JPWO2014208500A1 - 有機質汚れ除去用粘着クリーナー - Google Patents

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Abstract

物品の表面に付着している有機質汚れを取り除くために使用される粘着クリーナーが提供される。この粘着クリーナーは、物品の表面に接触することによって有機質汚れを捕捉する汚れ捕捉部を備える。この汚れ捕捉部は、上記物品の表面と接触する部分に粘着剤を備えている。上記粘着剤は、ベースポリマーとして、1分子中にハードセグメント(A)およびソフトセグメント(B)を有するアクリル系ブロック共重合体を含む。

Description

本発明は、有機質汚れを取り除くために使用される粘着クリーナーに関する。詳しくは、例えばタブレット型情報端末やスマートフォン等のポータブル機器の表面(例えばタッチパネル方式の表示部/入力部の表面)から皮脂その他の有機質汚れを除去するために使用される粘着クリーナーに関する。
本出願は、2013年6月25日に出願された日本国特許出願2013−133202に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
ノート型パソコン(PC)等のポータブルPCや、電子ブック等のタブレット型情報端末、スマートフォン等の携帯電話機、携帯ゲーム機、各種PDA(携帯情報端末)等の携帯端末、等のようなポータブル機器には、典型的には液晶パネルや有機ELパネルからなる表示部(ディスプレイ)が設けられている。このようなポータブル機器は、日常的に携帯して使用されるものであるため、埃や手垢、化粧品、皮脂といったような有機質汚れが付着しやすい。特に、近年普及が著しいタッチパネル方式のポータブル機器は、表示部が入力部としても機能する表示部/入力部を備え、その表示部/入力部の表面を使用者が指先で直接触れることによって操作されるため、手垢、皮脂等の有機質汚れがより付着しやすい。また、それらポータブル機器に限らず、ショーウインドウガラスやガラステーブル、ショーケース等も、その表面に上記有機質汚れが付着すると外観が悪化して見苦しい。
上記の表示部の表面(表示面)に付着した有機質汚れを取り除く手段としては、紙や織布、不織布製のウェスが利用されている。しかし、ウェスによる汚れの拭き取りは、例えば汚れが皮脂等の油成分を含む場合には、拭き取り方によっては汚れを塗り広げる虞がある等、必ずしも使い勝手がよいとはいえない。また、継続的に使用することによってウェスに汚れが徐々に蓄積してしまうため、ウェスを定期的に洗浄するか新品と交換する必要があり面倒である。適当な洗浄剤を適当な資材(例えばスポンジやガーゼ)に含ませて上記表面を拭くことによって有機質汚れを除去する手段もある(例えば特許文献2参照)。しかし、洗浄剤の取扱いに注意を要するうえに、洗浄剤が残留することによって当該表面が影響を受けることも考えられる。そのようなことから洗浄剤の除去を行う必要があり、作業性の点で有利な手段とはいえない。また、特許文献1にはプレート表面用粘着クリーナーが記載されているが、使い勝手等の点でなお改良の余地があった。
国際公開第2013/015075号 日本国特許出願公表2009−503161号公報 日本国特許出願公開2004−237023号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するために創出されたものであり、その目的は、物品の表面に付着している皮脂その他の有機質汚れを手軽に除去することができる粘着クリーナーを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明によると、物品の表面に付着している皮脂その他の有機質汚れを取り除くために使用される粘着クリーナーが提供される。この粘着クリーナーは、上記物品の表面に接触することによって上記有機質汚れを捕捉する汚れ捕捉部を備える。上記汚れ捕捉部は、上記物品の表面と接触する部分に粘着剤を備えている。上記粘着剤は、ベースポリマーとして、1分子中にハードセグメント(A)およびソフトセグメント(B)を有するアクリル系ブロック共重合体を含む。
かかる構成の粘着クリーナー(汚れ取り具)によると、汚れ捕捉部を構成する粘着剤を物品の表面(クリーニング対象面)に接触させることで、該表面に付着する有機質汚れを捕捉し、上記表面から容易に除去することができる。
上記ソフトセグメント(B)を構成するモノマー単位は、アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートを含むことが好ましく、例えばアルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートを主成分とすることが好ましい。このようなソフトセグメント(B)を有するアクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとして含む粘着剤によると、より高性能な粘着クリーナーが実現され得る。アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートの好適例として、2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)が挙げられる。
上記粘着剤は、可塑剤をさらに含むことが好ましい。アクリル系ブロック共重合体に可塑剤を配合することによって、汚れ捕捉性が向上し得る。また、可塑剤を含むことによってクリーニング対象面からの剥離が軽くなり、汚れ除去作業性が向上し得る。また、使用の結果、汚れ捕捉能力が低下した場合であっても、比較的短時間(例えば数分、あるいは数時間)のうちに汚れ捕捉能力が回復するという作用(汚れ捕捉能力回復作用)が好適に発揮され得る。粘着剤が可塑剤を含むことは、該粘着剤の粘度を低下させる観点からも好ましい。
上記粘着剤は、粘着付与樹脂をさらに含むことができる。粘着付与樹脂を含有することにより、粘着剤の粘度(典型的には溶融粘度)が低くなり、該粘着剤の塗工性が向上し得る。特に、ホットメルト方式での塗工性を向上させ得る。このことは粘着クリーナーの生産性向上や環境負荷低減の観点から有利である。粘着剤に粘着付与樹脂を含有させることは、汚れ捕捉能力の向上にも役立ち得る。
上記汚れ捕捉部の上記表面に接触する部分は、1N/25mm以下の粘着力を示すことが好ましい。このことは、汚れ捕捉部が軽剥離性であることを意味する。このような軽剥離性の汚れ捕捉部を有するクリーナーは、上記表面上で汚れ取り作業を行う際に要する力が小さくて済むため、汚れ除去作業性に優れる。さらに、上記物品の表面(例えばタブレット型情報端末の表示面)が剥離可能な保護フィルムで覆われている場合であっても、上記の軽剥離性により、上記保護フィルムで覆われた物品の表面(すなわち、上記保護フィルムの表面)のクリーニングを行う際に該保護フィルムが物品から剥がれにくい。そして、そのような軽剥離性であるにもかかわらず、有機質汚れを充分に除去することができる。なお、有機質汚れには、上述のように皮膚から分泌される皮脂が含まれることから明らかなように、ナトリウムやカリウム、それらの塩等の無機物が含まれていてもよい。また、上記粘着力とは、後述する180°剥離試験に基づいて測定される対SUS180°引き剥がし粘着力を指す。
ここに開示される粘着クリーナーの好ましい一態様において、該粘着クリーナーは円筒状の転動部材を備えており、上記汚れ捕捉部は該転動部材の外周面に配置されている。このような構成のクリーナーによると、転動部材を円筒の軸周りに転動させることで、その外周面に位置する汚れ捕捉部によって物品表面に付着している有機質汚れを効率よく捕捉し、該表面から除去することができる。
ここに開示される粘着クリーナーは、上記転動部材を転動自在に支持する把持部材をさらに備えていてもよい。このように構成することで、使用者は、把持部材を把持して転動部材を転がすことにより、物品表面の有機質汚れを効率よく除去することができる。
ここに開示される粘着クリーナーの好ましい一態様では、上記汚れ捕捉部は、シート状の支持基材と該支持基材上に配置された粘着剤層とを備える片面粘着シートとして構成されている。上記片面粘着シートは、上記粘着剤層を外側にして巻回されることにより、粘着シートロールとして構成され得る。このような構成を有する粘着クリーナーでは、粘着シートロールの外周面を用いて物品表面の汚れ取りを行うことができる。また、使用頻度や当該外周面を構成する粘着剤層に付着した汚れの程度に応じて当該ロールから汚れ取りに使用した外周部分を除去することで(典型的には剥がすことで)、当該外周面に未使用の粘着剤層を露出させることができる。つまり、未使用粘着剤層の上記外表面への露出を容易に更新していくことができる。このため、常に所望の汚れ取り性能を維持することができる。
ここに開示される所定の構成を有する粘着クリーナーによると、皮脂汚れ(典型的には動物に由来する皮脂汚れ。例えばヒトの皮脂汚れ)を効果的に取り除くことができる。したがって、ここに開示される粘着クリーナーの好ましい一態様は、上記有機質汚れとして皮脂汚れを取り除くために使用される粘着クリーナーである。なお、本明細書において皮脂汚れとは、皮脂を含有する汚れを指し、皮脂と他の有機成分や無機成分との混合物による汚れを包含する意味である。したがって、上記皮脂汚れの概念には、手垢や指紋の他、例えば、ファンデーションに含まれる顔料等の無機成分と皮脂との混合物、汗に含まれる塩化ナトリウム等の無機成分と皮脂との混合物、保湿クリームや日焼け止め剤等の有機成分と皮脂との混合物、等による汚れが含まれ得る。
ここに開示される粘着クリーナーの好ましい一態様では、上記物品は、ガラス製または合成樹脂製の表示面(典型的には、滑らかで平坦な表面)を有するポータブル機器である。上記ポータブル機器は、日常的に携帯して使用されるものであるため、埃や、特に手垢、化粧品、皮脂といったような有機質汚れが付着しやすい。特に、例えばタッチパネル方式の表示面(表示部/入力部)を有するポータブル機器は、表示部/入力部を指で直接触れることによって操作するため、手垢、化粧品、皮脂等の有機質汚れがより付着しやすい。ここに開示される粘着クリーナーは、そのような有機質汚れを容易に除去し得るため、上記のような表示面(例えばタッチパネル方式の表示面)を有するポータブル機器の汚れ取りに特に好ましく使用される。なお、粘着式のクリーナーは従来から用いられているが(例えば上記特許文献3参照)、従来のロール形状クリーナーは、床やカーペットの清掃に用いられるものであり、上述したようなポータブル機器(例えばタブレット型情報端末やスマートフォン)の表面(例えばタッチパネル面方式の表示部/入力部)をクリーニングするものではない。
一実施形態に係る粘着クリーナーを模式的に示す正面図である。 一実施形態に係る粘着クリーナーを模式的に示す側面図である。 一実施形態に係る粘着クリーナーを構成する汚れ捕捉部を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る粘着クリーナーの使用態様の一例を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る粘着クリーナーの汚れ除去能力の回復作用を模式的に説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。本明細書において、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」および「重量部」と「質量部」は、それぞれ同義語として扱う。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。
ここに開示される粘着クリーナーは、床やカーペットの清掃に用いられる従来の粘着クリーナーとは異なり、例えばポータブル機器のような物品の表面に付着している有機質汚れを取り除くために使用される。特に、物品の滑らかな表面に付着している有機質汚れを除去する用途に好適である。ここに開示される粘着クリーナーの使用対象となる物品は特に制限されない。滑らかな表面(典型的には、滑らかで平坦な表面)を有する物品が好ましい。そのような物品の例として、ショーウインドウガラス、ガラステーブル、ショーケース、鏡、水槽、各種ディスプレイ(埋め込み型または据え置き型、あるいはポータブルなテレビやPCのディスプレイ等)、タッチパネル方式の表示部/入力部を備える各種の機器(現金自動預け払い機(ATM)、カーナビゲーションシステムの操作端末、案内板等の、据え置き型またはポータブルな機器)等が挙げられる。これらが有する滑らかな表面(典型的には透明なガラス面)に付着した有機質汚れは見苦しいため、見つけられ次第、迅速に除去されることが望ましい。したがって、ここに開示される粘着クリーナーの好ましい使用対象となり得る。
また、ここに開示される粘着クリーナーの使用対象となる物品の好適例として、種々のポータブル機器が挙げられる。ここでポータブル機器とは携帯可能な機器をいい、特定の機器に限定されない。外面の少なくとも一部に滑らかな表面(典型的には、滑らかで平坦な表面)を有するポータブル機器が好ましい。そのようなポータブル機器として、例えば、ノート型PC等のポータブルPC、電子ブック等のタブレット型情報端末、スマートフォンその他の携帯電話機、携帯ゲーム機、電子手帳等のPDA(携帯情報端末)、デジタルカメラ、デジタルフォトフレーム、手鏡等が挙げられる。これらは日常的に携帯して使用されるものであるため、埃や、特に手垢、化粧品、皮脂といったような有機質汚れが付着しやすい。また、これらのポータブル機器のなかには、滑らかな表面(典型的にはガラス製または合成樹脂製の表面)が液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示面となっているものがあり、上記表示面に有機質汚れが付着すると表示面に表示された情報が見にくくなり使い勝手がよくない。さらに、有機質汚れの付着の程度によっては不潔な印象を与えかねない。このような表示面を有するポータブル機器は、ここに開示される粘着クリーナーの好ましい使用対象となり得る。
また、タッチパネル方式の表示部/入力部を有する機器は、使用者が表示面を指で直接触れるため、上述の有機質汚れがより付着しやすい。そのため、ここに開示される粘着クリーナーの好ましい使用対象となり得る。そのなかでも電子ブック等のタブレット型情報端末は、表示面が比較的大きいため、上記粘着クリーナーの特に好ましい使用対象として把握される。
ここに開示される粘着クリーナーの他の好ましい使用対象として、スマートフォンその他の携帯電話機が挙げられる。携帯電話機は、該携帯電話機を耳元や口元に近づけて通話する際等に顔に接触し、顔の皮脂や化粧品等の有機質汚れが付着しがちである。また、顔に接触または近接して使用され得る機器であるため、表面の有機質汚れを取り除いて清潔感のある状態に保つ意義が大きい。したがって、上記粘着クリーナーの特に好ましい使用対象として把握される。
以下、一実施形態に係る粘着クリーナーについて図面を参照しながら説明する。図1,2に示すように、粘着クリーナー(以下、単にクリーナーともいう。)10は、円筒状の保持部材(巻芯)20と、保持部材20の外周面に保持された粘着シートロール30とを備える。これら保持部材20と粘着シートロール30とは一体となって円筒状の転動部材として構成されている。保持部材の材質は特に限定されず、ポリオレフィン系その他の合成樹脂製や紙製のものを好ましく使用することができる。
クリーナー10は、保持部材20を転動自在に支持する棒状の把持部材40をさらに備える。具体的には、保持部材20には、その円筒の中心軸となる位置に中心孔(図示せず)が形成されており、この中心孔に把持部材40の端部(一端)を挿通することによって、保持部材20は転動自在に把持部材40に取り付けられている。また、把持部材40の他端には取っ手42が取り付けられている。把持部材、取っ手の材質は特に限定されず、例えば金属製、合成樹脂製のものを採用することができる。
クリーナー10の粘着シートロール30は、汚れ捕捉部となる粘着シート31を巻回することによって形成されている。具体的には、粘着シート(汚れ捕捉部)31は、図3に示すように、長尺シート状(帯状)の支持基材36と、該支持基材36の一方の面36Aに配置された粘着剤層32とを備える片面粘着シート31として構成されている。片面粘着シート31は、その粘着剤層32が外側となるように巻回されることによって粘着シートロール30として形成されている。
上記のような構成を有するクリーナー10の使用態様について説明する。図4に示すように、クリーナー10は、ポータブル機器1の表示部2に付着した有機質汚れを取り除くために使用される。ポータブル機器1の表示部2は、滑らかで平坦な表面を有している。作業者は、上記ポータブル機器1の表示部2にクリーナー10を配置し、取っ手42を把持してクリーナー10に所定の外力を加える。すると、当該外力は把持部材40から保持部材20に伝わり、保持部材20の外周面に配置されている粘着シートロール30の粘着剤層32(汚れ捕捉部のうち、滑らかな表面に接触する部分)は転動しながら表示部2上を移動する。図4では、粘着シートロール30は、表示部2上において矢印方向に移動する。このとき、粘着剤層32が表示部2に存在する埃や塵、そして特に有機質汚れ(例えば、皮脂を含む手垢や指紋等の皮脂汚れ)を捕捉する。これにより、粘着シートロール30(より具体的には粘着シート(汚れ捕捉部)31)の転動方向に沿って表示部2のクリーニング(汚れ取り)が簡易にかつ確実に行われる。なお、この実施形態におけるポータブル機器は、表示部全体がアルミノケイ酸ガラス等の強化ガラスで構成されているタブレット型情報端末であるが、これに限定されないことは上述のとおりである。
円筒状の粘着シートロールのサイズは特に限定されないが、使用対象がタブレット型情報端末等のポータブル機器の場合、その直径(未使用時の直径(外径)をいう。以下同じ。)は4mm以上(より好ましくは10mm以上、例えば15mm以上、典型的には20mm以上)が好ましい。また、操作性や携帯性の観点から、上記直径は50mm以下(例えば35mm以下、典型的には30mm以下)が好ましい。
また、粘着シートロールを構成する粘着シートには、該ロールのほぼ一周に相当する長さ毎に切断用の切れ目(図示せず)が設けられていることが好ましい。この切れ目は、クリーナーを何度か使用した後にクリーニング(汚れ除去)性能が低下した粘着剤層表面(汚れ捕捉部の外表面)を更新することを効率的に行うための切断手段である。例えば、長孔や波形のスリットを並べたもの、ミシン目等の間欠スリット等であり得る。上記切れ目は粘着シートを幅方向(長手方向と直交する方向)に横断するように設けられることが好ましい。なお、汚れ捕捉部の外表面(外周面)の更新は上記切断手段に限られない。例えば、ミシン目等の間欠スリットを粘着シートロールのシート巻き取り方向と交差する方向(典型的には上記幅方向に対して30°〜60°の角度で交わる方向)に螺旋状に形成しておいてもよい。あるいはまた、ミシン目等の間欠スリットに代えて、粘着シートロールを構成する粘着シートに所定間隔でスリット(連続した切れ目)を入れておいてもよい。この形態では、粘着シートロールを構成する粘着シートは、予めロール巻き取り方向に所定間隔で完全に切断されているので、上記所定間隔ごとに粘着シートロールの外表面を剥ぎ取ることができ、容易に当該外表面を更新することができる。
上記クリーナー10は、従来公知の手法を適宜採用することにより作製することができる。例えばクリーナー10の粘着シートロール30は、従来のロール形状クリーナーと同様の手法で作製することができる。すなわち、従来公知の種々のコーティング手段により長尺なシート状の支持基材36の表面36A上に粘着剤組成物を塗付し、必要に応じて乾燥処理等を行うことによって粘着剤層32を形成する。なお、ホットメルト型粘着剤(熱可塑性粘着剤)の場合、上記粘着剤組成物として加熱溶融状態の粘着剤を塗付し、その粘着剤を典型的には室温付近まで放冷することにより粘着剤層を形成することができる。したがって上記乾燥処理を省略することが可能である。そして、粘着剤層32が外周面となるように粘着シート31を保持部材20に巻回することによって、ロール状の粘着シートロール30を形成する。さらに、保持部材20に把持部材40の端部を転動自在に取り付けることによりクリーナー10は構築される。把持部材40の保持部材20への取付け構造自体は従来のロール形状クリーナーと同様の構造とすることができ、本発明を特徴づけるものではないため詳細な説明は省略する。
なお、粘着クリーナーは上記実施形態のものに限定されない。粘着クリーナーは、例えば汚れ捕捉部のみから構成されたものであってもよい。そのような粘着クリーナーとしては、例えば球形状や円柱状、円筒状、六面体状(例えば直方体状)、シート状等の汚れ捕捉部のみから構成されているクリーナーが挙げられる。
また、上記実施形態では、汚れ捕捉部は支持基材と粘着剤層とから構成されていたが、これに限定されない。例えば、汚れ捕捉部は粘着剤(基材レス粘着剤)のみから形成されたものであってもよい。汚れ捕捉部が支持基材を有する場合、該支持基材の形状等は特に限定されない。例えば、汚れ捕捉部は、球形状の支持基材の外表面に粘着剤層が形成されたものであってもよい。
さらに、上記実施形態では、把持部材は保持部材を転動自在に支持するものであったが、これに限定されない。例えば、把持部材は上記汚れ捕捉部に直接的または間接的に接続(連結または着脱可能に接続)されるものであり得る。そのような粘着クリーナーとしては、例えば棒状の把持部材の一端に円柱状や直方体状の粘着体が固定されたものが挙げられる。あるいはまた、把持部材が平面部を有し、該平面部の片面に汚れ捕捉部が固定されたものであってもよい。
ここに開示される技術における粘着剤は、ベースポリマーとして、1分子中にハードセグメント(A)(以下「Aブロック」ともいう。)とソフトセグメント(B)(以下「Bブロック」ともいう。)とを有するアクリル系ブロック共重合体を含む。上記ハードセグメント(A)とは、アクリル系ブロック共重合体の構造のうち、該アクリル系共重合体におけるソフトセグメント(B)との関係で、相対的に硬いブロックを指す。また、上記ソフトセグメント(B)とは、上記アクリル系ブロック共重合体の構造のうち、上記ハードセグメント(A)との関係で、相対的に柔らかいブロックを指す。
上記アクリル系ブロック共重合体は、熱可塑性ポリマー(典型的には熱可塑性エラストマー)の性質を示すものであり得る。ここに開示される粘着剤は、上記アクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとして含むことにより、ホットメルト形式での塗工に適した粘着剤(ホットメルト型粘着剤)であり得る。ホットメルト型粘着剤は、一般的な有機溶剤型のアクリル系粘着剤(典型的には、アクリル系モノマーを主モノマーとするモノマー原料から溶液重合により合成されたランダム共重合体をベースポリマーとして含む粘着剤)に比べて有機溶剤の使用量を低減し得るため、環境負荷軽減等の観点から好ましい。
ここで、アクリル系ブロック共重合体とは、該共重合体を構成するモノマー単位(構成モノマー成分)として、1分子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(以下「アクリル系モノマー」ともいう。)に由来するモノマー単位を含む、ブロック構造の重合体をいう。すなわち、アクリル系モノマーに由来するモノマー単位を含むブロック共重合体をいう。例えば、全モノマー単位の50質量%以上がアクリル系モノマーに由来するモノマー単位であるアクリル系ブロック共重合体が好ましい。このようなアクリル系ブロック共重合体は、例えば、アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含むモノマー原料から好ましく合成することができる。ここで主モノマーとは、全モノマー原料の50質量%以上を占めるモノマー成分を指す。
なお、この明細書において「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルおよびメタクリロイルを包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートおよびメタクリレートを包括的に指す意味である。
上記アクリル系ブロック共重合体としては、少なくとも1つのアクリレートブロック(以下、Acブロックともいう。)と、少なくとも1つのメタクリレートブロック(以下、MAcブロックともいう。)とを備えるものを好ましく用いることができる。例えば、AcブロックとMAcブロックとが交互に配置された構造のブロック共重合体が好ましい。1分子のポリマーに含まれるAcブロックとMAcブロックとの合計ブロック数は、例えば平均2.5〜5程度(例えば2.7〜3.3程度、典型的には3程度)であり得る。
上記Acブロックは、典型的には、アルキルアクリレートを主モノマーとすることが好ましい。すなわち、該Acブロックを構成する全モノマー単位のうち50質量%以上がアルキルアクリレートに由来するモノマー単位であることが好ましい。上記モノマー単位の75質量%以上(例えば90質量%以上)がアルキルアクリレート由来であってもよい。好ましい一態様では、上記アクリル系ブロック共重合体に含まれるAcブロックが、実質的に1種または2種以上(典型的には1種)のアルキルアクリレートからなる重合体である。あるいは、Acブロックは、アルキルアクリレートと他のモノマー(例えばアルキルメタクリレート等)との共重合体であってもよい。
Acブロックを構成するアルキルアクリレートの例としては、アルキル基の炭素原子数が1〜20(好ましくは4〜14、例えば6〜12)のアルキルアクリレートが挙げられる。例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート(BA)、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましい一態様では、Acブロックを構成するモノマーのうち50質量%以上が、アルキル基の炭素原子数が4〜14のアルキルアクリレートである。アルキル基の炭素原子数が4〜14のアルキルアクリレートの割合が75質量%以上であってもよく、実質的に100質量%(例えば、99質量%を超えて100質量%以下)であってもよい。例えば、Acブロックを構成するモノマー単位が実質的にBA単独である構成、2EHA単独である構成、BAおよび2EHAの2種からなる構成等を好ましく採用し得る。BAと2EHAとの重量比は特に限定されず、例えば10/90〜90/10、好ましくは80/20〜20/80、より好ましくは30/70〜70/30、例えば60/40〜40/60であり得る。
上記MAcブロックは、典型的には、アルキルメタクリレートを主モノマーとすることが好ましい。上記MAcを構成する全モノマー単位のうち75質量%以上(例えば90質量%以上)がアルキルメタクリレート由来であってもよい。好ましい一態様では、上記アクリル系ブロック共重合体に含まれるMAcブロックが、実質的に1種または2種以上(典型的には1種)のアルキルメタクリレートからなる重合体である。あるいは、MAcブロックは、アルキルメタクリレートと他のモノマー(例えばアルキルアクリレート)との共重合体であってもよい。
MAcブロックを構成するアルキルメタクリレートとしては、アルキル基の炭素原子数が1〜20(好ましくは1〜14)のアルキルメタクリレートが挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−ヘプチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましい一態様では、MAcブロックを構成するモノマーのうち50質量%以上が、アルキル基の炭素原子数が1〜4(好ましくは1〜3)のアルキルメタクリレートである。アルキル基の炭素原子数が1〜4のアルキルメタクリレートの割合が75質量%以上であってもよく、実質的に100質量%(例えば、99質量%を超えて100質量%以下)であってもよい。なかでも好ましいアルキルメタクリレートとして、メチルメタクリレート(MMA)およびエチルメタクリレート(EMA)が挙げられる。例えば、上記モノマー単位が実質的にMMA単独である構成、EMA単独である構成、MMAおよびEMAの2種からなる構成等を好ましく採用し得る。
上記アクリル系ブロック共重合体は、AB型、ABA型、ABAB型、ABABA型等のように、凝集力や弾性に優れた硬い構造のポリマーからなるAブロック(ハードセグメント(A))と、粘性に優れた柔らかい構造のポリマーからなるBブロック(ソフトセグメント(B))とが交互に配置されるように共重合されたものであり得る。このような構造のアクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとする粘着剤は、凝集力や弾性と粘性とを高度に両立させた粘着剤層を形成し得る。また、かかる組成の粘着剤は、ホットメルト型粘着剤として好ましく使用することができる。分子の両端にAブロックが配された構造のアクリル系ブロック共重合体(ABA型、ABABA型等)を好ましく採用し得る。かかる構造のアクリル系ブロック共重合体は、凝集性と熱可塑性とのバランスの良いものとなりやすいので好ましい。
なお、アクリル系ブロック共重合体が2以上のAブロックを有する場合において、それらのAブロックのモノマー組成、分子量(重合度)、構造等は、互いに同一であってもよく異なってもよい。アクリル系ブロック共重合体が2以上のBブロックを有する場合における該Bブロックについても同様である。
上記Aブロックとしては、上述のようなMAcブロックを好ましく採用し得る。上記Bブロックとしては、上述のようなAcブロックを好ましく採用し得る。好ましい一態様では、アクリル系ブロック共重合体が、MAcブロック−Acブロック−MAcブロック(ABA型)構造のトリブロック共重合体である。例えば、このようなトリブロック共重合体であって、2つのMAcブロックが実質的に同一のモノマー組成を有するものを好ましく採用し得る。
ここに開示される技術におけるアクリル系ブロック共重合体としては、アルキル基の炭素原子数が6以上(例えば6〜12)のアルキルアクリレートを含むAcブロックをソフトセグメント(B)として有するものが好ましい。上記Acブロックを構成するモノマー単位のうち、アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートの占める割合は、例えば10質量%以上とすることができ、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。
好ましい一態様において、アルキル基の炭素原子数が6以上(例えば6〜12)のアルキルアクリレートを主モノマーとするAcブロックをソフトセグメント(B)として有するアクリル系ブロック共重合体を用いることができる。すなわち、上記Acブロックを構成するモノマー単位のうち50質量%以上が、アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートの1種または2種以上によって占められていることが好ましい。上記Acブロックを構成するモノマー単位のうち、アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートの占める割合は、例えば55質量%以上とすることができ、60質量%以上であってもよく、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上であり、実質的に100質量%であってもよい。例えば、Acブロックを構成するモノマー単位が2EHA単独であるAcブロックをソフトセグメント(B)として有するアクリル系ブロック共重合体が好ましい。
なお、アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートの好適例としては、2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)、n−オクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート等が例示される。
アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートを含むAcブロックをソフトセグメント(B)として有するアクリル系ブロック共重合体は、有機質汚れの捕捉性に優れたものとなり得る。したがって、例えば後述する皮脂汚れ除去性評価において、より高い皮脂汚れ除去率が実現され得る。
また、アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートを含むAcブロックをソフトセグメント(B)として有するアクリル系ブロック共重合体は、可塑剤との相溶性に優れたものとなり得る。このことは、該共重合体と可塑剤とを含む組成の粘着剤において、可塑剤のブリードアウトを抑制する観点から好ましい。また、より多くの可塑剤を適切に含有させることができるので、可塑剤の配合量の設定自由度が高く、粘着力を調整しやすいという利点がある。
アクリル系ブロック共重合体に含まれるハードセグメント(A)とソフトセグメント(B)との質量比は特に限定されない。例えば、ハードセグメント(A)/ソフトセグメント(B)の質量比(A/B)を4/96〜90/10の範囲とすることができ、通常は7/93〜70/30の範囲とすることが適当であり、10/90〜50/50(例えば15/85〜40/60)の範囲とすることが好ましい。2以上のハードセグメント(A)を含むアクリル系ブロック共重合体では、それらのハードセグメント(A)の合計質量とソフトセグメント(B)との質量比が上記範囲にあることが好ましい。2以上のソフトセグメント(B)を含むアクリル系ブロック共重合体についても同様である。ハードセグメント(A)(例えばMAcブロック)の割合が多いと粘着力が低下し、軽剥離性が得られやすい傾向がある。ソフトセグメント(B)(例えばAcブロック)の割合が多いと、有機質汚れの捕捉性能が向上する傾向がある。
ここに開示されるアクリル系ブロック共重合体の好適例では、アクリル系ブロック共重合体を構成する全モノマー単位に対応するモノマー原料が、アルキル基の炭素原子数が1〜3のアルキル(メタ)アクリレート(X)と、アルキル基の炭素原子数が6以上(例えば6〜12)のアルキル(メタ)アクリレート(Y)とを含む。アルキル(メタ)アクリレート(X)/アルキル(メタ)アクリレート(Y)の質量比(X/Y)は、例えば4/96〜90/10であり得る。上記質量比が7/93〜70/30であるアクリル系ブロック共重合体が好ましく、10/90〜50/50であるものがより好ましく、15/85〜40/60であるものがさらに好ましく、15/85〜30/70(例えば15/85〜25/75)であるものが特に好ましい。アルキル(メタ)アクリレート(X)の割合が多いと、粘着力が低下し、軽剥離性が得られやすい傾向がある。アルキル(メタ)アクリレート(Y)の割合が多いと、有機質汚れの捕捉性能が向上する傾向がある。アルキル(メタ)アクリレート(X)としては、アルキル基の炭素原子数が1〜3のアルキルメタクリレートが好ましい。また、アルキル(メタ)アクリレート(Y)としては、アルキル基の炭素原子数が6以上(例えば6〜12)のアルキルアクリレートが好ましい。
ここに開示されるアクリル系ブロック共重合体の他の好適例として、該アクリル系ブロック共重合体を構成する全モノマー単位に対応するモノマー原料がメチルメタクリレート(MMA)および2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)を含み、それらの含有量の質量比(MMA/2EHA)が4/96〜90/10であるものが挙げられる。上記質量比が7/93〜70/30であるアクリル系ブロック共重合体が好ましく、10/90〜50/50であるものがより好ましく、15/85〜40/60であるものがさらに好ましく、15/85〜30/70(例えば15/85〜25/75)であるものが特に好ましい。MMAの割合が多いと、粘着力が低下し、軽剥離性が得られやすい傾向がある。2EHAの割合が多いと、有機質汚れの捕捉性能が向上する傾向がある。
なお、アクリル系ブロック共重合体を構成するモノマー単位の組成は、NMR測定の結果に基づいて把握することができる。上記NMR測定は、具体的には、例えばNMR装置としてブルカー・バイオスピン(Bruker Biospin)社製の「AVAVCEIII−600(with Cryo Probe)」を使用して、下記の条件で行うことができる。例えば、モノマー原料に含まれる2EHAとMMAとの質量比は、H NMRスペクトルの4.0ppm(2EHA1)と3.6ppm(MMA1)とのピーク積分強度比に基づいて算出することができる。
[NMR測定条件]
観測周波数:H;600MHz
フリップ角:30°
測定溶媒:CDCl
測定温度:300K
化学シフト基準:測定溶媒(CDClH:7.25ppm)
ここに開示される技術において、アクリル系ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は特に限定されず、例えばMwが3×10〜30×10程度のものを好ましく用いることができる。アクリル系ブロック共重合体のMwは、通常、3.5×10〜25×10程度の範囲が好ましく、4×10〜20×10(例えば4.5×10〜15×10)の範囲がより好ましい。アクリル系ブロック共重合体のMwを高くすることは、粘着特性(例えば凝集性)の向上や有機質汚れの捕捉性向上の観点から有利である。また、アクリル系ブロック共重合体のMwが高くなると、適切に含有させ得る可塑剤の量が多くなる傾向にある。一方、アクリル系ブロック共重合体のMwを低くすることは、粘着剤の粘度(例えば溶融粘度)を低下させる観点から有利である。粘着剤の溶融粘度を低下させることは、該粘着剤がホットメルト型の粘着剤である場合には特に有意義である。
なお、ここでいうアクリル系ブロック共重合体のMwは、当該共重合体をテトラヒドロフラン(THF)に溶かして調製したサンプルにつきゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って求められる、ポリスチレン換算の値をいう。上記GPC測定は、具体的には、例えばGPC測定装置として東ソー社製の「HLC−8120GPC」を使用して、下記の条件で行うことができる。
[GPC測定条件]
・カラム:東ソー社製、TSKgel SuperHZM−H/HZ4000/HZ3000/HZ2000
・カラムサイズ:各6.0mmI.D.×150mm
・溶離液:THF
・流量:0.6mL/min
・検出器:示差屈折計(RI)
・カラム温度(測定温度):40℃
・サンプル濃度:約2.0g/L(THF溶液)
・サンプル注入量:20μL
ここに開示される技術におけるアクリル系ブロック共重合体には、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート以外のモノマー(その他モノマー)が共重合されていてもよい。上記その他モノマーとしては、アルコキシ基やエポキシ基、水酸基、アミノ基、アミド基、シアノ基、カルボキシル基、酸無水物基等の官能基を有するビニル化合物、酢酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン等の芳香族ビニル化合物、N−ビニルピロリドン等のビニル基含有複素環化合物等を例示することができる。あるいはまた、アクリロイル基にフッ化アルキル基が結合した構造のアルキルアクリレート、フッ化アルキルアクリレートおよびフッ化アルキルメタクリレートが挙げられる。上記その他モノマーは、例えば、粘着剤層の特性(粘着特性、成形性等)を調整する目的で使用され得る、その含有量は、アクリル系ブロック共重合体を構成する全モノマー成分の20質量%以下(例えば10質量%以下、典型的には5質量%以下)とすることが適当である。好ましい一態様では、アクリル系ブロック共重合体が上記その他モノマーを実質的に含有しない。例えば、上記その他モノマーの含有量が全モノマー成分の1質量%未満(典型的には0〜0.5質量%)または検出限界以下であるアクリル系ブロック共重合体が好ましい。
このようなアクリル系ブロック共重合体は、公知の方法(例えば、特開2001−234146号公報、特開平11−323072号公報を参照)により容易に合成することができ、あるいは市販品を容易に入手することができる。上記市販品の例としては、クラレ社製の商品名「LAポリマー」シリーズ(例えば、LA2140e,LA2250等の品番のもの)、カネカ社製の商品名「NABSTAR」等が挙げられる。アクリル系ブロック共重合体の合成方法としては、リビング重合法を利用する方法を好ましく採用することができる。リビング重合法によると、アクリル系重合体本来の耐候性を維持しつつ、リビング重合法独自の優れた構造制御により熱可塑性に優れたアクリル系ブロック共重合体を合成し得る。また、分子量分布を狭く制御し得ることから、低分子量成分の存在に起因する凝集性の不足を抑えて、軽剥離性に優れた粘着剤(ひいては粘着シート(汚れ捕捉部))が実現され得る。
ここに開示される技術において、上記アクリル系ブロック共重合体は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、相対的にMwの高いアクリル系ブロック共重合体(H)と、該アクリル系ブロック共重合体(H)よりもMwの低いアクリル系ブロック共重合体(L)とを適宜の質量比で用いることができる。このことによって、粘着剤の粘度(溶融粘度)の上昇を抑えつつ、有機質汚れの捕捉性を効果的に向上させることができる。アクリル系ブロック共重合体(H)とアクリル系ブロック共重合体(L)とを併用することの効果をよりよく発揮させる観点から、通常は、アクリル系ブロック共重合体(H)/アクリル系ブロック共重合体(L)の質量比(H/L)が5/95〜95/5(好ましくは10/90〜90/10)となる範囲で用いることが好ましい。
このように組み合わせて使用するアクリル系ブロック共重合体の個々のMwは、それぞれ3×10〜30×10の範囲にあることが好ましい。例えば、Mwが5×10〜20×10(例えば7×10〜20×10)の範囲にあるアクリル系ブロック共重合体(H)と、Mwが3×10〜8×10の範囲であってかつアクリル系ブロック共重合体(H)のMwよりも低いアクリル系ブロック共重合体(L)との組合せが好ましい。より好ましい組合せとして、Mwが6×10〜15×10(例えば7×10〜15×10)の範囲にあるアクリル系ブロック共重合体(H)と、Mwが4×10〜6×10の範囲であってかつアクリル系ブロック共重合体(H)のMwよりも低いアクリル系ブロック共重合体(L)との組合せが例示される。これらのアクリル系ブロック共重合体の質量比(H/L)は、例えば40/60〜90/10とすることができ、45/65〜85/15とすることが好ましい。
なお、Mwの異なる2種以上のアクリル系ブロック共重合体を含むことや、各共重合体のMwおよび質量比は、例えば、上述したGPC測定を通じて把握することができる。
ここに開示される技術における粘着剤には可塑剤を含ませることが好ましい。可塑剤を含有させることにより軽剥離性が向上する。また、粘着剤の溶融粘度が低下するため塗工性が向上する。さらに、可塑剤の含有によって粘着剤表面における有機質汚れの捕捉性が向上するという側面もある。このことによって、例えば、より高い皮脂汚れ除去率が実現され得る。
また、粘着剤に可塑剤を含ませることにより、粘着剤表面で捕捉された有機質汚れが粘着剤(例えば粘着剤層)の内部に吸収拡散されるので、繰り返し使用により汚れ捕捉能力が低下したものであっても、比較的短時間(例えば数分、あるいは数時間)のうちに汚れ捕捉能力が回復するという特有の作用(汚れ捕捉能力回復作用)が実現され得る。
上記汚れ捕捉能力回復作用について図5を参照しながら説明する。図5に模式的に示すように、汚れ捕捉部(粘着シート)31の粘着剤層32をポータブル機器等の物品1の表面2に接触させると、粘着剤層32は上記表面2に付着した有機質汚れ50を捕捉する。そして、粘着剤層32は有機質汚れ50を捕捉するのみならず、層内に移行させる性質を有する。そのため、粘着剤層32の表面に付着している有機質汚れ50は経時的に粘着剤層32内に移行し、粘着剤層32の表面に存在する有機質汚れ50は減少し、最終的に粘着剤層32の表面には、有機質汚れ50がほとんど存在しない状態となる。つまり、粘着クリーナーを使用する前の状態に戻ることとなる。したがって、上記の「回復作用」とは、粘着剤が有機質汚れを捕捉して汚れ捕捉能力が一時的に低下した場合において、所定時間(例えば数分、好ましくは数時間)を経ることで、汚れ捕捉能力が復活し、粘着剤(例えば粘着剤層)が再び汚れを捕捉することが可能となる作用のことをいい、汚れ捕捉能力の回復に要する時間が短いことを包含する。
可塑剤の例としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル;アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル;トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル;セバシン酸エステル;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化植物油;エポキシ化脂肪酸オクチルエステル等のエポキシ化脂肪酸アルキルエステル;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、それらのエチレンオキサイド付加物等の環状脂肪酸エステルおよびその誘導体;等が挙げられる。また、プロセスオイル等の軟化剤も可塑剤に包含される。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち好ましい可塑剤として、アジピン酸エステル、エポキシ化植物油およびエポキシ化脂肪酸アルキルエステルが例示される。なかでもアジピン酸エステルが好ましい。
このような可塑剤は、例えば、アルキル基の炭素原子数が6以上(例えば6〜12)のアルキルアクリレートを含むAcブロックをソフトセグメント(B)として有するアクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとして含む粘着剤に含有されて、該粘着剤の溶融粘度および粘着力を低下させる効果と、有機質汚れの捕捉性を向上させる効果とを高レベルで発揮し得る。
可塑剤の配合量は特に限定されないが、溶融粘度の低下、軽剥離性の付与、汚れ捕捉性の向上等の観点から、ベースポリマー(アクリル系ブロック共重合体)100質量部に対して、例えば1質量部以上とすることが適当である。上記配合量は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、20質量部以上が特に好ましい。また、可塑剤のブリードアウト防止等の観点から、上記配合量を150質量部以下とすることが適当であり、120質量部以下とすることが好ましく、100質量部以下とすることがより好ましく、80質量部以下とすることがさらに好ましく、60質量部以下とすることが特に好ましい。例えば、アルキル基の炭素原子数が6以上(例えば6〜12)のアルキルアクリレートを含むAcブロック(例えば、該アルキルアクリレートを主モノマーとするAcブロック)をソフトセグメント(B)として有するアクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとして含む粘着剤において、可塑剤の配合量は、例えば、ベースポリマー100質量部に対して10〜80質量部(例えば20〜70質量部、典型的には25〜60質量部)とすることが好ましい。
ここに開示される技術における粘着剤には、必要に応じて粘着付与剤を含ませることができる。粘着付与剤を配合することは、粘着剤の熱可塑性の向上(例えば、溶融粘度の低下)に役立ち得る。粘着付与剤としては、アクリル系粘着剤の分野において公知の粘着付与樹脂等を用いることができる。例えば、炭化水素系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭化水素系粘着付与樹脂の例としては、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂(キシレン樹脂等)、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体等)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂等の各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。テルペン系粘着付与樹脂の例としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体等のテルペン系樹脂;これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性等)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペンフェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂、水素添加テルペンフェノール系樹脂等);等が挙げられる。ロジン系粘着付与樹脂の例としては、ガムロジン、ウッドロジン等の未変性ロジン(生ロジン);これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合等により変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジン等);その他の各種ロジン誘導体;等が挙げられる。フェノール系の粘着付与樹脂の例としては、レゾール型またはノボラック型のアルキルフェノール樹脂が挙げられる。これらのうち好ましい粘着付与剤として、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂およびアルキルフェノール樹脂が挙げられる。
粘着付与剤の軟化点は特に限定されないが、溶融粘度を低下させる観点からは160℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。また、粘着力の過度な上昇を避ける観点から、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。
粘着付与剤の配合量は特に限定されないが、粘着力の過度な上昇を避ける観点から、例えばベースポリマー(アクリル系ブロック共重合体)100質量部に対して50質量部以下とすることができ、通常は40質量部以下が適当であり、30質量部以下が好ましい。また、粘着付与剤の配合による効果(例えば、溶融粘度を低下させる効果)をよりよく発揮する観点からは、ベースポリマー100質量部に対する配合量を例えば1質量部以上とすることが適当である。あるいは、このような粘着付与剤を実質的に含有しない粘着剤であってもよい。
ここに開示される技術における粘着剤は、上記アクリル系ブロック共重合体(ベースポリマー)に加えて、粘着剤の粘度の調整(例えば溶融粘度の低下)や粘着特性の制御(例えば粘着力の低減)等の目的で、アクリル系ブロック共重合体以外のポリマーまたはオリゴマーを任意成分として含有してもよい。このようなポリマーまたはオリゴマー(以下、任意ポリマーともいう。)として、例えば、Mwが500〜10000程度(典型的には800〜5000程度)のアクリル系ランダム共重合体を用いることができる。
上記任意ポリマーの配合量は、アクリル系ブロック共重合体100質量部当たり、例えば50質量部以下とすることが適当であり、10質量部以下とすることが好ましく、5質量部以下とすることがより好ましい。好ましい一態様では、粘着剤層がアクリル系ブロック共重合体以外のポリマーを実質的に含有しないものであり得る。例えば、アクリル系ブロック共重合体以外のポリマーの含有量がアクリル系ブロック共重合体100質量部当たり1質量%未満(典型的には0〜0.5質量%)である粘着剤層が好ましい。
ここに開示される技術における粘着剤には、その他にも、界面活性剤、連鎖移動剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤(顔料、染料等)等、粘着剤の分野において公知の各種添加成分を配合することができる。これら必須成分ではない添加成分の種類や配合量は、この種の粘着剤における通常の種類および配合量と同様とすればよい。
ここに開示される粘着剤を支持基材上に配置された粘着剤層として形成する場合、その形成方法は特に限定されない。例えば、加熱溶融状態の粘着剤(熱可塑性粘着剤)を、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の従来公知の塗付手段を用いて支持基材に直接付与し、その粘着剤を室温程度まで放冷することにより粘着剤層を形成する方法を好ましく適用することができる。この場合、上記粘着剤は、典型的には有機溶媒を実質的に含まない粘着剤(すなわち無溶剤型粘着剤)の形態で基材に付与される。上記粘着剤は、支持基材に付与された後に適宜の手段により架橋させてもよいが、通常は、特段の架橋手段を適用することなく、非架橋の粘着剤(すなわち、熱可塑性の粘着剤)として用いられることが簡便であり好ましい。
また、ここに開示される粘着剤は、該粘着剤が適当な液状媒体に溶解または分散した粘着剤組成物の形態で支持基材に塗付(典型的には常温で塗付)され、その塗付物を乾燥させることで粘着剤層として形成されたものであってもよい。上記粘着剤組成物は、例えば、ここに開示される粘着剤が有機溶媒に溶解した形態の組成物(溶剤型粘着剤組成物)、該粘着剤が水に分散した形態の組成物(水分散型粘着剤組成物)等であり得る。有機溶媒としては、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、エチルアルコール等の一般的な有機溶媒を利用し得る。有機溶媒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に限定するものではないが、上記粘着剤組成物は、例えばその30〜70質量%程度の割合で溶媒(典型的には有機溶媒)を含むものであり得る。粘着剤層は、粘着剤組成物を支持基材に直接塗付する代わりに、剥離性を有する表面(剥離面)に該組成物を塗付して乾燥させることで該剥離面上に粘着剤層を形成し、その粘着剤層を支持基材の非剥離性表面に貼り合わせることで該支持基材上に配置されてもよい。
特に限定するものではないが、ここに開示される粘着剤は、塗工性の観点から、180℃における溶融粘度が200Pa・s以下であることが適当であり、100Pa・s以下であることが好ましく、50Pa・s以下(典型的には20Pa・s以下、例えば10Pa・s以下)であることがより好ましい。180℃における溶融粘度の下限は特に制限されないが、塗工性と粘着性能とのバランスを考慮して、通常は0.1Pa・s以上とすることが適当であり、1Pa・s以上であることが好ましく、例えば5Pa・s以上とすることが好ましい。
ここで、上記溶融粘度は以下の溶融粘度測定方法により測定することができる。
[溶融粘度測定方法]
測定機:米国ブルックフィールド社製、プログラマブル粘度計(DV−II+Pro)
測定条件:測定温度180℃、回転数2.5rpm、スピンドルSC4−27
測定手順:粘着剤約14gをサンプルチャンバーに入れ、180℃に加熱して溶融させる。その溶融した粘着剤中にスピンドルを沈めて回転させ、回転開始から30分後の溶融粘度を読み取る。
粘着剤層の厚さは、目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。汚れ捕捉性能を充分に発揮させる観点や、汚れ捕捉能力の回復性を向上させる観点から、粘着剤層の厚さは凡そ10μm以上(例えば20μm以上、好ましくは30μm以上、典型的には40μm以上)とすることが好ましい。また、軽量化、小型化等を重視する場合には、上記粘着剤層の厚さは300μm以下(例えば100μm以下、好ましくは70μm以下、典型的には60μm以下)とすることが好ましい。なお、粘着剤層は、支持基材の一方の表面の全範囲に亘って形成されていてもよく、あるいは例えば、支持基材の幅方向の両端に沿って、粘着剤層が形成されていない非粘着部(ドライエッジ)を有してもよい。
ここに開示される汚れ捕捉部が例えば上記実施形態のように支持基材を備えるものである場合、支持基材として、種々の合成樹脂、不織布、あるいは紙で構成される材料を用いることができる。支持基材の材質は、布、ゴムシート、発泡体シート、金属箔、これらの複合体等であってもよい。
合成樹脂の例としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。特にポリエチレンテレフタレート(PET)製の支持基材を好適に使用することができる。また、紙としては、和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等が例示される。布の例としては、各種繊維状物質の単独または混紡等による織布や不織布等が挙げられる。上記繊維状物質としては、綿、スフ、マニラ麻、パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が例示される。ゴムシートの例としては、天然ゴムシート、ブチルゴムシート等が挙げられる。発泡体シートの例としては、発泡ポリウレタンシート、発泡ポリクロロプレンゴムシート等が挙げられる。金属箔の例としては、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。支持基材には、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤が配合されてもよい。
また、汚れ捕捉部として、支持基材の片面に粘着剤層が形成された片面粘着シートを採用する場合、上記支持基材の背面(粘着剤層非形成面)には、シリコーン系剥離剤の塗付等、粘着シートロールの巻戻し力を適切な範囲に調節するための表面処理(典型的には、巻戻し力が高くなりすぎることを防止する剥離処理)が施されていることが好ましい。
上記支持基材の厚さは、目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。一般的には、上記厚さを凡そ20μm以上(例えば30μm以上、典型的には35μm以上)とすることが好ましく、200μm以下(より好ましくは100μm以下、典型的には70μm以下、例えば50μm以下)程度とすることが適当である。
上記汚れ捕捉部(例えば粘着シート)は、クリーニング対象面に接触する部分(例えば粘着剤層側表面)が例えば2N/25mm以下(典型的には1N/25mm以下)の粘着力を示すものであり得る。上記粘着力が1N/25mm未満であることが好ましい。このことは、汚れ捕捉部が軽剥離性であることを意味する。このような軽剥離性の汚れ捕捉部を有するクリーナーは、上記表面上で汚れ取り作業を行う際に要する力が小さくて済むため、汚れ除去作業性に優れる。より具体的には、物品の表面(クリーニング対象面)上にてクリーナーをよりスムーズに移動させることができる。また、例えば汚れ取り作業後に上記表面からクリーナーを離しやすいといった利点を有する。さらに、上記物品の表面(例えばタブレット型情報端末の表示面)が剥離可能な保護フィルム(例えばシリコーン系やポリエステル系等の合成樹脂製の保護フィルム)で覆われている場合であっても、上記の軽剥離性により、上記クリーナーを用いて上記保護フィルムで覆われた物品の表面(すなわち、上記保護フィルムの表面)のクリーニングを行う際に該保護フィルムが物品から剥がれにくい。したがって、上記保護フィルムが物品表面を覆った状態を保ちながらのクリーニングを行いやすいという利点がある。この場合、クリーニング対象面は保護フィルム表面となるが、このような表面もここでいう「物品の表面」の概念に包含される。
上記粘着力は、汚れ除去作業性の観点から、上述のように1N/25mm未満であることが好ましく、0.80N/25mm以下であることがより好ましく、0.60N/25mm以下であることがさらに好ましい。また、保護フィルム表面のクリーニングを行う際の操作性等の観点からは、上記粘着力が0.50N/25mm以下であることが適当であり、0.30N/25mm以下であることが好ましく、0.20N/25mm以下であることがより好ましく、0.10N/25mm未満であることが特に好ましい。
また、上記粘着力は、汚れ捕捉性の観点から、通常は0.001N/25mm以上(典型的には0.005N/25mm以上)とすることが適当であり、0.01N/25mm以上とすることが好ましく、0.02N/25mm以上とすることがより好ましく、0.03N/25mm以上とすることがさらに好ましい。
ここで、上記粘着力とは、ステンレス鋼(SUS)板を被着体として、以下の180°剥離試験に基づいて測定される180°引き剥がし粘着力を指す。
[180°剥離試験]
(1)試験板(被着体)としては、SUS304鋼板を耐水研磨紙で磨いたものを用いる。試験板の寸法は、厚さ2mm以上、幅約50mm、長さ約125mmとし、♯360の耐水研磨紙を用いて上記試験板を全長にわたって長さ方向に均一に研磨する。
(2)粘着力を測定する前には、上記耐水研磨紙で磨いた試験板を洗浄する。洗浄の手順としては、試薬用のトルエンをウェスに染込ませて試験板の表面を拭いた後、さらに乾いたウェスを用いて上記試験板の表面を乾燥するまでよく拭く。このような洗浄操作を、目視によって試験板の表面が清浄になったと認められるまで3回以上繰り返して行う。
(3)洗浄後の試験板(SUS板)は、温度23±2℃、相対湿度(RH)50±5%の雰囲気中に5分以上放置した後、粘着力の測定に使用する。
(4)汚れ捕捉部(典型的には粘着シート)を長方形シート状にカットした試験片を用意する。試験片は、長さ100〜300mm程度とすることが好ましく、幅は15〜30mm程度とすることが好ましい。幅が25mmでない場合、実際の幅と25mmとの比から180°引き剥がし粘着力[N/25mm]を算出(換算)すればよい。試験片の厚さは特に限定されない。
(5)得られた試験片の粘着面(例えば粘着剤層側表面)を上記試験板(SUS板)に、2kgのローラーを一往復させて貼り付ける。試験片が両面粘着シート等のように両面に粘着性を有する形態である場合、測定面とは反対側の表面に厚さ25μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り付けて裏打ちすることが好ましい。
(6)これを23℃、RH50%の環境下に30分間保持した後、引張試験機を用い、JIS Z0237に準拠して、23℃、RH50%の環境下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件にて、上記SUS板に対する180°引き剥がし粘着力(対SUS180°引き剥がし粘着力)[N/25mm]を測定する。引張試験機は特に限定されず、従来公知の引張試験機を用いることができる。例えば、島津製作所社製の「テンシロン」を用いて測定することができる。
特に限定するものではないが、ここに開示される汚れ捕捉部(例えば粘着シート)は、クリーニング対象面に接触する部分(例えば粘着面)が、ガラス板に対する180°引き剥がし粘着力が1N/25mm未満(より好ましくは0.80N/25mm以下、さらに好ましくは0.60N/25mm以下)であるものであり得る。このような軽剥離性の汚れ捕捉部を有するクリーナーは汚れ除去作業性に優れる。上記粘着力は、0.50N/25mm以下であることが適当であり、0.30N/25mm以下であることが好ましく、0.20N/25mm以下であることがより好ましく、0.10N/25mm未満であることが特に好ましい。また、上記粘着力は、汚れ捕捉性の観点から、通常は0.001N/25mm以上(典型的には0.005N/25mm以上)とすることが適当であり、0.01N/25mm以上とすることが好ましく、0.02N/25mm以上とすることがより好ましく、0.03N/25mm以上とすることがさらに好ましい。上記ガラス板に対する180°引き剥がし粘着力(対ガラス180°引き剥がし粘着力)の測定は、被着体としてガラス板(例えば、市販のフロート板ガラス)を用いる他は上記対SUS180°引き剥がし粘着力の測定と同様にして行えばよい。
特に限定するものではないが、ここに開示される汚れ捕捉部(例えば粘着シート)は、クリーニング対象面に接触する部分(例えば粘着面)が、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに対する180°引き剥がし粘着力が1N/25mm未満(より好ましくは0.80N/25mm以下、さらに好ましくは0.60N/25mm以下)であるものであり得る。このような軽剥離性の汚れ捕捉部を有するクリーナーは汚れ除去作業性に優れる。保護フィルム表面のクリーニングを行う際の操作性等の観点から、上記粘着力は、0.50N/25mm以下であることが適当であり、0.30N/25mm以下であることが好ましく、0.20N/25mm以下であることがより好ましく、0.10N/25mm未満であることが特に好ましい。また、上記粘着力は、汚れ捕捉性の観点から、通常は0.001N/25mm以上(典型的には0.005N/25mm以上)とすることが適当であり、0.01N/25mm以上とすることが好ましく、0.02N/25mm以上とすることがより好ましく、0.03N/25mm以上とすることがさらに好ましい。上記PETフィルムに対する180°引き剥がし粘着力(対PET180°引き剥がし粘着力)の測定は、被着体としてPETフィルムを用いる他は上記対SUS180°引き剥がし粘着力の測定と同様にして行えばよい。
また、ここに開示される粘着クリーナーが粘着シートロールを有する場合、粘着シートロールは、レール引き現象を抑止するように構成されていることが好ましい。ここでレール引き現象とは、クリーニング対象面上で上記シートロールを巻回する方向とは逆方向(典型的には、巻回された片面粘着シートが剥がされていく方向)に転動(回転)させたときに、当該シートがロール外周面の端部を起点としてクリーニング対象面に帯状に付着していく現象をいう。レール引き現象の発生が抑止されることによって、クリーニング対象面上において上記ロールをストレスなくスムーズに転動させることができ、使い勝手がよい。また、レール引き現象の発生による粘着シートの無駄使い(すなわち上記クリーニング対象面への意図しない粘着シートの付着による当該シートの浪費)を防止することができる。
例えば、上記粘着シートは、クリーニング対象面(例えばアルミノケイ酸ガラス等のガラスや合成樹脂からなる表面)上におけるレール引き現象の発生が抑止されるように、粘着力(例えば上記180°剥離試験に基づく測定値)と巻戻し力とが調和されていることが好ましい。ここで巻戻し力とは、粘着シートを粘着シートロールから引き出すために要する力(すなわち、巻戻しに対する抵抗力)をいう。上記巻戻し力は、粘着シートの裏面(典型的には支持基材の背面)に対する粘着力としても把握され得る。例えば、粘着力に比べて巻戻し力が低すぎる設定であると、粘着シートロールをクリーニング対象面上で転がす際に巻戻し力が粘着シート(典型的には粘着剤層)と上記クリーニング対象面との間の粘着力に負けてレール引き現象を生じさせる虞がある。他方、巻戻し力が高すぎる場合には、粘着シートがスムーズに引き出されない傾向がある。
巻戻し力は次のようにして評価することができる。すなわち、粘着シートロールを所定の引張試験機にセットし、温度23℃、RH50%の環境下において、巻回された粘着シートの外周側先端を試験機のチャックに装着して300mm/分の速度で引っ張ることによって粘着シートロールを接線方向に巻き戻し、このときの巻戻し力を、例えば粘着シートの粘着剤層の幅(例えば150mm)あたりの値[N/150mm]に換算することにより求めることができる。例えば巻戻し力が0.5〜2.5N/150mm程度のものが好ましい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
[アクリル系ブロック共重合体]
以下の例では、アクリル系ブロック共重合体として、公知のリビングアニオン重合法により合成された以下のアクリル系ポリマーA〜Cを使用した。
(アクリル系ポリマーA)
アクリル系ポリマーAとしては、ポリ(メチルメタクリレート(MMA))ブロック−ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)/n−ブチルアクリレート(BA))ブロック−ポリMMAブロック(以下、「MMA−2EHA/BA−MMA」と表記することがある。)のトリブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体を使用した。この共重合体は、ポリ2EHA/BAブロックにおける2EHAとBAとの重量比(すなわち、重量基準の共重合比率)は50/50であり、ポリ2EHA/BAブロックの重量とポリMMAブロックの重量(2つのポリMMAブロックの合計重量)との比((2EHA+BA)/MMA)が82/18であり、Mwは10×10、Mnは8.4×10、Mw/Mnは1.21であった。
(アクリル系ポリマーB)
アクリル系ポリマーBとしては、MMA−2EHA/BA−MMAのトリブロック構造を有するアクリル系ブロック共重合体を使用した。この共重合体は、ポリ2EHA/BAブロックにおける2EHAとBAとの重量比は50/50であり、ポリ2EHA/BAブロックの重量とポリMMAブロックの重量(2つのポリMMAブロックの合計重量)との比((2EHA+BA)/MMA)が81/19であり、Mwは5×10、Mnは4.4×10、Mw/Mnは1.13であった。
(アクリル系ポリマーC)
アクリル系ポリマーCとしては、ポリMMAブロック−ポリ(n−ブチルアクリレート(BA))ブロック−ポリMMAブロック(以下、「MMA−BA−MMA」と表記することがある。)のトリブロック構造を有する市販のアクリル系ブロック共重合体、商品名「LAポリマー LA2140e」(クラレ社製品)を使用した。この共重合体は、ポリBAブロックの重量とポリMMAブロックの重量(2つのポリMMAブロックの合計重量)との比(BA/MMA)が78/22であり、Mwは8×10、Mnは6×10、Mw/Mnは1.3であった。
<例1>
アクリル系ポリマーAを溶融状態で厚さ38μmのPET製のシート状支持基材(幅:約8cm)の表面に塗付することにより、厚さ(糊厚)約50μmの粘着剤層が支持基材の片面に形成された片面粘着シートを作製した。得られた片面粘着シートを合成樹脂製の円筒状保持部材(直径20mm)の表面に巻回することにより粘着シートロールを形成した。そして、上記保持部材を把持部材の先端に転動(回転)自在に装着することにより、図1,2に模式的に示すようなクリーナーを構築した。
<例2>
アクリル系ポリマーAに代えてアクリル系ポリマーBを用いた他は例1と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例3>
アクリル系ポリマーA100部と、DIC社製の可塑剤「モノサイザーW−242」(アジピン酸ジイソノニル)30部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。このアクリル系粘着剤を溶融状態で厚さ38μmのPET製のシート状支持基材(幅:約8cm)の表面に塗付することにより、厚さ約50μmの粘着剤層が上記支持基材の片面に形成された片面粘着シートを作製した。この片面粘着シートを用いた他は例1と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例4>
アクリル系ポリマーAに代えてアクリル系ポリマーBを用いた他は例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例5>
本例では、アクリル系ポリマーとして、アクリル系ポリマーAとアクリル系ポリマーBとを50:50の質量比で使用した。上記アクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA50部、アクリル系ポリマーB50部を含む。)と可塑剤「モノサイザーW−242」30部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例6〜8>
可塑剤として「モノサイザーW−242」に代えて花王社製の「レオドールSP−O30V」(ソルビタントリオレエート)を使用した他は例3〜5とそれぞれ同様にして、例6〜8に係るクリーナーを構築した。
<例9〜10>
アクリル系ポリマーAに代えてアクリル系ポリマーCを用いた他は例3および例6とそれぞれ同様にして、例9および例10に係るクリーナーを構築した。
<例11>
溶液重合法によりアクリル系ポリマーDを合成した。具体的には、重合溶媒としてのトルエンと、モノマーとしての2EHAおよびアクリル酸(AA)とを、2EHA:AAの質量比が95:5となるように3つ口フラスコに投入し、窒素気流下にて1時間以上緩やかに攪拌した。次いで、重合開始剤としてジベンゾイルパーオキサイド(BPO)(日本油脂社製の「ナイパーBW」)を添加し、60℃に昇温させて2時間反応させ、さらに80℃に昇温して1時間反応させることにより、重量平均分子量(Mw)が50×10〜60×10のアクリル系ポリマーD(上記モノマーのランダム共重合体)のトルエン溶液を調製した。
このトルエン溶液に含まれるアクリル系ポリマーD100部に対し、可塑剤「モノサイザーW−242」30部と、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学社製の「TETRAD−C」)0.1部と、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製の「コロネートL」)2部とを混合し、溶剤型のアクリル系粘着剤組成物(S1)を調製した。
このアクリル系粘着剤組成物(S1)を厚さ38μmのPET製のシート状支持基材(幅:約8cm)の表面に塗付した後、乾燥処理を行うことにより、厚さ約50μmの粘着剤層が上記支持基材の片面に形成された片面粘着シートを作製した。この片面粘着シートを用いた他は例1と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例12>
可塑剤「モノサイザーW−242」の使用量を60部に変更した点およびエポキシ系架橋剤「TETRAD−C」の使用量を0.5部に変更した点以外は例11と同様にして、溶剤型のアクリル系粘着剤組成物(S2)を調製した。この粘着剤組成物(S2)を用いた点以外は例11と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例13>
可塑剤「モノサイザーW−242」の量をアクリル系ポリマー100部に対して50部に変更した他は例5と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例14>
アクリル系ポリマー100部に対して粘着付与剤(テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製「K−125」)5部をさらに混合した他は例13と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例15〜17>
粘着付与剤「K−125」の量を10部(例15)、15部(例16)および20部(例17)にそれぞれ変更した点以外は例14と同様にして、例15〜17に係るクリーナーを構築した。
<例18>
可塑剤「モノサイザーW−242」に代えてDIC社製の可塑剤「エポサイザーW−121」(エポキシ化脂肪酸)を使用した他は例13と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例19>
可塑剤「モノサイザーW−242」に代えてDIC社製の可塑剤「エポサイザーW−100−EL」(エポキシ化大豆油)を使用した他は例13と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例20>
本例では、アクリル系ポリマーとして、アクリル系ポリマーAとアクリル系ポリマーBとを80:20の質量比で使用した。上記アクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA80部、アクリル系ポリマーB20部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」70部と、粘着付与剤(水素添加テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製「UH−115」)30部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例21>
例20と同じアクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA80部、アクリル系ポリマーB20部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」50部と、粘着付与剤「UH−115」20部と、アクリル系オリゴマー(東亞合成社製「UP−1000」、無官能基タイプ、Mw約3000)20部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例22>
例20と同じアクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA80部、アクリル系ポリマーB20部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」50部と、粘着付与剤「UH−115」15部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。このアクリル系粘着剤の180℃における溶融粘度を上述した溶融粘度測定方法により測定したところ、約10Pa・sであった。このアクリル系粘着剤を用いた他は例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例23>
例20と同じアクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA80部、アクリル系ポリマーB20部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」30部と、粘着付与剤「UH−115」10部と、アクリル系オリゴマー「UP−1000」50部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例24>
本例では、アクリル系ポリマーとして、アクリル系ポリマーAとアクリル系ポリマーBとを65:35の質量比で使用した。上記アクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA65部、アクリル系ポリマーB35部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」70部と、粘着付与剤「UH−115」20部と、アクリル系オリゴマー「UP−1000」50部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例25>
例24と同じアクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA65部、アクリル系ポリマーB35部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」50部と、粘着付与剤「UH−115」10部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例26>
例24と同じアクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA65部、アクリル系ポリマーB35部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」30部と、粘着付与剤「UH−115」30部と、アクリル系オリゴマー「UP−1000」20部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例27>
本例では、アクリル系ポリマーとして、アクリル系ポリマーAとアクリル系ポリマーBとを50:50の質量比で使用した。上記アクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA50部、アクリル系ポリマーB50部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」70部と、粘着付与剤「UH−115」10部と、アクリル系オリゴマー「UP−1000」20部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例28>
例27と同じアクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA50部、アクリル系ポリマーB50部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」50部と、粘着付与剤「UH−115」30部と、アクリル系オリゴマー「UP−1000」50部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
<例29>
例27と同じアクリル系ポリマー100部(アクリル系ポリマーA50部、アクリル系ポリマーB50部を含む。)と、可塑剤「モノサイザーW−242」30部と、粘着付与剤「UH−115」20部とを混合して、ホットメルト型のアクリル系粘着剤を調製した。その他の点については例3と同様にして、本例に係るクリーナーを構築した。
[対SUS180°引き剥がし粘着力の測定]
上述した180°剥離試験に基づいて、各例に係る粘着シートの180°引き剥がし粘着力を測定した。より具体的には、各例に係る粘着シートを200mm×25mmの帯状にカットして試験片を用意した。上記試験片の粘着面(粘着剤層の表面)をステンレス鋼(SUS304)板に、2kgのローラーを一往復させて貼り付けた。これを23℃、RH50%の環境下に30分間保持した後、引張試験機を用い、JIS Z0237に準拠して、23℃、RH50%の環境下、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件にて、対SUS180°引き剥がし粘着力[N/25mm]を測定した。測定は、島津製作所社製の「テンシロン」を用いて行った。結果を表1〜3に示す。
[皮脂汚れ除去性評価]
(保護フィルム表面のクリーニング)
表示面(アルミノケイ酸ガラス製の平滑な表面)に保護フィルムが貼り付けられたスマートフォン(docomo NEXT series「Xperia(商標) Z SO−02E」;Sony Mobile Communications AB社製品)を用意した。保護フィルムとしては、上記スマートフォン用のジャケット(ハードコーティング・グラデーション・シェルジャケット、レイ・アウト社製品)に付属の保護フィルムを使用した。
上記保護フィルムの表面の汚れを不織布製のウェスで念入りに拭き取った後、堀場製作所社製のハンディ光沢計「グロスチェッカIG−331」を用いて、測定角60°の条件で、上記保護フィルム表面の光沢度(ブランク光沢度G0)を測定した。次いで、試験者の顔面(頬)に付着する皮脂成分を手指にこすり付け、当該手指に付いている皮脂成分からなる有機質汚れを、上記表示面に貼り付けられた保護フィルムの表面に擦りつけて転写した。上記有機質汚れの転写量は、測定角60°における光沢度(汚染時光沢度G1)が、ブランク光沢度G0に対して概ね表中に示す値(すなわち、表1ではG0の約70%、表3では約80%)となる量とした。
そして、皮脂汚れが付いた上記保護フィルムの表面を各例に係るクリーナーでクリーニングした。具体的には、各例に係るクリーナーの粘着シートロールを上記保護フィルムの表面に沿う1方向に1回転がした。転がし速度は約0.5m/秒とし、転がす際の作業者の押圧力は約700gとした。そのクリーニング後の保護フィルム表面につき、上記と同様にして測定角60°における光沢度(クリーニング後光沢度G2)を測定した。それらの測定結果から、次式:皮脂汚れ除去率(%)=(G2/G0)×100;に基づき、皮脂汚れ除去率(%)を算出した。測定は2回行い、その平均値を記録した。結果を表1および表3に示す。
(ガラス表面のクリーニング)
タブレット型情報端末(iPad(商標):アップル社製品)を用意し、その表示面(アルミノケイ酸ガラス製の平滑な表面)の汚れを不織布製のウェスで念入りに拭き取った後、上記光沢計「グロスチェッカIG−331」を用いて、測定角60°の条件で、上記表示面の光沢度(ブランク光沢度G0)を測定した。次いで、試験者の顔面(頬)に付着する皮脂成分を手指にこすり付け、当該手指に付いている皮脂成分からなる有機質汚れを上記表示面に擦りつけて転写した。上記有機質汚れの転写量は、測定角60°における光沢度(汚染時光沢度G1)が、ブランク光沢度G0の約50%となる量とした。
そして、皮脂汚れが付いた上記表示面の上を各例に係るクリーナーでクリーニングした。具体的には、各例に係るクリーナーの粘着シートロールを上記表示面に沿う1方向に1回転がした。転がし速度は約0.5m/秒とし、転がす際の作業者の押圧力は約700gとした。そのクリーニング後の表示面につき、上記と同様にして測定角60°における光沢度(クリーニング後光沢度G2)を測定した。それらの測定結果から、次式:皮脂汚れ除去率(%)=(G2/G0)×100;に基づき、皮脂汚れ除去率(%)を算出した。測定は2回行い、その平均値を記録した。結果を表2に示す。
[指紋除去性評価]
表示面に保護フィルムが貼り付けられたスマートフォンを用意した。スマートフォンおよび保護フィルムとしては、皮脂汚れ除去率の評価に用いたものと同じものを使用した。
上記保護フィルムの表面の汚れを不織布製のウェスで念入りに拭き取った。次いで、試験者の顔面(頬)に付着している皮脂成分を手指(人差し指)にこすり付け、その手指を上記保護フィルムの表面に2秒間じっと押し付けることにより、当該手指に付いている皮脂成分からなる有機質汚れ(指紋)を上記保護フィルムに転写した。
そして、上記指紋が付いた上記保護フィルムの表面を各例に係るクリーナーでクリーニングした。具体的には、各例に係るクリーナーの粘着シートロールを上記保護フィルムの表面に沿う1方向に3回転がした。転がし速度は約0.5m/秒とし、転がす際の作業者の押圧力は約700gとした。クリーニング後の保護フィルム表面を目視で観察し、指紋の除去性を以下の3段階で評価した。結果を表1および表3に示す。
3:指紋の跡が概ね消失した。
2:指紋の跡が一部消失した。
1:指紋の跡が薄くなったが消失はしなかった。
Figure 2014208500
Figure 2014208500
Figure 2014208500
表1に示されるように、アクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとして含む粘着剤を有する例1〜10のクリーナーは、いずれも80%以上の皮脂汚れ除去率を示した。特に、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーA,Bの一方または両方を用いた例1〜8のクリーナーは、皮脂汚れ除去率が90%を超えるものであり、溶剤型のアクリル系粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を有する例11のクリーナーと比べても遜色のない性能を示した。
また、可塑剤を用いた例3〜10のクリーナーは、粘着力0.80N/25mm以下という軽剥離でありながら、80%以上の皮脂汚れ除去率を示した。特に、アクリル系ポリマーA,Bと可塑剤とを組み合わせた例3〜8に係るクリーナーによると、粘着力0.20N/25mm以下の軽剥離でありながら、93%以上の皮脂汚れ除去率が実現された。
例1と例3との比較、および例2と例4との比較から、可塑剤を含有させることにより粘着力を低下させ、同時に皮脂汚れ除去率を向上させ得ることがわかる。また、例3〜5と例6〜8との比較から、可塑剤としては、「レオドールSP−O30V」(ソルビタントリオレエート)よりも「モノサイザーW−242」(アジピン酸ジイソノニル)のほうが指紋除去性に優れることがわかる。また、例3〜5の比較から、よりMwの高いアクリル系ポリマーAを含む粘着剤のほうが指紋除去性に優れることがわかる。
表2に示されるように、アクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとして含む粘着剤を有する例13〜19のクリーナーは、いずれも、粘着力0.10N/25mm未満という軽剥離でありながら、皮脂汚れ除去率90%以上という優れた有機質汚れ除去性を示した。これら例13〜19のクリーナーは、皮脂汚れ除去率において例11のクリーナー(溶剤型)と遜色のない性能を示し、かつ例11に比べて粘着力が大幅に低いため汚れ除去作業性に優れるものであった。また、例11の粘着剤組成において可塑剤および架橋剤の量を増やした例12のクリーナー(溶剤型)は、粘着力の点では例13〜19のクリーナーと同程度であったが、皮脂汚れ除去率の点では例13〜19の性能に及ばないものであった。なお、例18,19の粘着力を示す欄の「−」は、未測定であることを示している。また、表には示していないが、例13〜17の比較では、粘着付与剤の配合量が多くなるにつれて粘着剤の溶融粘度が低下し、塗工性が向上した。
表3に示されるように、アクリル系ブロック共重合体をベースポリマーとして含む粘着剤を有する例20〜29のクリーナーは、いずれも、粘着力0.20N/25mm未満という軽剥離でありながら、皮脂汚れ除去率94%以上という優れた有機質汚れ除去性を示すことが確認された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 ポータブル機器(物品)
2 表面(表示部)
10 粘着クリーナー
20 保持部材
30 粘着シートロール
31 粘着シート(汚れ捕捉部)
32 粘着剤層
36 支持基材
40 把持部材
42 取っ手
50 有機質汚れ

Claims (9)

  1. 物品の表面に付着している有機質汚れを除去するために使用される粘着クリーナーであって、
    前記物品の表面に接触することによって前記有機質汚れを捕捉する汚れ捕捉部を備えており、
    前記汚れ捕捉部は、前記物品の表面と接触する部分に粘着剤を備えており、
    前記粘着剤は、ベースポリマーとして、1分子中にハードセグメント(A)およびソフトセグメント(B)を有するアクリル系ブロック共重合体を含む、有機質汚れ除去用粘着クリーナー。
  2. 前記ソフトセグメント(B)を構成するモノマー単位は、アルキル基の炭素原子数が6以上のアルキルアクリレートを主成分とする、請求項1に記載の粘着クリーナー。
  3. 前記粘着剤は可塑剤をさらに含む、請求項1または2に記載の粘着クリーナー。
  4. 前記粘着剤は粘着付与樹脂をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の粘着クリーナー。
  5. 前記汚れ捕捉部の前記表面に接触する部分は1N/25mm以下の粘着力を示す、請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着クリーナー。
  6. 円筒状の転動部材を備えており、前記汚れ捕捉部は該転動部材の外周面に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の粘着クリーナー。
  7. 前記汚れ捕捉部は、シート状の支持基材と該支持基材上に配置された粘着剤層とを備える片面粘着シートとして構成されており、
    前記片面粘着シートは、前記粘着剤層を外側にして巻回されることにより粘着シートロールとして構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の粘着クリーナー。
  8. 前記有機質汚れとして皮脂汚れを取り除くために使用される、請求項1から7のいずれか一項に記載の粘着クリーナー。
  9. 前記物品は、ガラス製または合成樹脂製の表示面を有するポータブル機器である、請求項1から8のいずれか一項に記載の粘着クリーナー。
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