JPWO2015056328A1 - 骨接合具 - Google Patents

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Abstract

骨接合具1は、筒状のラグスクリュー2と、ラグスクリュー2内に挿入して使用するフック本体3とを備えている。フック本体3は、棒状の軸部分の一端側に連設された弾性を有する一対のフック片31と、他端側近傍の周面に形成された雄ネジ部32を備える。ラグスクリュー2は、径大部分である胴部201と径小部分である先部202を有し、その内部に第1の孔部210と第2の孔部220と一対の第3の孔部230が形成されている。第1の孔部210と第2の孔部220はラグスクリュー2の中心軸線上に位置して長手方向に貫通している。各第3の孔部230は一端側が外部と連通し、他端側が第1の孔部210と第2の孔部220が連通した領域に連通している第3の孔部230を通じて導出される各フック片31の突出方向の角度は、ラグスクリュー2の中心軸線を起点として略15°となるように構成されている。

Description

本発明は、骨接合具及び骨接合術に関する。詳しくは、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易な骨接合具及び骨接合術に関する。
従来から、外科手術を要する骨折治療の現場においては、治療対象骨の長手方向軸線に沿って挿入する髄内釘と、軸周に雄ネジが形成されたラグスクリューを組み合わせた骨接合具が使用されている。
骨接合具は、骨折部位を固定するために有用であり、特に大腿骨近位側箇所の骨折に対する骨接合術で利用されている。
しかしながら、骨接合具を用いた施術では、施術後の荷重や日常生活動作によって大腿骨頭が回旋し、設置されたラグスクリューが大腿骨頭内部で進退し、ラグスクリューの先端が骨頭側を突き破る、あるいは、髄内釘からラグスクリューが脱落する等の症例が報告されている。このような現象を防止すべく、例えば、特許文献1に記載された骨折治療用接骨ピンが提案されている。
図8に示すように、特許文献1に記載された骨折治療用接骨ピン9は、軸心に通孔を縦通した中空軸91の先端部92に、通孔から中空軸91外側へ分岐開通する複数のフック案内孔93が開設されている。また、中空軸91の通孔内に、先端に適宜長の複数本の弾性フック94を有するフック軸を軸方向に進退自在に挿通したものである。この骨折治療用接骨ピン9は、フック軸を通孔内で進退させると、その前進により複数本の弾性フック94を複数のフック案内孔93から中空軸91外側方へそれぞれ突出し、後退によりフック案内孔93内に引っ込む構造となっている。
特開2006−334048号公報
一方、図8に示されるように、特許文献1に記載された骨折治療用接骨ピン9は、各弾性フックの突出方向の角度がラグスクリューの中心軸線を起点として先部方向へ鈍角であると共に弾性フックを幅方向に広く突出させる構造である。このため、弾性フックを曲がりやすくすべく、厚みを薄くする必要がある。換言すると、「弾性フックの厚みが薄い」とは、「弾性フックの側面のうち、ラグスクリューの回転方向へ向いた側面の幅が狭い」と同義である。
しかしながら、ラグスクリューの回転方向へ向いた側面の幅が狭い構造であると、ラグスクリューによる骨片の回旋抑止力が弱く、加えて、弾性フックによる骨内海綿質の切り裂き現象が生じる可能性がある。
特に、施術対象者が、高齢者等のように骨密度が低く、骨内の海綿質が脆くなっている者である場合、ラグスクリューの回転方向へ向いた側面の幅が狭い骨折治療用接骨ピン9では、前述のラグスクリューの回旋防止効果を期待しにくい。
また、歩行訓練や日常生活動作によって大腿骨頭等の患部に荷重が掛かることで、骨片の回旋運動が起きた場合、ラグスクリューの回転方向へ向いた側面の幅が狭い弾性フックが、突き出た海綿質内で刃物のように作用し、前述したように切り裂き現象が起きた症例も報告されている。
また、弾性フックの突出方向の角度がラグスクリューの中心軸線を起点として先部方向へ鈍角であることから、フックへの変形ストレスがかかりやすい形状となっている。特に、フックの突出時または抜去時に変形ストレスがかかり、折損や抜去が不可能な状態となる不都合も生じてしまう。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易な骨接合具を提供することを目的とするものである。また、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易な骨接合術を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために本発明の骨接合具は、フック基部と、該フック基部の一端側に連設され、中心軸方向への押圧に対し反発する弾性を有する2つ以上のフック片と、貫通孔を有する筒状体であると共に、前記フック基部の外径よりも大きな開口を有する一方の端部から他方の端部に向かうときに内径が同フック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍に、一方の端部側から他方の端部側に向けて前記貫通孔とは異なる前記フック片の外径より大きな内径のフック孔部が貫通形成されたラグスクリューと、前記ラグスクリューの少なくとも他方の端部側の外周面に設けられた螺刻部とを備える。
ここで、中心軸方向への押圧に対し反発する弾性を有する2つ以上のフック片と、フック片の外径より大きな内径のフック孔部が貫通形成されたラグスクリューによって、ラグスクリューを設置した骨内で、フック孔部から突出した各フック片を複数箇所で骨の海綿質に食い込ませることができる。この結果、ラグスクリューの回旋する動作を防止する抵抗力を発生させることができる。
また、貫通孔を有するラグスクリューによって、貫通孔を介してラグスクリュー内にピンを挿通させることが可能となる。例えば、骨接合具を体内に設置する際に目的位置の特定に用いるガイドピンを挿通させて、施術の正確性を向上させることができる。
また、貫通孔を有する筒状体であると共に、ラグスクリューの一方の端部がフック基部の外径よりも大きな開口を有することによって、フック片及びフック基部をラグスクリューの内部に挿入することができる。
また、貫通孔の内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域によって、挿入されたフック基部がその領域よりも先へ向かわないようにすることができる。即ち、フック基部のラグスクリューの他方の端部側に向けた必要以上の挿入をこの領域で止めることが可能となる。
また、貫通孔の内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍に、一方の端部側から他方の端部側に向けて貫通孔とは異なるフック片の外径より大きな内径のフック孔部が貫通形成されたことによって、フック片がフック孔部側へガイドされやすくなる。即ち、貫通孔の内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域でフック基部の挿入が止まり、その近傍にあるフック孔部に向けてフック片が挿入されやすくなる。このことは、フック片が小さくなった領域の方に挿入される誤作動を減らすことにつながり、フック片の挿通の正確性を高めることができる。
また、一方の端部側から他方の端部側に向けて貫通孔とは異なるフック片の外径より大きな内径のフック孔部が貫通形成されたことによって、フック片がフック孔部でガイドされ、ラグスクリュー内から外部に突出させることができる。また、外部へ突出したフック片をラグスクリュー内に引き込ませることができる。なお、ラグスクリューには少なくともフック片の数に対応する数のフック孔部が形成されており、各フック片をラグスクリュー内から外部へ突出させることができる。ラグスクリューの外部へ突出したフック片は、先に述べたように、骨片の回旋動作を防止する抵抗力を発生させることができる。
また、フック孔部が、貫通孔とは異なるものであり、内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍に、一方の端部側から他方の端部側に向けて形成されていることによって、フック孔部がラグスクリューの中心軸線を起点として所要の鋭角に形成される。即ち、挿入されたフック片がフック孔部側に向けて誘導されやすくすることができる。
また、フック孔部が、貫通孔とは異なるものであり、内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍に、一方の端部側から他方の端部側に向けて形成されていることによって、フック片がフック孔部に挿通されるに従い、フック片同士の間隔が広がることとなる。即ち、フック片がラグスクリューから突出した状態で所定の広がりを持って骨片に作用し、回旋動作を防止する抵抗力を高めることができる。
また、ラグスクリューの少なくとも他方の端部側の外周面に設けられた螺刻部によって、ラグスクリューを施術対象骨内へ螺入させることができる。更に、施術対象骨内へ設置された後は、螺刻部が施術対象骨内の海綿質に食い込んで先後方向への抵抗力を生じさせる部分となり、脱落防止効果を生じさせることができる。
また、フック孔部が、貫通孔の内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍からラグスクリューの他方の端部側かつ外周面の方向に向けて略直線状に形成され、フック片が、フック孔部に沿って略直線状にラグスクリューから突出可能に形成された場合には、フック孔部を介してラグスクリュー外周面へ略直線状にフック片を突出させることができる。即ち、回旋抵抗力を生じせしめる所定の角度で、フック片を突出させることができる。
また、フック孔部が、貫通孔の内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍からラグスクリューの他方の端部側かつ外周面の方向に向けて略直線状に形成され、フック片が、フック孔部に沿って略直線状にラグスクリューから突出可能に形成された場合には、フック片にかかる変形ストレスを低減させることができる。即ち、フックの突出時または抜去時に発生する形成素材の疲労を減らし、フックが折損または変形しにくいものとすることができる。
また、フック片の突出方向の角度がラグスクリューの中心軸線を起点として略15°である場合には、外部に突出したフック片がラグスクリューの外周面との間に広い隙間を生じさせずに外周面に沿う形となる。この結果、フック片の突出方向の角度が広過ぎる場合に起こりうる施術対象骨内の海綿質の切り裂き現象の発生を低減することができる。
また、フック片の突出方向の角度が狭過ぎると、突出したフック片の起因とする抵抗力が過小となり、骨片の回旋運動力に対する抵抗力たり得なくなってしまう。しかし、ラグスクリューの中心軸線を起点として略15°の角度であれば、突出したフック片とラグスクリューの外周面との間に広い隙間もなく、フック片による抵抗力を向上させることができる。
また、貫通孔の内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域に位置し、貫通孔とフック孔部の分岐点を構成すると共に、ラグスクリューの一方の端部側に向けて突出した突部を備える場合には、突部が、貫通孔に係るフック基部の外径よりも大きな部分において中央軸方向へ圧縮された状態の各フック片をその先部方向から押し広げることとなる。即ち、フック片をフック孔部に誘導しつつ、フック片の先端を広げた状態にしやすくすることができる。
また、フック片がその長手方向に略直交する断面の貫通孔の内壁と相対する領域が貫通孔の内壁に沿って形成された場合には、貫通孔に挿入されたフック片がスムーズにガイドされることとなる。即ち、貫通孔の内壁と相対する領域が貫通孔の内壁に沿っていることで、フック片と貫通孔内周面との間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができる。
また、フック片が長手方向に向かって貫通孔に沿って形成された第1の側面と、第1の側面と連設されると共に互いに略平行かつ長手方向に向かって略平坦に形成された第2の側面及び第3の側面とを有する場合には、長手方向に向かって略平坦な第2の側面及び第3の側面を起因として発生する骨片の回旋運動に対する抵抗力をより大きくすることができる。即ち、回旋運動を生じる力を面積の広い面で受けることとなり、抵抗力を向上させることができる。
また、フック片が互いに略平行に形成された第2の側面及び第3の側面を有する場合には、回転の正逆を問わず、2つの面で同等の抵抗力を発生させることができる。
また、フック片の先部近傍がフック基部の中心軸側から外周側方向に傾斜しながら尖鋭に形成された場合には、フック片が施術対象骨内の海綿質に食い込みやすくなり、回旋防止効果を高めることができる。
また、フック片同士の間隔がフック基部側からフック片の先部側へ向けて広がって形成された場合には、外側からの押圧力に対して反発しやすい形状とすることができる。即ち、フック片がフック孔部へ誘導されやすい状態にできる。
また、フック基部のフック片と反対側に位置する領域の外周面にネジ構造部が形成された場合には、ネジ構造部に別部材を連結させることが可能となる。例えば、フック片を含むフック基部をラグスクリュー内から抜挿する器具を連結することができる。抜挿する器具と連結させたフック基部の進退動作に伴い、フック片をラグスクリューから突出させる又は引き込むことができる。
上記の目的を達成するためには、本発明の骨接合具は、一端側に中心軸方向への押圧に対し反発する弾性を有するフック片が連設されたフック体と、筒状体であると共に、前記フック体が進退可能な第1の孔部と、該第1の孔部と連通し、前記フック体の進入方向へ斜めに貫通した第2の孔部とが形成されたラグスクリューとを備える。
ここで、一端側に弾性を有するフック片が連設されたフック体により、設置した骨内に突出したフック片が施術対象骨内の複数箇所で海綿質に食い込むこととなり、回旋動作を防止するための抵抗力を発生させることができる。
また、フック体の進入方向へ斜めに貫通したフック孔部により、貫通孔側から進入したフック片をラグスクリュー外部へガイドすることができる。
上記の目的を達成するために、本発明の骨接合術は、フック体の一端側に連設された中心軸方向への押圧に対し反発する弾性を有するフック片が内部から出入可能に構成されたラグスクリューを、施術対象骨内に挿入する工程と、施術対象骨内に挿入した前記ラグスクリューから前記フック片を突出させる工程とを備える。
ここで、フック体の一端側に連設された弾性を有するフック片が内部から出入可能に構成されたラグスクリューを施術対象骨内に挿入し、施術対象骨内に挿入したラグスクリューからフック片を突出させることにより、フック片が施術対象骨内において骨片の回旋動作に対する抵抗力を生じさせることができる。
なお、本明細書及び本特許請求の範囲において、「骨折」とは、完全骨折のみならず、亀裂骨折等の不全骨折を含む意味で使用している。また、本明細書及び本特許請求の範囲において、「骨片」とは、骨折により2以上に分かれた場合の各々の骨を示す意味で使用している。
本発明の骨接合具によれば、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易なものとなる。
また、本発明の骨接合術によれば、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易なものとなる。
本実施の形態に係る骨接合具の分解図である。 図1に示す骨接合具に係るフック体の側面視説明図(a)、一部拡大斜視図(b)、及びA−A断面図(c)である。 図1に示す骨接合具に係るラグスクリュー先部側の側面図である。 図1に示す骨接合具に係るラグスクリューの縦断面視説明図である。 図3に示すラグスクリューの先部側を拡大し、フック片の突出状態を示した縦断面説明図である。 フック片が突出した状態の骨接合具を示した斜視図である。 図1に示す骨接合具の使用状態説明図である。 特許文献1記載の発明を示した側面図である。
図1ないし図7を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。なお、各図における符号は、煩雑さを軽減し理解を容易にする範囲内で付している。
〔骨接合具〕
図1に示す骨接合具1は、筒状のラグスクリュー2と、ラグスクリュー2内に挿入して使用するフック本体3とを備えている。
本実施の形態において骨接合具は、生体親和性に優れ、耐疲労強度が高く、かつ適度な可撓性又は弾性を有するものであれば、特に素材を限定するものではない。例えば、チタン、アルミニウム、バナジウム等の各種金属又は各種合金、ステンレス鋼、各種エンジニアプラスチック等の公知素材で形成したものであってもよい。なお、後述する髄内釘についても同様である。
また、本実施の形態において、施術対象骨の一例として図7に示す大腿骨5を挙げ、体幹に対して近位である大腿骨頭51との連絡部位である大腿骨頸52が骨折した状態の骨接合術を説明する。なお、体幹とは人体の胴部を意味し、「体幹に対して近位」とは胴部に近いことを、「体幹に対して遠位」とは胴部から遠いことを、それぞれ意味する。
図7に示す髄内釘4は、施術時に骨接合具1と組み合わせて使用する部材である。髄内釘4は、先部側が細くなった棒状体であり、基部側に位置する傾斜孔41と、先部側に位置する横孔42とを備えており、各孔は長手方向軸線と交差する方向に形成されている。
また、髄内釘4は、長手方向軸線に沿って貫通孔が形成されており、同貫通孔内に挿着されるラグスクリュー固定部材43と、横孔42に挿着する固定ピン44とを組み合わせて使用される。
髄内釘4は、体幹に対して遠位となる方向に向けて先部側から挿入するものであり、骨折した部位が治癒するまでに骨片がずれて癒着したり、あるいは、分離したりしないように骨片間を連結する部材である。また、髄内釘4は、骨内においてラグスクリュー2を保持することができる部材でもある。
(フック本体)
フック本体3は、棒状の軸部分の一端側に連設された弾性を有する一対のフック片31と、他端側近傍の周面に形成された雄ネジ部32とを備えている(図1参照)。
フック片31は、大腿骨頭51内においてラグスクリュー2から突出した際に、骨内の海綿質に圧着され、回旋動作に対する抵抗力を生じさせる部分である。なお、フック片31は、大腿骨頭51の骨頭部分の密度の高い骨梁、即ち、緻密性の高い海綿骨に圧着される場合もある。
雄ネジ部32は、ラグスクリュー2内において、挿入したフック本体3を進退させる際に取着する抜挿器具に連結させる部分である。
各フック片31は、向かい合う各フック片31の間隔が、先端側へ向かうにつれて徐々に反りながら広がる形状に形成されており、先端近傍の形状が中心軸側から外周側方向に傾斜しながら尖鋭になっている(図2(a)参照)。
フック片31は、4つの側面を有している。各側面は、他のフック片31と対向する第1側面311と、第1側面311と連設した側面である第2側面312及び第3側面313と、第2側面312及び第3側面313と連設され、第1側面311の背面側となる第4側面314である(図2(b)及び図2(c)参照)。
第1側面311は、その幅が横断面視でフック本体3の直径よりも短く形成されている(図2(c)参照)。
第2側面312及び第3側面313は、横断面視で幅方向の一方の端部が第1側面311の端部と直角に交わっており、他方の端部が第4側面314の端部と交わっている。第2側面312及び第3側面313は、横断面視で平行に形成されており、また、長手方向に向かって略平坦とも換言できる(図2(c)参照)。
第4側面314は、横断面視で端部よりも中央がフック本体3の周方向へ膨出した円弧状に形成されており、また、長手方向から見ると曲面形状であるとも換言できる(図2(b)及び(c)参照)。
各フック片31は、先端近傍がフック本体3の中心軸側から外周側方向に傾斜しながら尖鋭に形成されている。なお、各フック片31を撓ませて近づけた状態においては、側面視で各フック片31の先端が長手方向中心線側へ下り傾斜した、いわゆるV字状になる(図2(a)の2点鎖線を参照)。
ここで、フック本体3が備えるフック片31は一対のものに限定されるものではない。ラグスクリューの回旋を抑えることができれば充分であり、例えば、3本や4本とフック片の数を増やした形状を採用することも可能である。
また、本実施の形態において、フック片31が向かい合う各フック片31の間隔が先端側へ向かうにつれて徐々に反りながら広がる形状に形成されているが、これに限定するものではない。例えば、フック片31はフック孔部に沿って略直線状にラグスクリュー2から突出可能に形成されたものであってもよい。但し、外側からの押圧力に対して反発しやすい形状であり、かつ、フック片31がフック孔部へ誘導されやすい状態にできる点から、フック片31が向かい合う各フック片31の間隔が先端側へ向かうにつれて徐々に反りながら広がって形成されたものであることが好ましい。
また、本実施の形態においては、フック片31の第2側面312及び第3側面313が略平坦に形成されているが、これに限定するものではない。例えば、平坦面に小突起や小凹部を多数形成する等して抵抗力を増大させる構成を採用してもよい。
また、本実施の形態においては、第4側面314が横断面視で端部よりも中央がフック本体3の周方向へ膨出した円弧状に形成されているが、これに限定するものではない。但し、後記するフック本体3を通す第1の孔部210及びフック片31を通す第3の孔部230に沿ってフック片31を突出または抜去しやすくなる点から、第4側面314が横断面視で端部よりも中央がフック本体3の周方向へ膨出した円弧状に形成されることが好ましい。
また、本実施の形態においては、フック本体3の抜挿器具への連結手段が周面に形成された雄ネジ部32であるが、これに限定するものではない。例えば、フック本体3と抜挿器具との連結手段がフック本体3の進退運動に伴って加わる力に耐えうるものであれば、フック本体基端面側に形成された雌ネジ等の公知手段でもよい。
また、本実施の形態において、各フック片31は先端近傍がフック本体3の中心軸側から外周側方向に傾斜しながら尖鋭に形成されているが、これに限定するものではない。但し、フック片31が施術対象骨内の海綿質に食い込みやすくなり、回旋防止効果を高めることができる点から、フック片31は先部近傍がフック本体3の中心軸側から外周側方向に傾斜しながら尖鋭に形成されたものであることが好ましい。
(ラグスクリュー)
ラグスクリュー2は、その外径が長手方向の途中から細くなる形状であり、径大な部分が胴部201であり、細くなった部分は先部202である。以下、ラグスクリュー2の説明において、胴部201の先部202と長手方向反対側の端部近傍を「基部側」と称する。ラグスクリュー2は、骨折した部位が治癒するまでに骨片がずれて癒着したり、あるいは、分離したりしないように骨片間を連結する部材である(図1参照)。
先部202の周面には突条である雄ネジ203が形成されている(図1参照)。雄ネジ203は、ラグスクリュー2を大腿骨5内へ螺入させることができる。更に、大腿骨5内へ設置された後は、雄ネジ203が大腿骨頭51内の海綿質に食い込んで先後方向への抵抗力を生じさせる部分となり、脱落防止効果を生じさせることができる。
先部202には、ガイド溝204が形成されている。ガイド溝204は、後記する第3開口部208と先部202との間に直線状に形成されており、先部202に形成された溝と雄ネジ203の一部に形成された切欠により構成されている。また、ガイド溝204は、その溝底が先部202の先側に向かって徐々に浅くなるように傾斜している(図4参照)。
胴部201の基部側には、長溝205が形成されている。長溝205は胴部201長手方向側に向かって形成され、胴部の周面に等間隔で複数設けられている(図1及び図3参照)。長溝205は、髄内釘4と組み合わせて使用する際に、ラグスクリュー固定部材43を嵌合させるための受け部である。
胴部201の基部側の端面にはフック本体3を挿入する第1開口部206が形成されている(図1及び図3参照)。先部202端面には、第2開口部207が形成されている(図3及び図5参照)。
先部202には、ラグスクリュー2の長手方向と同じ方向に長径が位置する第3開口部208が正対して2つ形成されている(図3ないし図5参照)。
ラグスクリュー2は、その内部に、第1の孔部210と、第2の孔部220と、第3の孔部230とが形成されている。第1の孔部210及び第2の孔部220は、ラグスクリュー2の中心軸線上に位置し、ラグスクリュー2を長手方向に貫通している(図3参照)。
第1の孔部210は、胴部201と対応する内部領域に形成されており、フック本体3が挿通可能な内径を有している。
第1の孔部210のラグスクリュー2の基部側の端部近傍には、第1の孔部210よりも内径が大きく、かつ、内周面に雌ねじが形成された、第4の孔部240が形成されている。第4の孔部240は、先部側が第1の孔部210と連通し、基部側が第1開口部206と連通している(図3参照)。第4の孔部240は、その内周に雌ネジが形成されており、施術後に第4の孔部240を閉塞するエンドキャップ(図示省略)を螺着することができる部分である。
第2の孔部220は、先部202と対応する内部領域に形成されており、第1の孔部210よりも小さな内径を有している。また、第2の孔部220の内径はフック本体3の外径よりも小さくなっている。第2の孔部220は、先部側が第2開口部207を介して外部と連通し、基部側が第1の孔部210内へ連通している(図3参照)。
各第3の孔部230は、ラグスクリュー2の中央軸線を挟んで正対する位置に形成された長孔であり、一端側が第3開口部208を介して外部と連通しており、他端側が第1の孔部210及び第2の孔部220が連通した領域と連通している。また、各第3の孔部230は、略直線状に形成されている。また、第3の孔部230は、ラグスクリュー2の先部202と対応する内部領域に位置している(図3及び図5参照)。
第1の孔部210と第2の孔部220と第3の孔部230が連通する領域には、第2の孔部220側から第1の孔部210側へ鋭角に突出した突部250が形成されている。突部250は、第1の孔部210と第3の孔部230の分岐点となり、フック片31を第3の孔部230内へ誘導する部分となる(図3及び図5参照)。
第3の孔部230を通じて導出される各フック片31の突出方向の角度は、ラグスクリュー2の中心軸線を起点として略15°となるよう突部250の角度が構成されている。
ここで、本実施の形態において、第1の孔部210と第2の孔部220と第3の孔部230が連通する領域に、第2の孔部220側から第1の孔部210側へ鋭角に突出した突部250が形成されているが、必ずしも突部250が形成される必要はない。但し、フック片31を第3の孔部230に誘導しつつ、フック片31の先端を広げた状態にしやすくすることができる点から、第1の孔部210と第2の孔部220と第3の孔部230が連通する領域に、第2の孔部220側から第1の孔部210側へ鋭角に突出した突部250が形成されることが好ましい。
また、本実施の形態において、フック片31の突出方向の角度がラグスクリュー2の中心軸線を起点として略15°に設定されているが、これに限定するものではない。例えば、10°ないし30°の範囲内であってもよい。10°未満の場合は生じる抵抗力が小さいため大腿骨頭の回旋防止効果が弱く、30°以上の場合は骨内海綿質の切り裂き現象が生じる可能性が生じるためである。但し、回旋を抑えるための充分な抵抗力を得ることができる点から、フック片31の突出方向の角度がラグスクリュー2の中心軸線を起点として略15°に設定されることが好ましい。
また、本実施の形態において、第3の孔部230は、ラグスクリュー2の先部202と対応する内部領域に位置しているが、これに限定するものではない。例えば、第3の孔部230の基部側がラグスクリュー2の胴部201と対応する内部領域に至る場合もある。
また、本実施の形態において、長溝205は4つ形成されているが、この数は適宜変更することができる。
また、本実施の形態おいて、第3開口部208は2つ形成されているが、この数はフック片31の数と対応して適宜変更することができ、また、フック片31の数より多く設けることもできる。
また、本実施の形態において、第3の孔部230は長孔に形成されているが、例えば、1つのフック片31が挿通可能な内径を有する所要長さの孔であって、基端側から先端側まで略直線状に形成されている態様であっても良い。
また、本実施の形態において、各第3の孔部230は、ラグスクリュー2の中央軸線を挟んで正対する位置に形成された長孔であり、一端側が第3開口部208を介して外部と連通しており、他端側が第1の孔部210及び第2の孔部220が連通した領域と連通しているが、これに限定するものではない。
また、本実施の形態において、各第3の孔部230は略直線状に形成されているが、第3の孔部230の形状はこれに限定されるものではない。但し、第3の孔部230を介してラグスクリュー2外周面へ略直線状にフック片31を突出させることができ、回旋抵抗力を生じせしめる所定の角度でフック片31を突出させることができる点から、第3の孔部230は略直線状に形成されることが好ましい。
なお、本実施の形態に記載したフック本体3は、課題を解決するための手段に記載された「フック基部」と「フック片」とを含んだ全体に相当する。また、本実施の形態に記載したフック本体3の雄ネジ部32は、課題を解決するための手段に記載された「ネジ構造部」に相当する。
また、第1側面311は「第4の側面」に、第2側面312は「第2の側面」に、第3側面313は「第3の側面」に、第4側面314は「その長手方向に略直交する断面の貫通孔の内壁と相対する領域」及び「フック片は長手方向に向かって貫通孔に沿って形成された第1の側面」に、それぞれ相当する。
また、本実施の形態に記載した第1の孔部210は、課題を解決するための手段に記載された貫通孔の「フック基部の外径よりも大きな開口を有する一方の端部から他方の端部に向かうときに内径がフック基部の外径よりも小さくなった領域」までの径大な孔部に相当する。
また、第2の孔部220は貫通孔の「フック基部の外径よりも小さくなった領域」の先の径小孔部に、第3の孔部230は「フック孔部」に、ラグスクリュー2の雄ネジ203は「螺刻部」に、それぞれ相当する。
〔骨接合術〕
図1ないし図7を参照して、骨接合具1を使用した骨接合術を説明する。
図7を参照して、髄内釘4を使用した施術方法を説明する。
(1)大腿骨5の体幹近位側から遠位側へドリルで穿孔し、形成された孔に髄内釘4を挿入する。
(2)X線撮影装置を使用し、挿入する骨接合具1が、大腿骨頭51の骨折部位を介して施術に適した大腿骨頭51内の所要部位まで届くように、挿入した髄内釘4の傾斜孔41の位置を調整する。その際に、ガイドピン(図示省略)を用いて、骨接合具1の挿入方向を設定する。なお、「所要部位」とは、図7において大腿骨頭51の下側かつ中心部近傍をいい、骨接合術の説明において以下同様である。
(3)ガイドピンにより決まった骨接合具1の挿入予定部位に係る大腿骨5側面から骨頭内を穿孔する。
(4)(3)で形成した孔にラグスクリュー2を挿入し、大腿骨頭51内の所要部位に骨接合具1先端が届くまで差し入れる。同作業において、骨接合具1は、ガイドピンを第1の孔部210及び第2の孔部220に挿通させて目的部位までガイドさせることができるので、施術の正確性が向上させることができる。
(5)大腿骨頭51内の所要部位にラグスクリュー2先端が届いた後、長溝205へラグスクリュー固定部材43先部を嵌め入れ押圧してラグスクリュー2の位置を固定し、第1開口部206を介してラグスクリュー2内へフック本体3を挿入する。詳しくは、フック本体3は、雄ネジ部32を用いてフック本体3の抜挿器具(図示省略)先端に連結し、フック片31を中心方向に撓ませた状態(図2(a)の一点鎖線を参照)にして、第1開口部206から挿入し、前進させる。
(6)挿入後、前進中のフック片31は圧縮されており、また、その形状及び有する弾力により、中心側から周方向への反発力が発生している。換言すると、フック片31は第4側面314を第1の孔部210内周面へ押圧させている状態となっている。
このような状態であっても、第4側面314が曲面であるため、第1の孔部210内周面との間に生じる摩擦力が小さく、同加圧された状態であってもフック本体3がスムーズに前進する。
(7)フック片31先端が、第1の孔部210と第2の孔部220と第3の孔部230が連通する領域に至ると、フック片31の先部がその弾性により各第3の孔部230の他端側開口部に嵌入する。
更にフック本体3が前進すると、突部250によりフック片31が押し広げられ、フック片31が第3の孔部230の奥へ進んでいく。このとき、フック片31は、第3の孔部230の内壁に沿って略直線状に進む。
このとき、突部250及びフック片31が挿通不能な径小部である第2の孔部220の存在により、フック片31が第2の孔部220方向へ向かう誤動作が防止される。また、フック片31先部の形状も誤動作防止の補助となる。
(8)フック片31が第3開口部208から突出し、ガイド溝204により先部側へガイドされながら大腿骨頭51内の海綿質へ突き出る。突き出たフック片31は、その突出方向の角度がラグスクリュー2の中心軸線を起点として略15°に設定されていることにより、外部に突出したフック片31がラグスクリュー2(先部202)の外周面との間に隙間を生じさせずに沿う形となる。この結果、当該箇所を起因として大腿骨頭51の回旋運動への抵抗力が向上する。
また、突き出たフック片31の突出方向の角度がラグスクリュー2の中心軸線を起点として略15°に設定されていることにより、フック本体3をラグスクリュー2から直線的に押し出すことができる。即ち、フック片31にある程度の厚みを持たせても、ラグスクリュー2への挿通が可能であり、フック片31と骨内海面質との接触面積が広がり、切り裂きを抑制しやすいものすることができる。なお、ここでいうフック片31の厚みの数値は限定されるものではないが、例えば、約1.5mm〜1.8mmの範囲内であれば、フック片31がラグスクリュー2に直線的に押出可能かつ骨内海面質の切り裂き抑制の効果を得ることができる。
また、先に述べた設定角度で略直線状に形成された第3の孔部230及びガイド溝204により、フック片31がラグスクリュー2の先部方向へ直線的にガイドされて、スムーズな突出が可能となる(図4ないし図6参照)。更に、フック片31が第3の孔部230及びガイド溝204に沿って略直線状にラグスクリュー2から突出することにより、フック片31に加わる変形ストレスを低減する。つまり、フック片31の突出時に発生する形成素材の疲労を減らし、フックが折損又は変形しにくいものとすることができる。
(9)横孔42の位置を確認し、大腿骨5へ固定ピン44を横孔42へ挿着し、髄内釘4の上下位置が固定される。
(10)歩行訓練等の動作によって患部に荷重が掛かることで正逆いずれの方向に大腿骨頭51の回旋運動が起きたとしても、突出したフック片31は第2の側面312及び第3の側面313により、当該側面を起因とする大腿骨頭51の回旋運動への抵抗力が発生する。
また、第2の側面312及び第3の側面313が略平坦であることから、これらの側面を起因とする大腿骨頭51の回旋運動への抵抗力が特許文献1記載のものよりも更に高まり、大腿骨頭51の回旋が起こりにくくなる。一方で、このように抵抗力が生じる部分が特許文献1記載のもののように薄くないため、骨内の海綿質の切り裂き現象を起きにくくすることができる。
(11)骨折部位の完治後、骨接合具1を抜去する。骨接合具1を抜去するにあたり、フック本体3の雄ネジ部32を用いてフック本体3の抜挿器具と連結してフック片31を引き抜く。この際に、骨内に突き出ていたフック片31が弾性を有しかつその第4側面314が曲面に形成されて第1の孔部210内周面との間で摩擦抵抗が少ないので、フック片31がガイド溝204及び第3の孔部230に沿って略直線状にラグスクリューから抜去することができ、フック片31に加わる変形ストレスが低減される。つまり、フック片31の抜去時に発生する形成素材の疲労が減り、フックが折損又は変形しにくいものとすることができる。
本実施の形態の骨接合具1によれば、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易なものとなる。また、本発明の骨接合術によれば、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易なものとなる。
また、本発明の骨接合具を用いる場合には以下のような利点も有する。
骨粗鬆の著しい症例において、ペースト状の骨補填材料をラグスクリューの周囲に充填し、硬化させて、ラグスクリューの固定能を高める方法が用いられることがある。現状では、この方法を行う場合、ラグスクリューを挿入する前に骨補填材料を注入する必要があった。
しかしながら、骨補填材料の正確な注入は、術者の技量に依存しており、場合によっては、骨補填材料が関節内や骨外に溢れ出てしまい、患者の負担になることが懸念されていた。
ここで、本発明を適用した骨接合具を用いると、ラグスクリューの中空部分である開口部や孔部を介して骨補填材料の注入が可能となる。即ち、ラグスクリュー自身を目的の位置に固定した後に、必要かつ正確な部分へ補填材を注入することが可能となる。
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
1 骨接合具
2 ラグスクリュー
201 胴部
202 先部
203 雄ネジ
204 ガイド溝
205 長溝
206 第1開口部
207 第2開口部
208 第3開口部
210 第1の孔部
220 第2の孔部
230 第3の孔部
240 第4の孔部
250 突部
3 フック本体
31 フック片
32 雄ネジ部
311 第1側面
312 第2側面
313 第3側面
314 第4側面
4 髄内釘
41 傾斜孔
42 横孔
43 ラグスクリュー固定部材
44 固定ピン
5 大腿骨
51 大腿骨頭
52 大腿骨頸
9 骨折治療用接骨ピン
91 中空軸
92 先端部
93 フック案内孔
94 弾性フック
本発明は、骨接合具に関する。詳しくは、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易な骨接合具に関する。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易な骨接合具を提供することを目的とするものである。
本発明の骨接合具によれば、施術対象骨の回旋を充分に抑えることができ、挿入及び抜去が容易なものとなる。

Claims (11)

  1. フック基部と、
    該フック基部の一端側に連設され、中心軸方向への押圧に対し反発する弾性を有する2つ以上のフック片と、
    貫通孔を有する筒状体であると共に、前記フック基部の外径よりも大きな開口を有する一方の端部から他方の端部に向かうときに内径が同フック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍に、一方の端部側から他方の端部側に向けて前記貫通孔とは異なる前記フック片の外径より大きな内径のフック孔部が貫通形成されたラグスクリューと、
    前記ラグスクリューの少なくとも他方の端部側の外周面に設けられた螺刻部とを備える
    骨接合具。
  2. 前記フック孔部は前記貫通孔の内径が前記フック基部の外径よりも小さくなった領域の近傍から前記ラグスクリューの他方の端部側かつ外周面の方向に向けて略直線状に形成され、
    前記フック片は前記フック孔部に沿って略直線状に前記ラグスクリューから突出可能に形成された
    請求項1に記載の骨接合具。
  3. 前記フック片の突出方向の角度が前記ラグスクリューの中心軸線を起点として略15°である
    請求項2に記載の骨接合具。
  4. 前記貫通孔の内径が前記フック基部の外径よりも小さくなった領域に位置し、同貫通孔と前記フック孔部の分岐点を構成すると共に、前記ラグスクリューの一方の端部側に向けて突出した突部を備える
    請求項1または請求項2に記載の骨接合具。
  5. 前記フック片はその長手方向に略直交する断面の前記貫通孔の内壁と相対する領域が同貫通孔の内壁に沿って形成された
    請求項1または請求項2に記載の骨接合具。
  6. 前記フック片は長手方向に向かって前記貫通孔に沿って形成された第1の側面と、該第1の側面と連設されると共に互いに略平行かつ長手方向に向かって略平坦に形成された第2の側面及び第3の側面と、前記第2の側面及び前記第3の側面と連設された第4の側面とを有する
    請求項1または請求項2に記載の骨接合具。
  7. 前記フック片は先部近傍が前記フック基部の中心軸側から外周側方向に傾斜しながら尖鋭に形成された
    請求項1または請求項2に記載の骨接合具。
  8. 前記フック片は同フック片同士の間隔が前記フック基部側から同フック片の先部側へ向けて広がって形成された
    請求項1または請求項2に記載の骨接合具。
  9. 前記フック基部の前記フック片と反対側に位置する領域の外周面にネジ構造部が形成された
    請求項1または請求項2に記載の骨接合具。
  10. 一端側に中心軸方向への押圧に対し反発する弾性を有するフック片が連設されたフック体と、
    筒状体であると共に、前記フック体が進退可能な第1の孔部と、該第1の孔部と連通し、前記フック体の進入方向へ斜めに貫通した第2の孔部とが形成されたラグスクリューとを備える
    骨接合具。
  11. フック体の一端側に連設された中心軸方向への押圧に対し反発する弾性を有するフック片が内部から出入可能に構成されたラグスクリューを、施術対象骨内に挿入する工程と、
    施術対象骨内に挿入した前記ラグスクリューから前記フック片を突出させる工程とを備える
    骨接合術。
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