JPWO2014129444A1 - 内部発光の取り出し効率の高い発光素子及び発光素子用基板 - Google Patents

内部発光の取り出し効率の高い発光素子及び発光素子用基板 Download PDF

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弘 藤本
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正幸 八尋
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Abstract

【課題】 内部発光の取り出し効率の高い有機LED及びその基板を提供する。【解決手段】 本発明は,基本的には発光面に凹凸を設けるのではなく,裏面に周期性を有する構造を設けることで,内部発光の取り出し効率の高い有機LEDを得ることができるという知見に基づく。本発明の第1の側面は,高屈折率整形層,発光層及び反射層をこの順で有する発光素子であって,反射層が周期的な構造を有する発光素子に関する。この周期的な構造の例は周期的な凹凸や周期的な起伏である。【選択図】 図1

Description

本発明は,内部発光の取り出し効率の高い発光素子(特に有機LED)及び発光素子用基板に関する。
特許第5054464号公報(特許文献1)及び特許第4253302号公報(特許文献2)には,有機EL発光素子が開示されている。
特許文献2の請求項1は,
「基板と,
前記基板上に設けられ,第一の電極および第二の電極により有機発光層が狭持されてなる発光部と,
前記発光部に隣接して設けられ,表面に凹凸が形成された基材,およびこの凹凸の凹部を埋めて堆積された媒質を含む回折格子部とを具備し,
前記基材表面の凹凸は,複数の第一の領域の集合体からなる第二の領域を構成し,第一の領域のそれぞれにおける凹凸は,所定の方向の基本並進ベクトルをもって基板平行方向に二次元周期的に配置され,それぞれの第一の領域内の凹凸の基本並進ベクトルの方向は一致せずに異なり,
前記媒質は,隣接する前記電極の材料とは異なる材料であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子」である。
特許文献3にはアクティブエレクトロルミネッセンス(EL)層を有する有機LEDが開示されている。
特許文献3及び非特許文献1には,有機LEDの様々な要素が開示されており,その参照文献も含めて本発明の背景技術となる。
非特許文献2には,内部発光の取り出し効率を向上させるため,電極,発光層,透明電極を含む各層の形状を波状にした有機LEDが提案されている。
特許第5054464号公報 特許第4253302号号公報 特開2006−190682号公報
Kanchan Saxena, V. K. Jain, Dalip Singh Mehta A review on the light extraction techniques in organic electroluminescent devices Optical Materials, vol.32,pp.221-233, 2009. Won Hoe Koo et. al Nature Photonics vol.4,April 2010, pp.222−226
有機LEDは,ディスプレイ機器,照明機器に重要な素子であり,電気入力に対する光出力の大きさが重要である。電気入力に対し有機LED内部での光の発生効率は十分高い域に達しつつある。しかし,内部で発生した光を外部,即ち空気中に取り出す効率は,高くない(例えば20%)という問題がある。
有機LEDの光取り出し効率が高くない原因は,発生したランダムな光のもつ波数ベクトルの大きさごとに次のように整理される。
(有機LED面内にx,y軸を定義する。着目する光の空気中での波数の大きさをkとする。xy面内波数ベクトルの大きさをkとする)
透明電極,有機発光層のうち屈折率の最大のものの屈折率をnとし,基板(ガラスなど)の屈折率=nとする。
[1] k/k<1の成分・・(界面のフレネル反射を除いて)空気中に取り出される。
[2] n>k/>1の成分・・光は基板中を伝搬するが界面の全反射のため空気中に出られない。
[3] n>k/k>nの成分・・光は透明電極や有機発光層で形成される導波路の導波モードになりxy面に平行に伝わる。透明電極の損失や,不透明金属反射電極における損失(プラズモン損失)によって失われる。
取り出し効率を高めるためには,[3]の光を[2]又は[1]に,[2]の光を[1]に変換する手段が必要である。しかしながら,以下のように従来の手法はせいぜい部分的改善に留まっていて効果が不十分である。
従来の有機LEDの光取り出し効率が不十分なのは主に次の二つの要因による。
第一の要因は以下のとおりである。ガラス基板の屈折率に比べて透明電極や有機発光層の屈折率が高い。このため,透明電極や有機発光層の面方向に,光を閉じ込める導波モードが生ずる。透明電極や不透明電極に付随する光損失により消失する成分がある。また,有機LED内で発光した光のうち,光を閉じ込める導波モードと結合した成分は,外部に放出されない。
第二の要因は以下のとおりである。発生した光のうち基板ガラスに閉じ込められて取り出されない成分も多い。このため,従来の有機LEDは,内部発光の取り出し効率が低い。
即ち,従来の有機LEDは,光が放射される際に,全反射が起こり光のある成分が有機LED内に戻る。このため,従来の有機LEDは,内部発光の取り出し効率が低い。
特許文献2や非特許文献2は,理論的な上記二つの課題と並んで,実用上大きな問題がある。それはこれらの文献に開示されたアクティブ部が平坦ではない。一方,有機発光層は平坦な面上に形成するのが最も良い。したがって,光取り出し効果を高める為に,こられの文献に開示された有機LEDは,発光層に凹凸や波打ちを設けており,この構造は発光効率の低下,製造歩留まりの低下及び製品の短寿命化を招く。
本発明は,内部発光の取り出し効率の高い発光素子(例えば有機LED)及び発光素子用基板を提供することを目的とする。
本発明は,アクティブ部に隣接して有機発光層や透明電極より屈折率の高い高屈折率整形層を設ける。アクティブ部とは,アクティブエレクトロルミネッセンス部ともよばれる部分であり(特許文献3を参照),有機発光層とその両側の透明ないし不透明な電極を合わせたものを指す。有機発光層は,電子注入層,電子輸送層,正孔注入層,正孔輸送層,狭義の発光層を含む層を意味する。二つの電極(第1の電極及び第2の電極)のうち少なくとも一つは透明である。これにより,アクティブ部で生じた光が多モード導波モードとなり,透明電極付近に局在する最低次モード(TE及びTM)と結合する事態を軽減できる。よって,本発明は,アクティブ部に生ずる光閉じ込め問題を解消できる。導波モードがTE,TMおのおの一つの単一モード導波の場合と比較して,上記した[3]の光(n>k/k>nの成分)がうける透明電極損失,プラズモン損失を大幅に軽減できる。同時に,本発明の発光素子は,高屈折率整形層のうち,アクティブ部と反対に位置する面に2次元周期構造部を形成したものが好ましい。
この2次元周期構造は,回折作用により[3]の光(n>k/k>nの成分)を[2](n>k/k>1の成分)又は[1](k/k<1の成分)に,[2]の光を[1]に変換して,[1]の光を外部に取り出す作用を有する。即ち,高屈折率整形層を伝播する光がガラスや空気中に放出されるように,2次元周期構造部に接触した光を放出面の臨界角以内の角度に効率よく変換できる。これにより,従来の有機LEDと異なり本発明は,発光効率を高めることができる。
本発明の第1の側面は,アクティブ部1,高屈折率整形層3,及び2次元周期構造部5をこの順で含む,発光素子7に関する。発光素子の例は,有機LEDである。
アクティブ部1は,第1の電極11と,第1の電極に隣接した有機発光層13と,有機発光層13に隣接した第2の電極15とを含む。第2の電極15は,透明電極である。高屈折率整形層3は,第2の電極15,及び発光層13のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有する。
本発明の発光素子の好ましい例は,第1の電極が透明電極の発光素子である。この発光素子の高屈折率整形層は,第1の電極,第2の電極,及び前記発光層のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有するものが好ましい。
本発明の発光素子の好ましい例は,第1の電極が,不透明電極の発光素子に関する。
本発明の発光素子の好ましい例は,2次元周期構造部は,2次元的に周期的に配置された凹凸を含むものである。さらに,2次元周期構造部は,2次元周期回折格子であることが好ましい。
高屈折率整形層のアクティブ部と接する面は,平面であるものが好ましい。このように回折格子が周期的構造を有していても,高屈折率整形層により形状が整形され,平らな面がアクティブ部と接するものが好ましい。
本発明の発光素子の好ましい例は,2次元周期構造部と隣接した基板を更に有するものである。
本発明の第2の側面は,有機LED用の基板に関する。この基板は,その上にアクティブ部を形成することで,有機LED素子として機能する。この基板は,2次元周期構造を有する透明基板17と,透明基板17上に設けられた前記2次元周期構造を反映した形状を有する2次元周期構造部と,2次元周期構造部上に設けられた高屈折率整形層とをこの順に有する。透明基板17の例は,ガラスである。2次元周期構造部と高屈折率整形層とは別の層でなく,同一の材質からなる連続した層であっても良い。高屈折率整形層の上面は平坦である。高屈折率整形層の上面にはアクティブ部が設けられる面である。アクティブ部は,第1の電極と,第1の電極に隣接した有機発光層と,前記有機発光層に隣接し,前記高屈折率整形層側に存在する第2の電極とを含む。第2の電極は透明電極である。高屈折率整形層は,第2の電極,及び有機発光層のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有する。もっとも第1の電極が透明電極である場合,高屈折率整形層は,第1の電極,第2の電極,及び有機発光層のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有するものであることが好ましい。
この側面の基板の好ましい態様は,2次元周期構造部が,反射鏡面である。
本発明は,内部発光の取り出し効率の高い発光素子(例えば,有機LED)を提供できる。
図1は,本発明の発光素子の基本構成を示す図である。 図2は,本発明のある態様の発光素子を示す概念図である。 図3は,2次元周期構造部の例を示す図である。 図4は,光線のx方向及びy方向の波数を示す図である。 図5は,本発明のある態様の発光素子を示す概念図である。 図6は,本発明の有機LEDの構成を説明するための概念図である。 図7は,実施例3におけるアクティブ部の構成を示す図である。 図8は,電流密度対光出力の外部量子効率を示す図である。
図1は,本発明の発光素子の基本構成を示す図である。本発明の第1の側面は,アクティブ部1,高屈折率整形層3,及び2次元周期構造部5をこの順で含む,発光素子7に関する。発光素子の例は,有機LED(有機電界発光素子)である。2次元周期構造部5は,高屈折率整形層3の一部分であっても構わないし,別の層であっても構わない。有機LEDは,正負の両電荷の注入,輸送することが可能なアクティブ部を有する。そして,アクティブ部において,正負の両電荷により生成された正孔と電子が有機発光層において,再結合することにより光を発生できる。また,有機LEDは,有機発光層における発光物質から発光される光を受けて発光する物質を更に含んだものであってもよい。
次に本発明の作用を説明する。先に記したように,発生したランダムな光は,以下の3つの成分に分類される。
[1] k/k<1の成分・・(界面のフレネル反射を除いて)空気中に取り出される
[2] n>k/k>1の成分・・光は基板中を伝搬するが界面の全反射のため空気中に出られない
[3] n>k/k>nの成分・・光は透明電極や有機発光層で形成される導波路の導波モードになりxy面に平行に伝わる。透明電極の損失や,不透明金属反射電極における損失(プラズモン損失)によって失われる。
光取り出し効率を高めるためには,[3]の光を[2]又は[1]に,[2]の光を[1]に変換する手段が必要である。図1はその手段を提供する。
高屈折率整形層は,基本モードであった[3]の波を高屈折率整形層部に引き出して透明電極,不透明電極の損失を軽減する。
高屈折率整形層と基板材料部の境をなす2次元回折格子は,
まず[3]の波を[2]又は[1]に変換し,[1]の波を空気中に,[2]の波を基板材料中に取り出す作用をする。
次に,基板材料中の波[2]は,空気との界面で反射されるほか,2次元回折格子で回折され[1]に変換された成分は空気中に取り出される。
変換されず[3]または[2]に留まった波は,高屈折率整形層または基板材料内を往復反射されるなかで[2],又は[1]に変換される。透明電極の残留損失,反射電極の不完全反射損失による以外は,遅かれ早かれ空気中に取り出される。
本発明の高屈折率整形層は,プラズモン損失を最小にする効果を有する。金属と透明誘電体とが接する界面に沿って光が伝わるプラズモン波は,基本モードの一つである。そして,このプラズモン波は,高屈折率整形層の存在と2次元周期構造部の凹凸のもつ回折効果(この場合モード変換効果)により[2]又は[1]の光に変換され,空気中に有効に取り出される。
図2は,本発明のある態様の発光素子を示す概念図である。図2に示される発光素子は,第1の電極及び第2の電極が透明電極である。透明電極の例は,ITO電極である。有機LEDに関してITO電極は公知である。本発明においては,公知の方法に従って製造したITO電極を適宜採用すればよい。この態様の発光素子は,斜めに伝搬する光においてもxy面内移動距離が小さいので像のにじみが小さく,特に精細度の高い発光素子に効果的に利用できる。この発光素子の高屈折率整形層は,第1の電極,第2の電極,及び発光層のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有する。
この場合,高屈折率整形層3に隣接して設けられる2次元周期構造部5は,高屈折率整形層3から2次元周期構造部5へ伝播した光が反射する反射層として機能するものが好ましい。反射層として機能する2次元周期構造部5の例は,金属層である。金属層の例は,アルミニウムからなる層である。金属層の厚さは薄くてもよい。また,金属層は金属膜であってもよい。このような膜は,例えば2次元周期構造を有するガラス基板上に金属を蒸着させることやスパッタリングを用いることにより形成できる。この場合,金属層の厚さの例は,10nm以上500nm以下であり,20nm以上300nm以下が好ましく,40nm以上200nm以下であれば更に好ましい。この場合,2次元周期構造における山部分と谷部分の高さの差は,80nm以上200nm以下が好ましい。
2次元周期構造部は,好ましくは,2次元的に周期的に配置された凹凸を含むものである。さらに,2次元周期構造部は,2次元周期回折格子であることが好ましい。2次元周期構造部は,例えば,山部分と谷部分とが2次元的に周期的に存在する部分を意味する。
図3は,2次元周期構造部の例を示す図である。図3に示されるように,2次元周期構造部の例は,六角格子状に山部分と谷部分とが存在する層である。もっとも,2次元周期構造部は,正方格子状に山部分と谷部分とが存在してもよいし,長方格子状に山部分と谷部分とが存在してもよい。山部分と谷部分とは滑らかな起伏により形成されるものが好ましい。
2次元周期構造部における2次元周期性が,1次元周期関数の重ね合わせに分解できるとき,その周期(たとえば山部分から山部分までの距離)は,アクティブ部において発光する光の自由空間波長をλとした場合,0.5λ以上2.0λ以下が好ましく,0.7λ以上1.5λ以下がより好ましい。具体的な1次元周期の例は,発光層において青色の光が放出される場合,430nm以上470nm以下であり,発光層において赤色の光が放出される場合,550nm以上750nm以下が好ましく,600nm以上700nm以下でもよい。
高屈折率整形層3は,2次元周期構造部上に高い屈折率を有する物質を蒸着やスパッタリングすることで形成できる。そのような物質の例は,酸化タンタル(Ta)又は酸化ニオブ(Nb)である,高屈折率整形層3は,2次元周期構造部の凹凸を軽減し,表面をおよそ平坦にすることができればよい。このため,高屈折率整形層3は,2次元周期構造部の谷部分を埋めることができるように形成されていればよい。
高屈折率整形層のアクティブ部と接する面は,平面であるものが好ましい。このように回折格子が周期的構造を有していても,高屈折率整形層により形状が整形され,平らな面がアクティブ部と接するものが好ましい。2次元周期構造部における谷から山までの平均高さをhとしたときに,高屈折率整形層のアクティブ部と接する面の起伏は0.1h以下が好ましく,0.05h以下であればより好ましく,0.01h以下であれば更に好ましい。高屈折率整形層のアクティブ部と接する面が平坦であれば,アクティブ部に含まれる各層も平坦にすることができる。そうすれば,アクティブ部における電子移送やホール移送がスムーズに行われる。このため,高屈折率整形層のアクティブ部と接する面が平面であれば,発光効率自体を向上させることができる。
高屈折率整形層上にアクティブ部1が形成される。アクティブ部1は,第1の電極11と,第1の電極に隣接した有機発光層13と,有機発光層13に隣接した第2の電極15とを含むアクティブ部1は,例えば,有機LEDにおける公知のアクティブ部を適宜採用すればよい。
第2の電極15は,高屈折率整形層の表面上に形成されればよい。第2の電極15は,透明電極であり,透明電極の例はITO(indium tin oxide)電極である。ITO電極は公知のスパッタリング装置を用いることで容易に形成することができる。一般的に,ITO電極の厚さは,50nm以上300nm以下である。第1の電極が透明電極である場合,第2の電極と同様にして作成することができる。第1の電極及び第2の電極はいずれが陽極電極であっても陰極電極であってもよい。
有機発光層13は,例えば,第2の電極15上に形成される。有機発光層は,陽極電極から正孔を,陰極電極から電子を注入される。そして,有機発光層13において,正孔と電子の再結合が生じ,これによって光を放出できる。有機発光層13は,単層であっても多数の層からなっていてもよい。有機発光層は正孔と電子の再結合により光を放射する有機発光分子以外に,有機発光分子から発生した光を吸収して別の光を発生できる蛍光物質(または燐光物質)を含んでいてもよい。
有機発光層13は,正孔または電子の易動度を高めることができる正孔輸送物質または電子輸送物質を含んでいてもよい。一方,有機発光層は特定の空間的位置に正孔または電子を補足するまたは輸送性を低下させるための正孔捕捉物質または電子捕捉物質を含んでいてもよい。これら有機発光分子,蛍光物質(または燐光物質),正孔輸送物質,電子輸送物質,正孔捕捉物質,電子捕捉物質は同一の層に含まれていてもよく,または別個の層に分離されていてもよい。複数の層に分離されてこれらの構成物質を含む層が形成されている場合も,本発明においては一括して有機発光層とよぶ。
上記のとおり,有機発光層は,電界発光材料を含むものが好ましい。電界発光材料の例は,各種金属錯体型発光材料(配位子として8−キノリノール,ベンゾオキサゾール,アゾメチン,フラボン等。中心金属としてはAl,Be,Zn,Ga,Eu,Ru,Pt等)や蛍光色素系発光材料(オキサジアゾール,ピラゾリン,ジスチリルアリレーン,シクロペンタジエン,テトラフェニルブタジエン,ビススチリルアントラセン,ペリレン,フェナントレン,オリゴチオフェン,ピラゾロキノリン,チアジアゾロピリジン,層状ペロプスカイト,p−セキシフェニル,スピロ化合物等)を用いることができる。あるいは各種高分子材料(ポリフェニレンビニレン,ポリビニルカルバゾール,ポリフルオレン,等)を発光材料としたり,または非発光性の高分子材料(ポリエチレン,ポリスチレン,ポリオキシエチレン,ポリビニルアルコール,ポリメタクリル酸メチル,ポリアクリル酸メチル,ポリイソプレン,ポリイミド,ポリカーボネート等)をマトリックスとして,各種発光材料または蛍光材料を混合したり共重合したりすることも可能である。また,各種有機正孔または電子輸送材料(トリフェニルアミン,等)を介在させることもできる。更には,各種正孔または電子注入層(例えばLi,Ca,Mg,Cs,CuPc等)を介在させることも可能であり,素子構成に合わせて適宜材料を選ぶことができる。これら各種の有機電界発光材料の中でも,特にその分子構造の中に,異方的に発光可能な発光の大きな遷移双極子モーメントを持つ有機化合物であることが望ましく,またそのような発光に関わる遷移双極子モーメントを持つ分子骨格部分自身,または該分子骨格部分以外の分子の一部に分子または分子骨格の一部の配向状態を制御することを容易ならしめるような分子構造を有することが望ましい。
第1の電極11は,例えば,有機発光層13上に形成される。第1の電極11は,第2の電極と同様にして作成できる。
本発明の発光素子は,各種薄膜形成技術,例えばスピンコート法,塗布法,キャスト法,スパッタ法,真空蒸着法,分子線蒸着法,液相エピタキシャル法,原子層エピタキシャル法,ロール法,スクリーン印刷法,インクジェット法,電界重合法,ラビング法,吹き付け法,水面展開法,又は,ラングミュア・ブロジェット膜法を用いて製造できる。
本発明の発光素子は,基板を有しても良い。基板の例は,ガラス,シリコン,ガリウム砒素,等の無機物質からなる基板や,ポリカーボネート,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリメタクリル酸メチル,等の有機物質からなる基板または両者を複合化させた基板を用いることができる。
また,本発明の発光素子は,その素子形成の過程で,必要とする光学的素子構造を作製するために,各種精密加工技術を用いることができる。例えば,精密ダイアモンド切断加工,レーザ加工,エッチング加工,フォトリソグラフィ,反応性イオンエッチング,集束イオンビームエッチングが挙げられる。また,あらかじめ加工された有機電界発光素子を複数個配列させたり,多層化したり,またはその間を光導波路で結合したり,またはその状態で封止したりすることもできる。
この態様の発光素子の動作を説明する。第1の電極11及び第2の電極15に電圧が印加される。すると,有機発光層13において発光が生ずる。有機発光層13において発光した光は,第1の電極11を経て空間に放出される。一方,第1の電極11に到達した光の一部は,有機発光層13へ戻る。一方,有機発光層13において発生した光の一部は,代2の電極15を経て,高屈折率整形層へと伝播する。高屈折率整形層へ伝播した光は,2次元周期構造部へ伝播する。そして,2次元周期構造部にて回折や反射が生じる。2次元周期構造部にて回折や反射が生じた後,光は高屈折率整形層を経由して,第2の電極,有機発光層13及び第1の電極を経て,空間に放出される。なお,2次元周期構造部が反射層として機能しない場合は,2次元周期構造部へ到達した光の一部が,2次元周期構造部から放出される。2次元周期構造部には隣接したガラス基板がある場合は,光の一部は,2次元周期構造部からガラス基板を経て放出される。
次に,図3に示される2次元周期構造部を例にして,2次元周期構造部における光の挙動について説明する。この2次元周期構造部では,六方格子状の周期にて凹凸が構成されており,この凹凸において光が反射する。以下の説明では,有機LEDが,xy平面に平行な膜又は層を複数有し,垂直方向をz方向とする。
図4は,光線のx方向及びy方向の波数を示す図である。x軸方向の単位波数は,k/kであり,y軸方向の単位波数は,k/kである。六方格子は正弦状の凹凸で表現することができる。そして,六方格子は,互いに120°を成す空間ベクトルa,b,cと正弦波の振幅Aを用いて表すことができる。すなわち,六方格子は,Asin(a・r),Asin(b・r)及びAsin(c・r)の重ね合わせで表現できる。2次元周期構造部のある点に光が入射した場合,その光は6方向に互いにほぼ等しい一定の割合で回折される。これにより,光路のインターチェンジがなされる。その点に入射した光がほぼ全部(例えば80%以上)回折されると,上記のインターチェンジ効果が極めて高くなる。回折効率は,ベッセル関数を用いて解析できる。このため,nを光線が往復する空間の媒質屈折率とする。すると,(4πnA/λ)で定義される変調指数が,0.9以上1.3以下が好ましく,1以上1.2以下がより好ましく,1.05以上1.15以下の場合に,上記の効果が高まるため好ましいといえる。たとえば,変調指数が1以上1.2以下の場合,80%〜90%の成分が回折される。空間ベクトルa,b,cは,2次元周期構造部の周期をあらわすベクトルである。そして,それらの大きさは,光の波長と同程度であることが好ましい。図の凹凸の山から山までの距離は上記正弦波の周期の2/(3の平方根)倍(約1.15倍)が好ましい。また,山の頂から谷底までの高低差はAの(3の平方根)×3倍となる。
図5は,本発明のある態様の発光素子を示す概念図である。本発明の発光素子の好ましい例は,第1の電極が,不透明透明電極の発光素子に関する。この態様の発光素子は,有機発光層で発光した光が高屈折率整形層を経て放出される。このため,特に2次元周期構造部は,高屈折率整形層と連続した同一の組成部分であってもよい。また,2次元周期構造部は,例えばガラス基板に設けられた周期構造を反映した部分であってもよい。その他の構成は,先に説明した態様の発光素子におけるものを適宜採用することができる。
先に説明したとおり,たとえば,有機LEDの分野では,光の取り出し面(光を視認する面)に加工を施すものが知られている。本発明は,発光素子又は基板の裏面の形状を調整する。基板の裏面には,たとえば,円環状の光線ベクトル内の光を円形の光線ベクトル窓内に回折(又は散乱)させるような周期構造を形成する。
出力光のうち,対空気ベクトル窓内部の成分を空気に対して高い効率で取り出せるように無反射コートを行うことが好ましい。出力光のうち対ガラス窓の内部・対空気窓の外側部分の成分を遠端ではなく近端で反射されるようにコートを設計することが望ましい。基板のうち空気に接する側は,対空気無反射コートを行うことが好ましい。
上記のような特性を達成するために,高屈折率整形層に反射防止膜が設けられても良い。反射防止膜は,高屈折率整形層から光の取り出し面方向に不必要な光が漏れ出すことを防止するものであっても良い。そして,この反射防止膜を介して,たとえば高屈折率整形層は,ガラス基板上に設けられても良い。
発光層で発光した光の一部は,高屈折率整形層を経て基板から放出される。一方,基板から放出されなかった光は,基板から高屈折率整形層へと戻される。高屈折率整形層へと戻された光は,反射層へ到達する。この際,反射層が周期的な構造を有しているため,光の進行方向が変化し,その結果,反射層で反射した光は,基板から効率的に放出されることとなる。
次に,図6に示す発光素子について説明する。この発光素子も先に説明したものと同様に好ましいものは,有機LEDである。この発光素子は,2次元波形表面をもつ基板の上に反射鏡が設けられ,その上に高い屈折率層があり,それは平坦な表面をもつ。その上に透明電極,有機発光層,透明電極が設けられる。2つの電極はそれぞれ正負のキャリヤを有機発光層に注入する。有機発光層は二つ以上の層からなり,正負の電荷を輸送する役割,発光する役割などをそれぞれ担う。正の電荷,負の電荷は基板側の電極から注入される構造,その反対の構造,いずれも可能である。
高屈折率整形層の屈折率は,有機LED用有機材料の屈折率(通常1.7ないし1.9)より高く,透明電極の屈折率(代表的な電極材料であるITOでは2.0から2.1程度)と同等かそれ以上である。
このような構造では,高屈折率媒質の集光性により,通常の有機LEDで透明電極が導波路となって発光の多くがトラップされる効果を消滅させることができる(トラップ効果は例えば非特許文献2に説明されている)。
アクティブ部から発した光は透明電極から外部に出るか,高屈折率層まで全反射により戻る。外部に取り出されなかった光は反射鏡面で回折され,z軸に近い成分に変換され,それは透明電極から有効に取り出させる。
上記の動作について以下説明する。透明電極に向かう光がもつx方向波数kx,y方向波数kyの自由空間波数k0に対する比が図6のAのように小さい円内にあれば外部に取り出される。その結果,図8で高屈折率層3を下向きに進む光は二つの円で作る円環に大きなパワー密度,小円内には小さいパワー密度をもつ。全反射される光も大きい円内に制限されている(B)。反射鏡面は反射型回折格子の作用があり,その空間波数だけベクトル的に加算・減算されてスクランブル効果が生じ,パワーの大きな部分が小円内に移され再び透明電極1に達したとき外部に取り出される。これはスクランブリング効果が平均化作用をもつためである。
以上を要約すると,図6の構造は,以下の効果を有する。有機LEDから発した光を導波光に空費することなく放射光にする。放射光のうち,kx,kyが図6の小円内にある成分は透明電極1を通り抜けて外部に出力される。放射光のうち,kx,kyが図6の小円外・大円内,即ち円環内にある成分は全反射されるが2次元反射型回折格子のスクランブリング作用により小円内に多くの部分が移動し外部に取り出される。以上の繰り返しによりアクティブ部の発光は効率よく取り出される。材料の吸収損,鏡の反射損をゼロにできれば有機LEDの全発光を外部に取り出すことができる。上のスクランブリングについてより詳しく説明する。2次元の反射型回折格子を六方格子とし,その基本周期を光の空気中の波数と等しくした場合,小円を埋める光線群は図8の六つの点線の円に均分にスクランブルされる。小円内が空,円環部分が充実した光の束が回折格子に入射するとき,反射光は小円,円環内を均した分布となって戻っていく。
本明細書は,明記された内容のみならず,出願時において公知である全ての技術内容を含むものである。特に,明細書中に引用された文献については,引用することによりその全内容が本明細書に取り込まれるものである。
大画素系有機LED
実施例1は,図5に示されるような発光素子である有機LEDを実現するものである。この有機LEDは,2次元周期構造部と整形層とが連続して同一の組成にて製造されたものである。
厚さ0.5mmの石英の基板に電子ビーム露光用レジスト(日本ゼオン製ZEP-520A)を塗布し所定パターンを電子ビームで描画した。なお,石英基板に替えてガラス基板を用いる場合も同様にレジストを塗布できる。描画パターンは,図3に示されるパターンであり,六方格子状に,山と山,谷と谷のそれぞれ610nmピッチにて,凹凸を形成した。これは,発光する光の中心波長が530nm程度であると想定したためである。なお,基板の面のうち,レジストをパターニングする面と反対の面は平坦な面であっても良いし,平坦でなくてもよい。
塗布したレジストを現像した。その後,ドライエッチングにより露出した石英部分のみを115nmエッチングした。エッチング条件はCHF40sccm,O2sccm,RF電力100W,圧力1Paとした。基板に周期構造部を設ける工程は,光リソグラフィーやナノインプリントを用いる工程であってもよい。エッチング後,残留したレジストを除去した。このようにして,2次元周期構造(凹凸パターン)を得た。
次に,スパッタリングを行い,SiO層を成膜した。スパッタリングの条件は,チャンバー内の圧力を0.2Paとし,RF電力を800Wとした。この際,圧力が低い方が,凹部の奥部分まで所為膜されるため好ましい。基板側にもRF電力を印加することで,アルゴン(Ar)ガスによるエッチングを同時に行った。SiOの厚さは1000nmであった,このスパッタリングとエッチングを交互に行っても良い。スパッタリングとエッチングを組み合わせて行うことで,スパッタリングにより形成された凹凸の表面の急激な角度変化を滑らかにし,滑らかな起伏のある曲面を得ることができた。
なお,あらかじめハチの巣状の起伏を有するに原板を準備できれば,それをUV硬化樹脂に転写して所望の曲面を得たものを基板として用いてもよい。
SiO層上に五酸化タンタルからなる1000nmの膜厚を有する高屈折率整形層をスパッタリングにより形成した。なお,高屈折率整形層の組成は屈折率が高ければよいため,例えば酸化チタンや五酸化ニオブを用いてもよい。成膜方法は,スパッタ法のみならず,蒸着法又はCVD法でもよい。高屈折率整形層を成膜する際は,SiO層を成膜した際と同様,適宜エッチングを行いながら成膜してもよい。エッチングを適宜行うことで,高屈折率整形層を平坦にすることができる。エッチングを行いつつ高屈折率整形層を成膜する場合,エッチング量をSiO層に施したエッチング量よりも多くすることが好ましい。なお,高屈折率整形層は,化学機械研磨(CMP)を用いて,表面を平坦にしても良い。
次に,ITO層をスパッタリングにより整形する。ITO層を形成する部分以外にはマスキングを設け,マスキングがない部分のみにITOを形成すればよい。その後,有機LEDに公知の方法を用いて,有機発光層を形成する。有機発光層は,正孔輸送層,発光層及び電荷輸送層を含む。有機発光層を形成した後,有機発光層上に,電極層を形成する。本実施例においては,たとえば,アルミニウムを有機発光体層上に蒸着することで,不透明電極を形成する。このようにして有機LEDを製造できる。
高精細ディスプレイ系有機LED
実施例2は,図2に示されるような発光素子である有機LEDを実現するものである。この有機LEDは,2次元周期構造部が金属の反射層のものである。
実施例1と同様にして,基板に周期構造を形成した後に,SiO層を成膜した。SiO層上に,スパッタリングを用いて200nmのアルミニウムからなる反射層を形成した。反射層上に,五酸化タンタルからなる1000nmの膜厚を有する高屈折率整形層をスパッタリングにより形成した。高屈折率整形層の表面を平坦にした後に,公知の方法に従って,アクティブ部を形成する。このようにして,有機LEDを製造できる。
はじめに2次元周期構造部の設計をおこなった。放射光の方向転換を少ない往復回数で実現するためには,散乱でなく回折が有利である。さらに1回の回折で高屈折率媒質中の放射波のできるだけ大きな割合を低屈折率媒質中の伝搬波に変換できるよう,以下のように設計した。回折格子パターンを3方向の基本空間波数凹凸の重ね合わせた2次元回折格子(三角格子)とした。基本空間周波数を緑色(波長530nm)の自由空間波数とし,凹凸の山と山の間隔を610nmとした。凹凸の深さは,回折能率を決める数値である。零次回折能率が垂直入射光に対し20%を超えないようにするため,凹凸の深さを110nmとした。高屈折率層(Ta)の厚さを,TEモードとTMモードの数が共に5〜6となるよう1μmに選んだ。
次に上記の基板および有機LEDを作製した。基板には石英を用い,表面に三角格子状に凹凸パターンを電子ビーム露光と反応性イオンビームエッチングで作製した。凹凸形状はおおむねステップ状であった。その上に基板と同じ材料であるSiO層をバイアススパッタリング法で成膜して緩やかな凹凸パターン構造に形成した。さらにその上に高屈折率層(Ta)をバイアススパッタリング法で成膜し,表面を平滑化した。平滑化はその上に良質な有機発光層を形成するための重要な事項である。比較のため,同時に,同じ膜構成の凹凸なし試料,更に高屈折率層(Ta)を含まない単なる石英基板も用意した。
その3種類の基板上に透明電極・有機発光層・反射電極からなるアクティブ部を形成して有機LEDに仕上げた。図7は,実施例3におけるアクティブ部の構成を示す図である。
次に作成した有機LEDの評価を行った。最も重要な特性である電流密度対光出力の外部量子効率の比較をしたのが図8である。図8は,電流密度対光出力の外部量子効率を示す図である。広く用いられる基準電流密度(1mA/cm)において,
(a)標準的な基板,すなわち石英基板上の有機LED
(b)平坦な高屈折率層(Ta)上の有機LED
(c)下面に凹凸があり,上面は平坦な高屈折率層(Ta)上の有機LED
を比較した。その結果,(a)及び(b)はほぼ等しく,(c)すなわち目的とする構造は顕著に光が増加した。(a)の石英基板上有機LEDに比べ,(c)の構造の出力は1.4倍という値が得られた。
更に,石英基板に閉じ込められた光を取り出す目的で,石英基板の外側の面に散乱構造を付加した試料を作製し,同様の測定を行った。その結果,更に約1.2倍の出力向上を得た。標準基板に対する出力向上は1.4倍×1.2倍〜1.7倍となり,これは現時点で発表されている取出し効率の最高値である。これは本発明である2次元周期構造の効果を実証したことに他ならない。
本発明は,光学機器の分野で利用されうる。
1 アクティブ部 3 高屈折率整形層 5 2次元周期構造部
7 発光素子
11 第1の電極 13 有機発光層 15 第2の電極
17 透明基板

Claims (7)

  1. アクティブ部,高屈折率整形層,及び2次元周期構造部をこの順で含む,発光素子であって,
    前記アクティブ部は,第1の電極と,第1の電極に隣接した有機発光層と,前記有機発光層に隣接し,前記高屈折率整形層側に存在する第2の電極とを含み,
    前記第2の電極は透明電極であり,
    前記高屈折率整形層の上面は平坦であり,
    前記高屈折率整形層は,第2の電極,及び前記有機発光層のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有する,
    発光素子。
  2. 請求項1に記載の発光素子であって,第1の電極は,透明電極であり,
    前記高屈折率整形層は,第1の電極,第2の電極,及び前記発光層のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有する,発光素子。
  3. 請求項1に記載の発光素子であって,第1の電極は,不透明電極である発光素子。
  4. 請求項1に記載の発光素子であって,前記2次元周期構造部は,2次元的に周期的に配置された凹凸を含む,発光素子。
  5. 請求項1に記載の発光素子であって,前記2次元周期構造部は,2次元的に周期的に配置された凹凸を含む回折格子である,発光素子。
  6. 2次元周期構造を有する透明基板と,
    前記透明基板上に設けられた前記2次元周期構造を反映した形状を有する2次元周期構造部と,
    前記2次元周期構造部上に設けられた高屈折率整形層と,
    をこの順に有する有機LED用の基板であって,
    前記高屈折率整形層の上面は平坦であり,
    前記高屈折率整形層の上面にはアクティブ部が設けられる面であり,
    前記アクティブ部は,第1の電極と,第1の電極に隣接した有機発光層と,前記有機発光層に隣接し,前記高屈折率整形層側に存在する第2の電極とを含むものであり,
    前記第2の電極は透明電極であり,
    前記高屈折率整形層は,第2の電極,及び前記有機発光層のうち最も屈折率が高いものと同じ又かまたは高い屈折率を有する,
    有機LED用の基板。
  7. 請求項6に記載の有機LED用の基板であって,
    前記2次元周期構造部は,反射鏡面である,
    有機LED用の基板。

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