JPWO2015152173A1 - アニオン性含フッ素乳化剤の回収方法 - Google Patents

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Abstract

非イオン性界面活性剤を物理吸着し、かつ、アニオン性含フッ素乳化剤を吸着した塩基型イオン交換樹脂からアニオン性含フッ素乳化剤の酸を収率よく回収する方法の提供。非イオン性界面活性剤を物理吸着し、かつ、アニオン性含フッ素乳化剤を吸着した塩基性イオン交換樹脂を水溶性有機溶媒と接触させる工程(1)、次いで、工程(1)でイオン界面活性剤が溶離された塩基型イオン交換樹脂から、アニオン性含フッ素乳化剤の酸を回収する工程(2)を実施し、前記塩基型イオン交換樹脂から、アニオン性含フッ素乳化剤の酸を溶離し、回収する方法。

Description

本発明は、アニオン性含フッ素乳化剤を吸着した塩基型イオン交換樹脂から、アニオン性含フッ素乳化剤の酸として回収する方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)、溶融成形性フッ素樹脂、フルオロエラストマー等の含フッ素ポリマーは、アニオン性含フッ素乳化剤(以下、AFEという)を用いて、フッ素モノマーを乳化重合して製造される。
該AFEは、自然界で容易に分解されないため、近年、工場排水や、含フッ素ポリマー水性分散液等の製品中に含まれるアニオン性含フッ素乳化剤を低減することが要請されている。
一般に、含フッ素ポリマー水性分散液(以下、ADという。)は、乳化重合により得られる含フッ素ポリマー水性乳化液に非イオン性界面活性剤(以下、NSAAという)を添加して安定化した後、濃縮して製造される。その際、AFEを含むADを塩基型イオン交換樹脂(以下、塩基型IERという)と接触させ、AFEを塩基型IERに吸着し、AD中のAFEの含有量が低減される。この際、AFEは高価であることから、塩基型IERに吸着されたAFEは、回収して再利用する試みが行われている。
例えば、特許文献1には、AFEを吸着した塩基型IERを、希鉱酸と有機溶剤との混合物で処理し、AFEの酸として回収する方法が開示されている。有機溶剤としては、水と混和して、溶解度が少なくとも40%、又は無限に混合しうるような溶剤が好ましいことが記載されており、メタノール等のアルコール、ジオキサン等の環状エーテル、塩化メチレン等を用いる。
特許文献1の実施例では、有機溶媒としてメタノール等のアルコールやジオキサン等の環状エーテルを用いて、弱塩基型IERから、80%以上の高収率でAFEを回収した。
特許文献2の実施例では、無機酸水溶液、ニトリル基を有する有機溶媒及びフッ素媒体を用いて、塩基型IERから、80%以上の高収率でAFEを回収した。しかしながら、AD中のAFEの低減工程で得らえた、AFEを吸着した塩基型IERには、NSAAが物理吸着していることからAFEの酸を分離、精製する際に、NSAAやその分解物の影響で、AFEの回収率が低下することがわかった。
特公昭63−2656号公報 国際公開WO2011/096448号パンフレット
本発明の目的は、NSAAを物理吸着し、AFEを吸着した塩基型IERからAFEの酸を回収する方法を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[14]の構成を有する、AFEの回収方法を提供する。
[1]NSAAを物理吸着し、かつ、AFEを吸着した塩基型IERから、AFEを溶離して、AFEの酸として回収するAFEの回収方法であって、前記塩基性IERを水溶性有機溶媒と接触させる工程(1)、次いで、工程(1)でイオン界面活性剤が溶離された塩基型IERから、AFEの酸を回収する工程(2)を実施するAFEの回収方法。
[2]前記工程(2)が、前記塩基型IERを無機酸水溶液と水溶性有機溶媒と接触させる工程(2−1)を含む、上記[1]に記載のAFEの回収方法。
[3]前記工程(2)が、前記工程(2−1)に次いで、この順序で実施する、前記塩基型IERと液相とに分離して液相を回収する工程(2−2)、及び上記液相からAFEの酸を回収する工程(2−3)を含む、上記[1]又は[2]に記載のAFEの回収方法。
[4]前記工程(2−1)が、塩基型IERに前記無機酸水溶液を接触させる工程(2−1−1)と、次いで実施する前記水溶性有機溶媒を接触させる工程(2−1−2)を含む、上記[2]又は[3]に記載のAFEの回収方法。
[5]前記工程(2−1−1)に次いで、塩基型イオン交換樹脂を分離回収する工程(2−1−1−2)を実施し、次いで工程(2−1−2)を実施する、上記[4]に記載のAFEの回収方法。
[6]前記水溶性有機溶媒が、ニトリル基を有する有機溶媒、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[7]前記無機酸水溶液が、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液及び リン酸水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記[2]〜[6]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[8]前記水溶性有機溶媒がニトリル基を有する有機溶媒であり、該ニトリル基を有する有機溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びイソブチロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[9]前記AFEの酸が、含フッ素カルボン酸である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[10]前記AFEの酸が、エーテル性酸素原子を1〜3個含有してもよい、炭素数5〜7の含フッ素カルボン酸である、上記[9]に記載のAFEの回収方法。
[11]前記塩基型IERが強塩基型IERである、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[12]前記無機酸水溶液の濃度が5.0質量%以上である、上記[2]〜[11]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[13]前記無機酸水溶液中の無機酸の使用量が、溶離するAFEの酸/無機酸のモル比で、1/20〜1.5/1の範囲である、上記[2]〜[12]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[14]塩基型IERと無機酸水溶液との割合が、質量比で90/10〜10/90である、上記[2]〜[13]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
[15]塩基型IERと水溶性有機溶媒との割合が、質量比で10/90〜70/30である、上記[2]〜[14]のいずれかに記載のAFEの回収方法。
本発明は、NSAAを物理吸着し、AFEを吸着した塩基型IERからAFEの酸を収率よく回収する方法を提供する。回収されたAFEの酸は、分離、精製が容易である。
本発明において、ADに含有されるNSAAは特に限定されない。NSAAとしては、一般式(A)又は一般式(B)で示されるNSAA等が挙げられる。
Figure 2015152173
(式(A)中、Rは炭素数8〜18のアルキル基であり、Aはオキシエチレン基数5〜20及びオキシプロピレン基数0〜2より構成されるポリオキシアルキレン鎖である。)
Figure 2015152173
(式(B)中、Rは炭素数4〜12のアルキル基であり、Bはオキシエチレン基数5〜20より構成されるポリオキシエチレン鎖である。)
一般式(A)のNSAAの具体例としては、例えば、C1327−(OC10−OH、C1225−(OC10−OH、C1021CH(CH)CH−(OC−OH、C1327−(OC−OCH(CH)CH−OH、C1633−(OC10−OH、CH(C11)(C15)−(OC−OH等の分子構造を有するNSAAが挙げられる。市販品としては、ダウ社製のタージトール(登録商標)15Sシリーズ、日本乳化剤社製のニューコール(登録商標)シリーズ、ライオン社製のライオノール(登録商標)TDシリーズ等が挙げられる。
一般式(B)のNSAAの具体例としては、例えば、C17−C−(OC10−OH、C19−C−(OC10−OH等の分子構造を有するNSAAが挙げられる。市販品としては、ダウ社製のトライトン(登録商標)Xシリーズ、日光ケミカル社製のニッコール(登録商標)OPシリーズ又はNPシリーズ等が挙げられる。
AD中における一般式(A)及び/又は一般式(B)で示されるNSAAの含有量は、含フッ素ポリマーの質量に対して1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜8質量%が特に好ましい。
NSAAとしては、環境適合性に優れる一般式(A)で示されるNSAAがより好ましい。
本発明におけるAFEの酸の具体例としては、パーフルオロカルボン酸、エーテル性酸素原子を有するパーフルオロカルボン酸、水素原子を有する含フッ素カルボン酸、含フッ素スルホン酸等が挙げられる。
AFEの酸としては、エーテル性酸素原子を1〜3個含有してもよい、炭素数5〜7の含フッ素カルボン酸が好ましい。該含フッ素カルボン酸は、生体蓄積性が小さく、環境問題が少ない。
パーフルオロカルボン酸としては、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸等が挙げられる。
エーテル性酸素原子を有するパーフルオロカルボン酸としては、COCF(CF)CFOCF(CF)COOH、COCOCFCOOH、COCOCFCOOH、COCOCFCOOH、COCFCFOCFCFOCFCOOH、CO(CFCOOH、CFOCOCFCOOH、CFOCFOCFOCFCOOH、CFOCFOCFOCFOCFCOOH、CFO(CFCFO)CFCOOH、CFOCFCFCFOCFCOOH、CFOCFCFCFOCFCFCOOH、COCFCOOH、COCFCFCOOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、COCF(CF)COOH、COCF(CF)COOH等が挙げられる。
エーテル性酸素原子を有するパーフルオロカルボン酸としては、エーテル性酸素原子を1〜3個含有する、炭素数5〜7のパーフルオロカルボン酸が好ましい。その具体例としては、COCOCFCOOH、COCOCFCOOH、CFOCOCFCOOH、CFOCFOCFOCFCOOH、CFOCFOCFOCFOCFCOOH、CFO(CFCFO)CFCOOH、CFOCFCFCFOCFCOOH、CFOCFCFCFOCFCFCOOH、COCFCOOH、COCFCFCOOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、COCF(CF)COOH、COCF(CF)COOH等が挙げられる。
水素原子を有する含フッ素カルボン酸としては、ω−ハイドロパーフルオロオクタン酸、COCF(CF)CFOCHFCOOH、COCF(CF)CFOCHFCOOH、CFOCF(CF)CFOCHFCFCOOH、CFO(CFOCHFCFCOOH、CFO(CFOCHFCOOH、COCHFCFCOOH、CFCFHO(CFCOOH等が挙げられる。
水素原子を有する含フッ素カルボン酸としては、水素原子を有し、エーテル性酸素原子を1〜3個含有する、炭素数5〜7の含フッ素カルボン酸が好ましい。その具体例としては、CFOCF(CF)CFOCHFCFCOOH、CFO(CFOCHFCFCOOH、CFO(CFOCHFCOOH、COCHFCFCOOH、CFCFHO(CFCOOH等が挙げられる。
含フッ素スルホン酸としては、パーフルオロオクタンスルホン酸、C13CHCHSOH等が挙げられる。
AFEは、上記AFEの酸、それらのアンモニウム塩、及びアルカリ金属塩が挙げられる。アルカリ金属としては、Li、Na、K等が挙げられる。AFEとしては、上記酸のアンモニウム塩が好ましい。
本発明において、AFEを吸着させるために用いる塩基型IERとしては、特に限定はなく強塩基型イオン交換樹脂(以下、強塩基型IERという)、又は弱塩基型イオン交換樹脂(以下、弱塩基型IERという)が挙げられる。
強塩基型IERとしては、トリメチルアンモニウム基やジメチルエタノールアンモニウム基などの4級アンモニウム基をイオン交換基として樹脂母体に導入したものが挙げられる。
弱塩基型IERとしては、ジメチルアンモニウム基やアミノ基などの1〜3級アミノ基をイオン交換基として樹脂母体に導入したものが挙げられる。
塩基型IERの樹脂母体の材質としては、特に限定はない。スチレン−ジビニルベンゼン架橋樹脂、アクリル−ジビニルベンゼン架橋樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。
塩基型IERの種別は、特に限定はなく、ポーラス型、及びゲル型のいずれも好ましく用いることができる。なかでも、ポーラス型の方が、被表面積が大きく、NSAAが物理吸着する量が多く、効率的に吸着、除去することができる。
塩基型IERの平均粒径は、0.1〜5mmが好ましく、0.2〜2mmがより好ましく、0.3〜1.5mmが特に好ましい。塩基型IERの平均粒径が上記範囲内であれば、例えば、塩基型IERを充填したカラムにAFEを含有するADを通液して、AFEを吸着させる操作を行った際、ADの流路を閉塞し難くなる。
塩基型IERのイオン交換容量は、0.1〜3(eq/L)が好ましく、0.5〜2.5(eq/L)がより好ましい。塩基型IERのイオン交換容量が上記範囲内であれば、AD中のAFEを効率よく吸着できる。
塩基型IERの市販品としては、ランクセス社製のLewatit(登録商標)MP800OH、Lewatit(登録商標)M800KR、Lewatit(登録商標)MP600、Lewatit(登録商標)MP62WS、ピュロライト社製のPUROLITE(登録商標)A200MBOH、PUROLITE(登録商標)A300MBOH、ピュロライト社製のPUROLITE(登録商標)A503OH、三菱化学社製のダイヤイオン(商品名)、ダウ・ケミカル社製のAMBERLITE(登録商標)等が挙げられる。
本発明において、NSAAを物理吸着し、AFEを吸着した塩基型IERは、NSAA及びAFEを含むADを、塩基型IERに接触させることで得られる。すなわち、ADを塩基型IERに接触させることで、AD中のAFEが塩基型IERに吸着され、かつ、NSAAの一部が物理吸着される。例えば、AFEとして、CFCFOCFCFOCFCOONHを含むADを、塩基型IERに接触させた場合、CFCFOCFCFOCFCOOが、塩基型IERのイオン交換基に結合して吸着されると考えられる。この時、AD中のNSAAの一部が塩基型IERに物理吸着される。NSAAの大部分は、AD中に残り、含フッ素ポリマーを分散安定化する。しかし、物理吸着されたNSAAが、その後のAFEの溶離、再生工程に影響し、AFEの回収率低下の原因となる。
NSAAとAFEを含むADとしては、含フッ素モノマーをAFEの存在下で乳化重合し、得られた含フッ素ポリマー水性乳化液にNSAAを添加して安定化し、必要に応じて濃縮して得られたADが挙げられる。
NSAAとAFEを含むADと塩基型IERとの接触方法は、特に限定はなく、従来公知の方法が挙げられる。例えば、AD中に塩基型IERを投入し、撹拌又は揺動する方法、塩基型IERを充填したカラムにAD液を通す方法等が挙げられる。また、ADを塩基型IERに接触させる前工程として、該ADを濾過して凝固物等の浮遊する固体等を除去することが好ましい。これにより、塩基型IERの目詰まりなどを抑制できる。含フッ素ポリマー水性分散液の濾過は、0.1〜300μm、好ましくは1〜100μmの孔径を有する1段又は複数段のフィルター群を用いて行うことが好ましい。
塩基型IERにNSAAとAFEを含むADを接触させる際の接触温度は特に限定はない。適宜選定すればよいが、10〜40℃の室温付近が好ましく、15〜35℃がより好ましい。また、接触時間は特に限定はなく、適宜選定すればよい。例えば、撹拌方式で接触させる場合には、10分〜200時間の範囲が好ましく、30分〜50時間の範囲がより好ましい。また、接触時の圧力は、大気圧が好ましいが、減圧状態であってもよいし、加圧状態であってもよい。
上記したように、塩基型IERに、AD中のAFEを吸着させた後、塩基型IERを分離することで、NSAAが物理吸着し、AFEを吸着した塩基型IERが得られる。このAFEを吸着した塩基型IERは、乾燥処理等を行わず湿潤状態のまま使用してもよく、乾燥処理を行って乾燥状態で使用してもよい。工業的には、湿潤状態のまま使用することが、工程を簡略化できるので好ましい。
本発明におけるAFEの回収法の実施形態としては、前記塩基型IERを水溶性有機溶媒と接触させる工程(1)、次いで、該塩基型IERから、AFEの酸を回収する工程(2)を実施するものである。
工程(1)で、AFEを吸着した塩基型IERに、水溶性有機溶媒を接触させると、塩基型IERに物理吸着されたNSAAが溶離し、水溶性有機溶媒中に抽出される。その後、塩基性IERから、AFEの酸を回収することによって、AFEの精製、分離が容易になり、そのまま、若しくは中和してアンモニウム塩やアルカリ金属塩等として使用することができる。
塩基型IERと、水溶性有機溶媒との割合は、質量比で、塩基型IER/水溶性有機溶媒=1/99〜99/1が好ましく、10/90〜90/10がより好ましく、10/90〜70/30がさらに好ましく、15/85〜50/50が最も好ましい。また、水溶性有機溶媒を不燃性とするため、この範囲で含フッ素溶媒を加えても良い。含フッ素溶媒と水溶性有機溶媒の割合が、質量比で、含フッ素溶媒/水溶性有機溶媒=75/25〜95/5が好ましく、80/20〜90/10がより好ましい。該割合をこの範囲とすることにより、抽出溶媒が不燃性になり易く、取り扱い性に優れる。塩基型IERと、水溶性有機溶媒との割合が上記範囲であれば、塩基型IERと水溶性有機溶媒とを効率よく接触させることができる。
塩基型IERと、水溶性有機溶媒との接触時間は、5〜500分が好ましく、10〜300分がより好ましい。接触時間が5分以上であれば、NSAAを十分に溶離することができる。500分を超えても、NSAAの溶離量の変化は殆どないので、上限は500分が好ましい。
水溶性有機溶媒の接触時の温度は5〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。5℃以上であれば、NSAAを効率よく溶離することができる。100℃以下であれば、水溶性有機溶媒やAFEの酸の分解を抑制できるので、上限は100℃が好ましい。
塩基型IERと、水溶性有機溶媒との接触方法は特に限定はない。例えば、オートクレーブに塩基型IERと、水溶性有機溶媒を入れ、撹拌翼で機械撹拌する方法、振とう機を使って、塩基型IERと、水溶性有機溶媒とを接触させる方法等が挙げられる。また、塩基型IERをカラムに充填し、水溶性有機溶媒を通液させて、流通法で水溶性有機溶媒にNSAAを溶離させても良い。
水溶性有機溶媒としては、ニトリル基を有する有機溶媒、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ニトリル基を有する有機溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。なかでも、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びイソブチロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。また、塩基型IERは含水しているため、水との相溶性の高いアセトニトリル及びプロピオニトリルがより好ましく、アセトニトリルが最も好ましい。
ニトリル基を有する有機溶媒が、水溶性であると、塩基型IERへのニトリル基を有する有機溶媒の浸透性がより良好となり、塩基性IERからNSAAを溶離し易い。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、塩基性IERからAFEの酸を溶離する後工程でも好適に使用される有機溶媒と共通であることから、ニトリル基を有する有機溶媒が好ましい。
水溶性有機溶媒の20℃における水への溶解度は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、50%以上が最も好ましい。
回収した液相の蒸留操作などを行うことで、NSAAを除去し水溶性有機溶媒を再生できる。したがって、水溶性有機溶媒は、NSAAと蒸留分離が容易であることが好ましい。NSAAと共沸混合物を形成すると、水溶性有機溶媒を再生するのが困難となる。
本発明において、工程(1)で得られた、AFEを吸着した塩基型IERからのAFEの回収方法は、特に限定はなく、従来公知の方法が挙げられる。
本発明の実施形態では、前記工程(2)が、該塩基型IERを無機酸水溶液と水溶性有機溶媒と接触させる工程(2−1)を含むことが好ましい。
また、前記工程(2)が、前記工程(2−1)、該塩基型IERと液相とに分離して液相を回収する工程(2−2)、及び該液相からAFEの酸を回収する工程(2−3)を含むことがより好ましい。
さらに、前記工程(2−1)が、塩基型IERに前記無機酸水溶液を接触させる工程(2−1−1)、及び前記水溶性有機溶媒を接触させる工程(2−1−2)を含むことが好ましい。
前記工程(2−1−1)に次いで、塩基型IERを分離回収する工程(2−1−1−2)を経て、工程(2−1−2)を実施することがより好ましい。
塩基型IERに無機酸水溶液を接触させる工程(2−1−1)は、温度が5〜100℃、好ましくは10〜80℃であり、接触時間は、5〜120分、より好ましくは10〜90分である。
前記工程(2−1)において、AFEを吸着した塩基型IERに、無機酸水溶液が接触すると、AFEが無機酸によって酸型化されて、塩基型IERから溶離し易くなる。AFEは、水溶性有機溶媒との相溶性が良好なので、塩基型IERに吸着されたAFEはAFEの酸として溶離し、水溶性有機溶媒に抽出される。特に、水溶性有機溶媒としてのニトリル基を有する有機溶媒は、アルコール類のようにAFEの酸と反応しないため、ニトリル基を有する有機溶媒を分離すれば、抽出したAFEの酸を、そのまま、又は中和してアンモニウム塩やアルカリ金属塩等として使用できるので好ましい。
前記工程(2−1−1)、工程(2−1−1−2)、及び工程(2−1−2)の溶離操作は、段階的に実施することが好ましい。この操作で、まず、工程(2−1−1)では、AFEの酸は無機酸水溶液には溶解しないで、塩基性IERに付着した状態になる。次いで、前記工程(2−1−1−2)では、AFEの酸が付着した塩基性IERを分離し、次いで、前記工程(2−1−2)を実施すると、AFEの酸が、水溶性有機溶媒に容易に溶解して、収率よく、AFEの酸を回収することができる。
本発明における無機酸水溶液としては、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液及びリン酸水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。取扱性、工業的な使用の点で、より好ましくは、塩酸水溶液、又は硫酸水溶液であり、最も好ましくは、塩酸水溶液である。
無機酸水溶液の濃度は、5.0質量%以上が好ましく、8.0質量%以上がより好ましく、10.0質量%以上が最も好ましい。また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、38質量%以下が最も好ましい。この範囲にあると、十分にAFEの酸をIERとイオン交換することができ、水溶性有機溶媒への抽出に優れる。
塩基型イオン交換樹脂と無機酸水溶液との割合が、質量比で90/10〜10/90であることが好ましく、85/15〜15/85がより好ましく、80/20〜20/80が最も好ましい。この範囲にあると塩基型イオン交換樹脂と無機酸水溶液とを効率よく接触させることができ、AFEの抽出効率に優れる。
前記無機酸水溶液中の無機酸の使用量が、溶離するアニオン性含フッ素乳化剤の酸/無機酸のモル比で、1/20〜1.5/1の範囲であることが好ましく、1/18〜1.7/1がより好ましく、1/15〜2/1が最も好ましい。この範囲にあると十分にAFEの酸をIERとイオン交換することができ、AFEの酸の溶離性に優れる。
次に、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されない。例1〜10及び13が実施例であり、例11、12及び14が比較例である。NSAA除去率は以下の方法で算出した。
[NSAA除去率(%)及びAFEの回収率(%)の測定]
NSAAを物理吸着した塩基性IERからアセトニトリル中に溶離し、アセトニトリル中のNSAAの含有量(g)を測定した。
次いで、塩基性IERからAFEの酸を溶離し、得られたAFEの酸の回収液相中のNSAAの含有量(g)を測定した。
それぞれの液相中のNSAAの含有量は、日本電子社製のNMR測定器JNM−ECP400を使用し、H−NMR及び19F−NMRによる定量分析により求めた。下式に基づき、NSAA除去率とAFE回収率を算出した。
NSAA除去率(%)=[アセトニトリル中のNSAAの含有量(g)/(アセトニトリル中のNSAAの含有量(g)+AFEの酸の回収液相中のNSAAの含有量(g)]×100
AFEの回収率(%)の測定は、19F−NMRによる定量分析により求め、下式によりAFE回収率を算出した。
AFEの回収率(%)=[AFEの酸の回収液相中のAFE(g)/塩基性IER中のAFEの吸着量(g)]×100
[例1]
NSAA(ニューコール1308−FA(90)、日本乳化剤社の製非イオン界面活性剤)の60g、及びAFE(CFCFOCFCFOCFCOONH)の70gを含有する水の2370gと塩基型IER(Lewaitit MonoPlus MP62WS、ランクセス社製の弱塩基型IER、平均粒径;470μm、イオン交換容量;1.7meq/ml)の100gとを、25℃で8時間攪拌し、NSAAが2.5質量%、AFEが24質量%吸着した塩基型IERの156gを得た。
なお、塩基型IER中に吸着したNASS測定は、残液中の濃度から求めた。ガラス瓶にチオシアン酸コバルト溶液(水の約500mLにチオシアン酸の87g及び硫酸コバルトの14g加え、溶解したもの)の5mL、クロロホルムの5mLを入れ、さらに測定試料の1〜10mLを加えて激しく振り混ぜ、静置後、下相のクロロホルム相を採取した。採取したクロロホルム相を分光光度計で630nmの吸光度を測定した。NASSの量に応じてクロロホルム相が青色を呈する。あらかじめ濃度既知のNASSの水溶液液を使用して同様の方法で吸光度を測定して検量線を作成し、該検量線を用いて濃度を求めた。
AFE測定は、残液中の濃度から求めた。ガラス瓶にメチレンブルー溶液(水の約500mLに硫酸の12gを徐々に加え、冷却後これにメチレンブルーの0.03g、無水硫酸ナトリウムの50gを溶解し、水を加えて1Lとしたもの)の4mL、クロロホルムの5mLを入れ、さらに測定試料の1000〜3000倍希釈液の0.1gを加えて激しく振り混ぜ、静置後、下相のクロロホルム相を採取した。採取したクロロホルム相を孔径0.2μmのフィルターで濾過し、分光光度計で630nmの吸光度を測定した。アニオン性含フッ素乳化剤の量に応じてクロロホルム相が青色を呈する。あらかじめ濃度既知のアニオン性含フッ素乳化剤溶液の0.1gを使用して同様の方法で吸光度を測定して検量線を作成し、該検量線を用いて測定試料中のアニオン性含フッ素乳化剤の濃度を求めた。
次に、内容積50mlのふた付きビーカーに、AFEを吸着させた塩基型IERの4g、アセトニトリルの4g、及び1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(以下、R−225という)の16gを仕込み、恒温水槽で温度を50℃に保ちながら、マグネチックスターラーで内容物を60分撹拌した後、室温まで冷却した。その後、塩基性IERを分離除去し、NSAAを含む液相(以下、NSAA溶離液という)を得た。次いで、内容積50mlのふた付きビーカーに、分離された塩基型IERと、17.5質量%塩酸水溶液の4gを仕込み、約20℃の室温を保ちながら、マグネチックスターラーで内容物を60分撹拌した。その後、塩酸水溶液のみをビーカーから抜き出した。続いて、塩酸水溶液で処理された塩基型IERが入った前記ビーカーに、アセトニトリルの2g、及びR−225の8gを仕込み、恒温水槽で温度を50℃に保ちながら、マグネチックスターラーで内容物を60分撹拌してAFEの酸の抽出を行った。撹拌終了後、塩基型IERを分離除去し、液相(以下、AFE溶離液という)を得た。
NSAA溶離液、及びAFE溶離液のいずれも、静置後、二層分離したので、下層のみを回収し、下層のそれぞれを、NSAA溶離液1、AFE溶離液1とした。
NSAA溶離液1、及びAFE溶離液1に含まれるNSAAを定量した結果、NSAA溶離液1には、NSAAが88mg、AFE溶離液1には、NSAAが8mg含まれていた。この結果、上記式からNSAAの除去率は、92%と計算された。
AFE溶離液1には、AFEの酸が0.89g含まれ、AFE回収率は93%であった。
[例2〜9]
例1で得たAFEを吸着した塩基型IER、アセトニトリル、及びR−225の使用量を、表1に記載のように変更する以外は、例1と同様にして、NSAA溶離液1、及びAFE溶離液1を得た。NSAAの含有量を測定し、NSAA除去率を算出した。結果をAFE回収率と併せて、表1に示す。
[例10]
内容積50mlのふた付きビーカーに、例1で得たAFEを吸着した塩基型IERの4g、アセトニトリルの1.5g、及びR−225の6gを仕込み、恒温水槽で温度を40℃に保ちながら、マグネチックスターラーで内容物を60分撹拌した後、室温まで冷却した。次いで、塩基性IERを分離除去し、NSAAを含む液相(以下、NSAA溶離液という)を得た。この操作を2回繰り返した。また、アセトニトリル、及びR−225の使用量を、表1に記載のように変更した以外は、例1と同様にして、NSAA溶離液1、及びAFE溶離液1を得た。NSAAの含有量を測定し、上記式からNSAA除去率を算出した。結果をAFE回収率と併せて、表1に示す。
[例11]
アセトニトリルを使用しないで、NSAA溶離液1を得た以外は例7と同様にして、NSAA溶離液1、及びAFE溶離液1を得た。NSAAの含有量を測定し、例1と同様にして、NSAA除去率を算出した。結果をAFE回収率と併せて、表1に示す。
[例12]
アセトニトリルに代えて、2質量%食塩水を使用して、NSAA溶離液1を得た以外は例7と同様にして、NSAA溶離液1、及びAFE溶離液1を得た。NSAAの含有量を測定し、例1と同様にして、NSAA除去率を算出した。結果をAFE回収率と併せて、表1に示す。
Figure 2015152173
AFEを吸着した塩基型IERから、AFEの酸をAFE溶離液1中に回収し、次いで、AFE溶離液1を蒸留分離・精製してAFEの酸を回収する後工程において、NSAAが含まれると、AFEの回収率が低下することが確認された。
すなわち、実施例(例1〜10)では、NSAAの除去率が、水溶性有機溶媒を使用しない比較例(例11〜12)に比べて高かった。特に、実施例では、AFE溶離液1中のNSAAの含有量が少なく、後工程でのAFEの酸の回収を阻害しないので、AFEの酸の回収率が高かった。
NSAAの除去率が85%以上では、AFEの酸を蒸留分離・精製する際に、不純物を0.2%以下に抑えつつ、AFE溶離液1に含まれるAFEの酸の回収率は90%以上となる。一方、比較例のように、NSAAの除去率が85%を下回る場合は、不純物を0.2%以下に抑え、AFE溶離液1に含まれるAFEの酸の回収率は90%以上とする、の両立は成り立たない。むしろ、比較例においては、AFE回収率が多少高くても、AFEの酸の回収率は70%と低かった。
[例13]
例5で回収されたAFEの酸を蒸留精製したところ、純度99.8%以上のAFEの酸が収率90%で得られた。よって、IERから純度99.8%のAFEの酸の回収率は81%であった。
[例14]
蒸留に用いるAFEの酸を、例12で得られたAFEの酸に変える以外は、例13と同様にしてAFEの酸を蒸留精製した。その結果、純度99.8%以上のAEFの酸の収率は70%であり、IERから純度99.8%以上のAFEの酸の回収率は63%であった。
このように、NSAAの除去が不十分な状態でAFEの酸を蒸留した場合、NSAAの分解に起因する不純物が蒸留分離しにくく、高純度なAFEを蒸留で得ることが困難となる。
本発明のAFEの回収方法は、不純物としてNSAAが吸着されている塩基性IERからAFEを高収率で回収でき、工場排水や、含フッ素ポリマー水性分散液等の製品中に含まれるAFEの回収方法に適する。また、AFEたけでなく、トリフルオロ酢酸、ペルフルオロブタン酸等の低分子量のペルフルオロアルカン酸の回収にも適用できる。
なお、2014年3月31日に出願された日本特許出願2014−072947号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (15)

  1. 非イオン界面活性剤を物理吸着し、かつ、アニオン性含フッ素乳化剤を吸着した塩基型イオン交換樹脂から、アニオン性含フッ素乳化剤を溶離して、アニオン性含フッ素乳化剤の酸として回収するアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法であって、
    前記塩基性イオン交換樹脂を水溶性有機溶媒と接触させる工程(1)、次いで、工程(1)でイオン界面活性剤が溶離された塩基型イオン交換樹脂から、アニオン性含フッ素乳化剤の酸を回収する工程(2)を実施することを特徴とするアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  2. 前記工程(2)が、前記塩基型イオン交換樹脂を無機酸水溶液と水溶性有機溶媒と接触させる工程(2−1)を含む、請求項1に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  3. 前記工程(2)が、前記工程(2−1)に次いで、この順序で実施する、前記塩基型イオン交換樹脂と液相とに分離して液相を回収する工程(2−2)、及び該液相からアニオン性含フッ素乳化剤の酸を回収する工程(2−3)を含む、請求項2に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  4. 前記工程(2−1)が、塩基型イオン交換樹脂に前記無機酸水溶液を接触させる工程(2−1−1)、次いで実施する前記水溶性有機溶媒を接触させる工程(2−1−2)を含む、請求項2又は3に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  5. 前記工程(2−1−1)に次いで、塩基型イオン交換樹脂を分離回収する工程(2−1−1−2)を実施し、次いで工程(2−1−2)を実施する、請求項4に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  6. 前記水溶性有機溶媒が、ニトリル基を有する有機溶媒、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  7. 前記無機酸水溶液が、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液及びリン酸水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2〜6のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  8. 前記水溶性有機溶媒がニトリル基を有する有機溶媒であり、該ニトリル基を有する有機溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びイソブチロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  9. 前記アニオン性含フッ素乳化剤の酸が、含フッ素カルボン酸である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  10. 前記アニオン性含フッ素乳化剤の酸が、エーテル性酸素原子を1〜3個含有してもよい、炭素数5〜7の含フッ素カルボン酸である、請求項9に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  11. 前記塩基型イオン交換樹脂が強塩基型イオン交換樹脂である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  12. 前記無機酸水溶液の濃度が5.0質量%以上である、請求項2〜11のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  13. 前記無機酸水溶液中の無機酸の使用量が、溶離するアニオン性含フッ素乳化剤の酸/無機酸のモル比で、1/20〜1.5/1の範囲である、請求項2〜12のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  14. 塩基型イオン交換樹脂と無機酸水溶液との割合が、質量比で90/10〜10/90である、請求項2〜13のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
  15. 塩基型イオン交換樹脂と水溶性有機溶媒との割合が、質量比で10/90〜70/30である、請求項2〜14のいずれか一項に記載のアニオン性含フッ素乳化剤の回収方法。
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