JPWO2014171421A1 - 固液分離装置及び固液分離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
凝集沈殿装置を、外筒、内筒水槽間の中間領域を4枚の仕切板により均等に4分割した上記第2実施形態に対応するものとし、処理水のSS濃度を測定した。
凝集沈殿装置を、中間領域を仕切板により分割しない従来と同様なものとし、処理水のSS濃度を測定した。
技術分野
[0001]
本発明は、固液分離装置及び固液分離方法に関する。
背景技術
[0002]
従来、固液分離装置として以下の特許文献1に記載の装置が知られている。この固液分離装置は、有底円筒状の外筒水槽の内部に有底円筒状の内筒水槽を収容すると共に外筒水槽の底部と内筒水槽の底部とが離隔する2重水槽構造を呈している。そして、この固液分離装置では、凝集剤が供給された原水を内筒水槽内の下部に導入することで、内筒水槽内にフロック成長ゾーンを形成し、内筒水槽内から溢流するフロックを外筒水槽と内筒水槽との間に円筒状に形成されるフロック沈降ゾーンにおいて沈降分離させ、外筒水槽の底部に沈降した濃縮フロックを排出する一方で、フロックから分離され上昇した処理水を外筒水槽の上部から排出するようになっている。
先行技術文献
特許文献
[0003]
特許文献1:特開2010−274199号公報(図3)
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0004]
ここで、上記固液分離装置にあっては、処理水の清澄度は高い方が良いことから、処理水の清澄度をより高めたいという要望がある。
[0005]
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、処理水を一層清澄にすることができる固液分離装置及び固液分離方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006]
本発明の一形態に係る固液分離装置は、被処理水中の固形物を固液分離する固液分離装置であって、被処理水を導入する被処理水導入部と、被処理水
導入部から導入された被処理水中の固形物を捕捉し、フロックとして成長させるフロック成長ゾーンと、フロック成長ゾーンで成長したフロックを、フロック成長ゾーンから一方向に下降させる下降流ゾーンと、下降流ゾーンから下降してきたフロックをフロック成長ゾーン通過後の被処理水から分離する分離ゾーンと、分離ゾーンにおいてフロックが分離された被処理水を上昇させる上昇流ゾーンと、を備え、下降流ゾーンと上昇流ゾーンは分離している。本発明の一形態に係る固液分離装置は、被処理水中の固形物を固液分離する固液分離装置であって、被処理水を導入する被処理水導入部と、被処理水導入部から導入された被処理水中の固形物を捕捉し、フロックとして成長させるフロック成長ゾーン形成部と、フロック成長ゾーン形成部で成長したフロックを、フロック成長ゾーン形成部から一方向に下降させる下降流ゾーン形成部と、下降流ゾーン形成部から下降してきたフロックをフロック成長ゾーン形成部通過後の被処理水から分離する分離ゾーン形成部と、分離ゾーン形成部においてフロックが分離された被処理水を上昇させる上昇流ゾーン形成部と、を備え、下降流ゾーン形成部と上昇流ゾーン形成部は分離している。
[0007]
本発明の一形態に係る固液分離装置によれば、フロック成長ゾーンで成長したフロックが、フロック成長ゾーンから下降流ゾーンをスムーズに下降し、スムーズに分離ゾーンへ運ばれて被処理水から分離される。分離ゾーンにおいてフロックが分離された被処理水は上昇流ゾーンをスムーズに上昇する。このように、下降流ゾーン、分離ゾーン、及び上昇流ゾーンによる被処理水の流れが形成されるため、フロックの沈降が上昇流により妨げられたり、フロックが上昇流に乗って上昇してしまうことを抑制できる。従って、処理水のSS濃度を低くでき、処理水を一層清澄にすることができる。固液分離装置において、下降流ゾーンと上昇流ゾーンは分離していてよい。このような構成により、フロックの沈降が上昇流により妨げられたり、フロックが上昇流に乗って上昇してしまうことをより確実に抑制できる。
[0008]
固液分離装置において、上昇流ゾーンと下降流ゾーンは上下方向から見たときに異なる位置に形成され、上昇流ゾーンの下端側の領域と下降流ゾーンの下端側の領域は分離ゾーンを介して連通していてよい。このような構成により、被処理水が下降流ゾーンを下降し、当該下降流ゾーンの下端側の領域から分離ゾーンへ流れ、分離ゾーンを通過して下端側の領域から上昇流ゾーンへ流れて、当該上昇流ゾーンを上昇するような流れが形成される。上昇流ゾーンと下降流ゾーンは上下方向から見たときに異なる位置に形成されているため、フロックの沈降が上昇流により妨げられたり、フロックが上昇流に乗って上昇してしまうことを抑制できる。
[0009]
固液分離装置は、第一の底部と第二の底部とからなる2重底構造を呈し、分離ゾーンが第一の底部と第二の底部の間にあってよい。このような構成により、第一の底部と第二の底部の間の十分なスペースを分離ゾーンとすることができる。
[0010]
[0011]
固液分離装置において、下降流ゾーンと上昇流ゾーンは仕切られていてよい。このような構成により、仕切りを設けるだけの簡単な構成にて、下降流ゾーンと上昇流ゾーンとを分離することができる。
[0012]
固液分離装置において、下降流ゾーンと上昇流ゾーンは互いに離間していてよい。このような構成により、下降流ゾーンと上昇流ゾーンとの間の距離を確保することで、分離ゾーンでの横流沈殿距離を十分に確保することができる。
[0013]
固液分離装置において、第一の底部を備えた有底筒状の外筒水槽の内部に第二の底部を備えた有底筒状の内筒水槽を収容し、外筒水槽と内筒水槽との間の環状の中間領域を備え、内筒水槽の上端から下端まで設けられ、環状の中間領域を周方向に沿って複数の領域に分割する複数の仕切板が設けられることで、下降流ゾーンと上昇流ゾーンを仕切ってよい。このような構成により、内筒水槽内には、原水の上昇流によりフロックが成長するフロック成長ゾーンが形成され、フロック成長ゾーンで成長したフロックは、内筒水槽上端から下降流ゾーンに溢流して、当該下降流ゾーンを下向流に乗ってスムーズに沈降し、外筒水槽内の第二の底部にスムーズに運ばれて堆積すると共に、当該フロックに同伴した被処理水は、外筒水槽内の第二の底部でフロックから分離されて、下降流ゾーンと仕切板により仕切られた上昇流ゾーンを上昇流に乗ってスムーズに上昇し上方に運ばれていく。このように、フロックを下向流により沈降させて外筒水槽内の第二の底部に運ぶ下降流ゾーンと、フロックから分離された被処理水を外筒水槽内の第二の底部から上昇流により上昇させて上方に運ぶ上昇流ゾーンとが仕切板で分けられ一方方向の流れが形成される。従って、フロックの沈降が上昇流により妨げられたり、フロックが上昇流に乗って上昇してしまうということを抑制できる。従って、処理水のSS濃度を低くでき、処理水を一層清澄にすることができる。
[0014]
固液分離装置において、仕切板で仕切られた下降流ゾーンに対応する内筒
水槽上端を、下降流ゾーンの隣の領域の内筒水槽上端より低く設定してよい。このような構成により、下降流ゾーンに対応する内筒水槽上端からフロックを溢流させ易くすることができる。
[0015]
固液分離装置において、仕切板で仕切られた下降流ゾーンに対応する内筒水槽下端及び仕切板の下端を、上昇流ゾーンの内筒水槽下端より下方に延ばしてよい。このような構成により、下降流ゾーンに対応する内筒水槽下端及び仕切板の下端が、上昇流ゾーンの内筒水槽下端より下方に延びていることから、下降流ゾーンを沈降するフロックが、上昇流ゾーンを上昇する被処理水に巻き上げられるということが抑止され、処理水を一層清澄にすることができる。
[0016]
本発明の一形態に係る固液分離方法は、フロック成長ゾーンに被処理水を通過させることで固液分離する固液分離方法であって、フロック成長ゾーンで成長したフロックを一方向に下降させる下降工程と、下降工程で下降されたフロックとフロック成長ゾーン通過後の被処理水とを分離する分離工程と、分離工程でフロックが分離された被処理水を上昇させる上昇工程と、を含み、下降工程と上昇工程は分離された状態で行われる。
[0017]
本発明の一形態に係る固液分離方法によれば、上述の固液分離装置と同様の作用・効果を奏することができる。
発明の効果
[0018]
このように本発明によれば、処理水を一層清澄にすることができる固液分離装置及び固液分離方法を提供できる。
図面の簡単な説明
[0019]
[図1]図1は、本発明の第1実施形態に係る固液分離装置(凝集沈殿装置)を示す概略断面構成図である。
[図2]図2は、図1に示す固液分離装置(凝集沈殿装置)の平面図である。
[図3]図3は、図1及び図2中の内筒水槽及び仕切板を示す斜視図である。
[図4]図4は、本発明の第2実施形態に係る固液分離装置(凝集沈殿装置)を示す平面図である。
[図5]図5は、図4中の内筒水槽及び仕切板を示す斜視図である。
[図6]図6は、本発明の第3実施形態に係る固液分離装置(凝集沈殿装置)の内筒水槽及び仕切板を示す斜視図である。
[図7]図7は、本発明の第4実施形態に係る固液分離装置(凝集沈殿装置)の内筒水槽及び仕切板を示す斜視図である。
[図8]図8は、本発明の第5実施形態に係る固液分離装置を示す概略構成図である。
[図9]図9は、図8に示すIX−IX線に沿った概略断面図である。
[図10]図10は、図8に示すX−X線に沿った概略断面図である。
[図11]図11は、本発明の第6実施形態に係る固液分離装置を示す概略構成図である。
[図12]図12は、図11に示すXII−XII線に沿った概略断面図である。
[図13]図13は、本発明の第7実施形態に係る固液分離装置を示す概略構成図である。
[図14]図14は、図13に示すXIV−XIV線に沿った概略断面図である。
発明を実施するための形態
[0020]
以下、本発明による固液分離装置の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図1〜図7に示す形態においては、固液分離装置として凝集沈殿装置を例にして説明する。ただし、固液分離装置は凝集沈殿装置に限定されるものではない。すなわち、固液分離装置は、被処理水を導入する被処理水導入部と、被処理水導入部から導入された被処理水中の固形物を捕捉すると共に被処理水によりフロックを成長させるフロック成長ゾーンと、を有するものであれば特に構成は限定されない。
[0021]
図1は、本発明の第1実施形態に係る凝集沈殿装置を示す概略構成図、図2は、図1に示す凝集沈殿装置の平面図、図3は、図1及び図2中の内筒水槽及び仕切板を示す斜視図である。
ックから分離された分離水を外筒水槽1内の底部から上昇流により上昇させて上方に運ぶ隣の領域R2とに周方向に沿って分けられ一方方向の流れが形成されるため、フロックの沈降が上昇流により妨げられたり、フロックが上昇流に乗って上昇してしまうということがなく、従って、処理水のSS濃度を低くでき、処理水を一層清澄にすることができる。
[0030]
本実施形態に係る凝集沈殿装置(固液分離装置)100は、被処理水を導入する導入管(被処理水導入部)4と、導入管4から導入された被処理水中の固形物を捕捉すると共に被処理水によりフロックを成長させるフロック成長ゾーンRXと、を有する。また、凝集沈殿装置100は、フロック成長ゾーンRXで成長したフロックを、フロック成長ゾーンRXから一方向に下降させる下降流ゾーンとしての一の領域R1と、下降流ゾーンから下降してきたフロックをフロック成長ゾーンRX通過後の被処理水から分離する分離ゾーンと、分離ゾーンにおいてフロックが分離された被処理水を上昇させる隣の上昇流ゾーンとしての隣の領域R2と、を有する。なお、本実施形態では、分離ゾーンは、内筒水槽2の底部と外筒水槽1の底部との間の領域に形成される。
[0031]
本実施形態に係る凝集沈殿装置100によれば、フロック成長ゾーンRXで成長したフロックが、フロック成長ゾーンRXから下降流ゾーンをスムーズに下降し、スムーズに分離ゾーンへ運ばれて被処理水から分離される。分離ゾーンにおいてフロックが分離された被処理水は上昇流ゾーンをスムーズに上昇する。このように、下降流ゾーン、分離ゾーン、及び上昇流ゾーンによる被処理水の流れが形成されるため、フロックの沈降が上昇流により妨げられたり、フロックが上昇流に乗って上昇してしまうことを抑制できる。従って、処理水のSS濃度を低くでき、処理水を一層清澄にすることができる。
[0032]
凝集沈殿装置100において、上昇流ゾーンと下降流ゾーンは上下方向から見たとき(図2に示す状態)に異なる位置に形成され、上昇流ゾーンの下端側の領域と下降流ゾーンの下端側の領域は分離ゾーンを介して連通してい
02とを備えている。固液分離装置200において、内筒水槽202の内側が、被処理水導入部14から導入された被処理水中の固形物を捕捉すると共に被処理水によりフロックを成長させるフロック成長ゾーンとして構成される。また、固液分離装置200は、内筒水槽202に被処理水を導入する被処理水導入部14を有する。また、外筒水槽201の上部には、外筒水槽201内を上昇した清澄水(上澄水)を排出する処理水排出口19が設けられている。
[0046]
外筒水槽201は、図1等に示すような外筒水槽のうち、内筒水槽202の外周面に対応する部分(中間領域R)を、複数の流通部203に分割したような構成を有する。流通部203は、上下方向に延びるように内筒水槽202の外周面に設けられている。流通部203は、内筒水槽202の周方向に略等間隔となるように互いに離間した位置に設けられている。本実施形態では、流通部203は4つ設けられているが、特に数量は限定されない。互いに対向する流通部203のうちの一方が下降流ゾーンRDとして構成されると共に他方が上昇流ゾーンRUとして構成される。また、複数の流通部203は周方向において互いに異なる位置に形成されているため、上昇流ゾーンRUと下降流ゾーンRDは上下方向から見たときに異なる位置に形成される。このような構成により、固液分離装置200では、下降流ゾーンRDと上昇流ゾーンRUは分離している。なお、ここでの「分離」とは、下降流ゾーンRDが形成される区画と、上昇流ゾーンRUが形成される区画とが、互いに独立しており、被処理水等の流れが互いに干渉しあわない状態にあることを示す。本実施形態では、各流通部203は周方向に離間しているため、下降流ゾーンRDと上昇流ゾーンRUが互いに離間することによって分離している。なお、「下降流ゾーンRDと上昇流ゾーンRUとが互いに離間している」状態とは、一の区画に下降流ゾーンRDが形成され、当該一の区画との間に空間等をあけて離れた位置に設けられている他の区画に、上昇流ゾーンRUが形成される状態である。「下降流ゾーンRDと上昇流ゾーンRUとが互いに離間している」状態は、下降流ゾーンRDと上昇流ゾーンRUとが
Claims (10)
- 被処理水を導入する被処理水導入部と、前記被処理水導入部から導入された前記被処理水中の固形物を補足すると共に前記被処理水によりフロックを成長させるフロック成長ゾーンと、を有する固液分離装置であって、
前記フロック成長ゾーンで成長した前記フロックを、前記フロック成長ゾーンから一方向に下降させる下降流ゾーンと、
前記下降流ゾーンから下降してきた前記フロックを前記フロック成長ゾーン通過後の前記被処理水から分離する分離ゾーンと、
前記分離ゾーンにおいて前記フロックが分離された前記被処理水を上昇させる上昇流ゾーンと、
を有する固液分離装置。 - 前記上昇流ゾーンと前記下降流ゾーンは上下方向から見たときに異なる位置に形成され、前記上昇流ゾーンの下端側の領域と前記下降流ゾーンの下端側の領域は前記分離ゾーンを介して連通している請求項1に記載の固液分離装置。
- 第一の底部と第二の底部とからなる2重底構造を呈し、前記分離ゾーンが前記第一の底部と前記第二の底部の間にある請求項1または2に記載の固液分離装置。
- 前記下降流ゾーンと前記上昇流ゾーンは分離している請求項1〜3の何れか一項に記載の固液分離装置。
- 前記下降流ゾーンと前記上昇流ゾーンは仕切られている請求項4に記載の固液分離装置。
- 前記下降流ゾーンと前記上昇流ゾーンは互いに離間している請求項4に記載の固液分離装置。
- 前記第一の底部を備えた有底筒状の外筒水槽の内部に前記第二の底部を備えた有底筒状の内筒水槽を収容し、前記外筒水槽と前記内筒水槽との間の環状の中間領域を備え、
前記内筒水槽の上端から下端まで設けられ、前記環状の中間領域を周方向に沿って複数の領域に分割する複数の仕切板が設けられることで、前記下降流ゾーンと前記上昇流ゾーンを仕切る請求項3に記載の固液分離装置。 - 前記仕切板で仕切られた前記下降流ゾーンに対応する内筒水槽上端を、上昇流ゾーンの内筒水槽上端より低く設定した請求項7に記載の固液分離装置。
- 前記仕切板で仕切られた前記下降流ゾーンに対応する内筒水槽下端及び前記仕切板の下端を、前記上昇流ゾーンの内筒水槽下端より下方に延ばした請求項7または8に記載の固液分離装置。
- フロック成長ゾーンに被処理水を通過させることで固液分離する固液分離方法であって、
前記フロック成長ゾーンで成長したフロックを一方向に下降させる下降工程と、
前記下降工程で下降された前記フロックと前記フロック成長ゾーン通過後の前記被処理水とを分離する分離工程と、
前記分離工程で前記フロックが分離された前記被処理水を上昇させる上昇工程と、
を含む固液分離方法。
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