JPWO2014132737A1 - 電池パック - Google Patents
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Abstract
電池パックの充電状態を正確に報知することが可能な電池パックを提供するために、本発明の電池パック100は、複数のチップ型LED71乃至75と、前記複数のチップ型LED71乃至75が載置されるプリント基板40と、前記複数のチップ型LED71乃至75と対応するLED用開口部21乃至25が設けられた第2ケース20と、前記基板上の前記複数のチップ型LED71乃至75を覆うように設けられた防湿樹脂60と、を有し、前記複数のチップ型LED71乃至75の間における前記防湿樹脂60の、プリント基板40の基板面からの高さが、前記複数のチップ型LED71乃至75上における前記防湿樹脂60の、プリント基板40の基板面からの高さより低い。【選択図】 図4
Description
本発明は、複数のLEDからなるインジケータを備える電池パックに関する。
電池パックにおける内蔵二次電池の充電レベルを表示するために、複数のLEDからなるインジケータを備えるものが知られている。例えば、5個のLEDを備えるこのようなインジケータでは、満充電のレベルでは5個全てのLEDを点灯させ、充電レベルが低下するにつれて、順次点灯数を減らしていき、電池容量の残量をユーザーが把握できるようにし、ユーザーに適宜再充電を促すようにしている。
例えば、特許文献1(特開2008−91234号公報)には、複数のLEDを隣接して配設している回路基板と、この回路基板に固定している各々のLEDの光を独立して外部に放射する複数の光窓を有するケースとを備え、さらに、回路基板に固定しているLEDの境界に隔壁を設けてなる電子機器が開示されている。
特開2008−91234号公報
ところで、電動バイク等に用いられる電池パックは、雨中で使用されたり、或いは、転倒状態で雨中に放置されたりすることものあるため、防水性を付与することが重要となる。
電池パックには二次電池の管理・制御を行うための回路が設けられたプリント基板が設けられているが、防水性を付与するために、このプリント基板に耐湿樹脂を施すようにする。
充電レベル報知用のインジケータを構成する複数のチップ型のLEDが、上記のようなプリント基板上に載置される場合、LEDに対しても前記の耐湿樹脂が施されることとなる。
上記のような耐湿樹脂が施されたプリント基板が設けられた従来の電池パックの構造について説明する。
図8は従来の電池パックの斜視図である。電池パックのケースには、電池セル集合体(例えば、リチウムイオン電池の単位セルを直列や並列、又はその組み合わせで接続したもの)や、この電池セル集合体を管理・制御するための回路が設けられたプリント基板が内蔵される。また、電池パックのケースには、電池セル集合体の充電状態をユーザーに報知するためのインジケータ部が配されている。
このインジケータ部の断面構造の概略を図9に示す。プリント基板には5つのチップ型LEDが搭載されており、これらのチップ型LEDの上部は、防水性を付与するため施された耐湿樹脂により覆われている。また、各々のチップ型LEDに対応するように、ケースに開口部が設けられており、これによりそれぞれのチップ型LEDの点灯・消灯状態がケース外部より確認することができるようになっている。
通常、チップ型LEDの発光部の表面には反射防止剤や細かい凹凸処理(ノングレア処理)が施されているが、チップ型LEDを耐湿樹脂で覆った場合には、これらの機能が失われ、LEDが隣接していると、耐湿樹脂中を光が伝搬して、隣のLEDにまたがって光が漏れてしまう現象があることがわかった。
例えば、図8及び図9の例では、右から1つ目と2つ目にあるチップ型LEDのみが発光しているよう場合を示しているが、この場合には、耐湿樹脂中の矢印に示すように、発光しているLEDからの光が漏れ、本来発光していない、右から3つめのチップ型LEDについても、あたかも発光しているように視認されてしまう、ということがあった。
以上まとめると、耐湿樹脂が施された、複数のLEDを電池パックのインジケータ部として利用する場合には、耐湿樹脂がLEDの発光を伝搬する媒質として機能してしまい、点灯していないLEDも、点灯しているかのように見えてしまい、電池パックの充電状態を正確に報知することが困難である、という問題があった。
なお、特許文献1(特開2008−91234号公報)には、LED間を壁で仕切るなどして光の漏れを防ぐ方法が開示されているが、このような方法によれば、コスト増となってしまう、という新たな問題が発生することとなる。
上記問題を解決するために、本発明に係る電池パックは、複数のLEDと、前記複数のLEDが載置される基板と、前記複数のLEDと対応する開口部が設けられたケースと、前記基板上の前記複数のLEDを覆うように設けられた防湿樹脂と、を有し、前記複数のLEDの間における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さが、前記複数のLED上における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さより低い。
本発明に係る電池パックは、複数のLEDの間における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さが、前記複数のLED上における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さより低く構成されており、このような本発明に係る電池パックによれば、耐湿樹脂がLEDの発光を伝搬する媒質として機能したとしても、隣接するLEDへ光が漏れることがほとんどなく、点灯していないLEDを、点灯しているかのように誤認することがないので、電池パックの充電状態を正確に報知することが可能となる。
また、本発明に係る電池パックは、LED間を壁で仕切る必要がないので、コストを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る電池パック100の分解斜視図であり、図2は本実施形態に係る電池パック100のプリント基板40の製造工程を説明する図であり、図3は本実施形態に係る電池パック100の斜視図であり、図4は図3のA−A’断面を示す図である。
電池パック100は、第1ケース10、第2ケース20からなる筐体に主要部が収容される構造となっている。第1ケース10、第2ケース20に収容される主要部としては、例えば、リチウムイオン電池の単位セルを直列や並列、又はその組み合わせで接続した電池セル集合体30、この電池セル集合体30を管理・制御するための回路が設けられているプリント基板40、不図示の電気配線などが含まれている。
プリント基板40には、インジケータ部70を構成するチップ型LED71乃至75、スイッチ76がハンダ付けなどにより固定されることで載置されている。また、プリント基板40には、チップ型LED71乃至75、スイッチ76以外に複数の電気部品80が、ハンダ付けなどにより固定されることで載置されている。
第2ケース20には、チップ型LED71乃至75対応するように、LED用開口部21乃至25が設けられており、チップ型LED71乃至75の点灯・消灯が筐体外部から確認することできるようになっている。また、第2ケース20には、スイッチ76に対応して可動片26が設けられており、可動片26に加えられる外力でスイッチ76のオン操作ができるようになっている。
第2ケース20のインジケータ部70が設けられている箇所には、エンボス加工部51乃至56が施されている透明封止シール50を貼り付けて、前記LED用開口部21乃至25や可動片26を密封するようになっている。
上記のような構成において、例えば、ユーザーがスイッチ76を押下している間、チップ型LED71乃至75の点灯・消灯によって、電池セル集合体30の充電レベルをユーザーに報知するようにしている。
プリント基板40に、チップ型LED71乃至75、電気部品80がハンダ付けで取り付けられた工程の後には、プリント基板40に防湿樹脂60を施す工程を実施することで、プリント基板40に防水性を付与するようにしている。このような耐湿樹脂としては、たとえば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSE9187Lを用いることができる。
図2は、プリント基板40に防湿樹脂60を施す工程を図示するものである。チップ型LED71乃至75、スイッチ76、電気部品80がハンダ付けで固定されたプリント基板40は、不図示のXYステージに載置される。XYステージの上には、耐湿樹脂60を吐出するディスペンサー90が設けられており、このディスペンサー90で耐湿樹脂60を吐出させながら、当該XYステージでプリント基板40を移動させることで、プリント基板40上のチップ型LED71乃至75、スイッチ76、電気部品80を耐湿樹脂60により一体的に覆う構成とする。なお、電気部品80の中には、チップ型LED71乃至75の背より高い背を有するものもあり、このような背の高い電気部品80も、チップ型LED71乃至75と一体で防湿樹脂60に覆われるようになっている。
ここで、本実施形態に係る電池パック100においては、当該XYステージの移動速度などを調整することで、図4に示すように、チップ型LED71乃至75の間における防湿樹脂60の、プリント基板40の基板面からの高さh1が、チップ型LED71乃至75上における防湿樹脂60の、プリント基板40の基板面からの高さh2より低くなるように設定されている。チップ型LED71乃至75の高さhdと比較すると、h1<hd<h2の関係を有している。
このような本発明に係る電池パック100によれば、耐湿樹脂60がチップ型LED71乃至75の発光を伝搬する媒質として機能したとしても、隣接するLEDへ光が漏れることがほとんどなく、点灯していないLEDを、点灯しているかのように誤認することがないので、電池パックの充電状態を正確に報知することが可能となる。また、本発明に係る電池パック100は、LED間を壁で仕切る必要がないので、コストを抑制することが可能となる。
なお、チップ型LED71乃至75の間における防湿樹脂60の高さh1が、チップ型LED71乃至75上における防湿樹脂60の高さh2より低くなるように設定するために、ディスペンサー90における耐湿樹脂60の吐出量を一定とした上で、当該XYステージの移動速度を調整することで、これを実現する以外にも以下のような方法を挙げることができる。
第1に、当該XYステージの移動速度を一定とした上で、ディスペンサー90における耐湿樹脂60の吐出量を吐出位置に応じて変化させることで、チップ型LED71乃至75の間における防湿樹脂60の高さh1が、チップ型LED71乃至75上における防湿樹脂60の高さh2より低くなるように設定する方法である。
また、第2として、プリント基板40の上に、高低差を付けることなく耐湿樹脂60を形成した後、チップ型LED71乃至75の間における防湿樹脂60を削り取ることで、チップ型LED71乃至75の間における防湿樹脂60の高さh1が、チップ型LED71乃至75上における防湿樹脂60の高さh2より低くなるように設定する方法である。
ここで、図4に示す本実施形態に係る電池パック100と、図5乃至図7に示す比較例に係る電池パック100とを、隣接するLEDへの光漏れ、及び、耐水性の観点で比較を行ったので、示すこととする。
図5の比較例に係る電池パック100においては、防湿樹脂60の高さが、チップ型LED71乃至75と同程度となるように構成している。
また、図6の比較例に係る電池パック100においては、防湿樹脂60の高さが、チップ型LED71乃至75より高くなるように構成している。
また、図7の比較例に係る電池パック100においては、防湿樹脂60の高さが、チップ型LED71乃至75より低くなるように構成している。
以上のように構成される本実施形態に係る電池パック100と、比較例に係る電池パック100の光漏れ、耐水性の実験結果を表1に示す。
以上、本発明に係る電池パック100は、複数のチップ型LED71乃至75の間における防湿樹脂60の、プリント基板40基板面からの高さが、複数のチップ型LED71乃至75上における防湿樹脂60の、プリント基板40の基板面からの高さより低く構成されており、このような本発明に係る電池パック100によれば、耐湿樹脂60がLEDの発光を伝搬する媒質として機能したとしても、隣接するLEDへ光が漏れることがほとんどなく、点灯していないLEDを、点灯しているかのように誤認することがないので、電池パック100の充電状態を正確に報知することが可能となる。
また、本発明に係る電池パック100は、複数のチップ型LED71乃至75の上にも、防湿樹脂60が設けられているので、耐水性にも優れている。
また、本発明に係る電池パック100は、LED間を壁で仕切る必要がないので、コストを抑制することが可能となる。
本発明は、電池容量の残量をユーザーが把握できるようにするために、耐湿樹脂が施された、複数のLEDをインジケータ部として備える電池パックに関するものである。このような電池パックにおいては、耐湿樹脂がLEDの発光を伝搬する媒質として機能してしまい、点灯していないLEDも、点灯しているかのように見えてしまい、電池パックの充電状態を正確に報知することが困難である、という問題があった。これに対して、本発明に係る電池パックは、複数のLEDの間における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さが、前記複数のLED上における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さより低く構成されており、このような本発明に係る電池パックによれば、耐湿樹脂がLEDの発光を伝搬する媒質として機能したとしても、隣接するLEDへ光が漏れることがほとんどなく、点灯していないLEDを、点灯しているかのように誤認することがないので、電池パックの充電状態を正確に報知することが可能となり、産業上の利用性が非常に大きい。
10・・・第1ケース
20・・・第2ケース
21・・・LED用開口部
22・・・LED用開口部
23・・・LED用開口部
24・・・LED用開口部
25・・・LED用開口部
26・・・可動片
30・・・電池セル集合体
40・・・プリント基板
50・・・透明封止シール
51・・・エンボス加工部
52・・・エンボス加工部
53・・・エンボス加工部
54・・・エンボス加工部
55・・・エンボス加工部
56・・・エンボス加工部
60・・・防湿樹脂
70・・・インジケータ部
71・・・チップ型LED
72・・・チップ型LED
73・・・チップ型LED
74・・・チップ型LED
75・・・チップ型LED
76・・・スイッチ
80・・・電気部品
90・・・ディスペンサー
100・・・電池パック
20・・・第2ケース
21・・・LED用開口部
22・・・LED用開口部
23・・・LED用開口部
24・・・LED用開口部
25・・・LED用開口部
26・・・可動片
30・・・電池セル集合体
40・・・プリント基板
50・・・透明封止シール
51・・・エンボス加工部
52・・・エンボス加工部
53・・・エンボス加工部
54・・・エンボス加工部
55・・・エンボス加工部
56・・・エンボス加工部
60・・・防湿樹脂
70・・・インジケータ部
71・・・チップ型LED
72・・・チップ型LED
73・・・チップ型LED
74・・・チップ型LED
75・・・チップ型LED
76・・・スイッチ
80・・・電気部品
90・・・ディスペンサー
100・・・電池パック
Claims (3)
- 複数のLEDと、
前記複数のLEDが載置される基板と、
前記複数のLEDと対応する開口部が設けられたケースと、
前記基板上の前記複数のLEDを覆うように設けられた防湿樹脂と、を有し、
前記複数のLEDの間における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さが、
前記複数のLED上における前記防湿樹脂の、前記基板面からの高さより低い電池パック。 - 前記複数のLEDが前記防湿樹脂で覆われてなる請求項1に記載の電池パック。
- 前記基板には、前記複数のLEDと共に、前記複数のLEDの背より高い背を有する部品が載置されると共に、
前記部品も前記複数のLEDと一体で前記防湿樹脂が覆われてなる請求項1又は請求項2に記載の電池パック。
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