JPWO2016021660A1 - コポリマー、光電変換素子、太陽電池及び太陽電池モジュール - Google Patents

コポリマー、光電変換素子、太陽電池及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

本発明は、光電変換素素子の露光安定性を向上させ得るコポリマー、及び高い露光安定性を備えた光電変換素子、太陽電池及び太陽電池モジュールを提供することを課題とする。下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位と、を有するコポリマー。(式(I)中、Dはドナー性のモノマー単位を表し、A1はアクセプター性モノマー単位を表す。式(II)中、A2はアクセプター性モノマー単位を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、R1及びR2は、それぞれ独立して1価の有機基を表す。)

Description

本発明はコポリマー、光電変換素子、太陽電池及び太陽電池モジュールに関する。
有機太陽電池、有機EL素子、有機薄膜トランジスタ、及び有機発光センサー等の有機電子デバイスの半導体材料として、π共役高分子が用いられている。特に有機太陽電池においては、太陽光の吸収効率を向上させることが望まれており、長波長(600nm以上)の光を吸収できるポリマーの開発が重要である。吸収波長の長波長化を達成するために、ドナー性モノマーとアクセプター性モノマーの共重合体(以後、コポリマーと称す場合がある)を光電変換素子に用いた例が報告されている。
具体的には、非特許文献1にはイミドチオフェン単位とジチエノシクロペンタジエン単位を有するコポリマーを使用した光電変換素子が記載されている。また、非特許文献1,2,3及び特許文献1には、イミドチオフェン単位とジチエノシロール単位を有するコポリマーを使用した光電変換素子が記載されている。さらに非特許文献2には、イミドチオフェン単位とジチエノゲルモール単位を有するコポリマーを使用した光電変換素子が記載されている。また、特許文献2には、ドナー性ユニット、アクセプター性ユニット及びスペーサーユニットを有するコポリマーを用いて光電変換素子を作製した例が記載されている。
国際公開第2012/102390号 国際公開第2013/135339号
J.Mater.Chem.,2011,21,p.3895−3902 J.Am.Chem.Soc.,2011,133,p.10062−10065 Chem.Commun.,2011,47,p.4920−4922
有機薄膜太陽電池は、太陽光に晒される環境下での使用が想定されるために、有機薄膜太陽電池の実用化のためには変換効率の向上のみならず、露光安定性の向上が望まれる。しかしながら、本発明者等の検討によると、特許文献1及び非特許文献1〜3に記載されるコポリマーを用いた有機薄膜太陽電池は、その製造段階、又は使用する際に、光が照射されるにつれて劣化してしまい、変換効率が低下してしまう可能性があることが判明した。これは主に、有機薄膜太陽電池の光電変換素子を構成する材料の上記コポリマーが光により劣化してしまうためであると考えられる。
本発明は上記問題を解決し、光電変換素子に用いた場合、光電変換素子の露光安定性を向上させ得るコポリマー、並びに高い露光安定性を備えた光電変換素子、太陽電池、及び太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本願発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ドナー性モノマー単位とアクセプター性モノマー単位との繰り返し単位に加えて、特定の繰り返し単位を有するコポリマーを用いることで、上記問題が解決できることを見出し、本発明を達成するに至った。即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1]下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位と、を有するコポリマー。
(式(I)中、Dはドナー性のモノマー単位を表し、A1はアクセプター性モノマー単位を表す。式(II)中、A2は、アクセプター性モノマー単位を表し、Lは直接結合又は2価の連結基を表し、R1及びR2は、それぞれ独立して1価の有機基を表す。前記式(I)で表される繰り返し単位と前記式(II)で表される繰り返し単位は互いに同じ繰り返し単位ではない。)
[2]前記式(I)中、Dは、下記式(III)で表される構成単位又は下記式(XI)で表される構成単位であることを特徴とする[1]に記載のコポリマー。
(式(III)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1は、Q1(R3)(R4)又はQ3(R10)を表し、Q1は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。Q3は、周期表第15族元素から選ばれる原子を表し、R10は、水素原子又は1価の有機基を表す。X2は、直接結合、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N(R5)、又はQ2(R6)(R7)を表し、Q2は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R5〜R7はそれぞれ水素原子又は1価の有機基を表す。)
(式(XI)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい芳香環を表し、X3及びX4はそれぞれ独立して、Q4(R11)を表す。Q4は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R11は水素原子又は1価の有機基を表す。)
[3]前記式(I)及び前記式(II)中、A1及びA2は、それぞれ下記式(XIV)で表される構成単位又は下記式(XV)で表される構成単位であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のコポリマー。
(式(XIV)中、Ar5は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を表し、X5は、周期表第16族元素から選ばれる原子を表す。)
(式(XV)中、Ar6は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を表し、X6及びX7はそれぞれ独立して、窒素原子(N)又はQ5(R12)を表す。Q5は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R12は水素原子又は1価の有機基を表す。)
[4]前記式(I)中のA1と前記式(II)中のA2は同じであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のコポリマー。
[5]前記式(II)中、Lは直接結合、置換基を有していてもよい、2価の単環式の芳香族複素環基、及び置換基を有していてもよい、単環式の芳香族複素環基が連結した2価の多環式の芳香族複素環基からなる群より選ばれた1種であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のコポリマー。
[6]基材上に、少なくとも一対の電極と、該一対の電極間に活性層と、を有する光電変換素子であって、前記活性層が[1]〜[5]のいずれかに記載のコポリマーを含有することを特徴とする光電変換素子。
[7][6]に記載の光電変換素子を有する太陽電池。
[8][7]に記載の太陽電池を有する太陽電池モジュール。
本発明によれば、光電変換素子に用いた場合、光電変換素子の露光安定性を向上させ得るコポリマー、並びに高い露光安定性を備えた光電変換素子、太陽電池、及び太陽電池モジュールを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態としての光電変換素子の構成を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態としての太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の一実施形態としての太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
<1.本発明に係るコポリマー>
本発明に係るコポリマーは、下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位と、を有する。なお、下記式(I)で表される繰り返し単位と下記式(II)で表される繰り返し単位は互いに同じ繰り返し単位ではない。なお、本発明において、式(I)で表される繰り返し単位と式(II)で表される繰り返し単位が互いに同じ繰り返し単位ではないとは、式(I)で表される繰り返し単位と式(II)で表される繰り返し単位とが同一の構成単位ではないことを意味する。すなわち、式(I)で表される繰り返し単位と式(II)で表される繰り返し単位が置換基のみ異なる場合も、式(I)で表される繰り返し単位と式(II)で表される繰り返し単位とは異なる繰り返し単位とする。
式(I)中、Dはドナー性モノマー単位を表し、A1はアクセプター性モノマー単位を表す。なお、本発明において、ドナー性モノマー単位とはイオン化ポテンシャルが小さく電子を供与する傾向の強いモノマー単位を意味する。また、アクセプター性モノマー単位とは電子親和力が大きく電子を受容する傾向の強いモノマー単位を意味する。具体的に、ドナー性モノマー単位(D)は、アクセプター性モノマー単位(A1)よりもイオン化ポテンシャル及び電子親和力が小さいモノマー単位であり、アクセプター性モノマー単位(A1)はドナー性モノマー単位(D)よりもイオン化ポテンシャル及び電子親和力が大きいモノマー単位である。すなわち、本発明において、ドナー性モノマー単位(D)は、アクセプター性モノマー単位(A1)のHOMOエネルギー準位よりも高いHOMOエネルギー順位を有し、かつアクセプター性モノマー単位のLUMOエネルギー準位よりも高いLUMOエネルギー準位を有する構成単位である。HOMOエネルギー準位及びLUMOエネルギー準位は光電子収量分光(PYS)測定、紫外光電子分光(UPS)測定、逆光電子分光(IPES)測定及びサイクリックボルタンメトリー測定等により実験的に見積もることができる他、分子軌道法(MO法)及び密度半関数法(DFT法)等の量子化学計算により算出することができる。なお、ドナー性モノマー単位(D)及びアクセプター性モノマー単位(A1)のHOMOエネルギー準位及びLUMOエネルギー準位を算出する際は、それぞれ末端部分を水素原子で置換させて算出することとする。
ドナー性モノマー単位(D)は、上述の特性を有するものであれば、特段の制限はないが、例えば、置換基を有していてもよい2価の芳香族基が挙げられる。前記2価の芳香族基としては、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基が挙げられる。
前記2価の芳香族炭化水素基は、特段の制限はなく、2価の縮合多環芳香族炭化水素基が挙げられる。例えば、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ペリレン、ピレン等の芳香族炭化水素化合物から水素原子を2個除いた2価の有機基が挙げられる。
前記2価の芳香族複素環基は、特段の制限はなく、2価の単環式の芳香族複素環基、2価の縮合多環式の芳香族複素環基、2価の単環式の芳香族複素環基及び/又は2価の縮合多環式の芳香族複素環基が連結した2価の多環式の芳香族複素環基が挙げられる。これらの基は、特段の制限はなく、例えば、チオフェン、ビチオフェン、ターチオフェン、クオーターチオフェン、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、ベンゾジチオフェン、シクロペンタジチオフェン、ジチエノシロール、ジチエノゲルモール、インダセノジチオフェン、ジチエノピロール、カルバゾール、アリールアミン、イソチアナフテン等の芳香族複素環化合物から水素原子を2個除いた2価の有機基が挙げられる。また、非特許文献(Macromolecules 2012,45,607−632)に記載のドナー性モノマー単位が挙げられる。
ドナー性モノマー単位(D)を構成する、2価の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は、上述したように、置換基を有していてもよい。当該置換基は、特段の制限はなく、1価の有機基が挙げられる。具体的には、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はハロゲン原子が挙げられる。また、当該置換基の数は、特段の制限はなく、置換可能な範囲であれば、複数の置換基を有していてもよい。また、2種以上の置換基を有していてもよい。
なかでも、ドナー性モノマー単位(D)は、同一平面上に固定されやすく、π共役により長波長化し易いという観点から、下記式(III)で表される構成単位又は下記式(XI)で表される構成単位であることが好ましい。
式(III)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を表す。置換基を有していてもよい芳香環としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環が挙げられる。Ar1及びAr2は、X1及びX2を含む環と縮合環を形成する。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環の芳香族炭化水素環は、特段の制限はないが、炭素数が6以上30以下の芳香族炭化水素環が好ましい。具体的には、ベンゼン環等の単環式の芳香族炭化水素環;ナフタレン環、インダン環、インデン環、フェナントレン環、フルオレン環、アントラセン環、アズレン環、ピレン環、ペリレン環等の縮合多環式の芳香族炭化水素環が挙げられる。なかでも、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましい。
置換基を有していてもよい芳香族複素環の芳香族複素環は、特段の制限はないが、炭素数が2以上30以下の芳香族複素環が好ましい。具体的には、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環等の単環式の芳香族複素環;又はチエノチオフェン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、チアジアゾロピリジン環等の縮合多環式の芳香族複素環が挙げられる。なかでも、チオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環又はトリアゾール環が好ましい。
芳香環である、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が有していてもよい置換基は特段の制限はなく、例えば、上述の通り、ドナー性モノマー単位(D1)を構成する2価の芳香族炭化水素基及び2価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基が挙げられ、置換可能な範囲で複数の置換基を有していてもよい。また、芳香環は2種以上の置換基を有していてもよい。
上記の中でも、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素数2以上6以下の芳香族炭化水素環又は置換基を有していてもよい、炭素数2以上6以下の芳香族複素環がさらに好ましく、なかでも、置換基を有していてもよい炭素数2以上6以下の芳香族複素環が特に好ましい。具体的には、置換基を有していてもよいフラン環又は置換基を有していてもよいチオフェン環が挙げられ、置換基を有していてもよいチオフェン環が特に好ましい。
式(III)中、X1は、Q1(R3)(R4)又はQ3(R10)を表す。なお、Q1は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、好ましくは炭素原子(C)、珪素原子(Si)、又はゲルマニウム原子(Ge)である。Q3は、周期表第15族元素から選ばれる原子を表し、好ましくは窒素原子(N)又はリン原子(P)が挙げられる。
3及びR4は、それぞれQ1に結合している基を表し、それぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。なお、R3及びR4は、同じ基であってもよいし、互いに異なる基であってもよい。また、R10は、Q3に結合している基を表し、水素原子又は1価の有機基を表す。
1価の有機基は特段の制限はないが、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、又はハロゲン原子が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状の脂肪族炭化水素基、分岐状の脂肪族炭化水素基、又は環状の脂肪族炭化水素基が挙げられる。なお、脂肪族炭化水素基が有する炭素数は1以上であり、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、一方、30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、16以下であることがさらに好ましく、12以下であることが特に好ましい。なお、前記炭素数の範囲は、分枝状の脂肪族炭化水素基の場合、一番長い直鎖を形成する炭素の数である。
直鎖状の脂肪族炭化水素基は、直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、又は直鎖アルキニル基が挙げられる。
直鎖アルキル基は、特段の制限はないが、例えば、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、又はn−ドデシル基が挙げられる。
直鎖アルケニル基は、特段の制限はないが、例えば、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、11−ドデセニル基、又は12−トリデセニル基が挙げられる。
直鎖アルキニル基は、特段の制限はないが、5−ヘキシニル基、7−オクチニル基、9−デシニル基、又は11−ドデシニル基が挙げられる。
分岐状の脂肪族炭化水素基は、分岐アルキル基、分岐アルケニル基、又は分岐アルキニル基が挙げられる。
分岐アルキル基は、分岐1級アルキル基、分岐2級アルキル基又は分岐3級アルキル基が挙げられる。分岐1級アルキル基とは、遊離原子価を有する炭素原子に結合する水素原子が2つである分岐アルキル基を意味する。分岐2級アルキル基とは、遊離原子価を有する炭素原子に結合する水素原子が1つである分岐アルキル基を意味する。また分岐3級アルキル基とは、遊離原子価を有する炭素原子に結合する水素原子が無い分岐アルキル基を意味する。ここで、遊離原子価とは、有機化学・生化学命名法(上)(改訂第2版、南江堂、1992年発行)に記載のとおり、他の遊離原子価と結合を形成できるものをいう。
分岐1級アルキル基は、特段の制限はないが、例えば、2−エチルヘキシル基、2−ブチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、又は2−デシルテトラデシル基が挙げられる。
分岐2級アルキル基は、特段の制限はないが、例えば、イソプロピル基、3−エチル−1,5−ジメチルノニル基又は1−プロピルヘプチル基が挙げられる。
分岐3級アルキル基は、特段の制限はないが、例えば、t−ブチル基、1−ブチル−1−エチルペンチル基、1−ブチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−1−メチルヘキシル基、1−メチル−1−プロピルペンチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基又は1,1,2,2−テトラメチルプロピル基が挙げられる。
分岐アルケニル基は、特段の制限はないが、例えば、2−メチル−2−プロペニル基、3−メチル−3−ブテニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基が挙げられる。
分岐アルキニル基は、特段の制限はないが、例えば、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−3−ブテニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、特段の制限はないが、単環式の芳香族炭化水素基、多環式の芳香族炭化水素基、又は縮合多環式の芳香族炭化水素基が挙げられる。芳香族炭化水素基が有する炭素数は、6以上であることが好ましく、一方、30以下であることが好ましく、20以下であることがさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニル基又はアズレニル基等が挙げられる。なかでも、フェニル基が好ましい。
脂肪族複素環基は、特段の制限はないが、脂肪族複素環基が有する炭素数は、2以上であることが好ましく、一方、30以下であることが好ましく、14以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましく、6以下であることが特に好ましい。具体的には、オキセタニル基、ピロリジニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基又はテトラヒドロチオピラニル基が挙げられる。
芳香族複素環基は、特段の制限はなく、単環式の芳香族複素環基、多環式の芳香族複素環基又は縮合多環式の芳香族複素環基が挙げられる。なお、芳香族複素環基が有する炭素数は、2以上であることが好ましく、一方、30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、14以下であることが特に好ましい。具体的には、チエニル基、フラニル基、ピリジル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリミジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基又はベンゾトリアゾリル基が挙げられる。これらの中でも、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基又はオキサゾリル基が挙げられる。
アルコキシ基は、特段の制限はないが、アルコキシ基が有する炭素数は、1以上であり、3以上であることが好ましく、5以上であることより好ましく、一方、30以下であることが好ましく、20以下であることがさらに好ましく、14以下であることが特に好ましい。具体的には、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基が挙げられる。
なお、上述の、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基及び芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルチオ基、及びアリールチオ基が有していてもよい置換基は、特段の制限はない。例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、又は芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はハロゲン原子が挙げられる。また、2種以上の置換基を有していてもよい。さらに、これらの置換基はさらに別の置換基を有していてもよい。
なお、上述の中でも、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数4以上12以下の直鎖状の脂肪族炭化水素基又は炭素数4以上12以下の分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。特に、炭素数4以上12以下の直鎖状のアルキル基又は、炭素数4以上12以下の分岐状のアルキル基であることが好ましい。例えば、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。なお、前記炭素数の範囲は、分枝状の脂肪族炭化水素基の場合、一番長い直鎖を形成する炭素の数である。
上記式(III)中、X2は、直接結合、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N(R5)、又はQ2(R6)(R7)を表す。なお、Q2は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、例えば、炭素原子(C)、珪素原子(Si)、又はゲルマニウム原子(Ge)が挙げられ、珪素原子(Si)であることが特に好ましい。
5は、窒素原子(N)に結合している基を表し、R6及びR7は、それぞれQ2に結合している基を表す。R5〜R7はそれぞれ、水素原子又は1価の有機基であり、具体的には、R3及びR4で説明した基が挙げられ、好ましい基も同様である。
これらのなかでも、X2は直接結合、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、Q2(R6)(R7)であることが好ましい。なお、Ar1及びAr2上の立体障害が大きくなりすぎず、良好な分子間のキャリア移動を得るために、X2は直接結合、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)がさらに好ましく、直接結合であることが特に好ましい。
限定されるわけではないが、上記式(III)で表される構成単位としては、下記の構成単位が挙げられる。
上記式(III)で表される構成単位の中でも、ドナー性モノマー単位(D)は、Ar1及びAr2が共に、チオフェン環である下記式(XII)で表される構成単位であることが好ましい。
上記式(XII)中、X1及びX2はそれぞれ、式(III)中のX1及びX2と同義であり、好ましい基も同様である。
上記式(XI)中、X3及びX4はそれぞれ独立して、Q4(R11)を表す。Q4は周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、具体的には、炭素原子(C)、珪素原子(Si)又はゲルマニウム原子(Ge)が挙げられる、なかでも、炭素原子(C)であることが好ましい。R11は、Q4に結合する基を表し、水素原子又は1価の有機基を表す。1価の有機基は、特段の制限はないが、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、又はハロゲン原子が挙げられる。なお、これらの基は、特段の制限はないが、具体的には、上述のR3で挙げた基が挙げられ、好ましい基も同様である。なお、X3及びX4は同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。
式(XI)中、Ar3及びAr4は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を表し、Ar3及びAr4は、X3及びX4を含む環と縮合環を形成する。置換基を有していてもよい芳香環としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環が挙げられる。置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び置換基を有していてもよい芳香族複素環としては、特段の制限はないが、式(III)中のAr1及びAr2で挙げた置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環及び置換基を有していてもよい芳香族複素環が挙げられる。
限定されるわけではないが、上記式(XI)で表される構成単位の具体例としては、以下の構成単位が挙げられる。
上記式(XI)で表される構成単位の中でも、Ar3及びAr4が共にチオフェン環である下記式(XIII)で表される構成単位であることが好ましい。
上記式(XIII)中、X3及びX4はそれぞれ、上記式(XI)中のX3及びX4と同義であり、好ましい基も同様である。
これらの中でも、ドナー性モノマー単位は、上記式(XII)において、X1がQ1(R3)(R4)であり、X2が直接結合である、下記式(IV)で表される構成単位であることが好ましい。
ドナー性モノマー単位(D)が、上記式(IV)で表される繰り返し単位であることが好ましい理由は、以下の理由が挙げられる。上記式(IV)で表される繰り返し単位を主成分として有するコポリマーを光電変換素子に用いた場合、高い変換効率を得られることが期待できるものの、当該コポリマーを用いた光電変換素子は、露光した際に変換効率が著しく低下する場合がある。一方、後述するように上記式(II)で表される繰り返し単位を主体とするコポリマーは、変換効率は高くない傾向にあるものの、コポリマーどうしが良好なπスタックを形成し、露光安定性が高い傾向がある。そのため、上記式(I)で表される繰り返し単位に加えて、上記式(II)で表される繰り返し単位を有するコポリマーを光電変換素子に用いることで、高い変換効率とともに高い露光安定性を有する光電変換素子を提供することができる。
式(IV)中、Q1は、式(III)中のQ1と同義である。なかでも、Q1は、珪素原子(Si)であることが好ましい。
式(IV)中、R3及びR4はそれぞれ、式(III)の説明において挙げたR3及びR4と同義である。なかでも、R3及びR4は、それぞれ置換基を有していてもよい直鎖状の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
上記式(I)中、A1は上述の通り、アクセプター性モノマー単位を表す。アクセプター性モノマー単位は、アクセプターとしての特性を有するものであれば、特段の制限はなく、置換基を有していてもよい2価の芳香族基が挙げられる。前記2価の芳香族基としては、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基が挙げられる。例えば、ベンゾチアジアゾール、ナフトビスチアジアゾール、ジケトピロロピロール、チエノチオフェン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピリミジン、キノキサリン、チエノピラジン、イミドチオフェン、フルオロベンゼン等が挙げられる。また、非特許文献(Macromolecules 2012,45,607−632)に記載のアクセプター性モノマー単位が挙げられる。なお、前述したように、これらのアクセプター性モノマー単位を構成する、2価の芳香族炭化水素基及び2価の芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。アクセプター性モノマー単位が有していてもよい置換基は、特段の制限はなく、上述したドナー性モノマー単位が有していてもよい置換基が挙げられる。
これらの中でも、アクセプター性モノマー単位は下記式(XIV)で表される構成単位又は下記式(XV)で表される構成単位であることが好ましい。
上記式(XIV)中、Ar5は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環が挙げられる。置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又の芳香族炭化水素環は置換基を有していてもよい芳香族複素環の芳香族複素環は、上記式(III)中のAr1で挙げた芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が挙げられる。なかでも、チオフェン環、ピリジン環、ピリミジン環、チアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環又はトリアゾール環が好ましい。脂肪族複素環は、ピロリジン環、ピペリジン環が挙げられ、なかでも、ピロリジン環が好ましい。
上記式(XIV)中、X5は、周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、具体的には、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、セレン原子(Se)又はテルル原子(Te)が挙げられる。なかでも、X5は硫黄原子であることが好ましい。
限定されるわけではないが、上記式(XIV)で表される構成単位の具体例として以下のものが挙げられる。
上記式(XV)中、Ar6は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環は、特段の制限はなく、例えば、上記式(XIV)中のAr5で挙げた置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環が挙げられる。
上記式(XV)中、X6及びX7はそれぞれ独立して、窒素原子(N)又はQ5(R12)を表す。Q5は周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、具体的には、炭素原子(C)、珪素原子(Si)又はゲルマニウム原子(Ge)が挙げられ、なかでも、炭素原子(C)であることが好ましい。また、R12は、Q5に結合した基を表し、水素原子又は1価の有機基を表す。1価の有機基は、特段の制限はなく、上述のR3で挙げた基が挙げられる。
限定されるわけではないが、上記式(XV)で表される構成単位の具体例として以下のものが挙げられる。
これらのなかでも、アクセプター性モノマー単位(A1)は、下記式(V)で表される構成単位であることが好ましい。
式(V)中、X5は、上記式(XIV)中のX5と同義であり、周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、具体的には、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、セレン(Se)原子又はテルル原子(Te)を表す。なかでも、合成の容易性の点から、X5は酸素原子(O)又は硫黄原子(S)であることが好ましく、硫黄原子(S)であることが特に好ましい。
式(V)中、R8は水素原子又は1価の有機基が挙げられる。1価の有機基は特段の制限はないが、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、又はハロゲン原子が挙げられる。なお、これらの基の具体的な基は、特段の制限はないが、上述のR3及びR4で挙げた基と同様の基が挙げられる。また、これらの基が有していてもよい置換基も、上述のR3及びR4で挙げた置換基と同様の置換基が挙げられる。
これらのなかでも、R8は、置換基を有していてもよい直鎖状の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であることが好ましい。なお、R8が、芳香族炭化水素基である場合、芳香族炭化水素基は溶解性及び変換効率の向上のために、置換基としてアルコキシ基又は脂肪族炭化水素基を有することが好ましい。
なお、本発明に係るコポリマーが有する式(I)で表される繰り返し単位の好ましい形態は、ドナー性モノマー単位(D)が上記式(III)又は上記式(IV)で表される構成単位であり、アクセプター性モノマー単位(A1)が上記式(XIV)で表される構成単位である、繰り返し単位である。なかでも、ドナー性モノマー単位(D)が上記式(IV)で表わされる繰り返し単位であるか、又はアクセプター性モノマー単位(A1)が上記式(V)で表わされる繰り返し単位であることが好ましく、ドナー性モノマー単位(D)が上記式(IV)で表わされるモノマー単位であり、かつアクセプター性モノマー単位(A1)が上記式(V)で表わされるモノマー単位である繰り返し単位であることがさらに好ましい。
以下に、本発明に係るコポリマーが有する式(I)で表される繰り返し単位の具体的な形態を例示する。しかしながら、本発明において、式(I)で表される繰り返し単位は以下に限定されるわけではない。
本発明に係るコポリマーは、上述の通り、下記式(II)で表される繰り返し単位を有する。
式(II)中、Lは、直接結合又は2価の連結基が挙げられる。2価の連結基は特段の制限はないが、両側のチオフェン環との間で共平面となりやすいことから、ビニレン基等の炭素数2以上8以下のアルケニレン基、エチニレン基等の炭素数2以上8以下のアルキニレン基、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基が挙げられる。
置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基及び置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基は、単環式、多環式、又は縮合多環式のいずれであってもよい。
なかでも、隣り合う環どうしがより共平面になり易く、分子以内キャリア移動が向上し、さらには分子間のπスタックにも有利であり分子間のキャリア移動にも有利であることから、Lは直接結合、置換基を有していてもよい、2価の単環式の芳香族複素環基、又は置換基を有していてもよい、単環式の芳香族複素環基が連結した多環式の芳香族複素環基であることが好ましく、具体的には、置換基を有していてもよいチエニレン基、置換基を有していてもよいビチエニレン基、又は置換基を有していてもよいターチエニレン基が挙げられる。これらのなかでも連結される環が増加するに従い、隣り合う環どうしの間の回転の自由度が増加し、全体として共平面になりにくいことから、Lは、直接結合、置換基を有していてもよいチエニレン基又は置換基を有していてもよいビチエニレン基であることが好ましく、直接結合又は置換基を有していてもよいチエニレン基であることがさらに好ましく、直接結合であることが特に好ましい。
なお、2価の芳香族炭化水素基及び2価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基は特段の制限はなく、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基又はハロゲン原子が挙げられるが、立体障害を低減するために無置換であることが好ましい。
式(II)中、R1及びR2は、それぞれ独立して1価の有機基を表す。1価の有機基は、特段の制限はないが、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアミド基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基が挙げられる。なお、R1及びR2は互いに同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。これらの基は、特段の制限はないが、具体的には、式(III)中のR3及びR4で挙げた基と同じ基が挙げられる。なかでも、R1及びR2はともに、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基であることが好ましく、なかでも置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基であることがさらに好ましい。
1及びR2が上述の基を有することで、R1及びR2が水素原子である場合と比較して、当該構成単位を有するコポリマーの溶媒中への溶解度が向上することになり、プロセス性の向上が期待でき、均一な成膜が可能となる。また、成膜時に当該構成単位を有するコポリマーは、一定方向に配向しやすくなるために長波長化に寄与すると共に、キャリア移動が円滑に進行することとなり、変換効率の向上が期待できる。また、式(II)中のR1及びR2の位置に上述の基が配置されることは極めて重要である。すなわち、式(II)中のR1及びR2が配置される以外の箇所に、上述のような基が配置されている場合、当該基と、その他の基との間で立体障害が発生しやすくなってしまう。立体障害が発生すると、コポリマーどうしが一定方向に配列できなくなるために、不安定な構造となってしまうために、露光安定性が低くなるものと考えられる。そのため、式(II)において、立体障害が発生しにくいR1及びR2の位置に上述の基が配置されることにより立体障害が発生することなくコポリマーどうしが一定方向に配向されやすくなり、結果的に、露光安定性が向上するものと考えられる。
なお、式(II)中のチオフェン環−L−チオフェン環はドナー成分であることが好ましい。式(II)中のチオフェン環−L−チオフェン環がドナー成分であることにより、L及びその両側のチオフェン環により形成されるπスタックを介した正孔輸送が円滑に進行することで光電変換特性が高まるものと考えられる。また、式(II)中のチオフェン環−L−チオフェン環はドナー成分であることにより、A2成分との間で分子内電荷移動が起こり易くなることで吸収波長が長波長になり易いと考えられる。
1及びR2は、上述の基のなかでも、立体障害をさらに抑えるために、それぞれ独立して、脂肪族炭化水素基又はアルコキシ基であることが好ましく、有機薄膜太陽電池として使用した際の開放電圧が大きくなりやすいために、脂肪族炭化水素基であることが特に好ましい。
また、立体障害を抑えると共に変換効率の向上のために、R1及びR2は、炭素数3以上16以下の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、なかでも、炭素数6以上14以下の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。なお、脂肪族炭化水素基は、アルキル基であることが特に好ましい。この場合、炭素数3以上16以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数6以上14以下のアルキル基であることが特に好ましい。具体的には、n−オクチル基、n−デシル基、又はn−ドデシル基が挙げられる。
式(II)中、A2はA1と同様にアクセプター性モノマー単位を表す。A2がアクセプター成分であることにより、ドナー成分として機能する、チオフェン環−L−チオフェン環との間で、分子内電荷移動が起こりやすくなるために吸収波長が長波長化するものと考えられる。A2は特段の制限はないが、好ましくは、アクセプター性モノマー単位(A1)で挙げた上記式(XIV)で表される構成単位又は上記式(XV)で表される構成単位であり、好ましい繰り返し単位も同様である。
なお、A1及びA2は互いに同じアクセプター性モノマー単位であってもよいし、異なるアクセプター性モノマー単位であってもよい。しかしながら、分子内のキャリアトラップが生成せずにキャリア移動が円滑に起こるために高い光電変換特性を発現し易い為に、A1の主骨格とA2の主骨格が同じであることが好ましく、A1とA2が同じであることが特に好ましい。なお、A1の主骨格とA2の主骨格が同じであるとは、A1の主骨格とA2の主骨格が同じでありさえすれば、A1の主骨格が有する置換基とAの主骨格が有する置換基は異なっていてもよいことを意味する。一方、A1とA2が同じとは、置換基を含めてA1とA2が同じ構成単位であることを意味する。以上の観点から、A1が上記式(V)で表される繰り返し単位である場合、A2は、下記式(VI)で表される構成単位であることが好ましい。
式(VI)中、X8は、周期表第16族元素から選ばれる原子を表し、具体的には、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、セレン原子(Se)、又はテルル(Te)原子が挙げられ、なかでも、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、硫黄原子であることが特に好ましい。
式(VI)中、R9は、水素原子又は1価の有機基を表す。1価の有機基は特段の制限はないが、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基が挙げられる。なお、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基は、特段の制限はないが、R8と同様の基が挙げられ、好ましい基もR8で挙げた基と同様の基が挙げられる。なお、式(VI)中のR9は、式(V)中のR8と同じであってもよいし異なっていてもよいが、R8とR9は同じ基であることが好ましい。
以下に、本発明に係るコポリマーが有する式(II)で表される繰り返し単位の好ましい形態を例示する。しかしながら、式(II)で表される繰り返し単位は以下に限定されるわけではない。
本発明に係るコポリマーは、上記式(I)で表される繰り返し単位及び上記式(II)で表される繰り返し単位を任意で選択することができるが、上記式(I)及び上記式(II)中、ドナー性モノマー単位(D)が上記式(III)で表される構成単位又は上記式(XI)で表される構成単位であり、アクセプター性モノマー単位(A1)及び(A2)が、上記式(XIV)で表される構成単位であることが好ましい。さらに、上記式(I)及び上記式(II)中、ドナー性モノマー単位(D)が上記式(XII)で表される構成単位又は上記式(XIII)で表される構成単位であり、アクセプター性モノマー単位(A1)及び(A2)が、上記式(XIV)で表される構成単位であることが好ましい。また、上記式(I)及び上記式(II)中のドナー性モノマー単位(D)が上記式(IV)で表される構成単位であり、アクセプター性モノマー単位(A1)が上記式(V)で表される構成単位であり、アクセプター性モノマー単位(A2)が、上記式(VI)で表される構成単位であるコポリマーであることが好ましい。
本発明に係るコポリマーにおける、上記式(I)で表される繰り返し単位と、上記式(II)で表される繰り返し単位との配列状態は、交互、ブロック又はランダムのいずれでもよい。すなわち、本発明に係るコポリマーは、交互コポリマー、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーのいずれでもよい。また、これらのコポリマーのうち中間的な構造を有するコポリマー、例えばブロック性を帯びたランダムコポリマーであってもよい。また、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上あるコポリマー、及びデンドリマーであってもよい。なかでも、合成が容易であり、規則性がより低下しうる点で、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであることが好ましく、コポリマーの溶解性が向上しかつコポリマーを溶解させたインクの保存安定性が向上しうる点で、ランダムコポリマーであることがより好ましい。
また、式(I)で表される繰り返し単位及び式(II)で表される繰り返し単位を有するポリマーの末端部分は、特段の制限はないが、芳香族炭化水素環、芳香族複素環、又は水素原子でエンドギャップされていることが好ましい。
また、式(I)で表される繰り返し単位及び式(II)で表される繰り返し単位を有するコポリマー中、各繰り返し単位の比率は特段の制限はないが、式(I)で表される繰り返し単位に対する式(II)で表される繰り返し単位の比率は、上記式(II)で表される単位同志が十分にπスタックをすることで分子間のキャリアパスが数多く形成され、光が照射して一部が損傷した場合においても光電変換効率の低下が抑制されるために0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましく、0.4以上であることが特に好ましい。一方で、式(I)で表される繰り返し単位に対する式(II)で表される繰り返し単位の比率は式(II)で表される単位が多くなるにつれて、πスタックの寄与が大きくなり溶解度が低くなってくると考えられるために、10以下であることが好ましく、8以下であることがさらに好ましく、3以下であることが特に好ましい。
本発明に係るコポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記式(I)で表される繰り返し単位、及び上記式(II)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。具体的に含んでいてもよい繰り返し単位は、特段の制限はないが、上述の式(I)中のD及びA1、並びに式(II)中のA2で挙げたドナー性モノマー単位及びアクセプター性モノマー単位とから構成される繰り返し単位が挙げられる。
本発明に係るコポリマー中、上記式(I)で表わされる繰り返し単位及び上記式(II)で表わされる総数の比率は、特段の制限はないが、上記式(I)で表わされる繰り返し単位及び上記式(II)で表わされる繰り返し単位の合計が、上記式(I)で表される繰り返し単位と上記式(II)で表される繰り返し単位とを有するコポリマーを有する、本発明に係るコポリマーを構成する繰り返し単位に占める比率は、良好な半導体特性を得るために、0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましく、0.5以上であることが特に好ましい。一方、上限は1以下である。
本発明に係るコポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、特段の制限はないが、通常5.0×103以上、好ましくは1.0×104以上、より好ましくは1.5×104以上、さらに好ましくは2.0×104以上、よりさらに好ましくは3.0×104以上、特に好ましくは3.5×104以上、最も好ましくは4.0×104以上である。一方、好ましくは1.0×107以下、より好ましくは1.0×106以下、特に好ましくは5.0×105以下である。光吸収波長を長波長化するという観点、高い吸光度を実現するという観点、高いキャリア移動を実現できるという観点、及び有機溶媒への溶解度の観点から、重量平均分子量がこの範囲にあることが好ましい。
本発明に係るコポリマーのポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、特段の制限はないが、通常3.0×103以上、好ましくは5.0×103以上、より好ましくは8.0×103以上、さらに好ましくは1.0×104以上、特に好ましくは2.0×104以上である。一方、好ましくは1.0×107以下、より好ましくは1.0×106以下、さらに好ましくは5.0×105以下、殊更に好ましくは2.0×105以下、特に好ましくは1.0×105以下である。光吸収波長を長波長化するという観点、高い吸光度を実現するという観点、高いキャリア移動を実現できるという観点、及び有機溶媒への溶解度の観点から、数平均分子量がこの範囲にあることが好ましい。
本発明に係るコポリマーの分子量分布(PDI,(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)))は、通常1.0以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上である。一方、通常50.0以下、好ましくは20.0以下、より好ましくは15.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。コポリマーの溶解度が塗布に適した範囲になりうるという点で、分子量分布がこの範囲にあることが好ましい。
本発明に係るコポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量、及び分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。具体的には、カラムとして、PolymerLaboratories GPC用カラム(PLgel MIXED−B 10μm 内径7.5mm,長さ30cm)を2本直列に繋げて用い、ポンプとしてLC−10AT(島津製作所社製)、オーブンとしてCTO−10A(島津製作所社製)、検出器として示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)、及びUV−vis検出器(島津製作所製:SPD−10A)を用いることにより測定できる。測定方法としては、測定対象のコポリマー(1mg)をクロロホルム(200mg)に溶解させ、得られた溶液1μLをカラムに注入する。移動相としてオルトジクロロベンゼンを用い、80℃にて、1.0mL/minの流速で測定を行う。解析にはLC−Solution(島津製作所製)を用いる。
本発明に係るコポリマーの溶解度は、特に限定は無いが、好ましくは25℃におけるクロロベンゼンに対する溶解度が通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、一方、通常30質量%以下、好ましくは20質量%である。溶解性が高いことは、塗布によりより厚い膜を成膜できるために好ましい。
本発明に係るコポリマーは、分子間で適度な相互作用が起こることが好ましい。本明細書において、分子間で相互作用するということは、分子間でのπ−πスタッキング等の相互作用によってポリマー鎖間の距離が短くなることを意味する。相互作用が強いほど、高い移動度及び/又は結晶性を示す傾向があるため、半導体材料として好適であるものと考えられる。すなわち、分子間で相互作用するコポリマーにおいては分子間での電子移動が起こりやすいため、例えば光電変換素子において活性層中に本発明に係るコポリマーを用いた場合に、活性層内のp型半導体化合物とn型半導体化合物との界面で生成した正孔(ホール)を効率よく電極(アノード)へ輸送できると考えられる。
結晶性の測定方法としてはX線回折法(XRD)が挙げられる。本明細書において結晶性を有するとは、XRD測定により得られたX線回折スペクトルが回折ピークを有することを意味する。結晶性を有することは、分子同士が配列した積層構造を有することを意味すると考えられ、後述する活性層を厚膜化できる傾向がある点で好ましい。XRD測定は公知文献(X線結晶解析の手引き(応用物理学選書4))に記載の方法に基づいて行うことができる。
本発明に係るコポリマーの正孔移動度(ホール移動度と記す場合がある)は、通常1.0×10-7cm2/Vs以上、好ましくは1.0×10-6cm2/Vs以上、より好ましくは1.0×10-5cm2/Vs以上、特に好ましくは1.0×10-4cm2/Vs以上である。一方、本発明に係るコポリマーの正孔移動度は通常1.0×104cm2/Vs以下、好ましくは1.0×103cm2/Vs以下であり、より好ましくは1.0×102cm2/Vs以下であり、特に好ましくは1.0×10cm2/Vs以下である。正孔移動度がこの範囲にあることにより、本発明に係るコポリマーは半導体材料として好適に用いられる。また、光電変換素子において高い変換効率を得るためには、n型半導体化合物の移動度と、p型半導体化合物の移動度とのバランスが重要である。本発明に係るコポリマーを光電変換素子においてp型半導体化合物として用いる場合、本発明に係るコポリマーの正孔移動度とn型半導体化合物の電子移動度とを近づける観点から、本発明に係るコポリマーの正孔移動度がこの範囲にあることが好ましい。正孔移動度の測定方法としてはFET法が挙げられる。FET法は公知文献(特開2010−045186号公報)に記載の方法により行うことができる。
本発明に係るコポリマーは溶液状態での保存安定性が高いことが好ましい。保存安定性が高いとは、溶液とした時に凝集しにくいことを意味する。より具体的には、本発明に係るコポリマー2mgを2mLのスクリューバイアルに入れ、1.5質量%の濃度になるようにo−キシレンに加熱溶解させてから室温まで冷却した際に、冷却を開始してから5分間以上ゲル化しないことが好ましく、1時間以上ゲル化しないことがより好ましい。
本発明に係るコポリマー中の不純物は極力少ないほうが好ましい。特に、式(I)で表される繰り返し単位を有するコポリマーを合成する際に、パラジウム、銅等の遷移金属触媒を用いた場合、これらがコポリマー中に残存する場合がありうる。これらの金属触媒がコポリマー中に残存していると遷移金属の重原子効果による励起子トラップが生じるために電荷移動が阻害され、結果として本発明に係るコポリマーを光電変換素子に用いた際に光電変換効率を低下させるおそれがある。そのため、遷移金属触媒の濃度は、コポリマー1gあたり、通常1000ppm以下、好ましくは500pm以下、より好ましくは100ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、1ppm以上であってもよく、3ppm以上であってもよい。
なお、コポリマー中に含有される不純物は、例えば、ICP質量分析法により測定することができる。ICP質量分析法は、公知文献(「プラズマイオン源質量分析」(学会出版センター))に記載されている方法により実施できる。具体的には、パラジウム原子及び銅原子については、試料を湿式分解後、分解液中のPd,SnをICP質量分析装置(Agilent Technologies社製 ICP質量分析装置 7500ce型)を用いて検量線法により定量することができる。
<2.本発明に係るコポリマーの製造方法>
本発明のコポリマーの製造方法は、特段の限定はなく、下記式(VII)で表される化合物と、下記式(VIII)で表される化合物と、下記式(IX)で表される化合物と、下記式(X)で表される化合物とを必要であれば適当な触媒の存在下で、重合する方法が挙げられる。なお、式(I)中のA1と式(II)中のA2が同じであるコポリマーを製造する場合は、下記式(VII)で表される化合物と、下記式(VIII)で表される化合物と、下記式(IX)で表される化合物(又は下記式(X)で表される化合物)とを後述する重合反応に従って製造することができる。また、式(I)中のA1と式(II)中のA2とが異なるコポリマーを製造する場合は、一例として、あらかじめ、下記式(VII)で表される化合物と、下記式(IX)で表される化合物との重合反応により得られる中間体1と、下記式(VIII)で表される化合物と、下記式(X)で表される化合物との重合反応により得られる中間体2とを製造しておき、中間体1と中間体2とを後述の重合反応により合成することで本発明に係るコポリマーを製造することができる。
上記式(VII)中、Dは、上記式(I)中のDと同義である。上記式(VIII)中、L、R1及びR2は、上記式(II)中のL、R1及びR2と同義である。上記式(IX)中、A1は式(I)中のA1と同義である。上記式(X)中、A2は、上記式(II)中のA2と同義である。
式(VII)〜式(X)中のY1〜Y8は、重合反応の種類に応じて適宜選択でき、特段の制限はないが、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキルスタニル基、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸エステル残基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸残基(−B(OH)2)、ホルミル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
ハロゲン原子は、特段の制限はないが、臭素原子(Br)又はヨウ素原子(I)が好ましい。
ホウ酸エステル残基は、特段の制限はないが、例えば、下記式で示される基が挙げられる。
上記式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
アルキルスタニル基は、特段の制限はないが、例えば、下記式で示される基が挙げられる。
上記式中、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表す。
アルケニル基は、特段の制限はないが、例えば、炭素数2〜12のアルケニル基が好ましい。
上述の中でも、式(VII)〜式(X)で表される化合物の合成上の観点及び反応のし易さの観点から、Y1〜Y8はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキルスタニル基、ホウ酸エステル残基、又はホウ酸残基(−B(OH)2)であることが好ましい。
本発明のコポリマーの重合に用いる反応方法としては、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Yamamotoカップリング反応方法、Grignard反応方法、ヘック反応方法、園頭反応方法、FeCl3などの酸化剤を用いる反応方法、電気化学的な酸化反応を用いる方法、適当な脱離基を有する中間体化合物の分解による反応方法などが挙げられる。これらの中でも、Suzuki−Miyauraカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Yamamotoカップリング反応方法、Grignard反応方法が、構造制御がしやすい点で好ましい。特に、Suzuki−Miyauraクロスカップリング反応方法、Stilleカップリング反応方法、Grignard反応方法が、材料の入手しやすさ、反応操作の簡便さの点からも好ましい。これらの反応は、「クロスカップリング−基礎と産業応用−(CMC出版)」、「有機合成のための遷移金属触媒反応(辻二郎著:有機合成化学協会編)」、「有機合成のための触媒反応103(檜山為次郎:東京化学同人)」などの公知文献の記載の方法に従って行うことができる。
なお、上述の通り、式(VII)〜式(X)中のY1〜Y8は適宜選択して重合反応を行なえばよい。例えば、式(VII)及び式(VIII)中のY1〜Y4がアルキルスタニル基であり、式(IX)及び式(X)中のY5〜Y8をハロゲン原子として、公知のStilleカップリング反応の条件に従って反応を行えばよい。また、式(VII)及び式(VIII)中のY1〜Y4がホウ酸エステル残基又はホウ酸残基として、式(IX)及び式(X)中のY5〜Y8をハロゲン原子として公知のSuzuki−Miyauraカップリング反応の条件に従って反応を行えばよい。さらに、式(VII)及び式(VIII)中のY1〜Y4をシリル基として、式(IX)及び式(X)中のY5〜Y8をハロゲン原子として公知のHiyamaカップリング反応の条件に従って反応を行えばよい。なお、カップリング反応の触媒としては例えば、パラジウム等の遷移金属と、配位子(例えばトリフェニルホスフィン等のホスフィン配位子)との組み合わせを用いることができる。
また、重合反応により得られたコポリマーに対しては、さらに末端処理を行うことが好ましい。コポリマーの末端処理を行うことにより、コポリマーの末端残基(上述のY1〜Y8)の残存量を減らすことができる。このような末端処理を行うことにより、得られるコポリマー中のハロゲン原子、アルキルスタニル基等を減らすことができるために、光電変換素子に本発明に係るコポリマーを用いた場合に、変換効率及び耐久性が向上するために好ましい。
また、重合反応後には、通常、コポリマーを分離する工程が行われる。コポリマーの末端処理を行う場合には、末端処理後にコポリマーを分離する工程を行うことが好ましい。必要に応じて、コポリマーの末端処理前に、さらにコポリマーの分離及び精製を行なってもよい。より短い処理工程でコポリマーを得る観点からは、重合反応後に、コポリマーの末端処理、コポリマーの分離及びコポリマーの精製をこの順に行うことが好ましい。
コポリマーの分離方法としては、例えば、反応溶液と貧溶媒とを混合してコポリマーを析出させる方法、又は、水若しくは塩酸で反応溶液中の活性種をクエンチした後にコポリマーを有機溶媒で抽出し、この有機溶媒を留去する方法等が挙げられる。
コポリマーの精製方法としては、再沈精製、ソックスレー抽出器を用いた抽出、ゲル浸透クロマトグラフィ、又はスキャベンジャーを用いた金属除去等の、公知の方法が挙げられる。
<2−1.式(VII)〜式(X)で表される化合物の製造方法>
式(VII)〜(X)で表される化合物を製造する方法は、特段の制限はないが、公知の例を参考にして行うことができる。公知例としては、Polymer, 1990,31,1379−1383、Adv.Mater.,2007,19,4160−4165、Macromolecules,2010,43,6936−6938、Adv.Mater.,2011,23,3315−3319、Angew.Chem.Int.Ed.,2012,51,2068−2071、J.Mater.Chem.,2011,21,3895−3902、J.Am.Chem.Soc.,2011,133,10062−10065またはChem.Commun.,2011,47,4920、国際公開2013/180243号等が挙げられる。
<3.光電変換素子>
本発明の一実施形態に係るコポリマーは光電変換素子の材料として用いることができ、具体的には、光電変換素子の活性層が本発明に係るコポリマーを含有することで、高い露光安定性を備えた光電変換素子となり得る。以下、本発明に係るコポリマーを用いた光電変換素子の一実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、少なくとも、基材と、基材上に形成された一対の電極と、一対の電極間に形成された活性層と、を有する。以下、図1を参照して、本発明に係る光電変換素子の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明に係る光電変換素子の一実施形態は、基材106上に、下部電極101と、下部バッファ層102と、活性層103と、上部バッファ層104と、上部電極105と、が順次形成された層構造を有する。本発明において、下部電極とは、基材106側に積層される電極を意味し、上部電極とは、基材106をボトムとした際に、下部電極よりも上部に積層される電極を意味する。なお、本発明において、下部電極101及び上部電極105を合わせて一対の電極と称す場合がある。また、下部バッファ層102及び上部バッファ層104は、必須の構成ではなく、任意で設ければよく、下部バッファ層102及び上部バッファ層104のうち一方のみを有していてもよい。また、光電変換素子は、上記以外の別の層を任意で有していてもよい。以下、光電変換素子の各構成部材について説明する。
<3−1.基材106>
光電変換素子107は、通常は支持体となる基材106に形成される。基材106の材料に特段の制限は無い。
基材106の材料の好適な例としては、石英、ガラス、サファイア又はチタニア等の無機材料、及びフレキシブル基材等が挙げられる。フレキシブル基材の具体例としては、限定されるわけではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル又はポリエチレン等のポリオレフィン;セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン又はエポキシ樹脂等の有機材料(樹脂基材);紙又は合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン又はアルミニウム等の金属箔に、絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたもの等の複合材料が挙げられる。ガラスとしてはソーダガラス、青板ガラス又は無アルカリガラス等が挙げられる。ガラスからの溶出イオンが少ない点で、これらの中でも無アルカリガラスが好ましい。
基材106の形状、構成等については、周知技術を参考にすることができ、具体的には、例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを採用できる。
<3−2.一対の電極(下部電極101及び上部電極105)>
一対の電極(101、106)は、光吸収により生じた正孔及び電子を捕集する機能を有する。したがって一対の電極には、正孔の捕集に適した電極(以下、アノードと記載する場合もある)と、電子の捕集に適した電極(以下、カソードと記載する場合もある)とを用いることが好ましい。一対の電極は、いずれか一方が透光性であればよく、両方が透光性であっても構わない。透光性があるとは、太陽光が40%以上透過することを指す。また、透明電極の太陽光線透過率は70%以上であることが、透明電極を透過させて活性層に光を到達させるために好ましい。光の透過率は、通常の分光光度計で測定できる。
アノードとは、一般には仕事関数がカソードよりも高い導電性材料で構成され、活性層で発生した正孔をスムーズに取り出す機能を有する電極である。
アノードの材料は特に限定されないが、例えば、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム−ジルコニウム酸化物(IZO)、酸化チタン、酸化インジウム又は酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;金、白金、銀、クロム又はコバルト等の金属あるいはその合金が挙げられる。これらの物質は高い仕事関数を有するため、好ましく、さらに、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングしたPEDOT:PSSで代表されるような導電性高分子材料を積層することができるため、好ましい。このような導電性高分子を積層する場合には、この導電性高分子材料の仕事関数が高いことから、上記のような高い仕事関数の材料でなくとも、AlやMg等のカソードに適した金属も広く用いることが可能である。ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングしたPEDOT:PSSや、ポリピロール又はポリアニリン等にヨウ素等をドーピングした導電性高分子材料を、アノードの材料として使用することもできる。
アノードが透明電極である場合には、ITO、酸化亜鉛又は酸化スズ等の透光性がある導電性金属酸化物を用いることが好ましく、特にITOが好ましい。
カソードは、一般には仕事関数が低い値を有する導電性材料で構成され、活性層103で発生した電子をスムーズに取り出す機能を有する電極である。カソードは、電子取り出し層と隣接する。
カソードの材料は特に限定されないが、例えば、白金、金、銀、銅、鉄、スズ、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム又はマグネシウム等の金属及びその合金;フッ化リチウムやフッ化セシウム等の無機塩;酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化リチウム又は酸化セシウムのような金属酸化物等が挙げられる。これらの材料は低い仕事関数を有する材料であるため、好ましい。カソードについてもアノードと同様に、電子取り出し層としてチタニアのようなn型半導体で導電性を有するものを用いることにより、高い仕事関数を有する材料を用いることもできる。電極保護の観点から、カソードの材料として好ましくは、白金、金、銀、銅、鉄、スズ、アルミニウム、カルシウム若しくはインジウム等の金属、又は酸化インジウムスズ等のこれらの金属を用いた合金である。
アノード及びカソードの材料のシート抵抗等の物性、構成及びその製造方法については、周知技術を参考にすることができ、具体的には、例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを採用できる。
<3−3.活性層103>
活性層103はp型半導体化合物とn型半導体化合物とを含有し、光電変換が行われる層である。具体的には、光電変換素子107が光を受けると、光が活性層103に吸収され、p型半導体材料とn型半導体材料の界面で電気が発生し、発生した電気がアノード及びカソードから取り出される。
活性層103の層構成としては、p型半導体化合物を含有する層とn型半導体化合物を含有する層とが積層された薄膜積層型、又はp型半導体化合物とn型半導体化合物が混合した層を有するバルクヘテロ接合型が挙げられる。なお、バルクヘテロ接合型の活性層は、該混合層の他にp型半導体化合物を含有する層及び/又はn型半導体化合物を含有する層と、がさらに積層された構造であってもよい。なお、高い光電変換効率が期待できるという観点からはバルクヘテロ接合型であることが好ましい。
活性層103は、p型半導体化合物として、少なくとも本発明の一実施形態に係るコポリマーを含有する。活性層103が本発明に係るコポリマーを含有することで、高い変換効率及び高い露光安定性を有する光電変換素子とすることができる。
なお、活性層103は、本発明に係るコポリマー以外にも、本発明に係る効果を損なわない限りにおいて、他のp型半導体化合物を含んでいてもよい。他のp型半導体化合物としては、低分子有機化合物であっても高分子化合物であってもよい。これらのp型半導体化合物として特段の制限はないが、例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを使用することができる。
n型半導体化合物としては、特段の制限はないが、例えば、フラーレン化合物;8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体;ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類;ペリレンジイミド誘導体、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体、ボラン誘導体;アントラセン、ピレン、ナフタセン又はペンタセン等の縮合多環芳香族炭化水素の全フッ化物;単層カーボンナノチューブ、n型ポリマー(n型高分子半導体材料)等が挙げられる。
その中でも、フラーレン化合物、ボラン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体又はn型高分子半導体材料が好ましく、フラーレン化合物、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はn型高分子半導体化合物がより好ましく、フラーレン化合物が特に好ましい。これらの化合物としては、特段の制限はないが、例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを使用することができる。なお、上記のうち一種の化合物を用いてもよいし、複数種の化合物の混合物を用いてもよい。これらの中でも、特に60PCBM、70PCBM又はこれらの混合物を用いることが好ましい。
活性層103の膜厚は特に限定されないが、通常10nm以上、好ましくは50nm以上であり、通常1μm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下である。活性層103の膜厚が10nm以上であることにより、膜の均一性が保たれ、短絡を起こしにくくなるために好ましい。また、活性層103の厚さが1μm以下であれば内部抵抗が小さくなり、さらには一対の電極間が離れすぎることなく、電荷の拡散が良好になるために好ましい。
活性層103の作成方法としては、特段に制限はないが、生産性が向上することから、塗布法により形成することが好ましい。具体的には、本発明に係るコポリマーを含む活性層形成用インクを塗布して活性層103を形成することが好ましい。
塗布法としては、任意の方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
積層型の活性層を形成する場合、少なくともp型半導体化合物として本発明に係るコポリマーを含有する活性層形成用インクと、n型半導体化合物を含有する活性層用インクを用いて、それぞれ塗布法によりp型半導体含有層とn型半導体含有層とを積層して活性層を形成すればよい。一方で、バルクヘテロ型の活性層を形成する場合は、少なくともp型半導体化合物として本発明に係るコポリマーと、n型半導体化合物とを含有する活性層形成用インクを用いて、塗布法によりバルクヘテロ型の活性層を形成すればよい。
上述の活性層形成用インクは、上述の化合物以外に通常、溶媒を含む。溶媒としては、特段の制限はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン若しくはデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン若しくはオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、テトラリン若しくはデカリン等の脂環式炭化水素類;メタノール、エタノール若しくはプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン若しくはプロピオフェノン等の芳香族ケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル若しくは乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン若しくはトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類;又は、ジメチルホルムアミド若しくはジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。
なかでも好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、クロロベンゼン若しくはオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、テトラリン若しくはデカリン等の脂環式炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等のケトン類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン若しくはトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;又は、エチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン等のエーテル類である。より好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン若しくはシクロヘキシルベンゼン等の非ハロゲン芳香族炭化水素類;シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等の非ハロゲン系ケトン類;アセトフェノン若しくはプロピオフェノン等の芳香族ケトン類;テトラヒドロフラン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、テトラリン若しくはデカリン等の脂環式炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等のケトン類;又は、1,4−ジオキサン等の非ハロゲン系脂肪族エーテル類である。特に好ましくは、トルエン、キシレン、メシチレン又はシクロヘキシルベンゼン等の非ハロゲン芳香族炭化水素類である。
溶媒としては1種の溶媒を単独で用いてもよいし、任意の2種以上の溶媒を任意の比率で併用してもよい。2種以上の溶媒を併用する場合、沸点が60℃以上150℃以下である低沸点溶媒と、沸点が180℃以上250℃以下である高沸点溶媒とを組み合わせることが好ましい。低沸点溶媒と高沸点溶媒との組み合わせの例としては、非ハロゲン芳香族炭化水素類と脂環式炭化水素類、非ハロゲン芳香族炭化水素類と芳香族ケトン類、エーテル類と脂環式炭化水素類、エーテル類と芳香族ケトン類、脂肪族ケトン類と脂環式炭化水素類、又は脂肪族ケトン類と芳香族ケトン類、等が挙げられる。好ましい組み合わせの具体例としては、トルエンとテトラリン、キシレンとテトラリン、トルエンとアセトフェノン、キシレンとアセトフェノン、テトラヒドロフランとテトラリン、テトラヒドロフランとアセトフェノン、メチルエチルケトンとテトラリン、メチルエチルケトンとアセトフェノン、等が挙げられる。
なお、活性層形成用インクは上述した化合物以外にも、本発明に係る効果を損なわない限りにおいて、他の添加剤等を含んでいてもよい。
<3−4.下部バッファ層102、上部バッファ層104>
上述の通り、本実施形態に係る光電変換素子は、下部電極101と活性層103との間に下部バッファ層102と、上部電極105と活性層103との間に上部バッファ層104と、を有する。下部バッファ層102及び上部バッファ層104は、それぞれ、活性層103からカソードへの電子取り出し効率又は活性層103からアノードへの正孔取り出し効率を向上させる機能を有する。なお、活性層103からカソードへの電子取り出し効率を向上させる機能を有するバッファ層を電子取り出し層、活性層103からカソードへの電子取り出し効率を向上させる機能を有するバッファ層を正孔取り出し層という。なお、上述の通り、下部バッファ層102及び上部バッファ層104は、必須の構成部材ではなく、有機薄膜太陽電池素子4は、下部バッファ層102及び上部バッファ層104を有していなくてもよい。また、どちらか一方の層のみを有していてもよい。
下部バッファ層102及び上部バッファ層104は、どちらが電子取り出し層でも、正孔取り出し層でもよいが、下部電極101がカソードで、上部電極105がアノードの場合、下部バッファ層102は電子取り出し層であり、上部バッファ層104は正孔取り出し層である。一方、下部電極101がアノードで、上部電極105がカソードの場合、下部バッファ層102は正孔取り出し層であり、上部バッファ層104は電子取り出し層である。
<3−4−1.電子取り出し層>
電子取り出し層の材料は、活性層103からカソードへ電子の取り出し効率を向上させる材料であれば特段の制限はないが、無機化合物又は有機化合物が挙げられる。
無機化合物の例としては、Li、Na、K又はCs等のアルカリ金属の塩;酸化チタン(TiOx)や酸化亜鉛(ZnO)のようなn型半導体酸化物等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の塩としては、LiF、NaF、KF又はCsFのようなフッ化物塩が好ましく、n型半導体酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)が好ましい。このような材料の動作機構は不明であるが、Al等で構成されるカソードと組み合わされた際にカソードの仕事関数を小さくし、太陽電池素子内部に印加される電圧を上げる事が考えられる。
有機化合物の例としては、例えば、トリアリールホスフィンオキシド化合物のようなリン原子と第16族元素との二重結合を有するホスフィン化合物;バソキュプロイン(BCP)又はバソフェナントレン(Bphen)のような、置換基を有してもよく、1位及び10位がヘテロ原子で置き換えられていてもよいフェナントレン化合物;トリアリールホウ素のようなホウ素化合物;(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)のような有機金属酸化物;オキサジアゾール化合物又はベンゾイミダゾール化合物のような、置換基を有していてもよい1又は2の環構造を有する化合物;ナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)又はペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)のような、ジカルボン酸無水物のような縮合ジカルボン酸構造を有する芳香族化合物等が挙げられる。
電子取り出し層の材料の物性、構成及びその製造方法については、周知技術を参考にすることができ、具体的には、例えば、国際公開第2013/180243号、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを採用できる。
<3−4−2.正孔取り出し層>
正孔取り出し層の材料に特に限定は無く、活性層103からアノードへの正孔の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。
具体的には、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミン又はポリアニリン等に、スルホン酸及び/又はヨウ素等がドーピングされた導電性ポリマー、スルホニル基を置換基に有するポリチオフェン誘導体、アリールアミン等の導電性有機化合物、酸化銅、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム又は酸化タングステン等の金属酸化物、ナフィオン、後述のp型半導体等が挙げられる。その中でも好ましくは、スルホン酸をドーピングした導電性ポリマーであり、より好ましくは、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングした(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)である。また、金、インジウム、銀又はパラジウム等の金属等の薄膜も使用することができる。金属等の薄膜は、単独で形成してもよいし、上記の有機材料と組み合わせて用いることもできる。
正孔取り出し層の構成及びその製造方法については、周知技術を参考にすることができ、具体的には、例えば、国際公開第2012/102390号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを採用できる。
<3−5.光電変換素子の製造方法>
図1に示される構成を有する光電変換素子107は、上述した公知文献等に記載の方法により、例えば、基材106上に、下部電極101、下部バッファ層102、活性層103、上部バッファ層104、及び上部電極105を順次積層することにより作製することができる。また、図2に示されるタンデム構造を有する光電変換素子を製造する場合は、基材106上に、下部電極101、下部バッファ層102、第1の活性層108、中間層109、第2の活性層110、上部バッファ層104及び上部電極105を順次積層することにより作製することができる。
下部電極101及び上部電極105を積層した後に、光電変換素子を通常50℃以上、好ましくは80℃以上、一方、通常300℃以下、好ましくは280℃以下、より好ましくは250℃以下の温度範囲において、加熱することが好ましい(この工程をアニーリング処理工程と称する)。
アニーリング処理工程を50℃以上の温度で行うことは、光電変換素子の各層間の密着性、例えば、下部バッファ層102と下部電極101及び/又は下部バッファ層102と活性層103の密着性が向上する効果が得られるため、好ましい。各層間の密着性が向上することにより、光電変換素子の熱安定性や耐久性等が向上し得る。また、アニーリング処理工程により、活性層の自己組織化が促進され得る。アニーリング処理工程の温度を300℃以下にすることは、活性層103内の有機化合物が熱分解する可能性が低くなるため、好ましい。アニーリング処理工程においては、上記の温度範囲内で段階的な加熱を行ってもよい。
加熱する時間としては、通常1分以上、好ましくは3分以上、一方、通常3時間以下、好ましくは1時間以下である。アニーリング処理工程は、太陽電池性能のパラメータである開放電圧、短絡電流及びフィルファクターが一定の値になったところで終了させることが好ましい。また、アニーリング処理工程は、常圧下、かつ不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。
加熱する方法としては、ホットプレート等の熱源に光電変換素子を載せてもよいし、オーブン等の加熱雰囲気中に光電変換素子を入れてもよい。また、加熱はバッチ式で行っても連続方式で行ってもよい。
アニーリング処理工程により光電変換素子の熱安定性や耐久性等が向上し得るものの、アニーリング処理工程中にフラーレン化合物が凝集し、相分離が促進されるために、光電変換効率が低下することがある。しかしながら活性層103は添加剤を含有しているため、添加剤によってアニーリング処理工程中のフラーレン化合物の凝集が抑制される。このように、活性層103に添加剤を含有させることにより、アニーリング処理工程を行った後での光電変換効率がより高い光電変換素子107が得られることができる。
本発明に係る光電変換素子を構成する各層は、特段の制限はなく、シート・ツー・シート(万葉)方式、又はロール・ツー・ロール方式で形成することができるが、下記の理由により、ロール・ツー・ロール方式で形成することが好ましい。
ロール・ツー・ロール方式とは、ロール状に巻かれたフレキシブルな基材を繰り出して、間欠的、或いは連続的に搬送しながら、巻き取りロールにより巻き取られるまでの間に加工を行う方式である。ロール・ツー・ロール方式によれば、kmオーダの長尺基板を一括処理することが可能であるため、シート・ツー・シート方式に比べて量産化に適した生産方式である。
なお、ロール・ツー・ロール方式に用いることのできるロールの大きさは、ロール・ツー・ロール方式の製造装置で扱える限り特に限定されないが、外径は、通常5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは1m以下であり、通常10cm以上、好ましくは20cm以上、より好ましくは30cm以上である。ロール芯の外径は、通常4m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは0.5m以下であり、通常1cm以上、好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上、更に好ましくは10cm以上、特に好ましくは20cm以上である。これらの径が上記上限以下であるとロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であると、以下の各工程で成膜される層が、曲げ応力により破壊される可能性が低くなる点で好ましい。ロールの幅は、通常5cm以上、好ましくは10cm以上、より好ましくは20cm以上であり、通常5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下である。幅が上限以下であるとロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であると光電変換素子の大きさの自由度が高くなるため好ましい。
<3−6.光電変換特性>
光電変換素子107の光電変換特性は次のようにして求めることができる。光電変換素子107にソーラシュミレーターでAM1.5G条件の光を照射強度100mW/cm2で照射して、電流−電圧特性を測定する。得られた電流−電圧曲線から、光電変換効率(PCE)、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、直列抵抗、シャント抵抗といった光電変換特性を求めることができる。
本発明に係る光電変換素子の光電変換効率は、特段の制限はないが、通常1%以上、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2%以上である。一方、上限に特段の制限はなく、高ければ高いほどよい。
また、光電変換素子の耐久性を測定する方法としては、光電変換素子を大気暴露する前後での、光電変換効率の維持率を求める方法が挙げられる。
(維持率)=(大気暴露N時間後の光電変換効率)/(大気暴露直前の光電変換効率)
光電変換素子を実用化するには、製造が簡便かつ安価であること以外に、高い光電変換効率及び高い耐久性を有することが重要である。この観点から、1週間大気暴露する前後での光電変換効率の維持率は、60%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましく、85%以上が特に好ましく、高ければ高いほどよい。
<4.太陽電池>
上述の実施形態に係る光電変換素子は、太陽電池、なかでも薄膜太陽電池の太陽電池素子として使用されることが好ましい。図2は、本発明の一実施形態としての薄膜太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態の薄膜太陽電池14は、耐候性保護フィルム1と、紫外線カットフィルム2と、ガスバリアフィルム3と、ゲッター材フィルム4と、封止材5と、光電変換素子6と、封止材7と、ゲッター材フィルム8と、ガスバリアフィルム9と、バックシート10とをこの順に備える。そして、薄膜太陽電池は、通常、耐候性保護フィルム1が形成された側(図中下方)から光が照射されて、光電変換素子6が発電する。なお、薄膜太陽電池は、これらの構成部材を全て有する必要はなく、各構成部材を任意で選択して設ければよい。
薄膜太陽電池を構成するこれらの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等の公知文献に記載のものを使用することができる。
本発明に係る太陽電池、特に上述した薄膜太陽電池14の用途に特段の制限はなく、任意の用途に用いることができる。例えば、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池等が挙げられる。
本発明に係る太陽電池、特に薄膜太陽電池はそのまま用いてもよいし、例えば基材上に太陽電池を設置して太陽電池モジュールとして用いてもよい。例えば、図3に示すように、基材12上に薄膜太陽電池14を備えた太陽電池モジュール13として、使用場所に設置して用いることができる。基材12については、周知技術を用いることができ、例えば、国際公開第2011/016430号又は日本国特開2012−191194号公報等に記載のものを用いることができる。例えば、基材12として建材用板材を使用する場合、この板材の表面に薄膜太陽電池14を設けることにより、太陽電池モジュール13として太陽電池パネルを作製することができる。
以下に、実施例により本発明の実施形態を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。なお、本実施例に記載の項目は以下の方法によって測定した。
[重量平均分子量及び数平均分子量の測定方法]
ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)より求めた。なお、分子量分布(PDI)は、Mw/Mnを表す。
ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)測定は以下の条件で行った。
カラム:PolymerLaboratories GPC用カラム(PLgel MIXED−B 10μm 内径7.5mm,長さ30cm)2本直列に接続して使用
ポンプ:LC−10AT(島津製作所社製)
オーブン:CTO−10A(島津製作所社製)
検出器:示差屈折率検出器(島津製作所社製,RID−10A)及びUV−vis検出器(島津製作所社製,RID−10A)及びUV−vis検出
器(島津製作所社製,SPD−10A)
サンプル:試料1mgをオルトジクロロベンゼン(200mg)に溶解させた液1μL
移動相:オルトジクロロベンゼン
流速:1.0mL/min
温度:80℃
解析:LC−Solution(島津製作所社製)
<合成例1:コポリマー1の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),350mg,0.826mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジドデシル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T1)(342mg,0.413mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E1)(308mg,0.413mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(28.6mg,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,37.2mg,3mol%)、トルエン(24mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で10時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.036mL)を加えて100℃で5時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(8mL)を加えて100℃で2時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再結晶を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とするコポリマー1を、収率74%で得た。得られたコポリマー1の重量平均分子量Mwは37kであり、PDIは2.1であった。
<合成例2:コポリマー2の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),166mg,0.393mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジノニル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T2)(147mg,0.197mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E1)(146mg,0.197mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(13.6mg,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,17.7mg,3mol%)、トルエン(12mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で10時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.08mL)を加えて100℃で1時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4mL)を加えて100℃で1時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再結晶を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とするコポリマー2を、収率67%で得た。得られたコポリマー2の重量平均分子量Mwは62kであり、PDIは1.8であった。
<合成例3:コポリマー3の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),167mg,0.395mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジドデシル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T1)(197mg,0.237mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E1)(118mg,0.158mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(13.7mg,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,17.8mg,3mol%)、トルエン(12mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で10時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.08mL)を加えて100℃で1時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4mL)を加えて100℃で1時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再結晶を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とするコポリマー3を、収率72%で得た。得られたコポリマー3の重量平均分子量Mwは50Kであり、PDIは2.0であった。
<合成例4:コポリマー4の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),343mg,0.811mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジドデシル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T1)(336mg,0.406mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(302mg,0.406mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(23.4mg,2.5mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,36.5mg,3mol%)、トルエン(24mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で10時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.16mL)を加えて100℃で2時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(8mL)を加えて100℃で5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー4を、収率83%で得た。得られたコポリマー4の重量平均分子量Mwは66Kであり、PDIは2.9であった。
<合成例5:コポリマー5の合成>
[合成例:4,4''−ジドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2''−ターチオフェン(T4)の合成]
窒素雰囲気下、100mL二口ナスフラスコ中に、非特許文献(Angew.Chem.Int.Ed.,2012,51,2068−2071)を参考にして得られた4,4''−ジドデシル−2,2':5',2''−ターチオフェン(化合物T3)(1.20g,2.05mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,40.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.18mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,2.46mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.18mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,2.46mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M、2.18mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,2.46mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、4,4''−ジドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2''−ターチオフェン(化合物T4)を薄黄色固形物として定量的に得た。なお、化合物の同定はプロトンNMRにより行った。
化合物T4:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.13(s,2H),δ7.02(s,2H),δ2.55(t,4H,J=8.0Hz),δ1.62−1.55(m,4H),δ1.40−1.22(m,36H),δ0.88(t,6H,J=7.2Hz),δ0.39(s,18H).
[コポリマー5の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),140mg,0.330mmol)、上述の方法で得られた4,4''−ジドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2''−ターチオフェン(化合物T4)(154mg,0.169mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(126mg,0.169mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(11.7mg,3.00mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,15.2mg,1.83mol%)、トルエン(10.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.50mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー5を、収率82.0%で得た。得られたコポリマー5の重量平均分子量Mwは15.2Kであり、PDIは6.1であった。
<合成例6:コポリマー6の合成>
[合成例:4,3',4''−トリドデシル−2,2':5',2''−ターチオフェン(T7)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、公知文献(Macromolecules,2002,35,6883−6892)を参考にして得られた4−ドデシル−2−トリメチルスタニルチオフェン(化合物T5)(7.14g,17.2mmol)及び2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン(化合物T6)(2.54g,6.20mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg,1.40mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,130mg,0.85mol%)、トルエン(20.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(5.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をヘキサンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(酸性シリカゲル,ヘキサン)を行った。溶液を濃縮することで、目的とする4,3',4''−トリドデシル−2,2':5',2''−ターチオフェン(化合物T7)を、収率45.0%で得た。
化合物T7:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ6.98(d,1H,J=1.2Hz),δ6.96(s,1H),δ6.94(d,1H,J=1.6Hz),δ6.87(d,1H,J=1.6Hz),δ6.78(d,1H,J=1.2Hz),δ2.71(t,2H,J=8.0Hz),δ2.62−2.55(m,4H),δ1.65−1.60(m,6H),δ1.40−1.20(m,54H),δ0.88(t,9H,J=7.2Hz).
[合成例:4,3',4''−トリドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2''−ターチオフェン(T8)の合成]
窒素雰囲気下、100mL二口ナスフラスコ中に、上述の方法で得られた4,3',4''−トリドデシル−2,2':5',2''−ターチオフェン(T7)(2.00g,2.66mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,50.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.82mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.19mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.82mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.19mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M、2.82mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.19mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、4,3',4''−トリドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2''−ターチオフェン(化合物T8)を薄黄色固形物として定量的に得た。
化合物T8:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.11(s,1H),δ7.08(s,1H),δ6.95(s,1H),δ2.72(t,2H,J=8.0Hz),δ2.59−2.53(m,4H),δ1.67−1.56(m,6H),δ1.40−1.20(m,54H),δ0.88(t,9H,J=7.2Hz),δ0.39(s,18H).
[コポリマー6の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),140mg,0.330mmol)、上述の方法で得られた4,3',4''−トリドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2''−ターチオフェン(化合物T8)(182mg,0.169mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(126mg,0.169mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(11.7mg,3.00mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,15.2mg,1.83mol%)、トルエン(10.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(5.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー6を、収率82%で得た。得られたコポリマー6の重量平均分子量Mwは58Kであり、PDIは2.4であった。
<合成例7:コポリマー7の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),138mg,0.33mmol)及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた化合物E1(255mg,0.34mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,23mg,3mol%)、トルエン(5.3mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.3mL)を入れ、90℃で1時間、続いて100℃で10時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して100℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.3mL)を加えて100℃で8時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(1.5mL)を加えて100℃で8時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再結晶を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とするコポリマー7を、収率75%で得た。得られたコポリマー7の重量平均分子量Mwは137Kであり、PDIは3.3であった。
<合成例8:コポリマー8の合成>
[合成例:4,4'''−ジドデシル−2,2':5',2'':5'',2'''−クオーターチオフェン(T9)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、公知文献(Macromolecules,2002,35,6883−6892)を参考にして得られた4−ドデシル−2−トリメチルスタニルチオフェン(化合物T5)(6.00g,13.6mmol)及び5,5'−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(1.76g,5.43mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg,1.40mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,130mg,0.85mol%)、トルエン(24.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(6.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をヘキサンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(酸性シリカゲル,ヘキサン)を行った。溶液を濃縮することで、目的とする4,4'''−ジドデシル−2,2':5',2'':5'',2'''−クオーターチオフェン(化合物T9)を、収率49.0%で得た。
化合物T9:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.05(s,4H),δ7.01(s,2H),δ6.81(s,2H),δ2.58(t,4H,J=8.0Hz),δ1.58−1.68(m,4H),δ1.26−1.40(m,36H),δ0.88(t,6H,J=6.8Hz).
[合成例:4,4'''−ジドデシル−5,5'''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2'':5'',2'''−クオーターチオフェン(T10)の合成]
窒素雰囲気下、300mL二口ナスフラスコ中に、上述の方法で得られた4,4'''−ジドデシル−2,2':5',2'':5'',2'''−クオーターチオフェン(T9)(1.69g,2.53mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,150.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.68mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.03mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.68mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.03mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M、2.68mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.03mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、4,4'''−ジドデシル−5,5'''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2'':5'',2'''−クオーターチオフェン(化合物T10)を薄オレンジ色固形物として定量的に得た。
化合物T10:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.17(s,4H),δ7.13(s,1H),δ6.93(s,1H),δ2.58(t,4H,J=8.0Hz),δ1.58−1.68(m,4H),δ1.26−1.40(m,36H),δ0.88(t,6H,J=6.8Hz),δ0.39(s,18H).
[コポリマー8の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1)(イミドチオフェンジブロミド)(140mg,0.330mmol)、上述の方法で得られた4,4'''−ジドデシル−5,5'''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2':5',2'':5'',2'''−クオーターチオフェン(化合物T10)(100mg,0.101mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(176mg,0.237mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.8mg,2.50mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,12.7mg,1.53mol%)、トルエン(10.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.50mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー8を、収率80%で得た。得られたコポリマー8の重量平均分子量Mwは46Kであり、PDIは2.4であった。
<合成例9:コポリマー9の合成>
[合成例:2,5−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−3,4−エチレンジオキシチオフェン(T11)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、公知文献(Macromolecules,2002,35,6883−6892)を参考にして得られた4−ドデシル−2−トリメチルスタニルチオフェン(化合物T5)(6.00g,13.6mmol)及び2,5−ジブロモ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(1.63g,5.43mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg,1.40mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,130mg,0.85mol%)、トルエン(24.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(6.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をヘキサンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(酸性シリカゲル,ヘキサン)を行った。溶液を濃縮することで、目的とする2,5−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−3,4−エチレンジオキシチオフェン(化合物T11)を、収率52.0%で得た。
化合物T11:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.05(s,2H),δ6.80(s,2H),δ4.38(s,4H),δ2.58(t,4H,J=8.0Hz),δ1.58−1.68(m,4H),δ1.26−1.40(m,36H),δ0.88(t,6H,J=6.8Hz).
[合成例:2,5−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−3,4−エチレンジオキシチオフェン(T12)の合成]
窒素雰囲気下、200mL二口ナスフラスコ中に、上述の方法で得られた2,5−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−3,4−エチレンジオキシチオフェン(T11)(1.68g,2.61mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,100.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.77mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.13mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,2.77mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.13mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M、2.77mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.13mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、2,5−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−3,4−エチレンジオキシチオフェン(化合物T12)を薄オレンジ色固形物として定量的に得た。
化合物T12:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ6.92(s,2H),δ4.38(s,4H),δ2.58(t,4H,J=8.0Hz),δ1.58−1.68(m,4H),δ1.26−1.40(m,36H),δ0.88(t,6H,J=6.8Hz),δ0.39(s,18H).
[コポリマー9の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1)(イミドチオフェンジブロミド)(140mg,0.330mmol)、上述の方法で得られた2,5−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−3,4−エチレンジオキシチオフェン(化合物T12)(33mg,0.034mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E1)(113mg,0.152mmol)、4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(113mg,0.152mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.8mg,2.50mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,12.7mg,1.53mol%)、トルエン(10.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.50mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー9を、収率78%で得た。得られたコポリマー9の重量平均分子量Mwは87Kであり、PDIは2.5であった。
<合成例10:コポリマー10の合成>
[合成例:2,5−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−チエノチオフェン(T13)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、公知文献(Macromolecules,2002,35,6883−6892)を参考にして得られた4−ドデシル−2−トリメチルスタニルチオフェン(化合物T5)(7.73g,18.6mmol)及び2,5−ジブロモチエノ[3,2−b]チオフェン(2.08g,7.00mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg,1.40mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,130mg,0.85mol%)、トルエン(24.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(6.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をヘキサンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(酸性シリカゲル,ヘキサン)を行った。溶液を濃縮することで、目的とする2,5−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−チエノチオフェン(化合物T13)を、収率51.0%で得た。
化合物T13:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.13(s,2H),δ7.05(s,2H),δ7.02(s,2H),δ2.55(t,4H,J=8.0Hz),δ1.62−1.55(m,4H),δ1.40−1.22(m,36H),δ0.88(t,6H,J=7.2Hz).
[合成例:2,5−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−チエノチオフェン(T14)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、上述の方法で得られた2,5−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−チエノチオフェン(T13)(600mg,0.94mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,20.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,1.00mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,1.12mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,1.00mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,1.12mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M、1.00mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,1.12mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、2,5−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−チエノチオフェン(化合物T14)を薄黄色固形物として定量的に得た。
化合物T14:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.17(s,2H),δ7.14(s,2H),δ2.55(t,4H,J=8.0Hz),δ1.62−1.55(m,4H),δ1.40−1.22(m,36H),δ0.88(t,6H,J=7.2Hz),δ0.39(s,18H).
[コポリマー10の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1)(イミドチオフェンジブロミド)(140mg,0.330mmol)、上述の方法で得られた2,5−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−チエノチオフェン(化合物T14)(98mg,0.101mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(176mg,0.237mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.8mg,2.50mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,12.7mg,1.53mol%)、トルエン(10.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.50mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー10を、収率79%で得た。得られたコポリマー10の重量平均分子量Mwは72Kであり、PDIは2.4であった。
<合成例11:コポリマー11の合成>
[合成例:1,4−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−ベンゼン(T15)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、公知文献(Macromolecules,2002,35,6883−6892)を参考にして得られた4−ドデシル−2−トリメチルスタニルチオフェン(化合物T5)(6.00g,13.6mmol)及び1,4−ジブロモベンゼン(1.28g,5.43mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg,1.40mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,130mg,0.85mol%)、トルエン(24.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(6.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をヘキサンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(酸性シリカゲル,ヘキサン)を行った。溶液を濃縮することで、目的とする1,4−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−ベンゼン(化合物T15)を、収率20.0%で得た。
化合物T15:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.15(s,2H),δ7.10(s,2H),δ7.00(s,2H),δ6.95(s,2H),δ2.55(t,4H,J=8.0Hz),δ1.62−1.55(m,4H),δ1.40−1.22(m,36H),δ0.88(t,6H,J=7.2Hz).
[合成例:1,4−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−ベンゼン(T16)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、上述の方法で得られた1,4−ビス(4−ドデシルチオフェン−2−イル)−ベンゼン(T15)(618mg,1.07mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,30.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,1.13mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,1.28mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M,1.13mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,1.28mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。再び−78℃に冷却後、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.13M、1.13mL,1.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,1.28mL,1.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、1,4−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−ベンゼン(化合物T16)を白色固形物として定量的に得た。
化合物T16:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.22(s,2H),δ7.12(s,2H),δ7.07(s,2H),δ2.55(t,4H,J=8.0Hz),δ1.62−1.55(m,4H),δ1.40−1.22(m,36H),δ0.88(t,6H,J=7.2Hz),δ0.39(s,18H).
[コポリマー11の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1)(イミドチオフェンジブロミド)(140mg,0.330mmol)、上述の方法で得られた1,4−ビス(4−ドデシル−5−トリメチルスタニルチオフェン−2−イル)−ベンゼン(化合物T16)(31mg,0.034mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(226mg,0.304mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.8mg,2.50mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,12.7mg,1.53mol%)、トルエン(10.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.50mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー11を、収率78%で得た。得られたコポリマー11の重量平均分子量Mwは54Kであり、PDIは3.2であった。
<合成例12:コポリマー12の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、国際公開2014/042091号に記載の方法を参考にして得られた4,6−ジブロモ−3−フルオロ−2−カルボン酸−(2−エチルヘキシルエステル)−チエノ[3,4−b]チオフェン(化合物F2)(チエノチオフェンジブロミド)(312mg,0.660mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジドデシル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T1)(280mg,0.338mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E1)(252mg,0.338mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(19.6mg,2.50mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,25.5mg,1.53mol%)、トルエン(20.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(5.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー12を、収率78%で得た。得られたコポリマー12の重量平均分子量Mwは83Kであり、PDIは1.7であった。
<合成例13:コポリマー13の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),114mg,0.270mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジドデシル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T1)(114mg,0.135mmol)、及び公知文献(日本国特許5292514号公報)に記載の方法を参考にして得られた化合物E3(137mg,0.135mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.6mg,1.8mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,10.1mg,1.5mol%)、トルエン(8mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.05mL)を、続いてトルエン8mLを加えて110℃でさらに1時間加熱攪拌した後、さらにブロモベンゼン(1.4mL)を加えて110℃で5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー13を、収率82%で得た。得られたコポリマー13の重量平均分子量Mwは108Kであり、PDIは2.6であった。
<合成例14:コポリマー14の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、日本国特開2013−28565号公報に記載の方法を参考にして得られたThieno[3,4−b]thiophene−2−carboxylic acid, 4,6−dibromo−3−fluoro−, 2−ethylhexyl ester(化合物F2(チエノチオフェンジブロミド),79.2mg,0.168mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジドデシル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T1)(71.1mg,0.084mmol)、及び公知文献(Macromolecules,2014,47,2250−2256)を参考にして得られた4,8−Bis(2−Ethylhexyloxy)[benzo1,2−b:4,5−b']dithiophene(化合物E4)(308mg,0.413mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.8mg,2.5mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,6.5mg,2.5mol%)、トルエン(6mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)を入れ、65℃から105℃まで昇温し、続いて115℃で2時間攪拌した。反応液をトルエンで4倍に希釈して115℃でさらに1時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.03mL)を加えて115℃で1時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(0.9mL)を加えて115℃で5時間加熱攪拌して、酢酸エチルを反応溶液を中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて30分室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再結晶を行い、析出した沈殿を濾別することで、目的とするコポリマー14を、収率18%で得た。得られたコポリマー14の重量平均分子量Mwは124kであり、PDIは3.0であった。
<合成例15:コポリマー15の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(2−エチルヘキシル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F3(イミドチオフェンジブロミド),57.1mg,0.135mmol)、公知文献(Polymer, 1990,31,1379−1383)を参考にして得られた4,4'−ジドデシル−5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T1)(114mg,0.135mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.7mg,3.0mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,6.1mg,2.0mol%)、トルエン(4mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)を入れ、95℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.03mL)を、続いてトルエン6mLを加えて110℃でさらに1時間加熱攪拌した後、さらにブロモベンゼン(1mL)を加えて110℃で2時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー15を、収率40%で得た。得られたコポリマー15の重量平均分子量Mwは18Kであり、PDIは1.8であった。
<合成例16:コポリマー16の合成>
[合成例:3,3'−ジドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(T18)の合成]
窒素雰囲気下、100mL二口ナスフラスコ中に、公知文献(Materials Chemistry 2009,19,3490−3499)に記載の方法を参考にして得られた3,3'−ジドデシル−5,5''−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(T17)(3.00g,4.54mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,50.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにノルマルブチルリチウム(nBuLi)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.60M,6.24mL,2.2eq)を滴下し、約1時間攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,9.99mL,2.2eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、3,3'−ジドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T18)を薄黄色液状物として定量的に得た。
化合物T18:1H−NMR(400MHz,溶媒:重クロロホルム):δ7.02(s,2H),δ2.51(t,4H,J=8.0Hz),δ1.62−1.50(m,4H),δ1.40−1.22(m,36H),δ0.88(t,6H,J=7.2Hz),δ0.37(s,18H).
[コポリマー16の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1)(イミドチオフェンジブロミド)(122mg,0.288mmol)、上述の方法で得られた3,3'−ジドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T18)(122mg,0.147mmol)、及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ジオクチル−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E2)(109mg,0.147mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10.2mg,3.00mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,13.3mg,1.83mol%)、トルエン(8.00mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.00mL)を入れ、100℃で1時間、続いて110℃で5時間攪拌した。反応液をトルエンで2倍に希釈して110℃でさらに0.5時間加熱攪拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.20mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(4.00mL)を加えて110℃で2.0時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮することで、目的とするコポリマー16を、収率82.0%で得た。得られたコポリマー16の重量平均分子量Mwは49.0Kであり、PDIは2.2であった。
<合成例17:コポリマー17の合成>
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),142.2mg,0.336mmol)、5,5'−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T19)(Aldrich社製,83.5mg,0.168mmol)、国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスズ)−ジチエノ[3,2−b:2',3'−d]シロール(化合物E1)(127.6mg,0.168mmol)を入れ、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.7mg,2.5mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,12.7mg,2.5mol%)、トルエン(10mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)を入れ、85℃から105℃まで昇温し、攪拌した。系中で有機溶媒に不溶な固体が析出した。これを濾過し、クロロホルムで洗浄することによりコポリマー17を得た。溶解度が低い為に、分子量を測定することはできなかった。
<合成例18:コポリマー18の合成>
[合成例:3−ドデシル−2,2'−ビチオフェン(T20)の合成]
50mL二口ナスフラスコ中に、2−ブロモ−3−ドデシルチオフェン(1.65g,5.0mmol)、2−トリブチルスタニルチオフェン(2.8g,7.5mmol)を入れ、窒素置換を3回おこなった。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(173mg,3mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,50mg,1mol%)、トルエン(8mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)を入れ、110℃で5時間攪拌した。室温まで冷却した後、セライト濾過により固形物を除去し、ヘキサンと水を加えた。水相をヘキサンで抽出後、有機層を水、食塩水でそれぞれ一回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより3−ドデシル−2,2'−ビチオフェン(化合物T20)を透明液体として収率66%で得た。
[合成例:3−ドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(T21)の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコ中に、上述の方法で得られた3−ドデシル−2,2'−ビチオフェン(T20)(1.11g,3.32mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,15.0mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(TIC社製,1.0M,3.3mL,1.0eq)を滴下した。続いて、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.3M,2.5mL,1.0eq)を滴下し、30分攪拌した。この操作を3回繰り返し、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、3−ドデシル−5,5''−ビス(トリメチルスタニル)−2,2'−ビチオフェン(化合物T21)を透明液体として定量的に得た。
[コポリマー18の合成]
窒素雰囲気下、50mL二口ナスフラスコに、モノマーとして、公知文献(Organic Letters 2004,6,3381−3384)に記載の方法を参考にして得られた1,3−ジブロモ−5−(n−オクチル)−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物F1(イミドチオフェンジブロミド),142.1mg,0.336mmol)及び国際公開2013/180243号に記載の方法を参考にして得られた化合物E1(127.6mg,0.168mmol)、化合物T21(113.2mg,0.168mmol)を加えて窒素置換を3回おこなった。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.6mg,2.5mol%)、トリフェニルホスフィン含有不均一系パラジウム錯体触媒Pd−EnCatTPP30(Aldrich社製,12.7mg,1.5mol%)、トルエン(10mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)を入れ65℃から100℃まで昇温し、1時間撹拌した。さらに105℃で20分撹拌した後、トルエン(10mL)、トリメチル(フェニル)スズ(0.06mL)を加えて105℃でさらに1時間加熱攪拌した。ブロモベンゼン(1mL)を加えて105℃で82時間加熱攪拌して、反応溶液を室温まで冷却した。せライト2.5gとクロロホルム10mLを加え、セライト濾過した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて30分室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、目的とするコポリマー18を、収率14%で得た。得られたコポリマー17の重量平均分子量Mwは60Kであり、PDIは2.6であった。
<実施例1:光電変換素子1の作製>
p型半導体化合物として合成例1で得られたコポリマー1、及びn型半導体化合物としてフラーレン化合物であるPC61BM(フェニルC61酪酸メチルエステル)とPC71BM(フェニルC71酪酸メチルエステル)との混合物(フロンティアカーボン社,nanom spectra E123)を2.4質量%の濃度となるように窒素雰囲気中でo−キシレンとテトラリンとの混合溶媒(体積比9:1)に溶解させた。なお、p型半導体化合物とn型半導体化合物の質量比は、p型半導体化合物:n型半導体化合物=1:2とした。この溶液をホットスターラー上で80℃の温度にて1時間攪拌混合した。攪拌混合後の溶液を1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過することにより、活性層塗布用インクを得た。
インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜がパターニングされたガラス基板(ジオマテック社製)を、アセトンによる超音波洗浄、ついでイソプロパノールによる超音波洗浄の後、窒素ブローでの乾燥およびUV―オゾン処理を行った。
次に、酢酸亜鉛(II)二水和物(和光純薬社)を濃度105mg/mLになるように2−メトキシエタノール(Aldrich社)とエタノールアミン(Aldrich社)の混合溶媒(体積比100:3)に溶解した溶液(約0.1mL)を3000rpmの速度にてスピンコートし、UV―オゾン処理した後、200℃のオーブンで15分間加熱することで、電子取り出し層を形成した。
電子取り出し層を成膜した基板をグローブボックスに持ち込み、窒素雰囲気下150℃で3分間加熱処理し、冷却後に上述の通り作製した活性層塗布用インク(0.12mL)をスピンコートすることにより約200nmの膜厚の活性層を形成した。その後、ホットプレート上にて140℃で10分間加熱した。
活性層を成膜した基板をグローブボックスから取り出し、遮光下、大気中(25℃、湿度1%以下)に3時間静置した後、グローブボックス中に再度持ち込んだ。
さらに、活性層上に、正孔取り出し層として厚さ1.5nmの三酸化モリブデン(MoO3)膜を形成し、その後、上部電極として厚さ100nmの銀膜を、抵抗加熱型真空蒸着法により順次成膜して、5mm角の光電変換素子を作製した。このように作製した光電変換素子1を、上述のように電流−電圧特性を測定することにより評価し、活性層が露光されていない場合の光電変換効率(PCE)を求めた。
また、活性層まで成膜した基板をグローブボックスから取り出した後、蛍光灯の照射下、大気中(25℃、湿度1%以下)に3時間静置した以外は、上記と同様に正孔取り出し層及び上部電極を形成し、光電変換素子を作製した。このようにして得られた光電変換素子の変換効率を、活性層が露光された場合の光電変換素子1の光電変換効率(PCE)として値を求めた。なお、活性層が露光されていない場合の光電変換効率(PCE)に対する活性層が露光された場合の光電変換効率(PCE)の割合を露光時のPCE維持率(%)とした。得られた結果を表1に示す。
<実施例2:光電変換素子2の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例2で得られたコポリマー2を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子2を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例3:光電変換素子3の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例3で得られたコポリマー3を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子3を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例4:光電変換素子4の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例4で得られたコポリマー4を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子4を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例5:光電変換素子5の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例5で得られたコポリマー5を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子5を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例6:光電変換素子6の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例6で得られたコポリマー6を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子6を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<比較例1:光電変換素子7の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例7で得られたコポリマー7を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子7を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例7:光電変換素子8の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例8で得られたコポリマー8を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子8を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例8:光電変換素子9の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例9で得られたコポリマー9を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子9を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例9:光電変換素子10の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例10で得られたコポリマー10を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子10を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例10:光電変換素子11の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例11で得られたコポリマー11を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子11を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例11:光電変換素子12の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例12で得られたコポリマー12を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子12を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例12:光電変換素子13の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例13で得られたコポリマー13を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子13を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<実施例13:光電変換素子14の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例14で得られたコポリマー14を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子14を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<比較例2:光電変換素子15の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例15で得られたコポリマー15を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子15を作製した。しかしながら、コポリマー15は溶解性が低く、均一な膜を形成することはできず、結果的に光電変換素子として機能しなかった。
<参考例1:光電変換素子16の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例16で得られたコポリマー16を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子16を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
<比較例3:光電変換素子17の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例17で得られたコポリマー17を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子17を作製した。しかしながら、コポリマー17は溶解性が低く、均一な膜を形成することはできず、結果的に光電変換素子として機能しなかった。
<参考例2:光電変換素子18の作製>
合成例1で得られたコポリマー1の代わりに、合成例18で得られたコポリマー18を用いた以外は実施例1と同様の方法で光電変換素子18を作製し、光電変換効率(PCE)を求めた。得られた結果を表1に示す。
実施例1〜13では、活性層を露光した場合と露光しなかった場合とで、変換効率の差はほとんど見られなかった。すなわち、露光前後の維持率が81%〜107%と高い値を示した。一方、式(I)の部分構造のみを有するコポリマー7を用いた比較例1においては、活性層を露光すると、活性層を露光しなかった場合と比較して、変換効率が大幅に低下していることが分かる。また、本発明とは異なる位置に置換基を有するチオフェン環を含む参考例1に係るコポリマーは活性層を露光すると、活性層を露光しなかった場合と比較して、変換効率が大幅に低下していることが分かる。同様に、本発明のように特定の位置に置換基を導入したチオフェン環を有さず、チオフェン環の1つのみが置換基を有する参考例2に係るコポリマーも、活性層を露光すると、活性層を露光しなかった場合と比較して、変換効率が大幅に低下していることが分かる。また、式(II)の部分構造のみを有する比較例2に係るコポリマーは、溶解性が低く均一な膜を形成することができず、光電変換素子として機能しなかった。同様に、本発明のように特定の位置に置換基を導入したチオフェン環を有さない比較例3に係るコポリマーも、溶解性が低く均一な膜を形成することができず、光電変換素子として機能しなかった。以上から、式(I)と式(II)の部分構造を共に有する本願発明に係るコポリマーを用いることにより、露光耐性に優れた光電変換素子を提供することができることが分かる。
また、本発明の一実施形態に係るコポリマーは露光安定性が高いために、光電変換素子の製造プロセス中に、活性層が光に晒されても、得られる光電変換素子の変換効率が低下するのを防ぐことができる。
101 下部電極
102 下部バッファ層
103 活性層
104 上部バッファ層
105 上部電極
106 基材
107 光電変換素子
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子
10 バックシート
12 基材
13 太陽電池ユニット
14 薄膜太陽電池

Claims (8)

  1. 下記式(I)で表される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位と、を有するコポリマー。
    (式(I)中、Dはドナー性のモノマー単位を表し、A1はアクセプター性モノマー単位を表す。式(II)中、A2は、アクセプター性モノマー単位を表し、Lは直接結合又は2価の連結基を表し、R1及びR2は、それぞれ独立して1価の有機基を表す。前記式(I)で表される繰り返し単位と前記式(II)で表される繰り返し単位は互いに同じ繰り返し単位ではない。)
  2. 前記式(I)中、Dは、下記式(III)で表される構成単位又は下記式(XI)で表される構成単位であることを特徴とする請求項1に記載のコポリマー。
    (式(III)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香環を表す。X1は、Q1(R3)(R4)又はQ3(R10)を表し、Q1は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素原子又は1価の有機基を表す。Q3は、周期表第15族元素から選ばれる原子を表し、R10は、水素原子又は1価の有機基を表す。X2は、直接結合、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、N(R5)、又はQ2(R6)(R7)を表し、Q2は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R5〜R7はそれぞれ水素原子又は1価の有機基を表す。)
    (式(XI)中、Ar3及びAr4はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい芳香環を表し、X3及びX4はそれぞれ独立して、Q4(R11)を表す。Q4は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R11は水素原子又は1価の有機基を表す。)
  3. 前記式(I)及び前記式(II)中、A1及びA2は、それぞれ下記式(XIV)で表される構成単位又は下記式(XV)で表される構成単位であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコポリマー。
    (式(XIV)中、Ar5は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を表し、X5は、周期表第16族元素から選ばれる原子を表す。)
    (式(XV)中、Ar6は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、置換基を有していてもよい脂肪族複素環又は置換基を有していてもよい芳香族複素環を表し、X6及びX7はそれぞれ独立して、窒素原子(N)又はQ5(R12)を表す。Q5は、周期表第14族元素から選ばれる原子を表し、R12は水素原子又は1価の有機基を表す。)
  4. 前記式(I)中のA1と前記式(II)中のA2は同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコポリマー。
  5. 前記式(II)中、Lは直接結合、置換基を有していてもよい、2価の単環式の芳香族複素環基、及び置換基を有していてもよい、単環式の芳香族複素環基が連結した2価の多環式の芳香族複素環基からなる群より選ばれた1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコポリマー。
  6. 基材上に、少なくとも一対の電極と、該一対の電極間に活性層と、を有する光電変換素子であって、前記活性層が請求項1〜5のいずれか1項に記載のコポリマーを含有することを特徴とする光電変換素子。
  7. 請求項6に記載の光電変換素子を有する太陽電池。
  8. 請求項7に記載の太陽電池を有する太陽電池モジュール。
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