JPWO2016068116A1 - 電極触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
電極触媒は、酸化スズの粒子の表面に白金が担持されてなる。白金はスズと合金化した状態で存在しており、合金における白金とスズとのモル比が1:1である。酸化スズの粒子は、Ta、Nb、Sb、In、W及びVからなる群より選ばれる一種以上の添加元素を含有することが好適である。この電極触媒は、酸化スズの粒子の表面に、白金の微粒子を付着させ、次いで該酸化スズの粒子を、還元性雰囲気下に300℃超500℃以下の温度で熱処理して、白金とスズとのモル比が1:1である合金を生成させる方法で好適に製造される。
Description
本発明は、燃料電池用の電極触媒及びその製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、パーフルオロアルキルスルホン酸型高分子などのプロトン伝導性を有する高分子膜を固体電解質とし、該固体高分子膜の各面に電極触媒が施されてなる酸素極及び燃料極が形成された膜電極接合体を備えている。
電極触媒は、一般に担体となるカーボンブラック等の導電性炭素材料の表面に、白金を始めとする各種貴金属触媒が担持されてなる。電極触媒は、燃料電池の運転時の電位変化により、カーボンが酸化腐食し、担持されている金属触媒の凝集や脱落が起こることが知られている。その結果、運転時間の経過とともに燃料電池の性能が低下してくる。そこで、燃料電池の製造においては、実際に必要な量よりも多量の貴金属触媒を担体に担持させておくことで性能低下を防止している。しかし、このことは経済性の観点から有利とは言えない。
そこで、固体高分子形燃料電池の高性能化や経済性の改善を図ることを目的として、電極触媒に関する種々の検討がなされている。例えば、これまで担体として用いられてきた導電性炭素に代えて、非炭素系の材料である導電性酸化物担体を用いることが提案されている(特許文献1参照)。同文献においては、電極触媒の担体として酸化スズが用いられている。同文献には、この酸化スズに他元素をドープしてもよいことが記載されている。他元素としては、Sb、Nb、Ta、W、In、V、Cr、Mn及びMoが例示されている。この担体の表面には、白金等の貴金属の微粒子が担持されている。同文献において、貴金属の微粒子は、貴金属のコロイドを還元雰囲気下に80℃ないし250℃で熱処理することで生成させている。そして同文献には、熱処理の温度が250℃を超えると貴金属の微粒子の凝集が甚だしくなり、十分な電極活性を得ることができないと記載されている。
ところで燃料電池を例えば自動車に使用する場合、加減速に伴って電池の負荷が大きく変動する。この観点から、燃料電池に要求される特性の一つとして、電池に負荷を繰り返して加えたときに、初期特性がどれだけ維持されるかという負荷応答耐久性が挙げられる。本発明者が特許文献1に記載の電極触媒について負荷応答耐久性を調べたところ、満足すべき結果が得られないことが判明した。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る燃料電池用の電極触媒を提供することにある。
本発明は、酸化スズの粒子の表面に白金が担持されてなり、
前記白金はスズと合金化した状態で存在しており、合金における白金とスズとのモル比が1:1である電極触媒を提供するものである。
前記白金はスズと合金化した状態で存在しており、合金における白金とスズとのモル比が1:1である電極触媒を提供するものである。
また本発明は、前記の電極触媒の好適な製造方法として、
酸化スズの粒子の表面に、白金の微粒子を付着させ、
白金の微粒子を有する前記酸化スズの粒子を、還元性雰囲気下に300℃超500℃以下の温度で熱処理して、白金とスズとのモル比が1:1である合金を生成させる、電極触媒の製造方法を提供するものである。
酸化スズの粒子の表面に、白金の微粒子を付着させ、
白金の微粒子を有する前記酸化スズの粒子を、還元性雰囲気下に300℃超500℃以下の温度で熱処理して、白金とスズとのモル比が1:1である合金を生成させる、電極触媒の製造方法を提供するものである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の電極触媒は、担体と、該担体の表面に担持された貴金属触媒とを有する。担体は、酸化スズからなる。本発明で用いられる酸化スズはスズの酸化物から構成される。スズの酸化物は導電性が高い物質であることが知られている。スズの酸化物には、例えば四価のスズの酸化物であるSnO2や、二価のスズの酸化物であるSnOなどが挙げられる。特にスズの酸化物はSnO2を主体とすることが、耐酸性を高める観点から好ましい。「SnO2を主体とする」とは、スズの酸化物に含まれるスズのうちの50モル%以上がSnO2からなることを言う。
酸化スズは粒子の形態をしている。酸化スズの粒子の粒径は、1μm以上4μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることが更に好ましい。この粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による累積体積50容量%における体積累積粒径D50のことである。一方、酸化スズの粒子を構成する一次粒子、すなわち外見上の幾何学的形態から判断して、粒子としての最小単位と認められる物体の粒径は、電極触媒の担体の比表面積を大きくし得る点から、5nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上30nm以下であることが更に好ましい。一次粒子の形状に特に制限はなく、比表面積を大きくし得る形状であればよい。例えば球状、多面体状、板状若しくは紡錘状、又はこれらの混合など、種々の形状を採用することができる。特に球状であることが好ましい。
酸化スズの粒子は、その一次粒子が個々に独立した分散状態になっていてもよい。あるいは複数の一次粒子が凝集した凝集体からなる二次粒子になっていてもよい。凝集体になっている場合、該粒子はその不定数が不規則に集合した不定形の形状をしていてもよい。あるいは、複数個の該粒子が数珠状に連なった鎖状構造部位を有していてもよい。
酸化スズ粒子の粒径は、本発明の電極触媒を電子顕微鏡で観察することによって測定する。電子顕微鏡観察によって100個以上の粒子のフェレ径を測定し、その平均値をもって粒径とする。
酸化スズは、Ta、Nb、Sb、W、In及びVからなる群より選ばれる一種以上の元素(以下、この元素のことを「添加元素」と言う。)が含有されたものであることが、電極触媒の一層の性能向上の点から好ましい。添加元素は、酸化スズの粒子の内部、又は内部及び外部の両方に存在することができる。添加元素が酸化スズの粒子の内部に存在する場合には、添加元素は酸化スズ中に固溶しているか、又は酸化スズ中に添加元素の化合物(例えば添加元素の酸化物)の状態で存在している。添加元素が酸化スズ中に固溶しているとは、酸化スズにおけるスズのサイトが添加元素で置換されていることを指す。添加元素が酸化スズ中に固溶していると、担体である添加元素を含有する酸化スズの導電性が高くなるので好ましい。
添加元素が酸化スズの粒子の内部に存在することに加えて酸化スズの粒子の外部に存在する場合には、添加元素はその化合物の状態で主として酸化スズ粒子の表面に存在している。例えば添加元素はその酸化物の状態で酸化スズ粒子の表面に存在している。添加元素が例えばタンタルである場合、タンタルの酸化物としては、例えばTa2O5などが挙げられるが、これに制限されない。
添加元素を含有する酸化スズに含まれる添加元素の含有率は、添加元素がTaの場合を例にとると、Ta(mol)/(Sn(mol)+Ta(mol))×100で表して、好ましくは1mol%以上30mol%以下である。以下、この値を「添加元素含有率」と言う。添加元素含有率を1mol%以上に設定することで、添加元素を含有する酸化スズの導電性を十分に高くすることができる。添加元素含有率が30mol%を超えても、担体としての導電率は大きく向上しない。添加元素を含有する酸化スズの導電性を一層高め、かつ比表面積を十分に高くする観点から、添加元素含有率は更に好ましくは1mol%以上15mol%以下、一層好ましくは1mol%以上10mol%以下である。
添加元素を含有する酸化スズから構成される担体の添加元素含有率は、例えば次の方法で測定することができる。電極触媒を適当な方法で溶解して溶液となし、ICP発光分析によりこの溶液を分析し、スズの濃度及び添加元素の濃度を測定することにより算出する。ICP発光分析に代えて、蛍光X線(XRF)分析を用いることもできる。
添加元素としては、上述したとおり、Ta、Nb、Sb、In、W及びVからなる群より選ばれる一種以上の元素が用いられる。これらの元素のうち、性能と価格とのバランスの観点からTa又はNbを用いることが好ましい。
担体の表面には、貴金属を含む触媒が担持されている。貴金属を含む触媒として、本発明においては、白金とスズとが1:1のモル比で合金化している合金を用いる。本発明者が種々検討した結果、白金とスズとが1:1のモル比で合金化している合金を、上述した担体に担持させて電極触媒となすことで、該電極触媒を有する燃料電池の負荷応答耐久性が向上することが見出された。白金とスズとの合金に関しては、先に背景技術の項で述べた特許文献1に、白金単体ではなく、白金とスズとの合金を用いた場合には、出力特性が劣り、その理由は触媒活性が低下ためである旨が述べられている。しかし同文献には、白金の合金化と、電極触媒の負荷応答耐久性との関係については何らの考察もなされていない。
本発明の電極触媒においては、これをX線回折測定した場合に、白金の化学種として白金とスズとが1:1のモル比で合金化している合金(以下、この合金のことを「PtSn合金」という。)が検出され、かつそれ以外のモル比の白金スズ合金、例えばPtSn3などは検出されないことが好ましい。また、白金単体も検出されないことが好ましい。これによって、電極触媒の負荷応答耐久性が一層向上する。「検出されない」とは、X線回折測定において、PtSn合金に由来する回折ピーク以外の回折ピークが実質的に観察されないことを言う。
PtSn合金は、微粒子の形態で担体の表面に担持されていることが有利である。PtSn合金の微粒子の粒径は、例えば1nm以上20nm以下とすることが好ましく、1nm以上8nm以下とすることが更に好ましい。この範囲の粒径を有するPtSn合金の微粒子を担持させることで、電極反応の進行中におけるPtSn合金の溶出を効果的に防止することができ、またPtSn合金の微粒子の比表面積の低下も効果的に防止することができる。PtSn合金の微粒子の粒径は、電子顕微鏡像から測定されるPtSn合金の粒子径の平均値により得ることができる。
PtSn合金に含まれるPtに着目したとき、Ptの担持量は、電極触媒の全質量、つまり担体の質量と、Ptを含む触媒の質量との総和に対して1質量%超30質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上20質量%以下とすることが更に好ましい。この範囲の担持量に設定することで、電極反応を十分に円滑に行うことが可能になる。Ptの担持量は、電極触媒を適当な方法で溶解して溶液となし、ICP発光分析によりこの溶液を分析することで求めることができる。
PtSn合金は、その担持量に応じて担体の表面全域を満遍なく被覆していてもよいが、例えば燃料電池のカソードにおける酸素還元反応において、酸素拡散量に対してPtSn合金の反応面積が多すぎると酸素拡散律速となり本来の触媒活性を十分に発揮できない原因となり得るため、適切な距離を保ち担体の表面が露出するように不連続に被覆している方がよい。
PtSn合金が担体に担持されてなる本発明の電極触媒は、その比表面積が好ましくは10m2/g以上130m2/g以下、更に好ましくは20m2/g以上130m2/g以下である。このような大きな比表面積を有することによって、PtSn合金の触媒活性を有効に活用することができる。比表面積は一般的に窒素ガスなどの物理吸着を用いて測定する。例えばBET法などで測定することができる。具体的には、BET法による比表面積の測定に、Bechman Coulter社製のSA3100や、Micromeritics社製のflowsorb IIを使用することができる。
本発明の電極触媒は、PtSn合金が担体に担持されていることに加えて、白金と遷移金属との合金が担体に担持されていてもよい。これによって、電極触媒としての性能が更に一層向上する。白金と合金を形成する遷移金属としては、例えばコバルト、ニッケル、チタン、モリブデン、マンガン、鉄、クロム、パラジウムなどが挙げられる。白金と遷移金属との合金を担体に担持させるためには、例えば後述する電極触媒の製造方法において、白金の担持の際に白金塩とともに遷移金属塩を共存させて同様に処理を行えばよい。
次に、本発明の電極触媒の好適な製造方法について説明する。本製造方法は、(i)担体の製造工程、(ii)白金の担持工程、及び(iii)白金とスズとの合金化工程に大別される。以下、それぞれの工程について説明する。
まず(i)の担体の製造工程について説明する。担体は公知の方法、例えば湿式合成法や、プラズマ合成法によって好適に製造することができる。湿式合成法においては、スズ源及び必要に応じて添加元素源を含む溶液から、スズの沈殿物を生成させ、次いで該沈殿物を焼成することで、目的とする担体を得ることができる。添加元素源も併用する場合には、スズ及び添加元素を含む共沈物を生成させ、次いで該共沈物を焼成することで、目的とする担体を得ることができる。プラズマ合成法においては、スプレードライ法用の粉を合成し、その粉をスプレードライ法によって造粒し、得られた造粒体をプラズマ合成する工程を有する。担体として、上述した鎖状構造部位を有するものを用いる場合には、化学炎法によって好適に製造することができる。化学炎法を用い、鎖状構造部位を有する担体を製造する方法の詳細は、例えばWO2011/065471に記載されている。
上述のいずれかの方法を採用することで得られた担体、すなわち必要に応じ所定の添加元素を含む酸化スズの粒子には、その表面に白金が担持される。白金の担持には公知の方法、例えばエタノール法や、コロイド法を採用することができる。エタノール法においては、ジニトロジアミン白金硝酸溶液を純水で希釈して水溶液とし、これに担体を加えて混合、分散し、次にエタノールを加えて混合し、還流しながら加熱して数時間保持して白金微粒子を生成させる。還元温度を95℃程度とすることが好ましく、還元時間は3〜6時間とすることが好ましい。コロイド法においては、白金を含有するコロイドを含む液に担体を分散し、該コロイドを該担体に担持する。詳細には、白金を含有する、コロイドの前駆体を含む液に、還元剤を添加して該前駆体を還元し、白金を含有するコロイドを生成させる。そして、生成した白金を含有するコロイドを含む液に担体を分散し、該コロイドを該担体に、白金を含有する微粒子として担持させる。エタノール法の詳細は、例えば特開平9−47659号に記載されている。コロイド法の詳細は、例えばWO2009/060582(先に述べた特許文献1に同じ。)に記載されている。
このようにして、担体の表面に白金の微粒子を付着させたら、次に熱処理を行う。この熱処理は、白金を活性化させ、かつスズと合金化させる目的で行われる。熱処理は、還元性雰囲気下に行うことが好適である。還元性雰囲気としては、水素や一酸化炭素などが挙げられる。白金の微粒子の触媒被毒などの問題がなく、入手が容易であるという点では水素が好ましい。水素を用いる場合には、これを濃度100%で用いてもよく、あるいは不活性気体、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどで好ましくは0.1〜50体積%、更に好ましくは1〜10体積%に希釈して用いてもよい。
還元性雰囲気中には、好ましくは0.5体積%以上50%以下、更に好ましくは1体積%以上20体積%以下の水蒸気を含ませことが望ましい。この理由は、水素を不活性気体で希釈し、更に水蒸気で加湿することによって、雰囲気の酸素分圧が上昇し、そのことに起因して酸化スズの担体が過度に還元されることを回避できるからである。
熱処理の温度は、白金の活性化及びスズとの合金化を首尾よく行う観点から、300℃超500℃以下に設定することが好ましく、300℃超400℃以下に設定することが更に好ましい。この範囲の加熱温度は、従来採用されていた温度、例えば特許文献1に記載されている加熱温度よりも高いものである。このような高めの温度設定を採用することで、白金とスズとの1:1のモル比を有するPtSn合金を首尾よく得ることができる。しかも、モル比1:1以外の白金スズ合金の生成を効果的に防止することができる。その上、単体の白金が残存することを効果的に防止することができる。
設定した保持温度に達した後の加熱保持時間は、加熱温度がこの範囲内であることを条件として、1分以上4時間以下であることが好ましく、10分以上2時間以下であることが更に好ましい。昇温速度は、室温から昇温を開始して、1℃/min以上20℃/minであることが好ましく3℃/min以上10℃/min以下であることが好ましい。降温速度もこの範囲内とすることもできるが、室温まで急冷することが好ましい。
以上のようにして、目的とする電極触媒が得られる。この電極触媒は、固体高分子電解質膜の一方の面に配置された酸素極及び他方の面に配置された燃料極を有する膜電極接合体における酸素極又は燃料極の少なくとも一方に含有させて用いることができる。電極触媒は、好適には酸素極及び燃料極の双方に含有させることができる。
特に、酸素極及び燃料極は、本発明の電極触媒を含む触媒層と、ガス拡散層とを含んでいることが好ましい。電極反応を円滑に進行させるために、電極触媒は固体高分子電解質膜に接していることが好ましい。ガス拡散層は、集電機能を有する支持集電体として機能するものである。更に、電極触媒にガスを十分に供給する機能を有するものである。ガス拡散層としては、この種の技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えば多孔質材料であるカーボンペーパー、カーボンクロスを用いることができる。具体的には、例えば表面をポリ四フッ化エチレンでコーティングした炭素繊維と、当該コーティングがなされていない炭素繊維とを所定の割合とした糸で織成したカーボンクロスにより形成することができる。
固体高分子電解質としては、この種の技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを用いることができる。例えばパーフルオロスルホン酸ポリマー系のプロトン導電体膜、リン酸などの無機酸を炭化水素系高分子化合物にドープさせたもの、一部がプロトン導電体の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン導電体などが挙げられる。
前記膜電極接合体は、その各面にセパレータが配されて固体高分子形燃料電池となされる。セパレータとしては、例えばガス拡散層との対向面に、一方向に延びる複数個の凸部(リブ)が所定間隔をおいて形成されているものを用いることができる。隣り合う凸部間は、断面が矩形の溝部となっている。この溝部は、燃料ガス及び空気等の酸化剤ガスの供給排出用流路として用いられる。燃料ガス及び酸化剤ガスは、燃料ガス供給手段及び酸化剤ガス供給手段からそれぞれ供給される。膜電極接合体の各面に配されるそれぞれのセパレータは、それに形成されている溝部が互いに直交するように配置されることが好ましい。以上の構成が燃料電池の最小単位を構成しており、この構成を数十個〜数百個並設してなるセルスタックから燃料電池を構成することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、本発明の電極触媒を、固体高分子電解質形燃料電池の電極触媒として用いた例を中心に説明したが、本発明の電極触媒を、固体高分子電解質形燃料電池以外の燃料電池、例えばアルカリ形燃料電池、リン酸形燃料電池、直接メタノール形燃料電池などなどの各種燃料電池における電極触媒として用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
(i)担体の製造
担体として用いるタンタル含有酸化スズ粒子を湿式合成法によって製造した。50mLのエタノール中に3.047gのTaCl5を添加して、これを溶解させたタンタル含有溶液を得た。これとは別に、88.493gのNa2SnO3・3H2Oを純水に溶解させて、1000mLのスズ含有水溶液を得た。タンタル含有溶液に0.5mol/Lの硝酸水溶液を1330mL添加した後、この溶液にスズ含有水溶液を1000mL添加した。この添加によって液中に沈殿物が生成した。液を25℃で1時間静置して沈殿物の熟成を行った後、濾過によって沈殿物を回収し、更にリパルプ洗浄した。次いで120℃で15時間乾燥させて固形物を得た。この固形物を乳鉢で粉砕後、大気雰囲気下、800℃で5時間の焼成を行った。焼成後、微粒化を目的に、更にボールミルで16時間の解砕を行い、1μmのメンブレンフィルターで濾過した後、乾燥させて目的とするタンタル含有酸化スズ粒子を得た。BET法で測定したタンタル含有酸化スズの比表面積は、25.4m2/gであった。タンタルの含有率は2.5mol%であった。
(i)担体の製造
担体として用いるタンタル含有酸化スズ粒子を湿式合成法によって製造した。50mLのエタノール中に3.047gのTaCl5を添加して、これを溶解させたタンタル含有溶液を得た。これとは別に、88.493gのNa2SnO3・3H2Oを純水に溶解させて、1000mLのスズ含有水溶液を得た。タンタル含有溶液に0.5mol/Lの硝酸水溶液を1330mL添加した後、この溶液にスズ含有水溶液を1000mL添加した。この添加によって液中に沈殿物が生成した。液を25℃で1時間静置して沈殿物の熟成を行った後、濾過によって沈殿物を回収し、更にリパルプ洗浄した。次いで120℃で15時間乾燥させて固形物を得た。この固形物を乳鉢で粉砕後、大気雰囲気下、800℃で5時間の焼成を行った。焼成後、微粒化を目的に、更にボールミルで16時間の解砕を行い、1μmのメンブレンフィルターで濾過した後、乾燥させて目的とするタンタル含有酸化スズ粒子を得た。BET法で測定したタンタル含有酸化スズの比表面積は、25.4m2/gであった。タンタルの含有率は2.5mol%であった。
(ii)白金の担持
5mlのH2PtCl6溶液(Pt1gに相当)を蒸留水295mLに溶解させ、15.3gのNaHSO3により還元後、1400mLの蒸留水で希釈した。NaOH5%水溶液を加えて、pHを約5に調整を行いながら35%過酸化水素(120mL)を滴下し白金のコロイドを含む液を得た。このとき、NaOH5%水溶液を適宜加えて液のpHを約5に維持した。その後4gの担体を添加し、90℃で3時間混合した。その後、液を冷却し、更に固液分離した。固液分離により得られた含水した粉体中から塩化物イオンを除去するために、1500mLの蒸留水で再び希釈し90℃で1時間煮沸を行い、液を冷却し固液分離した。この洗浄作業を4回実施した。最後に、固液分離後、大気下にて60℃で12時間にわたり乾燥させた。これによって、担体の表面に不定比の白金酸化物を含む白金を担持させた。この電極触媒におけるPtの担持量は15.2%であった。
5mlのH2PtCl6溶液(Pt1gに相当)を蒸留水295mLに溶解させ、15.3gのNaHSO3により還元後、1400mLの蒸留水で希釈した。NaOH5%水溶液を加えて、pHを約5に調整を行いながら35%過酸化水素(120mL)を滴下し白金のコロイドを含む液を得た。このとき、NaOH5%水溶液を適宜加えて液のpHを約5に維持した。その後4gの担体を添加し、90℃で3時間混合した。その後、液を冷却し、更に固液分離した。固液分離により得られた含水した粉体中から塩化物イオンを除去するために、1500mLの蒸留水で再び希釈し90℃で1時間煮沸を行い、液を冷却し固液分離した。この洗浄作業を4回実施した。最後に、固液分離後、大気下にて60℃で12時間にわたり乾燥させた。これによって、担体の表面に不定比の白金酸化物を含む白金を担持させた。この電極触媒におけるPtの担持量は15.2%であった。
(iii)熱処理による白金の合金化
次いで、この担体を40℃における飽和水蒸気を含んだ2vol%H2/N2雰囲気下に350℃で2時間にわたり熱処理した。これによって白金の還元及び白金とスズとの合金化を行った。このようにして、目的とする電極触媒を得た。白金とスズとの合金化は、XRDによって確認した。XRDの測定結果を図1に示す。XRDは株式会社リガク製Ultima4を用い、X線源としてCu Kα(0.15406nm、40kV、40mA)を用いた。その結果、白金スズ合金として、PtSn合金のみが検出された。白金単体は検出されなかった。電子顕微鏡によって測定されたPtSn合金の微粒子の粒径は4.7nmであった。またPtSn合金の微粒子は、担体の表面を不連続に被覆していた。
次いで、この担体を40℃における飽和水蒸気を含んだ2vol%H2/N2雰囲気下に350℃で2時間にわたり熱処理した。これによって白金の還元及び白金とスズとの合金化を行った。このようにして、目的とする電極触媒を得た。白金とスズとの合金化は、XRDによって確認した。XRDの測定結果を図1に示す。XRDは株式会社リガク製Ultima4を用い、X線源としてCu Kα(0.15406nm、40kV、40mA)を用いた。その結果、白金スズ合金として、PtSn合金のみが検出された。白金単体は検出されなかった。電子顕微鏡によって測定されたPtSn合金の微粒子の粒径は4.7nmであった。またPtSn合金の微粒子は、担体の表面を不連続に被覆していた。
〔比較例1〕
実施例1における「(iii)熱処理による白金の合金化」工程において、水素雰囲気下での熱処理の温度を350℃から80℃に変更した。それ以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。得られた電極触媒についてXRD測定を行った結果を図1に示す。同図に示すとおり、白金単体に由来する回折ピークが観察された。したがって、白金はそのすべてが白金単体の状態で存在していると考えられる。
実施例1における「(iii)熱処理による白金の合金化」工程において、水素雰囲気下での熱処理の温度を350℃から80℃に変更した。それ以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。得られた電極触媒についてXRD測定を行った結果を図1に示す。同図に示すとおり、白金単体に由来する回折ピークが観察された。したがって、白金はそのすべてが白金単体の状態で存在していると考えられる。
〔比較例2〕
実施例1における「(iii)熱処理による白金の合金化」工程において、水素雰囲気下での熱処理の温度を350℃から150℃に変更した。それ以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。得られた電極触媒についてXRD測定を行った結果を図1に示す。同図に示すとおり、白金単体に由来する回折ピークとPt3Sn合金に由来するピークが観察されたが、PtSn合金に由来するピークは観察されなかった。
実施例1における「(iii)熱処理による白金の合金化」工程において、水素雰囲気下での熱処理の温度を350℃から150℃に変更した。それ以外は実施例1と同様にして電極触媒を得た。得られた電極触媒についてXRD測定を行った結果を図1に示す。同図に示すとおり、白金単体に由来する回折ピークとPt3Sn合金に由来するピークが観察されたが、PtSn合金に由来するピークは観察されなかった。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた電極触媒について、負荷応答耐久性を評価する目的で、燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が提案する条件に従って電位サイクル試験を実施した。また電位サイクル試験の前後に電気化学的活性表面積(ECSA:Electrochemical Surface Area)を測定する目的で、サイクリックボルタンメトリー(CV:Cyclic Voltammetry)測定を行った。具体的には、以下の「電極作製」及び「負荷応答耐久性評価」の順で操作を行った。
実施例及び比較例で得られた電極触媒について、負荷応答耐久性を評価する目的で、燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)が提案する条件に従って電位サイクル試験を実施した。また電位サイクル試験の前後に電気化学的活性表面積(ECSA:Electrochemical Surface Area)を測定する目的で、サイクリックボルタンメトリー(CV:Cyclic Voltammetry)測定を行った。具体的には、以下の「電極作製」及び「負荷応答耐久性評価」の順で操作を行った。
電極作製
直径5mmのグラッシーカーボン(GC)ディスク電極を1μm、0.3μm、及び0.05μmのアルミナペーストを用いて順次研磨し、その後純水を用いて超音波洗浄を行った。各電極触媒を47.3mg量り取り、水7.6mL,IPA2.4mLの混合溶媒に加え、15分間の超音波分散処理を行った後、5%ナフィオン(登録商標)溶液を40μL加え、更に15分間超音波分散処理を行って触媒インクを作製した。これをGCディスク上へ10μL滴下し、60℃で30分以上乾燥させた。このようにして測定用の電極を作製した。
直径5mmのグラッシーカーボン(GC)ディスク電極を1μm、0.3μm、及び0.05μmのアルミナペーストを用いて順次研磨し、その後純水を用いて超音波洗浄を行った。各電極触媒を47.3mg量り取り、水7.6mL,IPA2.4mLの混合溶媒に加え、15分間の超音波分散処理を行った後、5%ナフィオン(登録商標)溶液を40μL加え、更に15分間超音波分散処理を行って触媒インクを作製した。これをGCディスク上へ10μL滴下し、60℃で30分以上乾燥させた。このようにして測定用の電極を作製した。
負荷応答耐久性評価
測定は北斗電工(株)製の電気化学測定システムHZ−7000を用いて実施した。0.1mol/lのHClO4水溶液にN2を1時間以上パージした後、参照極に銀−塩化銀電極を用い、電位範囲−0.25〜0.8V、掃引速度100mV/sで、作用極である前記電極のクリーニングを300回実施した。その後、同様の条件でCV測定を行い、電位サイクル試験前のECSAを測定した。電位サイクル試験は、0.35Vと0.75Vを各3秒間保持する矩形波を所定回数繰り返すことで実施した。電位サイクルが1万サイクルに達した時点で試験を終了し、開始前と同じ条件でCV測定を実施した。電気化学的活性表面積(ECSA:Electrochemical Surface Area)の解析は、0.2V以下に見られる水素の吸着波を用いて実施した。結果を以下の表1に示す。
測定は北斗電工(株)製の電気化学測定システムHZ−7000を用いて実施した。0.1mol/lのHClO4水溶液にN2を1時間以上パージした後、参照極に銀−塩化銀電極を用い、電位範囲−0.25〜0.8V、掃引速度100mV/sで、作用極である前記電極のクリーニングを300回実施した。その後、同様の条件でCV測定を行い、電位サイクル試験前のECSAを測定した。電位サイクル試験は、0.35Vと0.75Vを各3秒間保持する矩形波を所定回数繰り返すことで実施した。電位サイクルが1万サイクルに達した時点で試験を終了し、開始前と同じ条件でCV測定を実施した。電気化学的活性表面積(ECSA:Electrochemical Surface Area)の解析は、0.2V以下に見られる水素の吸着波を用いて実施した。結果を以下の表1に示す。
表1に示す結果から明らかなとおり、実施例で得られた電極触媒、すなわちPtSn合金を有する電極触媒は、PtSn合金を有しない比較例1及び2の電極触媒と異なり、1万サイクル後のECSAの値の低下がなく、負荷応答耐久性に優れていることが判る。
本発明によれば、負荷応答耐久性に優れた電極触媒が提供される。
Claims (6)
- 酸化スズの粒子の表面に白金が担持されてなり、
前記白金はスズと合金化した状態で存在しており、合金における白金とスズとのモル比が1:1である電極触媒。 - X線回折測定を行った場合に、白金とスズとが1:1のモル比で合金化している合金以外の白金スズ合金が検出されず、かつ白金単体も検出されない請求項1に記載の電極触媒。
- 前記酸化スズが、Ta、Nb、Sb、In、W及びVからなる群より選ばれる一種以上の添加元素を含有する請求項1又は2に記載の電極触媒。
- 燃料電池の電極に用いられる請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電極触媒。
- 酸化スズの粒子の表面に、白金の微粒子を付着させ、
白金の微粒子を有する前記酸化スズの粒子を、還元性雰囲気下に300℃超500℃以下の温度で熱処理して、白金とスズとのモル比が1:1である合金を生成させる、電極触媒の製造方法。 - 前記酸化スズの粒子と、白金のコロイドを含む液とを混合して分散液となし、
前記分散液中の白金のコロイドを還元させて、白金の微粒子を、前記酸化スズの粒子の表面に生成させる請求項5に記載の製造方法。
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