JPWO2014200007A1 - 両親媒性ブロックポリマーを用いた分子集合体、及びそれを用いた物質搬送用キャリア - Google Patents
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Abstract
Description
(1) サルコシン単位を有する親水性ブロックと、乳酸単位を有する疎水性ブロックとを有する両親媒性ブロックポリマーA1、及び
脂肪族ヒドロキシ酸単位を有する非晶性疎水性ポリマーA2
を含む分子集合体であって、
前記非晶性疎水性ポリマーA2に含まれる脂肪族ヒドロキシ酸単位の数(UA2)は、前記両親媒性ブロックポリマーA1の前記疎水性ブロックに含まれる乳酸単位の数(UA1)の2倍を超える[UA2>2・UA1]ものである分子集合体。
容器中に、前記両親媒性ブロックポリマーA1と前記非晶性疎水性ポリマーA2とを有機溶媒中に含む溶液を用意する工程、
前記溶液から前記有機溶媒を除去し、前記容器の内壁に前記両親媒性ブロックポリマーA1と前記非晶性疎水性ポリマーA2とを含むフィルムを得る工程、及び
前記容器中に水又は水溶液を加え、前記フィルムを粒子状の分子集合体に変換して分子集合体の分散液を得る工程、
を含む調製方法によって得られたものである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の分子集合体。
容器中に、前記両親媒性ブロックポリマーA1と前記非晶性疎水性ポリマーA2とを有機溶媒中に含む溶液を用意する工程、
前記溶液を水又は水溶液中に分散させる工程、及び
前記有機溶媒を除去する工程、
を含む調製方法によって得られたものである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の分子集合体。
脂肪族ヒドロキシ酸単位を有する非晶性疎水性ポリマーA2
を含む分子集合体の粒子径を制御する方法であって、
前記非晶性疎水性ポリマーA2に含まれる脂肪族ヒドロキシ酸単位の数(UA2)を、前記両親媒性ブロックポリマーA1の前記疎水性ブロックに含まれる乳酸単位の数(UA1)の2倍を超えるようにして変化させることにより、分子集合体の粒子径を制御する方法。
両親媒性ブロックポリマーA1は、サルコシン単位を有する親水性ブロックと、乳酸単位を有する疎水性ブロックとを有する。
本発明において、親水性ブロック鎖が有する「親水性」という物性の具体的な程度としては、特に限定されるものではないが、少なくとも、親水性ブロック鎖の全体が、後述の乳酸単位を有する疎水性ブロック鎖に対して相対的に親水性が強い性質をいう。或いは、親水性ブロック鎖が疎水性ブロック鎖とコポリマーを形成することによって、コポリマー分子全体として両親媒性を実現することが可能となる程度の親水性をいう。さらに或いは、両親媒性ブロックポリマーが溶媒中で自己組織化して、自己集合体、特に粒子状の自己集合体を形成することが可能となる程度の親水性をいう。
本発明において、疎水性ブロックが有する「疎水性」という物性の具体的な程度としては、特に限定されるものではないが、少なくとも、疎水性ブロックが、上記の親水性ブロックの全体に対して相対的に疎水性が強い領域であり、当該親水性ブロックとコポリマーを形成することによって、コポリマー分子全体として両親媒性を実現することが可能となる程度の疎水性を有していれば良い。或いは、当該両親媒性ブロックポリマーが溶媒中で自己組織化して、自己集合体、好ましくは粒子状の自己集合体を形成することが可能となる程度の疎水性を有していれば良い。
ポリ乳酸は、優れた生体適合性及び安定性を有するものである。このため、このようなポリ乳酸を構成ブロックとした両親媒性物質から得られる分子集合体は、生体、特に人体への応用性という点で非常に有用である。
また、ポリ乳酸は、優れた生分解性を有することから代謝が早く、生体内においてがん組織以外への組織への集積性が低い。このため、このようなポリ乳酸を構成ブロックとした両親媒性物質から得られる分子集合体は、がん組織への特異的な集積性という点で非常に有用である。
そして、ポリ乳酸は、低沸点溶媒への溶解性に優れるものであることから、このようなポリ乳酸を構成ブロックとした両親媒性物質から分子集合体を得る際に、有害な高沸点溶媒の使用を回避することが可能である。このため、このような分子集合体は、生体への安全性という点で非常に有用である。
本発明において、両親媒性ブロックポリマーA1の合成法としては、特に限定されるものではなく、公知のペプチド合成法、ポリエステル合成法、及び/又はデプシペプチド合成法を用いることができる。
疎水性ポリマーA2は、脂肪族ヒドロキシ酸単位を有する疎水性脂肪族ポリマーであって、非晶性のものである。本明細書において、非晶性ポリマーとは、JIS K7121にて融点が観測されない高分子をいう。疎水性ポリマーA2が有する「疎水性」という物性の具体的な程度としては特に限定されるものではないが、少なくとも、上記の両親媒性ポリマーA1の親水性ブロックに対して、相対的に疎水性が強い。
分子集合体(ラクトソーム;Lactosome)において、前記非晶性疎水性ポリマーA2に含まれる脂肪族ヒドロキシ酸単位の数(UA2)は、前記両親媒性ブロックポリマーA1の前記疎水性ブロックに含まれる乳酸単位の数(UA1)の2倍を超える[UA2>2・UA1]。すなわち、前記疎水性ポリマーA2は、それに含まれる脂肪族ヒドロキシ酸単位の数(UA2)が、前記両親媒性ブロックポリマーA1の前記疎水性ブロックに含まれる乳酸単位の数(UA1)の2倍を超えるものであり、A1の前記疎水性ブロックに比して長鎖の疎水性ポリマーである。前記疎水性ポリマーA2は、非晶性であるのでランダムコイル状に存在し、長鎖のポリマーでありながらも、前記疎水性コア部に安定して存在することができる。そのため、前記疎水性ポリマーA2は、前記疎水性コア部の体積を増大させ、それと共に分子集合体の粒子径を増大させる。脂肪族ヒドロキシ酸単位の数が、前記両親媒性ブロックポリマーA1の前記疎水性ブロックに含まれる乳酸単位の数の2倍以下であれば、前記両親媒性ブロックポリマーA1によって形成されたミセルのコア部の体積を増大させる効果に乏しい。従って、前記両親媒性ブロックポリマーA1によって本来的に形成されるミセルの粒子径を制御する能力に乏しい。
本発明の分子集合体は、分子イメージングシステムや薬剤搬送システムに用いられる場合に有用となる形態や機能などを持たせることができる機能性構造を備えることができる。これによって、本発明の分子集合体は、分子イメージングにおけるプローブとしてや、薬剤搬送システムにおける製剤として有用な構造体となる。また、化粧品等の他の用途についても同様である。
機能性基は例えば有機基であり、分子集合体の用途に応じて当業者によって適宜選択されるものである。機能性基としては、シグナル基及びリガンド基が挙げられる。
細胞接着ペプチドの例としては、RGD(アルギニン−グリシン−アスパラギン酸)などの接着因子が挙げられる。
糖鎖の例としては、カルボキシルメチルセルロース、アミロースなどの安定剤や、ターゲット部位の細胞に発現しているタンパク質への特異的結合能を有するものが挙げられる。
水溶性高分子の例としては、ポリエーテル鎖、ポリビニルアルコール鎖などの高分子が挙げられる。
機能性物質は、シグナル剤及び薬剤からなる群から選ばれるものである。この物質は、疎水性化合物であり、分子集合体の疎水コア部に位置することによって内包される。
シグナル剤としては、上述のシグナル基を有する分子を用いることができる。その中でも、本発明においては、インドシアニングリーン系色素などの近赤外蛍光物質や、18Fなどの放射性同位体でラベルした、糖、アミノ酸、核酸などの放射性元素含有物質が好ましい場合がある。
薬剤としては、対象となる疾患に適したものが当業者によって適宜選択される。具体的には、抗がん剤、抗菌剤、抗ウィルス剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、ステロイド剤、ホルモン剤、血管新生阻害剤などが挙げられる。これら薬剤分子は、単独で又は複数種の組み合わせで用いることができる。
分子集合体(ラクトソーム)の作成法は特に限定されず、所望する分子集合体の大きさ、特性、担持させる機能性構造の種類、性質、含有量などに応じて、当業者が適宜選択することができる。必要に応じ、下記のように分子集合体を形成した後に、得られた分子集合体に対して、公知の方法によって表面修飾を行っても良い。なお、粒子が形成されたことの確認は、電子顕微鏡観察によって行うと良い。
本発明における両親媒性ブロックポリマーA1及び非晶性疎水性ポリマーA2は、低沸点溶媒への溶解性を有するため、この方法を用いた分子集合体の調製が可能である。
フィルム法は、次の工程を含む。すなわち、容器(例えばガラス容器)中に、両親媒性ブロックポリマーA1と非晶性疎水性ポリマーA2と必要に応じて機能性物質とを有機溶媒中に含む溶液を用意する工程;前記溶液から前記有機溶媒を除去し、前記容器の内壁に前記両親媒性ブロックポリマーA1と前記非晶性疎水性ポリマーA2と必要に応じて機能性物質とを含むフィルムを得る工程;及び、前記容器中に水又は水溶液を加え、必要に応じて超音波処理を行い、前記フィルムを粒子状の分子集合体(必要に応じて機能性物質を内包する)に変換して分子集合体の分散液を得る工程、を含む。さらに、フィルム法は、前記の分子集合体の分散液を凍結乾燥処理に供する工程を含んでも良い。
ポリマーA1、A2及び/又は必要に応じて機能性物質の溶解にこのような低沸点溶媒を使用することによって、溶媒の除去が非常に簡単になる。溶媒の除去の方法としては特に限定されることなく、使用する有機溶媒の沸点などに応じ、当業者が適宜決定すればよい。例えば、減圧下における溶媒除去を行ってもよいし、自然乾燥による溶媒除去を行ってもよい。
インジェクション法は、次の工程を含む。すなわち、容器(例えば試験管など)中に、両親媒性ブロックポリマーA1と非晶性疎水性ポリマーA2と必要に応じて機能性物質とを有機溶媒中に含む溶液を用意する工程;前記の溶液を水又は水溶液に分散させる工程;及び有機溶媒を除去する工程を含む。さらに、インジェクション法においては、有機溶媒を除去する工程の前に、適宜精製処理工程を行ってもよい。
水又は水溶液としては、注射用蒸留水、生理食塩水、緩衝液などが用いられる。
精製処理としては、例えばゲルろ過クロマトグラフィー、フィルタリング、超遠心などの処理を行うことができる。
本発明の分子集合体は、適宜、所望の分子を保持させることによって、分子イメージングシステム、及び薬剤搬送システムにおいて有用に用いられる。本明細書においては、このようなシステムに用いられることに向けられた分子集合体については、「分子プローブ」又は「ナノ粒子」と記載することがある。
本発明の分子集合体が、標識基及び/又は標識剤を有するものである場合、当該分子集合体は、分子イメージング用分子プローブとして有用に用いることができる。
標識基としては、上で述べたとおりである。標識基は、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
標識剤としては、上で述べたシグナル基を有する分子、及びリガンド基を有する分子を用いることができる。これらの分子は、単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
その他の場合において、この分子イメージング分子プローブは、ミセルの場合は内部に標識剤を含んでいる形態、ベシクルの場合は内部に標識剤を含んだ水相を有している形態を有しうる。
本発明の分子集合体が、標識基として薬剤が配位したリガンド、及び/又は薬剤を有するものである場合、当該分子集合体は、薬剤搬送システム用分子プローブとして有用に用いることができる。
その他の場合において、この薬剤搬送システム用分子プローブは、ミセルの場合は内部に薬剤を含んでいる形態、ベシクルの場合は内部に薬剤を含んだ水相を有している形態を有しうる。
本発明の分子イメージングシステム及び薬剤搬送システムは、上記の分子集合体を生体内に投与することを含む。本発明のこれらシステムは、上記の分子プローブを用いることに特徴付けられており、その他の具体的な手順は、公知の分子イメージングシステム及び薬剤搬送システムに準じ、当業者が適宜決定することができる。
生体内への投与の方法としては特に限定されず、投与ターゲット及び分子プローブの用途などに応じて、当業者が適宜決定することができる。従って、投与の方法としては、全身投与及び局所投与とを問わない。すなわち、分子プローブの投与は、注射(針有型、針無型)、内服、外用のいずれの方法によっても行うことができる。
本発明の分子イメージングシステム及び薬剤搬送システムにおいて、投与ターゲットとしては特に限定されない。特に、本発明の分子集合体は、がん部への特異的集積性に優れたものである。本発明の分子集合体は、EPR (enhanced permeability and retention) 効果によりがん組織へ集積するため、その集積性はがんの種類によらない。従って、本発明の分子集合体の投与ターゲットとしてはがんであることが好ましい。投与ターゲットとなりうるがんは多岐に亘る。例えば、肝臓がん、すい臓がん、肺がん、子宮頸がん、乳がん、大腸がんなどが挙げられる。
本発明の分子イメージングシステムにおいては、投与された分子プローブを検出する工程をさらに含む。投与された分子プローブを検出することによって、体外から投与ターゲットの様子(特にがんなどの組織の位置・大きさ)を観測することができる。
検出方法としては、投与された分子プローブを可視化させることができるあらゆる手段を用いることができる。当該手段としては、分子プローブが有するシグナル基又はシグナル剤の種類に応じて、当業者が適宜決定することができる。
励起波長や、検出すべき蛍光波長といったパラメーターは、投与される分子プローブが有するシグナル基又はシグナル剤の種類、及び投与ターゲットの種類に応じて、当業者が適宜決定することができる。
核磁気共鳴イメージング(MRI)の場合は、受信コイルを用いて、体内の分子プローブが有するシグナル基又はシグナル剤の磁性体によって生じる局所磁場歪をMRI信号の変化として検出することができる。
本発明の分子プローブは血液中で優れた安定性を示す。
具体的には、従来から優れた特性を有するナノ粒子として知られている、水溶性高分子化合物ポリエチレングリコール(PEG)による修飾形態を有するナノ粒子と、少なくとも同等の血中滞留性を有している。血中ラクトソームの測定法も、分子プローブが有するシグナル基又はシグナル剤の種類に応じて、当業者が適宜決定することができる。
両親媒性ブロックポリマーA1の合成は、WO2009/148121号公報、WO2012/176885号公報に記載の方法を参照して行うことができる。
以下の化学式に示すように、まず、L−ラクチド(化合物1)とN−カルボベンゾキシ−1,2−ジアミノエタン塩酸塩(化合物2)とを用いて、アミノ化ポリL−乳酸(a-PLLA)(平均重合度30)を合成した。
サルコシン単位66個からなる親水性ブロックとL−乳酸単位31個からなる疎水性ブロックとを有する直鎖型両親媒性ブロックポリマー(PSar66-PLLA31)も同様の反応によって合成した。
疎水性ポリマーA2の合成については、例えば、WO2009/148121号公報([0235]〜[0243])を参照することができる。
DL−ラクチドの開環重合により、ポリDL−乳酸(LA/GA=100/0,重量平均分子量MW=20,000)を合成した。ここで、LAは、DL−乳酸単位(L−乳酸単位とD−乳酸単位とのラセミ体)を表し、GAは、グリコール酸を表し、LA/GAは、DL−乳酸単位とグリコール酸単位とのモル比率を表す。以下において同じである。
PLA0020中のDL−乳酸単位の数:278。
DL−ラクチド及びグリコリドの開環重合により、DL−乳酸−グリコール酸コポリマー(LA/GA=50/50,重量平均分子量MW=5,000)を合成した。
PLGA5005中のDL−乳酸単位+グリコール酸単位の数:77。
DL−ラクチド及びグリコリドの開環重合により、DL−乳酸−グリコール酸コポリマー(LA/GA=50/50,重量平均分子量MW=10,000)を合成した。
PLGA5010中のDL−乳酸単位+グリコール酸単位の数:154。
L−ラクチド(化合物1)とN−カルボベンゾキシ−1,2−ジアミノエタン塩酸塩(化合物2)とを用いて、Z-PLLAと表されるポリL−乳酸(平均重合度30,重量平均分子量MW=2,356)を合成した。Z-PLLA中のL−乳酸単位の数:30。
各疎水性ポリマーPLA0020、PLGA5005、PLGA5010、Z-PLLAについて、次のように示差走査熱量計(DSC)による分析を行った。
表1に示す添加量の両親媒性ポリマーA1(PSar63-PLLA30、又はPSar66-PLLA31)、及び疎水性ポリマーA2(PLA0020、PLGA5005、又はPLGA5010)を試験管内に入れ、1mLのクロロホルムに溶解した。エバポレーターを用いて減圧留去により溶媒を除去し、試験管の内壁にフィルムを作製した。減圧留去は、湯浴40℃、45分間にて行った。更に、真空乾燥(室温、5−15Pa、2時間)を行い、その後、蒸留水2mLを加えて85℃で、20分間加温処理を行うことにより粒子化を行った。粒子化後、溶液が室温になるまで放冷した。このようにして、No.2〜6のA1/A2ラクトソームナノ粒子を得た。また、参考用として、疎水性ポリマーA2を用いなかった以外は、同様にして、No.1のラクトソームナノ粒子を調製した。
表2に示す添加量の両親媒性ポリマーA1(PSar63-PLLA30)、及び疎水性ポリマーA2(Z-PLLA)を試験管内に入れ、1mLのクロロホルムに溶解した。エバポレーターを用いて減圧留去により溶媒を除去し、試験管の内壁にフィルムを作製した。減圧留去は、湯浴40℃、45分間にて行った。更に、真空乾燥(室温、5−15Pa、2時間)を行い、その後、蒸留水2mLを加えて85℃で、15分間加温処理を行うことにより粒子化を行った。粒子化後、溶液が室温になるまで放冷した。このようにして、No.12〜16のラクトソームナノ粒子を得た。また、参考用として、疎水性ポリマーA2を用いなかった以外は、同様にして、No.11のラクトソームナノ粒子を調製した。各ラクトソームナノ粒子の粒子径を、実施例1と同様にして測定した。
Claims (11)
- サルコシン単位を有する親水性ブロックと、乳酸単位を有する疎水性ブロックとを有する両親媒性ブロックポリマーA1、及び
脂肪族ヒドロキシ酸単位を有する非晶性疎水性ポリマーA2
を含む分子集合体であって、
前記非晶性疎水性ポリマーA2に含まれる脂肪族ヒドロキシ酸単位の数は、前記両親媒性ブロックポリマーA1の前記疎水性ブロックに含まれる乳酸単位の数の2倍を超えるものである分子集合体。 - 前記親水性ブロックに含まれるサルコシン単位は2〜300個である、請求項1に記載の分子集合体。
- 前記疎水性ブロックに含まれる乳酸単位は5〜400個である、請求項1又は2に記載の分子集合体。
- 前記非晶性疎水性ポリマーA2は、脂肪族ヒドロキシ酸単位として、乳酸単位及びグリコール酸単位からなる群から選ばれる少なくとも一方を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の分子集合体。
- 前記非晶性疎水性ポリマーA2に含まれる脂肪族ヒドロキシ酸単位は35個以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の分子集合体。
- 前記非晶性疎水性ポリマーA2に含まれる脂肪族ヒドロキシ酸単位は200個以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の分子集合体。
- 前記非晶性疎水性ポリマーA2は、前記両親媒性ブロックポリマーA1に対するモル比A2/A1として、0.1/1〜10/1の範囲で含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載の分子集合体。
- 粒子径が10〜1000nmである、請求項1〜7のいずれかに記載の分子集合体。
- 前記分子集合体は、以下の工程:
容器中に、前記両親媒性ブロックポリマーA1と前記非晶性疎水性ポリマーA2とを有機溶媒中に含む溶液を用意する工程、
前記溶液から前記有機溶媒を除去し、前記容器の内壁に前記両親媒性ブロックポリマーA1と前記非晶性疎水性ポリマーA2とを含むフィルムを得る工程、及び
前記容器中に水又は水溶液を加え、前記フィルムを粒子状の分子集合体に変換して分子集合体の分散液を得る工程、
を含む調製方法によって得られたものである、請求項1〜8のいずれかに記載の分子集合体。 - 前記分子集合体は、以下の工程:
容器中に、前記両親媒性ブロックポリマーA1と前記非晶性疎水性ポリマーA2とを有機溶媒中に含む溶液を用意する工程、
前記溶液を水又は水溶液中に分散させる工程、及び
前記有機溶媒を除去する工程、
を含む調製方法によって得られたものである、請求項1〜8のいずれかに記載の分子集合体。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の分子集合体を含む、物質搬送用ナノキャリア。
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