JPWO2015107624A1 - フィルターエレメント及び濾過装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメント3であって、筒状の濾過材31と、前記濾過材の一方の端部に設けられ、開口部を有する第1の端部部材32と、前記濾過材の他方の端部に設けられ、開口部を有する第2の端部部材33と、前記濾過材の内側に設けられ、流体の流れによって該濾過材の内側を移動し、外周部が前記濾過材の内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具34と、を有し、前記濾過材の他方の端部側に、前記第2の端部部材を通過する流体の量を制限する流量制限手段を設けたものである。

Description

本発明は、長手方向の両端部が開口され、濾過の方向が内側から外側の筒状のフィルターエレメントに濾過時と逆向きに流体を流して該フィルターエレメントに付着した捕捉物をはく離する逆洗可能な濾過装置に関し、詳しくは、前記フィルターエレメントの両端部の開口から濾過及び逆洗を行い、該フィルターエレメントの内部に設けた捕捉物除去具を、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによってその軸方向に確実に移動させて捕捉物を除去するフィルターエレメント、及び、これを用いた濾過装置に係るものである。
従来、海水、湖水、河川水、上水道、下水道等の水の濾過、各種装置の冷却水又はプロセス液等の産業一般に用いられる液体の濾過、化学工場等で使用される各種原料の気体等の濾過において、それらに含まれる微粒子や塵埃等を捕捉除去する目的で、種々の濾過装置が用いられている。
前記濾過装置による濾過を長期間続けていると、フィルターエレメントに捕捉された固形分やゲル状の塵埃等が該フィルターエレメントに蓄積し、濾材を通過する流体に対する抵抗が上昇し、最終的には対象となる流体の濾過が困難になる。これに対処するため、例えば定期的に、前記フィルターエレメントに濾過時と逆向きに流体を通して該フィルターエレメントに付着した捕捉物をはく離させる「逆洗」と呼ばれる操作を行い、フィルターエレメントの濾過性能を回復させる。
前記逆洗の操作は有効なものであるが、フィルターエレメントに付着した捕捉物が完全に除去されずに残存することがある。その場合は、逆洗の操作を繰り返しても前記フィルターエレメントの濾材の流体に対する抵抗が上昇し、対象となる流体の濾過が困難になることがあった。特に、液体を濾過した場合のように、ゲル状の塵埃等や、粘着性の強い物質で覆われた塵埃等がフィルターエレメントの表面に強固に付着している場合は、濾過時と逆向きに流体を流す逆洗のみでフィルターエレメントの濾過性能を回復させることは難しい。中でも、目の大きさが200μmより細かいフィルターエレメントを使用している濾過装置においてはその傾向が強い。
また、フィルターエレメントに繊維状の塵埃等が絡まっている状態の濾過においても同様である。このような状態の濾過になり易いのは、海水、湖水、河川水、上水道、下水道等の水の濾過のように、対象となる流体に微生物を含む場合に顕著である。例えば、船舶のバラストタンクに積み込まれたバラスト水(海水)を濾過すると、海水中の藻がたくさん捕捉されるが、繊維状の藻やセルロースその他の繊維状の物質がフィルターエレメントに絡みついて容易には取れない。
これに対処して、フィルターエレメントの濾過性能を回復させるための濾過装置が提案されている。この種の濾過装置としては、濾過すべき流れ用の入口チャネルと、濾過済み流れ用の出口チャネルと、両端部で開放した多数の平行な濾過エレメントであって、該濾過エレメントに濾過すべき流れを送り込むことによって、前記エレメントを通って前記エレメント外へ向かう浸透が起きるようにしている濾過エレメントと、該濾過エレメントの両端部において前記エレメントの異なった端部に交互に接続する少なくとも1つの洗浄機構とを含み、該洗浄機構が、濾過済みの流体の圧力で発生した前記エレメントの逆流フラッシュ流の排出チャネルを形成しているものがある。さらに、前記濾過エレメントの各々が、その端部間で2分割されて、前記エレメントの各端部に接続された前記洗浄機構が、一度に前記エレメントの長さのある部分だけに逆流フラッシュを発生するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明者らも、上記問題に対処するため、フィルターエレメントの内側に、濾過時又は逆洗時の流体の流れによって該フィルターエレメント内をその軸方向に移動し、外周部の部材が上記フィルターエレメントの内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具を設けた濾過装置を提案している(特許文献2参照)。
特表2003−509200号公報 特開2013−91046号公報
しかし、特許文献1に記載の濾過装置においては、フィルターエレメントに付着した捕捉物をはく離させる逆洗を、該フィルターエレメントの両端部側の開口からタイミングをずらせて行っているが、流体の流れによる圧力のみによる逆洗であり、前記フィルターエレメントに繊維状の塵埃等が絡まっている場合、さらにそれが粘性や付着力の強い物質で覆われている場合には、流体の流れによる逆洗のみでフィルターエレメントの濾過性能を回復させるのは難しいものであった。
一方、特許文献2に記載の濾過装置においては、濾過時又は逆洗時の流体の流れによって該フィルターエレメント内をその軸方向に移動し、外周部の部材が上記フィルターエレメントの内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具を設けているが、フィルターエレメントの入口と反対側の端部が閉塞端となっているので、該閉塞端近傍では十分な軸方向流が得られないことがあり、その結果、捕捉物除去具を前記閉塞端まで移動させることができない場合もあった。
さらに、前記各先行技術文献において、各フィルターエレメントに逆洗用パイプを接続して該フィルターエレメントを逆洗する逆洗方式が記載されているが、この逆洗方式を採用する濾過装置の濾過動作時には、逆洗用パイプは一部のフィルターエレメントに接続されたままになっているので、該接続されているフィルターエレメントには原液が供給できず、そのフィルターエレメントでは濾過が行われないとの問題もあった。
そこで、このような問題点に対処し、本発明が解決しようとする課題は、フィルターエレメントの両端部の開口から濾過及び逆洗を行い、該フィルターエレメントの内部に設けた捕捉物除去具を、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによってその軸方向に確実に移動させて捕捉物を除去するフィルターエレメント、及び、これを用いた濾過装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明によるフィルターエレメントは、長手方向の両端が開口され、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントであって、両端が開口され所定の長さで伸びる濾過材と、前記濾過材の一方の端部に結合してこれを支持するとともに、流体が通過できる開口部を有する第1の端部部材と、前記濾過材の他方の端部に結合してこれを支持するとともに、流体が通過できる開口部を有する第2の端部部材と、前記濾過材の内側に設けられ、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって該濾過材の内側を、前記第1及び第2の端部部材の間で移動し、外周部が前記濾過材の内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具と、を有し、前記濾過材の他方の端部側に、前記第2の端部部材を通過する流体の量を制限する流量制限手段を設けたものである。
また、本発明による濾過装置は、外部から流体が流入する流体入口を有するとともに、内部で濾過された流体を外部へ流出する流体出口を有するケーシングと、前記ケーシングの内部を、前記流体入口に連通し濾過前の流体で満たされる原液室と前記流体出口に連通し濾過後の流体で満たされる濾液室とに隔離する第1の隔壁と、前記第1の隔壁に形成された複数の貫通孔に一方の端部が嵌合保持され、内部が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられ、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントと、前記フィルターエレメントの他方の端部側にて前記第1の隔壁と平行に設けられ、該フィルターエレメントの他方の端部を複数の貫通孔に各々嵌合保持し、前記フィルターエレメントの他方の端部側の濾液室を他の部分から隔離して、該フィルターエレメント内を流れる流体が連通する連通室を形成する第2の隔壁と、前記複数のフィルターエレメントのうち一部のフィルターエレメントに、前記一方の端部側に接続され、前記フィルターエレメントの外側から内側に向けて流体を流して逆洗する逆洗用パイプと、前記逆洗用パイプの排出側に接続され、前記フィルターエレメントの逆洗によって除去された捕捉物を前記ケーシングの外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプと、を備える濾過装置であって、前記フィルターエレメントとして、前述の本発明のフィルターエレメントを用い、第1の端部部材が前記一方の端部側になり、第2の端部部材が前記他方の端部側となるように配置したものである。
また、本発明による他の濾過装置は、外部から流体が流入する流体入口を有するとともに、内部で濾過された流体を外部へ流出する流体出口を有するケーシングと、前記ケーシングの内部を、前記流体入口に連通し濾過前の流体で満たされる原液室と前記流体出口に連通し濾過後の流体で満たされる濾液室とに隔離する第1の隔壁と、前記第1の隔壁に形成された複数の貫通孔に一方の端部を嵌合保持され、内部が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられ、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントと、前記複数のフィルターエレメントの他方の端部に接続され、該他方の端部同士を前記濾液室から隔離しつつ連通する連通管と、前記複数のフィルターエレメントのうち一部のフィルターエレメントに、前記一方の端部側に接続され、前記フィルターエレメントの外側から内側に向けて流体を流して逆洗する逆洗用パイプと、前記逆洗用パイプの排出側に接続され、前記フィルターエレメントの逆洗によって除去された捕捉物を前記ケーシングの外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプと、を備える濾過装置であって、前記フィルターエレメントとして、前述の本発明のフィルターエレメントを用い、第1の端部部材が前記一方の端部側になり、第2の端部部材が前記他方の端部側となるように配置したものである。
本発明によるフィルターエレメントによれば、濾過材と、その一方の端部に結合し開口部を有する第1の端部部材と、他方の端部に結合して開口部を有する第2の端部部材と、前記濾過材の内側に設けられる捕捉物除去具とを有し、前記濾過材の他方の端部側に流量制限手段を設けたので、前記第2の端部部材を通過する流体の量を制限することができる。これにより、適切な量の流体が前記第2の端部部材を通過できるので、フィルターエレメントにおいて捕捉物除去具を該第2の端部部材に当接する位置まで確実に移動できる。したがって、該フィルターエレメントを本発明による濾過装置に用いることにより、捕捉物除去具が濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって該濾過材の内側を、前記第1及び第2の端部部材の間で移動でき、捕捉物を確実に除去することができる。
また、本発明による濾過装置によれば、ケーシングと、前記ケーシングの内部を原液室と濾液室とに隔離する第1の隔壁と、一方の端部側が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられたフィルターエレメントと、濾液室の一部を他の部分から隔離して前記フィルターエレメントの他方の端部側が連通する連通室を形成する第2の隔壁と、一部のフィルターエレメントに接続され該フィルターエレメントを逆洗する逆洗用パイプと、逆洗により除去された捕捉物を外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプとを備え、前記フィルターエレメントとして本発明のフィルターエレメントを用いたので、前記フィルターエレメントの他方の端部を通過する流体の量を制限しつつ適切な量の流体が該他方の端部を通過可能となり、フィルターエレメントにおいて捕捉物除去具を該他方の端部まで確実に移動できる。したがって、フィルターエレメント内の捕捉物除去具が濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって濾過材の内側を、一方及び他方の端部の間で移動して捕捉物を確実に除去し、該除去した捕捉物を前記逆洗用パイプおよび逆洗流体ドレンパイプを通じて排出することができる。これにより逆洗効果を高めることが可能になる。また、濾過動作時において、前記逆洗用パイプに一方の端部が接続されているフィルターエレメントにも前記連通室を経由して流体が流入できるので、該フィルターエレメントにおいても濾過が可能になり、フィルターエレメントの利用効率を向上できる。さらに、前記逆洗用パイプをフィルターエレメントの一方の端部側に配置すれば足りるので、逆洗用パイプを両側に配置した場合に比較して装置構造が単純になり、装置コストの低減を図ることができる。
また、本発明による他の濾過装置によれば、ケーシングと、前記ケーシングの内部を原液室と濾液室とに隔離する第1の隔壁と、一方の端部側が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられたフィルターエレメントと、前記フィルターエレメントの他方の端部に接続され該他方の端部同士を前記濾液室から隔離しつつ連通する連通管と、一部のフィルターエレメントに接続され該フィルターエレメントを逆洗する逆洗用パイプと、逆洗により除去された捕捉物を外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプとを備え、前記フィルターエレメントとして本発明のフィルターエレメントを用いたので、前記フィルターエレメントの他方の端部を通過する流体の量を制限しつつ適切な量の流体が該他方の端部を通過可能となり、フィルターエレメントにおいて捕捉物除去具を該他方の端部まで確実に移動できる。したがって、逆洗時には、各フィルターエレメント内の捕捉物除去具が濾過材の内側を、一方及び他方の端部の間で移動して捕捉物を確実に除去し、該除去した捕捉物を前記逆洗用パイプおよび逆洗流体ドレンパイプを通じて排出することができる。これにより逆洗効果を高めることが可能になる。濾過動作時において、前記逆洗用パイプに一方の端部が接続されているフィルターエレメントにも前記連通管を経由して流体が流入できるので、該フィルターエレメントにおいても濾過が可能になり、フィルターエレメントの利用効率を向上できる。さらに、逆洗用パイプをフィルターエレメントの一方の端部側に配置すれば足りるので、逆洗用パイプを両側に配置した場合に比較して装置構造が単純になり、装置コストの低減を図ることができる。
本発明による濾過装置の第1の実施形態を示す正面断面図である。 図1のC−C線断面図である。 本発明によるフィルターエレメントの第1の実施形態を示す正面断面図である。 図3に示すフィルターエレメントの平面図(a)、及び底面図(b)である。 前記フィルターエレメントにおいて、逆洗用パイプが接続されていない場合の濾過時の状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、逆洗用パイプが接続されている場合の濾過時の状態を示す正面断面図である。 図5に示すフィルターエレメントにおいて、逆洗用パイプが接続されて逆洗が開始された直後の状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、図7の状態からわずかに後の状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、逆洗が終わり、原液室から流体が流入し始めた状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、図9の状態の後、捕捉物除去具が上端に達したときの状態を示す正面断面図である。 本発明によるフィルターエレメントの第2の実施形態を示す要部断面説明図であり、(a)は濾過時の上端部の状態、(b)は逆洗時の下端部の状態を示す。 本発明によるフィルターエレメントの第3の実施形態を示す要部断面説明図である。 前記濾過装置の濾過時の状態を示す正面断面図である。 前記濾過装置の逆洗時の状態を示す正面断面図である。 本発明による濾過装置の第2の実施形態を示す正面断面図である。 図15のD−D線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による濾過装置の第1の実施形態を示す正面断面図であり、図2は図1のC−C線断面図ある。この濾過装置は、海水(例えば船舶のバラスト水)、湖水、河川水、上水道、下水道等の水の濾過、各種装置の冷却水又はプロセス液等の産業一般に用いられる液体の濾過、化学工場等で使用される各種原料の気体等の濾過に適用されるもので、それらに含まれる微粒子や塵埃等を捕捉除去するようになっており、図1に示すように、ケーシング1と、第1の隔壁2と、フィルターエレメント3と、第2の隔壁4と、逆洗用パイプ5と、逆洗流体ドレンパイプ6とを備えて成る。
前記ケーシング1は、濾過装置の外殻をなすもので、有底有蓋の筒状(例えば円筒形状)、直方体形状などに形成され、例えば側壁下端部に外部から矢印Aのように流体が流入する流体入口7を有すると共に、側壁上部に内部で濾過された流体を矢印Bのように外部へ流出する流体出口8を有している。ケーシング1の材質は、金属又は合成樹脂などであり、その形状・大きさは、濾過装置の使用目的、通過させる液体、気体等の種類、量、設置場所などに応じて適宜決めればよい。
前記ケーシング1の内部の下部には、第1の隔壁2が水平に設けられている。この第1の隔壁2は、ケーシング内部を流体入口7と連通し濾過前の流体で満たされる原液室9と、前記流体出口8と連通し濾過後の流体で満たされる濾液室10とに隔離する隔壁である。その複数箇所には、前記フィルターエレメントの一方の端部(下端部)を嵌合保持するための貫通孔11が形成されている。
前記第1の隔壁2の上側には、複数のフィルターエレメント3が、その下端部が前記貫通孔11に嵌合保持されて、内部が前記原液室9と連通して前記濾液室10内に垂直方向に平行に設けられている。このフィルターエレメント3は、対象となる流体を内側から外側に向けて通過させ流体中に含まれる固形分やゲル状の塵埃等を捕捉して濾過するとともに、流体を外側から内側に向けて通過させて逆洗されるもので、筒状、例えば円筒状に形成されている。前記フィルターエレメント3は、図2では1つの円周上に8本配置した例を示したが、8本以外の複数本でもよく、また、複数の同心円上に配列されていても良い。
前記フィルターエレメント3の他方の端部(上端部)側には、第2の隔壁4が、前記第1の隔壁2と平行に水平に設けられている。この第2の隔壁4は、該フィルターエレメント3の上端部を複数の貫通孔12で嵌合保持するとともに、該上端部側の濾液室10を他の部分から隔離して、フィルターエレメント3内を流れる流体が連通する連通室13を形成する隔壁である。
この連通室13は、ケーシング1の上端蓋と前記第2の隔壁4との間に形成されている。連通室13は、フィルターエレメント3の上端部側同士を連通し、これらの間を流体が行き来できるようにする部屋であり、原液室9、濾液室10及び逆洗用パイプ5から隔離されて形成されている。連通室13の容量は大きい必要はなく、流体がスムーズに流れられる容量があれば足りる。
前記第1の隔壁2の下側には、逆洗用パイプ5が配置されている。該逆洗用パイプ5は、図1において、基端部14から左に半径方向に伸び、前記第1の隔壁2に穿孔された貫通孔11を介してフィルターエレメント3に接続される。図1では、逆洗用パイプ5が1本の場合を示したが、これを2本以上設けて同時に2本以上のフィルターエレメント3に接続できるようにしても良い。
前記の逆洗用パイプ5の基端部14には、その中心軸上には、シャフト15が上向きに取り付けられてケーシング1の外部に張り出しており、該シャフト15の端部にはギアードモータ16が設けられて回転駆動されるようになっている。したがって、該ギアードモータ16を回転駆動することによって前記シャフト15が回転し、図2に示すように、逆洗用パイプ5が例えば時計回りに矢印P方向に回転して、例えば円周状に配列された複数のフィルターエレメント3の下端部の開口部に、逆洗用パイプ5が順次接続される。
前記逆洗用パイプ5の排出側、すなわち該逆洗用パイプ5の基端部14には、図1に示すように、逆洗流体ドレンパイプ6が接続されている。この逆洗流体ドレンパイプ6は、前記フィルターエレメント3の逆洗時に除去された捕捉物を前記ケーシング1の外部へ排出するもので、ケーシング1の半径方向に伸びる直線状のパイプに形成されている。前記逆洗流体ドレンパイプ6の基端部17には、上向きに開口した接続口部18が設けられ、この接続口部18に前記逆洗用パイプ5の基端部14が回転自在に接続されている。また、前記逆洗流体ドレンパイプ6の先端部の排出口20は、ケーシング1の外部へ突出している。
前記逆洗流体ドレンパイプ6は、ケーシング1に対して固定されており、その基端部17の接続口部18に対する逆洗用パイプ5の基端部14との接続部には、ベアリング等の軸受機構が介在して支持すると共に、排出物が未濾過の流体に混じらないようにシール機構が設けられている。したがって、前記ギアードモータ16を回転駆動することにより、前記接続口部18を回転支持部として前記逆洗用パイプ5の基端部14と接続口部18のシールを保ちながら、該逆洗用パイプ5を回転する。
前記逆洗流体ドレンパイプ6の排出口20の排出側には、図示省略のバルブが接続されている。このバルブは、前記逆洗用パイプ5および逆洗流体ドレンパイプ6を含む逆洗流体排出系を開閉するもので、濾過装置の逆洗時には開放され濾過時には閉塞されるようになっている。このバルブの排出側は、前記流体出口8の圧力より低圧側、例えば大気圧に開放されている。
ここで、本発明においては、前記フィルターエレメント3は、次のように構成されている。
図3は、本発明のフィルターエレメント3の第1の実施形態を示す正面断面図であり、図4(a)は平面図、(b)は底面図である。このフィルターエレメント3は、対象となる流体の濾過に用いられるもので、濾過材31と、第1の端部部材32と、第2の端部部材33と、捕捉物除去具34とを含んで構成され、本発明の濾過装置において、第1の端部部材32が前記一方の端部(下端部)側になり、第2の端部部材33が前記他方の端部(上端部)側となるように配置されている。
前記濾過材31は、流体を濾過するもので、筒状、例えば円筒状に形成される。濾材が複数層に重ねられており最内層が最も細かい網目になっているものであればよく、例えば、複数積層した金網を焼結して保形性を高め円筒状に成形した焼結メッシュフィルターや、円筒状のノッチワイヤーフィルター、ウェッジワイヤーフィルター等がある。焼結メッシュフィルターの場合は、最内層の網目の大きさは10〜200μmのもの、それより外側の層の網目の大きさは最内層のものより粗ければ良いが、200〜5000μmのものが適当であり、その中から適宜選定すればよい。この場合、最内層以外の補強メッシュや保護メッシュは、フィルターエレメントの強度に係わるものであり、必要な強度が得られるようにその層数、網目の大きさ及び線材径を選択する。また、メッシュの織り方は、平織り、綾織り、朱子織り、畳織り、綾畳織り等が適用できる。なお、最内層を金網として、その外側に例えば角穴が無数に穿設された円筒状のパンチングチューブや、複数本の細いロッドを軸方向に沿って並べた補強部材を配設した状態で焼結してもよい。
例えば、海水のバラスト水の濾過用の濾過材の場合、濾過精度を決める細かいファインメッシュと、濾過時の内側から外側に向かう力及び逆洗時の外側から内側に向かう力に対して濾過材に強度を与える粗い金網からなり、互いに接合されているのが好ましい。さらに前記粗い金網とファインメッシュとの間に、両者の中間の細かさの金網を挟んで焼結することがより好ましい。ファインメッシュとしては、400〜100メッシュ(63.5〜254μm)、中間の金網としては、100〜20メッシュ(254〜1270μm)、強度を与える金網としては、50〜5メッシュ(508〜5080μm)が適当である。
前記濾過材31の形状、大きさなどは、濾過装置の使用目的、濾過性能、ケーシング1の大きさ、対象の流体の種類などに応じて適宜決めればよい。例えば、円筒状の濾過材31の場合には、外径は300mm〜1000mmの範囲で、長さは5000mm以内で種々の寸法を選択すればよい。
前記濾過材31の一方の端部(下端部)には、第1の端部部材32が結合されている。この第1の端部部材は、円筒状の部材であり、濾過材31の開口端部を補強すると共に、前記捕捉物除去具34の抜け落ちを防ぐものである。また、フィルターエレメント3の原液入口側の端部部材を構成している。本実施形態では、図4(b)に示すように、円形の開口部の中心を横切るステー36を架設して、その中心に後述するガイドシャフト35が挿通される中心孔を設けてある。
前記濾過材31の原液入口側端部と反対側の他方の端部(上端部)には、第2の端部部材33が結合されている。この第2の端部部材33は、所定の開口を有する円筒蓋状の部材であり、濾過材31の開口端部を補強すると共に、前記捕捉物除去具34の抜け落ちを防ぐものである。平面視では、図4(a)に示すように円形の蓋状に閉じており、後述するガイドシャフト35が挿通される中心孔と、これを取り囲む4つの開口部37が設けられている。この開口部37は、後述する流量制限手段の構成要素となっている。
前記濾過材31の内側には、捕捉物除去具34が設けられている。この捕捉物除去具34は、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって該濾過材31の内側を、前記第1及び第2の端部部材33の間で移動し、外周部が前記濾過材31の内周面に摺接して捕捉物を除去するものである。移動の安定性の観点から、該捕捉物除去具34は中心軸上に貫通孔を有し、前記第1の端部部材32及び第2の端部部材33に両端部が固定されたガイドシャフト35に挿通されて、濾過材31の軸方向に移動できるように構成されることが望ましい。
前記捕捉物除去具34は、例えば図3に示すような除去ブラシに構成されている。
この除去ブラシ34は、前記フィルターエレメント2の内側にてそのガイドシャフト35に沿って上下に移動するもので、ブラシ本体34aの外周部にブラシ毛34bを植え付けて成る。ブラシ本体34aは、その中心部に前記ガイドシャフト35が挿通する孔が形成され、外径は濾過材31の内径よりも小さい径とされており、所定の厚みを有するドーナツ盤状に形成されている。このブラシ本体34aの外周部には、毛先が前記濾過材31の内周面に摺接できるブラシ毛34bがリング状に植え付けられている。ブラシ毛34bの毛足の長さは、少なくとも前記濾過材31の内周面に該ブラシ毛34bの先端がある程度の圧力をもって接触する程度にすることが必要である。
前記ブラシ毛34bの材質は、例えば天然若しくは合成の繊維、又は鋼、銅、真鍮などの金属線等の一般にブラシの毛として使用されているものならば何でもよい。なお、ブラシ毛34bは、フィルターエレメント2内を流れる流体の圧力により撓む程度の柔軟性を有している。これにより、流体の圧力によりブラシ毛34bが撓んだ際には、濾過材31の内周面とブラシ毛34bの毛先との間に隙間ができて、流体が流通可能となる。
図3に示すように、前記フィルターエレメント3内のガイドシャフト35の上端部及び下端部には、ストッパ38a,38bが取り付けられている。このストッパ38a,38bは、捕捉物除去具(除去ブラシ)34が前記フィルターエレメント3の内側にてそのガイドシャフト35に沿って上下に移動した際に、上下の終端部で補足物除去具34の移動を止めるものである。なお、ストッパ38a,38bの材質としては、ゴムやバネの様に衝撃を吸収できるものがより好ましい。
ここで、本発明においては、前記濾過材31の他方の端部(上端部)側に、流量制限手段が設けられている。この流量制限手段は、前記第2の端部部材33を通過する流体の量を制限するもので、一定量の流体の通過を許すことにより
a)フィルターエレメント3の逆洗開始時に第2の端部部材33側当接位置にある前記捕捉物除去具34が、第1の端部部材32側へスムーズに離間できるようにすること、
b)フィルターエレメント3の逆洗終了時に捕捉物除去具34が第2の端部部材33側当接位置までスムーズに移動できるようにすること、
c)濾過時において、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3には、前記原液室9からは流体が流入できないので、前記連通室13経由で流体が流入して濾過できるようにすること、を実現する。
一方、流量を制限することにより、
d)逆洗中のフィルターエレメント3に連通室13経由で過大な量の流体が流入し、濾過材31の内外逆圧力差が低下して逆洗の効率が低下することを防ぐこと、を実現する。
本実施形態の流量制限手段は、図3において、第2の端部部材33に設けられた開口37と前記捕捉物除去具34の取付部材34aとからなり、該第2の端部部材33側に移動して当接した該捕捉物除去具34の取付部材34aが前記開口部37を通過する流体の流路を制限するようにした。図3の例では、該捕捉物除去具34が前記第2の端部部材33側のストッパ38aから離間しているときは、該開口部37は、前記捕捉物除去具34の取付部材34aの端面34cによって閉塞されず、当該開口面積に応じた量の流体が通過できる。一方、該捕捉物除去具34が前記第2の端部部材33側の前記ストッパ38aに当接しているときは、前記取付部材34aの端面34cが該開口部37と近接するように構成されており、通過できる流体の量は、該開口部37と該端面34cとの間隙39に応じた量に制限される。
なお、以上では、前記捕捉物除去具34が前記ストッパ38aに当接しているときは、通過できる流体の量は、前記開口部37とこれに近接する前記取付部材34aの端面34cとの間隙39に応じた量に制限される構成としたが、本発明の第1の実施形態はこれに限られず、前記取付部材34aの端面34cが該開口部37のすべてを封止せずに残った隙間の量に応じて制限される構成としてもよい。さらに、複数の開口部37のうち一部の開口部37のみを前記端面34cで封止し、封止していない開口部37の開口面積に応じた流体の通過を許すように制限する構成でもよい。請求項7の記載「該第2の端部部材側に移動して当接した捕捉物除去具の取付部材が前記開口部を通過する流体の流路を制限するようにした」とは、これらの構成を含むものとする。
次に、このように構成された第1の実施形態によるフィルターエレメント3の動作について、図5〜10を参照して説明する。
図5は、濾過装置の濾過時における、逆洗用パイプ5が接続されていないフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。原液が、第1の端部部材32側、すなわち下端部側から、フィルターエレメント3内部に流入し、濾過材31の内側から外側の濾液室10へ通過する際に濾過される一方、これにより捕捉物除去具34が押し上げられて第2の端部部材33側ストッパ38aに当接している。このとき、前記のように、前記捕捉物除去具34の取付部材34aの端面34cは、開口37に対し近接するが当接せず、わずかな間隙39が残っている。該間隙39は濾過装置の連通室13へ連通しているが、連通室13の流体は後述するように逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3へ流出するため、該連通室13の圧力は濾過中のフィルターエレメント3内部より低圧である。したがって、該濾過中のフィルターエレメント3内部の流体の一部は、当該間隙39を通過して、該連通室13に流出する。
図6は、濾過装置の濾過時における、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。濾過時には前記逆洗流体排出系のバルブは閉じられているが、該逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3には、前記原液室9からは流体が流入できない。しかし、流体は、他のフィルターエレメント3から連通室13を経由し、前記第2の端部部材33の開口37を通過して流入する。これにより、該フィルターエレメント3内部の圧力は濾液室10より高くなり、流体は該フィルターエレメント3内部から濾過材31を通過して外部の濾液室10へ流出することにより、濾過が行われる。このとき、前記捕捉物除去具34は連通室13から流入する流体により押し下げられて、下端の第1の端部部材32側ストッパ38bに当接した位置にある。
次に図7は、逆洗が開始され、逆洗用パイプ5が回転して図5の濾過状態にあったフィルターエレメント3に該逆洗用パイプ5が接続された直後の該フィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。フィルターエレメント3内部では、流体が逆洗用パイプ5に接続された前記逆洗流体ドレンパイプ6を通じて蘆液室10より低圧側へ導かれ(以下、この状態を「逆洗用パイプ5による吸引」という)圧力が低下するため、前記濾液室10側から流体がフィルターエレメント3内部へ逆流し、逆洗が始まる。このとき、前記捕捉物除去具34はまだ上端位置にあるため、それより上側には濾液室10から濾過材31を通過してくる流体の流入は困難で、捕捉物除去具34は下がりにくい。しかし、本発明のフィルターエレメント3では、前記第2の端部部材33が開口37を有しており、これを介して連通する連通室13には、前記逆洗用パイプ5が接続されていないフィルターエレメント3(図10参照)の全てから、制限されつつも流体が供給されている。したがって、図7のフィルターエレメント3には、前記開口37を介して前記連通室13からも流体が流入し、該捕捉物除去具の上側の空間の圧力が下側より高くなるため、該捕捉物除去具34は確実に押し下げられる。
図8は、図7の状態からわずかに後のフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。前記捕捉物除去具34は、前記第2の端部部材33から離れ、両者の間に所定の空間ができている。この空間の圧力は該捕捉物除去具34の下側の圧力よりも高いが、このとき濾過中の別のフィルターエレメント30から前記連通室13へ流入する流体の量が該別のフィルターエレメント30の間隙39で絞られる上に、該連通室13から図8のフィルターエレメントの前記空間へ流入する流体の量が前記開口部37で絞られるため、該空間の圧力は外側の濾液室10の圧力よりが低い。したがって、この空間にも流体が濾液室側10から流入するとともに、捕捉物除去具34をその後下端の前記第1の端部部材32に当接するまで押し下げる。これにより、濾過材31内側表面の捕捉物は該捕捉物除去具34により掻き取られ、逆流した流体とともに前記逆洗用パイプ5へ流入して排出される。
なお、捕捉物除去具34が下端の前記第1の端部32側ストッパ38bに当接している状態では、該捕捉物除去具34の外周部(ブラシ毛34b等)は、流体の流れにより下側へ撓み、濾過材31との間に隙間が生ずるので、流体は通過して逆洗用パイプ5に流入できる。
図9は、逆洗用パイプ5がさらに回転して次のフィルターエレメント3との接続位置に移動したときの、元のフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。該フィルターエレメント3への逆洗用パイプ5の接続は外れたので、再度原液室9から流体が流入し、濾過材31の内側から外側の濾液室10へ通過する際に濾過される一方、これにより捕捉物除去具34が押し上げられる。ここでフィルターエレメント3の上端が閉塞端になっている場合、捕捉物除去具34が該閉塞端に近づくと両者の間にある流体がスムーズに逃げられないため、捕捉物除去具34が十分上昇できない場合がある。しかし、本発明のフィルターエレメント3では、第2の端部部材33が開口部37を有するので、これを通して流体が前記連通室13を通して逆洗中の他のフィルターエレメント3に流出することができ、捕捉物除去具34はスムーズに上端位置まで移動できる。
特に、本実施形態では、前記第2の端部部材33側に移動して当接した前記捕捉物除去具34の取付部材34aが前記開口部37を通過する流体の流路を制限するようにしたので、該捕捉物除去具34が該第2の端部部材33側にに到達する前は、該部材を通過する流量の制限は緩やかであるため、逆洗時における短周期の濾過・逆洗の繰り返し動作においても、捕捉物除去具34は上端まで確実に上昇できる。
図10は、図9の状態の後、前記捕捉物除去具34が上端部側に到達した時のフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。図5の状態とほぼ同じであるが、連通室13を介して連通する他のフィルターエレメント3が逆洗中で圧力が低く、これに伴って連通室13の圧力も低くなるので、図5の状態より多くの流体が該連通室13へ流出しやすくなる。しかし、本実施形態では、図10の状態のように、前記第2の端部部材33側に当接した捕捉物除去具34の取付部材34aが前記開口部37を通過する流体の流路を制限するようにしたので、連通室13を経由して逆洗中の他のフィルターエレメント3に過大な量の流体が流入し、その濾過材31の内外逆圧力差が減少して逆洗の効率が低下するのを防ぐことができる。つまり、図10の状態のフィルターエレメント3からの流体の連通室13への流入を制限する一方、図9に示す捕捉物除去具34が上昇途中にあるフィルターエレメント3からの流体を連通室13に流入しやすくしたので、逆洗の効果を低下させずに該捕捉物除去具34を上昇させることができる。
前記逆洗用パイプ5を回転させて接続するフィルターエレメント3を順次変えることにより、図7〜10に示したように補足物除去部34が各フィルターエレメント3内を往復して確実に捕捉物をかき落とすことができる。
前記開口37の開口面積及び、前記当接時の間隙39は、以下のように設定する。すなわち、当接時の間隙39については、これが大きいと、原液室9から流体が供給されて濾過が行われているフィルターエレメント3から連通室13へ流入する流体の量が増加するので、これと接続されている他のフィルターエレメント3への流入流量が増加し、段落0039の前記a)及びc)は実現しやすくなる一方、前記d)は実現が難しくなる。したがって、当接時の間隙39は、前記a),c)及びd)を実現するように実験等により最適な間隙量に設定するのが良い。
一方、前記開口37の開口面積については、これが大きいと、補足物除去部34が第2の端部33側に当接していない時にはフィルターエレメント3から連通室13へ流体が逃げやすくなるので、前記b)は実現しやすくなる。その反面、逆洗中の濾過装置において、逆洗用パイプが接続されていないフィルターエレメント3内で何らかの原因で捕捉物除去具34が第2の端部部材33側に当接できない場合、前記開口部37だけでは連通室13へ流出する流量があまり制限されず、また、開口部37の開口面積が大きいと該連通室13からそのとき逆洗中の他のフィルターエレメント3へ流入する流量もあまり制限されないので、前記d)の実現が難しくなる。したがって、開口37の開口面積は、前記b)が実現できる限りあまり大きくしないほうが良い。
前記d)を実現するには、あるフィルターエレメント3が逆洗されているとき、該フィルターエレメント3へ濾液室10から濾過材31を通過して流入する流量の5〜20%の流量が前記連通室13から流入するように、前記間隙39の間隙量及び前記開口37の開口面積を調整するのが望ましい。
次に本発明のフィルターエレメント3の第2の実施形態について説明する。
図11(a)および(b)は、本発明のフィルターエレメント3の第2の実施形態を示す正面断面図である。第1の実施形態との相違点は、前記流量制限手段が、前記第2の端部部材33の開口部37と前記除去ブラシ34のブラシ毛34bとからなり、前記第2の端部部材33側に当接した該除去ブラシ34のブラシ毛が該開口部37を通過する流体の流路を制限するようにしたことである。具体的には、前記補足物除去手段34として除去ブラシを用いる。一方、前記第2の端部部材33は開口部37を有している。前記除去ブラシ34が、該第2の端部部材33側ストッパ38aとの当接位置にあるとき、図11(a)のように該除去ブラシ34のブラシ毛34bと濾過材31内周面との間に隙間は生じず、ブラシ本体34aの外周面と濾過材31内周面との間の空間を覆っている。したがって、前記開口部37を通過する流体は必然的に前記ブラシ毛34bの隙間を通過しなければならないので、除去ブラシ34のブラシ毛34b自体が第2の端部部材33を通過する流量を制限する。なお、除去ブラシ34が第1の端部部材32側ストッパ38bとの当接位置にあるときは、図12(b)のようにブラシ毛34bは撓み、濾過材31の内周面との間に隙間が生じて、流体が通過できるようになっている。
このように構成されたフィルターエレメント3の第3の実施形態の動作は、基本的には第1の実施形態と同様である。第2の端部部材33との当接時には、前記開口部37の通過流量はブラシ毛34bの配置密度、柔軟性、ブラシ本体34aの外周面と濾過材31内周面との間隔等により変わるので、前記a)c)d)の条件を満たすように、これらの条件を設定する。第2端部部材の開口部の開口面積は、第1の実施形態の場合と同様、b)の条件を満たすように設定する。
次に本発明のフィルターエレメント3の第3の実施形態について説明する。
図12は、本発明のフィルターエレメント3の第3の実施形態を示す正面断面図である。第1及び第2の実施形態との相違点は、前記流量制限手段は、前記第2の端部部材33の開口部37をオリフィスとしたことである。
具体的には、該オリフィス37自体が第2の端部部材33を通過する流量を制限する。前記取付部材34aやブラシ毛34bは、前記補足物除去手段34が第2の端部部材33側ストッパ38aに当接してもオリフィス37を通過する流体の流路を制限しないか、これによる流量の制限はオリフィス37自体による流量の制限に比較して小さい。例えば、捕捉物除去具34を除去ブラシとした場合、第2の実施形態と異なり、該除去ブラシ34が第2の端部部材33に当接しても、ブラシ毛34bが撓んで濾過材31との間に隙間を生じて流体の流れを妨げないようになっている。
このように構成されたフィルターエレメント3の第3の実施形態の動作は、基本的には第1及び第2の実施形態と同様である。但し、前記オリフィス37の開口面積自体が通過流量を制限するので、前記a)〜d)の条件を満たすように、オリフィスの開口面積を設定する必要がある。
なお、以上の説明では、捕捉物除去具34として、除去ブラシの例を示したが、本発明はこれに限られず、フィルターエレメント3の内側にて、濾過時又は逆洗時の流体の流れによってその軸方向に移動し、外周部の部材が上記フィルターエレメント3の内周面に摺接して捕捉物を除去することができるならば、例えば、刃状又はヘラ状に形成された金属製、樹脂製あるいはゴム製のスクレーパ等であってもよい。
次に、以上のように構成された濾過装置の第1の実施形態の動作について、図13および図14を参照して説明する。なお、濾過装置の動作の各段階におけるフィルターエレメント3内部の流体の流れや捕捉物除去具34の動きの詳細については、フィルターエレメント3の第1の実施形態についての説明で行っているので、ここでは概略の説明に留める。
図13は、前記濾過装置の濾過時の状態を示す正面断面図である。濾過時においては、前記逆洗流体排出系のバルブは閉じられ、前記逆洗用パイプ5による吸引は行われず、該逆洗用パイプ5は回転されず静止している。
濾過すべき流体は、流体入口7から矢印Aのようにハウジング1の原液室9に流入し、これに連通するフィルターエレメント3aの内部からその外側の濾液室10へ通過することにより、濾過され、流体出口8から矢印Bのように送出される。このとき、このフィルターエレメント3a内の捕捉物除去具34は、流体により押し上げられて上端部にある。なお、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3bには前記原液室9からは流体が流入できないが、該フィルターエレメント3bにも他のフィルターエレメント3aから連通室13を経由して流体が流入するので、同様に濾過が行われる。
一方、図14は、前記濾過装置の逆洗時の状態を示す正面断面図である。逆洗時においては、前記逆洗流体排出系のバルブは開放され、前記逆洗用パイプ5による吸引が開始されるとともに、該逆洗用パイプ5はギアードモータ16により回転され接続するフィルターエレメント3が順次変更される。
前記逆洗用パイプ5が回転されてきてこれと接続されたフィルターエレメント3bは、その内部が該逆洗用パイプ5により吸引されて圧力が低下するので、外側の前記濾液室10の流体が濾過時とは逆方向にフィルターエレメント3b内部へ通過することにより、逆洗される。このとき、フィルターエレメント3b内の捕捉物除去具34が、逆洗により生じる軸方向の流体の流れによって上端部から下端部まで移動しながら濾過材31内側の捕捉物をかき取って除去する。該除去された捕捉物は、逆洗流体とともに前記逆洗用パイプ5および逆洗流体ドレンパイプ6を通じて排出される。このときに、前記逆洗用パイプ5が接続されていないフィルターエレメント3aには、濾過時と同様に原液室9から流体が流入し濾過が継続され、該フィルターエレメント3aから連通室13を経由して流体が前記逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3bに流入するので、逆洗開始時に該フィルターエレメント3b内上端部にある前記捕捉物除去具34がスムーズに下降できる。なお、前記連通室13から流入する流体は、前記流量制限手段によりその流量が絞られているので、逆洗の効率には影響を与えない。
前記逆洗用パイプ5との接続が終了したフィルターエレメント3a内では、原液室9からの流体の流入により捕捉物除去具34が上昇するが、該捕捉物除去具34の上側の流体が連通室13を通して逆洗中の他のフィルターエレメント3に流出することができるため、該捕捉物除去具はスムーズに上端部まで移動できる。前記逆洗用パイプ5は、ギアードモータ16により回転されて、接続するフィルターエレメント3が順次変更されることにより、補足物除去部34が各フィルターエレメント3内を往復して確実に逆洗することができる。
例えば、海水のバラスト水の濾過用の濾過材の場合、例えば、濾過は1次圧は3.0kg、2次圧は2.8〜2.9kgの条件で行い、逆洗は1〜10時間の濾過運転にごとに1回、逆洗流体ドレンパイプ6の出口を大気圧に開放して逆洗用パイプ5の回転速度1rpmで2分間行う。
次に、前記フィルターエレメント3を用いた本発明の濾過装置の第2の実施形態の構成を説明する。
図15は、本発明による濾過装置の第2の実施形態を示す正面断面図である。第2の実施形態による濾過装置は、前記第1の実施形態と比較して、第2の隔壁6及びこれにより形成される連通室13がなく、その代わりに、フィルターエレメント3の原液室9と反対側の端部に接続され、該端部同士を前記濾液室から隔離しつつ連通する連通管19を設けたものである。
前記連通管19は、各フィルターエレメント3内部の流体が周囲から隔離された状態で相互に流通できるようにするもので、配管部分19aと、各フィルターエレメント3の第2の端部部材33と連結する継手部分19bとからなっている。配管部分19aの形態については、本発明の濾過装置では、原理上、逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3と接続されていないフィルターエレメント3を接続すれば足りるので、2つのフィルターエレメント3ずつペアで接続する形態でも良い。しかし、動作の安定性の観点からすべてのフィルターエレメント3を相互に連結する形態が望ましい。具体的には、図16のように円周状の連結等が考えられる。前記配管部分19aの材質は、配管として公知のものが使用できる。例えば、ステンレス鋼などの金属、天然ゴムやポリ塩化ビニル等の樹脂であっても良い。周囲との圧力差でつぶれない程度の強度を有するものであれば、柔軟性のある材質でもよい。着脱時の作業性に優れるからである。前記継手部分19bとしては、所定の強度が得られ、気密性が保たれるものであれば、公知の継手手段が採用できる。
このように構成された濾過装置の動作は、基本的には第1の実施形態と同様であるが、前記連通管19の動作について説明する。
濾過時においては、図15に示すように、濾過すべき流体は原液室9へ供給され、これに連通したフィルターエレメント3a内部からその外側の濾液室10へ通過することにより濾過される。ここで、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3bには、前記原液室9からは流体が流入できないが、該フィルターエレメント3bにも前記連通管11を経由して他のフィルターエレメント3aから流体が流入するので、同様に濾過が行われる。
一方、逆洗時においては、図示しないが、前記逆洗流体排出系のバルブは開放され、これと接続されたフィルターエレメント3bは、その内部が該逆洗用パイプ5により吸引されて圧力が低下するので、外側の前記濾液室10の流体が濾過時とは逆方向にフィルターエレメント3b内部へ通過することにより、逆洗される。このとき、前記逆洗用パイプ5が接続されていないフィルターエレメント3aから連通管19を経由して流体が前記逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3bに流入するので、逆洗開始時に該フィルターエレメント3b内上端部にある捕捉物除去具34がスムーズに下降でき、捕捉物を除去できる。なお、前述の流量制限手段により流量は絞られているので、逆洗の効率には影響を与えない。逆洗終了直後のフィルターエレメント3内では、捕捉物除去具34が上昇するが、該捕捉物除去具34と上端部との間の流体が連通管19を通して逆洗中の他のフィルターエレメント3に流出することができるため、該捕捉物除去具34はスムーズに上端部まで上昇できる。
上述の第2の実施形態の場合は、フィルターエレメント3の長さが2つの隔壁の間隔に依存しないので、様々な長さのフィルターエレメント3を使用できる。
1…ケーシング
2…第1の隔壁
3,3a,3b…フィルターエレメント
4…第2の隔壁
5…逆洗用パイプ
6…逆洗流体ドレンパイプ
7…流体入口
8…流体出口
9…原液室
10…濾液室
11…貫通孔
12…貫通孔
13…連通室
14…逆洗用パイプ基端部
15…シャフト
16…ギアードモータ
17…逆洗流体ドレンパイプ基端部
18…接続口部
19…連通管
19a…配管部分
19b…継手部分
20…排出口
31…濾過材
32…第1の端部部材
33…第2の端部部材
34…捕捉物除去具(除去ブラシ)
34a…取付部材(ブラシ本体)
34b…ブラシ毛
34c…端面
35…ガイドシャフト
36…ステー
37…開口部(オリフィス)
38,38a,38b…ストッパ
39…間隙
本発明は、長手方向の両端部が開口され、濾過の方向が内側から外側の筒状のフィルターエレメントに濾過時と逆向きに流体を流して該フィルターエレメントに付着した捕捉物をはく離する逆洗可能な濾過装置に関し、詳しくは、前記フィルターエレメントの両端部の開口から濾過及び逆洗を行い、該フィルターエレメントの内部に設けた捕捉物除去具を、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによってその軸方向に確実に移動させて捕捉物を除去するフィルターエレメント、及び、これを用いた濾過装置に係るものである。
従来、海水、湖水、河川水、上水道、下水道等の水の濾過、各種装置の冷却水又はプロセス液等の産業一般に用いられる液体の濾過、化学工場等で使用される各種原料の気体等の濾過において、それらに含まれる微粒子や塵埃等を捕捉除去する目的で、種々の濾過装置が用いられている。
前記濾過装置による濾過を長期間続けていると、フィルターエレメントに捕捉された固形分やゲル状の塵埃等が該フィルターエレメントに蓄積し、濾材を通過する流体に対する抵抗が上昇し、最終的には対象となる流体の濾過が困難になる。これに対処するため、例えば定期的に、前記フィルターエレメントに濾過時と逆向きに流体を通して該フィルターエレメントに付着した捕捉物をはく離させる「逆洗」と呼ばれる操作を行い、フィルターエレメントの濾過性能を回復させる。
前記逆洗の操作は有効なものであるが、フィルターエレメントに付着した捕捉物が完全に除去されずに残存することがある。その場合は、逆洗の操作を繰り返しても前記フィルターエレメントの濾材の流体に対する抵抗が上昇し、対象となる流体の濾過が困難になることがあった。特に、液体を濾過した場合のように、ゲル状の塵埃等や、粘着性の強い物質で覆われた塵埃等がフィルターエレメントの表面に強固に付着している場合は、濾過時と逆向きに流体を流す逆洗のみでフィルターエレメントの濾過性能を回復させることは難しい。中でも、目の大きさが200μmより細かいフィルターエレメントを使用している濾過装置においてはその傾向が強い。
また、フィルターエレメントに繊維状の塵埃等が絡まっている状態の濾過においても同様である。このような状態の濾過になり易いのは、海水、湖水、河川水、上水道、下水道等の水の濾過のように、対象となる流体に微生物を含む場合に顕著である。例えば、船舶のバラストタンクに積み込まれたバラスト水(海水)を濾過すると、海水中の藻がたくさん捕捉されるが、繊維状の藻やセルロースその他の繊維状の物質がフィルターエレメントに絡みついて容易には取れない。
これに対処して、フィルターエレメントの濾過性能を回復させるための濾過装置が提案されている。この種の濾過装置としては、濾過すべき流れ用の入口チャネルと、濾過済み流れ用の出口チャネルと、両端部で開放した多数の平行な濾過エレメントであって、該濾過エレメントに濾過すべき流れを送り込むことによって、前記エレメントを通って前記エレメント外へ向かう浸透が起きるようにしている濾過エレメントと、該濾過エレメントの両端部において前記エレメントの異なった端部に交互に接続する少なくとも1つの洗浄機構とを含み、該洗浄機構が、濾過済みの流体の圧力で発生した前記エレメントの逆流フラッシュ流の排出チャネルを形成しているものがある。さらに、前記濾過エレメントの各々が、その端部間で2分割されて、前記エレメントの各端部に接続された前記洗浄機構が、一度に前記エレメントの長さのある部分だけに逆流フラッシュを発生するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明者らも、上記問題に対処するため、フィルターエレメントの内側に、濾過時又は逆洗時の流体の流れによって該フィルターエレメント内をその軸方向に移動し、外周部の部材が上記フィルターエレメントの内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具を設けた濾過装置を提案している(特許文献2参照)。
特表2003−509200号公報 特開2013−91046号公報
しかし、特許文献1に記載の濾過装置においては、フィルターエレメントに付着した捕捉物をはく離させる逆洗を、該フィルターエレメントの両端部側の開口からタイミングをずらせて行っているが、流体の流れによる圧力のみによる逆洗であり、前記フィルターエレメントに繊維状の塵埃等が絡まっている場合、さらにそれが粘性や付着力の強い物質で覆われている場合には、流体の流れによる逆洗のみでフィルターエレメントの濾過性能を回復させるのは難しいものであった。
一方、特許文献2に記載の濾過装置においては、濾過時又は逆洗時の流体の流れによって該フィルターエレメント内をその軸方向に移動し、外周部の部材が上記フィルターエレメントの内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具を設けているが、フィルターエレメントの入口と反対側の端部が閉塞端となっているので、該閉塞端近傍では十分な軸方向流が得られないことがあり、その結果、捕捉物除去具を前記閉塞端まで移動させることができない場合もあった。
さらに、前記各先行技術文献において、各フィルターエレメントに逆洗用パイプを接続して該フィルターエレメントを逆洗する逆洗方式が記載されているが、この逆洗方式を採用する濾過装置の濾過動作時には、逆洗用パイプは一部のフィルターエレメントに接続されたままになっているので、該接続されているフィルターエレメントには原液が供給できず、そのフィルターエレメントでは濾過が行われないとの問題もあった。
そこで、このような問題点に対処し、本発明が解決しようとする課題は、フィルターエレメントの両端部の開口から濾過及び逆洗を行い、該フィルターエレメントの内部に設けた捕捉物除去具を、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによってその軸方向に確実に移動させて捕捉物を除去するフィルターエレメント、及び、これを用いた濾過装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明によるフィルターエレメントは、長手方向の両端が開口され、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントであって、両端が開口され所定の長さで伸びる濾過材と、前記濾過材の一方の端部に結合してこれを支持するとともに、流体が通過できる開口部を有する第1の端部部材と、前記濾過材の他方の端部に結合してこれを支持するとともに、流体が通過できる開口部を有する第2の端部部材と、前記濾過材の内側に設けられ、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって該濾過材の内側を、前記第1及び第2の端部部材の間で移動し、外周部が前記濾過材の内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具と、を有し、前記濾過材の他方の端部側に、前記第2の端部部材を通過する流体の量を制限する流量制限手段を設けたものである。
また、本発明による濾過装置は、外部から流体が流入する流体入口を有するとともに、内部で濾過された流体を外部へ流出する流体出口を有するケーシングと、前記ケーシングの内部を、前記流体入口に連通し濾過前の流体で満たされる原液室と前記流体出口に連通し濾過後の流体で満たされる濾液室とに隔離する第1の隔壁と、前記第1の隔壁に形成された複数の貫通孔に一方の端部が嵌合保持され、内部が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられ、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントと、前記フィルターエレメントの他方の端部側にて前記第1の隔壁と平行に設けられ、該フィルターエレメントの他方の端部を複数の貫通孔に各々嵌合保持し、前記フィルターエレメントの他方の端部側の濾液室を他の部分から隔離して、該フィルターエレメント内を流れる流体が連通する連通室を形成する第2の隔壁と、前記複数のフィルターエレメントのうち一部のフィルターエレメントに、前記一方の端部側に接続され、前記フィルターエレメントの外側から内側に向けて流体を流して逆洗する逆洗用パイプと、前記逆洗用パイプの排出側に接続され、前記フィルターエレメントの逆洗によって除去された捕捉物を前記ケーシングの外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプと、を備える濾過装置であって、前記フィルターエレメントとして、前述の本発明のフィルターエレメントを用い、第1の端部部材が前記一方の端部側になり、第2の端部部材が前記他方の端部側となるように配置したものである。
また、本発明による他の濾過装置は、外部から流体が流入する流体入口を有するとともに、内部で濾過された流体を外部へ流出する流体出口を有するケーシングと、前記ケーシングの内部を、前記流体入口に連通し濾過前の流体で満たされる原液室と前記流体出口に連通し濾過後の流体で満たされる濾液室とに隔離する第1の隔壁と、前記第1の隔壁に形成された複数の貫通孔に一方の端部を嵌合保持され、内部が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられ、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントと、前記複数のフィルターエレメントの他方の端部に接続され、該他方の端部同士を前記濾液室から隔離しつつ連通する連通管と、前記複数のフィルターエレメントのうち一部のフィルターエレメントに、前記一方の端部側に接続され、前記フィルターエレメントの外側から内側に向けて流体を流して逆洗する逆洗用パイプと、前記逆洗用パイプの排出側に接続され、前記フィルターエレメントの逆洗によって除去された捕捉物を前記ケーシングの外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプと、を備える濾過装置であって、前記フィルターエレメントとして、前述の本発明のフィルターエレメントを用い、第1の端部部材が前記一方の端部側になり、第2の端部部材が前記他方の端部側となるように配置したものである。
本発明によるフィルターエレメントによれば、濾過材と、その一方の端部に結合し開口部を有する第1の端部部材と、他方の端部に結合して開口部を有する第2の端部部材と、前記濾過材の内側に設けられる捕捉物除去具とを有し、前記濾過材の他方の端部側に流量制限手段を設けたので、前記第2の端部部材を通過する流体の量を制限することができる。これにより、適切な量の流体が前記第2の端部部材を通過できるので、フィルターエレメントにおいて捕捉物除去具を該第2の端部部材に当接する位置まで確実に移動できる。したがって、該フィルターエレメントを本発明による濾過装置に用いることにより、捕捉物除去具が濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって該濾過材の内側を、前記第1及び第2の端部部材の間で移動でき、捕捉物を確実に除去することができる。
また、本発明による濾過装置によれば、ケーシングと、前記ケーシングの内部を原液室と濾液室とに隔離する第1の隔壁と、一方の端部側が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられたフィルターエレメントと、濾液室の一部を他の部分から隔離して前記フィルターエレメントの他方の端部側が連通する連通室を形成する第2の隔壁と、一部のフィルターエレメントに接続され該フィルターエレメントを逆洗する逆洗用パイプと、逆洗により除去された捕捉物を外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプとを備え、前記フィルターエレメントとして本発明のフィルターエレメントを用いたので、前記フィルターエレメントの他方の端部を通過する流体の量を制限しつつ適切な量の流体が該他方の端部を通過可能となり、フィルターエレメントにおいて捕捉物除去具を該他方の端部まで確実に移動できる。したがって、フィルターエレメント内の捕捉物除去具が濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって濾過材の内側を、一方及び他方の端部の間で移動して捕捉物を確実に除去し、該除去した捕捉物を前記逆洗用パイプおよび逆洗流体ドレンパイプを通じて排出することができる。これにより逆洗効果を高めることが可能になる。また、濾過動作時において、前記逆洗用パイプに一方の端部が接続されているフィルターエレメントにも前記連通室を経由して流体が流入できるので、該フィルターエレメントにおいても濾過が可能になり、フィルターエレメントの利用効率を向上できる。さらに、前記逆洗用パイプをフィルターエレメントの一方の端部側に配置すれば足りるので、逆洗用パイプを両側に配置した場合に比較して装置構造が単純になり、装置コストの低減を図ることができる。
また、本発明による他の濾過装置によれば、ケーシングと、前記ケーシングの内部を原液室と濾液室とに隔離する第1の隔壁と、一方の端部側が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられたフィルターエレメントと、前記フィルターエレメントの他方の端部に接続され該他方の端部同士を前記濾液室から隔離しつつ連通する連通管と、一部のフィルターエレメントに接続され該フィルターエレメントを逆洗する逆洗用パイプと、逆洗により除去された捕捉物を外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプとを備え、前記フィルターエレメントとして本発明のフィルターエレメントを用いたので、前記フィルターエレメントの他方の端部を通過する流体の量を制限しつつ適切な量の流体が該他方の端部を通過可能となり、フィルターエレメントにおいて捕捉物除去具を該他方の端部まで確実に移動できる。したがって、逆洗時には、各フィルターエレメント内の捕捉物除去具が濾過材の内側を、一方及び他方の端部の間で移動して捕捉物を確実に除去し、該除去した捕捉物を前記逆洗用パイプおよび逆洗流体ドレンパイプを通じて排出することができる。これにより逆洗効果を高めることが可能になる。濾過動作時において、前記逆洗用パイプに一方の端部が接続されているフィルターエレメントにも前記連通管を経由して流体が流入できるので、該フィルターエレメントにおいても濾過が可能になり、フィルターエレメントの利用効率を向上できる。さらに、逆洗用パイプをフィルターエレメントの一方の端部側に配置すれば足りるので、逆洗用パイプを両側に配置した場合に比較して装置構造が単純になり、装置コストの低減を図ることができる。
本発明による濾過装置の第1の実施形態を示す正面断面図である。 図1のC−C線断面図である。 本発明によるフィルターエレメントの第1の実施形態を示す正面断面図である。 図3に示すフィルターエレメントの平面図(a)、及び底面図(b)である。 前記フィルターエレメントにおいて、逆洗用パイプが接続されていない場合の濾過時の状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、逆洗用パイプが接続されている場合の濾過時の状態を示す正面断面図である。 図5に示すフィルターエレメントにおいて、逆洗用パイプが接続されて逆洗が開始された直後の状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、図7の状態からわずかに後の状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、逆洗が終わり、原液室から流体が流入し始めた状態を示す正面断面図である。 前記フィルターエレメントにおいて、図9の状態の後、捕捉物除去具が上端に達したときの状態を示す正面断面図である。 本発明によるフィルターエレメントの第2の実施形態を示す要部断面説明図であり、(a)は濾過時の上端部の状態、(b)は逆洗時の下端部の状態を示す。 本発明によるフィルターエレメントの第3の実施形態を示す要部断面説明図である。 前記濾過装置の濾過時の状態を示す正面断面図である。 前記濾過装置の逆洗時の状態を示す正面断面図である。 本発明による濾過装置の第2の実施形態を示す正面断面図である。 図15のD−D線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による濾過装置の第1の実施形態を示す正面断面図であり、図2は図1のC−C線断面図ある。この濾過装置は、海水(例えば船舶のバラスト水)、湖水、河川水、上水道、下水道等の水の濾過、各種装置の冷却水又はプロセス液等の産業一般に用いられる液体の濾過、化学工場等で使用される各種原料の気体等の濾過に適用されるもので、それらに含まれる微粒子や塵埃等を捕捉除去するようになっており、図1に示すように、ケーシング1と、第1の隔壁2と、フィルターエレメント3と、第2の隔壁4と、逆洗用パイプ5と、逆洗流体ドレンパイプ6とを備えて成る。
前記ケーシング1は、濾過装置の外殻をなすもので、有底有蓋の筒状(例えば円筒形状)、直方体形状などに形成され、例えば側壁下端部に外部から矢印Aのように流体が流入する流体入口7を有すると共に、側壁上部に内部で濾過された流体を矢印Bのように外部へ流出する流体出口8を有している。ケーシング1の材質は、金属又は合成樹脂などであり、その形状・大きさは、濾過装置の使用目的、通過させる液体、気体等の種類、量、設置場所などに応じて適宜決めればよい。
前記ケーシング1の内部の下部には、第1の隔壁2が水平に設けられている。この第1の隔壁2は、ケーシング内部を流体入口7と連通し濾過前の流体で満たされる原液室9と、前記流体出口8と連通し濾過後の流体で満たされる濾液室10とに隔離する隔壁である。その複数箇所には、前記フィルターエレメントの一方の端部(下端部)を嵌合保持するための貫通孔11が形成されている。
前記第1の隔壁2の上側には、複数のフィルターエレメント3が、その下端部が前記貫通孔11に嵌合保持されて、内部が前記原液室9と連通して前記濾液室10内に垂直方向に平行に設けられている。このフィルターエレメント3は、対象となる流体を内側から外側に向けて通過させ流体中に含まれる固形分やゲル状の塵埃等を捕捉して濾過するとともに、流体を外側から内側に向けて通過させて逆洗されるもので、筒状、例えば円筒状に形成されている。前記フィルターエレメント3は、図2では1つの円周上に8本配置した例を示したが、8本以外の複数本でもよく、また、複数の同心円上に配列されていても良い。
前記フィルターエレメント3の他方の端部(上端部)側には、第2の隔壁4が、前記第1の隔壁2と平行に水平に設けられている。この第2の隔壁4は、該フィルターエレメント3の上端部を複数の貫通孔12で嵌合保持するとともに、該上端部側の濾液室10を他の部分から隔離して、フィルターエレメント3内を流れる流体が連通する連通室13を形成する隔壁である。
この連通室13は、ケーシング1の上端蓋と前記第2の隔壁4との間に形成されている。連通室13は、フィルターエレメント3の上端部側同士を連通し、これらの間を流体が行き来できるようにする部屋であり、原液室9、濾液室10及び逆洗用パイプ5から隔離されて形成されている。連通室13の容量は大きい必要はなく、流体がスムーズに流れられる容量があれば足りる。
前記第1の隔壁2の下側には、逆洗用パイプ5が配置されている。該逆洗用パイプ5は、図1において、基端部14から左に半径方向に伸び、前記第1の隔壁2に穿孔された貫通孔11を介してフィルターエレメント3に接続される。図1では、逆洗用パイプ5が1本の場合を示したが、これを2本以上設けて同時に2本以上のフィルターエレメント3に接続できるようにしても良い。
前記の逆洗用パイプ5の基端部14には、その中心軸上には、シャフト15が上向きに取り付けられてケーシング1の外部に張り出しており、該シャフト15の端部にはギアードモータ16が設けられて回転駆動されるようになっている。したがって、該ギアードモータ16を回転駆動することによって前記シャフト15が回転し、図2に示すように、逆洗用パイプ5が例えば時計回りに矢印P方向に回転して、例えば円周状に配列された複数のフィルターエレメント3の下端部の開口部に、逆洗用パイプ5が順次接続される。
前記逆洗用パイプ5の排出側、すなわち該逆洗用パイプ5の基端部14には、図1に示すように、逆洗流体ドレンパイプ6が接続されている。この逆洗流体ドレンパイプ6は、前記フィルターエレメント3の逆洗時に除去された捕捉物を前記ケーシング1の外部へ排出するもので、ケーシング1の半径方向に伸びる直線状のパイプに形成されている。前記逆洗流体ドレンパイプ6の基端部17には、上向きに開口した接続口部18が設けられ、この接続口部18に前記逆洗用パイプ5の基端部14が回転自在に接続されている。また、前記逆洗流体ドレンパイプ6の先端部の排出口20は、ケーシング1の外部へ突出している。
前記逆洗流体ドレンパイプ6は、ケーシング1に対して固定されており、その基端部17の接続口部18に対する逆洗用パイプ5の基端部14との接続部には、ベアリング等の軸受機構が介在して支持すると共に、排出物が未濾過の流体に混じらないようにシール機構が設けられている。したがって、前記ギアードモータ16を回転駆動することにより、前記接続口部18を回転支持部として前記逆洗用パイプ5の基端部14と接続口部18のシールを保ちながら、該逆洗用パイプ5を回転する。
前記逆洗流体ドレンパイプ6の排出口20の排出側には、図示省略のバルブが接続されている。このバルブは、前記逆洗用パイプ5および逆洗流体ドレンパイプ6を含む逆洗流体排出系を開閉するもので、濾過装置の逆洗時には開放され濾過時には閉塞されるようになっている。このバルブの排出側は、前記流体出口8の圧力より低圧側、例えば大気圧に開放されている。
ここで、本発明においては、前記フィルターエレメント3は、次のように構成されている。
図3は、本発明のフィルターエレメント3の第1の実施形態を示す正面断面図であり、図4(a)は平面図、(b)は底面図である。このフィルターエレメント3は、対象となる流体の濾過に用いられるもので、濾過材31と、第1の端部部材32と、第2の端部部材33と、捕捉物除去具34とを含んで構成され、本発明の濾過装置において、第1の端部部材32が前記一方の端部(下端部)側になり、第2の端部部材33が前記他方の端部(上端部)側となるように配置されている。
前記濾過材31は、流体を濾過するもので、筒状、例えば円筒状に形成される。濾材が複数層に重ねられており最内層が最も細かい網目になっているものであればよく、例えば、複数積層した金網を焼結して保形性を高め円筒状に成形した焼結メッシュフィルターや、円筒状のノッチワイヤーフィルター、ウェッジワイヤーフィルター等がある。焼結メッシュフィルターの場合は、最内層の網目の大きさは10〜200μmのもの、それより外側の層の網目の大きさは最内層のものより粗ければ良いが、200〜5000μmのものが適当であり、その中から適宜選定すればよい。この場合、最内層以外の補強メッシュや保護メッシュは、フィルターエレメントの強度に係わるものであり、必要な強度が得られるようにその層数、網目の大きさ及び線材径を選択する。また、メッシュの織り方は、平織り、綾織り、朱子織り、畳織り、綾畳織り等が適用できる。なお、最内層を金網として、その外側に例えば角穴が無数に穿設された円筒状のパンチングチューブや、複数本の細いロッドを軸方向に沿って並べた補強部材を配設した状態で焼結してもよい。
例えば、海水のバラスト水の濾過用の濾過材31の場合、濾過精度を決める細かいファインメッシュと、濾過時の内側から外側に向かう力及び逆洗時の外側から内側に向かう力に対して濾過材31に強度を与える粗い金網からなり、互いに接合されているのが好ましい。さらに前記粗い金網とファインメッシュとの間に、両者の中間の細かさの金網を挟んで焼結することがより好ましい。ファインメッシュとしては、400〜100メッシュ(63.5〜254μm)、中間の金網としては、100〜20メッシュ(254〜1270μm)、強度を与える金網としては、50〜5メッシュ(508〜5080μm)が適当である。
前記濾過材31の形状、大きさなどは、濾過装置の使用目的、濾過性能、ケーシング1の大きさ、対象の流体の種類などに応じて適宜決めればよい。例えば、円筒状の濾過材31の場合には、外径は300mm〜1000mmの範囲で、長さは5000mm以内で種々の寸法を選択すればよい。
前記濾過材31の一方の端部(下端部)には、第1の端部部材32が結合されている。この第1の端部部材32は、円筒状の部材であり、濾過材31の開口端部を補強すると共に、前記捕捉物除去具34の抜け落ちを防ぐものである。また、フィルターエレメント3の原液入口側の端部部材を構成している。本実施形態では、図4(b)に示すように、円形の開口部の中心を横切るステー36を架設して、その中心に後述するガイドシャフト35が挿通される中心孔を設けてある。
前記濾過材31の原液入口側端部と反対側の他方の端部(上端部)には、第2の端部部材33が結合されている。この第2の端部部材33は、所定の開口を有する円筒蓋状の部材であり、濾過材31の開口端部を補強すると共に、前記捕捉物除去具34の抜け落ちを防ぐものである。平面視では、図4(a)に示すように円形の蓋状に閉じており、後述するガイドシャフト35が挿通される中心孔と、これを取り囲む4つの開口部37が設けられている。この開口部37は、後述する流量制限手段の構成要素となっている。
前記濾過材31の内側には、捕捉物除去具34が設けられている。この捕捉物除去具34は、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって該濾過材31の内側を、前記第1及び第2の端部部材32,33の間で移動し、外周部が前記濾過材31の内周面に摺接して捕捉物を除去するものである。移動の安定性の観点から、該捕捉物除去具34は中心軸上に貫通孔を有し、前記第1の端部部材32及び第2の端部部材33に両端部が固定されたガイドシャフト35に挿通されて、濾過材31の軸方向に移動できるように構成されることが望ましい。
前記捕捉物除去具34は、例えば図3に示すような除去ブラシに構成されている。
この除去ブラシ34は、前記フィルターエレメントの内側にてそのガイドシャフト35に沿って上下に移動するもので、ブラシ本体34aの外周部にブラシ毛34bを植え付けて成る。ブラシ本体34aは、その中心部に前記ガイドシャフト35が挿通する孔が形成され、外径は濾過材31の内径よりも小さい径とされており、所定の厚みを有するドーナツ盤状に形成されている。このブラシ本体34aの外周部には、毛先が前記濾過材31の内周面に摺接できるブラシ毛34bがリング状に植え付けられている。ブラシ毛34bの毛足の長さは、少なくとも前記濾過材31の内周面に該ブラシ毛34bの先端がある程度の圧力をもって接触する程度にすることが必要である。
前記ブラシ毛34bの材質は、例えば天然若しくは合成の繊維、又は鋼、銅、真鍮などの金属線等の一般にブラシの毛として使用されているものならば何でもよい。なお、ブラシ毛34bは、フィルターエレメント内を流れる流体の圧力により撓む程度の柔軟性を有している。これにより、流体の圧力によりブラシ毛34bが撓んだ際には、濾過材31の内周面とブラシ毛34bの毛先との間に隙間ができて、流体が流通可能となる。
図3に示すように、前記フィルターエレメント3内のガイドシャフト35の上端部及び下端部には、ストッパ38a,38bが取り付けられている。このストッパ38a,38bは、捕捉物除去具(除去ブラシ)34が前記フィルターエレメント3の内側にてそのガイドシャフト35に沿って上下に移動した際に、上下の終端部で捕捉物除去具34の移動を止めるものである。なお、ストッパ38a,38bの材質としては、ゴムやバネの様に衝撃を吸収できるものがより好ましい。
ここで、本発明においては、前記濾過材31の他方の端部(上端部)側に、流量制限手段が設けられている。この流量制限手段は、前記第2の端部部材33を通過する流体の量を制限するもので、一定量の流体の通過を許すことにより
a)フィルターエレメント3の逆洗開始時に第2の端部部材33側当接位置にある前記捕捉物除去具34が、第1の端部部材32側へスムーズに離間できるようにすること、
b)フィルターエレメント3の逆洗終了時に捕捉物除去具34が第2の端部部材33側当接位置までスムーズに移動できるようにすること、
c)濾過時において、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3には、前記原液室9からは流体が流入できないので、前記連通室13経由で流体が流入して濾過できるようにすること、を実現する。
一方、流量を制限することにより、
d)逆洗中のフィルターエレメント3に連通室13経由で過大な量の流体が流入し、濾過材31の内外逆圧力差が低下して逆洗の効率が低下することを防ぐこと、を実現する。
本実施形態の流量制限手段は、図3において、第2の端部部材33に設けられた開口37と前記捕捉物除去具34の取付部材34aとからなり、該第2の端部部材33側に移動して当接した該捕捉物除去具34の取付部材34aが前記開口部37を通過する流体の流路を制限するようにした。図3の例では、該捕捉物除去具34が前記第2の端部部材33側のストッパ38aから離間しているときは、該開口部37は、前記捕捉物除去具34の取付部材34aの端面34cによって閉塞されず、当該開口面積に応じた量の流体が通過できる。一方、該捕捉物除去具34が前記第2の端部部材33側の前記ストッパ38aに当接しているときは、前記取付部材34aの端面34cが該開口部37と近接するように構成されており、通過できる流体の量は、該開口部37と該端面34cとの間隙39に応じた量に制限される。
なお、以上では、前記捕捉物除去具34が前記ストッパ38aに当接しているときは、通過できる流体の量は、前記開口部37とこれに近接する前記取付部材34aの端面34cとの間隙39に応じた量に制限される構成としたが、本発明の第1の実施形態はこれに限られず、前記取付部材34aの端面34cが該開口部37のすべてを封止せずに残った隙間の量に応じて制限される構成としてもよい。さらに、複数の開口部37のうち一部の開口部37のみを前記端面34cで封止し、封止していない開口部37の開口面積に応じた流体の通過を許すように制限する構成でもよい。請求項7の記載「該第2の端部部材側に移動して当接した捕捉物除去具の取付部材が前記開口部を通過する流体の流路を制限するようにした」とは、これらの構成を含むものとする。
次に、このように構成された第1の実施形態によるフィルターエレメント3の動作について、図5〜10を参照して説明する。
図5は、濾過装置の濾過時における、逆洗用パイプ5(図1参照)が接続されていないフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。原液が、第1の端部部材32側、すなわち下端部側から、フィルターエレメント3内部に流入し、濾過材31の内側から外側の濾液室10へ通過する際に濾過される一方、これにより捕捉物除去具34が押し上げられて第2の端部部材33側ストッパ38aに当接している。このとき、前記のように、前記捕捉物除去具34の取付部材34aの端面34cは、開口37に対し近接するが当接せず、わずかな間隙39が残っている。該間隙39は濾過装置の連通室13へ連通しているが、連通室13の流体は後述するように逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3へ流出するため、該連通室13の圧力は濾過中のフィルターエレメント3内部より低圧である。したがって、該濾過中のフィルターエレメント3内部の流体の一部は、当該間隙39を通過して、該連通室13に流出する。
図6は、濾過装置の濾過時における、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。濾過時には前記逆洗流体排出系のバルブは閉じられているが、該逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3には、前記原液室9からは流体が流入できない。しかし、流体は、他のフィルターエレメント3から連通室13を経由し、前記第2の端部部材33の開口37を通過して流入する。これにより、該フィルターエレメント3内部の圧力は濾液室10より高くなり、流体は該フィルターエレメント3内部から濾過材31を通過して外部の濾液室10へ流出することにより、濾過が行われる。このとき、前記捕捉物除去具34は連通室13から流入する流体により押し下げられて、下端の第1の端部部材32側ストッパ38bに当接した位置にある。
次に図7は、逆洗が開始され、逆洗用パイプ5が回転して図5の濾過状態にあったフィルターエレメント3に該逆洗用パイプ5が接続された直後の該フィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。フィルターエレメント3内部では、流体が逆洗用パイプ5に接続された前記逆洗流体ドレンパイプ6を通じて液室10より低圧側へ導かれ(以下、この状態を「逆洗用パイプ5による吸引」という)圧力が低下するため、前記濾液室10側から流体がフィルターエレメント3内部へ逆流し、逆洗が始まる。このとき、前記捕捉物除去具34はまだ上端位置にあるため、それより上側には濾液室10から濾過材31を通過してくる流体の流入は困難で、捕捉物除去具34は下がりにくい。しかし、本発明のフィルターエレメント3では、前記第2の端部部材33が開口37を有しており、これを介して連通する連通室13には、前記逆洗用パイプ5が接続されていないフィルターエレメント3(図10参照)の全てから、制限されつつも流体が供給されている。したがって、図7のフィルターエレメント3には、前記開口37を介して前記連通室13からも流体が流入し、該捕捉物除去具34の上側の空間の圧力が下側より高くなるため、該捕捉物除去具34は確実に押し下げられる。
図8は、図7の状態からわずかに後のフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。前記捕捉物除去具34は、前記第2の端部部材33から離れ、両者の間に所定の空間ができている。この空間の圧力は該捕捉物除去具34の下側の圧力よりも高いが、このとき濾過中の別のフィルターエレメントから前記連通室13へ流入する流体の量が該別のフィルターエレメントの間隙39で絞られる上に、該連通室13から図8のフィルターエレメントの前記空間へ流入する流体の量が前記開口部37で絞られるため、該空間の圧力は外側の濾液室10の圧力より低い。したがって、この空間にも流体が濾液室10側から流入するとともに、捕捉物除去具34をその後下端の前記第1の端部部材32に当接するまで押し下げる。これにより、濾過材31内側表面の捕捉物は該捕捉物除去具34により掻き取られ、逆流した流体とともに前記逆洗用パイプ5へ流入して排出される。
なお、捕捉物除去具34が下端の前記第1の端部部材32側ストッパ38bに当接している状態では、該捕捉物除去具34の外周部(ブラシ毛34b等)は、流体の流れにより下側へ撓み、濾過材31との間に隙間が生ずるので、流体は通過して逆洗用パイプ5に流入できる。
図9は、逆洗用パイプ5がさらに回転して次のフィルターエレメント3との接続位置に移動したときの、元のフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。該フィルターエレメント3への逆洗用パイプ5の接続は外れたので、再度原液室9から流体が流入し、濾過材31の内側から外側の濾液室10へ通過する際に濾過される一方、これにより捕捉物除去具34が押し上げられる。ここでフィルターエレメント3の上端が閉塞端になっている場合、捕捉物除去具34が該閉塞端に近づくと両者の間にある流体がスムーズに逃げられないため、捕捉物除去具34が十分上昇できない場合がある。しかし、本発明のフィルターエレメント3では、第2の端部部材33が開口部37を有するので、これを通して流体が前記連通室13を通して逆洗中の他のフィルターエレメント3に流出することができ、捕捉物除去具34はスムーズに上端位置まで移動できる。
特に、本実施形態では、前記第2の端部部材33側に移動して当接した前記捕捉物除去具34の取付部材34aが前記開口部37を通過する流体の流路を制限するようにしたので、該捕捉物除去具34が該第2の端部部材33側到達する前は、該部材を通過する流量の制限は緩やかであるため、逆洗時における短周期の濾過・逆洗の繰り返し動作においても、捕捉物除去具34は上端まで確実に上昇できる。
図10は、図9の状態の後、前記捕捉物除去具34が上端部側に到達した時のフィルターエレメント3の状態を示す正面断面図である。図5の状態とほぼ同じであるが、連通室13を介して連通する他のフィルターエレメント3が逆洗中で圧力が低く、これに伴って連通室13の圧力も低くなるので、図5の状態より多くの流体が該連通室13へ流出しやすくなる。しかし、本実施形態では、図10の状態のように、前記第2の端部部材33側に当接した捕捉物除去具34の取付部材34aが前記開口部37を通過する流体の流路を制限するようにしたので、連通室13を経由して逆洗中の他のフィルターエレメント3に過大な量の流体が流入し、その濾過材31の内外逆圧力差が減少して逆洗の効率が低下するのを防ぐことができる。つまり、図10の状態のフィルターエレメント3からの流体の連通室13への流入を制限する一方、図9に示す捕捉物除去具34が上昇途中にあるフィルターエレメント3からの流体を連通室13に流入しやすくしたので、逆洗の効果を低下させずに該捕捉物除去具34を上昇させることができる。
前記逆洗用パイプ5を回転させて接続するフィルターエレメント3を順次変えることにより、図7〜10に示したように捕捉物除去34が各フィルターエレメント3内を往復して確実に捕捉物をかき落とすことができる。
前記開口37の開口面積及び、前記当接時の間隙39は、以下のように設定する。すなわち、当接時の間隙39については、これが大きいと、原液室9から流体が供給されて濾過が行われているフィルターエレメント3から連通室13へ流入する流体の量が増加するので、これと接続されている他のフィルターエレメント3への流入流量が増加し、段落0041の前記a)及びc)は実現しやすくなる一方、前記d)は実現が難しくなる。したがって、当接時の間隙39は、前記a),c)及びd)を実現するように実験等により最適な間隙量に設定するのが良い。
一方、前記開口37の開口面積については、これが大きいと、捕捉物除去34が第2の端部部材33側に当接していない時にはフィルターエレメント3から連通室13へ流体が逃げやすくなるので、前記b)は実現しやすくなる。その反面、逆洗中の濾過装置において、逆洗用パイプが接続されていないフィルターエレメント3内で何らかの原因で捕捉物除去具34が第2の端部部材33側に当接できない場合、前記開口部37だけでは連通室13へ流出する流量があまり制限されず、また、開口部37の開口面積が大きいと該連通室13からそのとき逆洗中の他のフィルターエレメント3へ流入する流量もあまり制限されないので、前記d)の実現が難しくなる。したがって、開口37の開口面積は、前記b)が実現できる限りあまり大きくしないほうが良い。
前記d)を実現するには、あるフィルターエレメント3が逆洗されているとき、該フィルターエレメント3へ濾液室10から濾過材31を通過して流入する流量の5〜20%の流量が前記連通室13から流入するように、前記間隙39の間隙量及び前記開口37の開口面積を調整するのが望ましい。
次に本発明のフィルターエレメント3の第2の実施形態について説明する。
図11(a)および(b)は、本発明のフィルターエレメント3の第2の実施形態を示す正面断面図である。第1の実施形態との相違点は、前記流量制限手段が、前記第2の端部部材33の開口部37と前記除去ブラシ34のブラシ毛34bとからなり、前記第2の端部部材33側に当接した該除去ブラシ34のブラシ毛34bが該開口部37を通過する流体の流路を制限するようにしたことである。具体的には、前記捕捉物除去34として除去ブラシを用いる。一方、前記第2の端部部材33は開口部37を有している。前記除去ブラシ34が、該第2の端部部材33側ストッパ38aとの当接位置にあるとき、図11(a)のように該除去ブラシ34のブラシ毛34bと濾過材31内周面との間に隙間は生じず、ブラシ本体34aの外周面と濾過材31内周面との間の空間を覆っている。したがって、前記開口部37を通過する流体は必然的に前記ブラシ毛34bの隙間を通過しなければならないので、除去ブラシ34のブラシ毛34b自体が第2の端部部材33を通過する流量を制限する。なお、除去ブラシ34が第1の端部部材32側ストッパ38bとの当接位置にあるときは、図11(b)のようにブラシ毛34bは撓み、濾過材31の内周面との間に隙間が生じて、流体が通過できるようになっている。
このように構成されたフィルターエレメント3の第の実施形態の動作は、基本的には第1の実施形態と同様である。第2の端部部材33との当接時には、前記開口部37の通過流量はブラシ毛34bの配置密度、柔軟性、ブラシ本体34aの外周面と濾過材31内周面との間隔等により変わるので、前記a)c)d)の条件を満たすように、これらの条件を設定する。第2端部部材33の開口部37の開口面積は、第1の実施形態の場合と同様、b)の条件を満たすように設定する。
次に本発明のフィルターエレメント3の第3の実施形態について説明する。
図12は、本発明のフィルターエレメント3の第3の実施形態を示す正面断面図である。第1及び第2の実施形態との相違点は、前記流量制限手段は、前記第2の端部部材33の開口部37をオリフィスとしたことである。
具体的には、該オリフィス37自体が第2の端部部材33を通過する流量を制限する。前記取付部材34aやブラシ毛34bは、前記捕捉物除去34が第2の端部部材33側ストッパ38aに当接してもオリフィス37を通過する流体の流路を制限しないか、これによる流量の制限はオリフィス37自体による流量の制限に比較して小さい。例えば、捕捉物除去具34を除去ブラシとした場合、第2の実施形態と異なり、該除去ブラシ34が第2の端部部材33に当接しても、ブラシ毛34bが撓んで濾過材31との間に隙間を生じて流体の流れを妨げないようになっている。
このように構成されたフィルターエレメント3の第3の実施形態の動作は、基本的には第1及び第2の実施形態と同様である。但し、前記オリフィス37の開口面積自体が通過流量を制限するので、前記a)〜d)の条件を満たすように、オリフィスの開口面積を設定する必要がある。
なお、以上の説明では、捕捉物除去具34として、除去ブラシの例を示したが、本発明はこれに限られず、フィルターエレメント3の内側にて、濾過時又は逆洗時の流体の流れによってその軸方向に移動し、外周部の部材が上記フィルターエレメント3の内周面に摺接して捕捉物を除去することができるならば、例えば、刃状又はヘラ状に形成された金属製、樹脂製あるいはゴム製のスクレーパ等であってもよい。
次に、以上のように構成された濾過装置の第1の実施形態の動作について、図13および図14を参照して説明する。なお、濾過装置の動作の各段階におけるフィルターエレメント3内部の流体の流れや捕捉物除去具34の動きの詳細については、フィルターエレメント3の第1の実施形態についての説明で行っているので、ここでは概略の説明に留める。
図13は、前記濾過装置の濾過時の状態を示す正面断面図である。濾過時においては、前記逆洗流体排出系のバルブは閉じられ、前記逆洗用パイプ5による吸引は行われず、該逆洗用パイプ5は回転されず静止している。
濾過すべき流体は、流体入口7から矢印Aのようにケーシング1の原液室9に流入し、これに連通するフィルターエレメント3aの内部からその外側の濾液室10へ通過することにより、濾過され、流体出口8から矢印Bのように送出される。このとき、このフィルターエレメント3a内の捕捉物除去具34は、流体により押し上げられて上端部にある。なお、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3bには前記原液室9からは流体が流入できないが、該フィルターエレメント3bにも他のフィルターエレメント3aから連通室13を経由して流体が流入するので、同様に濾過が行われる。
一方、図14は、前記濾過装置の逆洗時の状態を示す正面断面図である。逆洗時においては、前記逆洗流体排出系のバルブは開放され、前記逆洗用パイプ5による吸引が開始されるとともに、該逆洗用パイプ5はギアードモータ16により回転され接続するフィルターエレメント3が順次変更される。
前記逆洗用パイプ5が回転されてきてこれと接続されたフィルターエレメント3bは、その内部が該逆洗用パイプ5により吸引されて圧力が低下するので、外側の前記濾液室10の流体が濾過時とは逆方向にフィルターエレメント3b内部へ通過することにより、逆洗される。このとき、フィルターエレメント3b内の捕捉物除去具34が、逆洗により生じる軸方向の流体の流れによって上端部から下端部まで移動しながら濾過材31内側の捕捉物をかき取って除去する。該除去された捕捉物は、逆洗流体とともに前記逆洗用パイプ5および逆洗流体ドレンパイプ6を通じて排出される。このときに、前記逆洗用パイプ5が接続されていないフィルターエレメント3aには、濾過時と同様に原液室9から流体が流入し濾過が継続され、該フィルターエレメント3aから連通室13を経由して流体が前記逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3bに流入するので、逆洗開始時に該フィルターエレメント3b内上端部にある前記捕捉物除去具34がスムーズに下降できる。なお、前記連通室13から流入する流体は、前記流量制限手段によりその流量が絞られているので、逆洗の効率には影響を与えない。
前記逆洗用パイプ5との接続が終了したフィルターエレメント3a内では、原液室9からの流体の流入により捕捉物除去具34が上昇するが、該捕捉物除去具34の上側の流体が連通室13を通して逆洗中の他のフィルターエレメント3に流出することができるため、該捕捉物除去具34はスムーズに上端部まで移動できる。前記逆洗用パイプ5は、ギアードモータ16により回転されて、接続するフィルターエレメント3が順次変更されることにより、捕捉物除去34が各フィルターエレメント3内を往復して確実に逆洗することができる。
例えば、海水のバラスト水の濾過用の濾過材31の場合、例えば、濾過は1次圧は3.0kg、2次圧は2.8〜2.9kgの条件で行い、逆洗は1〜10時間の濾過運転にごとに1回、逆洗流体ドレンパイプ6の出口を大気圧に開放して逆洗用パイプ5の回転速度1rpmで2分間行う。
次に、前記フィルターエレメント3を用いた本発明の濾過装置の第2の実施形態の構成を説明する。
図15は、本発明による濾過装置の第2の実施形態を示す正面断面図である。第2の実施形態による濾過装置は、前記第1の実施形態と比較して、第2の隔壁及びこれにより形成される連通室13がなく、その代わりに、フィルターエレメント3の原液室9と反対側の端部に接続され、該端部同士を前記濾液室10から隔離しつつ連通する連通管19を設けたものである。
前記連通管19は、各フィルターエレメント3内部の流体が周囲から隔離された状態で相互に流通できるようにするもので、配管部分19aと、各フィルターエレメント3の第2の端部部材33と連結する継手部分19bとからなっている。配管部分19aの形態については、本発明の濾過装置では、原理上、逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3と接続されていないフィルターエレメント3を接続すれば足りるので、2つのフィルターエレメント3ずつペアで接続する形態でも良い。しかし、動作の安定性の観点からすべてのフィルターエレメント3を相互に連結する形態が望ましい。具体的には、図16のように円周状の連結等が考えられる。前記配管部分19aの材質は、配管として公知のものが使用できる。例えば、ステンレス鋼などの金属、天然ゴムやポリ塩化ビニル等の樹脂であっても良い。周囲との圧力差でつぶれない程度の強度を有するものであれば、柔軟性のある材質でもよい。着脱時の作業性に優れるからである。前記継手部分19bとしては、所定の強度が得られ、気密性が保たれるものであれば、公知の継手手段が採用できる。
このように構成された濾過装置の動作は、基本的には第1の実施形態と同様であるが、前記連通管19の動作について説明する。
濾過時においては、図15に示すように、濾過すべき流体は原液室9へ供給され、これに連通したフィルターエレメント3a内部からその外側の濾液室10へ通過することにより濾過される。ここで、逆洗用パイプ5が接続されているフィルターエレメント3bには、前記原液室9からは流体が流入できないが、該フィルターエレメント3bにも前記連通管19を経由して他のフィルターエレメント3aから流体が流入するので、同様に濾過が行われる。
一方、逆洗時においては、図示しないが、前記逆洗流体排出系のバルブは開放され、これと接続されたフィルターエレメント3bは、その内部が該逆洗用パイプ5により吸引されて圧力が低下するので、外側の前記濾液室10の流体が濾過時とは逆方向にフィルターエレメント3b内部へ通過することにより、逆洗される。このとき、前記逆洗用パイプ5が接続されていないフィルターエレメント3aから連通管19を経由して流体が前記逆洗用パイプ5に接続されたフィルターエレメント3bに流入するので、逆洗開始時に該フィルターエレメント3b内上端部にある捕捉物除去具34がスムーズに下降でき、捕捉物を除去できる。なお、前述の流量制限手段により流量は絞られているので、逆洗の効率には影響を与えない。逆洗終了直後のフィルターエレメント3内では、捕捉物除去具34が上昇するが、該捕捉物除去具34と上端部との間の流体が連通管19を通して逆洗中の他のフィルターエレメント3に流出することができるため、該捕捉物除去具34はスムーズに上端部まで上昇できる。
上述の第2の実施形態の場合は、フィルターエレメント3の長さが2つの隔壁の間隔に依存しないので、様々な長さのフィルターエレメント3を使用できる。
1…ケーシング
2…第1の隔壁
3,3a,3b…フィルターエレメント
4…第2の隔壁
5…逆洗用パイプ
6…逆洗流体ドレンパイプ
7…流体入口
8…流体出口
9…原液室
10…濾液室
11…貫通孔
12…貫通孔
13…連通室
14…逆洗用パイプ基端部
15…シャフト
16…ギアードモータ
17…逆洗流体ドレンパイプ基端部
18…接続口部
19…連通管
19a…配管部分
19b…継手部分
20…排出口
31…濾過材
32…第1の端部部材
33…第2の端部部材
34…捕捉物除去具(除去ブラシ)
34a…取付部材(ブラシ本体)
34b…ブラシ毛
34c…端面
35…ガイドシャフト
36…ステー
37…開口部(オリフィス)
38a,38b…ストッパ
39…間隙

Claims (10)

  1. 長手方向の両端が開口され、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントであって、
    両端が開口され所定の長さで伸びる濾過材と、
    前記濾過材の一方の端部に結合してこれを支持するとともに、流体が通過できる開口部を有する第1の端部部材と、
    前記濾過材の他方の端部に結合してこれを支持するとともに、流体が通過できる開口部を有する第2の端部部材と、
    前記濾過材の内側に設けられ、濾過時又は逆洗時に生じる軸方向の流体の流れによって該濾過材の内側を、前記第1および第2の端部部材の間で移動し、外周部が前記濾過材の内周面に摺接して捕捉物を除去する捕捉物除去具と、を有し、
    前記濾過材の他方の端部側に、前記第2の端部部材を通過する流体の量を制限する流量制限手段を設けたことを特徴とするフィルターエレメント。
  2. 前記濾過材の中心軸上に配置され、その両端部が前記第1の端部部材および第2の端部部材に固定されたガイドシャフトを更に有し、
    前記捕捉物除去具は、その中心軸上に貫通孔を有し、前記ガイドシャフトに挿通されて濾過材の軸方向に移動可能とした、ことを特徴とする請求項1記載のフィルターエレメント。
  3. 前記捕捉物除去具は、ブラシ本体の外周部にブラシ毛を植え付けた除去ブラシであることを特徴とする請求項1記載のフィルターエレメント。
  4. 前記捕捉物除去具は、刃状又はヘラ状に形成された金属製、樹脂製あるいはゴム製のスクレーパであることを特徴とする請求項1記載のフィルターエレメント。
  5. 前記流量制限手段は、前記第2の端部部材の開口部と前記除去ブラシのブラシ毛とからなり、該第2の端部部材側に移動して当接した除去ブラシのブラシ毛が前記開口部を通過する流体の流路を制限するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のフィルターエレメント。
  6. 前記流量制限手段は、前記第2の端部部材に形成された開口部をオリフィスとしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルターエレメント。
  7. 前記流量制限手段は、前記第2の端部部材の開口部と前記捕捉物除去具の取付部材とからなり、該第2の端部部材側に移動して当接した捕捉物除去具の取付部材が前記開口部を通過する流体の流路を制限するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルターエレメント。
  8. 前記濾過材は、最内層とその外側の1以上の層とが焼結により一体化された金属メッシュフィルタであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルターエレメント。
  9. 外部から流体が流入する流体入口を有するとともに、内部で濾過された流体を外部へ流出する流体出口を有するケーシングと、
    前記ケーシングの内部を、前記流体入口に連通し濾過前の流体で満たされる原液室と前記流体出口に連通し濾過後の流体で満たされる濾液室とに隔離する第1の隔壁と、
    前記第1の隔壁に形成された複数の貫通孔に一方の端部が嵌合保持され、内部が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられ、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントと、
    前記フィルターエレメントの他方の端部側にて前記第1の隔壁と平行に設けられ、該フィルターエレメントの他方の端部を複数の貫通孔に各々嵌合保持し、前記フィルターエレメントの他方の端部側の濾液室を他の部分から隔離して、該フィルターエレメント内を流れる流体が連通する連通室を形成する第2の隔壁と、
    前記複数のフィルターエレメントのうち一部のフィルターエレメントに、前記一方の端部側に接続され、前記フィルターエレメントの外側から内側に向けて流体を流して逆洗する逆洗用パイプと、
    前記逆洗用パイプの排出側に接続され、前記フィルターエレメントの逆洗によって除去された捕捉物を前記ケーシングの外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプと、を備える濾過装置であって、
    前記フィルターエレメントとして、請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルターエレメントを用い、第1の端部部材が前記一方の端部側になり、第2の端部部材が前記他方の端部側となるように配置したことを特徴とする濾過装置。
  10. 外部から流体が流入する流体入口を有するとともに、内部で濾過された流体を外部へ流出する流体出口を有するケーシングと、
    前記ケーシングの内部を、前記流体入口に連通し濾過前の流体で満たされる原液室と前記流体出口に連通し濾過後の流体で満たされる濾液室とに隔離する第1の隔壁と、
    前記第1の隔壁に形成された複数の貫通孔に一方の端部を嵌合保持され、内部が前記原液室と連通して前記濾液室内に複数平行に設けられ、内側から外側に向けて流体が通過して濾過するとともに外側から内側に向けて流体が通過して逆洗される筒状のフィルターエレメントと、
    前記フィルターエレメントの他方の端部に接続され、該他方の端部同士を前記濾液室から隔離しつつ連通する連通管と、
    前記複数のフィルターエレメントのうち一部のフィルターエレメントに、前記一方の端部側に接続され、前記フィルターエレメントの外側から内側に向けて流体を流して逆洗する逆洗用パイプと、
    前記逆洗用パイプの排出側に接続され、前記フィルターエレメントの逆洗によって除去された捕捉物を前記ケーシングの外部へ排出する逆洗流体ドレンパイプと、を備える濾過装置であって、
    前記フィルターエレメントとして、請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルターエレメントを用い、第1の端部部材が前記一方の端部側になり、第2の端部部材が前記他方の端部側となるように配置したことを特徴とする濾過装置。
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