JPWO2015147147A1 - 生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法及びそのための装置 - Google Patents

生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法及びそのための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、生物学的試料の環境への暴露時間を可能な限り短縮することができ、かつ生物学的試料に与えるダメージが少ない、新たな生物学的試料の固定手段を提供することを目的とするものである。【解決手段】本発明は、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法であって、混合されることでハイドロゲルが形成される溶液1と溶液2とを用意する工程A、並びに前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む、前記方法を提供する。本発明によれば、生体適合性の高いハイドロゲルで生物学的試料を高速固定することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、タンパク質結晶、細胞、生体組織その他の生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法、及びその方法を行うための装置に関する。
タンパク質、タンパク質結晶、細胞、生体組織、核酸その他の生物学的試料は、一般に乾燥や高温などに対して不安定である。この様な生物学的試料を、本来の機能を保ったまま安定に保護し、かつ測定や解析にほとんど影響を与えないように簡便に固定する方法は、基礎的研究から応用的研究のあらゆる段階において重要な基礎技術であり、かかる技術に対するニーズは依然として高い。
生物学的試料を固定する方法の1つとして、生物学的試料に与える物理的又は化学的なダメージが少ないハイドロゲルの利用が挙げられる。例えば、特許文献1では、タンパク質結晶をアガロース等のハイドロゲルの中で形成させることが提案されている。また、特許文献2には、ゼラチンと極性アミノ酸とを含む細胞組織の長期保存及び増殖のためのヒドロゲル基質が提案されている。また、アルギン酸ナトリウムは、生体適合性に優れるハイドロゲルとして広く用いられている。
しかし、ハイドロゲル化は通常、生物学的試料の固定に求められる強度を有するまでに少なくとも分単位の時間を必要とする。この様な分単位のハイドロゲル化は、可能な限り短時間に固定を完了させることが求められる場合、例えば細胞を生きたまま立体的に配列させる場合、あるいはタンパク質結晶を崩壊させることなく固定する場合には不利である。
また、生体適合性に優れるアルギン酸ナトリウムは、モノマーの粘性が高い一方でゲルの強度が弱いこと、ゲル化に高濃度のカルシウムイオンを必要とすることなどの問題を有する。特に、カルシウムイオンは細胞の信号伝達に関与するイオンであるため、これを高濃度に含むハイドロゲルによる細胞の固定は、望ましくない影響を与え得る。
一方、単にハイドロゲル化に要する時間を短縮することは、一般的には高濃度のラジカルを存在させること又はハイドロゲルモノマーの混合物を加温することなどによって可能である。しかし、殆どのラジカル及び加温処理は、生物学的試料にとって有害であり得る。
国際公開第2009/091053号 特表2002−520013号公報
本発明は、生物学的試料を可能な限り短時間で固定することができ、かつ生物学的試料に与えるダメージが少ない、生物学的試料を固定する方法を新たに提供することを目的とするものである。
本発明者らは、ハイドロゲルを形成するモノマーを適切に選択して組み合わせ、これらを微小液滴の状態で接触させることで、さらに液滴の接触時にハイドロゲル化促進剤を共存させることで、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定することができることを見いだし、下記の各発明を完成させた。
(1)生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法であって、混合されることでハイドロゲルが形成される溶液1と溶液2とを用意する工程A、並びに前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む、前記方法。
(2)工程Aが、ハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せの一方を含む溶液1と他方を含む溶液2とを用意する工程である、(1)に記載の方法。
(3)溶液1及び/又は溶液2がハイドロゲル化促進剤をさらに含む、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)工程Aが、ハイドロゲルを形成する1種のモノマーを含む溶液1と、前記モノマーに対するハイドロゲル化促進剤を含む溶液2とを用意する工程である、(1)に記載の方法。
(5)工程Aが、ハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せを含む溶液1と前記モノマーに対するハイドロゲル化促進剤を含む溶液2とを用意する工程である、(1)に記載の方法。
(6)工程Bが、液体吐出ノズルから吐出させた溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)生物学的試料がタンパク質結晶である、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)溶液1及び/又は溶液2が生物学的試料を含む溶液である、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(9)モノマーが多分岐ポリアルキレングリコール誘導体である、(2)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)生物学的試料を保持する手段、混合されることでハイドロゲルが形成される2種の溶液の液滴を前記保持手段に保持された生物学的試料にそれぞれ吐出させるための少なくとも2つの吐出ノズル、並びに前記保持手段及び/又は吐出ノズルの位置を自動調節する手段を備える、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定するための装置。
(11)前記自動調節手段が、前記保持手段中の生物学的試料の位置を光学的に検出する手段、前記検出手段からの検出信号を解析して生物学的試料の表面で液滴を接触させるための前記保持手段の位置及び/又は吐出ノズルの位置を決定する手段、並びに決定された位置に前記保持手段及び/又は吐出ノズルを移動させる手段を含む、(10)に記載の装置。
本発明によれば、ハイドロゲルで生物学的試料を極めて短時間に固定することができる。また、液滴を接触させる位置を制御しながら連続的に移動させることにより、ハイドロゲルで固定された生物学的試料を含む立体成形物を調製することができる。
ハイドロゲルで生物学的試料を高速固定するための装置の全体の概略図である。図中の符号は、1及び2がインクジェットノズル、3が回転モータ、4が生物学的試料の保持具、5がインクジェットノズルの位置を移動させるためのリニアステージ、6が保持具及び回転モータを移動させるためのXYステージ、7がリニアステージ又はXYステージの駆動モータ、8がCCDカメラ、9が溶液を吸引及び/又は排出するポンプ、10がコントロールユニットを、それぞれ表す。 ハイドロゲルで生物学的試料を高速固定するための装置の中心部を表す概略図である。図中の符号は、1及び2がインクジェットノズル、3が回転モータ、4が生物学的試料の保持具、5がリニアステージ、及び6がXYステージを表す。 保持具であるMounted LithoLoops上に固定されたリゾチーム結晶の拡大写真である。パネルA及びBは保持具とその上に固定化された結晶を上から及び横からそれぞれ写したものである。
本発明は、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法であって、混合されることでハイドロゲルが形成される溶液1と溶液2とを用意する工程A、並びに前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む、前記方法に関する。
本発明において固定される対象となる生物学的試料としては、数mm四方以下の大きさの生体組織、その断片若しくは切片(以下、これらを生体組織等とする)、分離細胞、真菌又は細菌、ミトコンドリア、小胞体又は細胞核などの細胞内オルガネラ、核酸又はタンパク質などの生体高分子などを挙げることができる。
本発明の方法の好適な対象は細胞又はタンパク質であり、特に好ましい対象はタンパク質結晶である。なお、かかる生物学的試料は、水又は適当な緩衝液等の溶媒に懸濁された状態にあるものを好ましい例として含む。従って、本発明はかかる溶媒に懸濁された状態の生物学的試料をハイドロゲルで固定する方法も含むものである。
本発明にいう高速とは、混合されることでハイドロゲルが形成される溶液1の液滴と溶液2の液滴とが接触してからハイドロゲルが形成されるまでに要する時間が少なくとも10秒以内、好ましくは5秒以内、より好ましくは3秒以内、さらに好ましくは1秒以内であることをいう。また固定には、生物学的試料の全部がハイドロゲルで覆われて固定されること及びその一部がハイドロゲルで覆われて固定されることが含まれる。一部が固定される例としては、生物学的試料の一部とその他の物との間にハイドロゲルが形成される結果、生物学的試料が前記物に固定される場合を挙げることができる。
本発明にいう固定は物を動かなくするという広い意味で用いられ、具体的には、細胞、オルガネラ、タンパク質結晶などの生物学的試料を、それらの生物学的又は生化学的機能を保持したまま、ハイドロゲルによって所望の位置から動かなくすることを含む。生物学的な標本を作製する際に、自己分解や腐敗による劣化から保護するために、パラフィン又はホルマリンなどを用いてあらゆる生化学反応を停止させ、生物試料の保存性を高めることも固定と呼ばれるが、本発明における固定はかかる狭義の意味には限定されない。
本発明の好ましい態様の一つは、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法であって、ハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せの一方を含む溶液1と他方を含む溶液2とを用意する工程A、並びに前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む、前記方法である。
ハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せとは、対になって架橋構造を形成する官能基がそれぞれ別々に導入され、当該官能基間の架橋反応によりハイドロゲルが形成されるモノマーの組合せである。
本態様における溶液1は、前記組合せの一方を含み、溶液2は前記組合せの他方を含むものであるが、それぞれの溶液はハイドロゲルを形成するモノマーの別の組合せをさらに含んでいてもよい。すなわち1つの溶液が1つのモノマーを含む一溶液一溶質の形態に加え、1つの溶液が二以上の溶質を含む一溶液多溶質の形態も、一溶液中で望ましくない現象が生じない限り、本発明における溶液として利用可能である。
また、本態様ではハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せの一方を含む溶液1と他方を含む溶液2とを利用するが、これらの2種類の溶液のみを利用することを意味するものではない。したがって、ハイドロゲルの形成が損なわれない限り、ハイドロゲルを形成するモノマーの別の組合せを含む溶液をさらに追加して利用してもよい。すなわち、溶液の組合せは1つ又は複数であってもよく、溶液1及び溶液2に含まれる組合せとは別の組合せのモノマーその他の物質を含む、溶液1及び溶液2とは別の溶液を溶液1及び2とともに使用する実施形態も本態様に含まれる。
対になって架橋構造を形成する異なる2種の官能基は、いわゆるクリック反応が生じる官能基の組合せであり、例えばチオールマイケル付加反応(Devathaら、Chem.Mater.、2014年、第26巻、724−744ページ)が生じる官能基の組合せ、例えばチオール基とマレイミド基、カルボキシル基、ビニルスルホン基、α,β不飽和アクリレート基、α,β不飽和メタクリレート基、α,β不飽和アクリルアミド基又はα,β不飽和メタクリルアミド基との組合せ、カルボキシル基とアミノ基との組み合わせなどを挙げることができる。
ハイドロゲルを形成することのできるモノマーとしては、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシブチルメタアクリレート)などの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートに官能基が導入された誘導体、ポリ(メトキシポリエチレングリコールアクリレート)、ポリ(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート)などのポリエチレングリコール鎖を含有するポリ(メタ)アクリレートに官能基が導入された誘導体、ポリ(2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリン)などのリン脂質類似構造を有するリン酸基含有ポリメタクリレートに官能基が導入された誘導体、及びポリ(アリルアミン)などのアミノ基含有ポリマーに官能基が導入された誘導体などの、生体適合性高分子モノマーが例示される。また、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸等の天然多糖類又はそれらの塩若しくは変性体などに官能基が導入された誘導体も利用可能である。
前記の官能基をモノマーに導入する方法は官能基ごとに公知であり、例えばカルボキシル基及びアミンの場合には、Sakaiら(Macromolecules、2008年、第41巻、5379−5384ページ)に記載された方法を利用することができる。
本発明で利用可能なモノマーの組合せの1つは、特表2010−532396号公報に記載された、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸その他の生体適合性高分子にチオール基を導入した生体適合性高分子チオール化誘導体と、チオール基反応性官能基を含む多分岐ポリエチレングリコール誘導体との組合せである。特表2010−532396号公報の教示に従い、各誘導体を含む溶液の性質を調節し、酸アルカリを選択的に加えて反応性混合物溶液のpH値を調節することにより、ゲル化を10秒以下、特に数秒間で行うことができる。
本発明で利用可能なモノマーの組合せのもう一つは、多分岐ポリアルキレングリコール誘導体、好ましくはチオール基を含む多分岐ポリエチレングリコール(PEG)誘導体とチオール基反応性官能基を含む多分岐PEG誘導体との組合せである。
かかる多分岐PEG誘導体の組合せは、例えば日油株式会社から市販されているSUNBRIGHTシリーズのSHシリーズ(チオール基を有する多分岐PEG誘導体)とMAシリーズ(マレイミド基を有する多分岐PEG誘導体)との組合せ、PAシリーズ(アミンを有する多分岐PEG誘導体、例えばPTE−150PA又はHGEO−150PAなど)とHSシリーズ(スクシニミジルカルボキシペンチル基を有する多分岐PEG誘導体)、GSシリーズ(スクシニミジルグルタレート基を有する多分岐PEG誘導体)又はCSシリーズ(スクシニミジルスクシネート基を有する多分岐PEG誘導体)との組合せ、NPシリーズ(p−ニトロフェニルカルボネート基を有する多分岐PEG誘導体、例えばHGEO−200NP)と前記PAシリーズとの組合せなどを挙げることができる。
なお、PEGの分岐数と置換基の種類には特別な制限はない。したがって、市販されている多分岐PEG誘導体には見られない構造、例えばマレイミド基を有する8分岐PEG誘導体又はチオール基を有する6分岐PEG誘導体などは、市販されている多分岐PEG誘導体の合成法に準じて任意に調製することができるが、本発明ではこの様な多分岐PEG誘導体も利用可能である。
本発明では、特にハイドロゲル化促進剤、すなわち重合開始剤又は重合促進剤などのハイドロゲルの形成を促進することのできる物質をモノマーの置換基に応じて選択し、利用することが好ましい。ハイドロゲル化促進剤としては、架橋反応がチオール基とマレイミド基との間で行われる場合にはTEMED、Tris、リン酸水素2ナトリウムなどを挙げることができる。少なくとも2種のモノマーの組合せの一方を含む溶液1と他方を含む溶液2とを利用する上記の態様において、ハイドロゲル化促進剤は、一方又は両方の溶液に含まれていてもよい。
本発明における別の好ましい態様は、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法であって、ハイドロゲルを形成する1種のモノマーを含む溶液1と、前記モノマーに対するハイドロゲル化促進剤を含む溶液2とを用意する工程A、並びに前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む、前記方法である。
自身が単独でハイドロゲルを形成することができるモノマーを利用するときは、かかるモノマーを含む溶液1と、そのモノマーに対する重合開始剤又は重合促進剤などのハイドロゲル化促進剤を含む溶液2を用意し、溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させることでも、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定することができる。そのようなモノマーの例としてはチオール基を有する多分岐PEG誘導体を、またこれらモノマーに対するハイドロゲル化促進剤の例はテトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を挙げることができる。
本発明におけるさらに別の態様は、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法であって、ハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せを含む溶液1と前記モノマーに対するハイドロゲル化促進剤を含む溶液2とを用意する工程A、並びに前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む、前記方法である。
単に混合されるだけではハイドロゲルが形成されない又は形成しにくい2種のモノマーを利用するときは、かかる2種のモノマーを含む溶液1と、それらのモノマーによるハイドロゲル形成に対する重合開始剤又は重合促進剤などのハイドロゲル化促進剤を含む溶液2を用意し、溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させることでも、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定することができる。そのような2種のモノマーの組合せの例としてはチオール基を有する多分岐PEG誘導体とマレイミド基を有する多分岐PEG誘導体の組み合わせを、またこれらモノマーに対するハイドロゲル化促進剤の例はテトラメチルエチレンジアミン(TEMED)、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)、リン酸水素2ナトリウムを挙げることができる。なお、2種のモノマーを含む溶液1には、ハイドロゲル化に対する阻害剤を同時に含ませる、又はハイドロゲル化しないpHに調節するその他の、溶液2との接触前に溶液1内でハイドロゲルが形成されない条件を付加しておくことが好ましい。
本発明では、上記モノマーは溶液、特に水溶液の形態で使用される。溶液のpHは、適当な酸、アルカリ又はこれらと緩衝剤によって、溶液同士が接触する際のpHが、モノマーのゲル化反応に好適なpHとなるように調節されることが望ましい。ハイドロゲル化促進剤を利用する場合も同様である。チオール基を有する多分岐PEG誘導体とマレイミド基を有する多分岐PEG誘導体との組合せの場合には、溶液同士が接触する際のpHは5〜8の範囲内、好ましくはpH6.5〜7.5の範囲内となるように調節されることが好ましい。特にチオールマイケル付加反応の場合には、溶液同士が接触する際のpHは7以上であることが好ましい。さらに溶液は、高速ゲル化を妨げない範囲で塩化ナトリウムその他の塩、等張化のための糖類などの任意の成分を含んでいてもよい。
溶液中のモノマーの濃度は、用いられる組合せにおいて高速ゲル化が可能となる濃度以上であることが必要であるが、いずれの組合せの場合でも下限は5重量%以上であればよく、ハイドロゲル化促進剤を用いるときは下限を3重量%以上、又は1重量%以上とすることもできる。一方、濃度の上限は吐出する液滴の体積に依存するが、本発明では30重量%以下、好ましくは20重量%以下であればよい。
本発明は、前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む。
工程Bの好ましい態様のひとつは、適当な保持具で支持された生物学的試料に対して、前記溶液1の液滴と溶液2の液滴とを生物学的試料の表面で接触させることで、生物学的試料の全部又は一部をハイドロゲルで固定する方法である。
溶液は、一滴が数十ピコリットル(pL)〜1μLの範囲の量(体積)である液滴として、適当な液体吐出ノズルから吐出されることが好ましい。例えば、適当な保持部材の上に置かれたタンパク質結晶の一部を、タンパク質結晶が保持部材に固定されるようにハイドロゲルで高速固定するときは、一滴当たりの体積が50〜200pLである液滴をタンパク質結晶に向けて吐出することが好ましい。かかる微量の液滴は接触後短時間で混ざりあうことができ、より短時間でハイドロゲルを形成させることができる。ただし、大きな生物学的試料を固定するとき又は細胞が含まれる液滴の場合は、吐出される液滴の一滴当たりの体積はより大きいものであってもよい。
液体吐出ノズルとしては、上記の液滴を吐出できるものであれば、プランジャー式、エアー圧送式、スクリューバルブ式などの液体吐出ノズルのいずれも利用することができる。また、マイクロインジェクターや低容量自動ピペッターなども利用可能である。
本発明の目的において特に好ましい液体吐出ノズルは、インクジェットノズルである。一滴が数十ピコリットル(pL)〜1μLの範囲の量(体積)の液滴を吐出するためのノズルとしては、ピエゾ素子を有するインクジェットノズル又は加熱式のインクジェットを利用することができるが、ピエゾ素子を有するインクジェットノズルの使用がより好ましい。
また、2つの溶液の液滴は、生物学的試料の表面上若しくはその直近で液滴同士が接触するように、方向及び吐出ノズルと接触位置との間の距離を調節して吐出される。
工程Bの別の好ましい態様は、前記溶液1及び溶液2の液滴と、生物学的試料例えば細胞を含む溶液3の液滴とを、実質的に同時に又は連続して一点に向けて吐出し、これら溶液を接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法である。
この態様において、溶液を接触させる位置を制御しながら連続的に移動させることによって、生物学的試料がハイドロゲルで固定された成形物を製造することができる。また、異なる生物学的試料をそれぞれ含む複数の溶液を用意し、それらを吐出する順序又は接触させる位置などを適切に制御することで、異なる生物学的試料が制御された位置においてハイドロゲルで固定された立体成形物を製造することもできる。
生物学的試料への3−Dプリンタ技術の適用は、化学と生物、2013年、第512巻の特集、例えば中村ら(同巻、第30〜34ページ)、古川ら(同巻第36〜37ページ)を始め、様々な提唱がなされている。本発明の方法は、この様な積層造形型の3−Dプリンタ技術を利用することにより、簡便に行うことができる。具体的には、3−Dプリンタ技術で用いられるABS樹脂や光硬化性樹脂その他の立体物成形用材料を本発明にいうモノマー、好ましくは生体適合性モノマーの溶液に置き換え、所望の生物学的試料を含む溶液と合わせて吐出を制御することで、生物学的試料がハイドロゲルで固定された立体成形物を作製することができる。
工程Bのさらに別の好ましい態様は、溶液1と溶液2の一方又は両方に生物学的試料、例えば細胞を含ませておき、これら溶液1と溶液2の液滴を一点に向けて吐出して接触させることで生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法である。
この態様においても、溶液を接触させる位置を制御しながら連続的に移動させることによって、生物学的試料がハイドロゲルで固定された成形物を製造することができる。また、異なる生物学的試料をそれぞれ含む溶液を複数用意し、それらの液滴を吐出する順序又は接触させる位置などを適切に制御することで、異なる生物学的試料が制御された位置においてハイドロゲルで固定された立体成形物を製造することもできる。この様な成形物の製造もまた、前記のような3−Dプリンタ技術を利用することにより、簡便に行うことができる。
なお、生物学的試料を含む溶液の液滴を吐出させる場合には、その溶液は、モノマーによる高速ハイドロゲル化を妨げない範囲において、生物学的試料を安定に保つことのできる適切な溶媒、典型的にはPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)などの生体適合性の高い緩衝液を基に調製されることが望ましい。その他、必要に応じて安定化剤、防腐剤などの任意成分を添加してもよい。
本発明は、生物学的試料を保持する手段、混合されることでハイドロゲルが形成される2種の溶液の液滴を前記保持手段に保持された生物学的試料にそれぞれ吐出させるための少なくとも2つの吐出ノズル、並びに前記保持手段及び/又は吐出ノズルの位置を自動調節する手段を備える、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定するための装置を提供する。特に、前記自動調節手段が、前記保持手段中の生物学的試料の位置を光学的に検出する手段、前記検出手段からの検出信号を解析して生物学的試料の表面で液滴を接触させるための前記保持手段の位置及び/又は吐出ノズルの位置を決定する手段並びに決定された位置に前記保持手段及び/又は吐出ノズルを移動させる手段を含む、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定するための装置を提供する。
前記装置の構成の一態様を例として図1及び図2に示す。図1は装置全体の概略図、図2は装置の中心部の概略図である。図1に示される装置は、タンパク質の結晶を固定化することを目的とした装置の例であり、インクジェットノズル1及び2、回転モータ3、保持具4、リニアステージ5、XYステージ6、駆動モータ7、CCDカメラ8、ポンプ9及びコントロールユニット10を含む。
本態様において、インクジェットノズル1及び2は、Z軸方向に稼働するリニアステージ5にとりつけられている。また、保持具4が回転軸に連結された回転モータ3は、X軸及びY軸方向に稼働するXYステージ6にとりつけられている。リニアステージ5及びXYステージ6は、コントロールユニット10の指令によってそれぞれのステージを移動させる駆動モータ7をそれぞれ含む。
インクジェットノズル1及び2には、溶液1及び2がそれぞれ充填された2つの容器からポンプ9によって溶液が送られ、インクジェットノズル1から溶液1の液滴が、インクジェットノズル2から溶液2の液滴がそれぞれ吐出される。なお、インクジェットノズルの先端と容器内の液面は垂直方向において同じ高さに配置されることが望ましい。
CCDカメラ8は、回転モータ3の回転軸に連結された保持具4の先端を撮影するように配置される。回転モータ3が駆動することで保持具4が回転し、生物学的試料の位置が複数の角度からCCDカメラ8によって撮影される。CCDカメラ8が撮影した画像データはコントロールユニット10に送られる。
コントロールユニット10は、プログラム制御によって、画像データとしてCCDカメラ8から送られる生物学的試料の詳細な位置情報を解析し、生物学的試料の表面で吐出された液滴が接触するように、インクジェットノズル1及び2並びに回転モータ3を移動させるための信号をリニアステージ5及びXYステージ6の駆動モータ7に送信する。また、試料の向きを調整する信号を回転モータ3に、溶液の吐出を行う信号をインクジェットノズル1及び2に、それぞれ送信する。
所定の位置に配置されたインクジェットノズル1及び2から、溶液1及び2の液滴がそれぞれ生物学的試料に向けて吐出され、生物学的試料の表面で接触することによってハイドロゲルの形成が開始される。また、吐出と共に、リニアステージ5、XYステージ6の駆動モータ7及び/又は回転モータ3を適宜駆動させることで、生物学的試料の表面上で液滴が接触する位置を微調整することができる。
生物学的試料を保持する手段は、挟む、すくう、穿刺する、吊す、載せるその他の方法によって、生物学的試料を保持することができる部材であればいずれでもよい。生物学的試料がタンパク質結晶である場合の当該手段の好ましい例はタンパク質結晶保持具であり、メッシュ構造を有するProtein Wave社のMounted LithoLoops(メッシュ径0.4Φ)、ループ構造を有するHampton Research製のMounted CryoLoopなどを挙げることができる。また、保持手段は、作業者がマニュアルで作業できるように独立した部材であってもよく、又は他の部材、例えば回転モータ3の回転軸などと一体的に成形されたものであってもよい。
吐出ノズルはインクジェットノズルであることが好ましく、吐出される液滴の液量に合わせ、市販のインクジェットノズルから適宜選択して利用すればよく、特殊な材質や形状などは特に必要ではない。好適な例としては、Microjet社のIJHDシリーズ(IJHD−100、IJHD−300など)を挙げることができる。
前記保持手段及び/又は吐出ノズルの位置を自動調節する手段は、前記保持手段及び/又は吐出ノズルの位置情報を基に、生物学的試料の表面で溶液1の液滴と溶液2の液滴とが接触するように、前記保持手段及び/又は吐出ノズルの位置を自動的に調節する手段である。前記自動調節手段の一態様は、前記保持手段中の生物学的試料の位置を光学的に検出する手段、前記検出手段からの検出信号を解析して生物学的試料の表面で液滴を接触させるための前記保持手段の位置及び/又は吐出ノズルの位置を決定する手段、並びに決定された位置に前記保持手段及び/又は吐出ノズルを移動させる手段を含む自動調節手段である。
検出手段は、保持具によって保持されている生物学的試料の位置を少なくともmmオーダー好ましくはμmオーダーで測定ないし識別できる程度の解像度及び感度を有している光学的検出機器であればよい。光学的検出機器は、撮影した画像データを検出信号として後に説明する空間位置決定手段に送信できるものであることが好ましく、典型的には当該光学的検出手段はCCDカメラであることが好ましい。ただしこれに限定されるものではなく、赤外線カメラその他の光学的検出機器を利用してもよい。
検出手段からの検出信号を解析して生物学的試料に液滴を吐出するための前記保持手段及び/又は吐出ノズルの位置を決定する手段は、典型的には高速演算プロセッサを有するコンピュータであるコントロールユニットである。当該決定手段であるコントロールユニットには、検出手段から送信される検出信号すなわち画像データを元に保持手段及び/又は吐出ノズルの生物学的試料に液滴を吐出するための位置を算出する処理と、その位置に向けて保持手段及び/又は吐出ノズルを移動させるための指令を以下に説明する移動手段に送信する処理とを行うプログラムが組み込まれる。
保持手段及び/又は吐出ノズルを移動させる手段は、前記決定手段からの指令に従って保持手段及び/又は吐出ノズルを3次元空間的に移動させることのできる駆動手段である。そのような駆動手段としては、電気モータその他の電気的に駆動するもの、油圧又は水圧等によって駆動するもの、圧搾空気等によって駆動するもの、その他の駆動手段を挙げることができる。本発明では、空間的位置すなわちX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向それぞれについて微調整が可能であり、また装置の組み立てが容易で装置全体を小型化しやすい電気的駆動手段、具体的にはリニアステージ、自動ステージ、サーボモータ又はステッピングモータを用いることが好ましい。また駆動手段により移動させる対象は、保持手段又は吐出ノズル若しくはそれらの両方のいずれであってもよい。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
1)高速固定装置の製作
2つの液体保持容器にそれぞれ連結させた2つのインクジェットノズル(いずれもMicrojet社のIJHD−100)、中央精機製のズームレンズTV−Z−Hを組み合わせたCCDカメラ(Watec社 WAT−231S2)、回転モータ(オムロン社)、回転モータの回転軸の先端に連結可能なProtein Wave社のMounted LithoLoops、回転モータの位置をX軸方向及びY軸方向に調節するXYステージ、2つのインクジェットノズルの位置をZ軸方向に調節するリニアステージ、及び両ステージの位置制御プログラムが組み込まれたコンピュータユニットを含む高速固定装置を作製した。前記位置制御プログラムは自作した。
2)タンパク質結晶の高速固定
前記1)の高速固定装置の液体保持容器1に日油株式会社の高純度活性化PEG誘導体であるSUNBRIGHT(登録商標)PTE−100MA溶液(10重量%、ハイドロゲル化促進剤として2mMのTEMEDを含む)を、液体保持容器2に同社のSUNBRIGHT(登録商標)PTE−100SH溶液(10重量%)を、それぞれ150μL充填した。
1.25Mの塩化ナトリウムを含む0.1M酢酸ナトリウム緩衝溶液(pH4.6)中のリゾチーム結晶(100×100×30μmの立方体)をProtein Wave社のMounted LithoLoops(メッシュ径0.4Φ)を用いて緩衝液約1μLごとすくい取り、1)の高速固定装置の回転モータの回転軸に連結させた。高速固定装置を作動させて、保持具上の生物学的試料に向けて溶液1及び溶液2の液滴(200pL/滴)をインクジェットノズルからそれぞれ吐出して、リゾチーム結晶の表面上で接触させてハイドロゲルを形成させた。この吐出を、保持具の位置を連続的に移動させながら行い、リゾチーム結晶を保持具に固定した。液滴の吐出から固定までに要した時間は約3秒であった。保持具であるMounted LithoLoops上にハイドロゲルで固定されたリゾチーム結晶の拡大写真を図3に示す。各パネルの左側にある透明な立方体が、緩衝液ごとハイドロゲルで固定化されたリゾチーム結晶である。
保持具を回転モータの軸から外し、固定されたリゾチーム結晶を1.25Mの塩化ナトリウムを含む0.1M酢酸ナトリウム緩衝溶液(pH4.6)に浸けたが、結晶は保持具から脱落したり、崩壊したりすることなく安定に保たれ、その後のX線結晶構造解析を用いた阻害剤探索に利用可能であった。
本発明は、生物学的試料をより短時間で固定することが可能であり、例えばタンパク質結晶解析、タンパク質結晶を使った医薬品開発(阻害剤探索)、細胞又は生体組織の機能解析等に利用することができる。また生物学的試料を含む立体成形物の製造にも利用可能である。
1 インクジェットノズル1
2 インクジェットノズル2
3 回転モータ
4 保持具
5 リニアステージ
6 XYステージ
7 駆動モータ
8 CCDカメラ
9 ポンプ
10 コントロールユニット

Claims (11)

  1. 生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法であって、混合されることでハイドロゲルが形成される溶液1と溶液2とを用意する工程A、並びに前記溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程Bを含む、前記方法。
  2. 工程Aが、ハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せの一方を含む溶液1と他方を含む溶液2とを用意する工程である、請求項1に記載の方法。
  3. 溶液1及び/又は溶液2がハイドロゲル化促進剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程Aが、ハイドロゲルを形成する1種のモノマーを含む溶液1と、前記モノマーに対するハイドロゲル化促進剤を含む溶液2とを用意する工程である、請求項1に記載の方法。
  5. 工程Aが、ハイドロゲルを形成する少なくとも2種のモノマーの組合せを含む溶液1と前記モノマーに対するハイドロゲル化促進剤を含む溶液2とを用意する工程である、請求項1に記載の方法。
  6. 工程Bが、液体吐出ノズルから吐出させた溶液1及び溶液2の液滴を生物学的試料の表面で接触させて生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する工程である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 生物学的試料がタンパク質結晶である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 溶液1及び/又は溶液2が生物学的試料を含む溶液である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  9. モノマーが多分岐ポリアルキレングリコール誘導体である、請求項2〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 生物学的試料を保持する手段、混合されることでハイドロゲルが形成される2種の溶液の液滴を前記保持手段に保持された生物学的試料にそれぞれ吐出させるための少なくとも2つの吐出ノズル、並びに前記保持手段及び/又は吐出ノズルの位置を自動調節する手段を備える、生物学的試料をハイドロゲルで高速固定するための装置。
  11. 前記自動調節手段が、前記保持手段中の生物学的試料の位置を光学的に検出する手段、前記検出手段からの検出信号を解析して生物学的試料の表面で液滴を接触させるための前記保持手段の位置及び/又は吐出ノズルの位置を決定する手段、並びに決定された位置に前記保持手段及び/又は吐出ノズルを移動させる手段を含む、請求項10に記載の装置。

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