JPWO2015177859A1 - 無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システム - Google Patents

無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システム Download PDF

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Abstract

少なくとも1つの送電器、および、少なくとも2つの受電器を含み、前記送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により、それぞれの前記受電器に伝送し、複数の前記受電器に対して、同時に電力を伝送する同時電力伝送モードと、前記受電器に対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送モードと、を有する無線電力伝送制御方法であって、それぞれの前記受電器に評価指標を設定し、前記評価指標に基づいて、前記同時電力伝送モードおよび前記時分割電力伝送モードを切り替えて無線電力伝送を行う。

Description

この出願で言及する実施例は、無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムに関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)を利用する場合、電力を送る側の送電器と、送電器から送られた電力を受け取る側の受電器がそれぞれ異なるメーカの製品であっても支障なく使用するために標準化を行うのが好ましい。
従来、無線による電力伝送技術としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。
そして、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、強結合系の共振を用いたワイヤレス送電技術が注目されている。
この強結合系の共振を用いたワイヤレス送電としては、例えば、磁界共鳴(磁界共振)や電界共鳴(電界共振)を利用した無線電力伝送技術が知られている。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2012−044735号公報 国際公開第2013/035873号パンフレット
内田 昭嘉他(UCHIDA Akiyoshi, et al.), "Phase and Intensity Control of Multiple Coil Currents in Resonant Magnetic Coupling," IMWS-IWPT2012, THU-C-1, pp.53-56, May 10-11, 2012 石崎 俊雄他(ISHIZAKI Toshio, et al.), "3-D Free-Access WPT System for Charging Movable Terminals," IMWS-IWPT2012, FRI-H-1, pp.219-222, May 10-11, 2012
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。この無線電力伝送技術を適用した無線電力伝送システムは、通常、複数の受電器に対して電力を伝送するが、各受電器が要望する電力、或いは、送電器に対する各受電器の位置関係等に基づいた電力伝送制御が求められている。
この送電器から複数の受電器への電力伝送としては、受電器ごとに電力伝送を行う時分割電力伝送、並びに、複数の受電器に対して同時に電力伝送を行う同時電力伝送がある。しかしながら、複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおいて、それぞれの受電器に対して評価指標を設定し、その評価指標に基づいて無線電力伝送を行うことは行われておらず、各受電器に対して適切な無線電力伝送を行うことが困難であった。
一実施形態によれば、少なくとも1つの送電器、および、少なくとも2つの受電器を含み、前記送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により、それぞれの前記受電器に伝送する無線電力伝送制御方法が提供される。
前記無線電力伝送制御方法は、複数の前記受電器に対して、同時に電力を伝送する同時電力伝送モードと、前記受電器に対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送モードと、を有する。
前記無線電力伝送制御方法は、それぞれの前記受電器に評価指標を設定し、前記評価指標に基づいて、前記同時電力伝送モードおよび前記時分割電力伝送モードを切り替えて無線電力伝送を行う。
開示の無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムは、複数の受電器に対して時分割電力伝送および同時電力伝送を切り替えて適切な無線電力伝送を行うことができるという効果を奏する。
図1Aは、有線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図1Bは、無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2Aは、二次元無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2Bは、三次元無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図3は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図4Aは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図4Bは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図4Cは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図5Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図5Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図5Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図5Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図6Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図6Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図6Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図6Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図7Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図7Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図7Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図8Aは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図(その3)である。 図9Aは、複数の受電器に対する二次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その1)である。 図9Bは、複数の受電器に対する二次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その2)である。 図10Aは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その1)である。 図10Bは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その2)である。 図10Cは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その3)である。 図11Aは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その4)である。 図11Bは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その5)である。 図11Cは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その6)である。 図12は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における評価指標を説明するための図である。 図13Aは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その1)である。 図13Bは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その2)である。 図14Aは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その3)である。 図14Bは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その4)である。 図15Aは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その1)である。 図15Bは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その2)である。 図16Aは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その3)である。 図16Bは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その4)である。 図17は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図18は、無線電力伝送制御方法の第3実施例を説明するための図である。 図19は、第3実施例の無線電力伝送制御方法による処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図20は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図(その1)である。 図21は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図(その2)である。 図22は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図(その3)である。 図23は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図(その1)である。 図24は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図(その2)である。 図25は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図(その3)である。
まず、無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムの実施例を詳述する前に、電力伝送システムの例、並びに、複数の送電器および受電器を含む関連技術の無線電力伝送システムを、図1〜図11Cを参照して説明する。
図1Aは、有線電力伝送(ワイヤー接続給電)システムの一例を模式的に示す図であり、図1Bは、無線電力伝送(ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図である。図1Aおよび図1Bにおいて、参照符号2A1〜2C1は、それぞれ受電器を示す。
ここで、受電器2A1は、例えば、要望電力が10Wのタブレットコンピュータ(タブレット)を示し、受電器2B1は、例えば、要望電力が50Wのノートパソコンを示し、受電器2C1は、例えば、要望電力が2.5Wのスマートフォンを示す。なお、要望電力は、例えば、それぞれの受電器2A1〜2C1における充電池(二次電池)を充電するための電力に相当する。
図1Aに示されるように、通常、タブレット2A1やスマートフォン2C1の二次電池を充電する場合、例えば、パソコン(Personal Computer)のUSB(Universal Serial Bus)端子(または、専用電源等)3Aに対して電源ケーブル4A,4Cを介して接続する。また、ノートパソコン2B1の二次電池を充電する場合、例えば、専用の電源装置(AC-DC Converter)3Bに対して電源ケーブル4Bを介して接続する。
すなわち、図1Aに示されるように、携帯可能な受電器2A1〜2C1であっても、一般的に、電源ケーブル4A〜4Cを使用してUSB端子3Aや電源装置3Bからワイヤー接続給電(有線電力伝送)を行っている。
ところで、近年、電磁誘導に代表される非接触給電技術の進歩により、例えば、シェーバーや電動歯ブラシ等でワイヤレス給電(無線電力伝送)が実用化されている。そこで、図1Bに示されるように、例えば、送電器1A1から、タブレット2A1,ノートパソコン2B1およびスマートフォン2C1に対して無線電力伝送することが考えられている。
図2Aは、二次元無線電力伝送(二次元ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図であり、例えば、上述したシェーバーや電動歯ブラシ等と同様に、電磁誘導により無線電力伝送を行う様子を示している。
図2Aに示されるように、電磁誘導を利用して無線電力伝送を行う場合には、非接触給電であっても送電距離が短いために、送電器1A2にほぼ接触している受電器だけが給電可能である。
すなわち、送電器(受電台)1A2上に置かれた受電器(ノートパソコン)2B2に対しては給電することができても、受電台1A2から離れたノートパソコン2B3に対しては給電することは困難である。このように、図2Aに示す無線電力伝送システムは、受電台1A2上の自由な配置を可能とする二次元的なワイヤレス給電システムである。
図2Bは、三次元無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図であり、例えば、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行う様子を示している。図2Bに示されるように、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行う場合には、送電器1A2から所定範囲内(図2Bにおける破線の内側)に存在する複数の受電器に対して給電することが可能である。
すなわち、送電器1A3から所定範囲内のタブレット2A2,2A3、ノートパソコン2B2,2B3およびスマートフォン2C2に対して無線電力伝送することが可能である。なお、図2Bでは、1つの送電器1A3のみ描かれているが、複数の送電器により、様々な角度および位置の複数の受電器に対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行うようになっている。
このように、図2Bに示す無線電力伝送システムは、例えば、磁界共鳴を利用することにより、電磁誘導を利用したものに比べて遠方の空間においても高い送電効率を得ることができる三次元的なワイヤレス給電システムである。
図3は、無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムの一例を概略的に示すブロック図である。図3において、参照符号1は一次側(送電側:送電器)を示し、2は二次側(受電側:受電器)を示す。
図3に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(送電共振コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(受電共振コイル)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図3に示されるように、送電器1と受電器2は、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴(電界共鳴)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、送電共振コイル11aから受電共振コイル21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲)よりも短く設定される。
また、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)は、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図4A〜図4Cは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。ここで、図4Aおよび図4Bは、3コイル構成の例を示し、図4Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図3に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図4Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図4Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図4Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図4A〜図4Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図5A〜図5Dは、独立共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図であり、図6A〜図6Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図である。
ここで、図5A〜図5Dは、図3および図4Bにおける受電共振コイル21aに対応し、図6A〜図6Dは、図4Aおよび図4Cにおける受電共振コイル21aに対応する。
図5Aおよび図6Aに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図5Bおよび図6Bに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図5Cおよび図6Cに示す例は、図5Bおよび図6Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図5Dおよび図6Dに示す例は、図5Bおよび図6Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各受電共振コイル21aにおいて、通常時に受電共振コイル21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、送電器1の送電共振コイル11aも図5A〜図5Dおよび図6A〜図6Dと同様にすることもできるが、送電器1の送電共振コイル11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、送電共振コイル11aは、図5Aおよび図6Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2の受電共振コイル21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送(時分割電力伝送)を行うことが可能になる。
図7A〜図7Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図7A〜図7Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。
図7Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用する受電用の受電共振コイル21aは、送電共振コイル11aAおよび11aBにより囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電共振コイル(LC共振器)11aAおよび11aBは、1つの送電器に設けることも可能である。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含んでいてもよい。
図7Bは、送電共振コイル11aAおよび11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図7Cは、送電共振コイル11aAおよび11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
例えば、2個の直交する送電共振コイル11aAおよび11aBが同相出力の場合と逆相出力の場合を比較すると、合成磁界は90°回転した関係となり、それぞれの受電器2(受電共振コイル21a)の向きに合わせた送電を行う。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
上述した無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
なお、三次元空間に関しても、例えば、実際の三次元空間における3個以上の送電器を用いて、それぞれの出力位相差および出力強度比を調整することで、三次元空間上の任意の方向に磁界(電界)の向きを調整することが可能になることが理解されるであろう。
図8A〜図8Cは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図である。なお、図8A〜図8Cでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1Aおよび2つの受電器(携帯電話)2A,2A’のみ示しているが、送電器の数および受電器の数や種類等は様々に変化し得るのはいうまでもない。すなわち、図8Aに示されるように、1つの送電器1Aにより、2つの受電器2A,2A’に対するワイヤレス給電を行う場合を想定する。
まず、時分割電力伝送によりワイヤレス給電を行うときは、図8Bの左側図に示されるように、一方の受電器2Aだけに給電した後、図8Bの右側図に示されるように、他方の受電器2Aだけに給電する。なお、受電器の数がさらに多い場合も同様であり、時分割的に給電する受電器を順番に切り替えてワイヤレス給電を行う。
すなわち、時分割電力伝送は、複数の受電器がある場合、給電する対象となる受電器を順次選択することにより、ある瞬間には常に送電器に対して1つの受電器が対応することになる。このときの制御は、例えば、送電器と受電器が1対1の場合と同様とすることができる。ただし、時分割した結果、給電(満充電)に要する時間は、受電器の数だけの時間となるため、受電器が2台であれば1台のときの2倍の時間を要することになる。
次に、同時電力伝送によりワイヤレス給電を行うときは、図8Cに示されるように、1つの送電器1Aにより、2つの受電器2A,2A’の両方に給電する。なお、受電器の数がさらに多い場合も同様であり、それら複数の受電器に対して同時にワイヤレス給電を行う。
この同時電力伝送は、例えば、2台の受電器がある場合にはその2台の受電器を同時に給電するため、給電に要する時間は、同時給電される受電器の数に関わらず、1台分でよいため、ユーザメリットを考えると望ましい給電方法(無線電力伝送制御方法)と言える。
ただし、複数の受電器を同時給電(同時電力伝送)するには、受電器が1台のときとは異なる制御を行うことになる。また、複数の受電器に対して同時電力伝送を行う場合、送電上限や効率等の問題があるため、常に選択可能であるわけではない。なお、受電器の数が多数の場合、一部の複数の受電器に対して同時電力伝送を行い、他の受電器に対して時分割電力伝送を行うことも考えられる。
図9Aおよび図9Bは、複数の受電器に対する二次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図である。ここで、図9Aは、例えば、磁界共鳴を利用して、1つの送電器1Aにより、要望電力が異なる2つの受電器2A,2Bにワイヤレス給電する様子を示す。また、図9Bにおいて、参照符号LL0は全体送電効率を示し、LLAは携帯電話2Aの受電電力を示し、LLBはノートパソコン2Bの受電電力を示す。
なお、受電器2Aは、例えば、要望電力が5Wの携帯電話を示し、受電器2Bは、例えば、要望電力が50Wのノートパソコンを示す。また、説明を簡略化するために、携帯電話2AのLC共振器(ワイヤレス受電部)およびノートパソコン2BのLC共振器は、同じ仕様のものとする。
ところで、二次元無線電力伝送システムにおいて、複数の受電器への同時ワイヤレス給電を行う場合それぞれの受電器における受電電力量が異なるケースが多発すると考えられる。例えば、図9Aに示されるように、要望電力が5Wの携帯電話と要望電力が50Wのノートパソコン、或いは、同じ種類の受電器であっても、バッテリ残量によっては、要望電力が異なるケースも考えられる。
これらの状況において、例えば、二次元無線電力伝送システムでは、送電器1A上に置かれる受電器2A,2Bの距離や姿勢の条件には大きな差がないと考えられるため、同じ仕様の受電コイルが搭載されている場合には、電力は等しく分配されることとなる。
そのため、図9Aに示されるように、要望電力が10倍異なる受電器2Aと2Bであっても、例えば、55Wの要望電力に相当する出力を送電器1Aから出力した場合、受電器2A,2B側では、それぞれ27.5Wずつの電力を受電する結果となる。
すなわち、携帯電話2Aおよびノートパソコン2Bは、例えば、図5Aに示す受電共振コイル21aを有し、そのコイル211のインダクタンスおよび容量212のキャパシタンスは、同じ値である。
具体的に、携帯電話2Aの受電共振コイルにおけるインダクタンスをLA,キャパシタンスをCAとし、ノートパソコン2Bの受電共振コイルにおけるインダクタンスをLB,キャパシタンスをCBとする。このとき、参照符号PP0で示されるように、そのままの状態(共振点ずらさない状態)では、L00=LAA=LBBが成立する。
そのため、例えば、送電器1Aからの送電電力が68.75Wで送電効率が80%だと仮定すると、携帯電話2Aおよびノートパソコン2Bは、両方とも27.5Wの電力を受け取ることになる。
しかしながら、携帯電話2Aの要望電力は5Wで、ノートパソコン2Bの要望電力は50Wであるため、携帯電話2Aの受電共振コイルによる共振点をずらして受電効率を低下させるように制御する。
例えば、図9Bの矢印MAに示されるように、携帯電話2Aの受電共振コイルにおける容量のキャパシタンスCAを、受電効率が最大となる受電共振コイルの共振点からずらすために、小さく(または、大きく)なるように制御する。
すなわち、図9Bの矢印MAのように、共振条件を意図的にずらす(キャパシタンスCAをずらす)ことでQ値を低下させ、携帯電話2Aの受電電力LLAは、共振点(P0)の27.5Wから次第に減少して、例えば、要望電力は5Wに設定することができる。
このとき、携帯電話2Aが受電しなくなった電力は、そのほとんどがノートパソコン2Bの受電電力となる。すなわち、ノートパソコン2Bの受電電力LLBは、携帯電話2Aの受電電力LLAの低下に応じて上昇し、無線電力伝送システムにおける全体送電効率LL0は、ほとんど低下しないことが分かる。
このように、共振条件を変えることで、具体的には、受電器2Aの共振用コンデンサ(容量)212の容量値(キャパシタンスCA)を変化させることで、結合が調整され、結果として、受電電力を所望の配分比に制御することが可能となる。
ここで、重要なこととして、共振条件を可変した受電器2Aの効率は低下していても、システム全体の送受電効率はほぼ一定を保っており、受電器2Aに到達していた電力を減らした分、受電器2Bへの電力が増加する。その結果、受電器2A,2Bの一方だけの単体給電時と比べても、ほぼ同じ効率で全体(両方の受電器2A,2B)に送電しつつ受電電力を所望の比に分配(配分)できることがわかる。
なお、各送電器には、それぞれ送電能力の上限が個別にあることが想定されるため、二次元無線電力伝送システムでは、同時給電が可能な場合と不可能な場合の判断は、例えば、以下のように、容易に行うことができる。
すなわち、システム全体の送受電効率はほぼ一定であるため、単純に総受電電力/効率≦最大送電ならば同時給電を行い、総受電電力/効率>最大送電ならば時分割給電を行うという判断になる。
次に、三次元無線電力伝送システムについて説明する。図10A〜図11Cは、複数(2つ)の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図である。なお、図10A〜図11Cでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1Aおよび2つの受電器2A,2Bを示しているが、複数の送電器および3つ以上の受電器であっても同様である。
ここで、図10A〜図10Cは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合を示し、図11A〜図11Cは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合を示す。
図10Bおよび図11Bにおいて、参照符号LAは、受電器2Aの受電効率、LBは、受電器2Bの受電効率、PMは、送電器1Aの出力可能な送電電力(最大送電出力)を示し、RPは、必要送電電力、そして、TPは、全体の受電効率(全体効率)を示す。
また、参照符号P0は、受電器2A,2Bの要望電力の比が1:1の送電(9W:9W)の場合を示し、P1は、受電器2A,2Bの要望電力の比が2:1の送電(12W:6W)の場合を示す。なお、図10Bおよび図11Bは、電力比1:1を『1.00』に規格化して示す図である。
すなわち、2つの受電器2A,2Bへ伝送する電力を18Wとし、受電器2Aおよび2Bの要望電力が両方とも9Wの場合、並びに、受電器2Aの要望電力が12Wで受電器2Bの要望電力が6Wの場合を考える。なお、送電器1Aの最大送電出力は、例えば、送電器の仕様や電波法の規定等により50Wに制限されているものとする。
図10A〜図10Cを参照して、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合(比較的に近い場合)を考察する。まず、同時給電を行う受電器2Aおよび2Bの要望電力が両方とも9Wの場合、すなわち、電力比1:1の送電(9W:9W)の場合、受電器2A,2Bの受電効率は、例えば、両方とも30.1%(全体効率(TP)が60.2%)であるとする。
このとき、図10BのP0および図10Cに示されるように、送電器1Aの送電出力を29.9Wとすることにより、受電器2Aおよび2Bは、それぞれ29.9×0.301≒9Wの電力を受電することができる。
次に、受電器2Aの要望電力が12Wで受電器2Bの要望電力が6Wの場合、すなわち、電力比2:1の送電(12W:6W)の場合、図9Aおよび図9Bを参照して説明したのと同様に、受電器2Bの受電共振コイルによる共振点をずらす。
すなわち、受電器2Bの受電共振コイルによる共振点をずらし、受電器2Bの受電効率を低下(受電器2Aの受電効率を上昇)させるようにして電力配分比を制御し、受電器2Aおよび2Bに対して同時給電を行う。
具体的に、図10BのP1および図10Cに示されるように、受電器2Bの受電共振コイルの共振点をずらすことにより、受電器2Aの受電効率を39.5%とし、受電器2Bの受電効率を19.7%とする。このとき、全体効率(TP)は、59.2%となる。
そして、図10Cに示されるように、送電器1Aの送電出力を30.4Wとすることにより、受電器2Aは、30.4×0.395≒12Wの電力を受電することができ、受電器2Bは、30.4×0.197≒6Wの電力を受電することができる。
ここで、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合、送電器1Aの必要送電電力RPは、電力比1:1の送電(29.9W)および電力比2:1の送電(30.4W)の両方とも、最大送電出力の50Wよりも小さい。
さらに、全体効率TPは、電力比1:1の送電(60.2%)および電力比2:1の送電(59.2%)でほぼ一定である。従って、電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合(比較的に近い場合)には、電力比1:1の送電および電力比2:1の送電の両方とも、同時給電により実現することができる。
次に、図11A〜図11Cを参照して、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合(比較的に遠い場合)を考察する。まず、同時給電を行う受電器2Aおよび2Bの要望電力が両方とも9Wの場合、すなわち、電力比1:1の送電(9W:9W)の場合、受電器2A,2Bの受電効率は、例えば、両方とも18.2%(全体効率(TP)が36.4%)であるとする。
このとき、図11BのP0および図11Cに示されるように、送電器1Aの送電出力を49.5Wとすることにより、受電器2Aおよび2Bは、それぞれ49.5×0.182≒9Wの電力を受電することができる。この場合、送電器1Aの必要送電電力RP(49.5W)は、最大送電出力の50Wよりも小さいため、受電器2Aおよび2Bに対する同時給電を行うことができる。
次に、受電器2Aの要望電力が12Wで受電器2Bの要望電力が6W(電力比2:1)の場合、上述したように、受電器2Bの受電共振コイルによる共振点をずらし、受電器2Bの受電効率を低下(受電器2Aの受電効率を上昇)させるように、電力配分比を制御する。
具体的に、図11BのP1および図11Cに示されるように、受電器2Bの受電共振コイルの共振点をずらすことにより、受電器2Aの受電効率を21.2%とし、受電器2Bの受電効率を10.6%とする。このとき、全体効率(TP)は、31.8%となる。
しかしながら、受電器2Aの受電電力を12W(≒56.6×0.212)とするには、送電器1Aの必要送電電力RPは56.6Wとなり、最大送電出力の50Wよりも大きくなってしまう。従って、2つの受電器2Aおよび2Bに対して同時給電することは困難となる。
なお、送電器1Aの送電出力が、例えば、送電器の仕様や電波法の規定等により50Wに制限されていない場合、送電器1Aは、56.6Wの必要送電電力RPを許容できる大きさまで増大させることが求められる。
また、同時給電を行うと、必要送電電力RPが56.6Wとなって最大送電出力(50W)を超過する場合には、受電器2A,2Bに対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送(時分割給電)を行うことになる。
ここで、時分割給電において、送電器1Aにより受電器2Aまたは2Bの一方だけに電力伝送(給電)するときの受電効率を25%とする。このとき、送電器1Aの送電出力を48Wとして受電器2Aだけに給電することで、受電器2Aの受電電力を12W(=48×0.25)とすることができる。さらに、送電器1Aの送電出力を24Wとして受電器2Bだけに給電することで、受電器2Bの受電電力を6W(=24×0.25)とすることができる。
従って、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合(比較的に近い場合)、電力比1:1の送電は同時給電が好ましく、電力比2:1の送電は、時分割給電が好ましいもの(同時給電は不可)と考えられる。
上述したように、例えば、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合、電力分配の調整を行っても全体効率はほぼ一定であり、また、電力比1:1の送電が可能な受電電力ならば、電力比2:1(N:1)の同時給電も可能である。
これに対して、例えば、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合、電力分配の調整を行うと全体効率が低下し、また、電力比N:1の送電を行うのが困難となり、或いは、送電器の最大送電出力の増加が求められることになる。このような同時給電が困難な場合には、時分割給電を行うことになる。
すなわち、複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおいて、それぞれの受電器に対しては、同時給電を行うか、或いは、時分割給電を行うかを判断する評価指標の設定はなされておらず、各受電器に対して適切な給電(無線電力伝送)を行うことは困難である。
また、複数の受電器に対して同時給電が可能なケースと不可能なケースの判断基準が不明確である。さらに、例えば、シミュレーションやテスト送電を行うことも考えられるが、例えば、受電器の個数に従って増加する組み合わせは膨大であり、実際に適用するのは難しい。
以下、無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムの実施例を、添付図面を参照して詳述する。ここで、本実施例は、少なくとも1つの送電器により複数の受電器に対する無線電力伝送を行う無線電力伝送システムに適用することができる。
なお、以下の説明は、主として、磁界共鳴(磁界共振)を利用して1つの送電器で複数(2〜5個)の受電器に無線電力伝送を行う例を説明するが、本実施例は、図7A〜図7Cを参照して説明したように、2個以上の送電器により電力伝送を行ってもよい。さらに、本実施例は、磁界共鳴ではなく、電界共鳴(電界共振)を利用した無線電力伝送システムに対しても同様に適用することができる。
本実施例の無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムにおいて、無線電力伝送(ワイヤレス給電)の評価指標としてkQ(kQ値)を適用する。ここで、k(k値)は、電磁界の結合の程度を示し、その値が大きいほど、結合の程度が大きいことを示す。また、Q(Q値)は、電磁界の損失の程度を示し、その値が大きいほど、損失の程度が小さいことを示す。
すなわち、kQは、次の式(1)により表される。ここで、Qtは、送電器のQ値を示し、Qrは、受電器のQ値を示す。
Figure 2015177859
また、kは、次の式(2)により表される。ここで、Mtrは、送電器と受電器の間の相互インダクタンスを示し、Ltは、送電器の自己インダクタンス、そして、Lrは、受電器の自己インダクタンスを示す。
Figure 2015177859
さらに、Qは、次の式(3)により表される。ここで、ωは、角振動数を示し、Rtは、送電器の共振コイルの損失、そして、Rrは、受電器の共振コイルの損失を示す。
Figure 2015177859
図12は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における評価指標を説明するための図であり、1つの送電器と1つの受電器におけるkQ値(kとQの積)と理想効率の関係を示すものである。
図12において、横軸は、kQ値を示し、縦軸は、効率を示す。すなわち、本実施例では、例えば、図12のような特性の1つの送電器と1つの受電器におけるkQ値を、少なくとも1つの送電器と少なくとも2つ(複数)の受電器の電力伝送に適用する。
本実施例の無線電力伝送制御方法および無線電力伝送(ワイヤレス給電)システムでは、kQ値を評価指標として使用し、少なくとも1つの送電器から複数の受電器への電力伝送を、同時給電で行うか、或いは、時分割給電で行うかを判断する。
ところで、例えば、ワイヤレス給電システムの設計において、伝送効率を判断する指標として、kQ値が考えられる。ここで、図12に示されるように、例えば、送電:受電=1:1のワイヤレス給電では、効率とkQ値には理論的な関係が確立されており、kQ値を評価することで、理論的最大効率が推定可能となる。
本実施例の無線電力伝送制御方法では、kQ値を評価指標として用いることで、時分割送電と同時送電のいずれを採用するのが好ましいかを判断する。
図13A〜図14Bは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図であり、第1実施例の三次元無線電力伝送システムにおける無線電力伝送制御方法を説明するためのものである。
なお、図13A〜図14Bでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1Aおよび2つの受電器2A,2Bを示しているが、複数の送電器および3つ以上の受電器であっても同様である。
ここで、図13Aおよび図13Bは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合を示し、前述した図10Aおよび図10Bに対応する。また、図14Aおよび図14Bは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合を示し、前述した図11Aおよび図11Bに対応する。
図13Bおよび図14Bにおいて、参照符号LAは、受電器2Aの受電効率、LBは、受電器2Bの受電効率、PMは、送電器1Aの最大送電出力を示し、RPは、必要送電電力、そして、TPは、全体効率を示す。
また、参照符号P0は、受電器2A,2Bの要望電力の比が1:1の送電(9W:9W)の場合を示し、P1は、受電器2A,2Bの要望電力の比が2:1の送電(12W:6W)の場合を示す。なお、図13Bおよび図14Bは、電力比1:1を『1.00』に規格化して示す図である。
ここで、図13Aおよび図13Bは、前述した図10Aおよび図10Bに対応し、図14Aおよび図14Bは、前述した図11Aおよび図11Bに対応するので、重複する説明は省略する。
まず、図13Aおよび図13Bのように、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合、k値およびQ値は、k=0.0065、および、Q=510となる。このとき、kQ値は、kQ=0.0065×510=3.4として求められる。
次に、図14Aおよび図14Bのように、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合、k値およびQ値は、k=0.0029、および、Q=510となる。
すなわち、k値は、送電器1Aから受電器2A,2Bまでの距離が300mmから500mmへ長くなるので、磁界(電磁界)の結合の程度は小さく、0.0065から0.0029へ小さくなる。なお、Q値は、磁界(電磁界)の損失の程度は変化しないので、510のままである。
従って、図14Aおよび図14Bのように、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合、kQ値は、kQ=0.0029×510=1.5として求められる。
ここで、例えば、kQ値の閾値を『2.0』とし、kQ値が閾値以上(kQ≧2.0)ならば、同時給電(同時電力伝送モード)を選択し、kQ値が閾値よりも小(kQ<2.0)ならば、時分割給電(時分割電力伝送モード)を選択するものとする。このように、本第1実施例によれば、複数の受電器2A,2Bに対して時分割電力伝送および同時電力伝送を切り替えて適切な無線電力伝送を行うことが可能となる。
ここで、kQ値の閾値は、例えば、『2.0』の辺りを境として、共振条件を可変して電力の配分比を調整する際に全体効率が低下するケースとしないケースが分かれる。そこで、上述した説明では、kQ値の閾値を『2.0』に設定したが、この閾値は、それぞれの製品(受電器)における要望電力や効率および利便性等を考慮して設定することになる。ただし、電力分配においても効率が維持できることを考慮すると、kQ値の閾値は、0.1〜10の範囲、より好ましくは、0.5〜5の範囲に設定することができる。
この結果を利用し、kQ値が閾値以上の場合、電力分配調整を行いながらの同時給電は可能であり、一方で、kQ値が閾値以下の場合は、電力配分比調整を行うことで、全体効率が低下してしまうため、同時給電ではなく、時分割給電を行うことになる。
図15A〜図16Bは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図である。ここで、図15Aおよび図15B、並びに、図16Aおよび図16Bは、両方とも送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合を示しているが、Q値が異なる場合を示している。なお、図15Bおよび図16Bは、電力比1:1を『1.00』に規格化して示す図である。
まず、図15Aおよび図15Bでは、受電器2A,2Bにおける受電共振コイルの自己インダクタンス(Lr)が大きく、k値およびQ値は、k=0.026、および、Q=600となる。このとき、kQ値は、kQ=0.026×600=15.3として求められる。従って、kQ=15.3≧2.0なので、同時給電(同時電力伝送モード)が選択される。
また、図16Aおよび図16Bでは、受電器2A,2Bにおける受電共振コイルの自己インダクタンス(Lr)が小さく、k値およびQ値は、k=0.0065、および、Q=160となる。このとき、kQ値は、kQ=0.0065×160=1.1として求められる。従って、kQ=1.1<2.0なので、時分割給電(時分割電力伝送モード)が選択される。
このように、本実施例の無線電力伝送制御方法(無線電力伝送システム)によれば、例えば、kQ値を評価指標とすることにより、同時給電と時分割給電のどちらが適切かを判断してワイヤレス給電を行うことが可能となる。
なお、k値は、例えば、送電器1Aと受電器2A(2B)間における仕様情報、および、送電器1Aと受電器2A(2B)間における相対位置関係に基づいて算出することができ、また、Q値は、それぞれの受電器により予め規定されている。
図17は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、2つの送電器1A,1B、および、2つの受電器2A,2Bを含む例を示すものである。図17に示されるように、送電器1A,1Bは同様の構成を有し、それぞれワイヤレス送電部11A,11B、高周波電源部12A,12B、送電制御部13A,13Bおよび通信回路部14A,14Bを含む。
高周波電源部12A,12Bは、高周波の電力を発生するもので、例えば、前述した図3における高周波電源部12に相当し、固有の電源インピーダンスを有する。例えば、出力インピーダンスが50Ωに整合された定電圧電源や、高い出力インピーダンスのHi−ZΩ電源(定電流電源)などである。
送電制御部13A,13Bは、送電部11A,11Bを制御し、通信回路部14A,14Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするものであり、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、高周波電源部12A,12Bは、それぞれ外部電源10A,10Bから電力の供給を受け取り、送電制御部13A,13Bには、検出部SA,SBからの信号が入力されている。なお、送電器1Aおよび送電器1Bは、例えば、1つの送電器1に設けた2つの送電部(11)としてもよいのはいうまでもない。
ワイヤレス送電部11A,11Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、高周波電源部12A,12Bから供給される高周波電力を磁界に変換する。検出部SA,SBは、送電器1A,1Bの相対位置関係や受電器2A,2Bの相対位置関係を検出する。
なお、例えば、送電器1A,1Bの位置関係が固定され(送電共振コイル11a1,11a2が特定のL字ブロック状に固定され)、その情報を送電制御部13A,13Bが把握し、受電器2A,2Bが検出機能を有する場合、検出部SA,SBは省略可能である。
受電器2A,2Bも同様の構成を有し、それぞれワイヤレス受電部21A,21B、整流部(受電回路部)22A,22B、受電制御部23A,23B、通信回路部24A,24Bおよび機器本体(バッテリ部)25A,25Bを含む。
受電制御部23A,23Bは、受電器2A,2Bを制御するものであり、通信回路部24A,24Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするもので、前述したように、例えば、無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用する。
ワイヤレス受電部21A,21Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、無線で伝達された電力を電流に変換する。整流部22A,22Bは、ワイヤレス受電部21A,21Bから得られた交流電流をバッテリ充電や機器本体で使用可能なように直流電流に変換する。
上述したように、送電器1A,1Bおよび受電器2A,2Bは、それぞれの通信回路部14A,14B,24A,24Bを介して通信を行う。このとき、例えば、送電器1Aをマスタ(全体制御器)とし、このマスタ(送電器)1Aが、他の送電器1Bおよび受電器2A,2Bをスレーブとして制御することもできる。
ここで、送電器1A,1Bの通信回路部14A,14B、並びに、受電器2A,2Bの通信回路部24A,24Bを介した通信により、同時送電と時分割送電の切り替え、並びに、同時送電における電力配分比調整等の制御を行う。
具体的に、例えば、送電器1Aの通信回路部14Aおよび受電器2A,2Bの通信回路部24A,24Bを介して、それぞれの受電器2A,2BにおけるQ値を、無線電力伝送の制御を行うマスタ(例えば、送電器1A)に通信で伝える。
また、同時給電を行う場合、例えば、送電器1Aの通信回路部14Aおよび受電器2Bの通信回路部24Bを介して、受電器2Bの受電共振コイルにおける容量のキャパシタンス(CA)を共振点からずらし、電力配分比の調整を行う。具体的に、前述した図5Aに示す受電共振コイル21aにおける容量212のキャパシタンスの値を制御して、受電器2A,2Bの電力配分比を調整する。
さらに、時分割給電を行う場合、例えば、送電器1Aの通信回路部14Aおよび受電器2A,2Bの通信回路部24A,24Bを介して、ワイヤレス給電を行う受電器の切り替えを行う。
具体的に、例えば、前述した図5Aに示す受電共振コイル21aにおけるスイッチ213を制御して、ワイヤレス給電を行う受電器のスイッチ213だけを順にオンするように制御する。或いは、例えば、前述した図5Bに示す受電共振コイル21aにおけるスイッチ213を制御して、ワイヤレス給電を行う受電器のスイッチ213だけを順にオフするように制御する。
なお、ワイヤレス送電部11Aおよび11Bと、ワイヤレス受電部21Aまたは21Bの間は、磁界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送方式を適用することもできる。
次に、受電器が3つ以上ある場合において、kQ値をグループ分けする場合を説明する。図18は、無線電力伝送制御方法の第3実施例を説明するための図であり、評価指標のグループ分けを説明するためのものである。なお、図18では、1つの送電器1Aおよび6個の受電器2A〜2Fを例として示しているが、これは単なる例であり、様々な場合があり得るのはいうまでもない。
図18に示されるように、第3実施例の無線電力伝送制御方法は、複数(6個)の受電器2A〜2FのkQ値(評価指標)を評価し、kQ値によりグループ分けを行う。まず、全ての受電器2A〜2Fを、それぞれ単体評価する。
例えば、受電器2Aを評価するとき、受電器2Aのみオンして、他の受電器2B〜2Fをオフ(例えば、図5Aの受電共振コイル21aにおけるスイッチ213をオフ)する。そして、例えば、kQ値が最大(kQmax1)となる受電器2Bを基準とし、他の受電器のkQ値(kQother)に関して、kQother/kQmax1が一定値以上ならば、同一グループとする。具体的に、図18では、kQ値がkQ1-1の受電器2FおよびkQ値がkQ1-2の受電器2Cが、第1グループGP1とされている。
次に、kQ値が最大(kQmax1)となる受電器2Bを含む第1グループGP1以外の受電器2A,2D,2Eにおいて、kQ値が最大(kQmax2)となる受電器2Aを基準として、同様にグループ分けを行う。具体的に、図18では、受電器2A,2D,2Eが、第2グループGP2とされている。そして、分割されたグループGP1,GP2を単位として、同一グループ内では同時給電を行い、異なるグループ間では、後に詳述するように、個別に検討する。
ところで、一般的に、ワイヤレス送電可能なシステムの要件として、電力と効率は、比例する関係が好ましい。つまり、大電力を送電するシステムでは、高効率が望まれ、また、小電力を送電するシステムでは、低効率であっても許容することができる。これは、特に、ロスが結果として発熱になるため、放熱の問題を考えれば容易に理解することができる。
すなわち、大電力系において効率が低い場合には、放熱すべき電力が大きくなるため、システムを構築することが難しくなるためである。言い換えれば、送電電力に応じて、許容効率が規定されていると考えることもできる。
そのような状況で、kQ値が異なる複数の受電器に対した、同時給電すべきか、或いは、時分割給電すべきかを検討すると、送電完了時間を優先すれば、同時給電が常に望ましいと考えられるが、上述したように、許容できる効率は各系に応じて異なっている。
そこで、許容効率を確保しつつ、同時給電を行うことのできる方法を考えるのが現実的であり、本実施例では、kQ値の近いものをグループ化し、そのグループ内では同時給電を優先し、グループ外では時分割給電を優先するようになっている。
これは、kQ値が同じ(近い)ものの同時給電であれば、Q値を少し可変することで電力のバランスを調整することが容易である一方で、kQ値が大きく異なっているものの同時給電では、バランス調整のために、Q値を大きく低下させることになる。これは、結果として、全体の効率低下を招くことになる。
一例として、ノートパソコン群とスマートフォン群への給電を考える。ここで、ノートパソコン群(ノートパソコン)は、例えば、30Wの給電を要求し(要望電力が30Wであり)、その電力の大きさゆえに許容最低効率は80%とする。また、ノートパソコンは、サイズが大きいために受電コイルを大きくすることができ、kQ値を大きくすることが可能である。
一方、スマートフォン群(スマートフォン)は、例えば、5Wの給電を要求し(要望電力が5Wであり)、許容効率は40%とする。また、スマートフォンは、サイズが小さく、位置がより自由であるため、kQ値は小さく抑えられてしまう。
このような2つの郡への同時給電を行うと、kQ値が異なるグループへの同時給電となるが、ノートパソコン群への給電ばかりが実行され、スマートフォン群へ電力が届かないことになる。
このとき、例えば、Q値を低下させて電力のバランスを取ることもできるが、その場合には、全体の効率が低下してしまい、ノートパソコンを含む給電の効率が低くなり、例えば、許容効率が80%以下となってしまうこともあり得る。
そのため、kQ値が異なるグループへの同時給電は好ましくないことが分かる。すなわち、kQ値(評価指標)が設定値以上となる受電器が3つ以上存在するとき、そのkQ値の大きさに基づいてグループ分けを行うが、近いkQ値を持つ受電器が同じグループとなるようにグループ分けを行うのが好ましい。
ここで、kQ値によりグループ分けされた受電器に関して、例えば、閾値以下となるグループの受電器に対しては、時分割給電を行うことになる。また、閾値以上となるグループの受電器に対して、同一グループ内の給電では、電力分配を調整して同時給電を行うことができ、異なるグループにまたがる受電器に対しては、時分割給電を行うのが好ましい。
なお、複数の受電器をkQ値により複数のグループに分けるための閾値としては、想定される無線電力伝送システムの規模や仕様により様々に変化させることができ、それに従って、グループの数や各グループに含まれる受電器の数も変化することになる。
図19は、第3実施例の無線電力伝送制御方法による処理の一例を説明するためのフローチャートである。図19に示されるように、第3実施例の無線電力伝送制御方法による処理が開始すると、ステップST1において、各受電器のkQ値を評価し、kQ<[基準1(第1設定値)]とされた受電器(ステップST2)に対しては、ステップST3に進んで、時分割給電を行う。
一方、kQ≧[基準1]とされた受電器(ステップST4)に対しては、ステップST5に進んで、受電器をkQ値によりグループ分けを行う。そして、同一グループ内のみの受電器(ステップST6)に対しては、ステップST7に進んで、同時給電を行う。
また、グループ間の給電がある受電器(ステップST8)に対しては、ステップST9に進んで、電力分配による効率低下を評価する。
そして、効率(予想効率)<[基準2(第2設定値)]とされた受電器(ステップST10)に対しては、ステップST11に進んで、時分割給電を行う。一方、効率≧[基準2]とされた受電器(ステップST12)に対しては、ステップST13に進んで、同時給電を行う。
図20〜図22は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図である。ここで、上述したフローチャートのステップST2およびST4において、kQ値を判定する[基準1(kQ基準1:第1設定値)]=1.5とし、ステップST10およびST12において、効率を判定する[基準2(判定基準2:第2設定値)]=0.2とする。
まず、図20に示されるように、例えば、受電器が3個の場合(2A〜2C)を説明する。ここで、受電器2AのkQ値は1.2、受電器2BのkQ値は8.5、そして、受電器2CのkQ値は8.2とする。
このとき、受電器2Aは、kQ値(1.2)<kQ基準1(1.5)となるため、ステップST3に進んで、複数同時給電の対象外とされて、時分割給電が選択される。一方、受電器2B,2Cは、それぞれのkQ値(8.5,8.2)≧kQ基準1(1.5)となるため、ステップST5に進む。すなわち、受電器2B,2Cは、同時給電の対象候補となる。
ここで、受電器2B,2Cは、ステップST6において、kQ値のグループ分けにより同一グループと判断できる。すなわち、同時給電の対象候補の受電器2B,2Cは、同一グループのみであるとして、ステップST7に進んで同時給電が行われる。このとき、受電器2Bおよび2Cは、例えば、要望電力に基づいて受電共振コイルによる共振点をずらし、電力分配を行うことができる。
このように、図20の場合には、例えば、受電器2Aを単独で給電する第1給電セット、受電器2B,2Cを同時給電する第2給電セットを、時分割的に切り替えて時分割給電を行うことになる。
なお、時分割的に切り替えて行う給電は、例えば、第1給電セット完了後に、第2給電セットを行ってもよいが、一定時間だけ第1給電セットを行った後、一定時間だけ第2給電セットを行い、この処理を交互に繰り返すようにしてもよい。
次に、図21に示されるように、例えば、受電器が5個の場合(2A〜2E)を説明する。ここで、受電器2AのkQ値は1.2、受電器2BのkQ値は8.5、受電器2CのkQ値は8.2、受電器2DのkQ値は3.1、そして、受電器2EのkQ値は3.4とする。
このとき、受電器2Aは、kQ値(1.2)<kQ基準1(1.5)となるため、ステップST3に進んで、複数同時給電の対象外とされて、時分割給電が選択される。一方、受電器2B〜2Eは、それぞれのkQ値(8.5,8.2,3.1,3.4)≧kQ基準1(1.5)となるため、ステップST5に進み、kQ値によるグループ分けを行う。
このkQ値によるグループ分けにより、例えば、受電器2B,2Cは、kQ値が8.5,8.2となっているため、同一グループとされ、また、受電器2D,2Eは、kQ値が3.1,3.4となっているため、同一グループとされる。
すなわち、ステップST8に進んで、同時給電の対象候補が複数グループ(受電器2B,2Cと、受電器2D,2Eの2つのグループ)存在すると判定し、ステップST9に進んで、電力分配による効率低下を評価する。
具体的に、受電器2B,2Cのグループと、受電器2D,2Eのグループを同時給電した場合の最低効率を評価する。例えば、最低効率(効率)が0.15の場合には、ステップST10で、効率(0.15)<効率基準2(第2設定値:0.2)なので送電効率の低下は許容値を超えると判定してステップST11に進み、時分割給電を行う。
このように、図21の場合には、例えば、次の3つの給電セットを時分割給電する。すなわち、受電器2Aを単独で給電する第1給電セット、受電器2B,2Cを同時給電する第2給電セット、並びに、受電器2D,2Eを同時給電する第3給電セットを時分割的に切り替えて給電を行う。
図22は、上述した図21と同様に、受電器が5個の場合(2A〜2E)であり、各受電器2A〜2EのkQ値も図21と共通である。ただし、図22では、最低効率が、図21の0.15よりも大きい0.25となっている。従って、図22の場合、図19のフローチャートにおけるステップST1〜ST9の処理は、図21の場合と同様である。
すなわち、ステップST9において、電力分配による効率低下を評価するが、受電器2B,2Cのグループと、受電器2D,2Eのグループを同時給電した場合の最低効率は、0.25となっている。
この最低効率(効率)が0.25の場合には、ステップST12で、効率(0.25)≧効率基準2(第2設定値:0.2)なので、送電効率の低下は許容値内であると判定してステップST13に進み、同時給電を行うことになる。なお、同時給電において、各受電器の要望電力に基づいた電力分配を行うことができるのはいうまでもない。
このように、図22の場合には、例えば、次の2つの給電セットを時分割給電する。すなわち、受電器2Aを単独で給電する第1給電セット、並びに、受電器2B〜2Eを同時給電する第2給電セットを時分割的に切り替えて給電を行う。
以上の説明では、1つの送電器1A、並びに、3〜6個の受電器2A〜2Fを含む無線電力伝送システムを例として説明したが、送電器は、例えば、異なる角度で複数設けることができ、また、受電器も様々な数,距離および姿勢(角度)であってもよい。
図23〜図25は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図である。ここで、図23は、第1グループのkQ値と、第2グループのkQ値をプロットしたテーブルであり、図24は、例えば、図23のテーブルにおけるD0710の個所を示すテーブルである。そして、図25は、例えば、図24のテーブルにおけるE0611の個所に設定された値を示す。
図23に示されるように、本実施形態の無線電力伝送制御方法において、例えば、第1グループのkQ値が『10』で第2グループのkQ値が『7』の場合のために、このようなkQ値を有する2つのグループに対して、予め、[D0710]を準備しておく。
なお、[D0710]は単なる例であり、第1および第グループのそれぞれのkQ値に対して同様のものを準備しておく。また、図23における参照符号WWで示した個所は、kQ値が所定値以下で電力分配が不可の領域を示す。
次に、図24に示されるように、例えば、第1グループのkQ値が『10』で第2グループのkQ値が『7』のときの[D0710]において、例えば、2つの受電器に対する電力の配分比を3:2に制御する場合のために、予め、[E0611]を準備しておく。なお、[E0611]も単なる例であり、様々な配分比に対して同様のものを準備しておく。
さらに、図25に示されるように、例えば、[D0710]において電力の配分比を3:2にする[E0611]として、受電器2A,2Bの共振周波数および予想全体効率等を、予め準備しておく。
通常、受電器2A,2Bは、固定の共振周波数(6.78MHz)で受電しているが、例えば、受電器2A,2Bの要望電力に従って、受電器2A:2Bの電力比を3:2に設定したい場合、受電器2Bの共振周波数を6.75MHzにずらせばよいことが分かる。さらに、このときの予想全体効率が67%程度であることも確認することができる。
なお、図23〜図25に示す事前演算データは、例えば、予め、シミュレーションや演算等を行って様々な条件に対応するデータを事前に演算し、例えば、送電器のテーブル(ルックアップテーブル)としてメモリに格納しておくことができる。
以上の説明において、送電器および受電器は、主として1つまたは2つとして説明したが、それぞれさらに多数であってもよい。また、各実施例の説明は、主として磁界共鳴を利用した電力伝送を例としたが、本実施形態は、電界共鳴を利用した電力伝送に対しても適用することができる。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
1 送電器(一次側:送電側)
1A〜1D,1A1〜1A3 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A〜2F,2A1〜2A3,2B1〜2B3,2C1,2C2 受電器
10A,10B 外部電源
11,11A,11B ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB、11a1,11a2 送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)
11b 電力供給コイル(第1コイル)
12,12A,12B 高周波電源部
13,13A,13B 送電制御部
14,14A,14B 通信回路部(第1通信回路部)
21,21A,21B ワイヤレス受電部
21a 受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)
21b 電力取出コイル(第4コイル)
22,22A,22B 受電回路部(整流部)
23,23A,23B 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25,25A,25B バッテリ部(機器本体,負荷)
GP1 第1グループ
GP2 第2グループ
この出願で言及する実施例は、無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムに関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)を利用する場合、電力を送る側の送電器と、送電器から送られた電力を受け取る側の受電器がそれぞれ異なるメーカの製品であっても支障なく使用するために標準化を行うのが好ましい。
従来、無線による電力伝送技術としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。
そして、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、強結合系の共振を用いたワイヤレス送電技術が注目されている。
この強結合系の共振を用いたワイヤレス送電としては、例えば、磁界共鳴(磁界共振)や電界共鳴(電界共振)を利用した無線電力伝送技術が知られている。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2012−044735号公報 国際公開第2013/035873号
内田 昭嘉他(UCHIDA Akiyoshi, et al.), "Phase and Intensity Control of Multiple Coil Currents in Resonant Magnetic Coupling," IMWS-IWPT2012, THU-C-1, pp.53-56, May 10-11, 2012 石崎 俊雄他(ISHIZAKI Toshio, et al.), "3-D Free-Access WPT System for Charging Movable Terminals," IMWS-IWPT2012, FRI-H-1, pp.219-222, May 10-11, 2012
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。この無線電力伝送技術を適用した無線電力伝送システムは、通常、複数の受電器に対して電力を伝送するが、各受電器が要望する電力、或いは、送電器に対する各受電器の位置関係等に基づいた電力伝送制御が求められている。
この送電器から複数の受電器への電力伝送としては、受電器ごとに電力伝送を行う時分割電力伝送、並びに、複数の受電器に対して同時に電力伝送を行う同時電力伝送がある。しかしながら、複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおいて、それぞれの受電器に対して評価指標を設定し、その評価指標に基づいて無線電力伝送を行うことは行われておらず、各受電器に対して適切な無線電力伝送を行うことが困難であった。
一実施形態によれば、少なくとも1つの送電器、および、少なくとも2つの受電器を含み、前記送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により、それぞれの前記受電器に伝送する無線電力伝送制御方法が提供される。
前記無線電力伝送制御方法は、複数の前記受電器に対して、同時に電力を伝送する同時電力伝送モードと、前記受電器に対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送モードと、を有する。
前記無線電力伝送制御方法は、それぞれの前記受電器に評価指標を設定し、前記評価指標に基づいて、前記同時電力伝送モードおよび前記時分割電力伝送モードを切り替えて無線電力伝送を行う。
開示の無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムは、複数の受電器に対して時分割電力伝送および同時電力伝送を切り替えて適切な無線電力伝送を行うことができるという効果を奏する。
図1Aは、有線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図1Bは、無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2Aは、二次元無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2Bは、三次元無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図3は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図4Aは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図4Bは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図4Cは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図5Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図5Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図5Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図5Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図6Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図6Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図6Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図6Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図7Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図7Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図7Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図8Aは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図(その3)である。 図9Aは、複数の受電器に対する二次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その1)である。 図9Bは、複数の受電器に対する二次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その2)である。 図10Aは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その1)である。 図10Bは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その2)である。 図10Cは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その3)である。 図11Aは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その4)である。 図11Bは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その5)である。 図11Cは、複数の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図(その6)である。 図12は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における評価指標を説明するための図である。 図13Aは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その1)である。 図13Bは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その2)である。 図14Aは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その3)である。 図14Bは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図(その4)である。 図15Aは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その1)である。 図15Bは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その2)である。 図16Aは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その3)である。 図16Bは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図(その4)である。 図17は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図18は、無線電力伝送制御方法の第3実施例を説明するための図である。 図19は、第3実施例の無線電力伝送制御方法による処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図20は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図(その1)である。 図21は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図(その2)である。 図22は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図(その3)である。 図23は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図(その1)である。 図24は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図(その2)である。 図25は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図(その3)である。
まず、無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムの実施例を詳述する前に、電力伝送システムの例、並びに、複数の送電器および受電器を含む関連技術の無線電力伝送システムを、図1〜図11Cを参照して説明する。
図1Aは、有線電力伝送(ワイヤー接続給電)システムの一例を模式的に示す図であり、図1Bは、無線電力伝送(ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図である。図1Aおよび図1Bにおいて、参照符号2A1〜2C1は、それぞれ受電器を示す。
ここで、受電器2A1は、例えば、要望電力が10Wのタブレットコンピュータ(タブレット)を示し、受電器2B1は、例えば、要望電力が50Wのノートパソコンを示し、受電器2C1は、例えば、要望電力が2.5Wのスマートフォンを示す。なお、要望電力は、例えば、それぞれの受電器2A1〜2C1における充電池(二次電池)を充電するための電力に相当する。
図1Aに示されるように、通常、タブレット2A1やスマートフォン2C1の二次電池を充電する場合、例えば、パソコン(Personal Computer)のUSB(Universal Serial Bus)端子(または、専用電源等)3Aに対して電源ケーブル4A,4Cを介して接続する。また、ノートパソコン2B1の二次電池を充電する場合、例えば、専用の電源装置(AC-DC Converter)3Bに対して電源ケーブル4Bを介して接続する。
すなわち、図1Aに示されるように、携帯可能な受電器2A1〜2C1であっても、一般的に、電源ケーブル4A〜4Cを使用してUSB端子3Aや電源装置3Bからワイヤー接続給電(有線電力伝送)を行っている。
ところで、近年、電磁誘導に代表される非接触給電技術の進歩により、例えば、シェーバーや電動歯ブラシ等でワイヤレス給電(無線電力伝送)が実用化されている。そこで、図1Bに示されるように、例えば、送電器1A1から、タブレット2A1,ノートパソコン2B1およびスマートフォン2C1に対して無線電力伝送することが考えられている。
図2Aは、二次元無線電力伝送(二次元ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図であり、例えば、上述したシェーバーや電動歯ブラシ等と同様に、電磁誘導により無線電力伝送を行う様子を示している。
図2Aに示されるように、電磁誘導を利用して無線電力伝送を行う場合には、非接触給電であっても送電距離が短いために、送電器1A2にほぼ接触している受電器だけが給電可能である。
すなわち、送電器(受電台)1A2上に置かれた受電器(ノートパソコン)2B2に対しては給電することができても、受電台1A2から離れたノートパソコン2B3に対しては給電することは困難である。このように、図2Aに示す無線電力伝送システムは、受電台1A2上の自由な配置を可能とする二次元的なワイヤレス給電システムである。
図2Bは、三次元無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図であり、例えば、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行う様子を示している。図2Bに示されるように、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行う場合には、送電器1A2から所定範囲内(図2Bにおける破線の内側)に存在する複数の受電器に対して給電することが可能である。
すなわち、送電器1A3から所定範囲内のタブレット2A2,2A3、ノートパソコン2B2,2B3およびスマートフォン2C2に対して無線電力伝送することが可能である。なお、図2Bでは、1つの送電器1A3のみ描かれているが、複数の送電器により、様々な角度および位置の複数の受電器に対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行うようになっている。
このように、図2Bに示す無線電力伝送システムは、例えば、磁界共鳴を利用することにより、電磁誘導を利用したものに比べて遠方の空間においても高い送電効率を得ることができる三次元的なワイヤレス給電システムである。
図3は、無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムの一例を概略的に示すブロック図である。図3において、参照符号1は一次側(送電側:送電器)を示し、2は二次側(受電側:受電器)を示す。
図3に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(送電共振コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(受電共振コイル)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図3に示されるように、送電器1と受電器2は、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴(電界共鳴)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、送電共振コイル11aから受電共振コイル21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲)よりも短く設定される。
また、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)は、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図4A〜図4Cは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。ここで、図4Aおよび図4Bは、3コイル構成の例を示し、図4Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図3に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図4Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図4Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図4Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図4A〜図4Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図5A〜図5Dは、独立共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図であり、図6A〜図6Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図である。
ここで、図5A〜図5Dは、図3および図4Bにおける受電共振コイル21aに対応し、図6A〜図6Dは、図4Aおよび図4Cにおける受電共振コイル21aに対応する。
図5Aおよび図6Aに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図5Bおよび図6Bに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図5Cおよび図6Cに示す例は、図5Bおよび図6Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図5Dおよび図6Dに示す例は、図5Bおよび図6Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各受電共振コイル21aにおいて、通常時に受電共振コイル21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、送電器1の送電共振コイル11aも図5A〜図5Dおよび図6A〜図6Dと同様にすることもできるが、送電器1の送電共振コイル11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、送電共振コイル11aは、図5Aおよび図6Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2の受電共振コイル21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送(時分割電力伝送)を行うことが可能になる。
図7A〜図7Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図7A〜図7Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。
図7Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用する受電用の受電共振コイル21aは、送電共振コイル11aAおよび11aBにより囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電共振コイル(LC共振器)11aAおよび11aBは、1つの送電器に設けることも可能である。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含んでいてもよい。
図7Bは、送電共振コイル11aAおよび11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図7Cは、送電共振コイル11aAおよび11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
例えば、2個の直交する送電共振コイル11aAおよび11aBが同相出力の場合と逆相出力の場合を比較すると、合成磁界は90°回転した関係となり、それぞれの受電器2(受電共振コイル21a)の向きに合わせた送電を行う。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
上述した無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
なお、三次元空間に関しても、例えば、実際の三次元空間における3個以上の送電器を用いて、それぞれの出力位相差および出力強度比を調整することで、三次元空間上の任意の方向に磁界(電界)の向きを調整することが可能になることが理解されるであろう。
図8A〜図8Cは、複数の受電器に対する無線電力伝送を説明するための図である。なお、図8A〜図8Cでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1Aおよび2つの受電器(携帯電話)2A,2A’のみ示しているが、送電器の数および受電器の数や種類等は様々に変化し得るのはいうまでもない。すなわち、図8Aに示されるように、1つの送電器1Aにより、2つの受電器2A,2A’に対するワイヤレス給電を行う場合を想定する。
まず、時分割電力伝送によりワイヤレス給電を行うときは、図8Bの左側図に示されるように、一方の受電器2Aだけに給電した後、図8Bの右側図に示されるように、他方の受電器2Aだけに給電する。なお、受電器の数がさらに多い場合も同様であり、時分割的に給電する受電器を順番に切り替えてワイヤレス給電を行う。
すなわち、時分割電力伝送は、複数の受電器がある場合、給電する対象となる受電器を順次選択することにより、ある瞬間には常に送電器に対して1つの受電器が対応することになる。このときの制御は、例えば、送電器と受電器が1対1の場合と同様とすることができる。ただし、時分割した結果、給電(満充電)に要する時間は、受電器の数だけの時間となるため、受電器が2台であれば1台のときの2倍の時間を要することになる。
次に、同時電力伝送によりワイヤレス給電を行うときは、図8Cに示されるように、1つの送電器1Aにより、2つの受電器2A,2A’の両方に給電する。なお、受電器の数がさらに多い場合も同様であり、それら複数の受電器に対して同時にワイヤレス給電を行う。
この同時電力伝送は、例えば、2台の受電器がある場合にはその2台の受電器を同時に給電するため、給電に要する時間は、同時給電される受電器の数に関わらず、1台分でよいため、ユーザメリットを考えると望ましい給電方法(無線電力伝送制御方法)と言える。
ただし、複数の受電器を同時給電(同時電力伝送)するには、受電器が1台のときとは異なる制御を行うことになる。また、複数の受電器に対して同時電力伝送を行う場合、送電上限や効率等の問題があるため、常に選択可能であるわけではない。なお、受電器の数が多数の場合、一部の複数の受電器に対して同時電力伝送を行い、他の受電器に対して時分割電力伝送を行うことも考えられる。
図9Aおよび図9Bは、複数の受電器に対する二次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図である。ここで、図9Aは、例えば、磁界共鳴を利用して、1つの送電器1Aにより、要望電力が異なる2つの受電器2A,2Bにワイヤレス給電する様子を示す。また、図9Bにおいて、参照符号LL0は全体送電効率を示し、LLAは携帯電話2Aの受電電力を示し、LLBはノートパソコン2Bの受電電力を示す。
なお、受電器2Aは、例えば、要望電力が5Wの携帯電話を示し、受電器2Bは、例えば、要望電力が50Wのノートパソコンを示す。また、説明を簡略化するために、携帯電話2AのLC共振器(ワイヤレス受電部)およびノートパソコン2BのLC共振器は、同じ仕様のものとする。
ところで、二次元無線電力伝送システムにおいて、複数の受電器への同時ワイヤレス給電を行う場合それぞれの受電器における受電電力量が異なるケースが多発すると考えられる。例えば、図9Aに示されるように、要望電力が5Wの携帯電話と要望電力が50Wのノートパソコン、或いは、同じ種類の受電器であっても、バッテリ残量によっては、要望電力が異なるケースも考えられる。
これらの状況において、例えば、二次元無線電力伝送システムでは、送電器1A上に置かれる受電器2A,2Bの距離や姿勢の条件には大きな差がないと考えられるため、同じ仕様の受電コイルが搭載されている場合には、電力は等しく分配されることとなる。
そのため、図9Aに示されるように、要望電力が10倍異なる受電器2Aと2Bであっても、例えば、55Wの要望電力に相当する出力を送電器1Aから出力した場合、受電器2A,2B側では、それぞれ27.5Wずつの電力を受電する結果となる。
すなわち、携帯電話2Aおよびノートパソコン2Bは、例えば、図5Aに示す受電共振コイル21aを有し、そのコイル211のインダクタンスおよび容量212のキャパシタンスは、同じ値である。
具体的に、携帯電話2Aの受電共振コイルにおけるインダクタンスをLA,キャパシタンスをCAとし、ノートパソコン2Bの受電共振コイルにおけるインダクタンスをLB,キャパシタンスをCBとする。このとき、参照符号PP0で示されるように、そのままの状態(共振点ずらさない状態)では、L00=LAA=LBBが成立する。
そのため、例えば、送電器1Aからの送電電力が68.75Wで送電効率が80%だと仮定すると、携帯電話2Aおよびノートパソコン2Bは、両方とも27.5Wの電力を受け取ることになる。
しかしながら、携帯電話2Aの要望電力は5Wで、ノートパソコン2Bの要望電力は50Wであるため、携帯電話2Aの受電共振コイルによる共振点をずらして受電効率を低下させるように制御する。
例えば、図9Bの矢印MAに示されるように、携帯電話2Aの受電共振コイルにおける容量のキャパシタンスCAを、受電効率が最大となる受電共振コイルの共振点からずらすために、小さく(または、大きく)なるように制御する。
すなわち、図9Bの矢印MAのように、共振条件を意図的にずらす(キャパシタンスCAをずらす)ことでQ値を低下させ、携帯電話2Aの受電電力LLAは、共振点(P0)の27.5Wから次第に減少して、例えば、要望電力は5Wに設定することができる。
このとき、携帯電話2Aが受電しなくなった電力は、そのほとんどがノートパソコン2Bの受電電力となる。すなわち、ノートパソコン2Bの受電電力LLBは、携帯電話2Aの受電電力LLAの低下に応じて上昇し、無線電力伝送システムにおける全体送電効率LL0は、ほとんど低下しないことが分かる。
このように、共振条件を変えることで、具体的には、受電器2Aの共振用コンデンサ(容量)212の容量値(キャパシタンスCA)を変化させることで、結合が調整され、結果として、受電電力を所望の配分比に制御することが可能となる。
ここで、重要なこととして、共振条件を可変した受電器2Aの効率は低下していても、システム全体の送受電効率はほぼ一定を保っており、受電器2Aに到達していた電力を減らした分、受電器2Bへの電力が増加する。その結果、受電器2A,2Bの一方だけの単体給電時と比べても、ほぼ同じ効率で全体(両方の受電器2A,2B)に送電しつつ受電電力を所望の比に分配(配分)できることがわかる。
なお、各送電器には、それぞれ送電能力の上限が個別にあることが想定されるため、二次元無線電力伝送システムでは、同時給電が可能な場合と不可能な場合の判断は、例えば、以下のように、容易に行うことができる。
すなわち、システム全体の送受電効率はほぼ一定であるため、単純に総受電電力/効率≦最大送電ならば同時給電を行い、総受電電力/効率>最大送電ならば時分割給電を行うという判断になる。
次に、三次元無線電力伝送システムについて説明する。図10A〜図11Cは、複数(2つ)の受電器に対する三次元の無線電力伝送制御方法の一例を説明するための図である。なお、図10A〜図11Cでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1Aおよび2つの受電器2A,2Bを示しているが、複数の送電器および3つ以上の受電器であっても同様である。
ここで、図10A〜図10Cは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合を示し、図11A〜図11Cは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合を示す。
図10Bおよび図11Bにおいて、参照符号LAは、受電器2Aの受電効率、LBは、受電器2Bの受電効率、PMは、送電器1Aの出力可能な送電電力(最大送電出力)を示し、RPは、必要送電電力、そして、TPは、全体の受電効率(全体効率)を示す。
また、参照符号P0は、受電器2A,2Bの要望電力の比が1:1の送電(9W:9W)の場合を示し、P1は、受電器2A,2Bの要望電力の比が2:1の送電(12W:6W)の場合を示す。なお、図10Bおよび図11Bは、電力比1:1を『1.00』に規格化して示す図である。
すなわち、2つの受電器2A,2Bへ伝送する電力を18Wとし、受電器2Aおよび2Bの要望電力が両方とも9Wの場合、並びに、受電器2Aの要望電力が12Wで受電器2Bの要望電力が6Wの場合を考える。なお、送電器1Aの最大送電出力は、例えば、送電器の仕様や電波法の規定等により50Wに制限されているものとする。
図10A〜図10Cを参照して、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合(比較的に近い場合)を考察する。まず、同時給電を行う受電器2Aおよび2Bの要望電力が両方とも9Wの場合、すなわち、電力比1:1の送電(9W:9W)の場合、受電器2A,2Bの受電効率は、例えば、両方とも30.1%(全体効率(TP)が60.2%)であるとする。
このとき、図10BのP0および図10Cに示されるように、送電器1Aの送電出力を29.9Wとすることにより、受電器2Aおよび2Bは、それぞれ29.9×0.301≒9Wの電力を受電することができる。
次に、受電器2Aの要望電力が12Wで受電器2Bの要望電力が6Wの場合、すなわち、電力比2:1の送電(12W:6W)の場合、図9Aおよび図9Bを参照して説明したのと同様に、受電器2Bの受電共振コイルによる共振点をずらす。
すなわち、受電器2Bの受電共振コイルによる共振点をずらし、受電器2Bの受電効率を低下(受電器2Aの受電効率を上昇)させるようにして電力配分比を制御し、受電器2Aおよび2Bに対して同時給電を行う。
具体的に、図10BのP1および図10Cに示されるように、受電器2Bの受電共振コイルの共振点をずらすことにより、受電器2Aの受電効率を39.5%とし、受電器2Bの受電効率を19.7%とする。このとき、全体効率(TP)は、59.2%となる。
そして、図10Cに示されるように、送電器1Aの送電出力を30.4Wとすることにより、受電器2Aは、30.4×0.395≒12Wの電力を受電することができ、受電器2Bは、30.4×0.197≒6Wの電力を受電することができる。
ここで、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合、送電器1Aの必要送電電力RPは、電力比1:1の送電(29.9W)および電力比2:1の送電(30.4W)の両方とも、最大送電出力の50Wよりも小さい。
さらに、全体効率TPは、電力比1:1の送電(60.2%)および電力比2:1の送電(59.2%)でほぼ一定である。従って、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合(比較的に近い場合)には、電力比1:1の送電および電力比2:1の送電の両方とも、同時給電により実現することができる。
次に、図11A〜図11Cを参照して、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合(比較的に遠い場合)を考察する。まず、同時給電を行う受電器2Aおよび2Bの要望電力が両方とも9Wの場合、すなわち、電力比1:1の送電(9W:9W)の場合、受電器2A,2Bの受電効率は、例えば、両方とも18.2%(全体効率(TP)が36.4%)であるとする。
このとき、図11BのP0および図11Cに示されるように、送電器1Aの送電出力を49.5Wとすることにより、受電器2Aおよび2Bは、それぞれ49.5×0.182≒9Wの電力を受電することができる。この場合、送電器1Aの必要送電電力RP(49.5W)は、最大送電出力の50Wよりも小さいため、受電器2Aおよび2Bに対する同時給電を行うことができる。
次に、受電器2Aの要望電力が12Wで受電器2Bの要望電力が6W(電力比2:1)の場合、上述したように、受電器2Bの受電共振コイルによる共振点をずらし、受電器2Bの受電効率を低下(受電器2Aの受電効率を上昇)させるように、電力配分比を制御する。
具体的に、図11BのP1および図11Cに示されるように、受電器2Bの受電共振コイルの共振点をずらすことにより、受電器2Aの受電効率を21.2%とし、受電器2Bの受電効率を10.6%とする。このとき、全体効率(TP)は、31.8%となる。
しかしながら、受電器2Aの受電電力を12W(≒56.6×0.212)とするには、送電器1Aの必要送電電力RPは56.6Wとなり、最大送電出力の50Wよりも大きくなってしまう。従って、2つの受電器2Aおよび2Bに対して同時給電することは困難となる。
なお、送電器1Aの送電出力が、例えば、送電器の仕様や電波法の規定等により50Wに制限されていない場合、送電器1Aは、56.6Wの必要送電電力RPを許容できる大きさまで増大させることが求められる。
また、同時給電を行うと、必要送電電力RPが56.6Wとなって最大送電出力(50W)を超過する場合には、受電器2A,2Bに対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送(時分割給電)を行うことになる。
ここで、時分割給電において、送電器1Aにより受電器2Aまたは2Bの一方だけに電力伝送(給電)するときの受電効率を25%とする。このとき、送電器1Aの送電出力を48Wとして受電器2Aだけに給電することで、受電器2Aの受電電力を12W(=48×0.25)とすることができる。さらに、送電器1Aの送電出力を24Wとして受電器2Bだけに給電することで、受電器2Bの受電電力を6W(=24×0.25)とすることができる。
従って、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合(比較的に遠い場合)、電力比1:1の送電は同時給電が好ましく、電力比2:1の送電は、時分割給電が好ましいもの(同時給電は不可)と考えられる。
上述したように、例えば、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合、電力分配の調整を行っても全体効率はほぼ一定であり、また、電力比1:1の送電が可能な受電電力ならば、電力比2:1(N:1)の同時給電も可能である。
これに対して、例えば、送電器1Aと2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合、電力分配の調整を行うと全体効率が低下し、また、電力比N:1の送電を行うのが困難となり、或いは、送電器の最大送電出力の増加が求められることになる。このような同時給電が困難な場合には、時分割給電を行うことになる。
すなわち、複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおいて、それぞれの受電器に対しては、同時給電を行うか、或いは、時分割給電を行うかを判断する評価指標の設定はなされておらず、各受電器に対して適切な給電(無線電力伝送)を行うことは困難である。
また、複数の受電器に対して同時給電が可能なケースと不可能なケースの判断基準が不明確である。さらに、例えば、シミュレーションやテスト送電を行うことも考えられるが、例えば、受電器の個数に従って増加する組み合わせは膨大であり、実際に適用するのは難しい。
以下、無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムの実施例を、添付図面を参照して詳述する。ここで、本実施例は、少なくとも1つの送電器により複数の受電器に対する無線電力伝送を行う無線電力伝送システムに適用することができる。
なお、以下の説明は、主として、磁界共鳴(磁界共振)を利用して1つの送電器で複数(2〜5個)の受電器に無線電力伝送を行う例を説明するが、本実施例は、図7A〜図7Cを参照して説明したように、2個以上の送電器により電力伝送を行ってもよい。さらに、本実施例は、磁界共鳴ではなく、電界共鳴(電界共振)を利用した無線電力伝送システムに対しても同様に適用することができる。
本実施例の無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システムにおいて、無線電力伝送(ワイヤレス給電)の評価指標としてkQ(kQ値)を適用する。ここで、k(k値)は、電磁界の結合の程度を示し、その値が大きいほど、結合の程度が大きいことを示す。また、Q(Q値)は、電磁界の損失の程度を示し、その値が大きいほど、損失の程度が小さいことを示す。
すなわち、kQは、次の式(1)により表される。ここで、Qtは、送電器のQ値を示し、Qrは、受電器のQ値を示す。
Figure 2015177859
また、kは、次の式(2)により表される。ここで、Mtrは、送電器と受電器の間の相互インダクタンスを示し、Ltは、送電器の自己インダクタンス、そして、Lrは、受電器の自己インダクタンスを示す。
Figure 2015177859
さらに、Qは、次の式(3)により表される。ここで、ωは、角振動数を示し、Rtは、送電器の共振コイルの損失、そして、Rrは、受電器の共振コイルの損失を示す。
Figure 2015177859
図12は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における評価指標を説明するための図であり、1つの送電器と1つの受電器におけるkQ値(kとQの積)と理想効率の関係を示すものである。
図12において、横軸は、kQ値を示し、縦軸は、効率を示す。すなわち、本実施例では、例えば、図12のような特性の1つの送電器と1つの受電器におけるkQ値を、少なくとも1つの送電器と少なくとも2つ(複数)の受電器の電力伝送に適用する。
本実施例の無線電力伝送制御方法および無線電力伝送(ワイヤレス給電)システムでは、kQ値を評価指標として使用し、少なくとも1つの送電器から複数の受電器への電力伝送を、同時給電で行うか、或いは、時分割給電で行うかを判断する。
ところで、例えば、ワイヤレス給電システムの設計において、伝送効率を判断する指標として、kQ値が考えられる。ここで、図12に示されるように、例えば、送電:受電=1:1のワイヤレス給電では、効率とkQ値には理論的な関係が確立されており、kQ値を評価することで、理論的最大効率が推定可能となる。
本実施例の無線電力伝送制御方法では、kQ値を評価指標として用いることで、時分割送電と同時送電のいずれを採用するのが好ましいかを判断する。
図13A〜図14Bは、無線電力伝送制御方法の第1実施例を説明するための図であり、第1実施例の三次元無線電力伝送システムにおける無線電力伝送制御方法を説明するためのものである。
なお、図13A〜図14Bでは、説明を簡略化するために、1つの送電器1Aおよび2つの受電器2A,2Bを示しているが、複数の送電器および3つ以上の受電器であっても同様である。
ここで、図13Aおよび図13Bは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合を示し、前述した図10Aおよび図10Bに対応する。また、図14Aおよび図14Bは、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合を示し、前述した図11Aおよび図11Bに対応する。
図13Bおよび図14Bにおいて、参照符号LAは、受電器2Aの受電効率、LBは、受電器2Bの受電効率、PMは、送電器1Aの最大送電出力を示し、RPは、必要送電電力、そして、TPは、全体効率を示す。
また、参照符号P0は、受電器2A,2Bの要望電力の比が1:1の送電(9W:9W)の場合を示し、P1は、受電器2A,2Bの要望電力の比が2:1の送電(12W:6W)の場合を示す。なお、図13Bおよび図14Bは、電力比1:1を『1.00』に規格化して示す図である。
ここで、図13Aおよび図13Bは、前述した図10Aおよび図10Bに対応し、図14Aおよび図14Bは、前述した図11Aおよび図11Bに対応するので、重複する説明は省略する。
まず、図13Aおよび図13Bのように、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合、k値およびQ値は、k=0.0065、および、Q=510となる。このとき、kQ値は、kQ=0.0065×510=3.4として求められる。
次に、図14Aおよび図14Bのように、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合、k値およびQ値は、k=0.0029、および、Q=510となる。
すなわち、k値は、送電器1Aから受電器2A,2Bまでの距離が300mmから500mmへ長くなるので、磁界(電磁界)の結合の程度は小さく、0.0065から0.0029へ小さくなる。なお、Q値は、磁界(電磁界)の損失の程度は変化しないので、510のままである。
従って、図14Aおよび図14Bのように、送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が500mmの場合、kQ値は、kQ=0.0029×510=1.5として求められる。
ここで、例えば、kQ値の閾値を『2.0』とし、kQ値が閾値以上(kQ≧2.0)ならば、同時給電(同時電力伝送モード)を選択し、kQ値が閾値よりも小(kQ<2.0)ならば、時分割給電(時分割電力伝送モード)を選択するものとする。このように、本第1実施例によれば、複数の受電器2A,2Bに対して時分割電力伝送および同時電力伝送を切り替えて適切な無線電力伝送を行うことが可能となる。
ここで、kQ値の閾値は、例えば、『2.0』の辺りを境として、共振条件を可変して電力の配分比を調整する際に全体効率が低下するケースとしないケースが分かれる。そこで、上述した説明では、kQ値の閾値を『2.0』に設定したが、この閾値は、それぞれの製品(受電器)における要望電力や効率および利便性等を考慮して設定することになる。ただし、電力分配においても効率が維持できることを考慮すると、kQ値の閾値は、0.1〜10の範囲、より好ましくは、0.5〜5の範囲に設定することができる。
この結果を利用し、kQ値が閾値以上の場合、電力分配調整を行いながらの同時給電は可能であり、一方で、kQ値が閾値以下の場合は、電力配分比調整を行うことで、全体効率が低下してしまうため、同時給電ではなく、時分割給電を行うことになる。
図15A〜図16Bは、無線電力伝送制御方法の第2実施例を説明するための図である。ここで、図15Aおよび図15B、並びに、図16Aおよび図16Bは、両方とも送電器1Aから2つの受電器2A,2Bまでの距離が300mmの場合を示しているが、Q値が異なる場合を示している。なお、図15Bおよび図16Bは、電力比1:1を『1.00』に規格化して示す図である。
まず、図15Aおよび図15Bでは、受電器2A,2Bにおける受電共振コイルの自己インダクタンス(Lr)が大きく、k値およびQ値は、k=0.026、および、Q=600となる。このとき、kQ値は、kQ=0.026×600=15.3として求められる。従って、kQ=15.3≧2.0なので、同時給電(同時電力伝送モード)が選択される。
また、図16Aおよび図16Bでは、受電器2A,2Bにおける受電共振コイルの自己インダクタンス(Lr)が小さく、k値およびQ値は、k=0.0065、および、Q=160となる。このとき、kQ値は、kQ=0.0065×160=1.1として求められる。従って、kQ=1.1<2.0なので、時分割給電(時分割電力伝送モード)が選択される。
このように、本実施例の無線電力伝送制御方法(無線電力伝送システム)によれば、例えば、kQ値を評価指標とすることにより、同時給電と時分割給電のどちらが適切かを判断してワイヤレス給電を行うことが可能となる。
なお、k値は、例えば、送電器1Aと受電器2A(2B)間における仕様情報、および、送電器1Aと受電器2A(2B)間における相対位置関係に基づいて算出することができ、また、Q値は、それぞれの受電器により予め規定されている。
図17は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、2つの送電器1A,1B、および、2つの受電器2A,2Bを含む例を示すものである。図17に示されるように、送電器1A,1Bは同様の構成を有し、それぞれワイヤレス送電部11A,11B、高周波電源部12A,12B、送電制御部13A,13Bおよび通信回路部14A,14Bを含む。
高周波電源部12A,12Bは、高周波の電力を発生するもので、例えば、前述した図3における高周波電源部12に相当し、固有の電源インピーダンスを有する。例えば、出力インピーダンスが50Ωに整合された定電圧電源や、高い出力インピーダンスのHi−ZΩ電源(定電流電源)などである。
送電制御部13A,13Bは、送電部11A,11Bを制御し、通信回路部14A,14Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするものであり、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、高周波電源部12A,12Bは、それぞれ外部電源10A,10Bから電力の供給を受け取り、送電制御部13A,13Bには、検出部SA,SBからの信号が入力されている。なお、送電器1Aおよび送電器1Bは、例えば、1つの送電器1に設けた2つの送電部(11)としてもよいのはいうまでもない。
ワイヤレス送電部11A,11Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、高周波電源部12A,12Bから供給される高周波電力を磁界に変換する。検出部SA,SBは、送電器1A,1Bの相対位置関係や受電器2A,2Bの相対位置関係を検出する。
なお、例えば、送電器1A,1Bの位置関係が固定され(送電共振コイル11a1,11a2が特定のL字ブロック状に固定され)、その情報を送電制御部13A,13Bが把握し、受電器2A,2Bが検出機能を有する場合、検出部SA,SBは省略可能である。
受電器2A,2Bも同様の構成を有し、それぞれワイヤレス受電部21A,21B、整流部(受電回路部)22A,22B、受電制御部23A,23B、通信回路部24A,24Bおよび機器本体(バッテリ部)25A,25Bを含む。
受電制御部23A,23Bは、受電器2A,2Bを制御するものであり、通信回路部24A,24Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするもので、前述したように、例えば、無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用する。
ワイヤレス受電部21A,21Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、無線で伝達された電力を電流に変換する。整流部22A,22Bは、ワイヤレス受電部21A,21Bから得られた交流電流をバッテリ充電や機器本体で使用可能なように直流電流に変換する。
上述したように、送電器1A,1Bおよび受電器2A,2Bは、それぞれの通信回路部14A,14B,24A,24Bを介して通信を行う。このとき、例えば、送電器1Aをマスタ(全体制御器)とし、このマスタ(送電器)1Aが、他の送電器1Bおよび受電器2A,2Bをスレーブとして制御することもできる。
ここで、送電器1A,1Bの通信回路部14A,14B、並びに、受電器2A,2Bの通信回路部24A,24Bを介した通信により、同時送電と時分割送電の切り替え、並びに、同時送電における電力配分比調整等の制御を行う。
具体的に、例えば、送電器1Aの通信回路部14Aおよび受電器2A,2Bの通信回路部24A,24Bを介して、それぞれの受電器2A,2BにおけるQ値を、無線電力伝送の制御を行うマスタ(例えば、送電器1A)に通信で伝える。
また、同時給電を行う場合、例えば、送電器1Aの通信回路部14Aおよび受電器2Bの通信回路部24Bを介して、受電器2Bの受電共振コイルにおける容量のキャパシタンス(CA)を共振点からずらし、電力配分比の調整を行う。具体的に、前述した図5Aに示す受電共振コイル21aにおける容量212のキャパシタンスの値を制御して、受電器2A,2Bの電力配分比を調整する。
さらに、時分割給電を行う場合、例えば、送電器1Aの通信回路部14Aおよび受電器2A,2Bの通信回路部24A,24Bを介して、ワイヤレス給電を行う受電器の切り替えを行う。
具体的に、例えば、前述した図5Aに示す受電共振コイル21aにおけるスイッチ213を制御して、ワイヤレス給電を行う受電器のスイッチ213だけを順にオンするように制御する。或いは、例えば、前述した図5Bに示す受電共振コイル21aにおけるスイッチ213を制御して、ワイヤレス給電を行う受電器のスイッチ213だけを順にオフするように制御する。
なお、ワイヤレス送電部11Aおよび11Bと、ワイヤレス受電部21Aまたは21Bの間は、磁界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送方式を適用することもできる。
次に、受電器が3つ以上ある場合において、kQ値をグループ分けする場合を説明する。図18は、無線電力伝送制御方法の第3実施例を説明するための図であり、評価指標のグループ分けを説明するためのものである。なお、図18では、1つの送電器1Aおよび6個の受電器2A〜2Fを例として示しているが、これは単なる例であり、様々な場合があり得るのはいうまでもない。
図18に示されるように、第3実施例の無線電力伝送制御方法は、複数(6個)の受電器2A〜2FのkQ値(評価指標)を評価し、kQ値によりグループ分けを行う。まず、全ての受電器2A〜2Fを、それぞれ単体評価する。
例えば、受電器2Aを評価するとき、受電器2Aのみオンして、他の受電器2B〜2Fをオフ(例えば、図5Aの受電共振コイル21aにおけるスイッチ213をオフ)する。そして、例えば、kQ値が最大(kQmax1)となる受電器2Bを基準とし、他の受電器のkQ値(kQother)に関して、kQother/kQmax1が一定値以上ならば、同一グループとする。具体的に、図18では、kQ値がkQ1-1の受電器2FおよびkQ値がkQ1-2の受電器2Cが、第1グループGP1とされている。
次に、kQ値が最大(kQmax1)となる受電器2Bを含む第1グループGP1以外の受電器2A,2D,2Eにおいて、kQ値が最大(kQmax2)となる受電器2Aを基準として、同様にグループ分けを行う。具体的に、図18では、受電器2A,2D,2Eが、第2グループGP2とされている。そして、分割されたグループGP1,GP2を単位として、同一グループ内では同時給電を行い、異なるグループ間では、後に詳述するように、個別に検討する。
ところで、一般的に、ワイヤレス送電可能なシステムの要件として、電力と効率は、比例する関係が好ましい。つまり、大電力を送電するシステムでは、高効率が望まれ、また、小電力を送電するシステムでは、低効率であっても許容することができる。これは、特に、ロスが結果として発熱になるため、放熱の問題を考えれば容易に理解することができる。
すなわち、大電力系において効率が低い場合には、放熱すべき電力が大きくなるため、システムを構築することが難しくなるためである。言い換えれば、送電電力に応じて、許容効率が規定されていると考えることもできる。
そのような状況で、kQ値が異なる複数の受電器に対した、同時給電すべきか、或いは、時分割給電すべきかを検討すると、送電完了時間を優先すれば、同時給電が常に望ましいと考えられるが、上述したように、許容できる効率は各系に応じて異なっている。
そこで、許容効率を確保しつつ、同時給電を行うことのできる方法を考えるのが現実的であり、本実施例では、kQ値の近いものをグループ化し、そのグループ内では同時給電を優先し、グループ外では時分割給電を優先するようになっている。
これは、kQ値が同じ(近い)ものの同時給電であれば、Q値を少し可変することで電力のバランスを調整することが容易である一方で、kQ値が大きく異なっているものの同時給電では、バランス調整のために、Q値を大きく低下させることになる。これは、結果として、全体の効率低下を招くことになる。
一例として、ノートパソコン群とスマートフォン群への給電を考える。ここで、ノートパソコン群(ノートパソコン)は、例えば、30Wの給電を要求し(要望電力が30Wであり)、その電力の大きさゆえに許容最低効率は80%とする。また、ノートパソコンは、サイズが大きいために受電コイルを大きくすることができ、kQ値を大きくすることが可能である。
一方、スマートフォン群(スマートフォン)は、例えば、5Wの給電を要求し(要望電力が5Wであり)、許容効率は40%とする。また、スマートフォンは、サイズが小さく、位置がより自由であるため、kQ値は小さく抑えられてしまう。
このような2つの郡への同時給電を行うと、kQ値が異なるグループへの同時給電となるが、ノートパソコン群への給電ばかりが実行され、スマートフォン群へ電力が届かないことになる。
このとき、例えば、Q値を低下させて電力のバランスを取ることもできるが、その場合には、全体の効率が低下してしまい、ノートパソコンを含む給電の効率が低くなり、例えば、許容効率が80%以下となってしまうこともあり得る。
そのため、kQ値が異なるグループへの同時給電は好ましくないことが分かる。すなわち、kQ値(評価指標)が設定値以上となる受電器が3つ以上存在するとき、そのkQ値の大きさに基づいてグループ分けを行うが、近いkQ値を持つ受電器が同じグループとなるようにグループ分けを行うのが好ましい。
ここで、kQ値によりグループ分けされた受電器に関して、例えば、閾値以下となるグループの受電器に対しては、時分割給電を行うことになる。また、閾値以上となるグループの受電器に対して、同一グループ内の給電では、電力分配を調整して同時給電を行うことができ、異なるグループにまたがる受電器に対しては、時分割給電を行うのが好ましい。
なお、複数の受電器をkQ値により複数のグループに分けるための閾値としては、想定される無線電力伝送システムの規模や仕様により様々に変化させることができ、それに従って、グループの数や各グループに含まれる受電器の数も変化することになる。
図19は、第3実施例の無線電力伝送制御方法による処理の一例を説明するためのフローチャートである。図19に示されるように、第3実施例の無線電力伝送制御方法による処理が開始すると、ステップST1において、各受電器のkQ値を評価し、kQ<[基準1(第1設定値)]とされた受電器(ステップST2)に対しては、ステップST3に進んで、時分割給電を行う。
一方、kQ≧[基準1]とされた受電器(ステップST4)に対しては、ステップST5に進んで、受電器をkQ値によりグループ分けを行う。そして、同一グループ内のみの受電器(ステップST6)に対しては、ステップST7に進んで、同時給電を行う。
また、グループ間の給電がある受電器(ステップST8)に対しては、ステップST9に進んで、電力分配による効率低下を評価する。
そして、効率(予想効率)<[基準2(第2設定値)]とされた受電器(ステップST10)に対しては、ステップST11に進んで、時分割給電を行う。一方、効率≧[基準2]とされた受電器(ステップST12)に対しては、ステップST13に進んで、同時給電を行う。
図20〜図22は、図19に示すフローチャートにおける処理に対応した複数の受電器を説明するための図である。ここで、上述したフローチャートのステップST2およびST4において、kQ値を判定する[基準1(kQ基準1:第1設定値)]=1.5とし、ステップST10およびST12において、効率を判定する[基準2(判定基準2:第2設定値)]=0.2とする。
まず、図20に示されるように、例えば、受電器が3個の場合(2A〜2C)を説明する。ここで、受電器2AのkQ値は1.2、受電器2BのkQ値は8.5、そして、受電器2CのkQ値は8.2とする。
このとき、受電器2Aは、kQ値(1.2)<kQ基準1(1.5)となるため、ステップST3に進んで、複数同時給電の対象外とされて、時分割給電が選択される。一方、受電器2B,2Cは、それぞれのkQ値(8.5,8.2)≧kQ基準1(1.5)となるため、ステップST5に進む。すなわち、受電器2B,2Cは、同時給電の対象候補となる。
ここで、受電器2B,2Cは、ステップST6において、kQ値のグループ分けにより同一グループと判断できる。すなわち、同時給電の対象候補の受電器2B,2Cは、同一グループのみであるとして、ステップST7に進んで同時給電が行われる。このとき、受電器2Bおよび2Cは、例えば、要望電力に基づいて受電共振コイルによる共振点をずらし、電力分配を行うことができる。
このように、図20の場合には、例えば、受電器2Aを単独で給電する第1給電セット、受電器2B,2Cを同時給電する第2給電セットを、時分割的に切り替えて時分割給電を行うことになる。
なお、時分割的に切り替えて行う給電は、例えば、第1給電セット完了後に、第2給電セットを行ってもよいが、一定時間だけ第1給電セットを行った後、一定時間だけ第2給電セットを行い、この処理を交互に繰り返すようにしてもよい。
次に、図21に示されるように、例えば、受電器が5個の場合(2A〜2E)を説明する。ここで、受電器2AのkQ値は1.2、受電器2BのkQ値は8.5、受電器2CのkQ値は8.2、受電器2DのkQ値は3.1、そして、受電器2EのkQ値は3.4とする。
このとき、受電器2Aは、kQ値(1.2)<kQ基準1(1.5)となるため、ステップST3に進んで、複数同時給電の対象外とされて、時分割給電が選択される。一方、受電器2B〜2Eは、それぞれのkQ値(8.5,8.2,3.1,3.4)≧kQ基準1(1.5)となるため、ステップST5に進み、kQ値によるグループ分けを行う。
このkQ値によるグループ分けにより、例えば、受電器2B,2Cは、kQ値が8.5,8.2となっているため、同一グループとされ、また、受電器2D,2Eは、kQ値が3.1,3.4となっているため、同一グループとされる。
すなわち、ステップST8に進んで、同時給電の対象候補が複数グループ(受電器2B,2Cと、受電器2D,2Eの2つのグループ)存在すると判定し、ステップST9に進んで、電力分配による効率低下を評価する。
具体的に、受電器2B,2Cのグループと、受電器2D,2Eのグループを同時給電した場合の最低効率を評価する。例えば、最低効率(効率)が0.15の場合には、ステップST10で、効率(0.15)<効率基準2(第2設定値:0.2)なので送電効率の低下は許容値を超えると判定してステップST11に進み、時分割給電を行う。
このように、図21の場合には、例えば、次の3つの給電セットを時分割給電する。すなわち、受電器2Aを単独で給電する第1給電セット、受電器2B,2Cを同時給電する第2給電セット、並びに、受電器2D,2Eを同時給電する第3給電セットを時分割的に切り替えて給電を行う。
図22は、上述した図21と同様に、受電器が5個の場合(2A〜2E)であり、各受電器2A〜2EのkQ値も図21と共通である。ただし、図22では、最低効率が、図21の0.15よりも大きい0.25となっている。従って、図22の場合、図19のフローチャートにおけるステップST1〜ST9の処理は、図21の場合と同様である。
すなわち、ステップST9において、電力分配による効率低下を評価するが、受電器2B,2Cのグループと、受電器2D,2Eのグループを同時給電した場合の最低効率は、0.25となっている。
この最低効率(効率)が0.25の場合には、ステップST12で、効率(0.25)≧効率基準2(第2設定値:0.2)なので、送電効率の低下は許容値内であると判定してステップST13に進み、同時給電を行うことになる。なお、同時給電において、各受電器の要望電力に基づいた電力分配を行うことができるのはいうまでもない。
このように、図22の場合には、例えば、次の2つの給電セットを時分割給電する。すなわち、受電器2Aを単独で給電する第1給電セット、並びに、受電器2B〜2Eを同時給電する第2給電セットを時分割的に切り替えて給電を行う。
以上の説明では、1つの送電器1A、並びに、3〜6個の受電器2A〜2Fを含む無線電力伝送システムを例として説明したが、送電器は、例えば、異なる角度で複数設けることができ、また、受電器も様々な数,距離および姿勢(角度)であってもよい。
図23〜図25は、本実施形態の無線電力伝送制御方法における事前演算データの一例を説明するための図である。ここで、図23は、第1グループのkQ値と、第2グループのkQ値をプロットしたテーブルであり、図24は、例えば、図23のテーブルにおけるD0710の個所を示すテーブルである。そして、図25は、例えば、図24のテーブルにおけるE0611の個所に設定された値を示す。
図23に示されるように、本実施形態の無線電力伝送制御方法において、例えば、第1グループのkQ値が『10』で第2グループのkQ値が『7』の場合のために、このようなkQ値を有する2つのグループに対して、予め、[D0710]を準備しておく。
なお、[D0710]は単なる例であり、第1および第2グループのそれぞれのkQ値に対して同様のものを準備しておく。また、図23における参照符号WWで示した個所は、kQ値が所定値以下で電力分配が不可の領域を示す。
次に、図24に示されるように、例えば、第1グループのkQ値が『10』で第2グループのkQ値が『7』のときの[D0710]において、例えば、2つの受電器に対する電力の配分比を3:2に制御する場合のために、予め、[E0611]を準備しておく。なお、[E0611]も単なる例であり、様々な配分比に対して同様のものを準備しておく。
さらに、図25に示されるように、例えば、[D0710]において電力の配分比を3:2にする[E0611]として、受電器2A,2Bの共振周波数および予想全体効率等を、予め準備しておく。
通常、受電器2A,2Bは、固定の共振周波数(6.78MHz)で受電しているが、例えば、受電器2A,2Bの要望電力に従って、受電器2A:2Bの電力比を3:2に設定したい場合、受電器2Bの共振周波数を6.75MHzにずらせばよいことが分かる。さらに、このときの予想全体効率が67%程度であることも確認することができる。
なお、図23〜図25に示す事前演算データは、例えば、予め、シミュレーションや演算等を行って様々な条件に対応するデータを事前に演算し、例えば、送電器のテーブル(ルックアップテーブル)としてメモリに格納しておくことができる。
以上の説明において、送電器および受電器は、主として1つまたは2つとして説明したが、それぞれさらに多数であってもよい。また、各実施例の説明は、主として磁界共鳴を利用した電力伝送を例としたが、本実施形態は、電界共鳴を利用した電力伝送に対しても適用することができる。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
少なくとも1つの送電器、および、少なくとも2つの受電器を含み、
前記送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により、それぞれの前記受電器に伝送し、
複数の前記受電器に対して、同時に電力を伝送する同時電力伝送モードと、
前記受電器に対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送モードと、を有する無線電力伝送制御方法であって、
それぞれの前記受電器に評価指標を設定し、
前記評価指標に基づいて、前記同時電力伝送モードおよび前記時分割電力伝送モードを切り替えて無線電力伝送を行う、
ことを特徴とする無線電力伝送制御方法。
(付記2)
前記評価指標は、
前記送電器と前記受電器間における電磁界の結合程度を示す第1指標、および、
前記送電器と前記受電器間における電磁界の損失の程度を示す第2指標により算出する、
ことを特徴とする付記1に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記3)
前記第1指標は、k値であり、
前記第2指標は、Q値であり、
前記評価指標を、前記k値および前記Q値の積として算出する、
ことを特徴とする付記2に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記4)
前記k値を、前記送電器と前記受電器間における仕様情報、および、前記送電器と前記受電器間における相対位置関係に基づいて算出する、
ことを特徴とする付記3に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記5)
前記評価指標が予め定められた第1設定値より小さい受電器に対しては、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行い、
前記評価指標が予め定められた第1設定値以上の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記6)
前記評価指標が前記第1設定値以上となる受電器が3つ以上存在するとき、前記評価指標の大きさに基づいてグループ分けを行い、
前記グループ内の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行うように判定する、
ことを特徴とする付記5に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記7)
前記評価指標の大きさに基づいてグループ分けを行うのは、
近い評価指標を持つ受電器が同じグループとなるようにする、
ことを特徴とする付記6に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記8)
前記グループ内の複数の受電器に対して同時電力伝送モードにより電力伝送を行うと、送電効率の低下が許容値を超える場合には、前記同時電力伝送モードではなく、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記6または付記7に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記9)
複数の前記受電器に対する、前記同時電力伝送モードによる電力伝送は、それぞれの受電器の要望電力に基づいて、電力配分比を設定して行う、
ことを特徴とする付記5乃至付記8のいずれか1項に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記10)
前記電力配分比の設定は、要望電力が受電電力よりも小さい受電器における受電共振コイルの共振点をずらすことで行う、
ことを特徴とする付記7に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記11)
前記受電共振コイルの共振点をずらすのは、前記受電共振コイルにおける容量のキャパシタンスを変化させることで行う、
ことを特徴とする付記10に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記12)
前記電力配分比の設定を、予め事前演算データとして準備しておく、
ことを特徴とする付記10または付記11に記載の無線電力伝送制御方法。
(付記13)
少なくとも1つの送電器、および、少なくとも2つの受電器を含み、前記送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により、それぞれの前記受電器に伝送する無線電力伝送システムであって、
複数の前記受電器に対して、同時に電力を伝送する同時電力伝送モードと、
それぞれの前記受電器に対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送モードと、を有し、
それぞれの前記受電器に設定された評価指標に基づいて、前記同時電力伝送モードおよび前記時分割電力伝送モードを切り替えて無線電力伝送を行う、
ことを特徴とする無線電力伝送制御システム。
(付記14)
前記評価指標は、
前記送電器と前記受電器間における電磁界の結合程度を示すk値と、
前記送電器と前記受電器間における電磁界の損失の程度を示すQ値の積である、
ことを特徴とする付記13に記載の無線電力伝送システム。
(付記15)
前記評価指標が予め定められた第1設定値より小さい受電器に対しては、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行い、
前記評価指標が予め定められた第1設定値以上の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記13または付記14に記載の無線電力伝送システム。
(付記16)
前記評価指標が前記第1設定値以上となる受電器が3つ以上存在するとき、前記評価指標の大きさに基づいてグループ分けを行い、
前記グループ内の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行うように判定する、
ことを特徴とする付記15に記載の無線電力伝送システム。
(付記17)
前記グループ内の複数の受電器に対して同時電力伝送モードにより電力伝送を行うと、送電効率の低下が許容値を超える場合には、前記同時電力伝送モードではなく、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記16に記載の無線電力伝送システム。
(付記18)
前記無線電力伝送システムは、
少なくとも2つの送電器を有し、それぞれの前記受電器に対して三次元無線電力伝送を行う、
ことを特徴とする付記13乃至付記17のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
1 送電器(一次側:送電側)
1A〜1D,1A1〜1A3 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A〜2F,2A1〜2A3,2B1〜2B3,2C1,2C2 受電器
10A,10B 外部電源
11,11A,11B ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB、11a1,11a2 送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)
11b 電力供給コイル(第1コイル)
12,12A,12B 高周波電源部
13,13A,13B 送電制御部
14,14A,14B 通信回路部(第1通信回路部)
21,21A,21B ワイヤレス受電部
21a 受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)
21b 電力取出コイル(第4コイル)
22,22A,22B 受電回路部(整流部)
23,23A,23B 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25,25A,25B バッテリ部(機器本体,負荷)
GP1 第1グループ
GP2 第2グループ

Claims (18)

  1. 少なくとも1つの送電器、および、少なくとも2つの受電器を含み、
    前記送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により、それぞれの前記受電器に伝送し、
    複数の前記受電器に対して、同時に電力を伝送する同時電力伝送モードと、
    前記受電器に対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送モードと、を有する無線電力伝送制御方法であって、
    それぞれの前記受電器に評価指標を設定し、
    前記評価指標に基づいて、前記同時電力伝送モードおよび前記時分割電力伝送モードを切り替えて無線電力伝送を行う、
    ことを特徴とする無線電力伝送制御方法。
  2. 前記評価指標は、
    前記送電器と前記受電器間における電磁界の結合程度を示す第1指標、および、
    前記送電器と前記受電器間における電磁界の損失の程度を示す第2指標により算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送制御方法。
  3. 前記第1指標は、k値であり、
    前記第2指標は、Q値であり、
    前記評価指標を、前記k値および前記Q値の積として算出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送制御方法。
  4. 前記k値を、前記送電器と前記受電器間における仕様情報、および、前記送電器と前記受電器間における相対位置関係に基づいて算出する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送制御方法。
  5. 前記評価指標が予め定められた第1設定値より小さい受電器に対しては、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行い、
    前記評価指標が予め定められた第1設定値以上の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無線電力伝送制御方法。
  6. 前記評価指標が前記第1設定値以上となる受電器が3つ以上存在するとき、前記評価指標の大きさに基づいてグループ分けを行い、
    前記グループ内の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行うように判定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の無線電力伝送制御方法。
  7. 前記評価指標の大きさに基づいてグループ分けを行うのは、
    近い評価指標を持つ受電器が同じグループとなるようにする、
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線電力伝送制御方法。
  8. 前記グループ内の複数の受電器に対して同時電力伝送モードにより電力伝送を行うと、送電効率の低下が許容値を超える場合には、前記同時電力伝送モードではなく、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の無線電力伝送制御方法。
  9. 複数の前記受電器に対する、前記同時電力伝送モードによる電力伝送は、それぞれの受電器の要望電力に基づいて、電力配分比を設定して行う、
    ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の無線電力伝送制御方法。
  10. 前記電力配分比の設定は、要望電力が受電電力よりも小さい受電器における受電共振コイルの共振点をずらすことで行う、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線電力伝送制御方法。
  11. 前記受電共振コイルの共振点をずらすのは、前記受電共振コイルにおける容量のキャパシタンスを変化させることで行う、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線電力伝送制御方法。
  12. 前記電力配分比の設定を、予め事前演算データとして準備しておく、
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の無線電力伝送制御方法。
  13. 少なくとも1つの送電器、および、少なくとも2つの受電器を含み、前記送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により、それぞれの前記受電器に伝送する無線電力伝送システムであって、
    複数の前記受電器に対して、同時に電力を伝送する同時電力伝送モードと、
    それぞれの前記受電器に対して、時分割的に切り替えて順番に電力を伝送する時分割電力伝送モードと、を有し、
    それぞれの前記受電器に設定された評価指標に基づいて、前記同時電力伝送モードおよび前記時分割電力伝送モードを切り替えて無線電力伝送を行う、
    ことを特徴とする無線電力伝送制システム。
  14. 前記評価指標は、
    前記送電器と前記受電器間における電磁界の結合程度を示すk値と、
    前記送電器と前記受電器間における電磁界の損失の程度を示すQ値の積である、
    ことを特徴とする請求項13に記載の無線電力伝送システム。
  15. 前記評価指標が予め定められた第1設定値より小さい受電器に対しては、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行い、
    前記評価指標が予め定められた第1設定値以上の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の無線電力伝送システム。
  16. 前記評価指標が前記第1設定値以上となる受電器が3つ以上存在するとき、前記評価指標の大きさに基づいてグループ分けを行い、
    前記グループ内の複数の受電器に対しては、前記同時電力伝送モードにより電力伝送を行うように判定する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の無線電力伝送システム。
  17. 前記グループ内の複数の受電器に対して同時電力伝送モードにより電力伝送を行うと、送電効率の低下が許容値を超える場合には、前記同時電力伝送モードではなく、前記時分割電力伝送モードにより電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線電力伝送システム。
  18. 前記無線電力伝送システムは、
    少なくとも2つの送電器を有し、それぞれの前記受電器に対して三次元無線電力伝送を行う、
    ことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
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