JPWO2015189921A1 - 漏水対策支援装置および方法 - Google Patents

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Abstract

漏水対策支援装置は、配水管網内の管路から漏水が発生したときの漏水被害額を予め記憶する漏水被害額記憶部と、管路が断水になった際の断水被害額を予め記憶する断水被害額記憶部と、配水管網内に漏水が発生する場合に、漏水が発生する管路の情報と、漏水被害額記憶部に記憶された漏水被害額から、配水管網内の漏水被害額を推定する漏水被害額推定部と、配水管網内に断水が発生する場合に、断水が発生する管路の情報と、断水被害額記憶部に記憶された断水被害額から、配水管網内の断水被害額を推定する断水被害額推定部と、推定された漏水被害額と、推定された断水被害額とに基づいて、漏水に対する対策を立案する漏水対策立案部と、を備える。

Description

本発明は、配水管網内において発生した漏水に対する対策立案を行う漏水対策支援装置に関する。
一般に上水道の配水管網には、管路の破断、腐食、および接続部のパッキンの劣化等により大小様々な漏水が発生する。これらの漏水は、発見が遅れることで貴重な水資源が無駄になるばかりか、道路の陥没や浸水等の被害を引き起こすため、できるだけ早い段階で発見して効果的な対策を施すことが望ましい。
漏水の発生をリアルタイムに検知しその対策を立案する技術として以下の技術が公開されている。例えば特許文献1では、配水管網内に設置した流量計、圧力計からの計測値を用いて、配水管網内に発生した漏水の位置と漏水量の推定を行っている。さらに漏水量が急増した際には警告を発し、幹線から配水ブロック(漏水が急増したブロック)に分岐する管路に設置されたバルブを閉止することで漏水量の効果的な削減を行っている。
特開2013−178207号公報
しかしながら特許文献1に記載の技術では、バルブ閉止したときの水供給停止に伴って発生する断水による被害額が、バルブ閉止せずに漏水被害が発生したときの被害額を上回る可能性があり、バルブ閉止する場合としない場合のどちらの被害額が小さくなるか判断できないため、適切な漏水対策を実施することが困難である。
漏水対策支援装置は、配水管網内の管路から漏水が発生したときの漏水被害額を予め記憶する漏水被害額記憶部と、管路が断水になった際の断水被害額を予め記憶する断水被害額記憶部と、配水管網内に漏水が発生する場合に、漏水が発生する管路の情報と、漏水被害額記憶部に記憶された漏水被害額から、配水管網内の漏水被害額を推定する漏水被害額推定部と、配水管網内に断水が発生する場合に、断水が発生する管路の情報と、断水被害額記憶部に記憶された断水被害額から、配水管網内の断水被害額を推定する断水被害額推定部と、推定された漏水被害額と、推定された断水被害額とに基づいて、漏水に対する対策を立案する漏水対策立案部と、を備える。
本発明によれば、漏水による被害や漏水対策に伴うコストを考慮した漏水対策を実施することが可能となる。
漏水対策支援システムの全体構成の概略図。 管路情報管理テーブルの一例。 節点情報管理テーブルの一例。 需要家情報管理テーブルの一例。 漏水被害額管理テーブルの一例。 断水日数管理テーブルの一例。 断水被害額管理テーブルの一例。 管路別被害額管理テーブルの一例。 配水管網において発生した漏水の位置及び漏水量の推定と提示を行う処理を示すフローチャート。 漏水推定結果の表示画面の一例。 漏水発生時の減圧配水計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャート。 減圧配水計画策定結果の表示画面の一例。 メッシュによる漏水推定エリアの分割の一例。 漏水発生時の漏水調査計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャート。 漏水調査計画策定結果の表示画面の一例。 漏水発生時のバルブ操作人員配備計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャート。 バルブ操作人員配備計画策定結果の表示画面の一例。 漏水発生時のバルブ開閉計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャート。 バルブ閉止によって発生する断水エリアとバルブ開放による断水エリアへの水供給などの説明図。 バルブ開閉計画策定結果の表示画面の一例。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態に本発明が限定されることはない。
図1に、漏水対策支援装置101とポンプ111、バルブ112等の配水機器、計測器、ネットワーク118などからなる漏水対策支援システム100の全体構成の概略図を示す。
配水池110の水はポンプ111またはバルブ112などの配水機器によって配水管網133を経て需要家まで配水される。配水管網113は管路114および節点115から構成される。ここで節点115は、管路の分岐・合流・接続・終端を示すものである。管路114上に設置されたバルブ112も便宜上節点の1つとみなされる。管路114からは各需要家に給水するための給水管が分岐している(図示なし)。配水管網113上には、いくつかの節点115の圧力を計測する圧力計116と、いくつかの管路流量を計測する流量計117が設置されている。ポンプ111にも圧力計116、流量計117が設置されており(図示なし)、配水池110からの配水管網113への配水量と配水圧力を計測している。漏水対策支援装置101は、ネットワーク118を介してポンプ111、圧力計116、流量計117と相互に接続されている。
漏水対策支援装置101は、CPU、記憶装置(RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等)、入力部120(キーボード、マウス等)、表示部121(ディスプレイ、プリンタ等)から構成される一般的なコンピュータシステムである。記憶装置には、データ登録部122、データ収集部123、漏水推定部124、漏水被害額推定部125、断水被害額推定部126、管網解析計算部127、減圧配水計画部128、漏水調査計画策定部129、人員配備計画策定部130、バルブ開閉計画策定部131がプログラムとして記憶されており、CPUがこれらのプログラムを実行する。また記憶装置には、管路情報管理テーブル140、節点情報管理テーブル141、需要家情報管理テーブル142、漏水被害額管理テーブル143、断水日数管理テーブル144、断水被害額管理テーブル145、管路別被害額管理テーブル146、計測データ管理テーブル147がデータとして記憶されており、上記プログラムを実行する際に利用することができるようになっている。
データ登録部122は、入力部120より入力された管路や需要家、漏水被害額などに関する情報を所定のテーブルに登録するプログラムである。データ収集部123は、圧力計116、流量計117より計測した圧力値、流量値を収集するプログラムである。漏水推定部124は、配水管網113上に発生した漏水の位置(エリア)と漏水量を推定するプログラムである。漏水被害額推定部125は、漏水によって引き起こされる浸水等の被害額を推定するプログラムである。断水被害額推定部126は、需要家に断水被害が発生したときの断水被害額を推定するプログラムである。管網解析計算部127は、配水管網113上の管網解析計算(各管路流量、各節点圧力の推定計算)を行うプログラムである。減圧配水計画部128は、漏水対策としての減圧配水計画を立案するプログラムである。漏水調査計画策定部129は、地上出現していない漏水の位置を特定するための漏水調査計画を立案するプログラムである。人員配備計画策定部130は、バルブ閉止を行うバルブ操作人員の配備計画を立案するプログラムである。バルブ開閉計画策定部131は、開閉すべきバルブやバルブ閉止順序などのバルブ開閉計画を立案するプログラムである。
管路情報管理テーブル140は、配水管網113を構成する各管路114に関する情報を管理するテーブルである。節点情報管理テーブル141は、配水管網113を構成する各節点115やバルブ112の有無に関する情報を管理するテーブルである。需要家情報管理テーブル142は、配水管網113を介して水の供給を受ける各需要家に関する情報を管理するテーブルである。漏水被害額管理テーブル143は、管路径および需要家属性別の漏水被害額の算定に必要な情報を管理するテーブルである。断水日数管理テーブル144は、管路径別の平均的な断水日数を管理するテーブルである。断水被害額管理テーブル145は、需要家属性別の断水被害額の算定に必要な情報を管理するテーブルである。管路別被害額管理テーブル146は、管路別の漏水被害額、断水被害額に関する情報を管理するテーブルである。計測データ管理テーブル147は、圧力計116、流量計117より計測した時刻別の圧力値、流量値を管理するテーブルである。
本発明の実施の形態では、漏水対策支援装置101において、以下の処理(1)〜(7)の処理を実行することにより、漏水による被害や漏水対策に伴うコストを考慮した効率的な漏水対策を立案できるようになる。
(1)配水管網、需要家、漏水被害・断水被害に関する情報の登録(図2〜8)
(2)配水管網からの圧力、流量の計測値の収集
(3)配水管網において発生した漏水の位置及び漏水量の推定と提示(図9)
(4)漏水発生時の減圧配水計画の策定と提示(図11)
(5)漏水発生時の漏水調査計画の策定と提示(図14)
(6)漏水発生時のバルブ操作人員配備計画の策定と提示(図16)
(7)漏水発生時のバルブ開閉計画の策定と提示(図17、18)
すなわち、漏水対策支援装置101の漏水被害額記憶部(漏水被害額管理テーブル143)は、配水管網内の管路から漏水が発生したときの漏水被害額を予め記憶する。断水被害額記憶部(断水被害額管理テーブル145)は、管路が断水になった際の断水被害額を予め記憶する。漏水被害額推定部125は、配水管網内に漏水の発生を検知した際に、漏水が発生した管路の情報と、漏水被害額記憶部に記憶された漏水被害額から、漏水による漏水被害額を推定する。断水被害額推定部126は、配水管網内に断水が発生した際に、断水が発生する管路の情報と、断水被害額記憶部に記憶された断水被害額から、断水による断水被害額を推定する。漏水対策立案部(減圧配水計画策定部128、漏水調査計画策定部129、人員配備計画策定部130、バルブ開閉計画策定部131)は、推定された漏水被害額と、推定された断水被害額とに基づいて、漏水に対する対策を立案する。
以下、処理(1)〜(7)の実現方法について、図2〜20を用いて説明する。
はじめに、配水管網、需要家、漏水被害及び断水被害に関する情報の登録を行う処理(1)について、図2〜8を用いて説明する。漏水対策支援装置101の管理者は、入力部120より、各管路114の識別情報(管路ID)、管路長、管路径、流速係数(管路の材質や経年によって定まる定数)、管路の接続情報である管路の始点・終点の識別情報(節点ID)を入力する。データ登録部112は、上記入力された各管路のエントリごとに、上記入力情報を管路情報管理テーブル140に登録する。図2に、データ登録部によって登録された管路情報管理テーブル140の一例を示しておく。
そして漏水対策支援装置101の管理者は、入力部120より、各節点115の識別情報(節点ID)、標高、位置情報(緯度、経度)、バルブ有無情報を入力する。データ登録部112は、上記入力された各節点のエントリごとに、上記入力情報を節点情報管理テーブル140に登録する。図3に、データ登録部によって登録された節点情報管理テーブル141の一例を示しておく。
そして漏水対策支援装置101の管理者は、入力部120より、各需要家の需要家名、住所、属性情報(住宅、商業施設、工業施設など)、接続先管路の管路IDを入力する。データ登録部112は、上記入力された各需要家のエントリごとに、上記入力情報を需要家情報管理テーブル142に登録する。図4に、データ登録部によって登録された需要家情報管理テーブル142の一例を示しておく。
そして漏水対策支援装置101の管理者は、入力部120より、管路から漏水被害が発生したときの被害額の推定に必要な情報として、管路径・需要家属性別の漏水被害額原単位と、被害発生の基準となる漏水量を入力する。本実施形態では、上記基準漏水量を超える漏水が発生した場合のみ漏水被害が発生すると仮定し、漏水管に接続された各需要家に対して、その需要家属性に応じた上記漏水被害額原単位の金額の被害が発生したものとする。データ登録部112は、上記入力された情報を漏水被害額管理テーブル143に登録する。図5に、データ登録部によって登録された漏水被害額管理テーブル143の一例を示しておく。図5の例において、例えば、450mm口径管から15.0m3/sの漏水が発生した場合、当該漏水管に接続された住宅1件の漏水被害額は10万円となる。
そして漏水対策支援装置101の管理者は、入力部120より、管路から断水被害が発生したときの被害額の推定に必要な情報として、管路径別の平均断水日数と、需要家族性別の断水被害額原単位を入力する。本実施形態では、断水管に接続された各需要家に対して、断水期間中の毎日、その需要家属性に応じた上記断水被害額原単位の金額の被害が発生したものとする。データ登録部112は、上記入力された管路径別の平均断水日数を断水日数管理テーブル144に登録し、需要家族性別の断水被害額原単位を断水被害額管理テーブル145に登録する。図6、図7に、データ登録部によって登録された断水日数管理テーブル144、断水被害額管理テーブル145の一例を示しておく。図6、図7の例において、例えば、600mm口径管の断水が発生した場合、当該漏水管に接続された工業施設1件の平均断水被害額は10万円(2万円×5日)となる。
そしてデータ登録部112は、上記各テーブルに登録された情報に基づき、管路別の漏水被害額と、管路別の断水被害額とを以下のようにして算出する。
データ登録部112は、各管路114のそれぞれについて、需要家情報管理テーブル142より管路114に接続された全ての需要家を取得し、需要家情報管理テーブル142より上記各需要家の属性情報を取得し、漏水被害額管理テーブル143の管路径・需要家族性別の漏水被害額原単位に基づき上記各需要家に対する漏水被害額を計算し、管路114に接続された全ての需要家に対する漏水被害額の総和を計算して、管路114に漏水被害が発生したときの漏水被害額を算出する。全ての管路114に対してこの計算を繰り返し、管路別の漏水被害額を算出する。
データ登録部112は、また各管路114のそれぞれについて、需要家情報管理テーブル142より管路114に接続された全ての需要家を取得し、断水日数管理テーブル144の管路径別の平均断水日数と断水被害額管理テーブル145の需要家属性別の断水被害額原単位とに基づき上記核需要家に対する断水被害額を計算し、管路114に接続された全ての需要家に対する断水被害額の総和を計算して、管路114が断水となったときの断水被害額を算出する。全ての管路114に対してこの計算を繰り返し、管路別の断水被害額を算出する。
データ登録部112は、上記算出された管路別の漏水被害額、断水被害額、および漏水被害発生の基準漏水量を、管路別被害額管理テーブル146に登録する。図8に、データ登録部によって登録された管路別被害額管理テーブル146の一例を示しておく。
ここで、上記登録された管路別の漏水被害額、断水被害額は、あくまで目安であり、需要家の水使用状況や業務内容によっては実態と違っている可能性がある。実際に漏水事故が発生したときの漏水被害額、断水被害額の実績がわかっている場合、漏水対策支援装置101の管理者は、入力部120より、管路114の漏水被害額、断水被害額を入力する。データ登録部112は、上記入力された情報に基づき、管路別被害額管理テーブル146を更新する。
上記のようにして、データ登録部112によって、配水管網、需要家、漏水被害・断水被害に関する情報の登録処理が行われる。
次に、配水管網からの圧力、流量の計測値の収集を行う処理(2)について説明する。データ収集部123は、所定周期ごと、例えば5分ごとに、ネットワーク118を介して各圧力計116、各流量計117、ポンプ111より圧力、流量の計測値の収集を行い、収集した計測データを計測データ管理テーブル147に登録する。
上記のようにして、データ収集部123によって、配水管網からの圧力、流量の計測値の収集処理が行われる。
次に、配水管網において発生した漏水の位置・漏水量の推定と提示を行う処理(3)について図9を用いて説明する。漏水推定技術については様々なものが存在するが、本実施形態では、特許文献1に記載の技術を採用する。図9は配水管網において発生した漏水の位置・漏水量の推定と提示を行う処理を示すフローチャートである。
ステップS901において、漏水推定部124は、上記データ計測周期ごと、すなわち最新の計測データを収集した後ごとに漏水推定を行う。漏水パラメータとして、配水管網113上の適当な位置に適当な量の漏水を設定する。
ステップS902において、管網解析計算部127は、上記設定された漏水パラメータに基づき、配水管網113上の管網解析計算を行う。管網解析計算とは、管路114の識別情報、管路長、管路径、流速係数(管路の材質や経年によって変化する)、接続情報(管路の始点、終点となる需要点の識別情報)、および節点115の識別情報、位置情報、標高等の管網モデル情報より導出される節点での流量収支式、および管路での圧力平衡式を連立して解くことによって、管網上の圧力、流量分布を求めるものである。管網解析計算を行うアルゴリズムは公知であり、例えばアメリカ合衆国環境保護庁が開発したEPANETなどの管網解析計算ツールがフリーで公開されているため、本実施形態では詳細な説明を省略する。管網解析計算部127は、管路情報管理テーブル140、節点情報管理テーブル141より上記管網モデル情報を取得し、現時点での配水ポンプ111における流量値、圧力値、配水管網113上の所定の需要分布等の境界条件、および上記設定された漏水パラメータに基づいて管網解析計算を行い、配水管網113上の圧力分布および流量分布を算出する。
ステップS903において、漏水推定部124は、計測データ管理テーブル147に登録された圧力・流量計測点における計測値と、管網解析計算部127によって計算された同地点における圧力・流量の計算値との残差平方和を算出する。そして上記残差平方和が所定値以下になったか、または前回値と比べて収束したかどうかの評価を行う。上記残差平方和が所定値以上かつ収束していない場合、ステップS904に進み、所定値以下または収束した場合、ステップS905に進む。
ステップS904において、漏水推定部124は、GA(Genetic Algorithm、遺伝的アルゴリズム)等の最適化アルゴリズムを用いて、上記残差平方和が小さくなるよう漏水パラメータ(漏水位置・量)の修正を行い、ステップS902に進む。上記残差平方和が所定値以下または収束するまで、ステップS902、S903、S904を繰り返す。
ステップS905において、漏水推定部124は、算出された漏水パラメータ(漏水位置・漏水量)より漏水発生の有無を判断する。上記漏水量が所定量以上であれば漏水発生とみなし、そのときの漏水位置のいずれかの管路114に漏水が発生したものと推定する。漏水推定位置はピンポイント(単一の管路)ではなく、計測データの計測誤差や管網モデルのモデル化誤差の影響により、一般にある程度の誤差範囲を含んだエリア(複数の管路)として推定される
ステップS906において、漏水の発生を推定した場合、漏水被害額推定部125は、上記漏水推定エリアにおける漏水被害額の期待値と最大値を算出する。すなわち、漏水推定エリア内に存在する全ての管路114(漏水発生した可能性のある管路)について、管路情報管理テーブル140より上記各管路114の管路径、管路長を取得し、管路別被害額管理テーブル146より管路別の漏水被害額、漏水被害発生の基準漏水量を取得する。上記各管路114のそれぞれについて、上記推定漏水量が上記基準漏水量を超えている場合のみ漏水被害が発生するとして漏水被害額を算出する。上記各管路114の漏水被害額の最大値を上記漏水推定エリアにおける漏水被害額の最大値とする。上記各管路114の管路長に応じた各漏水被害額の加重平均を上記漏水推定エリアにおける漏水被害額の期待値とする。
ステップS907において、漏水の発生が推定された場合、情報提示部132は、推定漏水量、漏水推定エリア、および上記漏水推定エリアにおける漏水被害額の期待値と最大値を入力部120に表示する。図10に、表示部121に表示される漏水推定結果の表示画面の一例を示しておく。
上記のようにして、漏水推定部124、管網解析計算部127、漏水被害額推定部125、情報提示部132によって、配水管網において発生した漏水の位置・漏水量の推定と提示を行う処理が行われる。漏水対策支援装置101の管理者は、上記表示内容を確認することにより、漏水の発生とその位置(エリア)、漏水量、およびその漏水被害額を把握できるようになる。
すなわち、漏水被害額推定部は、管網解析計算に基づいて漏水パラメータ(漏水推定エリア・量)を推定し、上記漏水推定エリアと漏水推定量、および上記エリアに含まれる管路別の漏水被害額より上記エリアにおけるトータルの漏水被害額を推定する。
次に、漏水発生時の減圧配水計画の策定と提示を行う処理(4)について図11を用いて説明する。本処理は、上記漏水推定処理において配水管網113に漏水が発生したと推定された場合に実施される。減圧配水は、配水地110からの配水管網113への配水圧力を低下させるものであり、漏水対策の1つとして有効であるが、配水管網113の末端で断水(圧力不足)となり、需要家に対する断水被害額が増加する可能性がある。減圧配水計画は、漏水被害額と断水被害額を最小化する最適な配水圧を決定するものである。すなわち、漏水対策立案部は、漏水被害額が多い場合に、その漏水被害額を低減するために減圧配水の減圧率を算定し、ただし減圧配水による断水被害が発生する場合は、漏水被害額と断水被害額との合計を最小化するような減圧配水の減圧率を算出し、減圧配水を行うことを立案する。
図11は漏水発生時の減圧配水計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャートである。
ステップS1101において、管網解析計算部127は、管路情報管理テーブル140、節点情報管理テーブル141より配水管網113の管網モデル情報を取得し、現時点での配水ポンプ111における流量値、圧力値、配水管網113上の所定の需要分布等の境界条件に基づいて管網解析計算を行い、配水管網113上の圧力分布および流量分布を算出する。そして上記漏水推定処理によって特定された漏水推定エリアに含まれる全ての節点115における圧力計算値の平均をとり、上記漏水推定エリアの平均圧力P1を推定する。
ステップS1102において減圧配水計画策定部128は、ポンプ111の配水圧の削減率を5%に設定する。
ステップS1103において、管網解析計算部127は、ステップS1101で使用された管網解析計算の境界条件と、上記削減率によって減圧されたポンプ111の配水圧を用いて管網解析計算を行い、配水管網113上の圧力分布および流量分布を算出する。そして上記漏水推定エリアに含まれる全ての節点115における圧力計算値の平均をとり、減圧配水したときの上記漏水推定エリアの平均圧力P2を推定する。ここで、漏水量は漏水地点の圧力の0.5乗に比例することから、上記漏水推定処理によって算出された漏水推定量に(P2/P1)の0.5乗を乗じて、上記減圧配水したときの漏水推定量を算出する。そして算出された圧力分布に基づき、配水管網113上で規定の圧力に達していないエリアが存在するかどうか確認し、断水エリア(規定圧に達していない節点圧力をもつ管路)を推定する。
ステップS1104において、断水被害額推定部126は、上記断水推定エリアにおける断水被害額の推定値を算出する。すなわち、管路別被害管理テーブル146より管路別の断水被害額を取得し、断水推定エリア内に存在する全ての管路114(規定圧に到達していない管路)のそれぞれについて断水被害額を算出し、その総和を上記断水推定エリアにおける断水被害額の推定値とする。
ステップS1105において、漏水被害額推定部125は、上記漏水推定エリアにおける漏水被害額の期待値と最大値を算出する。すなわち、漏水推定エリア内に存在する全ての管路114(漏水発生した可能性のある管路)について、管路情報管理テーブル140より上記各管路114の管路径、管路長を取得し、管路別被害額管理テーブル146より管路別の漏水被害額、漏水被害発生の基準漏水量を取得する。上記各管路114のそれぞれについて、上記減圧配水したときの漏水推定量が上記基準漏水量を超えている場合のみ漏水被害が発生するとして漏水被害額を算出する。上記各管路114の漏水被害額の最大値を上記漏水推定エリアにおける漏水被害額の最大値とする。上記各管路114の管路長に応じた各漏水被害額の加重平均を上記漏水推定エリアにおける漏水被害額の期待値とする。
ステップS1106において、減圧配水計画策定部128は、ポンプ111の配水圧の削減率が50%を超えたかどうか判定する。配水圧の削減率が50%以下の場合、ステップS1107に進み、50%を超えている場合、ステップS1108に進む。
ステップS1107において、減圧配水計画策定部128は、ポンプ111の配水圧の削減率を5%増加させ、ステップS1103に進む。すなわち配水圧の削減率は、5%、10%、・・・、50%となるまで変化し、ステップS1103〜S1107を繰り返す。
ステップS1108において、減圧配水計画策定部128は、配水圧の削減率5%、10%、・・・、50%のそれぞれの場合における上記断水被害額の推定値と上記漏水被害額の期待値との和を算出し、その和が最小となるときの配水圧の削減率を最適な削減率として決定する。
ステップS1109において、情報提示部132は、減圧配水案として、減圧率ごとの、漏水推定量、漏水推定エリアにおける漏水被害額の期待値と最大値、断水推定エリアとその断水被害額の推定値を入力部120に表示し、さらに最適な減圧配水計画として、上記漏水被害額の期待値との和が最小になるときの最適な減圧配水の削減率を入力部120に表示する。図12に、表示部121に表示される減圧配水計画策定結果の表示画面の一例を示しておく。
上記のようにして、減圧配水計画策定部128、管網解析計算部127、漏水被害額推定部125、断水被害額推定部126、情報提示部132によって、漏水発生時の減圧配水計画の策定と提示を行う処理が行われる。漏水対策支援装置101の管理者は、上記表示内容を確認することにより、漏水被害額と断水被害額とを最小化する最適な減圧配水を実施できるようになる。なお本実施形態では、漏水管路が特定されていない時点すなわち漏水位置がエリアとして推定されている時点において減圧配水計画の策定処理を行っているが、漏水の地上出現や漏水調査によって漏水管路が特定されている時点において減圧配水計画の策定処理を行ってもよい。その場合、上記漏水推定エリアにおける漏水被害額でなく、上記漏水管路における圧力や漏水被害額を用いて上記ステップS1101〜S1109の処理を行えばよい。漏水推定処理による漏水エリア推定も不要となり、より精度のよい減圧配水計画の策定が可能となる。
次に、漏水発生時の漏水調査計画の策定と提示を行う処理(5)について図14を用いて説明する。本処理は、上記漏水推定処理において配水管網113に漏水が発生したと推定され、上記漏水が地上に出現していない場合に実施される。漏水が地上に出現していない場合、漏水調査を行って漏水位置を特定する必要がある。一般に漏水調査は、訓練された漏水調査員が漏水探査器を用いて漏水音を聴き分けることによって行われる。漏水調査計画は、図13に示すように漏水推定エリアを複数のメッシュ1311(例えば100m四方)に分割したとき、人数の限られた漏水調査員をどのメッシュに優先的に派遣し調査すべきかのメッシュごとの漏水調査の優先順位を決定するものである。本実施形態では、漏水被害が発生したときの被害額が高いメッシュほど漏水位置特定の優先順位が高いと考えて漏水調査計画の立案を行う。図14は漏水発生時の漏水調査計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャートである。
ステップS1401において、漏水調査計画策定部129は、上記漏水推定処理によって特定された漏水推定エリアを複数のメッシュ1311に分割する。そして管路情報管理テーブル140、節点情報管理テーブル141より各管路114の位置情報を取得し、各メッシュ1311に所属する管路114を識別する。1つの管路114が複数のメッシュ1311に含まれる場合、上記管路114を最も多く含むメッシュ1311を上記管路114の所属するメッシュ1311とみなす。
ステップS1402において、漏水被害額推定部125は、上記各メッシュ1311における漏水被害額の期待値と最大値を算出する。すなわち、各メッシュ1311に所属する全ての管路114(漏水発生した可能性のある管路)について、管路情報管理テーブル140より上記各管路114の管路径、管路長を取得し、管路別被害額管理テーブル146より管路別の漏水被害額、漏水被害発生の基準漏水量を取得する。上記各管路114のそれぞれについて、上記漏水推定処理によって算出された推定漏水量または上記減圧配水計画策定処置によって決定された減圧済みの推定漏水量が上記基準漏水量を超えている場合のみ漏水被害が発生するとして漏水被害額を算出する。上記各管路114の漏水被害額の最大値を上記メッシュ1311における漏水被害額の最大値とする。上記各管路114の管路長に応じた各漏水被害額の加重平均を上記メッシュ1311における漏水被害額の期待値とする。
ステップS1403において、漏水調査計画策定部129は、上記各メッシュ1311の漏水被害額の期待値の大きいものから順に漏水調査の優先順位を決定し、漏水調査計画を立案する。
ステップS1404において、情報提示部132は、上記各メッシュ1311の漏水被害額の期待値、最大値、漏水調査の優先順位(漏水調査計画)を入力部120に表示する。図15に、表示部121に表示される漏水調査計画策定結果の表示画面の一例を示しておく。
上記のようにして、漏水調査計画策定部129、漏水被害額推定部125、情報提示部132によって、漏水発生時の漏水調査計画の策定と提示を行う処理が行われる。漏水対策支援装置101の管理者は、上記表示内容を確認することにより、漏水被害の大きな場所(メッシュ)から優先的に調査するような漏水調査計画を実施できるようになる。
すなわち、漏水被害額推定部は、推定された漏水の位置を複数のエリア(メッシュ)に分割し、エリア毎に漏水被害額を推定し、漏水対策立案部は、推定されたエリア毎の漏水被害額と、断水被害額とに基づいて、エリア毎に漏水に対する対策を立案し、各エリアに対する漏水対策の優先順位を決定する。
次に、漏水発生時のバルブ操作人員配備計画の策定と提示を行う処理(6)について図16を用いて説明する。本処理は、上記漏水推定処理において配水管網113に漏水が発生したと推定され、上記漏水が地上に出現していない場合に実施される。漏水対策の1つに、配水管網113上のバルブ112の閉止により、漏水の発生した管路への水の供給を停止(断水)させて漏水を止める方法がある。一般にバルブ112は手動操作の場合が多いため、バルブを閉止するためには操作員を現地に派遣する必要がある。漏水が地上に出現していない場合、漏水管を特定できた段階で即座に必要なバルブを閉止できるよう適切なバルブの近くに操作員を待機させておく必要がある。バルブ操作人員配備計画は、図13に示すように漏水推定エリアを複数のメッシュ1311(例えば500m四方)に分割したとき、人数の限られたバルブ操作員をどのメッシュに優先的に派遣すべきかのメッシュごとの人員配備の優先順位を決定するものである。本実施形態では、漏水被害が発生したときの被害額が高いメッシュほど、また閉止すべきバルブ数が多いメッシュほど人員配備の優先順位が高いと考えて人員配備計画の立案を行う。図16は漏水発生時のバルブ操作人員配備計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャートである。
ステップS1601において、人員配備計画策定部130は、上記漏水推定処理によって特定された漏水推定エリアを複数のメッシュ1311に分割する。このときのメッシュ1311は、上記漏水調査のために分割されたメッシュと異なる分割でもかまわない。そして管路情報管理テーブル140、節点情報管理テーブル141より各管路114の位置情報を取得し、各メッシュ1311に所属する管路114を識別する。1つの管路114が複数のメッシュ1311に含まれる場合、上記管路114を最も多く含むメッシュ1311を上記管路114の所属するメッシュ1311とみなす。
ステップS1602において、バルブ開閉計画策定部131は、上記各メッシュ1311における閉止バルブ数の期待値と最大値を算出する。すなわち、管路情報管理テーブル140、節点情報管理テーブル141より上記各管路114の接続情報、バルブ112の設置位置情報を取得し、各メッシュ1311に所属する全ての管路114(漏水発生した可能性のある管路)のそれぞれから、バルブ112または管路末端が検出されるまで管路接続情報に基づいて管網の探索を行うことにより、上記管路114を断水させるために閉止すべきバルブ112を決定し、閉止すべきバルブ数の算出を行う。上記各管路114の閉止バルブ数の最大値を上記メッシュ1311における閉止バルブ数の最大値とする。上記各管路114の閉止バルブ数の平均値を上記メッシュ1311における閉止バルブ数の平均値とする。
ステップS1603において、漏水被害額推定部125は、上記各メッシュ1311における漏水被害額の期待値と最大値を算出する。すなわち、各メッシュ1311に所属する全ての管路114(漏水発生した可能性のある管路)について、管路情報管理テーブル140より上記各管路114の管路径、管路長を取得し、管路別被害額管理テーブル146より管路別の漏水被害額、漏水被害発生の基準漏水量を取得する。上記各管路114のそれぞれについて、上記漏水推定処理によって算出された推定漏水量または上記減圧配水計画策定処置によって決定された減圧済みの推定漏水量が上記基準漏水量を超えている場合のみ漏水被害が発生するとして漏水被害額を算出する。上記各管路114の漏水被害額の最大値を上記メッシュ1311における漏水被害額の最大値とする。上記各管路114の管路長に応じた各漏水被害額の加重平均を上記メッシュ1311における漏水被害額の期待値とする。
ステップS1604において、人員配備計画策定部130は、上記各メッシュ1311の漏水被害額の期待値と閉止バルブ数の期待値との加重平均をとり(例えば、閉止バルブ数1つあたり10万円と換算して漏水被害推定額との和をとる)、上記加重平均値の大きいものから順に人員配備の優先順位を決定し、バルブ操作人員配備計画を立案する。
ステップS1605において、情報提示部132は、上記各メッシュ1311の漏水被害額の期待値、最大値、閉止バルブ数の平均値、最大値、人員配備の優先順位(バルブ操作人員配備計画)を入力部120に表示する。図17に、表示部121に表示されるバルブ操作人員配備計画策定結果の表示画面の一例を示しておく。
上記のようにして、人員配備計画策定部130、バルブ開閉計画策定部131、漏水被害額推定部125、情報提示部132によって、漏水発生時のバルブ操作人員配備計画の策定と提示を行う処理が行われる。漏水対策支援装置101の管理者は、上記表示内容を確認することにより、漏水被害の大きな場所(メッシュ)、閉止すべきバルブ数の多い場所(メッシュ)に対して優先的に人員配備するようなバルブ操作人員配備計画を実施できるようになる。
すなわち、漏水対策立案部は、配水管網内のバルブの開閉を行う際に、エリア毎に推定された漏水被害額に基づいて、配水管網内のバルブを操作する人員をエリアに対して配備する優先順位を決定する。
次に、漏水発生時のバルブ開閉計画の策定と提示を行う処理(7)について図18、図19を用いて説明する。本処理は、上記漏水推定処理において配水管網113に漏水が発生したと推定され、漏水の地上出現や漏水調査によって漏水管路が特定された場合に実施される。バブル開閉計画は、漏水の発生した管路への水の供給を停止(断水)させて漏水を止めるために必要な閉止すべきバルブと閉止の順序を決定し、さらに上記バルブ閉止によって下流側に別の断水エリアが発生した際の上記断水エリアに水供給可能となる開放すべきバルブを決定するものである。
図18は漏水発生時のバルブ開閉計画の策定と提示を行う処理を示すフローチャートである。図19は上記バルブ閉止によって発生する断水エリアとバルブ開放による断水エリアへの水供給などの説明図である。
ステップS1801において、漏水被害額推定部125は、上記漏水推定処理によって推定された漏水の地上出現または上記漏水調査結果により、配水管網113上の漏水管路114aを特定する。そして管路別被害額管理テーブル146より漏水管路114aの漏水被害額、漏水被害発生の基準漏水量を取得する。上記漏水推定処理によって算出された推定漏水量が上記基準漏水量を超えている場合のみ漏水被害が発生するとして漏水管路114aからの漏水被害額(バルブ閉止等の漏水対策を行わなかった場合の漏水被害額)を算出する。
ステップS1802において、バルブ開閉計画策定部131は、管路情報管理テーブル140、節点情報管理テーブル141より上記各管路114の接続情報、バルブ112の設置位置情報を取得し、上記漏水管路114aから、バルブ112または管路末端が検出されるまで管路接続情報に基づいて管網の探索を行うことにより、上記漏水管路114aを断水させるために閉止すべきバルブ112aを決定する。そして上記全てのバルブ112aが閉止されたときの、漏水管路114aを含む断水エリア10aを推定する。
ステップS1803において、バルブ開閉計画策定部131は、上記閉止バルブ112aを閉止する順序を決定する。断水エリア10aに対して流入する流向をもつ管路、かつ流量の多い管路または口径の大きな管路に接続されたバルブから閉止するほど、早く断水できるようになる。よってバルブ開閉計画策定部131は、上記減圧配水計画策定処理のステップS1101にて行われた管網解析計算結果に基づき、断水エリア10aに対して流入する流向をもつ管路、かつ流量の多い管路または口径の大きな管路に接続された閉止バルブから閉止するよう、閉止バルブ112aの閉止順序を決定する。
ステップS1804において、バルブ開閉計画策定部131は、上記各管路114の接続情報、バルブ112の設置位置情報に基づき、上記断水エリア10aの発生によって配水池110と分断される断水エリア10b、10c(断水エリア10aの下流に位置する断水エリア)を推定する。
ステップS1805において、バルブ開閉計画策定部131は、上記分断された断水エリア10b、10cに対して別の配水ブロックから水を供給するために開放すべきバルブ112b(普段は閉止されているバルブ)を決定する。図9の例では、別の配水ブロック113aからの連絡管に設置された連絡バルブ12bによって、断水エリア10cへの水供給が可能となるものとする。水供給が可能となった断水エリア10cは断水エリアとはみなさないものとする。
ステップS1806において、断水被害額推定部126は、上記各断水エリア10a、10bのそれぞれに対する断水被害額の推定値を算出する。すなわち、管路別被害額管理テーブル146より管路別の断水被害額を取得し、各断水エリア内に存在する全ての管路114のそれぞれについて断水被害額を算出し、その総和を上記断水推定エリアにおける断水被害額の推定値とする。
ステップS1807において、バルブ開閉計画策定部131は、漏水管路114aからの漏水被害額(バルブ閉止等の漏水対策を行わなかった場合の漏水被害額)が上記バルブ開閉に伴って発生する断水エリア10a、10bに対する断水被害額の合計より上回っているかどうかを判定する。上回っている場合、バルブ開閉を行う方が漏水または断水による被害が小さくなるため、バルブ開閉は有効であると判断し、逆の場合はバルブ開閉が有効でないと判断する。そしてバルブ開閉計画策定部131は、上記決定された閉止すべきバルブ112aとその閉止順序、開放すべきバルブ112b、およびバルブ開閉の有効性からなるバルブ開閉計画を策定する。
ステップS1808において、情報提示部132は、漏水推定結果として、上記漏水管路114a、漏水推定量、漏水被害額(バルブ閉止等の漏水対策を行わなかった場合の漏水被害額)を入力部120に表示し、さらにバルブ開閉計画として、閉止すべきバルブ112aとその閉止順序、開放すべきバルブ112b、バルブ開閉の有効性、およびバルブ開閉実施に伴う各断水エリア10a、10bとそれぞれの断水被害額を入力部120に表示する。図20に、表示部121に表示されるバルブ開閉計画策定結果の表示画面の一例を示しておく。
上記のようにして、バルブ開閉計画策定部131、漏水被害額推定部125、断水被害額推定部126、情報提示部132によって、バルブ開閉計画の策定と提示を行う処理が行われる。漏水対策支援装置101の管理者は、上記表示内容を確認することにより、漏水被害額、断水被害額等のコストを考慮した漏水管路を断水させるバルブ開閉計画を実施できるようになる。
すなわち、漏水被害額推定部が漏水被害を推定した場合、閉止バルブ決定部(バルブ開閉計画策定部131)が、配水管網内に設置された複数のバルブの中から閉止すべきバルブを決定し、開放バルブ決定部(バルブ開閉計画策定部131)が、バルブの閉止によって発生する断水エリアに水を供給するように前記複数のバルブの中から開放すべきバルブを決定する。また、バルブ閉止順序決定部バルブ開閉計画策定部131)が、閉止バルブ決定部によって決定された閉止すべきバルブが設置された管路の流量または口径または流向に基づいて、閉止すべきバルブの閉止順序を決定する。
以上述べたように、本発明の実施の形態によれば、漏水被害額、漏水対策に伴う断水被害額等のコストを考慮した、効率的な減圧配水、漏水調査、バルブ操作人員配備、バルブ開閉等の漏水対策を実施することが可能となる。
100…漏水対策支援システム、101…漏水対策支援装置、110…配水地、111…ポンプ、112…バルブ、113…配水管網、114…管路、115…節点、116…圧力計、117…流量計、118…ネットワーク、120…入力部、121…表示部、122…データ登録部、123…データ収集部、124…漏水推定部、125…漏水被害額推定部、126…断水被害額推定部、127…管網解析計算部、128…減圧配水計画策定部、129…漏水調査計画策定部、130…人員配備計画策定部、131…バルブ開閉計画策定部、140…管路情報管理テーブル、141…節点情報管理テーブル、142…需要家情報管理テーブル、143…漏水被害額管理テーブル、144…断水日数管理テーブル、145…断水被害額管理テーブル、146…管路別被害額管理テーブル、147…計測データ管理テーブル。

Claims (9)

  1. 配水管網内の管路から漏水が発生したときの漏水被害額を予め記憶する漏水被害額記憶部と、
    前記管路が断水になった際の断水被害額を予め記憶する断水被害額記憶部と、
    前記配水管網内に漏水が発生する場合に、漏水が発生する管路の情報と、前記漏水被害額記憶部に記憶された前記漏水被害額から、前記配水管網内の漏水被害額を推定する漏水被害額推定部と、
    前記配水管網内に断水が発生する場合に、断水が発生する管路の情報と、前記断水被害額記憶部に記憶された前記断水被害額から、前記配水管網内の断水被害額を推定する断水被害額推定部と、
    推定された前記漏水被害額と、推定された前記断水被害額とに基づいて、漏水に対する対策を立案する漏水対策立案部と、を備える
    ことを特徴とする漏水対策支援装置。
  2. 請求項1に記載の漏水対策支援装置において、
    前記漏水対策立案部は、前記漏水被害額と前記断水被害額との比較に基づいて、漏水が発生している前記管路を断水させるように前記配水管網内のバルブの開閉を行うことを立案する
    ことを特徴とする漏水対策支援装置。
  3. 請求項1に記載の漏水対策支援装置において、
    前記漏水対策立案部は、前記断水被害額と前記漏水被害額との合計を小さくするように、漏水量を削減するために減圧配水の減圧率を算出し、減圧配水を行うことを立案する
    ことを特徴とする漏水対策支援装置。
  4. 請求項1に記載の漏水対策支援装置において、
    前記漏水被害額推定部は、推定された漏水の位置を複数のエリアに分割し、前記エリア毎に漏水被害額を推定し、
    前記漏水対策立案部は、推定された前記エリア毎の漏水被害額に基づいて、前記エリア毎に漏水に対する対策を立案し、各エリアに対する漏水対策の優先順位を決定する
    ことを特徴とする漏水対策支援装置。
  5. 請求項4に記載の漏水対策支援装置において、
    前記漏水対策立案部は、前記配水管網内のバルブの開閉を行う際に、前記エリア毎に推定された漏水被害額に基づいて、前記配水管網内のバルブを操作する人員を前記エリアに対して配備する優先順位を決定する
    ことを特徴とする漏水対策支援装置。
  6. 請求項2に記載の漏水対策支援装置において、
    前記漏水対策立案部がバルブの開閉を行うことを立案した場合、
    前記配水管網内に設置された複数のバルブの中から閉止すべきバルブを決定する閉止バルブ決定部と、
    前記バルブの閉止によって発生する断水エリアに水を供給するように前記複数のバルブの中から開放すべきバルブを決定する開放バルブ決定部と、を更に備える
    ことを特徴とする漏水対策支援装置。
  7. 請求項6に記載の漏水対策支援装置において、
    前記漏水対策立案部がバルブの開閉を行うことを立案した場合、
    前記閉止バルブ決定部によって決定された閉止すべきバルブが設置された管路の流量または口径または流向に基づいて、閉止すべきバルブの閉止順序を決定するバルブ閉止順序決定部を更に備える
    ことを特徴とする漏水対策支援装置。
  8. 漏水対策支援装置において、
    配水管網内の管路から漏水が発生したときの漏水被害額を漏水被害額記憶部に予め記憶し、
    前記管路が断水になった際の断水被害額を断水被害額記憶部に予め記憶し、
    漏水被害額推定部が、前記配水管網内に漏水が発生する場合に、漏水が発生する管路の情報と、前記漏水被害額記憶部に記憶された前記漏水被害額から、前記配水管網内の漏水被害額を推定するステップと、
    断水被害額推定部が、前記配水管網内に断水が発生する場合に、断水が発生する管路の情報と、前記断水被害額記憶部に記憶された前記断水被害額から、前記配水管網内の断水被害額を推定するステップと、
    漏水対策立案部が、推定された前記漏水被害額と、推定された前記断水被害額とに基づいて、漏水に対する対策を立案するステップと、を備える
    ことを特徴とする漏水対策支援方法。
  9. 請求項8に記載の漏水対策支援方法において、
    前記漏水対策支援装置の前記漏水対策立案部は、前記漏水被害額と前記断水被害額との比較に基づいて、漏水が発生している前記管路を断水させるように前記配水管網内のバルブの開閉を行うことを立案するステップを備える
    ことを特徴とする漏水対策支援方法。
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