JPWO2015056494A1 - 磁気共鳴イメージング装置、アンテナ装置およびその製造方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置、アンテナ装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

ラング導体およびシールド導体を有し、それらを電気的に接続して使用するTEM型アンテナ、マイクロストリップ型アンテナを含むアンテナにおいて、シールド導体の形状を保つ保持部材を、リブと薄い壁とを組み合わせることにより構成し、内側の保持部材を構造材とし、シールド導体とそれに接着された保持部材、または、内側の保持部材の少なくとも一方に穴を開け、作製時に、当該穴を介して筒形のアンテナ外部から導体の接合を可能にする。

Description

本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:以下NMRという)信号を計測し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:以下MRIとする)技術に関し、特に、高周波信号の送信およびNMR信号の受信の少なくとも一方を行うアンテナ装置に関する。
MRI装置では、静磁場マグネットが発生する均一な静磁場中に配置された被検体に電磁波である高周波信号を照射し、被検体内の核スピンを励起すると共に、核スピンが発生する電磁波である核磁気共鳴信号を受信し、信号処理することにより、被検体を画像化する。高周波信号の照射と核磁気共鳴信号の受信とは、ラジオ周波数(RF)の電磁波を送信あるいは受信するRFアンテナもしくはRFコイルと呼ばれるアンテナ装置(以下、RFアンテナと呼ぶ。)によって行なわれる。実際の画像化のためには静磁場マグネット、RFアンテナに加えて、空間的に傾斜した磁場を発生する傾斜磁場コイルが必要である。
トンネル型のMRI装置ではこれらの静磁場マグネット、傾斜磁場コイル、RFアンテナは共に円筒形をしており、通常外側から、静磁場マグネット、次に傾斜磁場コイル、一番内側、被検体側にRFアンテナが配置される。
トンネル型のMRI装置で使用される代表的なRFアンテナに、円筒形のボリュームアンテナと呼ばれるものがある。円筒形のボリュームアンテナには、鳥かご型もしくはバードケージ型と呼ばれるものと、TEM(transverse electromagnetic)型やマイクロストリップライン型と呼ばれるもの(例えば、特許文献1、2参照。)と、がある。これらのRFアンテナでは、通常、ラング(横木、あるいは、はしごの横棒)と呼ばれる棒状の導体(ラング導体)が、円筒側面に沿って、円筒の中心軸と平行に、16〜32本程度配置される。
TEM型のアンテナやマイクロストリップライン型のアンテナ(以下、TEM型アンテナと総称することもある。)は、内側円筒面と外側の円筒面とで構成され、内側の円筒面にラング導体が貼り付けられ、外側の円筒面には、設置面の役割を果たすシールド導体が貼り付けられる。そして前述の16〜32本程度あるラング導体各々と、シールド導体とを電気的に接続し、各ラング導体に流れる電流を互いにカップリングさせて使用する。
米国特許第5557247号明細書 国際公開2012/023385号
撮影時の快適性を高めるため、MRI装置内部の被検体配置空間はなるべく広いことが望ましい。しかし、トンネル型MRI装置を構成する超電導マグネットや傾斜磁場コイルは作製コストが大きく、これらの円筒内径を大きくすることは、コストの大幅な上昇につながる。このような制約下で被検体配置空間を広くし、被検体の快適性を向上させるためにはRFアンテナの円筒の外径を変えずに内径をなるべく大きくする必要がある。これは、RFアンテナの厚みを薄くすることにより実現できる。
しかしながら、TEM型のアンテナでは、感度を維持するためには、ラング導体とシールド導体との間に所定の距離(ギャップ)を設ける必要がある。従って、内径と外径の差を小さくする、すなわち、厚みを薄くすると、アンテナ感度が低下する。アンテナ感度の低下は、受信アンテナであればシグナル対ノイズ比が減少し、照射アンテナであれば照射効率が低下する。
また、RFアンテナの回路と被検体との直接の接触を避けるとともに、回路から発生する高電界から被検体を少しでも離すため、一番内側の被検体に近い円筒面は、所定の厚みが必要である。この厚みとして、一般に3ミリ程度は必要と考えられている。
鳥かご型アンテナは、シールド導体とラング導体との電気的接続がないため、被検体に最も近い側の円筒面を堅牢な構造体とし、その外筒面にラング導体を貼り付けることにより作製できる。ところが、TEM型アンテナでは、シールド導体とラング導体とを電気的に接続し、一体構造にする必要があるため、作製してから傾斜磁場コイル内に取り付けることになる。このとき、シールド導体は、外側の円筒面を全て覆う形状であるため、作製手順を考慮すると、堅牢な構造体とするのは、最も外側の円筒とせざるを得ない。従って、最も外側の円筒面も構造体として機能するだけの厚みを必要とする。また、一体構造で作成後、傾斜磁場コイルに挿入することになるため、傾斜磁場コイルとの間に所定のギャップも必要となる。
以上の諸事情により、TEM型アンテナは、内径と外径の差を小さくして、感度を犠牲にするか、内側半径を小さくして、快適な使用感や安全性を犠牲にするか、選択を迫られる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、TEM型アンテナ、マイクロストリップライン型アンテナといった、ラング導体およびシールド導体を有し、それらを電気的に接続して使用するアンテナにおいて、コストを大幅に増加させることなく、使用感や安全性と、感度とを両立可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、TEM型アンテナ、マイクロストリップ型アンテナといった、ラング導体およびシールド導体を有し、それらを電気的に接続して使用するアンテナにおいて、シールド導体の形状を保つ保持部材を、間隔保持部材と薄い壁とを組み合わせることにより構成する。また、内側の保持部材を構造材とする。そして、シールド導体とそれに接着された保持部材、または、内側の保持部材の少なくとも一方に穴を開け、作製時に、当該穴を介して筒形のアンテナ外部から導体の接合を可能にする。
具体的には、本発明の磁気共鳴イメージング装置は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状のアンテナ装置を備え、前記アンテナ装置は、当該アンテナ装置の径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材と、前記内側構造保持部材の軸方向に延びる複数のラング導体と、筒状のシールド導体と、前記シールド導体を保持する筒状のシールド導体保持部材と、を備え、前記内側構造保持部材と前記シールド導体との間には、前記ラング導体と前記シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、前記複数のラング導体は、前記内側構造保持部材の外周面に当該内側構造保持部材の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、各前記ラング導体の前記軸方向の両端部と前記シールド導体とは、当該ラング導体と当該シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記シールド導体および前記シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記ラング導体と前記シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備えることを特徴とする。
また、本発明の磁気共鳴イメージング装置は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う複数チャンネルの筒状のアンテナ装置を備え、前記アンテナ装置は、径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材と、チャンネル数の、部分筒形状の単一チャンネル部と、を備え、各前記単一チャンネル部は、前記径方向に内側から外側に向かって順に、前記アンテナ装置の軸方向に伸びる複数の部分ラング導体と、分筒形状の部分筒状シールド導体と、前記部分筒状シールド導体を保持する前記部分筒形状の部分筒状シールド導体保持部材と、を備え、前記チャンネル数の単一チャンネル部は、前記内側構造保持部材の外側の面に、前記アンテナ装置の周方向に所定の間隔をあけて配置され、前記内側構造保持部材と前記部分筒状シールド導体との間には、前記部分ラング導体と前記部分筒状シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、前記複数の部分ラング導体は、前記内側構造保持部材の外側の面に前記アンテナ装置の周方向に所定の間隔をあけて配置され、各前記部分ラング導体の前記軸方向の両端部と前記部分筒状シールド導体とは、当該部分ラング導体と当該部分筒状シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記部分筒状シールド導体および前記部分筒状シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記部分ラング導体と前記部分筒状シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、各部分筒状シールド導体は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備えることを特徴とする。
また、本発明のアンテナ装置は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状のアンテナ装置であって、当該アンテナ装置の径方向の内側から外部に向かって順に、筒状の内側構造保持部材と、前記内側構造保持部材の軸方向に延びる複数のラング導体と、筒状のシールド導体と、前記シールド導体を保持する筒状のシールド導体保持部材と、を備え、前記内側構造保持部材と前記シールド導体との間には、前記ラング導体と前記シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、前記複数のラング導体は、前記内側構造保持部材の外周面に当該内側構造保持部材の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、各前記ラング導体の前記軸方向の両端部と前記シールド導体とは、当該ラング導体と当該シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記シールド導体および前記シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記ラング導体と前記シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部備えることを特徴とする。
また、本発明のアンテナ装置の製造方法は、筒状の内側構造保持部材の外周面に、当該内側保持部材の軸方向に延びるラング導体を貼り付け、前記ラング導体の前記軸方向の両端部にそれぞれキャパシタを接続し、前記内側構造保持部材に少なくとも1つの給電部品を固定し、前記内側構造保持部材の前記外周面に、間隔保持部材を固定し、予め内周面にシールド導体を貼り付けるとともに前記ラング導体の数の2倍の数の穴をあけた筒状のシールド導体保持部材の、前記シールド導体が貼り付けられた面を、前記間隔保持部材に接着し、前記穴近傍で前記各キャパシタをそれぞれ前記シールド導体に接続するとともに、前記給電部品を、前記ラング導体および前記シールド導体に接続し、前記穴は、前記シールド導体保持部材を前記間隔保持部材に接着後、前記ラング導体に接続した前記キャパシタが配される位置近傍に開けられることを特徴とする。
本発明によれば、TEM型アンテナ、マイクロストリップライン型アンテナといった、ラング導体およびシールド導体を有し、それらを電気的に接続して使用するアンテナにおいて、コストを大幅に増加させることなく、使用感や安全性と、感度とを両立できる。
第一の実施形態のMRI装置の概略構成図 従来のTEM型アンテナの斜視図 第一の実施形態のアンテナ装置の斜視図 第一の実施形態のアンテナ装置の構成を説明するための説明図 第一の実施形態のアンテナ装置の構成を説明するための説明図 第一の実施形態の間隔保持部材を説明するための説明図 第一の実施形態の間隔保持部材を説明するための説明図 第一の実施形態のアンテナ装置の接続態様を説明するための説明図 第二の実施形態のアンテナ装置の斜視図 第二の実施形態の構成を説明するための説明図 第二の実施形態のアンテナ装置の変形例の斜視図 第三の実施形態のアンテナ装置の斜視図 (a)は、第三の実施形態のアンテナ装置の構成を説明するための説明図(b)は、図13(a)に示すアンテナ装置のラング導体を説明するための説明図 第三の実施形態のアンテナ装置の構成を説明するための説明図 第三の実施形態のアンテナ装置の接続態様を説明するための説明図
<<第一の実施形態>>
以下、本発明を適用する第一の実施形態について説明する。本発明の実施形態を説明する全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
<MRI装置の構成>
まず、本実施形態のMRI装置の構成について説明する。図1は、本実施形態のMRI装置100の概略構成図である。MRI装置100は、被検体112が配置される計測空間に静磁場を形成するマグネット101と、静磁場に所定の方向の磁場勾配を与える傾斜磁場コイル102と、高周波信号(RF信号)を被検体112に送信するとともに被検体112から発生する核磁気共鳴信号(NMR信号)を受信するRFアンテナ103と、RFアンテナ103から送信されるRF信号を作成してRFアンテナ103に送信するとともに、RFアンテナ103が受信したNMR信号に対し信号処理を行う送受信機104と、傾斜磁場コイル102に電流を供給する傾斜磁場電源109と、送受信機104および傾斜磁場電源109の駆動を制御するとともに、種々の情報処理およびオペレータによる操作を受け付けるデータ処理部105と、データ処理部105の処理結果を表示するための表示装置108と、被検体112を載置するベッド111と、を備える。
なお、データ処理部105は、RFアンテナ103が受信し、送受信機104により各種の信号処理が行われたNMR信号から被検体112の内部情報を画像化する画像化部として機能する。
傾斜磁場電源109と傾斜磁場コイル102とは傾斜磁場制御ケーブル107で接続される。また、RFアンテナ103と送受信機104とは、RFアンテナ103と送受信機104との間で信号を送受信する送受信ケーブル106で接続される。送受信機104は、図示していないが、シンセサイザ、パワーアンプ、受信ミキサ、アナログデジタルコンバータ、送受信切り替えスイッチなどを備える。
MRI装置100は、マグネット101が形成する静磁場の方向によって、水平磁場方式と垂直磁場方式とに区別される。水平磁場方式の場合は、一般的に、マグネット101は円筒状のボア(中心空間)を有し、図1中左右方向の静磁場を発生し、トンネル型MRI装置と呼ばれる。一方、垂直磁場方式の場合は、一対の磁石が被検体を挟んで上下に配置され、図1中上下方向の静磁場を発生する。本実施形態は、主に、円筒状のボアを有する水平磁場方式の、トンネル型MRI装置を用いる場合を例にあげて説明する。
上記構成を有するMRI装置100では、上述のように、マグネット101、傾斜磁場コイル102、およびRFアンテナ103は、円筒形である。そして、外側から、マグネット101、傾斜磁場コイル102、RFアンテナ103の順に配置される。被検体112は、ベッド111に横たわり、RFアンテナ103の内部に配置される。RFアンテナ103、傾斜磁場コイル102、および、ベッド111は、マグネット101が形成する静磁場空間内に配置される。
静磁場中に配置された被検体112に対し、RFアンテナ103および傾斜磁場コイル102により、数ミリ秒間隔程度の断続したRF信号および傾斜磁場を、それぞれ照射および印加する。また、そのRF信号に共鳴して被検体112から発せられるNMR信号をRFアンテナ103にて受信し、送受信機104およびデータ処理部105にて信号処理を行い、磁気共鳴像を取得する。被検体112は、例えば、人体の所定の部位である。
なお、図1では、RF信号の送信とNMR信号の受信とを行なうRFアンテナ103として、単一のRFアンテナが示されているが、これに限られない。例えば、広範囲撮像用のRFアンテナと局所用のRFアンテナとを組み合わせるなど、複数のアンテナから構成されるRFアンテナをRFアンテナ103として用いてもよい。また、特に区別する必要が無い場合、RFアンテナ103が送信するRF信号と、RFアンテナ103が受信するNMR信号とを、電磁波と総称する。
本実施形態では、RFアンテナ103として、複数のラング導体と、当該ラング導体に流れる電流を互いにカップリングさせて使用するTEM型アンテナであるアンテナ装置200を用いる。
本実施形態のアンテナ装置200の説明に先立ち、従来の、最も簡略なTEM型アンテナを説明する。図2は、RFアンテナ103として用いる、従来のTEM型アンテナであるアンテナ装置300の斜視図である。アンテナ装置300は、傾斜磁場コイル102の内側に配置され、円筒形状を有する。
図2に示すアンテナ装置300は最も簡略なTEM型アンテナの構成例である。シールド導体、ラング導体キャパシタなどの電気部品は示されているが、それらを空間的に支える部材などは示していない。
本図に示すように、アンテナ装置300は、円筒状のグラウンドプレーン(接地面)の役割を果たすシールド導体340と、複数セットのラング導体320と、2つまたは4つの給電部に接続される給電部品380と、を備える。また、各ラング導体320は、複数のラング導体片321と、シャントキャパシタ370と、ラングキャパシタ371とを備える。図2では、ラング導体320を16セット、給電部品380を2つ、1つのラング導体320が、3つのラング導体片321を備える場合を例示する。
図2に示すように、アンテナ装置300は、全体として円筒形となる。そして、アンテナ装置300が形成する円筒の外周部には、円筒の側面の全周を覆うシールド導体340が配置され、その内部に複数セットのラング導体320やキャパシタ(シャントキャパシタ370およびラングキャパシタ371)などの部品が配置される。
図2には図示していないが、アンテナ装置300は、2つの同軸の円筒状の保持部材を備える。内側の保持部材を内側保持部材、外側の保持部材を外側保持部材と呼ぶ。複数セットのラング導体320は、円筒状の内側保持部材上に取り付けられる。また、シールド導体340は、円筒上の外側保持部材上に張り付けられる。
ここで、アンテナ装置300の円筒の中心軸方向を軸方向と呼び、中心軸に直交する断面の円の円周方向を周方向、直径方向を径方向と呼ぶ。
複数のラング導体320は、内側保持部材の外周面上に、周方向に所定の間隔をあけて配置される。
また、ラング導体320は、その軸方向の両端において、シャントキャパシタ370により、シールド導体340に接続される。これにより、各ラング導体320とシールド導体340とは、電気的に接続され、ループ回路を構成する。なお、電気的な接続は、通常、ハンダ付けにより実現される。
また、1つのラング導体320を構成する複数のラング導体片321は、ラングキャパシタ371により、軸方向に、直列に接続される。各ラング導体片321は、ストリップ状(細長い平板またはテープ状)、棒状、もしくは、筒状の導体で作成される。
このアンテナ装置300により実現されるTEM型アンテナは、上記各構成部品を予め一体的に作製し、その後、MRI装置100に組み込む。TEM型アンテナの作製は、全周を覆う外側のシールド導体340を避けて、円筒内部側から、ラング導体320とシールド導体340とをハンダ付けする。
大学での研究目的ではなく、病院などの一般的に検査で使用するMRI装置100を製造する場合、MRI装置100内部に入る被検体112である患者の安心と安全とを確保することが重要である。そのためには、被検体112の最も近くに配置されるRFアンテナ103(アンテナ装置300)の被検体112側の面、すなわち、内面は、ある程度厚みを有する円筒形状の壁面である必要がある。また、見た目の観点や堅牢性からアンテナの内面は一体形成し、穴や分割部分などが無い方が望ましい。
また、TEM型アンテナのアンテナ感度は対向する2つの導体である、シールド導体340とラング導体320との間の距離に依存する。シールド導体340とラング導体320との距離が大きいほど、感度は良くなる。しかしながら、TEM型アンテナの場合、鳥かご型アンテナと比較して、上記のように予め一体的に作製する必要性と、電気的な接続をする必要性とからその距離が狭くなってしまう場合が多い。
本実施形態では、TEM型アンテナにおいて、使用感や安全性と、感度とを両立させる。これを実現する本実施形態のTEM型アンテナであるアンテナ装置200について説明する。ここでは、RFアンテナ103として、体幹部用ボリュームアンテナとして用いるアンテナ装置200を例にあげて説明する。図3は、アンテナ装置200の斜視図である。
本実施形態のアンテナ装置200は、図3に示すように、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状の装置である。以下、本実施形態では、円筒状である場合を例にあげて説明する。また、アンテナ装置200においても、アンテナ装置200の中心軸方向を軸方向と呼び、中心軸に直交する断面の円の円周方向を周方向、直径方向を径方向と呼ぶ。
図3は、本実施形態のアンテナ装置200の外観斜視図である。また、図4は、本実施形態のアンテナ装置200の中心軸に直交する方向の断面図であり、構成を説明するための説明図である。本実施形態のアンテナ装置200は、図4に示すように、径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材210と、内側構造保持部材210の軸方向に延びる複数のラング導体220と、筒状のシールド導体240と、シールド導体240を保持する筒状のシールド導体保持部材250と、を備える。
また、図3に示すように、内側構造保持部材210とシールド導体240との間には、ラング導体220とシールド導体240との間に空間を形成する間隔保持部材(以下、リブと呼ぶ)230が配置される。
図3では、ラング導体220を16セット備える場合を例示するが、数は限定されない。また、アンテナ装置200には他の構成部品も存在するが、それらはより詳細な図5、図6、図7および図8で説明する。さらに、図4においては、リブ230も図示しない。
また、複数のラング導体220は、内側構造保持部材210の外周面に当該内側構造保持部材の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、各ラング導体220の軸方向の両端部とシールド導体240とは、ラング導体220とシールド導体240とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、シールド導体240およびシールド導体保持部材250と、内側構造保持部材210との少なくとも一方は、ラング導体220とシールド導体240とが電気的に接続される箇所の近傍に穴260を備え、各ループ回路は、アンテナ装置200が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整される。
電気的接続は、例えば、キャパシタ(シャントキャパシタ)270をシールド導体240とラング導体220との間に接続することによりなされる。すなわち、ループ回路は、シャントキャパシタ270を備え、ループ回路の共振周波数は、このシャントキャパシタ270により調整される。つまり、シャントキャパシタ270の容量は、このループ回路が、このアンテナ装置200が送受信する電磁波の周波数で共振するよう調整される。
さらに、少なくとも1つのループ回路は、電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部品280が接続される。図3では、給電部品280を接続する給電点を2つ備える場合を例示するが、数は限定されない。
<内側構造保持部材>
内側構造保持部材210は、最も被検体112側に配置される構造部材である。内側構造保持部材210は、1例として厚み3ミリの、比較的厚みのあるガラス繊維強化プラスチック等で作製する。本実施形態では、この内側構造保持部材210に、形状保持機能、難燃性維持機能、および、被検体112と電気部品との電気的、熱的接触を防ぐ機能とをもたせる。このため、後述するシールド導体保持部材250より、その厚みは大きくする。
<シールド導体保持部材>
シールド導体保持部材250は、1例として、0.5ミリ厚のガラスエポキシ樹脂など比較的薄い素材で作製する。
本実施形態では、内側構造保持部材210とシールド導体保持部材250とは、傾斜磁場コイル102と中心軸を同じとする。本実施形態では、アンテナ装置200と、内側構造保持部材210と、シールド導体保持部材250とは、同軸の円筒形状とする。そして、内側構造保持部材210の内径はシールド導体保持部材250の内径より小さいものとし、内側構造保持部材210は、シールド導体保持部材250の内側に配置される。
<ラング導体>
ラング導体220は、基本的に従来のTEM型アンテナであるアンテナ装置300のラング導体320と同様の構成を有する。図5は、図3のラング導体220の1つを含む部分を切り出し、拡大した図である。本図に示すように、複数のラング導体片221と、複数のキャパシタ(ラングキャパシタ)271とを備える。
各ラング導体片221は、ストリップ状(細長い平板またはテープ状)、棒状、もしくは、筒状の導体で作成される。1つのラング導体220を構成する複数のラング導体片221は、ラングキャパシタ271により、軸方向に、直列に接続される。すなわち、各ラング導体220は、軸方向に複数のラング導体片221に分割され、各ラング導体片221は、軸方向に隣接するラング導体片とラングキャパシタ271により接続される。
本実施形態では、ラング導体220を軸方向に複数のラング導体片221に分割することにより、ループ回路を分断する。これにより、シャントキャパシタ270だけでなく、その間に配置するラングキャパシタ271も用いて、ループ回路の共振周波数を調整できる。
各キャパシタと各導体とは、ハンダ付けなどにより、電気的に接続される。これらのキャパシタ(シャントキャパシタ270およびラングキャパシタ271)の容量は、ラング導体220とシールド導体240とが、アンテナ装置200が送受信する電磁波の周波数で共振するループ回路を構成するよう調整される。これにより、本実施形態のアンテナ装置200は、RFアンテナ103が送受信する信号の周波数で共振し、送受信の少なくとも一方を行うアンテナとしての機能を実現する。
図5では、ラング導体片221が3つ、それを接続するラングキャパシタ271が2つの場合を例示するが、これらの数は、限定されない。例えば、ラング導体片221が1つで、ラングキャパシタ271は0であってもよい。ラング導体片221およびラングキャパシタ271の数が多い(直列数が多い)と、ラング導体220の両端での電圧を低下させることができる利点がある。
なお、シャントキャパシタ270は、各ラング導体220の軸方向の両端に1つづつ接続され、シールド導体240と接続される。それぞれのシャントキャパシタ270は、2つあるいは5つなど、多数並列して配置してもよい。
また、図5では、3つのラング導体片221の導体間のギャップ各々に配置されるラングキャパシタ271は1つであるが、2並列あるいは5並列などギャップに横並びに複数配置してもよい。
また、複数セットのラング導体220は、内側構造保持部材210の外周面上に、周方向に、所定の間隔をあけて配置される。このとき、長手方向が軸方向に略平行となるよう配置される。その結果、隣接するラング導体220同士は略平行になる。各ラング導体220は、内側構造保持部材210の外周面に、両面テープなどを用いて密着するよう貼り付けられる。なお、ラング導体220の本数は、一般に、16〜32本程度である。
なお、ラング導体220は、10から数10ミクロンの薄い銅箔等を用いる。本実施形態では、ストリップ状(細長い平板またはテープ状)の場合を例示するが、棒状や筒状の導体で作成されてもよい。
<シールド導体>
シールド導体240は、シールド導体保持部材250の内周面に貼り付けられる。シールド導体240は円筒形のシールド導体保持部材250の内面全面に接着され、円筒形状を有する。TEM型アンテナとして機能させるためには、シールド導体240は、アンテナとして送受信する周波数の電磁波がシールド外部に漏れ出ないように、アンテナ装置200が形成する円筒面を1周、連続して切れ目なく覆う必要がある。このため、シールド導体240は、シールド導体保持部材250の円筒内面をほぼ覆う。ただし、軸方向の長さは、ラング導体の軸方向の長さと同等か、より長ければ良く、シールド導体保持部材250の長さよりも短くてもよい。
シールド導体240にも、ラング導体220同様、10から数10ミクロンの薄い銅箔等を用いる。
<間隔保持部材>
間隔保持部材(リブ)230は、内側構造保持部材210とシールド導体保持部材250との間に配置され、両者の間に空間(ギャップ)を形成するとともに、このギャップを安定して保持する役割を果たす。上述のように、ラング導体220は、内側構造保持部材210に取り付けられ、シールド導体240は、シールド導体保持部材250に貼りつけられる。従って、両保持部材間のギャップは、ラング導体220とシールド導体240との間のギャップとなり、上述のようにアンテナ装置200の感度を決定する。
リブ230は、1以上の軸方向に延びる直線状部材(直線状リブ)231と、1以上の周方向に延びる円弧状部材(円弧状リブ)232とを備える。図6および図7は、直線状リブ231と円弧状リブ232との配置を説明するための図であり、内側構造保持部材210、ラング導体220と、直線状リブ231と、円弧状リブ232とのみを示す。
各直線状リブ231は、橋台および橋桁を有する橋のような構造を有し、アンテナ装置200の軸方向に延伸し、ラング導体220同様、周方向に所定の間隔をおいて配置される。図6では、各ラング導体220間に配置される。直線状リブ231は、図6および図7に示すように、橋桁に相当する部分が、シールド導体240の、内側、すなわち、シールド導体保持部材250に接着した側と反対側に接着される。接着は、例えば、両面テープなどでなされる。これにより、薄いシールド導体保持部材250の変形、たわみを防止する。また、橋台に相当する部分は、内側構造保持部材210の外周面に取り付けられる。取り付けは、ネジなどでなされる。
円弧状リブ232は、円弧状で、橋脚および橋桁を有する橋のような構造を有する。アンテナ装置200の周方向に1周し、軸方向に所定の間隔をおいて配置される。図6では、ラング導体220の軸方向の両端部近傍に、それぞれ1つ、計2つ配置される場合を例示する。橋脚に相当する部分は、図6および図7に示すように、ラング導体220を跨ぐよう配置される。円弧状リブ232は、橋桁に相当する部分が、シールド導体240の、内側、すなわち、シールド導体保持部材250に接着した側と反対側に接着される。接着は、例えば、両面テープなどでなされる。これにより、薄いシールド導体保持部材250の変形、たわみを防止する。また、橋脚に相当する部分は、内側構造保持部材210の外周面に取り付けられる。取り付けは、ネジなどでなされる。
図6に示すように、16本の直線状リブ231と、2つの円弧状リブ232とが、その外側のシールド導体240とシールド導体保持部材250とを支える。また、その形状により、ラングキャパシタ271などの発熱に対し、風を流して空冷する際、風が通りやすくなっている。
なお、図6および図7では、円弧状リブ232は1つの円形に連続した形状で示しているが、周方向に、複数に分割されていてもよい。
<穴>
上述のように、本実施形態では、シールド導体240およびシールド導体保持部材250、または、内側構造保持部材210の少なくとも一方が、穴260を備える。図3では、穴260を32個備える場合を例示するが、数は限定されない。
この穴260は、本実施形態のアンテナ装置200の作製時に、シャントキャパシタ270を、ラング導体220とシールド導体240との間に取り付けるためのものである。
このため、シャントキャパシタ270の接続位置近傍に開けられる。本実施形態では、ラング導体220の軸方向の両端部近傍に開けられる。以下、本実施形態では、シールド導体240およびシールド導体保持部材250に開けられる場合を例にあげて説明する。
図8は、1つの穴260近傍の拡大図である。上述のように、シールド導体保持部材250とシールド導体240とには、ラング導体220の数の2倍の数の穴260があけられる。なお、シールド導体240に開けられる穴260のサイズは、シールド導体保持部材250に開けられる穴のサイズよりも小さいサイズとする。
本図に示すように、円弧状リブ232の一部分233は、穴260と重なるように配置され、穴260の内側にはみ出した円弧状リブの部分233の外周面は、シールド導体240が覆う。つまり、シールド導体240にあけられた穴260は、シールド導体保持部材250にあけられた穴260よりも、円弧状リブ232のはみ出した部分233だけ小さい。
本実施形態のアンテナ装置200は、製造時に、シールド導体240の、円弧状リブ232のはみ出した部分233を覆う箇所に、シャントキャパシタ270を接続し、ラング導体220と接続する。すなわち、このような構造にすることで、シャントキャパシタ270を、シールド導体240とラング導体220との双方に、図8の上方から容易にはんだづけすることができる。
シャントキャパシタ270をはんだづけするためには、ハンダ箇所にハンダゴテやピンセット、ハンダ棒などをアクセスする必要があり、穴260は、そのアクセスを容易にする。本実施形態のアンテナ装置200では、円弧状リブ232と穴260とが重なる部分で、シールド導体240の外周面が露出することで、図8において、上側から無理のない形でシャントキャパシタ270の両端のリードのハンダ付けが可能になる。
なお、上述のように、シールド導体240は、アンテナ装置200が送受信する周波数の電磁波がシールド外部に漏れ出ないよう、アンテナ装置200が形成する円筒面を覆う必要がある。このため、穴260の大きさは、必要最小限とすることが望ましい。すなわち、穴260は、この穴260を介してシャントキャパシタ270を接続可能な最小の大きさとすることが望ましい。
<給電部品>
給電部品280は、主として同軸ケーブル281から構成され、図8に示すように、そのアンテナ装置200側の端部に、ラング導体220側の接続点282およびシールド導体240側の接続点283を備える。他方の端部はN型などのコネクタとする。
接続点282および接続点283のペアは、アンテナとしての送信および/または受信端子である。同軸ケーブル281の中心導体はラング導体220に、外皮導体はシールド導体240側に、それぞれ接続される。この同軸ケーブル281は、上述の送受信ケーブル106として用いられるもので、アンテナ装置200とMRI装置100本体(送受信機104)とを接続する。アンテナ装置200は、この同軸ケーブル281を介して電磁波を送受信する。なお、接続点282および接続点283は、送受信端子、アンテナ装置200のポート、給電点等とも呼ばれる。また、接続点282および接続点283は、チャンネル毎に1ペア設けられる。
なお、図3に示すように、給電部品280の同軸ケーブル281は、8の字に曲げて外皮導体同士をキャパシタでつなぐことにより、外皮導体に流れる電流を抑制するバラン回路を途中に組み込んでもよい。また、接続点282および接続点283の部分に、キャパシタやインダクタなど数個の集中定数素子を使用して、マッチング回路の機能も持たせてもよい。
本実施形態のアンテナ装置200では、給電部品280を接続する給電点は、図3に示すように、アンテナ装置200が型造る円筒の中心軸に対して90度離れた2箇所に設けられる。具体的には、接続点282が、90度離れた2つのラング導体220に設けられる。ただし、90度おきに4箇所設けてもよい。
<製作手順>
次に、本実施形態のアンテナ装置200の製作手順を説明する。
まず、内側構造保持部材210の外筒面にラング導体220を貼り付ける。そして、ラング導体220にラングキャパシタ271をハンダ付けする。その後、内側構造保持部材210に給電部品280を固定する。そして、直線状リブ231および円弧状リブ232を、内側構造保持部材210にネジ止めなどの方法で固定する。
また、予めシールド導体保持部材250の内側となる面(内周面)にシールド導体240を貼り付けておく。シールド導体保持部材250およびシールド導体240には、それぞれ、穴260をあけておく。シールド導体保持部材250と一体となったシールド導体240を、直線状リブ231および円弧状リブ232の橋桁部に接着する。
最後に、シールド導体240の穴260付近において、シャントキャパシタ270をはんだづけし、ラング導体220とシールド導体240とを電気的に接続する。また、給電部品280の先端の、シールド導体240側およびラング導体220側の2つの接続点をハンダ付けする。
<具体例>
RFアンテナ103として用いる下記3種のボディアンテナを、以下の条件で作製し、各々のシールド導体とラング導体との間の距離を比較する。
作製するボディアンテナ
1)鳥かご型アンテナ
2)従来のTEM型アンテナ
3)本実施形態のTEM型アンテナ
条件
傾斜磁場コイル102の内径:740ミリ
アンテナの内径:700ミリ
アンテナの一番内側の円筒の厚み:3ミリ
鳥かご型アンテナは、一般に、シールド導体は、傾斜磁場コイル102の内壁深さ1ミリの部分に埋め込まれる。このため、鳥かご型アンテナでは、シールド導体とラング導体との間の距離は、(740−700)/2−3+1で計算でき、18ミリとなる。
TEM型アンテナの場合、予め作製しておき、設置する際、傾斜磁場コイル102に挿入する。従って、公差を考慮する必要がある。公差を2ミリとする。従来のTEM型アンテナ(アンテナ装置300)の場合、作製手順を考慮すると、外側の保持部材を構造部材とする必要がある。従って、外側の保持部材の厚みを3ミリとすると、シールド導体とラング導体との間の距離は、(740−2−700)/2―3−3で計算でき、13ミリとなる。これは、上記の鳥かご型の18ミリに比べて72%の距離しか取れない。
本実施形態のTEM型アンテナの場合、一番内側の円筒を、そのまま構造体として用いる(内側構造保持部材210)。従って、他のサイズは従来のTEM型アンテナと同じとし、外側の保持部材(シールド導体保持部材250)の厚みを0.5ミリとすると、シールド導体とラング導体との間の距離は、(740−2−700)/2―3−0.5で計算でき、15.5ミリとなる。これは、上記の鳥かご型の18ミリに比べて86%の距離が取れる。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状のアンテナ装置200を備え、前記アンテナ装置200は、当該アンテナ装置200の径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材210と、前記内側構造保持部材210の軸方向に延びる複数のラング導体220と、筒状のシールド導体240と、前記シールド導体240を保持する筒状のシールド導体保持部材250と、を備え、前記内側構造保持部材210と前記シールド導体240との間には、前記ラング導体220と前記シールド導体240との間に空間を形成する間隔保持部材230が配置され、前記複数のラング導体220は、前記内側構造保持部材210の外周面に当該内側構造保持部材210の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、各前記ラング導体220の前記軸方向の両端部と前記シールド導体240とは、当該ラング導体220と当該シールド導体240とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記シールド導体240および前記シールド導体保持部材250と、前記内側構造保持部材210との少なくとも一方は、前記ラング導体220と前記シールド導体240とが電気的に接続される箇所の近傍に穴260を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置200が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備える。
このように、本実施形態のアンテナ装置200によれば、TEM型アンテナであっても、外側に配置されるシールド導体保持部材250と、シールド導体240とに穴があけられているため、その穴を介して、ラング導体220とシールド導体240とを電気的に接続することができる。このため、アンテナ装置200の外周面から電気的接続を行うことができ、内周面にあたる内側の円筒(内側構造保持部材210)を、堅牢な構造体とすることができる。すなわち、内側構造保持部材210に、構造体としての機能と安全性を確保する機能とを兼ねさせることができる。そして、その分、外側の保持部材であるシールド導体保持部材250を薄くすることができ、アンテナ装置200の、径方向の厚み自体を薄くすることができる。
また、アンテナ装置200の径方向の厚みを薄くできるため、アンテナ設置スペースの内径と外径の差が小さい場合であっても、シールド導体240とラング導体220との距離を維持広く保ち、アンテナ感度を保つことができる。
従って、本実施形態のアンテナ装置200によれば、ラング導体220とシールド導体240との間の距離を短くすることなく、所定の内径を確保できる。従って、本実施形態のアンテナ装置200は、感度を落とすことなく円筒形状の外径と内径の差を小さくすることができるので、被検体112にとって快適な広い検査空間を提供することができる。
また、本実施形態のアンテナ装置200によれば、アンテナ装置200の径方向の厚みを薄くでき、アンテナ装置200の内径と外径との差が小さい場合であっても、シールド導体240とラング導体220との距離を広く保ち、アンテナ感度を保つことができる。
このように、本実施形態のアンテナ装置200によれば、安全性や使用感と、感度とを両立できる。また、本実施形態によれば、このようなアンテナ装置を、容易に作製できる。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、RFアンテナ103に用いるアンテナ装置は、TEM型アンテナとした。一方、本実施形態では、RFアンテナに用いるアンテナ装置は、マイクロストリップライン型のアンテナとする。
本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を有する。ただし、上述のように、本実施形態では、RFアンテナ103として、マイクロストリップライン型アンテナであるアンテナ装置400を用いる。
TEM型のアンテナは、互いにカップリングが少ない独立なチャンネルが2チャンネルしか無いのに対して、マイクロストリップライン型のアンテナは、ラング数をN(Nは1以上の整数)とすると、Nチャンネルの独立したチャンネルを持つことが特徴である。
図9は、本実施形態のアンテナ装置400の外観斜視図である。本実施形態のアンテナ装置400は、図9に示すように、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状の装置である。以下、アンテナ装置400においても、アンテナ装置の中心軸方向を軸方向と呼び、中心軸に直交する断面の円の円周方向を周方向、直径方向を径方向と呼ぶ。
本実施形態のアンテナ装置400は、図9に示すように、第一の実施形態のアンテナ装置200と同様に、径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材210と、内側構造保持部材210の軸方向に延びる複数のラング導体220と、筒状のシールド導体440と、シールド導体440を保持する筒状のシールド導体保持部材250と、を備える。そして、内側構造保持部材210とシールド導体440との間には、ラング導体220とシールド導体240との間に空間を形成する間隔保持部材(以下、リブと呼ぶ)230が配置される。
図9では、ラング導体220を16セット備える16チャンネルのマイクロストリップライン型アンテナを例示するが、ラング導体220の数、チャンネル数Nは限定されない。
また、本実施形態のアンテナ装置400は、第一の実施形態同様、内側構造保持部材210と、シールド導体保持部材250およびシールド導体440と、の少なくとも一方に穴260を備える。ラング導体220とシールド導体440とは、この穴260に隣接した部分で、シャントキャパシタ270により電気的に接続される。これにより、ラング導体220とシールド導体440とは、ループ状の導体(ループ回路)を形成する。
内側構造保持部材210、ラング導体220、リブ230、シールド導体保持部材250、穴260、キャパシタ270は、第一の実施形態の同名の構成と同様とする。以下、第一の実施形態のアンテナ装置200と異なる構成に主眼をおいて、本実施形態のアンテナ装置400を説明する。
シールド導体440が、チャンネル数分、分割され、隣り合うチャンネル間のカップリングを分断するため、デカップリング回路を備える点が、第一の実施形態のTEM型アンテナであるアンテナ装置200との構造上の大きな違いである。
本実施形態のアンテナ装置400のシールド導体440は、チャンネル数分、周方向に、軸に平行に分割される。例えば、本実施形態では、ラング導体220の数に分割される。すなわち、図9の例では、16分割される。以下、各分割されたシールド導体440を、それぞれ、部分シールド導体441と呼ぶ。
図10は、図9に示す、本実施形態のアンテナ装置400の外観斜視図の、電気回路部分だけを拡大表示した説明図である。シールド導体440には、ラング導体220に流れる電流の鏡像電流が流れるが、図10に示すように、鏡像電流が流れる範囲を充分覆うように、ラング導体よりも通常大きな面積を持つように、分割される。各ラング導体220に対応する部分シールド導体441は、ラング導体220同様、シールド導体保持部材250の内周面上に、周方向に所定の間隔442をあけて配置される。各部分シールド導体441と、各ラング導体220とは、シャントキャパシタ270により電気的に接続される。
なお、本実施形態においても、給電部品280は、チャンネル毎に接続される。従って、本実施形態の給電部品280は、例えば、図9の例では、16個接続される。なお、各給電部品280の構成は、第一の実施形態と同様である。
さらに、アンテナ装置400は、隣り合うチャンネル間のカップリングを取るためのデカップリング回路490を備える。本実施形態では、デカップリング回路490として、デカップリングキャパシタ491および492を備える。
図10に示すように、本実施形態のアンテナ装置400は、部分シールド導体441間に間隔442を設ける。隣り合う部分シールド導体441間には、デカップリングキャパシタ492を配置し、隣り合うラング導体220間には、デカップリングキャパシタ491を配置する。
なお、本図では、デカップリングキャパシタ491およびデカップリングキャパシタ492は、軸方向に伸びるラング導体220および部分シールド導体441の片側の端に寄せてそれぞれ1箇所設置しているが、それぞれの導体の両端の2箇所に設置してもよい。
また、デカップリング回路490は、キャパシタに限定されない。インダクタを用いてもよい。これにより、外径と内径の差が少ない設置環境においても3チャンネル以上の円筒形状のマイクロストリップライン型のアンテナを感度良く作製することができる。
<作製手順>
次に、本実施形態のアンテナ装置400の作製手順を説明する。ここでは、第一の実施形態のアンテナ装置200と異なる手順に主眼をおいて説明する。
内側構造保持部材210へのラング導体220への取り付け、給電部品280の取り付け、リブ230の固定は第一の実施形態と同様である。ただし、本実施形態のアンテナ装置400では、隣り合うチャンネル間のカップリングを防ぐため、隣り合うラング導体220間には、デカップリングキャパシタ491を配置する。
一方、シールド導体保持部材250の側については、本実施形態のアンテナ装置400では、まず、シールド導体440を、周方向に16個に分割する。そして、周方向に隣り合う部分シールド導体441間に、間隔(スペース)442を設け、シールド導体保持部材250の内周面に貼り付ける。図10に示すように、隣接するラング導体220間の間隔222の周方向の中心と、スペース442の周方向の中心とが略合致するよう貼り付けることが望ましい。また、本実施形態のアンテナ装置400では、隣り合うチャンネル間のカップリングを防ぐため、隣り合う部分シールド導体441間には、デカップリングキャパシタ492を配置する。
このとき、アンテナ装置200同様、シールド導体保持部材250および各部分シールド導体441には、それぞれ、穴260をあけておく。シールド導体保持部材250と一体となった、複数の部分シールド導体441を、直線状リブ231および円弧状リブ232の橋桁部に接着する。
最後に、シールド導体240の穴260付近において、シャントキャパシタ270をはんだづけし、ラング導体220と部分シールド導体441とを電気的に接続する。また、給電部品280の先端の、シールド導体240側およびラング導体220側の2つの接続点をハンダ付けする。なお、給電部品280は、チャンネル数分、設ける。すなわち、各部分シールド導体441に対し、1つ接続する。図9の例では、16個設ける。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う通常のアンテナ装置400を備え、アンテナ装置400は、当該アンテナ装置200の径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材210と、前記内側構造保持部材210の軸方向に延びる複数のラング導体220と、筒状のシールド導体240と、前記シールド導体240を保持する筒状のシールド導体保持部材250と、を備え、前記内側構造保持部材210と前記シールド導体240との間には、前記ラング導体220と前記シールド導体240との間に空間を形成する間隔保持部材230が配置され、前記複数のラング導体220は、前記内側構造保持部材210の外周面に当該内側構造保持部材210の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、各前記ラング導体220の前記軸方向の両端部と前記シールド導体240とは、当該ラング導体220と当該シールド導体240とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記シールド導体240および前記シールド導体保持部材250と、前記内側構造保持部材210との少なくとも一方は、前記ラング導体220と前記シールド導体240とが電気的に接続される箇所の近傍に穴260を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置200が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備える。
そして、前記シールド導体440は、前記シールド導体保持部材250の周方向に、前記ラング導体220数以下の部分シールド導体441に分割され、前記給電部は、各前記ループ回路に備えられる。
このように、本実施形態のアンテナ装置400によれば、マイクロストリップ型アンテナであっても、第一の実施形態のTEM型アンテナであるアンテナ装置200同様、内側構造保持部材210に、構造体としての機能と安全性を確保する機能とをかねさせることができる。このため、アンテナ装置200の、径方向の厚み自体を薄くすることができる。
従って、本実施形態のアンテナ装置400によれば、ラング導体220とシールド導体440との間の距離を短くすることなく、所定の内径を確保できる。従って、本実施形態のアンテナ装置400は、感度を落とすことなく円筒形状の外径と内径の差を小さくすることができるので、被検体112にとって快適な広い検査空間を提供することができる。
すなわち、安全性や使用感と、感度とを両立できる。
なお、上記第一および第二の実施形態では、アンテナ装置200、400の外観を規定するシールド導体保持部材250および内側構造保持部材210の形状は、円筒とした。
しかし、この形状に限定されない。これらは、例えば、楕円筒形状であってもよい。この場合、円弧状リブは、楕円弧状リブとなる。
図11は、第二の実施形態のアンテナ装置400において、シールド導体保持部材および内側構造保持部材の形状を、楕円筒形状(シールド導体保持部材650、内側構造保持部材610)とした、アンテナ装置600の外観斜視図である。このアンテナ装置600の、軸方向に直交する断面は、長軸602および短軸603を持つ、楕円となる。
MRI装置100は、ヒトが仰向けに寝て、内部空間に入る場合が多いので、断面が楕円形状のアンテナ装置600は、さらに被検体112の快適性を向上させる。
<<第三の実施形態>>
次に、本発明の第三の実施形態を説明する。本実施形態のアンテナ装置は、第二の実施形態同様、マイクロストリップ型のアンテナとする。ただし、本実施形態では、シールド導体だけでなく、シールド導体保持部材も、チャンネル数に分割される。本実施形態のアンテナ装置は、複数チャンネルのマイクロストリップ型のアンテナ装置で、各チャンネルのラング導体は、周方向に複数に分割され、軸方向の両端部で周方向に電気的に接続される。また、筒の形状は楕円である。
本実施形態のMRI装置は、基本的に第一の実施形態のMRI装置100と同様の構成を有する。だたし、本実施形態では、RFアンテナ103として、第二の実施形態同様、マイクロストリップライン型アンテナであるアンテナ装置500を用いる。
図12は、本実施形態のアンテナ装置500の外観斜視図である。また、図13(a)は、本実施形態のアンテナ装置500の、中心軸に垂直な断面における断面図であり、構成を説明するための図である。ここでは、4チャンネルである場合を例示する。しかし、チャンネル数は、これに限定されない。
図12および図13(a)に示すように、本実施形態のアンテナ装置500は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う、複数チャンネルのアンテナ装置であって、チャンネル数分の、部分楕円筒形状の単一チャンネル部501を備え、全体として楕円筒形状を有する装置である。以下、アンテナ装置500においても、アンテナ装置の中心軸方向を軸方向と呼び、中心軸に直交する断面の楕円の楕円周方向を周方向、直径方向を径方向と呼ぶ。部分楕円筒形状は、楕円筒を、軸方向に平行に周方向に複数に分割した形状である。
図13(a)に示すように、本実施形態のアンテナ装置500は、径方向に内側から外側に向かって順に、内側構造保持部材510と、チャンネル数分の、部分筒形状の単一チャンネル部501とを備える。チャンネル数分の単一チャンネル部501は、内側構造保持部材510の外側の面に、アンテナ装置500の周方向に所定の間隔をあけて配置される。
本実施形態の内側構造保持部材510は、第一の実施形態の内側構造保持部材210同様、最も被検体112側に配置される構造部材である、その厚み、素材は、第一の実施形態の内側構造保持部材210と同様とする。ただし、軸方向に直交する断面形状は、楕円形状とする。
各単一チャンネル部501は、アンテナ装置500の径方向に内側から外側に向かって順に、軸方向に延びる1つのラング導体520と、部分筒形状を有する部分筒状シールド導体541と、部分筒状シールド導体541を保持する部分筒形状を有する部分筒状シールド導体保持部材551と、を備える。
なお、アンテナ装置500は、後述するように他の構成部品も備えるが、図13(a)では、これらは省略する。
また、部分筒状シールド導体541および部分筒状シールド導体保持部材551は、周方向に、中心軸に平行に、第一の実施形態のアンテナ装置200で楕円筒形状のものが備える、シールド導体240およびシールド導体保持部材250を、チャンネル数に分割したものである。
部分筒状シールド導体541および部分筒状シールド導体保持部材551の、素材、厚みは、第一の実施形態のシールド導体240およびシールド導体保持部材250とそれぞれ同様とする。
また、本実施形態においても、部分筒状シールド導体541は、第一の実施形態のシールド導体240がシールド導体保持部材250の内面全面に接着される構成と同様に、部分筒状シールド導体保持部材551の内面全面に接着される。
図13(b)は、ラング導体520を、平面に展開したものである。本図に示すように、チャンネル毎に設けられるラング導体520は、感度範囲を広くするために、周方向に、中心軸に平行に複数に分割する。分割されたラング導体520の各部分を、それぞれ、部分ラング導体522と呼ぶ。
各部分ラング導体522の両端は、互いに隣り合う部分ラング導体522と、例えば、2000pF程度の高容量のキャパシタ573で、高周波的に低インピーダンスで接続される。このような構造にすることで、周方向に感度範囲を広げ、楕円筒内部の感度均一度を向上させることができる。なお、図13(b)では、ラング導体520を、5分割した場合を例示する。
各部分ラング導体522の詳細は、第一の実施形態のラング導体220と同様とする。
すなわち、軸方向に複数のラング導体片に分割され、ラング導体片間は、ラングキャパシタ271で接続される。
また、各部分ラング導体522の軸方向の両端部と、部分筒状シールド導体541とは、部分ラング導体522と部分筒状シールド導体541とがループ回路を形成するように電気的に接続される。電気的な接続は、例えば、シャントキャパシタ270などにより行われる。
本実施形態においても、各ループ回路は、当該アンテナ装置500が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整される。調整は、シャントキャパシタ270の容量を調整することによりなされる。
また、本実施形態においても、部分筒状シールド導体541および部分筒状シールド導体保持部材551と、内側構造保持部材510と、の少なくとも一方の、部分ラング導体522と部分筒状シールド導体541との電気的な接続箇所近傍には、穴260が開けられる。
図12では、穴260が、部分筒状シールド導体保持部材551および部分筒状シールド導体541に開けられる場合を例示する。穴260は、第一の実施形態同様、アンテナ装置500を作製時に、ラング導体220と部分筒状シールド導体541とを接続する作業を行うためのものである。従って、この作業が行える位置に、この作業が行える数だけ備えられていればよい。例えば、部分ラング導体522の2倍の数、備える。詳細は、第一の実施形態と同様とする。
さらに、各単一チャンネル部501には、電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部品280が接続される。図12に示すアンテナ装置500の例では、4チャンネルのアンテナ装置であるため、給電部品280を、4つ備える。各部分筒状シールド導体541は、その電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備え、この給電部を介してこれらの給電部品280は接続される。
また、内側構造保持部材510と部分筒状シールド導体541との間には、ラング導体520と部分筒状シールド導体541との間に空間を形成する間隔保持部材(リブ)530が配置される。その機能は第一の実施形態のリブ230と同様である。本実施形態のリブ530も、第一の実施形態同様、直線状リブ531と部分楕円弧状リブ532とを備える。
図14は、アンテナ装置500の、リブ530の配置を説明するために、部分筒状シールド導体保持部材551および部分筒状シールド導体541を取り除いて、リブ530(直線状リブ531および部分楕円弧状リブ532)を露出させた部分拡大図である。なお、図14ではシャントキャパシタ270、ラングキャパシタ271、キャパシタ573等の回路部品は省略する。
直線状リブ531は、第一の実施形態の直線状リブ231と同様に、橋台および橋桁を有する構造であり、アンテナ装置500の軸方向に延伸し、周方向に所定の間隔をおいて配置される。内側構造保持部材510および部分筒状シールド導体保持部材551への取り付け態様は、第一の実施形態の直線状リブ231と同様である。
部分楕円弧状リブ532は、楕円弧を周方向に分割した部分楕円弧形状の橋桁と、橋脚とを有する。本実施形態では、複数の部分楕円弧状リブ532が、軸方向に所定の間隔をおいて、配置される。内側構造保持部材510および部分筒状シールド導体保持部材551への取り付け態様は、第一の実施形態の円弧状リブ232と同様である。
すなわち、内側構造保持部材510の外周面上に部分ラング導体522が接着される。
そして、部分ラング導体522を避けて、内側構造保持部材510の外周面上に、直線状リブ531と部分楕円弧状リブ532とが設置される。
図15は、アンテナ装置500の部分筒状シールド導体541、部分ラング導体522、給電部品280、および、後述するデカップリングブリッジ591を説明するための説明図(透視図)である。
なお、本実施形態のアンテナ装置500では、周方向に複数(4つ)に分割された単一チャンネル部501について、周方向に隣接するもの同士を接続し、1つの楕円筒状のアンテナ装置500を形成する。具体的には、部分筒状シールド導体保持部材551および部分筒状シールド導体541を、隣接する単一チャンネル部501の部分筒状シールド導体保持部材551および部分筒状シールド導体541と、それぞれ接続する。このとき、部分筒状シールド導体541どうしは、接続部542を介して接続する。
また、本実施形態のアンテナ装置500は、マイクロストリップ型アンテナであるため、第二の実施形態同様、隣接するチャンネル間のカップリングを防止するデカップリング回路590を備える。本実施形態では、デカップリング回路590として、隣接する単一チャンネルの部分501の部分ラング導体522であって、隣り合う部分ラング導体522間を接続するデカップリングブリッジ591を用いる。
次に、本実施形態のアンテナ装置500の作製手順を説明する。
まず、内側構造保持部材510の外筒面に部分ラング導体522を貼り付ける。そして、各ラング導体220にラングキャパシタ271およびキャパシタ573をハンダ付けする。その後、内側構造保持部材510に給電部品280を固定する。そして、直線状リブ531および部分楕円弧状リブ532を、内側構造保持部材510にネジ止めなどの方法で固定する。
また、予め、部分筒状シールド導体保持部材551の内側となる面(内周面)に部分筒状シールド導体541を貼り付けておく。部分筒状シールド導体保持部材551および部分筒状シールド導体541には、それぞれ、穴260をあけておく。部分筒状シールド導体保持部材551と一体となった部分筒状シールド導体541を、直線状リブ531および部分楕円弧状リブ532の橋桁部に接着する。
そして、部分筒状シールド導体541の穴260付近において、シャントキャパシタ270をはんだづけし、部分ラング導体522と部分筒状シールド導体541とを電気的に接続する。また、給電部品280の先端の、部分筒状シールド導体541側および部分ラング導体522側の2つの接続点をハンダ付けする。
最後に、各単一チャンネル部501の、隣り合う部分ラング導体522間をデカップリングブリッジ591で接続し、部分筒状シールド導体541を、隣接する単一チャンネル部501の部分筒状シールド導体541に接続し、楕円筒状のアンテナ装置500を形成する。
なお、本実施形態では、アンテナ装置500が楕円筒形状である場合を例にあげて説明したが、本実施形態のアンテナ装置500は、円筒形状であってもよい。この場合、内側構造保持部材510は円筒形状となり、各単一チャンネル部501は、円筒を、周方向に軸に平行に分割した形状となる。また、部分楕円弧状リブ532は、部分円弧状リブとなる。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う複数チャンネルの筒状のアンテナ装置500を備え、前記アンテナ装置500は、径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材510と、チャンネル数の、部分筒形状の単一チャンネル部501と、を備え、各前記単一チャンネル部501は、前記アンテナ装置500の軸方向に伸びる複数の部分ラング導体522と、前記部分筒形状の部分筒状シールド導体541と、前記部分筒状シールド導体541を保持する前記部分筒形状の部分筒状シールド導体保持部材551と、を備え、前記チャンネル数の単一チャンネル部501は、前記内側構造保持部材510の外側の面に、前記アンテナ装置500の周方向に所定の間隔をあけて配置され、前記内側構造保持部材510と前記部分筒状シールド導体541との間には、前記部分ラング導体522と前記部分筒状シールド導体541との間に空間を形成する間隔保持部材530が配置され、前記複数の部分ラング導体522は、前記内側構造保持部材510の外側の面に前記アンテナ装置500の周方向に所定の間隔をあけて配置され、各前記部分ラング導体522の前記軸方向の両端部と前記部分筒状シールド導体541とは、当該部分ラング導体522と当該部分筒状シールド導体541とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記部分筒状シールド導体541および前記部分筒状シールド導体保持部材551と、前記内側構造保持部材510との少なくとも一方は、前記部分ラング導体522と前記部分筒状シールド導体541とが電気的に接続される箇所の近傍に穴260を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置500が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、各部分筒状シールド導体541は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備える。
このように、本実施形態のアンテナ装置500によれば、マイクロストリップ型アンテナであっても、第一の実施形態のTEM型アンテナであるアンテナ装置200同様、内側構造保持部材510に、構造体としての機能と安全性を確保する機能とをかねさせることができる。このため、アンテナ装置200の、径方向の厚み自体を薄くすることができる。
従って、本実施形態のアンテナ装置500によれば、ラング導体220とシールド導体440との間の距離を短くすることなく、所定の内径を確保できる。従って、本実施形態のアンテナ装置500は、感度を落とすことなく円筒形状の外径と内径の差を小さくすることができるので、被検体112にとって快適な広い検査空間を提供することができる。
すなわち、安全性や使用感と、感度とを両立できる。
なお、本実施形態では、単一チャンネル部501のみ部分筒形状の分割構造としているが、これに限定されない。内側構造保持部材510も、同様に、周方向に軸方向に平行に、チャンネル数に分割された、部分筒形状を有していてもよい。この場合、アンテナ装置500の作製時は、チャンネル単位で筒を周方向に分割した部分筒形状のコイルを作成し、最後に1つの筒状に組み合わせてもよい。
また、本実施形態では、各部分筒状シールド導体541として、1枚のシート状導体を用いる場合を例にあげて説明しているが、これに限定されない。例えば、図15に示すように、一部、細かくタイル状に分割された導体を用いてもよい。このような形状を用いることにより、傾斜磁場により発生する渦電流を防止し、発熱を防ぐことができる。
この場合、各部分筒状シールド導体541は、例えば、25ミクロン程度のポリイミド膜の両面に、厚さ12ミクロン程度の銅箔を貼り付けて、作成する。すなわち、この場合の部分筒状シールド導体541は、両面銅箔シートを用いる。なお、図15では、説明を簡単にするため、内側の銅箔のタイル状のパターンのみ示す。実際には、外側の銅箔にも島の位置が互い違いにずれた、異なる島状のタイルパターンがエッチングによって作られる。島状のタイルパターン同士は、直流の電流に対しては断線しているが、高周波に対しては容量的に結合し、導体となる。
このような、タイル状に分割された導体は、第一の実施形態および第二の実施形態のシールド導体にも用いることができる。
また、上記各実施形態では、穴260のサイズをできるだけ小さくし、その数を、ラング導体220の数の2倍としたが、これに限定されない。当該穴260を介して、各ラング導体220とシールド導体240とを電気的に接続できればよく、穴260の数は限定されない。
以上説明したように、各実施形態によれば、MRI装置に用いられるTEM型あるいはマイクロストリップライン型のアンテナ装置において、アンテナ装置の円筒面のいずれかに穴をあけ、その周辺部でシールド導体とラング導体とを電気的に接続し、ループ回路を形成する。
従って、予め一体形成しておくことを要するアンテナ装置であって、外側面の略一面を覆うシールド導体を配置するアンテナ装置において、アンテナ装置の内側の面を堅牢な構造体とすることができる。すなわち、内側の面に、構造体としての機能と安全性を確保する機能とを兼ねさせることができる。従って、外側の面を構造体とする必要がないため、その分、薄く作製することができ、アンテナ装置の内径と外径との差を縮めることなく、アンテナ装置全体の径方向の厚みを薄くすることができる。
従って、上記各実施形態によれば、感度を落とすことなく、広い内部空間を有するアンテナ装置を提供できる。
なお、上記各実施形態のアンテナ装置は、受信専用アンテナ、または、送信専用アンテナであってもよいし、送受信兼用アンテナであってもよい。また、上記各実施形態のアンテナ装置は、MRI装置のRFアンテナとしてだけでなく、数MHzから数GHzの周波数を持つ電磁波を使用するあらゆる機器に応用可能である。
100 MRI装置、101 マグネット、102 傾斜磁場コイル、103 RFアンテナ、104 送受信機、105 データ処理部、106 送受信ケーブル、107 傾斜磁場制御ケーブル、108 表示装置、109 傾斜磁場電源、111 ベッド、112 被検体、200 アンテナ装置、210 内側構造保持部材、220 ラング導体、221 ラング導体片、222 間隔、230 リブ(間隔保持部材)、231 直線状リブ、232 円弧状リブ、233 円弧状リブの一部分、240 シールド導体、250 シールド導体保持部材、260 穴、270 シャントキャパシタ、271 ラングキャパシタ、280 給電部品、281 同軸ケーブル、282 接続点、283 接続点、300 アンテナ装置、320 ラング導体、321 ラング導体片、340 シールド導体、370 シャントキャパシタ、371 ラングキャパシタ、380 給電部品、400 アンテナ装置、440 シールド導体、441 部分シールド導体、442 間隔、490 デカップリング回路、491 デカップリングキャパシタ、492 デカップリングキャパシタ、500 アンテナ装置、501 単一チャンネル部、510 内側構造保持部材、520 ラング導体、522 部分ラング導体、530 リブ(間隔保持部材)、531 直線状リブ、532 部分楕円弧状リブ、541 部分筒状シールド導体、542 接続部、551 部分筒状シールド導体保持部材、573 キャパシタ、590 デカップリング回路、591 デカップリングブリッジ、600 アンテナ装置、602 長軸、603 短軸、610 内側構造保持部材、650 シールド導体保持部材
本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:以下NMRという)信号を計測し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:以下MRIとする)技術に関し、特に、高周波信号の送信およびNMR信号の受信の少なくとも一方を行うアンテナ装置およびその製造方法に関する。
MRI装置では、静磁場マグネットが発生する均一な静磁場中に配置された被検体に電磁波である高周波信号を照射し、被検体内の核スピンを励起すると共に、核スピンが発生する電磁波である核磁気共鳴信号を受信し、信号処理することにより、被検体を画像化する。高周波信号の照射と核磁気共鳴信号の受信とは、ラジオ周波数(RF)の電磁波を送信あるいは受信するRFアンテナもしくはRFコイルと呼ばれるアンテナ装置(以下、RFアンテナと呼ぶ。)によって行なわれる。実際の画像化のためには静磁場マグネット、RFアンテナに加えて、空間的に傾斜した磁場を発生する傾斜磁場コイルが必要である。
トンネル型のMRI装置ではこれらの静磁場マグネット、傾斜磁場コイル、RFアンテナは共に円筒形をしており、通常外側から、静磁場マグネット、次に傾斜磁場コイル、一番内側(被検体側)にRFアンテナが配置される。
TEM型のアンテナやマイクロストリップライン型のアンテナ(以下、TEM型アンテナと総称することもある。)は、内側円筒面と外側の円筒面とで構成され、内側の円筒面にラング導体が貼り付けられ、外側の円筒面には、設置面の役割を果たすシールド導体が貼り付けられる。そして前述の16〜32本程度あるラング導体各々と、シールド導体とを電気的に接続し、各ラング導体に流れる電流を互いにカップリングさせて使用する。
また、本発明の磁気共鳴イメージング装置は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う複数チャンネルの筒状のアンテナ装置を備え、前記アンテナ装置は、径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材と、チャンネル数の、部分筒形状の単一チャンネル部と、を備え、各前記単一チャンネル部は、前記径方向に内側から外側に向かって順に、前記アンテナ装置の軸方向に伸びる複数の部分ラング導体と、部分筒形状の部分筒状シールド導体と、前記部分筒状シールド導体を保持する部分筒形状の部分筒状シールド導体保持部材と、を備え、前記チャンネル数の単一チャンネル部は、前記内側構造保持部材の外側の面に、前記アンテナ装置の周方向に所定の間隔をあけて配置され、前記内側構造保持部材と前記部分筒状シールド導体との間には、前記部分ラング導体と前記部分筒状シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、前記複数の部分ラング導体は、前記内側構造保持部材の外側の面に前記アンテナ装置の周方向に所定の間隔をあけて配置され、各前記部分ラング導体の前記軸方向の両端部と前記部分筒状シールド導体とは、当該部分ラング導体と当該部分筒状シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記部分筒状シールド導体および前記部分筒状シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記部分ラング導体と前記部分筒状シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、各部分筒状シールド導体は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備えることを特徴とする。
また、本発明のアンテナ装置は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状のアンテナ装置であって、当該アンテナ装置の径方向の内側から外部に向かって順に、筒状の内側構造保持部材と、前記内側構造保持部材の軸方向に延びる複数のラング導体と、筒状のシールド導体と、前記シールド導体を保持する筒状のシールド導体保持部材と、を備え、前記内側構造保持部材と前記シールド導体との間には、前記ラング導体と前記シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、前記複数のラング導体は、前記内側構造保持部材の外周面に当該内側構造保持部材の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、各前記ラング導体の前記軸方向の両端部と前記シールド導体とは、当該ラング導体と当該シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記シールド導体および前記シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記ラング導体と前記シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部備えることを特徴とする。
また、本発明のアンテナ装置の製造方法は、筒状の内側構造保持部材の外周面に、当該内側構造保持部材の軸方向に延びるラング導体を貼り付け、前記ラング導体の前記軸方向の両端部にそれぞれキャパシタを接続し、前記内側構造保持部材に少なくとも1つの給電部品を固定し、前記内側構造保持部材の前記外周面に、間隔保持部材を固定し、予め内周面にシールド導体を貼り付けるとともに前記ラング導体の数の2倍の数の穴をあけた筒状のシールド導体保持部材の、前記シールド導体が貼り付けられた面を、前記間隔保持部材に接着し、前記穴近傍で前記各キャパシタをそれぞれ前記シールド導体に接続するとともに、前記給電部品を、前記ラング導体および前記シールド導体に接続し、前記穴は、前記シールド導体保持部材を前記間隔保持部材に接着後、前記ラング導体に接続した前記キャパシタが配される位置近傍に開けられることを特徴とする。
MRI装置100は、マグネット101が形成する静磁場の方向によって、水平磁場方式と垂直磁場方式とに区別される。水平磁場方式の場合は、一般的に、マグネット101は円筒状のボア(中心空間)を有し、図1中左右方向の静磁場を発生し、トンネル型MRI装置と呼ばれる。一方、垂直磁場方式の場合は、一対の磁石が被検体を挟んで上下に配置され、図1中上下方向の静磁場を発生する。本実施形態は、主に、円筒状のボアを有する水平磁場方式のトンネル型MRI装置を用いる場合を例にあげて説明する。
本実施形態では、RFアンテナ103として、複数のラング導体と、当該ラング導体に流れる電流を互いにカップリングさせて使用するTEM型アンテナであるアンテナ装置200(図3)を用いる。
図2には図示していないが、アンテナ装置300は、2つの同軸の円筒状の保持部材を備える。内側の保持部材を内側保持部材、外側の保持部材を外側保持部材と呼ぶ。複数セットのラング導体320は、円筒状の内側保持部材上に取り付けられる。また、シールド導体340は、円筒状の外側保持部材上に張り付けられる。
本図に示すように、円弧状リブ232の一部分233は、穴260と重なるように配置され、穴260の内側にはみ出した円弧状リブ232の一部分233の外周面は、シールド導体240が覆う。つまり、シールド導体240にあけられた穴260は、シールド導体保持部材250にあけられた穴260よりも、円弧状リブ232のはみ出した一部分233だけ小さい。
本実施形態のアンテナ装置200は、製造時に、シールド導体240の、円弧状リブ232のはみ出した一部分233を覆う箇所に、シャントキャパシタ270を接続し、ラング導体220と接続する。すなわち、このような構造にすることで、シャントキャパシタ270を、シールド導体240とラング導体220との双方に、図8の上方から容易にはんだづけすることができる。
まず、内側構造保持部材210の外筒面にラング導体220を貼り付ける。そして、ラング導体片221にラングキャパシタ271をハンダ付けする。その後、内側構造保持部材210に給電部品280を固定する。そして、直線状リブ231および円弧状リブ232を、内側構造保持部材210にネジ止めなどの方法で固定する。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、RFアンテナ103に用いるアンテナ装置は、TEM型アンテナとした。一方、本実施形態では、RFアンテナ103に用いるアンテナ装置は、マイクロストリップライン型のアンテナとする。
本実施形態のアンテナ装置400は、図9に示すように、第一の実施形態のアンテナ装置200と同様に、径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材210と、内側構造保持部材210の軸方向に延びる複数のラング導体220と、筒状のシールド導体440と、シールド導体440を保持する筒状のシールド導体保持部材250と、を備える。そして、内側構造保持部材210とシールド導体440との間には、ラング導体220とシールド導体440との間に空間を形成する間隔保持部材(以下、リブと呼ぶ)230が配置される。
最後に、シールド導体440の穴260付近において、シャントキャパシタ270をはんだづけし、ラング導体220と部分シールド導体441とを電気的に接続する。また、給電部品280の先端の、シールド導体440側およびラング導体220側の2つの接続点をハンダ付けする。なお、給電部品280は、チャンネル数分、設ける。すなわち、各部分シールド導体441に対し、1つ接続する。図9の例では、16個設ける。
以上説明したように、本実施形態のMRI装置100は、所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う通常のアンテナ装置400を備え、アンテナ装置400は、当該アンテナ装置400の径方向に内側から外側に向かって順に、筒状の内側構造保持部材210と、前記内側構造保持部材210の軸方向に延びる複数のラング導体220と、筒状のシールド導体440と、前記シールド導体440を保持する筒状のシールド導体保持部材250と、を備え、前記内側構造保持部材210と前記シールド導体440との間には、前記ラング導体220と前記シールド導体440との間に空間を形成する間隔保持部材230が配置され、前記複数のラング導体220は、前記内側構造保持部材210の外周面に当該内側構造保持部材210の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、各前記ラング導体220の前記軸方向の両端部と前記シールド導体440とは、当該ラング導体220と当該シールド導体440とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、前記シールド導体440および前記シールド導体保持部材250と、前記内側構造保持部材210との少なくとも一方は、前記ラング導体220と前記シールド導体440とが電気的に接続される箇所の近傍に穴260を備え、前記各ループ回路は、当該シールド導体440が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備える。
このように、本実施形態のアンテナ装置400によれば、マイクロストリップ型アンテナであっても、第一の実施形態のTEM型アンテナであるアンテナ装置200同様、内側構造保持部材210に、構造体としての機能と安全性を確保する機能とをかねさせることができる。このため、アンテナ装置400の、径方向の厚み自体を薄くすることができる。
<<第三の実施形態>>
次に、本発明の第三の実施形態を説明する。本実施形態のアンテナ装置は、第二の実施形態同様、マイクロストリップライン型のアンテナとする。ただし、本実施形態では、シールド導体だけでなく、シールド導体保持部材も、チャンネル数に分割される。本実施形態のアンテナ装置は、複数チャンネルのマイクロストリップライン型のアンテナ装置で、各チャンネルのラング導体は、周方向に複数に分割され、軸方向の両端部で周方向に電気的に接続される。また、筒の形状は楕円である。
図12では、穴260が、部分筒状シールド導体保持部材551および部分筒状シールド導体541に開けられる場合を例示する。穴260は、第一の実施形態同様、アンテナ装置500を作製時に、ラング導体520と部分筒状シールド導体541とを接続する作業を行うためのものである。従って、この作業が行える位置に、この作業が行える数だけ備えられていればよい。例えば、部分ラング導体522の2倍の数備える。詳細は、第一の実施形態と同様とする。
まず、内側構造保持部材510の外筒面に部分ラング導体522を貼り付ける。そして、各ラング導体520にラングキャパシタ271およびキャパシタ573をハンダ付けする。その後、内側構造保持部材510に給電部品280を固定する。そして、直線状リブ531および部分楕円弧状リブ532を、内側構造保持部材510にネジ止めなどの方法で固定する。
このように、本実施形態のアンテナ装置500によれば、マイクロストリップ型アンテナであっても、第一の実施形態のTEM型アンテナであるアンテナ装置200同様、内側構造保持部材510に、構造体としての機能と安全性を確保する機能とをかねさせることができる。このため、アンテナ装置500の、径方向の厚み自体を薄くすることができる。
従って、本実施形態のアンテナ装置500によれば、ラング導体520部分筒状シールド導体541との間の距離を短くすることなく、所定の内径を確保できる。従って、本実施形態のアンテナ装置500は、感度を落とすことなく円筒形状の外径と内径の差を小さくすることができるので、被検体112にとって快適な広い検査空間を提供することができる。
すなわち、安全性や使用感と、感度とを両立できる。
この場合、各部分筒状シールド導体541は、例えば、厚さ25ミクロン程度のポリイミド膜の両面に、厚さ12ミクロン程度の銅箔を貼り付けて、作成する。すなわち、この場合の部分筒状シールド導体541は、両面銅箔シートを用いる。なお、図15では、説明を簡単にするため、内側の銅箔のタイル状のパターンのみ示す。実際には、外側の銅箔にもの位置が互い違いにずれた、異なる縞状のタイルパターンがエッチングによって作られる。縞状のタイルパターン同士は、直流の電流に対しては断線しているが、高周波に対しては容量的に結合し、導体となる。
また、上記各実施形態では、穴260のサイズをできるだけ小さくし、その数を、ラング導体の数の2倍としたが、これに限定されない。当該穴260を介して、各ラング導体とシールド導体とを電気的に接続できればよく、穴260の数は限定されない。

Claims (15)

  1. 所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状のアンテナ装置を備え、
    前記アンテナ装置は、当該アンテナ装置の径方向に内側から外側に向かって順に、
    筒状の内側構造保持部材と、
    前記内側構造保持部材の軸方向に延びる複数のラング導体と、
    筒状のシールド導体と、
    前記シールド導体を保持する筒状のシールド導体保持部材と、を備え、
    前記内側構造保持部材と前記シールド導体との間には、前記ラング導体と前記シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、
    前記複数のラング導体は、前記内側構造保持部材の外周面に当該内側構造保持部材の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、
    各前記ラング導体の前記軸方向の両端部と前記シールド導体とは、当該ラング導体と当該シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、
    前記シールド導体および前記シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記ラング導体と前記シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、
    前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、
    少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記内側構造保持部材の厚みは、前記シールド導体保持部材の厚みより大きいことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記ループ回路は、キャパシタ、を備え、
    前記ループ回路の共振周波数は、前記キャパシタにより調整されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記穴は、当該穴を介して前記キャパシタを接続可能な最小の大きさであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記給電部は、前記アンテナ装置の中心軸に対して90度離れた2つのラング導体に設けられることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記シールド導体は、前記シールド導体保持部材の周方向に、前記複数のラング導体の数以下の部分シールド導体に分割され、
    前記給電部は、各前記ループ回路に備えられることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記アンテナ装置と、前記内側構造保持部材と、前記シールド導体保持部材とは、同軸の円筒形状であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記アンテナ装置と、前記内側構造保持部材と、前記シールド導体保持部材とは、楕円の長軸と短軸とを共有した楕円筒形状であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記ラング導体は、前記軸方向に複数のラング導体片に分割され、
    前記各ラング導体片は、軸方向に隣接するラング導体片と前記キャパシタにより接続されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記間隔保持部材は、
    前記軸方向に延びる直線状部材と、
    前記周方向に延びる円弧状部材と、を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記穴は、前記シールド導体および前記シールド導体保持部材が備え、
    前記シールド導体が備える穴は、前記シールド導体保持部材が備える穴より小さいことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う複数チャンネルの筒状のアンテナ装置を備え、
    前記アンテナ装置は、径方向に内側から外側に向かって順に、
    筒状の内側構造保持部材と、
    チャンネル数の、部分筒形状の単一チャンネル部と、を備え、
    各前記単一チャンネル部は、前記径方向に内側から外側に向かって順に、
    前記アンテナ装置の軸方向に伸びる複数の部分ラング導体と、
    部分筒形状の部分筒状シールド導体と、
    前記部分筒状シールド導体を保持する前記部分筒形状の部分筒状シールド導体保持部材と、を備え、
    前記チャンネル数の単一チャンネル部は、前記内側構造保持部材の外側の面に、前記アンテナ装置の周方向に所定の間隔をあけて配置され、
    前記内側構造保持部材と前記部分筒状シールド導体との間には、前記部分ラング導体と前記部分筒状シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、
    前記複数の部分ラング導体は、前記内側構造保持部材の外側の面に前記アンテナ装置の周方向に所定の間隔をあけて配置され、
    各前記部分ラング導体の前記軸方向の両端部と前記部分筒状シールド導体とは、当該部分ラング導体と当該部分筒状シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、
    前記部分筒状シールド導体および前記部分筒状シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記部分ラング導体と前記部分筒状シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、
    前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、
    各部分筒状シールド導体は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  13. 請求項12記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記穴は、前記部分筒状シールド導体および前記部分筒状シールド導体保持部材が備え、
    前記部分筒状シールド導体が備える穴は、前記部分筒状シールド導体保持部材が備える穴より小さいことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  14. 所定の周波数の電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う筒状のアンテナ装置であって、当該アンテナ装置の径方向の内側から外部に向かって順に、
    筒状の内側構造保持部材と
    前記内側構造保持部材の軸方向に延びる複数のラング導体と、
    筒状のシールド導体と、
    前記シールド導体を保持する筒状のシールド導体保持部材と、を備え、
    前記内側構造保持部材と前記シールド導体との間には、前記ラング導体と前記シールド導体との間に空間を形成する間隔保持部材が配置され、
    前記複数のラング導体は、前記内側構造保持部材の外周面に当該内側構造保持部材の周方向に沿って所定の間隔をあけて配置され、
    各前記ラング導体の前記軸方向の両端部と前記シールド導体とは、当該ラング導体と当該シールド導体とがループ回路を形成するよう電気的に接続され、
    前記シールド導体および前記シールド導体保持部材と、前記内側構造保持部材との少なくとも一方は、前記ラング導体と前記シールド導体とが電気的に接続される箇所の近傍に穴を備え、
    前記各ループ回路は、当該アンテナ装置が送信および受信の少なくとも一方を行う電磁波の周波数で共振するよう調整され、
    少なくとも1つの前記ループ回路は、前記電磁波の送信および受信の少なくとも一方を行う給電部備えることを特徴とするアンテナ装置。
  15. 筒状の内側構造保持部材の外周面に、当該内側保持部材の軸方向に延びるラング導体を貼り付け、
    前記ラング導体の前記軸方向の両端部にそれぞれキャパシタを接続し、
    前記内側構造保持部材に少なくとも1つの給電部品を固定し、
    前記内側構造保持部材の前記外周面に、間隔保持部材を固定し、
    予め内周面にシールド導体を貼り付けるとともに前記ラング導体の数の2倍の数の穴をあけた筒状のシールド導体保持部材の、前記シールド導体が貼り付けられた面を、前記間隔保持部材に接着し、
    前記穴近傍で前記各キャパシタをそれぞれ前記シールド導体に接続するとともに、前記給電部品を、前記ラング導体および前記シールド導体に接続し、
    前記穴は、前記シールド導体保持部材を前記間隔保持部材に接着後、前記ラング導体に接続した前記キャパシタが配される位置近傍に開けられることを特徴とするアンテナ装置の製造方法。
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