JPWO2016047712A1 - 累進屈折力レンズ、その設計方法および製造方法 - Google Patents
累進屈折力レンズ、その設計方法および製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2016047712A1 JPWO2016047712A1 JP2016550370A JP2016550370A JPWO2016047712A1 JP WO2016047712 A1 JPWO2016047712 A1 JP WO2016047712A1 JP 2016550370 A JP2016550370 A JP 2016550370A JP 2016550370 A JP2016550370 A JP 2016550370A JP WO2016047712 A1 JPWO2016047712 A1 JP WO2016047712A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power
- distance
- area
- lens
- progressive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 42
- 230000000750 progressive effect Effects 0.000 title claims abstract description 30
- 238000013461 design Methods 0.000 title claims description 46
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 14
- 230000008569 process Effects 0.000 description 17
- 201000009310 astigmatism Diseases 0.000 description 9
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 8
- 230000000007 visual effect Effects 0.000 description 7
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 6
- 230000008859 change Effects 0.000 description 5
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 4
- 125000002066 L-histidyl group Chemical group [H]N1C([H])=NC(C([H])([H])[C@](C(=O)[*])([H])N([H])[H])=C1[H] 0.000 description 2
- 210000005252 bulbus oculi Anatomy 0.000 description 2
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 2
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 2
- 230000004075 alteration Effects 0.000 description 1
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 238000012938 design process Methods 0.000 description 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 210000001508 eye Anatomy 0.000 description 1
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 1
- 238000000227 grinding Methods 0.000 description 1
- 210000003128 head Anatomy 0.000 description 1
- 208000001491 myopia Diseases 0.000 description 1
- 238000010606 normalization Methods 0.000 description 1
- 238000005498 polishing Methods 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C7/00—Optical parts
- G02C7/02—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
- G02C7/024—Methods of designing ophthalmic lenses
- G02C7/028—Special mathematical design techniques
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C7/00—Optical parts
- G02C7/02—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
- G02C7/024—Methods of designing ophthalmic lenses
- G02C7/027—Methods of designing ophthalmic lenses considering wearer's parameters
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C7/00—Optical parts
- G02C7/02—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
- G02C7/06—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C7/00—Optical parts
- G02C7/02—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
- G02C7/06—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
- G02C7/061—Spectacle lenses with progressively varying focal power
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02C—SPECTACLES; SUNGLASSES OR GOGGLES INSOFAR AS THEY HAVE THE SAME FEATURES AS SPECTACLES; CONTACT LENSES
- G02C7/00—Optical parts
- G02C7/02—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses
- G02C7/06—Lenses; Lens systems ; Methods of designing lenses bifocal; multifocal ; progressive
- G02C7/061—Spectacle lenses with progressively varying focal power
- G02C7/063—Shape of the progressive surface
- G02C7/065—Properties on the principal line
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Ophthalmology & Optometry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Eyeglasses (AREA)
Abstract
Description
まず、遠距離と近距離に対応可能な従来の遠近レンズには、装用者が無限遠を見るためのフィッティングポイントが設定されている。
その一方、現在、手元の距離(近距離)を見るのに適し、かつ、パソコンを見る距離(中距離)に適する中近レンズが知られている。ちなみに、中近レンズにおいてもフィッティングポイントが設定されている。この場合のフィッティングポイントとは、装用者が無限遠を見たときに視線がレンズを通過するレンズ上の部分である。
詳しく言うと、装用者が中近レンズを装用してパソコンを用いて作業をすると、装用者はフィッティングポイントから下方へと視線を落とすことになる。そうなると、フィッティングポイントにおいて中距離に適する度数が設定されているにもかかわらず、装用者が実際に見るのは当該フィッティングポイントの下の部分であり、中距離に適する度数からずれた度数を備えた部分に視線を通過させながら装用者は作業を行うことになってしまう。そうなると、装用者は中距離に適する度数を備えた部分に視線を通すために顔の向きを変えたり身体を前後に傾けるなど、余計な身体の動きを用いて快適な視野を得ようとする。その結果、たとえ快適な視野が得られたとしても、それは快適な姿勢を崩してまでしてようやく得たものである。この状況下ではレンズを快適に使用しているとは言い難く、装用者に対して「快適な姿勢」をもたらしつつ「快適な視野」が得られるレンズを提供する必要があることに、本発明者は初めて気づいた。
近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と、
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズであって、
前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数が前記中間領域の所定の部分に備わるように、ゼロを超えた度数が前記特定領域の処方度数に上乗せされた、累進屈折力レンズである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
前記中間領域の所定の部分はフィッティングポイントの下方に位置する。
本発明の第3の態様は、
近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズの設計方法であって、
ゼロを超えた度数を前記特定領域の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において前記近用領域における近用度数を共通させることにより、前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数を前記中間領域の所定の部分に備えさせる、累進屈折力レンズの設計方法である。
本発明の第4の態様は、
近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズの製造方法であって、
ゼロを超えた度数を前記特定領域の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において前記近用領域における近用度数を共通させることにより、前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数を前記中間領域の所定の部分に備えさせる、累進屈折力レンズの製造方法である。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の態様であって、
前記特定領域の処方度数に上乗せされるゼロを超えた度数は、前記目標距離と、加入度数(処方値)と、前記ゼロを超えた度数を上乗せする前における、前記中間領域の所定の部分の加入割合から決定される。
本発明の第6の態様は、第4の態様に記載の態様であって、
処方度数に上乗せされる前記度数(ADD(F))は以下の式により表される。
ADD(F)=(ADD(target)−β*ADD)/(1−β)
ADD(target)=D(target)−ACC*ACCratio
なお、
ADDは、前記累進屈折力レンズの加入度数(処方値)であり、
D(target)は、目標距離に対応する度数であり、
ADD(target)は、前記中間領域の所定の部分に備わる処方度数に対する付加度数であって、D(target)から装用者が目標距離にある物を見る際に必要な調節量を差し引いたものであり、
βは、ADD(F)を上乗せする前における、前記中間領域の所定の部分の加入割合であり、
ACCは、装用者が有する調節力または当該調節力を考慮した固定値であり、
ACCratioは、装用者が有する調節力のうち、装用者が目標距離にある物を見る際に使用させる割合である。
本発明の第7の態様は、
近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズの設計システムであって、
ゼロを超えた度数を前記特定領域の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において前記近用領域における近用度数を共通させることにより、前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数を前記中間領域の所定の部分に備えさせる制御部を備える、累進屈折力レンズの設計システムである。
以下、本実施形態に関し、以下の順序で説明する。
1.累進屈折力レンズ
2.累進屈折力レンズの設計方法(製造方法)
2−1.ベース設計選択工程
2−2.目標距離決定工程
2−3.特定領域への付加度数決定工程
3.本実施形態の効果
4.変形例
なお、本明細書において「加入度数」と「付加度数」とは全く異なるものである。このことは、本明細書を読み進めれば自ずと明らかになるであろう。
本実施形態に係る累進屈折力レンズ1は、図1(a)に示すように、物体側に位置する面(物体側の面2、以降、単に「外面」とも言う。)と、眼球E側に位置する面(眼球側の面3、以降、単に「内面」とも言う。)と、が組み合わされて構成されるレンズである。
その一方、本実施形態においては、近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域12が近用領域11の上方に配される。本実施形態における特定領域12には特に制限はなく、遠距離(例えば2m〜無限遠)用であっても構わないし、中距離(例えば60cm〜200cm)用であっても構わないが、本実施形態においては特定領域12が中距離用領域である場合を例示する。
なお、近用領域11には基準となる度数を測定するための近用測定基準点が設定されている。同様に、特定領域12にも同様の測定基準点が設定されている。
その上で、本実施形態におけるレンズ1は、特定領域12と近用領域11との間の領域であって特定領域12から近用領域11へと向かって度数が累進する中間領域13を備える。なお、中間領域13のことを累進領域と呼んでも差し支えない。
以下、上記の内容の詳細について、本実施形態に至った経緯を交えながら、累進屈折力レンズ1の設計方法(製造方法)として説明する。
まず、本実施形態に至った経緯としては以下の通りである。
以下、上記の内容を具体化した一例である、本実施形態に係る累進屈折力レンズ1の設計方法(製造方法)について述べる。
本工程においては、設計を行う対象となるレンズ1のベース設計を選択する。「ベース設計」とは、累進屈折力レンズ1における主注視線上の度数変化に関する設計のことを指す。なお「主注視線」とは、装用者が上方から下方に向けてレンズ1を通過する際のレンズ1上での視線の軌跡であり、レンズ1において各水平線上での非点収差が最小またはその近傍となっている部分を繋いだ線である。別の言い方をすると、特定領域12における測定基準点と近用領域11における近用測定基準点とを結ぶ線である。
例えば、特定領域12から近用領域11に向かった直後から度数が増加する場合だと、特定領域12においては急激な度数の増加が生じるため大きな非点収差が生じて視界に歪みが生じやすくなるものの、近用領域11においては度数が緩やかに増加するため良好な視界が得られる。近用領域11を主として使用する装用者の場合だと、このベース設計を採用するのが好ましい。
その逆に、特定領域12から近用領域11に向かった直後では度数がほとんど増加しない場合だと、特定領域12においては度数が緩やかに増加するため良好な視界が得られるものの、近用領域11においては急激な度数の増加が生じるため大きな非点収差が生じて視界に歪みが生じやすくなる。特定領域12(中距離)を主として使用する装用者の場合だと、このベース設計を採用するのが好ましい。
次に、本工程において、装用者にとっての目標距離を決定する。この目標距離は、装用者がレンズ1を眼鏡にした際にどのように眼鏡を使用するかに大きく依存する。例えば、装用者がパソコンを用いて作業をする頻度が高い場合、装用者の眼からパソコンまでの距離を目標距離とし、ここでは仮に80cmとする。なお、この目標距離は「近くの距離(近用領域11の対象となる距離)と遠くの距離(特定領域12の対象となる距離)との間の距離であって予め設定された目標距離」に該当する。
ここで、本発明における「快適な姿勢」とは、装用者にとって最も楽な下方視線で中距離を見ているときの姿勢を指す。このとき、頭部や体の不要な変位を伴わないのが理想である。快適な姿勢が実現する具体的な状況として、例えば、近方視用の単焦点レンズを掛けているときや、単焦点レンズ、累進屈折力レンズを問わず、余計な見る努力を強いられない、装用者が既に使い慣れている眼鏡レンズを掛けているときなどが挙げられる。
上記の要望を満足させるレンズ1を製造するために、以下の工程を行う。
本工程においては、特定領域12への付加度数の決定を行う。以下、詳述するが、以下の記載においてD( )という符号やADD( )という符号を用いて説明を行う。括弧( )の中には添字が入る。
仮に、処方度数(球面度数)が2.0Dであった場合、符号D(target)に2.0Dを足した値が、目標距離に対応する「絶対値としての」度数となる。
以降、説明を簡略化するために、処方度数がゼロである場合について説明する。
ADD=D(N-target)−ACC*ACCN-ratio・・・(式1)
つまり、通常、レンズ1においては、装用者が有する調節力ACCが考慮されている。こうすることによりADDを低く抑えることができ、レンズ1に発生する収差を低減することが可能となる。
以上の内容を踏まえて、以下、本実施形態について説明する。
D(target)=ADD(target)+ACC*ACCratio・・・(式2)
これを変形させると、以下の式になる。
ADD(target)=D(target)−ACC*ACCratio・・・(式3)
ACCratioは、装用者が有する調節力のうち、装用者が目標距離にある物を見る際に使用させる割合である。
ADD(target)=ADD(F)+β*(ADD−ADD(F))・・・(式4)
上記の(式4)を特定領域12への付加度数ADD(F)が求まるように整理すると、以下の式となる。
ADD(F)=(ADD(target)−β*ADD)/(1−β)・・・(式5)
この場合、以下の式が成り立つ。
ACCratio=ACCN-ratio*ADD(target)/ADD・・・(式6)
ここで、γ=ACCratio/ACCN-ratioとすると、ADD(target)=γADDとなり、以下の式が成り立つ。
ADD(F)=ADD*(γ−β)/(1−β)・・・(式7)
D(target)=1.25D(80cm)
D(N-target)=2.5D(40cm)
ADD=2.00D
ACC=1.00D
ACCN-ratio=0.5
β=0.363
その結果、まず、ACCratioは(式3)および(式6)よりACCratio=0.25となり、γ=0.5となる。その結果、(式7)よりADD(F)=0.43Dとなる。
詳しく言うと、特許文献1においては、確かに遠用部に付加度数を設けているものの、そもそも目標距離に対応する位置に備える度数についての記載が無いことから、目標距離に対応する位置に所定の度数を備えさせようとしても、各度数を別途設定しなければならない。そうなると、光学設計に多くの時間を費やすことになる。ただ一人の眼鏡を製造するのならまだしも、世界中から受注がある場合には、光学設計に多くの時間を費やすことは現実的ではない。
その一方、上記の手法を用いることにより、目標距離に対応する位置に備える度数が決定し、その他の要素(ベース設計や加入度数(処方値)等)が既知であれば、付加度数を自ずと導き出せる。これは、光学設計の容易化を促すことになり、ひいてはレンズ1を迅速に提供可能となる。
「ゼロを超えた度数を前記特定領域12の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において前記近用領域11における近用度数を共通させることにより、近くの距離と遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数を中間領域13の所定の部分に備えさせる。」
また、本実施形態における付加度数、すなわち、特定領域の処方度数に上乗せされる「ゼロを超えた度数」は、目標距離と、加入度数(処方値)と、ゼロを超えた度数を上乗せする前における中間領域の所定の部分の加入割合(本実施形態で言うところのβ)とから決定される。
「設計を行う対象となるレンズ1のベース設計を選択するベース設計選択工程と、
近くの距離と遠くの距離との間の距離であって、装用者にとっての目標距離を決定する目標距離決定工程と、
ベース設計選択工程で選択されたベース設計と特定領域12に所定の処方度数とを有する累進屈折力レンズ1に対し、ゼロを超えた度数を特定領域12の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において近用領域11における近用度数を共通させることにより、前記目標距離決定工程により予め決定された目標距離に対応する度数を中間領域13の所定の部分に備えさせる、特定領域12への付加度数決定工程と、を有する。」
本実施形態によれば、まず、各々の装用者が眼鏡を装用した際に見たい距離を快適な視野で見ることができる。これは、特定領域12に対する度数の付加のおかげで、非点収差が低減されたことに伴うものである。それに加え、本実施形態においては、フィッティングポイントとは別に目標距離に対応する度数を中間領域13の所定の部分に備えさせることにより、装用者に対して普段の体勢すなわち「快適な姿勢」をレンズ1によりもたらすことが可能となる。その結果、「快適な姿勢」と「快適な視野」を両立することも可能となる。
さらに、上記のように付加度数の算出方法を確立したことにより目標距離に対応する位置に備える度数と付加度数とを別々に設定しなくて済む。その結果、光学設計の容易化を促すことになり、ひいてはレンズ1を迅速に提供可能となる。
本実施形態においては内面累進レンズに関して説明したが、外面2が累進面、内面3が球面またはトーリック面である外面累進レンズであっても、両面に累進面を有する両面累進レンズであっても、それ以外の形状を有する累進屈折力レンズであっても、本発明は適用可能である。
上記の実施形態においては、レンズ1において装用者の調節力を加味した上で加入度数(処方値)が設定され、その上で、「付加度数」を設定する際においても装用者の調節力を加味した例を挙げた。
その一方、本実施形態においては、加入度数(処方値)の決定の際には装用者の調節力を加味する一方、「付加度数」を設定する際に装用者の調節力を加味しない例(詳しくは後述するがACCratio=0の場合)や、上記の実施形態とは異なりACCratioが一定の場合について述べる。
ADD(F)=(D(target)−β*ADD)/(1−β)・・・(式8)
この場合、加入度数(処方値)であるADDが大きくなればなるほど、付加度数ADD(F)の付加量は減る。
D(N-target)=ADD+ACC*ACCN-ratio・・・(式9)
この式と、前提となるACCratio=ACCN-ratioとを加味し、ADD(F)の(式5)を整理すると、以下の式となる。
ADD(F)=(D(target)−D(N-target))/(1−β)+ADD・・・(式10)
構わない。例えば装用者の調節力が0.25Dを下回る場合、調節力としては一律に0.25Dと設定するという処置を行っても構わない。逆に装用者の調節力が高い場合は、(2.75−ADD)を調節力としても構わない。なお、本実施形態において、ADD≦2.5Dの場合には、この式を用いて調節力を求めている。
11…近用領域
12…特定領域
13…中間領域
2…外面
3…内面
Claims (7)
- 近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と、
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズであって、
前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数が前記中間領域の所定の部分に備わるように、ゼロを超えた度数が前記特定領域の処方度数に上乗せされた、累進屈折力レンズ。 - 前記中間領域の所定の部分はフィッティングポイントの下方に位置する、請求項1に記載の累進屈折力レンズ。
- 近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズの設計方法であって、
ゼロを超えた度数を前記特定領域の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において前記近用領域における近用度数を共通させることにより、前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数を前記中間領域の所定の部分に備えさせる、累進屈折力レンズの設計方法。 - 近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズの製造方法であって、
ゼロを超えた度数を前記特定領域の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において前記近用領域における近用度数を共通させることにより、前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数を前記中間領域の所定の部分に備えさせる、累進屈折力レンズの製造方法。 - 前記特定領域の処方度数に上乗せされるゼロを超えた度数は、前記目標距離と、加入度数(処方値)と、前記ゼロを超えた度数を上乗せする前における、前記中間領域の所定の部分の加入割合から決定される請求項4に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
- 処方度数に上乗せされる前記度数(ADD(F))は以下の式により表される、請求項4に記載の累進屈折力レンズの製造方法。
ADD(F)=(ADD(target)−β*ADD)/(1−β)
ADD(target)=D(target)−ACC*ACCratio
なお、
ADDは、前記累進屈折力の加入度数(処方値)であり、
D(target)は、目標距離に対応する度数であり、
ADD(target)は、前記中間領域の所定の部分に備わる処方度数に対する付加度数であって、D(target)から装用者が目標距離にある物を見る際に必要な調節量を差し引いたものであり、
βは、ADD(F)を上乗せする前における、前記中間領域の所定の部分の加入割合であり、
ACCは、装用者が有する調節力または当該調節力を考慮した固定値であり、
ACCratioは、装用者が有する調節力のうち、装用者が目標距離にある物を見る際に使用させる割合である。 - 近くの距離にある物を見るための近用領域と、
前記近くの距離よりも遠くの距離にある物を見るための特定領域と
前記特定領域と前記近用領域との間の領域であって前記特定領域から前記近用領域へと向かって度数が累進する中間領域と、
を有する累進屈折力レンズの設計システムであって、
ゼロを超えた度数を前記特定領域の処方度数に上乗せし、かつ、上乗せ前後において前記近用領域における近用度数を共通させることにより、前記近くの距離と前記遠くの距離との間の距離であって予め設定された目標距離に対応する度数を前記中間領域の所定の部分に備えさせる制御部を備える、累進屈折力レンズの設計システム。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014192241 | 2014-09-22 | ||
JP2014192241 | 2014-09-22 | ||
PCT/JP2015/076985 WO2016047712A1 (ja) | 2014-09-22 | 2015-09-24 | 累進屈折力レンズ、その設計方法および製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2016047712A1 true JPWO2016047712A1 (ja) | 2017-06-29 |
JP6604958B2 JP6604958B2 (ja) | 2019-11-13 |
Family
ID=55581231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016550370A Active JP6604958B2 (ja) | 2014-09-22 | 2015-09-24 | 累進屈折力レンズの設計方法およびその製造方法ならびにその設計システム |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10185159B2 (ja) |
EP (1) | EP3200010B1 (ja) |
JP (1) | JP6604958B2 (ja) |
CN (1) | CN107003542B (ja) |
WO (1) | WO2016047712A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3296793A1 (en) * | 2016-09-19 | 2018-03-21 | Essilor International | Method of determining a correcting optical function to a virtual image |
JP7126842B2 (ja) | 2018-03-27 | 2022-08-29 | ホヤ レンズ タイランド リミテッド | 一対の眼鏡レンズの設計方法、製造方法、および一対の眼鏡レンズ |
KR20210013173A (ko) | 2018-05-23 | 2021-02-03 | 루머스 리미티드 | 부분 반사 내부면이 있는 도광 광학 요소를 포함한 광학 시스템 |
JP7203190B2 (ja) * | 2019-02-27 | 2023-01-12 | 株式会社ニコン・エシロール | 計算方法、画像生成方法、眼鏡レンズの設計方法、眼鏡レンズの製造方法、眼鏡レンズの販売方法、計算装置およびプログラム |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007148458A (ja) * | 2007-03-16 | 2007-06-14 | Tokai Kogaku Kk | 累進屈折力レンズ |
JP2011507021A (ja) * | 2007-12-11 | 2011-03-03 | エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラレ ドプテイク) | プログレッシブ眼用レンズ |
JP2012103312A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Seiko Epson Corp | 累進屈折力レンズ及びその設計方法 |
JP2014085575A (ja) * | 2012-10-25 | 2014-05-12 | Nikon-Essilor Co Ltd | 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ、および眼鏡レンズ製造方法 |
WO2014133167A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズの設計システム、供給システム、設計方法及び製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2850763B1 (fr) * | 2003-02-03 | 2005-07-01 | Essilor Int | Lentille aphtalmique a addition progressive de puissance et de prisme |
US7090348B2 (en) * | 2003-10-28 | 2006-08-15 | Essilor International (Compagnie Generale D'optique) | Method for designing spectacle lenses taking into account an individual's head and eye movement |
JP4192899B2 (ja) * | 2005-02-04 | 2008-12-10 | セイコーエプソン株式会社 | 眼鏡レンズの設計方法 |
FR2911696B1 (fr) * | 2007-01-24 | 2009-10-30 | Essilor Int | Verre ophtalmique progressif a inset personnalise. |
US8162478B2 (en) * | 2007-12-04 | 2012-04-24 | Hoya Corporation | Pair of progressive power lens and method for designing same |
EP2294473A1 (fr) | 2008-05-19 | 2011-03-16 | Ice Foster Limited | Verre ophtalmique et lunettes comprenant au moins un tel verre |
JP5566823B2 (ja) * | 2010-09-14 | 2014-08-06 | ホーヤ レンズ マニュファクチャリング フィリピン インク | 累進屈折力眼鏡レンズの設計方法 |
KR101858788B1 (ko) * | 2012-02-03 | 2018-05-16 | 쿠퍼비젼 인터내셔날 홀딩 캄파니, 엘피 | 노안 대상체의 시력을 개선하기 위한 다초점 콘택트 렌즈 및 관련 방법 및 용도 |
-
2015
- 2015-09-24 JP JP2016550370A patent/JP6604958B2/ja active Active
- 2015-09-24 WO PCT/JP2015/076985 patent/WO2016047712A1/ja active Application Filing
- 2015-09-24 EP EP15845270.6A patent/EP3200010B1/en active Active
- 2015-09-24 CN CN201580050533.3A patent/CN107003542B/zh active Active
- 2015-09-24 US US15/513,394 patent/US10185159B2/en active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007148458A (ja) * | 2007-03-16 | 2007-06-14 | Tokai Kogaku Kk | 累進屈折力レンズ |
JP2011507021A (ja) * | 2007-12-11 | 2011-03-03 | エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラレ ドプテイク) | プログレッシブ眼用レンズ |
JP2012103312A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Seiko Epson Corp | 累進屈折力レンズ及びその設計方法 |
JP2014085575A (ja) * | 2012-10-25 | 2014-05-12 | Nikon-Essilor Co Ltd | 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ、および眼鏡レンズ製造方法 |
WO2014133167A1 (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | Hoya株式会社 | 眼鏡レンズの設計システム、供給システム、設計方法及び製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN107003542B (zh) | 2019-08-13 |
CN107003542A (zh) | 2017-08-01 |
EP3200010B1 (en) | 2024-03-13 |
US10185159B2 (en) | 2019-01-22 |
JP6604958B2 (ja) | 2019-11-13 |
WO2016047712A1 (ja) | 2016-03-31 |
EP3200010A1 (en) | 2017-08-02 |
EP3200010C0 (en) | 2024-03-13 |
EP3200010A4 (en) | 2018-05-30 |
US20170299891A1 (en) | 2017-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10203519B2 (en) | Systems and methods for augmented reality | |
JP6920287B2 (ja) | 眼科用レンズの3次元性能を判定する方法と、これに関連する眼科用レンズの計算方法 | |
JP6377080B2 (ja) | 1対の累進眼科用レンズ(1、2)を提供する方法 | |
JP2007241276A (ja) | 累進焦点眼鏡レンズの決定方法 | |
EP3088938A1 (en) | Method, program, and device for manufacturing progressive refractive power lens, progressive refractive power lens manufacturing method, and lens supply system | |
US9740024B2 (en) | Pair of progressive ophthamlic lenses | |
JP6604958B2 (ja) | 累進屈折力レンズの設計方法およびその製造方法ならびにその設計システム | |
US9759931B2 (en) | Pair of progressive ophthalmic lenses | |
CN106461975B (zh) | 具有放大的中距离视区的渐变多焦点镜片 | |
JP6604959B2 (ja) | 累進屈折力レンズ群 | |
JP7090155B2 (ja) | 累進屈折力レンズの設計方法、製造方法及び累進屈折力レンズ | |
US9921418B2 (en) | Spectacle lens supply system, program therefor, prism amount determination device, prism amount determination method, and method for producing spectacle lens | |
JP6242013B2 (ja) | 眼鏡レンズ、並びに眼鏡レンズの設計方法、製造方法及び製造システム | |
US20220179238A1 (en) | Methods and systems for optimizing an optical function of a progressive ophthalmic lens under specific wearing conditions | |
JP7203190B2 (ja) | 計算方法、画像生成方法、眼鏡レンズの設計方法、眼鏡レンズの製造方法、眼鏡レンズの販売方法、計算装置およびプログラム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190604 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190902 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190912 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191015 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6604958 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |