(本発明の基礎となった知見)
特許文献1のシステムによれば、被保険者の健康状態に応じて、保険料を動的に変更することができる。したがって、従来の医療保険及び生命保険が抱えていた、固定的な保険料によって発生する、保険加入者と保険会社との双方の問題が解消される。
しかし、従来のシステムは、新たな課題が生じる可能性がある。契約者は、保険会社へ報告する歩数が増えることによって、保険料が安くなることを知っている。そのため、保険料を安くしたい契約者は、保険会社へ虚偽の歩数を報告するおそれがある。例えば、契約者本人が歩数計を保持するのではなく、契約者の子供が歩数計を保持して活動することにより、契約者本人が健康のために活動しなくても、保険料を安くすることができる。
保険会社としては、このような詐欺行為を絶対に阻止しなければならないが、歩数計のデータが間違いなく被保険者のものであることを確認するのは困難である。そのため、保険会社は、被保険者の良心を信じるしかなく、保険料更新の要点となる活動量が、本当に被保険者のものであることを確認する方法については、検討されていない。
このような課題を解決するために、本発明者らは、以下の態様に係る発明を想到するに至った。
本発明の一態様に係るサービス提供方法は、所定のサービスを提供するサービス提供者と所定の契約を結んだ契約者によってネットワークを介して記事を送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信された前記記事を前記契約者以外の閲覧者に対して表示する表示ステップと、前記契約者と前記閲覧者とがどの程度の交流関係であるかを示す交流度を決定する交流度決定ステップと、前記交流度決定ステップにおいて決定された前記交流度に応じて前記契約の内容を決定する契約決定ステップとを含む。
この構成によれば、送信ステップにおいて、所定のサービスを提供するサービス提供者と所定の契約を結んだ契約者によってネットワークを介して記事が送信される。表示ステップにおいて、送信された記事が契約者以外の閲覧者に対して表示される。交流度決定ステップにおいて、契約者と閲覧者とがどの程度の交流関係であるかを示す交流度が決定される。契約決定ステップにおいて、決定された交流度に応じて契約の内容が決定される。
したがって、ネットワークを介して記事を送信する契約者と、送信された記事を閲覧する契約者以外の閲覧者とがどの程度の交流関係であるかを示す交流度に応じて契約の内容が決定されるので、契約内容の決定時におけるリスクをより低減することができる。
また、上記態様において、前記交流度決定ステップは、前記契約者によって送信された前記記事とともに、前記契約者の本名が前記閲覧者に閲覧可能に表示される場合、前記交流度を高くすることが好ましい。
この場合、契約者の本名が閲覧者に閲覧可能に表示されることにより、契約者と閲覧者との交流関係がより緊密であると判断することができる。
また、上記態様において、前記交流度決定ステップは、前記契約者によって送信された前記記事とともに、前記契約者の住所が前記閲覧者に閲覧可能に表示される場合、前記交流度を高くすることが好ましい。
この場合、契約者の住所が閲覧者に閲覧可能に表示されることにより、契約者と閲覧者との交流関係がより緊密であると判断することができる。
また、上記態様において、前記交流度決定ステップは、前記契約者によって送信された前記記事とともに、前記契約者の顔画像が前記閲覧者に閲覧可能に表示される場合、前記交流度を高くすることが好ましい。
この場合、契約者の顔画像が閲覧者に閲覧可能に表示されることにより、契約者と閲覧者との交流関係がより緊密であると判断することができる。
また、上記態様において、前記契約者の公的身分証明書の画像を取得する画像取得ステップをさらに含み、前記交流度決定ステップは、前記画像取得ステップにおいて取得された前記契約者の公的身分証明書の画像と、前記契約者によって登録された前記契約者の本名、住所又は顔画像とが一致する場合、前記本名、前記住所又は前記顔画像が本物であると判断し、前記交流度を高くすることが好ましい。
この場合、画像取得ステップにおいて、契約者の公的身分証明書の画像が取得される。交流度決定ステップにおいて、取得された契約者の公的身分証明書の画像と、契約者によって登録された契約者の本名、住所又は顔画像とが一致する場合、本名、住所又は顔画像が本物であると判断され、交流度が高くされる。
したがって、契約者の公的身分証明書の画像に基づいて、契約者の本名、住所又は顔画像が本物であるか否かを判断することができる。
また、上記態様において、前記契約者と、前記契約者と友達関係にある閲覧者とを関連付けて記憶する記憶ステップをさらに含み、前記交流度決定ステップは、前記契約者の本名が前記閲覧者によって検索された回数、又は前記契約者の本名を検索した前記閲覧者と前記契約者とが友達関係であるとして関連付けられた数が多い場合、前記交流度を高くすることが好ましい。
この場合、記憶ステップにおいて、契約者と、契約者と友達関係にある閲覧者とが関連付けて記憶される。交流度決定ステップにおいて、契約者の本名が閲覧者によって検索された回数、又は契約者の本名を検索した閲覧者と契約者とが友達関係であるとして関連付けられた数が多い場合、交流度が高くされる。
したがって、閲覧者が契約者の本名を知っていれば、契約者の本名で検索することが可能であるので、契約者と閲覧者との交流関係が緊密であると判断することができる。また、契約者の本名を検索した閲覧者と契約者とが友達関係であるとして関連付けられた場合、契約者と閲覧者との交流関係がより緊密であると判断することができる。
また、上記態様において、前記契約者と、前記契約者と友達関係にある閲覧者とを関連付けて記憶する記憶ステップをさらに含み、前記交流度決定ステップは、前記記憶ステップにおいて前記契約者と友達関係にあるとして関連付けられている前記閲覧者の交流度の高さに応じて、前記契約者の前記交流度を決定することが好ましい。
この場合、記憶ステップにおいて、契約者と、契約者と友達関係にある閲覧者とが関連付けて記憶される。交流度決定ステップにおいて、契約者と友達関係にあるとして関連付けられている閲覧者の交流度の高さに応じて、契約者の交流度が決定される。
したがって、契約者と友達関係にあるとして関連付けられている閲覧者の交流度が高ければ、当該閲覧者と友達関係にあるとして関連付けられている契約者の交流度も高くすることが可能となる。
また、上記態様において、前記交流度決定ステップは、前記契約者の顔画像と同一の顔であると判断できる顔画像を含む画像が前記閲覧者から送信された数が多い場合、前記交流度を高くすることが好ましい。
この場合、契約者の顔画像と同一の顔であると判断できる顔画像を含む画像を送信する閲覧者は、契約者と現実世界における友達関係にあると判断することができるので、契約者の顔画像と同一の顔であると判断できる顔画像を含む画像が閲覧者から送信された数が多ければ、交流度を高く決定することができる。
また、上記態様において、前記契約は、医療保険契約又は生命保険契約を含み、前記契約者の活動量を示す活動量情報を取得する活動量取得ステップをさらに含み、前記表示ステップは、前記送信ステップにおいて送信された前記記事と、前記活動量取得ステップにおいて取得された前記活動量情報とを前記閲覧者に対して表示し、前記契約決定ステップは、前記活動量取得ステップにおいて取得された前記活動量情報と、前記交流度決定ステップにおいて決定された前記交流度とに応じて前記医療保険契約又は前記生命保険契約における保険料を決定することが好ましい。
この場合、契約は、医療保険契約又は生命保険契約を含む。活動量取得ステップにおいて、契約者の活動量を示す活動量情報が取得される。表示ステップにおいて、送信された記事と、取得された活動量情報とが閲覧者に対して表示される。契約決定ステップにおいて、取得された活動量情報と、決定された交流度とに応じて医療保険契約又は生命保険契約における保険料が決定される。
したがって、契約者の活動量を示す活動量情報が閲覧者に対して表示されるとともに、活動量情報と交流度とに応じて医療保険契約又は生命保険契約における保険料が決定されるので、契約者の活動量を反映させた適切な保険料を決定することができる。また、活動量は閲覧者に対して表示されるので、信頼性の高い活動量を用いて保険料を決定することができる。
また、上記態様において、前記活動量情報は、前記契約者の移動量を含むことが好ましい。
この場合、契約者の移動量を反映させた適切な保険料を決定することができる。また、契約者の移動量は閲覧者に対して表示されるので、信頼性の高い移動量を用いて保険料を決定することができる。
また、上記態様において、前記移動量は、前記契約者の歩数を含むことが好ましい。
この場合、契約者の歩数を反映させた適切な保険料を決定することができる。また、契約者の歩数は閲覧者に対して表示されるので、信頼性の高い歩数を用いて保険料を決定することができる。
また、上記態様において、前記活動量取得ステップは、前記契約者が所有する歩数計により前記契約者の歩数を取得することが好ましい。
この場合、契約者が所有する歩数計により契約者の歩数を取得することができる。
また、上記態様において、前記活動量情報は、前記契約者の身体情報を含むことが好ましい。
この場合、契約者の身体情報を反映させた適切な保険料を決定することができる。また、契約者の身体情報は閲覧者に対して表示されるので、信頼性の高い身体情報を用いて保険料を決定することができる。
また、上記態様において、前記身体情報は、前記契約者の脈拍、血圧、血糖値及び尿酸値のいずれかを含むことが好ましい。
この場合、契約者の脈拍、血圧、血糖値及び尿酸値のいずれかを反映させた適切な保険料を決定することができる。また、契約者の脈拍、血圧、血糖値及び尿酸値のいずれかは閲覧者に対して表示されるので、信頼性の高い脈拍、血圧、血糖値及び尿酸値のいずれかを用いて保険料を決定することができる。
また、上記態様において、前記契約は、物品をレンタルするレンタル契約を含み、前記契約決定ステップは、前記交流度決定ステップにおいて決定された前記交流度に応じて前記レンタル契約において前記契約者に物品をレンタルするか否かを決定することが好ましい。
この場合、契約は、物品をレンタルするレンタル契約を含む。契約決定ステップにおいて、決定された交流度に応じてレンタル契約において契約者に物品をレンタルするか否かが決定される。
したがって、交流度に応じてレンタル契約において契約者に物品をレンタルするか否かが決定されるので、交流度により契約者に対する信頼度を判断することができ、より信頼度が高い契約者に物品をレンタルすることができる。
また、上記態様において、前記契約は、融資契約を含み、前記契約決定ステップは、前記交流度決定ステップにおいて決定された前記交流度に応じて前記融資契約において前記契約者に融資するか否かを決定することが好ましい。
この場合、契約は、融資契約を含む。契約決定ステップにおいて、決定された交流度に応じて融資契約において契約者に融資するか否かが決定される。
したがって、交流度に応じて融資契約において契約者に融資するか否かが決定されるので、交流度により契約者に対する信頼度を判断することができ、より信頼度が高い契約者に融資することができる。
本発明の他の態様に係るサービス提供方法は、所定のサービスを提供するサービス提供者と所定の契約を結んだ契約者によってネットワークを介して記事を送信する送信ステップと、前記契約者の活動量を示す活動量情報を取得する活動量取得ステップと、前記送信ステップにおいて送信された前記記事と、前記活動量取得ステップにおいて取得された前記活動量情報とを、前記契約者によって閲覧が許可された閲覧者に対して表示する表示ステップと、前記活動量取得ステップにおいて取得された前記活動量情報に応じて前記契約の内容を決定する契約決定ステップとを含む。
この構成によれば、送信ステップにおいて、所定のサービスを提供するサービス提供者と所定の契約を結んだ契約者によってネットワークを介して記事が送信される。活動量取得ステップにおいて、契約者の活動量を示す活動量情報が取得される。表示ステップにおいて、送信された記事と、取得された活動量情報とが、契約者によって閲覧が許可された閲覧者に対して表示される。契約決定ステップにおいて、取得された活動量情報に応じて契約の内容が決定される。
したがって、契約者の活動量を示す活動量情報に応じて契約の内容が決定されるので、契約者の活動量を反映させた適切な契約の内容を決定することができる。また、活動量は閲覧者に対して表示されるので、信頼性の高い活動量を用いて契約の内容を決定することができる。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ及びステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
(提供するサービスの全体像)
図1(A)は、本実施の形態における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。情報提供システムは、グループ100、データセンタ運営会社110及びサービスプロバイダ120を備える。
グループ100は、例えば企業、団体又は家庭等であり、その規模を問わない。グループ100には、機器A及び機器Bを含む複数の機器101と、ホームゲートウェイ102とが存在する。複数の機器101は、被保険者の活動量(例えば、歩数)を計測する歩数計を含む。また、複数の機器101は、インターネットと接続可能な機器(例えば、歩数計を内蔵するスマートフォン等)、及びそれ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、歩数計等)を含む。複数の機器101は、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器であっても、ホームゲートウェイ102を介してインターネットと接続可能となる機器を含んでもよい。例えば、歩数計は、内蔵されたメモリにその日の歩数を記録し、記録した歩数を、インターネットに接続可能な機器に無線LAN(Local Area Network)を介して送信してもよい。また、ユーザ10は、グループ100内の複数の機器101を使用する。
データセンタ運営会社110には、クラウドサーバ111が存在する。クラウドサーバ111は、インターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。クラウドサーバ111は、主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社110は、データ管理、クラウドサーバ111の管理、及びそれらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社110が行っている役務の詳細については後述する。
ここで、データセンタ運営会社110は、データの管理又はクラウドサーバ111の運営等のみを行っている会社に限らない。例えば、図1(B)に示すように、複数の機器101のうちの一つの機器を開発及び製造している機器メーカが、データの管理又はクラウドサーバ111の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社110に該当する。また、データセンタ運営会社110は一つの会社に限らない。例えば、図1(C)に示すように、機器メーカ及び他の管理会社が共同又は分担してデータの管理又はクラウドサーバ111の運営を行っている場合は、両者又はいずれか一方がデータセンタ運営会社110に該当する。
サービスプロバイダ120には、サーバ121が存在する。ここで言うサーバ121とは、その規模は問わず、例えば、個人用PC(パーソナルコンピュータ)内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダ120にサーバ121が存在していない場合もある。
なお、上記サービスにおいて、ホームゲートウェイ102は必須ではない。例えば、クラウドサーバ111が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ102は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。
まず、グループ100の機器A又は機器Bは、各ログ情報をデータセンタ運営会社110のクラウドサーバ111に送信する。クラウドサーバ111は、機器A又は機器Bのログ情報を集積する(図1(A)の矢印131)。ここで、ログ情報とは、複数の機器101が取得した、ユーザ10の健康状態を表す情報、又は、ユーザ10の健康状態が変化する原因を表す情報である。例えば、ログ情報は、歩数計等が備える加速度センサ又は振動センサによって取得されたユーザ10の歩数又は移動距離などの活動量を含む。また、例えば、ログ情報は、脈拍計等の医療機器によって取得されたユーザ10の脈拍、血圧、血糖値又は尿酸値などを含む。なお、ログ情報は、これらの情報に限らず、ユーザ10から取得可能なすべての情報を含んでもよい。ログ情報は、インターネットを介して複数の機器101自体から直接クラウドサーバ111に提供されてもよい。また、ログ情報は、複数の機器101から一旦ホームゲートウェイ102に集積され、ホームゲートウェイ102からクラウドサーバ111に提供されてもよい。
次に、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ120に提供する。ここで、一定の単位とは、データセンタ運営会社110が集積した情報を整理してサービスプロバイダ120に提供することのできる単位でもよいし、サービスプロバイダ120が要求する単位でもよい。また、一定の単位でログ情報を提供するとしているが、一定の単位でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化してもよい。ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ120が保有するサーバ121に保存される(図1(A)の矢印132)。
そして、サービスプロバイダ120は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。サービスが提供されるユーザは、複数の機器101を使用するユーザ10でもよいし、外部のユーザ20でもよい。ユーザ10,20へのサービス提供方法としては、例えば、サービスプロバイダ120から直接ユーザ10,20へサービスが提供されてもよい(図1(A)の矢印133,134)。また、ユーザ10へのサービス提供方法としては、例えば、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111を再度経由して、ユーザ10にサービスが提供されてもよい(図1(A)の矢印135,136)。また、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ120に提供してもよい。
なお、ユーザ10は、ユーザ20と異なっていても同一であってもよい。
上記で説明したサービスプロバイダ120が提供するサービスとは、好適には、SNS(Social Networking Service)、または、保険料を更新するサービスである。これら二つのサービスは、互いに異なるサービスプロバイダで運営されてもよいし、また、単一のサービスプロバイダで運営されてもよい。
また、上記で説明したクラウドサーバ111は、サービスプロバイダ120と別のデータセンタ運営会社が運営してもよいし、サービスプロバイダ120と同一のデータセンタ運営会社が運営してもよい。すなわち、クラウドサーバ111は、SNS又は保険料を更新するサービスのいずれかのサーバと同一であってもよいし、両方のサーバと同一であってもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1における保険料更新システムの構成を示す図である。図2に示す保険料更新システムは、活動量取得部601、活動量送信部602、SNS管理部603、保険料更新部604、記事送信部607及び記事表示部608,609を備える。
図2において、ユーザ10は、活動量取得部601によって取得された自らの健康に関する情報を送信することを条件に、保険会社と医療保険契約又は生命保険契約を結んでいる。すなわち、ユーザ10は、所定のサービスを提供するサービス提供者と所定の契約を結んだ契約者である。
活動量取得部601は、図1の機器A又は機器Bに相当し、ユーザ10の健康に関する情報(本実施の形態1では、活動量情報と称する)を取得する。活動量情報は、ユーザ10の移動量を含む。また、移動量は、ユーザ10の歩数を含む。例えば、活動量取得部601は、歩数計等で構成され、加速度センサ又は振動センサを備える。活動量取得部601は、加速度センサ又は振動センサによって計測されたユーザ10の歩数又は移動距離などを、活動量として取得する。
あるいは、活動量取得部601は、脈拍計等の医療機器で構成されてもよい。この場合、ユーザ10の活動量情報は、ユーザ10の身体情報を含む。また、身体情報は、脈拍、血圧、血糖値又は尿酸値等を含む。なお、活動量情報は、これらの情報に限らず、ユーザ10から取得可能な、ユーザ10の健康状態が直接的又は間接的に判定できるすべての情報を含み、それらの活動量情報を取得できる装置が、活動量取得部601となりうる。
活動量送信部602は、活動量取得部601によって取得された活動量情報を、SNS管理部603及び保険料更新部604に送信する。活動量送信部602は、例えば、ソフトウェア的にはインターネットプロトコル等で実装され、ハードウェア的には、第3世代移動通信システム又はLTE(Long Term Evolution)などの携帯電話通信サービス、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はイーサネット(登録商標)等で実装される。なお、活動量送信部602は、活動量をSNS管理部603及び保険料更新部604に転送できれば、どのような構成であってもよい。また、図1におけるホームゲートウェイ102は、活動量送信部602の一部を構成してもよい。
記事送信部607は、ユーザ10によって入力された記事を、ネットワークを介してSNS管理部603へ送信する。記事送信部607は、例えばスマートフォン又はパーソナルコンピュータなどの端末611に含まれる。記事は、例えば、ユーザ(契約者)に実際に起こった出来事である。
SNS管理部603は、好適には、いわゆるソーシャル・ネットワーク・サービスを提供するコンピュータシステムであり、例えばFacebook(登録商標)又はmixi(登録商標)などに相当するサービスプロバイダによって運営されるサーバ605に含まれる。すなわち、SNS管理部603は、記事送信部607によって送信されたユーザ10が投稿した記事を保存し、インターネット等を通じて、ユーザ10とシステム上の友達関係にあるユーザ20又はユーザ30に対して、保存された記事を閲覧可能な状態にするサービスを提供する。なお、ユーザ20及びユーザ30は、ユーザ10の現実の友人であることが望ましいが、その限りではない。図2のサーバ605は、図1におけるサーバ121に相当する。
SNS管理部603は、記事表示部608,609からの要求に応じて、記事送信部607によって送信された記事を記事表示部608,609へ送信する。
記事表示部608,609は、SNS管理部603によって送信された記事をユーザ10以外の閲覧者(ユーザ20又はユーザ30)に対して表示する。記事表示部608,609は、例えばスマートフォン又はパーソナルコンピュータなどの端末612,613に含まれる。
SNS管理部603は、活動量送信部602からユーザ10の活動量情報を受信すると、記事送信部607によって送信されたユーザ10の記事と同様に、活動量をユーザ10の記事として保存し、ユーザ20又はユーザ30に対して、保存された記事を閲覧可能な状態にする。これにより、記事表示部608,609は、記事送信部607によって送信された記事と、活動量取得部601によって取得された活動量情報とを閲覧者に対して表示する。なお、本実施の形態では、活動量は、直接、活動量送信部602からSNS管理部603に送信されるが、この限りではない。活動量は、図1におけるデータセンタ運営会社110のクラウドサーバ111に一旦蓄積された後、SNS管理部603、すなわち図1におけるサービスプロバイダ120のサーバ121に送信されてもよい。
保険料更新部604は、保険業務サービスを提供するコンピュータシステムであり、好適には、保険会社に相当するサービスプロバイダによって運営されるサーバ606に含まれる。図2のサーバ606は、図1におけるサーバ121に相当する。サーバ606は、SNS管理部603を備えるサーバ605と同一のサーバである必要はなく、別のサーバでもよい。また、サーバ606を運営するサービスプロバイダは、サーバ605を運営するサービスプロバイダと同一のサービスプロバイダである必要はなく、別のサービスプロバイダでもよい。
保険料更新部604は、活動量取得部601によって取得された活動量情報に応じて契約の内容を決定する。保険料更新部604は、活動量取得部601によって取得された活動量情報に応じて医療保険契約又は生命保険契約における保険料を決定する。
保険料更新部604は、活動量送信部602によって送信された活動量情報を受信し、一定期間、例えば一ヶ月間における活動量を集計する。その後、保険料更新部604は、ユーザ10の活動量(健康状態)を評価し、評価結果に基づき、ユーザ10の保険料を更新する。なお、本実施の形態では、活動量情報は、直接、活動量送信部602から保険料更新部604に送信されるが、この限りではない。活動量は、SNS管理部603と同様に、図1におけるデータセンタ運営会社110のクラウドサーバ111に一旦蓄積された後、保険会社のサーバ606、すなわち図1におけるサービスプロバイダ120のサーバ121に送信されてもよい。
図3は、本発明の実施の形態1における保険料更新システムの動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、記事送信部607は、ユーザ10によって記事が入力されたか否かを判断する。このとき、ユーザ10は、端末611が備える入力部(不図示)を用いて記事を入力する。ここで、記事が入力されていないと判断された場合(ステップS1でNO)、ステップS4の処理に移行する。
一方、記事が入力されたと判断された場合(ステップS1でYES)、ステップS2において、記事送信部607は、入力された記事をSNS管理部603へ送信する。
次に、ステップS3において、SNS管理部603は、受信した記事を記事表示部608及び記事表示部609へ送信し、記事表示部608及び記事表示部609は、受信した記事を表示する。このとき、SNS管理部603は、ユーザ10の記事送信部607から送信された記事を、ユーザ10と友達関係であると予め対応付けられているユーザ20,30の記事表示部608及び記事表示部609へ送信する。
次に、ステップS4において、活動量送信部602は、活動量取得部601によって活動量が取得されたか否かを判断する。ここで、活動量が取得されていないと判断された場合(ステップS4でNO)、ステップS7の処理に移行する。
一方、活動量が取得されたと判断された場合(ステップS4でYES)、ステップS5において、活動量送信部602は、活動量取得部601によって取得された活動量をSNS管理部603及び保険料更新部604へ送信する。なお、保険料更新部604は、受信した活動量をユーザ10に対応付けて記憶する。
次に、ステップS6において、SNS管理部603は、受信した活動量を記事として記事表示部608及び記事表示部609へ送信し、記事表示部608及び記事表示部609は、受信した記事(活動量)を表示する。このとき、SNS管理部603は、ユーザ10の活動量取得部602から送信された記事(活動量)を、ユーザ10と友達関係であると予め対応付けられているユーザ20,30の記事表示部608及び記事表示部609へ送信する。
次に、ステップS7において、保険料更新部604は、保険料を更新する保険料更新タイミングであるか否かを判断する。例えば、保険料更新部604は、一ヶ月に一度、保険料を更新する。例えば、保険料更新部604は、月初に、前月の活動量を用いて当月の保険料を決定してもよい。また、例えば、保険料更新部604は、月末に、当月の活動量を用いて翌月の保険料を決定してもよい。ここで、保険料更新タイミングではないと判断された場合(ステップS7でNO)、ステップS1の処理に戻る。
一方、保険料更新タイミングであると判断された場合(ステップS7でYES)、ステップS8において、保険料更新部604は、活動量を用いて保険料を決定する。
次に、ステップS9において、保険料更新部604は、決定した保険料をユーザ10の端末611へ送信し、端末611は、受信した保険料を表示する。その後、ステップS1の処理へ戻り、ステップS1以降の処理が行われる。
図4は、実施の形態1において、記事表示部608によって表示される表示画面の一例を示す図である。表示画面701は、ユーザ20の友達が投稿した記事を表示している。記事702〜703は、ユーザ20の友達関係にあるユーザのそれぞれによって送信された記事を表している。この中で、記事702,703,704は、ユーザ20の友達であるユーザ10によって送信された記事であり、記事705,706は、ユーザ20の他の友達であるユーザ30によって送信された記事である。表示画面701が表示されることで、ユーザ20は、友達であるユーザ10及びユーザ30の近況を知ることができる。
記事702,703は、ユーザ10自身が入力した記事ではなく、活動量送信部602が送信した、活動量取得部601によって取得された活動量情報である。すなわち、ユーザ10の活動量は、ユーザ20に閲覧可能な状態になっている。記事702は、歩数計によって取得されたユーザ10の1日の歩数を表している。記事703は、血圧計によって取得されたユーザ10の血圧を表している。
保険料更新部604は、記事702,703と同様の内容の活動量情報を活動量送信部602から受信し、受信した活動量情報に応じて、ユーザ10の保険料を更新する。ユーザ10の活動量は、ユーザ10の友達(ユーザ20及びユーザ30)に閲覧可能な状態である。そのため、ユーザ10が、活動量取得部601を、他人、例えば子供に装着して活動量情報を偽造した場合、偽造したことが友達に知られることとなり、友達の信頼を失うこととなる。このことが抑止力となり、ユーザ10は、活動量を偽造することが困難となる。本実施の形態の構成により、活動量が真実である可能性が高い状態において、保険料を更新することができるので、保険会社は保険のリスクを低減することができるという格別の効果を奏することができる。
図5は、実施の形態1において、更新された保険料をユーザ10に通知する表示画面の一例を示す図である。図5では、一ヶ月の平均歩数(一日分)に応じて保険料が増減することが明記され、さらに、一ヶ月の平均歩数(一日分)により決定された今月分の保険料が提示されている。保険料更新部604は、一ヶ月の平均歩数(一日分)が多くなるにつれて、保険料を安くする。図5に示す表示画面では、ユーザの平均歩数が10000歩から12000歩の間であったため、保険料更新部604は、一ヶ月の保険料を5000円に決定する。
このように、保険料とともに活動量が表示されることで、ユーザ10は、自分の活動が保険料に与える影響を認識することができ、その結果、保険料を低減させるための活動を行うようになる。保険料が低減することはユーザ10のメリットである。また、ユーザ10が健康になることで、保険リスクがより一層低下する。保険リスクが低下することは、保険会社のメリットである。なお、図5で例示した保険料は、保険会社のサーバ606からユーザ10の端末611(スマートフォンなど)にメールで送信してもよい。また、図5で例示した保険料は、保険会社のサーバ606からユーザ10の端末611に、図5の表示画面を表示するためのインターネットのアドレス(URL)をメールで送信してもよい。さらに、図5で例示した保険料は、郵送でユーザ10に通知されてもよい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における保険料更新システムの構成を示す図である。図6に示す保険料更新システムは、活動量取得部601、活動量送信部602、SNS管理部603、保険料更新部604、記事送信部607、記事表示部608,609及び交流度決定部901を備える。
図6において、交流度決定部901は、ユーザ10(契約者)と、ユーザ10が送信した記事を閲覧する閲覧者とがどの程度の交流関係であるかを示すSNSリアル交流度を決定する。交流度決定部901は、SNS管理部603に保存された投稿記事又はユーザの属性情報に基づいてSNSリアル交流度を決定する。ユーザ10が送信した記事を閲覧する閲覧者がシステム内のみの仮想的な友達である場合、SNSリアル交流度は低くなる。また、ユーザ10が送信した記事を閲覧する閲覧者が、実際に会ったことがあり、通常の社会的な交流がある現実の友達である場合、SNSリアル交流度は高くなる。SNSリアル交流度は、例えば数値で表されるが、本発明は特にこれに限定されず、所定値に対して高いか低いかのレベルで表されてもよい。
保険料更新部604は、実施の形態1で説明した構成と基本的には同一であるが、交流度決定部901によって決定されたSNSリアル交流度をさらに利用して、保険料を更新する点が異なる。保険料更新部604は、交流度決定部901によって決定されたSNSリアル交流度に応じて契約の内容を決定する。
一例として、ソーシャルネットワーキングサービスを提供するサービスプロバイダのサーバ605と、保険会社のサーバ606とは、それぞれ異なる事業主によって運営されている。サーバ605はSNS運営会社によって運営され、サーバ606は保険会社によって運営されている。SNS運営会社は、あらかじめ定められた契約のもと、保険会社に対し、SNSリアル交流度を提供する。保険会社は、SNSリアル交流度の提供に応じて、SNS運営会社に対し、情報料を支払う。SNS運営会社のサーバ605は、外部のコンピュータシステムからの要求に応じてSNSリアル交流度を提供するためのAPI(アプリケーションインターフェース)を持つ。保険会社のサーバ606に含まれる保険料更新部604は、サーバ605のAPIにアクセスし、契約を結んでいる会社であることを示す認証コードと、対象となるユーザ10を識別するユーザIDとを渡すことで、ユーザ10に関するSNSリアル交流度を受け取る。
図6における交流度決定部901及び保険料更新部604以外の構成要素は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
交流度決定部901の説明をする前に、実施の形態1における課題を説明する。実施の形態1では、ユーザ10の活動量情報に応じて保険料を更新しているが、活動量情報はSNS管理部603によってSNSに開示され、ユーザ10の友達(ユーザ20)に対して活動量情報が閲覧可能となる。これにより、ユーザ10による活動量情報の偽造を抑制している。しかし、ユーザ10の友達が、システム内のみの仮想的な友達である場合、ユーザ10は、活動量情報を偽造することを躊躇しないかもしれない。ユーザ20が、システム内のみの交流で、ユーザ10と実際に会ったこともない場合、ユーザ10の活動量情報の偽造を、ユーザ20は見抜けない可能性が高い。また、活動量情報の偽造をユーザ20が見抜けたとしても、システム内だけの友達の信用を失ったところで、ユーザ10にとってのデメリットも小さい。したがって、活動量情報のSNSでの公開が、活動量情報の偽造を阻止するための抑止力にならない可能性がある。
この課題を解決するため、実施の形態2においては、保険料更新システムは、SNS管理部603におけるユーザ10の友達関係が、活動量の偽造を阻止するための抑止力になるだけの友達関係であることを示すSNSリアル交流度を決定する交流度決定部901を備える。保険料更新部604は、決定されたSNSリアル交流度に基づいて、保険料を更新する。
交流度決定部901は、下記に例示する様々な方法によりSNSリアル交流度を決定することが可能であるが、SNSリアル交流度の決定方法は、二つに大別できる。第一の方法は、ユーザが、仮想的な属性ではなく、リアルな属性をSNS側に提示しているか否かに応じてSNSリアル交流度を決定する。第2の方法は、SNS側に提示されたリアルな属性によって、SNSでの交流を行っているか否かに応じてSNSリアル交流度を決定する。
実際の姿が見えないインターネットの世界では、リアルな属性を隠して、仮想的な人格を作って、他人と交流することが可能となる。典型的には、性別を偽ってインターネット上で交流することも可能である。このような状態では、例え活動量をSNS管理部603に送信して閲覧可能なシステムであったとしても、活動量の偽造を控えようという抑止力にはならない。なぜならば、最初から、近況を示す記事の多くが偽造されているからである。
従って、仮想的な人格ではなく、リアルな人格のリアルな属性をSNS側に提示していることは、それだけで、SNSでの記事の信憑性を高めることになる。少なくとも、実名を公表した上で、性別を偽った記事を投稿することはできない。すなわち、実名を公表していれば、活動量の偽造を阻止するための抑止力になる。この観点が、上記の第1の方法によるSNSリアル交流度の決定方法の基本的な考え方である。
さらに、SNS上で、リアルな属性を公開した上で、リアルな友達と交流が行われていることが確認できれば、より一層、SNSでの記事の信憑性が高まる。通常の人間は、社会的であるがゆえに、リアルな友達の信用を失うようなことは控える。従って、SNS上で他のユーザと交流していれば、より一層、活動量の偽造を阻止するための抑止力となる。この観点が、上記の第2の方法によるSNSリアル交流度の決定方法の基本的な考え方である。
第1の方法による、SNSリアル交流度の決定方法を、下記に例示する。
(1)交流度決定部901は、ユーザ10(契約者)によって送信された記事とともに、ユーザ10の本名が閲覧者に閲覧可能に表示される場合、SNSリアル交流度を高くする。また、交流度決定部901は、取得されたユーザ10(契約者)の公的身分証明書の画像と、ユーザ10によって登録されたユーザ10の本名とが一致する場合、本名が本物であると判断し、SNSリアル交流度を高くする。
SNS管理部603に登録されているユーザのアカウント名が偽名ではなく、本名であり、且つ、本名であることを証明する公的身分証明書がSNS管理部603に提示された場合、SNSリアル交流度はより高くなる。公的身分証明書は、例えば、運転免許証又は保険証等を含む。公的身分証明書は、SNS管理部603を運営するスタッフに対面して提示する必要はない。端末611は、運転免許証又は保険証をスキャナで電子画像化し、その画像をSNS管理部603に送信してもよい。さらに、SNS管理部603は、送信された画像からテキストを読み取り、読み取ったテキストと、ユーザによって入力された名前とを照合してもよい。つまり、公的身分証明書の提示は、人手ではなく、コンピュータを用いた方法又は装置で実現可能である。
なお、運転免許証又は保険証の画像は、ユーザの住所を含む。そのため、当然、ユーザの住所がSNS管理部603に提示された場合は、SNSリアル交流度はより高くなる。すなわち、交流度決定部901は、ユーザ10(契約者)によって送信された記事とともに、ユーザ10の住所が閲覧者に閲覧可能に表示される場合、SNSリアル交流度を高くしてもよい。また、交流度決定部901は、取得されたユーザ10(契約者)の公的身分証明書の画像と、ユーザ10によって登録されたユーザ10の住所とが一致する場合、住所が本物であると判断してもよい。
(2)交流度決定部901は、ユーザ10(契約者)によって送信された記事とともに、ユーザ10の顔画像が閲覧者に閲覧可能に表示される場合、SNSリアル交流度を高くする。SNSにおけるユーザのアカウントのアイコン画像が、風景、静物又は絵などではなく、ユーザの顔写真であれば、SNSリアル交流度はより高くなる。
(3)SNSにおいて公開されているユーザの顔画像が、ユーザによって送信された運転免許証等の公的身分証明書に含まれる顔画像と同じであれば、SNSリアル交流度はより高くなる。すなわち、交流度決定部901は、取得されたユーザ10(契約者)の公的身分証明書の画像と、ユーザ10によって登録されたユーザ10の顔画像とが一致する場合、顔画像が本物であると判断し、SNSリアル交流度を高くする。
(4)出身校又は会社などの、ユーザが帰属する団体に関する情報と、ユーザの氏名とが登録された場合、SNS管理部603は、団体名と氏名とを検索キーワードとして、インターネット検索を行う。その結果、登録された団体に登録された氏名の人物が存在することが確認された場合、SNSリアル交流度はより高くなる。例えば、登録された団体名と氏名とが記載された学術論文が検索結果に含まれる場合、登録された氏名の人物が登録された団体に帰属している可能性は高い。
また、検索結果に含まれる学術論文の末尾の顔写真と、アカウントのアイコンの顔写真とを、顔認証技術により照合し、同一の人物であると判定された場合、SNSリアル交流度はより高くなる。
また、SNS管理部603は、公開されている特許文献の中から、登録された団体名(出願人)と登録された氏名(発明者)とを検索してもよい。その結果、登録された団体及び登録された氏名を含む特許文献が存在する場合、SNSリアル交流度はより高くなる。インターネット検索は、いわゆる検索サービスのWebサイトによる全Webページを対象にしたものでもよい。また、例えば学術論文の検索は、論文専用のWebサイトに対してのみ行ってもよい。さらに、特許文献の検索は、特許データベースに対してのみ行ってもよい。また、公的な文書である学術論文又は特許文献よりも信頼度は落ちるが、SNS管理部603は、登録された帰属団体又は登録された帰属団体に関連する団体が運営するWebサイト(出身校の同窓会、大学の研究室、又は団体の関係者によるスポーツイベントの記録など)に、登録された氏名が存在するか否かを判断してもよい。登録された氏名が存在する場合、SNSリアル交流度はより高くなる。
また、SNS管理部603は、ある名前の人物が全国に何人いるかを集計しているWebサイトを利用し、登録された名前の人物が所定数以上である場合、登録された名前の人物が所定数より少ない場合に比べ、SNSリアル交流度は低くなる。こうすれば、同姓同名の人物を誤って認識してしまった場合のリスクを軽減することができる。逆に、登録された名前が非常に珍しい名前である場合、すなわち、登録された名前の人物が所定数より少ない場合、SNSリアル交流度は高くなることはいうまでもない。
(5)氏名と共に、住所が登録された場合は、SNSリアル交流度は高くなる。例えば、郵便局のWebサイトを利用し、登録された住所がでたらめなものでなく、確かに存在する住所であると判定できた場合は、SNSリアル交流度はより高くなる。さらに、登録された郵便番号が、登録された住所を示す場合は、SNSリアル交流度はより高くなる。また、スマートフォンによって住所が登録される場合、スマートフォンで取得したGPS信号からユーザが登録を行っている位置を特定し、特定した位置が、登録された住所と一致した場合は、SNSリアル交流度はより高くなる。
なお、第1の決定方法は上記の方法に限るものではなく、ユーザのリアルな属性がSNSにどれくらい提示されているかを評価するものであれば、他の方法も用いることができる。
続いて、第2の方法による、SNSリアル交流度の決定方法を、下記に例示する。
(6)上記(1)の方法によって本名であると確認されたアカウント名がSNS内において他のユーザによって検索され、その検索結果により、アカウント名に対応するユーザと他のユーザとがSNS上の友達関係となった場合、SNSリアル交流度はより高くなる。なお、SNS上の友達関係となるとは、ユーザ同士を友達として関連付けることである。例えば、ユーザ20がユーザ10とSNS上の友達になることを所望する場合、ユーザ20は、ユーザ10に対してSNS上の友達になってもよいかを確認する。そして、ユーザ10によって承認された場合、ユーザ10とユーザ20とは友達として関連付けられる。その場合、ユーザ10を識別するための識別情報に対して、ユーザ20を識別するための識別情報が対応付けられて記憶される。また、上記の方法で友達関係となったユーザの数が多いほど、SNSリアル交流度はより高くしてもよい。
すなわち、SNS管理部603は、ユーザ10(契約者)と、ユーザ10と友達関係にある閲覧者とを関連付けて記憶する。交流度決定部901は、ユーザ10の本名が閲覧者によって検索された回数、又はユーザ10の本名を検索した閲覧者とユーザ10とが友達関係であるとして関連付けられたが多い場合、SNSリアル交流度を高くする。
(7)上記(3)の方法によって公的身分証明書に含まれる顔画像と同じであると判定されたユーザ10の顔画像を含む画像が、ユーザ10以外の他のユーザから送信された場合、SNSリアル交流度はより高くなる。すなわち、SNS管理部603は、ユーザ10以外の他のユーザから送信された画像に、ユーザ10の顔画像が含まれているか否かを判断し、他のユーザから送信された画像に、ユーザ10の顔画像が含まれていると判断された場合、所定のSNSリアル交流度をユーザ10に付与する。また、他のユーザから送信された画像に、ユーザ10とSNS上の友達関係にあるユーザ20の顔画像が含まれている場合、SNSリアル交流度はより高くなる。さらに、ユーザ20の顔画像が、上記(3)の方法によって公的身分証明書に含まれる顔画像と同じであると判定された場合、SNSリアル交流度はより高くなる。
交流度決定部901は、ユーザ10(契約者)の顔画像と同一の顔であると判断できる顔画像を含む画像が閲覧者から送信された数が多い場合、SNSリアル交流度を高くする。
(8)SNSリアル交流度が高いユーザと友達関係であれば、SNSリアル交流度はより高くなる。すなわち、SNS管理部603は、ユーザ10と友達関係にある他のユーザのSNSリアル交流度が所定値以上である場合、所定のSNSリアル交流度をユーザ10に付与する。SNS管理部603は、ユーザ10(契約者)と友達関係にある閲覧者とを関連付けて記憶する。交流度決定部901は、SNS管理部603においてユーザ10と友達関係にあるとして関連付けられている閲覧者のSNSリアル交流度の高さに応じて、ユーザ10のSNSリアル交流度を決定する。
交流度決定部901は、上記の(1)〜(8)で説明した条件を満たす毎に所定の値のSNSリアル交流度をユーザ10に付与する。例えば、ユーザ10が本名をSNS上で公開している場合、交流度決定部901は、SNSリアル交流度“10”をユーザ10に付与し、ユーザ10が住所をSNS上で公開している場合、交流度決定部901は、SNSリアル交流度“10”をユーザ10に付与する。交流度決定部901は、付与されたSNSリアル交流度を合算する。
なお、第2の決定方法は上記の方法に限るものではなく、ユーザのリアルな友達との交流がSNSにどれくらい反映されているかを評価するものであれば、他の方法も用いることができる。
図7は、本発明の実施の形態2における保険料更新システムの動作を説明するためのフローチャートである。
ステップS21〜ステップS27の処理は、図3のステップS1〜S7の処理と同じであるので、説明を省略する。
保険料更新タイミングであると判断された場合(ステップS27でYES)、ステップS28において、保険料更新部604は、交流度決定部901に対してSNSリアル交流度を要求し、交流度決定部901は、SNSリアル交流度を決定して保険料更新部604へ送信する。なお、交流度決定部901は、上述した方法により、SNSリアル交流度を決定する。
次に、ステップS29において、保険料更新部604は、受信した活動量と、交流度決定部901によって決定されたSNSリアル交流度とを用いて保険料を決定する。なお、活動量とSNSリアル交流度とを用いて保険料を決定する方法については、後述する。
次に、ステップS30において、保険料更新部604は、決定した保険料をユーザ10の端末611へ送信し、端末611は、受信した保険料を表示する。その後、ステップS21の処理へ戻り、ステップS21以降の処理が行われる。
以上のように決定されたSNSリアル交流度を用いて保険料を決定する例を、図8に示す。図8は、実施の形態2において、SNSリアル交流度を用い更新された保険料をユーザ10に通知する表示画面の一例を示す図である。図5と異なる点は、横軸の数値が、歩数ではなく、保険料削減寄与度となっている点である。保険料削減寄与度は、以下の式(1)に示すように、一日の平均歩数と、交流度変換値とを乗算して求める。
保険料削減寄与度=一日の平均歩数×交流度変換値・・・・(1)
取得された歩数計の数値が、偽造されていないと十分に信用できるだけのリアルさがSNSに反映されている場合、交流度変換値は“1”となり、取得された歩数計の数値が、まったく信用できない場合、交流度変換値は“0”となる。例えば、第1の方法及び第2の方法により決定したSNSリアル交流度が、所定の閾値以上である場合、交流度変換値は1に設定され、SNSリアル交流度が閾値より小さい場合、交流度変換値は、閾値でSNSリアル交流度を除算した値に設定される。これにより、交流度変換値は、0から1までの値になる。
SNSリアル交流度を用いて算出した交流度変換値を、歩数に乗算することで、保険料削減寄与度は、0から歩数までの値となる。すなわち、交流度変換値が1ということは、ユーザ同士のリアルな交流がSNSに十分に反映されており、SNS管理部603に送信された歩数が十分に確からしいということであり、保険料削減寄与度は、活動量取得部601が取得した値そのものになる。一方、交流度変換値が0.5ということは、ユーザ同士のリアルな交流がSNSに十分に反映されておらず、SNS管理部603に送信された歩数が半分程度しか信用できないということであり、保険料削減寄与度は、活動量取得部601が取得した値の半分となる。保険料更新部604は、このように算出された保険料削減寄与度を用いて、図8に示すグラフにより、保険料を更新する。図8に示すグラフからわかるように、交流度変換値が0、すなわち、リアルな交流がSNSにまったく反映されていない場合は、保険料削減寄与度も0となり、取得された歩数が多くても、保険料が削減されることはない。
本実施の形態2では、前記したように、ユーザ10がSNSに活動量を記事として投稿することを条件に保険会社がユーザ10と医療保険契約又は生命保険契約を結び、SNSリアル交流度に応じて保険料が更新されるが、本発明はその限りではない。保険会社は、保険契約前に、ユーザ10のSNSリアル交流度が一定の基準を満たすか否かを判定し、SNSリアル交流度が一定の基準を満たさなければ、SNSに活動量を投稿することを条件とする保険契約を拒否してもよい。
SNS管理部603を備えるサーバ605は、交流度決定部901を備え、サーバ605を運営するサービスプロバイダは、決定したSNSリアル交流度を保険会社に販売してもよい。また、保険会社が運営するサーバ606は、交流度決定部901を備えてもよい。また、保険会社及びSNSのいずれのサービスプロバイダでもない第3のサービスプロバイダが運営するサーバが、交流度決定部901を備えてもよい。
前記したように、実施の形態2によれば、交流度決定部901により、リアルな交流がSNSに反映されている度合に応じて、保険料を更新することができる。これにより、保険料の更新に伴うリスクをより一層低減できるという、格別の効果を奏することができる。
なお、SNSリアル交流度は、単一の数値である必要はなく、n次元のベクトルデータであってもよい。例えば、SNSリアル交流度は、第1の数値及び第2の数値の二つの数値で構成されもよく、第1の数値は、SNS側に提供したリアルな属性の量を示し、第2の数値は、SNS上での他のユーザとの交流度を示してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態2は、交流度決定部901を実施の形態1に応用するものであったが、交流度決定部901は、そのほかの形態にも応用できる。
図9は、本発明の実施の形態3におけるサービス提供システムの構成を示す図である。実施の形態3は、交流度決定部901を利用する別の実施の形態である。図9に示すサービス提供システムは、SNS管理部603、記事送信部607、記事表示部608,609、交流度決定部901及びサービス提供者システム1101を備える。
図9において、サービス提供者システム1101は、ユーザ10に対してある種のサービスを提供するサービス提供者が運営するコンピュータシステムである。ここで言うサービス提供者とは、ある種のリスクを負いながら、ユーザ10から対価を受け取り、ある種のサービスを提供する業務を行う業者を広く示している。このようなサービス提供者は、典型的には、レンタル業者又は融資会社である。
レンタル業者は、対価を受け取り、物品を貸し出すことを業務とするが、常に、貸した物品が返却されないというリスクを負っている。そのリスクを低減するため、レンタル業者は、例えば利用者に対して、運転免許証の提示を求める。これは、貸した物品が返却されない際に、利用者に連絡することで、リスクを低減しようとするものである。また、レンタル業者は、物品が利用者から返却されないことを想定し、その対策として、盗難保険に加入する。
運転免許証の提示によって、利用者の身元が明らかになることは、運転免許証が提示されない場合に比べて、確かにリスクの低減につながる。しかしながら、一部の利用者が物品を返却しないというリスクをなくしてしまうことはできない。さらに、リスクは、盗難保険に加入することによって低減できるが、盗難保険の保険料は、レンタルの対価に上乗せされる。つまり、レンタル業の利用者は、一部の利用者のために、当人に窃盗する気がないにもかかわらず、レンタル業者に、物品が窃盗されるかもしれないとみなされ、その分のリスクが、レンタル料に上乗せされているというのが現状である。このことは、レンタル業者と利用者との双方にとってのデメリットである。
本実施の形態3は、前記したようなデメリットを、SNS管理部603と交流度決定部901とを利用することで、解決するものである。
図9において、ユーザ10は、SNS管理部603によって管理されるSNSのアカウントを持っている。さらに、ユーザ10は、リアルな友達であるユーザ20及びユーザ30と、SNS管理部603によって管理されるSNSにおいても交流している。
サービス提供者システム1101は、ユーザ10に対してサービスを提供するサービス提供者が運営する、コンピュータを用いたシステムであり、SNS管理部603によって管理されるSNSのアカウントを持っている。
ユーザ10は、サービス提供者に対して、サービスの提供を依頼する。例えば、端末611は、サービス提供者システム1101に対して、物品のレンタルを依頼する。サービス提供者システム1101は、交流度決定部901によって決定されたユーザ10に関するSNSリアル交流度を取得する。サービス提供者システム1101は、取得したSNSリアル交流度が十分高いか否か、すなわち、取得したSNSリアル交流度が所定値以上であるか否かを判断する。SNSリアル交流度が十分高いと判断された場合、サービス提供者システム1101は、ユーザ10のアカウントに対して、友達として関連付けることを承認するための友達承認依頼を送信するようにSNS管理部603に指示する。ユーザ10は、友達承認依頼を承認する。すると、SNS管理部603は、ユーザ10とサービス提供者とを友達として関連付ける。これにより、図10で図示したような関係が構築される。
なお、SNSリアル交流度が低いと判断された場合、すなわち、SNSリアル交流度が所定値より小さいと判断された場合、サービス提供者システム1101は、ユーザ10の端末611に対し、物品を貸し出すことができないことを通知してもよい。このように、サービス提供者システム1101は、交流度決定部901によって決定されたSNSリアル交流度に応じてレンタル契約において契約者に物品をレンタルするか否かを決定する。
図10は、サービスの提供が開始される際のユーザとサービス提供者との関係を説明するための模式図である。ユーザ10とサービス提供者システム1101とは、SNS上の友達として関連付けられている。また、ユーザ10のリアルな友達であるユーザ20及びユーザ30と、ユーザ10とは、SNS上の友達として関連付けられている。このような関係が構築されたことを確認したサービス提供者は、ユーザ10から対価を受け取った上で、サービスの提供、すなわち物品のレンタルを行う。
図11は、返却期限が経過する前に、ユーザ10が物品を返却した場合のユーザとサービス提供者との関係を説明するための模式図である。物品の返却が確認された後、サービス提供者システム1101は、サービス提供者システム1101のアカウントと、ユーザ10のアカウントとにおける友達関係を破棄するようにSNS管理部603に指示する。SNS管理部603は、サービス提供者システム1101とユーザ10との友達としての関連付けを破棄する。これにより、レンタルに関する商行為は完了する。
図12は、返却期限が経過しても、ユーザ10が物品を返却していない場合のユーザとサービス提供者との関係を説明するための模式図である。返却期限を経過しても物品が返却されない場合、サービス提供者システム1101は、SNS管理部603によってユーザ10の友達として関連付けられているユーザ20とユーザ30とに対し、ユーザ10が物品を返却していないというメッセージを送信するようにSNS管理部603に指示する。メッセージの送信は、例えばFacebook(登録商標)におけるメッセージ機能を用いることが可能である。SNSが例えばFacebook(登録商標)である場合、メッセージは友達の友達に対して送信できるので、サービス提供者システム1101がユーザ10とSNS上の友達になっていれば、サービス提供者システム1101はユーザ20及びユーザ30に対してメッセージを送信できる。
ユーザ10にとって、リアルな友達に、物品を返却していないというメッセージが送られることは、大変な不名誉である。従って、サービス提供者システム1101が、ユーザ10とSNS上の友達として関連付けられていることは、物品の持ち逃げに対する強力な抑止力となりうる。つまり、サービス提供者にとっては、交流度決定部901によって決定されたSNSリアル交流度に基づいてSNS上にリアルな友達との交流が反映されていることを確認し、契約者の友達にメッセージを送信できる状況を設定することで、盗難のリスクを大きく低減することができる。したがって、レンタル業者は、盗難保険の保険料を低減できるので、レンタル料を安くすることができる。これは、レンタル業者と利用者との双方にとってのメリットとなる。
なお、本実施の形態3では、サービス提供者システム1101がユーザ10のSNS上の友達となるとしたが、この構成は必須ではない。交流度決定部901によって決定されたSNSリアル交流度により、ユーザ10が健全な社会的な交流を営んでいる人物であり、物品を持ち逃げするような人物ではないと確認できるだけでも、物品の盗難に関するリスクを低減することができる。
なお、本実施の形態3では、サービス提供者は、物品を貸し出すサービスを提供するとしているが、本発明は他のサービスでも適用可能である。例えば、サービス提供者は、融資するサービスを提供してもよい。この場合、物品とはお金であり、物品の返却とは、利子を伴うお金の返却となる。
すでに、インターネット上には、融資の手続きに必要な書類をすべて電子的に送信するだけで、指定した銀行口座に入金される、融資システムが存在する。顧客は、運転免許証のような身分証明書の画像を送信することで、融資の審査を受ける。このような融資システムでは、顧客は、自宅でパーソナルコンピュータを操作するだけで簡便に融資を受けることができるが、身分証明書の画像を送信しなければならないという手間が必要になる。また、融資システムは、電子的に身分証明書を受け取るが、受け取った身分証明書を確認するのは人間であり、融資の審査に人手が必要であるという課題が存在している。
本実施の形態3におけるサービス提供システムは、上記のような融資システムに応用することができる。まず、あらかじめ、融資会社は、SNSを提供するサービスプロバイダと、SNSリアル交流度の提供を受けるための、契約を結んでおく。そして、SNS管理部603は、SNSのWebサイト内に、融資の申請を受け付けるページを開設する。融資を受けたい顧客は、SNSにログインする。そして、SNSのWebサイト内に開設された融資ページに移動し、融資の申請を行う。
この時、SNS管理部603は、融資会社のサービス提供者システム1101の融資受付のAPIをコールする。SNS管理部603は、顧客のSNS上のIDを引数としてコールする。サービス提供者システム1101は、SNSのサービスプロバイダが運営するサーバ605に用意されたSNSリアル交流度を取得するためのAPIを、顧客のSNS上のIDを引数としてコールすることで、SNSリアル交流度を取得する。
サービス提供者システム1101は、取得したSNSリアル交流度が十分高いか否か、すなわち、取得したSNSリアル交流度が所定値以上であるか否かを判断する。SNSリアル交流度が十分に高いと判断された場合、融資の審査に合格したとして、サービス提供者システム1101は、指定された顧客の銀行口座に入金する。
なお、SNSリアル交流度が低いと判断された場合、すなわち、SNSリアル交流度が所定値より小さいと判断された場合、サービス提供者システム1101は、ユーザ10の端末611に対し、融資ができないことを通知してもよい。このように、サービス提供者システム1101は、交流度決定部901によって決定されたSNSリアル交流度に応じて融資契約において契約者に融資するか否かを決定する。
このように、SNSリアル交流度を利用することで、顧客にとっては、身分証明書などを送信することなく、自分の信用を証明することができるという効果を得ることができる。また、融資会社にとっては、SNSリアル交流度という数値データのみで融資の審査を行うので、融資の審査のための人手を大幅に減らすことができるという効果を得ることができる。
上記の実施の形態3によれば、交流度決定部901により、リアルな交流がSNSに反映されていることが確認され、さらにサービス提供者が利用者のSNS上の友達として関連付けられることで、サービス提供者の商行為のリスクを大幅に低減することができ、且つ、利用者が支払う対価も低減することができる。
(実施の形態4)
従来、レンタル業者は、サービスを提供する前に、利用者に対して運転免許証の提示を求めるが、本実施の形態4におけるサービス提供システムによれば、より簡便にサービスを提供することができる。
図13は、実施の形態4において、記事表示部608によって表示される表示画面の一例を示す図である。表示画面1301には、ユーザ10が送信した記事704が表示されるとともに、活動量取得部601によって取得されたユーザ10の活動量が記事703として表示される。ここで、アイコン1302は、ユーザ10の顔画像を表している。アイコン1302は、交流度決定部901によって決定されたユーザ10のSNSリアル交流度1305を含む。SNSリアル交流度1305は、数値で表され、ユーザ10のアイコン1302内の左上部分に表示されている。
図14は、実施の形態4において、記事表示部608によって表示される表示画面内のアイコンの他の例を示す図である。図14におけるアイコン1303は、ユーザ10のSNSリアル交流度が所定の閾値以上である場合、SNSリアル交流度が所定の閾値を超えていることを示すマーク1306を含む。場合にアイコンに付与される図形で表したものである。なお、ユーザ10のSNSリアル交流度が所定の閾値より小さい場合、マーク1306は表示されない。
図15は、実施の形態4において、記事表示部608によって表示される表示画面内のアイコンの他の例を示す図である。図15において、ユーザ10のSNSリアル交流度が所定の閾値以上である場合、アイコン1304の外周部分には、SNSリアル交流度が所定の閾値を超えていることを示す飾りが付与される。
ユーザ10は、サービス提供者にサービスの提供を依頼する際、スマートフォン等の端末に表示される自らのSNSのアカウント画面を提示する。サービス提供者は、提示されたアカウント画面に表示されるSNSリアル交流度に応じて、サービスの提供条件を調整する。
実施の形態2で示した通り、SNSリアル交流度の値は、ユーザ10がSNS側に対して運転免許証などを提示し、アカウント名が本名であることが確認された場合に、高くなる。つまり、サービス提供者は、利用者のSNSのアカウント画面で、SNSリアル交流度が所定の閾値以上であることを確認すれば、運転免許証を確認したことになり、運転免許証の提示を求める必要がなくなる。利用者にとっては、運転免許証を提示しなくてもサービスが受けられるという格別の効果を奏する。
サービス提供者は、ユーザ10のSNSのアカウント画面におけるSNSリアル交流度を確認する。サービス提供者は、ユーザ10のSNSリアル交流度が所定の閾値以上であると判断すると、サービス提供者システム1101に対し、サービス提供者とユーザ10とが友達関係になるための指示を入力する。サービス提供者システム1101は、サービス提供者からの入力を受け付け、ユーザ10のアカウントに対して友達として関連付けることを承認するための友達承認依頼を送信するようにSNS管理部603に指示する。ユーザ10は、友達承認依頼を承認する。SNS管理部603は、ユーザ10とサービス提供者とを友達として関連付ける。これにより、下記の2つの効果が発生する。
第1の効果としては、サービス提供者が、サービス提供者システム1101とユーザ10とが確かにSNS上の友達関係になったことを、サービス提供者システム1101を通じて確認することで、ユーザ10が提示したユーザ10のSNSのアカウント画面が、SNSとは無関係の偽造された画像ではないことを確認できる。
第2の効果としては、ユーザ10とサービス提供者システム1101とが友達関係になったことで、サービス提供者は、ユーザ10に対する問い合わせを、SNS上のユーザ10のアカウントに対して行うことができる。さらには、サービス提供者は、ユーザ10と連絡が取れなくなったときに、ユーザ10の友達として関連付けられている他のユーザに対して問い合わせを行うことができる。このことは、サービスを提供する前にユーザ10に対して住所又は連絡先の記入を求めるのと同様の効果、又はそれ以上の効果を生む。そもそも、サービス提供者が、サービスを提供する前に利用者に住所又は連絡先を求めるのは、レンタルした物品の返却が滞ったときの対策のためであり、とくに利用者に確実に連絡するためである。サービス提供者とユーザ10とがSNS上で友達として関連付けられることで、サービス提供者はSNSを用いてユーザ10に連絡することが可能となり、さらに、ユーザ10の友達として関連付けられている他のユーザにも連絡することが可能となるので、単に住所又は連絡先を知る以上の対策が期待できる。このため、サービス提供者は、利用者に対して住所又は連絡先の記入を求める必要はなくなる。つまり、ユーザ10は、SNSのアカウント画面をサービス提供者に見せ、サービス提供者からの友達承認依頼に対して承認するだけで、サービスの提供を受けることができる。
上記したように、本実施の形態では、SNSリアル交流度が、SNSのアカウント画面のアイコン上に表示される。このため、利用者は、サービスの提供の申し出をする際、SNSのアカウント画面をサービス提供者に提示し、サービス提供者からの友達承認依頼を承認すればよい。これにより、従来行っていた、運転免許証の提示が不要になるとともに、住所又は連絡先の記入が不要になるという、格別の効果を奏することができる。
上記の実施の形態において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現されうる。しかし、上記の実施の形態において説明された技術が実現されるクラウドサービスの類型はこれに限られるものではない。
(サービスの類型1:自社データセンタ型クラウドサービス)
図16は、サービスの類型1(自社データセンタ型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。本類型は、サービスプロバイダ120がグループ100から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する。本類型では、サービスプロバイダ120が、データセンタ運営会社の機能を有している。すなわち、サービスプロバイダ120が、ビッグデータを管理するクラウドサーバ203を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
本類型では、サービスプロバイダ120は、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、オペレーティングシステム(OS)202及びアプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS202及びアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
(サービスの類型2:IaaS利用型クラウドサービス)
図17は、サービスの類型2(IaaS利用型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築及び稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社110が、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、OS202及びアプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS202及びアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
(サービスの類型3:PaaS利用型クラウドサービス)
図18は、サービスの類型3(PaaS利用型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築及び稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社110は、OS202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、アプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS202及びサービスプロバイダ120が管理するアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
(サービスの類型4:SaaS利用型クラウドサービス)
図19は、サービスの類型4(SaaS利用型クラウドサービス)における情報提供システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。SaaS利用型クラウドサービスは、例えば、データセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社又は個人などの利用者がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社110は、アプリケーション201を管理し、OS202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営及び管理している。また、サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS202及びアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
以上、いずれのクラウドサービスの類型においても、サービスプロバイダ120がサービスを提供する。また、例えば、サービスプロバイダ又はデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーション又はビックデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。