JPWO2015151132A1 - 血圧測定装置 - Google Patents

血圧測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015151132A1
JPWO2015151132A1 JP2016511167A JP2016511167A JPWO2015151132A1 JP WO2015151132 A1 JPWO2015151132 A1 JP WO2015151132A1 JP 2016511167 A JP2016511167 A JP 2016511167A JP 2016511167 A JP2016511167 A JP 2016511167A JP WO2015151132 A1 JPWO2015151132 A1 JP WO2015151132A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood pressure
value
pulse wave
waveform
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016511167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6339178B2 (ja
Inventor
定夫 尾股
定夫 尾股
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cyberdyne Inc
Original Assignee
Cyberdyne Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cyberdyne Inc filed Critical Cyberdyne Inc
Publication of JPWO2015151132A1 publication Critical patent/JPWO2015151132A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6339178B2 publication Critical patent/JP6339178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/021Measuring pressure in heart or blood vessels
    • A61B5/02108Measuring pressure in heart or blood vessels from analysis of pulse wave characteristics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/68Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient
    • A61B5/6801Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient specially adapted to be attached to or worn on the body surface
    • A61B5/6813Specially adapted to be attached to a specific body part
    • A61B5/6825Hand
    • A61B5/6826Finger
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/72Signal processing specially adapted for physiological signals or for diagnostic purposes
    • A61B5/7235Details of waveform analysis
    • A61B5/7242Details of waveform analysis using integration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/68Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient
    • A61B5/6801Arrangements of detecting, measuring or recording means, e.g. sensors, in relation to patient specially adapted to be attached to or worn on the body surface
    • A61B5/683Means for maintaining contact with the body
    • A61B5/6831Straps, bands or harnesses

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

血圧測定装置(10)は、被検査者が掌(8)を乗せる面である測定面(14)を有する筐体(12)と、測定面(14)に被検査者が掌(8)を乗せたときに人差し指の指先(9)が来る位置に設けられ、発光素子と受光素子を内蔵する測定ボタン(20)と、筐体(12)の内部に配置され、発光素子と受光素子によって行われた脈波波形を処理して、最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を算出する回路ブロック(40)と、算出された最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を表示する表示部(90)と、最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を紙シートに印字出力するプリンタ部(92)を備える。

Description

本発明は、血圧測定装置に係り、特に、脈波センサによって得られる脈波波形に基づいて血圧値を算出し出力する血圧測定装置に関する。
血圧測定装置としては、腕にカフ圧を加え、減圧しながら脈波が回復する音を基準に最大血圧と最低血圧を求めるマンシェット法を用いるものがよく使われる。血圧の絶対値を測定するものとしては、動脈中に圧力センサを挿入して、直接的に血圧を測る侵襲法がある。これらは、いずれも被検査者に加圧や侵襲の負担を与える。そこで、被検査者に負担を与えない血圧測定として、発光素子と受光素子を用いて脈波を検出し、そのデータから計算によって最大血圧と最低血圧を算出することが行われる。
例えば、特許文献1には、動脈血圧測定装置として、発光素子と受光素子から構成されるセンサによって動脈波形を取り込み、取り込んだ動脈波形の一拍ごとの微分ゼロクロス点を用い、一周期の時間Tと、動脈波形の最低値に対応するゼロクロス点から最大値に対応するゼロクロス点までの時間Taと、(T−Ta)=Tbを求め、脈拍数n=(60/T)も用いて、最大血圧Phと最低血圧Plを計算で求めることが開示されている。
ここで、Ph×n=−A×LOG(Ta×Tb)−B,n×n×Pl=C×(Tb×Tb)−Dで示される。動脈内に圧力センサを挿入して直接的に動脈波形を取得した結果も上記式に乗ることが示されている。
特許第4680411号明細書
特許文献1の方法によれば、指先等に発光素子と受光素子を取り付けるだけで、最大血圧値と最低血圧値を計算で求めることができる。ところで、特許文献1の方法は、脈波変化の時間パラメータのみで最大血圧値と最低血圧値を求めているので、血管の収縮と拡張によって脈波が形成される現象を反映していない可能性があり、脈波算出のモデルとしては不十分な面がある。
本発明の目的は、血管の収縮と拡張によって脈波が形成される現象を血圧算出のモデルとして、血圧測定の精度をさらに向上させた血圧測定装置を提供することである。
本発明に係る血圧測定装置は、生体における血流の脈波波形を検出する脈波センサと、生体における血流の一周期の時間T秒の脈波波形について、血管収縮時間Taの間における脈波波形の時間積分値Saと血管拡張時間Tb=(T−Ta)の間における脈波波形の時間積分値Sbとを用いて、血管収縮時間Taにおける規格化最大圧力値ha=(規格化時間積分値/規格化血管収縮時間)と、血管拡張時間Tbにおける規格化最低圧力値hb=(規格化時間積分値/規格化血管収縮時間)と、を算出する規格化圧力値算出手段と、算出された規格化最大圧力値と規格化最低圧力値とに基づいて、最大血圧値と最低血圧値とを算出して出力する血圧算出出力部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る血圧測定装置は、人体における血流の脈波波形F1を検出する脈波センサと、脈波波形F1について繰り返し単位となる一周期の波形について、時間経過に対する傾斜を補正し、傾斜補正された一周期の脈波波形F2を求める一周期波形算出部と、一周期の脈波波形F2について、一周期の時間T秒と、一周期の開始時点を時間原点として脈波波形F2が最高値となる時間Ta秒と、Tb=(T−Ta)秒と、時間原点から時間Ta秒までの脈波波形F2の時間積分値Saと、時間Taから一周期の終了時点である時間Tまでの脈波波形F2の時間積分値Sbを、基本パラメータとして算出する基本パラメータ算出部と、基本パラメータを用い、60秒当たりの脈拍数N=(60/T)と、Taの期間の規格化最大圧力値としてのha=[2{Sa/(Sa+Sb)}/{Ta/(Ta+Tb)}]と、Tbの期間の規格化最低圧力値としてのhb=[2{Sb/(Sa+Sb)}/{Tb/(Ta+Tb)}]を算出する2次パラメータ算出部と、侵襲法またはマンシェット法によって得られる最大血圧値と脈波波形F2に基づいて算出される規格化最大圧力値との間を関連づける係数A,αと、侵襲法またはマンシェット法によって得られる最低血圧値と脈波波形F2に基づいて算出される規格化最低圧力値との間を関連づける係数B,βを予め求めて記憶する記憶部と、PH={N4×(ha)2}/[A2×(Ta×Tb)-2α×{Sa/(Sa+Sb)}]を脈波波形F2に基づく最大血圧値PHとして算出して出力し、PL=[N4×{Sb/(Sa+Sb)}2]/[B2×(Ta×Tb)-2β×(hb)]を脈波波形F2に基づく最低血圧値PLとして算出して出力する血圧値出力部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る血圧測定装置において、脈波センサは、人体の表面に発光素子によって光を照射し、反射した光を受光素子で受光する反射型光脈波センサであり、受光素子の出力端子に接続される増幅器と、増幅器の出力端子と発光素子の入力端子との間に配置され、発光素子の入力波形と受光素子の出力波形との間の位相の変化を周波数の変化に変換する位相シフト回路と、人体の血流部と受光素子と増幅器と位相シフト回路と発光素子とで構成される自励発振回路の発振周波数の中心周波数を予め定めたデフォルト周波数に調整する周波数調整部と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る血圧測定装置において、脈波センサは、人体の表面に超音波振動子から超音波を入射し、反射した超音波を振動検出素子で受ける超音波型脈波センサであり、振動検出素子の出力端子に接続される増幅器と、増幅器の出力端子と超音波振動子の入力端子との間に配置され、超音波振動子の入力波形と振動検出素子の出力波形との間の位相の変化を周波数の変化に変換する位相シフト回路と、人体の血流部と振動検出素子と増幅器と位相シフト回路と超音波振動子とで構成される自励発振回路の発振周波数の中心周波数を予め定めたデフォルト周波数に調整する周波数調整部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る血圧測定装置において、位相シフト回路の動作中心周波数は、デフォルト周波数と異なる周波数に設定されることが好ましい。
また、本発明に係る血圧測定装置において、Aの値は、100〜400の範囲の値、αの値は0.7〜1.2の範囲の値、Bの値は、20〜80の範囲の値、βの値は0.7〜1.2の範囲の値であることが好ましい。
また、本発明に係る血圧測定装置において、Aの値は、200〜270の範囲の値、αの値は1、Bの値は、20〜60の範囲の値、βの値は1であることが好ましい。
また、本発明に係る血圧測定装置において、人体の掌を置くための測定面を有する測定台と、測定台に設けられる案内穴に案内され、付勢手段によって測定面より突き出すように付勢され、人体の指先で押されることで測定面に対し予め定めた方向に移動可能な測定ボタンと、を備え、発光素子と受光素子は、測定ボタン内に収納され、発光素子の発光面と受光素子の受光面は、測定面の側を向き、受光素子の入射光軸と受光素子の受光光軸との交点が測定ボタンの上面に対し予め定めた高さ位置に設定されることが好ましい。
また、本発明に係る血圧測定装置において、測定ボタンが押し下げられることを検出して、脈波センサが作動開始することが好ましい。
上記構成の少なくとも1つにより、血圧測定装置は、生体における血流の一周期の時間T秒の脈波波形について、血管収縮時間Taの間における脈波波形の時間積分値Saと血管拡張時間Tb=(T−Ta)の間における脈波波形の時間積分値Sbとを用いて、血管収縮時間Taにおける規格化最大圧力値ha=(規格化時間積分値/規格化血管収縮時間)と、血管拡張時間Tbにおける規格化最低圧力値hb=(規格化時間積分値/規格化血管収縮時間)を算出する。これに基づいて算出された最大血圧値と最低血圧値は、血管の収縮と拡張によって脈波が形成される現象を血圧算出のモデルとしているので、血圧測定の精度をさらに向上することができる。
上記構成の少なくとも1つにより、血圧測定装置は、発光素子と受光素子を用いて検出された脈波波形について、波形変化についての時間パラメータと共に、一周期の開始時点を時間原点として脈波波形F2が最高値となる時間Taまでの波形の時間積分値Saと、時間Taから一周期の終了時点である時間Tまでの波形の時間積分値Sbを基本パラメータとして用いる。そして、2次パラメータとして、Taの期間の規格化最大圧力値としてのha、Tbの期間の規格化最低圧力値としてのhbを算出し、これらから最大血圧値と最低血圧値を算出する。
Taの期間は、血管が血流を押し出す収縮期間であり、Tbは血管が血流を押し出して緩和する拡張期間である。これらの期間について、時間パラメータと波形の積分値、規格化圧力値を求める。これらによって、血管の収縮と拡張に伴って血流がエネルギを受け取り、またエネルギを放出することで脈波が形成される現象を血圧算出のモデルとして用いる。脈波形成の現象に基づいて算出された血圧値は、実際に血管内で生じている血圧の変動を反映していると考えられ、血圧測定の精度が向上する。
また、血圧測定装置において、脈波センサとして、発光素子と受光素子を含む反射型脈波センサを用いることができる。この場合、人体の血流部と受光素子と増幅器と位相シフト回路と発光素子とで構成される自励発振回路の発振周波数の中心周波数を予め定めたデフォルト周波数に調整する。上記の自励発振回路の発振周波数の変化が脈波波形になるが、このようにして得られる脈波波形は個人差がある。発振周波数の中心周波数をデフォルト周波数に揃えることで、脈波波形の個人差を抑制でき、血圧測定の精度が向上する。
また、血圧測定装置において、脈波センサとして、超音波振動子と振動検出素子を含む超音波型脈波センサを用いることができる。この場合、人体の血流部と振動検出素子と増幅器と位相シフト回路と超音波振動子とで構成される自励発振回路の発振周波数の中心周波数を予め定めたデフォルト周波数に調整する。上記の自励発振回路の発振周波数の変化が脈波波形になるが、このようにして得られる脈波波形は個人差がある。発振周波数の中心周波数をデフォルト周波数に揃えることで、脈波波形の個人差を抑制でき、血圧測定の精度が向上する。
また、血圧測定装置において、位相シフト回路の動作中心周波数は、デフォルト周波数と異なる周波数に設定される。位相シフト回路は、一種のバンドパスフィルタの特性を有するので、動作中心周波数におけるゲインの変化は小さい。動作周波数から外れた周波数で周波数に対するゲイン変化は大きくなる。血圧測定に用いられるデフォルト周波数を位相シフト回路の動作中心周波数から外すことで、周波数変化に対する感度が向上し、血圧測定の精度が向上する。
また、血圧測定装置において、Aの値は、100〜400の範囲の値、αの値は0.7〜1.2の範囲の値、Bの値は、20〜80の範囲の値、βの値は0.7〜1.2の範囲の値である。好ましくは、Aの値は、200〜270の範囲の値、αの値は1、Bの値は、20〜60の範囲の値、βの値は1である。これらの値は、脈波波形から計算で求める最大血圧値、最低血圧値と、予め侵襲法またはマンシェット法による最大血圧値、最低血圧値と対応づけるものであるが、対応づけ数が多いほど、血圧測定の精度が向上する。したがって、対応づけ数が増加するに従って、上記のA,B,α,βを更新することがよい。上記の範囲の値は、対応づけ数が増加したときの変化幅を示すものである。
また、血圧測定装置において、人体の掌を置くための測定面を有する測定台に設けられた測定ボタン内に発光素子と受光素子が収納される。したがって、指先を測定ボタンの上に置くだけで、発光素子と受光素子によって、指先の血管についての脈波波形を検出できる。これにより、被検査者にほとんど負担をかけずに血圧測定を行うことができる。
また、血圧測定装置において、測定ボタンが押し下げられることを検出して、脈波センサが作動開始する。このように、被検査者が指先を測定ボタンに乗せて、測定ボタンを押し下げるという簡単な操作で血圧測定が行われる。
本発明に係る実施の形態における血圧測定装置の外観図である。 本発明に係る実施の形態における血圧測定装置のブロック図である。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置における血圧測定の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置において、取得される脈波波形を示す図である。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置における位相シフト回路の周波数特性図である。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置において、脈波波形をディジタル処理に適した波形とした図である。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置において、本発明に係る実施の形態の血圧測定装置において、ディジダル信号化した脈波波形の時間変化を示す図である。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置において、一周期の脈波波形を取り出し、波形パラメータを示す図である。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置において、侵襲法で測定した脈波波形データを整理して求めた最高血圧値に対する対応づけ関係式を示す図である。 本発明に係る実施の形態の血圧測定装置において、侵襲法で測定した脈波波形データを整理して求めた最低血圧値に対する対応づけ関係式を示す図である。 図9について、脈波波形から計算した最高血圧値を重ねた図である。 図10について、脈波波形から計算した最低血圧値を重ねた図である。 携帯電話を利用した血圧測定装置の例を示す図である。(a)は測定ボタンが携帯電話に設けられたものを示し、(b)は接続ジャックによって脈波センサを携帯電話から着脱可能にしたものを示す。 パーソナルコンピュータを利用し、無線でデータを送受信する血圧測定法を示す図である。 装着型の血圧測定装置の例を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下で説明する形状、寸法、材質、数値等は、説明のための一例であって、血圧測定装置が適用される状況または仕様等に応じ、適宜変更することができる。
以下では、全ての図面において一または対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、血圧測定装置10の全体外観図である。図1には血圧測定装置10の構成要素ではないが、血圧が測定される被検査者の掌8が示されている。血圧測定装置10は、発光素子と受光素子を脈波検出センサとして用いて計算により最高血圧値と最低血圧値と脈拍数を算出する。被検査者が血圧測定装置10に掌8をのせるだけで、血圧測定を行うことができる。
血圧測定装置10は、1つの筐体12にまとめられ、その大きさは、図1に示す掌8の大きさから推定できるように、約20cm×約15cm×約3cmである。筐体12は、プラスチック製で構成することができる。
測定面14は、筐体12の上面であって、被検査者が掌8を乗せる面である。測定面14は、掌8を自然状態で乗せることができるように、手首の方が低く、指先の方が高くなる傾斜を有している。
測定ボタン20は、測定面14において、被検査者が右手の掌8を乗せたときに人差し指の指先9が来る位置に設けられる。測定ボタン20は、測定面14に設けられる案内穴16(図2参照)に案内され、付勢手段である圧縮バネによって測定面14より突き出すように付勢され、被検査者の指先9で押されることで、血圧測定が開始する測定開始ボタンである。測定ボタン20の内部には、脈波波形の検出を行う発光素子と受光素子が内蔵されている。
回路ブロック40は、筐体12の内部に配置され、発光素子と受光素子によって行われた脈波波形を処理して、最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を算出する回路である。回路ブロック40は、測定ボタン20と、表示部90とプリンタ部92と信号線で接続される。
表示部90は、回路ブロック40で算出された最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を表示するディスプレイである。ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ等を用いることができる。図1の例では、最大血圧値が125mmHg、最低血圧値が70mmHg、脈拍数60と表示されている。この値は、説明のための例示である。
プリンタ部92は、回路ブロック40で算出された最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を紙シートに印字出力する小型プリンタである。プリンタ部92としては感熱式プリンタ、インクジェットプリンタ等を用いることができる。
測定ボタン20と回路ブロック40の詳細な内容について、図2を用いて説明する。図2は、血圧測定装置10のブロック図である。
測定ボタン20は、円筒状のボタン本体22と、ボタン本体22の外側底面に取り付けられる圧縮バネ24およびスイッチ押下棒26と、ボタン本体22の上面側に設けられる透光板28と、内部に収納されて配置される発光素子30および受光素子32と、発光素子30と受光素子32との間に配置される遮光部34を含んで構成される。
ボタン本体22は、円筒状で内部が空洞の収納空間となっている部材である。収納空間は、上部が開口となっている。ボタン本体22の寸法の一例を挙げると、直径が約10〜15mm、円筒状の肉厚が約0.5〜1mm、高さが約10〜20mmである。なお、測定面14に設けられる案内穴16とボタン本体22の外径との寸法差は、約0.5〜1mmである。図2で案内穴16は測定面14に対し垂直方向に貫通しているが、案内穴16を測定面14に対し傾斜した貫通穴としてもよい。
圧縮バネ24は、測定ボタン20を測定面14より突き出すように付勢する付勢手段である。被検査者が指先9で測定ボタン20を押し下げると、その押下力で圧縮バネ24は圧縮され、測定ボタン20の上面が測定面14とほぼ同じ高さとなる。
スイッチ押下棒26は、筐体12の内部において測定ボタン20の下側に配置されるスイッチ36をオンオフさせる操作棒である。測定ボタン20が圧縮バネ24の付勢力によってその上面が測定面14よりも突き出ているときは、スイッチ押下棒26はスイッチ36の可動電極部から離間し、スイッチ36はオフ状態である。被検査者が指先9で測定ボタン20を押し下げ、測定ボタン20の上面が測定面14とほぼ同じ高さ位置となると、スイッチ押下棒26はスイッチ36の可動電極部に接触して可動電極部を固定電極部に向かって押し下げ、スイッチ36の可動電極部と固定電極部が接触することで、スイッチ36がオン状態となる。スイッチ36の作用の詳細は後述する。
透光板28は、ボタン本体22の収納空間の上部開口を塞ぐ円板状の部材で、発光素子30から指先9へ向かって光を通し、指先9からの反射光を通して受光素子32に到達させる。透光板28は、発光素子30と受光素子32の動作波長の光を通せばよく、それ以外の波長を遮断することが好ましい。例えば、発光素子30と受光素子32の動作波長を赤外領域として、透光板28を、可視光遮光性フィルタ板とすることができる。このようにすることで、発光素子30と受光素子32の動作に対する外光の影響を抑制することができる。透光板28の寸法の一例を挙げると、直径が約8〜12mm、厚さが約0.5〜1.5mmである。
発光素子30と受光素子32は、この一組で、血管を流れる血流の脈波波形を検出する脈波センサとして機能する。発光素子30と受光素子32は、測定ボタン20内に収納され、発光素子30の発光面と受光素子32の受光面は、測定面14の側を向き、発光素子30の入射光軸と受光素子32の受光光軸との交点6は、測定ボタン20の上面に対し予め定めた高さ位置に設定される。交点6の予め定めた高さ位置は、血流の脈波測定位置となるので、指先9の表面から血管の位置までの距離とすることがよい。一例を挙げると、測定ボタン20の上面から約0.5〜1mmである。
遮光部34は、発光素子30と受光素子32との間に配置される仕切板である。遮光部34は、発光素子30の光が受光素子32に回り込んで受光に対する外乱となることを抑制する。
スイッチ36は、測定ボタン20の押し下げによってオフからオンになることで、回路ブロック40に電源を供給する電源供給スイッチである。したがって、測定ボタン20が押し下げられると、回路ブロック40が作動を開始し、脈波センサが作動開始し、血圧測定が行われる。その意味で、測定ボタン20は、被検査者の指先で押されることで、血圧測定が開始する測定開始ボタンである。
回路ブロック40は、脈波センサのバイアス回路44、脈波測定回路50、制御部70、記憶部82を含んで構成される。
脈波センサのバイアス回路は、発光素子30のアノードとカソードの間に供給するバイアス電圧を作り出し、受光素子32の出力に抵抗素子を接続し、受光素子に流れる電流を電圧に変換する機能を有する。
脈波測定回路50は、入力側として、受光素子32の出力側に接続される端子52と、発光素子30の入力側に接続される端子54とを有する。端子52はDCカットコンデンサ56を介して増幅器58の入力端子に接続される。増幅器58の出力は、位相シフト回路60を介して端子54に接続される。
これによって、指先9の血流−受光素子32−端子52−DCカットコンデンサ56−増幅器58−位相シフト回路60−端子54−発光素子30−指先9の血流の閉ループが形成される。この閉ループは、増幅器58と位相シフト回路60によって自励発振回路を形成する。ここで、位相シフト回路60は、その入力信号と出力信号との間に位相差があるときは、自励発振回路の発振周波数を変化させて、位相差をゼロとし、自励発振を持続させる機能を有する。位相シフト回路60の詳細な構成と作用については、特開平9−145691号公報に開示されている。
脈波測定回路50の端子62は、脈波信号として、自励発振回路の発振周波数を制御部70に出力する出力端子である。端子64は、制御部70から位相シフト回路60に周波数調整信号を供給する調整端子である。この周波数調整信号は、脈波信号としての自励発振回路の発振周波数を予め定めたデフォルト周波数となるように、位相シフト回路60の回路定数を変更する信号である。これによって、被検査者によって指先9の血流から検出される脈波信号としての自励発振回路の発振周波数がかなりばらついても、デフォルト周波数に調整することで、信号処理のダイナミックレンジの増大を抑制できる。
制御部70は、脈波測定回路50からの脈波信号に基づいて、被検査者の最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を算出し、表示部90とプリンタ部92に出力する。かかる制御部70は、マイクロプロセッサで構成できる。
制御部70は、脈波信号の周波数をデフォルト周波数に調整する周波数調整部72と、脈波信号の繰り返しの一周期波形を算出する一周期波形算出部74と、一周期波形に基づいて血圧算出のための基本パラメータを算出する基本パラメータ算出部76と、血圧算出のための2次パラメータを算出する2次パラメータ算出部78と、基本パラメータと2次パラメータとを用いて最大血圧値と最低血圧値と脈拍数を算出して出力する血圧算出出力部80を含んで構成される。これらの機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、血圧算出プログラムを実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアで構成してもよい。ここでは、ソフトウェアで実現できる機能を処理するプロセッサを内蔵した1つのICチップで制御部70を構成する。これによって、回路ブロック40を小型にできる。
制御部70と交信する記憶部82は、制御部70で実行されるプログラムを格納し、また脈波波形データを一時的に記憶する機能を有するメモリであるが、ここでは特に、発光素子30と受光素子32によって検出される脈波波形に基づいて算出される血圧値と、侵襲法またはマンシェット法によって得られる血圧値とを関連付ける係数A,α,B,βを記憶する関連付け係数ファイル84を格納する。係数A,α,B,βの詳細な内容については、脈波波形の基本パラメータと2次パラメータと関連付けて後述する。
かかる構成の作用、特に制御部70の各機能、記憶部82の係数ファイル84の内容等について、図3以下を用いて詳細に説明する。
図3は、血圧測定の手順を示すフローチャートである。各手順は、血圧測定プログラムの各処理手順に対応する。図4以下は、各手順の内容を説明する図である。
血圧測定装置10に外部電源が接続され、または内臓電池が組み込まれた状態で、被検査者が掌8を測定面14に置き、指先9を測定ボタン20の上面において、測定ボタン20を押し下げると、血圧測定装置10は、その押圧状態を検出する(S10)。具体的には、測定ボタン20のスイッチ押下棒26がスイッチ36をオンにする。これによって回路ブロック40に電源が供給され、バイアス回路が働いて、脈波センサを構成する発光素子30と受光素子32が作動する。
発光素子30からの光は透光板28を通して指先9に入射し、血管のある交点6で反射し、反射光は透光板28を通って受光素子32で受光される。発光素子30の入力側と受光素子32の出力側は脈波測定回路50と接続され、指先9の血流−受光素子32−端子52−DCカットコンデンサ56−増幅器58−位相シフト回路60−端子54−発光素子30−指先9の血流の閉ループが形成される。この閉ループは、増幅器58と位相シフト回路60によって自励発振回路を形成する。位相シフト回路60は、その入力信号に対応する受光素子32から出力される検出電気信号と、その出力信号に対応する発光素子30に供給される駆動電気信号との間に位相差があるときは、その位相差をゼロにするように、自励発振回路の発振周波数を変化させる。
この発振周波数の変化は、指先9の血流の変化を反映したもので、その時間変化の波形は、脈波波形である。この脈波波形を以後の波形処理した脈波波形等と区別して、脈波波形F1と呼ぶことにすると、脈波波形F1は、脈波センサによって検出したそのままの脈波波形である。そこで、脈波波形F1の取得が行われる(S12)。
図4に脈波波形F1の例を示す。図4は、横軸が時間、縦軸が電圧である。図4に示すように、脈波波形F1は電圧振幅が時間経過に関わらずほぼ一定で、周波数が時々刻々変化する。この周波数変化が血管における収縮と拡張の大きさに対応する。
脈波波形F1における周波数変化のダイナミックレンジは、被検査者によって異なる。例えば、ある被検査者は、脈波波形が10kHzを中心として変化するのに対し、別の被検査者は、脈波波形が1kHzを中心として変化することがあり得る。このように、脈波波形の中心周波数に個人差があるので、そのまま脈波波形のデータ処理を進めると、メモリ容量も、信号処理回路のダイナミックレンジも、大きなものとなる。
そこで、脈波波形の中心周波数を予め定めたデフォルト周波数fDに統一する周波数調整が行われる(S14)。この処理手順は、制御部70の周波数調整部72の機能によって実行される。具体的には、脈波測定回路50の端子64を介して、制御部70から位相シフト回路60に対して、回路定数を変更させる周波数調整信号が出力される。デフォルト周波数fDは、脈波信号のサンプリング周期や、脈波信号のばらつきを平均化するのに必要なデータ組数等と、回路ブロック40の処理速度、メモリ容量等を考慮して決定することができる。ここでは、脈波信号のサンプリング周期を毎秒250回、ばらつき平均化に必要なデータ組数を30組、データ処理のビット数を16ビット、処理速度を10MHzとして、デフォルト周波数fDを4kHzとした。
デフォルト周波数fDは、位相シフト回路60の動作中心周波数f0と異なるものとする。図5は、位相シフト回路60のゲインと位相の周波数特性を示す図である。位相シフト回路60のゲイン特性は、動作中心周波数f0を中心として対称形にゲインが低下するバンドパス特性を有するように設定される。したがって、動作中心周波数f0付近では、周波数が変化してもゲインがほとんど変化しない。脈波波形は自励発振回路の発振周波数の時間的変化を示す波形であるので、周波数変化を感度よく検出したい。そこで、デフォルト周波数fDは、ゲイン/周波数の勾配の小さいf0付近を避けて、ゲイン/周波数の勾配の大きい周波数のところに設定する。図5では、デフォルト周波数fDを位相シフト回路60の動作中心周波数f0より高周波側に設定されるが、これを動作中心周波数f0より低周波側に設定してもよい。
このデフォルト周波数で、脈波波形データのサンプリングを行う(S16)。(1/4kHz)=250μsであるが、これを16分周し、250kHごとにサンプリングして、脈波波形の周波数をカウントする。脈波波形F1はアナログ波形であるので、適当な閾値を有するコンパレータによるA/D変換を用いて2値化を行い、ディジタル波形に変換し、そのディジタル波形についてサンプリングを行う。図6にA/D変換された脈波波形の例を示す。
サンプリングは、ディジタル波形について4kHzのサンプリングタイミングで4ms分行う。つまり、ディジタル波形について、16ビット分のサンプリングを行う。この16ビット分のサンプリングデータを1組として、同じ被検査者に対し、30組のサンプリングデータを取得する。取得した30組のサンプリングデータは一旦記憶部82に記憶する。記憶された30組のサンプリングデータを用いて、データのスムージング処理を行う(S18)。スムージング処理としては、隣接するサンプリングデータ間で移動平均を取る方法を用いることができる。このようにして、16ビット分のサンプリングデータにおける異常データ等を取り除き、信頼性の高いサンプリングデータとする。
図7に、スムージング処理後の16ビット分のサンプリングデータの例を示す。横軸は時間、縦軸はデフォルト周波数fDからの周波数偏差Δfである。図7に示されるように、サンプリングデータは、周期性を有するが、時間経過に対し傾斜を有する。この傾斜は、被検査者の測定状態によるものである。
そこで、脈波波形F1に相当する16ビットのサンプリングデータについて、繰り返し単位となる一周期の波形を抜き出すために、一周期分判定を行う(S20)。一周期は、血流の繰り返し周期で、鼓動の周期であるので、経験上、大体の値が分かっている。そこで、サンプリングデータを微分し、得られるゼロクロス点を求める。そして、適当な判定時間間隔を設定して、その間のゼロクロス点の間を一周期と判定する。
一周期分のサンプリングデータが得られると、次に傾斜補正を行う(S22)。傾斜補正は、一周期のサンプリングデータの開始点となるゼロクロス点のΔfの値と、一周期の終了点となるゼロクロス点のΔfの値を同じとするように、各サンプリングデータを補正することで行う。傾斜補正が行われた一周期分の脈波波形をF2と呼ぶことにすると、このようにして脈波波形F2が算出取得される(S24)。脈波波形F2を算出取得する上記の手順は、制御部70の一周期波形算出部74の機能によって実行される。
図8に、脈波波形F2の例を示す。図8の横軸は時間、縦軸はΔfである。脈波波形F2は、一周期がT秒で、一周期の開始時点を時間原点として脈波波形F2が最高値となる時間がTa秒である。図8に示されるように、脈波波形F2は,時間原点から時間Taまでの間にΔfが急激に増大する。そして、時間Taから一周期が終了する時間Tまでの間は、途中にΔfがほぼ一定となる期間があるが、全体としてはΔfが減少する。
そこで、脈波波形F2を特徴づける基本パラメータとして、一周期の時間T秒と、一周期の開始時点を時間原点として脈波波形F2が最高値となる時間Ta秒と、Tb=(T−Ta)秒とを算出する。そして、時間原点から時間Ta秒までの脈波波形F2の時間積分値Saと、時間Taから一周期の終了時点である時間Tまでの脈波波形F2の時間積分値Sbを算出する(S26)。これらが、脈波波形F2の基本パラメータである。基本パラメータの算出は、制御部70の基本パラメータ算出部76の機能によって実行される。具体的には、脈波波形F2のピーク検出を行ってTaを求め、Tb=(T−Ta)を求める。そして、Ta,Tbのそれぞれの期間について脈波波形F2の時間積分を行ってSa,Sbを算出する。
また、基本パラメータを用い、60秒当たりの脈拍数N=(60/T)と、Taの期間の規格化最大圧力値としてのha=[2{Sa/(Sa+Sb)}/{Ta/(Ta+Tb)}]と、Tbの期間の規格化最低圧力値としてのhb=[2{Sb/(Sa+Sb)}/{Tb/(Ta+Tb)}]を2次パラメータとして算出する(S28)。2次パラメータの算出は、制御部70の2次パラメータ算出部78の機能によって実行される。具体的には、S26において算出された基本パラメータTa,Tb,Sa,Sbを用いて、演算によりN,ha,hbを算出する。なお、算出されたこれらのパラメータは規格化されたものであり、その単位は、必ずしも時間や圧力ではない。
上記基本パラメータと2次パラメータは、既に特許文献1において示されているように、血圧が(Ta×Tb)に密接な関係があることの知見をさらに進め、脈波変化の時間パラメータのみではなく、血管の収縮と拡張によって脈波が形成される現象を反映して血圧を算出しようとするためである。すなわち、Taの期間は、血管が血流を押し出す収縮期間であり、Tbは血管が血流を押し出して緩和する拡張期間である。これらの期間について、時間パラメータと波形の積分値、規格化圧力値を求め、これらによって、血管の収縮と拡張に伴って血流がエネルギを受け取り、またエネルギを放出することで脈波が形成される現象を血圧算出のモデルとして用いることができる。
次に、脈波波形F2についてS26,S28で算出されたパラメータに基づいて血圧値を算出するには、侵襲法またはマンシェット法によって得られる血圧値と脈波波形F2に基づいて算出される血圧値との間を関連づける係数を用いる。関連付け係数A,α,B,βは、予め侵襲法によって得られる脈波波形についてS26、S28と同じ処理手順で基本パラメータと2次パラメータを求め、これと脈波波形F2の基本パラメータ、2次パラメータとの関連付けを行って得られる。
侵襲法によって得られる数多くの脈波波形についての基本パラメータと2次パラメータを整理するために、これらのパラメータを含む関係式Yで、X=(Ta×Tb)と密接な関係を有するものを探索した。探索は、YX=一定値となる関係式Yがないかの観点で行った。これは、血管の収縮と拡張によって脈波が形成される現象は、非検査者の個人差を超えて普遍的なものであり、X=(Ta×Tb)は既に特許文献1によって血圧と密接な関係を有する変数であることが分かっているからである。
このような探索の結果、侵襲法によって得られる最大血圧値PHについては、YH=[(N2×ha)/{PH×Sa/(Sa+Sb)}-1/2]の関係式を用いると、ほぼYHX=一定値となることが分かった。10点の侵襲法による脈波波形データを整理した結果を図9に示す。図9の横軸は、X=(Ta×Tb)、縦軸はYHである。YH=AXとすると、図9の例では、A=254、α=1、10点のデータとYH=254X-1との相関係数r2=0.975であった。得られたA,αは記憶部82に記憶される。
同様に、侵襲法によって得られる最低血圧値PLについては、YL={{N2Sb/(Sa+Sb)}/(PL×hb)-1/2]の関係式を用いると、ほぼYLX=一定値となることが分かった。13点の侵襲法による脈波波形データを整理した結果を図10に示す。図10の横軸は、X=(Ta×Tb)、縦軸はYLである。YL=BXとすると、図10の例では、B=36、β=1、13点のデータとYL=36X-1との相関係数r2=0.972であった。得られたB,βは記憶部82に記憶される。
図9で得られたαがほぼ1の値をとる関係式YH=AX、図10で得られたβがほぼ1の値をとる関係式YL=BXを用いると、最大血圧値PH={N4×(ha)2}/[A2×(Ta×Tb)-2α×{Sa/(Sa+Sb)}]として算出でき、最低血圧値PL=[N4×{Sb/(Sa+Sb)}2]/[B2×(Ta×Tb)-2β×(hb)]として算出できる。そこで、記憶部82に記憶されているA,α,B,βを読み出し(S30)、脈波波形F2の基本パラメータ、2次パラメータに基づき、最大血圧値PHと最低血圧値PLを算出し、脈拍数Nと合せて、表示部90、プリンタ部92に出力する(S32)。この処理手順は、制御部70の血圧算出出力部80の機能によって実行される。
記憶部82に記憶されているA,αを用いて算出された最大血圧値PHについて、YHを再計算し、図9の侵襲法によるデータと重ね合わせた結果を図11に示す。図11の横軸、縦軸は図9と同じである。黒丸は図9の侵襲法によるデータと同じで、白丸は23人被検査者について、血圧測定装置10を用いて算出されたデータに基づいて計算したYHの値である。図11に示されるように、YH=254X-1に対する相関関係は、侵襲法の10点の黒丸と、血圧測定装置10による23点の白丸とほぼ同じである。
同様に、記憶部82に記憶されているB,βを用いて算出された最低血圧値PLについて、YLを再計算し、図10の侵襲法によるデータと重ね合わせた結果を図12に示す。図12の横軸、縦軸は図10と同じである。黒丸は図10の侵襲法によるデータと同じで、白丸は27人の被検査者について、血圧測定装置10を用いて算出されたデータに基づいて計算したYLの値である。図12に示されるように、YL=36X-1に対する相関関係は、侵襲法の13点の黒丸と、血圧測定装置10による27点の白丸とほぼ同じである。
このことから、血圧測定装置10を用い、脈波波形に基づいて算出した最大血圧値と最低血圧値は、侵襲法によって測定される最大血圧値と最低血圧値にきわめてよく一致するものとなることが分かる。なお、血圧測定装置10による測定に並行して、同じ被検査者について、いくつかのメーカ製のマンシェット法電子血圧計でも最大血圧値と最低血圧値を測定したところ、血圧測定装置10による値と、マンシェット法電子血圧計による値とよい一致を見た。
上記では、A,αを10点の侵襲法のデータからA=254、α=1としたが、相関係数の値から考えると、Aの値は、200〜270の範囲の値でも実用上問題ない。また、B,βを13点の侵襲法のデータからB=36、β=1としたが、相関係数の値から考えると、Bの値は、20〜60の範囲の値でも実用上問題ない。
また、A,α,B,βをもっと多くの侵襲法のデータから定め、その値を記憶部82に記憶することで、血圧測定装置10が算出する血圧値の精度が向上する。そのときには、A=254、α=1、B=36、β=1とは異なる値となる。例えば、Aの値は、100〜400の範囲の値、αの値は0.7〜1.2の範囲の値、Bの値は、20〜80の範囲の値、βの値は0.7〜1.2の範囲の値であってもよい。
次に、上記の構成によれば、検査対象の生体の種類(人体や家畜等)や被検査者の個人差(緩慢な脈動や急峻な脈動等)や脈波センサ(光学センサ、振動センサ、変位センサ等)の種類や脈波の検出値の単位(電圧、周波数、mm等)によらず、普遍的に最大血圧値と最低血圧値を求められることを説明する。
まず、血管の収縮と拡張によって脈波が形成される現象は、被検査者の個人差等を超えて普遍的なものであると考える。被検査者の個人差等を超えて脈波の最大圧力値と最低圧力値を示すには、血管の収縮時間と拡張時間を規格化し、収縮時間において血流が血管から受けるエネルギと拡張時間において血流が血管に対して吐出すエネルギを規格化することでできる。
上記のように、血流の一周期の時間T秒の脈波波形F2について、血管収縮時間Taの間における脈波波形F2の時間積分値Saと、血管拡張時間Tb=(T−Ta)の間における脈波波形F2の時間積分値Sbを用いると、血管が受ける規格化最大圧力値haと規格化最低圧力値hbは次のように示すことができる。すなわち、ha=[2{Sa/(Sa+Sb)}/{Ta/(Ta+Tb)}]、hb=[2{Sb/(Sa+Sb)}/{Tb/(Ta+Tb)}]である。{Ta/(Ta+Tb)}と{Tb/(Ta+Tb)}は、それぞれ、血管の規格化収縮時間と規格化拡張時間であり、{Sa/(Sa+Sb)}と{Sb/(Sa+Sb)}は、それぞれ、収縮時間において血流が血管から受ける規格化エネルギと拡張時間において血流が血管に吐出す規格化エネルギである。係数の2は、脈波波形の変化を三角形近似することで生じる値である。
このようにして求められる規格化最大圧力値ha、規格化最低圧力値hbは、実測された脈波波形の最大値と最低値と同じものではない。つまり、実測された脈波波形の最大値が小さな値であっても、SaやTa次第では血流が血管から受けるエネルギが大きく、侵襲法やマンシェット法による最大血圧値が大きいことがある。逆に、実測された脈波波形の最大値が大きな値であっても、SaやTa次第では血流が血管から受けるエネルギが小さく、侵襲法やマンシェット法による最大血圧値が小さいことがある。規格化最大圧力値ha、規格化最低圧力値hbは、被検査者の個人差が出やすい脈波波形の最大値や最低値、あるいは脈拍数や血管の収縮期間、拡張期間に基づかずに、血管の収縮と拡張によって脈波が形成される現象を普遍的に表現し、その普遍的表現から、侵襲法やマンシェット法によって得られる最大血圧値と最低血圧値に近い値を得ようというものである。
このようにして求められる規格化最大圧力値haは、実際の侵襲法によって測定された最大血圧値PHとは、普遍的関係式で結ばれていると考えられる。同様に、規格化最低圧力値hbと、実際の侵襲法によって測定された最低血圧値PLとは、普遍的関係式で結ばれていると考えられる。その普遍的関係式Yを見つければよい。普遍的関係式は、特許文献1で既に分かっているX=(Ta×Tb)と関係があるはずである。
そこで、XY=一定値となる関係式を探索することを試みた。その試行錯誤から、規格化最大圧力値haと、実際の侵襲法によって測定された最大血圧値PHの間の関係式YHは、YH=[(N2×ha)/{PH×Sa/(Sa+Sb)}-1/2]がXYH=A(一定値)となることが分かった。Aは、XYH=Aの一定値であり、Nは脈拍数である。この関係式を書き直すと、PH={N4×(ha)2}/[A2×(Ta×Tb)-2×{Sa/(Sa+Sb)}]となり、PHは、Nの四乗に比例、haの二乗に比例、X=(Ta×Tb)の二乗に比例、収縮時間における規格化エネルギに反比例の関係を有することが分かる。
また、規格化最低圧力値hbについて、XY=一定値となる関係式を探索すると、その試行錯誤から、規格化最低圧力値hbと、実際の侵襲法によって測定された最低血圧値PLの間の関係式YLは、YL=[{N2×Sb/(Sa+Sb)}/(PL×hb)-1/2]がXYL=B(一定値)となることが分かった。Bは、XYL=Bの一定値であり、Nは脈拍数である。この関係式を書き直すと、PL=[N4×{Sa/(Sa+Sb)2]/([B2×(Ta×Tb)-2×hb]となり、PLは、Nの四乗に比例、hbに比例、X=(Ta×Tb)の二乗に比例、拡張時間における規格化エネルギの二乗に比例の関係を有することが分かる。
理想的には、XYH=A,XYL=Bとなるように関係式YH,YLを探索することがよいが、脈波センサの特性や、変換過程によっては、YHやYLがXに対しきれいな反比例の関係にまとまらないことがある。統計処理の相関係数からはある程度のばらつきは許される。そこで、YHα=A、YLβ=Bを満たす関係式YH,YLでもα,βが1に近い場合には、その関係式を用いてもよい。α,A,β,Bは、脈波センサ等によって異なる係数である。
上記では、脈波センサとして、人体の表面に発光素子によって光を入射し、反射した光を受光素子で受光する反射型受発光センサを説明した。これに代えて、人体に向けて発光素子によって光を入射し、透過した光を受光素子で受光する透過型受発光センサを用いてもよい。また、受発光素子に代えて、人体に向けて超音波振動子によって超音波を入射し、反射した超音波を振動検出素子で検出する超音波プローブを用いてもよい。
これらのように、波形入力部と波形検出部を有するセンサを用いる場合には、位相シフト法を利用できる。例えば、超音波型の脈波センサとして、超音波プローブを用いる場合には、振動検出素子に増幅器を接続し、増幅器の出力端子と超音波振動子との間に位相シフト回路を配置し、人体の血流部と振動検出素子と増幅器と位相シフト回路と超音波振動子とで構成される自励発振回路の発振周波数の中心周波数をデフォルト周波数に調整する周波数調整部を備える構成とすることができる。
この他に、位相シフト法を用いない単純なセンサを脈波センサとして用いることもできる。例えば、変位センサ、振動検出センサ等、脈波波形を検出するものであれば、脈波センサとして用いることができる。脈波センサが代わっても、YH,YLの関係式は変化しない。変更が必要なのは、α,A,β,Bである。換言すれば、α,A,β,Bを変更するだけで、様々な脈波センサを用いることができる。
上記では、生体として人体の場合を述べたが、人体以外の生体であっても、血管の収縮と拡張とによって脈波波形が形成されるものであれば、上記のように規格化最大圧力値haと規格化最低圧力値hbとを侵襲法による最大血圧値PHと最低血圧値PLとに関連付ける関係式YH,YLを求めることができる。生体の種類が異なれば、血液循環系の構成が異なるので、関係式YH,YLは人体の場合と異なる関係式となる。人体と異なる生体としては、牛、馬、羊等の家畜、象、鹿、ライオン、トラ、キリン等の野生動物等が挙げられ、これらに脈波センサを取り付けて、これらの血圧のモニタリングを行うことができる。
上記では、血圧測定装置として、脈波センサと表示装置とを一体化した専用装置を説明した。脈波センサは表示装置と分離することができる。また、表示装置としては、多くの電気機器がディスプレイを有するので、そのディスプレイを利用することができる。図13から図15は、図1で説明した血圧測定装置とは異なる構成の例を示す図である。
図13は、携帯電話のディスプレイを表示装置として利用する応用例を示す図である。図13(a)は、血圧測定装置内蔵型の携帯電話100を示す図である。この携帯電話100は、図1で説明した測定押しボタン型の脈波センサ102を側面に備える。被検査者はこの脈波センサ102に指先9を押し当てて、測定押しボタンを押圧することで、図1で説明した内容と同様に、脈波波形F1を取得し、携帯電話100の内部に設けられた制御部の作用によって一周期波形を算出し、基本パラメータ、2次パラメータを算出し、これに基づいて最大血圧値PHと最低血圧値PLを算出して、携帯電話100のディスプレイ104に表示する。
図13(b)は、脈波センサ分離型の携帯電話106を示す図である。ここでは、携帯電話106に接続可能なジャック端子108を有し、そこから延びる信号線110の先端に測定押しボタン型の脈波センサ112が設けられる。ジャック端子108は携帯電話106から着脱可能である。携帯電話106の内部には、図13(a)の携帯電話100と同様に脈波センサ112から取得した脈波波形F1を一周期の脈波波形F2に変換する機能を有するので、脈波センサ112が固定型でないために生じる脈波波形の傾斜等を補正することができる。一周期の脈波波形F2に基づいて算出された最大血圧値PHと最低血圧値PLは、携帯電話106のディスプレイ104に表示される。また、携帯電話106のカバー等にジャック端子108等を設け、カバーと携帯電話106とを信号線で接続するようにしてもよい。
携帯電話でなくても、マイクロプロセッサを内蔵しディスプレイを有する端末装置であれば、図13(a),(b)と同様な構成が可能である。例えば、携帯電話に代えてタブレット端末を用いることができる。さらに、パーソナルコンピュータを用いることができる。図14は、パーソナルコンピュータ114に無線送受信部116を持たせて、脈波センサ部分と無線通信で接続する例を示す図である。ここでは、パーソナルコンピュータ114と分離し別体型の血圧測定装置118が用いられる。
別体型の血圧測定装置118は無線送受信部120を有し、パーソナルコンピュータ114の無線送受信部116とデータの送受信が可能である。無線送受信方式としては、実用化されているBlueTooth(登録商標)等の方式を用いることができる。別体型の血圧測定装置118は、図1の血圧測定装置10において、表示部90周辺の機能を除く機能を有する。表示部90の機能は、パーソナルコンピュータ114のディスプレイが果たす。別体型の血圧測定装置118は、図13(b)のジャック端子108と同様の脈波センサ接続端子を設けることができる。図14の例では、光ファイバ接続端子122を設け、これに接続される医療用光ファイバ124の先端部126に、光送出ファイバの先端と光受光ファイバの受光端を設ける。これによって、例えば、人体の内部における血管の脈波波形F1を取得することができる。
図15は、装着型の血圧測定装置128を示す図である。図15(a)は装着前の状態の血圧測定装置128を示す図で、(b)は人体の指先9に装着した状態の血圧測定装置128を示す図である。装着型の血圧測定装置128は、細長いバンド状の部材130に測定ボタン132と表示部134を設けたものである。バンド状の部材130は、両端部を合わせて接続することで環状とできる柔軟性を有する材料で構成される。測定ボタン132と表示部134は、バンド状の部材130に対し、互いに表裏の関係で配置される。装着時には、測定ボタン132を指先9の表面に接触するようにする。
図15の形態の応用例として、装着型の血圧測定装置128の表示部134の代わりに、図14で説明した送受信部を設けることで、遠隔的な血圧測定が行える。その場合には、バンド状の部材130に代えて、人体表面に装着側の面に接着材を設けることがよい。接着材としては、感圧接着材を用いることができる。これによってパッチ型の送受信機能付き脈波センサとなる。このパッチ型の送受信機能付き脈波センサは、人体だけでなく、家畜、野生動物等にも取り付けることができ、これらの血圧モニタリングを行うことができる。
本発明に係る血圧測定装置は、人体の血圧測定に用いることができる。
6 交点、8 掌、9 指先、10,118,128 血圧測定装置、12 筐体、14 測定面、16 案内穴、20,132 測定ボタン、22 ボタン本体、24 圧縮バネ、26 スイッチ押下棒、28 透光板、30 発光素子(脈波センサの一部)、32 受光素子(脈波センサの一部)、34 遮光部、36 スイッチ、40 回路ブロック、44 バイアス回路、50 脈波測定回路、52,54,62,64 端子、56 DCカットコンデンサ、58 増幅器、60 位相シフト回路、70 制御部、72 周波数調整部、74 一周期波形算出部、76 基本パラメータ算出部、78 2次パラメータ算出部、80 血圧算出出力部、82 記憶部、84 係数ファイル、90,134 表示部、92 プリンタ部、100,106 携帯電話、102,112 脈波センサ、104 ディスプレイ、108 ジャック端子、110 信号線、114 パーソナルコンピュータ、116,120 無線送受信部、122 光ファイバ接続端子、124 医療用光ファイバ、126 先端部、130 バンド状の部材。

Claims (9)

  1. 生体における血流の脈波波形を検出する脈波センサと、
    生体における血流の一周期の時間T秒の脈波波形について、血管収縮時間Taの間における脈波波形の時間積分値Saと血管拡張時間Tb=(T−Ta)の間における脈波波形の時間積分値Sbとを用いて、
    血管収縮時間Taにおける規格化最大圧力値ha=(規格化時間積分値/規格化血管収縮時間)と、
    血管拡張時間Tbにおける規格化最低圧力値hb=(規格化時間積分値/規格化血管収縮時間)と、
    を算出する規格化圧力値算出手段と、
    算出された規格化最大圧力値と規格化最低圧力値とに基づいて、最大血圧値と最低血圧値とを算出して出力する血圧算出出力部と、
    を備えることを特徴とする血圧測定装置。
  2. 人体における血流の脈波波形F1を検出する脈波センサと、
    脈波波形F1について繰り返し単位となる一周期の波形について、時間経過に対する傾斜を補正し、傾斜補正された一周期の脈波波形F2を求める一周期波形算出部と、
    一周期の脈波波形F2について、一周期の時間T秒と、一周期の開始時点を時間原点として脈波波形F2が最高値となる時間Ta秒と、Tb=(T−Ta)秒と、時間原点から時間Ta秒までの脈波波形F2の時間積分値Saと、時間Taから一周期の終了時点である時間Tまでの脈波波形F2の時間積分値Sbを、基本パラメータとして算出する基本パラメータ算出部と、
    基本パラメータを用い、60秒当たりの脈拍数N=(60/T)と、Taの期間の規格化最大圧力値としてのha=[2{Sa/(Sa+Sb)}/{Ta/(Ta+Tb)}]と、Tbの期間の規格化最低圧力値としてのhb=[2{Sb/(Sa+Sb)}/{Tb/(Ta+Tb)}]を算出する2次パラメータ算出部と、
    侵襲法またはマンシェット法によって得られる最大血圧値と脈波波形F2に基づいて算出される規格化最大圧力値との間を関連づける係数A,αと、侵襲法またはマンシェット法によって得られる最低血圧値と脈波波形F2に基づいて算出される規格化最低圧力値との間を関連づける係数B,βを予め求めて記憶する記憶部と、
    H={N4×(ha)2}/[A2×(Ta×Tb)-2α×{Sa/(Sa+Sb)}]を脈波波形F2に基づく最大血圧値PHとして算出して出力し、PL=[N4×{Sb/(Sa+Sb)}2]/[B2×(Ta×Tb)-2β×(hb)]を脈波波形F2に基づく最低血圧値PLとして算出して出力する血圧値出力部と、
    を備えることを特徴とする血圧測定装置。
  3. 請求項2に記載の血圧測定装置において、
    脈波センサは、
    人体の表面に発光素子によって光を照射し、反射した光を受光素子で受光する反射型光脈波センサであり、
    受光素子の出力端子に接続される増幅器と、
    増幅器の出力端子と発光素子の入力端子との間に配置され、発光素子の入力波形と受光素子の出力波形との間の位相の変化を周波数の変化に変換する位相シフト回路と、
    人体の血流部と受光素子と増幅器と位相シフト回路と発光素子とで構成される自励発振回路の発振周波数の中心周波数を予め定めたデフォルト周波数に調整する周波数調整部と、
    を備えることを特徴とする血圧測定装置。
  4. 請求項2に記載の血圧測定装置において、
    脈波センサは、
    人体の表面に超音波振動子から超音波を入射し、反射した超音波を振動検出素子で受ける超音波型光脈波センサであり、
    振動検出素子の出力端子に接続される増幅器と、
    増幅器の出力端子と超音波振動子の入力端子との間に配置され、超音波振動子の入力波形と振動検出素子の出力波形との間の位相の変化を周波数の変化に変換する位相シフト回路と、
    人体の血流部と振動検出素子と増幅器と位相シフト回路と超音波振動子とで構成される自励発振回路の発振周波数の中心周波数を予め定めたデフォルト周波数に調整する周波数調整部と、
    を備えることを特徴とする血圧測定装置。
  5. 請求項3または4に記載の血圧測定装置において、
    位相シフト回路の動作中心周波数は、デフォルト周波数と異なる周波数に設定されることを特徴とする血圧測定装置。
  6. 請求項2に記載の血圧測定装置において、
    Aの値は、100〜400の範囲の値、αの値は0.7〜1.2の範囲の値、Bの値は、20〜80の範囲の値、βの値は0.7〜1.2の範囲の値であることを特徴とする血圧測定装置。
  7. 請求項6に記載の血圧測定装置において、
    Aの値は、200〜270の範囲の値、αの値は1、Bの値は、20〜60の範囲の値、βの値は1であることを特徴とする血圧測定装置。
  8. 請求項2に記載の血圧測定装置において、
    人体の掌を置くための測定面を有する測定台と、
    測定台に設けられる案内穴に案内され、付勢手段によって測定面より突き出すように付勢され、人体の指先で押されることで測定面に対し予め定めた方向に移動可能な測定ボタンと、
    を備え、
    発光素子と受光素子は、測定ボタン内に収納され、発光素子の発光面と受光素子の受光面は、測定面の側を向き、受光素子の入射光軸と受光素子の受光光軸との交点が測定ボタンの上面に対し予め定めた高さ位置に設定されることを特徴とする血圧測定装置。
  9. 請求項8に記載の血圧測定装置において、
    測定ボタンが押し下げられることを検出して、脈波センサが作動開始することを特徴とする血圧測定装置。
JP2016511167A 2014-04-01 2014-04-01 血圧測定装置 Active JP6339178B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2014/001910 WO2015151132A1 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 血圧測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015151132A1 true JPWO2015151132A1 (ja) 2017-04-13
JP6339178B2 JP6339178B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=54239510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016511167A Active JP6339178B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 血圧測定装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6339178B2 (ja)
WO (1) WO2015151132A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4039181A4 (en) * 2020-12-09 2022-08-10 Shenzhen Goodix Technology Co., Ltd. BIOLOGICAL CHARACTERISTIC INFORMATION DETECTION APPARATUS AND ELECTRONIC DEVICE

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017070630A (ja) * 2015-10-09 2017-04-13 株式会社デンソー 血圧測定装置
CN106983499A (zh) * 2016-01-21 2017-07-28 原相科技股份有限公司 光学式血压检测装置及其操作方法
CN105796057A (zh) * 2016-03-02 2016-07-27 京东方科技集团股份有限公司 电子设备、电子设备系统、信息处理方法和信息提示方法
JP2018143582A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 株式会社エー・アンド・デイ 血圧測定装置
KR102517692B1 (ko) 2018-02-05 2023-04-03 삼성전자주식회사 혈압 측정 장치 및 방법
KR102631709B1 (ko) 2018-09-18 2024-01-31 삼성전자주식회사 생체신호 획득 장치 및 방법과, 생체정보 추정 장치

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5533511A (en) * 1994-01-05 1996-07-09 Vital Insite, Incorporated Apparatus and method for noninvasive blood pressure measurement
JP2002320593A (ja) * 2001-04-26 2002-11-05 Tauzaa Kenkyusho:Kk 動脈血圧測定方法および動脈血圧測定装置
JP2006212095A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 K & S:Kk 光電センサ、血圧測定装置
WO2010089893A1 (ja) * 2009-02-09 2010-08-12 株式会社タウザー研究所 血管脈波測定システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5533511A (en) * 1994-01-05 1996-07-09 Vital Insite, Incorporated Apparatus and method for noninvasive blood pressure measurement
JP2002320593A (ja) * 2001-04-26 2002-11-05 Tauzaa Kenkyusho:Kk 動脈血圧測定方法および動脈血圧測定装置
JP2006212095A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 K & S:Kk 光電センサ、血圧測定装置
WO2010089893A1 (ja) * 2009-02-09 2010-08-12 株式会社タウザー研究所 血管脈波測定システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4039181A4 (en) * 2020-12-09 2022-08-10 Shenzhen Goodix Technology Co., Ltd. BIOLOGICAL CHARACTERISTIC INFORMATION DETECTION APPARATUS AND ELECTRONIC DEVICE

Also Published As

Publication number Publication date
JP6339178B2 (ja) 2018-06-06
WO2015151132A1 (ja) 2015-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6339178B2 (ja) 血圧測定装置
US20210307692A1 (en) Apparatus and method for measuring biometric information
JP5855004B2 (ja) 腕部装着式血圧計
EP2786702B1 (en) Physiology signal sensing device
JP5098721B2 (ja) 血圧測定装置、血圧導出プログラムおよび血圧導出方法
CN113520357B (zh) 一种血压测量装置及方法
KR20170124943A (ko) 심혈관 특성 추출 장치 및 방법
WO2009139083A1 (ja) 脈拍異常検出装置
US20190209031A1 (en) Blood pressure measuring device, blood pressure measuring method and recording medium having blood pressure measuring program recorded therein
JP5742520B2 (ja) 生体情報処理装置及び生体情報処理方法
US20210169347A1 (en) Pulse transit time measurement device and blood pressure measurement device
JP7124552B2 (ja) 測定装置
CN110381819B (zh) 生物信息测定装置和存储介质
US11147461B2 (en) Blood pressure analyzing apparatus, blood pressure measuring apparatus, and blood pressure analyzing method
CN108778110B (zh) 可卷曲生物统计测量设备
JP2018153250A (ja) 血圧測定装置、方法及びプログラム
JP2004321253A (ja) 脈波伝播速度情報測定装置
US20210386305A1 (en) Apparatus and method for estimating blood pressure
US20180206736A1 (en) Blood pressure measurement device and method
EP3222211A1 (en) Blood pressure measurement device and method of blood pressure measurement
JP6837881B2 (ja) 生体情報測定装置、方法及びプログラム
CN112584763B (zh) 测定装置
WO2023013720A1 (ja) 生体情報測定装置および生体情報処理システム
JP6710318B2 (ja) 生体情報測定装置、方法及びプログラム
GB2415045A (en) Measuring fitness using pulse wave transit time

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180509

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6339178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250