<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図21によって説明する。本実施形態では、液晶表示装置10について例示する。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下方向については、図3から図5を基準とし、且つ同図上側を表側とするとともに同図下側を裏側とする。
液晶表示装置10は、図1に示すように、全体として平面に視て長方形状をなしており、基幹部品である液晶表示ユニットLDUにタッチパネル14、カバーパネル(保護パネル、カバーガラス)15、及びケーシング16などの部品を組み付けてなるものとされる。液晶表示ユニットLDUは、表側に画像を表示する表示面DSを有する液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11の裏側に配されて液晶パネル11に向けて光を照射するバックライト装置(照明装置)12と、液晶パネル11を表側、つまりバックライト装置12側とは反対側(表示面DS側)から押さえるフレーム(筐体部材)13とを有してなる。タッチパネル14及びカバーパネル15は、共に液晶表示ユニットLDUを構成するフレーム13内に表側から収容されるとともに、外周部分(外周端部を含む)がフレーム13によって裏側から受けられている。タッチパネル14は、液晶パネル11に対して表側に所定の間隔を空けた位置に配されるとともに、裏側(内側)の板面が表示面DSと対向状をなす対向面とされている。カバーパネル15は、タッチパネル14に対して表側に重なる形で配されるとともに、裏側(内側)の板面がタッチパネル14の表側の板面と対向状をなす対向面とされている。なお、タッチパネル14とカバーパネル15との間には、反射防止フィルムARが介設されている(図5を参照)。ケーシング16は、液晶表示ユニットLDUを裏側から覆う形でフレーム13に組み付けられている。液晶表示装置10の構成部品のうち、フレーム13の一部(後述する環状部13b)、カバーパネル15及びケーシング16が液晶表示装置10の外観を構成している。本実施形態に係る液晶表示装置10は、例えばスマートフォンなどの電子機器に用いられるものであり、その画面サイズは、例えば5インチ程度とされている。
まず、液晶表示ユニットLDUを構成する液晶パネル11について詳しく説明する。液晶パネル11は、図3及び図4に示すように、平面に視て長方形状をなすとともにほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製の一対の基板11a,11bと、両基板11a,11b間に介在し、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層(図示せず)とを備え、両基板11a,11bが液晶層の厚さ分のギャップを維持した状態で図示しないシール材によって貼り合わせられている。この液晶パネル11は、画像が表示される表示領域(後述する板面遮光層32により囲まれた中央部分)と、表示領域を取り囲む額縁状をなすとともに画像が表示されない非表示領域(後述する板面遮光層32と重畳する外周部分)とを有している。なお、液晶パネル11における長辺方向がX軸方向と一致し、短辺方向がY軸方向と一致し、さらに厚さ方向がZ軸方向と一致している。
両基板11a,11bのうち表側(正面側)がCF基板11aとされ、裏側(背面側)がアレイ基板11bとされる。アレイ基板11bにおける内面側(液晶層側、CF基板11aとの対向面側)には、スイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)及び画素電極が多数個並んで設けられるとともに、これらTFT及び画素電極の周りには、格子状をなすゲート配線及びソース配線が取り囲むようにして配設されている。各配線には、図示しない制御回路から所定の画像信号が供給されるようになっている。ゲート配線及びソース配線により囲まれた方形の領域に配された画素電極は、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)或いはZnO(Zinc Oxide:酸化亜鉛)といった透明電極からなる。
一方、CF基板11aには、各画素に対応した位置に多数個のカラーフィルタが並んで設けられている。カラーフィルタは、R,G,Bの三色が交互に並ぶ配置とされる。各カラーフィルタ間には、混色を防ぐための遮光層(ブラックマトリクス)が形成されている。カラーフィルタ及び遮光層の表面には、アレイ基板11b側の画素電極と対向する対向電極が設けられている。このCF基板11aは、アレイ基板11bよりも一回り小さい大きさとされる。また、両基板11a,11bの内面側には、液晶層に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜がそれぞれ形成されている。なお、両基板11a,11bの外面側には、それぞれ偏光板11c,11dが貼り付けられている(図5を参照)。
続いて、液晶表示ユニットLDUを構成するバックライト装置12について詳しく説明する。バックライト装置12は、図1に示すように、全体として液晶パネル11と同様に平面に視て長方形の略ブロック状をなしている。バックライト装置12は、図2から図4に示すように、光源であるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)17と、LED17が実装されたLED基板(光源基板)18と、LED17からの光を導光する導光板19と、導光板19からの光を反射する反射シート(反射部材)40と、導光板19上に積層配置される光学シート(出光側異方性集光部、光学部材)20と、導光板19を表側から押さえる遮光フレーム21と、LED基板18、導光板19、光学シート20及び遮光フレーム21を収容するシャーシ22と、シャーシ22の外面に接する形で取り付けられる放熱部材23と、を備える。このバックライト装置12は、その外周部分のうち短辺側の一端部にLED17(LED基板18)が偏在する形で配された、片側入光方式のエッジライト型(サイドライト型)とされる。
LED17は、図2,図3及び図5に示すように、LED基板18に固着される基板部上にLEDチップを樹脂材により封止した構成とされる。基板部に実装されるLEDチップは、主発光波長が1種類とされ、具体的には、青色を単色発光するものが用いられている。その一方、LEDチップを封止する樹脂材には、LEDチップから発せられた青色の光により励起されて所定の色を発光する蛍光体が分散配合されており、全体として概ね白色光を発するものとされる。なお、蛍光体としては、例えば黄色光を発光する黄色蛍光体、緑色光を発光する緑色蛍光体、及び赤色光を発光する赤色蛍光体の中から適宜組み合わせて用いたり、またはいずれか1つを単独で用いることができる。このLED17は、LED基板18に対する実装面とは反対側の面が発光面17aとなる、いわゆる頂面発光型とされている。
LED基板18は、図2,図3及び図5に示すように、Y軸方向(導光板19及びシャーシ22の短辺方向)に沿って延在する、長手の板状をなしており、その板面をY軸方向及びZ軸方向に並行させた姿勢、すなわち液晶パネル11及び導光板19の板面と直交させた姿勢でシャーシ22内に収容されている。つまり、このLED基板18は、板面における長辺方向がY軸方向と、短辺方向がZ軸方向とそれぞれ一致し、さらには板面と直交する板厚方向がX軸方向と一致した姿勢とされる。LED基板18は、その内側を向いた板面(実装面18a)が導光板19における一方の短辺側の端面(光入射面19b、光源対向端面)に対してX軸方向について所定の間隔を空けつつ対向状に配されている。従って、LED17及びLED基板18と導光板19との並び方向は、X軸方向とほぼ一致している。このLED基板18は、その長さ寸法が導光板19の短辺寸法とほぼ同じ程度かそれよりも大きなものとされており、後述するシャーシ22における短辺側の一端部に取り付けられている。
LED基板18のうち内側、つまり導光板19側を向いた板面(導光板19との対向面)には、図5に示すように、上記した構成のLED17が表面実装されており、ここが実装面18aとされる。LED17は、LED基板18の実装面18aにおいて、その長さ方向(Y軸方向)に沿って複数が所定の間隔を空けつつ一列に(直線的に)並んで配置されている。つまり、LED17は、バックライト装置12における短辺側の一端部において短辺方向に沿って複数ずつ間欠的に並んで配置されていると言える。隣り合うLED17間の配列間隔(配列ピッチ)は、ほぼ等しいものとされる。また、LED基板18の実装面18aには、Y軸方向に沿って延在するとともにLED17群を横切って隣り合うLED17同士を直列接続する、金属膜(銅箔など)からなる配線パターン(図示せず)が形成されており、この配線パターンの両端部に形成された端子部が外部のLED駆動回路に接続されることで、駆動電力を各LED17に供給することが可能とされる。また、LED基板18の基材は、シャーシ22と同様に金属製とされ、その表面に絶縁層を介して既述した配線パターン(図示せず)が形成されている。なお、LED基板18の基材に用いる材料としては、セラミックなどの絶縁材料を用いることも可能である。
導光板19は、屈折率が空気よりも十分に高く且つほぼ透明で透光性に優れた合成樹脂材料(例えばPMMAなどのアクリル樹脂など)からなる。導光板19は、図2及び図6に示すように、液晶パネル11と同様に平面に視て概ね長方形状をなす平板状とされており、その板面が液晶パネル11の板面(表示面DS)に並行している。導光板19は、その板面における長辺方向がX軸方向と、短辺方向がY軸方向とそれぞれ一致し、且つ板面と直交する板厚方向がZ軸方向と一致している。導光板19は、図3及び図4に示すように、シャーシ22内において液晶パネル11及び光学シート20の直下位置に配されており、その外周端面のうちの一方の短辺側の端面がシャーシ22における短辺側の一端部に配されたLED基板18の各LED17とそれぞれ対向状をなしている。従って、LED17(LED基板18)と導光板19との並び方向がX軸方向と一致するのに対して、光学シート20(液晶パネル11)と導光板19との並び方向(重なり方向)がZ軸方向と一致しており、両並び方向が互いに直交するものとされる。そして、導光板19は、LED17からX軸方向(LED17と導光板19との並び方向)に沿って導光板19へ向けて発せられた光を短辺側の端面から導入するとともに、その光を内部で伝播させつつ光学シート20側(表側、光出射側)へ向くよう立ち上げて板面から出射させる機能を有する。
平板状をなす導光板19の板面のうち、表側(出光側)を向いた板面(液晶パネル11や光学シート20との対向面)は、図3及び図4に示すように、内部の光を光学シート20及び液晶パネル11側に向けて出射させる光出射面19aとなっている。導光板19における板面に対して隣り合う外周端面のうち、Y軸方向(LED17の並び方向、LED基板18の長辺方向)に沿って長手状をなす一対の短辺側の端面のうちの一方(図3に示す左側)の端面は、図5に示すように、LED17(LED基板18)と所定の空間を空けて対向状をなしており、これがLED17から発せられた光が入射される光入射面19b、言い換えるとLED17と対向するLED対向端面(光源対向端面)となっている。光入射面19bは、Y軸方向及びZ軸方向に沿って並行する面とされ、光出射面19aに対して略直交する面とされる。また、LED17と光入射面19b(導光板19)との並び方向は、X軸方向と一致しており、光出射面19aに並行している。導光板19の外周端面における一対の短辺側の端面のうち、上記した光入射面19bとは反対側の他方の端面(光入射面19bと対辺をなす端面)は、反対端面(非入光反対面)19dとされるのに対し、光入射面19b及び反対端面19dの双方に対して隣り合う一対の長辺側の端面(対辺をなすとともに光入射面19bを含まない一対の端面)は、それぞれ側端面19eとされる。一対の側端面19eは、X軸方向(LED17と導光板19との並び方向)及びZ軸方向に沿って並行する面とされる。導光板19の外周端面のうち、光入射面19bを除いた3つの端面、つまり反対端面19d及び一対の側端面19eは、図3及び図4に示すように、それぞれLED17とは対向しないLED非対向端面(光源非対向端面)とされる。導光板19の外周端面である光入射面19bに対してLED17から導光板19内に入射された光は、次述する反射シート40にて反射されたり、光出射面19a、反対板面19c、及び他の外周端面(反対端面19d及び各側端面19e)にて全反射されることで導光板19内を効率的に伝播されるようになっている。導光板19の材料をPMMAなどのアクリル樹脂とした場合には、屈折率が1.49程度なので、臨界角は例えば42°程度となる。なお、以下では、導光板19の外周端面のうち、対辺をなすとともに光入射面19bを含まない一対の端面(長辺側の端面、側端面19e)に沿う方向(X軸方向)を「第1方向」とし、対辺をなすとともに光入射面19bを含む一対の端面(短辺側の端面、光入射面19b及び反対端面19d)に沿う方向(Y軸方向)を「第2方向」とし、さらには導光板19の板面の法線方向(第1方向及び第2方向の双方に対して直交する方向)を「第3方向」とする。
導光板19の板面のうち、裏側(光出射側とは反対側)を向いた板面(反射シート40やシャーシ22の底板22aとの対向面)、言い換えると光出射面19aとは反対側の板面は、図3及び図4に示すように、反対板面19cとされる。この反対板面19cには、導光板19からの光を反射して表側、つまり光出射面19a側へ立ち上げることが可能な反射シート40がそのほぼ全域を覆う形で設けられている。言い換えると、反射シート40は、シャーシ22の底板22aと導光板19との間に挟まれた形で配されている。反射シート40は、導光板19における反対板面19cと対向するとともに光を反射させる反射面(反射鏡面)40aを有している。反射シート40は、反射面40aが銀色を呈するとともに光を鏡面反射させることができるものとされており、例えば合成樹脂製のフィルム基材の表面に、金属薄膜(例えば銀薄膜)を蒸着させてなるものとされる。この反射シート40のうち、導光板19における光入射面19b側の端部は、図5に示すように、光入射面19bよりも外側、つまりLED17側に向けて延出されており、この延出部分によってLED17からの光を反射することで、光入射面19bへの光の入射効率を向上させることができる。
導光板19における反対板面19cには、図3及び図7に示すように、導光板19内を伝播する光を反射して光出射面19aからの出射を促すための出光反射部41が設けられている。出光反射部41は、導光板19に一体に設けられており、そのためには、例えば導光板19を射出成形によって製造し、その成形金型のうち反対板面19cを成形するための成形面に予め出光反射部41を転写するための転写形状を形成しておけばよい。出光反射部41は、図9に示すように、第2方向(Y軸方向)に沿って延在するとともに断面形状が略三角形(略V字型)をなす溝状の単位反射部(単位出光反射部)41aを、第1方向(X軸方向)に沿って間隔を空けて複数並んで配置(間欠配置)してなるものとされる。単位反射部41aは、第1方向についてLED17側(光入射面19b側)に配される主反射面41a1と、第1方向についてLED17側とは反対側(反対端面19d側)に配される再入射面41a2と、有している。主反射面41a1は、第1方向についてLED17側とは反対側(反対端面19d側)に向かうに従って次第に光出射面19aに近づく(反対板面19cから遠ざかる)よう上り勾配となる傾斜面とされる。再入射面41a2は、第1方向についてLED17側とは反対側に向かうに従って次第に光出射面19aから遠ざかる(反対板面19cに近づく)よう下り勾配となる傾斜面とされる。主反射面41a1は、光出射面19aや反対板面19cに対してなす傾斜角度θs1が、例えば40°〜50°の範囲とされるのが好ましく、図9には45°程度としたものを図示している。再入射面41a2は、光出射面19aや反対板面19cに対してなす傾斜角度θs2が、例えば70°〜85°の範囲とされるのが好ましく、図9には80°程度としたものを図示している。つまり、主反射面41a1の上記傾斜角度θs1は、再入射面41a2の上記傾斜角度θs2よりも小さいものとされる。そして、この単位反射部41aは、第1方向について光入射面19b側に配された主反射面41a1にて光を反射させることで、光出射面19aに対する入射角が臨界角を超えない光を生じさせて光出射面19aからの出射を促すことが可能とされている。これに対し、単位反射部41aに有される再入射面41a2は、主反射面41a1に対する入射角が臨界角を超えない光が主反射面41a1を透過したとき、当該透過光を導光板19内に再入射させることが可能とされる。第1方向に沿って並んだ複数の単位反射部41aは、第1方向について光入射面19b(LED17)から遠ざかるほどその高さ寸法(第3方向についての寸法)が次第に大きくなるとともに主反射面41a1及び再入射面41a2の面積(表面積)が次第に大きくなるよう配置されている。これにより、光出射面19aからの出射光が光出射面19aの面内において均一な分布となるよう制御されている。なお、単位反射部41aは、第1方向についての配列間隔(配列ピッチ)が、LED17からの距離に拘わらずほぼ一定となるよう配されている。
光学シート20は、図2から図4に示すように、液晶パネル11及びシャーシ22と同様に平面に視て長方形状をなしている。光学シート20は、導光板19の光出射面19aに対して表側(出光側)に重なる形で配されている。つまり、光学シート20は、液晶パネル11と導光板19との間に介在して配されることで、導光板19からの出射光を透過するとともにその透過光に所定の光学作用を付与しつつ液晶パネル11に向けて出射させる。なお、光学シート20に関しては後に詳しく説明する。
遮光フレーム21は、図3及び図4に示すように、導光板19の外周部分(外周端部)に倣う形で延在する略枠状(額縁状)に形成されており、導光板19の外周部分をほぼ全周にわたって表側から押さえることが可能とされる。この遮光フレーム21は、合成樹脂製とされるとともに、表面が例えば黒色を呈する形態とされることで、遮光性を有するものとされる。遮光フレーム21は、その内端部21aが導光板19の外周部分及びLED17と、液晶パネル11及び光学シート20の各外周部分(外周端部)との間に全周にわたって介在する形で配されており、これらが光学的に独立するように仕切っている。これにより、LED17から発せられて導光板19の光入射面19bに入光しない光や反対端面19d及び側端面19eから漏れ出した光が、液晶パネル11及び光学シート20の各外周部分(特に端面)に直接入光するのを遮光することができるものとされる。また、遮光フレーム21のうち、LED17及びLED基板18とは平面に視て重畳しない3つの各辺部(一対の長辺部とLED基板18側とは反対側の短辺部)については、シャーシ22の底板22aから立ち上がる部分と、フレーム13を裏側から支持する部分とを有しているのに対し、LED17及びLED基板18と平面に視て重畳する短辺部については、導光板19の端部及びLED基板18(LED17)を表側から覆うとともに一対の長辺部間を架橋する形で形成されている。また、この遮光フレーム21は、次述するシャーシ22に対して図示しないネジ部材などの固定手段によって固定されている。
シャーシ22は、例えばアルミニウム板や電気亜鉛めっき綱板(SECC)などの熱伝導率に優れた金属板からなり、図3及び図4に示すように、液晶パネル11と同様に平面に視て長方形状をなす底板22aと、底板22aにおける各辺(一対の長辺及び一対の短辺)の外端からそれぞれ表側に向けて立ち上がる側板22bとからなる。シャーシ22(底板22a)は、その長辺方向がX軸方向と一致し、短辺方向がY軸方向と一致している。底板22aは、その大部分が導光板19を裏側(光出射面19a側とは反対側)から支持する導光板支持部22a1とされるのに対し、LED基板18側の端部が段付き状に裏側に膨出する基板収容部22a2とされる。この基板収容部22a2は、図5に示すように、断面形状が略L字型をなしており、導光板支持部22a1の端部から屈曲されて裏側に向けて立ち上がる立ち上がり部38と、立ち上がり部38の立ち上がり先端部から屈曲されて導光板支持部22a1側とは反対側に向けて突出する収容底部39とからなる。この立ち上がり部38における導光板支持部22a1の端部からの屈曲位置は、導光板19の光入射面19bよりもLED17側とは反対側(導光板支持部22a1の中央寄り)に位置している。収容底部39における突出先端部からは、長辺側の側板22bが表側に立ち上がるよう屈曲形成されている。そして、この基板収容部22a2に連なる短辺側の側板22bには、LED基板18が取り付けられており、この側板22bが基板取付部37を構成している。基板取付部37は、導光板19の光入射面19bと対向状をなす対向面を有しており、この対向面にLED基板18が取り付けられている。LED基板18は、LED17が実装された実装面18aとは反対側の板面が、基板取付部37における内側の板面に対して両面テープなどの基板固着部材25を介して接する形で固着されている。取り付けられたLED基板18は、基板収容部22a2をなす収容底部39の内側の板面との間に僅かながらも隙間を有している。また、シャーシ22の底板22aにおける裏側の板面には、液晶パネル11の駆動を制御するための液晶パネル駆動回路基板(図示せず)、LED17に駆動電力を供給するLED駆動回路基板(図示せず)、タッチパネル14の駆動を制御するためのタッチパネル駆動回路基板(図示せず)などが取り付けられている。
放熱部材23は、アルミニウム板などの熱伝導性に優れた金属板からなり、図3に示すように、シャーシ22における短辺側の一端部、詳しくはLED基板18を収容する基板収容部22a2に沿って延在する形態とされる。放熱部材23は、図5に示すように、断面形状が略L字型をなしており、基板収容部22a2の外面に並行し且つその外面に接する第1放熱部23aと、基板収容部22a2に連なる側板22b(基板取付部37)の外面に並行する第2放熱部23bとからなる。第1放熱部23aは、Y軸方向に沿って延在する細長い平板状をなしており、X軸方向及びY軸方向に並行する表側を向いた板面が、基板収容部22a2における収容底部39の外面のほぼ全長にわたって当接されている。第1放熱部23aは、収容底部39に対してネジ部材SMによってネジ止めされており、ネジ部材SMを挿通するネジ挿通孔23a1を有している。また、収容底部39には、ネジ部材SMが螺合されるネジ孔28が形成されている。これにより、LED17から発せられた熱は、LED基板18、基板取付部37及び基板収容部22a2を介して第1放熱部23aへと伝達されるようになっている。なお、ネジ部材SMは、第1放熱部23aに対してその延在方向に沿って複数が間欠的に並ぶ形で取り付けられている。第2放熱部23bは、Y軸方向に沿って延在する細長い平板状をなしており、Y軸方向及びZ軸方向に並行する内側を向いた板面が、基板取付部37における外側の板面との間に所定の隙間を空けつつ対向状に配されている。
続いて、液晶表示ユニットLDUを構成するフレーム13について説明する。フレーム13は、アルミニウムなどの熱伝導率に優れた金属材料からなるものとされており、図1に示すように、全体としては、液晶パネル11、タッチパネル14及びカバーパネル15の各外周部分(外周端部)に倣う形で延在する平面に視て長方形の略枠状(額縁状)をなしている。フレーム13の製造方法としては、例えばプレス加工などが採られている。フレーム13は、図3及び図4に示すように、液晶パネル11の外周部分を表側から押さえるとともに、バックライト装置12を構成するシャーシ22との間で、互いに積層された液晶パネル11、光学シート20及び導光板19を挟み込む形で保持している。その一方で、フレーム13は、タッチパネル14及びカバーパネル15の各外周部分を裏側から受けており、液晶パネル11とタッチパネル14との外周部分間に介在する形で配されている。これにより、液晶パネル11とタッチパネル14との間には、所定の隙間が確保されるので、例えばカバーパネル15に外力が作用したとき、カバーパネル15に追従してタッチパネル14が液晶パネル11側に撓むよう変形した場合でも、撓んだタッチパネル14が液晶パネル11に干渉し難くなっている。
フレーム13は、図3及び図4に示すように、液晶パネル11、タッチパネル14及びカバーパネル15の各外周部分に倣う枠状部(フレーム基部、額縁状部)13aと、枠状部13aの外周端部に連なるとともにタッチパネル14、カバーパネル15及びケーシング16をそれぞれ外周側から取り囲む環状部(筒状部)13bと、枠状部13aから裏側に向けて突出してシャーシ22及び放熱部材23に取り付けられる取付板部13cとを有してなる。枠状部13aは、液晶パネル11、タッチパネル14、及びカバーパネル15の各板面に並行する板面を有する略板状をなすとともに、平面に視て長方形の枠状に形成されている。枠状部13aは、内周部分13a1よりも外周部分13a2の方が相対的に板厚が厚くなっており、両者の境界位置に段差(ギャップ)GPが形成されている。枠状部13aのうち、内周部分13a1が液晶パネル11の外周部分とタッチパネル14の外周部分との間に介在するのに対し、外周部分13a2がカバーパネル15の外周部分を裏側から受けている。このように、枠状部13aは、その表側の板面がほぼ全域にわたってカバーパネル15によって覆われることになるため、表側の板面が殆ど外部に露出することがないものとされる。これにより、フレーム13がLED17からの熱などにより温度上昇していても、液晶表示装置10の使用者がフレーム13における露出部位に直接接触し難くなるので、安全面で優れる。枠状部13aの内周部分13a1における裏側の板面には、図5に示すように、液晶パネル11の外周部分を緩衝しつつ表側から押さえるための緩衝材29が固着されているのに対し、内周部分13a1における表側の板面には、タッチパネル14の外周部分を緩衝しつつ固着するための第1固着部材30が固着されている。これら緩衝材29及び第1固着部材30は、内周部分13a1において平面に視て互いに重畳する位置に配されている。一方、枠状部13aの外周部分13a2における表側の板面には、カバーパネル15の外周部分を緩衝しつつ固着するための第2固着部材31が固着されている。これら緩衝材29及び各固着部材30,31は、枠状部13aのうち四隅の角部を除いた各辺部に沿ってそれぞれ延在する形で配されている。また、各固着部材30,31は、例えば基材がクッション性を有する両面テープからなる。
環状部13bは、図3及び図4に示すように、全体として平面に視て長方形の短角筒状をなしており、枠状部13aの外周部分13a2の外周縁から表側に向けて突出する第1環状部34と、枠状部13aの外周部分13a2の外周縁から裏側に向けて突出する第2環状部35とを有してなる。言い換えると、短角筒状をなす環状部13bは、その軸線方向(Z軸方向)についての略中央部における内周面に枠状部13aの外周縁が全周にわたって連ねられている。第1環状部34は、枠状部13aに対して表側に配されるタッチパネル14及びカバーパネル15の各外周端面を全周にわたって取り囲む形で配されている。第1環状部34は、その内周面がタッチパネル14及びカバーパネル15の各外周端面と対向状をなしているのに対し、外周面が当該液晶表示装置10の外部に露出していて液晶表示装置10における側面側の外観を構成している。一方、第2環状部35は、枠状部13aに対して裏側に配されるケーシング16における表側の端部(取付部16c)を外周側から取り囲んでいる。第2環状部35は、その内周面が後述するケーシング16の取付部16cと対向状をなしているのに対し、外周面が当該液晶表示装置10の外部に露出していて液晶表示装置10における側面側の外観を構成している。第2環状部35における突出先端部には、断面鉤型をなすフレーム側係止爪部35aが形成されており、このフレーム側係止爪部35aに対してケーシング16が係止されることで、ケーシング16を取付状態に保持することが可能とされる。
取付板部13cは、図3及び図4に示すように、枠状部13aのうち外周部分13a2から裏側に向けて突出するとともに、枠状部13aの各辺部に沿って延在する板状をなしており、その板面が枠状部13aの板面とほぼ直交している。取付板部13cは、枠状部13aの各辺部毎に個別に配されている。枠状部13aのうちLED基板18側の短辺部に配された取付板部13cは、その内側を向いた板面が放熱部材23の第2放熱部23bにおける外側の板面が接する形で取り付けられている。この取付板部13cは、第2放熱部23bに対してネジ部材SMによってネジ止めされており、ネジ部材SMを挿通するネジ挿通孔13c1を有している。また、第2放熱部23bには、ネジ部材SMが螺合されるネジ孔36が形成されている。これにより、第1放熱部23aから第2放熱部23bへと伝達されたLED17からの熱は、取付板部13cへと伝達されてからフレーム13の全体へと伝達されることで、効率的に放熱されるようになっている。また、この取付板部13cは、放熱部材23を介してシャーシ22に対して間接的に固定されていると言える。一方、枠状部13aのうちLED基板18側とは反対側の短辺部及び一対の長辺部にそれぞれ配された各取付板部13cは、その内側を向いた板面がシャーシ22の各側板22bにおける外側の板面に接する形でネジ部材SMによってそれぞれネジ止めされている。これらの取付板部13cには、ネジ部材SMを挿通するネジ挿通孔13c1が形成されているのに対し、各側板22bには、ネジ部材SMが螺合されるネジ孔36が形成されている。なお、各ネジ部材SMは、各取付板部13cに対してそれぞれの延在方向に沿って複数ずつが間欠的に並ぶ形で取り付けられている。
次に、上記したフレーム13に組み付けられるタッチパネル14について説明する。タッチパネル14は、図1,図3及び図4に示すように、使用者が液晶パネル11の表示面DSの面内における位置情報を入力するための位置入力装置であり、長方形状をなすとともにほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製の基板上に所定のタッチパネルパターン(図示せず)が形成されてなる。詳しくは、タッチパネル14は、液晶パネル11と同様に平面に視て長方形状をなすガラス製の基板を有しており、その表側を向いた板面にいわゆる投影型静電容量方式のタッチパネルパターンを構成するタッチパネル用透明電極部(図示せず)が形成されており、基板の面内においてタッチパネル用透明電極部が多数個行列状に並んで配置されている。タッチパネル14における短辺側の一端部には、タッチパネルパターンを構成するタッチパネル用透明電極部から引き出された配線の端部に接続された端子部(図示せず)が形成されており、この端子部に対して図示しないフレキシブル基板が接続されることで、タッチパネル駆動回路基板からタッチパネルパターンをなすタッチパネル用透明電極部に電位が供給されるようになっている。タッチパネル14は、図5に示すように、その外周部分における内側の板面が、既述した第1固着部材30によってフレーム13の枠状部13aにおける内周部分13a1に対して対向した状態で固着されている。
続いて、上記したフレーム13に組み付けられるカバーパネル15について説明する。カバーパネル15は、図1,図3及び図4に示すように、タッチパネル14を表側からその全域にわたって覆う形で配されており、それによりタッチパネル14及び液晶パネル11の保護が図られている。カバーパネル15は、フレーム13における枠状部13aを表側から全域にわたって覆うとともに、液晶表示装置10における正面側の外観を構成している。カバーパネル15は、平面に視て長方形状をなすとともにほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製で板状の基材からなり、好ましくは強化ガラスからなる。カバーパネル15に用いられる強化ガラスとしては、例えば板状のガラス基材の表面に化学強化処理が施されることで、表面に化学強化層を備えた化学強化ガラスを用いることが好ましい。この化学強化処理は、例えばガラス材料に含まれるアルカリ金属イオンを、それよりもイオン半径が大きいアルカリ金属イオンとイオン交換により置換することで、板状のガラス基材の強化を図る処理をいい、その結果形成される化学強化層は圧縮応力が残留した圧縮応力層(イオン交換層)とされる。これにより、カバーパネル15は、機械的強度及び耐衝撃性能が高いものとされているから、その裏側に配されるタッチパネル14及び液晶パネル11が破損したり、傷付くのをより確実に防止することができる。
カバーパネル15は、図3及び図4に示すように、液晶パネル11及びタッチパネル14と同様に平面に視て長方形状をなしており、その平面に視た大きさは液晶パネル11及びタッチパネル14よりも一回り大きなものとされる。従って、カバーパネル15は、液晶パネル11及びタッチパネル14における各外周縁から全周にわたって庇状に外側に張り出す張出部分15EPを有している。この張出部分15EPは、液晶パネル11及びタッチパネル14を取り囲む長方形の略枠状(略額縁状)をなしており、その内側の板面が、図5に示すように、既述した第2固着部材31によってフレーム13の枠状部13aにおける外周部分13a2に対して対向した状態で固着されている。一方、カバーパネル15のうちタッチパネル14と対向状をなす中央部分は、反射防止フィルムARを介してタッチパネル14に対して表側に積層されている。
カバーパネル15のうち上記した張出部分15EPを含む外周部分における内側(裏側)の板面(タッチパネル14側を向いた板面)には、図3及び図4に示すように、光を遮る板面遮光層(遮光層、板面遮光部)32が形成されている。板面遮光層32は、例えば黒色を呈する塗料などの遮光性材料からなるものとされ、その遮光性材料を、カバーパネル15における内側の板面に印刷することで同板面に一体的に設けられている。なお、板面遮光層32を設けるに際しては、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷手段を採用することができる。板面遮光層32は、カバーパネル15のうち張出部分15EPの全域に加えて、張出部分15EPよりも内側にあって、タッチパネル14及び液晶パネル11の各外周部分と平面に視てそれぞれ重畳する部分にわたる範囲に形成されている。従って、板面遮光層32は、液晶パネル11の表示領域を取り囲む形で配されることになるので、表示領域外の光を遮ることができ、もって表示領域に表示される画像に係る表示品位を高いものとすることができる。
続いて、上記したフレーム13に組み付けられるケーシング16について説明する。ケーシング16は、合成樹脂材料または金属材料からなるものであって、図1,図3及び図4に示すように、表側に向けて開口した略椀型(略ボウル型)をなしており、フレーム13の枠状部13a、取付板部13c、シャーシ22、及び放熱部材23などの部材を裏側から覆うとともに、液晶表示装置10における背面側の外観を構成している。ケーシング16は、概ね平坦な底部16aと、底部16aの外周縁から表側へ向けて立ち上がるとともに断面湾曲形状をなす曲部16bと、曲部16bの外周縁から表側へ向けてほぼ真っ直ぐに立ち上がる取付部16cとからなる。取付部16cには、断面鉤型をなすケーシング側係止爪部16dが形成されており、このケーシング側係止爪部16dがフレーム13のフレーム側係止爪部35aに対して係止されることで、ケーシング16をフレーム13に対して取付状態に保持することが可能とされる。
上記のような構成とされるバックライト装置12に備えられる導光板19には、図3に示すように、導光板19内を伝播する光を反射して光出射面19aからの出光を促すための出光反射部41が設けられている。この出光反射部41により反射された光は、第1方向についてのみ選択的に集光作用が付与されるとともに、光出射面19aに対する入射角が臨界角以下となり易くなることで出光が促されるようになっている。この出光反射部41に関する詳しい構成などについては後に詳しく説明する。
さて、本実施形態に係るバックライト装置12は、その出射光を第2方向(Y軸方向)について集光させるための構成を備えており、以下においてその理由及び構成について説明する。導光板19内を伝播する光は、図3及び図5に示すように、その途中で出光反射部41を構成する単位反射部41aにより反射されることで、光出射面19aに対する入射角が臨界角以下となって出射されるようになっており、第1方向(X軸方向)に関しては単位反射部41aによって反射されることで正面方向、つまり光出射面19aからその法線方向に沿って表側に向かうよう集光が図られている。ところが、出光反射部41は、第1方向については反射光に集光作用を付与するものの、第2方向については反射光に集光作用を殆ど付与しないため、光出射面19aからの出射光に係る輝度に異方性が生じるおそれがある。そこで、本実施形態では次に示す構成によって第2方向についての集光を図るようにしている。すなわち、光学シート20は、図2に示すように、透過光に第2方向について選択的に集光作用を付与する集光異方性を有する1枚のプリズムシート(出光側異方性集光部)42から構成されるのに対し、導光板19の反対板面19cには、出光反射部41により反射された光に第2方向について選択的に集光作用を付与する集光異方性を有するプリズム部(反対板面側プリズム部)43が設けられている。
その一方、LED17は、第2方向、つまり導光板19の光入射面19bにおける長手方向について複数が間隔を空けて並んで配されているため、各LED17から光入射面19bに入射された光は、第1方向について光入射面19bの近い側においては混合が不十分となりがちで、光出射面19aの出射光には第2方向について輝度ムラが生じ易いものとされる。そこで、本実施形態では次に示す構成によって出射光に生じ得る第2方向についての輝度ムラの緩和を図るようにしている。すなわち、導光板19の反対板面19cには、図2に示すように、導光板19内を伝播する光を第2方向について拡散させるよう全反射するプリズム部43が設けられているのに対し、導光板19の光出射面19aには、導光板19内を伝播する光を第2方向について拡散させるよう全反射する凹型レンチキュラーレンズ部(レンチキュラーレンズ部、光出射面側レンチキュラーレンズ部)44が設けられている。続いて、プリズムシート42、プリズム部43及び凹型レンチキュラーレンズ部44について詳しく説明する。
プリズムシート42は、図2及び図10に示すように、シート状をなすシート基材42bと、シート基材42bのうち導光板19からの出射光が入射される入光側板面42b1とは反対側(出光側)の出光側板面42b2に形成されるとともに集光異方性を有する出光側単位プリズム(出光側単位集光部)42aとから構成される。シート基材42bは、ほぼ透明な合成樹脂製とされ、具体的には例えばPETなどの熱可塑性樹脂材料からなり、その屈折率は例えば1.667程度とされる。出光側単位プリズム42aは、シート基材42bにおける表側(出光側)の板面である出光側板面42b2に一体的に設けられている。出光側単位プリズム42aは、光硬化性樹脂材料の一種であるほぼ透明な紫外線硬化性樹脂材料からなり、プリズムシート42の製造に際しては、例えば未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を成形用の型内に充填するとともに、その型の開口端にシート基材42bを宛がうことで、未硬化の紫外線硬化性樹脂材料を出光側板面42b2に接する形で配し、その状態でシート基材42bを介して紫外線硬化性樹脂材料に対して紫外線を照射することで、紫外線硬化性樹脂材料を硬化させて出光側単位プリズム42aをシート基材42bに対して一体的に設けることができる。出光側単位プリズム42aをなす紫外線硬化性樹脂材料は、例えばPMMAなどのアクリル樹脂とされ、その屈折率が例えば1.59程度とされる。出光側単位プリズム42aは、シート基材42bの出光側板面42b2から第3方向(Z軸方向)に沿って表側(出光側)に向けて突出する形で設けられている。この出光側単位プリズム42aは、第2方向(Y軸方向)に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともに第1方向(X軸方向)に沿って直線的に延在しており、出光側板面42b2において第2方向に沿って多数本が並んで配置されている。出光側単位プリズム42aは、その幅寸法(第2方向についての寸法)が第1方向について全長にわたって一定とされる。各出光側単位プリズム42aは、断面形状がほぼ二等辺三角形状をなしており、一対の斜面42a1を有するとともにその頂角θv1がほぼ直角(90°)程度とされる。第2方向に沿って並列した多数本の出光側単位プリズム42aは、頂角θv1、底面42a2の幅寸法及び高さ寸法が全てほぼ同一とされており、隣り合う出光側単位プリズム42a間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。
このような構成のプリズムシート42に導光板19側から光が入射する際には、その光は、図10に示すように、導光板19の光出射面19aとプリズムシート42のシート基材42bとの間に有される空気層からシート基材42bの入光側板面42b1に入射するため、その界面にて入射角に応じて屈折される。シート基材42bを透過した光がシート基材42bの出光側板面42b2から出光側単位プリズム42aに入射する際にもやはり界面にて入射角に応じて屈折される。そして、出光側単位プリズム42aを透過した光は、出光側単位プリズム42aの斜面42a1に達したとき、その入射角が臨界角を超えていれば全反射されてシート基材42b側に戻される(再帰反射される)のに対し、入射角が臨界角を超えていなければ界面にて屈折されつつ出射される。出光側単位プリズム42aの斜面42a1から出射される光のうち、隣り合う出光側単位プリズム42aに向かうものはその出光側単位プリズム42a内に入射してシート基材42b側に戻される。これにより、出光側単位プリズム42aからの出射光は、第2方向について進行方向が正面方向に近くなるよう規制され、もって第2方向について選択的に集光作用が付与されるようになっている。
次に、導光板19の反対板面19c側に配されたプリズム部43について説明する。プリズム部43は、導光板19に一体形成されている。プリズム部43を導光板19に一体に設けるには、例えば導光板19を射出成形によって製造し、その成形金型のうち反対板面19cを成形するための成形面に予めプリズム部43を転写するための転写形状を形成しておけばよい。プリズム部43は、図2,図7及び図10に示すように、反対板面19cに、第1方向(X軸方向)に沿って延在する単位プリズム(反対板面側単位プリズム)43aを第2方向(Y軸方向)に沿って多数並ぶ形で配してなる。単位プリズム43aは、反対板面19cから第3方向(Z軸方向)に沿って表側(出光側)に向けて突出する形で設けられている。単位プリズム43aは、第2方向に沿って切断した断面形状が略三角形(略山形)をなすとともに第1方向に沿って直線的に延在している。単位プリズム43aは、その幅寸法(第2方向についての寸法)が第1方向について全長にわたって一定とされる。各単位プリズム43aは、断面形状がほぼ二等辺三角形状をなしており、一対の斜面43a1を有するとともにその頂角θv2が鈍角(90°を超える角度)、具体的には100°〜150°の範囲とされるのが好ましく、140°程度とされるのが最も好ましい。つまり、単位プリズム43aの頂角θv2は、出光側単位プリズム42aの頂角θv1よりも相対的に大きなものとされる。第2方向に沿って並列した多数本の単位プリズム43aは、頂角θv2、底面の幅寸法及び高さ寸法が全てほぼ同一とされており、隣り合う単位プリズム43a間の配列間隔もほぼ一定で等間隔に配列されている。
このような構成のプリズム部43は、図10に示すように、導光板19内を伝播して反対板面19cに達した光に次のようにして光学作用を付与している。すなわち、反対板面19cに達した光が、単位プリズム43aの斜面43a1に対して臨界角以下の入射角で入射した場合には、その光の少なくとも一部は斜面43a1にて屈折されることで第2方向について選択的に集光されつつ出射される。単位プリズム43aから出射された光は、反射シート40の反射面40aにて反射された後、再び反対板面19cに達したところで単位プリズム43aの斜面43a1に入射し、そこで少なくとも一部の光が屈折されることで第2方向について選択的に集光される。このようにプリズム部43により集光作用が付与された光は、プリズムシート42において第2方向について集光され易いものとなっており、それによりプリズムシート42の出射光に係る正面輝度がより向上されるようになっている。なお、単位プリズム43aの斜面43a1にて屈折される光の一部には、上記のような異方性集光作用が付与されないものも存在しており、そのような光は第2方向について拡散されるような光学作用が付与される場合がある。一方、反対板面19cに達した光が、単位プリズム43aの斜面43a1に対して臨界角を超える入射角で入射した場合には、斜面43a1にて全反射される。単位プリズム43aの斜面43a1にて全反射された光は、第2方向について拡散するよう進行しつつ導光板19内を伝播されるので、その後出光反射部41により反射されて光出射面19aから出射する光に、第2方向について輝度ムラが生じ難くなる。
続いて、導光板19の光出射面19a側に配された凹型レンチキュラーレンズ部44について説明する。凹型レンチキュラーレンズ部44は、導光板19に一体形成されている。凹型レンチキュラーレンズ部44を導光板19に一体に設けるには、例えば導光板19を射出成形によって製造し、その成形金型のうち光出射面19aを成形するための成形面に予め凹型レンチキュラーレンズ部44を転写するための転写形状を形成しておけばよい。凹型レンチキュラーレンズ部44は、図2,図6及び図10に示すように、光出射面19aに、第1方向(X軸方向)に沿って延在する凹型シリンドリカルレンズ(シリンドリカルレンズ、光出射面側シリンドリカルレンズ)44aを第2方向(Y軸方向)に沿って多数並ぶ形で配してなる。凹型シリンドリカルレンズ44aは、光出射面19aを第3方向(Z軸方向)に沿って裏側に凹ませる形で設けられており、凹型レンズとされる。凹型シリンドリカルレンズ44aは、第2方向に沿って切断した断面形状が半円形状をなし且つ第1方向に沿って延在する溝状をなしており、その表面が凹型の円弧状面44a1とされる。凹型シリンドリカルレンズ44aは、その円弧状面44a1の基端部44a2での接線Taが第2方向に対してなす角度θtを「接線角」としたとき、その接線角θtが例えば70°程度とされる。なお、凹型レンチキュラーレンズ部44の詳しい構成について後に改めて説明する。
このような構成の凹型シリンドリカルレンズ44aは、図10に示すように、導光板19内を伝播して光出射面19aに達した光に次のように光学作用を付与するものとされる。すなわち、光出射面19aに達した光が、凹型シリンドリカルレンズ44aにおける円弧状面44a1に対して臨界角を超える入射角で入射した場合には、円弧状面44a1にて全反射されることで、第2方向について拡散するよう進行しつつ導光板19内を伝播される。ここで、凹型シリンドリカルレンズ44aは、例えば凸型のシリンドリカルレンズに比べると、円弧状面44a1に対する光の入射角が臨界角を超える確率が高いものとなっているので、光を全反射し易いものとされており、もって光を第2方向についてより好適に拡散させることができる。また、円弧状面44a1の円弧状面44a1にて全反射された光は、単位プリズム43aの斜面43a1にて全反射された光に比べると、第2方向についてより広範囲に拡散するものとされる。これにより、その後に出光反射部41により反射されて光出射面19aから出射する光に、第2方向について輝度ムラがより生じ難くなる。一方、光出射面19aに達した光が、凹型シリンドリカルレンズ44aの円弧状面44a1に対して臨界角以下の入射角で入射した場合には、その光の少なくとも一部は円弧状面44a1にて屈折されることで第2方向について選択的に集光作用が付与されつつプリズムシート42へ向けて出射される。なお、凹型シリンドリカルレンズ44aによって異方性集光作用が付与された光は、プリズムシート42においては第2方向について集光され難く、むしろ第2方向について拡散され易いものとなっているため、プリズムシート42の出射光に係る輝度ムラを改善させるものの、正面輝度の向上に寄与することがないものとされる。
以上のように、LED17から発せられて導光板19の光入射面19bに入射した光は、図9及び図10に示すように、第1方向について反対端面19d側に向かって進行する形で導光板19内を伝播する過程で、反対板面19cに配されたプリズム部43、及び光出射面19aに配された凹型レンチキュラーレンズ部44によって全反射されることで、第2方向について広範囲に拡散される。これにより、導光板19内を伝播する光は、LED17の並び方向である第2方向について好適に混合されるので、その後に光出射面19aから出射される出射光に第2方向について輝度ムラが生じ難いものとなる。一方、導光板19内を伝播する過程で出光反射部41により反射された光に関しては、少なくともその一部は、プリズム部43と凹型レンチキュラーレンズ部44とのいずれか一方または両方によって第2方向について選択的に集光作用が付与された上で光出射面19aから出射される。このとき、凹型レンチキュラーレンズ部44によって異方性集光作用が付与された光に関しては、プリズムシート42においては第2方向について集光され難くなる可能性があるものの、凹型レンチキュラーレンズ部44によって異方性集光作用が付与されずにプリズム部43によって異方性集光作用が付与された光に関しては、プリズムシート42においては第2方向について集光され易くなっているので、プリズムシート42の出射光に係る正面輝度が向上されるようになっている。
ところで、プリズムシート42は、図10に示すように、既述した通り、出光側単位プリズム42aの頂角θv1が、単位プリズム43aの頂角θv2よりも小さいので、プリズム部43に比べるとより多くの光を再帰反射させるとともに出射光の出射角度範囲をより狭く規制しており、最も強い集光作用を有している。これに対し、プリズムシート42に供給される光には、導光板19の反対板面19cにおいてプリズム部43により異方性集光作用が付与されたものが含まれているから、プリズムシート42をなす出光側単位プリズム42aにおいて再帰反射される割合が低くなっており、それにより出光側単位プリズム42aから効率的に出射されるようになっている。これにより、光の利用効率がより高いものとなっていて、バックライト装置12の出射光に係る輝度の向上に好適となる。
ここで、プリズムシート42に対して供給される光が、どのように角度付けされていればプリズムシート42の出射光における正面輝度の向上に寄与するのかに関して知見を得るべく、以下のように検証を行った。すなわち、プリズムシート42のシート基材42bにおける入光側板面42b1に対して入射する光の入射角と、出光側単位プリズム42aの斜面42a1から出射する光の出射角との関係についてスネルの法則に基づいて計算し、その結果を図13に示す。具体的な計算方法としては、まず入光側板面42b1に対する光の入射角から入光側板面42b1からの光の出射角が求められ、次に入光側板面42b1からの光の出射角が、出光側板面42b2、及び出光側単位プリズム42aの底面42a2に対する光の入射角と等しくなることから、出光側板面42b2、及び出光側単位プリズム42aの底面42a2からの光の出射角が求められる(図10を参照)。そして、出光側板面42b2、及び出光側単位プリズム42aの底面42a2からの光の出射角は、出光側単位プリズム42aの斜面42a1に対する光の入射角と等しくなることから、出光側単位プリズム42aの斜面42a1からの光の出射角が求められる(図10を参照)。なお、シート基材42b及び出光側単位プリズム42aの各屈折率、及び出光側単位プリズム42aの頂角θv1は、既述した通りであり、また外部の空気層の屈折率については「1.0」として計算を行っている。図13では、縦軸をシート基材42bの入光側板面42b1に対する光の入射角(単位は「°」)とし、横軸を出光側単位プリズム42aの斜面42a1からの光の出射角(単位は「°」)としており、出射角0°が正面方向に平行な光の出射角である。図13によれば、出光側単位プリズム42aの斜面42a1からの光の出射角を、例えば±10°の範囲とするには、シート基材42bの入光側板面42b1に対する光の入射角を23°〜40°の範囲とすればよいことが分かる。つまり、プリズムシート42に対して供給される光、つまり導光板19の光出射面19aから出射される光は、その出射角が23°〜40°の範囲とされていれば、プリズムシート42の出光側単位プリズム42aからの出射光が、正面方向に対して±10°の範囲となる出射角でもって出射されるようになっており、出射光に係る正面輝度の向上を図る上で有用とされる。本実施形態においては、導光板19のプリズム部43によって異方性集光作用が付与された光には、光出射面19aから出射する際の出射角が23°〜40°の範囲となるものが多く含まれる傾向にあるものの、凹型レンチキュラーレンズ部44によって異方性集光作用が付与された光には、光出射面19aから出射する際の出射角が23°〜40°の範囲外となるものが多く含まれる傾向にあるものとされる。
ところで、従来では導光板の光出射面に突条を設け、その突条によって出射光の正面輝度の向上を図るようにしているものの、その反面、輝度ムラが発生し易くなるという問題があった。すなわち、上記した従来では、複数の点状光源が導光板の光入射面の長手方向に沿って間隔を空けて並んで配されていることから、導光板のうち光入射面の近くでは、光出射面からの出射光に点状光源の並び方向について明部と暗部とが並ぶ形で輝度ムラが発現し易い傾向にある。これに対し、上記した突条によれば上記した明部の輝度がより高められてしまうため、光入射面の近くにおいて輝度ムラがより発生し易いものとなっていた。ここで、例えば突条に代えてシリンドリカルレンズを設けるようにすれば、上記のような輝度ムラに関しては緩和されるものの、シリンドリカルレンズではプリズムシートでの集光に寄与しない光を多く生じさせるために正面輝度が低下するという問題が新たに生じてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態に係る導光板19は、図7,図10から図12に示すように、光出射面19aに凹型レンチキュラーレンズ部44に加えて平坦状部45が設けられるとともにこれらにおける第2方向についての占有比率が第1方向についての位置に応じて変化する構成とされているところに特徴を有している。詳しくは、凹型レンチキュラーレンズ部44は、第1方向について光入射面19bに近い側(反対端面19dから遠い側)では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける幅寸法(第2方向についての寸法)、つまり第2方向についての占有比率が相対的に高いものの、光入射面19bから遠い側(反対端面19dに近い側)では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に低くなるよう構成されている。平坦状部45は、第1方向(X軸方向)及び第2方向(Y軸方向)に沿って平坦な形状とされており、導光板19の光出射面19aのうち凹型レンチキュラーレンズ部44の非形成領域に配されている。平坦状部45は、凹型レンチキュラーレンズ部44を構成する凹型シリンドリカルレンズ44aに対して第2方向について隣り合う形で複数が配されている。つまり、導光板19の光出射面19aには、凹型シリンドリカルレンズ44aと平坦状部45とが第2方向について交互に並ぶ形で配されている。そして、平坦状部45は、第1方向について光入射面19bに近い側(反対端面19dから遠い側)では幅寸法、つまり第2方向についての占有比率が相対的に低いものの、光入射面19bから遠い側(反対端面19dに近い側)では第2方向についての占有比率が相対的に高くなるものとされている。
より詳しくは、凹型シリンドリカルレンズ44aは、図7,図10から図12に示すように、その幅寸法、つまり光出射面19aにおける第2方向についての占有比率が、第1方向についての光入射面19bから遠ざかって反対端面19dに近づくのに従って連続的に漸次減少し、逆に第1方向について反対端面19dから遠ざかって光入射面19bに近づくのに従って連続的に漸次増加している。凹型シリンドリカルレンズ44aは、導光板19における第1方向についての光入射面19b側の端部(端位置)では上記占有比率が最大で例えば70%〜90%程度とされるのに対し、反対端面19d側の端部では上記占有比率が最小で例えば10%〜30%程度とされ、また第1方向についての中央部では上記占有比率が例えば50%程度とされる。さらには、凹型シリンドリカルレンズ44aは、その高さ寸法(第3方向についての寸法)が第1方向についての位置に応じて変化するよう形成されている。詳しくは、凹型シリンドリカルレンズ44aは、その高さ寸法、つまり光出射面19aからの凹み深さが、第1方向についての光入射面19bから遠ざかって反対端面19dに近づくのに従って連続的に漸次減少し、逆に第1方向について反対端面19dから遠ざかって光入射面19bに近づくのに従って連続的に漸次増加している。つまり、凹型シリンドリカルレンズ44aの高さ寸法は、第1方向についての位置に応じて幅寸法と同様に変化するものとされる。従って、凹型シリンドリカルレンズ44aは、その表面積(円弧状面44a1の面積)に関しても、第1方向についての位置に応じて幅寸法及び高さ寸法と同様に変化するものとされる。また、凹型シリンドリカルレンズ44aは、第1方向について光入射面19bから遠ざかって反対端面19dに近づくと上り勾配となり、逆に反対端面19dから遠ざかって光入射面19bに近づくと下り勾配となるよう、光入射面19b側(LED17側)に向かって前傾した傾斜状をなしている。一方、平坦状部45は、その幅寸法、つまり光出射面19aにおける第2方向についての占有比率が、第1方向についての光入射面19bに近づいて反対端面19dから遠ざかるのに従って連続的に漸次減少し、逆に第1方向について反対端面19dに近づいて光入射面19bから遠ざかるのに従って連続的に漸次増加している。平坦状部45は、導光板19における第1方向についての光入射面19b側の端部(端位置)では上記占有比率が最小で例えば10%〜30%程度とされるのに対し、反対端面19d側の端部では上記占有比率が最大で例えば70%〜90%程度とされ、また第1方向についての中央部では上記占有比率が例えば50%程度とされる。このように光出射面19aにおける第1方向についての中央部では、凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率と、平坦状部45における同占有比率と、が互いにほぼ等しくなっている。
既述した通り、凹型レンチキュラーレンズ部44は、出光反射部41による反射光に対して異方性集光作用を付与するものの、その異方性集光作用を付与された光は、プリズムシート42においては第2方向について集光され難く、むしろ第2方向について拡散され易くなっている。一方、第2方向について凹型シリンドリカルレンズ44aに対して隣り合う形で配される平坦状部45は、出光反射部41による反射光に対して特定の光学作用を付与することが殆どないものとされるので、平坦状部45を介してプリズムシート42へと出射された光は、プリズム部43により付与された異方性集光作用が支配的に付与されたものとなり、それによりプリズムシート42では第2方向について集光作用が付与され易くなっている。従って、凹型レンチキュラーレンズ部44の凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が高く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が低くなるほど、プリズムシート42の出射光においては第2方向について輝度ムラが緩和され易くなるものの輝度が低下し易くなる傾向とされるのに対し、平坦状部45における第2方向についての占有比率が高くなり且つ凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が低くなるほど、プリズムシート42の出射光においては第2方向について輝度ムラが緩和され難くなるものの輝度が向上し易くなる傾向とされる。
そして、上記したように凹型レンチキュラーレンズ部44及び平坦状部45は、第1方向について光入射面19bに近い側では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に高く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が相対的に低くなるのに対し、第1方向について光入射面19bから遠い側(反対端面19dに近い側)では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に低く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が相対的に高くなるよう設けられているから、光入射面19bに沿って複数が並ぶ配置とされたLED17に起因する輝度ムラの発生が懸念される第1方向について光入射面19bに近い側においては、相対的に高い占有比率とされた凹型レンチキュラーレンズ部44の凹型シリンドリカルレンズ44aによりプリズムシート42の出射光に第2方向について輝度ムラが生じ難くされるのに対し、本来的にLED17に起因する輝度ムラが発生し難いものとされる第1方向について光入射面19bから遠い側においては、相対的に高い占有比率とされた平坦状部45によりプリズムシート42の出射光に係る輝度がより高いものとされる。以上により、プリズムシート42の出射光に関して輝度ムラが緩和されるのに加えて輝度の向上が図られる。
次に、光出射面の全域を平坦状部にした導光板において、反対板面側に配したプリズム部を構成する単位プリズムの頂角を変化させた場合に輝度がどのように変化するかに関して知見を得るべく比較実験1を行った。この比較実験1では、光出射面の全域に平坦状部を設けるとともに反対板面に出光反射部及びプリズム部を設けるようにした導光板を用い、そのプリズム部を構成する単位プリズムの頂角を、90°〜160°の範囲で変化させたとき、当該頂角の変化に伴って、導光板の光出射面から出射した光を、当該導光板の出光側に積層配置したプリズムシートに透過させて得られる出射光の輝度がどのように変化するかを測定し、その結果を図14に示す。この比較実験1で用いる導光板は、光出射面の全域が平坦状部とされる点を除いては、本段落以前に説明したものと同一である。また、比較実験1で用いるプリズムシートは、本段落以前に説明したものと同一である。図14において、横軸は、単位プリズムの頂角(単位は「°」)であり、縦軸は、プリズムシートの出射光に係る相対輝度(単位は「%」)である。図14の縦軸に示される出射光に係る相対輝度は、光出射面の全域に、幅寸法が全長にわたって一定とされた複数の凹型シリンドリカルレンズからなる凹型レンチキュラーレンズ部を設けるとともに、反対板面に設けたプリズム部を構成する単位プリズムの頂角を100°とした導光板(以下、比較例2の導光板と言う)からの出射光をプリズムシートに透過させて得られる輝度値を基準(100%)とした相対値である。なお、比較実験1において用いた導光板において、特に単位プリズムの頂角を100°とした導光板を比較例1とする。
比較実験1の実験結果について説明する。図14からは、比較実験1にて用いた導光板における単位プリズムの頂角が90°〜100°の範囲とされるか、120°〜160°の範囲とされていれば、比較例2の導光板との比較において相対輝度が少なくとも5%以上高くなることが分かる。中でも、単位プリズムの頂角が90°〜100°の範囲とされるか、133°〜140°の範囲とされていれば、比較例2の導光板との比較において相対輝度が少なくとも10%以上高くなる。そして、単位プリズムの頂角が100°とされていれば、最も高輝度となっていて比較例2の導光板との比較において相対輝度が18%程度高くなる。この比較実験1のように、導光板の光出射面の全域に平坦状部を配すると、平坦状部では光に特定の光学作用を付与することがないため、導光板の出射光に付与される光学作用としてはプリズム部による異方性集光作用が支配的となっている。従って、プリズム部を構成する単位プリズムの頂角は、90°〜100°の範囲、または120°〜160°の範囲とされるのが好ましく、このうちの120°〜160°の範囲においては133°〜140°の範囲とされるのがより好ましい。そして、プリズム部を構成する単位プリズムの頂角は、100°とされるのが最も好ましい。この傾向は、導光板19の光出射面19aに、第1方向についての位置に応じて幅寸法が変化する凹型レンチキュラーレンズ部44及び平坦状部45を設けるようにした場合でも同様とされる。
続いて、光出射面の全域を平坦状部にした導光板と、光出射面の全域をレンチキュラーレンズ部にした導光板と、で輝度分布がどのように異なるかに関して知見を得るべく比較実験2を行った。この比較実験2では、光出射面の全域に平坦状部を設けるとともに反対板面に出光反射部及びプリズム部を設けるようにし且つ単位プリズムの頂角を100°とした導光板を用いた場合を比較例1とし、光出射面の全域に、幅寸法が第1方向について全長にわたって一定とされた複数の凹型シリンドリカルレンズからなる凹型レンチキュラーレンズ部を設けるとともに、反対板面に設けたプリズム部を構成する単位プリズムの頂角を100°とした導光板を用いた場合を比較例2とし、これら比較例1,2に係る各導光板の出射光をプリズムシートに透過させて得られる出射光に関して、輝度分布を測定してその結果を図15に示す。図15では、縦軸をプリズムシートからの出射光の相対輝度(無単位)とし、横軸を第2方向についての正面方向に対する角度(単位は「°」)としている。図15における縦軸の相対輝度は、比較例1,2に係る各導光板のそれぞれにおいて、正面方向(角度が0°)についての輝度値を基準(1.0)とした相対値である。なお、図15では、実線で示されるグラフが比較例1を、破線で示されるグラフが比較例2を、それぞれ表している。また、比較実験2で用いるプリズムシートは、本段落以前に説明したものと同一である。
比較実験2の実験結果について説明する。図15によれば、比較例1は、比較例2に比べて、プリズムシートの出射光に係る第2方向についての正面輝度がより高いものとされている。詳しくは、比較例1に係る導光板からの出射光をプリズムシートに透過させて得た出射光には、比較例2に係る導光板からの出射光をプリズムシートに透過させて得た出射光に比べると、正面方向に対して進行方向が±5°の角度範囲となるものの光量が相対的に多く含まれているのに対し、正面方向に対して進行方向が±5°〜±40°の角度範囲となるものが相対的に少なく含まれていることが分かる。つまり、比較例1に係る導光板からの出射光をプリズムシートに透過させて得た出射光は、比較例2に比べて正面方向への集光度合いが高いものとされている。これにより、比較実験1に係る図14に示される通り、光出射面の全域が平坦状部とされるとともに単位プリズムの頂角が100°とされた比較例1は、光出射面の全域が凹型レンチキュラーレンズ部とされるとともに単位プリズムの頂角が100°とされた比較例2に比べて、18%程度の相対輝度向上効果が得られる。
次に、光出射面の全域を平坦状部にした導光板と、光出射面の全域を凹型レンチキュラーレンズ部とした導光板と、光出射面19aに凹型レンチキュラーレンズ部44及び平坦状部45を混在させた導光板19と、で光出射面からの出射光に輝度ムラが生じるか否かに関して知見を得るべく比較実験3を行った。この比較実験3では、上記した比較実験2にて説明した比較例1,2に係る導光板をそれぞれ用いるとともに、光出射面19aに第1方向についての位置に応じて第2方向についての占有比率が変化する凹型レンチキュラーレンズ部44及び平坦状部45を設けるとともに反対板面19cに出光反射部41及びプリズム部43を設けるようにした導光板19を実施例1として用いるようにしている。実施例1に係る導光板19には、第1方向について光入射面19bに近い側では凹型レンチキュラーレンズ部44を構成する凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に高く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が相対的に低くなるのに対し、第1方向について光入射面19bから遠い側では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に低く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が相対的に高くなるよう設けられており、その詳しい構成は比較実験1以前の段落において説明したものと同一である。また、実施例1に係る導光板19の反対板面19cに配されたプリズム部43を構成する単位プリズム43aの頂角θv2は、100°とされる。そして、比較実験3では、比較例1,2及び実施例1に係る各導光板を用いた各バックライト装置において、LEDからの光を導光板の光入射面に入射させるとともに光出射面から光を出射させた状態で光出射面側から写真を撮影してその写真に基づいて輝度ムラの有無を判定するようにしており、その実験結果を図16の表に示した。なお、ここで用いるバックライト装置は、比較例1,2及び実施例1に係る各導光板を除いては比較実験1以前の段落にて説明したものと同一である。図16には、比較例1,2及び実施例1に係る各導光板の光出射面から光を出射させた状態で光出射面側から撮影した写真と、その写真に基づく輝度ムラの判定結果と、が記載されている。なお、図16に示す写真は、導光板の光出射面のうち、特に光入射面側の部分を撮影したものであり、同図下側にLEDが配される配置となっている。
比較実験3の実験結果について説明する。図16によれば、比較例1に係る導光板では、輝度ムラが視認されるのに対し、比較例2及び実施例1に係る導光板では、輝度ムラが殆ど視認されなくなっている。詳しくは、比較例1に係る導光板は、光出射面の全域が平坦状部とされていて凹型レンチキュラーレンズ部が全く設けられていない構成であるため、導光板内を伝播する光における第2方向についての拡散度合いが低くなっており、それに起因して光出射面からの出射光には、第2方向(LEDの並び方向)について明部と暗部とが交互に並ぶ形で輝度ムラが生じている。これに比べると、比較例2及び実施例1に係る導光板は、いずれも光出射面に凹型レンチキュラーレンズ部が設けられた構成であるから、この凹型レンチキュラーレンズ部によって導光板内を伝播する光が第2方向について良好に拡散され、もって光出射面からの出射光に第2方向についての輝度ムラが生じ難くなっている。ここで、比較例2と実施例1とを比較すると、輝度ムラの程度に殆ど差がないことが分かる。実施例1は、比較例2に比べると、光出射面19aにおける凹型レンチキュラーレンズ部44の占有面積については低くなっているものの、LED17の配置(光入射面19bに沿って複数のLED17が間欠的に並ぶ配置)に起因する輝度ムラの発生が懸念される光入射面19bの近くでは凹型レンチキュラーレンズ部44を構成する凹型シリンドリカルレンズ44aにおける幅寸法、つまり第2方向についての占有比率が十分に高くなっているので、第1方向について光入射面19bの近くにおいて導光板19内を伝播する光を凹型レンチキュラーレンズ部44によって第2方向に拡散する作用が十分に得られ、もって第2方向についての輝度ムラを比較例2と同等に緩和することができるのである。
続いて、光出射面の全域に、幅寸法が全長にわたって一定とされた複数の凹型シリンドリカルレンズからなる凹型レンチキュラーレンズ部を設けた場合と、光出射面19aに第1方向についての位置に応じて第2方向についての占有比率が変化する凹型レンチキュラーレンズ部44及び平坦状部45を設けた場合と、で輝度分布がどのように異なるかに関して知見を得るため、比較実験4を行った。比較実験4では、上記した比較実験2にて説明した比較例2に係る導光板と、上記した比較実験3にて説明した実施例1に係る導光板19と、をそれぞれ用いるようにし、これら比較例2及び実施例1に係る各導光板の出射光をプリズムシートに透過させて得られる出射光に関して、輝度分布を測定してその結果を図17から図19に示す。この輝度分布の測定は、比較例2及び実施例1に係る各導光板のうち、第1方向について、光入射面寄りの位置と、中央位置と、反対端面寄りの位置と、の3箇所にて行うものとし、光入射面寄りの位置での測定結果を図17に、中央位置での測定結果を図18に、反対端面寄りの位置での測定結果を図19に、それぞれ示している。図17から図19では、縦軸をプリズムシートからの出射光の相対輝度(無単位)とし、横軸を第2方向についての正面方向に対する角度(単位は「°」)としている。図17から図19における縦軸の相対輝度は、比較例2及び実施例1に係る各導光板のそれぞれにおいて、正面方向(角度が0°)についての輝度値を基準(1.0)とした相対値である。なお、図17から図19では、破線で示されるグラフが比較例2を、実線で示されるグラフが実施例1を、それぞれ表している。また、比較実験4で用いるプリズムシートは、本段落以前に説明したものと同一である。
比較実験4の実験結果について説明する。図17から図19によれば、実施例1に係る導光板19は、比較例1に係る導光板に比べると、第1方向についてのいずれの位置においても正面輝度が相対的に高いものとされていることが分かる。そして、図17と図18とを比較すると、第1方向について光入射面寄りの位置よりも、第1方向について中央位置での方が、実施例1に係る正面輝度がより高くなっているのが分かる。さらには、図18と図19とを比較すると、第1方向について中央位置よりも、第1方向について反対端面寄りの位置での方が、実施例1に係る正面輝度がより高くなっているのが分かる。つまり、実施例1に係る導光板19においては、光入射面19bから遠ざかって反対端面19dの近づくほど、正面輝度が向上しており、これは凹型シリンドリカルレンズ44aの幅寸法の変化に反比例する傾向であると言える。詳しくは、凹型シリンドリカルレンズ44aの幅寸法(第2方向についての占有比率)は、第1方向について光入射面19b側の端位置にて最大となり、反対端面19d側の端位置にて最小となっていることから、同幅寸法が減少するほど導光板19の出射光をプリズムシート42に透過させて得た出射光に係る正面輝度が向上する傾向とされている。そして、幅寸法が上記のように変化する凹型シリンドリカルレンズ44aは、第1方向についての光入射面19b側において幅寸法が大きくされることで、第2方向についての輝度ムラの発生を好適に抑制することができるとともに、そのような輝度ムラが本来的に生じ難い第1方向についての中央位置や反対端面19d側においては幅寸法が小さくされることで、プリズムシート42の出射光に係る正面輝度を向上させることができるのである。そして、実施例1に係る導光板19からの出射光をプリズムシート42に透過させて得た出射光に係る輝度値を測定したところ、比較例2に係る導光板を用いた場合との比較において、9%程度向上することが分かった。
ここで、導光板19の反対板面19cに配された出光反射部41とプリズム部43との関係について詳しく説明する。出光反射部41をなす単位反射部41aは、図7及び図10に示すように、プリズム部43をなす単位プリズム43aのうちの頂部43a2側を部分的に切り欠いて形成されている。このため、単位プリズム43aのうちの頂部43a2側とは反対側の底部側部分には、単位反射部41aが切欠形成されず、単位反射部41aの非形成部位とされている。この単位反射部41aにおける高さ寸法(第3方向について寸法)は、単位プリズム43aにおける高さ寸法よりも小さなものとされている。このような構成により、単位反射部41aは、図7に示すように、第2方向に沿って延在しているものの、第2方向について導光板19の全長にわたって連続した構成とはなっておらず、複数回途中で途切れている。つまり、単位反射部41aは、第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSから構成されている、と言える。しかも、単位反射部41aは、単位プリズム43aのうちの頂部43a2側を部分的に切り欠くことで第2方向に沿って側方に開口する形態に形成されている。この単位反射部41aをなす分割単位反射部41aSの数は、プリズム部43をなす単位プリズム43aの総数と一致している。また、単位反射部41aは、第2方向についての中央位置が、単位プリズム43aの頂部43a2における第2方向についての配置とほぼ一致している。その上で、第1方向について並んだ各単位反射部41aは、第1方向について光入射面19b(LED17)から遠ざかるほど高さ寸法(深さ寸法)が次第に大きくなっているので(図3を参照)、第1方向について光入射面19bから遠ざかるほど幅寸法(第2方向についての形成範囲)が次第に大きくなっている。従って、第1方向について光入射面19b側に配された単位反射部41aは、図8に示すように、幅寸法が相対的に小さくなるとともにその表面積が相対的に小さいのに対し、第1方向について反対端面19d側に配された単位反射部41aは、幅寸法が相対的に大きくなるとともにその表面積が相対的に大きくなっている。
上記した単位反射部41aは、その表面積の大きさに反射光量が比例する傾向にあることから、必要な反射光量を得るには表面積の大きさをそれに応じた値としなければならない。これは、出光反射部41に関しても同様であり、出光反射部41による必要な反射光量を得るには、出光反射部41全体の表面積(各単位反射部41aの表面積を足した総面積)の大きさもそれに応じた値とする必要がある。ここで、仮に単位反射部を第2方向について導光板19の全長にわたって延在する形で形成した場合には、単位反射部の表面積を上記値とするには、単位反射部における第3方向についての寸法を一定以上に大きくすることができない。これに比べて、単位反射部41aを、第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSから構成すれば、単位反射部41aの表面積を上記値とするに際して、単位反射部41aにおける第3方向についての寸法を相対的に大きくすることができる。従って、導光板19を樹脂成形により製造し、その反対板面19cに出光反射部41を一体成形する際に、反対板面19cにおいて単位反射部41aをなす分割単位反射部41aSが設計通りの形状でもって形成され易くなる。これにより、出光反射部41の光学性能を適切に発揮させることができる。なお、仮に単位反射部を第2方向について導光板19の全長にわたって延在する形で形成した場合には、第1方向について並ぶ単位反射部の数を削減することで、各単位反射部の表面積を足した総面積を調整することが可能ではあるものの、そうすると第1方向について並ぶ単位反射部の配列間隔が大きくなるため、輝度ムラが生じることが懸念される。その点、単位反射部41aを、第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSから構成すれば、第1方向について並ぶ単位反射部41aの数及び配列間隔を変更する必要がないから、バックライト装置12の出射光に輝度ムラが生じ難いものとされる。しかも、単位反射部41aは、単位プリズム43aのうちの頂部43a2側を部分的に切り欠くことで第2方向に沿って開口する形態となるよう形成されているので、プリズム部43による集光性能が良好に発揮される。詳しくは、仮に単位反射部が第2方向に沿って開口せずに第1方向に沿う側面を有する形態とされた場合には、その第1方向に沿う側面によって光が屈折または反射されることで、プリズム部による集光性能が劣化することが懸念される。その点、単位反射部41aは、単位プリズム43aのうちの頂部43a2側を部分的に切り欠くことで第2方向に沿って開口する形態とされているので、プリズム部43による集光性能が良好に発揮され、それによりバックライト装置12の出射光に係る輝度をより高めることができるのである。
次に、プリズム部43の有無によって出光反射部41をなす単位反射部41aの形状再現性にどのような変化が生じるのかに関して知見を得るべく比較実験5を行った。この比較実験5では、反対板面19cに出光反射部41及びプリズム部43が設けられた導光板19を実施例1とし、反対板面に出光反射部が設けられているもののプリズム部が設けられていない導光板を比較例3としている。この比較実験5における実施例1に係る導光板19は、上記した比較実験3の実施例1に係る導光板19と同一のものである。比較実験5における比較例3に係る導光板は、プリズム部を有さない点を除いては、実施例1に係る導光板19と同様の構造を有する。このため、比較例3に係る導光板に設けられた単位反射部は、第2方向(Y軸方向)について導光板の全長にわたって連続的に(途中で途切れることなく)延在する形で設けられるとともにその第1方向(X軸方向)についての設置数が、実施例1に係る導光板19に設けられた単位反射部41aの同設置数と同一とされる。そして、この比較実験5では、比較例3に係る導光板と、実施例1に係る導光板19とに関して、第1方向についての位置に応じた出光反射部をなす単位反射部の高さ寸法を測定し、その結果を図20に示す。その上で、この比較実験5では、比較例3及び実施例1に係る各導光板を第1方向について概ね六等分したときに生じる区分位置を、光入射面に近い側から順に第1位置、第2位置、第3位置、第4位置、及び第5位置とし、各位置における単位反射部41aの形状再現性の良否を判定し、その結果を図21に示す。図20では、縦軸を単位反射部の高さ寸法(単位は「μm」)とし、横軸を各導光板における第1方向についての位置としている。図20における横軸の第1方向についての位置は、図20における左端が各導光板の光入射面に係る位置を示し、同図右端が各導光板の反対端面に係る位置を示している。図21では、第1位置から第5位置における単位反射部の高さ寸法と、単位反射部の形状再現性に係る判定結果とを示している。この単位反射部の形状再現性は、光学シミュレーションで得られた導光板の出射光に係る配光分布(理論値)と、実際に樹脂成形した導光板の出射光に係る配光分布(実測値)との間にどの程度の乖離があるかに基づいて判定しており、上記乖離が許容し得る基準を超えていれば、「形状再現性が悪い」と判定し、上記乖離が許容し得る基準を超えていなければ、「形状再現性が良い」と判定している。
比較実験5の実験結果について説明する。図20から、実施例1に係る導光板19と、比較例3に係る導光板とは、共に光入射面側から反対端面側に近づくのに従って単位反射部の高さ寸法が次第に大きくなるよう形成されていることが分かる。その一方で、図20からは、実施例1に係る導光板19に設けられた単位反射部41aは、その高さ寸法が、比較例3に係る導光板に設けられた単位反射部の高さ寸法よりも概して大きくなるよう形成されていることが分かる。これは、比較例3に係る導光板に設けられた単位反射部が、第2方向について導光板の全長にわたって連続的に延在する形態とされるのに対し、実施例1に係る導光板19に設けられた単位反射部41aが、第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSからなることに起因しており、以下にその理由を詳しく説明する。まず、単位反射部の表面積と、単位反射部による反射光量とは互いに比例する関係にあることから、必要な反射光量を得るには、単位反射部の表面積の大きさを目的の反射光量に応じた値としなければならない。ここで、比較例3に係る導光板では、単位反射部が第2方向について導光板の全長にわたって連続的に延在しているため、単位反射部の表面積を上記値とするには、単位反射部における高さ寸法をそれほど大きくすることはできない。これに比べて、実施例1に係る導光板では、単位反射部41aが第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSからなる構成であるから、単位反射部41aの表面積を上記値とするにあたり、単位反射部41aにおける高さ寸法を相対的に大きくすることができる。このような理由から、実施例1に係る導光板19に設けられた単位反射部41aは、その高さ寸法が、比較例3に係る導光板に設けられた単位反射部の高さ寸法よりも概して大きくなるよう形成されているのである。
次に、図21からは、単位反射部の高さ寸法が概ね3μmを超える大きさになると、単位反射部の形状再現性が良好になることが分かる。そして、比較例3に係る導光板では、第1位置から第4位置において、いずれも単位反射部の形状再現性が不良とされ、第5位置においては同形状再現性が良好とされる。これに対し、実施例1に係る導光板19では、第2位置から第5位置において、いずれも単位反射部41aの形状再現性が良好とされ、第1位置においては同形状再現性がやや良好とされる。これは、実施例1に係る導光板19に設けられた複数の単位反射部41aは、その殆どが、単位反射部の形状再現性の良否の基準値である3μmを超える高さ寸法とされているのに対し、比較例2に係る導光板に設けられた複数の単位反射部は、その殆どが上記基準値(3μm)を超えない高さ寸法とされていることに起因している。以上のように、実施例1のように、導光板19の反対板面19cに出光反射部41に加えてプリズム部43を設けるとともに、出光反射部41をなす単位反射部41aを複数の分割単位反射部41aSにより構成することで、単位反射部41aの高さ寸法を十分に大きくことができるので、導光板19を樹脂成形により製造する際に、その反対板面19cにおいて単位反射部41aをなす分割単位反射部41aSが設計通りの形状でもって形成され易くなっている。これにより、出光反射部41の光学性能を適切に発揮させることができる。なお、比較例3に係る導光板において、単位反射部の高さ寸法を大きくするには、例えば第1方向について並ぶ単位反射部の数を削減することで、各単位反射部の表面積を足した総面積が一定の値となるよう調整することが考えられる。しかしながら、そうすると第1方向について並ぶ単位反射部の配列間隔が大きくなるため、導光板の出射光に輝度ムラが生じることが懸念される。その点、実施例1に係る導光板19のように、単位反射部41aを、第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSから構成すれば、第1方向について並ぶ単位反射部41aの数及び配列間隔を変更する必要がないから、導光板19の出射光に輝度ムラが生じ難いものとされる。
以上説明したように本実施形態のバックライト装置(照明装置)12は、LED(光源)17と、方形の板状をなし、その外周端面のうち対辺をなす一対の端面の少なくともいずれか一方がLED17から発せられた光が入射される光入射面19bとされるとともに、一方の板面が光を出射させる光出射面19aとされ、さらには他方の板面が反対板面19cとされる導光板19と、導光板19に対して出光側に配され、導光板19の外周端面のうち対辺をなすとともに光入射面19bを含まない一対の端面に沿う第1方向に沿って延在する出光側単位プリズム(出光側単位集光部)42aを、導光板19の外周端面のうち光入射面19bを含む一対の端面に沿う第2方向に沿って複数並ぶ形で配してなるプリズムシート(出光側異方性集光部)42と、導光板19の光出射面19aと反対板面19cとのうちの一方側に配されるとともに導光板19内を伝播する光を反射して光出射面19aからの出光を促すための出光反射部41であって、第2方向に沿って延在する単位反射部41aを、第1方向に沿って間隔を空けて複数並ぶ形で配してなる出光反射部41と、導光板19の光出射面19aと反対板面19cとのうちの一方側に配されるプリズム部43であって、第1方向に沿って延在する単位プリズム43aを、第2方向に沿って複数並ぶ形で配してなるプリズム部43と、導光板19の光出射面19aと反対板面19cとのうちの他方側に配される凹型レンチキュラーレンズ部(レンチキュラーレンズ部)44であって、第1方向に沿って延在する凹型シリンドリカルレンズ(シリンドリカルレンズ)44aを第2方向に沿って複数並ぶ形で配してなるとともに、第1方向について光入射面19bに近い側では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に高いものの光入射面19bから遠い側では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に低くなるよう構成された凹型レンチキュラーレンズ部44と、導光板19の光出射面19aと反対板面19cとのうちの他方側に配されるとともに、第1方向及び第2方向に沿って平坦な平坦状部45であって、第2方向について凹型シリンドリカルレンズ44aに対して隣り合う形で配されるとともに、第1方向について光入射面19bに近い側では第2方向についての占有比率が相対的に低いものの光入射面19bから遠い側では第2方向についての占有比率が相対的に高くなる平坦状部45と、を備える。
このようにすれば、LED17から発せられた光は、導光板19の光入射面19bに入射し、導光板19内を伝播され、その過程で出光反射部41により反射される。この出光反射部41を構成する単位反射部41aは、第2方向に沿って延在するとともに第1方向に沿って間隔を空けて複数並ぶ形で配されているので、導光板19内を第1方向に沿って進行する光を反射し、光出射面19aからの出射を促すことができる。光出射面19aからの出射光の少なくとも一部に関しては、プリズム部43と凹型レンチキュラーレンズ部44との少なくともいずれか一方によってそれぞれ異方性集光作用が付与されている。すなわち、プリズム部43及び凹型レンチキュラーレンズ部44は、それぞれ第1方向に沿って延在する単位プリズム43a及び凹型シリンドリカルレンズ44aを第2方向に沿って複数並ぶ形で配した構成であるから、光出射面19aからの出射光の少なくとも一部には、単位プリズム43aと凹型シリンドリカルレンズ44aとの少なくともいずれか一方によって第2方向について選択的に集光作用が付与されることになる。
一方、出光反射部41により反射されることなく導光板19内を第1方向に沿って伝播する光に関しては、プリズム部43及び凹型レンチキュラーレンズ部44により全反射されることで、第2方向について拡散しつつ導光板19内を伝播するものとされる。特に、凹型レンチキュラーレンズ部44は、凹型シリンドリカルレンズ44aにより構成されているので、この凹型シリンドリカルレンズ44aにより全反射された光が第2方向についてより広範囲に拡散され易くなっている。
導光板19の光出射面19aから出射された光は、導光板19に対して出光側に配されたプリズムシート42によって異方性集光作用が付与される。すなわち、プリズムシート42は、第1方向に沿って延在する出光側単位プリズム42aを第2方向に沿って複数並ぶ形で配した構成であるから、出光側単位プリズム42aから出射する光には、出光側単位プリズム42aの並び方向である第2方向について選択的に集光作用が付与される。ここで、凹型レンチキュラーレンズ部44を構成する凹型シリンドリカルレンズ44aは、出光反射部41による反射光に対して上記のように異方性集光作用を付与するものの、その異方性集光作用を付与された光は、プリズムシート42においては第2方向について集光され難く、むしろ第2方向について拡散され易くなっている。一方、第2方向について凹型シリンドリカルレンズ44aに対して隣り合う形で配される平坦状部45は、出光反射部41による反射光に対して特定の光学作用を付与することが殆どないものとされるので、平坦状部45を介してプリズムシート42へと出射された光は、プリズム部43により付与された異方性集光作用が支配的に付与されたものとなり、それによりプリズムシート42では第2方向について集光作用が付与され易くなっている。従って、凹型レンチキュラーレンズ部44の凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が高く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が低くなるほど、プリズムシート42の出射光においては第2方向について輝度ムラが緩和され易くなるものの輝度が低下し易くなる傾向とされるのに対し、平坦状部45における第2方向についての占有比率が高くなり且つ凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が低くなるほど、プリズムシート42の出射光においては第2方向について輝度ムラが緩和され難くなるものの輝度が向上し易くなる傾向とされる。
そして、上記したように凹型レンチキュラーレンズ部44及び平坦状部45は、第1方向について光入射面19bに近い側では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に高く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が相対的に低くなるのに対し、第1方向について光入射面19bから遠い側では凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が相対的に低く且つ平坦状部45における第2方向についての占有比率が相対的に高くなるよう設けられているから、LED17に起因する輝度ムラの発生が懸念される第1方向について光入射面19bに近い側においては、相対的に高い占有比率とされた凹型レンチキュラーレンズ部44の凹型シリンドリカルレンズ44aによりプリズムシート42の出射光に第2方向について輝度ムラが生じ難くされるのに対し、本来的にLED17に起因する輝度ムラが発生し難いものとされる第1方向について光入射面19bから遠い側においては、相対的に高い占有比率とされた平坦状部45によりプリズムシート42の出射光に係る輝度がより高いものとされる。以上により、プリズムシート42の出射光に関して輝度ムラが緩和されるのに加えて輝度の向上が図られる。
また、出光反射部41及びプリズム部43は、導光板19の反対板面19c側に配されているのに対し、凹型レンチキュラーレンズ部44は、導光板19の光出射面19a側に配されている。このようにすれば、導光板19の反対板面19c側に配された出光反射部41を構成する単位反射部41aにより反射される光の少なくとも一部は、プリズム部43により異方性集光作用を付与されつつ光出射面19aへと向かい、そこに配された凹型レンチキュラーレンズ部44により異方性集光作用を付与されつつ出射される。仮に出光反射部を光出射面19a側に配した場合に比べると、出光反射部41により反射された光が光出射面19aから出射するまでの光路が単純なものになるとともに光の損失が生じ難くなるので、輝度低下が生じ難いものとされる。
また、プリズム部43は、単位プリズム43aの頂角θv2が90°〜100°の範囲とされる。このようにすれば、仮に凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率を一定とした場合に比べると、光出射面19aからの出射光に係る輝度を十分に向上させることができる。
また、プリズム部43は、単位プリズム43aの頂角θv2が100°とされる。このようにすれば、仮に凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率を一定とした場合に比べると、光出射面19aからの出射光に係る輝度を最も向上させることができる。
また、プリズム部43は、単位プリズム43aの頂角θv2が120°〜160°の範囲とされる。このようにすれば、仮に凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率を一定とした場合に比べると、光出射面19aからの出射光に係る輝度を十分に向上させることができる。
また、プリズム部43は、単位プリズム43aの頂角θv2が133°〜140°の範囲とされる。このようにすれば、仮に凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率を一定とした場合に比べると、光出射面19aからの出射光に係る輝度をより向上させることができる。
また、凹型レンチキュラーレンズ部44は、凹型シリンドリカルレンズ44aが凹型をなすよう設けられている。このようにすれば、仮にシリンドリカルレンズを凸型をなすようにした場合に比べると、導光板19内を伝播する光が凹型シリンドリカルレンズ44aにおける曲面状をなす界面に対して臨界角を超える入射角でもって入射する確率が高いものとなるので、光が同界面から出射し難くなる。これにより、導光板19内を伝播する光が凹型シリンドリカルレンズ44aにより全反射され易くなるとともに第2方向について拡散され易くなり、もって第2方向について輝度ムラがより生じ難いものとなる。
また、凹型レンチキュラーレンズ部44及び平坦状部45は、第1方向について光入射面19bから遠ざかるのに従い、凹型シリンドリカルレンズ44aにおける第2方向についての占有比率が連続的に漸次減少するのに対し、平坦状部45における第2方向についての占有比率が連続的に漸次増加するよう設けられている。このようにすれば、仮に凹型レンチキュラーレンズ部の凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率と、平坦状部における第2方向についての占有比率とを段階的に変化させた場合に比べると、輝度ムラの発生をより好適に抑制することができ、また輝度の向上にもより好適となる。
また、出光反射部41は、単位反射部41aが第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSから構成されている。まず、単位反射部41aは、その表面積の大きさに反射光量が比例する傾向にあることから、必要な反射光量を得るには表面積の大きさをそれに応じた値としなければならない。ここで、仮に単位反射部を第2方向について導光板19の全長にわたって延在する形で形成した場合には、単位反射部41aの表面積を上記値とするには、単位反射部41aにおける導光板19の板面の法線方向についての寸法を一定以上に大きくすることができない。これに比べて、単位反射部41aを、第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSから構成すれば、単位反射部41aの表面積を上記値とするに際して、単位反射部41aにおける導光板19の板面の法線方向についての寸法を相対的に大きくすることができる。従って、例えば導光板19を樹脂成形により製造し、その光出射面19aと反対板面19cとのうちの一方側に出光反射部41を一体成形した場合には、光出射面19aと反対板面19cとのうちの一方側において単位反射部41aをなす分割単位反射部41aSが設計通りの形状でもって形成され易くなる。これにより、出光反射部41の光学性能を適切に発揮させることができる。
なお、仮に単位反射部を第2方向について導光板19の全長にわたって延在する形で形成した場合には、第1方向について並ぶ単位反射部41aの数を削減することで、各単位反射部41aの表面積を足した総面積を調整することが可能ではあるものの、そうすると第1方向について並ぶ単位反射部41aの配列間隔が大きくなるため、輝度ムラが生じることが懸念される。その点、単位反射部41aを、第2方向について間隔を空けて断続的に並ぶ複数の分割単位反射部41aSから構成すれば、第1方向について並ぶ単位反射部41aの数及び配列間隔を変更する必要がないから、当該バックライト装置12の出射光に輝度ムラが生じ難いものとされる。
また、出光反射部41は、単位反射部41aが、プリズム部43を構成する単位プリズム43aのうちの頂部43a2側を部分的に切り欠くことで第2方向に沿って開口する形態となるよう形成されている。仮に単位反射部41aが第2方向に沿って開口せずに第1方向に沿う側面を有する形態とされた場合には、その第1方向に沿う側面によって光が屈折または反射されることで、プリズム部43による集光性能が劣化することが懸念される。その点、単位反射部41aが、単位プリズム43aのうちの頂部43a2側を部分的に切り欠くことで第2方向に沿って開口する形態となるよう出光反射部41が形成されているので、プリズム部43による集光性能が良好に発揮され、それにより当該バックライト装置12の出射光に係る輝度をより高めることができる。
また、本実施形態に係る液晶表示装置(表示装置)10は、上記したバックライト装置12と、バックライト装置12からの光を利用して表示を行う液晶パネル(表示パネル)11とを備える。このような構成の液晶表示装置10によれば、バックライト装置12の出射光に輝度ムラが生じ難く且つ高輝度とされているから、表示品位に優れた表示を実現することができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図22から図31によって説明する。この実施形態2では、出光反射部141及びプリズム部143と、凹型レンチキュラーレンズ部144及び平坦状部145と、の配置を逆転させたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る導光板119は、図22から図24に示すように、光出射面119a側に出光反射部141及びプリズム部143を、反対板面119c側に凹型レンチキュラーレンズ部(反対板面側レンチキュラーレンズ部)144及び平坦状部145を、それぞれ配置してなるものとされており、上記した実施形態1に記載した導光板19とは表裏の板面19a,19cにおける各構造物の配置が逆転している。これら出光反射部141、プリズム部143、凹型レンチキュラーレンズ部144、及び平坦状部145は、導光板119における表裏の板面119a,119cの配置を除いては、上記した実施形態1に記載したものと同様の構成とされている。重複する内容ではあるが、補足的に説明すると、凹型レンチキュラーレンズ部144及び平坦状部145は、図22,図24から図26に示すように、第1方向についての位置に応じて反対板面119cにおける第2方向についての占有比率が変化するものとされており、第1方向について光入射面119bに近い側では凹型シリンドリカルレンズ(反対板面側シリンドリカルレンズ)144aに係る上記占有比率が相対的に高く且つ平坦状部145に係る上記占有比率が相対的に低くなるのに対し、第1方向について光入射面119bから遠い側(反対端面119dに近い側)では凹型シリンドリカルレンズ144aに係る上記占有比率が相対的に低く且つ平坦状部145に係る上記占有比率が相対的に高くなるよう設けられている。
導光板119の反対板面119cに配された凹型レンチキュラーレンズ部144を構成する複数の凹型シリンドリカルレンズ144aと、反射シート140との間には、図24に示すように、所定の隙間C1が空けられるようになっている。この隙間C1は、導光板119の反対板面119cと、反射シート140との間に介在するとともに、屈折率が約1.0とされた空気層とされている。この隙間C1は、第2方向(X軸方向)の位置に応じてその高さ寸法(第3方向についての寸法)が変化するものとされており、具体的には、同高さ寸法が、第2方向について凹型シリンドリカルレンズ144aの中央位置から両端位置に近づくに従って減少するとともにその変化率が凹型シリンドリカルレンズ144aの曲率に依存するものとされる。さらには、隙間C1は、図24から図26に示すように、第1方向(Y軸方向)についての位置に応じてその高さ寸法が変化するものとされており、具体的には同高さ寸法が第1方向について光入射面119bから遠ざかって反対端面119dに近づくに従って減少するとともにその変化率が凹型シリンドリカルレンズ144aに係る高さ寸法の変化率と同一とされる。また、平坦状部145は、反射シート140の反射面140aに接した状態で配される。
本実施形態では、出光反射部141が導光板119の光出射面119a側に配されているので、次の作用が得られる。すなわち、導光板119の光入射面119bに入射した光が導光板119内を第1方向に沿って反対端面119d側に向けて伝播する過程で光出射面119aに達すると、その一部がそこに配された出光反射部141により反射されて反対板面119c側に向かう。出光反射部141により反射されて反対板面119cに達した光は、そこで凹型シリンドリカルレンズ144aの円弧状面144a1に対して臨界角以下の入射角で入射した場合にはその光は円弧状面144a1にて屈折されつつ反射シート140との間に有される隙間C1へと出射される。隙間C1に出射した光は、反射シート140の反射面140aにて反射された後、再び反対板面119cに達したところで凹型シリンドリカルレンズ144aの円弧状面144a1に入射し、そこで再び屈折された後、光出射面19aへと向かってそこから出射される。このように隙間C1を介して反対板面119cを出入りする光の一部については、その出入りの度に、凹型シリンドリカルレンズ144aによって異方性集光作用、つまり第2方向について選択的に集光作用が付与されるものの、同異方性集光作用が付与されない光については、出入りの度に第2方向について拡散されるような光学作用が付与される。この凹型シリンドリカルレンズ144aによって異方性集光作用が付与されない光は、反対板面119cを出入りする際に付与される2回の屈折により第2方向について広範囲に拡散されるので、第2方向について光が良好に混合され、もって光出射面119aからの出射光に第2方向について輝度ムラがより生じ難いものとなる。また、凹型シリンドリカルレンズ144aによって異方性集光作用が付与された光は、プリズムシート142においては第2方向について集光され難く、むしろ第2方向について拡散され易いものとなっているため、プリズムシート142の出射光に係る輝度ムラを改善させるものの正面輝度の向上に寄与することがないものとされる。
次に、本実施形態のように光出射面側に出光反射部及びプリズム部を、反対板面側に凹型レンチキュラーレンズ部を、それぞれ配した導光板において、導光板の反対板面の全域を、平坦状部とした場合と、凹型レンチキュラーレンズ部とした場合と、でプリズムシートの出射光に係る輝度分布がどのように異なるかに関して知見を得るべく比較実験6を行った。この比較実験6では、反対板面の全域を平坦状部とした導光板を比較例4とし、反対板面の全域を凹型レンチキュラーレンズ部とした導光板を比較例5とし、これら比較例4,5に係る各導光板の出射光をプリズムシートに透過させて得られる出射光に関して、輝度分布を測定してその結果を図27に示す。比較例4に係る導光板は、既述した比較実験2にて説明した比較例1に係る導光板の表裏の板面における各構造物の配置を逆転させた構成とされるとともに、プリズム部を構成する単位プリズムの頂角が140°とされている。比較例5に係る導光板は、既述した比較実験2にて説明した比較例2に係る導光板の表裏の板面における各構造物の配置を逆転させた構成とされるとともに、プリズム部を構成する単位プリズムの頂角が140°とされている。また、プリズムシートの構成は、上記した実施形態1に記載したものと同様とされる。図27では、縦軸をプリズムシートからの出射光の相対輝度(無単位)とし、横軸を第2方向についての正面方向に対する角度(単位は「°」)としている。図27における縦軸の相対輝度は、比較例4,5に係る各導光板のそれぞれにおいて、正面方向(角度が0°)についての輝度値を基準(1.0)とした相対値である。なお、図27では、実線で示されるグラフが比較例4を、破線で示されるグラフが比較例5を、それぞれ表している。
比較実験6の実験結果について説明する。図27によれば、比較例4は、比較例5に比べて、プリズムシートの出射光に係る第2方向についての正面輝度がより高いものとされている。詳しくは、比較例4に係る導光板からの出射光をプリズムシートに透過させて得た出射光には、比較例5に係る導光板からの出射光をプリズムシートに透過させて得た出射光に比べると、正面方向に対して進行方向が±10°の角度範囲となるものの光量が相対的に多く含まれているのに対し、正面方向に対して進行方向が±20°〜±40°の角度範囲となるものが相対的に少なく含まれていることが分かる。つまり、比較例4に係る導光板からの出射光をプリズムシートに透過させて得た出射光は、比較例5に比べて正面方向への集光度合いが高いものとされている。これは、比較例5のように、反対板面の全域に凹型レンチキュラーレンズ部を配すると、その凹型レンチキュラーレンズ部により異方性集光作用が付与された光がプリズムシートにおいては第2方向について集光され難くなるため、正面輝度が相対的に低くなると考えられる。これに対し、比較例4のように、反対板面の全域に平坦状部を配すると、平坦状部では光に特定の光学作用を付与することがないため、導光板の出射光に付与される光学作用としてはプリズム部による異方性集光作用が支配的となる。そして、当該出射光がプリズムシートにおいては第2方向について集光され易くなるので、正面輝度が相対的に高くなると考えられる。
続いて、上記した比較実験6の比較例4のように、導光板の反対板面を全域にわたって平坦状部とした上で、プリズム部を構成する単位プリズムの頂角を変化させた場合に輝度がどのように変化するかに関して知見を得るべく比較実験7を行った。この比較実験7では、比較実験6にて説明した比較例4に係る導光板を用いるとともに、そのプリズム部を構成する単位プリズムの頂角を、90°〜160°の範囲で変化させたとき、当該頂角の変化に伴って、導光板の光出射面から出射した光を、当該導光板の出光側に積層配置したプリズムシートに透過させて得られる出射光の輝度がどのように変化するかを測定し、その結果を図28に示す。図28において、横軸は、単位プリズムの頂角(単位は「°」)であり、縦軸は、プリズムシートの出射光に係る相対輝度(単位は「%」)である。図28の縦軸に示される出射光に係る相対輝度は、比較実験6にて説明した比較例5に係る導光板の出射光をプリズムシートに透過させて得られる出射光に係る輝度値を基準(100%)とした相対値である。
比較実験7の実験結果について説明する。図28からは、単位プリズムの頂角が102°〜112°の範囲とされるか、132°〜156°の範囲とされていれば、比較実験6の比較例5よりも相対輝度が高くなることが分かる。中でも、単位プリズムの頂角が110°とされるか、135°〜155°の範囲とされていれば、比較例5との比較で相対輝度が5%以上高くなっている。そして、単位プリズムの頂角が150°とされていれば、最も高輝度となっていて比較例5との比較で相対輝度が13%程度高くなっている。この比較実験7のように、導光板の反対板面の全域に平坦状部を配すると、平坦状部では光に特定の光学作用を付与することがないため、導光板の出射光に付与される光学作用としてはプリズム部による異方性集光作用が支配的となっている。従って、プリズム部を構成する単位プリズムの頂角は、110°または135°〜155°の範囲とされるのが好ましく、さらには140°〜150°の範囲とされるのがより好ましい。この傾向は、導光板119の反対板面119aに、第1方向についての位置に応じて幅寸法が変化する凹型レンチキュラーレンズ部144及び平坦状部145を設けるようにした場合でも同様とされる。
次に、凹型レンチキュラーレンズ部を構成する凹型シリンドリカルレンズの幅寸法を一定とした場合と、同幅寸法を第1方向についての位置に応じて変化させた場合と、で輝度分布がどのように異なるかに関して知見を得るため、比較実験8を行った。比較実験8では、反対板面に配した凹型シリンドリカルレンズの幅寸法が第1方向について全長にわたって一定幅とされた導光板を比較例5とし、反対板面119cに配した凹型シリンドリカルレンズ144aの幅寸法が第1方向について光入射面119bから遠ざかるに従って連続的に漸次減少する導光板119を実施例2とし、それぞれの輝度分布を測定してその結果を図29から図31に示す。この輝度分布の測定は、比較例5及び実施例2に係る各導光板のうち、第1方向について、光入射面寄りの位置と、中央位置と、反対端面寄りの位置と、の3箇所にて行うものとし、光入射面寄りの位置での測定結果を図29に、中央位置での測定結果を図30に、反対端面寄りの位置での測定結果を図31に、それぞれ示している。比較例5に係る導光板は、比較実験6にて説明した通りである。実施例2に係る導光板119は、反対板面119cに第1方向についての位置に応じて第2方向についての占有比率が変化する凹型レンチキュラーレンズ部144及び平坦状部145を設けるとともに光出射面119aに出光反射部141及びプリズム部143を設けるようにした構成とされる。実施例2に係る導光板119には、第1方向について光入射面119bに近い側では凹型レンチキュラーレンズ部144を構成する凹型シリンドリカルレンズ144aにおける第2方向についての占有比率が相対的に高く且つ平坦状部145における第2方向についての占有比率が相対的に低くなるのに対し、第1方向について光入射面119bから遠い側では凹型シリンドリカルレンズ144aにおける第2方向についての占有比率が相対的に低く且つ平坦状部145における第2方向についての占有比率が相対的に高くなるよう設けられており、その詳しい構成は比較実験6以前の段落において説明したものと同一である。また、実施例2に係る導光板119の光出射面119aに配されたプリズム部143を構成する単位プリズム143aの頂角は、140°とされる。図29から図31では、縦軸をプリズムシートからの出射光の相対輝度(無単位)とし、横軸を第2方向についての正面方向に対する角度(単位は「°」)としている。図29から図31における縦軸の相対輝度は、比較例5及び実施例2に係る各導光板のそれぞれにおいて、正面方向(角度が0°)についての輝度値を基準(1.0)とした相対値である。なお、図29から図31では、破線で示されるグラフが比較例5を、実線で示されるグラフが実施例2を、それぞれ表している。
比較実験8の実験結果について説明する。図29から図31によれば、実施例2に係る導光板119は、比較例5に係る導光板に比べると、第1方向についてのいずれの位置においても正面輝度が相対的に高いものとされていることが分かる。そして、図29と図30とを比較すると、第1方向について光入射面寄りの位置よりも、第1方向について中央位置での方が、実施例2に係る正面輝度がより高くなっているのが分かる。さらには、図30と図31とを比較すると、第1方向について中央位置よりも、第1方向について反対端面寄りの位置での方が、実施例2に係る正面輝度がより高くなっているのが分かる。つまり、実施例2に係る導光板119においては、光入射面119bから遠ざかって反対端面119dの近づくほど、正面輝度が向上しており、これは凹型シリンドリカルレンズ144aの幅寸法の変化に反比例する傾向であると言える。詳しくは、凹型シリンドリカルレンズ144aの幅寸法(第2方向についての占有比率)は、第1方向について光入射面119b側の端位置にて最大となり、反対端面119d側の端位置にて最小となっていることから、同幅寸法が減少するほど導光板119の出射光をプリズムシート142に透過させて得た出射光に係る正面輝度が向上する傾向とされている。そして、幅寸法が上記のように変化する凹型シリンドリカルレンズ144aは、第1方向についての光入射面119b側において幅寸法が大きくされることで、第2方向についての輝度ムラの発生を好適に抑制することができるとともに、そのような輝度ムラが本来的に生じ難い第1方向についての中央位置や反対端面119d側においては幅寸法が小さくされることで、プリズムシート142の出射光に係る正面輝度を向上させることができるのである。そして、実施例2に係る導光板119からの出射光をプリズムシート142に透過させて得た出射光に係る輝度値を測定したところ、比較例5に係る導光板を用いた場合との比較において、8%程度向上することが分かった。
以上説明したように本実施形態によれば、導光板119の反対板面119cと対向する形で配されるとともに光を反射する反射面を有する反射部材を備えており、出光反射部141及びプリズム部143は、導光板119の光出射面119a側に配されているのに対し、凹型レンチキュラーレンズ部144は、導光板119の反対板面119c側に配されている。このようにすれば、導光板119の光出射面119a側に配された出光反射部141を構成する単位反射部141aにより反射された光の少なくとも一部は、一旦反対板面119cへと向かい、そこで凹型レンチキュラーレンズ部144により異方性集光作用を付与されつつ出射されてから反射部材により反射されることで、再び反対板面119cに入射しつつ光出射面119aへと向かい、そこでプリズム部143により異方性集光作用を付与されつつ出射される。このように出光反射部141により反射された光が光出射面119aから出射するまでの光路が複雑なものとなり、特に反対板面119c側から反射部材へと出射する際と、反射部材側から反対板面119cへと入射する際と、の少なくとも2回、光が屈折作用を受けることになる。出光反射部141による反射光のうちプリズム部143により異方性集光作用を付与されない光に関しては、上記した2回の屈折作用により第2方向について拡散し易くなるので、第2方向について光が良好に混合され、もって光出射面119aからの出射光に第2方向について輝度ムラがより生じ難いものとなる。
また、プリズム部143は、単位プリズム143aの頂角θv2が135°〜155°の範囲とされる。このようにすれば、仮に凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率を一定とした場合に比べると、光出射面119aからの出射光に係る輝度を十分に向上させることができる。
また、プリズム部143は、単位プリズム143aの頂角θv2が150°とされる。このようにすれば、仮に凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率を一定とした場合に比べると、光出射面119aからの出射光に係る輝度を最も向上させることができる。
また、プリズム部143は、単位プリズム143aの頂角θv2が110°とされる。このようにすれば、仮に凹型シリンドリカルレンズにおける第2方向についての占有比率を一定とした場合に比べると、光出射面119aからの出射光に係る輝度を十分に向上させることができる。
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図32から図34によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態1に記載した凹型レンチキュラーレンズ部44に代えて、凸型レンチキュラーレンズ部46を設けるようにしたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る導光板219の光出射面219aには、図32に示すように、凸型レンチキュラーレンズ部(レンチキュラーレンズ部、光出射面側レンチキュラーレンズ部)46が設けられている。凸型レンチキュラーレンズ部46は、第1方向(X軸方向)に沿って延在する凸型シリンドリカルレンズ(シリンドリカルレンズ、光出射面側シリンドリカルレンズ)46aを第2方向(Y軸方向)に沿って多数並ぶ形で配してなる。凸型シリンドリカルレンズ46aは、光出射面219aから第3方向(Z軸方向)に沿って表側(出光側)に向けて突出する形で設けられており、凸型レンズとされる。凸型シリンドリカルレンズ46aは、軸線方向が第1方向と一致した略半円柱状をなしており、その裏側を向いた表面が円弧状をなす凸型の円弧状面46a1とされる。凸型シリンドリカルレンズ46aは、延在方向(第1方向)と直交する並列方向(第2方向)に沿って切断した断面形状が略半円形状(蒲鉾型)をなしている。凸型シリンドリカルレンズ46aは、その幅寸法(第2方向についての寸法)が第1方向について全長にわたって一定とされる。この凸型シリンドリカルレンズ46aは、その円弧状面46a1の基端部46a2での接線Taが第2方向に対してなす角度θtを「接線角」としたとき、その接線角θtが例えば70°程度とされる。
このような構成の凸型シリンドリカルレンズ46aは、上記した実施形態1に記載した凹型シリンドリカルレンズ44a(図10から図12を参照)と概ね同様の光学作用を奏するものとされる。すなわち、光出射面219aに達した光が、凸型シリンドリカルレンズ46aにおける円弧状面46a1に対して臨界角を超える入射角で入射した場合には、円弧状面46a1にて全反射されることで、第2方向について広範囲に拡散するよう進行しつつ導光板219内を伝播される。これにより、第2方向について輝度ムラが生じ難いものとされる一方、光出射面219aに達した光が、凸型シリンドリカルレンズ46aの円弧状面46a1に対して臨界角以下の入射角で入射した場合には、その光は円弧状面46a1にて屈折されつつプリズムシートへ向けて出射される。
凸型レンチキュラーレンズ部46を構成する凸型シリンドリカルレンズ46aは、図32から図34に示すように、その幅寸法(第2方向についての寸法)が第1方向についての位置に応じて変化するよう形成されている。詳しくは、凸型シリンドリカルレンズ46aは、その幅寸法、つまり光出射面219aにおける第2方向についての占有比率が、第1方向についての光入射面から遠ざかって反対端面に近づくのに従って連続的に漸次減少し、逆に第1方向について反対端面から遠ざかって光入射面に近づくのに従って連続的に漸次増加している。凸型シリンドリカルレンズ46aは、導光板219における第1方向についての光入射面側の端部(端位置)では上記占有比率が最大で例えば70%〜90%程度とされるのに対し、反対端面側の端部では上記占有比率が最小で例えば10%〜30%程度とされ、また第1方向についての中央部では上記占有比率が例えば50%程度とされる。さらには、凸型シリンドリカルレンズ46aは、その高さ寸法(第3方向についての寸法)が第1方向についての位置に応じて変化するよう形成されている。詳しくは、凸型シリンドリカルレンズ46aは、その高さ寸法、つまり光出射面219aからの突出高さが、第1方向についての光入射面から遠ざかって反対端面に近づくのに従って連続的に漸次減少し、逆に第1方向について反対端面から遠ざかって光入射面に近づくのに従って連続的に漸次増加している。つまり、凸型シリンドリカルレンズ46aの高さ寸法は、第1方向についての位置に応じて幅寸法と同様に変化するものとされる。従って、凸型シリンドリカルレンズ46aは、その表面積(円弧状面46a1の面積)に関しても、第1方向についての位置に応じて幅寸法及び高さ寸法と同様に変化するものとされる。
導光板219の光出射面219aのうち、凸型レンチキュラーレンズ部46(凸型シリンドリカルレンズ46a)の非形成領域には、第1方向(X軸方向)及び第2方向(Y軸方向)に沿って平坦な形状の平坦状部245が形成されている。平坦状部245は、凸型シリンドリカルレンズ46aに対して第2方向について隣り合う形で複数が配されている。つまり、導光板219の光出射面219aには、凸型シリンドリカルレンズ46aと平坦状部245とが第2方向について交互に並ぶ形で配されている。平坦状部245は、その幅寸法(第2方向についての寸法)が第1方向についての位置に応じて変化するよう形成されている。詳しくは、平坦状部245は、その幅寸法、つまり光出射面219aにおける第2方向についての占有比率が、第1方向についての光入射面に近づいて反対端面から遠ざかるのに従って連続的に漸次減少し、逆に第1方向について反対端面に近づいて光入射面から遠ざかるのに従って連続的に漸次増加している。平坦状部245は、導光板219における第1方向についての光入射面側の端部(端位置)では上記占有比率が最小で例えば10%〜30%程度とされるのに対し、反対端面側の端部では上記占有比率が最大で例えば70%〜90%程度とされ、また第1方向についての中央部では上記占有比率が例えば50%程度とされる。
このように、凸型レンチキュラーレンズ部46及び平坦状部245は、導光板219cの光出射面219aにおける第2方向についての占有比率に関して、第1方向について光入射面に近い側では凸型シリンドリカルレンズ46aに係る占有比率が相対的に高く且つ平坦状部245に係る占有比率が相対的に低くなるのに対し、第1方向について光入射面から遠い側では凸型シリンドリカルレンズ46aに係る占有比率が相対的に低く且つ平坦状部245に係る占有比率が相対的に高くなるよう設けられているから、図示しないLEDに起因する輝度ムラの発生が懸念される第1方向について光入射面に近い側においては、相対的に高い占有比率とされた凸型シリンドリカルレンズ46aにより図示しないプリズムシートの出射光に第2方向について輝度ムラが生じ難くされるのに対し、本来的にLEDに起因する輝度ムラが発生し難いものとされる第1方向について光入射面から遠い側においては、相対的に高い占有比率とされた平坦状部245によりプリズムシートの出射光に係る輝度がより高いものとされる。以上により、プリズムシートの出射光に関して輝度ムラが緩和されるとともに輝度の向上が図られる。
以上説明したように本実施形態によれば、凸型レンチキュラーレンズ部46は、凸型シリンドリカルレンズ46aが凸型をなすよう設けられている。このようにすれば、仮にシリンドリカルレンズを凹型をなすようにした場合に比べると、導光板219内を伝播する光が凸型シリンドリカルレンズ46aにおける曲面状をなす界面に対して臨界角を超えない入射角でもって入射する確率が高いものとなるので、光が同界面から出射し易くなる。
<実施形態4>
本発明の実施形態4を図35によって説明する。この実施形態4では、上記した実施形態3から凸型レンチキュラーレンズ部346の構成を変更したものを示す。なお、上記した実施形態3と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凸型レンチキュラーレンズ部346の凸型シリンドリカルレンズ346aは、図35に示すように、高さ寸法が相対的に小さな第1凸型シリンドリカルレンズ(第1シリンドリカルレンズ)346aAと、高さ寸法が相対的に大きな第2凸型シリンドリカルレンズ(第2シリンドリカルレンズ)346aBと、から構成されている。これら第1凸型シリンドリカルレンズ346aA及び第2凸型シリンドリカルレンズ346aBは、その幅寸法の変化率、高さ寸法の変化率、及び接線角などが上記した実施形態3に記載した凸型シリンドリカルレンズ46aと同一とされる。つまり、第1凸型シリンドリカルレンズ346aAは、その断面形状が第2凸型シリンドリカルレンズ346aBの断面形状と相似形をなしている。
第2凸型シリンドリカルレンズ346aBは、その底面の幅寸法及び高さ寸法が、第1凸型シリンドリカルレンズ346aAに比べて大きなものとされており、具体的には第1凸型シリンドリカルレンズ346aAの底面の幅寸法及び高さ寸法のそれぞれ約2倍程度とされる。従って、第2凸型シリンドリカルレンズ346aBは、その頂部346aB1が、第1凸型シリンドリカルレンズ346aAの頂部346aA1よりも相対的に高い位置(プリズムシート342に近い位置)に配されるとともに、プリズムシート342の裏側(導光板319側)の板面に接する形で配されている。これに対し、第1凸型シリンドリカルレンズ346aAは、その頂部346aA1が第2凸型シリンドリカルレンズ346aBの頂部346aB1よりも相対的に低い位置(プリズムシート342から遠い位置)に配されるとともに、プリズムシート342の裏側の板面との間に隙間C2が空けられた形で配されている。つまり、第1凸型シリンドリカルレンズ346aAは、プリズムシート342の裏側の板面に対して非接触状態に保たれている。これにより、導光板319とプリズムシート342との接触面積が上記した実施形態3に比べて減少するとともに、導光板319とプリズムシート342との間に生じる隙間C2に空気層が存在することで、導光板319とプリズムシート342とが密着し難くなる。第2方向について隣り合う第1凸型シリンドリカルレンズ346aAと第2凸型シリンドリカルレンズ346aBとの間には、平坦状部345が挟み込まれる形で配されている。
以上説明したように本実施形態によれば、出光反射部341及びプリズム部343は、導光板319の反対板面319c側に配されているのに対し、凸型レンチキュラーレンズ部346は、導光板319の光出射面319a側に配されており、凸型レンチキュラーレンズ部346を構成する凸型シリンドリカルレンズ346aには、相対的に低い第1凸型シリンドリカルレンズ(第1シリンドリカルレンズ)346aAと、相対的に高い第2凸型シリンドリカルレンズ(第2シリンドリカルレンズ)346aBとが含まれており、第1凸型シリンドリカルレンズ346aAと、プリズムシート342との間には、隙間C2が空けられている。このようにすれば、複数の凸型シリンドリカルレンズ346aに含まれる第1凸型シリンドリカルレンズ346aAと、プリズムシート342との間に隙間C2が空けられることで、凸型レンチキュラーレンズ部346に対してプリズムシート342が密着し難いものとされる。これにより、当該バックライト装置312の出射光に輝度ムラの発生を抑制することができる。
<実施形態5>
本発明の実施形態5を図36から図38によって説明する。この実施形態5では、上記した実施形態2に記載した凹型レンチキュラーレンズ部144に代えて、上記した実施形態3と同様の凸型レンチキュラーレンズ部446を設けるようにしたものを示す。なお、上記した実施形態2,3と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る導光板419は、図36から図38に示すように、反対板面419c側に出光反射部441及びプリズム部443を、光出射面419a側に凸型レンチキュラーレンズ部446及び平坦状部445を、それぞれ配置してなるものとされており、上記した実施形態3に記載した導光板219とは表裏の板面219a,219cにおける各構造物の配置が逆転している。これら出光反射部441、プリズム部443、凸型レンチキュラーレンズ部446、及び平坦状部445は、導光板419における表裏の板面419a,419cの配置を除いては、上記した実施形態3に記載したものと同様の構成とされている。このように、導光板419の反対板面419cは、凸型レンチキュラーレンズ部446が設けられることで凹凸形状となっており、それにより第2方向に沿って並ぶ複数の凸型シリンドリカルレンズ446aと、図示しない反射シートとの間には、所定の隙間が空けられるようになっている。
<実施形態6>
本発明の実施形態6を図39によって説明する。この実施形態6では、上記した実施形態1から凹型レンチキュラーレンズ部544及び平坦状部545に係る第2方向についての占有比率を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凹型レンチキュラーレンズ部544は、図39に示すように、光出射面519aにおける凹型シリンドリカルレンズ544aに係る第2方向についての占有比率が反対端面519d側の端部ではほぼ0%となるよう構成されている。平坦状部545は、光出射面519aにおける第2方向についての占有比率が反対端面519d側の端部ではほぼ100%となるものとされる。このような構成は、導光板519の反対端面519d側においてより輝度不足が懸念される場合に特に有用とされる。
<実施形態7>
本発明の実施形態7を図40によって説明する。この実施形態7では、上記した実施形態6から凹型レンチキュラーレンズ部644及び平坦状部645に係る第2方向についての占有比率を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1,6と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凹型レンチキュラーレンズ部644は、図40に示すように、光出射面619aにおける凹型シリンドリカルレンズ644aに係る第2方向についての占有比率が反対端面619d側の端部ではほぼ0%となるものの、光入射面619b側の端部ではほぼ100%となるよう構成されている。平坦状部645は、光出射面619aにおける第2方向についての占有比率が反対端面619d側の端部ではほぼ0%となるものの、光入射面619b側の端部ではほぼ0%となるものとされる。このような構成は、導光板619の導光板619の反対端面619d側においてより輝度不足が懸念されるとともに、光入射面619b側においてより輝度ムラの発生が懸念される場合に特に有用とされる。
<実施形態8>
本発明の実施形態8を図41によって説明する。この実施形態8では、上記した実施形態7から凹型レンチキュラーレンズ部744及び平坦状部745に係る第2方向についての占有比率を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1,7と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凹型レンチキュラーレンズ部744は、図41に示すように、光出射面719aにおける凹型シリンドリカルレンズ744aに係る第2方向についての占有比率が、第1方向について光入射面719bから遠ざかるに従って連続的に漸次減少し、反対端面719d側の端部に至る手前の段階で0%に達するよう設けられている。従って、凹型レンチキュラーレンズ部744は、第1方向についての形成範囲が導光板719の全長には至らないものとされ、具体的には光入射面719b側の端部から反対端面719dに至る手前の位置までとなるよう設けられている。これに対し、平坦状部745は、光出射面719aにおける第2方向についての占有比率が、第1方向について光入射面719bから遠ざかるに従って連続的に漸次増加し、反対端面719d側の端部に至る手前の段階で100%に達するよう設けられている。このような構成は、導光板719の反対端面719d側において一層の輝度不足が懸念される場合に特に有用とされる。
<実施形態9>
本発明の実施形態9を図42によって説明する。この実施形態9では、上記した実施形態1から凹型レンチキュラーレンズ部844及び平坦状部845に係る第2方向についての占有比率の変化の仕方を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凹型レンチキュラーレンズ部844(凹型シリンドリカルレンズ844a)及び平坦状部845は、図42に示すように、それぞれの幅を規定する両側縁SEが、平面に視て略円弧状をなすよう設けられている。詳しくは、凹型レンチキュラーレンズ部844及び平坦状部845の上記両側縁SEは、各側縁SEにおける第1方向について両端位置同士を結んで得られた仮想線L(図42では二点鎖線により図示する)に対して凹状シリンドリカルレンズ844a側を通るよう形成されている。このような構成であっても、上記した実施形態1と同様に、輝度の向上と輝度ムラの抑制とを好適に両立することができる。
<実施形態10>
本発明の実施形態10を図43によって説明する。この実施形態10では、上記した実施形態1から凹型レンチキュラーレンズ部944及び平坦状部945に係る第2方向についての占有比率の変化の仕方を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凹型レンチキュラーレンズ部944(凹型シリンドリカルレンズ944a)及び平坦状部945は、図43に示すように、それぞれの幅を規定する両側縁SEが、平面に視て略円弧状をなすよう設けられている。詳しくは、凹型レンチキュラーレンズ部944及び平坦状部945の上記両側縁SEは、各側縁SEにおける第1方向について両端位置同士を結んで得られた仮想線L(図43では二点鎖線により図示する)に対して平坦状部945を通るよう形成されている。このような構成であっても、上記した実施形態1と同様に、輝度の向上と輝度ムラの抑制とを好適に両立することができる。
<実施形態11>
本発明の実施形態11を図44によって説明する。この実施形態11では、上記した実施形態1から凹型レンチキュラーレンズ部1044及び平坦状部1045に係る第2方向についての占有比率の変化の仕方を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凹型レンチキュラーレンズ部1044(凹型シリンドリカルレンズ1044a)及び平坦状部1045は、図44に示すように、それぞれの幅を規定する両側縁SEが、平面に視て2段階の傾斜状をなしている。詳しくは、凹型レンチキュラーレンズ部1044及び平坦状部1045は、光出射面1019aにおける第2方向についての占有比率に関して、第1方向の位置に応じて変化する変化率が途中で変更されている。これにより、凹型レンチキュラーレンズ部1044及び平坦状部1045における上記両側縁SEは、第1方向に対する傾斜角度が相対的に大きな第1傾斜側縁SE1と、第1方向に対する傾斜角度が相対的に小さな第2傾斜側縁SE2とから構成される。第1傾斜側縁SE1と第2傾斜側縁SE2との境界位置は、第1方向について導光板1019の中央位置とほぼ一致している。このような構成であっても、上記した実施形態1と同様に、輝度の向上と輝度ムラの抑制とを好適に両立することができる。
<実施形態12>
本発明の実施形態12を図45によって説明する。この実施形態12では、上記した実施形態1から凹型レンチキュラーレンズ部1144及び平坦状部1145に係る第2方向についての占有比率の変化の仕方を変更したものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係る凹型レンチキュラーレンズ部1144及び平坦状部1145は、図45に示すように、それぞれの幅を規定する両側縁SEが、平面に視て多段階の階段状をなしている。凹型レンチキュラーレンズ部1144は、導光板1119の光出射面1119aにおける凹状シリンドリカルレンズ1144aに係る第2方向についての占有比率が、第1方向について光入射面1119bから遠ざかって反対端面1119dに近づくのに従って段階的に逐次減少するよう設けられている。平坦状部1145は、上記占有比率が、第1方向について光入射面1119bから遠ざかって反対端面1119dに近づくのに従って段階的に逐次増加するよう設けられている。従って、凹型レンチキュラーレンズ部1144及び平坦状部1145における上記両側縁SEは、第1方向に並行する部分と、第2方向に並行する部分とが交互に繋がった構成とされる。本実施形態では、凹型レンチキュラーレンズ部1144及び平坦状部1145は、それぞれの幅寸法が5段階でもって増減するよう設けられている。このような構成であっても、上記した実施形態1と同様に、輝度の向上と輝度ムラの抑制とを好適に両立することができる。
<実施形態13>
本発明の実施形態13を図46によって説明する。この実施形態13では、上記した実施形態1から導光板1219を挟み込む形でLED1217を有するLED基板1218を2組配置したものを示す。ものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
本実施形態に係るLED1217を有するLED基板1218は、図46に示すように、導光板1219を第1方向(X軸方向)について両側から挟み込む形で2組配置されている。このような配置構成では、導光板1219の外周端面のうち、一対の短辺側の端面がそれぞれLED1217からの光が入射される光入射面1219bとされるのに対し、一対の長辺側の端面1219eがそれぞれLED1217からの光が直接入光されない設定とされた非入光側面とされる。なお、図46では、LED1217及びLED基板1218を二点鎖線により図示している。
LED基板1218を上記のような配置とするのに伴い、導光板1219の光出射面1219aに設けられた凹型レンチキュラーレンズ部1244及び平坦状部1245は、次のような構成とされる。すなわち、凹型レンチキュラーレンズ部1244は、第1方向について各光入射面1219b側では、光出射面1219aにおける第2方向についての凹型シリンドリカルレンズ1244aの占有比率が相対的に高くなるのに対し、第1方向について中央側では、凹型シリンドリカルレンズ1244aの上記占有比率が相対的に低くなるよう設けられている。これに対し、平坦状部1245は、第1方向について各光入射面1219b側では、上記占有比率が相対的に低くなるのに対し、第1方向について中央側では、上記占有比率が相対的に高くなるよう設けられている。
詳しくは、凹型レンチキュラーレンズ部1244は、第1方向についての各光入射面1219bから遠ざかって第1方向についての中央部(各光入射面1219bから最も遠い部分)に近づくのに従って、光出射面1219aにおける凹型シリンドリカルレンズ1244aに係る第2方向についての占有比率(幅寸法)が連続的に漸次減少しており、逆に第1方向について中央部から遠ざかって各光入射面1219bに近づくのに従って上記占有比率が連続的に漸次増加している。凹型シリンドリカルレンズ1244aは、導光板1219における第1方向についての各光入射面1219b側の端部(端位置)では上記占有比率が最大で例えば70%〜90%程度とされるのに対し、第1方向についての中央部では上記占有比率が最大で例えば10%〜30%程度とされる。これに対し、平坦状部1245は、第1方向について各光入射面1219bから遠ざかって第1方向についての中央部に近づくのに従って上記占有比率が連続的に漸次増加しており、逆に第1方向について中央部から遠ざかって各光入射面1219bに近づくのに従って上記占有比率が連続的に漸次減少している。平坦状部1245は、導光板1219における第1方向についての各光入射面1219b側の端部では上記占有比率が最大で例えば10%〜30%程度とされるのに対し、第1方向についての中央部では上記占有比率が最大で例えば70%〜90%程度とされる。凹型レンチキュラーレンズ部1244及び平坦状部1245における上記占有比率の変化率は、互いに同一とされる。このような構成であっても、上記した実施形態1と同様に、輝度の向上と輝度ムラの抑制とを好適に両立することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した各実施形態以外にも、導光板の反対板面または光出射面における第2方向についての凹型シリンドリカルレンズまたは凸型シリンドリカルレンズの占有比率の具体的な値は、適宜に変更可能である。例えば、上記占有比率を、第1方向について光入射面側の端部において90%〜100%の範囲または50%〜70%の範囲とし、第1方向について反対端面側の端部において0%〜10%の範囲または30%〜50%の範囲とすることが可能である。また、導光板の反対板面における第1方向についての中央部での第2方向についての占有比率に関して、凹型シリンドリカルレンズまたは凸型シリンドリカルレンズの上記占有比率と、平坦状部の上記占有比率と、が互いに異なる大きさであっても構わない。
(2)上記した各実施形態以外にも、導光板の反対板面または光出射面における第2方向についての平坦状部の占有比率の具体的な値は、適宜に変更可能である。例えば、上記占有比率を、第1方向について光入射面側の端部において0%〜10%の範囲または30%〜50%の範囲とし、第1方向について反対端面側の端部において90%〜100%の範囲または50%〜70%の範囲とすることが可能である。
(3)上記した各実施形態以外にも、導光板の光出射面または反対板面における第1方向についての中央部での第2方向についての占有比率に関して、凹型シリンドリカルレンズまたは凸型シリンドリカルレンズの上記占有比率と、平坦状部の上記占有比率と、が互いに異なる大きさであっても構わない。その場合、上記占有比率が互いに等しくなる位置が第1方向についての中央部に対して光入射面側と反対端面側とのいずれか一方にずれることになる。
(4)上記した各実施形態では、平坦状部と、凹型シリンドリカルレンズまたは凸型シリンドリカルレンズとが第2方向について交互に繰り返し並ぶ形で配されたものを示したが、第2方向について複数の凹型シリンドリカルレンズまたは凸型シリンドリカルレンズが続けて並ぶ配置とするとともに、第2方向について隣り合う複数の凹型シリンドリカルレンズ群または凸型シリンドリカルレンズ群の間に平坦状部が挟まれる配置とすることも可能である。
(5)上記した各実施形態では、導光板の反対板面または光出射面に平坦状部を設けた場合を示したが、各実施形態に記載した構成において、導光板の反対板面及び光出射面にそれぞれ平坦状部を設けることも可能である。その場合、プリズム部を構成とともに第2方向に沿って並ぶ複数の単位プリズムの間に平坦状部を介在する形で配置すればよい。
(6)上記した各実施形態では、プリズム部を構成する単位プリズムの断面形状が二等辺三角形とされたものを示したが、単位プリズムの断面形状は、例えば全ての辺の長さが異なる不等辺三角形や直角三角形などとすることが可能である。
(7)上記した各実施形態以外にも、プリズム部を構成する単位プリズムの頂角、高さ寸法、幅寸法、第2方向についての配列間隔などの具体的な値は、適宜に変更可能である。同様に、プリズムシートを構成する出光側単位プリズムにおける頂角、高さ寸法、幅寸法、第2方向についての配列間隔などの具体的な値は、適宜に変更可能である。
(8)上記した各実施形態以外にも、凸型レンチキュラーレンズ部または凹型レンチキュラーレンズ部を構成する凸型シリンドリカルレンズまたは凹型シリンドリカルレンズにおける接線角、高さ寸法、幅寸法、第2方向についての配列間隔などの具体的な値は、適宜に変更可能である。
(9)上記した各実施形態では、出光反射部及びプリズム部が導光板の反対板面または光出射面に一体に設けられた構成のものを示したが、出光反射部及びプリズム部を導光板とは別部品として設けるようにし、その別部品とした出光反射部及びプリズム部を導光板の反対板面または光出射面に重なる形で配置する構成を採ることも可能である。その場合、別部品とした出光反射部及びプリズム部をなす材料の屈折率を、導光板をなす材料の屈折率と同一とするのが好ましい。さらには、別部品とした出光反射部及びプリズム部をなす材料を、導光板をなす材料と同一とするのが好ましい。
(10)上記した各実施形態では、凸型レンチキュラーレンズ部または凹型レンチキュラーレンズ部、及び平坦状部が導光板の光出射面または反対板面に一体に設けられた構成のものを示したが、凸型レンチキュラーレンズ部または凹型レンチキュラーレンズ部、及び平坦状部を導光板とは別部品として設けるようにし、その別部品とした凸型レンチキュラーレンズ部または凹型レンチキュラーレンズ部、及び平坦状部を導光板の光出射面または反対板面に重なる形で配置する構成を採ることも可能である。その場合、別部品とした凸型レンチキュラーレンズ部または凹型レンチキュラーレンズ部、及び平坦状部をなす材料の屈折率を、導光板をなす材料の屈折率と同一とするのが好ましい。さらには、別部品とした凸型レンチキュラーレンズ部または凹型レンチキュラーレンズ部、及び平坦状部をなす材料を、導光板をなす材料と同一とするのが好ましい。
(11)上記した実施形態6から実施形態13のいずれかに記載した構成を、実施形態2から実施形態5のいずれかに記載した構成に組み合わせることも可能である。
(12)上記した各実施形態では、反射シートが光を鏡面反射するタイプとされた場合を示したが、反射シートが光を拡散反射するタイプとされていても構わない。
(13)上記した各実施形態では、光学シートが1枚のプリズムシートのみからなる構成のものを示したが、他の種類の光学シート(例えば拡散シートや反射型偏光シートなど)を追加することも可能である。また、プリズムシートを複数枚とすることも可能である。
(14)上記した各実施形態では、導光板の光入射面に沿ってLED基板が1枚配される構成のものを示したが、導光板の光入射面に沿ってLED基板が2枚以上並ぶ配置構成としたものも本発明に含まれる。
(15)上記した実施形態4では、第1凸型シリンドリカルレンズと、第2凸型シリンドリカルレンズとにおける断面形状が相似形とされたものを示したが、第1凸型シリンドリカルレンズと、第2凸型シリンドリカルレンズとにおける断面形状が非相似形とされたものも本発明に含まれる。具体的には、第1凸型シリンドリカルレンズの接線角や曲率と、第2凸型シリンドリカルレンズの接線角や曲率とが異なる設定であっても構わない。
(16)上記した実施形態4では、凸型レンチキュラーレンズ部が、高さ寸法が異なる2種類の凸型シリンドリカルレンズからなるものを示したが、互いに高さ寸法が異なる3種類以上の凸型シリンドリカルレンズにより凸型レンチキュラーレンズ部を構成することも可能である。
(17)上記した実施形態4の変形例として、第2凸型シリンドリカルレンズの頂部を丸めた形状とすることも可能である。このようにすれば、プリズムシートにおける裏側の板面に擦れ傷などが付きにくくなる効果が得られる。
(18)上記した実施形態11では、凹型シリンドリカルレンズ及び平坦状部における幅を規定する両側縁が平面に視て2段階の傾斜状をなすものを例示したが、上記両側縁が平面に視て3段階以上の多段階でもって傾斜状をなす構成とすることも可能である。
(19)上記した実施形態12では、凹型シリンドリカルレンズ及び平坦状部の幅寸法が第1方向についての位置に応じて5段階でもって増減するものを例示したが、上記幅寸法が第1方向についての位置に応じて4段階以下、または6段階以上でもって増減する構成としてもよい。
(20)上記した各実施形態(実施形態13を除く)では、導光板における短辺側の一端面を光入射面とし、その光入射面に対してLED基板を対向状に配したものを示したが、導光板における長辺側の一端面を光入射面とし、その光入射面に対してLED基板を対向状に配したものも本発明に含まれる。その場合、出光側単位プリズム、単位プリズム、及び凸型シリンドリカルレンズ(凹型シリンドリカルレンズ)における延在方向を、導光板の短辺方向に一致させ、出光側単位プリズム、単位プリズム、及び凸型シリンドリカルレンズ(凹型シリンドリカルレンズ)における幅方向(並び方向)を、導光板の長辺方向に一致させればよい。
(21)上記した実施形態13の変形例として、導光板における長辺側の一対の端面をそれぞれ光入射面とし、各光入射面に対して一対のLED基板をそれぞれ対向状に配したものも本発明に含まれる。
(22)上記した各実施形態では、導光板が長方形状とされた場合を示したが、導光板が正方形であってもよい。また、導光板は、完全なる方形である必要はなく、外周端部の一部が切り欠かれた構成であっても構わない。
(23)上記した各実施形態では、頂面発光型のLEDを用いた場合を示したが、LED基板に対する実装面に対して隣り合う側面が発光面とされる側面発光型のLEDを用いたものにも本発明は適用可能である。
(24)上記した各実施形態では、タッチパネルのタッチパネルパターンとして投影型静電容量方式のものを例示したが、それ以外にも、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式などのタッチパネルパターンを採用したものにも本発明は適用可能である。
(25)上記した各実施形態に記載したタッチパネルに代えて、例えば、液晶パネルの表示面に表示される画像を視差により分離することで、立体画像(3D画像、三次元画像)として観察者に観察させるための視差バリアパターンを有する視差バリアパネル(スイッチ液晶パネル)を用いることも可能である。また、上記した視差バリアパネルとタッチパネルとを併用することも可能である。
(26)上記した(25)に記載した視差バリアパネルにタッチパネルパターンを形成し、視差バリアパネルにタッチパネル機能を併有させることも可能である。
(27)上記した各実施形態では、液晶表示装置に用いる液晶パネルの画面サイズを5インチ程度とした場合を例示したが、液晶パネルの具体的な画面サイズは5インチ以外にも適宜に変更可能である。
(28)上記した各実施形態では、液晶パネルが有するカラーフィルタの着色部をR,G,Bの3色としたものを例示したが、着色部を4色以上とすることも可能である。
(29)上記した各実施形態では、光源としてLEDを用いたものを示したが、有機ELなどの他の光源を用いることも可能である。
(30)上記した各実施形態では、フレームが金属製とされたものを示したが、フレームを合成樹脂製とすることも可能である。
(31)上記した各実施形態では、カバーパネルとして化学強化処理を施した強化ガラスを用いた場合を示したが、風冷強化処理(物理強化処理)を施した強化ガラスを用いることも勿論可能である。
(32)上記した各実施形態では、カバーパネルとして強化ガラスを用いたものを示したが、強化ガラスではない通常のガラス材(非強化ガラス)や合成樹脂材を用いることも勿論可能である。
(33)上記した各実施形態では、液晶表示装置にカバーパネルを用いた場合を示したが、カバーパネルを省略することも可能である。同様にタッチパネルを省略することも可能である。また、それ以外にも、液晶表示装置の各構成部品に関しては、必要に応じて適宜に省略することが可能である。
(34)上記した各実施形態では、液晶表示装置のスイッチング素子としてTFTを用いたが、TFT以外のスイッチング素子(例えば薄膜ダイオード(TFD))を用いた液晶表示装置にも適用可能であり、カラー表示する液晶表示装置以外にも、白黒表示する液晶表示装置にも適用可能である。