JPH06258206A - 固定用試薬、これを用いた固定方法および固定用キット - Google Patents

固定用試薬、これを用いた固定方法および固定用キット

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JPH06258206A
JPH06258206A JP7523393A JP7523393A JPH06258206A JP H06258206 A JPH06258206 A JP H06258206A JP 7523393 A JP7523393 A JP 7523393A JP 7523393 A JP7523393 A JP 7523393A JP H06258206 A JPH06258206 A JP H06258206A
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JP
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meth
acrylate
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acid anhydride
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Application number
JP7523393A
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English (en)
Inventor
Teruichi Miyakoshi
越 照 一 宮
Takashi Inoue
上 孝 井
Masaki Shimono
野 正 基 下
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式〔I〕で表わされる酸無水物基含有
(メタ)アクリル酸エステルおよび該酸無水物基含有
(メタ)アクリル酸エステルの下記式〔Ia〕で表わさ
れる誘導体から選択される少なくとも1種と、炭素数1
〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、炭
素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリレート
から誘導されるポリ(メタ)アクリレートと、重合開始
剤とを含む固定用試薬。 【化1】 【効果】 このような固定用試薬によれば、上記固定用
試薬を生物試料に接触させると、上記酸無水物基含有
(メタ)アクリル酸エステル〔I〕および/またはその
誘導体〔Ia〕、および上記(メタ)アクリレートが、
血液、体液あるいは培養液等の水分存在下であっても、
試料中に浸透して重合するため、時間を要する固定操
作、脱水操作および包埋操作を各々別途に行なわなくて
も一挙に生物試料を固定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、生物から分取される細
胞、組織等の生物試料から、電子顕微鏡観察等用の試料
を調製するために用いられる固定用試薬、この固定用試
薬を用いた固定方法および固定用試薬の調製に好適な固
定用キットに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、透過型電子顕微鏡および走
査電子顕微鏡が、生物から分取された細胞および組織、
これら細胞および組織の培養物等の生物試料の観察に画
期的な装置として採用されている。
【0003】生物試料を電子顕微鏡で観察する場合、通
常、生物試料は、固定し、所望によりさらに包埋した後
に観察用試料として加工される。例えば、透過型電子顕
微鏡用の試料は、上記操作から得られた固定・包埋試料
から超薄切片を作成し、これに電子染色を施して調製さ
れる。また、走査電子顕微鏡用の試料は、通常、固定試
料を乾燥させ、乾燥試料表面に導電性を持たせて調製さ
れている。
【0004】生物試料の固定は、生物試料を固定液に接
触させて行なわれる。固定液は、固定剤と緩衝液とを混
合して調製されており、種々の固定剤および緩衝液を組
合せた固定液が実用化されている。
【0005】例えば、固定剤としては、従来より、グル
タールアルデヒド、ホルムアルデヒド、オスミウム酸、
過マンガン酸カリウムおよびタンニン酸などが用いられ
ている。このような固定剤を含む固定液の内、微細構造
の保存性、簡便性等の観点からグルタールアルデヒドを
含む固定液が多用されており、具体的には、グルタール
アルデヒドおよびカコジル酸緩衝液を含むカルノフスキ
ー固定液、グルタールアルデヒド、オスミウム酸および
ベロナール酢酸緩衝液を含むグルタールアルデヒド・オ
スミウム酸混合固定液などが用いられている。
【0006】このような固定液を用いて調製された固定
試料は、これを凍結乾燥法あるいは臨界点乾燥法等によ
って微細構造が破壊されないように乾燥させて、走査電
子顕微鏡用の試料とされる。
【0007】また、固定試料は、必要に応じて、樹脂を
導入して固定・包埋試料とされる。包埋操作では、固定
試料は先ず脱水される。脱水は、濃度が異なる有機溶媒
−水混合溶液、有機溶媒を用いて行なわれ、例えば、固
定試料を、エタノール水溶液およびエタノールに、濃度
が濃くなる順番で順次浸漬しておこなわれる。また、脱
水させた固定試料中のエタノールは、後述の樹脂を導入
するのに適した溶媒、例えば酸化プロピレンに置換され
る。
【0008】脱水された固定試料は、固化前の樹脂原料
組成物に浸漬した後、該混合物を重合、固化させること
によって、試料中に樹脂を導入して包埋される。このよ
うな包埋操作に用いられる樹脂原料組成物は、重合性単
量体に加えて、固化剤および加速剤等を含んでおり、例
えば、エポン812/ドデセニルスクシン酸無水物/
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル(Luft法)、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル/ノネニルスクシンサン無水物/2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール(串田法I)
およびエチレングリコールジグリシジルエーテル/ドデ
セニルスクシンサン無水物−メチルナジック酸無水物/
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル(串田法II)などの系を例示できる。また、樹脂原料
混合物として、親水性、機械的強度を調整する変性剤と
を含む系、具体的には、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート−セロソルブ(n−ブチルメタクリレート−セロ
ソルブ)/過酸化ベンゾイル/アミン系還元剤/変性剤
からなる系を例示することができる。
【0009】このように、従来の固定・包埋操作による
固定試料あるいは固定・包埋試料は、様々な固定液ある
いは包埋用樹脂を用いて調製されている。しかしなが
ら、このような従来の方法では、固定・包埋試料を調製
する場合であっても固定操作が不可欠であり、さらに固
定操作に用いられる固定液が特定の固定剤と緩衝溶液と
の混合物でその調製が煩雑であるという問題があった。
また、固定操作時に、固定液を生物試料全体に均一に浸
透させるためには、生物試料を細い切片とする必要があ
るという問題があった。
【0010】また、走査電子顕微鏡用の試料として、固
定試料を乾燥させるには、凍結乾燥法あるいは臨界点乾
燥法等によって微細構造が破壊されないように乾燥させ
なければならず、これら凍結乾燥法および臨界点乾燥法
の操作が煩雑で面倒であると言う問題があった。
【0011】さらに従来の固定試料調製方法では、包埋
操作に先立って行なわれる脱水あるいは溶媒置換、およ
び包埋操作時での樹脂原料の試料への浸透・固化等に時
間が掛かり、全操作を完了するまでに1昼夜〜数日間を
要する等の問題があった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術に伴う問
題点を解決するためになされたものであり、脱水操作を
必要とせず、生物試料の固定・包埋操作を一挙にかつ短
時間で行なうことができ、さらに得られた固定試料を容
易に乾燥できる固定用試薬、これを用いた固定法、およ
び固定用試薬の調製に用いる試料固定用キットを提供す
ることを目的としている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係る固定用試薬は、下記式
〔I〕で表わされる酸無水物基含有(メタ)アクリル酸
エステルおよび/またはその誘導体〔Ia〕、(メタ)
アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートおよび重合開
始剤を含むことを特徴としている。
【0014】
【化4】
【0015】(上記式〔I〕または〔Ia〕中、nは2
〜6の整数であり、R1 は水素または炭素数1〜4のア
ルキル基であり、R2 は水素、炭素数1〜4のアルキル
基またはカルボキシル基であり、R3 は、各々独立に、
水素または炭素数1〜4のアルキル基であって、かつ一
方がアルキル基である場合には他方は水素である。) また、本発明に係る生物試料の固定方法は、上記式
〔I〕で表わされる酸無水物基含有(メタ)アクリル酸
エステルおよび/またはその誘導体〔Ia〕、(メタ)
アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートおよび重合開
始剤とを含む固定用試薬を生物試料と接触させることに
よって該試料に浸透させた後、該固定用試薬を固化させ
ることを特徴としている。
【0016】本発明に係る固定用キットは、上記式
〔I〕で表わされる酸無水物基含有(メタ)アクリル酸
エステルおよび該酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エ
ステルの上記式〔Ia〕で表わされる誘導体から選択さ
れる少なくとも1種、(メタ)アクリレート、ポリ(メ
タ)アクリレートおよび重合開始剤の各成分を、各々容
器に収容してなることを特徴としている。
【0017】本発明に係る固定用試薬および固定方法に
よれば、上記固定用試薬を生物試料に接触させると、上
記酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル〔I〕お
よび/またはその誘導体〔Ia〕、および上記(メタ)
アクリレートが、血液、体液あるいは培養液等の水分存
在下であっても、試料中に迅速に浸透して重合するた
め、時間を要する固定操作、脱水操作および包埋操作を
各々別途に行なわなくても、一挙かつ短時間で生物試料
を固定することができ、さらに得られた固定試料は、減
圧乾燥等の通常の方法によって乾燥させても、試料の微
細構造が破壊されることはない。
【0018】本発明に係る固定用キットによれば、各々
容器に収容された上記酸無水物基含有(メタ)アクリル
酸エステル〔I〕およびその誘導体〔Ia〕から選択さ
れる少なくとも1種、(メタ)アクリレート、ポリ(メ
タ)アクリレートおよび重合開始剤を適宜分取し混合し
て、上記試料固定用試薬を容易に調製できる。
【0019】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る固定用試薬を
さらに具体的に説明する。本発明に係る固定用試薬は、
下記式〔I〕で表わされる酸無水物基含有(メタ)アク
リル酸エステルおよび該酸無水物基含有(メタ)アクリ
ル酸エステルの下記式〔Ia〕で表わされる誘導体から
選択される少なくとも1種を含んでいる。
【0020】
【化5】
【0021】但し、上記式〔I〕中、nは2〜6、好ま
しくは2〜4の整数であって、更に好ましくは2であ
る。R1 は水素または炭素数1〜4のアルキル基、好ま
しくは炭素数が1〜2のアルキル基である。また、R2
は水素、炭素数1〜4のアルキル基またはカルボキシル
基、好ましくは水素である。
【0022】本発明で用いられる酸無水物基含有(メ
タ)アクリル酸エステル〔I〕としては、具体的には、
4−(2−メタクリロイルオキシエチル)トリメリット
酸無水物および3−(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)ピロメリット酸無水物などを例示でき、この内、特
に4−(2−メタクリロイルオキシエチル)トリメリッ
ト酸無水物が好ましい。
【0023】また、上記式〔Ia〕中、n、R1 および
2 は、式〔I〕と同様であり、R3 は、各々独立に、
水素または炭素数1〜4のアルキル基であって、かつ一
方がアルキル基である場合には他方は水素である。
【0024】したがって、式〔Ia〕で示される誘導体
は、酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル〔I〕
の環状をなす酸無水物基を、水と反応させることによっ
て1対のカルボキシル基に開環させて得られる誘導体
〔Ia〕、あるいはこの加水分解物の1対のカルボキシ
ル基の一方をエステル化して得られる半エステル化物で
ある。
【0025】本発明では、このような酸無水物基含有
(メタ)アクリル酸エステル〔I〕およびその誘導体
〔Ia〕から選択される化合物を、重合性単量体として
用いる。また、これら酸無水物基含有(メタ)アクリル
酸エステル〔I〕およびその誘導体〔Ia〕は、単独で
用いても、組み合わせて用いてもよい。
【0026】本発明に係る固定用試薬は、酸無水物基含
有(メタ)アクリル酸エステル〔I〕および/またはそ
の誘導体〔Ia〕に加えて、特定の(メタ)アクリレー
ト、ポリ(メタ)アクリレート、および重合開始剤を含
んでおり、生物試料に塗布などによって接触させると、
該試料に浸透するとともに重合固化する。
【0027】本発明で用いられる(メタ)アクリレート
は、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリ
レートであって、具体的には、メチルアクリレート、エ
チルアクリレートおよびプロピルアクリレート等のアル
キルモノアクリレート;エチレンジアクリレートおよび
プロピレンジアクリレート等のアルキレンジアクリレー
ト;メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレー
ト、プロピルメタアクリレートおよびブチルメタアクリ
レート等のアルキルモノメタアクリレート;エチレンジ
メタクリレートおよびプロピレンジメタクリレート等の
アルキレンジメタクリレートなどを挙げることができ、
これらは単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
【0028】本発明では、このような(メタ)アクリレ
ートは、共重合し得る単量体である上記酸無水物基含有
(メタ)アクリル酸エステルおよび/またはその誘導体
〔Ia〕1重量部に対して、通常1〜100重量部、好
ましくは10〜50重量部の量で用いられる。
【0029】本発明で用いられるポリ(メタ)アクリレ
ートは、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)ア
クリレートから誘導されるポリ(メタ)アクリレートで
ある。
【0030】ポリ(メタ)アクリレートの調製に用いら
れる(メタ)アクリレートとしては、具体的には、上記
(メタ)アクリレートの具体例として挙げられた化合物
を例示でき、これら化合物は単独で用いても、組み合せ
て用いてもよい。
【0031】このようなポリ(メタ)アクリレートとし
ては、具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
チルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポ
リブチルメタクリレート等を挙げることができる。これ
らポリ(メタ)アクリレートは、単独で用いても、組み
合わせて用いてもよい。
【0032】本発明で用いられるポリ(メタ)アクリレ
ートの分子量は特に限定されないが、例えば、300,
000〜600,000、好ましくは400,000〜
500,000である。
【0033】また、このようなポリ(メタ)アクリレー
トは、酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステルおよ
び/またはその誘導体〔Ia〕、および(メタ)アクリ
レートと混合した場合に、これらに良好に溶解あるいは
分散できるよう微粒子状であることが好ましく、このよ
うな微粒子状ポリ(メタ)アクリレートは、通常嵩密度
が0.3〜0.5g/cm3 、好ましくは0.35〜
0.40g/cm3 である。
【0034】本発明では、ポリ(メタ)アクリレート
は、上記酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル
〔I〕および/またはその誘導体〔Ia〕1重量部に対
して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜20重量
部の量で用いられる。
【0035】本発明では、ポリ(メタ)アクリレート
は、調製された固定用試薬の粘度を調節するために用い
られる。具体的には、接着剤中のポリ(メタ)アクリレ
ート/酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル
〔I〕およびその誘導体〔Ia〕(または(メタ)アク
リレート)比を小さくすれば、生物試料固定用試薬の粘
性を下げ、生物試料への浸透性を上げることができる。
【0036】本発明に係る固定用試薬に含まれる重合開
始剤は、アクリル系重合体を常温付近で製造する際に一
般的に用いられる重合開始剤であれば特に限定されず、
具体的には、ベンゾイルペルオキシドとアミンとの組合
せによるレドックス系重合開始剤、トリ−n−ブチルホ
ウ素等のアルキルボロン、およびアルキルボロンの部分
酸化物等を例示でき、特にトリ−n−ブチルホウ素およ
びその部分酸化物が好ましい。
【0037】このような重合開始剤は、固定用試薬調製
時に、上記酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル
〔I〕および/またはその誘導体〔Ia〕1重量部に対
して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜
2.0重量部の量で用いられる。
【0038】本発明に係る固定用試薬は、上記成分に加
え、固定された試料の強度を高める等の所望の物理的性
質あるいは化学的性質に応じて、フィラー、添加剤等を
含んでいてもよい。
【0039】本発明に係る固定用試薬は、以上説明した
各成分を、固定しようとする生物試料に接触させる直前
に混合して調製される。この固定用試薬の調製では、上
記酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル〔I〕お
よび/またはその誘導体〔Ia〕、(メタ)アクリレー
ト、ポリ(メタ)アクリレートおよび重合開始剤の混合
順序は特に限定されず、これら成分を任意の順序で混合
してもよい。しかしながら、各成分、特に重合性単量体
同士の均一な混合状態を得ると言う観点から、酸無水物
基含有(メタ)アクリル酸エステル〔I〕および/また
はその誘導体〔Ia〕をメチル(メタ)アクリレートに
溶解し、次いでポリメチル(メタ)アクリレートおよび
重合開始剤を加えて固定用試薬を調製することが好まし
い。このような固定用試薬の調製は、通常0〜50℃、
好ましくは5〜15℃の温度下で行なわれる。
【0040】本発明に係る固定用キットは、上述した操
作によって、固定用試薬を調製するのに好適なキットで
あり、上記酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル
〔I〕および/またはその誘導体〔Ia〕、(メタ)ア
クリレート、ポリ(メタ)アクリレートおよび重合開始
剤を、各々容器に収容してなる。
【0041】酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル〔I〕および/またはその誘導体〔Ia〕を収容・保
存する容器としては、ガラス製容器、あるいはポリエチ
レン、ポリプロピレン等の合成樹脂製容器等を例示する
ことができる。保存に際して、酸無水物基含有(メタ)
アクリル酸エステル〔I〕およびその誘導体〔Ia〕
は、単独では上記容器に収容されるが、後述するよう
に、(メタ)アクリレートと混合されて、混合液として
容器に収容されていてもよい。
【0042】(メタ)アクリレートは液体であり、単独
で容器に収容・保存しても、酸無水物基含有(メタ)ア
クリル酸エステル〔I〕およびその誘導体〔Ia〕と混
合されて混合液として容器に収容・保存してもよい。
【0043】このような(メタ)アクリレートおよびそ
の混合液を収容する容器としては、遮光可能なガラス製
容器あるいはガスバリアー性があり、かつ(メタ)アク
リレート等の成分に浸食されない合成樹脂製容器を挙げ
ることができる。このような樹脂性容器としては、ポリ
プロピレン、ポリアミドおよびポリエステルの単層壁か
らなる容器に加えて、ポリエチレン/ポリビニルアルコ
ール/ポリエチレン三層構造壁およびポリエチレン/エ
チレン・ビニルアルコール共重合体/ポリエチレン三層
構造壁からなる容器等を挙げることができる。
【0044】また、このような容器は、液を一滴づつ滴
下できるような滴下手段を有していてもよく、例えば、
容器を柔軟な上記合成樹脂容器とし、この容器の開口部
に先を絞ったノズルを配設してもよい。
【0045】微粒子状(粉末状)のポリ(メタ)アクリ
レートは、ガラス製あるいはポリオレフィン等の合成樹
脂製等の容器に収容して保存・提供される。また、この
容器は、ポリ(メタ)アクリレートの計量手段、例え
ば、粉末を摺り切りにより定量・採取できる計量スプー
ンを取りつけられていてもよい。
【0046】重合開始剤は、容器に収容して保存・提供
される。このような容器としては、空気中の酸素との接
触を防止でき、かつ一滴づつ滴下できる容器が好まし
く、例えば、ガラス製、テフロン製、ナイロン製、フッ
素系ゴム製あるいはシリコン系ゴム製のシリンジを例示
することができる。
【0047】本発明に係る固定用キットは、上記成分を
収容する各容器に加えて、物理的あるいは化学的に要求
される特性に応じて用いられるフィラー、添加剤等を収
容する容器を備えていてもよい。
【0048】また、本発明の固定用キットは、適当な容
器に収容された上記の成分に加えて、これら成分を混合
および/または塗布するための器具を有していてもよ
い。このような器具としては、各成分を混合するための
パレット、スパーテルおよび攪拌棒等の攪拌手段、調製
した固定試薬を塗布するための刷毛等の塗布手段、これ
ら手段を洗浄する洗浄溶媒等を挙げることができる。
【0049】攪拌手段としてのパレットの材料として
は、上薬を塗布して焼く等することにより、表面を孔の
ない平滑面とした陶器、あるいはポリエチレン、ポリプ
ロピレンおよびポリオレフィン等の成分に対して耐薬品
性のある合成樹脂を例示できる。また、攪拌手段として
のスパーテルおよび攪拌棒としては、上記合成樹脂を例
示できる。
【0050】塗布手段としての刷毛としては、成分に対
して耐薬品性のある合成樹脂の毛あるいは獣毛等を用い
た刷毛を例示でき、洗浄用溶媒としては、例えばアセト
ン等の有機溶媒を例示できる。
【0051】ここで、本発明の固定用キットの好ましい
一態様を、図1、図2および図3を参照して具体的に説
明する。図1は、本発明に係る固定用キットの好ましい
一態様を示す平面図、図2はポリ(メタ)アクリレート
容器の斜視図であり、図3は、ポリ(メタ)アクリレー
ト容器に収容される計量スプーンの斜視図である。
【0052】図示されるように、本態様の固定用キット
1では、酸無水物基含有(メタ)アクリル酸エステル
〔I〕および/またはその誘導体〔Ia〕と、(メタ)
アクリレートとの混合液を収容するモノマー混合液容器
2と、ポリ(メタ)アクリレート容器3と、反応開始剤
容器4と、混合用スパーテル5と、混合用パレット6と
を1つのケース7に収容している。このケース7は、不
図示の蓋体によって、閉塞できるようにしてある。
【0053】モノマー混合液容器2は、合成樹脂製の本
体11と、本体11の開口部に配設されるノズル12
と、蓋13とを有している。この混合液容器1は、蓋1
3を脱着し、柔軟性のある本体11を圧することによ
り、モノマー混合液を一滴ずつ分取できるようになって
いる。これら、本体11、ノズル12および蓋13の材
料としては、(メタ)アクリレートおよびその混合液を
収容する容器の材料として、前述した樹脂を用いること
ができる。
【0054】ポリ(メタ)アクリレート容器3は、図2
にも示されるように、円筒状の本体15と、中蓋16
と、蓋17とを有している。中蓋16は、上面に仕切り
16aを有しており、この仕切り16aを挟んで一方が
収容されるポリ(メタ)アクリレートの取出し口20、
他方が計量スプーン19の収容凹部21となっている。
この計量スプーン19は、図3に示すように、所定容積
の計量部19aと柄19bとからなり、この計量部19
a摺り切り一杯で一定量のポリ(メタ)アクリレート粉
末を分取できる。
【0055】さらに、反応開始剤容器4は、ピストン部
23と該筒部22とからなるシリンジであり、ピストン
部23を筒部22内で先端方向に移動させて、先端の針
24から反応開始剤を滴下できる。なお、図中25は、
針24を保護する蓋である。
【0056】混合用パレット6は、平板状の基板26
と、該基板26表面に形成された容積の異なる凹所2
7,28とからなる。このような固定キット1によれ
ば、重合性モノマーを予め混合して1つの容器2に収容
されているため、均一に混合された固定用試薬を調製し
易くなっている。そして、上述する固定用試薬の調製操
作に準じて、各容器2〜4から、固定試薬成分を混合用
パレット6の小容積凹所27または大容積凹所28のい
ずれかに分取し、スパーテル5によって攪拌混合すれ
ば、上述した方法による固定用試薬の調製を、このキッ
ト1に含まれる器具だけで完了させることができる。
【0057】本発明に係る試料の固定方法では、以上説
明した本発明の固定用試薬を生物試料と接触させ、重合
固化させることによって、固定生物試料を調製する。ま
た、本発明に係る試料の固定方法では、上記酸無水物基
含有(メタ)アクリル酸エステル〔I〕および/または
その誘導体〔Ia〕、(メタ)アクリレートおよびポリ
(メタ)アクリレートを混合した混合液を、生物試料に
塗布した後、さらに重合開始剤を重層して、固定用試薬
と生物試料との接触を行ない、固定生物試料を調製する
ことも可能である。
【0058】本発明に係る固定用試薬は、生物試料と接
触させると、室温近傍の温度であっても生物試料に浸透
した状態で重合し、複合体として固化する。また、この
固定用試薬は、生物試料に、血液あるいは体液等の水分
が存在した場合でも、これら液体中の成分を含んで迅速
に固化し、かつ生物試料の微細構造を破壊することもな
い。
【0059】さらに、本発明に係る固定用試薬は、上述
したように、ポリ(メタ)アクリレートの使用量を加減
することで生物試料への浸透度を調節できる他、酸無水
物基含有(メタ)アクリル酸エステル〔I〕および/ま
たはその誘導体〔Ia〕、(メタ)アクリレートおよび
ポリ(メタ)アクリレートを混合した混合液を調製した
後、重合開始剤を加えて固定用試薬を調製し、この重合
開始剤添加時から固定用試薬を生物試料に接触させるま
での時間を変化させたり、固定用試薬の温度を、例えば
0〜50℃の範囲で変化させることによっても生物試料
への浸透度を調節できる。
【0060】具体的には、ポリ(メタ)アクリレートの
使用量を増加させ、重合開始剤添加時から固定用試薬を
生物試料に接触させるまでの時間を長くし、あるいは固
定用試薬の温度を低くすることにより、固定用試薬の生
物試料への浸透度、および浸透深さは低下する。したが
って、本発明によれば、生物試料の固定範囲を任意に変
更することができる。
【0061】また、固定試料の機械的強度を増加させる
には、ポリ(メタ)アクリレートの使用量を増加させる
か、あるいは固定用試薬を複数回生物試料に塗布し、重
層させることが有効であり、本発明では、このような操
作も容易に行ない得るという利点も有している。
【0062】また、生物試料と固化後の固定用試薬との
複合体が形成されない部分、たとえば、生体試料の固定
用試薬が浸透しなかった部分、および固定用試薬のみが
固化した部分は容易に取除くことが可能である。
【0063】すなわち、固定用試薬のみが固化した部分
は有機溶媒、例えばアセトン等に浸漬することで溶解・
除去することができる。生体試料の固定用試薬が浸透し
なかった部分は、試料を濃塩酸に浸漬することで溶解・
除去することができる。
【0064】したがって、本発明に係る固定用試薬を用
いた固定方法は、種々の生物試料に適用できる他、生物
試料に応じて様々に変更可能であり、例えば、乾燥前の
生物試料切片を固定用試薬に浸漬して、該固定用試薬を
固化させ、切片全体が固定された固定試料を調製するこ
とができる。この固定試料からは、トリミングおよびミ
クロトームによる薄片切出し等の常法により薄片を得、
次いでこの薄片を必要に応じて、通常の電子染色法によ
って染色して透過型電子顕微鏡観察用の薄片試料を調製
することができる。また、固定試料から、固定用試薬の
みが固化した部分を上記方法で除去し、残存試料を空気
乾燥あるいは減圧乾燥させた後、試料表面に真空蒸着
法、イオンスパッター法等によって金属皮膜を形成する
ことによって、走査電子顕微鏡観察用の試料を調製する
ことができる。
【0065】さらに、本発明に係る固定方法によれば、
血液、体液、培養液等の水分を含む組織、臓器および培
養組織に、固定用試薬を塗布して固化させ、生体試料の
固定用試薬が浸透しなかった部分、および固定用試薬の
みが固化した部分を上記方法で除去して膜状の固定試料
を調製できる他、血液あるいは細胞培養液を固定用試薬
と混合し、血液中の血球、培養液中の培養細胞を固定す
ることも可能である。このようにして得られた固定試料
からも、上記と同様にして、透過型電子顕微鏡あるいは
走査電子顕微鏡観察用の試料が調製できることは言うま
でもない。
【0066】以上、本発明に係る固定用試薬および固定
方法を、生物試料から電子顕微鏡観察用試料を調製する
のに適用した場合に付いて説明してきたが、本発明に係
る固定用試薬は、光学顕微鏡用試料の調製にも適用でき
る他、水分を含有する生物以外の物質を固定し、顕微鏡
観察用試料を調製する場合にも用いることもできる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る固定
用試薬および固定方法によれば、上記固定用試薬を生物
試料に接触させると、上記酸無水物基含有(メタ)アク
リル酸エステル〔I〕および/またはその誘導体〔I
a〕、および上記(メタ)アクリレートが、血液、体液
あるいは培養液等の水分存在下であっても、試料中に浸
透して重合し、複合体を形成するため、時間を要する固
定操作、脱水操作および包埋操作を各々別途に行なわな
くても一挙に生物試料を固定することができ、さらに得
られた固定試料はそのまま減圧乾燥等の通常の方法によ
って乾燥させても試料の微細構造が破壊されることはな
く、したがって、生物試料から電子顕微鏡観察用の試料
を調製するのに好適に使用することができる。
【0068】本発明に係る固定用キットによれば、各々
容器に収容された上記酸無水物基含有(メタ)アクリル
酸エステル〔I〕およびその誘導体〔Ia〕から選択さ
れる少なくとも1種、(メタ)アクリレート、ポリ(メ
タ)アクリレートおよび重合開始剤を適宜分取し混合し
て、上記試料固定用試薬を容易に調製できる。
【0069】以下、本発明に係る固定用試薬を、実施例
によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
【0070】
【実施例1】4−(2−メタクリロイルオキシエチル)
トリメリット酸無水物50mgと、メチルメタアクリレ
ート950mgとを混合して均一な溶液とし、得られた
溶液にポリメチルメタアクリレート(分子量:4300
00、嵩密度0.37g/cm3 )530mgを加え攪
拌して均一混合物を調製した。次いで、得られた混合物
に、攪拌しながらトリ−n−ブチルホウ素30mgを滴
下して固定用試薬を調製した。
【0071】得られた固定用試薬を、厚さ、約5mmの
豚肝臓切片上に塗布し、さらに別の肝臓切片を重ね合わ
せた後、18℃の温度で1時間放置した。その結果、重
ね合わされた2枚の肝臓切片は、組織を破壊せずに接着
部分を剥すことが不可能となった。
【0072】このようにして接着・固定した肝臓切片を
一日濃塩酸に浸し、肝臓組織を溶解し、残存する非溶解
部分を分取した。得られた非溶解部分を脱イオン水で洗
浄し、室温にて減圧下乾燥した後、15℃の温度で、P
t−Pdをイオンスパッタすることによって、観察用試
料を調製した。
【0073】この試料を、走査電子顕微鏡で観察した結
果、図4に示すような、走査電子顕微鏡写真が得られ
た。図4からも観察されるように、非溶解部分では、肝
臓組織内に浸透した固定用試薬の成分が重合して固化
し、組織−重合体の複合体が形成され、固化した肝臓組
織と思われる像が認められる。
【0074】
【実施例2】用いる組織として、厚さ約5mmの豚筋肉
切片を用いた他は、実施例1同様にして、組織切片を接
着・固定し、濃塩酸非溶解部分を分取して走査電子顕微
鏡観察用の試料を調製した。
【0075】その結果、図5に示すような、非溶解部分
の走査電子顕微鏡写真が得られた。図5からも観察され
るように、筋肉組織内に浸透した固定用試薬の成分が重
合して固化し、組織−重合体の複合体が形成され、固化
した筋肉組織と思われる像が認められる。
【0076】
【実施例3】図1〜図3に示すような止血用キット1を
作成した。本キット1では、容器2に無水トリメリット
酸4−メタクリロキシエチルおよびメチル(メタ)アク
リレートの混合溶液(混合重量比5:95)を10ml
収容した。この容器では、1滴で約30mgの混合溶液
を分取できる。また、容器3には、ポリメチル(メタ)
アクリレート粉末(分子量:430,000、嵩密度
0.37g/cm3 )を収容した。また、計量スプーン
19は、摺り切りで140mgのポリメチル(メタ)ア
クリレート粉末を分取できる。また、容器4には、トリ
−n−ブチルホウ素を収容しており、この容器4から
は、1滴が約3mgのトリ−n−ブチルホウ素を滴下で
きる。
【0077】このような止血用キット1を用い、先ず、
パレット6の凹所27に、容器2から混合溶液を8滴
(約240重量部)滴下し、ついで容器3から、摺り切
り1杯(約140重量部)のポリメチル(メタ)アクリ
レート粉末を加え、スパーテル5で均一に攪拌・混合
し、次いで容器4から、2滴(約6.5重量部)を滴下
し、さらに攪拌・混合して固定用試薬を調製した。
【0078】寒天上にヒト血液を展開し、得られた固定
用試薬を重層し、固化層を形成した。この固化層を分取
し、脱イオン水で洗浄した後、室温にて減圧下乾燥し
た。得られた乾燥固化層は褐色を呈していた。この乾燥
固化層を用い、実施例1と同様にして、走査電子顕微鏡
観察用の試料を調製した。
【0079】この試料の表面を走査電子顕微鏡で観察し
たところ、図6に示すような走査電子顕微鏡写真が得ら
れた。図6に示されるように、固定用試薬が、赤血球を
含む血液を取り込んで重合固化し、乾燥固化層の表面に
赤血球の像が見られた。
【0080】
【実施例4】脱脂綿に浸した血液上に、実施例3と同様
にして調製された固定用試薬を重層して固化させて固体
を得た。
【0081】この固体から小片を切出し、脱イオン水で
洗浄した後、室温にて減圧下乾燥した。得られた乾燥固
化層は褐色を呈していた。この乾燥固化層を用いて、実
施例1と同様にして、走査電子顕微鏡観察用の試料を調
製した。
【0082】この試料の表面を走査電子顕微鏡観察した
結果、図7に示すような走査電子顕微鏡写真が得られ
た。図7に示されるように、固定用試薬が、赤血球を含
む血液を取り込んで重合固化し、乾燥固化層の表面に赤
血球の像が見られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明に係る固定用キットの好ましい一態
様を示す平面図であり、
【図2】は、ポリ(メタ)アクリレート容器の斜視図で
あり、
【図3】は、ポリ(メタ)アクリレート容器に収容され
る計量スプーンの斜視図であり、
【図4】は、実施例1において、本発明に係る固定用試
薬によって固定された豚肝臓切片における固定部位の走
査電子顕微鏡写真であり、
【図5】は、実施例2において、本発明に係る固定用試
薬によって固定された豚筋肉切片における固定部位の走
査電子顕微鏡写真であり、
【図6】は、実施例3において、本発明に係る固定用キ
ットを用いて調製した固定用試薬を血液に重層して得た
固化層の走査電子顕微鏡写真であり、
【図7】は、実施例4において、実施例3の固定用試薬
を脱脂綿に含ませた血液に重層して得た固体の走査電子
顕微鏡写真である。
【符合の説明】
1・・・固定用キット 3・・・ポリ(メタ)アクリレート容器 2・・・モノマー混合液容器 4・・・反応開示剤容器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式〔I〕で表わされる酸無水物基含
    有(メタ)アクリル酸エステルおよび該酸無水物基含有
    (メタ)アクリル酸エステルの下記式〔Ia〕で表わさ
    れる誘導体から選択される少なくとも1種、(メタ)ア
    クリレート、ポリ(メタ)アクリレートおよび重合開始
    剤を含むことを特徴とする固定用試薬。 【化1】 (上記式〔I〕または〔Ia〕中、nは2〜6の整数で
    あり、R1 は水素または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、R2 は水素、炭素数1〜4のアルキル基またはカル
    ボキシル基であり、R3 は、各々独立に、水素または炭
    素数1〜4のアルキル基であって、かつ一方がアルキル
    基である場合には他方は水素である。)
  2. 【請求項2】 下記式〔I〕で表わされる酸無水物基含
    有(メタ)アクリル酸エステルおよび該酸無水物基含有
    (メタ)アクリル酸エステルの下記式〔Ia〕で表わさ
    れる誘導体から選択される少なくとも1種、(メタ)ア
    クリレート、ポリ(メタ)アクリレートおよび重合開始
    剤を含む固定用試薬を生物試料と接触させた後、該固定
    用試薬を重合させることを特徴とする試料の固定方法。 【化2】 (上記式〔I〕または〔Ia〕中、nは2〜6の整数で
    あり、R1 は水素または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、R2 は水素、炭素数1〜4のアルキル基またはカル
    ボキシル基であり、R3 は、各々独立に、水素または炭
    素数1〜4のアルキル基であって、かつ一方がアルキル
    基である場合には他方は水素である。)
  3. 【請求項3】 下記式〔I〕で表わされる酸無水物基含
    有(メタ)アクリル酸エステルおよび該酸無水物基含有
    (メタ)アクリル酸エステルの下記式〔Ia〕で表わさ
    れる誘導体から選択される少なくとも1種、(メタ)ア
    クリレート、ポリ(メタ)アクリレートおよび重合開始
    剤の各成分を、各々容器に収容してなる固定用キット。 【化3】 (上記式〔I〕または〔Ia〕中、nは2〜6の整数で
    あり、R1 は水素または炭素数1〜4のアルキル基であ
    り、R2 は水素、炭素数1〜4のアルキル基またはカル
    ボキシル基であり、R3 は、各々独立に、水素または炭
    素数1〜4のアルキル基であって、かつ一方がアルキル
    基である場合には他方は水素である。)
  4. 【請求項4】 上記式〔I〕で表わされる酸無水物基含
    有(メタ)アクリル酸エステルおよび該酸無水物基含有
    (メタ)アクリル酸エステルの上記式〔Ia〕で表わさ
    れる誘導体から選択される少なくとも1種と、上記(メ
    タ)アクリレートとは混合されて、同一容器に収容され
    ていることを特徴とする請求項3記載の固定用キット。
JP7523393A 1993-03-09 1993-03-09 固定用試薬、これを用いた固定方法および固定用キット Pending JPH06258206A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008105739A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Masahiro Sato 二液型接着剤及びその活性剤容器
WO2015147147A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 国立大学法人北海道大学 生物学的試料をハイドロゲルで高速固定する方法及びそのための装置

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