する「反り量」、「溶着時間」、「破壊試験」、「溶剤クラック」、「ビカット軟化温度」、「加熱試験」、「線膨張率」、及び「加熱試験減量率試験」用の成形品を下記の方法により製造した。
後述する「反り量」、「溶着時間」、「破壊試験」、「溶剤クラック」、「ビカット軟化温度」、「加熱試験」、「線膨張率」、及び「加熱試験減量率試験」用の成形品を下記の方法により製造した。
(2−1)レンズ成形品の成形方法
レンズ成形品にあたるリブ付き平板の成形条件を以下に示す。
成形機:東芝機械製EC100SX射出成形機
成形品:リブ付き平板1(図1:概略斜視図)
天面:W150×D100×t2mm、
ロの字型のリブ部:W130×D80×H10×t2mm
ゲート:サイドゲート1点
樹脂温度設定基準
MFR−1(g/10分): 樹脂温度
1未満 : 260℃
1以上〜2未満 : 250℃
2以上〜4未満 : 240℃
4以上〜8未満 : 230℃
8以上 : 220℃
樹脂温度:表5記載
金型温度:60℃
充填+保圧時間:15秒
冷却時間:30秒
上記条件で、図1に示すレンズ成形品であるリブ付き平板1を成形した。
レンズ成形品にあたるリブ付き平板の成形条件を以下に示す。
成形機:東芝機械製EC100SX射出成形機
成形品:リブ付き平板1(図1:概略斜視図)
天面:W150×D100×t2mm、
ロの字型のリブ部:W130×D80×H10×t2mm
ゲート:サイドゲート1点
樹脂温度設定基準
MFR−1(g/10分): 樹脂温度
1未満 : 260℃
1以上〜2未満 : 250℃
2以上〜4未満 : 240℃
4以上〜8未満 : 230℃
8以上 : 220℃
樹脂温度:表5記載
金型温度:60℃
充填+保圧時間:15秒
冷却時間:30秒
上記条件で、図1に示すレンズ成形品であるリブ付き平板1を成形した。
(2−2)ハウジング成形品の成形方法
ハウジング成形品にあたる平板の成形条件を以下に示す。
成形機:東芝機械製EC100SX射出成形機
成形品:平板2(図2中の斜線部:概略側面図)
寸法:150×100×2mm
成形条件:樹脂温度、金型温度
・ASA系樹脂、AES系樹脂:JIS K6876−1、2に準拠
・ABS系樹脂:JIS K6934−1、2に準拠
充填+保圧時間:15秒
冷却時間:30秒
上記条件でハウジング成形品である平板2を成形した。
ハウジング成形品にあたる平板の成形条件を以下に示す。
成形機:東芝機械製EC100SX射出成形機
成形品:平板2(図2中の斜線部:概略側面図)
寸法:150×100×2mm
成形条件:樹脂温度、金型温度
・ASA系樹脂、AES系樹脂:JIS K6876−1、2に準拠
・ABS系樹脂:JIS K6934−1、2に準拠
充填+保圧時間:15秒
冷却時間:30秒
上記条件でハウジング成形品である平板2を成形した。
(3)反り量の評価
上述のように、図1に示すレンズ成形品であるリブ付き平板1を成形後、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、リブ付き平板1のリブ部8を下方に向けた状態で定盤の上に置いた。
この状態で、最も隙間の空いている部分の高さを隙間ゲージで測定した。
上述のように、図2の斜線部に示すハウジング成形品である平板2を成形後、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、平板2を定盤の上に置いた。
この状態で、最も隙間の空いている部分の高さを隙間ゲージで測定した。
ハウジング成形品の反り量を表4に示し、レンズ成形品の反り量を表5に示す。
上述のように、図1に示すレンズ成形品であるリブ付き平板1を成形後、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、リブ付き平板1のリブ部8を下方に向けた状態で定盤の上に置いた。
この状態で、最も隙間の空いている部分の高さを隙間ゲージで測定した。
上述のように、図2の斜線部に示すハウジング成形品である平板2を成形後、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、平板2を定盤の上に置いた。
この状態で、最も隙間の空いている部分の高さを隙間ゲージで測定した。
ハウジング成形品の反り量を表4に示し、レンズ成形品の反り量を表5に示す。
(4)レーザーによる溶着時間
レーザー溶着機の台に、ハウジング成形品である平板2を置き、その中央に、レンズ成形品であるリブ付き平板1を、リブ8を下方に向けた状態で置いた。
その上から透明ガラス板で成形品を抑え込み、レーザーを下記照射条件に従い、上部からリブに沿って全周を複数回照射し、溶着部3における溶着時の沈み込み量が0.5mmに達したことで溶着完了と判断した。
図2に溶着後試験片9の概略側面図を示し、図3に溶着後試験片9の概略斜視図を示す。
レーザー照射開始から沈み込む量が0.5mmになるまでの時間を溶着時間とした。溶着時間(秒)を下記表5に示す。
<レーザー照射条件>
レーザー溶着機:ファイバーレーザー溶着機(IPG社製)
波長:1064nm
レーザー溶着機の台に、ハウジング成形品である平板2を置き、その中央に、レンズ成形品であるリブ付き平板1を、リブ8を下方に向けた状態で置いた。
その上から透明ガラス板で成形品を抑え込み、レーザーを下記照射条件に従い、上部からリブに沿って全周を複数回照射し、溶着部3における溶着時の沈み込み量が0.5mmに達したことで溶着完了と判断した。
図2に溶着後試験片9の概略側面図を示し、図3に溶着後試験片9の概略斜視図を示す。
レーザー照射開始から沈み込む量が0.5mmになるまでの時間を溶着時間とした。溶着時間(秒)を下記表5に示す。
<レーザー照射条件>
レーザー溶着機:ファイバーレーザー溶着機(IPG社製)
波長:1064nm
(5)破壊試験
(5−1)切削方法
上記(4)によりレーザー溶着を行った後の成形品、又は、溶着時間を5秒とした以外は上記(4)と同じ条件でレーザー溶着を行った後の成形品を、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、レーザー溶着後試験片9を、図4(A)に示すように、破線A−A´、B−B´の位置で、長辺150mmを約50mm幅の3等分に切削した。
次に、図4(B)に示すように、前記3等分したうちの一成形品を、破線C−C´の位置で、半分に切削し、図4(C)に示す溶着強度試験片10を得た。
(5−2)破壊試験実施方法
この溶着強度試験片10を用いて、図5に示すように、リブ付き平板1と平板2を、それぞれ矢印D、E方向に引っ張り、溶着部3の破壊状態を観察した。
図6(A)〜(C)に示すように、リブ付き平板1と平板2との間で界面剥離4が生じた場合、ハウジング部の平板2側に破壊部5が生じた場合、リブ付き平板1側に破壊部6が生じた場合の3つに分け、下記基準により評価した。
評価結果を下記表5に示す。
×:溶着部で界面剥離が生じた。
○:リブ付き平板1側、又は平板2側で破壊が生じた。
(5−1)切削方法
上記(4)によりレーザー溶着を行った後の成形品、又は、溶着時間を5秒とした以外は上記(4)と同じ条件でレーザー溶着を行った後の成形品を、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、レーザー溶着後試験片9を、図4(A)に示すように、破線A−A´、B−B´の位置で、長辺150mmを約50mm幅の3等分に切削した。
次に、図4(B)に示すように、前記3等分したうちの一成形品を、破線C−C´の位置で、半分に切削し、図4(C)に示す溶着強度試験片10を得た。
(5−2)破壊試験実施方法
この溶着強度試験片10を用いて、図5に示すように、リブ付き平板1と平板2を、それぞれ矢印D、E方向に引っ張り、溶着部3の破壊状態を観察した。
図6(A)〜(C)に示すように、リブ付き平板1と平板2との間で界面剥離4が生じた場合、ハウジング部の平板2側に破壊部5が生じた場合、リブ付き平板1側に破壊部6が生じた場合の3つに分け、下記基準により評価した。
評価結果を下記表5に示す。
×:溶着部で界面剥離が生じた。
○:リブ付き平板1側、又は平板2側で破壊が生じた。
(6)溶剤クラック試験
上記(4)によりレーザー溶着を行った後の成形品を、23℃50%で24時間以上放置した。
図2に示す溶着部3に、自動車用シャンプー&ワックス(ホンダアクセス製)を塗布し、2時間放置した。
その後、クラックの発生状態を確認した。
図7(A)〜(D)に示すように、リブ付き平板1側に生じたクラック7の発生状態に応じて、下記基準により評価した。
評価結果を下記表5に示す。
◎:クラックなし、又は溶着部3のみクラックがあり、平板1にクラック無し
○:平板1のクラックが平板1の高さの2割未満
×:平板1のクラックが平板1の高さの2割以上、天面にクラック無し
××:平板1のクラックが天面にまで達している
上記(4)によりレーザー溶着を行った後の成形品を、23℃50%で24時間以上放置した。
図2に示す溶着部3に、自動車用シャンプー&ワックス(ホンダアクセス製)を塗布し、2時間放置した。
その後、クラックの発生状態を確認した。
図7(A)〜(D)に示すように、リブ付き平板1側に生じたクラック7の発生状態に応じて、下記基準により評価した。
評価結果を下記表5に示す。
◎:クラックなし、又は溶着部3のみクラックがあり、平板1にクラック無し
○:平板1のクラックが平板1の高さの2割未満
×:平板1のクラックが平板1の高さの2割以上、天面にクラック無し
××:平板1のクラックが天面にまで達している
(7)ビカット軟化温度
(7−1)レンズ成形品のビカット軟化温度(℃)
レンズ成形品であるリブ付き平板1のビカット軟化温度を、JIS K6717−1、2に準拠して測定した。
測定条件はB50法:荷重50N、昇温速度50℃/hで行った。
測定結果を下記表5に示す。
(7−2)ハウジング成形品のビカット軟化温度(℃)
ハウジング成形品である平板2のビカット軟化温度を、以下の方法に従って測定した。・ASA系樹脂、AES系樹脂:JIS K6876−1、2に準拠
・ABS系樹脂:JIS K6934−1、2に準拠
測定条件はB50法:荷重50N、昇温速度50℃/hで行った。
測定結果を下記表4に示す。
(7−1)レンズ成形品のビカット軟化温度(℃)
レンズ成形品であるリブ付き平板1のビカット軟化温度を、JIS K6717−1、2に準拠して測定した。
測定条件はB50法:荷重50N、昇温速度50℃/hで行った。
測定結果を下記表5に示す。
(7−2)ハウジング成形品のビカット軟化温度(℃)
ハウジング成形品である平板2のビカット軟化温度を、以下の方法に従って測定した。・ASA系樹脂、AES系樹脂:JIS K6876−1、2に準拠
・ABS系樹脂:JIS K6934−1、2に準拠
測定条件はB50法:荷重50N、昇温速度50℃/hで行った。
測定結果を下記表4に示す。
(8)加熱試験
上記(4)によりレーザー溶着を行った後の成形品を、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、95℃オーブンで2時間加熱した。
オーブンから取出し、常温に戻した後に、外観の変形の状態を確認した。
また、変形している場合は、リブ付き平板1(レンズ成形品)と平板2(ハウジング成形品)のどちらが変形しているか、確認した。
確認項目:
・リブ付き平板1の天面及び平板2の反り
・ゲート部の収縮
・リブ付き平板1の天面及び平板2の面の歪み。蛍光灯を反射して観察した際の像の歪みで評価した。
評価結果を下記表5に示した。
○:上記項目に変化なし
×:上記項目の変化が確認される
上記(4)によりレーザー溶着を行った後の成形品を、23℃50%で24時間以上放置した。
その後、95℃オーブンで2時間加熱した。
オーブンから取出し、常温に戻した後に、外観の変形の状態を確認した。
また、変形している場合は、リブ付き平板1(レンズ成形品)と平板2(ハウジング成形品)のどちらが変形しているか、確認した。
確認項目:
・リブ付き平板1の天面及び平板2の反り
・ゲート部の収縮
・リブ付き平板1の天面及び平板2の面の歪み。蛍光灯を反射して観察した際の像の歪みで評価した。
評価結果を下記表5に示した。
○:上記項目に変化なし
×:上記項目の変化が確認される
(9)線膨張率
レンズ成形品であるリブ付き平板1、及びハウジング成形品である平板2を下記寸法に切削し、線膨張率をJIS K7197に準拠して測定した。
・試験片寸法:5±1mm×10±1mm
・昇温速度:5℃/分
・雰囲気:窒素
・測定温度:0〜10℃
測定結果を表4及び表5に示す。
レンズ成形品であるリブ付き平板1、及びハウジング成形品である平板2を下記寸法に切削し、線膨張率をJIS K7197に準拠して測定した。
・試験片寸法:5±1mm×10±1mm
・昇温速度:5℃/分
・雰囲気:窒素
・測定温度:0〜10℃
測定結果を表4及び表5に示す。
(10)加熱減量率試験
ハウジング成形品について加熱試験後の減量率を測定した。
・測定装置:示差熱天秤TG8120(RIGAKU製)
・試験片:ペレット
・雰囲気:空気
・測定温度:260℃
・加熱時間:30分
260℃、30分加熱後の質量減量率の測定結果を表4に示す。
ハウジング成形品について加熱試験後の減量率を測定した。
・測定装置:示差熱天秤TG8120(RIGAKU製)
・試験片:ペレット
・雰囲気:空気
・測定温度:260℃
・加熱時間:30分
260℃、30分加熱後の質量減量率の測定結果を表4に示す。
<III.メタクリル樹脂組成物の製造>
〔メタクリル系樹脂組成物(樹脂1)の製造〕
攪拌機を有する容器に、脱イオン水2kg、第三リン酸カルシウム59g、炭酸カルシウム35g、ラウリル硫酸ナトリウム0.35gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器に、脱イオン水27kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)、及び下記表1に示す配合量で、重合体(1)の原料を投入した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行った。重合体(1)の原料を投入してから70分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/min速度で昇温した後、30分間92℃〜94℃の温度を保持した。
その後、1℃/minの速度で80℃まで降温した後、この重合体(1)をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。
次に重合体(2)の原料を、下記表1に示す配合量で反応器に投入し、引き続き約80℃を保って懸濁重合を行った。
重合体(2)の原料を投入してから100分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/minの速度で昇温した後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次に、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。
次いで、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状樹脂を洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル系樹脂組成物を得た。
このメタクリル系樹脂組成物の重合平均分子量をGPCで測定し、重合体(1)のGPC溶出曲線を元に、重合体(1)が含まれている比率をかけて、ビーズ状樹脂のGPC溶出曲線から、重合体(1)のGPC部分を除去し、重合体(2)の重量平均分子量を求めた。
〔メタクリル系樹脂組成物(樹脂1)の製造〕
攪拌機を有する容器に、脱イオン水2kg、第三リン酸カルシウム59g、炭酸カルシウム35g、ラウリル硫酸ナトリウム0.35gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器に、脱イオン水27kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)、及び下記表1に示す配合量で、重合体(1)の原料を投入した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行った。重合体(1)の原料を投入してから70分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/min速度で昇温した後、30分間92℃〜94℃の温度を保持した。
その後、1℃/minの速度で80℃まで降温した後、この重合体(1)をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。
次に重合体(2)の原料を、下記表1に示す配合量で反応器に投入し、引き続き約80℃を保って懸濁重合を行った。
重合体(2)の原料を投入してから100分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/minの速度で昇温した後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次に、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。
次いで、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状樹脂を洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル系樹脂組成物を得た。
このメタクリル系樹脂組成物の重合平均分子量をGPCで測定し、重合体(1)のGPC溶出曲線を元に、重合体(1)が含まれている比率をかけて、ビーズ状樹脂のGPC溶出曲線から、重合体(1)のGPC部分を除去し、重合体(2)の重量平均分子量を求めた。
〔メタクリル系樹脂組成物(樹脂2〜6、12〜14、17〜21)の製造〕
上記表1に示す原料を用いて、前述の(樹脂1)と同様の方法で重合を行い、メタクリル系樹脂組成物を得た。
メタクリル系樹脂組成物(樹脂2〜6、12〜14、17〜21)の重合体(1)及び重合体(2)の単量体仕込み組成比率、重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
上記表1に示す原料を用いて、前述の(樹脂1)と同様の方法で重合を行い、メタクリル系樹脂組成物を得た。
メタクリル系樹脂組成物(樹脂2〜6、12〜14、17〜21)の重合体(1)及び重合体(2)の単量体仕込み組成比率、重量平均分子量(Mw)を表2に示す。
〔メタクリル系樹脂(樹脂7)の製造〕
攪拌機を有する容器に、脱イオン水2kg、第三リン酸カルシウム59g、炭酸カルシウム35g、ラウリル硫酸ナトリウム0.35gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器に、脱イオン水27kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)及び下記表1に示す配合量で、重合体(1)の原料を投入した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行った。重合体(1)の原料を投入してから70分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/min速度で昇温した後、30分間92℃〜94℃の温度を保持した。
その後、1℃/minの速度で80℃まで降温した後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次に、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。
次いで、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状樹脂を洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル系樹脂組成物を得た。
このメタクリル系樹脂をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。
なお、(樹脂7)は、重合体(1)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
攪拌機を有する容器に、脱イオン水2kg、第三リン酸カルシウム59g、炭酸カルシウム35g、ラウリル硫酸ナトリウム0.35gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器に、脱イオン水27kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)及び下記表1に示す配合量で、重合体(1)の原料を投入した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行った。重合体(1)の原料を投入してから70分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/min速度で昇温した後、30分間92℃〜94℃の温度を保持した。
その後、1℃/minの速度で80℃まで降温した後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次に、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。
次いで、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状樹脂を洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル系樹脂組成物を得た。
このメタクリル系樹脂をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。
なお、(樹脂7)は、重合体(1)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
〔メタクリル系樹脂(樹脂8)の製造〕
上記表1に示す原料を用いて、前述の(樹脂7)と同様の方法で重合を行い、メタクリル系樹脂組成物を得た。
なお、(樹脂8)は、重合体(1)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
上記表1に示す原料を用いて、前述の(樹脂7)と同様の方法で重合を行い、メタクリル系樹脂組成物を得た。
なお、(樹脂8)は、重合体(1)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
〔メタクリル系樹脂(樹脂9)の製造〕
攪拌機を有する容器に、脱イオン水2kg、第三リン酸カルシウム59g、炭酸カルシウム35g、ラウリル硫酸ナトリウム0.35gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器に、脱イオン水27kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)及び下記表1に示す配合量で、重合体(2)の原料を投入した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行った。重合体(2)の原料を投入してから70分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/min速度で昇温した後、30分間92℃〜94℃の温度を保持した。
その後、1℃/minの速度で80℃まで降温した後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次に、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。
次いで、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状樹脂を洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル系樹脂を得た。
このメタクリル系樹脂をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。
なお、(樹脂9)は、重合体(2)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
攪拌機を有する容器に、脱イオン水2kg、第三リン酸カルシウム59g、炭酸カルシウム35g、ラウリル硫酸ナトリウム0.35gを投入し、混合液(a)を得た。
次いで、60Lの反応器に、脱イオン水27kgを投入して80℃に昇温し、混合液(a)及び下記表1に示す配合量で、重合体(2)の原料を投入した。
その後、約80℃を保って懸濁重合を行った。重合体(2)の原料を投入してから70分後に発熱ピークが観測された。
その後、92℃に1℃/min速度で昇温した後、30分間92℃〜94℃の温度を保持した。
その後、1℃/minの速度で80℃まで降温した後、60分間熟成し、重合反応を実質終了した。
次に、50℃まで冷却して懸濁剤を溶解させるために20質量%硫酸を投入した。
次いで、重合反応溶液を、1.68mmメッシュの篩にかけて凝集物を除去し、得られたビーズ状樹脂を洗浄脱水乾燥処理し、メタクリル系樹脂を得た。
このメタクリル系樹脂をサンプリングし、GPCで重合平均分子量を測定した。
なお、(樹脂9)は、重合体(2)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
〔メタクリル系樹脂(樹脂10、11、15、16、22、23)の製造〕
上記表1に示す原料を用いて、前述の(樹脂9)と同様の方法で重合を行い、メタクリル樹脂を得た。
なお、(樹脂10、11、15、16、22、23)は、重合体(2)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
上記表1に示す原料を用いて、前述の(樹脂9)と同様の方法で重合を行い、メタクリル樹脂を得た。
なお、(樹脂10、11、15、16、22、23)は、重合体(2)のみにより構成されているため、メタクリル系樹脂と記載した。
上述した樹脂1〜23における、重合体(1)及び(2)の原料の配合量を下記表1に示し、樹脂1〜23における重合体(1)及び(2)の重量平均分子量(Mw)を下記表2に示した。
実施例1〜25、比較例1〜12で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒工程について、以下に記載する。
〔実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒方法〕
樹脂1の製造方法で得られたメタクリル系樹脂組成物を、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレット(樹脂1)を得た。
得られた樹脂ペレットを構成する(樹脂1)の重量平均分子量は9.5万であり、ピーク分子量(Mp)は7.2万であった。
また、熱分解ガスクロマトグラフィー(GC)による組成分析の結果、(樹脂1)のメタクリル系樹脂組成物の組成は、MMA:97.8質量%、MA:2.2質量%であった。
得られた樹脂ペレットの組成及び重量平均分子量を表3に示す。
〔実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒方法〕
樹脂1の製造方法で得られたメタクリル系樹脂組成物を、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレット(樹脂1)を得た。
得られた樹脂ペレットを構成する(樹脂1)の重量平均分子量は9.5万であり、ピーク分子量(Mp)は7.2万であった。
また、熱分解ガスクロマトグラフィー(GC)による組成分析の結果、(樹脂1)のメタクリル系樹脂組成物の組成は、MMA:97.8質量%、MA:2.2質量%であった。
得られた樹脂ペレットの組成及び重量平均分子量を表3に示す。
〔実施例2〜4、8〜10、13〜16、18、20、21、23、比較例1〜6、9、10、12で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒方法〕
実施例2〜4、8〜10、13〜16、18、20、21、23においては、前記実施例1の造粒方法と同様の方法で樹脂ペレットを得た。
比較例1〜6、9、10、12においては、表2に記載の樹脂を用いて、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの組成及び重量平均分子量を下記表3に示す。
実施例2〜4、8〜10、13〜16、18、20、21、23においては、前記実施例1の造粒方法と同様の方法で樹脂ペレットを得た。
比較例1〜6、9、10、12においては、表2に記載の樹脂を用いて、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの組成及び重量平均分子量を下記表3に示す。
〔実施例5で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒方法〕
実施例5は、下記表2に記載されている比率に従い、前記樹脂7と樹脂9の製造方法で得られた各樹脂をタンブラーに投入し、ブレンドした後、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの組成、及び重量平均分子量を下記表3に示す。
実施例5は、下記表2に記載されている比率に従い、前記樹脂7と樹脂9の製造方法で得られた各樹脂をタンブラーに投入し、ブレンドした後、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの組成、及び重量平均分子量を下記表3に示す。
〔実施例6〜7、11〜12、17、19、22、24〜25、比較例7、8、11で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒方法〕
前述の実施例5の方法と同様に、表2に記載されている各樹脂を、下記表2に記載されている比率に従い、タンブラーに投入しブレンドした後、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの組成、及び重量平均分子量を下記表3に示す。
前述の実施例5の方法と同様に、表2に記載されている各樹脂を、下記表2に記載されている比率に従い、タンブラーに投入しブレンドした後、230℃に設定したφ30mmの二軸押出機にて溶融混練し、ストランドを冷却裁断して樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの組成、及び重量平均分子量を下記表3に示す。
[実施例1のレンズ成形品の成形方法]
前記〔実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒方法〕で得られた樹脂ペレットを用い、前記(2−1)レンズ成形品の成形方法に記載の条件により、リブ付き平板1を成形してレンズ成形品を得た。
前記〔実施例1で用いたメタクリル系樹脂組成物の造粒方法〕で得られた樹脂ペレットを用い、前記(2−1)レンズ成形品の成形方法に記載の条件により、リブ付き平板1を成形してレンズ成形品を得た。
[実施例2〜24、比較例1〜12のレンズ成形品の成形方法]
前記〔実施例2〜25、比較例1〜12で用いたメタクリル系樹脂組成物又はメタクリル系樹脂の造粒方法〕で得られた樹脂ペレットを用い、前記(2−1)レンズ成形品の成形方法に記載の条件により、リブ付き平板1を成形してレンズ成形品を得た。
前記〔実施例2〜25、比較例1〜12で用いたメタクリル系樹脂組成物又はメタクリル系樹脂の造粒方法〕で得られた樹脂ペレットを用い、前記(2−1)レンズ成形品の成形方法に記載の条件により、リブ付き平板1を成形してレンズ成形品を得た。
[実施例1用のハウジング成形品の成形方法]
樹脂Aを用い、(2−2)ハウジング成形品の成形方法に記載の条件で、平板2を成形してハウジング成形品を得た。
樹脂Aを用い、(2−2)ハウジング成形品の成形方法に記載の条件で、平板2を成形してハウジング成形品を得た。
[実施例2〜25、比較例1〜12用のハウジング成形品の成形方法]
表5に記載のハウジング成形品用樹脂を用い、(2−2)ハウジング成形品の成形方法に記載の条件で、平板2を成形してハウジング成形品を得た。
表5に記載のハウジング成形品用樹脂を用い、(2−2)ハウジング成形品の成形方法に記載の条件で、平板2を成形してハウジング成形品を得た。
[レーザー溶着方法]
表5に記載のレンズ成形品とハウジング成形品との組み合わせにより、(4)レーザー溶着の方法で溶着して、溶着後の成形品、すなわち、実施例1〜25、比較例1〜12の車両ランプを得た。
表5に記載のレンズ成形品とハウジング成形品との組み合わせにより、(4)レーザー溶着の方法で溶着して、溶着後の成形品、すなわち、実施例1〜25、比較例1〜12の車両ランプを得た。
実施例1〜25は、いずれもレーザー溶着品の破壊試験で溶着界面から剥離せず、しっかり樹脂同士が溶着されていることが分かった。
しかも溶剤試験後のクラックが◎〜○の範囲内で発生量が少ないことが分かった。
また、加熱試験でもいずれも変形しないことが分かった。
実施例24はレンズ成形品の耐熱性が高いため、溶着時間が長いことが分かった。
比較例1、2、6、7、9は破壊試験で溶着界面から剥離した。
比較例3、5、8は、破壊試験で溶着界面から剥離していないが、溶剤クラックが××であり、クラック発生量が多いことが分かった。
また、比較例4は、加熱試験でレンズ成形品が変形していることが分かった。
比較例10〜12は、加熱試験でハウジング成形品のみが変形していることが分かった。
しかも溶剤試験後のクラックが◎〜○の範囲内で発生量が少ないことが分かった。
また、加熱試験でもいずれも変形しないことが分かった。
実施例24はレンズ成形品の耐熱性が高いため、溶着時間が長いことが分かった。
比較例1、2、6、7、9は破壊試験で溶着界面から剥離した。
比較例3、5、8は、破壊試験で溶着界面から剥離していないが、溶剤クラックが××であり、クラック発生量が多いことが分かった。
また、比較例4は、加熱試験でレンズ成形品が変形していることが分かった。
比較例10〜12は、加熱試験でハウジング成形品のみが変形していることが分かった。
本出願は、2014年11月27日に日本国特許庁に出願された日本特許出願(特願2014−240539)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の車両ランプは、各種車両に適用可能な車両ランプとして、産業上の利用可能性を有している。
1 リブ付き平板(レンズ成形品)
2 平板(ハウジング成形品)
3 溶着部
4 界面剥離
5 ハウジング材破壊
6 レンズ材破壊
7 溶剤クラック
8 リブ部
9 溶着後試験片
10 溶着強度試験片
2 平板(ハウジング成形品)
3 溶着部
4 界面剥離
5 ハウジング材破壊
6 レンズ材破壊
7 溶剤クラック
8 リブ部
9 溶着後試験片
10 溶着強度試験片
Claims (8)
- メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有するレンズ成形品と、
下記の(d)の条件を満足する樹脂を用いたハウジング成形品と、
が、レーザー溶着された車両ランプ。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
(d)ISO1133規格に準拠し、温度220℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出される樹脂の質量(MFR−3)が2g/10分以上45g/10分以下 - 前記ハウジング成形品がASA系樹脂、ABS系樹脂、AES系樹脂、SAS系樹脂、及びACS系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1に記載の車両ランプ。
- 前記レンズ成形品と、前記ハウジング成形品とのビカット軟化温度の差が30℃以下である、請求項1又は2に記載の車両ランプ。
- 前記レンズ成形品のビカット軟化温度が98℃以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両ランプ。
- 前記ハウジング成形品のビカット軟化温度が96℃以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両ランプ。
- 前記MFR−1の値の範囲が0.2g/10分以上10g/10分未満である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両ランプ。
- 前記MFR比率が4.8以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両ランプ。
- メタクリル酸エステル単量体単位:70〜99.9質量%、及び、少なくとも一種のメタクリル酸エステル単量体に共重合可能な他のビニル単量体単位:0.1〜30質量%を含み、下記の(a)〜(c)の条件を満足するメタクリル系樹脂組成物を含有する、レーザー溶着用レンズ成形品。
(a)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が9万〜25万
(b)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重3.8kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量(MFR−1)の値の範囲が0.2g/10分以上12g/10分未満
(c)ISO1133規格に準拠し、温度230℃、荷重10kgの条件で、10分間に排出されるメタクリル系樹脂組成物の質量を、MFR−2としたとき、
下記式(1)のMFR比率が4.5以上
MFR比率=(MFR−2)/(MFR−1) ・・・(1)
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014240539 | 2014-11-27 | ||
JP2014240539 | 2014-11-27 | ||
PCT/JP2015/080558 WO2016084545A1 (ja) | 2014-11-27 | 2015-10-29 | 車両ランプ及びレンズ成形品 |
Publications (4)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2016084545A6 true JPWO2016084545A6 (ja) | 2017-08-10 |
JPWO2016084545A1 JPWO2016084545A1 (ja) | 2017-08-10 |
JP6309652B2 JP6309652B2 (ja) | 2018-04-11 |
JP6309652B6 JP6309652B6 (ja) | 2018-06-27 |
Family
ID=56074119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016561462A Active JP6309652B6 (ja) | 2014-11-27 | 2015-10-29 | 車両ランプ及びレンズ成形品 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10315362B2 (ja) |
JP (1) | JP6309652B6 (ja) |
CN (1) | CN107076383B (ja) |
WO (1) | WO2016084545A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109749390A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-05-14 | 苏州卡利肯新光讯科技有限公司 | 一种汽车车灯用塑料透镜及其制备方法 |
WO2020255826A1 (ja) * | 2019-06-21 | 2020-12-24 | 株式会社小糸製作所 | 車輌用前照灯 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6450675B1 (en) * | 1999-01-21 | 2002-09-17 | Kaneka Corp. | Vehicle lamp composition and method of manufacturing |
JP2004223909A (ja) * | 2003-01-23 | 2004-08-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 車両用部品 |
JP2005029657A (ja) | 2003-07-10 | 2005-02-03 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | レーザー溶着用着色樹脂組成物 |
JP4333950B2 (ja) | 2004-05-27 | 2009-09-16 | 株式会社小糸製作所 | 車輌用灯具の製造方法 |
JPWO2009022714A1 (ja) * | 2007-08-13 | 2010-11-18 | 株式会社パーカーコーポレーション | 樹脂成形体 |
JP5395027B2 (ja) | 2009-10-22 | 2014-01-22 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | メタクリル系樹脂及びその成形体 |
JP5674325B2 (ja) * | 2010-02-18 | 2015-02-25 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | メタクリル樹脂組成物を用いて得られた成形体 |
WO2011108486A1 (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-09 | 日本エイアンドエル株式会社 | 車両用ランプハウジング用熱可塑性樹脂組成物 |
JP2012171982A (ja) * | 2011-02-17 | 2012-09-10 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリプロピレン/ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物よりなる自動車外装部品 |
-
2015
- 2015-10-29 WO PCT/JP2015/080558 patent/WO2016084545A1/ja active Application Filing
- 2015-10-29 JP JP2016561462A patent/JP6309652B6/ja active Active
- 2015-10-29 CN CN201580056667.6A patent/CN107076383B/zh active Active
- 2015-10-29 US US15/531,373 patent/US10315362B2/en active Active
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5968368B2 (ja) | 射出成形用メタクリル系樹脂 | |
JP6193465B2 (ja) | アクリル系樹脂、及び成形体 | |
WO2014061149A1 (ja) | メタクリル系樹脂を含む車両部材用カバー | |
JP6204649B2 (ja) | メタクリル系樹脂を含む車両部材用カバー | |
JP6037681B2 (ja) | メタクリル系樹脂組成物、その製造方法、及び成形体 | |
TW200821350A (en) | Thermoplastic resin composition | |
JP2013213087A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP6309652B6 (ja) | 車両ランプ及びレンズ成形品 | |
JP6049059B2 (ja) | メタクリル系樹脂を含むバイザー | |
JP2012087251A (ja) | 耐衝撃性アクリル系樹脂組成物、成形体及び車両用部材 | |
JPWO2016084545A6 (ja) | 車両ランプ及びレンズ成形品 | |
JP2018104721A (ja) | メタクリル系樹脂の製造方法、メタクリル系樹脂、及び成形体 | |
JP6532985B2 (ja) | 熱板非接触融着用メタクリル系樹脂組成物、成形体及びその製造方法 | |
JP6042645B2 (ja) | メタクリル系樹脂組成物及び成形体 | |
JP2019131809A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 | |
JP6543026B2 (ja) | 衛生陶器代替用熱可塑性樹脂成形体 | |
JP2013231934A (ja) | メタクリル系樹脂組成物を用いた反射シート及びその製造方法 |